(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】基板ホルダおよびめっき装置
(51)【国際特許分類】
C25D 17/08 20060101AFI20240725BHJP
C25D 21/00 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
C25D17/08 R
C25D17/08 G
C25D21/00 A
(21)【出願番号】P 2024523197
(86)(22)【出願日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2024001379
【審査請求日】2024-04-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】平尾 智則
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-55998(JP,A)
【文献】特開2021-95591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D17/00-17/28
C25D21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレートと共に基板を挟んで保持するためのフェイスプレートであって、中央開口および前記中央開口を囲む枠部材を有する、フェイスプレートと、
前記枠部材に対して移動可能に前記枠部材に取り付けられた第1のバスバー、および前記第1のバスバーに取り付けられた給電コンタクト、を有する、コンタクト部材と、
を含む、基板ホルダ。
【請求項2】
前記中央開口は矩形に形成され、
前記コンタクト部材は、矩形の前記中央開口を挟んで一対に前記枠部材に取り付けられる、または矩形の前記中央開口を囲むように前記枠部材の4辺に取り付けられる、
請求項1に記載の基板ホルダ。
【請求項3】
前記コンタクト部材は、前記枠部材に固定された第2のバスバーをさらに含み、
前記第1のバスバーは、前記第2のバスバーに対して移動可能に前記第2のバスバーに取り付けられる、
請求項2に記載の基板ホルダ。
【請求項4】
前記第1のバスバーは、前記中央開口に対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動可能に構成され、
前記第2のバスバーは、前記第1のバスバーの延伸方向の両端に配置されたガイド部材であって、前記第1のバスバーの移動方向を前記第1の方向に規制するためのガイド部材を有する、
請求項3に記載の基板ホルダ。
【請求項5】
前記第1のバスバーは、前記第1のバスバーの延伸方向よりも前記第1の方向に長い長穴を有し、
前記第2のバスバーは、前記長穴に対応する位置に配置された第1の規制部材であって、前記第1のバスバーが前記中央開口から遠ざかる方向に移動したときに前記長穴の縁と接触する近位端と、前記第1のバスバーが前記中央開口に近づく方向に移動したときに前記長穴の縁と接触する遠位端と、を有する、第1の規制部材、を有する、
請求項4に記載の基板ホルダ。
【請求項6】
前記第2のバスバーは、前記第1の規制部材の前記近位端と前記長穴の縁が接触した状態において、前記第1のバスバーが前記中央開口に近づく方向の移動を規制する近位規制部材と、前記第1の規制部材の前記遠位端と前記長穴の縁が接触した状態のときに、前記第1のバスバーが前記中央開口から遠ざかる方向の移動を規制する遠位規制部材と、を有する第2の規制部材を有する、
請求項5に記載の基板ホルダ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板ホルダと、
前記フェイスプレートに対する前記第1のバスバーの位置を調整するように構成された位置調整機構と、
を含む、めっき装置。
【請求項8】
前記位置調整機構は、前記第1のバスバーを把持するためのアームと、前記アームを前記中央開口に対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動させるための第1の駆動部材と、前記アームを前記第1のバスバーの延伸方向および前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させるための第2の駆動部材と、
を含む、
請求項7に記載のめっき装置。
【請求項9】
請求項6に記載の基板ホルダと、
前記フェイスプレートに対する前記第1のバスバーの位置を調整するように構成された位置調整機構と、
を含み、
前記位置調整機構は、前記第1のバスバーを把持するためのアームと、前記アームを前記中央開口に対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動させるための第1の駆動部材と、前記アームを前記第1のバスバーの延伸方向および前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させるための第2の駆動部材と、
を含み、
前記アームは、前記近位規制部材を押圧して前記第1のバスバーの移動の規制を解除するための近位押圧部材と、前記遠位規制部材を押圧して前記第1のバスバーの移動の規制を解除するための遠位押圧部材と、を含む、
めっき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板ホルダおよびめっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電解めっき装置の一例としてディップ式のめっき装置が開示されている。このめっき装置は、被めっき面を側方に向けた基板(例えば半導体ウェハ)を基板ホルダに保持してめっき液に浸漬させ、基板(カソード)とアノードとの間に電圧を印加することによって、基板の表面に導電膜を析出させる。
【0003】
基板ホルダは一般的に、ベースプレートとフェイスプレートによって基板を挟んで保持し、フェイスプレートに形成された中央開口から基板の被めっき面を露出させるように構成される。また、基板ホルダは、フェイスプレートに設けられたコンタクト部材を備え、コンタクト部材を基板に接触させることによって基板に給電するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されためっき装置の基板ホルダは、給電位置が異なる様々な種類の基板に対応することは考慮されていない。
【0006】
すなわち、めっき処理の対象となる基板には様々な種類があり、給電位置の仕様も基板によって異なる。この場合、給電位置が異なる基板ごとに専用の基板ホルダを作製する必要があり、基板ホルダの数が増えるので、めっき装置の構成が複雑になる。
【0007】
そこで、本願は、給電位置が異なる様々な種類の基板に対応可能な基板ホルダを実現することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、ベースプレートと、前記ベースプレートと共に基板を挟んで保持するためのフェイスプレートであって、中央開口および前記中央開口を囲む枠部材を有する、フェイスプレートと、前記枠部材に対して移動可能に前記枠部材に取り付けられた第1のバスバー、および前記第1のバスバーに取り付けられた給電コンタクト、を有する、コンタクト部材と、を含む、基板ホルダが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態のめっき装置の全体構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の基板ホルダの概略斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の基板ホルダのロック機構の概略断面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のコンタクト部材の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図8】
図8は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図11】
図11は、一実施形態の位置調整機構の概略斜視図である。
【
図12】
図12は、一実施形態の位置調整機構の概略斜視図である。
【
図13】
図13は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図14】
図14は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図15】
図15は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図17】
図17は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図18】
図18は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
【
図19】
図19は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【
図20】
図20は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整治具の概略斜視図である。
【
図21】
図21は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整治具の概略斜視図である。
【
図22】
図22は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整治具の概略斜視図である。
【
図23】
図23は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整治具の概略斜視図である。
【
図24】
図24は、一実施形態の基板装着方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0011】
<めっき装置の全体構成>
図1は、本実施形態のめっき装置の全体構成を示す平面図である。めっき装置1000は、ロードポート100、搬送ロボット110、ロードステージ120、アンロードステージ130、ローダ140、フィキシングモジュール200、ストッカモジュール300、スワップモジュール310、ホルダ洗浄モジュール320、プリウェットモジュール400、プリソークモジュール500、プリソーク洗浄モジュール510、めっきモジュール600、めっき洗浄モジュール700、ブローモジュール710、仮置きモジュール720、洗浄モジュール800、搬送装置900、および、制御モジュール950を備える。
【0012】
ロードポート100は、図示していないFOUPなどのカセットに収納された基板WFをめっき装置1000に搬入したり、めっき装置1000からカセットに基板WFを搬出したりするためのモジュールである。本実施形態では4台のロードポート100が水平方向に並べて配置されているが、ロードポート100の数および配置は任意である。搬送ロボット110は、基板WFを水平に搬送するためのロボットであり、ロードポート100とロードステージ120との間で基板WFを受け渡すように構成される。
【0013】
ロードステージ120は、めっき処理前の基板WFを搬送ロボット110とローダ140との間で受け渡すためのステージである。アンロードステージ130は、めっき処理後の基板WFを搬送ロボット110とローダ140との間で受け渡すためのステージである。ローダ140は、基板WFを水平に搬送するためのロボットであり、ロードステージ120、アンロードステージ130、フィキシングモジュール200、および洗浄モジュール800の間で基板WFを受け渡すように構成される。
【0014】
フィキシングモジュール200は、基板ホルダ210に基板WFを取り付けたり、基板ホルダ210から基板WFを取り外したりするためのモジュールである。ストッカモジュール300は、基板ホルダ210を垂直に保管するためのモジュールである。スワップモジュール310は、交換またはメンテナンスが必要な基板ホルダ210を一時的に保管するためのモジュールで、基板ホルダ210を出し入れ可能な構造となっている。スワップモジュール310から取り出された基板ホルダ210は、めっき装置1000内でメンテナンスされ、またはめっき装置1000の外へ出してメンテナンスされ、メンテナンス後の基板ホルダ210または新しい基板ホルダ210をスワップモジュール310に入れることができる。ホルダ洗浄モジュール320は、基板ホルダ210を洗浄するためのモジュールである。
【0015】
プリウェットモジュール400は、めっき処理前の基板WFの被めっき面を純水または脱気水などの処理液で濡らすことで、基板表面に形成されたパターン内部の空気を処理液に置換するためのモジュールである。プリウェットモジュール400は、めっき時にパターン内部の処理液をめっき液に置換することでパターン内部にめっき液を供給しやすくするプリウェット処理を施すように構成される。
【0016】
プリソークモジュール500は、例えばめっき処理前の基板WFの被めっき面に形成したシード層表面等に存在する電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸等の処理液でエッチング除去してめっき下地表面を洗浄または活性化するプリソーク処理を施すように構成される。プリソーク洗浄モジュール510は、プリソーク処理が施された基板WFを洗浄するためのモジュールである。
【0017】
めっきモジュール600は、基板WFにめっき処理を施すためのモジュールである。めっき洗浄モジュール700は、めっき処理後の基板WFに残るめっき液等を除去するために基板WFを洗浄するためのモジュールである。本実施形態では、3台のめっきモジュール600およびめっき洗浄モジュール700が水平に並べて設けられているが、めっきモジュール600およびめっき洗浄モジュール700の数および配置は任意である。ブローモジュール710は、洗浄処理後の基板WFを乾燥させるためのモジュールである。仮置きモジュール720は基板WFが取り付けられた基板ホルダ210を複数の搬送装置900の間で受け渡すために仮置きするためのモジュールである。本実施例では、仮置きモジュール720の基板ホルダ210の収納台数は1台であるが、その数は任意である。
【0018】
洗浄モジュール800は、基板ホルダ210から取り外しためっき処理後の基板WFに残るめっき液等を除去するために基板WFに洗浄処理および乾燥処理を施すためのモジュールである。本実施形態では2台の洗浄モジュール800がロードステージ120およびアンロードステージ130を挟んで水平に並べて配置されているが、洗浄モジュール800の数および配置は任意である。搬送装置900は、基板ホルダ210をめっき装置1000内の複数のモジュール間で垂直に搬送するための装置である。本実施形態では3台の搬送装置900が並べて配置されているが、搬送装置900の数および配置は任意である。
【0019】
制御モジュール950は、めっき装置1000の複数のモジュールを制御するように構成され、例えばオペレータとの間の入出力インターフェースを備える一般的なコンピュータまたは専用コンピュータから構成することができる。
【0020】
めっき装置1000による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、カセットに収納された基板WFがロードポート100に搬入される。続いて、搬送ロボット110は、ロードポート100のカセットから基板WFを取り出し、ロードステージ120に基板WFを置く。ローダ140は、ロードステージ120から基板WFを受け取り、フィキシングモジュール200へ搬送する。
【0021】
フィキシングモジュール200は、基板ホルダ210に基板WFを取り付ける。搬送装置900は、基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をプリウェットモジュール400へ搬送する。プリウェットモジュール400は、基板WFにプリウェット処理を施す。搬送装置900は、プリウェット処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をプリソークモジュール500へ搬送する。プリソークモジュール500は、基板WFにプリソーク処理を施す。搬送装置900は、プリソーク処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をプリソーク洗浄モジュール510へ搬送する。プリソーク洗浄モジュール510は、基板WFを洗浄する。搬送装置900は、洗浄処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をめっきモジュール600へ搬送する。めっきモジュール600は、基板WFにめっき処理を施す。
【0022】
搬送装置900は、めっき処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をめっき洗浄モジュール700へ搬送する。めっき洗浄モジュール700は、基板WFおよび基板ホルダ210に洗浄処理を施す。搬送装置900は、洗浄処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210をブローモジュール710へ搬送する。ブローモジュール710は、基板WFに乾燥処理を施す。搬送装置900は、乾燥処理が施された基板WFが取り付けられた基板ホルダ210を仮置きモジュール720へ搬送し、別の搬送装置900が当該基板ホルダ210を仮置きモジュール720からフィキシングモジュール200へ搬送する。フィキシングモジュール200は、基板ホルダ210から基板WFを取り外す。
【0023】
ローダ140は、基板ホルダ210から取り外されためっき処理後の基板WFを洗浄モジュール800へ搬送する。洗浄モジュール800は、基板WFに洗浄処理および乾燥処理を施す。ローダ140は、洗浄処理および乾燥処理が施された基板WFをアンロードステージ130に置く。搬送ロボット110は、アンロードステージ130から基板WFを受け取り、ロードポート100のカセットへ搬送する。最後に、基板WFを収納したカセットがロードポート100から搬出される。
【0024】
フィキシングモジュール200において基板WFが取り外された基板ホルダ210は、次の基板WFが取り付けられるか、搬送装置900によりストッカモジュール300に戻される。基板WFを保持しない基板ホルダ210は、必要に応じてホルダ洗浄モジュール320で洗浄される。
【0025】
図2は、一実施形態の基板ホルダの概略斜視図である。
図2に示すように、基板ホルダ210は、ベースプレート220と、ベースプレート220と共に基板を挟んで保持するためのフェイスプレート230と、を含む。フェイスプレート230は、中央開口234aおよび中央開口234aを囲む枠部材234を有する。中央開口234aは矩形に形成される。なお、本実施形態では、中央開口234aが矩形に形成される例を示したが、これに限定されず、中央開口234aは例えば円形であってもよい。
【0026】
また、本実施形態ではベースプレート220にも中央開口が形成されている例を示したが、これは基板の両面にめっき処理を行うためのものである。したがって、基板の片面にのみめっき処理を行う場合にはベースプレート220に中央開口が形成されていなくてもよい。また、以下では、説明の便宜上、フェイスプレート230が下方に配置され、ベースプレート220が上方に配置された図面を用いて説明を行う場合があるが、フィキシングモジュール200において基板ホルダ210を取り扱うときには、ベースプレート220が下方に配置され、フェイスプレート230が上方に配置される。
【0027】
基板ホルダ210は、中央開口234aを囲むように枠部材234に設けられた内側シール部材250と、内側シール部材250と間隔をあけて内側シール部材250の外側を囲むように枠部材234に設けられた外側シール部材260と、を含む。また、基板ホルダ210は、矩形の中央開口234aを挟んで一対に枠部材234に設けられたコンタクト部材240を含む。コンタクト部材240は、内側シール部材250と外側シール部材260との間に設けられる。これにより、基板ホルダ210がめっき液に浸漬されたときに、コンタクト部材240および基板の端部がめっき液からシールされる。なお、本実施形態では、コンタクト部材240が矩形の中央開口234aを挟んで一対に枠部材234に取り付けられる例を示したが、これに限定されない。コンタクト部材240は、矩形の中央開口234aを囲むように枠部材234の4辺に取り付けられてもよい。
【0028】
図2に示すように、基板ホルダ210は、ベースプレート220とフェイスプレート230とをロックさせたりロックを解除させたりするための複数のロック機構270を有する。複数のロック機構270は、ベースプレート220とフェイスプレート230の外周に沿って設けられる。
【0029】
図3は、一実施形態の基板ホルダのロック機構270の概略断面図である。
図3に示すように、ベースプレート220は、外側シール部材260よりも外側に形成された第1のロック開口220aを有する。一方、フェイスプレート230は、外側シール部材260よりも外側の、第1のロック開口220aに対応する位置に形成された第2のロック開口230aを有する。ロック機構270は、第1のロック開口220aに設けられたホルダプレート222と、第1のロック開口220aを介してフェイスプレート230側に突出するホルダフック224と、を含む。一方、ロック機構270は、第2のロック開口230aに設けられたクランパプレート236と、第2のロック開口230aを介してベースプレート220の方向に突出するクランパフック238と、を含む。
【0030】
ホルダフック224は、軸224aを中心に回転できるように構成されている。ロック機構270は、ホルダフック224が実線で示す位置にあるときに、ホルダフック224がクランパフック238に係合することにより、ベースプレート220とフェイスプレート230をロックするように構成される。一方、ロック機構270は、ホルダフック224が回転して破線で示す位置にあるときに、ホルダフック224とクランパフック238の係合が解除され、ベースプレート220とフェイスプレート230のロックが解除されるように構成される。なお、
図2では、ロック機構270が、ベースプレート220とフェイスプレート230の外周に沿って複数設けられる例を示したが、これに限定されない。また、
図4以降の説明では、説明の便宜上、ロック機構270の図示を省略する。
【0031】
図4から
図7は、一実施形態のコンタクト部材の概略斜視図である。
図4はコンタクト部材240の全体を示しており、
図5から
図7はコンタクト部材240の一部を拡大して示している。なお、コンタクト部材240は、中央開口234aを挟んで一対に枠部材234に設けられているが、両者とも同様の構成を有しているので、一方のみを説明する。
【0032】
図4から
図7に示すように、コンタクト部材240は、枠部材234に沿って延伸し、枠部材234に対して移動可能に枠部材234に取り付けられた第1のバスバー242と、第1のバスバー242に取り付けられた給電コンタクト243と、を有する。より具体的には、コンタクト部材240は、枠部材234に沿って延伸し、枠部材234に固定された第2のバスバー244を含んでいる。第1のバスバー242は、第2のバスバー244に対して移動可能に第2のバスバー244に積層して取り付けられる。
【0033】
給電コンタクト243の基端は第1のバスバー242に固定されており、給電コンタクト243の先端は中央開口234aの方向に突出している。第2のバスバー244は、図示していない電源に接続される。電源から第2のバスバー244および第1のバスバー242を介して給電コンタクト243に対して給電される。給電コンタクト243は、給電コンタクト243の先端が基板に接触することによって基板に給電するように構成される。
【0034】
第1のバスバー242は、中央開口234aに対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動可能に第2のバスバー244に取り付けられている。第2のバスバー244は、第1のバスバー242の延伸方向の両端に配置されたガイド部材245を有する。ガイド部材245は、第1のバスバー242の移動方向を第1の方向に規制するための部材である。
【0035】
図5に示すように、第1のバスバー242は、第1のバスバー242の延伸方向の両端に形成された把持穴242aを有する。把持穴242aは、後述する位置調整機構および/または治具を用いて第1のバスバー242を移動させるときに、第1のバスバー242を把持するための切り欠きである。
【0036】
図6および
図7に示すように、第1のバスバー242は、第1のバスバー242の延伸方向よりも第1の方向に長い長穴246を有する。長穴246は、第1のバスバー242の延伸方向に沿って複数設けられる。一方、第2のバスバー244は、長穴246に対応する位置に配置された第1の規制部材247を有する。第1の規制部材247は、第1のバスバー242の第1の方向の移動を規制するための部材である。
【0037】
具体的には、第1の規制部材247は、第1のバスバー242が中央開口234aから遠ざかる方向に移動したときに長穴246の縁と接触する近位端247aを有する。また、第1の規制部材247は、第1のバスバー242が中央開口234aに近づく方向に移動したときに長穴246の縁と接触する遠位端247bを有する。本実施形態では、第1の規制部材247は、第2のバスバー244の第1のバスバー242との対向面に固定されたボルトであり、ボルトの軸部の中央開口234aに最も近い箇所が近位端247aとなり、ボルトの軸部の中央開口234aから最も離れた箇所が遠位端247bとなる。
【0038】
第2のバスバー244は、第1のバスバー242を第2のバスバー244へ押し付けるための圧縮コイルばね248を有する。圧縮コイルばね248は、第1の規制部材247であるボルトの頭部と第1のバスバー242との間に配置される。第1の規制部材247は第2のバスバー244に対して固定されているので、圧縮コイルばね248は第1のバスバー242を第2のバスバー244へ付勢する。
【0039】
図7に示すように、第1のバスバー242は、第2のバスバー244との対向面に第1の方向に沿って延伸するように形成された突条部242bを有する。圧縮コイルばね248によって第1のバスバー242を第2のバスバー244へ押し付けることにより、突条部242bが第2のバスバー244と接触する。これにより、第1のバスバー242と第2のバスバー244の電気導通が確保される。また、第1の規制部材247および圧縮コイルばね248は導電性の部材であるので、第1の規制部材247および圧縮コイルばね248を介して第1のバスバー242と第2のバスバー244の電気導通が確保される。なお、突条部242bは第1の方向に沿って延伸するので、突条部242bは第1のバスバー242の第1の方向に沿った移動を妨げない。
【0040】
上記の説明では、圧縮コイルばね248を用いて第1のバスバー242を第2のバスバー244へ押し付けることにより、第1のバスバー242と第2のバスバー244との電気導通を確保する例を示したが、これに限定されない。
図8から
図10は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
【0041】
図8から
図10に示すように、第2のバスバー244は、圧縮コイルばね248の代わりに、第1の規制部材247が配置された領域において第1のバスバー242と第2のバスバー244との間に配置された皿ばね249を含んでいてもよい。皿ばね249は、第1のバスバー242を第2のバスバー244から遠ざかる方向に付勢する。これにより、皿ばね249は、第1のバスバー242を第1の規制部材247であるボルトの頭部に押し付ける。
【0042】
皿ばね249は導電性の部材であり、皿ばね249を介して第1のバスバー242と第2のバスバー244の電気導通が確保される。また、第1の規制部材247も導電性の部材であり、第1の規制部材247を介して第1のバスバー242と第2のバスバー244の電気導通が確保される。なお、皿ばね249の第1のバスバー242との接触面は第1の方向に延伸するので、皿ばね249は第1のバスバー242の第1の方向に沿った移動を妨げない。
【0043】
図11および
図12は、一実施形態の位置調整機構の概略斜視図である。めっき装置1000は、フェイスプレート230に対する第1のバスバー242の位置を調整するように構成された位置調整機構290を含む。位置調整機構290は、フィキシングモジュール200に配置される。位置調整機構290は、第1のバスバー242を把持するためのアーム292と、アーム292を第1の方向に移動させるための第1の駆動部材298と、アーム292を第1のバスバー242の延伸方向および第1の方向に直交する第2の方向(鉛直方向)に移動させるための第2の駆動部材296と、を含む。第1の駆動部材298および第2の駆動部材296は、例えばモータ、シリンダなどの公知の機構によって実現することができる。
図11はアーム292が第1のバスバー242を把持していない状態を示しており、
図12はアーム292が第1のバスバー242を把持した状態を示している。
【0044】
図13から
図18は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整機構の拡大斜視図である。
図19は、一実施形態のコンタクト部材の拡大斜視図である。
図13に示すように、第2のバスバー244は、第2の規制部材241を有する。第2の規制部材241は、第1のバスバー242の第1の方向の移動を規制するための部材である。
【0045】
具体的には、第2の規制部材241は、第1の規制部材247の近位端247aと長穴246の縁が接触した状態(
図17)において、第1のバスバー242が中央開口234aに近づく方向の移動を規制する近位規制部材241aを有する。また、第2の規制部材241は、第1の規制部材247の遠位端247bと長穴246の縁が接触した状態(
図15)のときに、第1のバスバー242が中央開口234aから遠ざかる方向の移動を規制する遠位規制部材241bを有する。
【0046】
近位規制部材241aおよび遠位規制部材241bは、板ばねによって構成される。近位規制部材241aおよび遠位規制部材241bは、外力が加わっていない通常時には、第1のバスバー242の第1の方向の移動経路に存在しており、第1のバスバー242と接触して移動を規制する。一方、近位規制部材241aおよび遠位規制部材241bは、外力が加わって第2のバスバー244の方向へ押圧されると、第1のバスバー242の第1の方向の移動経路から外れて、第1のバスバー242の移動の規制を解除するように構成される。
【0047】
アーム292は、近位規制部材241aを押圧して第1のバスバー242の移動の規制を解除するための近位押圧部材293を含む。また、アーム292は、遠位規制部材241bを押圧して第1のバスバー242の移動の規制を解除するための遠位押圧部材294を含む。また、アーム292は、第1のバスバー242の把持穴242aに嵌合する把持部295を含む。
【0048】
図15は、第1のバスバー242が最も中央開口234aに近づいた位置に移動した状態を示している。この状態において、第1のバスバー242の長穴246の縁は、第1の規制部材247の遠位端247bに接触するので、第1のバスバー242は中央開口234aに近づく方向の移動が規制される。一方、この状態において、第2の規制部材241の遠位規制部材241bには外力が加わっておらず、遠位規制部材241bが第1のバスバー242の第1の方向の移動経路に存在するので、第1のバスバー242は中央開口234aから遠ざかる方向の移動が規制される。その結果、第1のバスバー242は、最も中央開口234aに近づいた位置で固定される。
【0049】
図16は、アーム292が第1のバスバー242を把持している状態を示している。この状態において、アーム292の遠位押圧部材294が遠位規制部材241bを押圧することによって、第1のバスバー242の中央開口234aから遠ざかる方向の移動の規制が解除される。また、アーム292の把持部295が、第1のバスバー242の把持穴242aに嵌合する。これにより、位置調整機構290の第1の駆動部材298は、第1のバスバー242を中央開口234aから遠ざかる方向に移動させることができる。
【0050】
図17は、第1のバスバー242が最も中央開口234aから遠ざかった位置に移動した状態を示している。この状態において、第1のバスバー242の長穴246の縁は、第1の規制部材247の近位端247aに接触するので、第1のバスバー242は中央開口234aから遠ざかる方向の移動が規制される。一方、この状態において、第2の規制部材241の近位規制部材241aには外力が加わっておらず、近位規制部材241aが第1のバスバー242の第1の方向の移動経路に存在するので、第1のバスバー242は中央開口234aに近づく方向の移動が規制される。その結果、第1のバスバー242は、最も中央開口234aから遠ざかった位置で固定される。
【0051】
以上のとおり、本実施形態によれば、第1のバスバー242および給電コンタクト243を、第2のバスバー244(枠部材234)に対して移動させて複数の位置に固定することができるので、給電位置が異なる様々な種類の基板に対応可能な基板ホルダ210を実現することができる。
【0052】
上記の説明では、位置調整機構290を用いて第1のバスバー242を移動させる例を示したが、これに限定されない。
図20から
図23は、一実施形態のコンタクト部材および位置調整治具の概略斜視図である。
【0053】
位置調整治具280は、第1のバスバー242に沿って延伸する治具本体281と、治具本体281の延伸方向の端部に設けられた治具近位押圧部材285と、治具本体281の延伸方向の端部に設けられた治具遠位押圧部材284と、を含む。治具近位押圧部材285は、上述の近位押圧部材293と同様の機能を有している。すなわち、治具近位押圧部材285は、近位規制部材241aを押圧して第1のバスバー242の移動の規制を解除するための部材である。また、治具遠位押圧部材284は、上述の遠位押圧部材294と同様の機能を有している。すなわち、治具遠位押圧部材284は、遠位規制部材241bを押圧して第1のバスバー242の移動の規制を解除するための部材である。
【0054】
図20および
図21に示すように、位置調整治具280は、治具本体281の反中央開口234a側に配置された第1の爪部材282を含む。また、
図22に示すように、位置調整治具280は、治具本体281の中央開口234a側に配置された第2の爪部材283を含む。
【0055】
図20は、第1の爪部材282を、第1のバスバー242と第2のバスバー244との間の隙間に嵌め込む前の状態を示している。
図21は、第1の爪部材282を、第1のバスバー242と第2のバスバー244との間の隙間に嵌め込んだ状態を示している。
図22は、第2の爪部材283を、第1のバスバー242と第2のバスバー244との間の隙間に嵌め込んだ状態を示している。
【0056】
図23に示すように、第1の爪部材282および第2の爪部材283は、第1のバスバー242と第2のバスバー244との間の隙間に嵌め込まれたときに、第1のバスバー242を第2のバスバー244から僅かに浮かせるように構成される。すなわち、本実施形態の位置調整治具280は、上述の圧縮コイルばね248によって第1のバスバー242を第2のバスバー244へ付勢する場合を想定している。
図23に示すように、第1の爪部材282および第2の爪部材283によって第1のバスバー242を第2のバスバー244から僅かに浮かせることにより、第2のバスバー244に対する第1のバスバー242の移動をスムーズにすることができる。なお、第1の爪部材282および第2の爪部材283は設けられていなくてもよい。特に、圧縮コイルばね248に代えて皿ばね249を採用している場合には、第1の爪部材282および第2の爪部材283は設けられていなくてもよい。
【0057】
次に、基板装着方法について説明する。
図24は、一実施形態の基板装着方法のフローチャートである。基板装着方法は、まず、基板ホルダ210をフィキシングモジュール200へ格納する(ステップS101)。このとき、基板ホルダ210は、ベースプレート220が下になり、フェイスプレート230が上になるように、フィキシングモジュール200に配置される。
【0058】
続いて、基板装着方法は、ロック機構270を用いて基板ホルダ210のロックを解除する(ステップS102)。続いて、基板装着方法は、フェイスプレート230を上方へ持ち上げる(ステップS103)。続いて、基板装着方法は、位置調整機構290のアーム292を、ベースプレート220とフェイスプレート230との間に挿入する(ステップS104)。
【0059】
続いて、基板装着方法は、アーム292を用いて第1のバスバー242を把持して、第1のバスバー242を移動させる(ステップS105)。例えば、ステップS105は、基板WFの給電位置の仕様に応じて、第1のバスバー242を、最も中央開口234aに近づいた位置、または最も中央開口234aから遠ざかった位置に移動させる。続いて、基板装着方法は、アーム292を、ベースプレート220とフェイスプレート230との間から退避させる(ステップS106)。
【0060】
続いて、基板装着方法は、基板WFをベースプレート220の上面に設置する(ステップS107)。続いて、基板装着方法は、フェイスプレート230を降下させて、基板WFをベースプレート220とフェイスプレート230で挟む(ステップS108)。
【0061】
続いて、基板装着方法は、ロック機構270を用いて基板ホルダ210をロックする(ステップS109)。これにより、基板WFは、基板ホルダ210に挟持される。続いて、基板装着方法は、基板ホルダ210をフィキシングモジュール200から搬出する(ステップS110)。
【0062】
本実施形態の基板装着方法によれば、第1のバスバー242および給電コンタクト243を、第2のバスバー244(枠部材234)に対して移動させて複数の位置に固定することができるので、給電位置が異なる様々な種類の基板に対応することができる。
【0063】
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0064】
本願は、一実施形態として、ベースプレートと、前記ベースプレートと共に基板を挟んで保持するためのフェイスプレートであって、中央開口および前記中央開口を囲む枠部材を有する、フェイスプレートと、前記枠部材に対して移動可能に前記枠部材に取り付けられた第1のバスバー、および前記第1のバスバーに取り付けられた給電コンタクト、を有する、コンタクト部材と、を含む、基板ホルダを開示する。
【0065】
さらに、本願は、一実施形態として、前記中央開口は矩形に形成され、前記コンタクト部材は、矩形の前記中央開口を挟んで一対に前記枠部材に取り付けられる、または矩形の前記中央開口を囲むように前記枠部材の4辺に取り付けられる、基板ホルダを開示する。
【0066】
さらに、本願は、一実施形態として、前記コンタクト部材は、前記枠部材に固定された第2のバスバーをさらに含み、前記第1のバスバーは、前記第2のバスバーに対して移動可能に前記第2のバスバーに取り付けられる、基板ホルダを開示する。
【0067】
さらに、本願は、一実施形態として、前記第1のバスバーは、前記中央開口に対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動可能に構成され、前記第2のバスバーは、前記第1のバスバーの延伸方向の両端に配置されたガイド部材であって、前記第1のバスバーの移動方向を前記第1の方向に規制するためのガイド部材を有する、基板ホルダを開示する。
【0068】
さらに、本願は、一実施形態として、前記第1のバスバーは、前記第1のバスバーの延伸方向よりも前記第1の方向に長い長穴を有し、前記第2のバスバーは、前記長穴に対応する位置に配置された第1の規制部材であって、前記第1のバスバーが前記中央開口から遠ざかる方向に移動したときに前記長穴の縁と接触する近位端と、前記第1のバスバーが前記中央開口に近づく方向に移動したときに前記長穴の縁と接触する遠位端と、を有する、第1の規制部材、を有する、基板ホルダを開示する。
【0069】
さらに、本願は、一実施形態として、前記第2のバスバーは、前記第1の規制部材の前記近位端と前記長穴の縁が接触した状態において、前記第1のバスバーが前記中央開口に近づく方向の移動を規制する近位規制部材と、前記第1の規制部材の前記遠位端と前記長穴の縁が接触した状態のときに、前記第1のバスバーが前記中央開口から遠ざかる方向の移動を規制する遠位規制部材と、を有する第2の規制部材を有する、基板ホルダを開示する。
【0070】
さらに、本願は、一実施形態として、上記のいずれかに記載の基板ホルダと、前記フェイスプレートに対する前記第1のバスバーの位置を調整するように構成された位置調整機構と、を含む、めっき装置を開示する。
【0071】
さらに、本願は、一実施形態として、前記位置調整機構は、前記第1のバスバーを把持するためのアームと、前記アームを前記中央開口に対して近づくおよび遠ざかる第1の方向に移動させるための第1の駆動部材と、前記アームを前記第1のバスバーの延伸方向および前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させるための第2の駆動部材と、を含む、めっき装置を開示する。
【0072】
さらに、本願は、一実施形態として、前記アームは、前記近位規制部材を押圧して前記第1のバスバーの移動の規制を解除するための近位押圧部材と、前記遠位規制部材を押圧して前記第1のバスバーの移動の規制を解除するための遠位押圧部材と、を含む、めっき装置を開示する。
【符号の説明】
【0073】
200 フィキシングモジュール
210 基板ホルダ
220 ベースプレート
230 フェイスプレート
234 枠部材
234a 中央開口
240 コンタクト部材
241 第2の規制部材
241a 近位規制部材
241b 遠位規制部材
242 第1のバスバー
242a 把持穴
243 給電コンタクト
244 第2のバスバー
245 ガイド部材
246 長穴
247 第1の規制部材
247a 近位端
247b 遠位端
250 内側シール部材
260 外側シール部材
270 ロック機構
290 位置調整機構
292 アーム
293 近位押圧部材
294 遠位押圧部材
295 把持部
296 第2の駆動部材
298 第1の駆動部材
1000 めっき装置
WF 基板
【要約】
給電位置が異なる様々な種類の基板に対応可能な基板ホルダを実現する。
基板ホルダ210は、ベースプレートと、ベースプレートと共に基板を挟んで保持するためのフェイスプレート230と、を含む。フェイスプレート230は、中央開口234aおよび中央開口234aを囲む枠部材234を有する。基板ホルダ210は、枠部材234に対して移動可能に枠部材234に取り付けられた第1のバスバー242、および第1のバスバー242に取り付けられた給電コンタクト243、を有する、コンタクト部材240と、を含む。