(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、プログラム、基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/285 20060101AFI20240722BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20240722BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01L21/285 C
C23C16/34
C23C16/44 J
(21)【出願番号】P 2022550379
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 JP2021026749
(87)【国際公開番号】W WO2022059325
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2020155517
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】定田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小川 有人
(72)【発明者】
【氏名】清野 篤郎
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/070079(WO,A1)
【文献】特開2010-219308(JP,A)
【文献】特開2005-203502(JP,A)
【文献】特開2000-058650(JP,A)
【文献】特開2005-011940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/285
C23C 16/34
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)処理容器内に基板を搬入する工程と、
(b)前記処理容器内に処理ガスを供給して、前記基板上
、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行う工程と、
(c)処理後の前記基板を前記処理容器内から搬出する工程と、
(d)処理後の前記基板を搬出した後の前記処理容器内にシリコン、
タングステン又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給する
ことにより、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁に形成された前記膜の表面を改質してアモルファス層を形成する工程と、
を有する
基板処理方法。
【請求項2】
(b)を、前記処理容器内において前記基板を支持具により支持した状態で行い、
(d)を、前記基板を支持しない状態の前記支持具を前記処理容器内において収容した状態で行う
請求項1に記載の
基板処理方法。
【請求項3】
(b)を、更にダミー基板を前記支持具により支持した状態で行い、
(d)を、更に前記ダミー基板を前記支持具により支持した状態で行う
請求項2に記載の
基板処理方法。
【請求項4】
(a)では、前記支持具により支持した前記基板を前記処理容器内へ搬入し、
(c)では、前記支持具により支持した前記基板を前記処理容器内から搬出し、
(e)(c)の後、(d)の前に、前記基板を支持しない状態の前記支持具を前記処理容器内へ搬入する工程を更に有する
請求項2又は3に記載の
基板処理方法。
【請求項5】
(a)を、更にダミー基板を前記支持具により支持した状態で行い、
(c)を、更に前記ダミー基板を前記支持具により支持した状態で行い、
(d)を、前記ダミー基板を前記支持具により支持した状態で行う
請求項3に記載の
基板処理方法。
【請求項6】
(f)(d)の後に、前記処理容器内に
前記処理ガスを供給し、
前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行う工程を更に有する
請求項1から
5のいずれか1項に記載の
基板処理方法。
【請求項7】
前記改質ガスは、シラン系ガスである
請求項1から
6のいずれか1項に記載の
基板処理方法。
【請求項8】
前記改質ガスは、モノシランガスであり、
(d)における前記処理容器内の温度は、400℃以上500℃以下である請求項1から
7のいずれか1項に記載の
基板処理方法。
【請求項9】
(a)処理容器内に基板を搬入させる手順と、
(b)前記処理容器内に処理ガスを供給して、前記基板上
、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行わせる手順と、
(c)処理後の前記基板を前記処理容器内から搬出させる手順と、
(d)処理後の前記基板を搬出した後の前記処理容器内にシリコン、
タングステン又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給させる
ことにより、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁に形成された前記膜の表面を改質させてアモルファス層を形成させる手順と、
をコンピュータにより基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項10】
処理容器と、
前記処理容器内に、基板を搬入出する搬送系と、
前記処理容器内に、処理ガスを供給する処理ガス供給系と、
前記処理容器内に、シリコン、
タングステン又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給する改質ガス供給系と、
前記処理容器内を排気する排気系と、
前記搬送系、前記処理ガス供給系、前記改質ガス供給系及び前記排気系を制御して、
(a)前記処理容器内に基板を搬入する処理と、
(b)前記処理容器内に処理ガスを供給して、前記基板上
、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行う処理と、
(c)処理後の前記基板を前記処理容器内から搬出する処理と、
(d)処理後の前記基板を搬出した後の前記処理容器内にシリコン、
タングステン又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給する
ことにより、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁に形成された前記膜の表面を改質してアモルファス層を形成する処理と、
を行うよう制御することが可能なように構成される制御部と、
を有する基板処理装置。
【請求項11】
(a)処理容器内に基板を搬入する工程と、
(b)前記処理容器内に処理ガスを供給して、前記基板上
、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行う工程と、
(c)処理後の前記基板を前記処理容器内から搬出する工程と、
(d)処理後の前記基板を搬出した後の前記処理容器内にシリコン、
タングステン又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給する
ことにより、前記処理容器内の部材、及び、前記処理容器の内壁に形成された前記膜の表面を改質してアモルファス層を形成する工程と、
を有する
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置の製造方法、プログラム、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元構造を持つNAND型フラッシュメモリやDRAMのワードラインとして例えば低抵抗なタングステン(W)膜が用いられている。また、このW膜と絶縁膜との間にバリア膜として例えば、窒化チタン(TiN)膜が設けられることがある(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。TiN膜は、W膜と絶縁膜の密着性を高める役割を有し、このTiN膜上にW膜を成長させる核形成膜が形成されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-66263号公報
【文献】国際公開第2019/058608号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような核形成膜が、処理容器内の内壁やダミー基板等にも形成され、累積膜厚が厚くなると大きな結晶粒として異常成長して、膜剥がれが発生することがある。
【0005】
本開示は、処理容器内の膜剥がれに起因するパーティクルの発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
(a)処理容器内に基板を搬入する工程と、
(b)前記処理容器内に処理ガスを供給して、前記基板上にチタニウムと窒素とを含む膜を形成する処理を行う工程と、
(c)処理後の前記基板を前記処理容器内から搬出する工程と、
(d)処理後の前記基板を搬出した後の前記処理容器内にシリコン、金属又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスを供給する工程と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、処理容器内の膜剥がれに起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略を示す縦断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態における基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。
【
図4】
図4(A)は、本開示の一実施形態におけるプロセスフローを示す図であり、
図4(B)は、
図4(A)のフローによって形成される処理容器内の内壁等の表面上のTiN膜を示す図である。
【
図5】
図5(A)は、本開示の一実施形態における成膜工程におけるガス供給の一例を示す図であり、
図5(B)は、本開示の一実施形態におけるトリートメント工程におけるガス供給の一例を示す図である。
【
図6】
図6(A)及び
図6(B)は、本開示の他の実施形態における基板処理装置の処理炉の概略を示す縦断面図である。
【
図7】比較例及び実施例1、2においてダミー基板上に形成されたTiN膜の表面粗さを比較して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~5を参照しながら説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
基板処理装置10は、加熱手段(加熱機構、加熱系)としてのヒータ207が設けられた処理炉202を備える。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0011】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管(反応容器、処理容器)を構成するアウタチューブ203が配設されている。アウタチューブ203は、例えば石英(SiO2)、炭化シリコン(SiC)などの耐熱性材料で構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ203の下方には、アウタチューブ203と同心円状に、マニホールド(インレットフランジ)209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)などの金属で構成され、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部と、アウタチューブ203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベースに支持されることにより、アウタチューブ203は垂直に据え付けられた状態となる。
【0012】
アウタチューブ203の内側には、反応容器を構成するインナチューブ204が配設されている。インナチューブ204は、例えば石英、SiCなどの耐熱性材料で構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。主に、アウタチューブ203と、インナチューブ204と、マニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成されている。処理容器の筒中空部(インナチューブ204の内側)には処理室201が形成されている。
【0013】
処理室201は、基板としてのウエハ200を、支持具としてのボート217によって水平姿勢で鉛直方向に多段に配列した状態で収容可能に構成されている。
【0014】
処理室201内には、ノズル410,420,430がマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430には、ガス供給管310,320,330が、それぞれ接続されている。ただし、本実施形態の処理炉202は上述の形態に限定されない。
【0015】
ガス供給管310,320,330には上流側から順に流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)312,322,332がそれぞれ設けられている。また、ガス供給管310,320,330には、開閉弁であるバルブ314,324,334がそれぞれ設けられている。ガス供給管310,320,330のバルブ314,324,334の下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管510,520,530がそれぞれ接続されている。ガス供給管510,520,530には、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるMFC512,522,532及び開閉弁であるバルブ514,524,534がそれぞれ設けられている。
【0016】
ガス供給管310,320,330の先端部にはノズル410,420,430がそれぞれ連結接続されている。ノズル410,420,430は、L字型のノズルとして構成されており、その水平部はマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430の垂直部は、インナチューブ204の径方向外向きに突出し、かつ鉛直方向に延在するように形成されているチャンネル形状(溝形状)の予備室201aの内部に設けられており、予備室201a内にてインナチューブ204の内壁に沿って上方(ウエハ200の配列方向上方)に向かって設けられている。
【0017】
ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から処理室201の上部領域まで延在するように設けられており、ウエハ200と対向する位置にそれぞれ複数のガス供給孔410a,420a,430aが設けられている。これにより、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aからそれぞれウエハ200に処理ガスを供給する。このガス供給孔410a,420a,430aは、インナチューブ204の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれ同一の開口面積を有し、さらに同一の開口ピッチで設けられている。ただし、ガス供給孔410a,420a,430aは上述の形態に限定されない。例えば、インナチューブ204の下部から上部に向かって開口面積を徐々に大きくしてもよい。これにより、ガス供給孔410a,420a,430aから供給されるガスの流量をより均一化することが可能となる。
【0018】
ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aは、後述するボート217の下部から上部までの高さの位置に複数設けられている。そのため、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給された処理ガスは、ボート217の下部から上部までに収容されたウエハ200の全域に供給される。ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から上部領域まで延在するように設けられていればよいが、ボート217の天井付近まで延在するように設けられていることが好ましい。
【0019】
ガス供給管310からは、処理ガスとして、金属元素を含む原料ガス(金属含有ガス)が、MFC312、バルブ314、ノズル410を介して処理室201内に供給される。原料としては、例えば金属元素としてのチタン(Ti、チタニウムともいう)を含み、ハロゲン系原料(ハロゲン化物、ハロゲン系チタン原料)としての四塩化チタン(TiCl4)が用いられる。
【0020】
ガス供給管320からは、処理ガスとして、処理室201内の壁面等に形成された膜を改質する改質ガスが、MFC322、バルブ324、ノズル420を介して処理室201内に供給される。改質ガスとしては、シリコン(Si)、金属又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含むガスを用いることができ、例えばシラン系ガスであり、シリコン(Si)とHを含むガスであるモノシラン(SiH4)ガス、ジシラン(Si2H6)ガス、トリシラン(Si3H8)ガス、テトラシラン(Si4H10)等を用いることができる。
【0021】
ガス供給管330からは、処理ガスとして、金属含有ガスに反応する反応ガスが、MFC332、バルブ334、ノズル430を介して処理室201内に供給される。反応ガスとしては、例えば窒素(N)を含むN含有ガスとしての例えばアンモニア(NH3)ガス、ヒドラジン(N2H4)ガスを用いることができる。
【0022】
ガス供給管510,520,530からは、不活性ガスとして、例えば窒素(N2)ガスが、それぞれMFC512,522,532、バルブ514,524,534、ノズル410,420,430を介して処理室201内に供給される。以下、不活性ガスとしてN2ガスを用いる例について説明するが、不活性ガスとしては、N2ガス以外に、例えば、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いてもよい。
【0023】
主に、ガス供給管310から原料ガスを流す場合、主に、ガス供給管310、MFC312、バルブ314により原料ガス供給系が構成されるが、ノズル410を原料ガス供給系に含めて考えてもよい。また、ガス供給管330から反応ガスを流す場合、主に、ガス供給管330、MFC332、バルブ334により反応ガス供給系が構成されるが、ノズル430を反応ガス供給系に含めて考えてもよい。ガス供給管330から反応ガスとして窒素含有ガスを供給する場合、反応ガス供給系を窒素含有ガス供給系と称することもできる。また、原料ガス供給系と反応ガス供給系を処理ガス供給系と称することもできる。また、ノズル410,430を処理ガス供給系に含めて考えてもよい。また、ガス供給管320から改質ガスを流す場合、主に、ガス供給管320、MFC322、バルブ324により改質ガス供給系が構成されるが、ノズル420を改質ガス供給系に含めて考えてもよい。改質ガス供給系をトリートメントガス供給系と称することもできる。また、主に、ガス供給管510,520,530、MFC512,522,532、バルブ514,524,534により不活性ガス供給系が構成される。
【0024】
本実施形態におけるガス供給の方法は、インナチューブ204の内壁と、複数枚のウエハ200の端部とで定義される円環状の縦長の空間内の予備室201a内に配置したノズル410,420,430を経由してガスを搬送している。そして、ノズル410,420,430のウエハと対向する位置に設けられた複数のガス供給孔410a,420a,430aからインナチューブ204内にガスを噴出させている。より詳細には、ノズル410のガス供給孔410a、ノズル420のガス供給孔420a、ノズル430のガス供給孔430aにより、ウエハ200の表面と平行方向に向かって原料ガス等を噴出させている。
【0025】
排気孔(排気口)204aは、インナチューブ204の側壁であってノズル410,420,430に対向した位置に形成された貫通孔であり、例えば、鉛直方向に細長く開設されたスリット状の貫通孔である。ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給され、ウエハ200の表面上を流れたガスは、排気孔204aを介してインナチューブ204とアウタチューブ203との間に形成された隙間(排気路206内)に流れる。そして、排気路206内へと流れたガスは、排気管231内に流れ、処理炉202外へと排出される。
【0026】
排気孔204aは、複数のウエハ200と対向する位置に設けられており、ガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内のウエハ200の近傍に供給されたガスは、水平方向に向かって流れた後、排気孔204aを介して排気路206内へと流れる。排気孔204aはスリット状の貫通孔として構成される場合に限らず、複数個の孔により構成されていてもよい。
【0027】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、APC(Auto Pressure Controller)バルブ243、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ243は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気及び真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができる。主に、排気孔204a、排気路206、排気管231、APCバルブ243及び圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
【0028】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に鉛直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属で構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219における処理室201の反対側には、ウエハ200を収容するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、アウタチューブ203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって鉛直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入及び搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217及びボート217に収容されたウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構、搬送系)として構成されている。
【0029】
ボート217は、複数枚、例えば25~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で鉛直方向に間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成されるダミー基板218が水平姿勢で多段に支持されている。この構成により、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなっている。ただし、本実施形態は上述の形態に限定されない。例えば、ボート217の下部にダミー基板218を設けずに、石英やSiC等の耐熱性材料で構成される筒状の部材として構成された断熱筒を設けてもよい。
【0030】
図2に示すように、インナチューブ204内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電量を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル410,420,430と同様にL字型に構成されており、インナチューブ204の内壁に沿って設けられている。
【0031】
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0032】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラム、後述する半導体装置の製造方法の手順や条件などが記載されたプロセスレシピなどが、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する半導体装置の製造方法における各工程(各ステップ)をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピ、制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、プロセスレシピ及び制御プログラムの組み合わせを含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0033】
I/Oポート121dは、上述のMFC312,322,332,512,522,532、バルブ314,324,334,514,524,534、圧力センサ245、APCバルブ243、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
【0034】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピ等を読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC312,322,332,512,522,532による各種ガスの流量調整動作、バルブ314,324,334,514,524,534の開閉動作、APCバルブ243の開閉動作及びAPCバルブ243による圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、ボート217へのウエハ200の収容動作等を制御するように構成されている。
【0035】
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0036】
(2)基板処理工程(基板処理方法)
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、複数枚のウエハ200上に、TiとNとを含む膜を形成するバッチ処理を複数回行う場合について、
図4(A)、
図4(B)、
図5(A)及び
図5(B)を用いて説明する。本工程は、上述した基板処理装置10の処理炉202を用いて実行される。以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。本工程にてバッチ処理される製品ウエハは、例えば半導体デバイスとして用いられるシャロートレンチアイソレーション(STI)であって、Si基板に形成された溝に、SiO
2膜を形成し、SiO
2膜上にTiN膜を埋め込むものである。なお、TiN膜はゲート電極として用いられる。
【0037】
本実施形態による基板処理工程(半導体装置の製造工程)では、
(a)処理容器内である処理室201内にウエハ200を搬入する工程と、
(b)処理室201内に処理ガスを供給して、ウエハ200上にTiとNとを含む膜を形成する処理を行う工程と、
(c)処理後のウエハ200を処理室201内から搬出する工程と、
(d)処理後のウエハ200を搬出した後の処理室201内にSi、金属又はハロゲンのうち少なくともいずれかを含む改質ガスであるSiH4ガスを供給する工程と、
を有する。
【0038】
(b)工程では、ウエハ200に対して、金属含有ガスであるTiCl4ガスを供給する工程と、反応ガスであるNH3ガスを供給する工程と、を1回以上行って、ウエハ200上に金属含有膜であるTiN膜を形成する。
【0039】
(d)工程では、ウエハ200を搬出した後の処理室201内に、改質ガスであるSiH4ガスを供給することにより、少なくとも処理室201内の壁面やダミー基板218等に形成されたTiN膜の表面を改質してアモルファス層等を形成する。
【0040】
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体」を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面」を意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
【0041】
[基板搬入工程、ステップS10]
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、
図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理容器内である処理室201内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介してアウタチューブ203の下端開口を閉塞した状態となる。本工程(ステップS10)では、未処理のウエハ200とダミー基板218がボート217により支持された状態で、ボート217が処理室201内に搬入される。
【0042】
(圧力調整および温度調整)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づき、APCバルブ243がフィードバック制御される(圧力調整)。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電量がフィードバック制御される(温度調整)。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は継続して行われる。
【0043】
[成膜工程、ステップS11、
図5(A)]
(TiCl
4ガス供給、ステップS11-1)
バルブ314を開き、ガス供給管310内に処理ガスであり原料ガスであるTiCl
4ガスを流す。TiCl
4ガスは、MFC312により流量調整され、ノズル410のガス供給孔410aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiCl
4ガスが供給される。このとき同時にバルブ514を開き、ガス供給管510内にN
2ガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管510内を流れたN
2ガスは、MFC512により流量調整され、TiCl
4ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル420,430内へのTiCl
4ガスの侵入を防止するために、バルブ524,534を開き、ガス供給管520,530内にN
2ガスを流す。N
2ガスは、ガス供給管320,330、ノズル420,430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。
【0044】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1~3990Paの範囲内の圧力で、例えば1000Paとする。MFC312で制御するTiCl4ガスの供給流量は、例えば0.1~2.0slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1~20slmの範囲内の流量とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300~500℃の範囲内の温度であって、例えば475℃となるような温度に設定する。本開示における「300~500℃」のような数値範囲の表記は、下限値および上限値がその範囲に含まれることを意味する。よって、例えば、「300~500℃」とは「300℃以上500℃以下」を意味する。他の数値範囲についても同様である。
【0045】
このとき処理室201内に流しているガスはTiCl4ガスとN2ガスのみである。TiCl4ガスの供給により、ウエハ200(表面の下地膜)上にTi含有層が形成される。Ti含有層は、Clを含むTi層であってもよいし、TiCl4の吸着層であってもよいし、それらの両方を含んでいてもよい。
【0046】
(残留ガス除去、ステップS11-2)
TiCl4ガスの供給を開始してから所定時間経過後であって例えば0.01~10秒後に、バルブ314を閉じて、TiCl4ガスの供給を停止する。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはTi含有層形成に寄与した後のTiCl4ガスを処理室201内から排除する。このときバルブ514,524,534は開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。N2ガスはパージガスとして作用し、処理室201内に残留する未反応もしくはTi含有層形成に寄与した後のTiCl4ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。
【0047】
(NH3ガス供給、ステップS11-3)
処理室201内の残留ガスを除去した後、バルブ334を開き、ガス供給管330内に、処理ガスであり反応ガスであるNH3ガスを流す。NH3ガスは、MFC332により流量調整され、ノズル430のガス供給孔430aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このときウエハ200に対して、NH3ガスが供給される。このとき同時にバルブ534を開き、ガス供給管530内にN2ガスを流す。ガス供給管530内を流れたN2ガスは、MFC532により流量調整される。N2ガスはNH3ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル410,420内へのNH3ガスの侵入を防止するために、バルブ514,524を開き、ガス供給管510,520内にN2ガスを流す。N2ガスは、ガス供給管310,320、ノズル410,420を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。
【0048】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1~3990Paの範囲内の圧力で、例えば1000Paとする。MFC332で制御するNH3ガスの供給流量は、例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。NH3ガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.01~30秒の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、TiCl4ガス供給ステップと同様の温度に設定する。
【0049】
このとき処理室201内に流しているガスは、NH3ガスとN2ガスのみである。NH3ガスは、ステップS11-1でウエハ200上に形成されたTi含有層の少なくとも一部と置換反応する。置換反応の際には、Ti含有層に含まれるTiとNH3ガスに含まれるNとが結合して、ウエハ200上にTiN層が形成される。
【0050】
(残留ガス除去、ステップS11-4)
TiN層を形成した後、バルブ334を閉じて、NH3ガスの供給を停止する。そして、上述した残留ガス除去と同様の処理手順により、処理室201内に残留する未反応もしくはTiN層の形成に寄与した後のNH3ガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
【0051】
(所定回数実施)
上記したステップS11-1~ステップS11-4を順に行うサイクルを所定回数(n回)、1回以上行うことにより、ウエハ200上に、所定の厚さのTiとNとを含む膜であるTiN膜を形成する。本工程(ステップS11)は、処理室201内においてウエハ200とダミー基板218がボート217により支持された状態で、in-situで行われる。
【0052】
(アフターパージおよび大気圧復帰)
ガス供給管510,520,530のそれぞれからN2ガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。N2ガスはパージガスとして作用し、これにより処理室201内が不活性ガスでパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0053】
[基板搬出工程、ステップS12]
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、アウタチューブ203の下端が開口される。そして、処理後の処理済ウエハ200がボート217に支持された状態でアウタチューブ203の下端からアウタチューブ203の外部に搬出(ボートアンロード)される。その後、処理済のウエハ200は、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。基板搬出工程(ステップS12)では、処理後のウエハ200とダミー基板218がボート217により支持された状態で処理室201内から搬出される。
【0054】
上述したように処理炉202内においてウエハ200上にTiN膜を形成する際、処理室201内の壁面やダミー基板218等にもTiN膜が形成される。そして、処理室201内の壁面やダミー基板218等に形成された膜の累積膜厚が厚くなると大きな結晶粒として異常成長して、処理室201内の壁面やダミー基板218の表面状態(ラフネス)が悪化して、膜剥がれが発生し、パーティクルの発生の要因となることがある。また、ウエハ200上に形成されるTiN膜の膜ストレスが変化してしまうことがある。ここで、ラフネスは、膜表面の表面粗さを意味する。
【0055】
本実施形態における基板処理工程(半導体装置の製造工程)では、上述した基板搬入工程(ステップS10)、成膜工程(ステップS11)及び基板搬出工程(ステップS12)を行って、処理後のウエハ200を処理室201内から搬出した後に(ex-situで)、未処理の次のバッチがある場合(ステップS13においてYes)に、次のトリートメント工程(ステップS14)を行ってから、次のバッチ処理(ステップS10~ステップS12)を実行する。すなわち、バッチ処理毎に(バッチ処理間で)、処理室201内に形成されたTiN膜に対して、トリートメント処理を実行する。これにより、処理室201内の壁面やダミー基板218等に形成されたTiN膜の表面が改質されることにより、表面が平坦化されてラフネスが改善され、膜剥がれが発生するのを抑制できる。
【0056】
成膜工程が終了し、処理済のウエハ200がボート217より取り出された後、ダミー基板218が支持され、ウエハ200が支持されていない状態のボート217が、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)され、次のトリートメント工程が実行される。すなわち、基板搬出工程(ステップS12)の後、次のバッチがある場合に、トリートメント工程(ステップS14)の前に、処理室201内に、ダミー基板218が支持され、ウエハ200が支持されていない状態のボート217が処理室201内に搬入される。すなわち、成膜処理を行った後のTiN膜が形成されたダミー基板218が支持され、成膜処理を行った後のウエハ200が支持されていない状態のボート217が処理室201内に搬入される。
【0057】
[トリートメント工程、ステップS14、
図5(B)]
(SiH
4ガス供給)
バルブ324を開き、ガス供給管320内にSi、金属、ハロゲンの少なくともいずれかを含む改質ガスであって、例えばシラン系ガスであるSiH
4ガスを流す。SiH
4ガスは、MFC322により流量調整され、ノズル420のガス供給孔420aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、処理室201内に対してSiH
4ガスが供給される。このとき同時にバルブ524を開き、ガス供給管520内にN
2ガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管520内を流れたN
2ガスは、MFC522により流量調整され、SiH
4ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、バルブ514,534を閉じ、ノズル410,430からのN
2ガスの供給を停止する。
【0058】
このときAPCバルブ243を全開(フルオープン)にする。MFC322で制御するSiH4ガスの供給流量は、例えば0.1~10slmの範囲内の流量であって、例えば2slmとなるような流量に設定する。MFC522で制御するN2ガスの供給流量は、例えば0.1~20slmの範囲内の流量とする。本工程(ステップS14)は、処理後のウエハ200が支持されていない状態のボート217が処理室201内において収容された状態で行われる。また、本工程は、処理後のダミー基板218がボート217により支持された状態で行われる。
【0059】
このとき処理室201内に流しているガスはSiH4ガスである。また、このときヒータ207の温度は、処理室201内の温度が、例えば200℃~500℃、好ましくは400℃~500℃の範囲内であって、例えば450℃の温度を一定に保つように設定する。具体的には、SiH4ガスを、SiH4ガスが分解する条件で、処理室201内へ供給する。400℃以上でSiH4ガスの分解が始まり、500℃以上で分解が激しく生じる。また、350℃ではSiH4ガスは分解しないが、TiN膜と反応することによりSiH4ガスが分解されてTiN膜にSiが拡散され、TiN膜の表面が改質されて窒化珪化チタン(TiSiN)層が形成される。つまり、本工程における処理室201内の温度を高くしたり、SiH4ガスの供給時間を長くすることにより、処理室201内の壁面やダミー基板218、ボート217等に形成されたTiN膜の表面を改質してTiSiN層又はSi層を形成することができる。このとき、形成されるTiSiN層又はSi層は、アモルファス(非晶質)層であることが好ましい。これにより、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の異常結晶成長が抑制され、膜の連続性が改善される。ここで連続性とは、異常成長した結晶により、TiNの正常な結晶が分断されていないことを意味する。即ち、TiNの正常な結晶の連なっている部分が増える。これにより、膜表面の表面粗さが小さくなり、膜の表面がフラット化(平坦化、平滑化)される。ここで、異常成長した結晶粒は、正常な結晶粒よりも大きく成長している結晶粒を意味する。なお、400℃よりも低い温度では、SiH4ガスの分解が不十分となり、ラフネスの改善効果が得られ難い。400℃~500℃の温度帯では、SiH4ガスの急速な分解を抑制しつつ、アモルファス(非晶質)層を形成できるため、ラフネスの改善効果が得られる。SiH4が急速に分解した場合、TiN膜上に、多結晶Siが形成され、多結晶Siの結晶粒により、ラフネスが大きくなる。また、500℃よりも高い温度では、SiH4ガスの分解が激しくなり、ラフネスの悪化したSi膜が形成される。それ故、400℃~500℃の範囲内の温度にすることが好ましい。
【0060】
ここで、改質処理が行われていない部分の膜は、ラフネスが悪化し、ラフネスが悪化している部分のガスの消費量が、ラフネスが良い部分のガス消費量と比較して多くなり、成膜工程においてウエハ200に供給されるガス量(ガス分子の量)が変化してしまう。本工程のように、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の表面を改質することにより、ウエハ200を処理する際のガス消費量を、処理毎に均一化させることが可能となる。また、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜を改質することにより、ラフネスが改善される。
【0061】
そして、トリートメント工程(ステップS14)を行った後に、上述した基板搬入工程(ステップS10)、成膜工程(ステップS11)及び基板搬出工程(ステップS12)を行う。このように、バッチ間においてトリートメント工程を行って、
図4(B)に示すように、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の表面を改質してTiSiN層又はSi層を形成した後に、次のバッチ処理を行うことにより、処理室201内の壁面等に形成されたTiSiN層又はSi層上にTiN膜が形成され、次のバッチ処理の成膜工程におけるガスの消費量を処理毎に均一化させることができる。
【0062】
ここで、処理室201内の壁面等に形成された膜種によって、成膜工程時の処理ガスの吸着量が変化する。具体的には、処理室201内の壁面等に形成された膜がTiN膜かTiSiN膜かSi膜かによって、それぞれの膜に対する成膜工程における処理ガスであるTiCl4の吸着量が変化してしまう。表面にTiN膜を均一に形成することにより、成膜工程時における処理室201内の壁面等における処理ガスの消費量が変化することを抑制し、ウエハ200上に、局所的に、異なる特性の膜が形成されてしまうことを抑制することができる。すなわち、ウエハ200毎やバッチ処理毎のウエハ上に形成されるTiN膜の厚さ、電気特性等の膜の特性等の処理品質を均一化させることが可能となる。
【0063】
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、処理室201内の壁面やダミー基板218等に形成されたTiN膜の表面を改質してTiN膜とは結晶構造の異なるTiSiN層又はSi層を形成する。これにより、TiN膜の異常結晶成長が抑制される。よって、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の膜剥がれが抑制され、異物としてウエハ200に付着しないようにすることができる。すなわち、処理室内(処理容器内)の膜剥がれに起因するパーティクルの発生を抑制することができる。また、ダミー基板218を搭載したボート217を処理室201内に搬入した状態でトリートメント工程を行うため、ボート217やボート217に搭載されたダミー基板218等に形成されたTiN膜の膜剥がれも抑制されて、スループットが向上される。また、ウエハ200上に形成される膜の膜ストレスの変化が改善(ウエハ200上に形成される膜の膜ストレスの上昇が低減)され、ウエハ200上に形成される膜の特性等の処理品質を均一化させることができる。
【0064】
(4)他の実施形態
以上、本開示の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0065】
上記実施形態では、トリートメント工程において、改質ガスとしてSi含有ガスでありシラン系ガスであるSiH
4ガスを用いる場合を例にして説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、Siとハロゲンを含むガスであるモノクロロシラン(SiH
3Cl)、ジクロロシラン(SiH
2Cl
2)、トリクロロシラン(SiHCl
3)、ヘキサクロロジシラン(Si
2Cl
6、HCDS)等のクロロシラン系のガスを用いることができる。この場合であっても、上述した
図4(A)に示すプロセスフローと同様の効果が得られる。
【0066】
また、上記実施形態では、トリートメント工程において、改質ガスとしてSi含有ガスでありシラン系ガスであるSiH
4ガスを用いる場合を例にして説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、改質ガスとしてハロゲン含有ガスを用いる場合にも適用可能である。ハロゲン含有ガスとしては、三フッ化窒素(NF
3)、六フッ化タングステン(WF
6)、三フッ化塩素(ClF
3)、フッ素(F
2)、フッ化水素(HF)ガス等を用いることができる。改質ガスとしてハロゲン含有ガスを用いることにより、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜上の異常成長物をエッチングすることができ、TiN膜表面が平坦化されて、上述した
図4(A)に示すプロセスフローと同様の効果が得られる。
【0067】
また、トリートメント工程において、改質ガスとしてWF
6ガスを供給する場合には、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜上の異常成長物をエッチングする場合に限らず、WF
6ガスを供給することにより処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜上にW膜を形成してもよい。この場合であっても、上述した
図4(A)に示すプロセスフローと同様の効果が得られる。
【0068】
また、上記実施形態では、トリートメント工程において、改質ガスとして酸素含有ガスであるO
2ガスや水蒸気(H
2O)等を用いることができる。改質ガスとして酸素含有ガスを用いることにより、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の表面が酸化されて、TiN膜の異常結晶成長が抑制される。これにより、処理室201内に形成されたTiN膜の膜剥がれが抑制され、異物としてウエハ200に付着しないようにすることができる。すなわち、処理室内の膜剥がれに起因するパーティクルの発生を抑制することができ、上述した
図4(A)に示すプロセスフローと同様の効果が得られる。
【0069】
また、上記実施形態では、トリートメント工程において、改質ガスとして低純度のN
2ガス、大気等を用いることができる。これにより、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の表面が改質されて、TiN膜の異常結晶成長が抑制され、上述した
図4(A)に示すプロセスフローと同様の効果が得られる。
【0070】
また、上記実施形態では、トリートメント工程において、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜を改質する改質ガスを供給する場合を例にして説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、トリートメント工程において、例えばジクロロシラン(SiH2Cl2)ガスの供給とNH3ガスの供給をそれぞれ1回以上行って、処理室201内の壁面等に形成されたTiN膜の上にTiSiN膜を形成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ダミー基板218が支持された状態のボート217をTiN膜が形成された処理室内に搬入した後(ボートロード後)に、トリートメント工程を行う場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、ダミー基板218が支持されていない状態のボート217をTiN膜が形成された処理室201内に搬入した後に、トリートメント工程を行ってもよく、ボート217をTiN膜が形成された処理室201内に搬入しないでトリートメント工程を行ってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、バッチ処理を1回行う毎にトリートメント工程を行う場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、バッチ処理を所定回数行った後に、トリートメント工程を行ってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、成膜工程として、Ti含有ガスを供給する工程と、N含有ガスを供給する工程と、を交互に繰り返し行って、ウエハ200上にTiとNを含む膜を形成する場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されず、TiとNを含むガスの供給のみによりTiとNを含む膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
【0074】
また、上記実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型装置である基板処理装置を用いて成膜する例について説明したが、本開示はこれに限定されず、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて成膜する場合にも、好適に適用できる。
【0075】
例えば、
図6(A)に示す処理炉302を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本開示は好適に適用できる。処理炉302は、処理室301を形成する処理容器303と、処理室301内にガスをシャワー状に供給するシャワーヘッド303sと、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持具としての支持台317と、支持台317を下方から支持する回転軸355と、支持台317に設けられたヒータ307と、を備えている。シャワーヘッド303sのインレット(ガス導入口)には、上述の原料ガスを供給するガス供給ポート332aと、上述の反応ガスを供給するガス供給ポート332bと、上述の改質ガスを供給するガス供給ポート332cが接続されている。ガス供給ポート332aには、上述の実施形態の原料ガス供給系と同様の原料ガス供給系が接続されている。ガス供給ポート332bには、上述の実施形態の反応ガス供給系と同様の反応ガス供給系が接続されている。ガス供給ポート332cには、上述の改質ガス供給系と同様のガス供給系が接続されている。シャワーヘッド303sのアウトレット(ガス排出口)には、処理室301内にガスをシャワー状に供給するガス分散板が設けられている。処理容器303には、処理室301内を排気する排気ポート331が設けられている。排気ポート331には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
【0076】
また例えば、
図6(B)に示す処理炉402を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本開示は好適に適用できる。処理炉402は、処理室401を形成する処理容器403と、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持具としての支持台417と、支持台417を下方から支持する回転軸455と、処理容器403のウエハ200に向けて光照射を行うランプヒータ407と、ランプヒータ407の光を透過させる石英窓403wと、を備えている。処理容器403には、上述の原料ガスを供給するガス供給ポート432aと、上述の反応ガスを供給するガス供給ポート432bと、上述の改質ガスを供給するガス供給ポート432cが接続されている。ガス供給ポート432aには、上述の実施形態の原料ガス供給系と同様の原料ガス供給系が接続されている。ガス供給ポート432bには、上述の実施形態の反応ガス供給系と同様の反応ガス供給系が接続されている。ガス供給ポート432cには、上述の実施形態の改質ガス供給系と同様のガス供給系が接続されている。処理容器403には、処理室401内を排気する排気ポート431が設けられている。排気ポート431には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
【0077】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態と同様なシーケンス、処理条件にて成膜を行うことができる。
【0078】
これらの各種薄膜の形成に用いられるプロセスレシピ(処理手順や処理条件等が記載されたプログラム)は、基板処理の内容(形成する薄膜の膜種、組成比、膜質、膜厚、処理手順、処理条件等)に応じて、それぞれ個別に用意する(複数用意する)ことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、基板処理の内容に応じて、複数のプロセスレシピの中から、適正なプロセスレシピを適宜選択することが好ましい。具体的には、基板処理の内容に応じて個別に用意された複数のプロセスレシピを、電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体(外部記憶装置123)を介して、基板処理装置が備える記憶装置121c内に予め格納(インストール)しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、基板処理装置が備えるCPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のプロセスレシピの中から、基板処理の内容に応じて、適正なプロセスレシピを適宜選択することが好ましい。このように構成することで、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の薄膜を汎用的に、かつ、再現性よく形成できるようになる。また、オペレータの操作負担(処理手順や処理条件等の入力負担等)を低減でき、操作ミスを回避しつつ、基板処理を迅速に開始できるようになる。
【0079】
また、本開示は、例えば、既存の基板処理装置のプロセスレシピを変更することでも実現できる。プロセスレシピを変更する場合は、本開示に係るプロセスレシピを電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体を介して既存の基板処理装置にインストールしたり、また、既存の基板処理装置の入出力装置を操作し、そのプロセスレシピ自体を本開示に係るプロセスレシピに変更したりすることも可能である。
【0080】
以上、本開示の種々の典型的な実施形態を説明してきたが、本開示はそれらの実施形態に限定されず、適宜組み合わせて用いることもできる。
【0081】
(5)実施例
先ず、上述した基板処理装置10を用いて、上述した基板処理工程における
図5(A)に示す成膜工程より、TiN膜が形成されていない処理室201内においてダミー基板218上に250Åの膜厚のTiN膜を形成し、ダミー基板218上に形成されたTiN膜の表面を、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy)を用いて観測した。
図7に示されるように、ダミー基板218上に形成されたTiN膜の表面の二乗平均粗さ(Rms)は、1.62nm、最大高低差(Rmax)は、25.7nmだった。そして、TiN膜が形成された処理室201内に、250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218を搬入して、後述する比較例、実施例1及び実施例2をそれぞれ行って、ダミー基板218上に形成されたTiN膜の表面を、それぞれ原子間力顕微鏡を用いて観測した。
【0082】
比較例では、上述した基板処理装置10を用いて、TiN膜が形成された処理室201内に250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218をそのまま搬入して、上述した
図4(A)及び
図5(B)に示すトリートメント工程を行わないで、TiN膜が形成されたダミー基板218上に、さらに250Åの膜厚のTiN膜を形成し、TiN膜の表面を原子間力顕微鏡を用いて観測した。
【0083】
実施例1では、上述した基板処理装置10を用いて、TiN膜が形成された処理室201内に250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218をそのまま搬入して、250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218に対してSiH
4ガスを供給して、上述した
図4(A)及び
図5(B)に示すトリートメント工程を行った。そして、更に上述した
図5(A)に示す成膜工程を行ってダミー基板218上にさらに250Åの膜厚のTiN膜を形成し、TiN膜の表面を原子間力顕微鏡を用いて観測した。
【0084】
実施例2では、上述した基板処理装置10を用いて、TiN膜が形成された処理室201内に250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218をそのまま搬入して、250Åの膜厚のTiN膜が形成されたダミー基板218に対してO
2ガスを供給してトリートメント工程を行った。そして、更に上述した
図5(A)に示す成膜工程を行ってダミー基板218上にさらに250Åの膜厚のTiN膜を形成し、TiN膜の表面を原子間力顕微鏡を用いて観測した。
【0085】
図7に示されるように、比較例におけるダミー基板218上のTiN膜の表面の二乗平均粗さ(Rms)は、13.6nm、最大高低差(Rmax)は、85.5nmだった。また、実施例1におけるダミー基板218上のTiN膜の表面の二乗平均粗さ(Rms)は、2.16nm、最大高低差(Rmax)は、22.9nmだった。また、実施例2におけるダミー基板218上のTiN膜の表面の二乗平均粗さ(Rms)は、3.28nm、最大高低差(Rmax)は、32.3nmだった。
【0086】
比較例、実施例1及び実施例2におけるTiN膜の表面の評価結果によれば、比較例におけるTiN膜の表面では、バッチ間にトリートメント工程を行った実施例1及び実施例2と比較して、二乗平均粗さも最大高低差も大きくなり、TiN膜の異常成長量が大きいことが確認された。
【0087】
すなわち、処理室201内で成膜工程を行なう場合に、バッチ間で処理室201内をトリートメント処理することにより、バッチ間でトリートメント処理を行わない場合と比較して、TiN膜表面の二乗平均粗さも最大高低差も小さくなり、TiN膜の異常な結晶成長が抑制され、表面のラフネスが改善していることが確認された。つまり、バッチ間にトリートメント工程を行なうことにより、処理室201内の壁やダミー基板218等に形成された核形成膜の成長を抑制でき、ラフネスが改善されることが確認された。
【符号の説明】
【0088】
10 基板処理装置
121 コントローラ
200 ウエハ(基板)
201 処理室