(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】基板処理装置、制御方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20240725BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240725BHJP
B05D 1/40 20060101ALI20240725BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240725BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B05C11/10
B05D3/00 B
B05D1/40 A
H01L21/304 643A
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
H01L21/30 564
H01L21/30 569A
(21)【出願番号】P 2020089134
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2019133616
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】梶原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】一野 克憲
(72)【発明者】
【氏名】石丸 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田尻 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山本 篤
(72)【発明者】
【氏名】今村 真人
(72)【発明者】
【氏名】牟田 友彦
(72)【発明者】
【氏名】入山 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 丈明
(72)【発明者】
【氏名】岡口 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安達 健二
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-046269(JP,A)
【文献】特開2017-220547(JP,A)
【文献】特開2006-165305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00-21/00
B05D1/00-7/26
H01L21/30
21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、
を備え
、
前記フィルタは、前記接続部内に設けられており、
前記切替バルブは、前記フィルタと前記送液部との間を開閉し、
前記接続部は、前記補充部と前記フィルタとの間を開閉する第2切替バルブを更に有し、
前記補充準備部は、
前記切替バルブ及び前記第2切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させることを実行し、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に、前記第2切替バルブが開き、前記切替バルブが閉じた状態で、前記接続部内と前記送液部内との圧力差を縮小させることを実行する、基板処理装置。
【請求項2】
前記補充部における配管容積は、前記送液部における配管容積よりも大きい、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、
を備え、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記補充制御部は、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充圧力を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部のいずれか一方を制御し、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充流量を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部の他方を制御する
、基板処理装置。
【請求項4】
前記ノズルまで送られる前記処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように前記吐出用圧送部を制御する吐出制御部を更に備え、
前記補充制御部は、前記補充圧力を目標値に追従させる制御において、前記処理液の補充が完了するまで前記補充圧力の目標値を徐々に前記吐出圧力の目標値に近づける、請求項
3記載の基板処理装置。
【請求項5】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、
を備え、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記切替バルブは、前記接続バルブよりも小さい開度変化率で開閉する
、基板処理装置。
【請求項6】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、
を備え、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記補充準備部は、前記切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更し、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、前記フィルタと前記吐出用圧送部との間の圧力を測定する圧力測定部と、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記補充準備部は、
前記切替バルブと前記吐出バルブとが閉じ、前記接続バルブが開いた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記送液部内の圧力が設定値に近づくように前記吐出用圧送部を制御することと、
前記切替バルブが開き、前記吐出バルブと前記接続バルブとが閉じた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記補充用圧送部と前記吐出用圧送部との間の圧力が前記設定値に近づくように前記補充用圧送部を制御することと、を順に実行する
、基板処理装置。
【請求項7】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、
前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、
前記送液部内と前記吐出部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更した後に前記吐出バルブを開く吐出準備部と、
前記吐出準備部により前記吐出バルブが開かれた状態で、前記ノズルから前記基板への前記処理液の吐出を開始させる吐出制御部と、
を備える
、基板処理装置。
【請求項8】
前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、
前記送液部内と前記吐出部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更した後に前記吐出バルブを開く吐出準備部と、
前記吐出準備部により前記吐出バルブが開かれた状態で、前記ノズルから前記基板への前記処理液の吐出を開始させる吐出制御部と、を更に備える、請求項1~3,5のいずれか一項記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、を備える基板処理装置の制御方法であって、
前記フィルタは、前記接続部内に設けられており、
前記切替バルブは、前記フィルタと前記送液部との間を開閉し、
前記接続部は、前記補充部と前記フィルタとの間を開閉する第2切替バルブを更に有し、
前記切替バルブ及び前記第2切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させることと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に、前記第2切替バルブが開き、前記切替バルブが閉じた状態で、前記接続部内と前記送液部内との圧力差を縮小させることと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開くことと、
前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させることと、を含む制御方法。
【請求項10】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、を備える基板処理装置の制御方法であって、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開くことと、
前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させることと、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充圧力を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部のいずれか一方を制御することと、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充流量を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部の他方を制御することと、を含む制御方法。
【請求項11】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、を備える基板処理装置の制御方法であって、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記切替バルブは、前記接続バルブよりも小さい開度変化率で開閉し、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開くことと、
前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させることと、を含む制御方法。
【請求項12】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、を備える基板処理装置の制御方法であって、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、前記フィルタと前記吐出用圧送部との間の圧力を測定する圧力測定部と、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更することと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開くことと、
前記切替バルブと前記吐出バルブとが閉じ、前記接続バルブが開いた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記送液部内の圧力が設定値に近づくように前記吐出用圧送部を制御した後に、前記切替バルブが開き、前記吐出バルブと前記接続バルブとが閉じた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記補充用圧送部と前記吐出用圧送部との間の圧力が前記設定値に近づくように前記補充用圧送部を制御することと、
前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させることと、を含む制御方法。
【請求項13】
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、前記補充部から前記送液部に補充される前記処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、を備える基板処理装置の制御方法であって、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開くことと、
前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させることと、
前記送液部内と前記吐出部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更した後に前記吐出バルブを開くことと、
前記吐出バルブが開かれた状態で、前記ノズルから前記基板への前記処理液の吐出を開始させること、を含む制御方法。
【請求項14】
前記基板処理装置は、前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブを更に備え、
前記制御方法は、
前記送液部内と前記吐出部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更した後に前記吐出バルブを開くことと、
前記吐出バルブが開かれた状態で、前記ノズルから前記基板への前記処理液の吐出を開始させることと、を更に含む、請求項9~11のいずれか一項記載の制御方法。
【請求項15】
請求項
9~14のいずれか一項に記載の制御方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、制御方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、処理液供給源から処理液を吐出部を介して被処理体に供給する処理液供給装置が開示されている。この処理液供給装置は、処理液供給源の下流側に設けられた第1のポンプと、第1のポンプの二次側に設けられ、処理液中の異物を除去するためのフィルタ部と、フィルタ部の二次側に設けられた第2のポンプとを備える。また、処理液供給装置は、第1のポンプに導入された処理液をフィルタを通過させて第2のポンプに供給するステップを実行する制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板に吐出される処理液中のパーティクルの低減に有用な基板処理装置、制御方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る基板処理装置は、基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、処理液を吐出部に送る送液部と、吐出部に送るための処理液を送液部に補充する補充部と、補充部と送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、補充部から送液部に補充される処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、補充部から送液部への処理液の補充を開始させる補充制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板に吐出される処理液中のパーティクルの低減に有用な基板処理装置、制御方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、基板処理システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、塗布現像装置の内部構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、液処理ユニットの構成の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、処理液供給部の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、制御装置の機能上の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、制御装置のハードウェア上の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、液処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)は、吐出準備手順の一例を示すフローチャートである。
図8(b)は、吐出制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9(a)は、吐出準備手順の一例を説明するための模式図である。
図9(b)は、吐出制御手順の一例を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、ベント準備手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、ベント制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、補充準備手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14(a)~
図14(c)は、補充準備手順の一例を説明するための模式図である。
図14(d)は、補充制御手順の一例を説明するための模式図である。
【
図15】
図15(a)及び
図15(b)は、吐出後の処理液中に含まれるパーティクルの個数の測定結果の一例を示すグラフである。
【
図17】
図17(a)は、吐出準備手順の別の例を説明するための模式図である。
図17(b)は、吐出制御手順の別の例を説明するための模式図である。
【
図18】
図18(a)及び
図18(b)は、補充圧力の調節方法の別の例を説明するためのグラフである。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係る補充準備手順の一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21(a)及び
図21(b)は、補充準備手順の一例を説明するための模式図である。
図21(c)は、補充制御手順の一例を説明するための模式図である。
【
図22】
図22は、処理液中に含まれるパーティクルの個数の測定結果を示すグラフである。
【
図24】
図24は、第3実施形態に係る処理液供給部の一例を示す模式図である。
【
図25】
図25は、液処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26(a)は、吐出準備手順の一例を示すフローチャートである。
図26(b)は、吐出制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、補充準備手順の一例を示すフローチャートである。
【
図28】
図28(a)及び
図28(b)は、補充準備手順の一例を説明するための模式図である。
【
図29】
図29は、補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
[第1実施形態]
まず、
図1~
図18を参照して第1実施形態に係る基板処理システムを説明する。
【0010】
[基板処理システム]
図1に示される基板処理システム1は、基板に対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象の基板は、例えば半導体のウェハWである。処理対象の基板は半導体ウェハに限られず、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)などであってもよい。
感光性被膜は、例えばレジスト膜である。基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、ウェハW(基板)上に形成されたレジスト膜(感光性被膜)の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハW(基板)の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0011】
[基板処理装置]
以下、基板処理装置の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。
図1及び
図2に示されるように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、制御装置100とを備える。
【0012】
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのウェハWの導入及び塗布・現像装置2内からのウェハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウェハW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のウェハWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリアC内に戻す。
【0013】
処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。処理モジュール11,12,13,14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームを含む搬送装置A3とを内蔵している。
【0014】
処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール11の液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウェハW上に塗布する。処理モジュール11の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0015】
処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール12の液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液を下層膜の上に塗布する。処理モジュール12の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0016】
処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール13の液処理ユニットU1は、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール13の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0017】
処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのウェハWの表面上に現像液を塗布する。また、液処理ユニットU1は、塗布された現像液をリンス液により洗い流す。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0018】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。
【0019】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0020】
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でウェハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0021】
制御装置100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のウェハWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このウェハWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0022】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール11内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWの表面上に下層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成されたウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウェハWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0023】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール12内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウェハWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0024】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のウェハWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
【0025】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のウェハWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。その後制御装置100は、露光処理が施されたウェハWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
【0026】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のウェハWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御し、このウェハWのレジスト膜に現像処理を施すように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウェハWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。以上で塗布・現像処理が完了する。
【0027】
なお、基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布・現像装置2の構成に限られない。基板処理装置は、ウェハWに処理液を吐出して液処理を行う液処理ユニットと、これを制御可能な制御装置とを備えていればどのようなものであってもよい。
【0028】
(液処理ユニット)
続いて、
図3及び
図4を参照して、処理モジュール12における液処理ユニットU1の一例について詳細に説明する。液処理ユニットU1は、回転保持部20と、処理液供給部29と、を備える。
【0029】
回転保持部20は、制御装置100の動作指示に基づき、ウェハWを保持して回転させる。回転保持部20は、保持部21と、駆動部22とを備える。保持部21は、表面Waを上方に向けて水平に配置されたウェハWの中心部を支持し、当該ウェハWを吸着(例えば真空吸着)等により保持する。駆動部22は、例えば電動モータ等を動力源とした回転アクチュエータであり、鉛直な回転軸周りに保持部21を回転させる。これにより、鉛直な回転軸周りにウェハWが回転する。
【0030】
処理液供給部29は、回転保持部20に回転保持されたウェハWに処理液を供給する。処理液供給部29は、
図3及び
図4に示されるように、吐出部30と、送液部60と、補充部50と、第1接続部80(接続部)と、第2接続部90と、を備える。
【0031】
吐出部30は、ウェハWの表面Waに向けて処理液を吐出する。吐出部30は、ノズル31と、送液管32とを備える。ノズル31は、ウェハWに処理液を吐出する。ノズル31は、
図3に示されるように、例えば、ウェハWの上方に配置され、処理液を下方に吐出する。送液管32は、ノズル31まで処理液を導く。ノズル31からウェハWに向けて処理液が吐出されることで、ウェハWに処理液が塗布(供給)される。
【0032】
図4に示されるように、送液部60は、処理液を吐出部30に送る。具体的には、送液部60は、処理液を所定圧力で吐出部30(ノズル31)に向けて送り出す。送液部60は、送液管61と、フィルタ63と、圧送部64(吐出用圧送部)と、分岐管62a,62bと、第1接続バルブ67と、第2接続バルブ68と、圧力測定部69と、を備える。
【0033】
送液管61は、処理液を吐出部30まで導く。具体的には、送液管61は、吐出部30の送液管32の上流側における端部に接続されている。フィルタ63は、送液管61に設けられており、処理液に含まれる異物を除去する。フィルタ63は、送液管61内を通過する処理液に含まれる異物を捕集する。
【0034】
圧送部64は、送液管61を経て処理液を受け入れ、受け入れた処理液を加圧して吐出部30に向けて送り出す。圧送部64は、例えば、ポンプ76と、ポンプ駆動部77と、流量測定部65と、圧力測定部66と、を備える。
【0035】
ポンプ76は、処理液を収容する収容室と、収容室を収縮させる収縮部とを有する。ポンプ76は、収縮部により収容室を拡大して処理液を受け入れ、収縮部により収容室を収縮させて処理液を送り出す。ポンプ76として、例えば、チューブフラムポンプ、ダイヤフラムポンプ、又はベローズポンプが用いられてもよい。
【0036】
ポンプ駆動部77は、制御装置100の動作指示に基づき、ポンプ76を駆動する。具体的には、ポンプ駆動部77は、ポンプ76の収容室を収縮させるように収縮部を動作させる(駆動する)。例えば、ポンプ駆動部77は、気体により収縮部を動作させるエアオペレーション型の駆動部である。ポンプ駆動部77は、上記気体の圧力(駆動圧)を調節することで、ポンプ76の収容室を収縮させてもよい。
【0037】
流量測定部65は、ポンプ76に対する処理液の入出量に関する情報を取得する。ポンプ76を駆動するための気体の流量は、ポンプ76に対する処理液の入出量に相関するので、ポンプ76に対する処理液の入出量に関する情報である。例えば、流量測定部65は、ポンプ76とポンプ駆動部77との間の接続管内を流れる気体の流量を測定する。流量測定部65は、測定値を制御装置100に出力する。圧力測定部66は、ポンプ76内の圧力に関する情報を取得する。例えば、圧力測定部66は、ポンプ76とポンプ駆動部77との間の接続管内の圧力を測定する。圧力測定部66は、測定値を制御装置100に出力する。
【0038】
分岐管62aは、送液管61のうちのフィルタ63の上流部分から分岐し、送液管61とポンプ76とを接続する。分岐管62bは、送液管61のうちのフィルタ63の下流部分から分岐し、送液管61とポンプ76とを接続する。
【0039】
第1接続バルブ67は、分岐管62aに設けられており、制御装置100の動作指示に基づき、送液管61と圧送部64との間を開閉する。第1接続バルブ67は、例えば、エアオペレーションバルブである。第2接続バルブ68は、分岐管62bに設けられており、制御装置100の動作指示に基づき、送液管61と圧送部64との間を開閉する。第2接続バルブ68は、例えば、エアオペレーションバルブである。
【0040】
圧力測定部69は、送液部60内の管路を流れる処理液の圧力を測定する。例えば、圧力測定部69は、フィルタ63と圧送部64との間の圧力を測定する。具体的には、圧力測定部69は、分岐管62bに設けられており、分岐管62b内の処理液の圧力(液圧)を測定する。圧力測定部69は、測定値を制御装置100に出力する。
【0041】
補充部50は、吐出部30に向けて送るための処理液を送液部60に補充する。補充部50は、液源51と、圧送部53(補充用圧送部)と、送出管55と、を備える。
【0042】
液源51は、送液部60に補充される処理液の供給源である。圧送部53は、液源51から送液部60に処理液を送り出す。圧送部53は、例えば、液源51から供給された処理液を一時的に貯留し、当該処理液を加圧した状態で送液部60に送り出す。あるいは、圧送部53は、例えば、液源51内の処理液を吸い込むことで処理液を受け入れ、受け入れた処理液を送液部60に送り出す。圧送部53は、例えば、ポンプ56と、ポンプ駆動部57と、圧力測定部54と、を備える。
【0043】
ポンプ56は、液源51内の処理液を吸い込み、吸い込んだ処理液を吐出部30に向けて送り出す。ポンプ56は、例えば、処理液を収容する収容室と、収容室を収縮させる収縮部とを有する。ポンプ56は、収縮部により収容室を拡大して処理液を受け入れ、収縮部により収容室を収縮させて処理液を送り出す。ポンプ56として、例えば、チューブフラムポンプ、ダイヤフラムポンプ、又はベローズポンプが用いられてもよい。
【0044】
ポンプ駆動部57は、制御装置100に動作指示に基づき、ポンプ56を駆動する。具体的には、ポンプ駆動部57は、ポンプ56の収容室を収縮させるように収縮部を動作させる(駆動する)。例えば、ポンプ駆動部57は、気体により収縮部を動作させるエアオペレーション型の駆動部である。ポンプ駆動部57は、上記気体の圧力(以下、「駆動圧」という。)を調節することで、ポンプ56の収容室を収縮させてもよい。
【0045】
圧力測定部54は、ポンプ56内の圧力に関する情報を取得する。例えば、圧力測定部54は、ポンプ56とポンプ駆動部57との間の接続管に接続されており、当該接続管内の圧力を測定する。圧力測定部54は、例えば、ポンプ56を駆動するための気体の圧力を測定する。圧力測定部54は、測定値を制御装置100に出力する。
【0046】
送出管55は、圧送部53(ポンプ56)から送液部60まで処理液を導く。具体的には、送出管55は、送液部60の送液管61の上流側における端部に接続されている。つまり、送液管61は、フィルタ63を介して補充部50と送液部60との間を接続している。フィルタ63は、送液管61内の流路を流れる処理液(補充部50から送液部60に補充される処理液)に含まれる異物を除去する。
【0047】
第1接続部80は、補充部50と送液部60とを接続する。第1接続部80は、例えば、切替バルブ71を有する。切替バルブ71は、制御装置100の動作指示に基づき、補充部50と送液部60との間を開閉する。切替バルブ71は、補充部50の送出管55と送液部60の送液管61との接続箇所に設けられている。切替バルブ71は、例えば、エアオペレーションバルブである。
【0048】
切替バルブ71は、第1接続バルブ67及び第2接続バルブ68の少なくとも一方の開度変化率よりも小さい開度変化率で開閉してもよい。開度変化率とは、単位時間あたりのバルブの開度の変化の割合である。バルブが閉状態から開状態に切り替わる場合、開度変化率は、バルブの開度の増加率である。バルブが開状態から閉状態に切り替わる場合、開度変化率は、バルブの開度の減少率である。例えば、切替バルブ71として、第1接続バルブ67及び第2接続バルブ68の少なくとも一方の動作速度よりも遅い動作速度で開閉するバルブが用いられてもよい。あるいは、制御装置100により、第1接続バルブ67及び第2接続バルブ68の少なくとも一方の動作速度よりも遅くなるように、切替バルブ71の開閉動作が制御されてもよい。制御装置100により、開度が徐々に変化するように切替バルブ71の開閉動作が制御されることで、上記開度変化率の関係が満たされてもよい。
【0049】
第2接続部90は、送液部60と吐出部30とを接続する。第2接続部90は、例えば、吐出バルブ72を有する。吐出バルブ72は、制御装置100の動作指令に基づき、送液部60と吐出部30との間を開閉する。吐出バルブ72は、送液部60の送液管61と吐出部30の送液管32との接続箇所に設けられている。吐出バルブ72は、例えば、エアオペレーションバルブである。
【0050】
吐出バルブ72と第1接続バルブ67(第2接続バルブ68)との開度変化率の関係は、切替バルブ71と第1接続バルブ67(第2接続バルブ68)との開度変化率の関係と同様であってもよい。つまり、吐出バルブ72は、第1接続バルブ67及び第2接続バルブ68の少なくとも一方の開度変化率よりも小さい開度変化率で開閉してもよい。
【0051】
(制御装置)
続いて、
図5及び
図6を参照して、制御装置100について詳細に説明する。制御装置100は、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた後に切替バルブ71を開くことと、切替バルブ71が開かれた状態で補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させることと、を実行するように構成されている。
【0052】
図5に示されるように、制御装置100は、機能上のモジュール(以下、「機能モジュール」という。)として、動作指令保持部102と、第1圧力取得部103と、第2圧力取得部104と、流量取得部105と、液圧取得部106と、処理液供給制御部101と、を備える。
【0053】
動作指令保持部102は、液処理ユニットU1において実行される液処理手順を規定する動作指令を保持する。この動作指令には、ノズル31から処理液を吐出する際の吐出圧力の目標値(設定値)、ノズル31から処理液を吐出させる実行時間、補充圧力及び補充流量の目標値(設定値)、並びに補充部50から送液部60に処理液を補充させる実行時間等が含まれてもよい。
【0054】
第1圧力取得部103は、圧力測定部54から測定値を取得する。具体的には、第1圧力取得部103は、補充部50においてポンプ56とポンプ駆動部57との間の接続管内の圧力(ポンプ56への駆動圧)を示す測定値を取得する。第1圧力取得部103は、取得した測定値を処理液供給制御部101に出力する。
【0055】
第2圧力取得部104は、圧力測定部66から測定値を取得する。具体的には、第2圧力取得部104は、送液部60においてポンプ76とポンプ駆動部77との間の接続管内の圧力(ポンプ76への駆動圧)を示す測定値を取得する。第2圧力取得部104は、取得した測定値を処理液供給制御部101に出力する。
【0056】
流量取得部105は、流量測定部65から測定値を取得する。具体的には、流量取得部105は、ポンプ76とポンプ駆動部77との間の接続管内のポンプ76を駆動するための気体の流量を示す測定値を取得する。流量取得部105は、取得した測定値を処理液供給制御部101に出力する。
【0057】
液圧取得部106は、圧力測定部69から測定値を取得する。具体的には、液圧取得部106は、フィルタ63と圧送部64(ポンプ76)との間の処理液の圧力を示す測定値を取得する。液圧取得部106は、取得した測定値を処理液供給制御部101に出力する。
【0058】
処理液供給制御部101は、ノズル31から処理液を吐出させるように処理液供給部29を制御する。処理液供給制御部101は、例えば、機能モジュールとして、吐出準備部111と、吐出制御部112と、ベント準備部113と、ベント制御部114と、補充準備部115と、補充制御部116と、を備える。
【0059】
吐出準備部111は、ノズル31から処理液を吐出するための準備を行うように構成されている。具体的には、吐出準備部111は、ノズル31からの処理液の吐出を開始する前に、送液部60内の処理液の圧力(以下、「送液部60内の圧力」という。)を調節する。吐出準備部111は、吐出バルブ72が閉じた状態で、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させるように送液部60内の圧力を変更する。吐出準備部111は、例えば、圧力測定部69から得られる測定値に基づいて、送液部60内の圧力が設定値に近づくように、ポンプ駆動部77を制御する。吐出準備部111は、圧力測定部69の測定値と上記設定値との偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節してもよい。吐出準備部111は、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させた状態で吐出バルブ72を開く。
【0060】
吐出制御部112は、ノズル31から処理液をウェハWに向けて吐出させるように構成されている。具体的には、吐出制御部112は、吐出準備部111により、送液部60内と吐出部30内との圧力差が縮小され、吐出バルブ72が開かれた状態で、ノズル31からウェハWへ処理液を吐出させる。吐出制御部112は、ノズル31まで送られる処理液の圧力(以下、「吐出圧力」という。)を目標値に追従させるように圧送部64(ポンプ駆動部77)を制御する。吐出制御部112は、目標値を一定の設定値Pdに維持することにより、ノズル31からウェハWに向けて略一定の流量で処理液を吐出させる。吐出制御部112は、圧力測定部69の測定値と上記設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節してもよい。
【0061】
ベント準備部113は、送液部60から補充部50に処理液を戻す処理(以下、「ベント」という。)のための準備を行うように構成されている。具体的には、ベント準備部113は、ベント開始前に、補充部50内の処理液の圧力(以下、「補充部50内の圧力」という。)と送液部60内の圧力とを調節することで、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させる。ベント準備部113は、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた状態で切替バルブ71を開く。
【0062】
ベント制御部114は、送液部60から補充部50に処理液を戻すベントを実行させるように構成されている。ベント制御部114は、ベント準備部113により補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小された状態で、圧送部64(ポンプ76)から圧送部53(ポンプ56)に処理液を送るベントを開始させる。ベント制御部114は、例えば、圧送部64から圧送部53に送られる処理液の圧力(以下、「ベント圧力」という。)が略一定に維持され、当該処理液の単位時間あたりの流量(以下、「ベント流量」という。)が略一定に維持されるように、圧送部64(ポンプ駆動部77)及び圧送部53(ポンプ駆動部57)を制御してもよい。
【0063】
補充準備部115は、補充部50から送液部60へ処理液を補充するための準備を行うように構成されている。具体的には、補充準備部115は、補充部50から送液部60への処理液の補充前に、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させ、当該圧力差を縮小させた状態で切替バルブ71を開く。補充準備部115は、例えば、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように補充部50内の圧力を変更する。補充準備部115は、補充準備を開始させる前の補充部50内と送液部60内との圧力差に比べて、補充準備後において上記圧力差を少なくとも縮小させていればよい。一例として、補充準備部115は、補充部50内の圧力が送液部60内の圧力に略一致するように、補充部50内の圧力を変更する。
【0064】
補充準備の一例として、補充準備部115は、まず、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小するように圧送部53(ポンプ駆動部57)を制御する。補充準備部115は、圧力測定部54の測定値が、設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57を制御してもよい。例えば、補充準備部115は、圧力測定部54の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。次に、補充準備部115は、切替バルブ71が開き、吐出バルブ72と第2接続バルブ68とが閉じた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、圧送部53と圧送部64との間の圧力が設定値(例えば、設定値Pd)に近づくように圧送部53を制御する。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。
【0065】
次に、補充準備部115は、切替バルブ71と吐出バルブ72とが閉じ、第2接続バルブ68が開いた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、送液部60内の圧力が上記設定値(例えば、設定値Pd)に近づくように圧送部64を制御する。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節する。
【0066】
補充制御部116は、補充部50から送液部60へ処理液を補充させるように構成されている。具体的には、補充制御部116は、補充準備部115により切替バルブ71が開かれた状態で(切替バルブ71が開いた後に)、補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させる。一例として、補充制御部116は、補充準備部115により切替バルブ71が開かれ、補充部50内の圧力の調節、送液部60内の圧力の調節、及び切替バルブ71の開状態への再切替えが順に実行された後に、送液部60への処理液の補充を開始させる。補充制御部116は、補充準備部115が補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた状態で、補充部50から送液部60へ処理液を補充させる。
【0067】
補充制御部116は、圧送部53から圧送部64に送られる処理液の圧力(以下、「補充圧力」という。)を目標値に追従させるように、圧送部53及び圧送部64のいずれか一方を制御する。補充圧力の目標値への追従制御を実行しつつ、補充制御部116は、処理液の単位時間あたりの流量(以下、「補充流量」という。)を目標値に追従させるように、圧送部53(ポンプ駆動部57)及び圧送部64(ポンプ駆動部77)の他方を制御する。補充制御部116は、補充開始から補充完了まで圧送部53及び圧送部64を制御することで、補充圧力の追従制御と補充流量の追従制御とを行う。補充圧力の追従制御の実行期間と補充流量の追従制御の実行期間とは、少なくとも一部が重複していればよい。一例として、補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させるように圧送部53を制御しつつ、補充流量を目標値に追従させるように圧送部64を制御する。
【0068】
補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、補充開始から補充終了まで補充圧力の目標値を吐出圧力の目標値(設定値Pd)に設定してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。補充制御部116は、補充流量を目標値に追従させる制御において、補充開始から補充終了まで補充流量の目標値を一定の値に設定してもよい。例えば、補充制御部116は、流量測定部65の測定値に基づいて、補充流量が目標値に追従するようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節してもよい。なお、補充制御部116は、流量測定部65に代えて、送液管61又は分岐管62bに設けられた流量計を用いて、補充流量の追従制御を行ってもよい。
【0069】
制御装置100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えば、制御装置100は、
図6に示される回路120を有する。回路120は、一つ又は複数のプロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、タイマ125と、を備える。
【0070】
ストレージ123は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、後述の液処理手順を塗布・現像装置2に実行させるためのプログラムを記録している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ122は、ストレージ123の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ121による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ121は、メモリ122と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。入出力ポート124は、圧送部53,64、切替バルブ71、第1接続バルブ67、第2接続バルブ68、吐出バルブ72、圧力測定部54,66,69、及び流量測定部65等との間で電気信号の入出力を行う。タイマ125は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。
【0071】
なお、制御装置100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御装置100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
【0072】
[処理液供給手順]
続いて、
図7~
図14を参照して、基板処理装置の制御方法の一例として、制御装置100により実行される液処理手順について説明する。
図7は、液処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図7に示されるように、制御装置100は、まずステップS01,S02を順に実行する。ステップS01では、例えば、吐出準備部111が、ノズル31からの処理液の吐出の準備として、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させるように処理液供給部29を制御する。ステップS02では、例えば、吐出制御部112が、送液部60内と吐出部30内との圧力差が縮小した状態で、ノズル31から処理液をウェハWに向けて吐出させるように処理液供給部29を制御する。吐出準備処理及び吐出処理の詳細については後述する。
【0074】
次に、制御装置100は、ステップS03,S04を順に実行する。ステップS03では、例えば、ベント準備部113が、送液部60から補充部50に処理液を戻すベントの準備として、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように処理液供給部29を制御する。ステップS04では、例えば、ベント制御部114が、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小した状態で、送液部60から補充部50に処理液を戻すように(ベントを実行させるように)処理液供給部29を制御する。ベント準備処理及びベント処理の詳細については後述する。
【0075】
次に、制御装置100は、ステップS05,S06を順に実行する。ステップS05では、例えば、補充準備部115が、補充部50から送液部60に処理液を補充する準備として、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように処理液供給部29を制御する。ステップS06では、例えば、補充制御部116が、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小した状態で、補充部50から送液部60に処理液を補充させるように処理液供給部29を制御する。補充準備処理及び補充処理の詳細については後述する。以上により、一連の液処理手順が終了する。なお、液処理手順では、ステップS03,S04のベント準備処理及びベント処理が省略されてもよく、複数回の液処理ごとに1回のベントが行われてもよい。
【0076】
(吐出準備手順)
図8(a)は、ステップS01の吐出準備処理の一例を示すフローチャートである。
図8(a)に示されるように、制御装置100は、最初にステップS11を実行する。ステップS11では、吐出準備部111が、切替バルブ71、吐出バルブ72、第1接続バルブ67、及び第2接続バルブ68が閉じた状態において、第2接続バルブ68を閉状態から開状態に切り替える。
【0077】
次に、制御装置100は、ステップS12,S13を実行する。ステップS12では、吐出準備部111が、送液部60内の圧力を調節する。吐出準備部111は、例えば、
図9(a)に示されるように、圧力測定部69による測定値に基づいて、送液部60内の圧力を調節する。吐出準備部111は、圧力測定部69による測定値が吐出圧力の設定値Pdに追従するように(近づくように)、ポンプ駆動部77を制御してもよい。例えば、吐出準備部111は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節してもよい。
図9(a)では、圧力測定部69に直接及び間接的に接続されている管路が太い線で示されており、開状態のバルブが白抜きで示され、閉状態のバルブが黒塗りで示されている。
【0078】
吐出準備部111は、ステップS12の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS12,S13を繰り返す。所定時間は、圧力測定部69の測定値が設定値Pdに略一致するまで、送液部60内の圧力の調節が繰り返されるように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。なお、吐出準備部111は、所定時間の経過に代えて、送液部60内の圧力が設定値Pdを含む設定範囲に達するまで、ステップS12の処理を繰り返してもよい。ステップS12,S13が行われることで、吐出準備部111が、吐出バルブ72が閉じた状態で、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させる。
【0079】
所定時間が経過したと判断された場合、吐出準備部111はステップS14を実行する。ステップS14では、例えば、吐出準備部111が、切替バルブ71及び第1接続バルブ67を閉じた状態に維持し、第2接続バルブ68を開いた状態に維持したまま、吐出バルブ72を閉状態から開状態に切り替える。この際、吐出準備部111は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、吐出バルブ72を閉状態から開状態に切り替えてもよい。以上により、吐出準備部111は吐出準備処理を終了する。
【0080】
(吐出手順)
図8(b)は、ステップS02の吐出手順を示すフローチャートである。例えば、吐出準備部111により送液部60内と吐出部30内との圧力差が縮小され、吐出バルブ72が開かれた状態で、
図8(b)に示されるように、制御装置100が、ステップS21,S22を実行する。ステップS21では、吐出制御部112が、ノズル31まで送られる処理液の吐出圧力を調節する。ステップS21において、吐出制御部112は、吐出圧力の設定値Pdで処理液を吐出部30に送るように圧送部64(ポンプ76の収縮部)の制御を開始する。これにより、吐出制御部112は、吐出バルブ72が開かれた状態でノズル31からの処理液の吐出を開始させる。吐出制御部112は、吐出開始後においても吐出圧力の調節を継続する。
【0081】
吐出制御部112は、例えば、
図9(b)に示されるように、圧力測定部69による測定値に基づいてポンプ駆動部77(ポンプ76から処理液に加わる圧力)を調節する。吐出制御部112は、処理液の吐出圧力を設定値Pdに追従させるようにポンプ駆動部77を調節してもよい。吐出制御部112は、圧力測定部69による測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からのポンプ76への駆動圧を調節してもよい。吐出制御部112は、ステップS21の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS21,S22の処理を繰り返す。
【0082】
ステップS22において所定時間が経過したと判断された場合、制御装置100は、ステップS23を実行する。ステップS23では、吐出制御部112が、切替バルブ71及び第1接続バルブ67を閉じた状態に維持したまま、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。ステップS23において、吐出制御部112は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、吐出バルブ72を開状態から閉状態に切り替えてもよい。吐出バルブ72が閉じられた後、送液部60内の圧力は設定値Pdに近い値に維持されている。上記所定時間は、動作指令保持部102が保持する動作指令に定められており、例えば、1回あたりの液処理において使用される処理液の量に応じて予め設定されている。制御装置100が、ステップS02の実行中に、ウェハWが回転するように回転保持部20を制御することで、ウェハWの表面Waにレジスト塗布膜が形成されてもよい。
【0083】
(ベント準備手順)
図10は、ステップS03のベント準備手順の一例を示すフローチャートである。
図10に示されるように、制御装置100は、まずステップS31を実行する。ステップS31では、ベント準備部113が、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小するように、補充部50内の圧力を調節する。ベント準備部113は、例えば、補充部50内の圧力が待機圧Pw1から吐出圧力の設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57(ポンプ56内の圧力)を制御する。待機圧Pw1は、ステップS01,S02の実行中において補充部50内の圧力が維持される設定値であり、吐出圧力の設定値Pdよりも大きくてもよい。
【0084】
次に、制御装置100は、ステップS32を実行する。ステップS32では、ベント準備部113が、第1接続バルブ67、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替える。この際、ベント準備部113は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率で切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替えてもよい。
【0085】
次に、制御装置100は、ステップS33,S34を実行する。ステップS33では、ベント準備部113が、圧力測定部69による測定値に基づき、補充部50内の圧力を再調節する。ベント準備部113は、例えば、圧力測定部69による測定値が設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57を制御する。なお、ステップS33では、切替バルブ71が開かれ、補充部50と送液部60とが接続されているが、送液部60の圧送部64が圧力測定部69に繋がる管路から切り離されているので、補充部50内の圧力が調節される。ベント準備部113は、ステップS33の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS33,S34の処理を繰り返す。所定時間は、補充部50内の圧力が設定値Pdに略一致するまで、補充部50内の圧力の調節が繰り返されるように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0086】
ステップS34において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS35を実行する。ステップS35では、ベント準備部113が、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替え、第1接続バルブ67を閉状態から開状態に切り替える。この際、ベント準備部113は、第1接続バルブ67よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替えてもよい。
【0087】
次に、制御装置100は、ステップS36,S37を実行する。ステップS36では、ベント準備部113が、圧力測定部69による測定値に基づき、送液部60内の圧力を調節する。ベント準備部113は、例えば、圧力測定部69による測定値が設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部77を制御する。ベント準備部113は、ステップS36の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS36,S37の処理を繰り返す。所定時間は、送液部60内の圧力が設定値Pdに略一致するまで、送液部60内の圧力の調節が繰り返されるように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0088】
ステップS37において、所定時間が経過したと判断されると、ベント準備部113は、ステップS38を実行する。ステップS38では、ベント制御部114が、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持し、第1接続バルブ67を開いた状態に維持したまま、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替える。この際、ベント制御部114は、第1接続バルブ67よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替えてもよい。以上により、ベント準備部113は、ベント準備手順を終了する。
【0089】
(ベント制御)
図11は、ベント制御手順の一例を示すフローチャートである。
図11に示されるように、制御装置100は、まずステップS41,S42を実行する。ステップS41では、ベント制御部114が、送液部60の圧送部64から補充部50の圧送部53に送られる処理液のベント圧力、及び当該処理液のベント流量を調節する。ステップS41において、ベント制御部114は、ベント圧力及びベント流量の調節するために圧送部53及び圧送部64の制御を開始することでベントを開始させ、ベント開始後においてもベント圧力及びベント流量の調節を継続する。ベント制御部114は、例えば、ベント圧力(圧力測定部69による測定値)が目標値に追従するように、ポンプ駆動部57を制御してポンプ76内を減圧する。また、ベント制御部114は、流量測定部65による測定値に基づいて、ベント流量が目標値に追従するように、ポンプ駆動部77を制御する。ベント圧力及びベント流量の上記目標値は、例えば、ベント完了まで一定の値に設定されてもよい。ベント制御部114は、ステップS41の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS41,S42の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内にベントが終了するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0090】
ステップS42において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS43を実行する。ステップS43では、ベント制御部114が、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71及び第1接続バルブ67を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。この際、ベント制御部114は、第1接続バルブ67よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替えてもよい。以上により、ベント制御部114は、ベント制御手順を終了する。
【0091】
(補充準備)
図12は、ステップS05の補充準備手順の一例を示すフローチャートである。
図12に示されるように、制御装置100は、まずステップS51を実行する。ステップS51では、補充準備部115が、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように、補充部50内の圧力を調節する。補充制御部116は、例えば、
図14(a)に示されるように、圧力測定部54による測定値に基づいて圧送部53(ポンプ駆動部57)を制御する。
【0092】
補充制御部116は、補充部50内の圧力が吐出圧力の設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57を制御してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部54の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節してもよい。ベントが行われない場合(ステップS03,S04が省略される場合)、ステップS05の開始前に、補充部50内は待機圧Pw1に維持されている。したがって、この場合には、補充制御部116は、補充部50内の圧力が待機圧Pw1から設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57を制御する。
【0093】
次に、制御装置100は、ステップS52を実行する。ステップS52では、補充準備部115が、
図14(b)に示されるように、第1接続バルブ67、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替える。この際、補充準備部115は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替えてもよい。
【0094】
次に、制御装置100は、ステップS53,S54を実行する。ステップS53では、補充準備部115が、圧力測定部69による測定値に基づき、補充部50内の圧力を再調節する。具体的には、補充準備部115は、圧送部53と圧送部64との間の圧力が予め定められた設定値に近づくように、圧送部53を制御する。補充準備部115は、例えば、圧力測定部69による測定値が設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部57を制御してもよい。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。補充準備部115は、ステップS53の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS53,S54の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に補充部50内の圧力(圧送部53と圧送部64との間の圧力)が設定値Pdに略一致するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0095】
ステップS54において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS55を実行する。ステップS55では、補充準備部115が、
図14(c)に示されるように、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替え、第2接続バルブ68を閉状態から開状態に切り替える。この際、補充準備部115は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替えてもよい。
【0096】
次に、制御装置100は、ステップS56,S57を実行する。ステップS56では、補充準備部115が、圧力測定部69による測定値に基づき、送液部60内の圧力を調節する。具体的には、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値に基づいて、送液部60内の圧力が、ステップS53で用いた設定値に近づくように圧送部64(ポンプ駆動部77)を制御する。補充準備部115は、圧力測定部69による測定値が設定値Pdに近づくようにポンプ駆動部77を制御してもよい。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節する。補充準備部115は、ステップS56の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS56,S57の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に送液部60内の圧力が設定値Pdに略一致するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0097】
ステップS57において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS58を実行する。ステップS58では、補充制御部116が、第2接続バルブ68及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持し、第2接続バルブ68を開いた状態に維持したまま、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替える。この際、補充制御部116は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替えてもよい。以上により、補充準備部115は補充準備手順を終了する。
【0098】
(補充制御)
図13は、補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
図13に示されるように、制御装置100は、まずステップS61,S62を実行する。ステップS61では、補充制御部116が、補充部50の圧送部53から送液部60の圧送部64に送られる処理液の補充圧力、及び当該処理液の補充流量を調節する。補充制御部116は、補充圧力及び補充流量の調節するために圧送部53及び圧送部64の制御を開始することで処理液の補充を開始させる。補充制御部116は、補充開始後においても補充圧力及び補充流量の調節を継続する。具体的には、補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64のいずれか一方を制御しつつ、補充流量を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64の他方を制御する。補充制御部116は、
図14(d)に示されるように、例えば、圧力測定部69による測定値に基づいて、補充圧力を目標値に追従させるように圧送部53(ポンプ駆動部57)を制御してもよい。補充制御部116は、流量測定部65による測定値に基づいて、補充流量を目標値に追従させるように圧送部64(ポンプ駆動部77)を制御してもよい。
【0099】
補充制御部116は、ステップS61の実行開始から所定時間が経過するまでステップS61,S62の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に送液部60(ポンプ76)への処理液の補充が完了するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、所定時間が経過するまで(処理液の補充が完了するまで)補充圧力の目標値を吐出圧力の設定値Pd(吐出圧力の目標値)に設定してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部69の測定値と設定値Pdとの偏差がゼロに近づき、当該偏差がゼロに略一致する状態が維持されるように、補充開始から補充完了まで、ポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節してもよい。
【0100】
ステップS62において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS63を実行する。ステップS63では、補充制御部116が、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71及び第2接続バルブ68を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。この際、補充制御部116は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替えてもよい。
【0101】
次に、制御装置100は、ステップS64を実行する。ステップS64では、制御装置100が、補充部50のポンプ56内の圧力及び送液部60のポンプ76内の圧力をそれぞれ調節する。制御装置100は、例えば、圧力測定部54による測定値に基づいてポンプ駆動部57を制御することにより、ポンプ56内の圧力(補充部50内の圧力)を待機圧Pw1に調節する。制御装置100は、例えば、圧力測定部66による測定値に基づいてポンプ駆動部77を制御することにより、ポンプ76内の圧力を待機圧Pw2に調節する。待機圧Pw2は、待機圧Pw1よりも小さくてもよい。以上により、補充制御部116は、補充制御手順を終了する。
【0102】
[実施形態の効果]
以上説明した塗布・現像装置2は、ウェハWに処理液を吐出するノズル31を有する吐出部30と、処理液を吐出部30に送る送液部60と、吐出部30に送るための処理液を送液部60に補充する補充部50と、補充部50と送液部60との間を開閉する切替バルブ71を有する第1接続部80と、補充部50から送液部60に補充される処理液に含まれる異物を除去するフィルタ63と、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた後に切替バルブ71を開く補充準備部115と、補充準備部115により切替バルブ71が開かれた状態で、補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させる補充制御部116と、を備える。
【0103】
上述した塗布・現像装置2の制御方法は、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた後に切替バルブ71を開くことと、切替バルブ71が開かれた状態で、補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させることと、を含む。
【0104】
仮に補充部50内と送液部60内との圧力差が大きい状態で切替バルブ71が開くと、補充部50から送液部60に処理液を補充するための流路内に処理液のハンチングが生じる可能性がある。処理液のハンチングとは、処理液が流路内を往復することを意味する。処理液のハンチングが生じると、処理液がフィルタ63を往復するように通過するので、フィルタ63からパーティクルが発生し易くなる。これに対して、上記塗布・現像装置2及び上記制御方法では、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小された後に切替バルブ71が開かれる。このため、処理液のハンチングに起因するパーティクルの発生が抑制される。従って、塗布・現像装置2及び上記制御方法は、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクル低減に有用である。
【0105】
上述の実施形態において、フィルタ63は、送液部60内に設けられている。補充部50内と送液部60内との圧力差が大きい状態で切替バルブ71が開くと、送液部60内において、フィルタ63からパーティクルが発生する程度の処理液のハンチングが生じるおそれがある。これに対して、上記構成では、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小された後に切替バルブ71が開かれる。そのため、送液部60内での処理液のハンチングに起因したパーティクルの発生の抑制に有用である。
【0106】
上述の実施形態において、送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、を有する。補充部50は、液源51と、液源51から送液部60に処理液を送り出す圧送部53と、を有する。補充制御部116は、圧送部53から圧送部64への補充圧力を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64のいずれか一方を制御する。補充制御部116は、圧送部53から圧送部64への補充流量を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64の他方を制御する。この場合、補充流量を調節しつつ、補充中の処理液の圧力を調節することができる。その結果、パーティクルの低減に適した液圧で処理液の補充を行うことが可能となる。
【0107】
上述の実施形態において、塗布・現像装置2は、送液部60と吐出部30との間を開閉する吐出バルブ72と、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させるように送液部60内の圧力を変更した後に吐出バルブ72を開く吐出準備部111と、吐出準備部111により吐出バルブ72が開かれた状態で、ノズル31からウェハWへの処理液の吐出を開始させる吐出制御部112と、を備える。この場合、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させた状態で、吐出バルブ72が開かれるので、吐出バルブ72を開くことに伴う処理液のハンチングを抑制することができる。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクルの低減に更に有用である。
【0108】
上述の実施形態において、送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、を有する。切替バルブ71は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率で開閉する。切替バルブ71の開閉動作に伴って、開閉動作中に液圧の変動が生じる。上記構成では、小さい開度変化率で切替バルブ71の開閉動作が行われることで、フィルタ63に作用する液圧の急激な変動が抑制される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクルの低減に更に有用である。
【0109】
上述の実施形態において、補充準備部115は、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように補充部50内の圧力を変更する。この場合、切替バルブ71が開かれる前に、補充部50内の圧力が変更されて補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小されているので、切替バルブ71が開くことに伴って発生する処理液のハンチングが抑制される。
【0110】
上述の実施形態において、塗布・現像装置2は、ノズル31まで送られる処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように圧送部64を制御する吐出制御部112を備える。補充準備部115は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、処理液の補充が完了するまで補充圧力の目標値を吐出圧力の目標値に設定する。この場合、処理液の補充中において、フィルタ63に作用する圧力の変動が抑えられるので、フィルタ63からのパーティクルの発生を更に抑制することができる。
【0111】
上述の実施形態において、塗布・現像装置2は、送液部60と吐出部30との間を開閉する吐出バルブ72と、を備える。送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、フィルタ63と圧送部64との間の圧力を測定する圧力測定部69と、を有する。補充部50は、液源51と、液源51から送液部60に処理液を送り出す圧送部53と、を有する。補充準備部115は、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小するように、圧送部53を制御することと、切替バルブ71が開き、吐出バルブ72と第2接続バルブ68とが閉じた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、圧送部53と圧送部64との間の圧力が設定値に近づくように圧送部53を制御することと、切替バルブ71と吐出バルブ72とが閉じ、第2接続バルブ68が開いた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、送液部60内の圧力が上記設定値に近づくように圧送部64を制御することと、を順に実行する。この場合、切替バルブ71を開いた状態で、同じ圧力測定部69の測定値に基づいて補充部50内の圧力と送液部60内の圧力とが同一の設定値に近づけられるので、補充開始前に補充部50内と送液部60内との圧力差が更に縮小される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクル低減に更に有用である。
【0112】
図15(a)及び
図15(b)は、吐出後の処理液中に含まれるパーティクルの個数の測定結果の一例を示すグラフである。
図15(a)及び
図15(b)では、縦軸がパーティクルの個数を示している。
図15(a)に示す測定結果と
図15(b)に示す測定結果では、測定対象のパーティクルの大きさの最小値が互いに異なっている。
図15(b)に示す測定結果での上記最小値は、
図15(a)に示す測定結果での上記最小値よりも大きい。
【0113】
「比較例」の測定では、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させずに切替バルブ71を開き、切替バルブ71が開いた状態で補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させた。吐出圧力の目標値は設定値Pdに維持し、補充準備での送液部60内の圧力を設定値Prに近づけるように調節し、吐出前の待機及び吐出中での補充部50内の圧力を設定値Prに維持した。設定値Prは、設定値Pdよりも大きい。
【0114】
「条件1」の測定では、補充中に補充圧力の目標値を設定値Pdに維持しなかった点を除き、上述した実施形態と同様に液処理手順を実行した。「条件1」では、処理液の補充処理において、補充圧力の目標値への追従制御を行うことなく、送液部60に補充される補充流量が略一定となるように補充部50の圧送部53(ポンプ駆動部57)を制御した。「条件2」の測定では、上述した実施形態と同様に液処理手順を実行した。
図15(a)及び
図15(b)に示されるように、切替バルブ71が閉じた状態で上記圧力差を縮小させることで、処理液中に含まれるパーティクルの個数が減少していることが確認された。また、条件1と条件2との測定結果を比較すると、補充圧力を略一定に維持することにより、パーティクルの個数がより減少していることがわかる。
【0115】
図16(a)には、比較例での圧力測定部69の測定値(液圧)の時間変動が示されている。
図16(b)には、条件2での圧力測定部69の測定値(液圧)の時間変動が示されている。
図16(a)及び
図16(b)に示す時間変動では、ベント準備及びベンド処理が省略された場合の測定値が示されている。比較例では、吐出終了後の補充準備の段階において、補充部50内と送液部60内との圧力差が大きい状態で切替バルブ71が開かれている。
図16(a)に示されるように、補充準備において、液圧が設定値Prを中心として上下に変動している。この圧力変動は、上述した処理液のハンチングを表している。一方、条件2の測定結果では、吐出終了後の補充準備の段階において、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させた状態で切替バルブ71が開かれている。
図16(b)に示されるように、補充準備において、上記処理液のハンチング(圧力変動)が、比較例と比べて明らかに小さい。このハンチングの抑制が、パーティクル減少の要因の一つであると考えられる。また、処理液の補充中において、補充圧力が略一定に維持されている。この補充圧力を略一定に維持することも、パーティクル減少の要因の一つであると考えられる。
【0116】
以上、第1実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0117】
(変形例1)
上述した例では、吐出処理において、フィルタ63を介さずに送液部60から吐出部30に処理液が送られるが、吐出処理はこれに限られない。例えば、送液部60は、吐出部30に処理液を送る際に、分岐管62bに代えて分岐管62aと、送液管61とを経て吐出部30に処理液を送ってもよい。吐出準備手順において(ステップS12と同様の処理において)、
図17(a)に示されるように、切替バルブ71、吐出バルブ72、第2接続バルブ68が閉じ、第1接続バルブ67が開いた状態で、吐出準備部111は、圧力測定部69の測定値に基づいてポンプ駆動部77を制御することで、送液部60内の圧力を調節してもよい。
【0118】
そして、吐出準備部111は、ステップS21~S23と同様の制御を実行することで、吐出バルブ72が開いた状態で、ノズル31から処理液を吐出させてもよい。この際、
図17(b)に示されるように、圧送部64(ポンプ76)からフィルタ63を経て吐出部30に処理液が送られる。処理液の吐出中において、切替バルブ71及び第2接続バルブ68が閉じ、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72が開いた状態で、吐出準備部111は、例えば、圧力測定部69の測定値に基づいてポンプ駆動部77を制御することで、送液部60内の圧力を調節する。
【0119】
(変形例2)
上述した例では、補充処理において、補充開始から補充完了まで補充圧力が設定値Pdに略一定に維持されるが、補充中の補充圧力の目標値はこれに限られない。例えば、補充準備部115は、吐出圧力の設定値Pdが処理液の補充に適さない場合には、補充開始時において補充圧力が設定値Pdとは異なる圧力になるように補充準備を実行してもよい。そして、補充制御部116が、処理液の補充中において補充圧力が徐々に設定値Pdに近づくように、補充圧力の目標値への追従制御を実行してもよい。
図18(a)は、補充開始時の圧力を吐出圧力の設定値Pdよりも高くした場合の一例を示している。
図18(b)は、補充開始時の圧力を吐出圧力の設定値Pdよりも低くした場合の一例を示している。
【0120】
図18(a)に示されるように、補充準備部115は、ステップS05の補充準備処理において、補充部50内の圧力及び送液部60内の圧力が設定値Pdよりも大きい設定値となるように処理液供給部29を制御してもよい。補充制御部116は、補充圧力の目標値を、補充開始から補充完了まで、設定値Pdよりも大きい設定値から徐々に設定値Pd(吐出圧力の目標値)に近づけてもよい。これにより、ステップS06の補充処理において、補充圧力が設定値Pdよりも大きい値から、吐出時の吐出圧力に略等しい設定値Pdに徐々に減少していく。
【0121】
図18(b)に示されるように、補充準備部115は、ステップS05の補充準備処理において、補充部50内の圧力及び送液部60内の圧力が設定値Pdよりも小さい設定値となるように処理液供給部29を制御してもよい。補充制御部116は、補充圧力の目標値を、補充開始から補充完了まで、設定値Pdよりも小さい設定値から徐々に設定値Pd(吐出圧力の目標値)に近づけてもよい。これにより、ステップS06の補充処理において、補充圧力が設定値Pdよりも小さい値から、吐出時の吐出圧力に略等しい設定値Pdに徐々に増加していく。
【0122】
この変形例2に係る塗布・現像装置2は、ノズル31まで送られる処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように圧送部64を制御する吐出制御部112を備える。補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、処理液の補充が完了するまで補充圧力の目標値を徐々に吐出圧力の目標値(設定値Pd)に近づける。この場合、補充圧力が処理液の補充に適した圧力に設定された状態で処理液の補充を開始しつつ、補充中に吐出圧力の目標値に近づけることができる。その結果、より効率的に液処理を行うことが可能となる。
【0123】
なお、上記実施形態に係る液処理手順において、補充準備部115は、ステップS53での補充部50内圧力の調節と、ステップS56での送液部60内圧力の調節とを省略してもよい。この場合、補充準備部115が、待機圧の調節により圧力差を縮小させ(ステップS51の処理を行い)、補充開始の直前に切替バルブ71を開いた後に、補充制御部116が処理液の補充を開始してもよい。
【0124】
[第2実施形態]
続いて、
図19~
図23を参照して、第2実施形態に係る基板処理システムが備える塗布・現像装置2について説明する。第2実施形態に係る塗布・現像装置2において実行される液処理手順は、ステップS05の補充準備手順及びステップS06の補充制御手順が第1実施形態と相違する。この液処理手順では、例えば、吐出圧力の目標値が設定値Pdに設定されており、吐出開始前及び補充開始前の送液部60内の圧力並びに補充圧力が設定値Prに設定されている。設定値Prは、設定値Pdよりも大きい。
【0125】
補充準備部115は、例えば、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように送液部60内の圧力を変更する。補充準備部115は、補充準備を開始させる前の補充部50内と送液部60内との圧力差に比べて、補充準備後において上記圧力差を少なくとも縮小させていればよい。一例として、補充準備部115は、送液部60内の圧力が補充部50内の圧力に略一致するように、送液部60内の圧力を変更する。このように、第1実施形態に係る補充準備では、上記圧力差を縮小させるために補充部50内の圧力が変更されるのに対して、第2実施形態に係る補充準備では送液部60内の圧力が変更される。
【0126】
補充準備の一例として、まず、補充準備部115は、切替バルブ71と吐出バルブ72とが閉じ、第2接続バルブ68が開いた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、送液部60内の圧力が設定値(例えば、設定値Pr)に近づくように圧送部64(ポンプ駆動部77)を制御する。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への圧力を調節する。次に、補充準備部115は、切替バルブ71を開いた後に、吐出バルブ72と第2接続バルブ68とが閉じた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、圧送部53と圧送部64との間の圧力が上記設定値(例えば、設定値Pr)に近づくように圧送部53を制御する。例えば、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への圧力を調節する。
【0127】
補充制御部116は、補充準備部115により例えば、送液部60内の圧力が調節され、切替バルブ71が開かれた状態で補充部50内の圧力が調節された後に、補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させる。補充制御部116は、切替バルブ71が開いた状態で補充部50から送液部60へ処理液を補充させる。補充制御部116は、第1実施形態と同様に、圧送部53及び圧送部64を制御することで補充圧力の追従制御と補充流量の追従制御とを行う。補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、補充開始から補充終了まで補充圧力の目標値を設定値Prに設定してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。
【0128】
(補充準備)
図19は、第2実施形態に係る補充準備手順を示すフローチャートである。この補充準備手順では、例えば補充部50内の圧力が設定値Prに維持されている状態で、制御装置100が最初にステップS151を実行する。ステップS151では、例えば、補充制御部116が、
図21(a)に示されるように、切替バルブ71、吐出バルブ72、及び第1接続バルブ67を閉状態に維持したまま、第2接続バルブ68を閉状態から開状態に切り替える。
【0129】
次に、制御装置100は、ステップS152,S153を実行する。ステップS152では、補充制御部116が、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように、送液部60内の圧力を調節する。補充制御部116は、例えば、
図21(a)に示されるように、圧力測定部69による測定値に基づいて圧送部64(ポンプ駆動部77)を制御する。補充制御部116は、送液部60内の圧力が補充圧力の設定値Prに近づくようにポンプ駆動部77を制御してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部77からポンプ76への駆動圧を調節してもよい。補充制御部116は、ステップS152の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS152,S153の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に送液部60内の圧力が設定値Prに略一致するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0130】
ステップS153において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS154を実行する。ステップS154では、補充準備部115が、
図21(b)に示されるように、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替え、第2接続バルブ68を開状態から閉状態に切り替える。この際、補充準備部115は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を閉状態から開状態に切り替えてもよい。
【0131】
次に、制御装置100は、ステップS155,S156を実行する。ステップS155では、例えば、補充準備部115が、圧力測定部69による測定値に基づき、補充部50内(圧送部53と圧送部64との間)の圧力を調節する。具体的には、補充準備部115は、圧送部53と圧送部64との間の圧力がステップS152で用いられた設定値に近づくように圧送部53を制御してもよい。補充準備部115は、例えば、圧力測定部69による測定値が設定値Prに近づくようにポンプ駆動部57を制御する。一例として、補充準備部115は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。補充準備部115は、ステップS155の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS155,S156の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に圧送部53と圧送部64との間の圧力が設定値Prに略一致するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0132】
ステップS156において、所定時間が経過したと判断されると、補充準備部115は、ステップS157を実行する。ステップS157では、補充制御部116が、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持し、切替バルブ71を開いた状態に維持したまま、第2接続バルブ68を閉状態から開状態に切り替える。以上により、補充準備部115は、補充準備手順を終了する。
【0133】
第1実施形態に係る補充準備手順では、切替バルブ71が閉じた状態での補充部50内の圧力調節、切替バルブ71が開いた状態での補充部50内の圧力の再調節、及び切替バルブ71が閉じた状態での送液部60内の圧力調節が、この順で行われる。これに対して、上述の第2実施形態に係る補充準備手順では、切替バルブ71が閉じた状態での送液部60内の圧力調節、及び切替バルブ71が開いた状態での補充部50内の圧力調節が、この順で行われる。
【0134】
(補充制御)
図20は、第2実施形態に係る補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
図20に示されるように、制御装置100は、ステップS161,S162を実行する。ステップS162では、補充制御部116が、補充部50の圧送部53から送液部60の圧送部64に送られる処理液の補充圧力、及び当該処理液の補充流量を調節するために圧送部53及び圧送部64の制御を開始することにより、処理液の補充を開始させる。補充制御部116は、例えば、
図21(c)に示されるように、ステップS61,S62と同様に、補充圧力及び補充流量の目標値への追従制御をそれぞれ実行する。
【0135】
補充制御部116は、ステップS162の実行開始から所定時間が経過するまでステップS161,S162の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に送液部60(ポンプ76)への処理液の補充が完了するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、所定時間が経過するまで(処理液の補充が完了するまで)、補充圧力の目標値を設定値Prに設定してもよい。例えば、補充制御部116は、圧力測定部69の測定値と設定値Prとの偏差がゼロに近づき、当該偏差がゼロに略一致する状態が維持されるように、補充開始から補充完了まで、ポンプ駆動部57からポンプ56への駆動圧を調節する。
【0136】
ステップS162において、所定時間が経過したと判断されると、制御装置100は、ステップS163を実行する。ステップS163では、補充制御部116が、ステップS64と同様に、第1接続バルブ67及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、切替バルブ71及び第2接続バルブ68を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。この際、補充制御部116は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率(遅い動作速度)で、切替バルブ71を開状態から閉状態に切り替えてもよい。
【0137】
次に、制御装置100は、ステップS164を実行する。ステップS164では、制御装置100が、補充部50のポンプ56内の圧力及び送液部60のポンプ76内の圧力をそれぞれ調節する。制御装置100は、例えば、圧力測定部54による測定値に基づいてポンプ駆動部57を制御することにより、ポンプ56内の圧力(補充部50内の圧力)を設定値Pr(待機圧)に調節する。制御装置100は、例えば、圧力測定部66による測定値に基づいてポンプ駆動部77を制御することにより、ポンプ76内の圧力を設定値Prよりも小さい待機圧に調節する。以上により、補充制御部116は、補充制御手順を終了する。
【0138】
第2実施形態に係る液処理手順において行われる処理液の吐出制御では、
図9(b)に示されるように、圧送部64(ポンプ76)からフィルタ63を介さずに処理液が吐出部30に送られてもよい。あるいは、
図17(b)に示されるように、圧送部64(ポンプ76)からフィルタ63を介して処理液が吐出部30に送られてもよい。
【0139】
第2実施形態に係る液処理手順において行われるベント準備手順において、上述の補充準備と同様に、切替バルブ71が閉じた状態での送液部60内の圧力調節、及び切替バルブ71が開いた状態での補充部50内の圧力調節が、この順で行われてもよい。
【0140】
[第2実施形態の効果]
以上説明した第2実施形態に係る塗布・現像装置2及び液処理手順においても、第1実施形態と同様に、補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小された後に切替バルブ71が開かれる。このため、切替バルブ71を開いた際に、補充部50から送液部60に処理液を補充するための流路内での処理液のハンチングの発生が抑制される。上述の第2実施形態では、送液部60内にフィルタ63が設けられ、送液部60内において処理液のハンチングの発生が抑制される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクル低減に有用である。
【0141】
上述の第2実施形態において、補充準備部115は、切替バルブ71が閉じた状態で、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させるように送液部60内の圧力を変更する。この場合、切替バルブ71が開かれる前に、送液部60内の圧力が変更されて補充部50内と送液部60内との圧力差が縮小されているので、切替バルブ71が開くことに伴って発生する処理液のハンチングが抑制される。なお、送液部60の圧送部64(ポンプ76)内の処理液の容積は、補充部50の圧送部53(ポンプ56)内の処理液の容積よりも小さい場合が多い。また、フィルタ63及び圧力測定部69までの配管容積について、補充部50側に比べて送液部60側が小さい(圧送部64と圧力測定部69との間の距離が、圧送部53と圧力測定部69との間の距離よりも短い)場合が多い。従って、上記構成では送液部60内の圧力を変更するので、第1実施形態と比べて、高い分解能での(より高精度な)圧力制御及び迅速な圧力制御が可能となる。
【0142】
上述の第2実施形態において、送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、を有する。補充部50は、液源51と、液源51から送液部60に処理液を送り出す圧送部53と、を有する。補充制御部116は、圧送部53から圧送部64への補充圧力を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64のいずれか一方を制御する。補充制御部116は、圧送部53から圧送部64への補充流量を目標値に追従させるように圧送部53及び圧送部64の他方を制御する。この場合、補充流量を調節しつつ、補充中の処理液の圧力を調節することができる。その結果、パーティクルの低減に適した液圧で処理液の補充を行うことが可能となる。
【0143】
上述の第2実施形態において、塗布・現像装置2は、送液部60と吐出部30との間を開閉する吐出バルブ72と、送液部60内と吐出部30内の圧力差を縮小させるように送液部60内の圧力を変更した後に吐出バルブ72を開く吐出準備部111と、吐出準備部111により吐出バルブ72が開かれた状態で、ノズル31からウェハWへの処理液の吐出を開始させる吐出制御部112と、を備える。この場合、送液部60内と吐出部30内との圧力差を縮小させた状態で、吐出バルブ72が開かれるので、吐出バルブ72を開くことに伴う処理液のハンチングを抑制することができる。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクルの低減に更に有用である。
【0144】
上述の第2実施形態において、送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、を有する。切替バルブ71は、第2接続バルブ68よりも小さい開度変化率で開閉する。切替バルブ71の開閉動作に伴って、開閉動作中に液圧の変動が生じる。上記構成では、小さい開度変化率で切替バルブ71の開閉動作が行われることで、フィルタ63に作用する液圧の急激な変動が抑制される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクルの低減により有用である。
【0145】
上述の第2実施形態において、塗布・現像装置2は、補充部50と送液部60との間を開閉する切替バルブ71と、送液部60と吐出部30との間を開閉する吐出バルブと、を備える。送液部60は、フィルタ63を介して補充部50と吐出部30とを接続する送液管61と、送液管61を経て補充部50から処理液を受け入れ、送液管61を経て吐出部30に処理液を送り出す圧送部64と、送液管61と圧送部64との間を開閉する第2接続バルブ68と、フィルタ63と圧送部64との間の圧力を測定する圧力測定部69と、を有する。補充部50は、液源51と、液源51から送液部60に処理液を送り出す圧送部53と、を有する。補充準備部115は、切替バルブ71と吐出バルブ72とが閉じ、第2接続バルブ68が開いた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、送液管61内の圧力が設定値に近づくように圧送部64を制御することと、切替バルブ71が開き、吐出バルブ72と第2接続バルブ68とが閉じた状態で、圧力測定部69の測定値に基づいて、圧送部53と圧送部64との間の圧力が上記設定値に近づくように圧送部53を制御することと、を順に実行する。この場合、同じ圧力測定部69の測定値に基づいて補充部50内の圧力と送液部60内の圧力とが同一の設定値に近づけられるので、補充開始前に補充部50内と送液部60内との圧力差がより確実に縮小される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクル低減に更に有用である。なお、第1実施形態と異なり切替バルブ71が閉じた状態で先に送液部60内の圧力が調節されるので、補充部50内の圧力の調節幅が小さい。このため、処理液の補充開始前に送液部60側の圧力と補充部50側の圧力とを設定値に合わせる場合であっても、第1実施形態に比べて迅速な圧力制御が可能となる。
【0146】
図22は、吐出後の処理液中に含まれるパーティクルの個数の測定結果の一例を示すグラフである。
図22では、縦軸がパーティクルの個数を示している。
図22には、「比較例1」での測定結果、「比較例2」での測定結果、「条件1」での測定結果、及び「条件2」での測定結果が示されている。比較例1及び比較例2の測定では、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させずに切替バルブ71を開き、切替バルブ71が開いた状態で補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させた。比較例1では、処理液の吐出においてフィルタ63を介して処理液を吐出させた。比較例2では、処理液の吐出においてフィルタ63を介さずに処理液を吐出させた。
【0147】
条件1及び条件2では、上記第2実施形態に係る液処理手順と同様に、補充部50内と送液部60内との圧力差を縮小させて切替バルブ71を開き、切替バルブ71が開いた状態で補充部50から送液部60への処理液の補充を開始させた。条件1では、処理液の吐出においてフィルタ63を介して処理液を吐出させた。条件2では、処理液の吐出においてフィルタ63を介さずに処理液を吐出させた。比較例1、比較例2、条件1、及び条件2のいずれの場合でも、処理液の補充時の圧力は、吐出圧力の設定値Pdよりも大きい設定値Prに設定した。
【0148】
比較例1と条件1との測定結果を比べると、上記圧力差を縮小させて切替バルブ71を開くことで、パーティクルの個数が減少していることがわかる。比較例2と条件2との測定結果を比べると、上記圧力差を縮小させて切替バルブ71を開くことで、パーティクルの個数が減少していることがわかる。
図23(a)には、条件2での圧力測定部69の測定値(液圧)の時間変動が示されている。圧力差を縮小させずに切替バルブ71を開く場合での液圧の時間変動(例えば、
図14(a)に示す時間変動)と比べて、補充準備での処理液のハンチング(圧力変動)が小さいことがわかる。このハンチングの抑制がパーティクル減少の要因であると考えられる。なお、条件2では、補充中の処理液の補充圧力の目標値は、設定値Prに維持して測定を行った。
【0149】
(変形例)
補充中の処理液の補充圧力の目標値は、上述のように設定値Prに維持されてもよいが、処理液の補充が完了するまで補充圧力の目標値を徐々に吐出圧力の目標値に近づけてもよい。
図23(b)は、補充開始時の圧力が設定値Prに設定され、補充中に補充圧力を設定値Pdに近づける場合の液圧の時間変動を示している。補充制御部116は、補充圧力の目標値への追従制御において、補充圧力の目標値を、補充開始から補充完了まで、設定値Prから徐々に設定値Pd(吐出圧力の目標値)に近づけてもよい。これにより、ステップS06の補充処理において、補充圧力が設定値Prから吐出時の吐出圧力に略等しい設定値Pdに徐々に減少していく。
【0150】
上記変形例に係る塗布・現像装置2は、ノズル31まで送られる処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように圧送部64を制御する吐出制御部112を備える。補充制御部116は、補充圧力を目標値に追従させる制御において、処理液の補充が完了するまで補充圧力の目標値を徐々に吐出圧力の目標値に近づける。この場合、補充圧力が処理液の補充に適した圧力に設定された状態で処理液の補充を開始しつつ、補充中に吐出圧力の目標値に近づけることができる。その結果、より効率的に液処理を行うことが可能となる。
【0151】
なお、第2実施形態に係る液処理手順において、補充圧力の設定値Prと吐出圧力の設定値Pdとが略等しい値に設定されてもよい。
【0152】
[第3実施形態]
続いて、
図24~
図29を参照して、第3実施形態に係る基板処理システムが備える塗布・現像装置2について説明する。第3実施形態に係る塗布・現像装置2の液処理ユニットU1は、処理液供給部29に代えて、処理液供給部29Aを備える。処理液供給部29Aは、処理液供給部29と同様に、回転保持部20に回転保持されたウェハWに処理液を供給する。処理液供給部29Aは、
図24に示されるように、吐出部30と、送液部210と、第1接続部230(接続部)と、補充部250と、第2接続部90と、を備える。
【0153】
送液部210は、処理液を吐出部30に送る。具体的には、送液部210は、処理液を所定の圧力で吐出部30(ノズル31)に向けて送り出す。送液部210は、第2接続部90(吐出バルブ72)を介して吐出部30に接続されている。送液部210と吐出部30との間は、吐出バルブ72によって開閉される。送液部210は、例えば、送液管212と、圧送部214(吐出用圧送部)と、を備える。
【0154】
送液管212は、処理液を吐出部30に導く。具体的には、送液管212は、吐出部30の送液管32の上流側における端部に吐出バルブ72を介して接続されている。圧送部214は、補充部250から処理液を受け入れ、受け入れた処理液を加圧して吐出部30に向けて送り出す。圧送部214は、例えば、ポンプ216と、出力バルブ218と、ポンプ駆動部222と、圧力測定部224と、を備える。
【0155】
ポンプ216は、処理液を収容する収容室と、収容室を収縮させる収縮部とを有する。ポンプ216は、収縮部により収容室を拡大して処理液を受け入れ、収縮部により収容室を収縮させて処理液を送り出す。ポンプ216として、例えば、チューブフラムポンプ、ダイヤフラムポンプ、又はベローズポンプが用いられてもよい。出力バルブ218は、送液管212に設けられており、制御装置100の動作指示に基づき、送液管212内の流路を開閉する。出力バルブ218は、例えば、エアオペレーションバルブである。
【0156】
ポンプ駆動部222は、制御装置100の動作指示に基づき、ポンプ216を駆動する。具体的には、ポンプ駆動部222は、ポンプ216の収容室を収縮させるように収縮部を動作させる(駆動する)。例えば、ポンプ駆動部222は、気体により収縮部を動作させるエアオペレーション型の駆動部である。ポンプ駆動部222は、上記気体の圧力(駆動圧)を調節することで、ポンプ216の収容室を収縮させてもよい。圧力測定部224は、ポンプ216内の圧力に関する情報を取得する。例えば、圧力測定部224は、ポンプ216とポンプ駆動部222との間の接続管内の圧力を測定する。圧力測定部224は、測定値を制御装置100に出力する。
【0157】
第1接続部230は、送液部210と補充部250との間を接続する。送液部210は、第1接続部230を介して処理液を受け入れる。第1接続部230は、例えば、接続管232と、フィルタ234と、第1切替バルブ236(切替バルブ)と、第2切替バルブ238と、を備える。
【0158】
接続管232は、送液部210(ポンプ216)まで処理液を導く。具体的には、接続管232の下流側の端部は送液部210に接続されており、接続管232の上流側の端部は補充部250に接続されている。このように、接続管232は、送液部210(ポンプ216)と補充部250との間を接続しており、補充部250から送液部210に処理液を補充するための流路を形成している。フィルタ234は、接続管232に設けられており、処理液に含まれる異物を除去する。具体的には、フィルタ234は、接続管232内の流路を流れる処理液(補充部250から送液部210に補充される処理液)に含まれる異物を除去する。
【0159】
第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238は、送液部210と補充部250との間を開閉する。第1切替バルブ236は、接続管232のうちのフィルタ234の下流に設けられている。第1切替バルブ236は、制御装置100の動作指示に基づき、接続管232内の流路においてフィルタ234と送液部210との間を開閉する。第2切替バルブ238は、接続管232のうちのフィルタ234の上流に設けられている。第2切替バルブ238は、制御装置100の動作指示に基づき、接続管232内の流路においてフィルタ234と補充部250との間を開閉する。第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238は、例えば、エアオペレーションバルブである。
【0160】
補充部250は、吐出部30に向けて送るための処理液を送液部210に補充する。補充部250は、例えば、液源252と、貯留タンク254と、圧送部256(補充用圧送部)と、送液管262と、を備える。
【0161】
液源252は、送液部210に補充される処理液の供給源である。液源252は、送液管262を介して圧送部256に処理液を供給する。貯留タンク254は、送液管262に設けられており、圧送部256に供給するための処理液を一時的に貯留する。
【0162】
圧送部256は、貯留タンク254から第1接続部230を通して送液部210に向けて処理液を送り出す。圧送部256は、貯留タンク254から処理液を受け入れて、受け入れた処理液を加圧して第1接続部230に送り出す。圧送部256は、例えば、ポンプ266と、ポンプ駆動部272と、圧力測定部274と、を備える。
【0163】
ポンプ266は、処理液を収容する収容室と、収容室を収縮させる収縮部とを有する。ポンプ266は、収縮部により収容室を拡大して処理液を受け入れ、収縮部により収容室を収縮させて処理液を送り出す。ポンプ266として、例えば、チューブフラムポンプ、ダイヤフラムポンプ、又はベローズポンプが用いられてもよい。
【0164】
ポンプ駆動部272は、制御装置100の動作指示に基づき、ポンプ266を駆動する。具体的には、ポンプ駆動部272は、ポンプ266の収容室を収縮させるように収縮部を動作させる(駆動する)。例えば、ポンプ駆動部272は、気体により収縮部を動作させるエアオペレーション型の駆動部である。ポンプ駆動部272は、上記気体の圧力(駆動圧)を調節することで、ポンプ266の収容室を収縮させてもよい。圧力測定部274は、ポンプ266内の圧力に関する情報を取得する。例えば、圧力測定部274は、ポンプ266とポンプ駆動部272との間の接続管内の圧力を測定する。圧力測定部274は、測定値を制御装置100に出力する。
【0165】
以上の処理液供給部29Aも、第1実施形態及び第2実施形態に係る処理液供給部29と同様に、制御装置100によって制御される。制御装置100は、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させた後に第1切替バルブ236を開くことと、第1切替バルブ236が開かれた状態で補充部250から送液部210への処理液の補充を開始させることと、を実行するように構成されている。
【0166】
制御装置100の吐出準備部111は、ノズル31からの処理液の吐出を開始する前に、送液部210内の処理液の圧力を調節する。吐出準備部111は、出力バルブ218が開き、吐出バルブ72が閉じた状態で、送液部210内と吐出部30内との圧力差を縮小させるように送液部210内の圧力を変更する。吐出準備部111は、送液部210内と吐出部30内との圧力差を縮小させた状態で吐出バルブ72を開く。
【0167】
制御装置100の補充準備部115は、補充部250から送液部210へ処理液を補充するための準備を行う。具体的には、補充準備部115は、第1切替バルブ236と第2切替バルブ238とが閉じた状態で、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させるように補充部250内の圧力と送液部210内の圧力とを変更してもよい。その後、補充準備部115は、第1切替バルブ236を閉じた状態に維持したまま、第2切替バルブ238を開いた後に、第1接続部230内と送液部210内との圧力差を縮小させるように、補充部250(ポンプ266)と第2切替バルブ238との間の圧力と、送液部210内の圧力とを変更する。これらの処理により、補充準備を開始させる前の補充部250内と送液部210内との圧力差に比べて、補充準備後において上記圧力差が縮小する。補充準備部115は、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させた状態で第1切替バルブ236を開く。
【0168】
補充準備部115は、補充準備を開始させる前の補充部250内と送液部210内との圧力差に比べて、補充準備後において上記圧力差を少なくとも縮小させていればよい。一例として、補充準備部115は、補充部250内の圧力(第1接続部230内の圧力)が第1設定値Pr1に略一致するように圧送部256を制御し、送液部210内の圧力が第2設定値Pr2に略一致するように圧送部214を制御する。第1設定値Pr1と第2設定値Pr2とは、互いに略同一であってもよく、第1設定値Pr1が第2設定値Pr2よりも大きくてもよく、小さくてもよい。以下では、第1設定値Pr1が第2設定値Pr2よりも大きい値に設定されている場合を例示する。一例では、第1設定値Pr1は、第2設定値Pr2よりも1kPa~15kPa程度大きい値に設定されている。
【0169】
補充準備の一例として、まず、補充準備部115は、第1切替バルブ236と第2切替バルブ238とが閉じた状態で、補充部250内の圧力が第1設定値Pr1に近くづくように圧送部256を制御し、送液部210内の圧力が第2設定値Pr2に近づくように圧送部214を制御する。そして、補充準備部115は、第2切替バルブ238を開いた後に、第1切替バルブ236を閉じた状態に維持したまま、第1接続部230内の圧力(補充部250から第1切替バルブ236までの間の圧力)が第1設定値Pr1に近くづくように圧送部256を制御し、送液部210内の圧力が第2設定値Pr2に近づくように圧送部214を制御する。補充準備部115は、補充準備の実行期間において、送液部210の出力バルブ218を閉じた状態に維持してもよい。
【0170】
図25は、第3実施形態に係る液処理手順の一例を示すフローチャートである。
図25に示されるように、制御装置100は、まずステップS201,S202を順に実行する。ステップS201では、例えば、吐出準備部111が、ノズル31からの処理液の吐出の準備として、送液部210内と吐出部30内との圧力差を縮小させるように処理液供給部29Aを制御する。ステップS202では、例えば、吐出制御部112が、送液部210内と吐出部30内との圧力差が縮小した状態で、ノズル31から処理液をウェハWに向けて吐出させるように処理液供給部29Aを制御する。ステップS201の吐出準備及びステップS202の吐出処理の詳細については後述する。
【0171】
次に、制御装置100は、ステップS203,S204を順に実行する。ステップS03では、例えば、補充準備部115が、補充部250から送液部210に処理液を補充する準備として、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させるように処理液供給部29Aを制御する。ステップS204では、例えば、補充制御部116が、補充部250内と送液部210内との圧力差が縮小した状態で、補充部250から送液部210に処理液を補充させるように処理液供給部29Aを制御する。ステップS203の補充準備及びステップS04の補充処理の詳細については後述する。以上により、一連の液処理手順が終了する。
【0172】
図26(a)は、ステップS201の吐出準備手順の一例を示すフローチャートである。
図26(a)に示されるように、制御装置100は、最初にステップS211を実行する。ステップS211では、例えば、吐出準備部111が、第1切替バルブ236、第2切替バルブ238、及び吐出バルブ72が閉じた状態において、出力バルブ218を閉状態から開状態に切り替える。
【0173】
次に、制御装置100は、ステップS212,S213を実行する。ステップS212では、例えば、吐出準備部111が、送液部210内の圧力を調節する。吐出準備部111は、例えば、圧力測定部224による測定値に基づいて、送液部210内の圧力(送液管212内の圧力)を調節する。吐出準備部111は、圧力測定部224による測定値が吐出圧力の設定値Pdに追従するように(近づくように)、ポンプ駆動部222を制御してもよい。例えば、吐出準備部111は、圧力測定部224の測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部222からポンプ216への駆動圧を調節してもよい。吐出準備部111は、送液部210内の圧力が設定値Pdに達するまで、ステップS212,S213の処理を繰り返す。ステップS212,S213の実行により、吐出準備部111は、吐出バルブ72が閉じた状態で、送液部210内と吐出部30内との圧力差を縮小させる。
【0174】
次に、制御装置100はステップS214を実行する。ステップS214では、例えば、吐出準備部111が、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238を閉じた状態に維持し、出力バルブ218を開いた状態に維持したまま、吐出バルブ72を閉状態から開状態に切り替える。以上により、吐出準備部111は吐出準備を終了する。
【0175】
図25(b)は、ステップS202の吐出制御手順の一例を示すフローチャートである。例えば、吐出準備部111により送液部210内と吐出部30内との圧力差が縮小され、吐出バルブ72が開かれた状態で、
図25(b)に示されるように、制御装置100が、ステップS221,S222を実行する。ステップS221では、吐出制御部112が、ノズル31まで送られる処理液の吐出圧力を調節する。ステップS221において、吐出制御部112は、吐出圧力の設定値Pdで処理液を吐出部30に送るように圧送部214(ポンプ駆動部222)の制御を開始する。これにより、吐出制御部112は、吐出バルブ72が開かれた状態でノズル31からの処理液の吐出を開始させる。吐出制御部112は、吐出開始後においても吐出圧力の調節を継続する。
【0176】
吐出制御部112は、例えば、圧力測定部224による測定値に基づいてポンプ駆動部222(ポンプ216から処理液に加わる圧力)を調節する。吐出制御部112は、処理液の吐出圧力を設定値Pdに追従させるようにポンプ駆動部222を調節してもよい。吐出制御部112は、圧力測定部224による測定値と設定値Pdとの偏差に応じて、当該偏差がゼロに近づくようにポンプ駆動部222からのポンプ216への駆動圧を調節してもよい。吐出制御部112は、ステップS221の実行開始から所定時間が経過するまで、ステップS221,S222の処理を繰り返す。上記所定時間は、動作指令保持部102が保持する動作指令に定められており、例えば、1回あたりの液処理において使用される処理液の量に応じて予め設定されている。
【0177】
次に、制御装置100は、ステップS223,S224を順に実行する。ステップS223では、例えば、吐出制御部112が、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238を閉じた状態に維持したまま、出力バルブ218及び吐出バルブ72を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。ステップS234では、例えば、吐出制御部112が、圧力測定部224による測定値に基づいてポンプ駆動部222を制御することにより、送液部210内の圧力(ポンプ216内の圧力)を待機圧Ps2に調節する。なお、ステップS201,S202の吐出準備及び吐出処理が実行されている間において、制御装置100は、圧送部256により、補充部250内の圧力(ポンプ266内の圧力)を待機圧Ps1に維持させてもよい。待機圧Ps1は、待機圧Ps2よりも大きくてもよい。補充部250内の待機圧Ps1は、上記第1設定値Pr1よりも大きい値に予め定められていてもよい。送液部210内の待機圧Ps2は、上記第2設定値Pr2よりも大きい値に予め定められていてもよい。
【0178】
図27は、ステップS203の補充準備手順の一例を示すフローチャートである。
図27に示されるように、制御装置100は、まずステップS231,S232を実行する。ステップS231では、例えば、補充準備部115が、第1切替バルブ236と第2切替バルブ238とが閉じた状態で、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させるように、補充部250内の圧力と送液部210内の圧力とを調節する。補充制御部116は、例えば、
図28(a)に示されるように、補充部250内の圧力を調節するために、圧力測定部274による測定値に基づいてポンプ駆動部272を制御する。また、補充制御部116は、送液部210内の圧力を調節するために、圧力測定部224による測定値に基づいてポンプ駆動部222を制御する。
【0179】
一例では、補充準備部115は、補充部250内の圧力が待機圧Ps1から第1設定値Pr1に近づくようにポンプ駆動部272を制御し、送液部210内の圧力が待機圧Ps2から第2設定値Pr2に近づくようにポンプ駆動部222を制御する。補充準備部115は、補充部250内の圧力が第1設定値Pr1に達し、送液部210内の圧力が第2設定値Pr2に達するまで、ステップS231,S232の処理を繰り返す。ステップS231,S232の実行により、補充準備部115は、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238が閉じた状態で、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させる。
【0180】
次に、制御装置100は、ステップS233を実行する。ステップS233では、例えば、補充準備部115が、第1切替バルブ236、出力バルブ218、及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、第2切替バルブ238を閉状態から開状態に切り替える。
【0181】
次に、制御装置100は、ステップS234,S235を順に実行する。ステップS234では、例えば、補充準備部115が、第2切替バルブ238が開き、第1切替バルブ236が閉じた状態で、第1接続部230内(ポンプ266と第1切替バルブ236との間)と送液部210内との圧力差を縮小させるように、第1接続部230内の圧力(ポンプ266の圧力)と送液部210内の圧力とを調節する。補充制御部116は、例えば、
図28(b)に示されるように、第1接続部230内の圧力を調節するために、圧力測定部274による測定値に基づいてポンプ駆動部272を制御する。また、補充制御部116は、送液部210内の圧力をステップS231,S232の実行により調節した値に維持するようにポンプ駆動部222を制御する。
【0182】
一例では、補充準備部115は、補充部250のポンプ266と第1切替バルブ236との間の圧力が第1設定値Pr1に近づくようにポンプ駆動部272を制御する。補充準備部115は、補充部250と第1切替バルブ236との間の圧力が第1設定値Pr1に達するまで、ステップS234,S235の処理を繰り返す。ステップS234,S235の実行により、補充準備部115は、第2切替バルブ238が開き、第1切替バルブ236が閉じた状態で、第1接続部230内と送液部210内との圧力差を縮小させる。
【0183】
次に、制御装置100は、ステップS236を実行する。ステップS236では、例えば、補充準備部115が、第2切替バルブ238を開き、出力バルブ218及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、第1切替バルブ236を閉状態から開状態に切り替える。これにより、送液部210のポンプ266からフィルタ234を通って送液部210のポンプ216に向かう処理液の流れが生じる。以上により、補充準備部115は補充準備処理を終了する。
【0184】
図29は、ステップS204の補充制御手順の一例を示すフローチャートである。
図29に示されるように、制御装置100は、まずステップS241,S242を実行する。ステップS241では、例えば、補充制御部116が、補充部250の圧送部256(ポンプ266)から送液部210の圧送部214(ポンプ216)に送られる処理液の補充圧力、及び当該処理液の補充流量を調節する。一例では、補充制御部116は、第1実施形態での補充圧力・補充流量の調節と同様に、補充圧力を目標値に追従させるように圧送部256及び圧送部214のいずれか一方を制御しつつ、補充流量を目標値に追従させるように圧送部256及び圧送部214の他方を制御する。
【0185】
補充制御部116は、ステップS241の実行開始から所定時間が経過するまでステップS241,S242の処理を繰り返す。所定時間は、当該時間内に送液部210(ポンプ216)への処理液の補充が完了するように予め定められており、動作指令保持部102に記憶されている。
【0186】
次に、制御装置100は、ステップS243を実行する。ステップS243では、補充制御部116が、出力バルブ218及び吐出バルブ72を閉じた状態に維持したまま、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238を開状態から閉状態にそれぞれ切り替える。これにより、補充部250のポンプ266から送液部210のポンプ216に向かう処理液の流れが止まる。
【0187】
次に、制御装置100は、ステップS244を実行する。ステップS244では、例えば、制御装置100が、補充部250のポンプ266内の圧力及び送液部210のポンプ216内の圧力をそれぞれ調節する。一例では、制御装置100は、圧力測定部274による測定値に基づいてポンプ駆動部272を制御することにより、ポンプ266内の圧力(補充部250内の圧力)を待機圧Ps1に調節する。制御装置100は、圧力測定部224による測定値に基づいてポンプ駆動部222を制御することにより、ポンプ216内の圧力(送液部210内の圧力)を待機圧Ps2に調節する。以上により、補充制御部116は補充処理を終了する。
【0188】
[第3実施形態の効果]
以上説明した第3実施形態に係る塗布・現像装置2及び液処理手順においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、補充部250内と送液部210内との圧力差が縮小された後に第1切替バルブ236が開かれる。このため、第1切替バルブ236を開いた際に、補充部250から送液部210に処理液を補充するための流路内での処理液のハンチングの発生が抑制される。従って、ウェハWに吐出される処理液中のパーティクル低減に有用である。
【0189】
上述の第3実施形態において、フィルタ234は、第1接続部230内に設けられている。第1切替バルブ236は、フィルタ234と送液部210との間を開閉する。第1切替バルブ236が開くと、フィルタ234を通した送液部210までの処理液の流れが生じる。仮に補充部250内と送液部210内との圧力差が大きい状態で第1切替バルブ236が開くと、補充部250と送液部210とを接続する第1接続部230内において、フィルタ234からパーティクルが発生する程度の処理液のハンチングが生じるおそれがある。これに対して、上記構成では、補充部250内と送液部210内との圧力差が縮小された後に第1切替バルブ236が開かれる。そのため、第1接続部230内での処理液のハンチングに起因したパーティクルの発生の抑制に有用である。
【0190】
上述の第3実施形態において、第1接続部230は、補充部250とフィルタ234との間を開閉する第2切替バルブ238を有する。補充準備部115は、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238が閉じた状態で、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させることと、第2切替バルブ238が開き、第1切替バルブ236が閉じた状態で、第1接続部230内と送液部210内との圧力差を縮小させることと、を順に実行する。この場合、第1切替バルブ236と第2切替バルブ238とを略同一のタイミングで開状態に切り替える場合に比べて、第1切替バルブ236の上流の圧力と第1切替バルブ236の下流の圧力との差をより高い精度で縮小させることができる。したがって、第1接続部230内での処理液のハンチングに起因したパーティクルの発生の抑制に更に有用である。なお、補充部250内の配管容積は、送液部210内の処理液の配管容積よりも大きい傾向がある。上記構成では、配管容積が大きい上流側に位置する切替バルブから順に段階的に開けていくことで、補充部250内と送液部210内との圧力差の調節が容易となる。
【0191】
(変形例)
ステップS203の補充準備手順において、上述の例では、送液部210内の圧力及び補充部250内の圧力がそれぞれ変更されるが、補充準備部115は、いずれか一方の圧力を変更することで送液部210内と補充部250内との圧力差を縮小させてもよい。例えば、補充準備部115は、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238が閉じた状態で、送液部210内の圧力を変更せずに、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小させるように補充部250内の圧力を変更してもよい。そして、補充準備部115は、第2切替バルブ238が開き、第1切替バルブ236が閉じた状態で、送液部210内の圧力を変更せずに、第1接続部230内と送液部210内との圧力差を縮小させるように第1接続部230内の圧力を変更してもよい。
【0192】
補充準備部115は、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238が閉じた状態で、補充部250内の圧力を変更せずに、補充部250内と送液部210内との圧力差を縮小されるように送液部210内の圧力を変更してもよい。そして、補充準備部115は、第2切替バルブ238が開き、第1切替バルブ236が閉じた状態で、補充部250内の圧力を変更せずに、第1接続部230内と送液部210内との圧力差を縮小させるように送液部210内の圧力を変更してもよい。
【0193】
上述の例では、第2切替バルブ238及び第1切替バルブ236の順で開閉状態の切替えが行われるが、補充準備部115は、第1切替バルブ236を開状態に切り替えた後に、第2切替バルブ238を開状態に切り替えてもよい。具体的には、補充準備部115は、第1切替バルブ236及び第2切替バルブ238が閉じた状態で、補充部250内と送液部210内と圧力差を縮小させた後に、第1切替バルブ236を開状態に切り替えてもよい。そして、補充準備部115は、第1切替バルブ236が開き、第2切替バルブ238(切替バルブ)が閉じた状態で、送液部210内(より詳細には、送液部210内及び第1接続部230のうちの第2切替バルブ238よりも下流の領域内)と補充部250内との圧力差を縮小させてもよい。その後、補充準備部115は、補充部250と送液部210との間を開くために、第2切替バルブ238を開状態に切り替えてもよい。
【0194】
第1接続部230は、第2切替バルブ238を有していなくてもよい。この場合、補充準備部115は、第1切替バルブ236が閉じられた状態で、補充部250内(より詳細には、補充部250内及び第1接続部230のうちの第1切替バルブ236よりも上流の領域内)と送液部210内との圧力差を縮小させてもよい。第1接続部230は、第1切替バルブ236を有していなくてもよい。この場合、補充準備部115は、第2切替バルブ238(切替バルブ)が閉じられた状態で、送液部210内(より詳細には、送液部210内及び第1接続部230のうちの第2切替バルブ238よりも下流の領域内)と補充部250内との圧力差を縮小させてもよい。
【0195】
なお、上記具体例は、以下の構成を含んでいる。
(付記1)
基板に処理液を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記処理液を前記吐出部に送る送液部と、
前記吐出部に送るための前記処理液を前記送液部に補充する補充部と、
前記補充部と前記送液部との間を開閉する切替バルブを有する接続部と、
前記補充部から前記送液部に補充される処理液に含まれる異物を除去するフィルタと、
前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させた後に前記切替バルブを開く補充準備部と、
前記補充準備部により前記切替バルブが開かれた状態で、前記補充部から前記送液部への前記処理液の補充を開始させる補充制御部と、を備え、
前記フィルタは、前記送液部内に設けられており、
前記補充準備部は、前記切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差を縮小させるように前記補充部内の圧力を変更する、基板処理装置。
(付記2)
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記補充制御部は、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充圧力を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部のいずれか一方を制御し、
前記補充用圧送部から前記吐出用圧送部への補充流量を目標値に追従させるように前記補充用圧送部及び前記吐出用圧送部の他方を制御する、付記2記載の基板処理装置。
(付記3)
前記ノズルまで送られる前記処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように前記吐出用圧送部を制御する吐出制御部を更に備え、
前記補充制御部は、前記補充圧力を目標値に追従させる制御において、前記処理液の補充が完了するまで前記補充圧力の目標値を前記吐出圧力の目標値に設定する、付記2記載の基板処理装置。
(付記4)
前記ノズルまで送られる前記処理液の吐出圧力を目標値に追従させるように前記吐出用圧送部を制御する吐出制御部を更に備え、
前記補充制御部は、前記補充圧力を目標値に追従させる制御において、前記処理液の補充が完了するまで前記補充圧力の目標値を徐々に前記吐出圧力の目標値に近づける、付記2記載の基板処理装置。
(付記5)
前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブと、
前記送液部内と前記吐出部内との圧力差を縮小させるように前記送液部内の圧力を変更した後に前記吐出バルブを開く吐出準備部と、
前記吐出準備部により前記吐出バルブが開かれた状態で、前記ノズルから前記基板への前記処理液の吐出を開始させる吐出制御部と、を更に備える、付記1又は2記載の基板処理装置。
(付記6)
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、を更に有し、
前記切替バルブは、前記接続バルブよりも小さい開度変化率で開閉する、付記1記載の基板処理装置。
(付記7)
前記送液部と前記吐出部との間を開閉する吐出バルブを更に備え、
前記送液部は、前記フィルタを介して前記補充部と前記吐出部とを接続する送液管と、前記送液管を経て前記補充部から前記処理液を受け入れ、前記送液管を経て前記吐出部に前記処理液を送り出す吐出用圧送部と、前記送液管と前記吐出用圧送部との間を開閉する接続バルブと、前記フィルタと前記吐出用圧送部との間の圧力を測定する圧力測定部と、を更に有し、
前記補充部は、液源と、前記液源から前記送液部に前記処理液を送り出す補充用圧送部と、を有し、
前記補充準備部は、
前記切替バルブが閉じた状態で、前記補充部内と前記送液部内との圧力差が縮小するように、前記補充用圧送部を制御することと、
前記切替バルブが開き、前記吐出バルブと前記接続バルブとが閉じた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記補充用圧送部と前記吐出用圧送部との間の圧力が設定値に近づくように前記補充用圧送部を制御することと、
前記切替バルブと前記吐出バルブとが閉じ、前記接続バルブが開いた状態で、前記圧力測定部の測定値に基づいて、前記送液部内の圧力が前記設定値に近づくように前記吐出用圧送部を制御することと、を順に実行する、付記1記載の基板処理装置。
【符号の説明】
【0196】
2…塗布・現像装置、30…吐出部、50,250…補充部、51…液源、53…圧送部、60,210…送液部、61…送液管、63,234…フィルタ、64…圧送部、67…第1接続バルブ、68…第2接続バルブ、69…圧力測定部、71…切替バルブ、72…吐出バルブ、80,230…第1接続部、90…第2接続部、100…制御装置、111…吐出準備部、112…吐出制御部、115…補充準備部、116…補充制御部、236…第1切替バルブ、238…第2切替バルブ。