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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】光照射方法及び光照射装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240725BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01L21/30 571
G03F7/40 501
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023028974
(22)【出願日】2023-02-27
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011226
【氏名又は名称】AIメカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健治
(72)【発明者】
【氏名】末兼 大輔
(72)【発明者】
【氏名】稲尾 吉浩
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-001251(JP,A)
【文献】特開2019-45646(JP,A)
【文献】特開2017-037169(JP,A)
【文献】特開平06-104169(JP,A)
【文献】特開2022-093112(JP,A)
【文献】特開昭63-062232(JP,A)
【文献】特開2013-069962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されたレジスト膜に対して露光及び現像することでパターンを形成することと、
前記パターンに対して光源を移動させつつ、前記光源から光を照射して前記パターンを硬化させることと、を含み、
前記光源から光を照射する際、前記光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の両方又はいずれかの位置である照射位置において、所定時間、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射することを含み、
前記照射位置は、平面視において前記基板と重ならない位置に設けられている、光照射方法。
【請求項2】
前記光源は、基板までの距離を維持しながら移動する、請求項1に記載の光照射方法。
【請求項3】
平面視において、前記スタート位置から基板までの距離と、前記エンド位置から基板までの距離は同一である、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項4】
前記スタート位置及び前記エンド位置の双方で、前記所定時間、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射し、
前記スタート位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間と、前記エンド位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間とが異なる、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項5】
前記エンド位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間は、前記スタート位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間よりも短い、請求項4に記載の光照射方法。
【請求項6】
前記スタート位置及び前記エンド位置の双方で、前記所定時間、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射し、
前記スタート位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間と、前記エンド位置で前記光源の移動を停止する前記所定時間とは同一である、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項7】
前記光源は、基板上を往復移動し、
往路と復路との切替位置において、前記所定時間、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射する、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項8】
前記切替位置は、平面視において基板から外れた位置に設定される、請求項7に記載の光照射方法。
【請求項9】
前記光源は、前記往路と前記復路とで移動速度及び加速度が同一である、請求項7に記載の光照射方法。
【請求項10】
前記光源は、管状のものが用いられ、
前記光源は、前記光源の長手方向と直交する方向に移動する、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項11】
前記光源は、前記長手方向の長さが基板の直径よりも大きい、請求項10に記載の光照射方法。
【請求項12】
前記光源から光を照射する際、前記光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方において、0秒以上10秒以下、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射することを含む、請求項1又は請求項2に記載の光照射方法。
【請求項13】
基板上に形成されたレジストパターンに対して光源から光を照射させることで前記レジストパターンを硬化させる光照射装置であって、
前記光を照射する前記光源と、
前記レジストパターンに対して前記光源を移動させつつ、前記光源から前記光を照射させることで前記レジストパターンを硬化させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記光源から光を照射させる際に、前記光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の両方又はいずれかの位置である照射位置において前記光源の移動を停止させた状態で所定時間だけ前記光源から前記光を照射させ、前記照射位置は、平面視において前記基板と重ならない位置に設けられている、光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射方法及び光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レジストパターン形成後の製造工程におけるレジストの耐熱性等の性能向上のために、基板に形成したレジスト膜を露光した後、レジスト材料を硬化させる際に、紫外線が照射される。このとき、紫外線を照射する光源を備えた照射ユニットを、基板に対して移動させる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、基板に対して光源を移動させながら、基板上に形成されたレジスト膜のスキャン露光を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-37169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたような構成では、基板に対して光源を移動させながらスキャン露光を行う際、基板に対する光源の移動方向における基板の両端部に対し、基板の中央部に対する光の照射量が多くなる傾向がある。このため、基板上に照射される光の光量の分布が不均一となり、基板面内におけるレジスト材料の硬化度合にバラツキが生じる等に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、基板に対する光の照射量の均一化を図ることが可能な光照射方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様では、基板上に対して光源を移動させつつ、前記光源から光を照射して前記パターンを硬化させることと、を含み、前記光源から光を照射する際、前記光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の両方又はいずれかの位置である照射位置において、所定時間、前記光源の移動を停止した状態で前記光源から光を照射することを含み、前記照射位置は、平面視において前記基板と重ならない位置に設けられている、光照射方法が提供される。また、本発明の第2態様では、基板上に形成されたレジストパターンに対して光源から光を照射させることで前記レジストパターンを硬化させる光照射装置であって、前記光を照射する前記光源と、前記レジストパターンに対して前記光源を移動させつつ、前記光源から前記光を照射させることで前記レジストパターンを硬化させる制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記光源から光を照射させる際に、前記光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の両方又はいずれかの位置である照射位置において前記光源の移動を停止させた状態で所定時間だけ前記光源から前記光を照射させ、前記照射位置は、平面視において前記基板と重ならない位置に設けられている、光照射装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光源の移動におけるスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方において、所定時間、光源の移動を停止した状態で光源から光を照射する。これにより、光源の移動方向においてスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方に近い位置における、基板に対する光源からの光の照射量が多くなる。従って、基板に対する光の照射量の均一化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る光照射装置の一例を示す立面図である。
図2】光照射装置の一例を示す平面図である。
図3】光照射装置の一例を示す側面図である。
図4】光照射装置の制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る光照射方法の流れを示す図である。
図6】光源を基板に対して移動させつつ、光源から光を照射する際の、スタート位置、エンド位置を示す図である。
図7】往路のスタート位置、復路のエンド位置となる第1位置に、光源が位置している状態を示す平面図である。
図8】往路のエンド位置、復路のスタート位置となる第2位置に、光源が位置している状態を示す平面図である。
図9】光源がホームポジションに位置している状態を示す平面図である。
図10】第1照射工程及び第2照射工程の各々における光源による照射動作の流れを示す図である。
図11】実施例1及び実施例2における、基板に対する光の照射量の分布の計測結果を示す図である。
図12】実施例3及び実施例4における、基板に対する光の照射量の分布の計測結果を示す図である。
図13】実施例5及び実施例6における、基板に対する光の照射量の分布の計測結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこの実施形態に限定されない。また、図面においては実施形態の各構成をわかりやすくするために、一部を大きく又は強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実際の構造又は形状、縮尺等が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ直交座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ直交座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において基板100に対する光照射ユニット5のスキャン方向に平行な方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面に垂直な方向をZ方向(上下方向)と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0010】
<光照射装置>
実施形態に係る光照射装置1について説明する。図1は、実施形態に係る光照射装置の一例を示す立面図である。図2は、光照射装置の一例を示す平面図である。図3は、光照射装置の一例を示す側面図である。光照射装置1は、基板上に形成されたレジスト膜に対し、紫外線を含む光を照射する。図1図3に示すように、光照射装置1は、チャンバー部2と、光照射ユニット5と、制御装置7と、を主に備える。光照射装置1は、ステージ20に載置した基板100に対し、光照射ユニット5から紫外線を含む光を照射する。
【0011】
チャンバー部2はステージ20と、扉22と、天窓24とを備える。チャンバー部2は、不活性ガス(例えば、窒素)をチャンバー内に供給するガス供給ライン23aと、チャンバー内に供給された不活性ガスをチャンバー外に排出するガス排出ライン23bとが接続される。天窓24は、チャンバー部2の上部を覆うように設けられており、例えば石英等の材質により形成されている。扉22は、チャンバー部2の-X側の側面の一部に、Z方向に移動可能に設けられている。扉22は、基板100をチャンバー部2に搬入又はチャンバー部2から搬出する際に、下方(-Z方向)に移動し、チャンバー開口部21を形成する。基板100の搬入、搬出後は、扉22が上方(+Z方向)に移動し、チャンバー開口部21が閉じられる。
【0012】
ステージ20は、加熱装置26と、吸着部27と、を備える。ステージ20は、基板100を載置する。本実施形態では、基板100は、平面視において(上方から見て)、例えば円形状の円形基板であるが、円形基板に限定されず、平面視において、矩形状(長方形状、正方形状)の角形基板、楕円形状、長円形状等であってもよい。図1図3に示すように、ステージ20は、側面視において(-Y側から見て)凹形状をしている。また、上方から見て例えば円形状であるが、この形態に限定されず、例えば、矩形状(長方形状、正方形状)、多角形状、円形状、楕円形状、長円形状等であってもよい。ステージ20は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等の材質により形成されている。ステージ20は、基板100より大きい外径寸法に設定されている。
【0013】
加熱装置26は、例えば、内部に電熱線等の熱源を有するホットプレートである。なお、加熱装置26は、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。加熱装置26は、ステージ20を所定の温度に加熱することで、ステージ上に支持される基板100を加熱する。
【0014】
図3に示すように、吸着部27は、ステージ20に形成された基板吸着溝27mを有する。基板吸着溝27mは、ステージ20の上面に同心円状に複数形成される。複数の基板吸着溝27mは、ステージ20の内部に形成された吸着流路27rを介し、真空ポンプ(図示無し)等の負圧発生源に接続される。真空ポンプで発生した負圧を複数の基板吸着溝27mに作用させることで、ステージ20上に載置された基板100は吸着保持される。
【0015】
基板リフト部4は、ステージ20の下方に設けられる。基板リフト部4は、ステージ20の上方において基板100を支持し、この基板100を昇降させる。基板リフト部4は、複数のリフトピン41と、移動部42と、リフトピン駆動部43と、を有する。複数のリフトピン41は、例えばステージ20の中央部に配置される。複数のリフトピン41は、基板100の中央部に下方から突き当たることで、基板100を支持する。リフトピン41は、ステージ20をZ方向に貫通する。複数のリフトピン41の上端の高さは同一又はほぼ同一に揃えられている。リフトピン41は、例えば、非導電性を有する材質(例えば樹脂、金属、セラミックスなど)で形成されてもよい。
【0016】
移動部42は、複数のリフトピン41の下端に連結されている。リフトピン駆動部43は、移動部42、及び複数のリフトピン41をZ方向に昇降させる。リフトピン駆動部43は、例えば電動の回転モータ、リニアモータ、エアシリンダ装置、油圧シリンダ装置などが用いられ、図示しない伝達機構により駆動力が移動部42に伝達される。複数のリフトピン41は、リフトピン駆動部43により、ステージ20の上面41aから上方に出没する。移動部42を下降させた状態では、複数のリフトピン41は、ステージ20の上面から突出していない。
【0017】
複数のリフトピン41が、ステージ20の上面41aより上方に突出していない状態では、基板100は、ステージ20の上面41aに接触する。リフトピン駆動部43を伸長させ、複数のリフトピン41をステージ20の上面41aから上方に突出させると、ステージ20上に載置された基板100が、複数のリフトピン41によって上方にリフトアップされ、ステージ20の上面41aから上方に離間する。
【0018】
光照射ユニット5は、ステージ20の上方に設けられる。図1図3に示すように、光照射ユニット5は、ステージ20に支持されるステージ20上の基板100に光を照射する。光照射ユニット5は、フレーム51と、フレーム支持部51aと、光源52と、シャッター53と、を主に備える。フレーム51は、光源52を囲むように配置される。フレーム支持部51aは、架台25上に設けられる一対のガイド部材28に沿って、X方向に移動可能に設けられる。
【0019】
一対のガイド部材28は、X方向から見て、ステージ20に対してY方向の両側に配置される。各ガイド部材28は、X方向に延びる。各ガイド部材28は、例えば、リニアガイドである。各ガイド部材28は、リニアガイドに限らず、ガイドレール等であってもよい。各ガイド部材28上には、スライドベース29が設けられる。スライドベース29は、ボールネジ等の駆動機構(図示無し)により、ガイド部材28に沿ってX方向にスライド移動可能に設けられる。フレーム支持部51aは、一対のスライドベース29上に支持される。これにより、光照射ユニット5は、一対のスライドベース29の移動により、スライドベース29と一体にX方向にスライド移動可能に構成される。光照射ユニット5は、後述の光源52の長手方向(Y方向)と直交するX方向に移動する。
【0020】
光源52は、基板100に対して紫外線及び可視光線の一方又は両方の光を照射する。光源52としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、又はメタルハライドランプ等が挙げられる。光源52は、ステージ20上の基板100に対し、上方に離間した位置に配置される。光源52は、管状で、Y方向に延びる。光源52は、長手方向(Y方向)の長さが基板100の直径よりも大きい。光源52は、紫外線及び可視光線の一方又は両方の光を、下方に向けて照射する。光源52は、フレーム支持部51aに、適宜のブラケット(図示無し)を介して支持される。光源52は、フレーム支持部51aと一体に、光源52の長手方向(Y方向)と直交するX方向にスライド移動する。これにより、光源52は、ステージ20上の基板100に対し、光をX方向にスキャンさせながら照射可能とされる。また、光源52の出力は、50~100%が好ましく、55~70%がより好ましい。
【0021】
シャッター53は、光照射ユニット5内に、+X方向、-X方向に移動可能に設けられている。基板100に対して、光源52からの紫外線及び可視光線の一方又は両方の光を照射しない場合は、閉じられており(図1参照)、照射する場合は、中央より+X方向、-X方向に移動して両開きとなるように設けられている。
【0022】
光照射ユニット5は、ステージ20上の基板100と、光源52との間に、シャッター(図示無し)を備えている。シャッターは、光源52からの光が基板100に至る光路を開閉する。図1図3に示すように、光照射ユニット5は、ステージ20上の基板100と、光源52との間に、フィルタ200を備えていてもよい。フィルタ200は、光源52から照射される光(紫外線及び可視光線の一方又は両方)の一部の波長域を減衰させるバンドパスフィルタである。本実施形態では、フィルタ200として、例えば、波長330nm以上の領域の光を減衰させるフィルタ200と、波長330nm未満の領域を減衰させるフィルタ200とが選択的に使用可能である。
【0023】
フィルタ200は、例えば、光照射ユニット5内に位置した状態と、光照射ユニット5内からX方向に退避した状態との間で、移動可能とされる。光照射ユニット5内に位置した状態では、フィルタ200は、光源52とステージ20上の基板100との間に配置される。この状態で、光源52からの光は、フィルタ200を透過して基板100に照射される。光照射ユニット5内からX方向に退避した状態では、フィルタ200は、光源52とステージ20上の基板100との間の位置からX方向に退避する。この状態で、光源52からの光は、フィルタ200を透過せず、直接基板100に照射される。なお、フィルタ200は、光照射ユニット5内の所定位置に着脱可能としてもよい。
【0024】
図4は、光照射装置の制御装置の機能構成を示すブロック図である。図4に示す制御装置7は、光照射装置1の各部の動作を制御する。制御装置7は、ステージ20の動作を制御するステージ制御部71と、光照射ユニット5の動作を制御する照射制御部72と、を備える。ステージ制御部71は、加熱装置26による加熱動作、吸着部27による吸着動作、リフトピン駆動部43による基板100の昇降動作を制御する。照射制御部72は、光源52による光の照射動作、スライドベース29の駆動機構による光照射ユニット5の移動動作等を制御する。
【0025】
<光照射方法>
図5は、実施形態に係る光照射方法の流れを示す図である。図5に示すように、本実施形態の光照射方法は、パターンを形成する工程S1と、パターンを硬化させる工程S2と、を含む。以下、簡単に工程S1及び工程S2を説明する。
【0026】
パターンを形成する工程S1では、基板100上に形成されたレジスト膜に対して露光及び現像することでパターンを形成する。工程S1では、レジスト組成物を用いて基板100に形成したレジスト膜を露光した後、現像によりパターニングしてパターン(プレパターン)を形成する。なお、本発明において「パターン」とは、工程S1で形成されるレジストパターンをいう。
【0027】
まず、基板100上に、レジスト組成物をスピンナーなどで塗布する。次いで、レジスト組成物が塗布された基板100に対し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を施す。
【0028】
次に、基板100上に形成されたレジスト膜に対し、紫外線を発光する光源、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ等を用い、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介して選択的露光を行う。その後、露光後のレジスト膜を現像処理する。
【0029】
その後、露光後のレジスト膜を現像する。現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。また、現像処理後又はリンス処理後、加熱(ポストベーク)処理を施してもよい。これにより、基板100上に形成されたレジスト膜にパターンが形成される。
【0030】
パターンを硬化させる工程S2では、紫外線及び可視光線の一方又は両方を照射して基板100上に形成されたパターンを硬化させる。
【0031】
パターンを硬化させる工程S2は、基板加熱工程S21と、照射工程S22と、を含む。なお、照射工程S22において、第1照射工程と第2照射工程とを設け、フィルタを光源52とステージ20上の基板100との間に進退可能に備えて、照射する光の波長域が異なるようにしてもよい。第1照射工程と第2照射工程とを設けた場合、各工程で照射に際しての光源52から基板100までの距離が異なるようにしてもよい。
【0032】
基板加熱工程S21では、まず、光源52からの光の照射に先立って、外部の基板搬送装置等(図示無し)が、基板100をステージ20に載置する。次いで、ステージ20に基板100を載置した際、ステージ20に備える吸着部27により、基板100をステージ20に吸着させる。その後、ステージ20に備える加熱装置26により、基板100を加熱する。
【0033】
照射工程S22では、ステージ20に載置した基板100に対して光源52からの光を照射する。照射工程S22では、基板100上のパターンに光を照射することで、パターンの表層部を硬化させる。
【0034】
また、照射工程S22で、基板リフト部4のリフトピン41によって基板100をステージ20から上昇させて、基板100に光を照射することとしてもよい。
【0035】
このように、基板100をステージ20から上昇させることで、光源52までの距離が、小さくなり、その結果、光源52からの光によって加熱される基板100の温度が、高くなる。これにより、基板100上のパターンの全体がより確実に硬化する。
【0036】
図6は、光源を基板に対して移動させつつ、光源から光を照射する際の、スタート位置、エンド位置を示す図である。図6に示すように、光照射ユニット5で基板100に光を照射する際、光照射ユニット5は、光源52を、X方向に沿って基板100を跨ぐように往復させながら、光を照射する。このとき、光源52は、ステージ20上の基板100の中央部に対して、X方向の一方側(例えば+側)に、所定距離Z1だけ離間した第1位置P1と、X方向の他方側(例えば-側)に、所定距離Z2だけ離間した第2位置P2と、の間を往復しながら、光を照射する。
【0037】
光源52は、第1位置P1から第2位置P2に向かって移動する往路と、第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する復路とを移動する。往路と復路とは、第2位置P2を切替位置として切り替わる。往路と復路との双方で、光源52のX方向における移動速度、及び加速度は同一である。なお、往路と復路とで、光源52のX方向における移動速度、及び加速度は異なっていてもよい。
【0038】
光源52は、第1位置P1から第2位置P2に向かって移動する往路において、第1位置P1をスタート位置とし、第2位置P2をエンド位置とする。光源52は、第2位置P2から第1位置P1に向かって移動する復路において、第2位置P2をスタート位置とし、第1位置P1をエンド位置とする。往路、復路の各々において、スタート位置及びエンド位置の少なくとも一方は、平面視において基板100から外れた位置に設定されることが好ましい。
【0039】
図7は、往路のスタート位置、復路のエンド位置となる第1位置に、光源が位置している状態を示す平面図である。図8は、往路のエンド位置、復路のスタート位置となる第2位置に、光源が位置している状態を示す平面図である。図6図7に示すように、本実施形態では、往路のスタート位置、及び復路のエンド位置となる第1位置P1は、平面視において基板100からX方向の一方側に外れた位置に設定される。図6図8に示すように、往路のエンド位置、及び復路のスタート位置となる第2位置P2は、平面視において基板100からX方向の他方側に外れた位置に設定される。
【0040】
平面視において、スタート位置から基板100の中央部までの距離と、エンド位置から基板100までの距離は同一である。つまり、第1位置P1から基板100の中央部までの距離Z1と、第2位置P2から基板100の中央部までの距離Z2は同一である。なお、この距離Z1と距離Z2とは異なっていてもよい。ここで、距離Z1、Z2は、過度に大きくすると、第1位置P1と第2位置P2との間における光源52の移動ストロークが大きくなり、基板100の照射に要する時間(タクトタイム)の増大に繋がる。距離Z1、Z2を小さくしすぎると、後述するように、第1位置P1、第2位置P2で、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射したときに、光が基板100の中央部にまで及んでしまう可能性がある。従って、距離Z1、Z2は、例えば25mm程度に設定するのが好ましい。
【0041】
光源52から光を照射する際、光源52は、光源52の移動におけるスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方において、所定時間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。本実施形態では、スタート位置及びエンド位置の双方で、所定時間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。具体的には、光源52は、往路のスタート位置となる第1位置P1で、予め設定された所定時間T1の間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した後、第2位置P2に向けて移動する。
【0042】
光源52は、往路のエンド位置となる第2位置P2で、予め設定された所定時間T2の間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。光源52は、復路のスタート位置となる第2位置P2で、予め設定された所定時間T3の間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した後、第1位置P1に向けて移動する。光源52は、復路のエンド位置となる第1位置P1で、予め設定された所定時間T4の間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。
【0043】
本実施形態において、往路のスタート位置(第1位置P1)で光源52の移動を停止する所定時間T1と、エンド位置(第2位置P2)で光源52の移動を停止する所定時間T2とは異なることが好ましい。また、復路のスタート位置(第2位置P2)で光源52の移動を停止する所定時間T3と、エンド位置(第1位置P1)で光源52の移動を停止する所定時間T4とは異なることが好ましい。なお、上記の時間T1、T2、T3、T4は、互いに同一でもよい。
【0044】
光源52の移動におけるスタート位置及びエンド位置において、所定時間T1~T4の間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射することで、光源52の移動方向(X方向)における基板100の一方側の端部100a、及び他方側の端部100bに対する光の照射量が増大する。所定時間T1~T4を長くするほど、基板100の端部100a、100bに対する光の照射量が増大する。しかし、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する所定時間T1~T4は、過度に長くすると、基板100の照射に要する時間(タクトタイム)の増大に繋がる。また、所定時間T1~T4の合計が短すぎると、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射するによる効果が低減する。従って、所定時間T1~T4は、例えば0~7秒程度とするのが好ましい(但し、T1~T4が全て0秒を除く)。所定時間T1~T4は、例えば0.3~5秒程度とするのが、特に好ましい。なお、この所定時間T1~T4は、光源52から照射される光の強度、基板100の直径等によっても変動し得るため、上記の数値例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0045】
このようにして、光源52は、基板100上を往復移動し、往路と復路との切替位置となる第2位置P2において、所定時間T5、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。また、往路と復路との切替位置となる第2位置で、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する所定時間T5は、往路のエンド位置で光源52が移動を停止する所定時間T2と、復路のスタート位置で光源52が移動を停止する所定時間T3との和(T5=T2+T3)となる。
【0046】
図9は、光源がホームポジションに位置している状態を示す平面図である。図6図9に示すように、照射工程S22における照射動作の開始に際し、光照射ユニット5(光源52)は、ステージ20上の基板100の中央部に対して、第1位置P1よりもX方向の一方側(例えば+側)に離間したホームポジションP0に位置している。
【0047】
図10は、照射工程S22の各々における光源52による照射動作の流れを示す図である。図10に示すように、照射工程S22における照射動作が開始すると、まず、照射制御部72は、駆動機構(図示無し)によってスライドベース29をガイド部材28に沿ってX方向の他方側に移動させ、図7に示すように、光源52を、ホームポジションP0から第1位置P1に移動させる(ステップS101)。次いで、照射制御部72は、シャッター(図示無し)を開き、光源52からステージ20上の基板100に対する光の照射を開始する(ステップS102)。
【0048】
照射制御部72は、往路のスタート位置となる第1位置P1で、所定時間T1、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する(ステップS103)。所定時間T1の経過後、照射制御部72は、光源52を、スタート位置となる第1位置P1からエンド位置となる第2位置P2に向けて、予め設定された所定の移動速度及び加速度で移動させる(ステップS104)。図8に示すように、照射制御部72は、光源52が第2位置P2に到達したら、光源52の移動を停止させる。そして、往路のエンド位置となる第2位置P2で、所定時間T2、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する(ステップS105)。
【0049】
続いて、照射制御部72は、光源52の移動方向を往路から復路へと切り替える(ステップS106)。そして、復路のスタート位置となる第2位置P2で、所定時間T3、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する(ステップS107)。所定時間T3の経過後、照射制御部72は、光源52を、スタート位置となる第2位置P2からエンド位置となる第1位置P1に向けて、予め設定された所定の移動速度及び加速度で移動させる(ステップS108)。図7に示すように、照射制御部72は、光源52が第1位置P1に到達したら、光源52の移動を停止させる。
【0050】
そして、復路のエンド位置となる第1位置P1で、所定時間T4、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する(ステップS109)。この後、基板100への光の照射を繰り返すのであれば、ステップS102に戻り、一連の処理を繰り返す。基板100への光の照射を繰り返さない場合、照射制御部72は、光源52を、第1位置P1からホームポジションP0に移動させる。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る光照射装置1は、光源52の移動におけるスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方において、所定時間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射する。これにより、光源52の移動方向においてスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方に近い位置における、基板100に対する光源52からの光の照射量が多くなる。従って、基板100に対する光の照射量の均一化を図ることが可能となり、パターンを均質に形成することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に限定されない。上記した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。上記した実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態において示した各動作の実行順序は、前の動作の結果を後の動作で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「先ず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。例えば、上記した実施形態では、フィルタ200を光照射ユニット5に装着する構成について言及したが、その具体的な構成は適宜設定可能である。
【0053】
(実施例)
次に、上記したような光照射方法について、実施例とその結果を以下に示す。本実施例にて使用したレジスト組成物(1)を以下に示す。
【0054】
レジスト組成物(1):
下記のアルカリ可溶性樹脂100質量部と、感度向上剤10質量部と、感光性成分23質量部と、を有機溶剤429質量部に均一に溶解した後、これを孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過し、レジスト組成物を調製した。
アルカリ可溶性樹脂:m-クレゾール35モル%とp-クレゾール65モル%との混合物に、シュウ酸とホルムアルデヒドとを加え縮合反応して得られた質量平均分子量(Mw)4000のクレゾールノボラック樹脂、に分別処理を施して得られた、Mw=4500、フェノール類の2核体含有量が約6モル%のクレゾールノボラック樹脂を使用した。
感度向上剤:下記化学式(V)で表されるフェノール化合物。
感光性成分:下記化学式(VIII)で表される化合物1モルと、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロリド(以下「5-NQD」と記述する)2.34モルと、のエステル化物(エステル化率59モル%)。
有機溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
【0055】
【化1】
【0056】
<評価>
上記のレジスト組成物(1)を用い、以下のようにしてレジストパターンを形成し、各評価を行った。
【0057】
[レジストパターンの形成]
工程(1):
レジスト組成物(1)を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した直径100mmのシリコンウェハ(基板100)上に、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、90秒間プレベークして乾燥させることにより、膜厚2.5μmのレジスト膜を形成した。次いで、露光装置(商品名G7E、株式会社ニコン製;NA0.54)により、所定のマスクパターンを介して露光した。その後、温度23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間のアルカリ現像を行った。その結果、ライン&スペースのプレパターンが形成された。
【0058】
ステージ中央部に対し、X方向の両側にそれぞれ75mmずつ離れた位置に、往路のスタート位置、及び復路のエンド位置となる第1位置P1と、往路のエンド位置、及び復路のスタート位置となる第2位置P2とを設定した。光源52として、長手方向(Y方向)における長さが、基板100の直径(100mm)よりも大きい500mmのものを用意した。第1位置P1と第2位置P2との間で光源52をX方向に150mmの範囲で、10mm/sの移動速度で往復させつつ、光源52から基板100に紫外線を照射した。光源52の出力は、波長250nmセンサーを用いて測定し70mw/cmに設定し60%とした。
【0059】
実施例1では、往路のスタート位置(第1位置P1)、往路のエンド位置(第2位置P2)、復路のスタート位置(第2位置P2)、復路のエンド位置(第1位置P1)で、それぞれ3秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。実施例2では、往路のスタート位置(第1位置P1)、往路のエンド位置(第2位置P2)、復路のスタート位置(第2位置P2)、復路のエンド位置(第1位置P1)で、それぞれ4秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。比較例として、往路のスタート位置(第1位置P1)、往路のエンド位置(第2位置P2)、復路のスタート位置(第2位置P2)、復路のエンド位置(第1位置P1)で、それぞれ光源52の移動を停止させず、往路と復路で光源52から光を照射した。
【0060】
実施例1、2、及び比較例のそれぞれにおいて、光源52から照射された波長254nmの光の積算光量(mJ/cm2)の分布を測定した。積算光量の測定は、図6に示すように、基板100のX方向の一方側の端部100aに対応する位置X1、基板100のX方向の中央部に対応する位置X2、基板100のX方向の他方側の端部100bにおける位置X3の3点で行った。その結果を、表1、及び図11に示す。
【0061】
実施例3では、基板100として直径6インチのものを用意した。実施例3では、往路のスタート位置(第1位置P1)で2.5秒間、往路のエンド位置(第2位置P2)で0.5秒間、復路のスタート位置(第2位置P2)で2.5秒間、復路のエンド位置(第1位置P1)で、0.5秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。実施例4では、基板100として実施例3と同様のものを用意した。実施例4では、往路のスタート位置(第1位置P1)で1.5秒間、往路のエンド位置(第2位置P2)で0秒間、復路のスタート位置(第2位置P2)で1.5秒間、復路のエンド位置(第1位置P1)で、0秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。
【0062】
実施例3、4のそれぞれにおいて、光源52から照射された波長254nmの光の積算光量(mJ/cm2)の分布を測定した。積算光量の測定は、基板100の中央部を0mmとして、基板100の-X方向の端部に向かって、-40mmの位置、-65mmの位置、基板100の+X方向の端部に向かって、40mmの位置、65mmの位置、の5点で行った。その結果を表2及び図12に示す。
【0063】
実施例5では、基板100として直径8インチのものを用意した。実施例5では、往路のスタート位置(第1位置P1)で4.5秒間、往路のエンド位置(第2位置P2)で0.5秒間、復路のスタート位置(第2位置P2)で4.5秒間、復路のエンド位置(第1位置P1)で、0.5秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。実施例6では、基板100として実施例5と同様のものを用意した。実施例6では、往路のスタート位置(第1位置P1)で3秒間、往路のエンド位置(第2位置P2)で0秒間、復路のスタート位置(第2位置P2)で3秒間、復路のエンド位置(第1位置P1)で、0秒間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した。
【0064】
実施例5、6のそれぞれにおいて、光源52から照射された波長254nmの光の積算光量(mJ/cm2)の分布を測定した。積算光量の測定は、基板100の中央部を0mmとして、基板100の-X方向の端部に向かって、-40mmの位置、-65mmの位置、-90mmの位置、基板100の+X方向の端部に向かって、40mmの位置、65mmの位置、90mmの位置、の7点で行った。その結果を表3及び図13に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
表1~表3、図11~13に示すように、スタート位置、エンド位置で光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射した実施例1、2では、比較例に対し、基板100の端部100a、100bにおける積算光量が増大した。位置X1、X2、X3の積算光量の平均値を基準とした面内均一性は、比較例では±10%以上であったものが、実施例1では±5%、実施例2では±3.4%と、大幅に改善された。また、実施例3~実施例6においても、面内均一性は±2.9~±6.1%と大幅に改善されている。面内均一性については、0%以上~±10%未満の範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は、0%以上~±5%未満である。
【符号の説明】
【0069】
1・・・光照射装置、52・・・光源、100・・・基板、T1~T5・・・所定時間、Z1、Z2・・・距離
【要約】
【課題】基板に対する光の照射量の均一化を図る。
【解決手段】光照射方法は、基板100上に形成されたレジスト膜に対して露光及び現像することでパターンを形成することと、パターンに対して光源52を移動させつつ、光源52から光を照射してパターンを硬化させることと、を含み、光源52から光を照射する際、光源52の移動におけるスタート位置及びエンド位置の少なくとも一方において、所定時間、光源52の移動を停止した状態で光源52から光を照射することを含む。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13