(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】めっき液供給装置、めっきシステム、及びめっき液供給装置のメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
C25D 21/14 20060101AFI20240723BHJP
C25D 17/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
C25D21/14 E
C25D17/00 K
(21)【出願番号】P 2024523200
(86)(22)【出願日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2023045916
【審査請求日】2024-04-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】對馬 拓也
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-162611(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106637372(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106835257(CN,A)
【文献】特開2017-141503(JP,A)
【文献】特開2019-119894(JP,A)
【文献】中国実用新案第215289011(CN,U)
【文献】中国実用新案第215481408(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 21/00-21/22
C25D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっきに使用されるめっき液を供給するためのめっき液供給装置であって、
金属を含む粉体をめっき液に溶解させるように構成されるミキシングタンクと、
前記ミキシングタンクを収容するタンク筐体と、
前記粉体を収容するように構成されるホッパと、
前記ホッパの下部に設けられた開口から前記ミキシングタンクに向かって前記粉体を供給するように構成されるフィーダと、
前記ホッパを収容すると共に前記フィーダの一部を外部に突出させた状態で前記フィーダを収容するホッパ筐体であって、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体内に収容される接続状態と、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体外に位置する分離状態とに状態を変更可能であるホッパ筐体と、
前記ホッパ筐体に取り付けられ、前記フィーダの前記一部を収容するカバー状態と前記フィーダの前記一部を露出させる露出状態とに状態を変更可能であるカバー部材と、
を備えるめっき液供給装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、伸縮可能に形成された筒状部材で構成される、請求項1に記載のめっき液供給装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記筒状部材における端部を閉塞可能である蓋を有する、請求項2に記載のめっき液供給装置。
【請求項4】
前記カバー部材を前記タンク筐体に係止するロック機構を更に備える、請求項1に記載のめっき液供給装置。
【請求項5】
前記ホッパ筐体は、キャスタを有し、前記キャスタにより移動することで前記接続状態と前記分離状態とに状態を変更する、請求項1に記載のめっき液供給装置。
【請求項6】
前記接続状態で前記ホッパ筐体と前記タンク筐体とを係止する筐体ロック機構を更に備える、請求項1に記載のめっき液供給装置。
【請求項7】
めっき液を収容してめっき槽との間でめっき液を循環させるための主タンクを更に備える、請求項1に記載のめっき液供給装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載されためっき液供給装置と、
基板をめっきするためのめっき槽と、
前記めっき液供給装置と前記めっき槽とに接続されるめっき液供給ラインと、
を備えるめっきシステム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のめっき液供給装置におけるメンテナンス方法であって、
前記カバー部材が前記タンク筐体に取り付けられた状態で、前記ホッパ筐体の状態を前記接続状態から前記分離状態へと変更し、
前記フィーダの前記一部を前記カバー部材によって収容し、
前記カバー部材を前記タンク筐体から取り外す、
ことを含むメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき液供給装置、めっきシステム、及びめっき液供給装置のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ等の基板の表面に設けられた微細な配線用溝、ホール、又はレジスト開口部に配線を形成したり、基板の表面にパッケージの電極等と電気的に接続するバンプ(突起状電極)を形成したりすることが行われている。この配線及びバンプを形成する方法として、例えば、電解めっき法、蒸着法、印刷法、ボールバンプ法等が知られているが、半導体チップのI/O数の増加、細ピッチ化に伴い、微細化が可能で性能が比較的安定している電解めっき法が多く用いられるようになってきている。
【0003】
電解めっきを行う装置においては、一般的に、めっき液を収容するめっき槽内にアノードと基板とが対向配置され、アノードと基板とに電圧が印加される。これにより、基板表面にめっき膜が形成される。
【0004】
従来、電解めっき装置で使用されるアノードとして、めっき液に溶解する溶解アノード又はめっき液に溶解しない不溶解アノードが用いられている。不溶解アノードを用いてめっき処理を行う場合、めっきの進行につれてめっき液中の金属イオンが消費される。このため、定期的にめっき液に金属イオンを補充して、めっき液中の金属イオンの濃度を調整する必要がある。そこで、めっき槽とは別のめっき液タンクに収容されためっき液に金属の粉体を溶解し、そのめっき液をめっき槽に供給する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置は、金属の粉体を収容するホッパと、ホッパの下部開口から落下する金属の粉体をめっき液タンクに向けて搬送するフィーダとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したホッパおよびフィーダは、めっき液が気化して機械表面に付着することにより粉体が固着したり、粉体に含まれる塊によってつまりが生じるなど、めっき液タンクへの粉体の供給に不具合が生じる場合がある。このため、めっき液供給装置では、装置に異常が生じた場合または定期的に、装置をメンテナンスすることが望まれる。しかしながら、装置をメンテナンスする際には金属粉体が飛散するおそれがある。金属粉体が製造工場内に飛散すると、めっき装置に悪影響を及ぼしたり、作業員の健康を損ねるおそれがある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、粉体の飛散をできる限り防止してメンテナンスを行うことができるめっき液供給装置、めっきシステム、及びメンテナンス方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態によれば、めっきに使用されるめっき液を供給するためのめっき液供給装置が提案され、かかるめっき液供給装置は、金属を含む粉体をめっき液に溶解させるように構成されるミキシングタンクと、前記ミキシングタンクを収容するタンク筐体と、前記粉体を収容するように構成されるホッパと、前記ホッパの下部に設けられた開口から前記ミキシングタンクに向かって前記粉体を供給するように構成されるフィーダと、前記ホッパを収容すると共に前記フィーダの一部を外部に突出させた状態で前記フィーダを収容するホッパ筐体であって、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体内に収容される接続状態と、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体外に位置する分離状態とに状態を変更可能であるホッパ筐体と、前記ホッパ筐体に取り付けられ、前記フィーダの前記一部を収容するカバー状態と前記フィーダの前記一部を露出させる露出状態とに状態を変更可能であるカバー部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るめっきシステムの全体構成を示す模式図である。
【
図3】本実施形態のめっき液供給装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態のめっき液供給装置の構成を示す概略図である。
【
図5】本実施形態の密閉チャンバの内部を示す図である。
【
図6】一実施形態のホッパ筐体と密閉チャンバとを上方から見た斜視図である。
【
図7】接続状態にあるときのめっき液供給装置の構成を示す概略図である。
【
図8】分離状態にあるときのめっき液供給装置の構成を示す概略図である。
【
図9】分離状態にあるときのめっき液供給装置の外観を示す斜視図である。
【
図10】めっき液供給装置のメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。
【
図11】分離状態にあるホッパ筐体の外観の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るめっきシステムの全体構成を示す模式図である。本実施形態では、めっき装置1は、ウエハなどの基板に銅等の金属を電解めっきするための電解めっきユニットである。また、めっき液供給装置20は、めっき装置1で使用されるめっき液中の金属イオン濃度を調整するための装置である。
【0011】
基板にめっきする金属の例としては、銅、インジウム、ニッケル、コバルト、ルテニウムが挙げられる。粉体の例としては、酸化銅粉体、硫酸インジウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト等の硫酸塩、スルファミン酸ニッケル、スルファミン酸コバルト等のスルファミン酸塩、臭化ニッケル、塩化ニッケル、塩化コバルト等のハロゲン化物、酸化インジウムが挙げられる。本実施形態における、少なくとも金属を含む粉体の平均粒径は、10マイクロメートルから200マイクロメートルの範囲であり、より好ましくは15マイクロメートルから50マイクロメートルの範囲とする。平均粒径を小さくしすぎると、粉じんとなって飛散しやすくなるおそれがある。逆に、平均粒径を大きくしすぎると、めっき液とする際の溶液への溶解性が悪くなるおそれもある。
【0012】
めっき装置1は、基板をめっきするための複数のめっき槽2を有している。各めっき槽2は、内槽5と外槽6を備えている。めっき液は内槽5を満たし、内槽5の側壁から溢流して外槽6内に流入する。めっきされる基板(
図1には図示せず)は、内槽5のめっき液中に浸漬される。一実施形態では、めっき装置1は、1つのめっき槽2を備えてもよい。
【0013】
図2は、
図1に示すめっき槽2の詳細を示す図である。
図2に示すように、内槽5内には、アノードホルダ9に保持された不溶解アノード8が配置されている。さらに、めっき槽2の中において、不溶解アノード8の周囲には、中性膜(不図示)が配置されている。内槽5はめっき液で満たされており、めっき液は内槽5を越流して外槽6に流れ込むようになっている。なお、内槽5には、めっき液を攪拌する攪拌パドル(図示せず)が設けられ得る。この攪拌パドルは、基板Wと平行に往復運動してめっき液を攪拌するものであり、これにより、十分な金属イオンおよび添加剤を基板Wの表面に均一に供給することができる。
【0014】
ウエハなどの基板Wは、基板ホルダ11に保持され、基板ホルダ11とともにめっき槽2の内槽5内のめっき液中に浸漬される。被めっき対象物である基板Wとしては、半導体基板、プリント配線板等を用いることができる。
【0015】
不溶解アノード8はアノードホルダ9を介してめっき電源15の正極に電気的に接続され、基板ホルダ11に保持された基板Wは、基板ホルダ11を介してめっき電源15の負極に電気的に接続される。めっき液に浸漬された不溶解アノード8と基板Wとの間に、めっき電源15によって電圧を印加すると、めっき槽2内に収容されためっき液中で電気化学的な反応が起こり、基板Wの表面上に金属(例えば銅)が析出する。このようにして、基板Wの表面が金属でめっきされる。
【0016】
図1に戻り、めっき液供給装置20は、めっき液を内部に保持することができるように構成された主タンク18と、少なくとも金属(例えば、銅)を含む粉体(以下、単に金属粉体という)をめっき液に混合および溶解させて高濃度の補充めっき液を生成するミキシングタンク19を備えている。
【0017】
めっき装置1のめっき槽2と主タンク18は、めっき液供給ライン21およびめっき液戻りライン24で接続されている。めっき液供給ライン21は主タンク18からめっき槽2まで延びており、めっき液戻りライン24はめっき槽2から主タンク18まで延びている。基板のめっき中は、めっき液は、めっき槽2と主タンク18との間を循環する。
【0018】
めっき液供給ライン21の一部は、複数の供給分岐ライン21aから構成されており、これら供給分岐ライン21aはめっき槽2の内槽5の底部にそれぞれ接続されている。供給分岐ライン21aには流量調節弁26がそれぞれ取り付けられている。主タンク18からのめっき液の流量は、流量調節弁26によって調節され、調節された流量のめっき液がめっき槽2に流入する。めっき液戻りライン24の一部は、同様に、複数の戻り分岐ライン24aから構成されており、これら戻り分岐ライン24aはめっき槽2の外槽6の底部にそれぞれ接続されている。戻り分岐ライン24aには開閉弁27がそれぞれ取り付けられている。
【0019】
めっき液供給装置20は、主タンク18内のめっき液の温度を測定する第1温度センサ30、主タンク18内のめっき液の液面レベルを測定する第1液面レベル検出器31、主タンク18内のめっき液を攪拌する第1攪拌機33、および主タンク18内のめっき液に添加剤を投入する添加剤投入口34をさらに備えている。第1温度センサ30、第1液面レベル検出器31、第1攪拌機33、および添加剤投入口34は主タンク18の上部に取り付けられている。第1攪拌機33は、主タンク18内に配置された攪拌羽根33aを有する。
【0020】
めっき液供給装置20は、めっき液供給ライン21に取り付けられた循環ポンプ38、第1温度調節器39、開閉弁41、流量計42、およびフィルタ44をさらに備えている。循環ポンプ38を運転すると、主タンク18内のめっき液は、めっき液供給ライン21を通ってめっき槽2の内槽5に供給され、内槽5の側壁を溢流して外槽6に流入し、さらにめっき液戻りライン24を通って主タンク18に戻される。このようにして、循環ポンプ38の運転に伴って、めっき液はめっき槽2と主タンク18との間を循環する。めっき液供給ライン21を流れるめっき液の温度は、第1温度調節器39によって所定のめっき温度範囲内に調節される。めっき温度範囲は、めっき槽2での基板のめっきプロセスに基づいて予め決定される。一例では、めっき温度範囲は、25℃~45℃である。温度が調節されためっき液は、流量計42、フィルタ44、および流量調節弁26を通って、めっき槽2のそれぞれの内槽5に供給される。めっき液供給ライン21を通るめっき液の流量は、流量計42によって測定される。
【0021】
めっき液供給ライン21から圧力解放ライン48が分岐しており、圧力解放ライン48の先端は主タンク18の上部に接続されている。この圧力解放ライン48には圧力センサ49と圧力リリーフ弁50が取り付けられている。フィルタ44の詰まりなどの原因などによりめっき液供給ライン21内の圧力がある設定値を超えたときは、圧力リリーフ弁50が開き、めっき液供給ライン21を通るめっき液の一部は圧力解放ライン48を通って主タンク18に戻される。
【0022】
めっき液戻りライン24には、めっき液中の金属イオン(例えば、銅めっきの場合は銅イオン)の濃度を測定する第1濃度測定器54が取り付けられている。第1濃度測定器54は、動作制御部57に接続されており、金属イオンの濃度の測定値は第1濃度測定器54から動作制御部57に送信されるようになっている。動作制御部57は、めっき装置1およびめっき液供給装置20の動作を制御する。動作制御部57は、専用または汎用のコンピュータから構成されてもよい。
【0023】
めっき液供給装置20は、ミキシングタンク19内の補充めっき液の温度を測定する第2温度センサ60、ミキシングタンク19内の補充めっき液の液面レベルを測定する第2液面レベル検出器61、ミキシングタンク19内の補充めっき液を攪拌する第2攪拌機64、およびミキシングタンク19内の補充めっき液中の金属イオン濃度を測定する第2濃度測定器66を備えている。第2温度センサ60、第2液面レベル検出器61、第2攪拌機64、および第2濃度測定器66はミキシングタンク19の上部に取り付けられている。第2攪拌機64は、ミキシングタンク19内に配置された攪拌羽根64aを有する。
【0024】
めっき液供給装置20は、ミキシングタンク19を主タンク18に連結するめっき液補充ライン68をさらに備えている。めっき液補充ライン68には、混合ポンプ71、第2温度調節器73、補充弁74、および流量計75が取り付けられている。補充弁74は、通常は閉じられている。混合ポンプ71を運転させた状態で補充弁74を開くと、ミキシングタンク19で生成された高濃度の補充めっき液は、めっき液補充ライン68を通って主タンク18内に保持されためっき液に注入される。補充めっき液は、主タンク18内のめっき液中の金属イオンの濃度よりも高い金属イオンの濃度を有している。
【0025】
めっき液供給装置20は、めっき液補充ライン68から分岐する混合循環ライン77をさらに備えている。混合循環ライン77の一端はめっき液補充ライン68に接続されており、混合循環ライン77の他端はミキシングタンク19に接続されている。混合循環ライン77には混合循環弁78が取り付けられている。混合循環弁78は、通常は開かれている。補充弁74が閉じた状態で混合ポンプ71を運転すると、補充めっき液はミキシングタンク19、めっき液補充ライン68の一部、および混合循環ライン77を通って循環する。
【0026】
混合ポンプ71および第2温度調節器73は、混合循環ライン77よりも上流に位置している。補充めっき液は、ミキシングタンク19、めっき液補充ライン68の一部、および混合循環ライン77を通って循環しながら、補充めっき液の温度は第2温度調節器73によって調節される。一例として、補充めっき液の温度は、上述しためっき温度範囲よりも高い温度(例えば、80℃)に調整される。
【0027】
めっきシステムは、銅などの金属を少なくとも含む金属粉体をミキシングタンク19に供給する粉体供給装置80をさらに備えている。一例として、粉体供給装置80は、階下室に配置されており、クリーンルームからは隔離される。この粉体供給装置80は、ミキシングタンク19に接続されており、ある設定された量の金属粉体をミキシングタンク19内に投入するように構成されている。金属粉体を含んだめっき液は、ミキシングタンク19内で第2攪拌機64により攪拌されながら、ミキシングタンク19、めっき液補充ライン68の一部、第2温度調節器73、および混合循環ライン77を通って循環する。これにより、金属粉体はめっき液中に溶解され、高濃度の補充めっき液が生成される。
【0028】
ミキシングタンク19は、密閉されたタンクである。ミキシングタンク19の上部には排気ライン82が接続されている。この排気ライン82の一端はミキシングタンク19に連通しており、排気ライン82の他端は図示しない真空ポンプに接続されている。排気ライン82には、排気フィルタ83が取り付けられている。上述したように、ミキシングタンク19内の補充めっき液は、第2温度調節器73によってある程度の高温に維持されているため、補充めっき液から蒸気が発生する。この蒸気は排気ライン82内に流入し、排気フィルタ83によって捕捉される。さらに、排気フィルタ83は、粉体供給装置80からミキシングタンク19に供給された金属粉体の一部を捕捉することができる。排気フィルタ83には、めっき液に対する耐性を有するポリプロピレンなどの樹脂から構成された不織布を用いることができる。
【0029】
めっきシステムは、めっき液供給ライン21から分岐する引き抜きライン86と、引き抜きライン86に取り付けられた流量計87および引き抜き弁88をさらに備えている。引き抜きライン86の一端はめっき液供給ライン21に接続され、引き抜きライン86の他端はミキシングタンク19に接続されている。流量計87は引き抜きライン86を通るめっき液の流量を測定するように構成されている。引き抜き弁88は、通常は閉じられている。
【0030】
めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度が適切な範囲内にある(例えば、予め設定されたしきい値よりも高い)ときは、混合循環弁78は開かれた状態にあり、補充弁74は閉じられた状態にある。めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度がしきい値よりも低いとき、混合循環弁78は閉じられ、補充弁74が開かれる。この操作により、高濃度の補充めっき液が、ミキシングタンク19からめっき液補充ライン68を通って主タンク18に供給される。補充めっき液は、主タンク18内のめっき液と混合される。
【0031】
めっき液供給装置20について更に説明する。
図3は、本実施形態のめっき液供給装置の外観を示す斜視図であり、
図4は、本実施形態のめっき液供給装置の構成を示す概略図である。なお、
図3および
図4では、主タンク18などの図示を省略している。めっき液供給装置20における粉体供給装置80は、ホッパ133と、フィーダ130と、モータ131と、を有する。また、めっき液供給装置20は、密閉チャンバ124と、ホッパ133およびフィーダ130を収容するホッパ筐体210と、ミキシングタンク19および主タンク18を収容するタンク筐体260と、を有する。
【0032】
図5は、本実施形態の密閉チャンバ124の内部を示す図である。密閉チャンバ124には、酸化銅粉体を収容した粉体容器121が搬入される。密閉チャンバ124内には、粉体容器121を真空吸引により保持する真空クランプ161と、粉体容器121を振動させる振動装置(バイブレータ)165と、粉体容器121を支持する台座166とが配置されている。粉体容器121は、粉体導管146が下方を向いた状態で真空クランプ161および台座166に設置される。真空クランプ161はフレーム168に固定され、振動装置165は真空クランプ161に固定されている。真空クランプ161は、粉体容器121に接する防振ゴム161aを有している。この防振ゴム161aには真空が内部に形成される通孔(図示せず)が形成されている。振動装置165および真空クランプ161の動作は、
図1に示す動作制御部57によって制御される。
【0033】
真空クランプ161は、真空発生装置であるエジェクタ170に接続されている。エジェクタ170および振動装置165は、圧縮空気供給管172に接続されている。圧縮空気供給管172は2つに分岐しており、一方はエジェクタ170に、他方は振動装置165に接続されている。圧縮空気がエジェクタ170に送られると、エジェクタ170は真空クランプ161内に真空を形成し、粉体容器121は真空吸引によって真空クランプ161の防振ゴム161aに保持される。振動装置165は、圧縮空気によって作動する構造を有している。振動装置165は、真空クランプ161を通じて粉体容器121に振動を伝え、真空クランプ161に保持されている粉体容器121を振動させる。振動装置165は、粉体容器121の側面に直接接触してもよい。一実施形態では、振動装置165は、電動式振動装置であってもよい。
【0034】
密閉チャンバ124内には、粉体容器121に連結可能なホッパ133の投入口126が配置されている。粉体容器121の粉体導管146は、ホッパ133の投入口126に挿入される。粉体導管146と投入口126とが連結された状態でバルブ148が開かれると、粉体容器121内の酸化銅粉体は、粉体導管146を通って投入口126に流入し、最終的にホッパ133内に落下する。粉体容器121内の粉体導管146付近では、粉体の密度が高まって粉体容器121を閉塞するブリッジ現象が生じることがある。ブリッジ現象を防止するために、振動装置165は粉体容器121を振動させ、粉体容器121内の酸化銅粉体を流動化させる。
【0035】
図4に戻り、ホッパ133は、粉体容器121から供給された酸化銅粉体を収容する。ホッパ133は、全体的に円錐台形状を有しており、酸化銅粉体が下方に流れやすくなっている。ホッパ133の上端開口は、蓋141で覆われている。蓋141は、上述した粉体容器から酸化銅粉体が投入される投入口126と、排気口142とを有する。この排気口142は、ホッパ133の内部空間に連通すると共に、排気管144を通じて図示しない負圧源に接続している。排気管144には、バタフライ弁などの開閉弁144aが設けられると共に、排気口142と開閉弁144との間に着脱可能に構成されたダクト144bが設けられている。
【0036】
フィーダ130は、ホッパ133の下部の開口から供給された粉体をミキシングタンク19に向かって供給するように構成される。本実施形態では、フィーダ130は、供給管130bの内部にスクリュー(図示せず)を備えたスクリューフィーダーであるが、これに限らず、供給管130bの内部にベルトコンベアを用いたフィーダなど任意の機構を採用することができる。モータ131はフィーダ130に連結されており、フィーダ130を駆動するように構成される。ホッパ133およびフィーダ130は、ブラケット134に固定されており、さらにブラケット134は重量測定器140に支持されている。即ち、重量測定器140は、ホッパ133、フィーダ130、モータ131、およびホッパ133とフィーダ130の内部に存在する酸化銅粉体の総重量を測定するように構成されている。
【0037】
フィーダ130の出口は、ミキシングタンク19の上部に設けられた包囲カバー143によって囲まれる。モータ131がフィーダ130を駆動すると、ホッパ133内の酸化銅粉体は、フィーダ130によって包囲カバー143の内部に搬送されてミキシングタンク19内に落下する。粉体供給装置80は、包囲カバー143の内部からミキシングタンク19に向かって鉛直方向に延びる投入配管を有してもよい。投入配管は、好ましくは、帯電を防止する超高分子量ポリエチレン材料から構成される。フィーダ130と包囲カバー143との隙間から酸化銅粉体が飛散することを抑制するために、投入配管の内部に螺旋気流が生成されてもよい。
【0038】
重量測定器140は、モータ131の動作を制御する動作制御部57に接続されている。重量測定器140から出力された重量の測定値は、動作制御部57に送信され得る。動作制御部57は、めっき装置1(
図1参照)から送られる補給要求値を示す信号を受信し、酸化銅粉体の添加量が補給要求値に達するまで、モータ131を動作させる。モータ131はフィーダ130を駆動し、フィーダ130は、補給要求値に対応する量の酸化銅粉体をミキシングタンク19に添加する。
【0039】
本実施形態では、粉体供給装置80はホッパ筐体210に収容され、ミキシングタンク19はタンク筐体260に収容される。つまり、めっき液供給装置20のうち粉体供給装置80とミキシングタンク19とは、別々の筐体に収容される。
【0040】
ホッパ筐体210は、粉体供給装置80を収容する。具体的には、ホッパ筐体210は、ホッパ133と、フィーダ130と、モータ131とを収容する。また、本実施形態のホッパ筐体210は、ホッパ133およびフィーダ130を支持するブラケット134と、重量測定器140とを更に収容する。ホッパ筐体210は、一例としてポリエチレンなどの合成樹脂で形成される。ホッパ筐体210は、フィーダ130の出口をタンク筐体260内に挿入可能なように、フィーダ130の一部を外部に突出させた状態でフィーダ130を収容する。なお、フィーダ130は、少なくとも、ホッパ133の下方に位置してホッパ133から粉体を受ける部位がホッパ筐体210に収容される。また、ホッパ筐体210には、フィーダ130のホッパ筐体210から突出する部分(以下、「突出部」という)を覆うことができるカバー部材280が取り付けられている。カバー部材280は、伸縮可能に形成された筒状部材で構成される。一例として、カバー部材は、ポリプロピレンで形成され、伸縮が自在であり、3分の1~4分の1の長さに収縮できるものである。カバー部材280は、伸びることによってフィーダ130の突出部を収容するカバー状態となり、縮むことによってフィーダ130の突出部を露出させる露出状態となる。
図4に示すように、フィーダ130の出口がタンク筐体260内に収容された状態(接続状態)では、カバー部材280は縮められてフィーダ130の突出部はカバー部材280によって覆われない。一実施形態では、カバー部材280は、スパイラルワイヤバンドなどの配管バンド282(「ロック機構」の一例、
図7,
図8参照)によってタンク筐体260に取付可能に構成される。
【0041】
ホッパ筐体210の上部には密閉チャンバ124が載置され、密閉チャンバ124に収容される粉体容器121からホッパ133へ粉体が供給可能なようにホッパ筐体210と密閉チャンバ124とは連通している。
図6は、一実施形態のホッパ筐体210と密閉チャンバ124とを上方から見た斜視図である。図示するように、ホッパ筐体210の上面には、排気管144が設けられている。排気管144は、分岐して密閉チャンバ124とホッパ筐体210とに接続され、排気管144を通じて密閉チャンバ124とホッパ筐体210との内部に負圧が形成される。また、ホッパ筐体210の上面には、エジェクタ170および振動装置165に接続される圧縮空気供給管172が配置される。さらに、ホッパ筐体210の上面には、ホッパ筐体210内部の電気機器、例えば振動装置165、モータ131、動作制御部57に接続される電力線158と信号線159とが配置される。圧縮空気供給管172と電力線158と信号線159とには、エアコネクタと配線コネクタとが設けられ、接続を解除することができるように構成されている。
【0042】
一実施形態では、ホッパ筐体210の下部にはキャスタ220が取り付けられ、ホッパ筐体210は移動可能に構成される。キャスタ220には、キャスタ220による移動を不能にするためのキャスタロック222が設けられてもよい。なお、ホッパ筐体210は、キャスタに代えてスライドレールまたはヒンジなどの機構を備えて直線的または曲線的に移動可能に構成されてもよいし、移動するための機構を備えなくてもよい。
【0043】
図4を参照し、タンク筐体260は、ミキシングタンク19を収容する。また、本実施形態では、タンク筐体260は、主タンク18を収容する。タンク筐体260は、めっき液供給装置20の構成に加えて、めっき装置1の構成の少なくとも一部を収容してもよい。タンク筐体260は、一例としてポリエチレンなどの合成樹脂で形成される。タンク筐体260は、フィーダ130の出口を挿入可能なように開口が形成されている。
図3及び
図4に示す例では、タンク筐体260の下部には脚が取り付けられ、キャスタなど移動するための機構が取り付けられていない。ただし、タンク筐体260には、ホッパ筐体210に代えてまたは加えて、ホッパ筐体210を移動するための機構が取り付けられてもよい。
【0044】
一実施形態では、ホッパ筐体210とタンク筐体260とには、ホッパ筐体210とタンク筐体260とを接続状態で互いに係止するための筐体ロック機構270が設けられる。筐体ロック機構270は、打掛錠、インデックスプランジャ、フックロックなど、種々の機構を採用することができる。
【0045】
図7は、接続状態にあるときのめっき液供給装置の構成を示す概略図であり、
図8は、分離状態にあるときのめっき液供給装置の構成を示す概略図である。また、
図9は、分離状態にあるときのめっき液供給装置の外観を示す斜視図である。ホッパ筐体210とタンク筐体260とは、
図3、
図4、
図7に示すようにフィーダ130の出口がタンク筐体260内に収容された状態である接続状態と、
図8、
図9に示すようにフィーダ130の出口130cがタンク筐体260外に位置する分離状態とに状態を変更することができる。つまり、ホッパ筐体210とタンク筐体260とは、互いに対して分離可能に構成される。これにより、ホッパ筐体210とタンク筐体260とを分離状態にしてホッパ133またはフィーダ130をメンテナンスすることができる。
【0046】
めっき液供給装置20のメンテナンス方法として、ホッパ筐体210とタンク筐体260とを分離状態にする方法について説明する。
図10は、めっき液供給装置のメンテナンス方法の一例を示すフローチャートである。めっき液供給装置をメンテナンスするために、まず、排気管144の開閉弁144aを閉じ、ダクト144bを排気管144から取り外す(ステップS102)。ダクト144bは、一実施形態ではスパイラルワイヤバンドで排気管144に取り付けられており、スパイラルワイヤバンドを緩めて排気管144から取り外される。また、エアコネクタと配線コネクタとによる圧縮空気供給管172と電力線158と信号線159との接続を解除する(ステップS104)。
【0047】
次に、キャスタロック222によるロックを解除すると共に筐体ロック機構270によるホッパ筐体210とタンク筐体260との係止を解除する(ステップS106)。また、カバー部材280が、タンク筐体260に取り付けられていないときには、配管バンド282によってカバー部材280をタンク筐体260に取り付ける(ステップS108)。なお、カバー部材280をタンク筐体260に取り付けるための配管バンド282を備えないような場合には、作業者は、カバー部材280の端部をタンク筐体260に押し当てた状態としてもよい。そして、ホッパ筐体210を移動させてホッパ筐体210をタンク筐体260から分離させる(ステップS110)。これにより、フィーダ130の出口130cがタンク筐体260外に出されて、ホッパ筐体210とタンク筐体260とは分離状態となる(
図8、
図9参照)。このときには、
図9に示すように、ホッパ筐体210の移動に伴ってカバー部材280が伸びてカバー状態となり、カバー部材280によってフィーダ130の突出部が収容される。これにより、フィーダ130の突出部から、粉体が飛散してしまうことを防止できる。
【0048】
ホッパ筐体210とタンク筐体260とが分離状態とされた後に、カバー部材280をタンク筐体260から取り外す(ステップS112)。これにより、ホッパ筐体210を任意の場所に移動させて、ホッパ133およびフィーダ130などのメンテナンスを行うことができる。また、一実施形態では、カバー部材280は、フィーダ130の突出部を収容したカバー状態で、蓋284によって端部が閉塞されるとよい。
図11は、分離状態にあるホッパ筐体の外観の一例を示す斜視図である。図示するように、蓋284によってカバー部材280の端部を閉塞することにより、その後のメンテナンス作業においてもカバー部材280の端部から粉体が飛散することを防止できる。
【0049】
メンテナンス作業が終了すると、ホッパ筐体210とタンク筐体260とは再び接続状態にされるとよい。一例として、上記したホッパ筐体210とタンク筐体260とを分離状態にする方法と反対の工程を行うことで、ホッパ筐体210とタンク筐体260とを接続状態にすることができる。ただし、例えばフィーダ130のメンテナンス作業によってフィーダ130の出口130cから粉体が飛散するおそれがないような場合には、カバー部材280によってフィーダ130の突出部が収容されることなく、ホッパ筐体210とタンク筐体260とが接続状態にされてもよい。一実施形態では、ホッパ筐体210とタンク筐体260とが接続状態であるときには、カバー部材280の端部が配管バンド282によってタンク筐体260に取り付けられるとよい。
【0050】
本発明は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、めっきに使用されるめっき液を供給するためのめっき液供給装置が提案され、前記めっき液供給装置は、金属を含む粉体をめっき液に溶解させるように構成されるミキシングタンクと、前記ミキシングタンクを収容するタンク筐体と、前記粉体を収容するように構成されるホッパと、前記ホッパの下部に設けられた開口から前記ミキシングタンクに向かって前記粉体を供給するように構成されるフィーダと、前記ホッパを収容すると共に前記フィーダの一部を外部に突出させた状態で前記フィーダを収容するホッパ筐体であって、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体内に収容される接続状態と、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体外に位置する分離状態とに状態を変更可能であるホッパ筐体と、前記ホッパ筐体に取り付けられ、前記フィーダの前記一部を収容するカバー状態と前記フィーダの前記一部を露出させる露出状態とに状態を変更可能であるカバー部材と、を備える。
形態1によれば、粉体の飛散をできる限り防止してメンテナンスを行うことができる。
【0051】
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記カバー部材は、伸縮可能に形成された筒状部材で構成される。
形態2によれば、カバー部材を伸縮させて、カバー状態と露出状態とに変更することができる。
【0052】
[形態3]形態3によれば、形態2において、前記カバー部材は、前記筒状部材における端部を閉塞可能である蓋を有する。
形態3によれば、カバー部材によってフィーダの一部を収容して、蓋によって端部を閉塞することができる。
【0053】
[形態4]形態4によれば、形態1から3において、前記カバー部材を前記タンク筐体に係止するロック機構を更に備える。
形態4によれば、カバー部材をタンク筐体に係止させて、ホッパ筐体とタンク筐体とを分離状態にすることができる。
【0054】
[形態5]形態5によれば、形態1から4において、前記ホッパ筐体は、キャスタを有し、前記キャスタにより移動することで前記接続状態と前記分離状態とに状態を変更する。
形態5によれば、ホッパ筐体を容易に移動させることができる。
【0055】
[形態6]形態6によれば、形態1から5において、前記接続状態で前記ホッパ筐体と前記タンク筐体とを係止する筐体ロック機構を更に備える。
形態6によれば、ホッパ筐体とタンク筐体とが意図せず分離状態となることを抑制できる。
【0056】
[形態7]形態7によれば、形態1から6において、めっき液を収容してめっき槽との間でめっき液を循環させるための主タンクを更に備える。
【0057】
[形態8]形態8によれば、めっきシステムが提案され、前記めっきシステムは、形態1から7のいずれかのめっき液供給装置と、基板をめっきするためのめっき槽と、前記めっき液供給装置と前記めっき槽とに接続されるめっき液供給ラインと、を備える。
形態8によれば、形態1から7と同様の効果を奏することができる。
【0058】
[形態9]形態9によれば、形態1から7のめっき液供給装置におけるメンテナンス方法が提案され、前記メンテナンス方法は、前記カバー部材が前記タンク筐体に取り付けられた状態で、前記ホッパ筐体の状態を前記接続状態から前記分離状態へと変更し、前記フィーダの前記一部を前記カバー部材によって収容し、前記カバー部材を前記タンク筐体から取り外すことを含む。
形態9によれば、形態1から7と同様の効果を奏することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
【符号の説明】
【0060】
W…基板
1…めっき装置
2…めっき槽
18…主タンク
19…ミキシングタンク
20…めっき液供給装置
21…めっき液供給ライン
57…動作制御部
68…めっき液補充ライン
71…混合ポンプ
77…混合循環ライン
80…粉体供給装置
121…粉体容器
124…密閉チャンバ
126…投入口
130…フィーダ
130b…供給管
130c…出口
131…モータ
133…ホッパ
172…圧縮空気供給管
210…ホッパ筐体
220…キャスタ
260…タンク筐体
270…筐体ロック機構
280…カバー部材
282…配管バンド(ロック機構)
284…蓋
【要約】
粉体の飛散をできる限り防止してメンテナンスを行うことができるめっき液供給装置およびメンテナンス方法を提供する。
めっきに使用されるめっき液を供給するためのめっき液供給装置は、ホッパを収容すると共にフィーダの一部を外部に突出させた状態で前記フィーダを収容するホッパ筐体であって、前記フィーダの前記一部がタンク筐体内に収容される接続状態と、前記フィーダの前記一部が前記タンク筐体外に位置する分離状態とに状態を変更可能であるホッパ筐体と、前記ホッパ筐体に取り付けられ、前記フィーダの前記一部を収容するカバー状態と前記フィーダの前記一部を露出させる露出状態とに状態を変更可能であるカバー部材と、を備える。