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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】光変調デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20240723BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G02F1/1337
G02F1/13 505
G02F1/13 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022519362
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2020015269
(87)【国際公開番号】W WO2021091207
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0139591
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジュン スン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、チョル ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン ホン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ウン
(72)【発明者】
【氏名】ギム、ミン ジュン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0100575(KR,A)
【文献】特表2018-507443(JP,A)
【文献】特開2000-346550(JP,A)
【文献】特開2007-057817(JP,A)
【文献】特開2009-229894(JP,A)
【文献】特開平10-301115(JP,A)
【文献】特開2006-323222(JP,A)
【文献】特開平06-337405(JP,A)
【文献】特開昭61-195187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0123035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1337
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板の第1表面上に粘着剤層又は接着剤層を形成する段階として、前記第1表面上で硬化性組成物を硬化させて前記粘着剤層又は接着剤層を形成するか、あるいは離型フィルム上で前記硬化性組成物を硬化させて前記粘着剤層又は接着剤層を形成した後、前記粘着剤層又は接着剤層を前記第1表面上に貼合する段階;及び
前記第1表面に粘着剤層又は接着剤層が形成された第1基板と、第1表面にスペーサ及び液晶配向膜が形成されている第2基板と、を互いの第1表面が対向するように貼合する段階を含み、
前記第1基板と第2基板とを互いの第1表面が対向するように貼合する段階前又は前記貼合する段階後に熱処理を行うか、又は前記第1基板と第2基板とを互いの第1表面が対向するように貼合する段階中に熱処理を行う、光変調デバイスの製造方法であって、
前記貼合する段階前に行う熱処理は、少なくとも前記第1基板に対して80℃以上の温度で行い、
前記貼合する段階中に行う熱処理は、前記第1基板と前記第2基板の貼合を50℃超過、90℃未満の温度範囲内で行うことによって前記第1基板及び前記第2基板に対して行い、
前記貼合する段階後に行う熱処理は、貼合された前記第1基板及び前記第2基板に対して75℃以上の温度で、30秒以上、20分以下の時間で行い、
前記熱処理が前記粘着剤層又は接着剤層を形成する硬化工程の後で行われ
前記粘着剤層又は接着剤層は、シリコン粘着剤層又は接着剤層である、光変調デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記貼合する段階前に行う熱処理は、30秒以上行う、請求項1に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記第1基板には、液晶配向膜が形成されていない、請求項1又は2に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項4】
貼合される前記第1基板と前記第2基板の間には、液晶化合物が存在するか、前記第1基板と前記第2基板の貼合後に、前記第1基板と前記第2基板の間に液晶化合物を注入する段階をさらに行う、請求項1から3の何れか一項に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項5】
貼合された前記第1基板と前記第2基板の間には、キラルドーパントがさらに存在するか、前記第1基板と第2基板の貼合後に、前記第1基板と前記第2基板の間に前記キラルドーパントを注入する段階をさらに行う、請求項4に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項6】
第1及び第2基板の間隔(d)と前記キラルドーパントにより形成されるキラルピッチ(p)の割合(d/p)が1未満となるように前記第1及び第2基板を貼合する、請求項5に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記第1基板の第2表面又は前記第2基板の第2表面に偏光層を配置する段階をさらに行う、請求項1から6の何れか一項に記載の光変調デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記第1基板の第2表面及び前記第2基板の第2表面に2層の偏光層を配置する段階をさらに行い、前記偏光層の配置は、前記第1基板の第2表面及び第2基板の第2表面の偏光層の吸収軸が互いに垂直又は平行となるように行う、請求項1から7の何れか一項記載の光変調デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
【0002】
本出願は、2019年11月4日に出願された大韓民国特許出願第10-2019-0139591号に基づく優先権の利益を主張し、該当大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0003】
技術分野
本出願は、光変調デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
基板の間に液晶化合物などを含む光変調層を位置させた光変調デバイスは、多様な用途に用いられている。
【0005】
光変調デバイスが目的とする用途に適合する性能を示すためには、前記基板の間で前記液晶化合物の配向状態を精緻に制御することが重要である。通常、液晶化合物の配向(特に初期配向)を調節するために、液晶化合物を適用するデバイスは、対向する前記二つの基板の表面に全て配向膜を形成する。
【0006】
上記とは異なり、二つの基板のうち一側の基板にのみ液晶配向膜を形成し、他側の基板には、配向膜の代わりに所定の粘着剤層又は接着剤層を形成すると、前記配向膜と粘着剤層又は接着剤層の表面作用により特にスマートウィンドウ(smart window)やアイウェア(eye wear)用途に適合する液晶化合物の配向状態が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記二つの基板のうち一側の基板にのみ液晶配向膜を形成し、他側の基板には、粘着剤層又は接着剤層を形成した光変調デバイスでは、接着剤又は粘着剤特有の表面特性と製造工程で加えられるせん断応力(shear)などによる表面ダメージにより液晶配向異常によるムラが発生する。
【0008】
本出願は、二つの基板のうち一側の基板にのみ液晶配向膜を形成し、他側の基板には、配向膜の代わりに粘着剤層又は接着剤層を形成した構造の光変調デバイスにおいて、配向ムラなどの欠陥を除去することを主要な目的とする。
【0009】
本出願は、二つの基板のうち一側の基板にのみ液晶配向膜を形成し、他側の基板には、配向膜の代わりに粘着剤層又は接着剤層を形成した構造の光変調デバイスにおいて、配向状態を一層改善し得る製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書で角度を定義する用語のうち垂直、平行、直交又は水平などは、目的とする効果を損傷させない範囲での実質的な垂直、平行、直交又は水平を意味し、前記垂直、平行、直交又は水平の範囲は、製造誤差(error)又は偏差(variation)などの誤差を含むものである。例えば、前記それぞれの場合は、約±15度以内の誤差、約±14度以内、約±13度以内、約±12度以内、約±11度以内、約±10度以内、約±9度以内、約±8度以内、約±7度以内、約±6度以内、約±5度以内、約±4度以内、約±3度以内、約±2度以内又は約±1度以内の誤差を含むことができる。
【0011】
本明細書で角度を定義する用語のうち数値は、製造誤差(error)又は偏差(variation)などの誤差を含むものである。したがって、本明細書で角度を定義しながら用いる数値は、約±15度以内の誤差、約±14度以内、約±13度以内、約±12度以内、約±11度以内、約±10度以内、約±9度以内、約±8度以内、約±7度以内、約±6度以内、約±5度以内、約±4度以内、約±3度以内、約±2度以内又は約±1度以内の誤差を含むことができる。
【0012】
本明細書で言及する物性のうち測定温度が当該物性に影響を及ぼす場合に、特に別に規定しない限り、前記物性は、常温で測定した物性である。
【0013】
本明細書で用語「常温」は、特に加温したり減温しない状態での温度であって、約10℃~30℃の範囲内のいずれか一つの温度、例えば、約15℃以上、18℃以上、20℃以上又は約23℃以上であり、且つ、約27℃以下の温度を意味することができる。また、特に別に規定しない限り、本明細書で言及する温度の単位は、℃である。
【0014】
本明細書で言及する位相差及び屈折率は、特に別に規定しない限り、約550nm波長の光に対する屈折率を意味する。
【0015】
特に別に規定しない限り、本明細書で言及する任意の2つの方向がなす角度は、前記2つの方向がなす鋭角乃至鈍角のうち鋭角であるか、又は時計回りの方向又は反時計回りの方向に測定された角度のうち小さい角度であってもよい。したがって、特に別に規定しない限り、本明細書で言及する角度は、正数である。ただし、場合によって、時計回りの方向又は反時計回りの方向に測定された角度間の測定方向を表示するために、前記時計回りの方向に測定された角度及び反時計回りの方向に測定された角度のうちいずれか一つの角度を正数で表記し、他の一つの角度を負数で表記してもよい。
【0016】
本出願は、光変調デバイスの製造方法に関する。用語「光変調デバイス」は、少なくとも2つ以上の異なる光の状態の間をスイッチングし得るデバイスを意味することができる。前記異なる光の状態は、少なくとも透過率、反射率、色相及び/又はヘイズが異なる状態を意味することができる。
【0017】
光変調デバイスが具現できる状態の例としては、透過、遮断、高反射、低反射及び/又は特定色相を示す色相モード状態などがあるが、これに制限されるものではない。
【0018】
一つの例示で、前記光変調デバイスは、少なくとも前記透過モード状態と遮断モード状態との間をスイッチングし得るデバイスであるか、あるいは、前記高反射モードと低反射モードとの間をスイッチングし得るデバイスであってもよい。
【0019】
前記透過モード状態での光変調デバイスの透過率が、少なくとも20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上又は80%以上程度であってもよい。
【0020】
前記遮断モード状態での光変調デバイスの透過率は、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下又は5%以下であってもよい。透過モードで透過率は、高いほど有利であり、遮断モードでは、透過率が低いほど有利であるので、前記透過モード状態の透過率の上限と遮断モード状態の透過率の下限は、特に制限されず、一つの例示で、前記透過モード状態の透過率の上限は、約100%であり、遮断モード状態での透過率の下限は、約0%であってもよい。
【0021】
一つの例示で、前記透過モード状態と遮断モード状態との間をスイッチングし得る光変調デバイスにおいて、前記透過モード状態での透過率と遮断モード状態での透過率との差(透過モード-遮断モード)は、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上又は40%以上であってもよく、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下又は45%以下であってもよい。
【0022】
前記透過率は、例えば、直進光透過率であってもよい。直進光透過率は、前記デバイスに入射した光に対する前記入射方向と同一方向に透過した光の比率の百分率である。例えば、前記デバイスがフィルム又はシート形態であれば、前記フィルム又はシート表面の法線方向に並ぶ方向に入射した光のうち、やはり前記法線方向に並ぶ方向に前記デバイスを透過した光の百分率を前記透過率として定義することができる。
【0023】
前記高反射モード状態での光変調デバイスの反射率は、少なくとも10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上又は40%以上程度であってもよい。また、前記低反射モード状態での光変調デバイスの反射率は、20%以下、15%以下、10%以下又は5%以下であってもよい。高反射モードで反射率は、高いほど有利であり、低反射モードでは、反射率が低いほど有利であるので、前記高反射モード状態の反射率の上限と低反射モード状態の反射率の下限は、特に制限されず、一つの例示で、前記高反射モード状態での反射率は、約60%以下、55%以下又は50%以下であってもよく、低反射モード状態での反射率の下限は、約0%であってもよい。
【0024】
一つの例示で、前記低反射モード状態と高反射モード状態との間をスイッチングし得る光変調デバイスにおいて、前記高反射モード状態での反射率と低反射モード状態での反射率との差(高反射モード-低反射モード)は、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上又は40%以上であってもよく、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下又は45%以下であってもよい。
【0025】
前記言及された透過率及び反射率は、それぞれ、可視光領域、例えば、約400~700nm又は約380~780nmの範囲内のいずれか一つの波長に対する透過率又は反射率であるか、前記可視光領域の全体に対する透過率又は反射率であるか、前記可視光領域の全体に対する透過率又は反射率のうち最大又は最小透過率又は反射率であるか、前記可視光領域内の透過率の平均値又は反射率の平均値であってもよい。
【0026】
本出願の光変調デバイスは、前記透過モード、遮断モード、高反射モード、低反射モード及び色相モード(color mode)状態から選択されたいずれか一つの状態及び他の一つの状態の少なくとも2個以上の状態の間をスイッチングし得るように設計され得る。必要に応じて、前記状態以外に他のその他第3の状態又はそれ以上の状態も具現され得る。
【0027】
前記のような光変調デバイスのスイッチングは、外部信号の印加、例えば、電圧信号の印加有無によって調節することができる。例えば、電圧のような外部信号の印加がない状態で光変調デバイスは、上述した状態のうちいずれか一つの状態を維持しつつ、電圧が印加されると、他の状態にスイッチングされ得る。印加される電圧の強さ、周波数及び/又は形態を変更することにより、また、モードの状態を変更するか、あるいは、前記第3の他のモード状態を具現してもよい。
【0028】
本出願の光変調デバイスは、対向配置された2個の基板と前記基板の間に位置した光変調層を有する光変調フィルム層を基本単位で含むことができる。図1は、前記光変調フィルム層の一つの例示を示す図である。図面のように、光変調フィルム層は、対向配置された第1基板100と第2基板200を含む。図面のように、第1基板100の一つの表面(以下、第1表面と称する)上には、粘着剤層又は接着剤層が形成され、他の第2基板200の表面(以下、第1表面と称する)には、液晶配向膜2001が形成され、前記対向配置された第1基板100と第2基板200の間に光変調層600が位置する。光変調層が液晶層である場合に、通常的に、第1及び第2基板100、200の両側表面全てに液晶配向膜が形成されるが、第1基板100上に液晶配向膜の代わりに粘着剤層又は接着剤層を形成し、第2基板200にのみ液晶配向膜を形成することで、特定用途(例えば、smart windowやeye wear)で非常に有用な液晶化合物の配向状態が得られる。したがって、本出願の光変調フィルム層の第1基板には、液晶配向膜が形成されなくてもよい。また、図面には図示しなかったが、光変調フィルム層の第1及び第2基板のうちいずれか一つの基板には、第1及び第2基板の間隔(cell gap)を維持するスペーサが存在するが、図面のように、第1基板100上に粘着剤層又は接着剤層1001を形成する場合に、前記スペーサに前記粘着剤層又は接着剤層1001が付着されて第1及び第2基板間の合着力を大きく改善することができる。
【0029】
本明細書で基板の第1表面は、基板の主表面とその反対側の表面のうちいずれか一つの表面を意味し、第2表面は、基板の主表面とその反対側の表面のうち他の一つの表面を意味する。
【0030】
前記基板としては、特に制限なしに公知の基板素材が用いられ得る。例えば、基板としては、ガラス基板、結晶性又は非結晶性シリコン基板又は石英基板などの無機基板やプラスチック基板などを用いることができる。
【0031】
プラスチック基板としては、TAC(triacetyl cellulose)基板;ノルボルネン誘導体基板などのCOP(cyclo olefin copolymer)基板;PMMA(poly(methyl methacrylate)基板;PC(polycarbonate)基板;PE(polyethylene)基板;PP(polypropylene)基板;PVA(polyvinyl alcohol)基板;DAC(diacetyl cellulose)基板;Pac(Polyacrylate)基板;PES(poly ether sulfone)基板;PEEK(polyetheretherketon)基板;PPS(polyphenylsulfone)、PEI(polyetherimide)基板;PEN(polyethylenenaphthatlate)基板;PET(polyethyleneterephtalate)基板などのポリエステル基板;PI(polyimide)基板;PSF(polysulfone)基板;PAR(polyarylate)基板;又は非晶質フッ素樹脂などを含む基板を用いることができるが、これに制限されるものではない。このような基板の厚さは、特に制限されず、適切な範囲で選択され得る。
【0032】
前記基板の間に存在する光変調層は、外部信号の印加有無によって、単独であるいは他の構成要素と連携して、光の透過度、反射度、ヘイズ及び/又は色相などを変更し得る機能性層である。このような光変調層は、本明細書で能動光変調層と呼称され得る。
【0033】
本明細書で「外部信号」とは、光変調層内に含まれる物質、例えば、光変調物質の挙動に影響を与え得る外部の要因、例えば、外部電圧などを意味することができる。したがって、外部信号がない状態とは、外部電圧などの印加がない状態を意味することができる。
【0034】
本出願で光変調層の種類は、上述した機能を有するものであれば、特に制限されず、公知の光変調層が適用され得る。前記光変調層は、例えば、液晶層、電気変色物質層、光変色物質層、電気永動物質層又は分散粒子配向層であってもよい。
【0035】
一つの例示で、光変調層としては、前記液晶層が適用され得る。液晶層は、液晶化合物を含む層である。本明細書で用語「液晶層」の範囲には、液晶化合物を含んでいる層が全て含まれ、例えば、後述するように、液晶化合物(液晶ホスト)と二色性染料を含む、いわゆるゲストホスト層やキラルドーパントなどその他添加剤を液晶化合物とともに含む層も本明細書で規定する液晶層の一種である。前記液晶層は、能動液晶層であってもよく、したがって、前記液晶化合物は、外部信号の印加有無によって配向方向が変わるように液晶層内に存在することができる。液晶化合物としては、外部信号の印加によってその配向方向が変更され得るものであれば、全ての種類の液晶化合物を用いることができる。例えば、液晶化合物としては、スメクチック(smectic)液晶化合物、ネマチック(nematic)液晶化合物又はコレステリック(cholesteric)液晶化合物などを用いることができる。また、外部信号の印加によってその配向方向が変更され得るように、液晶化合物は、例えば、重合性基又は架橋性基を有しない化合物であってもよい。
【0036】
液晶層は、誘電率異方性が正数又は負数である液晶化合物を含むことができる。液晶の誘電率異方性の絶対値は、本出願の目的を考慮して適切に選択され得る。用語「誘電率異方性(△ε)」は、液晶の水平誘電率(ε//)と垂直誘電率(ε)の差(ε//-ε)を意味することができる。また、本明細書で用語「水平誘電率(ε//)」は、液晶分子の方向子と印加電圧による電場の方向が実質的に水平となるように電圧を印加した状態で前記電場の方向に沿って測定した誘電率値を意味し、「垂直誘電率(ε)」は、液晶分子の方向子と印加電圧による電場の方向が実質的に垂直となるように電圧を印加した状態で前記電場の方向に沿って測定した誘電率値を意味する。
【0037】
液晶層の駆動モードは、例えば、DS(Dynamic Scattering)モード、ECB(Electrically Controllable Birefringence)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe-Field Switching)モード、OCB(Optially Compensated Bend)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モード、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード又はR-TN(Reversed Twisted Nematic)モードなどを例示することができる。
【0038】
液晶層である光変調層は、前記液晶化合物とともに光透過度可変特性を調節するという側面で、二色性染料をさらに含むことができる。本出願で用語「染料」は、可視光領域、例えば、400nm~700nm波長範囲内で少なくとも一部又は全体範囲内の光を集中的に吸収及び/又は変形させ得る物質を意味することができ、用語「二色性染料」は、前記可視光領域の少なくとも一部又は全体範囲で光の異方性吸収が可能な物質を意味することができる。このような染料としては、例えば、アゾ染料又はアントラキノン染料などが公知となっているが、これに制限されるものではない。
【0039】
一つの例示で、前記光変調層は、液晶及び二色性染料を含む液晶層であって、いわゆるゲストホスト液晶層(Guest host liquid crystal cell)であってもよい。用語「GHLC層」は、液晶の配列によって二色性染料が共に配列され、二色性染料の整列方向と前記整列方向の垂直な方向に対してそれぞれ非等方性光吸収特性を示す機能性層を意味することができる。例えば、二色性染料は、光の吸収率が偏光方向によって変わる物質であって、長軸方向に偏光された光の吸収率が大きいと、p型染料と呼称し、短縮方向に偏光された光の吸収率が大きいと、n型染料と呼称することができる。一つの例示で、p型染料が用いられる場合、染料の長軸方向に振動する偏光は吸収され、染料の短縮方向に振動する偏光は、吸収が少ないため、透過させ得る。以下、特に言及しない限り、二色性染料は、p型染料であると仮定する。
【0040】
ゲストホスト液晶層を光変調層で含む光変調フィルム層は、能動型偏光層(Active Polarizer)として機能することができる。本明細書で用語「能動型偏光層(Active Polarizer)」は、外部信号の印加によって非等方性の光吸収を調節し得る機能性素子を意味することができる。このような能動型偏光層は、後述する受動型偏光層が外部信号の印加と関係なく一定な光吸収乃至光反射特性を有することと区別され得る。前記ゲストホスト液晶層は、液晶及び二色性染料の配列を調節することにより、前記二色性染料の配列方向に平行な方向の偏光及び垂直な方向の偏光に対する非等方性の光吸収を調節することができる。液晶及び二色性染料の配列は、磁場又は電場のような外部信号の印加によって調節され得るので、ゲストホスト液晶層は、外部信号の印加によって非等方性の光吸収を調節することができる。
【0041】
光変調層である液晶層は、液晶化合物と共に、いわゆるキラルドーパント(chiral dopant)を含んでもよい。このようなキラルドーパントは、液晶化合物に螺旋構造の配向を誘導することができる。含まれ得るキラルドーパントの種類は、特に制限されず、必要に応じて、公知の種類のうち適切なキラルドーパントが選択され得る。キラルドーパントの割合にも特に制限はないが、光変調層の厚さ(d、cell gap)と前記キラルドーパントの添加により発生する液晶化合物の螺旋構造のピッチ(p)の割合(d/p)が1未満となり得る割合でキラルドーパントが含まれ得る。前記割合(d/p)は、他の例示で、0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下、0.5以下又は0.45以下であるか、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上又は0.35以上であってもよい。このような割合(d/p)は、粘着剤層又は接着剤層と液晶配向膜により誘導される液晶化合物の配向と連携されて適用用途に適合する配向状態を導出することができる。
【0042】
光変調層(cell gap)の厚さは、本出願の目的を考慮して適切に選択され得る。一つの例示で、前記光変調層の厚さは、0.01μm以上、0.1μm以上、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上又は10μm以上であってもよい。このように厚さでモード状態による透過率、反射率、ヘイズ及び/又は色相の差が大きいデバイスを具現することができる。前記厚さは、厚いほど前記差を具現し得るので、特に制限されるものではないが、一般的に、約30μm以下、25μm以下、20μm以下又は15μm以下であってもよい。
【0043】
光変調フィルム層で第1基板の第1表面上に形成される粘着剤層又は接着剤層の種類は、特に制限されない。業界で、いわゆるOCA(Optically clear adhesive)又はOCR(Optically clear resin)として公知の多様な類型の粘着剤又は接着剤は、液晶配向膜と組み合わせて液晶化合物の適合する配向を誘導することができる。前記粘着剤又は接着剤としては、例えば、アクリル系、シリコン系、エポキシ系又はウレタン系の粘着剤又は接着剤が適用され得る。
【0044】
適切な粘着剤又は接着剤として、シリコン系粘着剤又は接着剤が例示され得る。シリコン系粘着剤又は接着剤が有する特有の表面特性は、液晶配向膜(特に、垂直配向膜)と組み合わせて目的に適合する液晶化合物の配向状態を誘導することができる。
【0045】
前記シリコン系粘着剤又は接着剤は、硬化性シリコン接着剤又は粘着剤組成物(以下、単に硬化性シリコン組成物と呼称する)の硬化物を用いることができる。硬化性シリコン組成物の種類は、特に制限されず、例えば、加熱硬化性シリコン組成物又は紫外線硬化性シリコン組成物を用いることができる。
【0046】
一つの例示で、前記硬化性シリコン組成物は、付加硬化性シリコン組成物であって、(1)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン及び(2)分子中に2個以上のケイ素結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサンを含むことができる。上記のようなシリコン化合物は、例えば、白金触媒などの触媒の存在下で、付加反応によって硬化物を形成することができる。
【0047】
前記(1)オルガノポリシロキサンは、シリコン硬化物を構成する主成分として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含む。このとき、アルケニル基の具体的な例には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基又はヘプテニル基などが含まれ、このうち、ビニル基が通常適用されるが、これに制限されるものではない。前記(1)オルガノポリシロキサンで、上述したアルケニル基の結合位置は、特に限定されない。例えば、前記アルケニル基は、分子鎖の末端及び/又は分子鎖の側鎖に結合されていてもよい。また、前記(1)オルガノポリシロキサンで、上述したアルケニル外に含まれ得る置換基の種類としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基などのアリール基;ベンジル基又はフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3-クロロプロピル基又は3,3,3-トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などが挙げられ、このうち、メチル基又はフェニル基が通常適用されるが、これに制限されるものではない。
【0048】
前記(1)オルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分枝状、環状、網状又は一部が分枝状を成す直鎖状などのように、どのような形状でも有することができる。通常、上記のような分子構造のうち、特に直鎖状の分子構造を有するものが適用されるが、これに制限されるものではない。
【0049】
前記(1)オルガノポリシロキサンのより具体的な例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン-メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン-メチルフェニルシロキサン共重合体、R SiO2/2で表示されるシロキサン単位とR SiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、R2R2SiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RSiO2/2で表示されるシロキサン単位とRSiO3/2で表示されるシロキサン単位又はRSiO3/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体及び前記のうち2以上の混合物が挙げられるが、これに制限されるものではない。上記で、Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基などのアリール基;ベンジル基又はフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3-クロロプロピル基又は3,3,3-トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであってもよい。また、上記で、Rは、アルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基又はヘプテニル基などであってもよい。
【0050】
前記付加硬化性シリコン組成物で、(2)オルガノポリシロキサンは、前記(1)オルガノポリシロキサンを架橋させる役目を行うことができる。前記(2)オルガノポリシロキサンで、水素原子の結合位置は、特に限定されず、例えば、分子鎖の末端及び/又は側鎖に結合されていてもよい。また、前記(2)オルガノポリシロキサンで、前記ケイ素結合水素原子外に含まれ得る置換基の種類は、特に限定されず、例えば、(1)オルガノポリシロキサンで言及したような、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン置換アルキル基などが挙げられ、このうち、通常メチル基又はフェニル基が適用されるが、これに制限されるものではない。
【0051】
前記(2)オルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分枝状、環状、網状又は一部が分枝状を成す直鎖状などのように、どのような形状も有することができる。上記のような分子構造のうち通常直鎖状の分子構造を有するものが適用されるが、これに制限されるものではない。
【0052】
前記(2)オルガノポリシロキサンのより具体的な例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルハイドロジエンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジエン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジエンシロキサン-メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジエンシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジエンシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジエンシロキサン基封鎖メチルフェニポリシロキサン、R SiO1/2で表示されるシロキサン単位とR HSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、R HSiO1/2で表示されるシロキサン単位とSiO4/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RHSiO2/2で表示されるシロキサン単位とRSiO3/2で表示されるシロキサン単位又はHSiO3/2で表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体及び上記のうち2以上の混合物が挙げられるが、これに制限されるものではない。上記で、Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基などのアリール基;ベンジル基又はフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3-クロロプロピル基又は3,3,3-トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであってもよい。
【0053】
前記(2)オルガノポリシロキサンの含量は、適切な硬化が行われ得る程度に含まれれば特に限定されない。例えば、前記(2)オルガノポリシロキサンは、上述した(1)オルガノポリシロキサンに含まれるアルケニル基一つに対して、ケイ素結合水素原子が0.5~10個となる量で含まれ得る。このような範囲で硬化を十分に進行させて、耐熱性を確保することができる。
【0054】
前記付加硬化性シリコン組成物は、硬化のための触媒として白金又は白金化合物をさらに含むことができる。このような白金又は白金化合物の具体的な種類は特に制限されない。触媒の割合も適切な硬化が行われ得るレベルに調節されるとよい。
【0055】
また、前記付加硬化性シリコン組成物は、貯蔵安定性、取り扱い性及び作業性の向上の観点から必要な適切な添加剤を適正割合で含んでもよい。
【0056】
他の例示で、前記シリコン組成物は、縮合硬化性シリコン組成物として、例えば、(a)アルコキシ基含有シロキサンポリマー;及び(b)水酸基含有シロキサンポリマーを含むことができる。
【0057】
前記(a)シロキサンポリマーは、例えば、下記化学式1で表示される化合物であってもよい。
【0058】
[化学式1]
SiO(OR
【0059】
化学式1で、R及びRは、それぞれ独立的に、水素原子、又は置換もしくは非置換された1価炭化水素基を示し、Rは、アルキル基を示し、R、R及びRがそれぞれ複数個存在する場合には、互いに同一であるか異なっていてもよく、a及びbは、それぞれ独立的に、0以上、1未満の数を示し、a+bは、0超過、2未満の数を示し、cは、0超過、2未満の数を示し、dは、0超過、4未満の数を示し、a+b+cX2+dは、4である。
【0060】
化学式1の定義で、1価炭化水素は、例えば、炭素数1~8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基又はトリル基などであってもよく、このとき、炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基などであってもよい。また、化学式1の定義で、1価炭化水素基は、例えば、ハロゲン、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基、グリシジル基、グリシドキシ基又はウレイド基などの公知の置換基によって置換されていてもよい。
【0061】
化学式1の定義で、Rのアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基又はブチル基などが挙げられる。アルキル基のうち、メチル基又はエチル基などが通常適用されるが、これに制限されるものではない。
【0062】
化学式1のポリマーのうち分枝状又は3次架橋されたシロキサンポリマーを用いることができる。また、この(a)シロキサンポリマーには、目的を損傷させない範囲内で、具体的には、脱アルコール反応を阻害しない範囲内で水酸基が残存していてもよい。
【0063】
前記(a)シロキサンポリマーは、例えば、多官能のアルコキシシラン又は多官能クロロシランなどを加水分解及び縮合させることで製造できる。この分野の平均的な技術者は、目的とする(a)シロキサンポリマーによって適切な多官能アルコキシシラン又はクロロシランを容易に選択することができ、それを用いた加水分解及び縮合反応の条件も容易に制御できる。一方、前記(a)シロキサンポリマーの製造時には、目的に応じて、適切な1官能のアルコキシシランを併用してもよい。
【0064】
前記(a)シロキサンポリマーとしては、例えば、信越シリコーン社製のX40-9220又はX40-9225、GE東芝シリコーン社製のXR31-B1410、XR31-B0270、XR31-B2733などのような、市販のオルガノシロキサンポリマーを用いることができる。
【0065】
前記縮合硬化性シリコン組成物に含まれる、(b)水酸基含有シロキサンポリマーとしては、例えば、下記化学式2で示す化合物を用いることができる。
【0066】
[化学式2]
【化1】
【0067】
化学式2で、R及びRは、それぞれ独立的に、水素原子、又は置換もしくは非置換された1価の炭化水素基を示し、R及びRがそれぞれ複数存在する場合には、上記は互いに同一であるか異なっていてもよく、nは、5~2,000の整数を示す。
【0068】
化学式2の定義で、1価炭化水素基の具体的な種類としては、例えば、前記化学式1の場合と同一な炭化水素基が挙げられる。
【0069】
前記(b)シロキサンポリマーは、例えば、ジアルコキシシラン及び/又はジクロロシランなどを加水分解及び縮合させることで製造できる。この分野の平均的な技術者は、目的とする(b)シロキサンポリマーによって適切なジアルコキシシラン及び/又はジクロロシランを容易に選択することができ、それを用いた加水分解及び縮合反応の条件も容易に制御できる。前記のような(b)シロキサンポリマーとしては、例えば、GE東芝シリコーン社製のXC96-723、YF-3800、YF-3804などのような、市販の2官能オルガノシロキサンポリマーを用いることができる。
【0070】
上述した付加硬化型あるいは縮合硬化型シリコン組成物は、本出願で適用されるシリコン粘着剤又は接着剤を形成するための材料の一つの例示である。すなわち、基本的に業界でOCA又はOCRなどとして知られているシリコン粘着剤又は接着剤が全て本出願で適用され得る。
【0071】
前記粘着剤又は接着剤、あるいはそれを形成する硬化性組成物の類型は、特に制限されず、目的とする用途によって適切に選択され得る。例えば、固相、半固相又は液状の粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物が用いられ得る。固相又は半固相の粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物は、接着対象が合着される前に硬化され得る。液状の粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物は、いわゆる光学透明レジン(OCR;Optical Clear Resin)と呼称され、接着対象が合着された後に硬化され得る。一つの例示によると、前記粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物としては、いわゆるポリジメチルシロキサン系(Polydimethyl siloxane-based)粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物、又はポリメチルビニルシロキサン系(Polymethylvinyl siloxane-based)粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物、又はアルコキシシリコン系(Alkoxy silicone-based)粘着剤又は接着剤、もしくは硬化性組成物などを用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0072】
前記粘着剤層又は接着剤層の厚さは、特に制限されず、目的とする接着力又は粘着力の確保のための適正範囲で選択され得る。前記厚さは、約1μm~50μmの範囲内であってもよい。前記厚さは、他の例示で、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、9μm以上又は10μm以上であるか、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下程度であってもよい。
【0073】
第2基板の第1表面上に形成される配向膜の種類も特に制限されない。すなわち、前記配向膜としては、目的とする初期配向を考慮して公知の垂直あるいは水平配向膜やその他配向膜が適用され得る。配向膜の類型もラビング配向膜のような接触式配向膜や、光配向膜のような非接触式配向膜が適用され得る。一つの例示で、前記配向膜としては、垂直配向膜を用いることができる。垂直配向膜と前記粘着剤層又は接着剤層の組み合わせは、多様な用途に適合する液晶化合物の配向状態を誘導することができる。
【0074】
光変調層である液晶層で前記粘着剤層又は接着剤層と液晶配向膜によって形成される、液晶化合物の初期配向は、垂直配向、水平配向、傾斜配向又はスプレー配向であってもよい。また、前記垂直配向、水平配向、傾斜配向又はスプレー配向状態で液晶化合物は、ツイスティングされてツイスティング配向又はコレステリック配向状態で存在するか、そうではなくてもよい。上記で初期配向は、液晶化合物を含む光変調層に電圧のような外部信号が印加されない状態での配向を意味する。
【0075】
前記水平配向、傾斜配向、垂直配向又はスプレー配向の意味は、業界で公知の通りである。光変調層の液晶化合物は、初期状態で前記水平配向、傾斜配向、垂直配向又はスプレー配向の状態を維持しつつ、外部信号によってそれとは異なる配向状態に変更され得る。
【0076】
一つの例示で、前記光変調層での液晶化合物の初期配向は、垂直配向であるか、あるいは垂直配向と類似の配向状態であってもよい。このような配向状態は、前記液晶配向膜として垂直配向膜を適用することで得られる。このような配向は、いわゆるR-TN(Reversed Twisted Nematic)配向を具現する素子において有用である。
【0077】
また、前記液晶配向膜が水平配向膜である場合には、いわゆるECBモードを具現する素子において有用である。
【0078】
したがって、前記垂直配向又は垂直配向と類似の配向状態で光変調層の面上位相差(550nm波長基準)は、例えば、約30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下又は5nm以下であるか、0nm以上又は0nm超過であってもよい。
【0079】
前記面上位相差(又は面内位相差)は、下記数式1によって求められる。
【0080】
[数式1]
Rin=d×(nx-ny)
【0081】
数式1で、Rinは、面上位相差又は面内位相差であり、nxは、光変調層内の液晶化合物の遅相軸方向の屈折率であり、nyは、光変調層内の液晶化合物の進相軸方向の屈折率であり、dは、光変調層の厚さである。
【0082】
光変調フィルム層は、前記第1及び第2基板の間隔を維持するスペーサ(spacer)をさらに含むことができる。スペーサとしては、通常的に適用されるスペーサとして、ボールスペーサやコラムスペーサ又は隔壁型スペーサが適用され得る。前記隔壁型スペーサとしては、ハニカム(honeycomb)型、四角形の隔壁型スペーサ又はランダム型スペーサが適用され得る。上記でハニカム型又は四角形の隔壁型スペーサは、公知のように基板上に形成された隔壁型スペーサの形態を基板の法線方向から観察したときに前記隔壁型スペーサにより形成される図形がハニカム型又は四角形である場合を意味する。前記ハニカム型は、通常、正六角形の組み合わせとなり、四角形の場合、正方形、長方形又は正方形と長方形の組み合わせなどがあり得る。また、上記でランダム型スペーサは、隔壁がランダムに配置された場合であって、該当隔壁が図形を形成しないか、形成しても整形化された図形ではないランダムに図形を形成する場合を意味する。
【0083】
スペーサのピッチなども目的とする付着力やセルギャップの維持効率などを考慮して適切に選択され得る。例えば、隔壁型スペーサが適用される場合、前記隔壁型スペーサのピッチが300μm~900μmの範囲内であってもよい。前記ピッチは、他の例示で、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上又は550μm以上であるか、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下又は600μm以下程度であってもよい。隔壁型スペーサでピッチを取得する方式は公知である。例えば、隔壁型スペーサがハニカム型であると、前記ハニカムを成す六角形で対向する辺の間隔を通じてピッチを求め、四角形である場合に、四角形の辺の長さを通じてピッチを取得する。前記ハニカムを成す六角形で対向する辺の間隔や、四角形の辺の長さが一定ではない場合には、それらの平均値をピッチとして規定することができる。
【0084】
一方、前記隔壁型スペーサの線幅、例えば、前記ハニカムを成す六角形や四角形の各壁の幅は、例えば、約5μm~50μmの範囲内にあってもよい。前記線幅は、他の例示で、約10μm以上又は15μm以上であるか、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下又は20μm以下程度であってもよい。
【0085】
上のような範囲でセルギャップが適切に維持され、基板間の付着力も優秀に維持することができる。
【0086】
基板の間に上記のようなボールスペーサ、コラムスペーサ又は隔壁型スペーサを形成する方式は公知である。
【0087】
前記光変調フィルム層の各基板には、光変調層に外部信号を印加するための構成要素として電極層が形成されていてもよい。例えば、第1基板で第1表面と前記粘着剤又は接着剤層との間(図1で100と1001の間)及び/又は第2基板で第1表面と配向膜との間(図1で200と2001の間)(スペーサが存在する場合、スペーサ及び配向膜の間)には、電極層が存在できる。第2基板の場合、第1表面にまず電極層を形成し、その上部にスペーサ及び配向膜を順次形成することが一般的であるので、スペーサが存在する場合、電極層は、第2基板の第1表面とスペーサ及び配向膜の間に位置することができる。
【0088】
前記電極層としては、公知の透明電極層が適用され得るが、例えば、いわゆる伝導性高分子層、伝導性金属層、伝導性ナノワイヤ層又はITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物層が前記電極層で用いられ得る。その外にも透明電極層を形成し得る多様な素材及び形成方法が公知となっており、これを制限なしに適用することができる。
【0089】
光変調デバイスは、前記光変調フィルム層を基本的に含みつつ、必要に応じて、追加の他の構成を含んでもよい。すなわち、駆動モードによっては、前記光変調フィルム層の単独でも上述した透過、遮断、高反射及び/又低反射モードの具現及びその間のスイッチングが可能であるが、このようなモードの具現乃至スイッチングを容易にするために追加的な構成を含むことも可能である。
【0090】
例えば、前記デバイスは、前記光変調フィルム層の一側又は両側に配置された偏光層(受動偏光層)をさらに含むことができる。図2は、前記構造の例示として、図1の構造で光変調フィルム層の一面にのみ偏光層400が配置された場合であり、図3は、図1の構造で光変調フィルム層の両面に偏光層400が配置された場合である。また、スペーサとして前記隔壁型スペーサが適用され、その形態が四角形(正方形又は長方形)である場合に、前記四角形の辺と前記偏光層の吸収軸は、互いに実質的に垂直又は水平を成すように配置されることが適切である。
【0091】
用語「偏光層」は、自然光乃至非偏光を偏光に変化させる素子を意味することができる。一つの例示で、前記偏光層は、線偏光層であってもよい。線偏光層は、選択的に透過する光がいずれの一つの方向に振動する線偏光であり、選択的に吸収又は反射する光が前記線偏光の振動方向と直交する方向に振動する線偏光である場合を意味する。すなわち、前記線偏光層は、面方向に互いに直交する透過軸及び吸収軸乃至反射軸を有することができる。
【0092】
前記偏光層は、吸収型偏光層又は反射型偏光層であってもよい。前記吸収型偏光層としては、例えば、PVA(poly(vinyl alcohol))延伸フィルムなどのような高分子延伸フィルムにヨウ素を染着した偏光層、又は配向された状態に重合された液晶をホストとし、前記液晶の配向によって配列された二色性染料をゲストとするゲスト-ホスト型偏光層を用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0093】
前記反射型偏光層としては、例えば、いわゆるDBEF(Dual Brightness Enhancement Film)と公知となっている反射型偏光層やLLC(Lyotropic liquid crystal)のような液晶化合物をコーティングして形成される反射型偏光層を用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0094】
図3のように、前記光変調フィルム層の両側に全て前記偏光層が配置された構造であってもよい。このような場合に、前記両側に配置された偏光層の透過軸が成す角度は、85度~95度の範囲内又は大略垂直であってもよい。
【0095】
光変調デバイスは、前記構成に追加で必要な他の構成を含むことができる。例えば、前記第1基板の第1表面上に形成される粘着剤層又は接着剤層外に他の構成要素を付着させるための粘着剤層や接着剤層、ハードコーティングフィルム、反射防止フィルム及び/又はNIR(Near-Infrared)遮断(cut)層などのように光変調デバイスの駆動乃至使用に必要な任意の他の構成が加えられ得る。
【0096】
本出願の前記光変調デバイスは、多様な用途に適用され得る。光変調デバイスが適用され得る用途には、ウィンドウ又はサンルーフなどのような建物、容器又は車両などを含む密閉された空間の開口部やアイウェア(eyewear)などが例示され得る。上記でアイウェアの範囲には、一般的なメガネ、サングラス、スポーツ用ゴーグルあるいはヘルメット又は増強現実体験用器機などのように観察者がレンズを通じて外部を観察できるように形成された全てのアイウェアが含まれ得る。
【0097】
本出願は、上記のような光変調デバイスを製造する方法に関するもので、上述したように、液晶配向膜と粘着剤層又は接着剤層を用いて配向を規定する類型の光変調デバイスにおいて、接着剤又は粘着剤の表面特性と製造工程で加えられるせん断応力(shear)などによる表面ダメージにより液晶配向異常によるムラが発生することを防止し、配向欠陥を除去した光変調デバイスを提供することを主要な内容とする。
【0098】
前記製造方法は、第1表面と第2表面を有し、前記第1表面に粘着剤層又は接着剤層が形成されている前記第1基板と第1表面と第2表面を有し、前記第1表面にスペーサ及び液晶配向膜が形成されている前記第2基板を互いの第1表面が対向するように貼合する段階を含むことができる。
【0099】
本出願の製造方法では、前記貼合段階の前又は後、又は貼合段階中に適切な熱処理が行われ得る。このような熱処理は、接着剤層又は粘着剤層及び/又は液晶配向膜などの表面特性などを制御することで、光変調デバイスから発生するムラなどの欠陥を除去することができる。
【0100】
前記熱処理は、前記貼合段階中、貼合段階前及び貼合後の段階のうちいずれか一つの段階で行われるか、前記のうち2個の段階で行われるか、あるいは前記3個の段階全てで行われてもよい。
【0101】
一つの例示で、前記熱処理が前記貼合段階前に行われる場合には、前記熱処理は、前記第1及び第2基板の全てに対して行われてもよく、少なくとも第1基板に対して行われてもよい。
【0102】
このような場合に、前記熱処理は、適正な温度で所定時間の間行うことができる。例えば、前記熱処理は、約80℃以上の温度で行うことができる。前記熱処理は、他の例示で、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上又は約100℃以上で行うが、約200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、130℃以下、120℃以下又は110℃以下程度で行ってもよい。
【0103】
また、前記熱処理は、約30秒以上、60秒以上、90秒以上、120秒以上、150秒以上、180秒以上、210秒以上、240秒以上、270秒以上又は300秒以上行うか、あるいは20分以下、18分以下、16分以下、14分以下、12分以下、10分以下、8分以下又は6分以下程度の時間の間行ってもよい。
【0104】
前記温度条件で前記時間の間第1及び第2基板のうち少なくとも一つの基板を維持することで前記熱処理が行われ得る。
【0105】
前記貼合工程中に熱処理が行われる場合に、このような熱処理は、前記貼合工程を所定温度で進めることで行われ得る。
【0106】
このような場合に、前記貼合工程は、例えば、約50℃超過の温度で行うことができる。前記貼合工程は、他の例示で、約51℃以上、52℃以上、53℃以上、54℃以上、55℃以上、約56℃以上、約57℃以上、約58℃以上、約59℃以上又は約60℃以上で行うか、約90℃未満、約89℃以下、88℃以下、87℃以下、86℃以、85℃以下、84℃以下、83℃以下、82℃以下、81℃以下又は80℃以下程度で行ってもよい。
【0107】
前記貼合段階後に熱処理が行われる場合に、このような熱処理は、前記貼合された第1及び第2基板を所定温度で所定時間の間維持することで行うことができる。
【0108】
例えば、前記熱処理は、適正な温度で所定時間の間行うことができる。例えば、前記熱処理は、約60℃以上の温度で前記貼合された第1及び第2基板を維持することで行うことができる。前記熱処理の温度は、他の例示で、約65℃以上、約70℃以上、75℃以上、80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上又は約100℃以上であるか、約200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、130℃以下、120℃以下又は110℃以下程度であってもよい。前記熱処理は、約30秒以上、60秒以上、90秒以上、120秒以上、150秒以上、180秒以上、210秒以上、240秒以上、270秒以上又は300秒以上行うか、あるいは20分以下、18分以下、16分以下、14分以下、12分以下、10分以下、8分以下又は6分以下程度の時間の間行うことができる。
【0109】
また、前記製造方法では、前記貼合前に前記粘着剤層又は接着剤層上に付着されている離型フィルムを剥離する段階を行うことができる。前記熱処理が前記貼合段階前に行われる場合に、前記熱処理は、前記離型フィルムの剥離前又は後に行うことができる。
【0110】
本出願の製造方法では、まず、前記第1基板の第1表面上に前記粘着剤層又は接着剤層を形成した後にその表面に離型フィルムを付着して積層体を製造する段階を行うことができる。粘着剤層又は接着剤層を形成する方式は、特に制限されず、公知の方式が適用され得る。例えば、上述した硬化性組成物を第1基板の第1表面上に塗布し(前記第1表面に電極層が形成されている場合には電極層上に塗布)、硬化させて粘着剤層または接着剤層を形成するか、あるいは離型フィルム上で前記方式で粘着剤層又は接着剤層を形成した後、それを前記第1表面上に貼合する方法を適用することができる。
【0111】
本出願では、上記のように形成された積層体で前記粘着剤層又は接着剤層の表面エネルギーを調節するか、あるいは前記離型フィルムの剥離力を制御することで、前記配向不良による欠陥を除去することができる。
【0112】
例えば、前記方法で、前記第1基板の第1表面に形成された粘着剤層又は接着剤層の表面エネルギーが13mN/m以下であってもよい。前記表面エネルギーは、他の例示で、12.5mN/m以下、12mN/m以下、11.5mN/m以下又は11mN/m以下であるか、4mN/m以上、4.5mN/m以上、5mN/m以上、5.5mN/m以上、6mN/m以上、6.5mN/m以上、7mN/m以上、7.5mN/m以上、8mN/m以上、8.5mN/m以上、9mN/m以上、9.5mN/m以上又は10mN/m以上程度であってもよい。前記表面エネルギーは、公知の方法を通じて取得することができ、例えば、脱イオン水(deionized water)及びジヨードメタン(diiodomethane)の前記粘着剤層又は接着剤層に対する接触角を求めた後、Owens-Wendt methodを用いて表面エネルギーを取得する方式を適用することができる。
【0113】
粘着剤層又は接着剤層の表面エネルギーを前記のように設定する方式は、特に制限されない。すなわち、本発明では、公知のOCA又はOCRのうち前記のような表面エネルギー特性を示すOCA又はOCRなどを選択して適用することで、前記表面エネルギーを確保することができる。また、前記粘着剤層又は接着剤層の表面エネルギーは、前記離型フィルムを付着する前の表面エネルギーであるか、あるいは離型フィルムを剥離した後の表面エネルギーであってもよい。
【0114】
上述したように、前記適用される粘着剤層又は接着剤層は、多様なOCA又はOCRなどであってもよく、一つの例示で、前記粘着剤層又は接着剤層は、シリコン粘着剤層又は接着剤層であってもよい。
【0115】
他の方式としては、前記積層体で離型フィルムの剥離力を制御する方式を適用してもよい。上記で剥離力は、前記離型フィルムの粘着剤層又は接着剤層に対する剥離力であり、90度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で粘着剤層又は接着剤層から前記離型フィルムを剥離しながら測定した剥離角度であってもよい。上記のように確認した前記離型フィルムの剥離力は、例えば、約0.025N/cm以下、0.02N/cm以下又は0.015N/cm以下であるか、0.005N/cm以下又は0.01N/cm以下程度であってもよい。
【0116】
前記剥離力及び/又は表面エネルギーの範囲で本出願で目的とする適合する光変調デバイスの製造が可能である。
【0117】
上記で適用される離型フィルムの種類も特に制限されず、例えば、一面にフッ素系又はシリコン系離型層が形成された公知の離型フィルムのうち上述した剥離力を示す離型フィルムを選択することができる。
【0118】
前記段階で、前記粘着剤層又は接着剤層から離型フィルムを剥離する方式は、特に制限されない。例えば、前記離型フィルムを約0度~90度の範囲内の剥離角度で剥離することができる。前記剥離角度は、他の例示で、5度以上、10度以上、15度以上、20度以上、25度以上、30度以上、35度以上、40度以上、45度以上、50度以上、55度以上、60度以上、65度以上、70度以上、75度以上、80度以上又は85度以上であるか、85度以下、80度以下、75度以下、70度以下、65度以下、60度以下、55度以下、50度以下、45度以下、40度以下、35度以下、30度以下、25度以下、20度以下、15度以下、10度以下又は5度以下程度であってもよい。
【0119】
前記離型フィルムを剥離する剥離速度も特に制限しないが、例えば、約0.5m/min~20m/min程度の速度で離型フィルムを剥離することができる。
【0120】
前記第1基板には、上述したように、液晶配向膜が形成されていなくてもよく、前記第1基板の第1表面と粘着剤層又は接着剤層の間には、電極層が形成されていてもよい。
【0121】
本出願の製造方法では、前記段階に引き続いて離型フィルムを剥離した第1基板の第1表面と第2基板の第1表面を互いに対向させて貼合する段階が行われ得る。上述したように、前記貼合段階前に第1及び/又は第2基板に対して熱処理が行われるか、あるいは前記貼合を所定温度で行うか、あるいは前記貼合段階後に前記熱処理を行うことができる。
【0122】
前記第2基板は、上述したように、第1表面と第2表面を有し、前記第1表面にスペーサ及び液晶配向膜が形成されていてもよい。上記でスペーサは、上述したように、ボールスペーサ、コラムスペーサ又は隔壁型スペーサ(ハニカム型又は四角形など)であってもよい。また、前記液晶配向膜は、水平配向膜又は垂直配向膜であってもよく、第2基板の第1表面とスペーサ及び配向膜の間には電極層が形成されている。
【0123】
第1基板と第2基板を貼合する方式は、特に制限されず、通常の方式で行われ得、例えば、適切な圧力を加えて第1基板の粘着剤層又は接着剤層を第2基板のスペーサに付着する方式で進行され得る。
【0124】
光変調層の形成のために、前記貼合される第1基板と第2基板の間には、液晶化合物が存在してもよく、その他必要な場合、前記二色性染料及び/又はキラルドーパントが存在してもよい。すなわち、前記第1及び第2基板の貼合前に、第1又は第2基板の表面に前記液晶化合物などをコーティングして貼合を行うか、あるいは貼合後、前記液晶化合物を基板の間隔に注入する過程で前記方法が進行され得る。
【0125】
例えば、前記貼合が第1及び第2基板の間に液晶化合物などが存在する状態で行われるか、あるいは前記貼合後に第1及び第2基板の間に液晶化合物などが注入され得る。このとき、液晶化合物などは、液晶化合物のみを意味するか、液晶化合物と二色性染料を含む混合物、液晶化合物とキラルドーパントを含む混合物又は液晶化合物、二色性染料及びキラルドーパントを含む混合物を意味することができる。
【0126】
また、第1及び第2基板の間にキラルドーパントが存在するように光変調デバイスが製造される場合に、前記第1及び第2基板の間隔(d)と前記キラルドーパントにより形成されるキラルピッチ(p)の割合(d/p)が上述した範囲となるように前記貼合工程が進行され得る。
【0127】
本出願の光変調デバイスの製造方法は、前記貼合段階に引き続いて図2図3に示した構造の具現のために、前記第1基板の第2表面及び/又は第2基板の第2表面に偏光層を配置する段階をさらに行うことができる。例えば、適切な粘着剤や接着剤を用いて前記偏光層を前記第2表面に付着することができる。
【0128】
上述したように、第1基板の第2表面及び第2基板の第2表面に2層の偏光層を配置する場合に、前記2層の偏光層の吸収軸が互いに垂直となるか平行となるように前記偏光層を配置することができ、正方形と長方形のような四角形の隔壁型スペーサが適用された場合には、前記四角形の各辺と前記偏光層の吸収軸が互いに垂直となるか平行となるように偏光層を配置することができる。
【0129】
本出願の光変調デバイスの製造方法では、上述した内容外に一般的に光変調デバイスを製造する工程で行う他の工程を行ってもよい。
【発明の効果】
【0130】
本出願は、液晶配向膜と粘着剤層又は接着剤層により液晶化合物などの配向を調節する光変調デバイスにおいて、配向ムラなどの欠陥を除去し、配向状態を一層改善し得る光変調デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
図1】本出願の例示的な光変調デバイスの模式図である。
図2】本出願の例示的な光変調デバイスの模式図である。
図3】本出願の例示的な光変調デバイスの模式図である。
図4】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図5】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図6】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図7】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図8】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図9】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図10】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図11】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図12】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図13】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図14】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図15】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図16】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図17】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図18】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図19】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
図20】実施例又は比較例の光変調デバイスの欠陥を評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0132】
以下、実施例を通じて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0133】
1.粘着剤層又は接着剤層の表面エネルギーの評価
【0134】
表面エネルギーは、粘着剤を形成した後に離型フィルムを付着する前に測定した。表面エネルギーは、脱イオン水(deionized water)及びジヨードメタン(diiodomethane)の前記粘着剤層に対する接触角を求めた後、Owens-Wendt methodを用いて求め、このとき、測定機器としては、KRUSS社の測定機(DSA100)を用いた。
【0135】
2.離型フィルムの剥離力の評価
【0136】
一面に各シリコン粘着剤層が形成された横及び縦の長さがそれぞれ20mm及び100mmである第1基板をステージに両面テープで付着して固定し、前記粘着剤層上に離型フィルムを付着した。その後、離型フィルムを90度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で剥離しながら剥離力を測定した。剥離力の測定時には、Stable Micro System社のTexture Analyzerを用いた。
【0137】
<実施例1>
第1基板として、第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムの前記ITO層上にシリコン粘着剤を形成した。粘着剤は、シリコン粘着剤組成物(Shinetsu社、KR3700)をバーコーティングし、約150℃程度で5分間乾燥して10μm程度の厚さで形成した。前記粘着剤層の形成後に、離型フィルム(Nippa社、FSC6)を付着した。前記形成された粘着剤層に対して測定した前記離型フィルムの剥離力は、約0.29~0.33N/cm程度であった。
【0138】
第2基板として、同様に第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムのITO層上に、まず、ハニカム型隔壁型スペーサとして、ハニカムを構成する正六角形のピッチが約577μm程度であり、高さ(cell gap)が約8μm程度であり、線幅が約20μm程度である隔壁型スペーサを形成し、前記形成されたスペーサ上に垂直配向膜(5661LB3、Nissan社)を約300nm程度の厚さで形成した。前記垂直配向膜は、一方向にラビング処理して形成した。
【0139】
引き継き、前記第2基板の垂直配向膜の表面に液晶組成物をコーティングし、前記第1基板から離型フィルムを剥離して現れた粘着剤層を前記液晶組成物のコーティングされた面と対向するようにして貼合した。
【0140】
前記貼合後、貼合された第1及び第2基板を熱処理した。熱処理は、貼合された第1及び第2基板をオーブンに入れて行い、約60℃で10分間行った。
【0141】
また、前記離型フィルムは、約45度の剥離角度及び1m/min程度の剥離速度で剥離した。
【0142】
また、上記で液晶組成物としては、液晶化合物(JNC、SHN-7002XXT12)とキラルドーパント(Merck、S811)を含む組成物を用い、前記キラルドーパントの含量は、キラルピッチが約20μm程度となるようにした。
【0143】
その後、前記第1及び第2基板の第2表面にそれぞれPVA(poly(vinylalcohol))偏光層を付着した。前記2層の偏光層は、互いに吸収軸が垂直となるように付着し、第2基板の第2表面に付着する偏光層の吸収軸と配向膜のラビング方向が一致するようにした。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図4は、第1及び第2基板の貼合直後の熱処理前の結果を示す写真であり、図5は、熱処理後を示す写真である。図面から熱処理によって配向ムラなどが改善されたことが確認できる。
【0144】
<実施例2>
熱処理を80℃で5分間行ったこと以外は、実施例1と同一に光変調デバイスを製造した。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図6は、その結果を示す写真であり、熱処理によって配向ムラなどが大きく改善されたことが確認できる。
【0145】
<実施例3>
熱処理を100℃で5分間行ったこと以外は、実施例1と同一に光変調デバイスを製造した。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図7は、その結果を示す写真であり、熱処理によって配向ムラなどが大きく改善されたことが確認できる。
【0146】
<実施例4>
第1基板として、第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムの前記ITO層上にシリコン粘着剤を形成した。粘着剤は、シリコン粘着剤組成物(Shinetsu社、KR3700)をバーコーティングし、約150℃程度で5分間乾燥して10μm程度の厚さで形成した。前記粘着剤層の形成後に、離型フィルム(Nippa社、FSC6)を付着した。前記形成された粘着剤層に対して測定した前記離型フィルムの剥離力は、約0.29~0.33N/cm程度であった。
【0147】
第2基板として、同様に第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムのITO層上に、まず、ハニカム型隔壁型スペーサとして、ハニカムを構成する正六角形のピッチが約577μm程度であり、高さ(cell gap)が約8μm程度であり、線幅が約20μm程度である隔壁型スペーサを形成し、前記形成されたスペーサ上に水平配向膜(SE7492、Nissan社)を約300nm程度の厚さで形成した。前記水平配向膜は、一方向にラビング処理して形成した。
【0148】
引き継き、前記第2基板の水平配向膜の表面に液晶組成物をコーティングし、前記第1基板から離型フィルムを剥離して現れた粘着剤層を前記液晶組成物のコーティングされた面と対向するようにして貼合した。
【0149】
前記貼合後、貼合された第1及び第2基板を実施例1と同一に熱処理した。また、前記離型フィルムの剥離は、実施例1と同一に行った。
【0150】
また、上記で液晶組成物としては、液晶化合物(Merck、MDA-16-1235)の組成物を用いた。
【0151】
その後、前記第2基板の第2表面にPVA(poly(vinyl alcohol))偏光層を付着した。前記偏光層は、吸収軸が配向膜のラビング方向と一致するようにした。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図8は、第1及び第2基板の貼合直後の熱処理前の結果を示す写真であり、図9は、熱処理後を示す写真である。図面から熱処理によって配向ムラなどが改善されたことが確認できる。
【0152】
<実施例5>
熱処理を80℃で5分間行ったこと以外は、実施例4と同一に光変調デバイスを製造した。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図10は、その結果を示す写真であり、熱処理によって配向ムラなどが大きく改善されたことが確認できる。
【0153】
<実施例6>
熱処理を100℃で5分間行ったこと以外は、実施例4と同一に光変調デバイスを製造した。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図11は、その結果を示す写真であり、熱処理によって配向ムラなどが大きく改善されたことが確認できる。
【0154】
<実施例7>
第1基板として、第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムの前記ITO層上にシリコン粘着剤を形成した。粘着剤は、シリコン粘着剤組成物(Shinetsu社、KR3700)をバーコーティングし、約150℃程度で5分間乾燥して10μm程度の厚さで形成した。前記粘着剤層の形成後に、離型フィルム(Nippa社、FSC6)を付着した。前記形成された粘着剤層に対して測定した前記離型フィルムの剥離力は、約0.29~0.33N/cm程度であった。
【0155】
第2基板として、同様に第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムのITO層上に、まず、ハニカム型隔壁型スペーサとして、ハニカムを構成する正六角形のピッチが約577μm程度であり、高さ(cell gap)が約8μm程度であり、線幅が約20μm程度である隔壁型スペーサを形成し、前記形成されたスペーサ上に垂直配向膜(5661LB3、Nissan社)を約300nm程度の厚さで形成した。前記垂直配向膜は、一方向にラビング処理して形成した。
【0156】
引き継き、前記第2基板の垂直配向膜の表面に液晶組成物をコーティングし、前記第1基板から離型フィルムを剥離して現れた粘着剤層を前記液晶組成物のコーティングされた面と対向するようにして貼合した。
【0157】
前記貼合前に、離型フィルムを剥離した第1基板を熱処理した。熱処理は、第1基板をオーブンに入れて行い、約100℃で5分間行った。また、前記離型フィルムは、約45度の剥離角度及び1m/min程度の剥離速度で剥離した。
【0158】
また、上記で液晶組成物としては、液晶化合物(JNC、SHN-7002XXT12)とキラルドーパント(Merck、S811)を含む組成物を用い、前記キラルドーパントの含量は、キラルピッチが約20μm程度となるようにした。
【0159】
その後、前記第1及び第2基板の第2表面にそれぞれPVA(poly(vinylalcohol))偏光層を付着した。前記2層の偏光層は、互いに吸収軸が垂直となるように付着し、第2基板の第2表面に付着する偏光層の吸収軸と配向膜のラビング方向が一致するようにした。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図12は、その結果を示す写真である。
【0160】
<実施例8>
離型フィルムとして、TACS社のTS-502Sを用い、熱処理を同一温度で5分間行ったこと以外は、実施例7と同一に光変調デバイスを製造した。前記離型フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、約0.032~0.033N/cm程度であった。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図13は、その結果を示す写真である。
【0161】
<比較例1>
熱処理を行わないこと以外は、実施例8と同一に光変調デバイスを製造した。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図14は、その結果を示す写真である。
【0162】
<実施例9>
第1基板として、第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムの前記ITO層上にシリコン粘着剤を形成した。粘着剤は、シリコン粘着剤組成物(Shinetsu社、KR3700)をバーコーティングし、約150℃程度で5分間乾燥して10μm程度の厚さで形成した。前記粘着剤層の形成後に、離型フィルム(Nippa社、FSC6)を付着した。前記形成された粘着剤層に対して測定した前記離型フィルムの剥離力は、約0.29~0.33N/cm程度であった。
【0163】
第2基板として、同様に第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムのITO層上に、まず、ハニカム型隔壁型スペーサとして、ハニカムを構成する正六角形のピッチが約577μm程度であり、高さ(cell gap)が約8μm程度であり、線幅が約20μm程度である隔壁型スペーサを形成し、前記形成されたスペーサ上に水平配向膜(SE7492、Nissan社)を約300nm程度の厚さで形成した。前記水平配向膜は、一方向にラビング処理して形成した。
【0164】
引き継き、前記第2基板の水平配向膜の表面に液晶組成物をコーティングし、前記第1基板から離型フィルムを剥離して現れた粘着剤層を前記液晶組成物のコーティングされた面と対向するようにして貼合した。
【0165】
前記貼合前に、離型フィルムを剥離した第1基板を熱処理した。熱処理は、第1基板をオーブンに入れて行い、約100℃で5分間行った。また、前記離型フィルムの剥離は、実施例1と同一に行った。
【0166】
また、上記で液晶組成物としては、液晶化合物(Merck、MDA-16-1235)の組成物を用いた。
【0167】
その後、前記第2基板の第2表面にPVA(poly(vinyl alcohol))偏光層を付着した。前記偏光層は、吸収軸が配向膜のラビング方向と一致するようにした。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図15は、その結果を示す写真である。
【0168】
<実施例10>
離型フィルムとして、TACS社のTS-502Sを用い、熱処理を5分間行ったこと以外は、実施例9と同一に光変調デバイスを製造した。前記離型フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、約0.032~0.033N/cm程度であった。上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。図16は、その結果を示す写真である。
【0169】
<実施例11>
第1基板として、第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムの前記ITO層上にシリコン粘着剤を形成した。粘着剤は、シリコン粘着剤組成物(Shinetsu社、KR3700)をバーコーティングし、約150℃程度で5分間乾燥して10μm程度の厚さで形成した。前記粘着剤層の形成後に、離型フィルム(Nippa社、FSC6)を付着した。前記形成された粘着剤層に対して測定した前記離型フィルムの剥離力は、約0.29~0.33N/cm程度であった。
【0170】
第2基板として、同様に第1表面にITO(Indium Tin Oxide)層が約30nm程度の厚さで蒸着された厚さ145μm程度のPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(SKC)を用いた。前記PETフィルムのITO層上に、まず、ハニカム型隔壁型スペーサとして、ハニカムを構成する正六角形のピッチが約577μm程度であり、高さ(cell gap)が約8μm程度であり、線幅が約20μm程度である隔壁型スペーサを形成し、前記形成されたスペーサ上に垂直配向膜(5661LB3、Nissan社)を約300nm程度の厚さで形成した。前記垂直配向膜は、一方向にラビング処理して形成した。
【0171】
引き継き、前記第2基板の垂直配向膜の表面に液晶組成物をコーティングし、前記第1基板から離型フィルムを剥離して現れた粘着剤層を前記液晶組成物のコーティングされた面と対向するようにして貼合した。前記貼合は、約60℃の温度で行った。
【0172】
また、前記離型フィルムは、約45度の剥離角度及び1m/min程度の剥離速度で剥離した。
【0173】
また、上記で液晶組成物としては、液晶化合物(JNC、SHN-7002XXT12)とキラルドーパント(Merck、S811)を含む組成物を用い、前記キラルドーパントの含量は、キラルピッチが約20μm程度となるようにした。
【0174】
その後、前記第1及び第2基板の第2表面にそれぞれPVA(poly(vinylalcohol))偏光層を付着した。前記2層の偏光層は、互いに吸収軸が垂直となるように付着し、第2基板の第2表面に付着する偏光層の吸収軸と配向膜のラビング方向が一致するようにした。
【0175】
上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。
【0176】
図17は、初期状態(電圧非印加状態)での写真であり、図18は、透過状態(40V電圧印加)で測定した写真である。写真から配向ムラなどの欠陥が観察されないことが確認できる。また、ヘイズメータ(NDH5000SP、セコス社)を用いて測定した前記初期状態の透過率は、約0.25%レベルであり、透過状態での透過率は、約25.5%であって、透過モードと遮断モードの間を効果的に具現することも確認できた。
【0177】
<実施例12>
貼合を約80℃で行ったこと以外は、実施例11と同一に光変調デバイスを製造した。
【0178】
上のように製作した後、バックライト上に前記製作された光変調デバイスを位置させ、写真撮影を通じてムラなどの欠陥を確認した。
【0179】
図19は、初期状態(電圧非印加状態)での写真であり、図20は、透過状態(40V電圧印加)で測定した写真である。写真から配向ムラなどの欠陥が観察されないことが確認できる。また、ヘイズメータ(NDH5000SP、セコス社)を用いて測定した前記初期状態の透過率は、約0.25%レベルであり、透過状態での透過率は、約24.5%レベルであって、透過モードと遮断モードの間を効果的に具現することも確認できた。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20