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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
G03G15/20 510
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019089793
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2020187172
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-02-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】風間 幸夫
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】桐山 愛世
【審判官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-185282(JP,A)
【文献】特開2014-115320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段と、回転可能な定着部材と、前記定着部材に当接してニップ部を形成する加圧ローラと、を少なくとも備え、
前記加圧ローラ回転軸方向の一端側に設けられた、駆動源からの駆動力を伝達する駆動ギアと、
前記駆動ギアに噛み合うアイドラギアと、
前記駆動ギアから回転軸に沿って延出する、ローラ部材の着脱操作を行うための持ち手となるスリーブ部材と、を有することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記スリーブ部材は、作業者の手指で把持可能であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記加圧ローラの回転軸方向における前記駆動ギアの長さWaと、前記スリーブ部材の長さWbとが、Wa≦Wbの関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記スリーブ部材は、中央部が端部よりも縮径した鼓形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記スリーブ部材は、外周面にローレット加工が施されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
前記駆動ギアが前記スリーブ部材を収容可能な空間を内部に有し、
前記スリーブ部材は前記加圧ローラの回転軸方向にスライド移動可能であり、定着動作時は前記駆動ギア内部の前記収容可能な空間に収容されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記スリーブ部材が着脱可能であり、定着動作時は取り外されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、トナー画像を転写紙等の記録媒体に定着するための定着装置を備えている。定着装置において、例えば、加熱された定着部材(定着ローラや定着ベルト)に加圧部材(加圧ローラ)が圧接することによりニップ部が形成され、該ニップ部を被記録媒体が通過することによって担持されたトナーが溶融し、被記録媒体上にトナー画像が定着される。
【0003】
定着装置の構成部材は、故障時の他、定期的に交換を要する部材が多数存在し、使用状況に応じてメンテナンス作業や部品交換作業の必要が発生する。
上記作業は基本的にサービスマンにより行われるが、その作業内容はサービスマンの負荷やレイバーコストに影響し、ひいてはユーザのコスト負担につながるため、作業容易性を高める技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、画像形成要素の修理や交換、或いはジャム処理などの作業を行うとき、操作者が手を触れることの好ましくない要素に対し、その持つ位置や持ち方等に気を使わなければならないという負担に対し、この画像形成要素を開閉及び着脱する際に操作者が持つ持ち手部を備える構成が開示されている。
【0005】
ところで、定着装置を構成するローラ部材は、回転駆動する為の駆動ギアやアイドラギア列がローラスリーブ延長軸上に設けられている。これらギアには、回転時の相互磨耗を抑止するために潤滑剤が塗布されている。熱定着が行われる定着装置の構成部品は、一般的に160~170℃、機構部によっては200℃近くの高温にさらされるため、潤滑剤としては耐熱性に優れた高粘性の耐熱グリスなどが用いられる。
【0006】
ローラ部材の交換時、ギアを脱着する操作が必要となるが、このとき耐熱グリスが操作者の手指等に付着してしまうことがある。そして、付着した耐熱グリスがさらに他の部材にも付着し、印刷物の汚損を招いたり、操作者の衣服等を汚してしまう等の不具合を生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、装置構成部材側を保護する観点で持ち手が設けられる構成が提案されているが、ギアを備えたローラ部材の着脱において操作者の作業性を損なうことを防止するための構成は開示されていない。
【0008】
そこで本発明は、メンテナンスや部品交換時におけるローラ部材の着脱作業性を向上させることができる定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の定着装置は、加熱手段と、回転可能な定着部材と、前記定着部材に当接してニップ部を形成する加圧ローラと、を少なくとも備え、前記加圧ローラ回転軸方向の一端側に設けられた、駆動源からの駆動力を伝達する駆動ギアと、前記駆動ギアに噛み合うアイドラギアと、前記駆動ギアから回転軸に沿って延出する、ローラ部材の着脱操作を行うための持ち手となるスリーブ部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メンテナンスや部品交換時におけるローラ部材の着脱作業性を向上させることができる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図2】本発明に係る定着装置が画像形成装置に搭載された状態を模式的に示す斜視図である。
図3】本発明に係る定着装置の外観を模式的に示す斜視図である。
図4】本発明に係る定着装置を上下のユニットに分割した状態を模式的に示す斜視図である。
図5】駆動ギアに設けられた持ち手を示す説明図である。
図6】駆動ギア及びアイドラギアに設けられた持ち手を示す上面図である。
図7】本実施形態の定着装置が備える持ち手の一例を示す説明図である。
図8】本実施形態の定着装置が備える持ち手の一例を示す説明図である。
図9】本実施形態の定着装置が備える持ち手の一例を示す説明図である。
図10】本実施形態の定着装置が備える持ち手の一例を示す説明図である。
図11】本実施形態の定着装置が備える持ち手の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
本発明に係る画像形成装置の一実施形態について図1を参照して説明する。
図1は画像形成装置を示す概略構成図であり、具体的にはモノクロ画像を形成可能な複写印刷機である。また、PC接続によりプリンタとしても機能する。
なお、本実施形態の画像形成装置は複写機であるため、スキャナとして機能する原稿読取部を有しているが、PCオンライン出力専用機、所謂プリンタバージョン等でコントローラを内蔵する場合は原稿読取部を省略しても良い。
【0014】
以下、本実施形態の画像形成装置の概略構成及び動作について説明する。
画像形成装置10は、照明装置、光学系及びCCDイメージセンサ等を内部に収めたスキャナユニット104を有する。
スキャナの上方には原稿自動読み取り装置(以下、「ADFユニット」という(ADF:Auto Document Feeder))103を設けている。ADFユニット103は原稿を自動搬送し、コンタクトガラスの読取面に原稿を送る。
【0015】
オペレータはスキャナユニット104上部のコンタクトガラス、またはADFユニット103に原稿をセットし、操作パネル101上の機能選択キーでモードを選択し、液晶画面の表示内容を確認しつつ、テンキーやファンクションキー等を操作して所望の画像形成条件を設定する。なお、画像形成装置は、オペレータに動作状況を示すコールライト100を備えている。
【0016】
スキャナユニット104で読み取られた画像信号は、SBU(Sensor Board Unit)にてA/D(Analog/Digital)変換された後、レーザ書き込みユニット112からのレーザ光として照射される。レーザ光はレーザ書き込みユニット112のシリンダレンズにより集光され、ポリゴンミラーにより主走査方向にライン走査され、感光体ドラム116上に静電潜像を形成する。
【0017】
現像ユニット113は、感光体ドラム116の周囲にクリーニングユニット114、帯電チャージャを備えている。感光体ドラム116上の帯電には、帯電チャージャ115が用いられる。
帯電チャージャ115には、PSU(Power Supply Unit)からリセプタクル、電極端子、導電性軸受け等を介して高電圧が印加される。
【0018】
トナー補給ユニット(トナーボトル)111から随時供給されるトナーと、予め現像ユニット113内に充填されていた現像剤は、内部の搬送スクリューにより攪拌混合されつつ現像ローラへと運ばれる。磁力により静電吸着しているトナーはマイナスに帯電している。
【0019】
現像ローラに担持された二成分現像剤は,現像ローラ下方に配設されたドクタブレードやケーシング等の現像剤穂立ち規制部材によって適量規制された後、その二成分中の摩擦帯電したトナーがバイアス電圧に依り感光体ドラム116上へと移動し、静電潜像に応じて選択的に付着する。
【0020】
現像ユニット113内部のトナー濃度は、底面位置に配置されたトナー濃度センサによってその帯電量から検出される。
転写後の感光体ドラム116上に残存する未転写のトナーは、クリーニングユニット114内に設けられたクリーニングブレードで掻き落とされ、廃トナーボトル125へと搬送、回収される。
【0021】
また、現像ユニット113の周囲には、トナー飛散を防止するためのマイラーやスポンジ状材料からなる入口シールが適宜設けられている。
【0022】
感光体ドラム116上のトナーで形成された顕像は、中間転写ベルトユニット105上に一旦転写される。
【0023】
用紙搬送部117により搬送されレジストローラ部を通過した転写紙は、中間転写ベルトユニット105と二次転写ユニット118のニップ間を通過する際、二次転写ローラからのプラス帯電により中間転写ベルトユニット105上のトナーが転写される。
【0024】
転写後の中間転写ベルトユニット105上に残存する未転写のトナーは、ベルトクリーニングユニット106内のクリーニングブレードで掻き落とされ、廃トナーボトル125へと搬送、回収される。
【0025】
転写ローラには、PSUからリセプタクル、電極端子、導電性軸受け等を介して高電圧が印加される。
印刷環境や転写紙の種類等に起因した変動を抑制するために、定電流制御されると共に、転写電流は給紙トレイ、転写紙サイズ及び紙厚等に応じて適宜切り替えが行われる。
【0026】
また、転写ローラに付着したトナーによって転写紙の裏汚れが生じるのを防止するために、所定のタイミングで転写ローラにマイナスバイアスを印加し、付着したトナーを中間転写ベルトユニット105に戻すようにすることができる。これにより、転写ローラがクリーニングされる。
【0027】
トナーが転写された転写紙は、定着装置(定着ユニット)11に搬送され、一定の温度と圧力を加えてトナー画像が用紙上に熱融着される。
定着装置11内の定着ローラには、サーミスタを設けて表面温度検出を行い、ヒータのON/OFF制御を行っている。サーミスタは、接触型であっても非接触型であってもよい。また、温度過昇防止の為に温度ヒューズが設けられている。
【0028】
本実施形態の定着装置11は、加熱手段、定着部材、定着部材に当接して回転する加圧ローラを備える。定着部材は、例えば、定着ローラ及び加熱ローラに張架される定着ベルトを備えている。加圧ローラは定着ベルトとの間にニップ部を形成する。ニップ部はカムにより加圧脱圧が制御されている。加圧ローラは内部に加熱手段(ヒータ)を備える態様であってもよい。
なお、定着装置11のその他の構成については後述する。
【0029】
トナー画像が熱融着された転写紙は、定着分離板により加熱ローラ及び定着ベルトから分離された後、反転排紙ユニット109を経て、または設定条件に応じて両面印刷された後、排紙トレイ126に排出される。なお、後処理装置等が接続されている場合は、その接続された装置の転写紙入口へ搬送される。
また、画像形成装置は、本体移動用キャスタ127を備えている。
【0030】
本実施形態の画像形成装置10は、上述の構成及び動作により、電子写真方式による画像形成が行われる。
次に、本発明に係る定着装置11の構成について図2図4に基づき説明する。
本実施形態の定着装置は加熱手段(ヒータ)と、回転可能な定着部材(定着ローラ、定着ベルト)と、定着部材に当接してニップ部を形成する加圧ローラと、を少なくとも備える。
【0031】
本実施形態の定着装置11は、図2に示すように、画像形成装置10内部のスライドレール12に載置され、画像形成装置10の外部へ引出し可能に搭載されている。
定着装置11は、画像形成装置10からの引き出し方向手前側及び画像形成装置10側に、それぞれカバー部材(内装カバー30、外装カバー31)を備えている。
【0032】
図3及び図4は、画像形成装置10から取り外された状態の定着装置を示している。
定着装置11は、図4に示すように、上部の分離ユニット13及び加熱ユニット14と、下部の加圧ユニット15とに分割可能である。
加圧ユニット15は、加圧ローラ40を備えている。なお、加熱ユニット14は、図示しない定着部材及び加熱手段などを備え、定着部材はローラ部材および/またはベルト部材で構成される。
【0033】
定着装置11のメンテナンス(例えば、構成部品の交換等)の手順の一例を説明する。
まず、図2に示す画像形成装置10の印刷動作の停止後、スライドレール12に載置された定着装置11を引出す。このとき、定着装置11が十分に冷却されてから引出すことが好ましい。
次に、定着装置11をスライドレール12から取り外し、作業スペース上に静置し、メンテナンス作業を開始する。
定着装置11は、各ユニットを結合している締結部材を外すことにより、図4に示すように分離ユニット13及び加熱ユニット14と、加圧ユニット15とに上下分割することができる。
【0034】
定着装置11を各ユニットに分割した後、目的のユニットに対して部品交換など必要なメンテナンスを行う。
メンテナンス作業が終了した後は、各ユニットを結合し、定着装置11をスライドレール12に載置し、画像形成装置10内に収容する。
【0035】
加圧ローラ40等のローラ部材や、ローラ部材内部のハロゲンヒータ等の交換を行う場合、加圧ローラの一端側に設けられた駆動ギアやアイドラギア、さらにヒータから延出したヒータハーネス等を取り外す必要がある。
ギアには回転時の摩耗を抑制するために潤滑剤として高粘性の耐熱グリスが塗布されているため、ギアを把持したときに作業者の手指に耐熱グリスが付着しまう。この手指に付着した耐熱グリスが他の部位に付着すると、印刷物の汚損を招くことがある。
【0036】
これに対し本実施形態の定着装置は、ギアの耐熱グリス塗布面に触れることなくローラ部材の着脱操作を行うための持ち手となる部材を備えている。
以下、図5図11に基づき、持ち手となるスリーブ部材について説明する。
【0037】
図5及び図6に示すように、本実施形態の定着装置では、加圧ローラ40は回転軸方向の一端側に、駆動源からの駆動力を伝達する複数のギアと、ギア41から回転軸に沿って延出するスリーブ部材51を有する。複数のギアは、例えば、複数の駆動ギア及びアイドラギアからなる。
図5(B)に示すように、スリーブ部材51は、作業者の手指60で把持可能である。
【0038】
図5に示すように、作業者が把持可能なスリーブ部材51を備えているため、加圧ローラ40の着脱に際し、作業者はギア41に直接触れることなく操作を行うことができる。
【0039】
図6は、加圧ローラ40を有するユニットの一例を示す上面図である。
図6に示すように、加圧ローラ40は回転軸方向の一端側に、駆動源からの駆動力を伝達する駆動ギア41と、これに噛み合うアイドラギア43とを備え、それぞれのギアから回転軸に沿って延出するスリーブ部材51、53を有する。また、ユニットは分離板45を有する。
【0040】
以下、ギアとスリーブ部材について、駆動ギア41と該駆動ギア41から延出するスリーブ部材51を一例として説明するが、アイドラギア43と該アイドラギアから延出するスリーブ部材53についても同様であり、さらに図示しない他のギアと当該ギアから延出するスリーブ部材についても同様である。
【0041】
(第1の実施形態)
図7に示すように、スリーブ部材51は、加圧ローラ40の回転軸方向におけるギア41の長さWaと、スリーブ部材51の長さWbとが、Wa≦Wbの関係を満たすことが好ましい。
手指がスリーブ部材51に当接する領域を広く設けることにより、作業者は安定した保持が可能となる。
【0042】
(第2の実施形態)
図8に示すように、スリーブ部材51は、中央部が端部よりも縮径した鼓形状であることが好ましい。
断面が緩やかな凹形状となっていることにより、作業者がスリーブ部材51を把持しやすくなり、安定した保持が可能となる。
【0043】
(第3の実施形態)
図9に模式的に示すように、スリーブ部材51は、外周面にローレット加工が施され、表面に微細な凹凸が形成されていることが好ましい。
ローレット加工が施されることにより、滑り止めの効果が得られ、作業者がスリーブ部材51を安定して把持し、操作することができる。
【0044】
(第4の実施形態)
図10(A)及び図10(B)に示すように、ギア41がスリーブ部材51を収容可能な空間を有し、スリーブ部材51は加圧ローラ40の回転軸方向にスライド移動可能であることが好ましい。
スリーブ部材51はスライド移動により少なくとも一部がギア41内部に収容された状態、またはギア41外部に露出した状態とすることができる。
定着動作時はギア41内部に収容され、メンテナンス時には露出していることが好ましい。これにより、定着ユニットのレイアウト上の余裕が得られるとともに、定着動作時に生じるトナーの飛散等によるスリーブ部材51表面の汚染を防止することができる。
【0045】
(第5の実施形態)
図11に示すように、スリーブ部材51はギア41に対して着脱可能であることが好ましい。スリーブ部材51が定着動作時は取り外されることにより、上述の第4の実施形態と同様、定着ユニットのレイアウト上の余裕が得られるとともに、定着動作時に生じるトナーの飛散等によるスリーブ部材51表面の汚染を防止することができる。
【0046】
以上、加圧ローラの端部に配設されたギアとスリーブ部材について説明したが、スリーブ部材が配設されるローラ部材は加圧ローラ以外であってもよく、スリーブ部材の配設は、定着装置を構成する回転可能な部材であってギアが設けられているものであれば適用可能である。
【0047】
上述のように、本実施形態の定着装置によれば、持ち手となるスリーブ部材を備えているため、ローラ部材の着脱操作時にギアの耐熱グリス塗布面に触れることなく、付着した耐熱グリスによる汚損を防ぐことができ、メンテナンスや部品交換時におけるローラ部材の着脱作業性を向上させることができる。作業者は、作業時に耐熱グリスにより手指が汚染されないため、快適かつ迅速に着脱作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
10 画像形成装置
11 定着装置(定着ユニット)
12 スライドレール
13 分離ユニット
14 加熱ユニット
15 加圧ユニット
30 カバー部材(内装カバー)
31 カバー部材(外装カバー)
40 加圧ローラ
41 駆動ギア
42 ヒータハーネス
43 アイドラギア
45 分離板
51 スリーブ部材(駆動ギア)
53 スリーブ部材(アイドラギア)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【文献】特開2004-029842号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11