(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】導管システム、放射源、リソグラフィ装置、及びそれらの方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/036 20060101AFI20240722BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240722BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01S3/036
G03F7/20 521
G03F7/20 502
H01S3/00 A
(21)【出願番号】P 2022555845
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021021543
(87)【国際公開番号】W WO2021206838
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-09
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,エドワード,スーチー
(72)【発明者】
【氏名】スタイガー,トーマス,ディクソン
(72)【発明者】
【氏名】エッフェンベルガー ジュニア,アンドリュー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カーメチ,モハマド,アミン
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0169341(US,A1)
【文献】特開平03-200386(JP,A)
【文献】特開昭61-251186(JP,A)
【文献】特開平06-152013(JP,A)
【文献】米国特許第09673588(US,B1)
【文献】特開昭63-108786(JP,A)
【文献】特開平07-226550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
G03F 7/20ー7/24
G03F 9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射を発生させるパルス放電放射源であって、
ガスと前記放射の発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるガスチャンバと、
前記ガスチャンバに連結された汚染物質フィルタと、
前記ガスを前記ガスチャンバの外部の環境から分離し、前記放射が前記ガスチャンバと前記環境との間を行き来することを可能にするウィンドウと、
前記ガスの交換
及び前記ガスの放出を可能にする補充経路、
及び前記放射の発生中に前記ガスを前記ガスチャンバとの間で循環させる導管を備えた導管システムと、を備え、
前記導管システムが、前記導管システムが少なくとも前記ウィンドウの可使寿命を延ばすように、前記汚染物質が前記ウィンドウに接触するのを防ぐため
に、補充ガス及び前記ガスの流れを方向付けるように構成され、
前記導管システムが、
前記汚染物質フィルタを通ったガスが前記ウィンドウに接触して前記ガスチャンバに循環させるように配置された第1導管と、
前記第1導管に設けられた第1の一方向バルブ
と、
前記補充経路及び前記第1導管に接続されたバイパス導管と、
前記バイパス導管に設けられた第2の一方向バルブと、
前記ガスチャンバと前記補充経路とを接続する第2導管と、
前記第2の導管に設けられた第3の一方向バルブと、
を備える、
パルス放電放射源。
【請求項2】
前記一方向バルブが、ボールチェックバルブ、フラップチェックバルブ、ばねチェックバルブ、及び重力チェックバルブのうちの少なくとも1つを含む、請求項1のパルス放電放射源。
【請求項3】
前記導管システムが、前記汚染物質が前記補充経路に入ることを妨げるために前記ガスの放出を可能にする排出経路を更に備える、請求項1のパルス放電放射源。
【請求項4】
前記放射を発生させるために前記ガスに電気パルスを送達する電気的接続を更に備えた、請求項1のパルス放電放射源。
【請求項5】
パターニングデバイスのパターンを照明するために放射を発生させるパルス放電照明システムと、
前記パターンの像を基板上に投影する投影システムと、を備えたリソグラフィ装置であって、
前記照明システムが、
ガスと前記放射の発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるガスチャンバと、
前記ガスチャンバに連結された汚染物質フィルタと、
前記ガスを前記ガスチャンバの外部の環境から分離し、前記放射が前記ガスチャンバと前記環境との間を行き来することを可能にするウィンドウと、
前記ガスの交換
及び前記ガスの放出を可能にする補充経路、
及び前記放射の発生中に前記ガスを前記ガスチャンバとの間で循環させる導管を備えた導管システムと、を備え、
前記導管システムが、前記導管システムが少なくとも前記ウィンドウの可使寿命を延ばすように、前記汚染物質が前記ウィンドウに接触するのを防ぐために
、補充ガス及び前記ガスの流れを方向付けるように構成され、
前記導管システムが、
前記汚染物質フィルタを通ったガスが前記ウィンドウに接触して前記ガスチャンバに循環させるように配置された第1導管と、
前記第1導管に設けられた第1の一方向バルブ
と、
前記補充経路及び前記第1導管に接続されたバイパス導管と、
前記バイパス導管に設けられた第2の一方向バルブと、
前記ガスチャンバと前記補充経路とを接続する第2導管と、
前記第2の導管に設けられた第3の一方向バルブと、
を備える、
リソグラフィ装置。
【請求項6】
前記一方向バルブが、ボールチェックバルブ、フラップチェックバルブ、ばねチェックバルブ、及び重力チェックバルブのうちの少なくとも1つを含む、請求項
5のリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記導管システムが、前記汚染物質が前記補充経路に入ることを妨げるために前記ガスの放出を可能にする排出経路を更に備える、請求項
5のリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2020年4月6日に出願されたCONDUIT SYSTEM, RADIATION SOURCE, LITHOGRAPHIC APPARATUS, AND METHODS THEREOFと題する米国出願第63/005,845号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、パルス放電放射源、例えばリソグラフィシステム用の紫外線ガス放電レーザに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 深紫外線(DUV)放射を生成する方法は、これに限定されるわけではないが、パルス放電放射源を使用することを含む。エキシマレーザはパルス放電放射源の一例である。パルス放電放射源は、チャンバに閉じ込められたガス分子を励起して所望の波長のレーザ放射を発生させる。放射はウィンドウを介してチャンバから排出される可能性がある。ガス分子は、これらに限定されるわけではないが、フッ素、ネオン、クリプトン、アルゴンなどを含む可能性がある。ガス分子は、ガスに電極を介して電圧(例えば電気パルス)を供給することによって励起される可能性がある。放射源の寿命にわたって、ガスチャンバは電極とガスとの相互作用によって汚染物質粒子を成長させることがある。そして汚染物質粒子は、他の感光性部品(例えばウィンドウ)を汚染し、放射源の予期せぬ早期故障を引き起こすことがある。
【0004】
[0004] パルス放電放射源は、様々な用途において放射を発生させる、例えばリソグラフィ装置においてDUV放射を発生させるために利用されることがある。リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に、通常は基板のターゲット部分上に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)に製造において使用される可能性がある。その場合、マスク又はレチクルであり得るパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えばダイの一部、1つのダイ、又はいくつかのダイを含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板上に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含むことになる。既知のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすると同時に、ターゲット部分をスキャン方向と平行あるいは逆平行方向に同期的にスキャンすることによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを備える。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置は通常、放射がパターニングデバイスに入射する前に放射源が発生させた放射を調節する照明システムを備える。DUV光のパターン付きビームを使用して、基板上に極端に小さいフィーチャを生成することができる。照明システムは、ガスチャンバ内の汚染物質による早期故障の影響を受けやすいガスチャンバを有するパルス放電放射源を備えることがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] したがって、例えば放射源内のガス流を管理することによって、感光性コンポーネントを保護すること、又は汚染物質によるパルス放電放射源の早過ぎる故障の可能性を低下させることが望ましい。
【0007】
[0007] 一部の実施形態では、パルス放電放射源がガスチャンバ、ウィンドウ、及び導管システムを備える。導管システムは補充経路及び導管を備える。パルス放電放射システムは放射を発生させるように構成されている。ガスチャンバは、ガスと発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるように構成されている。ウィンドウは、ガスをガスチャンバの外部の環境から分離し、放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にするように構成されている。補充経路はガスの交換を可能にするように構成されている。導管は、発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させるように構成されている。導管システムは、導管システムが少なくともウィンドウの可使寿命を延ばすように、汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、少なくとも補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付けるように構成されている。
【0008】
[0008] 一部の実施形態では、方法が、パルス放電放射源を使用して放射を発生させること、ガスチャンバを使用して、ガスと発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めること、ウィンドウを使用してガスをガスチャンバの外部の環境から分離すること、ウィンドウを使用して、放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にすること、補充経路を使用してガスを交換すること、発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させること、及び汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付けることを含む。
【0009】
[0009] 一部の実施形態では、リソグラフィ装置は照明システム及び投影システムを備える。照明システムは、ガスチャンバ、ウィンドウ、及び導管システムを備える。照明システムは、パターニングデバイスのパターンを照明するように構成されている。ガスチャンバは、ガスと発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるように構成されている。ウィンドウは、ガスをガスチャンバの外部の環境から分離し、放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にするように構成されている。補充経路はガスの交換を可能にするように構成されている。導管は、発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させるように構成されている。導管システムは、導管システムが少なくともウィンドウの可使寿命を延ばすように、汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、少なくとも補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガスとガスの流れを方向付けるように構成されている。投影システムは、パターンの像を基板上に投影するように構成されている。
【0010】
[0010] 本開示の更なる特徴、並びに様々な実施形態の構造及び動作は、添付の図面を参照して、以下で詳細に説明する。なお、本開示は、本明細書中に説明される具体的な実施形態に限定されない。そのような実施形態は、例示のみを目的として本明細書中に提示される。当業者には、本明細書に含まれる教示に基づいて、追加的な実施形態が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0011] 本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は本開示を図示し、説明とともに、更に本開示の原理を説明し、当業者が本明細書に記載の実施形態を実施及び使用できるようにする働きをする。
【0012】
【
図1A】[0012] 一部の実施形態に係る反射型リソグラフィ装置を示す。
【
図1B】[0013] 一部の実施形態に係る透過型リソグラフィ装置を示す。
【
図2】[0014] 一部の実施形態に係るリソグラフィセルの概略を示す。
【
図3】[0015] 一部の実施形態に係る放射源を示す。
【
図4】[0015] 一部の実施形態に係る放射源を示す。
【
図5A】[0016] 一部の実施形態に係る放射源の一部を示す。
【
図5B】[0016] 一部の実施形態に係る放射源の一部を示す。
【
図5C】[0016] 一部の実施形態に係る放射源の一部を示す。
【
図6】[0017] 一部の実施形態に係る一方向バルブを示す。
【
図7】[0018] 一部の実施形態に係る一方向バルブの断面を示す。
【
図8】[0019] 一部の実施形態に係る、本明細書に記載の実施形態の機能を実行するための方法ステップを示すフローチャートである。
【0013】
[0020] 本開示の特徴は、図面と併せて捉えたときに、以下に記載された詳細な説明からより明らかになるであろう。全図を通じて、同じ参照符号は対応する要素を識別する。図面では、同じ参照番号は一般に同一、機能的に類似、及び/又は構造的に類似の要素を示す。さらに、一般に、参照番号の左端の桁は、その参照番号が最初に現れる図面を識別する。別途示されない限り、本開示を通じて提供される図面は、縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0021] この明細書は、本開示の特徴を包含する1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ以上の実施形態は例示である。本開示の範囲は開示される1つ以上の実施形態に限定されない。特許請求される特徴は、本明細書に付された特許請求の範囲によって定義される。
【0015】
[0022] 説明される1つ以上の実施形態、及び「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」、「一例の実施形態」などへの明細書内での言及は、説明する1つ以上の実施形態が特定の特徴、構造又は特性を備えることがあるが、あらゆる実施形態がその特定の特徴、構造又は特性を必ずしも備えない場合があることを示している。また、このような表現は同一の実施形態を必ずしも指し示していない。更に、実施形態とともに特定の特徴、構造又は特性が記載される場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、そのような特徴、構造又は特性を他の実施形態とともに実現することは当業者の知識内であることが理解される。
【0016】
[0023] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は機能と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の機能との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0017】
[0024] 本明細書で使用される「約」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」という語は、例えばその値の10~30%(例えば、その値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0018】
[0025] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせに実装される可能性がある。本開示の実施形態はまた、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る、機械可読媒体に格納された命令として実装されることがある。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形式で情報を格納又は送信するための任意のメカニズムを備えることがある。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことがある。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明される可能性がある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは、実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じることが認識されるべきである。
【0019】
[0026] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0020】
[0027] 例示的なリソグラフィシステム
[0028]
図1A及び
図1Bは、それぞれ本開示の実施形態が実装され得るリソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’の概略図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’はそれぞれ以下の、放射ビームB(例えば深紫外放射又は極端紫外放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、又は動的パターニングデバイス)MAを支持するように構成されるとともに、パターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成されるとともに、基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTとを備える。リソグラフィ装置100及び100’は、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは透過型である。
【0021】
[0029] 照明システムILは、放射ビームBを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0022】
[0030] 支持構造MTは、基準フレームに対するパターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置100及び100’のうちの少なくとも1つの設計等の条件、及びパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的、真空、静電、又は他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスMAを保持することができる。支持構造MTは、例えば、フレーム又はテーブルでもよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。センサを使用することにより、支持構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して確実に所望の位置に来るようにできる。
【0023】
[0031] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成する等のために放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用され得る何らかのデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する可能性がある。
【0024】
[0032] パターニングデバイスMAは、(
図1Bのリソグラフィ装置100’におけるように)透過型であっても、(
図1Aのリソグラフィ装置100におけるように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例には、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、又はプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、又はハーフトーン型位相シフトマスク、さらには多様なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、それぞれが入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜され得る小さいミラーのマトリクス配列を採用する。傾斜されたミラーは、小さいミラーのマトリクスにより反射される放射ビームBにパターンを付与する。
【0025】
[0033] 「投影システム」PSという用語は、用いられる露光放射に、又は液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要素に適切な屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型及び静電型光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを含むことができる。真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に真空環境を提供することができる。
【0026】
[0034] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野でよく知られている。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0027】
[0035]
図1A及び
図1Bを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100’とは別個の物理的実体であってよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100又は100’の一部を構成するとは見なされず、放射ビームBは放射源SOから、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えたビームデリバリシステムBD(
図1B)を介してイルミネータILへ通過する。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100’の一体部分であってよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビームデリバリシステムBDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと呼ばれることがある。
【0028】
[0036] イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタAD(
図1B)を備えてよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ「σ-outer」及び「σ-inner」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネント(
図1B)を備えてもよい。イルミネータILは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームBを調節するのに使用することができる。
【0029】
[0037]
図1Aを参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン付与される。リソグラフィ装置100では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後に、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けによって、基板テーブルWTを(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
【0030】
[0038]
図1Bを参照すると、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に放射ビームBが入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分Cにビームを合焦させる。
【0031】
[0039] 投影システムPSは、マスクパターンMPの像を投影する。像は、強度分布からの放射によりマークパターンMPから生成された回折ビームによって、基板W上に被覆されたフォトレジスト層上に形成される。例えば、マスクパターンMPには、ラインとスペースのアレイが含まれてよい。アレイでの放射回折でゼロ次回折でないものからは、ラインと垂直な方向に方向が変わった誘導回折ビームが生成される。非回折ビーム(すなわち、いわゆるゼロ次回折ビーム)は、伝搬方向が変化することなくパターンを横断する。ゼロ次回折ビームは、投影システムPSの共役な瞳PPUの上流にある投影システムPSの上部レンズ又は上部レンズグループを横断して、共役な瞳PPUに到達する。ゼロ次回折ビームに関連する共役な瞳PPUの面における強度分布の部分が、照明システムILの照明システム瞳IPUの強度分布の像である。開口デバイスPDは、例えば投影システムPSの共役な瞳PPUを含む平面に又は概ね平面に配置される。
【0032】
[0040] 投影システムPSは、レンズ又はレンズグループLによって、ゼロ次回折ビームばかりでなく1次又は1次以上の回折ビーム(図示しない)をもキャプチャするように配置される。一部の実施形態においては、ラインに垂直な方向に延伸するラインパターンを結像するための二重極照明を使用して、二重極照明の高解像度化効果を利用することができる。例えば、1次回折ビームは、対応するゼロ次回折ビームとウェーハWのレベルで干渉して、可能な最高解像度及びプロセスウィンドウ(すなわち、許容可能な露光ドーズ偏差と組み合わせた使用可能な焦点深度)でラインパターンMPの画像を作り出す。一部の実施形態では、非点収差は、照明システムの瞳IPUの反対側の象限に放射極(図示せず)を設けることによって低減することができる。
【0033】
[0041] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、(例えば放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、(例えばマスクライブラリの機械的な取り出し後又はスキャン中に)第1のポジショナPM及び別の位置センサ(
図1Bに図示せず)を使用して、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。
【0034】
[0042] 一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。(図示のような)基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0035】
[0043] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは、真空チャンバV内にあってよい。真空内ロボットIVRを用いて、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバ内及び外に移動させることができる。代替的に、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様に、様々な輸送作業のために真空外ロボットを用いることができる。真空内及び真空外ロボットは、共に中継ステーションの固定されたキネマティックマウントへの任意のペイロード(例えばマスク)のスムーズな移動のために較正される必要がある。
【0036】
[0044] リソグラフィ装置100及び100’は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0037】
[0045] 1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、実質的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
【0038】
[0046] 2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
【0039】
[0047] 3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。パルス放射源SOを使用することができ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0040】
[0048] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0041】
[0049] 一部の実施形態では、リソグラフィ装置100’は、DUVリソグラフィのためのDUV放射ビームを発生させるように構成されている深紫外線(DUV)源を備える。DUV源は、例えばガス放電レーザ(例えばエキシマレーザ)である可能性がある。
【0042】
[0050] 例示的なリソグラフィセル
[0051]
図2は、一部の実施形態に係る、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセル200を示している。リソグラフィ装置100又は100’はリソグラフィセル200の一部を構成することができる。また、リソグラフィセル200は、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する1つ以上の装置を備えることができる。従来から、これらにはレジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光したレジストを現像するためのデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラ、すなわちロボットROが、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを様々なプロセス装置間で移動させ、リソグラフィ装置100又は100’のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監視制御システムSCSによって制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがって、これらの様々な装置をスループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
【0043】
[0052] 例示的な放射源
[0053] パルス放電放射源には、例えばリソグラフィ、医療処置、レーザアブレーションによる機械加工、レーザインプリンティングなどの多くの用途が存在する。リソグラフィ装置は、安定した照明源が望ましい場合がある1つの例である。照明源は、汚染物質に敏感な精密光学アセンブリを備える可能性がある。
図3は一部の実施形態に係る放射源300を示している。一部の実施形態では、放射源300は、パルス放電放射源、例えば限定ではないがガス放電レーザである。放射源300は、ガスチャンバ302、ウィンドウ304、及び導管システム306を備える。放射源300は、1つ以上の電極310(「電気的接続」ともいう)を更に備える可能性がある。導管システム306は、バルブ、導管、及び汚染物質フィルタのネットワーク(図示しないが、
図4を参照してより詳細に説明される)を備える可能性がある。
【0044】
[0054] 一部の実施形態では、ガスチャンバ302はガス308を閉じ込めることができる。ガス308はフッ素、ネオン、クリプトン、アルゴンなどを含む可能性がある。導管システム306はガスチャンバ302に接続されている。導管システム306は、ガスチャンバ302内のガス308の管理を可能にすることができる。例えば導管システム306は、ガス308を浄化するためにガス308の流れ(例えば循環)を導管システム306内のフィルタに向けることができる。放射312を発生させるためにガス308に(例えば1つ以上の電極310を介して)電圧を供給することができる。ウィンドウ304は放射312がガスチャンバ302から出ることを可能にすることができる。
【0045】
[0055]
図4は、一部の実施形態に係る放射源400を示している。一部の実施形態では、
図4に示す放射源400は、
図3に示した放射源300をより詳細に表すことができる。例えば
図4は、導管システム306のより詳細な図を示すことができる。特に断りのない限り、
図3の要素と類似の参照番号(例えば2つの右端の数字を共有する参照番号)を有する
図4の要素は、類似の構造及び機能を有する可能性がある。
【0046】
[0056] 一部の実施形態では、放射源400は、ガスチャンバ402、ウィンドウ404、及び導管システム(例えば
図3の導管システム306)を備える。放射源400は、1つ以上の電極410を更に備える可能性がある。放射源400はウィンドウ418を更に備える可能性がある。ウィンドウ418の構造及び機能はウィンドウ404と類似している可能性がある。導管システムは、補充導管414(「補充経路」ともいう)、導管416、及び汚染物質フィルタ420(又は単にフィルタ)を備える。導管システムは、一方向バルブ422、導管424、一方向バルブ426、及びこれらの任意の組み合わせを更に備える可能性がある。
【0047】
[0057] 一部の実施形態では、ガスチャンバ402はガス408を閉じ込めることができる。導管システムは、例えば放射412を発生させる動作中にガス408の循環を可能にするためにガスチャンバ402に接続されている可能性がある。例えば導管システムは、ガスチャンバ402に接続されている汚染物質フィルタ420にガス408を循環させることができる(矢印428で示されたガス流方向)。汚染物質フィルタ420はガスチャンバ402から汚染物質粒子432を除去することができる。導管416は汚染物質フィルタ420をガスチャンバ402に再び接続し、ガス流は、クリーンな濾過されたガスがウィンドウ404に吹くことができるようなものとなる(矢印430で示されたガス流方向)。ウィンドウ404は、ガスチャンバ402の外部の環境からのガス408を閉じ込めることができる。差圧デバイス(図示せず)を使用して、放射源400にガス流を生じさせることができる。例えばガスチャンバ402内部に送風機がある可能性がある。汚染物質フィルタ420は、ガスチャンバ402を循環する流れの一部を遮断し、汚染物質粒子432を除去した後にウィンドウ404及び418に流れを方向転換することがある。ガス408は、ガスチャンバ402に接続されている補充導管414を使用して供給又は排出される可能性がある。つまり、補充導管414はガス408の交換を可能にすることができる。
図4に示す配管構成が非限定的な例として提供されることが認識されるべきである。例えば、より多い又は少ない導管、T字型接合部、バルブなどを使用する配管構成が、ウィンドウ404及びウィンドウ418などの敏感な光学コンポーネントの清浄度を達成するために想定される可能性がある。
【0048】
[0058] 一部の実施形態では、矢印428、430、及び434は、例えば放射412を発生させるときの放射源400の動作中のガス流を表す。放射412を発生させるために、例えば1つ以上の電極410を介してガス408に電圧を供給することができる。放射412は、印加された電圧(例えば放射パルスの電気パルス)に依存する特性を有する可能性がある。ウィンドウ404及び418は、放射412がガスチャンバ402とガスチャンバ402の外部の環境との間を行き来することを可能にすることができる。一部の実施形態では、放射源400はガス放電レーザである。放射源400は、光学リフレクタ436及び部分的光学リフレクタ438を備える可能性がある。光学リフレクタ436と部分的光学リフレクタ438とは一緒に光共振器として機能する。光共振器は、利得媒体(例えばガス408)との組み合わせで、放射412が光学リフレクタ436と部分的光学リフレクタ438との間を往復するとき放射412の増幅を可能にする。そして放射源400は部分的光学リフレクタ438における透過を介して放射ビーム440を出力することができる。
【0049】
[0059] 一部の実施形態では、ガスチャンバ402の予想寿命は、第1の重要なコンポーネントが摩耗によって動作不能になることに依存する。摩耗しやすいコンポーネントの一例は1つ以上の電極410である。放射源400の動作中、1つ以上の電極410はガス408と相互作用する。相互作用によって電極材料はガス408と結合し、1つ以上の電極410から離れ、実質的に1つ以上の電極410を腐食させる。このような腐食は予想され、腐食率が予測可能である。放射源400が動作すればするほど、電極の腐食がますます進行する。少なくとも1つ以上の電極410の寿命の基準は、1つ以上の電極が新しい状態から動作可能ポイントを越えて腐食するまでにかかる時間と定められる可能性がある(例えば寿命を通して発生するパルスの数で測定される可能性がある)。放射源400の望ましくない挙動は、コンポーネントが定められた寿命の前に予期せず故障することである。
【0050】
[0060] 一部の実施形態では、汚染物質粒子432の1つ以上は、意図せぬガス流によってウィンドウ404に積もる可能性がある。例えば前述のように、矢印428、430及び434は放射源400の動作中のガス流を表している。放射源400が動作するとガス408は品質が劣化する(例えば使用済みになる)。したがって、補充導管414を使用してガスチャンバ402にアクセスすることによって、ガス408を未使用の新しいガス(「補充ガス」ともいう)と取り替えることができる。補充ガスは、その未使用状態のガス408と同じ種類であるか、又は異なる未使用のガスから構成される場合がある。一部の実施形態では、ガス408を取り替える手順は、補充導管414を使用してガス408を排出し、次に補充導管414を使用して再び補充ガスを注入することを含む。ガス408を取り替える手順は、通常はガスチャンバ402の底部に積もることになる汚染物質粒子432をかき混ぜることができる。かき混ぜられた汚染物質粒子432は、ウィンドウ404及び418に付着する確率が高くなる可能性がある。また、ガス408の排出は、汚染物質粒子432を補充導管414に引き込む可能性があり、そしてそれに続く同じ導管を介した補充ガスの注入は、汚染物質粒子432をガスチャンバ402中に吹き飛ばす可能性があり、その一部がウィンドウ404及び418に付着することもある。
【0051】
[0061] 一部の実施形態では、ウィンドウ404は透明で放射412が通過することを可能にする一方、汚染物質粒子が放射412からかなりの量のエネルギーを吸収することによって、ウィンドウ404に積もった汚染物質粒子432が加熱され、その熱がウィンドウ404に伝達される可能性がある。放射412のエネルギー密度は、ウィンドウ404上の汚染物質粒子432の加熱によってウィンドウ404に損傷を与えるほど高い可能性がある。ウィンドウ404の故障は、予期せずに1つ以上の電極410の寿命を使い果たすよりかなり前に起こる可能性がある。ICの大量生産では、予期せぬ機械休止時間(例えば計画外メンテナンス)が、生産時間の予想外の喪失によって非常に弊害をもたらす。障害が予測可能な(例えば所定の寿命、定期メンテナンスで起こる)シナリオでは、予備の部品及び手順を用意することができる。本明細書の実施形態に記載される構造及び機能は、パルス放電放射源の予期せぬ早期故障の確率を低下させることによって、パルス放電放射源の平均寿命及び信頼性を改善することができる。
【0052】
[0062] 一部の実施形態では、導管システムは、補充ガス、ガス408の一方、又は補充ガスとガス408の両方の流れを方向付けるように構成されている。ガス流の方向は、導管システムの配管構成に基づく(例えば、動作中又は補充手順中の)放射源400の動作の状態によって変化する可能性がある。ガス流は、汚染物質粒子432をかき混ぜることあるいはウィンドウ404及び418に向かわせることを避けるように操作される可能性がある。ガス流をこのように操作することによって、導管システムはウィンドウ404及び418の可使寿命を延ばすことができる。ガスチャンバ402、放射源400などの可使寿命はまた、予期せぬ費用のかかる分解を避けることができるため改善される(放射源を分解するよりも、単に即座に交換する方がより効率的な場合があるため、放射源の可使寿命は単なるウィンドウの故障によって決定づけられる可能性がある)。
【0053】
[0063] 一部の実施形態では、一方向バルブ422は、導管416と交差するように配設される可能性がある。一方向バルブ422は、チェックバルブ、例えばボールチェックバルブ、フラップチェックバルブ、ばねチェックバルブ、重力チェックバルブなどを含む可能性がある。チェックバルブは逆流を防ぐために閉鎖するバルブである。一方向バルブ422は、上述のチェックバルブの構造及び/又は特徴を組み合わせたチェックバルブの機構を表す可能性がある。例えば、ボールが重力によって押し下げられ閉じられる(例えば重力チェックバルブ)ボールチェックバルブが縦方向にして使用されることがある。チェックバルブが「間違った」方向に進んでいるガスの圧力を使用して自己遮断する一方、遮断機構への(例えば重力からの)余力は、ガスがチェックバルブを押し開けるようにクラック圧力閾値を与える可能性がある。一部の実施形態では、一方向バルブ422はユーザ調整可能なバルブ(例えば電気作動バルブ、重力方向に対して角度調整可能なボールバルブ、空気圧バルブなど)である可能性がある。
【0054】
[0064] 一部の実施形態では、ガス408の排出中、一方向バルブ422は(矢印430で表された)ガス流が逆行するのを防ぐことができる。例えば、ガスチャンバ402からのガス408はウィンドウ404に向かって進むことが妨げられる。このようにして、汚染物質粒子432がウィンドウ404に接触する確率を低下させる。
【0055】
[0065] 上述したように、補充導管414は汚染物質粒子432で汚染される可能性がある。汚染物質粒子432の拡散を回避するために、一部の実施形態では、導管システムはガス408の排出に特化した別個の排出導管442(「排出経路」ともいう)を備える可能性がある。このシナリオでは、補充導管414は補充ガスの注入に特化される可能性がある。ガスの排出及び補充が別個の導管で処理されるため、この構成は、排出導管442内の汚染物質をガスチャンバ402内に吹き戻すことを避けることができる。補充導管414及び排出導管442の位置が
図4に表されたものに限定されないこと、及びそれらの位置を、ガスチャンバ402中に汚染物質粒子432を拡散する可能性を最小限に抑えるように選ばれ得る(例えば補充導管414と排出導管442の位置を取り替えることができる)ことが認識されるべきである。
【0056】
[0066] 一部の実施形態では、ガス408及び/又は補充ガスの流れの操作を可能にする追加要素が導管システムに含まれることがある。追加要素の構造は
図4に示される一方、その機能は
図5を参照してより詳細に説明される。導管システムは、導管444(「バイパス導管」ともいう)、一方向バルブ446、導管448(「バイパス導管」ともいう)、及び一方向バルブ450を更に備える可能性がある。一方向バルブ452が補充導管414と交差するように配設される可能性がある。一方向バルブ452は、ガスが補充導管414を介してガスチャンバ402に入ることを防ぐことができる。上述の構造の任意の組み合わせを用いて、ガス408及び補充ガスの所望の流れ方向を達成することができる。
【0057】
[0067] 一部の実施形態では、導管424、導管448、一方向バルブ426、一方向バルブ450、及びウィンドウ418が、それぞれ導管416、導管444、一方向バルブ422、一方向バルブ446、及びウィンドウ404と類似するように構造化及び構成され得ることが認識されるべきである。例えば類似点は、正確に又は近似的に構造的及び/又は機能的対称性である場合がある。
【0058】
[0068]
図5A、5B及び5Cは、一部の実施形態に係る放射源500の一部を示している。一部の実施形態では、放射源500はまた、放射源300(
図3)及び/又は放射源400(
図4)をより詳細に表すことができる。例えば
図5は、導管システム306及びその機能のより詳細な図を示すことができる。特に断りのない限り、
図3及び
図4の要素と類似の参照番号(例えば2つの右端の数字を共有する参照番号)を有する
図5の要素は、類似の構造及び機能を有する可能性がある。
【0059】
[0069]
図5Aを参照すると、ガス508の流れが示されている(矢印で示され、ガス粒子としても示され、
図4の汚染物質粒子432と混同してはならない)。放射源500は、ガスチャンバ502、ウィンドウ504、及び導管システム(例えば
図3の導管システム306)を備える。放射源500はウィンドウ518を更に備える可能性がある。導管システムは、汚染物質フィルタ520、補充導管514、導管516、導管524、一方向バルブ522、及び一方向バルブ526を更に備える可能性がある。導管システムは、導管544、導管548、一方向バルブ546、一方向バルブ550、及び一方向バルブ552を更に備える可能性がある。これらの要素の一部は、
図4のそれぞれ対応するもの(例えば2つの右端の数字を共有する番号により参照される)を参照して既に説明されている。
【0060】
[0070] 一部の実施形態では、放射源500の動作中(例えば放射を発生している)のガス508の流れ(矢印で表されている)は、
図5Aに示す通りである。汚染物質フィルタ520は、ガスチャンバ502からの汚染物質(例えば汚染物質粒子432(
図4))を除去することができる。導管516は、汚染物質フィルタ520をガスチャンバ502に再び接続し、ガス流は、クリーンな濾過されたガスがウィンドウ504に吹くことができるようなものとなる。流れの方向付けを促進するために、一方向バルブ522は、濾過されたガスがウィンドウ504に吹くことが可能になる開放状態で示されている。逆に、一方向バルブ522は閉鎖して、ガス流が逆流するのを防いでガスチャンバ502からの汚染物質をウィンドウ504に引き寄せないようにすることができる。機能がウィンドウ504側の汚染物質に関連して説明されているが、類似の又は対称なプロセスが、対応する導管及びバルブを使用してウィンドウ518に対して用いられることが認識されるべきである。
【0061】
[0071]
図5Bを参照すると、一部の実施形態では、ガス508の排出時のガス508の流れが図示された矢印によって表されている。ガス流が一方向バルブ(例えば一方向バルブ546及び550)から両方向に離れるように示されている場合に、かかるバルブは、ガス流が一方向バルブの方向性と反対の方向である場合、又はガス流の圧力が一方向バルブのクラック圧力閾値を克服するのに不十分である場合に閉鎖されることがある。ガス508の排出を促進するために、一方向バルブ552が、ガス508及び汚染物質がウィンドウ504に向かって流れるのを防ぐように、ガス508がガスチャンバ502を出ることを可能にする開放状態にあることが示されている。
【0062】
[0072]
図5Cを参照すると、一部の実施形態では、ガスチャンバ502を補充する間の補充ガスの流れが図示された矢印によって表されている。ガスチャンバ502を補充することを促進するために、一方向バルブ546が、補充ガスがガスチャンバ502に入ることを可能にする開放状態にあることが示されている。一方向バルブ552は、ガスチャンバ502からウィンドウ504に向かうガスの流れを妨げる(ガスチャンバ502内に存在する汚染物質がウィンドウ504に向かって流れることを妨げる)ように閉鎖状態にある。この構成では、(純粋で汚染物質のない)補充ガスは導管544を介してガスチャンバ502に入る。導管544は、ガスチャンバ502と補充導管514とを接続するオリフィスを迂回するバイパス導管である可能性がある。つまり導管544は、導管516と補充導管514とを直接接続する。汚染されていない補充ガス(又は
図5Aの濾過されたガス508)は、ウィンドウ504及び518に塵を堆積させることなくウィンドウ504及び518を流れることができる。汚染されていない補充ガスはまた、ウィンドウ504上に存在する汚染物質を吹き飛ばし得る圧力をウィンドウ504にかけることができる。このようにして、少なくともウィンドウ504の可使寿命は、ウィンドウ504上の汚染物質が放射エネルギーを吸収する確率が低下するため延びる可能性がある。
【0063】
[0073]
図6は、一部の実施形態に係る一方向バルブ600を示している。一方向バルブ600は導管部602及びフラップ604を備える。一方向バルブ600はヒンジ606を更に備える可能性がある。ヒンジ606はフラップ604を導管部602に取り付けることができる。ヒンジ606が省かれる場合、フラップ604は可撓性(例えばたわみ)フラップであり、導管部602に直接付着する可能性がある。ヒンジ606は、クラック圧力閾値を定義できるようにばね式である可能性がある(例えば、流れ圧力が所定量を超えた場合にのみバルブが開放する)。たわみフラップもクラック圧力閾値を定義することができる。矢印608は、一方向バルブ600により許容される流れの方向を表す。
【0064】
[0074]
図7は、一部の実施形態に係る一方向バルブ700の断面を示している。一方向バルブ700は、導管部702及びボール704を備える。ボール704は、クラック圧力閾値を定義できるようにばね式である可能性がある。一方向バルブ700はまた、ばねがなくても(例えば、重力及びボール704の重量を利用して)クラック圧力閾値を定義することができる。矢印708は、一方向バルブ700により許容される流れの方向を表す。
【0065】
[0075]
図8は、一部の実施形態に係る、本明細書に記載の機能を実行するための方法ステップを示している。
図8の方法ステップは考えられる任意の順序で実行される可能性があり、全てのステップを実行する必要はない。また、以下に記載の
図8の方法ステップはステップの一例を反映しているに過ぎず、限定的ではない。つまり、更なる方法ステップ及び機能が、
図1から
図7を参照して説明した実施形態に基づいて想定されることがある。
【0066】
[0076] ステップ802において、パルス放電放射システムを使用して放射を発生させる。
【0067】
[0077] ステップ804において、ガスチャンバを使用してガス及び発生中に生成された汚染物質を閉じ込める。
【0068】
[0078] ステップ806において、ウィンドウを使用してガスチャンバの外部の環境からガスを分離する。
【0069】
[0079] ステップ808において、ウィンドウを使用して放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にする。
【0070】
[0080] ステップ810において、補充経路を使用してガスを交換する。
【0071】
[0081] ステップ812において、汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付ける。
【0072】
[0082] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあり得ることが理解されるべきである。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に関連して、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なされ得ることを当業者は認識するであろう。本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラックユニット(通常はレジスト層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジユニット及び/又はインスペクションユニットで処理される可能性がある。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用される可能性がある。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理される可能性があり、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板を指すこともある。
【0073】
[0083] 本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、したがって、本開示の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0074】
[0084] 本明細書で使用する「放射」、「ビーム」、「光」、「照明」などの用語は、全てのタイプの電磁放射、例えば、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、又は157nmの波長λを有する)を網羅することがある。DUVとは概して、130nmから428nmに及ぶ波長を有する放射を指し、一部の実施形態では、エキシマレーザがリソグラフィ装置内で用いられるDUV放射を発生させることができる。例えば130~428nmの範囲の波長を有する放射は、少なくとも一部が130~428nmの範囲内にある、ある特定の波長帯域を有する放射に関係することが認識されるべきである。
【0075】
[0085] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。一部の実施形態では、基板自体にパターンが付与される可能性があり、その上部に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0076】
[0086] 本文では、ICの製造における本開示による装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムが他の多くの可能な用途を有することが明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用される可能性がある。こうした代替的な用途に関連して、本文で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と置き換えられると見なされるべきことを当業者は認識するであろう。
【0077】
[0087] 本開示の特定の実施形態が以上に記載されているが、本開示の実施形態が、記載されている以外の方法で実施され得ることが認識されるであろう。記述は限定ではなく、例示であることが意図されている。したがって、記述されている開示に以下の特許請求の範囲から逸脱せずに変更がなされ得ることが当業者には明らかであろう。
【0078】
[0088] 特許請求の範囲を解釈するために、発明の概要及び要約書の項ではなく、詳細な説明の項を使用することが意図されていることが認識されるべきである。発明の概要及び要約書の項は、本発明者が想定する本開示の1つ以上の例示的実施形態について述べることがあるが、全ての例示的実施形態について述べることはなく、したがって本開示及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0079】
[0089] これまで特定の機能の実施及びそれらの関係を示す機能的構成単位を用いて本開示を説明してきた。これらの機能的構成単位の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定められたものである。かかる特定の機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、別の境界を定めることが可能である。
【0080】
[0090] 特定の実施形態の前述の説明は、本開示の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本開示の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入ることが意図される。
【0081】
[0091] 本発明の他の態様を以下の番号付けされた条項に示す。
1.放射を発生させるパルス放電放射源であって、 ガスと放射の発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるガスチャンバと、
ガスをガスチャンバの外部の環境から分離し、放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にするウィンドウと、
ガスの交換を可能にする補充経路、及び
放射の発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させる導管を備えた導管システムと、を備え、
導管システムが、導管システムが少なくともウィンドウの可使寿命を延ばすように、汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、少なくとも補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付けるパルス放電放射源。
2.導管システムが、導管と交差するように配設され、汚染物質の少なくとも一部のウィンドウに向かう流れを妨げるバルブを更に備える、条項1のパルス放電放射源。
3.バルブが一方向バルブを含む、条項2のパルス放電放射源。
4.一方向バルブが、ボールチェックバルブ、フラップチェックバルブ、ばねチェックバルブ、及び重力チェックバルブのうちの少なくとも1つを含む、条項3のパルス放電放射源。
5.バルブがユーザ調整可能なバルブを含む、条項2のパルス放電放射源。
6.導管システムが、バイパス導管と、バイパス導管と交差するように配設された一方向バルブとを更に備え、
バイパス導管が導管を補充経路に接続し、
一方向バルブが、ガスチャンバからウィンドウに向かうガスの流れを防ぐ、条項1のパルス放電放射源。
7.補充経路が更にガスの放出を可能にする、条項1のパルス放電放射源。
8.導管システムが、汚染物質が補充経路に入ることを妨げるためにガスの放出を可能にする排出経路を更に備える、条項1のパルス放電放射源。
9.放射を発生させるためにガスに電気パルスを送達する電気的接続を更に備えた、条項1のパルス放電放射源。
10.放射がDUV放射を含む、条項1のパルス放電放射源。
11.パルス放電放射システムを使用して放射を発生させること、
ガスチャンバを使用してガスと発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めること、
ウィンドウを使用してガスをガスチャンバの外部の環境から分離すること、
ウィンドウを使用して放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にすること、
補充経路を使用してガスを交換すること、
発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させること、及び
汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付けることを含む方法。
12.一方向バルブを使用して汚染物質の少なくとも一部のウィンドウに向かう流れを妨げることを更に含む、条項11の方法。
13.更なる一方向バルブを使用してガスチャンバからウィンドウに向かうガスの流れを防ぐことを更に含み、更なる一方向バルブが、導管を補充経路に接続するバイパス導管と交差するように配設されている、条項12の方法。
14.補充経路を使用してガスを排出することを更に含む、条項11の方法。
15.排出経路を使用してガスを排出することを更に含む、条項11の方法。
16.発生させることが、電気的接続を使用して電気パルスをガスに送達することを含む、条項11の方法。
17.放射がDUV放射を含む、条項11の方法。
18.パターニングデバイスのパターンを照明するために放射を発生させるパルス放電照明システムと、
パターンの像を基板上に投影する投影システムと、を備えたリソグラフィ装置であって、
照明システムが、
ガスと放射の発生中に生成された汚染物質とを閉じ込めるガスチャンバと、
ガスをガスチャンバの外部の環境から分離し、放射がガスチャンバと環境との間を行き来することを可能にするウィンドウと、
ガスの交換を可能にする補充経路、及び
放射の発生中にガスをガスチャンバとの間で循環させる導管を備えた導管システムと、を備え、
導管システムが、導管システムが少なくともウィンドウの可使寿命を延ばすように、汚染物質がウィンドウに接触するのを防ぐために、少なくとも補充動作中に補充ガス、ガスの一方、又は補充ガス及びガスの流れを方向付けるリソグラフィ装置。
19.導管システムが、導管と交差するように配設され、汚染物質の少なくとも一部のウィンドウに向かう流れを妨げる一方向バルブを更に備える、条項18のリソグラフィ装置。
20.一方向バルブが、ボールチェックバルブ、フラップチェックバルブ、ばねチェックバルブ、及び重力チェックバルブのうちの少なくとも1つを含む、条項19のリソグラフィ装置。
21.導管システムが、バイパス導管と、バイパス導管と交差するように配設された一方向バルブとを更に備え、
バイパス導管が導管を補充経路に接続し、
一方向バルブが、ガスチャンバからウィンドウに向かうガスの流れを防ぐ、条項18のリソグラフィ装置。
22.導管システムが、汚染物質が補充経路に入ることを妨げるためにガスの放出を可能にする排出経路を更に備える、条項18のリソグラフィ装置。
23.放射がDUV放射を含む、条項18のリソグラフィ装置。
【0082】
[0092] 保護される主題の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。