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特許7525757油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および油脂管理表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および油脂管理表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/03 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
G01N33/03
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2024522702
(86)(22)【出願日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2023044071
【審査請求日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2023034940
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J-オイルミルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 峻
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢也
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特許第7171970(JP,B1)
【文献】国際公開第2022/113755(WO,A1)
【文献】特開昭57-001954(JP,A)
【文献】国際公開第2016/185524(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/127122(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N33/03
A47J37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂の使用状況を管理する油脂管理装置であって、
前記油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標の測定値を時間データと共に取得するデータ取得部と、
前記データ取得部にて取得された前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出する測定割合算出部と、
前記測定割合算出部にて算出された前記測定割合が、前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定する測定判定部と、
前記データ取得部にて取得された前記測定値が、前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定する廃油判定部と、
前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定され、かつ、前記廃油判定部にて前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定された場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントする継続使用日数カウント部と、
前記継続使用日数カウント部にてカウントされた前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を出力する信号出力部と、を含む
ことを特徴とする油脂管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の油脂管理装置であって、
前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数をカウントする再生交換回数カウント部をさらに含み、
前記廃油判定部は、
前記測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合には、前記測定値が前記データ取得部にて前回取得された前回測定値未満であるか否かを判定し、
前記測定値が前記前回測定値未満であると判定した場合には、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であるか否かを判定し、
前記再生交換回数カウント部は、
前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記廃油判定部にて前記測定値が前記前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定された場合に、前記再生交換回数を1回とカウントし、
前記信号出力部は、
前記再生交換回数カウント部にてカウントされた前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を出力する
ことを特徴とする油脂管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の油脂管理装置であって、
前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、
前記測定判定部にて前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値と、前記複数の油槽のうちの前記特別油槽以外の他の油槽の前記測定値と、を比較する劣化指標比較部をさらに含み、
前記劣化指標比較部は、
前記特別油槽の前記測定値が、前記他の油槽の前記測定値に対し、前記特別油槽の前記測定値から前記他の油槽の前記測定値を差し引いたときの差分に相当する閾値である所定の差分値を加えた値以上であるか否かを判定し、
前記信号出力部は、
前記劣化指標比較部にて前記特別油槽の前記測定値が、前記他の油槽の前記測定値に前記所定の差分値を加えた値未満であると判定された場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力する
ことを特徴とする油脂管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の油脂管理装置であって、
前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、
前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記油脂の劣化度合いが新油に相当する劣化度合いにリセットされている特別油槽リセット日数をカウントする特別油槽リセット日数カウント部をさらに含み、
前記特別油槽リセット日数カウント部は、
前記測定判定部にて前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記データ取得部にて取得された前記特別油槽の前記測定値が前記新油に相当する前記劣化指標の値となる場合に、前記特別油槽リセット日数を1日とカウントし、
前記信号出力部は、
前記特別油槽リセット日数カウント部にてカウントされた前記特別油槽リセット日数が所定のリセット日数以上となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力することを特徴とする油脂管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の油脂管理装置であって、
前記信号出力部は、
前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合未満であると判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す報知信号を出力する
ことを特徴とする油脂管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の油脂管理装置であって、
前記測定判定部は、
前記データ取得部にて取得された前記測定値および前記時間データに基づいて、前記測定値が時間の経過に伴って増大しているか否かをさらに判定し、
前記信号出力部は、
前記測定判定部にて、前記測定割合が前記基準測定割合以上であるが、前記測定値が時間の経過に伴って増大していないと判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の前記測定値に誤りがあると認められることを報知する報知信号を出力する
ことを特徴とする油脂管理装置。
【請求項7】
油脂の使用状況を管理する油脂管理システムであって、
前記油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標を測定するための測定装置と、
前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の測定値に基づいて前記油脂の使用状況を判定して管理する油脂管理装置と、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがった報知を行う油脂管理報知装置と、を備え、
前記油脂管理装置は、
前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の前記測定値を時間データと共に取得し、
取得した前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出し、
算出した前記測定割合が、前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定し、
取得した前記測定値が、前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定し、
前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定し、かつ、前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定した場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントし、
カウントした前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の廃油を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂管理装置は、
算出した前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定すると共に、取得した前記測定値が前回取得した前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合に、前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数を1回とカウントし、
カウントした前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、
前記油脂管理装置は、
前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値と、前記複数の油槽のうちの前記特別油槽以外の他の油槽の前記測定値と、を比較し、
前記特別油槽の前記測定値が前記他の油槽の前記測定値に対し、前記特別油槽の前記測定値から前記他の油槽の前記測定値を差し引いたときの差分に相当する閾値である所定の差分値を加えた値未満となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の適切な移槽を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項10】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、
前記油脂管理装置は、
前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定すると共に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値が新油に相当する前記劣化指標の値となる場合に、前記特別油槽の前記油脂の劣化度合いが前記新油に相当する劣化度合いにリセットされている特別油槽リセット日数を1日とカウントし、
カウントした前記特別油槽リセット日数が所定のリセット日数以上となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の適切な移槽を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項11】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂管理装置は、
算出した前記測定割合が前記基準測定割合未満であると判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す報知信号を出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項12】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂管理装置は、
取得した前記測定値および前記時間データに基づいて、前記測定値が時間の経過に伴って増大しているか否かをさらに判定し、
算出した前記測定割合が前記基準測定割合以上であるが、前記測定値が時間の経過に伴って増大していないと判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の測定値に誤りがあると認められることを報知する報知信号を出力し、
前記油脂管理報知装置は、
前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記劣化指標の測定値に誤りがあると認められる旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項13】
請求項7に記載の油脂管理システムであって、
前記油脂の使用状況を管理する管理者が保有する端末をさらに備え、
前記油脂管理装置は、
少なくともカウントした前記継続使用日数が所定の日数以上となった場合に、前記端末に対して注意喚起を促す報知信号を出力する
ことを特徴とする油脂管理システム。
【請求項14】
油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標を測定するための測定装置と、前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の測定値に基づいて前記油脂の使用状況を判定して管理する油脂管理装置と、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがった報知を行う油脂管理報知装置と、を用いて、前記油脂の使用状況を管理する油脂管理方法であって、
前記測定装置が、前記油脂の前記劣化指標を測定する測定ステップと、
前記油脂管理装置が、前記測定ステップにて測定された前記油脂の前記劣化指標の前記測定値を時間データと共に取得するデータ取得ステップと、
前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出する測定割合算出ステップと、
前記油脂管理装置が、前記測定割合算出ステップにて算出された前記測定割合が前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定する測定割合判定ステップと、
前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値が前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定する廃油判定ステップと、
前記油脂管理装置が、前記測定割合判定ステップにて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定され、かつ、前記廃油判定ステップにて前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定された場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントする継続使用日数カウントステップと、
前記油脂管理装置が、前記継続使用日数カウントステップにてカウントされた前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力する信号出力ステップと、
前記油脂管理報知装置が、前記信号出力ステップにて出力された報知信号にしたがって、前記油脂の廃油を促す趣旨の報知を行う報知ステップと、を含む
ことを特徴とする油脂管理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の油脂管理方法であって、
前記油脂管理装置が、前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数をカウントする再生交換回数カウントステップをさらに含み、
前記廃油判定ステップでは、
前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合には、前記測定値が前記データ取得ステップにて前回取得された前回測定値未満であるか否かを判定し、
前記油脂管理装置が、前記測定値が前記前回測定値未満であると判定した場合には、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であるか否かを判定し、
前記再生交換回数カウントステップでは、
前記油脂管理装置が、前記測定割合判定ステップにて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記廃油判定ステップにて前記測定値が前記前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定された場合に、前記再生交換回数を1回とカウントし、
前記信号出力ステップでは、
前記油脂管理装置が、前記再生交換回数カウントステップにてカウントされた前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を出力し、
前記報知ステップでは、
前記油脂管理報知装置が、前記信号出力ステップにて出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の報知を行う
ことを特徴とする油脂管理方法。
【請求項16】
請求項1に記載の油脂管理装置から出力される報知信号にしたがって、前記油脂の管理情報を表示し、
複数のオブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示部は、
前記油脂の前記使用状況の優劣の順位を表示する順位表示領域と、
前記油脂の前記使用状況を管理する管理者へ向けたコメントを表示するコメント表示領域と、を含み、
前記表示制御部は、
前記油脂管理装置から前記油脂の廃油を促す表示信号が出力されると、最劣位を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させると共に、前記油脂の廃油を促す趣旨の警告を前記コメント表示領域に表示させる
ことを特徴とする油脂管理表示装置。
【請求項17】
請求項16に記載の油脂管理表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記油脂管理装置から前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す前記表示信号が出力されると、前記最劣位よりも優位となる順位を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させると共に、前記コメント表示領域に前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の注意を表示させる
ことを特徴とする油脂管理表示装置。
【請求項18】
請求項16に記載の油脂管理表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記順位表示領域に表示させる順位が、過去の所定の期間における順位よりも優位となる場合には、上昇を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させ、
前記順位表示領域に表示させる順位が、過去の前記所定の期間における順位よりも劣位となる場合には、下降を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させ、
前記順位表示領域に表示させる順位が、過去の前記所定の期間における順位と同位となる場合には、維持を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させる
ことを特徴とする油脂管理表示装置。
【請求項19】
請求項16に記載の油脂管理表示装置であって、
複数の店舗における前記油脂の前記管理情報を表示する場合において、
前記表示部における表示は、
前記複数の店舗それぞれにおける前記油脂の前記最劣位となる前記使用状況および前記管理者へ向けたコメントを抽出して表示する簡易表示と、
前記複数の店舗それぞれにおける前記油脂の前記使用状況および前記管理者へ向けたコメントを全て表示する詳細表示と、を含み、
前記表示制御部は、
前記表示部が前記簡易表示となっている場合に前記詳細表示への切替信号が入力されると、前記表示部における表示を前記簡易表示から前記詳細表示に切り替え、
前記表示部が前記詳細表示となっている場合に前記簡易表示への切替信号が入力されると、前記表示部における表示を前記詳細表示から前記簡易表示に切り替える
ことを特徴とする油脂管理表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂の使用状況を管理する油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および、油脂の使用状況に係る管理情報を表示する油脂管理表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油脂の一種である食用油を用いて食材を揚げる揚げ調理は、数ある調理方法の中の一つとして広く知られているが、揚げ調理によって出来上がる揚げ物の品質を保つためには、揚げ調理に用いられる食用油(以下、「揚げ油」とする)の品質を適切に管理することが必要である。そのため、特に、揚げ物を提供する料理店や小売店などにおいては、従業員(揚げ油を使用する使用者)の経験や主観に左右されないよう、適切な指標値を用いて客観的に揚げ油の劣化度合い(以下、単に「劣化度」とする)が管理されることが望ましい。
【0003】
油脂の劣化度を示す指標値(以下、「劣化指標値」とする)としては、例えば、酸価(AV)、極性化合物量(TPM)、色、粘度上昇率、アニシジン価、カルボニル価、発煙点、トコフェロール含量、ヨウ素価、屈折率、揮発性成分量、および揮発性成分組成などの値が挙げられる。これらの劣化指標値は、各種センサや撮像機器などを用いて測定することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、対象油脂に浸された呈色試験片と酸価値に対応する複数の色から構成されるカラーバーとをカメラで同時に撮影し、撮影内容から呈色試験片のRGB色情報とカラーバーのRGB色情報とを算出し、算出されたカラーバーのRGB色情報に対応する酸価値を参照して算出された呈色試験片のRGB色情報から対象油脂の酸価値を測定する方法が開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、電極部を有するセンサを油脂に浸漬することにより油脂中の静電容量を測定し、その測定値から油脂に含まれる極性化合物量(極性分子量)を示すTPM値を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-38207号公報
【文献】特許第6395243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
揚げ油を管理するにあたっては、特に、複数の店舗を展開するフランチャイズチェーン店などにおいて、一般に、各店舗を統括している本部が、各店舗での揚げ油の使用が適正であるか否かを、週単位あるいは月単位、年単位でチェックしている。そのため、各店舗では、特許文献1や特許文献2に記載の方法により測定した揚げ油の劣化指標値が従業員によって記録され、記録された揚げ油の劣化指標値に係るデータが本部に送信される。したがって、特許文献1や特許文献2に記載の方法を用いて揚げ油の劣化指標値が精度良く測定されたとしても、従業員が、その測定値を記録する際に、間違えて記録してしまったり、記録し忘れがあったりした場合には、本部は、その店舗において揚げ油が適正に使用されているか否かを正確に判断することができない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、油脂の使用状況を正確に管理することが可能な油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および油脂管理表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]上記の目的を達成するために、本発明は、油脂の使用状況を管理する油脂管理装置であって、前記油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標の測定値を時間データと共に取得するデータ取得部と、前記データ取得部にて取得された前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出する測定割合算出部と、前記測定割合算出部にて算出された前記測定割合が、前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定する測定判定部と、前記データ取得部にて取得された前記測定値が、前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定する廃油判定部と、前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定され、かつ、前記廃油判定部にて前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定された場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントする継続使用日数カウント部と、前記継続使用日数カウント部にてカウントされた前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を出力する信号出力部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
[2]好ましくは、前記[1]に記載の油脂管理装置であって、前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数をカウントする再生交換回数カウント部をさらに含み、前記廃油判定部は、前記測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合には、前記測定値が前記データ取得部にて前回取得された前回測定値未満であるか否かを判定し、前記測定値が前記前回測定値未満であると判定した場合には、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であるか否かを判定し、前記再生交換回数カウント部は、前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記廃油判定部にて前記測定値が前記前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定された場合に、前記再生交換回数を1回とカウントし、前記信号出力部は、前記再生交換回数カウント部にてカウントされた前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を出力することを特徴とする。
【0011】
[3]好ましくは、前記[1]に記載の油脂管理装置であって、前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、前記測定判定部にて前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値と、前記複数の油槽のうちの前記特別油槽以外の他の油槽の前記測定値と、を比較する劣化指標比較部をさらに含み、前記劣化指標比較部は、前記特別油槽の前記測定値が、前記他の油槽の前記測定値に所定の差分値を加えた値以上であるか否かを判定し、前記信号出力部は、前記劣化指標比較部にて前記特別油槽の前記測定値が、前記他の油槽の前記測定値に所定の差分値を加えた値未満であると判定された場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力することを特徴とする。
【0012】
[4]好ましくは、前記[1]に記載の油脂管理装置であって、請求項1に記載の油脂管理装置であって、前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記油脂の劣化度合いが新油に相当する劣化度合いにリセットされている特別油槽リセット日数をカウントする特別油槽リセット日数カウント部をさらに含み、前記特別油槽リセット日数カウント部は、前記測定判定部にて前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記データ取得部にて取得された前記特別油槽の前記測定値が前記新油に相当する前記劣化指標の値となる場合に、前記特別油槽リセット日数を1日とカウントし、前記信号出力部は、前記特別油槽リセット日数カウント部にてカウントされた前記特別油槽リセット日数が所定のリセット日数以上となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力することを特徴とする。
【0013】
[5]好ましくは、前記[1]に記載の油脂管理装置であって、前記信号出力部は、前記測定判定部にて前記測定割合が前記基準測定割合未満であると判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す報知信号を出力することを特徴とする。
【0014】
[6]好ましくは、前記[1]に記載の油脂管理装置であって、前記測定判定部は、前記データ取得部にて取得された前記測定値および前記時間データに基づいて、前記測定値が時間の経過に伴って増大しているか否かをさらに判定し、前記信号出力部は、前記測定判定部にて、前記測定割合が前記基準測定割合以上であるが、前記測定値が時間の経過に伴って増大していないと判定された場合に、前記油脂の前記劣化指標の前記測定値に誤りがあると認められることを報知する報知信号を出力することを特徴とする。
【0015】
[7]また、本発明は、油脂の使用状況を管理する油脂管理システムであって、前記油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標を測定するための測定装置と、前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の測定値に基づいて前記油脂の使用状況を判定して管理する油脂管理装置と、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがった報知を行う油脂管理報知装置と、を備え、前記油脂管理装置は、前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の前記測定値を時間データと共に取得し、取得した前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出し、算出した前記測定割合が、前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定し、取得した前記測定値が、前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定し、前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定し、かつ、前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定した場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントし、カウントした前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の廃油を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0016】
[8]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂管理装置は、算出した前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定すると共に、取得した前記測定値が前回取得した前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合に、前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数を1回とカウントし、カウントした前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0017】
[9]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、前記油脂管理装置は、前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値と、前記複数の油槽のうちの前記特別油槽以外の他の油槽の前記測定値と、を比較し、前記特別油槽の前記測定値が前記他の油槽の前記測定値に所定の差分値を加えた値未満となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の適切な移槽を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0018】
[10]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂が、複数の油槽間で移槽される場合において、前記油脂管理装置は、前記複数の油槽での前記測定割合がそれぞれ前記基準測定割合以上であると判定すると共に、前記油脂の前記劣化指標の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽の前記測定値が新油に相当する前記劣化指標の値となる場合に、前記特別油槽の前記油脂の劣化度合いが前記新油に相当する劣化度合いにリセットされている特別油槽リセット日数を1日とカウントし、カウントした前記特別油槽リセット日数が所定のリセット日数以上となる場合に、前記油脂の適切な移槽を促す報知信号を出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の適切な移槽を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0019】
[11]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂管理装置は、算出した前記測定割合が前記基準測定割合未満であると判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す報知信号を出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記劣化指標の適切な測定を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0020】
[12]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂管理装置は、取得した前記測定値および前記時間データに基づいて、前記測定値が時間の経過に伴って増大しているか否かをさらに判定し、算出した前記測定割合が前記基準測定割合以上であるが、前記測定値が時間の経過に伴って増大していないと判定した場合に、前記油脂の前記劣化指標の測定値に誤りがあると認められることを報知する報知信号を出力し、前記油脂管理報知装置は、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記劣化指標の測定値に誤りがあると認められる旨の報知を行うことを特徴とする。
【0021】
[13]好ましくは、前記[7]に記載の油脂管理システムであって、前記油脂の使用状況を管理する管理者が保有する端末をさらに備え、前記油脂管理装置は、少なくともカウントした前記継続使用日数が所定の日数以上となった場合に、前記端末に対して注意喚起を促す報知信号を出力することを特徴とする。
【0022】
[14]また、本発明は油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標を測定するための測定装置と、前記測定装置で測定された前記油脂の前記劣化指標の測定値に基づいて前記油脂の使用状況を判定して管理する油脂管理装置と、前記油脂管理装置から出力された報知信号にしたがった報知を行う油脂管理報知装置と、を用いて、前記油脂の使用状況を管理する油脂管理方法であって、前記測定装置が、前記油脂の前記劣化指標を測定する測定ステップと、前記油脂管理装置が、前記測定ステップにて測定された前記油脂の前記劣化指標の測定値を時間データと共に取得するデータ取得ステップと、前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値に係る前記時間データと、前記油脂の前記劣化指標を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、前記油脂の前記劣化指標の測定割合を算出する測定割合算出ステップと、前記油脂管理装置が、前記測定割合算出ステップにて算出された前記測定割合が前記油脂の前記劣化指標の測定割合の基準となる基準測定割合以上であるか否かを判定する測定割合判定ステップと、前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値が前記油脂の所定の廃油時点における前記劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であるか否かを判定する廃油判定ステップと、前記油脂管理装置が、前記測定割合判定ステップにて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定され、かつ、前記廃油判定ステップにて前記測定値が前記廃油基準値以上であると連続で判定された場合に、前記油脂が前記廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数を1日とカウントする継続使用日数カウントステップと、前記油脂管理装置が、前記継続使用日数カウントステップにてカウントされた前記継続使用日数が所定の日数以上となる場合に、前記油脂の廃油を促す報知信号を前記油脂管理報知装置に対して出力する信号出力ステップと、前記油脂管理報知装置が、前記信号出力ステップにて出力された報知信号にしたがって、前記油脂の廃油を促す趣旨の報知を行う報知ステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
[15]好ましくは、前記[14]に記載の油脂管理方法であって、前記油脂管理装置が、前記油脂が前記廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数をカウントする再生交換回数カウントステップをさらに含み、前記廃油判定ステップでは、前記油脂管理装置が、前記データ取得ステップにて取得された前記測定値が前記廃油基準値未満であると判定した場合には、前記測定値が前記データ取得ステップにて前回取得された前回測定値未満であるか否かを判定し、前記油脂管理装置が、前記測定値が前記前回測定値未満であると判定した場合には、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であるか否かを判定し、前記再生交換回数カウントステップでは、前記油脂管理装置が、前記測定割合判定ステップにて前記測定割合が前記基準測定割合以上であると判定されると共に、前記廃油判定ステップにて前記測定値が前記前回測定値未満であって、かつ、前記前回測定値が前記廃油基準値未満であると判定された場合に、前記再生交換回数を1回とカウントし、前記信号出力ステップでは、前記油脂管理装置が、前記再生交換回数カウントステップにてカウントされた前記再生交換回数が所定の回数以上となる場合に、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号を出力し、前記報知ステップでは、前記油脂管理報知装置が、前記信号出力ステップにて出力された報知信号にしたがって、前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の報知を行うことを特徴とする。
【0024】
[16]また、本発明は油脂の劣化度合いを示す指標である劣化指標の測定値に基づいて前記油脂の使用状況を判定して管理する油脂管理装置から出力される信号にしたがって、前記油脂の管理情報を表示する油脂管理表示装置であって、複数のオブジェクトを表示する表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、前記表示部は、前記油脂の前記使用状況の優劣の順位を表示する順位表示領域と、前記油脂の前記使用状況を管理する管理者へ向けたコメントを表示するコメント表示領域と、を含み、前記表示制御部は、前記油脂管理装置から前記油脂の廃油を促す表示信号が出力されると、最劣位を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させると共に、前記油脂の廃油を促す趣旨の警告を前記コメント表示領域に表示させることを特徴とする。
【0025】
[17]好ましくは、前記[16]に記載の油脂管理表示装置であって、前記表示制御部は、前記油脂管理装置から前記油脂の廃油時点に至ってからの廃油を促す表示信号が出力されると、前記最劣位よりも優位となる順位を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させると共に、前記コメント表示領域に前記油脂の前記廃油時点に至ってからの廃油を促す趣旨の注意を表示させることを特徴とする。
【0026】
[18]好ましくは、前記[16]に記載の油脂管理表示装置であって、前記表示制御部は、前記順位表示領域に表示させる順位が、過去の所定の期間における順位よりも優位となる場合には、上昇を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させ、前記順位表示領域に表示させる順位が、過去の前記所定の期間における順位よりも劣位となる場合には、下降を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させ、前記順位表示領域に表示させる順位が、前過去の前記所定の期間における順位と同位となる場合には、維持を示すオブジェクトを前記順位表示領域に表示させることを特徴とする。
【0027】
[19]好ましくは、前記[16]に記載の油脂管理表示装置であって、複数の店舗における前記油脂の管理情報を表示する場合において、前記表示部における表示は、前記複数の店舗それぞれにおける前記油脂の最劣位となる前記使用状況および前記管理者へ向けたコメントを抽出して表示する簡易表示と、前記複数の店舗それぞれにおける前記油脂の前記使用状況および前記管理者へ向けたコメントを全て表示する詳細表示と、を含み、前記表示制御部は、前記表示部が前記簡易表示となっている場合に前記詳細表示への切替信号が入力されると、前記表示部における表示を前記簡易表示から前記詳細表示に切り替え、前記表示部が前記詳細表示となっている場合に前記簡易表示への切替信号が入力されると、前記表示部における表示を前記詳細表示から前記簡易表示に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、油脂の使用状況を正確に管理することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の各実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】揚げ調理を行う調理場の一部の様子を示す図である。
図2】揚げ油管理システムの一構成例を示すシステム構成図である。
図3】クラウドサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るクラウドサーバおよび管理端末が有する機能をそれぞれ示す機能ブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るクラウドサーバで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の第1実施形態に係る管理端末の表示部に表示される内容の一例であって、簡易表示での表示内容を示す図である。
図7図6に示された表示内容の続きを示す図である。
図8図6に示された「センター南 海風エリア」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図9図6に示された「センター南 グリーン公園」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図10図6に示された「センター南 ガーデンプレイス」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図11図7に示された「センター南 さくら丘陵」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図12図7に示された「センター南 ニコニコ団地」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図13図7に示された「センター南 未来基地」の詳細表示での表示内容を示す図である。
図14】本発明の第1実施形態に係る管理端末の表示制御部で実行される表示処理の流れを示すフローチャートである。
図15】本発明の第1実施形態に係る管理端末の表示制御部で実行される表示切替処理の流れを示すフローチャートである。
図16】本発明の第2実施形態に係るクラウドサーバおよび管理端末が有する機能をそれぞれ示す機能ブロック図である。
図17】本発明の第2実施形態に係るクラウドサーバで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図18】本発明の第2実施形態に係る管理端末の表示部に表示される内容の一例であって、ランクAおよびランクBの表示例をそれぞれ示す図である。
図19】本発明の第2実施形態に係る管理端末の表示部に表示される内容の一例であって、ランクCの表示例をそれぞれ示す図である。
図20】本発明の第2実施形態に係る管理端末の表示部に表示される内容の一例であって、ランク外の表示例をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の各実施形態に係る油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および油脂管理表示装置の一態様として、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、レストランなどのチェーン店において、フライドチキンやコロッケ、唐揚げといった揚げ物の調理を行う場合に用いられる食用油の使用状況を管理するものについて説明する。
【0031】
また、以下の説明において、揚げ物の調理を「揚げ調理」とし、揚げ調理に用いられる油脂(食用油)を「揚げ油」とし、揚げ調理される食材を「揚げ種」とする。
【0032】
(揚げ調理に関して)
まず、揚げ調理が行われる環境の一例について、図1を参照して説明する。
【0033】
図1は、揚げ調理を行う調理場の一部の様子を示す図である。
【0034】
例えば、コンビニエンスストアおよびスーパーマーケットといった小売店や、ファミリーレストランといった飲食店などでは、出来立ての揚げ物を顧客に提供すべく、店舗内に設けられた調理場で揚げ調理が行われている。図1に示す調理場には、揚げ調理を行う場合に使用する調理器具として、例えば、3台の電気式のフライヤーX,Y,Zが設置されている。なお、調理場に設置されるフライヤーの台数は、店舗の規模や店舗で提供される揚げ物の種類の数などによって決まるものであって、必ずしも3台とは限らない。
【0035】
3台のフライヤーX,Y,Zはそれぞれ、揚げ油Pを貯留する油槽11と、油槽11を収容するハウジング12と、を有して構成される。ハウジング12の側面には、揚げ種Qの種類別に揚げ油Pの温度や揚げ調理の内容を設定するための設定スイッチ12Aが複数設けられている。
【0036】
揚げ調理を行う場合には、まず、調理者は、取っ手20を有するフライバスケット2内に揚げ種Qを投入し、フライバスケット2内の揚げ種Qが揚げ油Pに浸かるように取っ手20をハウジング12の上端部に引っ掛ける。それと同時あるいは前後して、調理者は、複数の設定スイッチ12Aのうち、揚げ調理を行う揚げ種Qの種類に対応する設定スイッチ12Aを操作する。
【0037】
続いて、各フライヤーX,Y,Zは、調理者によって操作された設定スイッチ12Aを判別し、操作された設定スイッチ12Aに対応付けられた揚げ時間が経過すると、調理者に揚げ上がりを報知する。また、同時に、揚げ物(揚げ調理後の揚げ種Q)が入ったフライバスケット2が油槽11から自動的に上昇して、揚げ物が揚げ油Pに浸かった状態から上げられる。
【0038】
なお、揚げ物の揚げ上がりを知らせる方法としては、例えば、各フライヤーX,Y,Zに設けられたスピーカからブザー音を出力する方法や、各フライヤーX,Y,Zの付近の壁などに設置されたモニタに表示する方法などがある。
【0039】
調理者は、揚げ調理が完了したことを感知すると、フライバスケット2を引き上げて揚げ物を取り出す。なお、この場合において、油槽11からのフライバスケット2の引き上げは、各フライヤーX,Y,Z側に駆動機構を設けて自動的に行えるようにしてもよい。
【0040】
ここで、顧客に提供する揚げ物の品質を確保するためには、揚げ調理に用いる揚げ油Pの品質を管理する必要がある。そこで、店舗の従業員や調理者は、揚げ油Pの劣化度合い(以下、単に「劣化度」とする)を示す指標である劣化指標を定期的に測定し、例えば、測定した揚げ油Pの劣化指標の測定値が、揚げ油Pの所定の廃油時点における劣化指標の基準値となる廃油基準値以上であった場合には、その揚げ油Pを廃油して新油に交換する。
【0041】
揚げ油Pの劣化指標としては、例えば、揚げ油Pの酸価(AV)、揚げ油Pの極性化合物量(PC)、揚げ油Pの色、揚げ油Pの粘度、揚げ油Pの粘度上昇率、揚げ油Pのアニシジン価、揚げ油Pのカルボニル価、揚げ油Pの発煙点、揚げ油Pのトコフェロール含量、揚げ油Pのヨウ素価、揚げ油Pの屈折率、揚げ油Pの揮発性成分量、揚げ油Pの揮発性成分組成、揚げ油Pの風味、揚げ油Pで揚げた揚げ物の揮発性成分量、揚げ油Pで揚げた揚げ物の揮発性成分組成、および揚げ油Pで揚げた揚げ物の風味が用いられる。これらはいずれも、揚げ油Pの加熱時間の経過に伴って変化するパラメータである。
【0042】
揚げ油Pの各劣化指標は、カメラやセンサなどの測定装置を用いて測定することが可能である。例えば、揚げ油Pの酸価の測定には、揚げ油Pを滴下した部分の色の変化から酸価を測定する試験紙や、揚げ油Pに浸すことで揚げ油Pの酸価を直接的に測定することが可能な測定機器などが用いられる。また、例えば、揚げ油Pの極性化合物量の測定には、揚げ油Pに浸すことで揚げ油Pに含まれる極性化合物量を直接的に測定することが可能な測定機器などが用いられる。また、例えば、揚げ油Pの揮発性成分量や揮発性成分組成、および揚げ油Pで揚げた揚げ物の揮発性成分量や揮発性成分組成の測定には、汎用のガスセンサ(例えば、半導体式ガスセンサや水晶振動子式ガスセンサ)などが用いられる。
【0043】
その他の各劣化指標の測定方法としては、例えば、カメラで撮影された画像から画像認識技術を用いて揚げ油Pで揚げられた揚げ物の種類および個数を判別し、揚げ物の種類および個数と各劣化指標との相関に基づいて各劣化指標を推測する方法や、分光計を用いて揚げ油Pのスペクトルを測定し、揚げ油Pのスペクトルと各劣化指標との相関に基づいて各劣化指標を推測する方法、フライヤーX,Y,Zの設定スイッチ12Aが操作された回数(すなわち、揚げ調理が行われた回数)と各劣化指標との相関に基づいて各劣化指標を推測する方法などがある。
【0044】
なお、揚げ油Pの劣化指標の測定に関しては、必ずしも上記の測定装置を用いることや上記の測定方法を利用することに限られず、既知の測定装置を用いたり、既知の測定方法を利用したりしてもよい。
【0045】
(揚げ油管理システム3の構成)
次に、揚げ油Pの使用状況を管理する揚げ油管理システム3の構成について、図2を参照して説明する。
【0046】
図2は、揚げ油管理システム3の一構成例を示すシステム構成図である。
【0047】
揚げ油管理システム3は、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ファミリーレストランといった複数の店舗を展開するチェーン店などにおいて、各店舗における揚げ油Pの使用状況を一括して管理するシステムであって、例えば、各店舗に設置された店舗端末4と、各店舗における揚げ油Pの使用状況を管理するプログラムを実行するクラウドサーバ5と、揚げ油Pを管理する管理者(例えば、チェーン店を運営する会社の本部責任者など)が各店舗における揚げ油Pの使用状況を確認することが可能な管理端末6と、管理者が保有する携帯端末7と、を含んで構成されている。
【0048】
クラウドサーバ5は、例えばインターネット回線などの通信ネットワークを介して、各店舗の店舗端末4、管理端末6、および携帯端末7のそれぞれと、直接的にまたは間接的に互いに情報通信可能に接続されている。
【0049】
各店舗の店舗端末4は、各フライヤーX,Y,Zにおいて使用中の揚げ油Pの劣化指標の測定値に係るデータを管理する。例えば、店舗端末4は、揚げ油Pの酸価を測定するためのAV測定センサ8に対して通信可能に接続され、AV測定センサ8で測定された測定値AVmを取得する。
【0050】
各店舗では、従業員が、AV測定センサ8を用いて定期的に各フライヤーX,Y,Zに貯留されている揚げ油Pの酸価を測定する。例えば、店舗の従業員が、AV測定センサ8を用いてフライヤーXに貯留されている揚げ油Pの酸価を測定すると、店舗端末4は、AV測定センサ8から出力された測定値AVmを取得して、フライヤーXと紐づけた上で記憶する。
【0051】
なお、店舗端末4とAV測定センサ8とは、必ずしも通信可能に接続されている必要はなく、店舗端末4とAV測定センサ8とが通信可能に接続されていない場合には、AV測定センサ8で測定された測定値AVmは、例えば、外部機器を介して店舗端末4に読み込まれてもよいし、店舗の従業員によって店舗端末4に直接入力されてもよい。また、AV測定センサ8がクラウドサーバ5と通信可能に接続されている場合には、AV測定センサ8から店舗端末4を介さずにクラウドサーバ5に直接測定値AVmに係るデータを出力してもよい。
【0052】
クラウドサーバ5は、AV測定センサ8で測定された揚げ油Pの酸価の測定値AVmに基づいて、揚げ油Pの使用状況を判定して管理する揚げ油管理装置の一態様である。なお、揚げ油管理装置は、必ずしも通信ネットワーク上に構築されたクラウドサーバ5である必要はなく、その他に、例えば、複数の店舗を管轄する本部センターなどに設置されたサーバ装置であってもよい。
【0053】
管理端末6は、クラウドサーバ5から出力される信号にしたがって、揚げ油Pの管理情報を表示する揚げ油管理表示装置(揚げ油管理報知装置)の一態様である。揚げ油Pを管理する管理者は、揚げ油Pの使用状況を確認したい店舗を管理端末6で検索すると、その店舗における揚げ油Pの使用状況および管理者へのコメントを確認することができる。管理端末6に表示される具体的な表示内容については、後述する。
【0054】
携帯端末7は、クラウドサーバ5から出力された揚げ油Pの使用状況に関する報知信号、特に、揚げ油Pの使用状況に問題があることが示された注意喚起を促す報知信号を受信し、文字による表示や音による通知などによって管理者に対して注意喚起を行う。例えば、携帯端末7は、「〇〇店舗におけるフライヤーXの揚げ油Pが、廃油時点を超えて継続使用されています。管理端末6にて集計レポートを確認し、○○店舗に対して指導を行って下さい。」といった内容の注意喚起を管理者に対して行う。
【0055】
(クラウドサーバ5の機能を実現するハードウェア構成)
次に、クラウドサーバ5の機能を実現するハードウェア構成について、図3を参照して説明する。
【0056】
図3は、クラウドサーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0057】
クラウドサーバ5の機能を実現するコンピュータ(例えば、クラウドシステムを提供する会社などが所有するコンピュータ)は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)50Aと、RAM(Random Access Memory)50Bと、ROM(Read Only Memory)50Cと、HDD(Hard Disk Drive)50Dと、I/F(Interface)50Eと、を備える。これらの各構成は、共通バス50Fを介してそれぞれ接続されている。
【0058】
CPU50Aは、演算手段であり、クラウドサーバ5の全体の動作を制御する。
【0059】
RAM50Bは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、例えばCPU50Aが管理情報を処理する際の作業領域として用いられる。
【0060】
ROM50Cは、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。
【0061】
HDD50Dは、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や後述する各種の情報処理を実行するための制御プログラムおよびアプリケーションプログラムなどが格納される。
【0062】
なお、HDD50Dは、不揮発性の記憶媒体として情報の格納および管理の機能を実現するものであれば、デバイスの種類は問わず、例えばSSD(Solid State Drive)などで代用することも可能である。
【0063】
I/F50Eは、通信ネットワークとの接続インターフェースであって、各店舗の店舗端末4、管理端末6、および携帯端末7などが接続されている。
【0064】
このようなハードウェア構成を備えるクラウドサーバ5は、ROM50Cに格納された制御プログラムや、HDD50Dなどの記憶媒体からRAM50Bにロードされた制御プログラムおよびアプリケーションプログラムを、CPU50Aが備える演算機能によって処理機能を実現する情報処理装置である。
【0065】
これら情報処理の実行によって、クラウドサーバ5における種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、上記の構成を含むハードウェア資源との組み合わせによって、クラウドサーバ5の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0066】
なお、各店舗の店舗端末4、管理端末6、および携帯端末7のそれぞれについても、上記のハードウェア構成と同様のハードウェア構成を備える。また、揚げ油管理装置がクラウドではなくサーバ装置で構成されている場合には、サーバ装置が、上記のハードウェア構成を備えることとなる。
【0067】
以下、クラウドサーバ5が有する機能、ならびに、管理端末6が有する機能および管理端末6で表示される表示内容について、実施形態ごとに説明する。
【0068】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るクラウドサーバ5および管理端末6について、図4~15を参照して説明する。
【0069】
(クラウドサーバ5および管理端末6の機能構成)
まず、クラウドサーバ5が有する機能構成および管理端末6が有する機能構成について、図4を参照して説明する。
【0070】
図4は、第1実施形態に係るクラウドサーバ5および管理端末6が有する機能をそれぞれ示す機能ブロック図である。
【0071】
クラウドサーバ5は、データ取得部50と、測定割合算出部51と、測定判定部52と、廃油判定部53と、継続使用日数カウント部54と、再生交換回数カウント部55と、信号出力部56と、記憶部57と、を含む。
【0072】
データ取得部50は、店舗端末4から出力された揚げ油Pの酸価の測定値AVmを時間データと共に取得する。なお、「時間データ」は、日時(年/月/日/時/分/秒)であってもよいし、日付のみ(年/月/日)であってもよい。
【0073】
測定割合算出部51は、データ取得部50にて取得された時間データと、揚げ油Pの酸価を測定する周期として予め設定された所定の測定周期と、に基づいて、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmを算出する。なお、「所定の測定周期」は、具体的には、店舗の従業員が各フライヤーX,Y,Zに貯留されている揚げ油Pの酸価を測定する頻度であって、例えば、3日に1回や1週間に1回など、店舗の規模や売上げ、揚げ油Pで揚げ調理される揚げ種Qの種類や量などに応じて適宜設定される。
【0074】
測定判定部52は、測定割合算出部51にて算出された測定割合Rmが、揚げ油Pの酸価の測定割合の基準となる基準測定割合Rth以上であるか否かを判定する。なお、「基準測定割合Rth」は、具体的には、揚げ油Pの品質を保つために必要な最低限の測定割合であって、例えば、80%や90%など、各店舗を統括する本部や各店舗を展開する運営会社の側にて適宜設定される。したがって、測定判定部52では、店舗の従業員がきちんと揚げ油Pの酸価の測定を定期的に行っているかどうかを確認することができる。
【0075】
また、測定判定部52は、データ取得部50にて取得された揚げ油Pの酸価の測定値AVmと時間データとに基づいて、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大しているか否かを判定する。通常、揚げ油Pの酸価は時間が経過するにつれて増大していくため、AV測定センサ8で測定された揚げ油Pの酸価の測定値AVmが、時間の経過に伴って増大していない場合には正しく計測が行われていない可能性が高い。したがって、測定判定部52では、揚げ油Pの酸価の測定の仕方が間違っていないかどうか、あるいは、AV測定センサ8が故障していないかどうかについて確認することができる。
【0076】
廃油判定部53は、データ取得部50にて取得された揚げ油Pの酸価の測定値AVmが揚げ油Pの廃油基準値AVth以上であるか否かを判定する。すなわち、廃油判定部53では、揚げ油Pが廃油時点に至っているか否かについて確認することができる。
【0077】
また、廃油判定部53は、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが揚げ油Pの廃油基準値AVth未満であると判定した場合には(AVm<AVth)、その測定値AVmがデータ取得部50にて前回取得された前回測定値AVmp未満であるか否かを判定する。そして、廃油判定部53は、測定値AVmが前回測定値AVmp未満である場合には(AVm<AVmp)、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満であるか否かを判定する。
【0078】
前述したように、通常、揚げ油Pの酸価は時間が経過するにつれて増大するため、最新の測定値AVmが前回測定値AVmpよりも小さくなることはなく、最新の測定値AVmが前回測定値AVmpよりも小さくなり、かつ、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満である場合は、揚げ油Pが再生または交換されたと考えられる。このように、廃油判定部53では、揚げ油Pが、廃油時点に至るより前の段階で再生または新油に交換された可能性についても判定することができる。
【0079】
なお、「再生」とは、劣化しつつある揚げ油Pをフィルタに通して揚げカスなどを除去したり、揚げ油Pをろ過剤に通して新油に近い状態にしたりすること(ろ過)や、揚げ種Qに吸油されて減った揚げ油Pの分に対して新油を足すこと、劣化した揚げ油Pの一部を廃油して新油を足すこと(差し油)である。また、「交換」とは、劣化しつつある揚げ油Pを新油あるいは新油に相当する状態の油に取り換えることである。
【0080】
本実施形態では、廃油判定部53は、揚げ油Pが、再生されたのか、あるいは、交換されたのか、を切り分ける判定をさらに行う。具体的には、廃油判定部53は、今回測定値AVmが前回測定値AVmp未満であり(AVm<AVmp)、かつ、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満である(AVmp<AVth)と判定すると、続いて、前回測定値AVmpが今回測定値AVmに任意の差分βを加えた値以上であるか否かを判定する。
【0081】
この任意の差分βは、前回測定値AVmpと今回測定値AVmとの差分(前回測定値AVmpと今回測定値AVmとがどの程度離れた値であるかを量的に示したパラメータ)であって、例えば、1.0など、各店舗における揚げ油Pの使用実態に応じて適宜設定される。
【0082】
廃油判定部53は、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)以上である場合には(AVmp≧AVm+β)、揚げ油Pが交換されたと判定する。例えば、廃油判定部53は、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+1.0)以上であれば(AVmp≧AVm+1.0)、揚げ油Pが交換されたと判定する。
【0083】
他方、廃油判定部53は、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)未満である場合には(AVmp<AVm+β)、揚げ油Pが再生されたと判定する。例えば、廃油判定部53は、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+1.0)未満であれば(AVmp<AVm+1.0)、揚げ油Pが再生されたと判定する。
【0084】
なお、クラウドサーバ5は、必ずしも、揚げ油Pが再生されたのか、あるいは、揚げ油Pが交換されたのかについて、明確に切り欠分ける必要はなく、少なくとも測定値AVmが前回測定値AVmp未満であり(AVm<AVmp)、かつ、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満であれば(AVmp<AVth)、揚げ油Pに対して再生および交換のうちのいずれかが行われたと判定すればよい。
【0085】
継続使用日数カウント部54は、測定判定部52にて測定割合Rmが基準測定割合Rth以上である(Rm≧Rth)と判定され、かつ、廃油判定部53にて揚げ油Pの酸価の測定値AVmが廃油基準値AVth以上である(AVm≧AVth)と連続で判定された場合に、揚げ油Pが廃油時点に至った状態で継続して使用された継続使用日数C1を「1日」とカウントする。
【0086】
具体的には、継続使用日数カウント部54は、廃油判定部53におけるAVm≧AVthとの判定が2回連続となる場合に「C1=1日」、3回連続となる場合に「C1=2日」、4回連続となる場合に「C1=3日」・・・のように、継続使用日数C1をカウントする。したがって、廃油判定部53にて1回だけAVm≧AVthと判定された場合には、揚げ油Pが初めて廃油時点に至った場合に相当するため、継続使用日数カウント部54は、継続使用日数C1をカウントしない。
【0087】
再生交換回数カウント部55は、測定判定部52にて測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であると判定されると共に、廃油判定部53にて揚げ油Pの酸価の測定値AVmが前回測定値AVmp未満であって(AVm<AVmp)、かつ、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満である(AVmp<AVth)と判定された場合に、揚げ油Pが廃油時点に至らない状態で再生または交換された再生交換回数C2を「1回」とカウントする。
【0088】
本実施形態では、再生交換回数カウント部55は、廃油判定部53にて、さらに、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)以上である(AVmp≧AVm+β)と判定された場合には、再生交換回数C2として、揚げ油Pが廃油時点に至らない状態で新油あるいは新油に相当する状態の油に交換された交換回数C21を「1回」とカウントする。
【0089】
他方、再生交換回数カウント部55は、廃油判定部53にて、さらに、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)未満である(AVmp<AVm+β)と判定された場合には、再生交換回数C2として、揚げ油Pが廃油時点に至らない状態で再生された再生回数C22を「1回」とカウントする。
【0090】
信号出力部56は、継続使用日数カウント部54にてカウントされた継続使用日数C1が所定の日数C1th以上となる場合に(C1≧C1th)、第1表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0091】
この第1表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できているとの判定)、継続使用日数カウント部54にてカウントされた継続使用日数C1(≧C1th)、再生交換回数カウント部55にてカウントされた再生交換回数C2、揚げ油Pのランク(C)、および揚げ油Pの廃油を促す旨のコメントに係る情報を含む。すなわち、第1表示信号は、揚げ油Pの廃油を促す報知信号の一態様である。
【0092】
なお、第1表示信号に含まれる再生交換回数C2に係る情報は、揚げ油Pのランク「C」に影響を及ぼさないため(継続使用日数C1≧C1thとなる場合は、再生交換回数C2にかかわらず揚げ油Pのランクが「C」となるため)、C2≧C2thであってもよいし、C2<C2thであってもよい。
【0093】
ここで、「所定の日数C1th」は、揚げ油Pで揚げ調理された揚げ物の品質を保つことが難しい継続使用日数であって、例えば、3日や5日など、各店舗を統括する本部や各店舗を展開する運営会社の側にて適宜設定される。
【0094】
また、信号出力部56は、再生交換回数カウント部55にてカウントされた再生交換回数C2が所定の回数C2th以上となる場合に(C2≧C2th)、第2表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0095】
この第2表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できているとの判定)、継続使用日数カウント部54にてカウントされた継続使用日数C1(<C1th)、再生交換回数カウント部55にてカウントされた再生交換回数C2(≧C2th)、揚げ油Pのランク(B)、および揚げ油Pの廃油時点に至ってからの廃油を促す旨のコメントに係る情報を含む。すなわち、第2表示信号は、揚げ油Pの廃油時点に至ってからの廃油を促す報知信号の一態様である。
【0096】
また、信号出力部56は、廃油判定部53にて揚げ油Pが交換されたとの判定がなされた場合には、第2表示信号として第2-1表示信号を、廃油判定部53にて揚げ油Pが再生されたとの判定がなされた場合には、第2表示信号として第2―2表示信号を、それぞれ管理端末6に対して出力する。
【0097】
ここで、「所定の回数C2th」は、まだ使用可能な揚げ油Pを無駄に再生交換していると判断し得る再生交換回数であって、例えば、1回や3回など、各店舗を統括する本部や各店舗を展開する運営会社の側にて適宜設定される。なお、廃油判定部53にて揚げ油Pが交換されたとの判定がなされた場合には、所定の回数C2thとして交換用の所定の回数C21thが、廃油判定部53にて揚げ油Pが再生されたとの判定がなされた場合には、所定の回数C2thとして再生用の所定の回数C22thが、それぞれ用いられる。
【0098】
また、信号出力部56は、測定判定部52にて測定割合Rmが0(ゼロ)である(Rm=0)、すなわち揚げ油Pの酸価の測定が行われていないと判定された場合に、第3表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0099】
この第3表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(=0)、測定判定部52における判定結果(判定できないため集計不可)、継続使用日数カウント部54における継続使用日数C1(集計不可)、再生交換回数カウント部55における再生交換回数C2(集計不可)、揚げ油Pのランク(外)、および揚げ油Pの酸価の測定を促す旨のコメントに係る情報を含む。
【0100】
また、信号出力部56は、測定判定部52にて測定割合Rmが基準測定割合Rth未満であって0(ゼロ)ではない(0<Rm<Rth)と判定された場合に、第4表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0101】
この第4表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(<Rth)、測定判定部52における判定結果(判定ができないため集計不可)、継続使用日数カウント部54における継続使用日数C1(集計不可)、再生交換回数カウント部55における再生交換回数C2(集計不可)、揚げ油Pのランク(外)、および揚げ油Pの酸価の毎日の測定を促す旨のコメントに係る情報を含む。
【0102】
すなわち、第3表示信号および第4表示信号はそれぞれ、揚げ油Pの酸価の適切な測定を促す報知信号の一態様である。
【0103】
また、信号出力部56は、測定判定部52にて測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であるが(Rm≧Rth)、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していないと判定された場合に、第5表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0104】
この第5表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できていないとの判定)、継続使用日数カウント部54における継続使用日数C1(集計不可)、再生交換回数カウント部55における再生交換回数C2(集計不可)、揚げ油Pのランク(外)、および揚げ油Pの酸価の測定値AVmに問題がある旨のコメントに係る情報を含む。すなわち、第5表示信号は、揚げ油Pの酸価の測定値に誤りがあると認められることを報知する報知信号の一態様である。
【0105】
また、信号出力部56は、揚げ油Pの使用状況の管理に対して特に問題がなく、適切に揚げ油Pの使用状況が管理されている場合、第6表示信号を管理端末6に対して出力する。
【0106】
この第6表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できているとの判定)、継続使用日数カウント部54にてカウントされた継続使用日数C1(<C1th)、再生交換回数カウント部55にてカウントされた再生交換回数C2(<C2th)、揚げ油Pのランク(A)、および正しく揚げ油Pの管理ができている旨のコメントに係る情報を含む。すなわち、第6表示信号は、揚げ油Pの管理が正しくできていることを報知する報知信号の一態様である。
【0107】
なお、揚げ油Pの使用状況のランキング(揚げ油Pのランク)について、すなわち、ランクA、ランクB、ランクC、およびランク外については、後述する。
【0108】
本実施形態では、信号出力部56は、特に、揚げ油Pの使用状況に著しい問題がある場合、すなわち、廃油時点に至った状態の揚げ油Pを使い続けているような場合に、揚げ油Pの廃油を促す注意喚起信号を携帯端末7に対して出力する。これにより、揚げ油Pの管理者は、揚げ油Pの使用状況を改善する必要があることをリアルタイムに知ることができる。
【0109】
なお、信号出力部56は、揚げ油Pの廃油を促す注意喚起信号のみならず、その他の注意喚起信号(揚げ油Pの廃油時点に至ってからの廃油を促す注意喚起信号や揚げ油Pの酸価の適切な測定を促す注意喚起信号など)についても同様に、携帯端末7に対して出力してもよい。
【0110】
例えば、信号出力部56が、揚げ油Pの廃油時点に至ってからの廃油を促す注意喚起信号を携帯端末7に対して出力した場合には、携帯端末7は、「〇〇店舗におけるフライヤーYの揚げ油Pが、廃油時点に至る前に廃油されています。管理端末6にて集計レポートを確認し、○○店舗に対して指導を行って下さい。」といった内容の注意喚起を管理者に対して行う。
【0111】
また、例えば、信号出力部56が、揚げ油Pの酸価の適切な測定を促す注意喚起信号を携帯端末7に対して出力した場合には、携帯端末7は、「〇〇店舗におけるフライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定が適切に行われていません。管理端末6にて集計レポートを確認し、○○店舗に対して指導を行って下さい。」といった内容の注意喚起を管理者に対して行う。
【0112】
記憶部57には、前述した、所定の測定周期、基準測定割合Rth、廃油基準値AVth、前回測定値AVmp、所定の日数C1th、および所定の回数C2thがそれぞれ記憶されている。なお、記憶部57に記憶されている前回測定値AVmpは、データ取得部50にて最新の測定値AVmが取得されると更新される。また、廃油判定部53において、揚げ油Pが再生されたか、あるいは、交換されたか、との切り分けの判定が行われる場合には、記憶部57には、所定の回数C2thとして、交換用の所定の回数C21thおよび再生用の所定の回数C22thがそれぞれ記憶されている。
【0113】
管理端末6は、文字および記号を含む複数のオブジェクトを表示する表示部61と、表示部61を制御する表示制御部62と、を含む。表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から出力された各種の表示信号(報知信号)を取得すると、取得した表示信号にしたがった所定の文字および記号を表示部61の所定の位置に表示させる。表示部61に表示される内容および表示制御部62で実行される制御処理の内容については、後述する。
【0114】
(クラウドサーバ5内で実行される処理)
次に、クラウドサーバ5内で実行される処理の流れについて、図5を参照して説明する。
【0115】
図5は、第1実施形態に係るクラウドサーバ5で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0116】
クラウドサーバ5では、まず、データ取得部50が、AV測定センサ8により測定されて(測定ステップ)店舗端末4から出力された揚げ油Pの酸価の測定値AVmを、時間データと共に取得する(ステップS501;データ取得ステップ)。
【0117】
次に、測定割合算出部51は、ステップS501にて取得された測定値AVmに係る時間データと、記憶部57に記憶されている所定の測定周期と、に基づいて、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmを算出する(ステップS502;測定割合算出ステップ)。
【0118】
次に、測定判定部52は、ステップS502にて算出された測定割合Rmが、記憶部57に記憶されている基準測定割合Rth以上であるか否かを判定する(ステップS503;測定割合判定ステップ)。
【0119】
ステップS503において測定割合Rmが基準測定割合Rth以上である(Rm≧Rth)と判定された場合(ステップS503/YES)、続いて、測定判定部52は、ステップS501にて取得された揚げ油Pの酸価の測定値AVmおよび時間データに基づいて、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大しているか否かを判定する(ステップS504)。
【0120】
ステップS504において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していると判定された場合(ステップS504/YES)、廃油判定部53は、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが記憶部57に記憶されている廃油基準値AVth以上であるか否かを判定する(ステップS505;廃油判定ステップ)。
【0121】
ステップS505において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが廃油基準値AVth以上である(AVm≧AVth)と判定された場合(ステップS505/YES)、続いて、廃油判定部53は、今回のAVm≧AVthとの判定が前回の判定と同じであって連続で判定されたものであるか否かを判定する(ステップS506)。
【0122】
ステップS506において連続でAVm≧AVthとの判定がなされたと判定された場合(ステップS506/YES)、継続使用日数カウント部54は、継続使用日数C1をカウントする(ステップS507;継続使用日数カウントステップ)。
【0123】
そして、信号出力部56は、ステップS507においてカウントされた継続使用日数C1が記憶部57に記憶されている所定の日数C1th以上である(C1≧C1th)場合に(ステップS508/YES)、管理端末6の表示制御部62に対して第1表示信号を、携帯端末7に対して揚げ油Pの廃油を促す注意喚起信号を、それぞれ出力し(ステップ509;信号出力ステップ)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0124】
他方、ステップS506においてAVm≧AVthとの判定が初めてであると判定された場合(ステップS506/NO)、および、ステップS508において継続使用日数C1が所定の日数C1th未満である(C1<C1th)と判定された場合(ステップS508/NO)には、信号出力部56は、管理端末6の表示制御部62に対して第6表示信号を出力し(ステップS500)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0125】
また、ステップS505において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが廃油基準値AVth未満である(AVm<AVth)と判定された場合には(ステップS505/NO)、続いて、廃油判定部53は、揚げ油Pの酸価の測定値AVmが前回測定値AVmp未満であるか否かを判定する(ステップS510;廃油判定ステップ)。
【0126】
ステップS510において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが前回測定値AVmp未満である(AVm<AVmp)と判定された場合(ステップS510/YES)、さらに、廃油判定部53は、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満であるか否かを判定する(ステップS511;廃油判定ステップ)。
【0127】
ステップS511において前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満である(AVmp<AVth)と判定された場合(ステップS511/YES)、本実施形態では、続いて、廃油判定部53は、前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)以上であるか否かを判定する(ステップS511A)。
【0128】
ステップS511Aにおいて揚げ油Pの酸価の前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)以上である(AVmp≧AVm+β)と判定された場合には(ステップS511A/YES)、再生交換回数カウント部55は、交換回数C21をカウントする(ステップS512A;再生交換回数カウントステップ)。
【0129】
そして、信号出力部56は、ステップS512Aにおいてカウントされた交換回数C21が記憶されている交換用の所定の回数C21th以上である(C21≧C21th)場合に(ステップS513A/YES)、第2-1表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し(ステップS514A;信号出力ステップ)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0130】
他方、ステップS511Aにおいて揚げ油Pの酸価の前回測定値AVmpが(今回測定値AVm+β)未満である(AVmp<AVm+β)と判定された場合には(ステップS511A/NO)、再生交換回数カウント部55は、再生回数C22をカウントする(ステップS512B;再生交換回数カウントステップ)。
【0131】
そして、信号出力部56は、ステップS512Bにおいてカウントされた再生回数C22が記憶されている再生用の所定の回数C22th以上である(C22≧C22th)場合に(ステップS513B/YES)、第2―2表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し(ステップS514B;信号出力ステップ)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0132】
ステップS510において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが前回測定値AVmp以上である(AVm≧AVmp)と判定された場合(ステップS510/NO)、ステップS511において前回測定値AVmpが廃油基準値AVth以上である(AVmp≧AVth)と判定された場合(ステップS511/NO)、ステップS513Aにおいて交換回数C21が交換用の所定の回数C21th未満である(C21<C21th)と判定された場合(ステップS513A/NO)、およびステップS513Bにおいて再生回数C22が再生用の所定の回数C22th未満である(C22<C22th)と判定された場合(ステップS513B/NO)には、ステップS500に進んで、信号出力部56が第6表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0133】
また、ステップS503において測定割合Rmが基準測定割合Rth未満である(Rm<Rth)と判定された場合には(ステップS503/NO)、続いて、測定判定部52は、測定割合Rmが0(ゼロ)であるか否かを判定する(ステップS515)。
【0134】
ステップS515において測定割合Rmが0である(Rm=0)と判定された場合(ステップS515/YES)、信号出力部56は、第3表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し(ステップS516)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0135】
他方、ステップS515において測定割合Rmが0でない(Rm≠0)と判定された場合には(ステップS515/NO)、信号出力部56は、第4表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し(ステップS517)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0136】
また、ステップS504において揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していないと判定された場合には(ステップS504/NO)、信号出力部56は、第5表示信号を管理端末6の表示制御部62に対して出力し(ステップS518)、クラウドサーバ5における処理が終了する。
【0137】
(表示部61の表示例)
次に、管理端末6の表示部61に表示される表示内容について、図6~13を参照して説明する。
【0138】
図6は、第1実施形態に係る管理端末6の表示部61に表示される表示内容の一例であって、簡易表示での表示内容を示す図である。図7は、図6に示された表示内容の続きを示す図である。図8は、図6に示された「センター南 海風エリア」の詳細表示での表示内容を示す図である。図9は、図6に示された「センター南 グリーン公園」の詳細表示での表示内容を示す図である。図10は、図6に示された「センター南 ガーデンプレイス」の詳細表示での表示内容を示す図である。図11は、図7に示された「センター南 さくら丘陵」の詳細表示での表示内容を示す図である。図12は、図7に示された「センター南 ニコニコ団地」の詳細表示での表示内容を示す図である。図13は、図7に示された「センター南 未来基地」の詳細表示での表示内容を示す図である。
【0139】
管理端末6の表示部61に表示される表示内容は、管理者によって適宜変更可能である。例えば、管理者は、図6に示すように、確認したい会社名(X屋)およびその会社が保有する店舗のうち確認したい店舗の所在(広域:関東東、狭域:センター南)を絞り、さらに、確認したい期間(2023年1月20日~2023年2月20日)を設定して検索することができる。
【0140】
この場合、表示制御部62は、X屋の関東東のセンター南にある店舗(図6図13では、センター南 ガーデンプレイス店、センター南 グリーン公園店、センター南 海風エリア店、センター南 ニコニコ団地店、センター南 未来基地店、およびセンター南 さくら丘陵店の6店舗)における、2023年1月20日~2023年2月20日の1ヶ月間に取得した各種の表示信号に基づいて、各店舗の揚げ油Pの使用状況および管理者へ向けたコメント(改善コメント)を表示部61に表示させる。
【0141】
管理端末6の表示部61の表示は、図6および図7に示す簡易表示と、図8~13に示す詳細表示と、を含む。簡易表示と詳細表示とは、図6~13のそれぞれに示された「フライヤー詳細」アイコンのクリックによって切り替わる。
【0142】
簡易表示は、各店舗における揚げ油Pの最劣位となる使用状況および管理者へ向けたコメントを抽出して表示する。他方、詳細表示は、各店舗における揚げ油Pの使用状況および管理者へ向けたコメントを全て表示する。すなわち、簡易表示では、フライヤーX,Y,Zの揚げ油Pのうち最も使用状況が悪いと判断されるフライヤーの揚げ油Pに関する使用状況およびコメントが表示され、詳細表示では、フライヤーX,Y,Zの揚げ油P全てに関する使用状況およびコメントが表示される。
【0143】
「揚げ油Pの使用状況」とは、具体的に、「揚げ油Pの酸価の測定割合(Rm)」、「揚げ油Pの酸価の測定が正しくできているか(揚げ油Pの酸価の測定の正誤)」、「廃油時点に至っても使い続けた日数(揚げ油Pの継続使用日数C1)」、および「廃油基準値未満で揚げ油Pの再生交換をした回数(揚げ油Pの再生交換回数C2)」のそれぞれに係る情報である。
【0144】
なお、図6~13では、揚げ油Pの再生交換回数C2が示されており、揚げ油Pが再生されたか、あるいは、交換されたか、の切り分けがなされていない場合における表示部61の表示例となっているが、揚げ油Pが再生されたか、あるいは、交換されたか、の切り分けがなされている場合には、揚げ油Pの再生交換回数C2の欄に、揚げ油Pの交換回数C21および再生回数C22がそれぞれ示される。
【0145】
本実施形態では、図8~13に示すように、詳細表示では、表示部61には、基準測定割合Rth(例えば80%)、所定の日数C1th(例えば3日)、および所定の回数C2th(例えば1回)のそれぞれについても表示されている。
【0146】
また、表示部61は、揚げ油Pの使用状況の優劣の順位(ランク)を表示する順位表示領域と、揚げ油Pの使用状況を管理する管理者へ向けたコメント(改善コメント)を表示するコメント表示領域と、を含む。
【0147】
本実施形態では、順位表示領域は、簡易表示では各店舗名の一側(図6および図7では左側)に、詳細表示では、フライヤーNo.(フライヤーの名称)の欄の一側(図8~13では左側)に、それぞれ位置している。コメント表示領域は、簡易表示では各店舗の他側(図6および図7では右側)に、詳細表示では、揚げ油Pの使用状況の欄の一側(図8~13では廃油基準値未満で再生交換をした回数の欄の右側)に、それぞれ位置している。なお、順位表示領域およびコメント表示領域はそれぞれ、必ずしも図6~13に示される位置に配置されている必要はない。
【0148】
揚げ油Pのランクは、本実施形態では、「A」、「B」、「C」、および「ランク外」の4種類あり、最優位から最劣位に向かって「A」、「B」、「C」、「ランク外」の順となる。表示部61には、確認したい期間の中で表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した各種表示信号のうち最劣位となる表示信号に対応するランクが表示される。例えば、表示制御部62が、設定した1ヶ月間において、ランク「C」に対応する第1表示信号と、ランク「B」に対応する第2表示信号と、を取得していた場合、表示部61には、ランク「C」が表示される。
【0149】
揚げ油Pのランクが「A」となる場合は、例えば図8に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であり(Rm≧Rth)、揚げ油Pの酸価が正しく測定されており(揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大している)、揚げ油Pの継続使用日数C1が所定の日数C1th未満であり(C1<C1th)、かつ、揚げ油Pの再生交換回数C2が所定の回数C2th未満である(C2<C2th)場合である。
【0150】
したがって、揚げ油Pのランクが「A」となる場合とは、設定された1ヶ月間において揚げ油Pの使用状況およびAV測定センサ8で測定された測定値AVmの両方に問題がない場合(正常であると判断し得る場合)、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第6表示信号のみとなる場合が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「正しく油管理ができています!」となる。
【0151】
揚げ油Pのランクが「B」となる場合は、例えば図9に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であり(Rm≧Rth)、揚げ油Pの酸価が正しく測定されており(揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大している)、揚げ油Pの継続使用日数C1が所定の日数C1th未満であり(C1<C1th)、かつ、揚げ油Pの再生交換回数C2が所定の回数C2th以上である(C2≧C2th)場合である。
【0152】
したがって、揚げ油Pのランクが「B」となる場合とは、設定された1ヶ月間における揚げ油Pの使用状況の中に再生交換回数C2に問題がある場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第2表示信号(第2-1表示信号,第2―2表示信号)のみとなる場合と、第2表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合と、が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「廃油基準値未満の再生交換はやめましょう」となる。
【0153】
揚げ油Pのランクが「C」となる場合とは、例えば図10に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であり(Rm≧Rth)、揚げ油Pの酸価が正しく測定されており(揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大している)、かつ、揚げ油Pの継続使用日数C1が所定の日数C1th以上である(C1≧C1th)場合である。
【0154】
なお、揚げ油Pのランクが「C」となる場合は、前述したように、表示制御部62がランク「B」に対応する第2表示信号を取得していてもランク「C」が表示部61に表示されることから、揚げ油Pの再生交換回数C2に影響を受けない。そのため、図10では、揚げ油Pの再生交換回数C2が所定の回数C2thと同じ1回であるが(C2=C2th=1)、ランク「C」となっている。
【0155】
したがって、揚げ油Pのランクが「C」となる場合とは、設定された1ヶ月間における揚げ油Pの使用状況の中に揚げ油Pの継続使用日数C1に問題がある場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第1表示信号のみとなる場合と、第1表示信号とランクが「A」または「B」となる場合の表示信号(第2表示信号、第6表示信号)との組み合わせとなる場合と、が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「廃油時点に至ったら廃油しましょう」となる。
【0156】
揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合は、次の3つのパターンがある。まず、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合とは、例えば図11に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが0(ゼロ)であり(Rm=0)、揚げ油Pの酸価の測定の正誤の判定が不可であり、揚げ油Pの継続使用日数C1および揚げ油Pの再生交換回数C2の集計が不可である場合である。
【0157】
これは、設定された1ヶ月間において揚げ油Pの酸価の測定がまったく行われていない場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第3表示信号のみとなる場合が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「測定を行いましょう」となる。
【0158】
次に、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合とは、例えば図12に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが0よりも大きくかつ基準測定割合Rth未満であり(0<Rm<Rth)、揚げ油Pの酸価の測定の正誤の判定が不可であり、揚げ油Pの継続使用日数C1および揚げ油Pの再生交換回数C2の集計が不可である場合である。
【0159】
これは、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定は行われているが所定の測定周期で行われていない場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第4表示信号のみとなる場合が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「毎日測定しましょう」となる。
【0160】
そして、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合とは、例えば図13に示すように、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であり(Rm≧Rth)、揚げ油Pの酸価が正しく測定されていなく(揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していない)、揚げ油Pの継続使用日数C1および揚げ油Pの再生交換回数C2の集計が不可である場合である。
【0161】
これは、AV測定センサ8で測定された揚げ油Pの酸価の測定値AVmが誤っている可能性が高い場合(AV測定センサ8が故障している場合または測定の仕方が誤っている場合)、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62がクラウドサーバ5から取得した表示信号が、第5表示信号のみとなる場合が該当する。このとき、改善コメントは、例えば、「測定値が誤っているようです」となる。
【0162】
このように、コメント表示領域に表示された改善コメントは、順位表示領域に表示された揚げ油Pのランクと対応している。なお、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合については、3つのパターンの使用状況が想定されるため、管理者は、揚げ油Pの使用状況を示す各項目の内容および改善コメントの内容を確認し、どのパターンであるかを判断することになる。
【0163】
本実施形態では、表示部61には、揚げ油Pのランクが「ランク外」に該当する3つのパターン全てに対して、単に「ランク外」と表示されているが、揚げ油Pのランクの付け方については特に制限はないため、他に、例えば、「ランク外」に該当する3つのパターンを区別するように、「ランク外(1)」、「ランク外(2)」、「ランク外(3)」などと表示されていてもよい。
【0164】
ここで、ランク「A」に対応するコメント以外のコメントについては、図6および図7に砂地やハッチングで示すように、少なくとも簡易表示において目立たせて(赤色で表示させるなど)管理者の目に留まりやすくすることが好ましい。さらに、例えば、ランク「B」とランク「C」とでは、揚げ油Pに対して生じている問題の大きさ(重大さ)が異なるため、ランク「B」に対応するコメントの色(例えば、オレンジ色)とランク「C」に対応するコメントの色(例えば、赤色)とを異なる色で表示させるとさらに良い。
【0165】
本実施形態では、表示部61の順位表示領域には、順位表示領域に今回表示される順位と前回表示されていた順位との関係を示すオブジェクトとして矢印(↑,→,↓)が表示されている。
【0166】
具体的には、順位表示領域に今回表示される順位が前回表示されていた順位よりも優位となる場合(例えば、CからAやランク外からBなど)には、上昇を示すオブジェクトとして「↑(上矢印)」が順位表示領域に表示される(例えば、図9参照)。
【0167】
また、順位表示領域に今回表示される順位が前回表示されていた順位よりも劣位となる場合(例えば、AからBやCからランク外など)には、下降を示すオブジェクトとして「↓(下矢印)」が順位表示領域に表示される(例えば、図10図12、および図13参照)。
【0168】
また、順位表示領域に今回表示される順位が前回表示されていた順位と同位となる場合(例えば、AからAやランク外からランク外など)には、維持を示すオブジェクトとして「→(横矢印)」が順位表示領域に表示される(例えば、図8および図11参照)。
【0169】
順位表示領域に表示される上昇、下降、および維持を示すオブジェクトに関し、本実施形態では、今回表示される順位と前回表示されていた順位との比較結果が示されているが、これに限られず、例えば、今回表示される順位と前々回表示されていた順位との比較結果や、今回表示される順位と過去のある1週間の順位との比較結果などであってもよく、すなわち、今回表示される順位と管理者の側で任意に設定した過去の所定の期間における順位との比較結果が示されたものであればよい。
【0170】
なお、図6および図7に示される簡易表示では、例えば、表示部61に表示される揚げ油Pの使用状況の欄は、左側から右側に向かって順に、「揚げ油Pの酸価の測定割合Rm」、「揚げ油Pの酸価の測定が正しくできているか」、「廃油時点に至っても使い続けた日数」、「廃油基準値未満で再生交換をした回数」となっている。
【0171】
また、図8~13に示される詳細表示では、表示部61の表示欄は、左側から右側に向かって順に、「揚げ油Pのランク」、「フライヤーの名称(フライヤーNo,)」、「測定割合Rm」、「揚げ油Pの酸価の測定が正しくできているか」、「廃油時点に至っても使い続けた日数」、「廃油基準値未満で再生交換をした回数」、「管理者へ向けた改善コメント」となっている。
【0172】
このような表示部61における各表示項目の表示位置については、図6~13のそれぞれに示される通りでなくともよく、例えば、詳細表示では、「フライヤーの名称(フライヤーNo,)」と「測定割合Rm」との間に「管理者へ向けた改善コメント」が位置していてもよい。
【0173】
また、表示部61に表示されるコメントの表現や各オブジェクトの種類などについても、図6~13に示される通りでなくともよく、クラウドサーバ5から出力された各表示信号にしたがった表示内容であれば、特に制限はない。
【0174】
図8に示す「センター南 海風エリア」店では、フライヤーX,Y,Zの全てにおいて揚げ油Pのランクが「A」である。したがって、図6に示す簡易表示では、「センター南 海風エリア」店は、フライヤーX,Y,Zのうち、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが最も低い(90%)フライヤーYに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0175】
図9に示す「センター南 グリーン公園」店では、フライヤーXの揚げ油Pのランクが「B」、フライヤーYの揚げ油Pのランクが「A」、フライヤーZの揚げ油Pのランクが「B」である。したがって、図6に示す簡易表示では、「センター南 グリーン公園」店は、フライヤーX,Y,Zのうち、継続使用日数C1が1日となっているフライヤーXに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0176】
図10に示す「センター南 ガーデンプレイス」店では、フライヤーXの揚げ油Pのランクが「B」、フライヤーYの揚げ油Pのランクが「C」、フライヤーZの揚げ油Pのランクが「A」である。したがって、図6に示す簡易表示では、「センター南 ガーデンプレイス」店は、フライヤーX,Y,Zのうち最劣位(C)となるフライヤーYに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0177】
図11に示す「センター南 さくら丘陵」店では、フライヤーXの揚げ油Pのランクが「ランク外」、フライヤーYの揚げ油Pのランクが「B」、フライヤーZの揚げ油Pのランクが「ランク外」である。この店舗では、フライヤーXとフライヤーZとが同ランクの「ランク外」となっているが、フライヤーXは、そもそも揚げ油Pの酸価の測定が行われていないことから、フライヤーZよりも揚げ油Pの管理状態が悪いといえる。したがって、図7に示す簡易表示では、「センター南 さくら丘陵」店は、フライヤーX,Y,Zのうち最劣位(ランク外)となるフライヤーXに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0178】
ここで、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる3つのパターンの優劣は、最劣位から最優位に向かって、揚げ油Pの酸価の測定が行われていない場合(クラウドサーバ5から第3表示信号が出力される場合)、揚げ油Pの酸価の測定が所定の測定周期で行われていない場合(クラウドサーバ5から第4表示信号が出力される場合)、揚げ油Pの酸価の測定値に誤りがあると認められる場合(クラウドサーバ5から第5表示信号が出力される場合)の順となる。
【0179】
図12に示す「センター南 ニコニコ団地」店では、フライヤーXの揚げ油Pのランクが「A」、フライヤーYの揚げ油Pのランクが「A」、フライヤーZの揚げ油Pのランクが「ランク外」である。したがって、図7に示す簡易表示では、「センター南 ニコニコ団地」店は、フライヤーX,Y,Zのうち最劣位(ランク外)となるフライヤーZに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0180】
図13に示す「センター南 未来基地」店では、フライヤーXの揚げ油Pのランクが「A」、フライヤーYの揚げ油Pのランクが「ランク外」、フライヤーZの揚げ油Pのランクが「C」である。したがって、図7に示す簡易表示では、「センター南 未来基地」店は、フライヤーX,Y,Zのうち最劣位(ランク外)となるフライヤーYに係る使用状況およびコメントが表示される。
【0181】
(管理端末6の表示制御部62で実行される処理)
次に、管理端末6の表示制御部62で実行される処理の流れについて、図14および図15を参照して説明する。
【0182】
図14は、第1実施形態に係る管理端末6の表示制御部62で実行される表示処理の流れを示すフローチャートである。図15は、第1実施形態に係る管理端末6の表示制御部62で実行される表示切替処理の流れを示すフローチャートである。
【0183】
表示制御部62で実行される処理のうちメインとなる処理は、図14に示す表示処理である。まず、表示制御部62は、図14に示すように、クラウドサーバ5の信号出力部56から出力された各表示信号(第1~第6表示信号)を取得する(ステップS601)。
【0184】
続いて、表示制御部62は、ステップS601において取得した各フライヤーX,Y,Zに係る揚げ油Pの酸価の測定割合Rm、揚げ油Pの酸価の測定の正誤、揚げ油Pの継続使用日数C1、および揚げ油Pの再生交換回数C2をそれぞれ、表示部61に表示させる(ステップS602)。
【0185】
また、表示制御部62は、ステップS601において取得した表示信号に基づいた順位およびコメントを表示部61に表示させる(ステップS603)。なお、ステップS602およびステップS603の処理は、必ずしもステップS602の処理の後にステップS603の処理が行われる必要はなく、両処理が同時に行われてもよいし、ステップS603の処理の後にステップS602の処理が行われてもよい。
【0186】
具体的には、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第6表示信号を取得した場合には、ランク「A」および「正しく油管理ができています!」とのコメントを表示部61に表示させる。また、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第2表示信号を取得した場合には、ランク「B」および「廃油基準値未満の再生交換はやめましょう」とのコメントを表示部61に表示させる。また、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第1表示信号を取得した場合には、ランク「C」および「廃油時点に至ったら廃油しましょう」とのコメントを表示部61に表示させる。
【0187】
また、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第3表示信号を取得した場合には、「ランク外」および「測定を行いましょう」とのコメントを表示部61に表示させる。また、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第4表示信号を取得した場合には、「ランク外」および「毎日測定しましょう」とのコメントを表示部61に表示させる。また、表示制御部62は、クラウドサーバ5の信号出力部56から第5表示信号を取得した場合には、「ランク外」および「測定値が誤っているようです」とのコメントを表示部61に表示させる。
【0188】
次に、表示制御部62は、本実施形態では、ステップS603において表示部61に表示された順位と前回表示された順位とを比較し(ステップS604)、上昇している場合には「↑」を表示部61に表示させ(ステップS605)、表示制御部62における表示処理が終了する。
【0189】
また、表示制御部62は、ステップS603において表示部61に表示された順位が前回表示された順位よりも下降している場合には「↓」を表示部61に表示させ(ステップS606)、表示制御部62における表示処理が終了する。
【0190】
また、表示制御部62は、ステップS603において表示部61に表示された順位と前回表示された順位とが同位である場合には「→」を表示部61に表示させ(ステップS607)、表示制御部62における表示処理が終了する。
【0191】
表示切替処理では、図15に示すように、表示制御部62は、まず、「フライヤー詳細」アイコンがクリックされることにより入力された切替信号を取得する(ステップS611)。続いて、表示制御部62は、ステップS611において取得した切替信号に基づいて、簡易表示から詳細表示への切り替えであるか否かを判定する(ステップS612)。
【0192】
ステップS612において簡易表示から詳細表示への切り替えであると判定された場合には(ステップS612/YES)、表示制御部62は、フライヤーX,Y,Zの全てにおける揚げ油Pの使用状況およびコメントをそれぞれ表示部61に表示させ(ステップS613)、表示制御部62における表示切替処理が終了する。
【0193】
他方、ステップS612において簡易表示から詳細表示への切り替えでない、換言すれば詳細表示から簡易表示への切り替えであると判定された場合には(ステップS612/NO)、表示制御部62は、フライヤーX,Y,Zのうち最劣位となるフライヤーの揚げ油Pの使用状況およびコメントをそれぞれ表示部61に表示させ(ステップS614)、表示制御部62における表示切替処理が終了する。
【0194】
以上のように、クラウドサーバ5が、AV測定センサ8で測定された揚げ油Pの酸価の測定値AVmを時間データと共に取得して揚げ油Pの使用状況を管理しているため、例えば、店舗の従業員が、AV測定センサ8で測定した揚げ油Pの酸価の測定値を記録する際に、間違えて記録してしまったり、記録し忘れがあったりした場合に、本部がその店舗における揚げ油Pの使用状況を正確に判断することができないといった事態を回避することができ、揚げ油Pの使用状況を精度良く管理することが可能である。
【0195】
また、本実施形態では、クラウドサーバ5は、廃油時点に至った揚げ油Pを使用継続している場合だけでなく、廃油時点に至る前に揚げ油Pを再生または交換した場合についても報知信号(第2表示信号)を出力するため、まだ使用することが可能な揚げ油Pを無駄に廃油することを抑制することができ、揚げ油Pにかかるコストの見直しも図れる。
【0196】
また、本実施形態では、管理端末6において、揚げ油Pの使用状況が順位で示されていると共に、前回の順位に対する今回の順位の変化具合も示されているため、管理端末6を見た管理者は、揚げ油Pがどのような使用状況であるかひと目で確認することが可能であると共に、現在の揚げ油Pの使用状況が、改善に向かっているのか、あるいは、悪化しているのかについても把握することができる。
【0197】
また、本実施形態では、管理端末6の表示部61の表示を簡易表示と詳細表示との間で切り替え可能であるため、特に、展開している店舗の数が多いような場合には、管理者は、まず、簡易表示で各店舗の揚げ油Pの使用状況の概要を確認し、その後、気になる店舗の揚げ油Pの使用状況を詳細表示に切り替えて確認することができる。これにより、店舗の数が多い場合であっても、迅速にかつ効率的に揚げ油Pの使用状況を管理することが可能である。
【0198】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るクラウドサーバ5Aおよび管理端末6Aについて、図16~20を参照して説明する。なお、図16図20において、第1実施形態に係るクラウドサーバ5および管理端末6について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0199】
図16は、第2実施形態に係るクラウドサーバ5Aおよび管理端末6Aが有する機能をそれぞれ示す機能ブロック図である。図17は、第2実施形態に係るクラウドサーバ5Aで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0200】
本実施形態では、第1実施形態とは異なり、複数の油槽間(例えば、フライヤーX,Y,Zの間)で揚げ油Pが移槽される。この揚げ油Pの移槽とは、例えば、店舗に3つのフライヤーX,Y,Zが設置されている場合において、フライヤーX,Y,Zの順で揚げ油Pの酸価の値が高くなるように、フライヤーXからフライヤーYへ、フライヤーYからフライヤーZへ、それぞれ揚げ油Pの一部を移動させる(差し油する)ことである。このとき、フライヤーZは、揚げ油Pの酸価の値が最も高い状態となる油槽として設定された特別油槽(最終槽)となる。
【0201】
したがって、本実施形態では、クラウドサーバ5Aは、各フライヤーX,Y,Zの揚げ油Pの使用状況を管理する他、フライヤーX,Y,Zの間における移槽の管理を行う必要がある。
【0202】
図16に示すように、クラウドサーバ5Aは、データ取得部50と、測定割合算出部51と、測定判定部52と、廃油判定部53と、継続使用日数カウント部54と、再生交換回数カウント部55と、信号出力部56Aと、記憶部57Aと、に加え、劣化指標比較部58と、最終槽リセット日数カウント部59と、を含む。
【0203】
劣化指標比較部58は、測定判定部52にてフライヤーX,Y,Z(複数の油槽)での揚げ油Pの酸価の測定割合Rmがそれぞれ基準測定割合Rth以上であると判定された場合に、最終槽となるフライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3と、最終槽以外の他の油槽(最終槽の前の槽)となるフライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2と、を比較する。
【0204】
本実施形態では、劣化指標比較部58は、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)以上であるか否かを判定する。
【0205】
この「所定の差分値α」とは、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3からフライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2を差し引いたときの差分に相当し、AVm3>AVm2の場合にAVm3がどの程度AVm2に近い値であるかどうかを判定するための閾値であって、各店舗を統括する本部や各店舗を展開する運営会社の側にて適宜設定される。
【0206】
また、劣化指標比較部58は、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)未満である(AVm3<AVm2+α)と判定した場合に、さらに、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、新油に相当する酸価の値(例えば、酸価0.0)であるか否かを判定する。
【0207】
なお、「新油に相当する酸価の値」とは、揚げ油Pの酸価の値が正確に酸価0.0である必要はなく、揚げ油Pが新油に相当する状態における酸価の値の範囲内であれば誤差を含んでいてもよい。
【0208】
最終槽リセット日数カウント部59は、劣化指標比較部58にてフライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が新油に相当する酸価の値である(AVm3=0.0)と判定された場合に、フライヤーZの揚げ油Pの劣化度が新油に相当する劣化度にリセットされている最終槽リセット日数(特別油槽リセット日数)Crを「1日」とカウントする。
【0209】
信号出力部56Aは、本実施形態では、第1~6表示信号の他、第7表示信号および第8表示信号を管理端末6Aに対して出力する。なお、本実施形態では、第1~6表示信号のそれぞれには、「最終槽の酸価が前槽より高いか」および「最終槽の酸価が0.0になる日数Cr」に係る情報がさらに含まれる。
【0210】
具体的には、信号出力部56Aは、最終槽リセット日数カウント部59にてカウントされた最終槽リセット日数Crが所定のリセット日数Crth以上である(Cr≧Crth)場合に、第7表示信号を管理端末6Aに対して出力する。
【0211】
ここで、「所定のリセット日数Crth」は、最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの劣化度が新油の劣化度(=0.0)あるいは新油に相当する劣化度にリセットされている日数であって、例えば、1日や2日など、各店舗を統括する本部や各店舗を展開する運営会社の側にて適宜設定される。
【0212】
第7表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できているとの判定)、最終槽の酸価が前槽より高いか(低い)、最終槽の酸価が0.0になる日数Cr(≧Crth)、継続使用日数カウント部54における継続使用日数C1(<C1th)、再生交換回数カウント部55における再生交換回数C2(<C2th)、揚げ油Pのランク(C)、および油槽間における揚げ油Pの適切な移槽を促す旨のコメントに係る情報を含む。
【0213】
また、信号出力部56Aは、劣化指標比較部58にてフライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が新油に相当する酸価の値ではない(AVm3≠0.0)と判定された場合に、第8表示信号を管理端末6Aに対して出力する。
【0214】
ここで、「劣化指標比較部58にてフライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が新油に相当する酸価の値ではない(AVm3≠0.0)と判定された場合」とは、具体的に、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)未満である(AVm3<AVm2+α)が、新油に相当する酸価の値ではない場合を示す。
【0215】
これには、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2未満である場合(AVm3<AVm2)と、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2と同じである場合(AVm3=AVm2)と、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が、フライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2よりも高いが(AVm3>AVm2)、測定値AVm2に限りなく近い場合(AVm3-AVm2<α)と、が含まれる。
【0216】
第8表示信号は、データ取得部50にて取得された測定割合Rm(≧Rth)、測定判定部52における判定結果(正しく測定できているとの判定)、最終槽の酸価が前槽より高いか(低い)、最終槽の酸価が0.0になる日数Cr(<Crth)、継続使用日数カウント部54における継続使用日数C1(<C1th)、再生交換回数カウント部55における再生交換回数C2(<C2th)、揚げ油Pのランク(C)、および油槽間における揚げ油Pの適切な移槽を促す旨のコメントに係る情報を含む。
【0217】
したがって、第7表示信号および第8表示信号はいずれも、油槽の適切な移槽を促す報知信号の一態様である。すなわち、クラウドサーバ5Aにおいて、最終槽リセット日数Crが所定のリセット日数Crth以上である(Cr≧Crth)、および、フライヤーZの揚げ油Pの酸価の測定値AVm3がフライヤーYの揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)未満である(AVm3<AVm2+α)のうちのいずれかが判定された場合には、管理者に対して油槽の適切な移槽を促す注意喚起がなされる。
【0218】
図17に示すように、本実施形態に係るクラウドサーバ5Aでは、まず、データ取得部50が、各油槽(フライヤーX,Y,Z)における揚げ油Pの酸価の測定値AVmを時間データと共にそれぞれ取得する(ステップS521)。
【0219】
続いて、測定割合算出部51は、ステップS521において取得された各油槽の時間データと、記憶部57Aに記憶されている各油槽に係る所定の測定周期と、に基づいて、各油槽における揚げ油Pの酸価の測定割合Rmを算出する(ステップS522)。
【0220】
次に、測定判定部52は、全油槽に対し、ステップS522において算出された測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であるか否かを判定する(ステップS523)。
【0221】
ステップS523において測定割合Rmが基準測定割合Rth以上である(Rm≧Rth)と全油槽に対して判定された場合には(ステップS523/YES)、続いて、測定判定部52は、全油槽に対し、ステップS521において取得された揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大しているか否かを判定する(ステップS524)。
【0222】
ステップS524において全油槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していると判定された場合(ステップS524/YES)、劣化指標比較部58は、最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前槽(フライヤーY)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)以上であるか否かを判定する(ステップS540)。
【0223】
ステップS540において最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)以上である(AVm3≧AVm2+α)と判定された場合(ステップS540/YES)、劣化指標比較部58は、続いて、最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が廃油基準値AVth以上であるか否かを判定する(ステップS525)。
【0224】
ステップS525において最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が廃油基準値AVth以上である(AVm≧AVth)と判定された場合には(ステップS525/YES)、ステップS526に進む。
【0225】
クラウドサーバ5AにおけるステップS526以降の処理は、第1実施形態におけるクラウドサーバ5のステップS506以降の処理と同様であるため、説明を割愛する。具体的には、ステップS526がステップS506に、ステップS527がステップS507に、ステップS528がステップS508に、ステップS529がステップS509に、ステップS520がステップS500に、それぞれ相当する。なお、ステップS529には、携帯端末7に対する注意喚起信号の出力が示されていないが、ステップS509と同様に、信号出力部56Aは、携帯端末7に対して注意喚起信号を出力してもよい。
【0226】
ステップS525において最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が廃油基準値AVth未満である(AVm3<AVth)と判定された場合には(ステップS525/NO)、廃油判定部53は、続いて、最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前回測定値AVmp未満であるか否かを判定する(ステップS530)。
【0227】
ステップS530において最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前回測定値AVmp未満である(AVm3<AVmp)と判定された場合には(ステップS530/YES)、廃油判定部53は、さらに、前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満であるか否かを判定する(ステップS531)。
【0228】
ステップS531において前回測定値AVmpが廃油基準値AVth未満である(AVmp<AVth)と判定された場合には(ステップS531/YES)、再生交換回数カウント部55は、再生交換回数C2をカウントする(ステップS532)。
【0229】
そして、信号出力部56Aは、ステップS532においてカウントされた再生交換回数C2が所定の回数C2th以上である(C2≧C2th)場合に(ステップS533/YES)、第2表示信号を管理端末6Aに対して出力して(ステップS534)、クラウドサーバ5Aにおける処理が終了する。
【0230】
他方、ステップS530において最終槽の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前回測定値AVmp以上である(AVm3≧AVmp)と判定された場合(ステップS530/NO)、ステップS531において前回測定値AVmpが廃油基準値AVth以上である(AVmp≧AVth)と判定された場合(ステップS531/NO)、およびステップS533において再生交換回数C2が所定の回数C2th未満である(C2<C2th)と判定された場合には(ステップS533/NO)、信号出力部56Aは、第6表示信号を管理端末6Aに対して出力して(ステップS520)、クラウドサーバ5Aにおける処理が終了する。
【0231】
なお、図17に示すフローチャートでは、揚げ油Pの再生と交換との切り分けに係る判定ステップ(第1実施形態におけるステップS511Aに相当するステップ)を省略したため、再生交換回数カウント部55は、ステップS532において単に再生交換回数C2をカウントしたが、第1実施形態と同様に、クラウドサーバ5Aは、ステップS531の処理後に揚げ油Pの再生と交換との切り分けに係る判定を行い、再生交換回数C2として交換回数C21あるいは再生回数C22をカウントしてもよい。
【0232】
また、ステップS540において最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が前槽(フライヤーY)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm2に所定の差分値αを加えた値(AVm2+α)未満である(AVm3<AVm2+α)と判定された場合には(ステップS540/NO)、続いて、劣化指標比較部58は、最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が新油に相当する酸価の値(=0.0)であるか否かを判定する(ステップS541)。
【0233】
ステップS541において最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が酸価0.0である(AVm3=0.0)と判定された場合(ステップS541/YES)、最終槽リセット日数カウント部59は、最終槽リセット日数Crをカウントする(ステップS542)。
【0234】
そして、信号出力部56Aは、ステップS542にてカウントされた最終槽リセット日数Crが所定のリセット日数Crth以上となる(Cr≧Crth)場合に(ステップS543/YES)、第7表示信号を表示制御部62Aに対して出力して(ステップS544)、クラウドサーバ5Aにおける処理が終了する。
【0235】
他方、ステップS541において最終槽(フライヤーZ)の揚げ油Pの酸価の測定値AVm3が酸価0.0でない(AVm3≠0)と判定された場合(ステップS541/NO)、および、ステップS543において最終槽リセット日数Crが所定のリセット日数Crth未満となる(Cr<Crth)場合には(ステップS543/NO)、信号出力部56Aは、第8表示信号を表示制御部62Aに対して出力して(ステップS545)、クラウドサーバ5Aにおける処理が終了する。
【0236】
また、ステップS523において全油槽に対し測定割合Rmが基準測定割合Rth未満である(Rm<Rth)と判定された場合には(ステップS523/NO)、ステップS535に進む。
【0237】
クラウドサーバ5AにおけるステップS535以降の処理は、第1実施形態におけるクラウドサーバ5のステップS515以降の処理と同様であるため、説明を割愛する。具体的には、ステップS535がステップS515に、ステップS536がステップS516に、ステップS537がステップS517に、それぞれ相当する。
【0238】
また、ステップS524において全油槽に対し揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していないと判定された場合には(ステップS524/NO)、第1実施形態におけるステップS504/NOの場合と同様に、信号出力部56Aが、第5表示信号を管理端末6Aに対して出力し(ステップS538)、クラウドサーバ5Aにおける処理が終了する。
【0239】
次に、本実施形態に係る管理端末6Aの表示部61Aに表示される内容の一例を図18~20を参照して説明する。
【0240】
図18は、第2実施形態に係る管理端末6Aの表示部61Aに表示される内容の一例であって、ランク「A」およびランク「B」の表示例をそれぞれ示す図である。図19は、第2実施形態に係る管理端末6Aの表示部61Aに表示される内容の一例であって、ランク「C」の表示例をそれぞれ示す図である。図20は、第2実施形態に係る管理端末6Aの表示部61Aに表示される内容の一例であって、「ランク外」の表示例をそれぞれ示す図である。
【0241】
図18~20に示された表示部61Aの表示例では、揚げ油Pの使用状況に関する項目は、左側から右側に向かって順に、「測定割合Rm」、「揚げ油Pの酸価の測定が正しくできているか」、「最終槽の酸価が前の槽より高いか」、「最終槽の酸価が0.0になる日数(最終槽リセット日数Cr)」、「廃油時点に至っても使い続けた日数(継続使用日数C1)」、「廃油基準値未満で再生交換をした回数(再生交換回数C2)」となっている。
【0242】
なお、「最終槽の酸価が前の槽より高いか」という項目については、クラウドサーバ5Aから第7表示信号および第8表示信号が管理端末6Aに対して出力された場合に「低い」と表示され、クラウドサーバ5Aから第1表示信号、第2表示信号、および第6表示信号が管理端末6Aに対して出力された場合には「高い」と表示される。なお、クラウドサーバ5Aから第3表示信号、第4表示信号、および第5表示信号が管理端末6Aに対して出力された場合には、「最終槽の酸価が前の槽より高いか」という項目は、「集計不可」となる。
【0243】
本実施形態のように、フライヤーX,Y,Zの間で揚げ油Pが移槽される場合には、フライヤーX,Y,Zにおいて揚げ油Pが共有されていると捉えられることから、表示部61Aには、各フライヤーX,Y,Zの揚げ油Pの使用状況をひとまとめにしたときに最劣位となる使用状況およびコメントが表示される。
【0244】
図18に示す「センター南 海風エリア」店では、設定された1ヶ月間において(図6参照)、揚げ油Pの酸価の測定割合Rm(=85%≧Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか(〇)、最終槽の酸価が前の槽より高いか(高い)、最終槽リセット日数Cr(=0日<Crth)、揚げ油Pの継続使用日数C1(=2日<C1th)、および揚げ油Pの再生交換回数C2(=0回<C2th)のいずれの項目もクリアしていることから、ランク「A」が表示部61Aに表示されている。
【0245】
したがって、図18に示す「センター南 海風エリア」店では、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号は、第6表示信号のみであるといえる。
【0246】
図18に示す「センター南 グリーン公園」店では、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定割合Rm(=95%≧Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか(〇)、最終槽の酸価が前の槽より高いか(高い)、最終槽リセット日数Cr(=0日<Crth)、および揚げ油Pの継続使用日数C1(=1日<C1th)についてはクリアしているが、揚げ油Pの再生交換回数C2が1回で所定の回数C2th以上であるため(C2≧C2th)、ランク「B」が表示部61Aに表示されている。
【0247】
したがって、図18に示す「センター南 グリーン公園」店では、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号は、第2表示信号のみとなる場合、および、第2表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかであるといえる。
【0248】
図19に示す「センター南 海風エリア」店では、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定割合Rm(=90%≧Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか(〇)、および最終槽リセット日数Cr(=0日<Crth)についてはクリアしているが、揚げ油Pの再生交換回数C2が1回で所定の回数以上であると共に(C2≧C2th)、最終槽の酸価が前の槽より低く、かつ、揚げ油Pの継続使用日数C1が4日で所定の日数C1th以上である(C1≧C1th)ため、ランク「C」が表示部61Aに表示されている。
【0249】
したがって、図19に示す「センター南 海風エリア」店では、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号は、第1表示信号、第2表示信号、および第8表示信号の3種類の表示信号のみとなる場合、および、第1表示信号、第2表示信号、および第8表示信号の3種類の表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかであるといえる。
【0250】
なお、前述した通り、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから異なるランクに対応する表示信号を複数取得した場合には、最劣位となるランクが表示部61Aに表示される。そのため、図19に示す「センター南 海風エリア」店の場合には、ランク「B」に対応する第2表示信号よりも劣位となるランク「C」に対応する第1表示信号および第8表示信号が優先されて、表示部61Aにランク「C」が表示されることになる。表示部61Aの表示領域に表示されるコメントは、第1表示信号および第8表示信号の両方に基づいて、例えば、「廃油タイミングの遵守と油の移槽管理を徹底しましょう」となる。
【0251】
図19に示す「センター南 グリーン公園」店では、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定割合Rm(=90%≧Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか(〇)、揚げ油Pの継続使用日数C1(=0日<C1th)、および揚げ油Pの再生交換回数C2(=0日<C2th)についてはクリアしているが、最終槽リセット日数Crが1日で所定のリセット日数Crth以上である(Cr≧Crth)ため、ランク「C」が表示部61Aに表示されている。
【0252】
したがって、図19に示す「センター南 グリーン公園」店では、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号は、第7表示信号のみとなる場合、および、第7表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかであるといえる。
【0253】
なお、図19に示す「センター南 グリーン公園」店において、再生交換回数C2が0(ゼロ)でない場合(C2≠0)には、設定された1ヶ月間に表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得する表示信号は、第2表示信号および第7表示信号の2種類の表示信号のみとなる場合、および、第2表示信号および第7表示信号の2種類の表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかである。
【0254】
この場合、表示制御部62Aは、例えば、「油の移槽管理を徹底しましょう」とのコメントをコメント表示領域に表示させる。なお、表示部61Aの「最終槽の酸価が前の槽より高いか」の欄には「低い」と表示される。
【0255】
なお、表示制御部62Aは、設定された1ヶ月間において、クラウドサーバ5Aから第1表示信号および第7表示信号の両方を取得していた場合には、図19に示す「センター南 海風エリア」店のように、揚げ油Pの継続使用日数C1についても所定の日数C1th以上となるため(C1≧C1th)、例えば、「廃油タイミングの遵守と油の移槽管理を徹底しましょう」とのコメントをコメント表示領域に表示させる。
【0256】
図19に示す「センター南 ガーデンプレイス」店では、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定割合Rm(=95%≧Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか(〇)、最終槽の酸価が前の槽より高いか(高い)、最終槽リセット日数Cr(=0日<Crth)、および揚げ油Pの再生交換回数C2(=0日<C2th)についてはクリアしているが、揚げ油Pの継続使用日数C1が5日で所定の日数C1th以上である(C1≧C1th)ため、ランク「C」が表示部61Aに表示されている。
【0257】
したがって、図19に示す「センター南 ガーデンプレイス」店では、設定された1ヶ月間において、表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号は、第1表示信号のみとなる場合、および、第1表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかであるといえる。
【0258】
なお、図19に示す「センター南 ガーデンプレイス」店において、再生交換回数C2が0(ゼロ)でない場合(C2≠0)には、設定された1ヶ月間に表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得する表示信号は、第1表示信号および第2表示信号の2種類の表示信号のみとなる場合、および、第1表示信号および第2表示信号の2種類の表示信号とランクが「A」となる場合の表示信号(第6表示信号)との組み合わせとなる場合のいずれかである。
【0259】
この場合、表示制御部62Aは、例えば、「廃油時点に至ったら廃油しましょう」とのコメントをコメント表示領域に表示させる。
【0260】
このように、本実施形態では、揚げ油Pのランクが「C」となる場合は3パターンある。したがって、揚げ油Pのランクが「ランク外」となる場合と同様に、管理者は、揚げ油Pの使用状況を示す各項目の内容および改善コメントの内容を確認し、3パターンのうちのどのパターンであるかを判断することになる。
【0261】
また、本実施形態では、表示部61Aには、揚げ油Pのランクが「C」に該当する3つのパターン全てに対して、単に「C」と表示されているが、揚げ油Pのランクの付け方については特に制限はないため、他に、例えば、ランク「C」に該当する3つのパターンを区別するように、ランク「C(1)」、「C(2)」、「C(3)」などと表示されていてもよい。
【0262】
図20に示す「センター南 さくら丘陵」店では、設定された1ヶ月間において、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが0%であるため、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか、最終槽の酸価が前の槽より高いか、最終槽リセット日数Cr、揚げ油Pの継続使用日数C1、および揚げ油Pの再生交換回数C2の項目はいずれも集計不可となり、「ランク外」が表示部61Aに表示されている。
【0263】
これは、設定された1ヶ月間において揚げ油Pの酸価の測定がまったく行われていない場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号が、第3表示信号のみとなる場合が該当する。
【0264】
図20に示す「センター南 ニコニコ団地」店では、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmが20%で基準測定割合Rth未満であるため(Rm<Rth)、揚げ油Pの酸価を正しく測定できているか、最終槽の酸価が前の槽より高いか、最終槽リセット日数Cr、揚げ油Pの継続使用日数C1、および揚げ油Pの再生交換回数C2の項目はいずれも集計不可となり、「ランク外」が表示部61Aに表示されている。
【0265】
これは、設定された1ヶ月間において揚げ油Pの酸価の測定が所定の周期で行われていない場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号が、第4表示信号のみとなる場合が該当する。
【0266】
図20に示す「センター南 未来基地」店では、揚げ油Pの酸価を正しく測定できていない(揚げ油Pの酸価の測定値AVmが時間の経過に伴って増大していない)ため、最終槽の酸価が前の槽より高いか、最終槽リセット日数Cr、揚げ油Pの継続使用日数C1、および揚げ油Pの再生交換回数C2の項目はいずれも集計不可となり、「ランク外」が表示部61Aに表示されている。
【0267】
これは、設定された1ヶ月間において揚げ油Pの酸価の測定値に誤りがあると認められる場合、すなわち設定された1ヶ月間において表示制御部62Aがクラウドサーバ5Aから取得した表示信号が、第5表示信号のみとなる場合が該当する。
【0268】
以上のように、本実施形態においても第1実施形態における作用および効果と同様の作用および効果を奏することに加え、フライヤーX,Y,Zの間における揚げ油Pの移槽についても正確に管理することが可能となっている。
【0269】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0270】
例えば、上記実施形態では、管理端末6,6Aの表示部61,61Aに表示させる表示内容を2023年1月20日~2023年2月20日の1ヶ月間に絞っているが、この期間については、適宜、管理者が確認したい期間に設定することが可能となっている。
【0271】
また、上記実施形態では、複数の店舗を展開するチェーン店における揚げ油Pの使用状況の管理を例に挙げて説明したが、必ずしも複数の店舗を展開するチェーン店である必要はない。
【0272】
また、上記実施形態では、揚げ油Pの劣化指標として酸価(AV)を例に挙げて説明したが、必ずしも酸価である必要はなく、具体的な数値で測定することが可能な劣化指標であればよい。
【符号の説明】
【0273】
3:揚げ油管理システム(油脂管理システム)
5,5A:クラウドサーバ(油脂管理装置)
6,6A:管理端末(油脂管理表示装置,油脂管理報知装置)
8:AV測定センサ(測定装置)
50:データ取得部
51:測定割合算出部
52:測定判定部
53:廃油判定部
54:継続使用日数カウント部
55:再生交換回数カウント部
56,56A:信号出力部
58:劣化指標比較部
59:最終槽リセット日数カウント部
61,61A:表示部
62,62A:表示制御部
AVm,AVm2,AVm3:測定値
AVmp:前回測定値
AVth:廃油基準値
C1:継続使用日数
C1th:所定の日数
C2:再生交換回数
C2th:所定の回数
Cr:最終槽リセット日数(特別油槽リセット日数)
Crth:所定のリセット日数
P:揚げ油(油脂)
Rm:測定割合
Rth:基準測定割合
【要約】
油脂の使用状況を正確に管理することが可能な油脂管理装置、油脂管理システム、油脂管理方法、および油脂管理表示装置を提供する。
揚げ油Pの使用状況を管理する揚げ油管理装置としてのクラウドサーバ5,5Aであって、揚げ油Pの酸価の測定値AVmを時間データと共に取得するデータ取得部50と、揚げ油Pの酸価の測定割合Rmを算出する測定割合算出部51と、測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であるか否かを判定する測定判定部52と、測定値AVmが廃油基準値AVth以上であるか否かを判定する廃油判定部53と、測定割合Rmが基準測定割合Rth以上であり、かつ、測定値AVmが廃油基準値AVth以上であると連続で判定され、廃油時点に至った揚げ油Pを継続して使用している継続使用日数C1が所定の日数C1th以上となる場合に、揚げ油Pの廃油を促す報知信号を出力する信号出力部56と、を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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