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特許7524587感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、パターン硬化物の製造方法及び電子部品の製造方法
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  • 特許-感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、パターン硬化物の製造方法及び電子部品の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、パターン硬化物の製造方法及び電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20240723BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20240723BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20240723BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240723BHJP
   C08G 73/14 20060101ALI20240723BHJP
   C08G 73/12 20060101ALI20240723BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240723BHJP
   C08L 79/08 20060101ALI20240723BHJP
   C08K 5/3447 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G03F7/004 501
G03F7/027 514
G03F7/031
G03F7/027 502
G03F7/20 521
G03F7/20 501
C08G73/14
C08G73/12
C08L101/00
C08L79/08 A
C08K5/3447
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020071762
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021167926
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】満倉 一行
(72)【発明者】
【氏名】松川 大作
(72)【発明者】
【氏名】阿部 悟志
【審査官】塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/070924(WO,A1)
【文献】特開昭56-075642(JP,A)
【文献】特開2020-056956(JP,A)
【文献】特開2015-147907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004
G03F 7/027
G03F 7/031
G03F 7/20
C08G 73/14
C08G 73/12
C08L 101/00
C08L 79/08
C08K 5/3447
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)熱可塑性樹脂、(B)水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物、(C)光開始剤、とを含有し、
前記(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含み、
前記(A)熱可塑性樹脂が、下記一般式(3)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体又は下記一般式(4)で表される構造単位を有するポリイミドを含む感光性樹脂組成物。
【化1】

(一般式(1)中、R は、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であり、R は、トリアゾール基の窒素原子と炭素数1~3の脂肪族炭化水素基を介して結合する窒素原子であり、R 及びR は、それぞれ独立に、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基である。
【化3】

(一般式(3)及び一般式(4)中、Xは4価の芳香族基であって、-COOR基と-CONH-基とは互いにオルト位置にあり、-COOR基と-CO-基とは互いにオルト位置にある。Yは2価の芳香族基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(5)で表される基、又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基であり、R、Rの少なくとも一方が前記一般式(5)で表される基である。)
【化4】

(一般式(5)中、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であり、mは1~10の整数である。)
【請求項2】
前記(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物が下記一般式(2)で表される請求項に記載の感光性樹脂組成物。
【化2】
【請求項3】
更に、(D)脂肪族環状骨格を有する重合性モノマを含む請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
更に、(E)熱重合開始剤を含む請求項1~のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む、パターン硬化物の製造方法。
【請求項6】
前記加熱処理する工程の温度が200℃以下である請求項に記載のパターン硬化物の製造方法。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
【請求項8】
硬化物がパターン硬化物である請求項に記載の硬化物。
【請求項9】
請求項又はに記載のパターン硬化物の製造方法を用いて作製される硬化物を層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜のいずれかに用いるパターン硬化物の製造方法。
【請求項10】
請求項に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜のいずれかに用いるパターン硬化物の製造方法を備える工程を含む電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、パターン硬化物の製造方法及び電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミドやポリベンゾオキサゾールが用いられている。近年、これらの樹脂自身に感光特性を付与した感光性樹脂組成物が用いられており、これを用いるとパターン硬化物の製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる (例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、コンピュータの高性能化を支えてきたトランジスタの微細化は、スケーリング則の限界にきており、さらなる高性能化や高速化のために半導体素子を三次元的に積層する積層デバイス構造が注目を集めている(例えば、非特許文献1参照)。
積層デバイス構造の中でも、マルチダイファンアウトウェハレベルパッケージ(Multi-die Fanout Wafer Level Packaging)は、一つのパッケージの中に複数のダイを一括封止して製造するパッケージであり、従来から提案されているファンアウトウェハレベルパッケージ(一つのパッケージの中に一つのダイを封止して製造する)よりも低コスト化、高性能化が期待できるので、非常に注目を集めている。
マルチダイファンアウトウェハレベルパッケージの作製においては、高性能なダイの保護や耐熱性の低い封止材を保護し、歩留まりを向上させる観点から、低温硬化性が強く求められている(例えば特許文献2参照)。
また、上記ファンアウトパッケージには長期信頼性への要求も高まっている(例えば、特許文献3)。ここでの長期信頼性とは、金属再配線層とポリイミド層との密着性であり、175℃の条件で500時間高温保持する試験のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-265520号公報
【文献】国際公開第2008/111470号
【文献】特許第6419383号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】“半導体技術年鑑 2013 パッケージング/実装編”、日経BP社、p.41-50
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、200℃以下の低温硬化であっても、175℃で500時間の高温放置後も、銅配線と感光性樹脂組成物の硬化物間の密着性を確保でき、接着性及びマイグレーション耐性の優れた硬化物を形成できる感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、パターン硬化物の製造方法、及び電子部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物と、それを用いた硬化物、製造方法などが提供される。
[1] (A)熱可塑性樹脂、(B)水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物、(C)光開始剤、とを含有する感光性樹脂組成物。
[2] 前記(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物が、下記一般式(1)で表される上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
【0007】
【化1】
(一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基である。)
[3] 前記(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物が下記一般式(2)で表される上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
【0008】
【化2】
【0009】
[4] 前記(A)成分の熱可塑性樹脂が、下記一般式(3)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体又は下記一般式(4)で表される構造単位を有するポリイミドを含む上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【0010】
【化3】
(一般式(3)及び一般式(4)中、Xは4価の芳香族基であって、-COOR基と-CONH-基とは互いにオルト位置にあり、-COOR基と-CO-基とは互いにオルト位置にある。Yは2価の芳香族基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(5)で表される基、又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基であり、R、Rの少なくとも一方が前記一般式(5)で表される基である。)
【0011】
【化4】
(一般式(5)中、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であり、mは1~10の整数である。)
[5] 更に、(D)脂肪族環状骨格を有する重合性モノマを含む上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[6] 更に、(E)熱重合開始剤を含む上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【0012】
[7] 上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む、パターン硬化物の製造方法。
[8] 前記加熱処理する工程の温度が200℃以下である上記[7]に記載のパターン硬化物の製造方法。
[9] 上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
[10] 硬化物がパターン硬化物である上記[9]に記載の硬化物。
[11] 上記[7]又は[8]に記載のパターン硬化物の製造方法を用いて作製される硬化物を層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜のいずれかに用いるパターン硬化物の製造方法。
[12] 上記[11]に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜のいずれかに用いるパターン硬化物の製造方法を備える工程を含む電子部品の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、200℃以下の低温硬化であっても、175℃で500時間の高温放置後も、銅配線と感光性樹脂組成物の硬化物間の密着性を確保でき、接着性及びマイグレーション耐性の優れた硬化物を形成できる感光性樹脂組成物と、それを用いた層間絶縁層・カバーコート層・表面保護膜などに適用したパターン硬化物の製造方法、硬化物及び電子部品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る電子部品の製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本明細書において「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方を含んでいてもよい。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。更に、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「(メタ)アクリル基」とは、「アクリル基」及び「メタクリル基」を意味する。
【0016】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂(以下、「(A)成分」ともいう。)(B)水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)、(C)光開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。
これにより、200℃以下の低温硬化であっても、175℃で500時間の高温放置後も、銅配線と感光性樹脂組成物の硬化物間の密着性を確保できる、接着性及びマイグレーション耐性の優れた硬化物を形成できる。
本明細書において、(A)熱可塑性樹脂とは、ガラス転移点(Tg)又は融点(Tm)を有する化合物を示し、主骨格は限定されず、反応性置換基を有してもよいものと定義する。
また、任意の効果として、優れた薬品耐性の、硬化後の残膜率が高い硬化物を形成できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ネガ型感光性樹脂組成物であることが好ましい。
【0017】
((A)成分:熱可塑性樹脂)
(A)成分としては、下記一般式(3)及び下記一般式(4)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及び閉環ポリイミドを含むことが好ましい。これにより、i線の透過率が高く、200℃以下の低温硬化時にも良好な硬化物を形成できる。
一般式(3)で表される構造単位の含有量は、(A)成分の全構造単位に対して、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましい。上限は特に限定されず、100モル%でもよい。
【0018】
【化5】
(一般式(3)中、Xは4価の芳香族基であって、-COOR基と-CONH-基とは互いにオルト位置にあり、-COOR基と-CO-基とは互いにオルト位置にある。Yは2価の芳香族基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(5)で表される基、又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基であり、R、Rの少なくとも一方が前記一般式(5)で表される基である。)
【0019】
【化6】
(一般式(5)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であり、mは1~10の整数である。)
一般式(3)中のXの4価の芳香族基は、4価の芳香族炭化水素基でもよく、4価の芳香族複素環式基でもよい。4価の芳香族炭化水素基が好ましい。
一般式(3)中のXの4価の芳香族炭化水素基としては、例えば以下の一般式(6)の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
【化7】
一般式(6)中、X及びYは、それぞれ独立に、各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基又は単結合を示す。Zはエーテル基(-O-)又はスルフィド基(-S-)であり、エーテル基(-O-)が好ましい。
一般式(6)においてX及びYの、各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基は、-O-、-S-、メチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、又はジフルオロメチレン基であることが好ましく、-O-であることがより好ましい。
一般式(3)中のYの2価の芳香族基は、2価の芳香族炭化水素基でもよく、2価の芳香族複素環式基でもよい。2価の芳香族炭化水素基が好ましい。
一般式(3)中のYの2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、以下の一般式(7)の基が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】
【化8】
(一般式(7)中、R10~R17は、それぞれ独立に水素原子、1価の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を有する1価の有機基である。)
一般式(7)のR10~R17の1価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6)としては、メチル基などが挙げられる。例えば、R10及びR13~R17が水素原子であり、R11、R12が1価の脂肪族炭化水素基であってもよい。
一般式(7)中のR10~R17のハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する1価の有機基は、ハロゲン原子を有する1価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6)が好ましく、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
一般式(3)中のR及びRの炭素数1~4(好ましくは1又は2)の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、2-プロピル基、n-ブチル基などが挙げられる。
一般式(3)中のR及びRの少なくとも一方が、一般式(5)で表される基であり、ともに一般式(5)で表される基であることが好ましい。
一般式(5)中のR~Rの炭素数1~3(好ましくは1又は2)の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、2-プロピル基などが挙げられ、メチル基が好ましい。
一般式(3)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体は、例えば下記一般式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(9)で表されるジアミノ化合物とを、N-メチル-2-ピロリドンなどの有機溶媒中にて反応させポリアミド酸を得て、下記一般式(10)で表される化合物を加え、有機溶媒中で反応させ部分的にエステル基を導入することで得られる。
【0022】
【化9】
(一般式(8)中の、Xは一般式(3)のXに対応する基である。一般式(9)中の、Yは一般式(3)で定義したとおりである。一般式(10)中の、Rは上述の一般式(3)で表される基のR、Rに相当する基である。)
一般式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物及び一般式(9)で表されるジアミノ化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分は、一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位を有してもよい。
一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位としては、一般式(11)で表される構造単位などが挙げられる。
【0023】
【化10】
一般式(11)中、Xは4価の芳香族基であって、-COOR51基と-CONH-基とは互いにオルト位置にあり、-COOR52基と-CO-基とは互いにオルト位置にある。Yは2価の芳香族基である。R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基である。)
一般式(11)のXの4価の芳香族基は、一般式(3)中のXの4価の芳香族基と同様のものが挙げられる。
一般式(11)中のR51及びR52の炭素数1~4の脂肪族炭化水素基は、一般式(3)中のR及びRの炭素数1~4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
一般式(3)で表される構造単位以外の構造単位の含有量は、(A)成分の全構成単位に対して、50モル%未満であることが好ましい。
(A)成分において、全カルボキシ基及び全カルボキシエステル基に対して、一般式(5)で表される基でエステル化されたカルボキシ基の割合が、50モル%以上であることが好ましく、60~100モル%がより好ましく、70~90モル%が更に好ましい。
(A)成分の分子量に特に制限はないが、数平均分子量で10,000~200,000であることが好ましい。
数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
【0024】
((B)成分:水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物を含有し、下記一般式(1)に示す(B)成分を含むことが好ましい。これにより、200℃以下で樹脂を硬化しても、175℃で500時間の高温放置後も、銅配線と感光性樹脂組成物の硬化物層間の密着性を確保できる。
(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物は、銅配線と樹脂界面での酸化を防止できる点で、アゾール骨格と一級の水酸基を持つことが好ましい。
【0025】
【化11】
(一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基である。)
樹脂の酸化防止効果を高めるため、水酸基は2つ含むことが好ましい。
これにより、銅と樹脂の密着性向上に加え、銅及び樹脂の酸化を抑制する効果を新規に付与することができる。
(B)成分は、下記一般式(2)で表される化合物を含むことができる。
【0026】
【化12】
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましい。より好ましくは0.3~10質量部、更に好ましくは0.5~5質量部である。
上記範囲内である場合、200℃以下の硬化においても樹脂の硬化度を保ちつつ、銅と樹脂の密着性と酸化防止効果を兼ね備えられる。
【0027】
((C)成分:光開始剤)
本発明は、(C)光開始剤を含有する。
(C)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノンなどのベンゾフェノン誘導体、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタールなどのベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾイン誘導体、及び、1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)、下記式(12)で表される化合物などのオキシムエステル類などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化13】
特に高感度の点で、オキシムエステル類が好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~10質量部であり、更に好ましくは0.1~5質量部である。
上記範囲内の場合、光架橋が厚膜方向で均一となりやすく、実質的なレリーフパターンを得やすくなる。
【0029】
((D)脂肪族環状骨格を有する重合性モノマ)
本発明は、(D)脂肪族環状骨格(好ましくは炭素数4~15、より好ましくは5~12)を有する重合性モノマを含んでもよい。これにより、形成できる硬化物に疎水性を付与でき、高温多湿環境下での硬化物と基板間の密着性低下を抑制できる。
(D)成分は、(好ましくは2以上の)重合性の不飽和二重結合を含む基(好ましくは、光重合開始剤により重合可能であることから、(メタ)アクリロイル基)を有し、脂肪族環状骨格を有する重合性モノマを含むことが好ましく、架橋密度及び光感度の向上、現像後のパターンの膨潤抑制のため、2~3の、重合性の不飽和二重結合を含む基を有することが好ましい。
(D)成分は、下記一般式(13)で表される重合性モノマを含むことが好ましい。
【0030】
【化14】
(一般式(13)中、R18及びR19は、それぞれ独立に、炭素数1~4の脂肪族炭化水素基又は下記一般式(5)で表される基である。n1は0又は1であり、n2は0~2の整数であり、n1+n2は1以上(好ましくは2又は3)である。n1個のR18及びn2個のR19の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、下記一般式(5)で表される基である。)
19が2つの場合、2つのR19は同一でもよく、異なっていてもよい。
【0031】
【化15】
(一般式(5)中、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であり、mは1~10の整数である。)
(D)成分は下記一般式(14)で表される重合性モノマを含むことがより好ましい。
【0032】
【化16】
また、(D)成分として、例えば、以下の重合性モノマを用いてもよい。
【0033】
【化17】
一般式(15)中、R20~R23は、それぞれ独立に、炭素数1~4の脂肪族炭化水素基又は、上記式(5)で表される基である。n3は1~3の整数(好ましくは2又は3)である。n4は1~3の整数(好ましくは2又は3)である。n5及びn6は0又は1である。n5+n6は1以上(好ましくは2)である。
20が2以上存在する場合、2以上のR20は同一でもよく、異なっていてもよい。
21が2以上存在する場合、2以上のR21は同一でもよく、異なっていてもよい。
n3個のR20の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、上記式(5)で表される基である。
n4個のR21の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、上記式(5)で表される基である。
n5個のR22及びn6個のR23の少なくとも1つ(好ましくは2又は3)は、上記式(5)で表される基である。
一般式(13)のR18及びR19及び一般式(15)のR20~R23の炭素数1~4の脂肪族炭化水素基としては、一般式(3)のR及びRの炭素数1~4の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1~50質量部が好ましい。硬化物の疎水性の観点から、より好ましくは3~50質量部、更に好ましくは5~35質量部である。
上記範囲内である場合、実質的なレリーフパターンが得られやすく、未露光部の現像残渣を抑制しやすい。
【0034】
((E)成分:熱重合開始剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、重合反応の促進の観点から、更に、(E)熱重合開始剤を含んでもよい。
(E)成分としては、成膜時に溶剤を除去するための加熱(乾燥)では分解せず、硬化時の加熱により分解してラジカルを発生し、(D)成分同士、又は(A)成分及び(B)成分の重合反応を促進する化合物が好ましい。
(E)成分は分解温度が、110℃以上、200℃以下の化合物が好ましく、より低温で重合反応を促進する観点から、110℃以上、175℃以下の化合物がより好ましい。具体例としては、メチルエチルケトンペルオキシドなどのケトンペルオキシド、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキシケタール、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、p-メタンハイドロペルオキシドなどのハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートなどのパーオキシエステル、ビス(1-フェニル-1-メチルエチル)ペルオキシドなどが挙げられる。市販品としては、商品名「パークミルD」「パークミルP」「パークミルH」(以上、日油株式会社製)などが挙げられる。
(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、良好な耐フラックス性の確保のために0.2~20質量部がより好ましく、乾燥時の分解による溶解性低下抑制の観点から、0.3~10質量部が更に好ましい。
【0035】
((F)成分:溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物は(F)溶剤を含む。
(F)成分としては、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3-メチルメトキシプロピオネート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、N-ジメチルモルホリンなどが挙げられ、通常、他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも、各成分の溶解性と感光性樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
また、(F)成分としては、下記一般式(16)で表される化合物を用いてもよい。
【0036】
【化18】
(一般式(16)中、R41~R43は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基である。)
一般式(16)中におけるR41~R43の炭素数1~10(好ましくは炭素数1~3)であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
一般式(16)で表される化合物は、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(例えば、商品名「KJCMPA-100」(KJケミカルズ株式会社製))であることが好ましい。
(F)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(F)成分の含有量は、特に制限されないが、一般的に(A)成分100質量部に対して、50~1000質量部である。
【0037】
(カップリング剤、界面活性剤又はレベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、カップリング剤、界面活性剤又はレベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤などを含有してもよい。
通常カップリング剤は、現像後の加熱において、(A)成分と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてカップリング剤自身が重合する。これにより、得られる硬化物と基板との接着性をより向上させることができる。
好ましいカップリング剤としては、ウレア結合(-NH-CO-NH-)を有する化合物が挙げられる。これにより、200℃以下の低温下で硬化を行った場合も、基板との接着性を更に高めることができる。
低温での硬化を行った際の接着性の発現に優れる点で、下記一般式(17)で表される化合物がより好ましい。
【0038】
【化19】
(一般式(17)中、R31及びR32は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。aは1~10の整数であり、bは1~3の整数である。)
一般式(17)で表される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2-ウレイドエチルトリメトキシシラン、2-ウレイドエチルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4-ウレイドブチルトリメトキシシラン、4-ウレイドブチルトリエトキシシランなどが挙げられ、好ましくは3-ウレイドプロピルトリエトキシシランである。
【0039】
シランカップリング剤として、ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤及び分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を併用すると、更に低温硬化時の硬化物の基板への接着性を向上することができる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n-プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n-ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、t-ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n-プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n-ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、t-ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn-プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n-ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、t-ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n-プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、t-ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4-ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン、及び下記一般式(18)で表される化合物などが挙げられる。特に、基板との接着性をより向上させるため、一般式(18)で表される化合物が好ましい。
【0040】
【化20】
(一般式(18)中、R33はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基であり、R31及びR32は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。cは1~10の整数であり、dは1~3の整数である。)
一般式(18)で表される化合物としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2-ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4-ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4-ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4-グリシドキシブチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0041】
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤は、更に窒素原子を含むことが好ましく、アミノ基又はアミド結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2-グリシドキシメチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2-グリシドキシメチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2-ヒドロキシメチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
アミド結合を有するシランカップリング剤としては、R36-(CH-CO-NH-(CH-Si(OR37(R36はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、R37はメチル基、エチル基又はプロピル基である)で表される化合物が挙げられる。
【0042】
シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
シランカップリング剤を用いる場合、シランカップリング剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましく、0.3~10質量部が更に好ましい。
【0043】
界面活性剤又はレベリング剤を含むことで、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性を向上させることができる。界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルなどが挙げられ、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R-08」(以上、DIC株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
界面活性剤又はレベリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を含む場合、界面活性剤又はレベリング剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましく、0.05~3質量部が更に好ましい。
【0044】
防錆剤を含むことで、銅及び銅合金の腐食の抑制や変色の防止ができる。防錆剤としては、例えば、トリアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体などが挙げられる。
ここでの防錆剤とは(B)成分とは別である。
防錆剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。防錆剤を用いる場合、防錆剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましく、0.5~3質量部が更に好ましい。
【0045】
重合禁止剤を用いることで、良好な保存安定性を確保することができる。
重合禁止剤としては、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合抑制剤などが挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、ジフェニル-p-ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、クペロン、2,5-トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類などが挙げられる。
重合禁止剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01~30質量部が好ましく、0.01~10質量部がより好ましく、0.05~5質量部が更に好ましい。
【0046】
本発明の感光性樹脂組成物は、本質的に、(A)~(C)成分、並びに任意に(D)~(F)成分、カップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤からなっており、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでもよい。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上又は100質量%が、
(A)~(E)成分、
(A)~(F)成分、又は、
(A)~(E)成分、並びに任意に(F)成分、カップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、防錆剤、及び重合禁止剤からなってもよい。
【0048】
(硬化物、パターン硬化物の製造方法)
本発明の硬化物は、上述の感光性樹脂組成物を硬化することで得ることができる。
本発明の硬化物は、パターン硬化物として用いてもよく、パターンがない硬化物として用いてもよい。
本発明の硬化物の膜厚は、5~20μmが好ましい。
本発明のパターン硬化物の製造方法では、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて、現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む。
これにより、パターン硬化物を得ることができる。パターンがない硬化物を製造する方法は、例えば、上述の感光性樹脂膜を形成する工程と加熱処理する工程とを備える。更に露光する工程を備えてもよい。基板としては、ガラス基板、Si基板(シリコンウェハ)などの半導体基板、TiO基板、SiO基板などの金属酸化物絶縁体基板、窒化ケイ素基板、銅基板、銅合金基板などが挙げられる。
塗布方法に特に制限はないが、スピナーなどを用いて行うことができる。
乾燥は、ホットプレート、オーブンなどを用いて行うことができる。
乾燥温度は90~150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、90~120℃がより好ましい。
乾燥時間は30秒~5分が好ましい。乾燥は2回行ってもよく、それぞれ温度が異なってもよい。
これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
感光性樹脂膜の膜厚は、5~100μmが好ましく、6~50μmがより好ましく、7~30μmが更に好ましい。
パターン露光は、例えば、フォトマスクを介して所定のパターンに露光する。
照射する活性光線はi線などの紫外線、可視光線、放射線などが挙げられるが、i線であることが好ましい。露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機などを用いることができる。
【0049】
現像することで、パターン形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得ることができる。一般的に、ネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、未露光部を現像液で除去する。
現像液として用いる有機溶剤は、感光性樹脂膜の良溶媒を単独で、又は良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることができる。
良溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水などが挙げられる。
現像液に界面活性剤を添加してもよい。
添加量としては、現像液100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。
現像時間は、例えば、感光性樹脂膜を現像液に浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍とすることができる。
現像時間は、用いる(A)成分によっても異なるが、10秒間~15分間が好ましく、10秒間~5分間がより好ましく、生産性の観点からは、20秒間~5分間が更に好ましい。
現像後、リンス液により洗浄を行ってもよい。
リンス液としては、蒸留水、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルなどを単独又は適宜混合して用いてもよく、また、段階的に組み合わせてもよい。
【0050】
パターン樹脂膜を加熱することにより、パターン硬化物を得ることができる。
(A)成分がポリイミド前駆体の場合、加熱処理工程によって、脱水閉環反応を起こし、通常対応するポリイミドとなる。
加熱処理の温度は、250℃以下が好ましく、120~250℃がより好ましく、200℃以下、又は160~200℃が更に好ましい。上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留まり良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱処理の時間は、5時間以下が好ましく、30分間~3時間がより好ましい。
上記範囲であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素などの不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
加熱処理に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉などが挙げられる。
【0051】
本発明の硬化物は、パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁層、カバーコート層又は表面保護膜などとして用いることができる。
上記パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁層、カバーコート層又は表面保護膜などからなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス、積層デバイス(マルチダイファンアウトウェハレベルパッケージなど)などの電子部品などを製造することができる。
【0052】
(電子部品の製造方法)
本発明の電子部品である半導体装置の製造工程の一例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品である多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板などの半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜などの保護膜2などで被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成される。その後、前記半導体基板1上に層間絶縁膜4が形成される。
次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系などの感光性樹脂層5が、層間絶縁膜4上に形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる。
窓6Aが露出した層間絶縁膜4は、選択的にエッチングされ、窓6Bが設けられる。
次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5が完全に除去される。
更に、公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成し、第1導体層3との電気的接続を行う。
3層以上の多層配線構造を形成する場合には、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。
次に、上述の感光性樹脂組成物を用いて、パターン露光により、窓6Cを開口し、表面保護膜8を形成する。表面保護膜8は、第2導体層7を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、前記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【実施例
【0053】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明について更に具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0054】
(合成例)
3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)7.07gと2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジアミン(DMAP)4.12gとをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)30gに溶解し、30℃で4時間、その後、室温(25℃)下で一晩撹拌し、ポリアミド酸を得た。そこに水冷下で無水トリフルオロ酢酸を9.45g加え、45℃で3時間撹拌し、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)7.08gを加えた。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することによって、ポリイミド前駆体A1を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、標準ポリスチレン換算により、以下の条件で、数平均分子量を求めた。A1の数平均分子量は40,000であった。
【0055】
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定)
0.5mgのA1に対して溶剤(テトラヒドロフラン(THF)/ジメチルホルムアミド(DMF)=1:1(容積比))1mLの溶液を用いて測定した。
測定装置 :検出器 株式会社日立製作所L4000UV
ポンプ :株式会社日立製作所L6000
株式会社島津製作所C-R4A Chromatopac
測定条件 :カラムGelpack GL-S300MDT-5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.3mol/L)、HPO(0.06mol/L)
流速 :1.0mL/min
検出器 :UV270nm
【0056】
また、A1のエステル化率(ODPAのカルボキシ基のHEMAとの反応率)を、以下の条件でNMR測定を行い、算出した。エステル化率は、ポリアミド酸の全カルボキシ基に対し、80モル%であった。(残り20モル%はカルボキシ基)
(NMR測定)
測定機器 :ブルカー・バイオスピン社製 AV400M
磁場強度 :400MHz
基準物質 :テトラメチルシラン(TMS)
溶媒 :ジメチルスルホキシド(DMSO)
【0057】
(実施例1~10、比較例1~3)
(感光性樹脂組成物の調製)
表1に示した成分及び配合量にて、実施例1~10及び比較例1~3の感光性樹脂組成物を調製した。
表1の配合量は、100質量部のA1に対する各成分の質量部である。
【0058】
用いた各成分は以下の通りである。
(A)成分:熱可塑性樹脂
上記合成例で得られたA1を使用した。

(B)成分:水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物
B1:商品名「TT-LYK」(2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、下記式、城北化学工業株式会社製)
【0059】
【化21】
B2:商品名「TT-LX」(1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、下記式、城北化学工業株式会社製)
【0060】
【化22】
(C)成分:光開始剤
C1:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)商品名「OXE02」(BASFジャパン株式会社製)
C2:1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム商品名「G-1820(PDO)」(Lambson株式会社製)
C3:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン商品名「Irg907」(BASFジャパン株式会社製)
(D)成分:脂肪族環状骨格を有する重合性モノマ
D1:商品名「A-DCP」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、下記式、新中村化学株式会社製)
【0061】
【化23】
(E)成分:熱重合開始剤
E1:商品名「パークミルD」(ジクミルパーオキサイド、下記式、日油株式会社製)
【0062】
【化24】

(F)成分:溶剤
F1:商品名「N-メチル-2-ピロリドン」(三菱ケミカル株式会社製)
【0063】
(硬化物の製造)
得られた感光性樹脂組成物を、スピンコータ(製品名「MS-A200」、ミカサ株式会社製)を用いてシリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上105℃で2分間、115℃で2分間乾燥させて、乾燥膜厚が11~15μmの感光性樹脂膜を形成した。(硬化後10μm狙い)
得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
アライナー露光機(製品名「ML-320 FSAT」(三永電機製作所製))を用いて露光し、次に、露光後の樹脂膜を現像機(製品名「AD-3000」(ミカサ株式会社製))で、シクロペンタノンにて上記の現像時間でパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)でリンス洗浄して樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜を窒素オーブン(製品名「イナートガスオーブン」(光洋サーモシステム株式会社製))で、窒素雰囲気下、200℃、2時間(昇温:5℃/min)加熱して硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。
【0064】
(硬化後の残膜率)
上記硬化物作製工程において、樹脂部をけがいてシリコンウェハを露出させ、硬化前後の露出したシリコンウェハ表面から膜表面までの高さを、接触式膜厚計を用いて測定した。
得られた硬化前後の膜厚をもとに残膜率を算出した。
残膜率(%)=(硬化後膜厚/硬化前膜厚)×100
【0065】
(密着性(HTS耐性)評価)
Tiを50nm厚、次いでCuを150nm厚スパッタしたシリコンウェハ上に、奥野製薬工業株式会社製メッキ液(商品名「トップルチナ」)を用いて電解メッキを実施した。
(スパッタ条件:製品名「SIV-500」(株式会社アルバック製)
条件 Ti:4kW,30sccm,869mm/min,60s
Cu:4kW,30sccm,1005mm/min,120s
(電解メッキ条件:1.76V,10A,510秒間(5μm厚))
このメッキした基板を10質量%硫酸水溶液で10秒間酸洗、1分間流水洗浄し、圧縮空気を噴射してよく水を切ってから80℃のホットプレートで5分間乾燥させた。次にプラズマクリーナーで表面を処理した。その後、このメッキ基板上に上記と同様の手法で樹脂硬化物を作製した。
(プラズマクリーナー条件:製品名「AP-1000」(Nordson社製)
条件 O:500sccm
出力:100W
処理時間:180秒間
真空度:150mTorr)
作製した評価基板を0,100,200,500時間、オーブン(製品名「HISPEC HIGH TEMPERATURE CHAMBER」(楠本化成株式会社製))にて175℃、空気雰囲気下で加熱した(HTS(High Temperature Storage(高温保存))試験)。
初期及びHTS試験後の試験片をJIS規格「JIS K5400-8.5(JIS D0202)」に則り碁盤目試験を実施し、密着性を評価した。
評価の基準は下記の通り、剥離がないものを「A」、一部剥離あり(剥離<50/100マス中)のものを「B」、剥離あり(剥離>50/100マス中)のものを「C」として評価した。
残膜率、HTS耐性の密着性の測定結果を感光性樹脂組成物の配合と共に表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】
(B)成分の水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物を含有しない比較例1はHTS耐性の高温保存性に劣り、トリアゾール骨格を含有するが水酸基を有さない比較例2、3では効果はそれほどみられず、水酸基とトリアゾール骨格を含有する化合物を用いた本発明では、HTS耐性の高温保存性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜などに用いることができ、本発明の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜は、電子部品などに用いることができる。
【符号の説明】
【0069】
1:半導体基板
2:保護膜
3:第1導体層
4:層間絶縁膜
5:感光性樹脂層
6A,6B,6C:窓
7:第2導体層
8:表面保護膜
図1