(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】メンブレンアセンブリを製造する方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/62 20120101AFI20240723BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G03F1/62
G03F7/20 503
(21)【出願番号】P 2021532468
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019085214
(87)【国際公開番号】W WO2020126950
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-12
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】キュンツェル,ジャン,ヘンドリク,ウィレム
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0034803(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0065278(US,A1)
【文献】特開2017-150064(JP,A)
【文献】特表2018-531426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 1/62
G03F 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUVリソグラフィのためのメンブレンアセンブリを製造する方法であって、
前面及び背面を有するスタックを提供すること、
前記スタックの前記前面上に保護層を提供すること、
前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去して、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を画定すること、
前記スタックの前記前面から前記保護層の少なくとも一部を除去すること、
前記スタックの前記前面上に前記ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層を提供すること、
を有するメンブレンアセンブリを製造する方法。
【請求項2】
前記方法は、前記ペリクルアセンブリが、前記少なくとも1つのメンブレン層及び前記少なくとも1つの放出層を備えるメンブレンを備えるように、前記スタックの前記背面上に少なくとも1つの放出層を提供することを更に含む、請求項1に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
【請求項3】
前記方法は、前記スタックの前記前面上に少なくとも1つのキャッピング層を提供することを更に含む、請求項1又は2に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
【請求項4】
前記方法は、前記スタック上にレジストを提供すること、及び、前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去することに先立って、前記レジストをパターニングすることを更に含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去するステップ、及び/又は、ペリクルアセンブリを形成するために前記スタックの1つ以上の部分を選択的に除去するステップの間に、前記スタックの少なくとも一部をエッチングすることを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スタックは、平面基板を備える、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記スタックは、少なくとも1つの犠牲層を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの犠牲層は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、化学酸化ケイ素、又は熱酸化ケイ素を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメンブレン層は、少なくとも1つのシリコン層、又はMoSiNx層を備え、及び/又は、前記保護層は、架橋ポリマ又はレジストを含む、請求項1から
8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
EUVリソグラフィのためのメンブレンアセンブリを製造する方法であって、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を画定する、1つ以上のエッチングステップの後、前記ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供され、前記ペリクルメンブレンが、更なる機能キャップ層を持たないMoSiNxコア層、又は自然酸化物層でカバーされた少なくとも1つの表面を有するMoSiNxコア層を備える、メンブレンアセンブリを製造する方法。
【請求項11】
EUVリソグラフィのためのメンブレンアセンブリを製造する方法であって、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を画定する、1つ以上のエッチングステップの後、前記ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供され、前面及び背面を有するスタックを提供することを含み、前記スタックは、前記前面上のSiN/Ox、pSiペリクルコア層、低ストレス窒化物(LSN)層、及び前記スタックの前記背面上に堆積されるMo上のRuのキャップ層によって形成される、メンブレンアセンブリを製造する方法。
【請求項12】
ペリクル基板であって、前記基板は、
前面及び背面を有するスタックを備え、
前記スタックは、SiO/MoSiNx/MoSi2の2つ以上の層を備えるか、又はSiON/MoSiNx/SiONの2つ以上の層を備え、
ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供される前に、前記ペリクルメンブレンを保持するためのペリクル境界領域を画定するために、前記スタックの前記背面上の1つ以上の層が選択的に除去される、
ペリクル基板。
【請求項13】
前記スタックは、平面基板を備える、請求項
12に記載のペリクル基板。
【請求項14】
pSi、SiC、MoSi2、又はMoSiNxなどのシリコンベース材料、あるいは、グラフェン膜又はカーボンナノチューブの膜などのカーボンベース材料から選択された、ペリクルコア層を備える、請求項
12に記載のペリクル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年12月20日出願の欧州出願第18214904.7号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、メンブレンアセンブリを製造する方法に関し、またメンブレンアセンブリ前駆体に関する。本発明は、特にEUVリソグラフィ装置及びEUVリソグラフィツールとの接続を使用するが、限定されない。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)でのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、その基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)を使用して、リソグラフィ装置内の放射ビームにパターンが付与され得る。放射は、基板上に像を形成するためにパターニングデバイスを介して提供されるか又は反射される。パターニングデバイスの表面上のコンタミは、基板上に製造欠陥を生じさせる可能性がある。メンブレンアセンブリはペリクルとも呼ばれ、浮遊微小粒子及び他の形のコンタミからパターニングデバイスを保護するために提供可能である。
【0006】
[0006] ペリクルは、パターニングデバイス以外の光学コンポーネントを保護するためにも提供可能である。ペリクルは、互いから封止されるリソグラフィ装置の領域間に、リソグラフィ放射用の通路を提供するためにも使用可能である。ペリクルは、スペクトル純度フィルタなどの放射フィルタとして、又はリソグラフィ装置の動的ガスロックの一部としても、使用可能である。
【0007】
[0007] リソグラフィ内でのペリクルの使用は周知であり、確立されている。リソグラフィ装置内のペリクルは、パターニングデバイスから離れて位置し、使用中にリソグラフィ装置の焦点面から外れた、メンブレン(ペリクルメンブレンとも呼ばれる)である。ペリクルはリソグラフィ装置の焦点面から外れるため、ペリクル上に着地するコンタミ粒子はリソグラフィ装置内の焦点から外れる。したがって、コンタミ粒子の像は基板上に投影されない。ペリクルが存在しない場合、パターニングデバイス上に着地するコンタミ粒子は基板上に投影され、投影パターン内に欠陥をもたらすことになる。
【0008】
[0008] マスクアセンブリは、粒子汚染からパターニングデバイス(例えば、マスク)を保護するペリクルを含むことができる。ペリクルメンブレンは、ペリクルアセンブリ又はメンブレンアセンブリを形成するペリクル境界によって支持され得る。ペリクルは、例えばペリクル境界をペリクルフレームに接着するか又は他の方法で取り付けることによって、ペリクルフレームに取り付けることができる。ペリクルフレームは、パターニングデバイスに永続的又は取外し可能に取り付けることができる。ペリクルメンブレンは、ペリクル層とも呼ばれる。ペリクルメンブレンは、少なくとも基板及び基板上に堆積された層を含むスタックから製造開始される。
【0009】
[0009] メンブレンアセンブリが、例えばメンブレンの薄さによってプロセス中に変形又は損傷することなく、ペリクルメンブレン又はペリクルアセンブリを製造することは困難である。メンブレンアセンブリの損傷又は欠陥は、望ましくない性能の低下、存続期間の減少、あるいは崩壊につながる可能性がある。歩留まり及び/又は強度が向上したペリクルを提供し、また、メンブレンアセンブリ内の損傷又は欠陥を最小限にする、ペリクルメンブレンを製造する方法を提供することが望ましい。
【0010】
[00010] ペリクルアセンブリを生成することにも時間がかかる。したがって、既存の方法に比べて短いサイクルタイムを有する、及び/又は、ペリクルアセンブリをより迅速に生成することが可能な、ペリクルの製造方法を提供することが望ましい。
【0011】
[00011] 本願は、概して、リソグラフィ装置、特にEUVリソグラフィ装置との関連においてペリクルに言及するが、本発明は、ペリクル及びリソグラフィ装置のみに限定されるものではなく、本発明の主題は、任意の他の適切な装置又は環境において使用可能であることを理解されよう。加えて本発明は、特にEUVリソグラフィに限定されない場合があり、EUVよりも長いか又は好ましくは短い波長の放射を使用するリソグラフィにも使用可能である。
【0012】
[00012] EUV放射ビームの光路内にペリクルが存在することに起因して、ペリクルは高EUV透過率を有することが必要である。高EUV透過率は、ペリクルを通る入射放射の割合を大きくすることができる。加えて、ペリクルによって吸収されるEUV放射の量を低減させることによって、ペリクルの動作温度を低下させることができる。透過率はペリクルの厚みに少なくとも部分的に依存するため、リソグラフィ装置内の時として敵対的な環境に耐えるのに十分確実に強いままでありながら、可能な限り薄いペリクルを提供することが望ましい。ペリクルの望ましい特徴が可能な限り薄いことであることは、ペリクルメンブレン自体が製造時に損傷の影響を受けやすいことを意味する。非常に薄いメンブレンにおける損傷の欠陥又はエリアが小さいことは、メンブレンの物理的特性に有害な可能性がある。
【0013】
[00013] ペリクル内に傷があればペリクルの性能及び/又は存続期間を低減させる可能性があるため、ペリクルなどのメンブレンアセンブリがその製造時に変形又は損傷する可能性を低減させることが望ましい。ペリクルの製造プロセスは時間及び費用がかかるため、製造時に損傷していないペリクルの歩留まりを増加させることも望ましい。
【0014】
[00014] エッチングは、材料の一部を除去するために使用される一般的な製造プロセスである。多層材料において、選択的エッチングは、下にある層が露光されるように外側層の一部を除去することが可能である。エッチングは通常、時間に関して一定の率で生じ、したがって厚い層は薄い層よりもエッチングに時間がかかるため、明確に定義された層の厚みは有利である。不均等な層の厚みは、層の各部分における層厚みに依存してエッチング時間に不均衡を与えることも、同様に理解できよう。所望よりも多くの材料が除去されたとき、過剰なエッチングが生じる場合がある。層のより薄い部分は、層のより厚い部分が完全にエッチングされる前にエッチング可能であるため、不均等な層の厚みを伴う膜上に過剰なエッチングが生じる場合がある。この結果として、スタックのどちらの側がエッチングされるかに応じて、下にある層又は上を覆う層が過剰なエッチングによって損傷を受ける可能性がある。ペリクル製造における過剰なエッチングは、ペリクル膜に損傷を生じさせる可能性がある。したがって、過剰なエッチングの機会を低減させることが望ましい。信頼できる一貫した特性を備えるペリクルメンブレン及びペリクルアセンブリを達成するために、明確に定義された層厚みを備える層の堆積を補助するように、及び/又は制御された様式で材料の一部を除去するように、製造プロセスを展開することも望ましい。
【0015】
[00015] 本発明は、上記で特定された問題のうちの少なくともいくつかに対処するために考案された。
【発明の概要】
【0016】
[00016] 本発明の第1の態様によれば、EUVリソグラフィのためのペリクルメンブレン及び/又はペリクルアセンブリを製造する方法が提供され、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を画定する1つ以上のエッチングステップの後、ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供される。
【0017】
[00017] ペリクルの製造は、化学気相蒸着、エッチマスキング、及びエッチングなどの方法を使用するが限定されない、材料の堆積及び除去の複数のステップを含む。これらのプロセス中スタックが処理され、望ましい向きになるように操作可能である。いくつかの段階ではスタックを反転すること、及び他の段階ではスタックをチャックなどの固定機構を使用して定位置に保持することができる。これらのチャックは、製造時にスタック内の層に力を与え、結果として損傷が生じる可能性がある。チャックは、スタック内の1つ以上の層をスクラッチするか、又は他の方法で損傷させることも可能である。
【0018】
[00018] EUVリソグラフィのためのペリクルメンブレン及びメンブレンアセンブリを製造する他の方法では、最終的にペリクルメンブレンを形成する層が初期段階で堆積される。これは、ペリクルメンブレン層が、実質的にコンタミ又は欠陥のないクリーンな表面上に堆積されるか又は他の方法で提供されるものである。最終的にペリクルメンブレンを形成する層の堆積に続き、最終的なペリクルメンブレン又はペリクルアセンブリを形成するために、更なる堆積、保護、及びエッチングステップが実施される。しかしながら、更なる処理ステップの間に、最終的なペリクルメンブレンを形成する層が損傷する可能性がある。他の製造方法では、最終的なペリクルメンブレン層はプロセスの後期まで他の層によってカバーされる。したがって、最終的なペリクルメンブレンにいずれかの欠陥又は損傷がある場合、それらは多数の複雑で時間のかかるステップが実施されるまで、カバーされない。したがって、欠陥のあるペリクルメンブレンが特定され処分される前に、ほぼすべての製造プロセスが実施されなければならない。障害の特定から新しいペリクルアセンブリの作成までに要する時間を、学習時間と呼ぶことができる。本発明に従った方法は、学習時間が減少するという利点を有する。
【0019】
[00019] 本発明の第1の態様に従った方法では、最終的にペリクルメンブレンを形成する層が他の方法よりも後のプロセス段階で提供される。本発明では、最終的なペリクルメンブレン層は、特定のエッチングステップが実施された後でのみ堆積される。最終的なペリクルアセンブリは、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を含む。ペリクル境界は、ペリクルフレームに機械的又は化学的に取り付けることができる。ペリクルフレームは、パターニングデバイスMAに取外し可能又は永続的に取り付けることができる。ペリクルメンブレンにより、これはペリクル境界部分に広がり、ペリクルとして使用される際にEUV放射が通過する、材料の層を指すことが理解されよう。層は、ペリクル層、ペリクルコア層、又はペリクルメンブレンと呼ぶこともできる。ペリクルメンブレンを形成する材料は、ペリクル境界を画定するエッチングステップが実施された後に提供される。これには、ペリクル境界が形成されている必要はないが、むしろ、最終的にペリクル境界になる平面基板などの層の一部を後続のエッチングステップから保護する層が画定される必要があることを理解されたい。例えば、スタックが、ペリクルメンブレンを保持する最終的なペリクル境界を形成するシリコン平面基板を備える場合、最終的なペリクル境界を画定するエッチングステップは、最終的にペリクル境界を形成する平面基板の一部をエッチングから保護する働きをする1つ以上の層をエッチングすることを含むことができる。
【0020】
[00020] 驚くことに、最終的なペリクルメンブレンの品質に悪影響を及ぼすことなく、いくつかのエッチングステップが実施された後、最終的なペリクルメンブレンの少なくとも一部を最終的に形成する層又はメンブレンを提供することが可能であるものと理解されてきた。加えて、本発明の方法は、最終的なペリクルメンブレンになるべき層又はメンブレンが提供される前にスタックから開始される、ペリクルアセンブリ又はペリクルメンブレンを製造するために必要なステップのうちのいくつかを実施することが可能であるという点で、ペリクルアセンブリを生成するために必要な時間を低減させることも可能である。初期段階でペリクルメンブレンを堆積することを必要とする他の製造方法において、特定のペリクルメンブレンを有するメンブレンアセンブリが必要な場合、プロセスの最初からペリクルメンブレンの形成を開始する必要がある。これに対して、本発明の方法では、プロセス全体を通じてペリクルメンブレン層の形成部分を効果的に開始することが可能であり、それによって時間が節約される。
【0021】
[00021] 方法は、前面及び背面を有するスタックを提供することを含むことができる。スタックは、1つ以上の層を伴う基板を備えることができる。例えばスタックは、シリコンウェーハ又はシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェーハなどの平面基板を備えることができる。
【0022】
[00022] 方法は、スタックの前面上に保護層を提供することを含むこともできる。保護層は、スタックの下にある部分を後続のエッチングプロセスから保護することが可能な、任意の適切な材料とすることができる。本発明は、保護層の性質によって特に制限されるものではない。
【0023】
[00023] 方法は、スタックの背面から1つ以上の部分を選択的に除去することを含むこともできる。これらの部分は、最終的なペリクルアセンブリのペリクル境界を画定する働きをすることができる。選択的な除去は任意の適切な技法によって実施可能であり、本発明は使用される技法によって特に限定されるものではない。レジストの堆積、パターニング、及びエッチングなどの製造プロセスの間、スタックは定位置に保持されるか、又はチャックとも呼ばれる固定機構を使用して移動されなければならない。代替の製造方法では、これらのチャックは製造時にペリクル層上に力を与えることができ、更にこの結果として、ペリクルに損傷を与える可能性がある。本発明の利点は、スタックの背面の少なくとも一部の選択的な除去が、少なくとも1つのメンブレン層の堆積に先立って完了し、この時点で、チャックはメンブレン層に力を印加しないことを保証することである。これによって、ペリクルメンブレン又は層が処理中に損傷する可能性を低減させる。
【0024】
[00024] 方法は、スタックの前面から保護層の少なくとも一部を除去することを含むこともできる。スタックの背面がエッチングされると、スタックの前面はもはやエッチングからの保護を必要としないため、スタックの前面の保護層を除去することができる。保護層の除去は任意の適切な技法によって達成可能であり、本発明は使用する技法に特に限定されるものではない。
【0025】
[00025] 方法は、スタックの前面上にペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層を提供することを含むこともできる。好ましくは、エッチングステップの間スタックの前面を保護するために、スタックの前面上に保護層が提供されることが理解される一方で、これは必須ではなく、スタックの前面上に任意の保護層を提供することなしにスタックの背面をエッチングすることが可能であり得る。スタックの背面のエッチングは、ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供されるのに先立って完了しているため、こうしたペリクル層に損傷を生じさせるリスクを低減させる。本発明は、ペリクル層がどのように提供されるかに特に限定されず、例えば化学気相蒸着などの任意の適切な技法が使用可能である。
【0026】
[00026] 方法は、ペリクルアセンブリを形成するためにスタックの1つ以上の部分を選択的に除去することを更に含むこともできる。したがって、ペリクルアセンブリは、少なくとも1つのメンブレン層を備えるペリクルメンブレン、及びペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を備えることができる。スタックからの1つ以上の部分は任意の適切な技法によって除去可能であり、本発明は、使用する技法によって特に限定されない。例えば、エッチングを使用して、1つ以上の部分を除去することができる。方法は、ペリクルアセンブリを形成するためにスタックの1つ以上の部分を選択的に除去するための、1つ以上のステップを含むことができる。
【0027】
[00027] 方法は、ペリクルアセンブリが、少なくとも1つのメンブレン層及び少なくとも1つの放出層を備えるメンブレンを備えるように、スタックの前面上に少なくとも1つの放出層を提供することを、更に含むことができる。放出層は、好ましくは、少なくとも1つのメンブレン層が提供された後に提供される。放出層は、少なくとも1つのメンブレン層の下、又は、少なくとも1つのメンブレン層の上と下の両方に提供され得る。したがって、放出層は、ペリクルメンブレンの前面、背面、又は両面上に提供され得る。放出層は、ペリクルアセンブリの熱放射率を増加させる働きをすることができる。ペリクルアセンブリの放射率の増加は、ペリクルの動作温度を低下させることが可能であり、これがペリクルの存続期間を増加させることが可能である。加えて、放出層は、リソグラフィ装置内の大気からメンブレン層を保護することもできる。例えば、ペリクル層がカーボンを含む場合、リソグラフィ装置内の低圧水素を放射によってイオン化することが可能であり、水素ラジカルがカーボンを攻撃してペリクルを経時的に弱めることができる。したがって放出層は、ペリクルメンブレン層を保護することもできる。少なくとも1つのメンブレン層の背面に放出層が提供される場合、境界の内面にも提供可能である。代替又は追加として、放出層は境界の最下部、すなわち境界の「脚」上にも提供可能である。放出層をメンブレン層上にのみ提供することも可能であり得るが、アセンブリの最下面を単に放出層でコーティングすることが、より好都合であり得る。
【0028】
[00028] 方法は、スタックの前面上に少なくとも1つのキャッピング層を提供することを更に含み得、好ましくは、キャッピング層は二酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素を含む。他のキャッピング層も使用可能である。キャッピング層は任意の適切な技法によって提供可能であり、本発明は使用する技法に特に限定されない。一例において、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を提供し、その後、既知の技法を使用して二酸化ケイ素に変換することが可能である。キャッピング層は、スタックのペリクルコア層を保護する働きをすることができる。キャッピング層は、上を覆う層とのより良い適合性を有し得、それによって、スタック内の層間のより強力な結合を生じさせることができる。二酸化ケイ素の薄層は、当分野で既知なように周知の層厚みで容易に成長する。周知の厚みの層は、不均等な層厚みに起因する層の何らかのエリア内での過剰なエッチングのリスクを低減させるため、エッチングプロセスにとって有利である。キャッピング層としての二酸化ケイ素の薄層の堆積は、その後、エッチングの信頼性を向上させ、メンブレンに対する損傷の機会を低減させることができる。
【0029】
[00029] 方法は、スタック上にレジストを提供すること、及び、スタックの背面から1つ以上の部分を選択的に除去するのに先立ってレジストをパターニングすることを含むことができる。本発明は、レジストの性質によって特に限定されるものではなく、任意の適切なレジストが使用可能である。このステップはマスクを提供することであり、スタックの表面上でのパターンの画定、例えばスタック上でのペリクル境界の画定を可能にする。レジストは、最終ペリクルアセンブリの最終的なペリクル境界を画定するような方法でパターニングすることができる。レジストは、下にある層をエッチングから保護する働きをする。したがって、レジストのパターニングは、後続のエッチングステップによって除去されるスタックのエリアを画定する働きをする。エッチャントは、例えばリン酸(H3PO4)及び/又はフッ化水素酸(HF)などの化学エッチャントであってよい。エッチング後、結果として生じるペリクルメンブレンは、例えばその表面のうちの一方又は両方に自然酸化物層を伴うMoSiNxペリクルコア層を含むことができる。本明細書において、xは材料組成内に窒素の変動性を意味し、変動性は同等に、MotSipNzと記述することもできる。代替として、エッチング及び金属堆積の後、スタックは、例えば、スタックの前面上のSiN/Ox/pSiペリクルコア層/低ストレス窒化物(LSN)、及び背面上のMo/Ruのキャップによって、(例えば、ペリクル境界によって画定されたキャビティ内に)形成することができる。
【0030】
[00030] 方法は、ペリクルアセンブリを形成するために、スタックの背面から1つ以上の部分を選択的に除去するステップ、及び/又は、スタックの1つ以上の部分を選択的に除去するステップの間、スタックの少なくとも一部をエッチングすることを、更に含むことができる。
【0031】
[00031] スタックは、平面基板及び好ましくは少なくとも1つの犠牲層を備えることができる。平面基板はウェーハであってよい。平面基板は、スタックのペリクルコア層を形成することができる。好ましくは、ウェーハはシリコンを含む。シリコンは、本分野で一般的に使用される明確に特徴付けられた材料である。他の適切な材料が使用可能であること、及び、本発明がシリコンベース基板(すなわち、pSi、SiC、MoSi2、又はMoSiNxなどのシリコンを含む基板)に限定されないことを理解されよう。例えば基板は、スタックのためのグラフェンペリクルコア層又はカーボンナノチューブペリクルコア層などの、カーボンベースとすることもできる。
【0032】
[00032] 方法は、例えば少なくとも1つのメンブレン層の堆積の間の1つ以上の更なる犠牲層の堆積を、更に含むことができる。この後、好ましくは、追加の犠牲層の1つ以上の部分の選択的除去が続く。犠牲層は、窒化ケイ素及び/又は二酸化ケイ素を含むことができる。ペリクルコア層の材料に応じて、他の材料を犠牲層として使用することもできる。
【0033】
[00033] 少なくとも1つのメンブレン層は、好ましくは少なくとも1つの非晶質シリコン層を結晶化することによって形成された、少なくとも1つのシリコン層を含むことができる。メンブレン層はpSiを含むことができる。シリコンは良好なEUV透過率を有するため、少なくとも1つのメンブレン層に適した材料である。少なくとも1つのメンブレン層は、追加の耐化学性又は耐熱性を提供する働きをする、及び/又はメンブレンアセンブリの放射率を増加させる、1つ以上の材料でコーティングすることができる。
【0034】
[00034] 保護層は架橋ポリマを含むことができる。ポリマはポリ(pキシリレン)ポリマとすることができる。ポリマは、Parylene又はProTek(登録商標)タイプの材料とすることができる。代替又は追加として、例えばKMPR(商標)などのレジストを含むことができる。
【0035】
[00035] 少なくとも1つのメンブレン層を、少なくとも1つの放出層とスタックの前面との間に配設することができる。いくつかの実施形態において、放出層を、メンブレン層の一方の側又は両側に提供できることを理解されよう。一実施形態において、メンブレン層は放出層又は他のキャッピング層を有さず、少なくとも1つのペリクルコア層によってのみ形成される。例えばペリクルは、MoSiNxペリクルコア層によってのみ形成される。
【0036】
[00036] 少なくとも1つの放出層は金属であり得る。少なくとも1つの放出層は、ホウ素又はホウ素含有材料、あるいはZr又はZr含有材料を含むことができる。ホウ素含有材料、例えばホウ化ジルコニウム(ZrB2)などのホウ素の金属合金は、ペリクルの放射率を増加させることが可能であり、メンブレン層を保護することも可能である。
【0037】
[00037] 好ましくは、少なくとも1つの放出層は、3つの金属放出層を更に含むことができる。この実施形態では、3つの放出層は、2つのホウ素層の間に配設されたジルコニウム層を含み、ジルコニウム層はジルコニウム又はジルコニウム含有材料を含み、ホウ素層はホウ素又はホウ素含有材料を含むことができる。別の代替では、放出層はB、Zr、Ru、又はMoの層を含むことができる。他の放出層を使用することもできる。
【0038】
[00038] 少なくとも1つのキャッピング層はキャッピング層厚みを有し、少なくとも1つのメンブレン層はメンブレン層厚みを有し、好ましくは、キャッピング層厚みはメンブレン層厚みよりも少ない。例えばキャッピング層は、0.5から10nm、好ましくは1から5nmの厚みを有することが可能である。このようにしてメンブレン層は、ペリクルアセンブリ内のペリクルメンブレンの物理強度の大部分を提供する。
【0039】
[00039] 方法は、ペリクルアセンブリを形成するためにスタックの1つ以上の部分を選択的に除去した後の、少なくとも1つのキャッピング層の少なくとも一部の選択的除去を更に含むことができる。
【0040】
[00040] 少なくとも1つのメンブレン層及び/又は少なくとも1つのキャッピング層及び/又は少なくとも1つの放出層に、少なくとも1つの犠牲層を更に提供することができる。方法は、例えば少なくとも1つのメンブレン層の堆積の前、間、又は後の、追加の犠牲層の提供を更に含むことができる。この後、好ましくは、追加の犠牲層の1つ以上の部分の選択的除去が続く。
【0041】
[00041] 本発明の第2の態様によれば、ペリクル基板が提供され、基板は前面及び背面を備えるスタックを備え、スタックの背面上の1つ以上の層は、ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供される前に、ペリクルメンブレンを保持するためのペリクル境界領域を画定するために選択的に除去される。
【0042】
[00042] 本発明は、部分的に処理されたペリクル基板を提供することができる。ペリクル基板の処理は、部分的に処理されたペリクル基板を提供可能にするまでに数週間かかる可能性があるため、こうした基板を必要になるまでストレージ内に保持することが可能であり、特定のペリクルメンブレンを有するメンブレンアセンブリの注文の間にかかる時間が低減される。製造中、ペリクル層内に欠陥が特定される可能性があり、その場合、ペリクルを廃棄して新しいペリクルアセンブリを製作しなければならない。本発明の上記態様によれば、製造プロセスを、開始からではなくペリクル基板の提供から、続行することができ、したがって製造プロセスの学習時間を減少させることができる。
【0043】
[00043] ペリクル基板は、一実施形態において、ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成するための層を含まない場合がある。こうした実施形態では、最終的なペリクル境界は画定されているが、ペリクルメンブレンを形成する材料が存在しないように、ペリクル基板が処理されている。このようにして、異なるペリクルメンブレン材料が提供可能であり、以前よりも迅速に調査又は使用可能である。
【0044】
[00044] 別の実施形態では、ペリクル基板は最終的なペリクルメンブレンを形成するための材料を含む。しかしながらこれは、最終的なペリクル境界領域を画定する処理ステップが実行された後に提供される。
【0045】
[00045] 好ましくは、ペリクル基板は、前面上に少なくとも1つの保護層を備え、好ましくは少なくとも1つの保護層は、架橋ポリマ、好ましくはポリ(pキシリレン)ポリマ、好ましくはParylene又はProTEK(登録商標)タイプの材料、又はKMPR(商標)などのレジストを含む。
【0046】
[00046] スタックは、平面基板、及び好ましくは少なくとも1つの犠牲層を備えることができ、好ましくは、平面基板はウェーハ、任意選択としてシリコンウェーハ又はSOIウェーハであり、また好ましくは、少なくとも1つの犠牲層は窒化ケイ素を含む。
【0047】
[00047] 本発明の更なる態様によれば、上記で説明した方法のいずれかを含む方法に従って製造されたペリクルアセンブリが提供される。
【0048】
[00048] 本発明に従った方法は、一実施形態において結果として、エッチング後、ペリクルメンブレンが、更なる機能キャップ層を持たないMoSiNxコア層、又は自然酸化物層でカバーされた少なくとも1つの表面を有するMoSiNxコア層を備えることを有する。
【0049】
[00049] 本発明に従った方法は、一実施形態において結果として、エッチング及び金属堆積後、ペリクルスタックが、前面上のSiN/Ox、pSiペリクルコア層、低ストレス窒化物(LSN)層、及びスタックの背面上に堆積されるMo上のRuのキャップ層によって形成されることを有する。
【0050】
[00050] 本発明の更なる態様において、ペリクル基板は、pSi、SiC、MoSi2、又はMoSiNxなどのシリコンベース材料、あるいは、グラフェン膜又はカーボンナノチューブによって形成される膜などのカーボンベース材料から選択可能な、ペリクルコア層を備える。
【0051】
[00051] 本発明の更に別の態様において、ペリクルスタックは、SiO/MoSiNx/MoSi2の層を備えるか、又はSiON/MoSiNx/SiONの層を備える。しかしながら、本明細書では、これらの層のうちの2つのみの組み合わせも想定される。
【0052】
[00052] 本発明によって提供される最終ペリクルが、他の方法を使用して製造されるペリクルアセンブリと根本的に同じであることが理解されるが、プロセスの後期でのペリクル層の提供は、以前には実現していなかった前述のような多くの利点を有する。
【0053】
[00053] 本発明の上記で考察した態様のいずれかは、適切であれば、本発明の1つ以上の他の態様と組み合わせ可能であることを理解されよう。更に、本発明の態様のうちの1つに関して説明した任意選択の特徴は、適切であれば、本発明の他の態様のうちの1つの任意選択の特徴とすることができる。
【0054】
[00054] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】ペリクルアセンブリを含むリソグラフィ装置を備えるリソグラフィシステムを示す図である。
【
図3】例示のためにスタックの断面を使用して、本発明に従った方法以外の方法に従った、ペリクルアセンブリの製造段階を示す図である。
【
図4】例示のためにスタックの断面を使用する、本発明の一実施形態に従った、ペリクルアセンブリの製造段階を示す図である。
【
図5】複数のメンブレン層の堆積をたどる、本発明の一実施形態を示す図である。
【
図6】最終エッチングの前後の最終ペリクルアセンブリを示す、本発明の一実施形態を示す図である。
【
図7】複数のメンブレン層の堆積をたどる、本発明の別の実施形態を示す図である。
【
図8】最終エッチングの前後の最終ペリクルアセンブリを示す、本発明の別の実施形態を示す図である。
【
図9】放出層がアセンブリの背面上に提供される、ペリクルアセンブリの一実施形態を示す図である。
【0056】
[00055] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照符号は全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になるであろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
[00056]
図1は、本発明の第1の態様の方法に従って製造されるペリクル15(ペリクルアセンブリとも呼ばれる)を含む、リソグラフィシステムを示す。リソグラフィシステムは、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備える。放射源SOは、極端紫外線(EUV)放射ビームBを生成するように、及びEUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように、構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。
【0058】
[00057] 照明システムILは、パターニングデバイスMA上に入射する前に放射ビームBを調整するように構成される。投影システムは、(マスクMAによってパターニングされた)放射ビームを基板W上に投影するように構成される。基板Wは、事前に形成されたパターンを含むことができる。この場合、リソグラフィ装置は、パターン付与された放射ビームBを、基板W上にあらかじめ形成されたパターンと位置合わせする。この実施形態では、ペリクルアセンブリ15が放射の経路内に示され、パターニングデバイスMAを保護している。ペリクルアセンブリ15は任意の必要な位置に置くことができ、リソグラフィ装置内の任意のミラーを保護するために使用できることを理解されよう。
【0059】
[00058] 放射源SO、照明システムIL、及び投影システムPSはすべて、外部環境から隔離できるように構築及び調節することができる。大気圧を下回る圧力にあるガス(例えば、水素)を、放射源SO内に提供することができる。真空を、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供することができる。大気圧をはるかに下回る圧力にある少量のガス(例えば、水素)を、照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供することができる。
【0060】
[00059] 放射源SOは任意の形を取ることができ、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ぶことのできるタイプとすることができる。代替例では、放射源SOは1つ以上の自由電子レーザを含むことができる。1つ以上の自由電子レーザは、1つ以上のリソグラフィ装置に提供可能なEUV放射を放出するように構成可能である。
【0061】
[00060] 放射ビームBは、放射源SOから、放射ビームを調整するように構成された照明システムIL内へと移る。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含むことができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、放射ビームBに所望の断面形状及び所望の角度分布を提供する。放射ビームBは照明システムILから移り、支持構造MTによって保持されるパターニングデバイスMA上に入射する。パターニングデバイスMAは、ペリクル境界17によって定位置に保持される、ペリクル層19によって保護される。ペリクル層19及びペリクル境界17は共に、ペリクルアセンブリ15を形成する。パターニングデバイスMA(例えば、マスクであり得る)は放射ビームBを反射し、パターニングする。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はそれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを含むことができる。
【0062】
[00061] パターニングデバイスMAからの反射に続き、パターン付与された放射ビームBは投影システムPSに入る。投影システムは、放射ビームBを、基板テーブルWTによって保持される基板W上に投影するように構成された、複数のミラー13、14を備える。投影システムPSは、放射ビームに減少係数を適用し、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを伴う像を形成する。例えば、縮小係数4が適用可能である。
図1では、投影システムPSは2つのミラー13、14を有するが、投影システムは任意数のミラー(例えば、6つのミラー)を含むことができる。
【0063】
[00062]
図1に示される放射源SOは、図に示されていないコンポーネントを含むことができる。例えば、スペクトルフィルタを放射源内に提供することができる。スペクトルフィルタは、EUV放射に対して実質的に透過的であるが、赤外線放射などの放射の他の波長に対して実質的に遮断的であり得る。
【0064】
[00063] 上記で簡潔に説明したように、ペリクルアセンブリ15は、パターニングデバイスMAに近接して提供されるペリクル層19を含む。ペリクル層19は、照明システムILからパターニングデバイスMAに近づくとき、及びパターニングデバイスMAによって投影システムPSに向かって反射されるときの両方に、放射ビームBがペリクル層19を通過するように、放射ビームBの経路内に提供される。ペリクル層19は、(少量のEUV放射を吸収するが)実質的にEUV放射に対して透明な薄膜を備える。ペリクル層19は、粒子汚染からパターニングデバイスMAを保護するように作用する。ペリクル層19は、本明細書ではEUV透明ペリクルと呼ぶことができる。
【0065】
[00064] リソグラフィ装置LA内部のクリーンな環境を維持するように努力できる一方で、粒子は依然としてリソグラフィ装置LA内部に存在する可能性がある。ペリクル層19がない場合、粒子はパターニングデバイスMA上に堆積可能である。パターニングデバイスMA上の粒子は、放射ビームBに付与されるパターン、及びしたがって基板Wに転写されるパターンに、不利な影響を与える可能性がある。ペリクル層19は、粒子がパターニングデバイスMA上に堆積するのを防ぐために、パターニングデバイスMAとリソグラフィ装置LA内の環境との間にバリアを提供する。
【0066】
[00065] 使用中、ペリクル層19は、ペリクル層19の表面上に入射するいずれの粒子も放射ビームBの焦点面内ではないように、パターニングデバイスMAからの十分な距離に位置決めされる。このようにペリクル層19とパターニングデバイスMAとの間を分離することで、ペリクル層19の表面上のいずれかの粒子が放射ビームBにパターンを付与する範囲を低減させるように作用する。放射ビームB内に粒子が存在するが、放射ビームBの焦点面内ではない(すなわち、パターニングデバイスMAの表面ではない)位置である場合、粒子のいずれの像も基板Wの表面では合焦しないことを理解されよう。いくつかの実施形態において、ペリクル層19とパターニングデバイスMAとの間の分離は、例えば、2mmから3mmの間(例えば、約2.5mm)であり得る。いくつかの実施形態において、ペリクル層19とパターニングデバイスとの間の分離は調節可能である。
【0067】
[00066] 一実施形態において、ペリクルアセンブリ15は動的ガスロックのためのものである。この場合、メンブレンアセンブリ15はDUV放射をフィルタリングするためのフィルタとして機能する。追加又は代替として、一実施形態において、メンブレンアセンブリ15は、EUVリソグラフィ用のパターニングデバイスMAのためのペリクルである。本発明のメンブレンアセンブリ15は、動的ガスロックのため、又はペリクルのため、又は別の目的で使用可能である。一実施形態において、メンブレンアセンブリ15は、入射EUV放射の少なくとも90%を透過するように構成された、少なくとも1つのメンブレン層から形成されるメンブレンを含む。最大のEUV透過及び結像性能に与える最小影響を保証するために、メンブレンは境界でのみ支持されることが好ましい。
【0068】
[00067]
図2は、ペリクルアセンブリ15及びパターニングデバイスMAの断面をより詳細に示す概略図である。パターニングデバイスMAはパターン付与された表面24を有する。ペリクル境界17は、ペリクル層19の外周部周辺でペリクル層19を支持する。ペリクル境界17は、ペリクルフレーム22に取り付けることができる。ペリクルフレーム22は、ペリクルフレーム22をパターニングデバイスMAに取り外し可能に取り付けることができるように(すなわち、ペリクルフレーム22をパターニングデバイスMAに取り付けることができるように、及びパターニングデバイスMAから取り外すことができるように)構成された、取り付け機構(図示せず)を含むことができる。取り付け機構は、パターニングデバイスMA上に提供された取り付けフィーチャ(図示せず)と係合するように構成される。取り付けフィーチャは、例えば、パターニングデバイスMAから延在する突出体とすることができる。取り付け機構は、例えば、突出体と係合し、ペリクルフレーム22をパターニングデバイスMAに固定する、ロック部材を備えることができる。複数の取り付け機構及び関連付けられた取り付けフィーチャが提供可能である。取り付け機構はペリクルフレーム22の周囲に分散させること(例えば、ペリクルフレームの一方の側に2つ、及びペリクルフレームの反対側に2つ)ができる。関連付けられた取り付けフィーチャは、パターニングデバイスMAの外周周辺に分散させることができる。
【0069】
[00068]
図2では、コンタミ粒子26が概略的に示されている。コンタミ粒子26はペリクル層19上に入射し、ペリクル層19によって保持される。ペリクル層19はコンタミ粒子を、リソグラフィ装置LAによって基板上に結像されないようにマスクMAのパターン付与された表面24から十分遠くに保持する。
【0070】
[00069] 本発明の一実施形態に従ったペリクルアセンブリは、マスクパターンを(パターニングデバイス上に)提供可能にし、使用中、実質的に欠陥なしで維持される(マスクパターンがペリクルによってコンタミから保護される)。
【0071】
[00070] ペリクルアセンブリ15は、ペリクル境界17を提供するための基板の上部(前面)に直接ペリクル層19(例えば、ポリシリコン(pSi)又はMoSiNxで作られるペリクルコア層とすることが可能)を堆積することによって、構築可能である。例えばスタックは、SiO/MoSiNx/MoSi2又はSiON/MoSiNx/SiONとすることができる。基板は、例えばシリコンウェーハ又はSOIウェーハとすることができる。ペリクル層19の膜の堆積後、基板は、ペリクル層19を支持するためのペリクル境界17を形成するために、基板の中央部を除去し、外周囲のみを残すように、選択的にバックエッチング(すなわち、背面でのエッチング)することができる。本明細書によって、下記の図面を参照しながら製作プロセスを考察する。
【0072】
[00071]
図3は、例示のためにスタックの断面を使用して、本発明の方法とは異なる代替の製造プロセスに従ったペリクルアセンブリの製造段階を概略的に示す。この方法は、本発明の方法との比較を提供するために含められる。
【0073】
[00072] 平面基板30及び第1の任意選択の犠牲層31を備える、スタック100が提供される。平面基板30はスタック100の内部領域に配設され、第1の犠牲層31はスタック100の外部領域に配設される。したがって第1の犠牲層31は、好ましくは実質的に平面基板30を取り囲む。平面基板30は、例えばシリコンウェーハ又はSOIウェーハとすることができる。平面基板30は、例えば正方形、円形、又は矩形などの形状を有する。平面基板30の形状は特に限定されないが、最も可能性が高いのは円形であり、これが最も一般的に使用可能な形状である。平面基板30のサイズは特に限定されない。
【0074】
[00073] 第1の犠牲層31は平面基板30を完全に取り囲むように示されているが、いくつかの実施形態では、第1の犠牲層31は平面基板30を部分的にのみ取り囲むことも可能である。図示される実施形態では、単一の犠牲層31が示されているが、より多くの犠牲層31が存在可能であることを理解されよう。第1の犠牲層は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、化学酸化物、又は熱酸化物を含むことができる。
【0075】
[00074] スタック100は、前面及び後面(背面とも呼ばれる)を有する。前面は、製造の後期において、ペリクル層の近位にある面として定義される。前面及び後面は、ペリクル層の堆積に先立って指定することができる。これらの用語は、本発明をより良く理解するため、及びプロセスのステップをより明瞭に定義するために使用される。しかしながら、方法は、スタックが反転されるか又はそれ以外の方法で回転される場合をカバーすることも意図される。
【0076】
[00075] スタック101を画定するために、少なくとも1つのペリクル層32が第1の犠牲層31上に配設される。ここでも、ペリクル層32は第1の犠牲層31を取り囲むように示されているが、代替の実施形態では、メンブレン層32は第1の犠牲層31を部分的にのみ取り囲むか、又は、スタック100の1つの面上に堆積することが可能である。ペリクル層32は、ペリクル膜、メンブレン層、ペリクルコア層、又はメンブレン膜と呼ばれることもある。
【0077】
[00076] 単一のペリクル層32が示されているが、ペリクル層32は複数の層を含んでもよいことを理解されよう。ペリクル層は、少なくとも1つのペリクルコア層を含むことになる。ペリクルコア層は、例えばポリシリコン(pSi)又はMoSiNxを含むことができる。ペリクルコア層は、ペリクル層32に機械的強度を与えること、及び、放射、例えばEUVの透過を可能にすること、という、2つの主な目的を有する。ペリクル層32は、少なくとも1つの追加の犠牲層(図示せず)を含むこともできる。
【0078】
[00077] スタック101は、平面基板30上に堆積された材料のいくつかの他の層も含むことができ、層は、ペリクルアセンブリ15の製造プロセスにおいて、あるいは、(例えば、EUV放射のペリクル反射を低減させること、又は、DUV又はIR放射などの望ましくない帯域外放射の反射を強化することによって)、化学物質/環境に対する耐性、及び/又は(熱)機械的強度の向上、及び/又は結像影響の低減などの、ペリクルアセンブリ15の特徴を強化するために、様々な保護機能を有する。
【0079】
[00078] スタック102は、第1のレジスト33が堆積されるステップを示す。第1のレジスト33はポジ型又はネガ型のレジストであってよく、レジストが使用される方法は特に限定されない。第1のレジスト33は、後続のエッチングステップでエッチングされることになるスタック103の部分を画定するために、パターン付与される。第1のレジスト33は、エッチマスクと呼ばれることもある。
【0080】
[00079] 次いでスタック102は、レジスト33によって保護されないペリクル層32の一部を除去するために、任意の適切なエッチング手段によってエッチング可能であり、結果としてスタック103が生じる。このエッチングステップは、犠牲層31の一部、又はそのように設計されている場合は上述の任意の追加層を除去することもできる。
【0081】
[00080] 次いで、スタック104の前面にある表面を保護するために、スタック104の前側に保護層34が印加される。特に保護層は、後続のエッチングステップ及び/又は物理的接触から、スタック104の前側で、層を、特にペリクル層32を保護することができる。保護層34は、架橋ポリ(pキシリレン)ポリマ、例えば、好ましくはParylene又はProTEK(登録商標)タイプの材料を含むことができるか、又はレジスト、例えばKMPR(登録商標)及び/又はTEOS層とすることができる。保護層34は、実質的にホールのない連続層として印加され、エッチャントに対して不浸透性の層を提供することになる。保護層34は、好ましくはスタック104の後側(すなわち背側)に追加されないため、エッチャントは、スタック104の後側を介して平面基板30及び任意の犠牲層31にアクセス可能となる。任意選択の保護層34は、スタックの前面の表面を保護するために、スタックの前側に印加される。これにより、ペリクル層32の堆積に先立って、後続の処理ステップの間にクリーンな堆積表面の保持を可能にする。スタックの背面のエッチングがスタックの前面を損傷させるリスクを及ぼさない場合、保護層34は無くてもよいことを理解されよう。たとえその場合でも、保護層34は好ましい。
【0082】
[00081] 次いでスタック104は反転され、第2のレジスト35がスタック105の後側に堆積される。第2のレジスト35は、ポジ型又はネガ型のレジストであってよく、レジストが使用される方法は特に限定されない。第2のレジスト35は、後続のエッチングステップでエッチングされることになるスタック105の部分を画定するために、パターニングされる。第2のレジスト35は、エッチマスクと呼ばれることもある。ペリクル層が提供された後、このプロセスで最終ペリクル境界領域が画定されるのはこの段階である。
【0083】
[00082] この点で、製造プロセスでは、スタック105とチャック(図示せず)との間に接触が生じる可能性がある。チャックは、例えば、スタックの保持、移動、及び位置合わせに使用される、エッジ接触、リフトピン、エンドエフェクタ、及び中央ホイール接触を含むことができる。これらの接触は、ペリクル層32が存在するスタック105の前側で起こる可能性があり、ペリクル層32を損傷させるリスクが高い。
【0084】
[00083] 本発明は、異なる製造プロセスを提供することによってこの損傷リスクを緩和する利点を有し、
図4を参照しながら下記でより詳細に説明する。
【0085】
[00084]
図4は、本発明の一実施形態に従った、ペリクルアセンブリの製造段階を概略的に示す。例示のためにスタックの断面が使用される。製造段階を下記で考察する。段階及び材料のうちのいくつかは上記で説明したものに相当するため、詳細には説明しないが、等価であるとみなすことができる。
【0086】
[00085] 平面基板30及び第1の犠牲層31を備える、スタック200が提供される。スタック201の前面にある表面を保護するために、任意選択の保護層34がスタック200の前側に印加される。これにより、ペリクル層32の堆積に先立って、後続の処理ステップの間、表面のクリーンな堆積表面を保持することが可能になる。スタックの背面のエッチングがスタックの前面を損傷させるリスクを及ぼさない場合、保護層34は無くてもよいことを理解されよう。たとえその場合でも、保護層34は好ましい。
【0087】
[00086] スタック201は反転され、第1のレジスト35がスタック202の後側(すなわち、背側)に印加される。スタック201の反転は任意選択であり、反転なしにプロセスを実施することが可能であり得る。後続のエッチングステップでエッチングされることになり、最終ペリクルアセンブリのペリクル境界を画定する働きをする、スタック202の部分を画定するために、レジスト35はパターニングされる。次いで、レジスト35によって保護されていない第1の犠牲層31の一部を除去するために、スタック202は任意の適切なエッチング手段によってエッチングされる。この時点で、最終ペリクルアセンブリのペリクル境界は画定されており、最終ペリクルメンブレンを提供する材料は提供される前である。この時点で、製造プロセスにおいて、スタック202とチャックとの間に接触が生じる可能性がある。これらの接触は、ペリクル層32が存在しないスタック202の前側で起こる可能性がある。したがって本発明は、ペリクル層32に対する高い損傷リスクを軽減する。
【0088】
[00087] 次いで、結果として生じるスタック203を、後続のペリクル層の堆積、及びしたがってペリクルアセンブリの製造に使用することができる。結果として生じるスタック203は、ペリクル基板203と呼ばれることもある。ペリクル基板203は、スタック203の前面の劣化又は汚染なしに、更なる製造ステップに先立って、かなりの期間にわたって保持することができる。したがって、更なる製造ステップにおいてペリクル層が損傷した場合、(代替製造プロセスにおけるスタック100ではなく)スタック203から製造を再開することが可能であり、プロセスの学習時間が低減される。
【0089】
[00088] 保護層34の除去に続いて、新しいスタック204を画定するために、スタック203上に少なくとも1つのペリクル層32が提供される。ここでも、ペリクル層32はスタック203全体を取り囲むように示されるが、代替実施形態では、メンブレン層32はスタック203を部分的にのみ取り囲むか、又はスタック203の1つの面に堆積することが可能である。ペリクル層は、ペリクル膜、メンブレン層、又はメンブレン膜とも呼ばれる。
【0090】
[00089] 単一のペリクル層32が示されているが、より多くのペリクル層32が存在可能であることを理解されよう。ペリクル層は、少なくとも1つのペリクルコア層を含むことができる。ペリクルコア層は、例えばポリシリコン(pSi)又はMoSiNxを含むことができる。ペリクルコア層は、ペリクル層32に機械的強度を与えること、及び、放射、例えばEUVの透過を可能にすること、という、2つの主な目的を有する。
【0091】
[00090] 代替実施形態において、ペリクル層32は少なくとも1つの追加の層を含むことも可能であり、層は、ペリクルアセンブリ15の製造プロセスにおいて、あるいは、(例えば、ペリクル反射を低減させることによって)、化学物質/環境に対する耐性、及び/又は(熱)機械的強度の向上、及び/又は結像影響の低減、及び/又は放射率の増加などの、ペリクルアセンブリ15の特徴を強化するために、様々な保護機能を有する。例えば、ペリクル層が提供される前に、ホウ素又はホウ素含有層などの少なくとも1つの追加の層が、既に提供されている場合があり得る。いくつかの追加の実施形態を、下記及び
図5から
図8で詳細に説明する。
【0092】
[00091] 少なくとも1つのペリクル層32の堆積に続いて、スタック204を更に処理して、最終ペリクルアセンブリ15を形成するために材料の一部を除去することができる。材料の一部の選択的除去により、平面基板30及び犠牲層31の取り囲み部分からペリクルアセンブリ15を除去することができる。除去するエリアは、レジスト35を使用して確定された。材料の選択的除去部分は、ペリクル層19及びペリクル境界17を更に画定する。更なる処理ステップは、本発明に特に関連性があるものではなく、したがって、ここでは詳細に説明しない。従来の処理ステップは、更なるレジスト及び/又はマスキング層の印加、並びに保護層の追加及び除去を含むが、限定されない。
【0093】
[00092] 更なる処理ステップは、平面基板30及び犠牲層31の取り囲み部分からメンブレンアセンブリ15を除去した後に行うことができる。例えば、ペリクルアセンブリ15のペリクル層32は、上記で詳述したように、追加の犠牲層又はキャッピング層を含むことができる。これらの追加の層は、更なる処理ステップで除去又は取り扱い可能である。
【0094】
[00093]
図5及び
図6は本発明の好ましい実施形態を示し、ペリクル層32の組成が更に定義されている。製造プロセスにおいて後期にペリクル層32を堆積することで、より広範囲の材料及び層厚みが使用可能であることが、本発明の特徴である。これは一部には、スタックの背面から1つ以上の部分を選択的に除去した後、ペリクル層32を堆積することに起因し、結果としてペリクル層に対する損傷リスクが低減される。
【0095】
[00094] 本実施形態では、
図5に最も明瞭に示されるように、ペリクル層32が堆積される。本実施形態では、ペリクル層は、ペリクルコア層51、2つのキャッピング膜52、及び間隔膜53を備える。ペリクルコア層51は2つのキャッピング膜52の間に配設され、キャッピングされたペリクル層55を形成する。ペリクルコア層は、ペリクル膜又はコア膜とも呼ばれる。間隔膜53は、キャッピングされたペリクル層55と犠牲層31との間に配設される。好ましくは、任意選択の追加の間隔層56が、間隔膜53と第1のキャッピング層52との間に提供される。この追加の任意選択の間隔層56は、その後のエッチングステップにおいてエッチストップとして作用することができる。
【0096】
[00095] ペリクルコア層51は、例えば、EUVにおいて高い透過率を有し、更にペリクルアセンブリに対して強度を与える、ポリシリコン(pSi)を含むことができる。間隔膜53は、例えば酸化ケイ素、好ましくは熱酸化物から作ることができる。間隔膜53は、更なるペリクル層51、52を受け取るための表面を画定する。追加の間隔層56は、酸化ケイ素に比べてエッチング選択性を有する任意の材料、例えばケイ素、又は窒化ケイ素を含むことができる。
【0097】
[00096] キャッピング層52は、好ましくは酸化ケイ素、例えば二酸化ケイ素(SiO2)からなり得る。キャッピング層52は、好ましくは、ペリクルコア層の厚みに比べて薄い膜である。SiO2の薄膜は、明確に定義された層厚みで容易に製造可能である。不均等な層厚みは過剰なエッチングにつながり、したがってペリクルコア層51に損傷を与える可能性があるため、明確に定義された層厚みはペリクル製造に有利である。したがって、明確に定義された層厚みの層を提供することが望ましい。
【0098】
[00097]
図6Aで最もよくわかるように、材料の取り囲み部分からペリクルアセンブリ15を除去することに続き、ペリクル層は複数の層を含む。この好ましい実施形態では、ペリクルコア層51は好ましくはケイ素、例えばポリシリコン(pSi)、又はMoSiNxからなり、キャッピング層52は酸化ケイ素、例えば二酸化ケイ素(SiO
2)からなる。
【0099】
[00098]
図6Bで最も明瞭にわかるように、その後、キャッピング層52を除去し、ペリクルコア層51のみを残すことが望ましい。これによって、ペリクルアセンブリ15の透過率が上昇する。最終ペリクルアセンブリは、ペリクル境界17上で支持されるペリクルコア層51を備える。ペリクル境界17は、平面基板30と間隔膜53との間に配設された犠牲層31を含み、間隔膜53は犠牲層31と任意選択の追加の間隔膜56との間に配設され、間隔膜56はキャッピング膜52と連続する。ペリクル境界17は、ペリクルコア層51と隣接する前に、好ましくは、シリコン層、二酸化ケイ素層、熱酸化物層、任意選択のシリコン層、及び二酸化ケイ素層から作られる規則的な層を備える。
【0100】
[00099] キャッピング層52の除去は多数の方法を使用して実行可能であるが、好ましくはエッチングによって実行される。
【0101】
[000100]
図7及び
図8は本発明の好ましい実施形態を示し、ペリクル層32の組成が更に定義される。多くの特徴は前述の特徴に相当し、したがってより詳細に説明しない。
【0102】
[000101] 本実施形態では、
図7で最も明瞭に示されるように、ペリクル層32がスタック上に提供される。ペリクル層32は第1の犠牲層31上に堆積される。本実施形態において、ペリクル層32は、ペリクルコア層51、第1のキャッピング膜52a、少なくとも1つのキャッピング膜52b、及び間隔膜53を備える。好ましくは、ペリクル層32は、第3のキャッピング膜52c及び第4のキャッピング膜52dを更に備えることが可能であり、第2、第3、及び第4のキャッピング膜52b、52c、52dは、放出膜とも呼ばれる上部キャッピング層52eを備える。ペリクルコア層51は、キャッピングされたペリクル層55を形成するために、第1のキャッピング膜52aと放出膜52eとの間に配設される。間隔膜53は、キャッピングされたペリクル層55と犠牲層31との間に配設される。以前の実施形態と同様に、間隔膜53と第1のキャッピング膜52aとの間に、追加の任意選択の間隔層56を提供することができる。この追加の間隔層56は、その後のエッチングステップにおいてエッチストップとして作用する。
【0103】
[000102] ペリクルコア層51は、好ましくはケイ素、例えばポリシリコン(pSi)、又はMoSiNxからなり、EUVにおける高い透過率を有し、更にペリクルアセンブリに強度を提供する。間隔膜53は、好ましくは酸化ケイ素、例えば二酸化ケイ素(SiO2)又は熱酸化物、例えば熱処理されたSiO2からなる。間隔膜53は、更なるペリクル層51、52a、52b、52c、52dを受け取るための平坦面を画定する。追加の任意選択の間隔層56は、酸化ケイ素に比べてエッチング選択性を有する任意の材料、例えばケイ素、又は窒化ケイ素を含むことができる。
【0104】
[000103] 第1のキャッピング膜52aは、好ましくは酸化ケイ素、例えば二酸化ケイ素(SiO2)からなる。第1のキャッピング膜52aは、好ましくはペリクルコア層51の厚みに比べて薄い膜である。
【0105】
[000104] 少なくとも1つの第2のキャッピング膜52bは、好ましくは金属であり得る。好ましい実施形態において、第2、第3、及び第4のキャッピング膜52b、52c、52dは、すべて金属であり得る。この好ましい実施形態において、第2のキャッピング膜52b及び第4のキャッピング膜52dは、好ましくはホウ素又はホウ素含有材料からなり、第3のキャッピング膜52cはジルコニウム又はジルコニウム含有材料からなる。この上部キャッピング膜52eは、結果として生じるペリクルアセンブリ15に、強度及び/又は放射率の増加を提供することができる。
【0106】
[000105] 本実施形態は、ペリクルメンブレン上にあらかじめ放出層が堆積され、続いて材料の取り囲み部分から除去するため、自立ペリクル上への堆積とも呼ばれ、従来技術よりも有利である。重要な製造の問題は、自立ペリクル上への堆積から生じる。本発明は、除去に先立った放出層の堆積を可能にし、したがってこれらの問題を回避する。
【0107】
[000106]
図8Aで最も明瞭に示されるように、材料の取り囲み部分からのペリクルアセンブリ15の除去に続き、ペリクル層は、第1のキャッピング膜52aと放出膜52eとの間に配設されたペリクルコア層51を含む、複数の層を備える。その後、第1のキャッピング膜52aを除去し、ペリクルコア層51及び放出膜52eのみを残すことが望ましい。これによって、機械的強度を保持しながら、ペリクルアセンブリ15の放射率を増加させる。
【0108】
[000107] 本実施形態の最終ペリクルアセンブリ15は、
図8Bで最も明瞭に示される。ペリクルアセンブリ15は、ペリクル境界17上で支持されるペリクル層19、キャッピング膜52aの一部を含むペリクル境界17、任意選択の間隔層56、間隔層53、犠牲層31、及び平面基板30を備える。任意選択の間隔層56は、平面基板30と間隔層53との間に配設された犠牲層31を備えるものとして、更に定義することができ、間隔層53は、犠牲層と任意選択の間隔膜56との間に配設され、間隔膜はキャッピング膜52aと連続する。任意選択の間隔層56は、ペリクルコア層51と隣接する前に、好ましくは、シリコン層、二酸化ケイ素層、熱酸化物層、任意選択のシリコン層、及び二酸化ケイ素層から作られる規則的な層を備える。
【0109】
[000108] ペリクル層19は、好ましくは、ペリクル境界17と隣接するpSi又はMoSiNxなどのシリコンベース材料からなる、ペリクルコア層51、及び、好ましくは金属の放出膜52eを備えるものとして、更に定義可能であり、ペリクルコア層51はペリクル境界17と放出膜52eとの間に配設される。任意選択として、例えば
図9に示されるように、少なくとも1つの追加の放出層58をペリクル層に追加することができる。少なくとも1つの追加の放出層58は、好ましくは金属であってよい。例えば、放出層は、ホウ素又はホウ素含有材料、あるいはジルコニウム又はジルコニウム含有材料を含むことができる。この追加の放出層58は、結果として生じるペリクルアセンブリ15に、強度及び/又は放射率の増加を提供することができる。少なくとも1つの追加の放出58層が提供され、続いて平面基板30及び犠牲層31のセクションを除去するが、ペリクルアセンブリ15が、取り囲む平面基板30及び犠牲層31又は任意選択の保護層から完全に除去される前である。
【0110】
[000109] 任意選択の少なくとも1つの追加の放出層58を、ペリクル境界17と隣接するペリクル層19の平面として画定された、ペリクル層19の下側(すなわち、後側又は背面)に提供可能である。すなわち、追加の放出層58は、ペリクル境界17によって画定されるキャビティ内に含まれる、ペリクル層19のエリア内に提供可能である。追加の放出層を、ペリクル境界17の外部域に提供することもできる。
図9の実施形態に示されるように、最終ペリクルアセンブリ15は、2つの放出層52e、58の間にペリクルコア層51を備えることができる。最終ペリクルアセンブリ15は、追加として、ペリクル境界17を少なくとも部分的に取り囲む、放出層58を備えることができる。
【0111】
[000110] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0112】
[000111] 図面は例示的であるものと意図され、したがって一定の縮尺では描画されない。これは、例えば平面基板に関して、例えばペリクル層の厚みを考慮するとき、特に重要である。
【0113】
[000112] 以上、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は、説明した以外の方法で実践可能であることを理解されよう。例えば、様々な層を同じ機能を実行する他の層と交換することができる。
【0114】
[000113] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。従って、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
[条項1]
EUVリソグラフィのためのメンブレンアセンブリを製造する方法であって、ペリクルメンブレンを保持するペリクル境界を画定する、1つ以上のエッチングステップの後、前記ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する層が提供される、メンブレンアセンブリを製造する方法。
[条項2]
前記方法は、前面及び背面を有するスタックを提供することを含む、条項1に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項3]
前記方法は、前記スタックの前記前面上に保護層を提供することを含む、条項2に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項4]
前記方法は、前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去することを含む、条項2又は3に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項5]
前記方法は、前記スタックの前記前面から前記保護層の少なくとも一部を除去することを含む、条項3又は4に記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項6]
前記方法は、前記スタックの前記前面上にペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する前記層を提供することを含む、条項2から5のいずれかに記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項7]
前記方法は、ペリクルアセンブリを形成するために、前記スタックの1つ以上の部分を選択的に除去することを含み、前記ペリクルアセンブリは、前記少なくとも1つのメンブレン層を備えるペリクルメンブレン、及び、前記メンブレンを保持するペリクル境界を備える、条項2から6のいずれかに記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項8]
前記方法は、好ましくは前記少なくとも1つのメンブレン層が提供された後、前記ペリクルアセンブリが、前記少なくとも1つのメンブレン層及び前記少なくとも1つの放出層を備えるメンブレンを備えるように、前記スタックの前記前面上に少なくとも1つの放出層を提供することを更に含む、条項2から7のいずれかに記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項9]
前記方法は、前記スタックの前記前面上に少なくとも1つのキャッピング層を提供することを更に含み、前記キャッピング層は、好ましくは酸化ケイ素、及び/又は二酸化ケイ素、及び/又は窒化ケイ素を含む、条項2から8のいずれかに記載のペリクルアセンブリを製造する方法。
[条項10]
前記方法は、前記スタック上にレジストを提供すること、及び、前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去することに先立って、前記レジストをパターニングすることを更に含む、条項2から9のいずれかに記載の方法。
[条項11]
前記方法は、前記スタックの前記背面から1つ以上の部分を選択的に除去するステップ、及び/又は、ペリクルアセンブリを形成するために前記スタックの1つ以上の部分を選択的に除去するステップの間に、前記スタックの少なくとも一部をエッチングすることを更に含む、条項10に記載の方法。
[条項12]
前記エッチャントはリン酸及び/又はフッ化水素酸を含む、条項11に記載の方法。
[条項13]
前記スタックは、平面基板、及び好ましくは少なくとも1つの犠牲層を備える、条項2から12のいずれかに記載の方法。
[条項14]
前記平面基板はウェーハ、任意選択としてシリコンウェーハである、条項13に記載の方法。
[条項15]
前記少なくとも1つの犠牲層は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、化学酸化ケイ素、又は熱酸化ケイ素を含む、条項13又は14に記載の方法。
[条項16]
前記少なくとも1つのメンブレン層は、好ましくは少なくとも1つの非晶質シリコン層を結晶化することによって形成される少なくとも1つのシリコン層、又はMoSiNx層を備え、及び/又は、前記少なくとも1つの保護層は、架橋ポリマ、好ましくはポリ(pキシリレン)ポリマ、好ましくはParylene又はProTEK(登録商標)タイプの材料、又はKMPR(商標)などのレジストを含む、条項1から15のいずれかに記載の方法。
[条項17]
前記少なくとも1つのメンブレン層は、前記少なくとも1つの放出層と前記スタックの面との間に配設されるように提供され、また好ましくは、前記少なくとも1つの放出層は金属である、条項8から16のいずれかに記載の方法。
[条項18]
前記少なくとも1つの放出層は、ホウ素、Zr、Mo、及び/又は、Ruを含む、条項8から17のいずれかに記載の方法。
[条項19]
前記少なくとも1つの放出層は複数の放出サブ層を備え、好ましくは、前記放出サブ層は金属である、条項8から18のいずれかに記載の方法。
[条項20]
前記放出層は、2つのホウ素含有層の間に配設されたジルコニウム含有層を含む、条項19に記載の方法。
[条項21]
前記少なくとも1つのキャッピング層はキャッピング層厚みを有し、前記少なくとも1つのメンブレン層はメンブレン層厚みを有し、前記キャッピング層厚みは前記メンブレン層厚みよりも少ない、条項9から20のいずれかに記載の方法。
[条項22]
前記方法は、ペリクルアセンブリを形成するために、前記スタックの1つ以上の部分を選択的に除去した後、前記少なくとも1つのキャッピング層の少なくとも一部の前記選択的除去を更に含む、条項9から21のいずれかに記載の方法。
[条項23]
前記少なくとも1つのメンブレン層及び/又は少なくとも1つのキャッピング層及び/又は少なくとも1つの放出層は、少なくとも1つの犠牲層を更に備える、条項1から22のいずれかに記載の方法。
[条項24]
ペリクル基板であって、前記基板は、
前面及び背面を有するスタックを備え、
ペリクルメンブレンの少なくとも一部を形成する前記層が提供される前に、前記ペリクルメンブレンを保持するためのペリクル境界領域を画定するために、前記スタックの前記背面上の1つ以上の層が選択的に除去される、
ペリクル基板。
[条項25]
前記ペリクル基板は、前記スタックの前記前面上に少なくとも1つの保護層を更に備え、好ましくは、前記少なくとも1つの保護層は、架橋ポリマ、好ましくはポリ(pキシリレン)ポリマ、好ましくはParylene又はProTEK(登録商標)タイプの材料、又はKMPR(商標)などのレジストを含む、条項24に記載のペリクル基板。
[条項26]
前記スタックは、平面基板、及び好ましくは少なくとも1つの犠牲層を備え、好ましくは、前記平面基板はウェーハ、任意選択としてシリコンウェーハ又はSOIウェーハであり、また好ましくは、前記少なくとも1つの犠牲層は窒化ケイ素を含む、条項24又は25に記載のペリクル基板。
[条項27]
条項1から23のいずれか一項に記載の方法に従って製造されたペリクルアセンブリを備える、リソグラフィ装置。
[条項28]
エッチング後、結果として生じる前記ペリクルメンブレンが、更なる機能キャップ層を持たないMoSiNxコア層、又は自然酸化物層でカバーされた少なくとも1つの表面を有するMoSiNxコア層を備える、条項11又は12に記載の方法。
[条項29]
エッチング及び金属堆積後、前記スタックは、前記前面上のSiN/Ox、pSiペリクルコア層、低ストレス窒化物(LSN)層、及び前記スタックの前記背面上に堆積されるMo上のRuのキャップ層によって形成される、条項11又は12に記載の方法。
[条項30]
pSi、SiC、MoSi2、又はMoSiNxなどのシリコンベース材料、あるいは、グラフェン膜又はカーボンナノチューブの膜などのカーボンベース材料から選択された、ペリクルコア層を備える、条項24に記載のペリクル基板。
[条項31]
前記スタックは、SiO/MoSiNx/MoSi2の2つ以上の層を備えるか、又はSiON/MoSiNx/SiONの2つ以上の層を備える、条項24に記載のペリクル基板。
【図 】
【図 】