(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】自動ハラスメント監視システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/75 20140101AFI20240722BHJP
【FI】
A63F13/75
(21)【出願番号】P 2023501459
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 US2021038315
(87)【国際公開番号】W WO2022010638
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】バレンシア、バネッサ
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0129864(US,A1)
【文献】特表2009-530979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0078688(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0174702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサがゲームで不正なプレイヤを識別する方法であって、
前記プロセッサが、前記ゲームのゲームプレイ中にプレイヤのゲームプレイデータを受信することと、
前記プロセッサが、前記ゲームの複数のゲームメカニクスを、前記プレイヤが前記複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に対して入力を提供するときに、処理することと、
前記プロセッサが、前記複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理することであって、前記不正アクションスコアは、前記ゲームの前記ゲームプレイのゲームコンテキストに基づいて、前記複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾するいくつかのタグ付きアクションを有する、前記不正アクションスコアを処理することと、
前記プロセッサが、前記ゲームの前記ゲームプレイのセッション中に、前記不正アクションスコアの1つまたは複数が閾値を超えることに基づいて、前記複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に関して前記プレイヤを不正であると認定することと
を含
み、
前記プロセッサが、前記処理された不正アクションスコアを提示するためのインタフェースを生成することをさらに含み、前記インタフェースは、前記ゲームプレイの前記セッション中に前記複数のゲームメカニクスと前記タグ付きアクションとを含むように構成され、前記インタフェースは、前記ゲームプレイの変化に基づいて実質的にリアルタイムで更新される、方法。
【請求項2】
前記ゲームがマルチプレイヤゲームであり、前記プレイヤが前記セッション中に前記ゲームプレイに参加する複数のプレイヤの1人であり、
前記タグ付きアクションの1つまたは複数が、前記マルチプレイヤゲームで、前記プレイヤと一緒にプレイするときに他のプレイヤから受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タグ付きアクションの1つまたは複数が、前記ゲームコンテキストに基づいて前記プレイヤによるゲームメカニクスの使用を監視する不正インジケータモデルによって自動的に識別され、
前記不正インジケータモデルは、前記複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に対する複数の矛盾したアクションを入力として処理するように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の矛盾したアクションが、矛盾していると事前定義されたアクション、またはアクションを矛盾しているとしてタグ付けする1人または複数のプレイヤからのフィードバックに基づいて矛盾していると学習されたアクションを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記不正アクションスコアの前記1つまたは複数が前記閾値を超える場合に、前記プレイヤが不正なプレイヤと認定されることを前記プレイヤに通知する警告通知を生成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記不正アクションスコアの前記1つまたは複数が前記閾値を超える場合に、前記複数のゲームメカニクスの前記1つまたは複数を制限するように前記ゲームのゲームコードを調整すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記不正アクションスコアを前記処理することが、前記ゲームプレイの前記複数のゲームメカニクス及び前記ゲームコンテキストからの特徴を処理することにさらに基づき、前記特徴は、分類され、前記複数のゲームメカニクスと前記ゲームコンテキストとの間の関係を識別する不正インジケータモデルを構築するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プレイヤを不正であると前記認定することが、前記プレイヤのプロファイルを不正インジケータモデルによって処理することにさらに基づき、前記プレイヤの前記プロファイルは、前記ゲームプレイ及び前記プレイヤによってプレイされる他のゲームにおける前記プレイヤの傾向を識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プレイヤを不正であると前記認定することが、前記プレイヤが受け取った称賛を不正インジケータモデルによって処理することにさらに基づき、前記称賛は、前記ゲームプレイの前記セッション中または前記ゲームプレイの前記セッションが終了した後に他のプレイヤから受け取られる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記プレイヤが受け取った前記称賛を、前記ゲームプレイの対応するゲームコンテキストに相関させること
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記不正アクションスコアが、前記いくつかのタグ付きアクションに基づいて、前記ゲームプレイの前記セッション中に経時的に変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
ゲームのゲームプレイ中にプレイヤのゲームプレイデータを受信するためのプログラム命令と、
前記ゲームの複数のゲームメカニクスを、前記プレイヤが前記複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に対して入力を提供するときに、処理するためのプログラム命令と、
前記複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理するためのプログラム命令であって、前記不正アクションスコアは、前記ゲームの前記ゲームプレイのゲームコンテキストに基づいて、前記複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾するいくつかのタグ付きアクションを有する、前記不正アクションスコアを処理するための前記プログラム命令と、
前記ゲームの前記ゲームプレイのセッション中に、前記不正アクションスコアの1つまたは複数が閾値を超えることに基づいて、前記複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に関して前記プレイヤを不正であると認定するためのプログラム命令と
を含
み、
前記処理された不正アクションスコアを提示するためのインタフェースを生成するためのプログラム命令をさらに含み、前記インタフェースは、前記ゲームプレイの前記セッション中に前記複数のゲームメカニクスと前記タグ付きアクションとを含むように構成され、前記インタフェースは、前記ゲームプレイの変化に基づいて実質的にリアルタイムで更新される、記憶媒体。
【請求項13】
前記ゲームがマルチプレイヤゲームであり、前記プレイヤが前記セッション中に前記ゲームプレイに参加した複数のプレイヤの1人であり、
前記タグ付きアクションの1つまたは複数が、前記マルチプレイヤゲームで、前記プレイヤと一緒にプレイするときに他のプレイヤから受信される、請求項1
2に記載の記憶媒体。
【請求項14】
前記タグ付きアクションの1つまたは複数が、前記ゲームコンテキストに基づいて前記プレイヤによるゲームメカニクスの使用を監視する不正インジケータモデルによって自動的に識別され、
前記不正インジケータモデルは、前記複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に対する複数の矛盾したアクションを入力として処理するように構成される、
請求項1
2に記載の記憶媒体。
【請求項15】
前記複数の矛盾したアクションが、矛盾していると事前定義されたアクション、またはアクションを矛盾しているとしてタグ付けする1人または複数のプレイヤからのフィードバックに基づいて矛盾していると学習されたアクションを含む、請求項1
4に記載の記憶媒体。
【請求項16】
前記不正アクションスコアの前記1つまたは複数が前記閾値を超えるときに、前記プレイヤが不正なプレイヤと認定されたと前記プレイヤに通知する警告通知を生成するためのプログラム命令をさらに含む、請求項1
2に記載の記憶媒体。
【請求項17】
前記不正アクションスコアの前記1つまたは複数が前記閾値を超える場合に、前記ゲームのゲームコードを調整して、前記複数のゲームメカニクスの前記1つまたは複数を制限するためのプログラム命令をさらに含む、請求項1
2に記載の記憶媒体。
【請求項18】
前記プレイヤを不正であると前記認定することが、前記プレイヤのプロファイルを不正インジケータモデルによって処理することにさらに基づき、前記プレイヤの前記プロファイルは、前記ゲームプレイ及び前記プレイヤによってプレイされる他のゲームにおける前記プレイヤの傾向を識別する、請求項1
2に記載の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、プレイヤのゲームプレイの動的監視に関し、より具体的には、プレイヤが不正なプレイヤであるかどうかを識別するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム業界は、長年にわたって多くの変化を経験し、プレイヤの参加を増加または維持するようにプレイヤのゲーム体験を向上させる方法を見つけようとしてきた。プレイヤのビデオゲームへの参加レベルが向上すると、リテンションレベルが高くなり、ビデオゲームの収益増加につながり得る。この目的のために、開発者は、プレイヤのゲーム体験を強化する洗練された操作を開発する方法を模索してきた。
【0003】
ビデオゲーム業界で増加傾向にあるのは、一般に不正なプレイヤ、悪意のあるプレイヤ、またはグリーファーと呼ばれるプレイヤによるビデオゲームでのオンラインハラスメントやネットいじめである。例えば、不正なプレイヤは、ゲームの側面を意図されていないように使用して、ゲーム内の他のプレイヤを故意に苛立たせたり、困らせたり、嫌がらせをしたりするマルチプレイヤビデオゲームのプレイヤであり得る。したがって、これは、他のプレイヤ(例えば、善意のプレイヤ)が自分のゲームプレイに完全に没頭すること、及び自分のゲーム体験を完全に楽しむことを妨げる。残念ながら、ゲームプレイで不正なプレイヤを識別し、不正なプレイヤのアクションを監視することは困難な場合があり、大量のリソースを使用し得る。その結果、ゲームプレイでの不正なプレイヤによるアクションは、他のプレイヤのゲームプレイを妨害する場合があり、ビデオゲームへのプレイヤの参加の低下につながる可能性があり、ひいては、プレイヤがビデオゲームをプレイする頻度が低下し得る。
【0004】
このような文脈で、本開示の実施態様が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様は、ゲームをプレイしている複数のプレイヤの中から、ゲームプレイの不正なプレイヤを識別することに関するデバイス、方法、及びシステムを含む。一部の実施形態では、対応するゲームメカニクスの不正アクションスコアを決定するために、プレイヤのゲームプレイ中に、プレイヤによって行われた不正行為がタグ付けされる。一部の実施形態では、不正アクションスコアが閾値を超える場合、プレイヤは不正なプレイヤとして識別され、プレイヤがゲームプレイで不正な行為をするのを防ぐために是正措置が講じられてよい。一部の実施形態では、警告通知を生成して、ゲームプレイ中に、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを、そのプレイヤに通知することができる、またはプレイヤのゲームプレイに関連するゲームメカニクスを制限することができる。
【0006】
一実施形態では、ゲームで不正なプレイヤを識別する方法が提供される。方法は、ゲームのゲームプレイ中にプレイヤのゲームプレイデータを受信することを含む。方法は、ゲームの複数のゲームメカニクスを、プレイヤがそれらの複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に対して入力を提供するときに、処理することを含む。方法は、複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理することを含む。不正アクションスコアは、ゲームのゲームプレイのゲームコンテキストに基づく前述の複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾する、タグ付けされたいくつかのアクションを有する。方法は、ゲームのゲームプレイのセッション中に不正アクションスコアの1つまたは複数が閾値を超えることに基づいて、複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に関してプレイヤを不正であると認定することを含む。場合によっては、プレイヤが特定の種類のゲームまたは特定の種類のゲームメカニクスについて不正であると識別されることがある。
【0007】
別の実施形態では、コンピュータプログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、ゲームのゲームプレイ中にプレイヤのゲームプレイデータを受信するためのプログラム命令と、ゲームの複数のゲームメカニクスを、プレイヤがそれらの複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に入力を提供するときに、処理するためのプログラム命令とを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理するためのプログラム命令を含む。不正アクションスコアは、ゲームのゲームプレイのゲームコンテキストに基づく前述の複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾した、タグ付けされたいくつかのアクションを有する。さらに、コンピュータ可読記憶媒体は、ゲームのゲームプレイのセッション中に不正アクションスコアの1つまたは複数が閾値を超えることに基づいて、複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に関してプレイヤを不正であると認定するためのプログラム命令を含む。
【0008】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解され得る。
【0010】
【
図1】本開示の実施態様による、複数のプレイヤのためにゲームプレイを実行し、不正なプレイヤとして識別されたプレイヤに警告通知を送信するように構成されたシステムの実施形態を示す。
【0011】
【
図2A】本開示の実施態様による、プレイヤによってプレイされるゲームからゲームプレイデータを受信し、ゲームプレイデータを処理して、ゲームメカニクスに関連するプレイヤのアクションが不正であると特徴付けられるかどうかを判断するゲームプレイ分析エンジンの実施形態を示す。
【0012】
【
図2B】本開示の実施態様による、不正インジケータモデルを使用して、ゲームコンテキスト、複数のプレイヤからのゲームプレイデータ、矛盾したアクション、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバックを入力として使用して、ゲームプレイプレイヤ要約表を生成する方法の実施形態を示す。
【0013】
【
図3】本開示の実施態様による、プレイヤゲームプレイデータ及びプレイヤプロファイルモデルを使用して所与のプレイヤのプレイヤプロファイルを生成するシステムの実施形態を示す。
【0014】
【
図4A】本開示の実施態様による、プレイヤによってプレイされるゲームのゲームメカニクスグリッドの実施形態を示す。
【0015】
【
図4B】本開示の実施形態による、ゲームセッション全体を通してゲームメカニクスグリッドが連続的に更新されるタイムラインを示す実施形態である。
【0016】
【
図5】本開示の実施態様による、ゲーム中にプレイヤに提示される称賛をゲームの特定のゲームコンテキストに相関させることを示す実施形態である。
【0017】
【
図6】本開示の実施態様による、複数のプレイヤのためのプレイヤ称賛表の実施形態を示す。
【0018】
【
図7】本開示の実施態様による、ゲームセッション中にゲームの不正なプレイヤを識別するための方法を示す。
【0019】
【
図8】本開示の様々な実施形態の側面を実行するために使用することができる例示のデバイス800のコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の以下の実施態様は、セッション中にゲームの不正なプレイヤを識別するためのデバイス、方法、及びシステムを提供する。具体的には、本開示は、不正行為として特徴付けられたゲームプレイ中の行為を追跡及びタグ付けすることによって、ゲームをプレイしている複数のプレイヤの中から不正なプレイヤを識別する。不正なプレイヤが識別されると、不正なプレイヤは警告通知を介して通知され、警告通知に従うように要求される。他の場合には、プレイヤはいくつかの方法で罰せられてよい、またはプレイヤのゲームプレイに関連するゲームメカニクスを制限することができる。
【0021】
本明細書に記載の実施形態を使用して、プレイヤが不正行為を慎むように促すことができる。不正行為は、楽しみのためにゲームをプレイする意図が殆どまたは全く無く他のプレイヤを苛立たせる行為をするプレイヤによって、より多くの処理能力とリソースが消費されるので、ゲームシステムに悪影響を有し得る。例として、オンラインゲームやストリーミングゲームでは、すべてのプレイヤの帯域幅要件を満たすためにサーバが使用される。サーバと処理リソースは年を追って大幅に改善されているが、不正なゲームプレイアクティビティに関与するプレイヤに処理能力とシステムリソースを供給することは不必要に、リソースへの負担を増加させる、または不正なプレイヤをオンラインに保つために必要な電力リソースを増加させる。場合によっては、ゲームリソースへの負担が、意図したとおりにゲームをプレイする他のプレイヤのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
【0022】
一実施形態では、複数のプレイヤによってプレイされるゲームにおいて不正なプレイヤを識別することを可能にする方法が開示される。方法は、ゲームのゲームプレイ中にプレイヤのゲームプレイデータを受信することを含む。方法は、ゲームの複数のゲームメカニクスを、プレイヤがそれらの複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に対して入力を提供するときに、処理することをさらに含む。方法は、複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理することをさらに含む。不正アクションスコアは、ゲームのゲームプレイのゲームコンテキストに基づく前述の複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾する、タグ付けされたいくつかのアクションを有する。方法は、ゲームのゲームプレイのセッション中に不正アクションスコアの1つまたは複数が閾値を超えることに基づいて、複数のゲームメカニクスの1つまたは複数に関してプレイヤを不正であると認定することを含む。しかしながら、本開示は、ここで説明している具体的詳細の一部またはすべてを用いることなく、実践され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、周知のプロセス動作は、本開示を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明していない。
【0023】
一実施形態によれば、オンラインマルチプレイヤビデオゲームなどのゲームにおいて不正なプレイヤを識別するためのシステムが開示される。例えば、ゲームは、Eスポーツイベント、グループゲームプレイ、またはチームプレイ中にライブでプレイされている特定のゲームであってよい。一実施形態では、システムは、ネットワーク経由で接続された複数のプレイヤを含み得る。複数のプレイヤは、マルチプレイヤビデオゲームをプレイしているか、ライブゲームイベントで互いに競い合っている可能性がある。一部の実施形態では、1つまたは複数のデータセンタ及びゲームサーバがゲームを実行し、ビデオゲームをホストするときにプレイヤへの接続を可能にすることができる。1つまたは複数のデータセンタの1つまたは複数のゲームサーバは、複数のプレイヤからのデータを受信、処理、及び実行するように構成されてよい。
【0024】
一部の実施形態では、ゲームプレイ中に、ビデオゲームをプレイしている複数のプレイヤの中から不正なプレイヤを識別することができる。例えば、不正なプレイヤは、ゲームで他のプレイヤを故意に苛立たせたり嫌がらせをしたり、または意図されていない方法でゲームの側面を使用したりするプレイヤであり得る。一実施形態では、警告通知を生成して、ゲームプレイ中に不正なプレイヤにその不正行為を通知することができる。警告通知を使用して、不正なプレイヤに、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを通知し、不正なプレイヤに警告通知に従うように要求してよい(例えば、チームメイトを殺さない、リーダーに従う、チームの計画に従う、ポイントを獲得することを避けない、チャットチャネルにスパムを送らない、アウトオブバウンズにボールを打たないなど)。
【0025】
別の実施形態によれば、ゲームの不正なプレイヤを識別し、不正なプレイヤとして識別されたプレイヤに対して警告通知を生成するためのシステムが開示される。一実施形態では、システムは、プレイヤのゲームプレイのゲームプレイデータを受信することを可能にする。ゲームプレイデータを処理して、プレイヤのゲームプレイに関連する様々なゲームメカニクスを識別することができる。ゲームメカニクスから特徴を抽出し、1つまたは複数の分類器を使用して分類することができる。一部の実施形態では、分類された特徴は、不正インジケータモデルによって使用されて、ゲームプレイ中のプレイヤのアクションが不正行為または不正アクションとして特徴付けられるかどうかを予測することができる。
【0026】
一実施形態では、プレイヤプロファイルモデルを使用して、プレイヤに関連付けられたプロファイルを生成することができる。一部の実施形態では、プレイヤのプロファイルは、プレイヤのゲームプレイ傾向を含んでよく、ゲームプレイ傾向は、プレイヤプロファイルモデルによって使用されて、ゲームプレイ中のプレイヤのアクションが不正行為として特徴付けられるかどうかを判断することができる。例えば、プレイヤプロファイルモデルは、プレイヤが剣での戦闘に熟達しており、戦闘シーンでのプレイヤの武器の好みが剣であると判断する場合がある。敵を攻撃することを伴うプレイヤのゲームメカニクスを分析する場合、不正インジケータモデルは、プレイヤのプロファイル(例えば、剣の熟達者)を考慮して、プレイヤのアクションが不正と特徴付けられるかどうかを判断してよい。言い換えれば、プレイヤがゲームプレイ中に敵を攻撃するために銃ではなく剣を使用することを選択した場合、一般的には銃の使用がより効果的であっても、不正インジケータモデルはプレイヤが剣の戦闘の熟達者であることを考慮して、プレイヤのアクションを不正であるとして特徴付けることはない。
【0027】
別の実施形態によれば、プレイヤのゲームプレイ中またはゲームセッションの終了後に、称賛(肯定的または否定的)がプレイヤに与えられてもよい。プレイヤは、ゲームプレイに参加している他のプレイヤ、例えば、チームメイト、反対チームのプレイヤなどに称賛を与えてもよい。一部の実施形態では、肯定的な称賛を受けた実績を有するプレイヤは、そのプレイヤが、不正なプレイヤではなく、善意のプレイヤであると区別するのに役立つ場合がある。逆に、否定的な称賛を受けた実績を有するプレイヤは、そのプレイヤが、善意のプレイヤではなく、不正なプレイヤであると区別するのに役立つ場合がある。一実施形態では、プレイヤの称賛は、不正インジケータモデルによって使用されて、プレイヤのゲームプレイに関連するゲームメカニクスが不正であるとして特徴付けられるかどうかを予測するのを助け得る。
【0028】
上記の概要を念頭に置いて、以下では、例示的な実施形態の理解を容易にするためにいくつかの例示的な図を提供する。
【0029】
図1は、複数のプレイヤ102a~102bのためにゲームプレイを実行し、不正なプレイヤとして識別されたプレイヤに警告通知108を送信するように構成されたシステムの実施形態を示す。一例では、不正なプレイヤは、ゲームメカニクスを乱用したり、ゲームの進歩に矛盾する行動をとったりするプレイヤであり得る。別の例では、不正なプレイヤは、他のプレイヤに対して虐待的な場合がある。不正行為とは、例えば、チームのプレイヤがタスクを完了するのを意図的に助けない、他のプレイヤのゲームアクションを減らすためのアクションを取る、他のプレイヤに対する干渉を続ける、ゲームを進めるまたはゲームを楽しむためのゲームアクションまたはゲームメカニクスの意図された使用と矛盾するように通常、行動するなどであり得る。
【0030】
一実施形態では、
図1は、プレイヤ102a~102b、データセンタ110、ゲームサーバ112、及びネットワーク114を示す。プレイヤ102a~102bは、ネットワーク114を介してデータセンタ110及びゲームサーバ112に結合され、それらと通信することができる。
図1のシステムは、クラウドゲームシステムと呼ばれてよく、複数のデータセンタ110及びゲームサーバ112が協働して、分散されたシームレスな方法でユーザ及びプレイヤ102に幅広いアクセスを提供し得る。
【0031】
一部の実施形態では、プレイヤ102a~102bは、マルチプレイヤゲームをプレイしている可能性があり、チームメイトである、または互いに競争している反対のチームにいる。プレイヤ102a~102bは、ネットワーク114を介してデータセンタ110及びゲームサーバ112にゲームコマンドを送信するように構成することができる。さらに、プレイヤ102a~102bは、符号化されたビデオストリームを受信し、データセンタ110及びゲームサーバ112によって受信されたビデオストリームを復号するように構成することができる。一部の実施形態では、ビデオストリームは、ディスプレイ、及び/またはモニタやテレビなどの別個のデバイス上でプレイヤ102a~102bに提示されてよい。一部の実施形態では、プレイヤのデバイスは、画面及びインターネット接続を有する任意の接続されたデバイスであってよい。
【0032】
例えば、
図1は、それぞれモニタ106a~106bに表示されるゲームをプレイするプレイヤ102a~102bの実施形態を示す。ゲームでは、プレイヤ102a~102bは、バレーボールトーナメントで相手チームと競う同じチームにいる。モニタ106a~106bに示されるように、プレイヤ102a~102bは、それぞれ、アバタ104a~104bによって表され、相手チームのプレイヤ、例えば105a~105bと対戦していることを示す。ゲームプレイ中、システムは、ゲームメカニクスとゲームプレイで発生する様々なアクションを自動的に監視し、プレイヤ102a~102bの行為のいずれかが不正であると特徴付けられるかどうかを判断する。
【0033】
一部の実施形態では、システムは、ゲームプレイの1人または複数のプレイヤを、そのプレイヤたちの特定のゲームメカニクスの不正アクションスコアが閾値を超えているかどうかを判断することによって、不正なプレイヤとして識別してよい。一部の実施形態では、不正アクションスコアは、ゲームセッション中にプレイヤによって行われた不正行為の総数に基づいて決定される。一実施形態では、プレイヤ102が不正なプレイヤとして識別されると、警告通知108が生成され、プレイヤのモニタ106に表示されて、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを、そのプレイヤに通知することができる。一部の実施形態では、警告通知108は、特定の要求に従うように、または不正行為を行うのを慎むように、不正なプレイヤに要求する特定の命令を含み得る。例えば、
図1に示すように、プレイヤ102aは、不正なプレイヤとして識別される。警告通知108は、不正なプレイヤ(例えば、プレイヤ102a)のモニタ106aに表示されて、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを、そのプレイヤに通知することができる。図示のように、警告通知108は、メッセージ「警告!あなたは不正なプレイヤとして識別されています。アウトオブバウンズにボールを打たないでください。」を含む。したがって、警告通知108は、ゲームに参加するすべてのプレイヤがゲームプレイを楽しめるように、不正なプレイヤが他人のゲームプレイを故意に妨害するようにゲームをプレイするのを思いとどまらせる場合がある。一部の実施形態では、不正なプレイヤが警告通知の要求に従わない場合、プレイヤが不正行為を行うのを防止するために、他の懲戒措置を取ってよい。
【0034】
図2Aは、プレイヤ102によってプレイされるゲームからゲームプレイデータ222を受信し、ゲームプレイデータ222を処理して、ゲームメカニクス206(例えば、ポイントを獲得、囚人を救出、敵を攻撃)に関連するプレイヤのアクションは、不正であると特徴付けられるかどうかを判断するゲームプレイ分析エンジン201の実施形態を示す。
図2に示すように、システムは、ゲームがプレイヤ102によってプレイされているときにゲームプレイデータ222を受信するように構成されたゲームプレイ分析エンジン201を含む。一実施形態では、ゲームプレイ分析エンジン201は、プレイヤゲームプレイデータ204を抽出するための動作と、ゲームプレイデータ222からゲームメカニクスデータ206を処理するための動作とを含み得る。ゲームメカニクスデータ206を処理した後、ゲームプレイ分析エンジン201は、ゲームメカニクスデータ206を受信してゲームメカニクスの様々な特徴を識別するように構成された特徴抽出208動作を含み得る。特徴抽出208がゲームメカニクスに関連する特徴を識別した後、分類器210の動作は、1つまたは複数の分類器を使用して特徴を分類するように構成されてよい。
【0035】
一部の実施形態では、ゲームプレイ分析エンジン201は、分類器210からの分類された特徴、ゲームコンテキスト202からのデータ、矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を受信するように構成された不正インジケータモデル212を含む。分類された特徴、ゲームコンテキストデータ、矛盾したアクション、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバックを入力として使用して、不正インジケータモデル212を使用して、ゲームのプレイヤ102のアクションが不正なアクションとして特徴付けられるかどうかを判断することができる。閾値プロセッサ214の動作は、不正インジケータモデル212を使用して、ゲームプレイにおけるプレイヤ102のアクションが指定された閾値を超えるかどうかを判断することができる。閾値プロセッサ214の出力は、ゲームプレイペナライザ(penalizer)216の動作及び通知エンジン218の動作によって入力として受信することができる。一実施形態では、ゲームプレイペナライザ216の動作及び通知エンジン218からのデータを使用して、ゲームロジック220の動作を使用してゲームコードを変更し、ゲームプレイに関連する様々な動作特徴を変更することができる。
【0036】
一実施形態では、システムは、ゲームプレイデータ222を処理し、特定のプレイヤ(例えば、プレイヤ1)のデータを抽出してプレイヤのゲームプレイデータを分析することができる。一実施形態では、ゲームプレイデータ222は、ゲームをプレイしている各プレイヤ102に関連するゲームテレメトリデータ及びゲームプレイメタデータを含み得る。ゲームプレイメタデータは、プレイヤ102のゲームプレイセッション中にプレイヤ102によって行われたすべてのアクション、入力、及び動きを識別する状態データなどのコード化された情報を含み得る。
【0037】
一部の実施形態では、システムは、プレイヤ102のゲームプレイに関連するゲームメカニクス206を処理及び識別するように構成することができる。一実施形態では、ゲームメカニクスは、ビデオゲームのゲームプレイを構成する基本的なアクション、プロセス、ルール、及び制御メカニズムである。例えば、ゲームのゲームメカニクスは、ジャンプ、障害物を飛び越える、敵と戦う、敵から防御する、パズルを解く、リソースを管理するなどの様々なアクションを含み得る。各ゲームでは、ゲームメカニクスが異なり、プレイヤがプレイしている特定のアクションシーンに基づいてよい。システムは、ゲームメカニクス206、及びプレイヤのゲームプレイ中にプレイヤ102によって行われているアクションを処理及び識別することができる動作を含み得る。例えば、プレイヤ102は、格闘ゲームをプレイしている場合があり、動作は、ポイントを獲得、敵を攻撃、チームメイトの支援など、ゲームに関連する様々なゲームメカニクス206を処理及び識別することができる。
【0038】
一部の実施形態では、特徴抽出208の動作は、ゲームメカニクス206のデータを処理して、ゲームプレイ中にプレイヤ102によって行われたゲームメカニクス206に関連する特徴を識別及び抽出するように構成される。例として、これらの特徴は、プレイヤがどのようにポイントを獲得したか(例えば、敵をキル、キルアシスト、フラグをキャプチャ)、プレイヤがどのように敵を攻撃したか(例えば、剣、ナイフ、ライフル、手榴弾など)、プレイヤがチームメイトをどのようにサポートするか(例えば、チームメイトが敵の攻撃から防御するのを助ける、チームのために新しい武器を獲得する、チームメイトに弾薬を供給するなど)等のゲームプレイでプレイヤが何をしているかを含み得る。
【0039】
特徴抽出208の動作がゲームメカニクスからの特徴を処理及び識別した後、分類器210は、1つまたは複数の分類器を使用して特徴を分類するように構成される。一実施形態では、特徴は、不正インジケータモデル212によってさらに洗練するために分類アルゴリズムを使用してラベル付けされる。例えば、ゲームセッション中、プレイヤ102は、敵兵と戦う戦闘シーンにいる場合がある。ゲームプレイに関連する特徴は、プレイヤが敵の兵士を撃つときに複数のターゲットを逃すこと、プレイヤが戦闘で銃を使用するのではなくナイフを使用して戦うこと、プレイヤが敵の兵士に攻撃されるときに自分自身を防御しないこと、チームメイトが助けを必要とするとき、プレイヤが助けないことを含み得る。記載したこれらの特徴は、分類器210によって不正行為(例えば、故意の失敗、ゲームツールまたはゲーム目的の誤用など)として分類することができる。
【0040】
一部の実施形態では、不正インジケータモデル212は、分類器210からの分類された特徴、ゲームコンテキスト202、ゲームプレイのゲームメカニクス226に関連する矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を入力として受信するように構成することができる。別の実施形態では、直接的な入力ではない、または入力/フィードバックを欠く他の入力も、不正インジケータモデル212への入力として取得されてよい。不正インジケータモデル212は、機械学習モデルを使用して、プレイヤ102のアクションが不正として特徴付けられるかどうかを予測し、ゲームプレイのゲームメカニクスに関連する不正アクションスコアを決定することができる。
【0041】
一部の実施形態では、ゲームで何が起こっているかがモデルに分かるように、ゲームコンテキスト202を不正インジケータモデル212の入力として使用してよい。ゲームコンテキスト202は、ゲームのコンテキスト、ゲームプレイ中のキャラクタ、ゲームプレイの現在の状態、及び今後のシーンに関連するデータを含み得る。一実施形態では、ゲームプレイのゲームメカニクス226は、プレイヤ102がプレイしているゲームに関連するすべてのゲームメカニクスを含み得る。ゲームプレイのゲームメカニクス226のそれぞれは、ゲームが意図されている方法と矛盾すると事前定義された複数の矛盾したアクション228を含み得る。例えば、矛盾したアクション228は、ゲームアクティビティの意図に反し、ゲームの他のプレイヤを苛立たせたり、ゲームの他のプレイヤに嫌がらせをしたりする傾向のある様々なアクションを含み得る。
【0042】
一部の実施形態では、プレイヤがタグ付けしたフィードバック230は、ゲームプレイ中に他のプレイヤによって提供されたフィードバックを含み得る。プレイヤがタグ付けしたフィードバック230は、ゲームプレイ中にプレイヤによって行われた、ゲームの他のプレイヤが矛盾したアクションであると識別する様々なアクションを含み得る。例えば、あるプレイヤがバスケットボールの試合をしていて、ハーフコートからボールをシュートするだけで、ディフェンスのとき相手のプレイヤからディフェンスを行わない。プレイヤによるこれらのアクションは、ゲームの意図(例えば、ポイントの獲得、ディフェンスのプレイ)に反するため、プレイヤのチームメイトは、矛盾したアクションとしてタグ付けすることができる。したがって、プレイヤがタグ付けしたフィードバック230は、不正インジケータモデル212の入力として使用することができるので、モデルは、どのアクションが不正であると特徴付けることができるかを理解し、学習する。
【0043】
一部の実施形態では、閾値プロセッサ214の動作は、不正インジケータモデル212を使用して、プレイヤ102のゲームプレイに関連するゲームメカニクスが指定された閾値を超えるかどうかを判断することができる。一実施形態では、閾値は、開発者によって決定されてよく、特定の種類のゲームメカニクスによって変化し得る。不正インジケータモデル212から取得した不正アクションスコアを使用して、閾値プロセッサ214の動作は、特定のゲームメカニクスの不正アクションスコアが対応する閾値を超えるかどうかを判断することができる。例えば、プレイヤ102のゲームプレイは、プレイヤが敵の兵士を攻撃することを伴うゲームメカニクスを含む。不正インジケータモデル212を使用して、ゲームメカニクスの不正アクションスコアが2.2であると決定することができる。ゲームメカニクスの閾値は2.0であるため、不正アクションスコアは閾値を超えており、プレイヤは不正なプレイヤとして識別することができる。したがって、通知エンジン218及びゲームプレイペナライザ216の動作によって、適切な是正措置が講じられてよい。
【0044】
一部の実施形態では、プレイヤが不正なプレイヤとして識別された場合(例えば、不正スコアが閾値を超える場合)、通知エンジン218は、警告通知108を生成して、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことをプレイヤに通知するように構成することができる。一部の実施形態では、警告通知108は、特定の要求(例えば、チャットチャネルにスパムを送らない)に従うように、不正なプレイヤに要求してよい。一部の実施形態では、プレイヤが不正なプレイヤとして識別された場合、ゲームプレイペナライザ216の動作は、プレイヤのゲームプレイに関連する様々なゲームメカニクスを制限する(例えば、顔文字の使用頻度の制限、チャット使用の頻度の制限、武器の使用頻度の制限など)ように、またはプレイヤがそれ以上ゲームメカニクス使用できないようにゲームメカニクスを無効にするように構成することができる。例えば、プレイヤは、目に見える標的を有することにかかわらず、武器を乱用したために不正なプレイヤとして識別される場合がある(例えば、武器のスパム)。この例では、ゲームプレイのコンテキストを入力として使用して、アクションが不正行為の可能性があるかどうかを判断する。したがって、ゲームプレイペナライザ216は、プレイヤが標的ではないものを撃って弾薬を無駄にしようとするとき、プレイヤの武器の使用を制限することができる。
【0045】
一部の実施形態では、ゲームロジック220の動作は、通知エンジン218及びゲームプレイペナライザ216の動作から入力データとして受信することができる。データを使用して、ゲームロジック220の動作を使用してゲームコードを変更して、警告通知108がプレイヤのゲームプレイ内に表示されるようにするか、またはプレイヤのゲームメカニクスを制限して、プレイヤがゲームプレイで不正に行動するのを防ぐことができる。
【0046】
図2Bは、不正インジケータモデル212を使用して、複数のプレイヤからのゲームコンテキスト202のゲームプレイデータ204a~204n、矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を入力として使用して、ゲームプレイプレイヤ要約表224を生成するための方法の実施形態を示す。一実施形態では、不正インジケータモデル212は、プレイヤのゲームプレイデータ204a~204n、ゲームコンテキスト202、矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を取り込む1つまたは複数の機械学習操作を実装する。一例では、方法は、プレイヤ102(例えば、プレイヤ1、プレイヤ2、プレイヤN)によってプレイされているゲームからプレイヤゲームプレイデータ204a~204nにアクセスすることを含む。一実施形態では、プレイヤゲームプレイデータ204a~204nは、ゲーム内の対応する各プレイヤに関連するゲームプレイメタデータを含み得る。ゲームプレイメタデータは、ゲームプレイ中にプレイヤ102によって行われたすべてのアクション、入力、及び動きを識別する状態データなどのコード化された情報を含み得る。
【0047】
別の実施形態では、方法は、各プレイヤのゲームプレイデータ204a~204nを解析して、プレイヤのゲームプレイに関連するゲームメカニクス206a~206nを抽出及び識別することをさらに含み得る。上記のように、ゲームメカニクスは、ビデオゲームのゲームプレイを構成する基本的なアクション、プロセス、ルール、及び制御メカニズムである。例えば、ゲームのゲームメカニクスは、ポイントの獲得、ジャンプ、障害物の乗り越え、敵との戦い、敵からの防御、パズルの解決、リソースの管理など、様々なメカニズムを含み得る。
【0048】
別の実施形態では、方法は、ゲームメカニクスデータ206a~206nを受信してゲームメカニクスの様々な特徴を識別するように構成された特徴抽出208a~208n動作をさらに含み得る。特徴抽出208a~208n動作が、ゲームプレイのゲームメカニクス206a~206nに関連する特徴を識別した後、分類器210a~210nが、1つまたは複数の分類器を使用して特徴を分類するように構成することができる。
【0049】
一部の実施形態では、方法は、ゲーム内で発生していることがモデルに分かるようなゲームコンテキスト202、分類器210a~210nからの分類された特徴、矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を入力として受信するように構成された不正インジケータモデル212に進む。別の実施形態では、直接的な入力ではない、または入力/フィードバックを欠く他の入力も、不正インジケータモデル212への入力として取得されてよい。例えば、プレイヤの称賛及びプレイヤに関連する他のデータは、不正インジケータモデル212への入力として取得することができる。不正インジケータモデル212は、ゲームプレイでのプレイヤのアクションが不正であるかどうか、またはゲームプレイの意図と一致しているかどうかを予測するために使用される機械学習を使用してよい。不正インジケータモデル212はまた、上記の入力に基づいてパターン及び類似性を識別し得る。パターンと類似性を使用して、不正インジケータモデル212は、プレイヤの特定のアクションが不正として特徴付けられるかどうかを推測してよい。
【0050】
上記のように、ゲームプレイゲームメカニクス226のそれぞれは、ゲームの意図されているプレイ方法と矛盾すると事前定義された複数の矛盾したアクション228を含み得る。矛盾したアクションは、データベースにプログラムまたはコード化されてよく、これらを使用して、そのようなアクションが特定のコンテキストシナリオのゲームメカニクスと矛盾するかどうかを判断することができる。他の実施形態では、プレイヤがタグ付けしたフィードバック230は、ゲームプレイ中に他のプレイヤによって提供されたフィードバックを含み得る。プレイヤがタグ付けしたフィードバック230は、ゲームプレイ中にプレイヤによって行われた、ゲームの他のプレイヤが矛盾したアクションであると識別する様々なアクションを含み得る。例えば、アクションシーンが、プレイヤの目的が悪役のキャラクタを撃つことである「ボス戦」を含む。分類器210a~210nからの分類された特徴、ゲームコンテキスト202、矛盾したアクション228、及びプレイヤがタグ付けしたフィードバック230を使用して、不正インジケータモデル212を使用して、プレイヤ1、プレイヤ2、プレイヤNの射撃の命中率は、それぞれ、95.4%、93.1%、及び13.5%であると決定される。プレイヤNの射撃命中率は、プレイヤ1及びプレイヤ2の射撃命中率よりも大幅に低いため、「ボス戦」のアクションシーンでプレイヤNが不正な行動をしたと推測することができる。
【0051】
一部の実施形態では、方法は次にゲームプレイプレイヤ要約表224に進み、ここで、不正インジケータモデル212の出力は、ゲームプレイプレイヤ要約表224をレンダリングするために使用される情報であってよい。一部の実施形態では、ゲームプレイプレイヤ要約表224は、プレイヤ102のゲームプレイ、様々なアクションシーンにおけるパフォーマンスメトリクス、プレイヤが不正であると識別されるアクションシーンなどに関連する情報を含み得る。
【0052】
図3は、プレイヤゲームプレイデータ204a~204n及びプレイヤプロファイルモデル301a~301nを使用して、所与のプレイヤのプレイヤプロファイル302a~302nを生成するシステムの実施形態を示す。一実施形態では、プレイヤプロファイルモデル301a~301nは、プレイヤゲームプレイデータ204a~204nを取り込む1つまたは複数の機械学習操作を実施する。プレイヤのゲームプレイデータ204a~204nは、ゲームプレイのメタデータ、及びプレイヤが過去にプレイしたすべてのゲームに関連する様々な情報を含み得る。例えば、プレイヤのゲームプレイデータ204a~204nは、プレイされたゲームの種類、総プレイ時間、勝敗合計、プレイヤが行ったアクション、獲得ポイント、獲得ゴール、プレイヤ間のインタラクション、ゲームの進行などの情報を含み得る。一実施形態では、プレイヤプロファイルモデル301a~301nは、ゲームによって生成されたメタデータを処理するように構成され、メタデータを解析して、プレイヤ102のアクションに関連する特定の特徴を識別することができる。
【0053】
一部の実施形態では、プレイヤのプロファイルモデル301a~301nを使用して、特定のプレイヤのプレイヤプロファイル302a~302nを生成することができ、プレイヤの様々なゲームプレイ傾向を予測することができる。一実施形態では、プレイヤプロファイルモデル301a~301nは、1つまたは複数の分類器を使用して特徴を分類するために、上記の入力を処理して、プレイヤによってプレイされたビデオゲームに関連する特徴を識別することができる。分類された特徴は、次に、機械学習エンジンによって使用されて、様々な種類のビデオゲームのプレイヤのゲームプレイの傾向が予測される。プレイヤプロファイルモデル301a~301nの出力は、所与のプレイヤのプレイヤプロファイル302a~302nを作成するために使用される情報であってよい。プレイヤプロファイル302a~302nは、ゲーム経験、ゲームプレイ履歴、視聴履歴、ゲームスキルレベル、好み、興味、無関心などのプレイヤの属性及び特性を含み得る。一部の実施形態では、プレイヤプロファイル302a~302nは、例えば、チャットスパム、意図的にチーム目標を行わない、武器の誤用など、ゲームプレイ中のプレイヤの傾向や癖に関連する情報を含み得る。
【0054】
一実施形態では、プレイヤの不正の傾向を知ることにより、システムは、不正行為が発生する前に積極的にアクションを取ることができる。例えば、プレイヤのゲームプレイのゲームメカニクスを制限することができる、または、事前にプレイヤに警告することができる。例えば、プレイヤのプレイヤプロファイル302a~302nは、プレイヤがスポーツゲームをプレイするときにチームメイトのゲームプレイを意図的に妨害する傾向があることを示す。プレイヤがサッカーゲームをプレイするとき、システムはゲームプレイの開始時に警告通知を生成して、チームメイトのゲームプレイを妨害しないように、例えば、チームメイトをつまずかせたり、チームメイトからサッカーボールを奪ったりしないように、プレイヤに念押しすることができる。一部の実施形態では、警告通知を生成してプレイヤに通知する代わりに、プレイヤのゲームメカニクスを制限することができる。例えば、チームメイトをつまずかせたり、チームメイトからサッカーボールを奪ったりするプレイヤの能力を適用することができる。
【0055】
図4Aは、プレイヤ102によってプレイされるゲームのためのゲームメカニクスグリッド402の実施形態を示す。一実施形態では、ゲームメカニクスグリッド402は、プレイヤによってプレイされるゲームに関連するゲームメカニクス206のリスト、対応するゲームメカニクス206に関連する説明406、プレイヤによって行われ得る様々な種類の不正行為408、プレイヤによって行われた不正行為に基づいて計算される不正アクションスコア410、ゲームメカニクスに関連する閾値412、及び不正アクションスコア410が閾値412を超えるかどうかの評価(例えば、414)を含み得る。
【0056】
上記のように、ゲームメカニクスは、ビデオゲームのゲームプレイを構成する基本的なアクション、プロセス、ルール、及び制御メカニズムである。
図4Aに示すように、特定のゲームについて、ゲームメカニクス206は、獲得したポイント、救出した囚人、障害物コースの完走、リレーレース、攻撃した敵、受けたダメージなどの様々なメカニクスを含み得る。ゲームメカニクス206は、プレイヤがプレイしているゲームによって変り、ゲームに依存し得る。ゲームメカニクス206ごとに、システムは、プレイヤ102がゲームプレイ中に行う可能性のある複数の不正行為408を追跡してよい。例えば、ゲームメカニクスグリッド402に示されているように、不正行為408は合計5つのカテゴリを含む。これらのカテゴリには、意図的な失敗(例えば、バレーボールをアウトオブバウンズに打つ)、ゲームメカニクスの誤用(例えば、チームメイトにフラッシュグレネードを使用する)、ゲームメカニクスの乱用(例えば、弾薬の浪費)、スパム行為(例えば、ゲームチャットシステムに絵文字を大量に送る)、及び苦情(例えば、チームメイトから受ける)が含まれる。一般に、不正アクションとは、ゲームアクティビティの意図と矛盾するアクションであり、ゲーム内の他のプレイヤを苛立たせたり、ゲーム内の他のプレイヤに嫌がらせをしたりする意図があるアクションである。一部の実施形態では、プレイヤのゲームプレイ中、システムは、ゲームプレイ中のプレイヤのアクションを追跡し、プレイヤが不正アクションを行った場合、アクションを不正として自動的にタグ付けする。一実施形態では、プレイヤが不正アクションを行った場合、ゲーム内の他のプレイヤは、そのプレイヤのアクションを不正としてタグ付けすることができる。
【0057】
図4Aに示すように、ゲームメカニクスGM-7には、敵に対するプレイヤの防御が含まれる。ゲームメカニクスグリッド402に示されるように、プレイヤは合計4回意図的に失敗し(例えば、敵の攻撃に対して防御しなかった)、ゲームでゲームメカニクスを合計2回乱用した(例えば、武器の弾薬を浪費した)。したがって、ゲームメカニクスGM-7の不正アクションスコアは、不正アクションの合計を加算し(例えば、Σ(4+2)=6)、それを、不正アクションカテゴリの総数(例えば、5)で割ることによって、決定することができる。その結果、GM-7の不正アクションスコアは値1.2、例えば、Σ(4+2)/(5)=1.2となる。
【0058】
上記のように、ゲームメカニクスに関連する閾値412は、不正アクションスコア410と比較して、不正アクションスコア410が閾値412を超えるかどうかを評価することができる。例えば、ゲームメカニクスGM-7は、閾値0.75を有し、GM-7の不正アクションスコアは、計算値1.2となった。不正アクションスコアが閾値を超えるので、プレイヤ102は不正なプレイヤとして識別することができ、不正なプレイヤが不正であると特徴付けられるアクションを行うことを防止するための適切な措置を講じることができる(例えば、ゲームメカニクスの制限、プレイヤへの警告など)。
【0059】
一部の実施形態では、ゲームメカニクスグリッド402を開発者が使用して、プレイヤ102によって行われる不正アクションをプレイヤのゲームプレイ中に追跡及び監視することができる。ゲームメカニクスグリッド402は、プレイヤの様々な不正行為を追跡でき、これは、開発者が分類しなければならない可能性のあるデータの量を最小限に抑えることができるため、開発者が不正の可能性のあるプレイヤを識別するのに役立つ効率的なツールになり得る。一実施形態では、開発者は、不正アクションスコア410が対応する閾値412を超える前に、懲戒処分(例えば、プレイヤへの警告、プレイヤのゲームメカニクスの制限など)を取ると積極的に決定してよい。一部の実施形態では、ゲームメカニクスグリッド402は、開発者によって使用されて、プレイヤが善意のプレイヤであり、ゲームのルール及びガイドラインに従って行動するかどうかを判断することができる。例えば、ゲームセッションの終了後、閾値412よりも大幅に低い不正アクションスコア410を有するプレイヤは、善意のプレイヤとして識別されてよい。したがって、ゲームメカニクスグリッド402を使用して、不正なプレイヤと善意のプレイヤとを区別することができる。
【0060】
一部の実施形態では、ゲームメカニクスグリッド402は、開発者によって使用されて、特定のゲームメカニクスに関連する傾向及びパターンを識別することができる。例えば、移動する標的を撃つことを伴う特定のゲームメカニクスについて、ゲームメカニクスグリッド402は、ゲームのプレイヤの大多数が意図的に標的を撃つことに失敗したと示す場合がある。しかしながら、移動する標的の移動が速すぎて、ほとんどのプレイヤがターゲットに命中させるのが難しい可能性があるため、これは誤りである可能性がある。したがって、開発者は、ゲームに関連するこの特定のゲームメカニクスを調査し、プレイヤが意図的にターゲットを撃つことに失敗しているように見えないように変更を加える(例えば、閾値を増やす、ゲームコードを調整して、移動する標的に命中しやすくするなど)必要があるかどうかを判断することができる。
【0061】
図4Bは、ゲームセッションを通して継続的に更新されるゲームメカニクスグリッド402を有するタイムライン416を示す実施形態である。一実施形態では、プレイヤ102のゲームセッション中、ゲームメカニクスグリッド402は、ゲームセッションが開始するとき(例えば、時間t0)にプレイヤ102のために生成され、ゲームセッションが終了する(例えば、時間tend)までゲームセッションを通して継続的に更新される。例えば、
図4Bに示すように、時間t2で、ゲームメカニクスグリッド402aにアクセスして、プレイヤがゲームプレイ中に不正アクションを行っているかどうかを判断し、ゲームメカニクスに関連する閾値を超えたかどうかを判断することができる。プレイヤ102のゲームプレイが進行するにつれて、ゲームメカニクスグリッドは変化し続ける可能性があり、任意の時点で変化する可能性がある。したがって、
図4Bに示すように、ゲームメカニクスグリッド402b及び402cは、時間t6及びt10で、それぞれ、アクセスされて、ゲームメカニクスグリッドに変化があるかどうかを判断することができる。一実施形態では、ゲームメカニクスグリッドは、各ゲームセッションが終了した後、アクションシーンが終了した後、またはレベルが完了した後にリセットされてよい。一部の実施形態では、ゲームメカニクスグリッドはリセットされず、プレイヤのゲームプレイ全体にわたって継続する。
【0062】
図5は、ゲーム中にプレイヤ102に提示される称賛を、ゲームの特定のゲームコンテキストに相関させることを示す実施形態である。一部の実施形態では、プレイヤのゲームプレイセッション中またはゲームセッションの終了後に、プレイヤ102に称賛が与えられる場合がある。称賛は、プレイヤのチームメイトによって、または相手チームのプレイヤによって、プレイヤ102に与えられてよい。
図5に示すように、称賛502a~502nはゲームコンテキスト202a~202nと一致しない。なぜならば、称賛はゲームコンテキストが発生した後のある時点で与えられるからである。一致しないため、称賛がどのゲームコンテキストに関連するかを判断する際に不正確になる可能性がある。
【0063】
例えば、モトクロスレースを含むプレイヤのゲームプレイ中に、プレイヤは一連のアクションを行う場合がある。
図5に示すように、ゲームコンテキスト202aは、プレイヤが斜面からジャンプするときのゲームの状態を表し、ゲームコンテキスト202bは、プレイヤがレースでリードするときのゲームの状態を表し、ゲームコンテキスト202nは、レースでプレイヤがクラッシュしてリードを失ったときのゲームの状態を表す。したがって、システムは、称賛を適切なゲームコンテキストと相関させるように構成されてよい。その結果、
図5に示すように、称賛502aは、ゲームコンテキスト202a(例えば、斜面からジャンプするプレイヤ)に対応するように位置合わせされ、称賛502nは、ゲームコンテキスト202b(例えば、レースでリードするプレイヤ)に対応するように位置合わせされる。一実施形態では、称賛とゲームコンテキストとの相関は、2つのデータセット間の相対的な遅延が分かるように訓練された機械学習モデルによって、またはゲームプレイのコンテキストに基づいて行うことができる。
【0064】
図6は、複数のプレイヤ102のためのプレイヤ称賛表602の実施形態を示す。一実施形態では、プレイヤ称賛表602は、ゲームプレイに参加したプレイヤ102のリスト、ゲームプレイに関連するアクションシーン606、プレイヤに与えられた称賛608、平均称賛スコア610、及びプレイヤのパフォーマンスが不正と特徴付けられるかどうかの評価(例えば、612)を含み得る。図示のように、プレイヤ102a~102nに関連するゲームプレイは、ボス戦、野外での忍者の戦い、救出ミッション、ポセイドンとの戦い、梯子を登るなどの様々なアクションシーンを含み得る。上記のように、一部の実施形態では、ゲームプレイ中またはゲームセッション終了後にプレイヤに称賛が与えられてよい。一実施形態では、称賛は、ゲームをプレイしているプレイヤまたはゲームを見ている視聴者によって与えられてよい。一実施形態では、
図6に示すように、肯定的な称賛(例えば、上向きの矢印)及び否定的な称賛(例えば、下向きの矢印)をプレイヤに与えることができ、最大5つの肯定的または否定的な称賛を所与のプレイヤに与えることができる。
【0065】
例えば、
図6に示すように、プレイヤ1には、合計で、ボス戦のアクションシーンに3つの肯定的な称賛、忍者の戦いのアクションシーンに1つの肯定的な称賛、救出ミッションのアクションシーンに5つの肯定的な称賛、ポセイドンとの戦いのアクションシーンに2つの肯定的な称賛、及び梯子を登るアクションシーンに4つの否定的な称賛が与えられている。一部の実施形態では、ゲームプレイのアクションシーンに対応する平均称賛スコア610をプレイヤについて計算することができる。平均称賛スコア610は、特定のアクションシーンでプレイヤに与えられたすべての称賛の平均である。例えば、プレイヤ1の救出ミッションのアクションシーンに対応する平均称賛スコア610は、4.5という値になる。別の例では、梯子を登るアクションシーンに対応する平均称賛スコア610は、-3.5という値になる。一実施形態では、平均称賛スコア610を計算するとき、否定的な称賛は、負の値(例えば、3つの否定的な称賛=-3)によって表され、負の称賛スコアにつながる可能性がある。
【0066】
一部の実施形態では、平均称賛スコア610を使用して、特定のアクションシーンにおけるプレイヤのパフォーマンスが不正として特徴付けられるかどうかを評価することができる(例えば、612)。一実施形態では、平均称賛スコア610を特定の閾値と比較して、プレイヤのゲームプレイパフォーマンスが不正として特徴付けられるかどうかを判断することができる。一例では、
図6に示すように、ゼロ未満の平均称賛スコアは不正と見なされ、ゼロより大きい平均称賛スコアは不正とは見なされない。したがって、プレイヤの平均称賛スコア610を使用して、プレイヤが不正なプレイヤであるかどうかを判断するのに役立てることができる。
【0067】
一部の実施形態では、プレイヤの平均称賛スコアの正確性及び信頼性は、称賛を与えているプレイヤに基づいて決定することができる。例えば、プレイヤの平均称賛スコアが高く(例えば、4.9/5)称賛が不正なプレイヤによって与えられた場合、プレイヤの平均称賛スコアは誤りまたは不正確な可能性があると推測することができる。したがって、開発者は、不正なプレイヤによってプレイヤに与えられた称賛を調査して、プレイヤのアクションが肯定的な称賛を受けるとして特徴付けられる行為と一致しているかどうかを判断してよい。
【0068】
図7は、ゲームセッション中にゲームの不正なプレイヤを識別する方法を示す。一実施形態では、方法は、プレイヤ102によってプレイされるゲームのゲームプレイデータを受信する動作702を含む。方法は動作704に進み、動作は、ゲームの複数のゲームメカニクスを、プレイヤがそれらの複数のゲームメカニクスのうちの1つまたは複数に対して入力を提供すると、処理するように構成される。例えば、プレイヤは、プレイヤがバレーボールトーナメントで競っているマルチプレイヤゲームをプレイしている場合がある。方法は、得点する、ネットを越えてボールを打つ、ボールが地面に落ちるのを防ぐなど、ゲームプレイに関連する様々なゲームメカニクスを識別及び処理してよい。プレイヤがバレーボールゲームをプレイしているとき、プレイヤは、ゲームのゲームメカニクスに関連する複数の入力、例えば、ボールをパスする、ボールをスパイクする、ボールをブロックする、ボールをサーブするなどを提供している。
【0069】
方法は動作706に進み、動作は、複数のゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理するように構成される。一部の実施形態では、不正アクションスコアは、ゲームのゲームプレイのゲームコンテキストに基づく前述の複数のゲームメカニクスの事前定義された使用と一致しない、タグ付けされたいくつかのアクションを有する。一般に、ゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾したタグ付けされたアクションは、ゲームの他のプレイヤを苛立たせたり、ゲームの他のプレイヤに嫌がらせをしたりする傾向があり、ゲームアクティビティの意図に反するものである。例えば、
図4Aに示すように(例えば、不正アクション408)、ゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾するアクションは、意図的な失敗、ゲームメカニクスの悪用、ゲームメカニクスの乱用、スパム行為、苦情(例えば、苦情または過度の苦情を受ける)を含み得る。ゲームプレイが進行し、プレイヤがゲームメカニクスの事前定義された使用と矛盾する行為を行うと、その行為はタグ付けされ、不正アクションスコアを処理するために使用される。他の実施形態では、矛盾したアクション及び不正行為の追加の例には、キルを盗むこと、意図的にルールまたはガイドラインに違反すること、ゲームのバグを悪用すること、ゆっくりと非効率的にプレイすること、他のチームメンバーのゲームパフォーマンスに有害なアクションを故意に実行することなどが含まれてよい。
【0070】
動作708において、動作は、不正アクションスコアがゲームのゲームメカニクスのいずれかの閾値を超えるかどうかを判断するように構成される。例えば、
図4Aのゲームメカニクスグリッド402を参照すると、不正行為(例えば、408)の様々な行為が識別され、タグ付けされて、プレイヤ102が対応するゲームメカニクスに対して不正行為を行った回数が決定される。例えば、ゲームメカニクスGM-N(例えば、武器の獲得)の場合、プレイヤは合計6回の不正行為を行った。具体的には、プレイヤ102は、意図的に合計2回失敗し(例えば、機会が与えられたときに更新された武器を獲得しなかった)、合計2回スパムを送り(例えば、チャットチャネルに過度の顔文字を提出した)、合計2回チームメイトから苦情を受け取った。したがって、メカニクスGM-Nの不正アクションスコアは、計算値1.2という結果になった(例えば、Σ(2+2+2)/5)=1.2)。不正アクションスコアが閾値(例えば、1.0)を超えるので、プレイヤ102は、不正なプレイヤとして識別することができる。その結果、不正なプレイヤが識別されると、方法は動作710に進む。しかしながら、不正アクションスコアが対応する閾値を超えない場合、方法は動作706に戻り、動作はゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理し続けるように構成される。
【0071】
動作710において、動作は、警告通知108を生成し、プレイヤ102に、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを通知するように構成される。一実施形態では、警告通知108は、プレイヤに通知するために、プレイヤのモニタ106に表示することができる。警告通知108は、プレイヤが不正なプレイヤとして識別されたことを不正なプレイヤに知らせるためのメッセージを含み得る。一部の実施形態では、警告通知108は、不正なプレイヤに特定の不正行為を行うことを慎むように、例えば、ボールをアウトオブバウンズに打たない、弾薬を無駄にしない、チームメイトを撃たない、過度の絵文字を使用しないなどを要求する特定の命令を含み得る。例えば、
図1を参照すると、プレイヤ102aは不正なプレイヤとして識別され、「警告!あなたは不正なプレイヤとして識別されています。アウトオブバウンズにボールを打たないでください。」というメッセージを含む警告通知108がモニタ106aに表示される。
【0072】
方法は動作712に進み、そこで動作は、不正なプレイヤが警告通知108に従ったかどうかを判断するように構成される。不正なプレイヤが警告通知108に示された要求に従っている場合、方法は動作706に戻り、動作は、ゲームメカニクスのそれぞれについて不正アクションスコアを処理し続けるように構成される。しかしながら、不正なプレイヤが警告通知108に示された要求を無視し、不正であると特徴付けられた行為を続けている場合、方法は動作714に進む。
【0073】
動作714において、動作は、ゲームプレイに関連するプレイヤのゲームメカニクスを制限するように構成される。一実施形態では、動作714は、ゲームコードを調整してプレイヤのゲームプレイにおける特定のゲームメカニクスを制限することによって、不正なプレイヤのゲームの動作を変更するように構成することができる。一実施形態では、動作714は、ゲームコードを調整して、不正なプレイヤが、チームメイトを殺す、アウトオブバウンズにボールを打つ、チャットチャネルに顔文字を大量に送るなどの様々なゲームプレイ機能を実行することを防止または制限するように構成することができる。
【0074】
図8は、本開示の様々な実施形態の側面を実行するために使用することができる例示的なデバイス800のコンポーネントを示す。このブロック図は、デバイス800を示し、デバイス800は、本開示の実施形態を実施するのに好適なパーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、または他のデジタルデバイスを組み込むことができる、またはこれらであってよい。デバイス800は、ソフトウェアアプリケーション及び任意選択でオペレーティングシステムを動作させる中央処理装置(CPU)802を含む。CPU802は、1つまたは複数の同種または異種の処理コアで構成されてよい。例えば、CPU802は、1つまたは複数の処理コアを有する1つまたは複数の汎用マイクロプロセッサである。さらなる実施形態は、クエリの解釈、文脈的に関連するリソースの識別、及び文脈的に関連するリソースのビデオゲーム内での即時実施及びレンダリングなど、高並列及び計算集約的なアプリケーションに特に適合したマイクロプロセッサアーキテクチャを有する1つまたは複数のCPUを使用して、実施することができる。デバイス800は、ゲームセグメントをプレイしているプレイヤにローカライズされてよい(例えば、ゲームコンソール)、または、プレイヤから離れた場所にあってよい(例えば、バックエンドサーバプロセッサ)、またはクライアントへのゲームプレイのリモートストリーミングのためにゲームクラウドシステムで仮想化を使用する多くのサーバの1つであってよい。
【0075】
メモリ804は、CPU802が使用するアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ806は、アプリケーション及びデータ用の不揮発性ストレージ及び他のコンピュータ可読媒体を提供し、かつ、固定ディスクドライブ、取り外し可能ディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD-ROM、DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)、HD-DVD、もしくは他の光学ストレージデバイス、ならびに信号伝送及び記憶媒体を含み得る。ユーザ入力デバイス808は、1人または複数のユーザからのユーザ入力をデバイス800へ通信するものであり、その例には、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スチルレコーダ/カメラもしくはビデオレコーダ/カメラ、ジェスチャを認識する追跡デバイス、及び/またはマイクロフォンが含まれてよい。ネットワークインタフェース814は、デバイス800が電子通信ネットワークを介して他のコンピュータシステムと通信することを可能にし、かつ、ローカルエリアネットワーク、及びインターネットなどの広域ネットワークを介した有線または無線通信を含み得る。オーディオプロセッサ812は、CPU802、メモリ804、及び/またはストレージ806によって提供される命令及び/またはデータから、アナログまたはデジタルのオーディオ出力を生成するように適合されている。CPU802、メモリ804、データストレージ806、ユーザ入力デバイス808、ネットワークインタフェース810、及びオーディオプロセッサ812を含むデバイス800のコンポーネントは、1つまたは複数のデータバス822を介して接続されている。
【0076】
グラフィックサブシステム820がさらに、データバス822及びデバイス800のコンポーネントと接続されている。グラフィックスサブシステム820は、グラフィック処理装置(GPU)816及びグラフィックメモリ818を含む。グラフィックメモリ818は、出力画像の各画素の画素データを記憶するために使用される表示メモリ(例えばフレームバッファ)を含む。グラフィックメモリ818は、GPU808と同じデバイスに統合することができる、GPU816に別個のデバイスとして接続することができる、及び/またはメモリ804内に実装することができる。画素データは、CPU802から直接グラフィックメモリ818に提供することができる。あるいは、CPU802は、所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令をGPU816に提供し、それらから、GPU816は、1つまたは複数の出力画像の画素データを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ804及び/またはグラフィックメモリ818に記憶することができる。ある実施形態において、GPU816は、シーンの形状、照明、陰影、質感、動き、及び/またはカメラのパラメータを定義する命令及びデータから、出力画像の画素データを生成する3Dレンダリング機能を含む。GPU816はさらに、シェーダプログラムを実行可能な1つまたは複数のプログラム可能実行ユニットを含み得る。
【0077】
グラフィックサブシステム814は、グラフィックメモリ818から画像の画素データを定期的に出力して、ディスプレイデバイス810に表示させる。ディスプレイデバイス810は、デバイス800からの信号に応答して視覚情報を表示できる任意のデバイスであってよく、これにはCRT、LCD、プラズマ、及びOLEDディスプレイが含まれる。デバイス800は、ディスプレイデバイス810に、例えばアナログ信号またはデジタル信号を提供することができる。
【0078】
当然ながら、現在の実施形態のゲームへのアクセス提供など、広範囲な地域にわたり配信されるアクセスサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用する。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで多くの場合仮想化されたリソースがインターネット経由のサービスとして提供される、コンピューティング様式である。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」の技術的インフラストラクチャのエキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などの異なるサービスに分けることができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ビデオゲームなどの共通のアプリケーションを、ウェブブラウザからアクセスするオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータは、クラウド内のサーバに記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるインターネットの描かれ方に基づいたインターネットの隠喩として使用され、それが隠し持つ複雑なインフラストラクチャの抽象的概念である。
【0079】
一部の実施形態では、ゲームサーバを使用して、ビデオゲームプレイヤのための持続時間情報プラットフォームの動作を実行してよい。インターネット経由でプレイされる大抵のビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、プレイヤからデータを収集し、収集したデータを他のプレイヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。他の実施形態では、ビデオゲームは、分散型ゲームエンジンによって実行されてよい。これらの実施形態では、分散型ゲームエンジンは、複数の処理エンティティ(PE)上で実行されてよく、各PEは、ビデオゲームが実行される所与のゲームエンジンの機能セグメントを実行する。各処理エンティティは、ゲームエンジンからは単なる計算ノードと見なされる。ゲームエンジンは通常、機能的に多様な一連の動作を行って、ユーザが体験する追加のサービスと共にビデオゲームアプリケーションを実行する。例えば、ゲームエンジンは、ゲームロジックを実装し、ゲーム計算、物理特性、ジオメトリ変換、レンダリング、照明、シェーディング、オーディオ、ならびに追加のゲーム内もしくはゲーム関連サービスを実行する。追加のサービスには、例えば、メッセージング、ソーシャルユーティリティ、オーディオ通信、ゲームプレイ再生機能、ヘルプ機能などが含まれてよい。ゲームエンジンは、特定のサーバのハイパーバイザによって仮想化されたオペレーティングシステム上で実行される場合もあるが、他の実施形態では、ゲームエンジン自体が複数の処理エンティティ間に分散され、各エンティティはデータセンタの異なるサーバユニットに常駐してよい。
【0080】
この実施形態によると、実行のために各処理エンティティは、各ゲームエンジンセグメントのニーズに応じて、サーバユニット、仮想マシン、またはコンテナであってよい。例えば、ゲームエンジンセグメントがカメラの変換を担当する場合、その特定のゲームエンジンセグメントは、比較的単純な数学演算(例えば、行列変換)を多数行うことになるので、グラフィック処理ユニット(GPU)に関連する仮想マシンと共にプロビジョニングされてよい。より少ないがより複雑な動作を必要とする他のゲームエンジンセグメントは、1つまたは複数のより高出力の中央処理装置(CPU)に関連する処理エンティティと共にプロビジョニングされてよい。
【0081】
ゲームエンジンを分散することにより、ゲームエンジンは、物理サーバユニットの能力に拘束されない弾力性のある計算特性を備える。代わりに、ゲームエンジンは、必要に応じて、ビデオゲームの要求を満たすためにより多いまたは少ない計算ノードと共にプロビジョニングされる。ビデオゲーム及びビデオゲームプレイヤの観点からは、複数の計算ノードに分散されているゲームエンジンは、ゲームエンジンマネージャまたはスーパーバイザがワークロードを分散し、結果をシームレスに統合して、エンドユーザにビデオゲーム出力構成要素を提供するので、単一の処理エンティティで実行される非分散ゲームエンジンと区別できない。
【0082】
ユーザは、少なくともCPU、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイスにより、リモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、PDAなどであってよい。一実施形態では、ゲームサーバ上で実行されるネットワークは、クライアントが使用するデバイスの種類を認識し、採用する通信方法を調整する。別の事例では、クライアントデバイスは、HTMLなどの標準的な通信方法を使用して、インターネット経由でゲームサーバ上のアプリケーションにアクセスする。
【0083】
当然ながら、所与のビデオゲームまたはゲームアプリケーションは、特定のプラットフォーム及び特定の関連するコントローラデバイス用に開発されてよい。しかし、このようなゲームが、本明細書に記載されるようなゲームクラウドシステムを介して利用可能となる場合、ユーザは、異なるコントローラデバイスを用いてビデオゲームにアクセスすることができる。例えば、ゲームは、ゲームコンソール及びその関連コントローラ用に開発された場合があるが、ユーザは、キーボード及びマウスを利用して、パーソナルコンピュータからクラウドベースバージョンのゲームにアクセスすることができる。このようなシナリオでは、入力パラメータ設定により、ユーザが利用可能なコントローラデバイス(この事例ではキーボード及びマウス)により生成され得る入力から、ビデオゲームの実行で受け入れ可能な入力へ、マッピングを定義することができる。
【0084】
別の例では、ユーザは、タブレットコンピューティングデバイス、タッチスクリーンスマートフォン、または他のタッチスクリーン駆動デバイスを介して、クラウドゲームシステムにアクセスしてよい。この場合、クライアントデバイス及びコントローラデバイスは、同じデバイス内に一緒に統合され、検出されたタッチスクリーン入力/ジェスチャにより入力が提供される。このようなデバイスでは、入力パラメータ設定により、ビデオゲームのゲーム入力に対応する特定のタッチスクリーン入力を定義してよい。例えば、ボタン、指向性パッド、または他の種類の入力素子は、ビデオゲームの実行中に表示されて、またはオーバーレイされて、ユーザがゲーム入力を生成するためにタッチすることができるタッチスクリーン上の位置を示してよい。特定の方向へのスワイプなどのジェスチャ、または特定のタッチモーションもゲーム入力として検出されてよい。一実施形態では、タッチスクリーン上での制御操作にユーザを慣れさせるために、例えばビデオゲームのゲームプレイを始める前に、タッチスクリーンを介してゲームプレイに入力する方法を示すチュートリアルをユーザに提供することができる。
【0085】
一部の実施形態では、クライアントデバイスは、コントローラデバイスの接続ポイントとして機能する。すなわち、コントローラデバイスは、無線接続または有線接続を介してクライアントデバイスと通信し、コントローラデバイスからクライアントデバイスへ入力を送信する。次に、クライアントデバイスは、これらの入力を処理し、その後、入力データを、(例えばルータなどのローカルネットワークデバイスを介してアクセスされる)ネットワークを介して、クラウドゲームサーバへ送信してよい。しかし、別の実施形態では、コントローラ自体が、このような入力をまずクライアントデバイスを通して通信する必要なく、ネットワークを介して入力を直接クラウドゲームサーバに通信する能力を有するネットワークデバイスであってよい。例えば、コントローラは、ローカルネットワークデバイス(前述のルータなど)に接続して、クラウドゲームサーバとデータを送受信し得る。したがって、クライアントデバイスは、クラウドベースのビデオゲームからビデオ出力を受信し、それをローカルディスプレイにレンダリングすることを依然として必要とされるが、コントローラがクライアントデバイスを迂回してクラウドゲームサーバへネットワーク経由で直接に入力を送信することを可能にすることにより、入力レイテンシを低減することができる。
【0086】
一実施形態において、ネットワーク化されたコントローラ及びクライアントデバイスは、一定の種類の入力をコントローラからクラウドゲームサーバへ直接に、また他の種類の入力をクライアントデバイスを介して送信するように構成することができる。例えば、コントローラ自体は別として、任意の追加のハードウェアまたは処理に依存しない検出による入力は、クライアントデバイスを迂回して、ネットワークを介して直接コントローラからクラウドゲームサーバへ送信することができる。このような入力は、ボタン入力、ジョイスティック入力、埋め込み型動き検出入力(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)などを含み得る。しかしながら、追加のハードウェアを利用する、またはクライアントデバイスによる処理を必要とする入力は、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ送信することができる。これらは、ゲーム環境からキャプチャされたビデオまたはオーディオを含んでよく、それらは、クラウドゲームサーバに送信する前にクライアントデバイスにより処理されてよい。さらに、コントローラの動作検出ハードウェアからの入力は、キャプチャされたビデオと併せてクライアントデバイスにより処理されて、コントローラの位置及び動作を検出することができ、これは次にクライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ通信される。当然ながら、様々な実施形態によるコントローラデバイスはまた、クライアントデバイスから、または直接クラウドゲームサーバから、データ(例えばフィードバックデータ)を受信してよい。
【0087】
当然ながら、本明細書で定義される様々な実施形態は、組み合わされてよい、または集められて本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施態様にされてよい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせて、より多くの実施態様を規定することによって可能である様々な実施態様に制限を加えるものではない。一部の例では、一部の実施態様は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0088】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能家庭用電化製品、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践されてよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0089】
方法動作を特定の順序で説明したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、動作間に他のハウスキーピング動作が実行されてもよく、または動作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に動作を分散することで、様々な処理関連間隔で処理動作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0090】
1つまたは複数の実施形態はまた、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータストレージデバイスであり、データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ならびに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体を含み得る。
【0091】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正されてもよい。