(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】道路管理システム
(51)【国際特許分類】
E01H 5/10 20060101AFI20240726BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20240726BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240726BHJP
G01W 1/00 20060101ALI20240726BHJP
G01W 1/14 20060101ALI20240726BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20240726BHJP
F21W 111/02 20060101ALN20240726BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240726BHJP
【FI】
E01H5/10 Z
F21S8/08 200
F21V23/00 113
G01W1/00 J
G01W1/14 E
H05B3/10 B
F21W111:02
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020138676
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】福永 宗毅
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-071019(JP,A)
【文献】特開2002-155514(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173536(JP,U)
【文献】特開2003-013418(JP,A)
【文献】特開2003-166223(JP,A)
【文献】特開2012-162907(JP,A)
【文献】特開2008-127796(JP,A)
【文献】特許第5807244(JP,B1)
【文献】特開2012-154083(JP,A)
【文献】特許第5963085(JP,B2)
【文献】特開昭53-113135(JP,A)
【文献】特開2002-069961(JP,A)
【文献】特開2013-139691(JP,A)
【文献】特開2008-150898(JP,A)
【文献】特許第7345147(JP,B2)
【文献】特許第7178567(JP,B2)
【文献】特開昭61-233109(JP,A)
【文献】特開2001-081710(JP,A)
【文献】特開2002-188109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297470(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/00-15/00
F21S 8/08
F21V 23/00
G01W 1/00-1/14
H05B 3/10
F21W 111/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の情報処理装置と、複数の地域に設置され、道路に向けて電磁波を出射させる複数の電磁波出射装置と、が通信可能に接続する道路管理システムであって、
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に対し、電磁波を出射させる第1動作を実行させる第1動作制御手段と、
を
備え、
前記道路は、車が通行する第1通行帯を含み、
前記第1通行帯の両端のうち前記電磁波出射装置に近い方の端における前記電磁波の前記道路の表面からの高さは、30cm以下である、道路管理システム。
【請求項2】
1以上の情報処理装置と、複数の地域に設置され、道路に向けて電磁波を出射させる複数の電磁波出射装置と、が通信可能に接続する道路管理システムであって、
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に対し、電磁波を出射させる第1動作を実行させる第1動作制御手段と、
を
備え、
前記電磁波出射装置は、
前記道路の第1領域に向けて、第1位置から前記電磁波を出射させ、
前記道路の、前記電磁波出射装置から前記第1領域よりも遠い位置にある第2領域に向けて、前記第1位置よりも低い位置にある第2位置から前記電磁波を出射させる、道路管理システム。
【請求項3】
1以上の情報処理装置と、複数の地域に設置され、道路に向けて電磁波を出射させる複数の電磁波出射装置と、が通信可能に接続する道路管理システムであって、
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に対し、電磁波を出射させる第1動作を実行させる第1動作制御手段と、
照明光を前記道路に向けて出射可能な照明装置と、
を備え、
1の前記電磁波出射装置によって前記道路に前記電磁波が照射される範囲は、1の前記照明装置によって前記道路に照明光が照射される範囲よりも広く、
前記道路を基準にしたときに、前記電磁波出射装置の高さは、前記照明装置の高さよりも低い、道路管理システム。
【請求項4】
1以上の情報処理装置と、複数の地域に設置され、道路に向けて電磁波を出射させる複数の電磁波出射装置と、1台以上の車と、が通信可能に接続する道路管理システムであって、
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に対し、電磁波を出射させる第1動作を実行させる第1動作制御手段と、
前記第1イベントの開始が予想される前記地域を通行する前記車から電磁波を前記道路に向けて出射させる第3動作制御手段と、
を備えた道路管理システム。
【請求項5】
前記第1動作制御手段は、前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報と、記憶部に記憶される、複数の電磁波出射装置のそれぞれが設置される地域を管理する管理情報と、に基づいて、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置を特定する、
請求項1~4のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項6】
前記第1イベントは降雪であり、
前記電磁波は、赤外線または遠赤外線を含む、
請求項1~5のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項7】
前記第1イベントは降雪であり、
前記電磁波は、可視光を含む、
請求項1~6のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項8】
前記第1情報取得手段は、前記第1情報に含めて、あるいは、前記第1情報とは別に、地域における前記第1イベントの程度に関する程度情報を取得し、
前記第1動作制御手段は、前記程度情報に基づいて、前記電磁波出射装置に実行させる前記第1動作を制御する、
請求項1~7のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項9】
前記電磁波出射装置から出射される前記電磁波が照射されることで熱を発生する発熱材料を含む前記道路をさらに含む、
請求項1~8のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項10】
前記電磁波出射装置は、前記道路の側部に設置され、
前記電磁波の少なくとも一部は、前記側部から前記道路の中央部に向けて進む、
請求項1~9のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項11】
前記第1イベントが終了した場合に発行される、第2イベントを含む第2情報を取得する第2情報取得手段と、
前記第2情報取得手段により取得した前記第2情報に基づいて、前記第1動作を実行している電磁波出射装置に対して、前記第1動作を停止させる第2動作を実行させる第2動作制御手段と、
を備えた
請求項1~10のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項12】
前記道路の状況を確認する確認者によって所持される端末をさらに含む道路管理システムであって、
前記第2情報取得手段は、前記確認者によって前記端末を介して入力された入力情報に基づいて送信された前記第2情報を取得する、
請求項11に記載の道路管理システム。
【請求項13】
前記第1イベントは霧の発生であり、
前記電磁波は、580nm以上の波長を含む可視光である、
請求項1~5のいずれか1つに記載の道路管理システム。
【請求項14】
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得し、
前記取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に
よって、車が通行する第1通行帯の両端のうち前記電磁波出射装置に近い方の端における道路の表面からの高さが30cm以下となるように電磁波を出射させる、道路管理方法。
【請求項15】
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得し、
前記取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置によって、道路の第1領域に向けて、第1位置から電磁波を出射させ、また、前記道路の、前記電磁波出射装置から前記第1領域よりも遠い位置にある第2領域に向けて、前記第1位置よりも低い位置にある第2位置から前記電磁波を出射させる、道路管理方法。
【請求項16】
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得し、
前記取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている照明装置及び電磁波出射装置のうち道路を基準としたときに前記照明装置よりも低い位置にある前記電磁波出射装置によって、前記照明装置によって前記道路に照明光が照射される範囲よりも広い照射範囲で前記道路に電磁波を出射させる、道路管理方法。
【請求項17】
1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得し、
前記取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置によって電磁波を道路に向けて出射させ、
前記取得した前記第1情報に基づいて、第1イベントの開始が予想される地域を通行する車から電磁波を前記道路に向けて出射させる、道路管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
降雪により道路に雪が積もったり、路面が凍結すると、車の運転がしづらくなったり、妨害されることがある。例えば特許文献1には、路面の雪を溶かすことを目的とし、遠赤外線を道路に向けて出射することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、道路の状態を良好に維持し易くできる道路管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、1以上の情報処理装置と、複数の地域に設置され、道路に向けて電磁波を出射させる複数の電磁波出射装置と、が通信可能に接続する道路管理システムであって、1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報を取得する第1情報取得手段と、前記第1情報取得手段により取得した前記第1情報に基づいて、前記第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置に対し、電磁波を出射させる第1動作を実行させる第1動作制御手段と、を含む道路管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、道路の状態を良好に維持し易くできる道路管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的なシステム構成図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る道路管理システムの模式的な機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る道路管理システムにおいて保持される管理情報の例示的なデータ構成図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式的斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式的上面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置によって照射される電磁波について説明するための模式的な断面図である。
【
図7A】
図7Aは、第1実施形態に係る道路管理システムにより道路に照射される電磁波の照射態様を例示する模式図である。
【
図7B】
図7Bは、第1実施形態に係る道路管理システムにより道路に照射される電磁波の照射態様を例示する模式図である。
【
図7C】
図7Cは、第1実施形態に係る道路管理システムにより道路に照射される照明の照射態様を例示する模式図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る道路管理システムにおける、電磁波出射装置及び照明装置の他の設置例を例示する模式的上面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的上面図である。
【
図11B】
図11Bは、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る道路管理システムに係る模式的な機能ブロック図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る道路管理方法を例示するフローチャート図である。
【
図14】
図14は、各実施形態に係る装置において情報処理を実現するハードウェアの例示的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1及び
図2は、第1実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的なシステム構成図及び機能ブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る道路管理システム110において、1以上の情報処理装置20と、複数の電磁波出射装置10と、が通信可能に接続する。情報処理装置20と複数の電磁波出射装置10とは、無線または有線の任意の方法により、通信が可能である。
【0010】
図1に示すように、複数の電磁波出射装置10は、複数の地域58に設置される。複数の地域58は、例えば、地域58a及び地域58bなどを含む。例えば、複数の地域58のそれぞれに、複数の電磁波出射装置10が設けられる。複数の電磁波出射装置10は、電磁波出射装置10a及び電磁波出射装置10bなどを含む。例えば、地域58aに複数の電磁波出射装置10aが設けられ、地域58bに複数の電磁波出射装置10bが設けられても良い。
【0011】
ここで、地域58とは、1つのまとまった土地上の領域である。例えば、都道府県や市区町村なども、地域58の単位となり得る。また、これよりも小さな範囲で地域58を構成してもよい。また、複数の地域58のそれぞれが、同じ面積や外形で構成されなくてよい。
【0012】
例えば、地域58の単位は、道路標識によって記される地名の単位で区切られてよい。またあるいは、道路標識によって記される地名の単位で、土地上で連続する複数の地名をまとめて一つの地域58としてもよい。また、一つの地名で構成される地域58と、複数の地名で構成される地域58と、を含んでいてもよい。
【0013】
また例えば、地域58の単位は、気象情報において管理されている単位に対応させてもよい。また例えば、地域58の単位は、道路情報において管理されている単位に対応させてもよい。また例えば、地域58の単位は、高速道路の道路情報において管理されている単位に対応させてもよい。サービスエリアや出入口の単位で、地域58の単位を定めてもよい。
【0014】
一方で、地域58の単位は、小さすぎない方がよい。例えば、ありふれた一軒家の大きさを地域58の単位とすると、地域58の単位としては小さすぎる可能性がある。地域58の平均的な大きさは、1キロ平方メートルよりも大きい方が、管理する単位が多くなり過ぎないという観点からは好ましいといえる。
【0015】
複数の地域58のそれぞれにおいて、道路50が設けられる。道路50には、歩道と車道とがあるがいずれであってもよい。ここでは、道路50が車道であると仮定して、説明を進める。
【0016】
図1に示すように、複数の電磁波出射装置10は、道路50に向けて電磁波18を出射する。1つの例において、電磁波18は、赤外線を含む。また、1つの例において、電磁波18は、遠赤外線を含む。なお、赤外線というときは、近赤外線、中赤外線、及び、遠赤外線を含むものとする。
【0017】
道路50には、一車線の幅で作られる道路50(一方通行の道路など)と、複数車線の幅で作られる道路50とがある。また、複数車線の道路50には、片側一車線の道路50と、片側複数車線の道路50とがある。また、一方が一車線であり、他方が複数車線の道路50もある。複数の電磁波出射装置10のうち少なくとも1以上の電磁波出射装置10が、複数車線の幅で作られる道路50に向けて電磁波18を出射するように設置されることが好ましい。
【0018】
複数の電磁波出射装置10はそれぞれ、出射部11を含む。例えば、出射部11の出射面から外部へと電磁波18が出射される。この例では、さらに、複数の照明装置15が道路50に設置されても良い。道路50に向けて複数の照明装置15から可視光(照明光15L)が出射される。例えば、照明装置15と、電磁波出射装置10とは、一つの筐体に組み込まれても良く、別々の筐体に組み込まれてもよい。
【0019】
図1に示すように、着目している道路50において、道路50の延びる方向(車の進行方向)をX軸方向とする。道路50の左右方向(幅方向)をZ軸方向とする。X軸方向及びZ軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。Y軸方向は、高さ方向である。
【0020】
図1に示すように、複数の電磁波出射装置10は、道路50の側方に設置される。また、X軸方向に沿って、つまり、道路50の進行方向に、所定の間隔を空けて設置される。複数の照明装置15についても同様である。照明装置15は、いわゆる、道路照明灯である。
【0021】
図1に示すように、電磁波出射装置10は、道路50の側方から道路50に向けて電磁波18を出射する。また、電磁波出射装置10によって出射される電磁波18の照射範囲は、電磁波出射装置10の設置場所からZ軸方向に向けて、少なくとも7.00m以上15.00m以下の位置にまで届くことが好ましい。これにより、電磁波出射装置10から2車線先または3車線先の車道に適切に電磁波18を届かせることができる。
【0022】
また、道路50に照射される電磁波18のZ軸方向に関する照射幅は、6.00m以上あることが好ましい。また、Z軸方向に関し、道路50に照射される電磁波18のピーク光強度の50%以上の強度の光が照射される照射幅が、6.00m以上であることが好ましい。これにより、上述したように、2車線以上の車道に対して、車の通過する領域に、十分に電磁波18を照射させることができる。
【0023】
また、Z軸方向に関し、道路50に照射される電磁波18のピーク光強度の50%以上の強度の光が照射される照射幅は、15.00m以下であることが好ましく、あるいは、10.00m以下であることが好ましい。15.00mあれば、およそ3車線の車幅をカバーすることができ、10.00mあれば、およそ2車線の車幅をカバーすることができる。
【0024】
なお、車幅は、国やその地域によっても異なり得るため、この数値に代えて、2車線の幅をカバーするか、3車線の幅をカバーする照射幅が確保される数値条件であってもよい。また、電磁波出射装置10から出射される電磁波18は、4車線以上をカバーする照射幅を有していてもよい。
【0025】
道路管理システム110では、電磁波出射装置10から出射される電磁波18により、道路50の温度が上昇する。言い換えれば、電磁波出射装置10から出射される電磁波18は、道路50の路面温度を上昇させるために、道路50に向けて出射される。これにより、雪が降る場合などにおいて、道路50の上に雪が積もることを抑制、あるいは、低減することができる。
【0026】
図1に示すように、情報処理装置20は、第1情報81を取得する。例えば、気象情報提供部80から出力された第1情報81を、情報処理装置20が取得する。第1情報81は、気象に関する第1イベントの開始が予想される1または複数の地域58と、この1または複数の地域58において第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む。気象情報提供部80は、第1情報81を含む、気象情報を保持している。気象情報提供部80は、例えば、気象に関する情報を提供可能な種々の事業者(例えば、官公庁または企業など)により管理されるサーバなどで良い。気象庁によって管理されるサーバには、少なくとも現在から24時間以内の気象予測が、気象庁で管理される地域の単位で、所定時間ごとにまとまって管理されており、この管理されている気象情報から、第1情報81が提供され得る。
【0027】
なお、ここでは、予想と予測を区別せず、まとめて予想と表記する。従って、例えば、ここでの予想時刻とは、それが予想を含み予測を含まないで導かれる時刻か、予測を含み予想を含まないで導かれる時刻か、予想及び予測を含んで導かれる時刻か、を区別せず、いずれであってもよいものとする。
【0028】
図2に示すように、実施形態に係る道路管理システム110は、第1情報取得手段31及び第1動作制御手段41を含む。第1情報取得手段31の少なくとも一部、及び、第1動作制御手段41の少なくとも一部は、例えば、1以上の情報処理装置20に含まれても良い。
【0029】
第1情報取得手段31は、第1情報81を取得する。既に説明したように、第1情報81は、第1イベントの第1予想時刻を含む。第1イベントは、例えば、降雪である。後述するように、第1イベントは、霧などを含んでも良い。例えば、第1イベントが降雪である場合、例えば、第1情報取得手段31は、第1情報81として、1または複数の地域58における降雪が始まる予想時刻を示す第1予想時刻を取得する。
【0030】
図2に例示する第1動作制御手段41は、第1情報取得手段31により取得した第1情報81に基づいて、第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域58に設置されている電磁波出射装置10に対し、電磁波18を出射させる第1動作を実行させる。第1開始時刻は、第1予想時刻よりも前の時刻である。
【0031】
例えば、第1情報取得手段31が、第1情報81として、降雪が始まると予想される時刻を示す第1予想時刻を取得する。第1動作制御手段41は、その第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、降雪が予想される地域58の電磁波出射装置10に電磁波18の出射を開始させる。第1開始時刻と第1予想時刻の間には、第1予想時刻において道路50の路面温度を十分に上昇させるために必要な時間間隔が確保される。従って、第1開始時刻は、第1予想時刻から、必要な時間間隔以上の所定時間を空けて決定される。言い換えれば、第1開始時刻は、第1予想時刻よりも所定時間前の時刻であるといえる。なお、必要な時間間隔は、適宜設定されればよいが、例えば、1分以上30分以下で設定され得る。道路50の路面温度を予め上昇させておくことで、道路50に雪が積もることを抑制できる。なお、路面温度を十分に上昇させることができるのであれば、時間間隔が短い方が、省エネルギーの観点で好ましい。
【0032】
また、第1開始時刻と第1予想時刻との間の時間間隔は、地域58、季節及び時刻などに基づいて定められても良い。例えば、明るい時間帯よりも、暗い時間帯の方が、時間間隔が長く設定される。第1予想時刻と第1開始時刻との間の時間間隔の設定を可変とすることで、地域、季節及び時刻などの状況に合わせて、第1開示時刻をより的確に定めることができる。
【0033】
図2に示すように、例えば、第1動作制御手段41から、電磁波出射装置10に第1制御信号41sが送信される。1つの例において、第1開始時刻に、第1制御信号41sが送信されても良い。第1制御信号41sが送信された時刻に、電磁波出射装置10から電磁波18の出射が開始する。別の例において、第1開始時刻よりも前に、第1開始時刻を含む情報が第1制御信号41sとして送信されても良い。例えば、電磁波出射装置10に設けられるメモリなどに第1開始時刻が記憶され、電磁波出射装置10は、記憶された第1開始時刻に、電磁波18の出射を開始する。
【0034】
実施形態においては、例えば、雪が降る前に、道路50を積雪しにくい状態にすることができる。これにより積雪が抑制でき、道路50の状態を良好に維持し易くできる。例えば、降雪があった場合でも道路50に積雪されない状態が維持されていれば、積雪がある状態と比べて、車の運転手は運転しやすい。実施形態においては、第1イベント(例えば降雪)の第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に第1動作を開始することで、道路50の不良状態(例えば、運転に支障を来すような積雪状態)を抑制し、良好な状態を維持することができる。
【0035】
例えば、実施形態に係る道路管理システム110は、気象システム(気象情報提供部80)と連携し、気象システムから、降雪情報(降雪地域及び降雪の開始予想時刻の情報)を取得する。そして、道路管理システム110は、予想時刻よりも前の時刻から、電磁波18を道路50に照射するように、該当地域の電磁波出射装置10を制御する。電磁波18は、道路50の温度が上昇し易い波長を有することが好ましい。電磁波18は、道路50の表面の材料(例えばアスファルトなど)に吸収され易い波長を有することが好ましい。
【0036】
既に説明したように、例えば、第1イベントが降雪である場合、電磁波18は、赤外線または遠赤外線を含むことが好ましい。これにより、道路50の表面を効果的に加熱できる。また、第1イベントが降雪である場合に、電磁波18は、可視光を含んでも良い。電磁波18が可視光であることで、電磁波18は、照明光として使用できる。電磁波18が可視光であることで、電磁波18が照射されている領域がわかり易い。例えば、電磁波出射装置10のメンテナンスが容易になる。
【0037】
図2に示すように、第1情報取得手段31は、程度情報81Gを取得しても良い。程度情報81Gとは、第1イベントの程度(例えば強度など)に関する情報を含む。第1情報取得手段31は、第1イベントの発生が予想される地域58における程度情報81Gを取得する。例えば、第1イベントが降雪である場合、程度情報81Gは、単位時間あたり予想降雪量、または、単位時間あたりの予想積雪量などを含む。あるいは、大雪警報や、大雪注意報などの情報であってもよい。程度情報81Gは、第1情報81に含められても良い。第1情報取得手段31は、程度情報81Gを、第1情報81とは別に、取得しても良い。第1動作制御手段41は、取得された程度情報81Gに基づいて、電磁波出射装置10に実行させる第1動作を制御する。
【0038】
例えば、第1動作制御手段41は、上記の第1予想時刻及び上記の程度情報81Gに基づいて決定した第1開始時刻に、電磁波出射装置10に第1動作を実行させる。また例えば、第1動作制御手段41は、上記の程度情報81Gに基づいて決定した強度で、電磁波出射装置10に第1動作を実行させる。また例えば、第1動作制御手段41は、第1開始時刻及び強度の両方を、程度情報81Gに基づいて決定してもよい。
【0039】
例えば、第1イベント(降雪など)の程度(1時間当たりの降雪量など)が大きい場合は、電磁波出射装置10から出射する電磁波18の強度を高くする。例えば、第1イベントである降雪の、その程度である1時間当たりの降雪量が第1の値である場合に、電磁波18の出射開始時刻(第1開始時刻)と第1予想時刻との間の時間(所定時間)を第1の値とし、降雪の程度が第1の値よりも小さい第2の値の場合に、所定時間を第1の値よりも小さい第2の値とする。第1イベントの程度に応じた第1動作が実施されることで、道路50の状態をより適切に維持できる。また、過度な第1動作が実施されることを抑制でき、省エネルギーの道路管理が実施できる。
【0040】
実施形態において、道路50は、電磁波18を吸収し易い材料を含んでも良い。道路管理システム110は、発熱材料を含む道路50をさらに含んでも良い。発熱材料は、電磁波出射装置10から出射される電磁波18が照射されることで熱を発生する。発熱材料は、例えば、カーボンブラック、金ナノ粒子、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)などが採用され得る。例えば、道路50を効率的に加熱でき、積雪を効率的に抑制できる。
【0041】
なお、電磁波出射装置10によって出射される電磁波が、赤外線または遠赤外線を含み、かつ、可視光を含まない場合、発熱材料は、可視光以外の波長の光に対して発熱する特性を有することが好ましい。また、発熱材料は、赤外線または遠赤外線の波長範囲の電磁波によって発熱する材料であることが好ましい。また、可視光の波長範囲の電磁波による発熱の特性が低い材料であることがなお好ましい。夏など、気温が高くなる季節では、路面温度は高くない方が望ましいこともあり得るため、可視光による発熱の影響が小さい方が、太陽光の影響を小さくして、路面温度の上昇を制御することができる。なお、ここでは、可視光の波長範囲を、400nmから760nmとする。
【0042】
図2に示すように、道路管理システム110は、第2情報取得手段32及び第2動作制御手段42を含んでも良い。例えば、第2情報取得手段32及び第2動作制御手段42は、1以上の情報処理装置20に含められても良い。第2情報取得手段32及び第2動作制御手段42で行われる動作が、第1情報取得手段31及び第1動作制御手段41などで行われても良い。
【0043】
第2情報取得手段32は、第2情報82を取得する。第2情報82は、第2イベントを含む。第2情報82は、例えば、第1イベントが終了した場合に発行される。第2情報82は、第1イベントの終了に関する情報を含む。
【0044】
第2動作制御手段42は、第2情報取得手段32により取得した第2情報82に基づいて、第1動作を実行している電磁波出射装置10に対して、第1動作を停止させる第2動作を実行させる。
【0045】
例えば、第1イベント(例えば降雪など)が終了したときに、終了の情報を含む第2情報82に基づいて、第2動作制御手段42から電磁波出射装置10に第2制御信号42sが供給される。第2制御信号42sにより、電磁波出射装置10は、電磁波18の出射を停止する。これにより、より的確な動作が実施でき、省エネルギーの道路管理が実施できる。
【0046】
また、
図1に示すように、道路管理システム110は、端末88を含んでも良い。端末88は、道路50の状況を確認する確認者87によって所持される。端末88は、例えば、タブレット型のコンピュータでも良い。端末88は、情報処理装置20と通信可能に接続する。
図2に例示した第2情報取得手段32は、確認者87によって端末88を介して入力された入力情報に基づいて送信された第2情報82を取得しても良い。確認者87が道路50の状況を確認することで、第1動作が必要なくなった道路50を正確に見極め、上記の第2動作(電磁波18の出射の停止)を行わせることができる。
【0047】
図2に示すように、道路管理システム110は、記憶部25を含んでも良い。第1動作制御手段41は、記憶部25と、有線または無線の任意の方法により通信可能である。第2動作制御手段42は、記憶部25と、有線または無線の任意の方法により通信可能である。また、記憶部25は、第1動作制御手段41または第2動作制御手段42を備える情報処理装置20に備わっていてもよい。例えば、記憶部25において、複数の電磁波出射装置10のそれぞれが設置される地域58を管理する管理情報26が記憶される。第1動作制御手段41は、例えば、第1情報取得手段31により取得した第1情報81と、記憶部25に記録された管理情報26と、に基づいて、第1イベントの開始が予想される地域58に設置されている電磁波出射装置10を特定しても良い。例えば、第2動作制御手段42は、管理情報26に基づいて、第2動作(電磁波18の停止)を行う電磁波出射装置10を特定しても良い。
【0048】
図3は、管理情報26のデータ構成を例示する図である。管理情報26は、例えば、道路名情報R-ID、区間情報J-ID、地域情報A-ID、及び、電磁波出射装置情報L-IDなどを含む。
【0049】
道路名情報は、道路50の道路名を示す情報、あるいは、道路50の道路名を識別する情報である。例えば、日本の道路50では、東名高速道路や北陸自動車道などの道路名がある。
図3の例では、道路名情報R-IDとして、「XXXXXX1」~「XXXXXX4」などの情報が格納される。
【0050】
区間情報は、道路50における区間を示す情報、あるいは、道路50の各区間を識別する情報である。例えば、道路50(例えば高速道路)におけるサービスエリアやパーキングエリアなどを目印にして設定される、2つの目印の間にある道路50を1つの区間とすることができる。
図3の例では、区間情報J-IDとして、「YYYYYY1」~「YYYYYY4」などの情報が格納される。
【0051】
地域情報は、地域58の名称を示す情報、あるいは、地域58をそれぞれ識別する情報である。
図3の例では、地域情報A-IDとして、「ZZZZZZ1」~「ZZZZZZ4」などの情報が格納される。
【0052】
電磁波出射装置情報は、電磁波出射装置10を、個別に、または、地域58の単位で、識別する情報である。
図3の例では、電磁波出射装置情報L-IDとして、「N######1」~「N######4」などの情報が格納される。これらの情報は、互いに紐付けされて記憶されている。
【0053】
道路管理システム110は、道路名情報、区間情報、または、地域情報のうちの1または複数を用いて、動作を制御すべき地域58を特定する。従って、これらの情報は、気象情報提供部80から取得する第1情報81において地域58を特定することのできる情報と対応している。例えば、道路名や区間の単位で地域58を特定する場合は、道路名情報や区間情報が、地域58を特定する地域特定情報となる。管理情報26には、道路名情報、区間情報、及び、地域情報の全てが含まれていなくてもよく、地域58を特定することのできる情報が含まれていればよい。
【0054】
道路管理システム110は、管理情報26と、気象情報提供部80から取得した第1情報81と、に基づいて、動作制御の対象として特定された地域58に設置される複数の電磁波出射装置10を特定することができる。
【0055】
例えば、「XXXXXX1」と言う名前の道路50の、「YYYYYY1」という区間に、「N######1」の認識情報を有する複数の電磁波出射装置10が設置される。また、複数の電磁波出射装置10は、「ZZZZZZ1」の地域58と関連づけられている。なお、
図3の例では、地域情報A-IDと、道路名情報R-IDとが1対1になっているが、一対多や、多対一であってもよい。道路名や区間と、地域58とが、必ずしも一対一にならなくてよいことは、実態から明らかである。
【0056】
例えば、道路管理システム110(例えば、1以上の情報処理装置20)が、定期的に、気象情報提供部80から気象データ(例えば第1情報81など)を取得する。例えば、第1情報取得手段31が、ポーリング通信により、第1情報81を取得する。例えば、1分おきに第1情報81を取得する。第1情報81には、第1イベント(例えば降雪など)が発生する地域58と、その第1イベントの第1予想時刻と、が含まれる。また、第1情報81には、第1情報81の取得時点から1時間以内に第1イベントが発生する地域58についての、地域58及び第1予想時刻の情報が含まれる。このような第1情報81に基づいて、第1予想時刻よりも前(例えば10分前)の第1開始時刻に電磁波18の出射が開始される。
【0057】
図4は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式的斜視図である。
図4に示すように、電磁波18は、照明光15Lよりも下方にあることが好ましい。例えば、
図1及び
図4に示すように、電磁波18を出射する出射部11の高さ(Y軸方向における位置)は、照明光15Lを出射する照明装置15の高さ(Y軸方向における位置)よりも低い。このような構成により、照明光15Lと比べ、道路50の路面から車55の最低地上高までの間に電磁波18を通過させやすくなる。車55の最低地上高よりも低い位置を電磁波18が通過することで、車55の前輪と後輪の位置を除けば、この車55よりもZ軸方向に遠い位置の道路50にも、電磁波18を照射させることができる。つまり、電磁波18が車55によって遮られることが抑制され、道路を効率良く加熱できる。
【0058】
図4に示すように、道路50は、車55が通行する第1通行帯50Aを含む。第1通行帯50Aの両端のうちで電磁波出射装置10に近い方の端50eにおける電磁波18の道路50の表面(路面)からの高さH18は、例えば、30.0cm以下であることが好ましい。低い角度で電磁波18が照射されることで、電磁波18が車55によって遮られることが抑制できる。
【0059】
実施形態において、道路50の表面からの高さH18は、13.0cm以下が好ましい。多くの種類の車の最低地上高は13cm以下である。また、道路50の表面からの高さH18は、9.0cm以下が好ましい。日本の車検では、最低地上高が9.0cm以上でないと検査をパスできないため、9.0cm以下であればおよそほとんど全ての車の最低地上高よりも低い位置に電磁波18を出射させることができる。
【0060】
図4に示すように、道路50の表面から、電磁波出射装置10における電磁波18の出射位置までの高さH11は、60cm以下であることが好ましい。また、30cm以下であることがさらに好ましい。このような低い位置から出射される電磁波18により、電磁波18が車55で遮られることが抑制できる。
【0061】
図1及び
図4に示すように、道路管理システム110は、照明装置15を含んでも良い。照明装置15は、照明光15Lを道路50に向けて出射可能である。道路50を基準にしたときに、電磁波出射装置10(例えば出射部11)の高さ(実質的に高さH11)は、照明装置15の高さH15よりも低い。
【0062】
図5は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式的上面図である。
図5に示すように、例えば、道路50は、第1通行帯50A及び第2通行帯50Bを含む。この例では、道路50は、路側帯50SBをさらに含む。路側帯50SBと第2通行帯50Bとの間に第1通行帯50Aがある。道路50の側部50Sから道路50の中央部50Tに向けて、路側帯50SB、第1通行帯50A及び第2通行帯50Bが、この順で並ぶ。
【0063】
図5に示すように、電磁波出射装置10は、道路50の側部50Sに設置される。電磁波18の少なくとも一部は、側部50Sから道路50の中央部50Tに向けて進む。電磁波出射装置10が道路50の側部50Sにおいて、低位置に設置されることで、例えば、電磁波出射装置10のメンテナンスが容易になる。
【0064】
図5に示す例では、照明装置15は、Z軸方向において、電磁波出射装置10と重なる(
図1及び
図4参照)。
図5に示すように、1つの電磁波出射装置10によって道路50に電磁波18が照射される範囲は、1つの照明装置15によって道路50に照明光15Lが照射される範囲よりも広い。
【0065】
例えば、照明光15Lは、道路50の道筋を認識できればよく、必ずしも道路50の全面に照明を届かせることを要しない。一方で、電磁波18によって道路50に雪が積もることを抑制することを考えると、道路50の道筋(少なくとも車が通る道筋)の全面に電磁波18が照射されることが好ましい。そのため、上面視で、所定の間隔で設置される複数の電磁波出射装置10の両端に位置する電磁波出射装置10における電磁波18の出射位置を通りZ軸方向に進む2つの仮想的な直線に挟まれる道路50の1または複数の通行帯の全体に、複数の電磁波出射装置10による電磁波18の照射範囲が及ぶことが好ましい。また、少なくとも電磁波出射装置10から近い2つの通行帯(2車線)の全体に、複数の電磁波出射装置10による電磁波18の照射範囲が及ぶことが好ましい。
【0066】
また、道路50に沿って所定の間隔で設置される複数の電磁波出射装置10に関して、1の電磁波出射装置10から出射される電磁波18の道路50における照射範囲と、隣に設置される電磁波出射装置10から出射される電磁波18の道路50における照射範囲とは、一部で重なることが好ましい。照射される電磁波18の照射強度が比較的弱い領域を、隣り同士に設置される電磁波出射装置10で補い合うことで、道路50の必要な照射範囲において、より均等に電磁波18を照射させることができる。
【0067】
図6は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置によって照射される電磁波について説明するための模式的な断面図である。
図6に示すように、電磁波出射装置10においては、電磁波出射素子11Eから近い位置(低い位置)で照射領域制御部12によって反射された電磁波18は、電磁波出射素子11Eから遠い位置(高い位置)で照射領域制御部12によって反射された電磁波18よりも、道路50の近くに入射する。
【0068】
図7A及び
図7Bは、第1実施形態に係る道路管理システムにおいて、電磁波出射装置から道路へと出射される電磁波の照射態様を模式的に示した図である。
図7Cは、第1実施形態に係る道路管理システムにおいて、照明装置から道路へと出射される照明光の照射態様を模式的に示した図である。この例では、道路50は、路側帯50SB、第1通行帯50A、第2通行帯50B、及び、第3通行帯50Cを含む。道路50の側部50Sから道路50の中央部50Tに向けて、路側帯50SB、第1通行帯50A、第2通行帯50B、及び、第3通行帯50Cが、この順で並ぶ。
【0069】
図7Aに示すように、例えば、電磁波出射装置10において、出射部11の出射面の上側部分における出射位置11H(上側出射位置)から出射した電磁波18は、路側帯50SB及び第1通行帯50Aに主に入射する。
図7Aに示す電磁波18は、LED(Light Emitting Diode)から出射した電磁波でも良い。上側部分とは、例えば、Y軸方向に関して、出射部11の出射面を等しく二分した領域のうちの上側の領域とすることができる。
【0070】
図7Bに示すように、例えば、電磁波出射装置10において、出射部11の出射面の下側部分における出射位置11L(下側出射位置)から出射した電磁波18は、第2通行帯50B及び第3通行帯50Cに主に入射する。下側部分とは、例えば、Y軸方向に関して、出射部11の出射面を等しく二分した領域のうちの下側の領域とすることができる。
【0071】
図7A及び
図7Bに例示するような電磁波18の照射方法を採ることにより、電磁波18が、道路50の広い面積に比較的に均一に照射させることができる。これにより、例えば、道路50の広い面積が比較的均一に加熱される。
【0072】
このように、道路50の第1領域(例えば、路側帯50SB及び第1通行帯50A)に向けて、第1位置(例えば上側出射位置11H)から電磁波18を出射させる。道路50の、電磁波出射装置10から上記の第1領域よりも遠い位置にある第2領域(例えば第2通行帯50B及び第3通行帯50C)に向けて、第2位置(例えば下側出射位置11L)から電磁波18を出射させる。第2位置は、第1位置よりも低い位置にある。
【0073】
なお、第1領域に電磁波18を照射させる電磁波出射素子11Eと、第2領域に電磁波18を照射させる電磁波出射素子11Eとは、同じであっても、別々であってもよい。同じ電磁波出射素子11Eで実現する場合、例えば、
図6に示すような、電磁波出射素子11Eから遠い位置で反射された光を第1領域に、近い位置で反射された電磁波18を第2領域に向けて出射させる。これにより、第2領域に向けて出射される電磁波18の出射位置を、第1領域に向けて出射される電磁波18の出射位置よりも低くすることができる。
【0074】
また、電磁波出射装置10は、LED、及び、LD(Laser Diode)を含んでも良い。この場合において、LEDから出射した電磁波18は、電磁波出射装置10から近い通行帯に入射する。一方、LDから出射した電磁波18は、電磁波出射装置10から遠い通行帯に入射する。例えば、第1領域に照射させる電磁波出射素子11EにLEDを用い、第2領域に照射させる電磁波出射素子11EにLDを用いてもよい。より遠い領域に、LDから出射された電磁波18を照射することで、遠方に拡散を抑えた電磁波18を照射させることができる。
【0075】
図7Cに示すように、例えば、照明装置15から出射された照明光15Lは、第1通行帯50Aから第3通行帯50Cに主に照射される。また、照明装置15における照明光15Lの出射位置は、電磁波出射装置10における電磁波18の出射位置よりも高い。
【0076】
図8は、第1実施形態に係る道路管理システムにおける、電磁波出射装置及び照明装置の他の設置例を例示する模式的上面図である。
図9は、第1実施形態に係る道路管理システムの電磁波出射装置を例示する模式的側面である。
【0077】
図8に示すように、道路管理システム110は、複数の電磁波出射装置10と、複数の照明装置15と、を含む。複数の電磁波出射装置10の1つのX軸方向(道路50の延在方向)における位置は、複数の照明装置15の1つのX軸方向における位置と、複数の照明装置15の別の1つのX軸方向における位置と、の間にある。例えば、複数の照明装置15の1つのX軸方向における位置は、複数の電磁波出射装置10の1つのX軸方向における位置と、複数の電磁波出射装置10の別の1つのX軸方向における位置と、の間にある。このように、複数の電磁波出射装置10と、複数の照明装置15と、が、道路50の延在方向に沿って、別の位置に設けられても良い。この例では、電磁波出射装置10及び照明装置15が交互に設けられている。
【0078】
図9に示すように、道路50を基準にして、電磁波出射装置10の高さは、照明装置15の高さと異なっても良い。例えば、電磁波出射装置10の高さは、照明装置15の高さよりも低い。
【0079】
なお、第1イベントの一例として、降雪を挙げたが、他の一例として、霧の発生を挙げることができる。例えば、濃霧が発生すると、白色光などの照明光では、道路50の視認性が霧によって阻害されることがある。
【0080】
この場合、電磁波18は、580nm以上の波長を含む可視光であることが望ましい。また、この場合に、可視光である電磁波18は、道路50の通行帯の全体を照射しようとせず、一部を照射するのが望ましい。一部とは、例えば、車線境界線が記される領域である。またあるいは、中央線であってもよい。一部の領域に絞って可視光を照射させることで、霧による光の拡散の影響を受けたとしても、車55が走行すべき通行帯を認識することができ、運転の安全性を向上させることができる。
【0081】
また、この場合、第1開始時刻は、雪の場合とは異なる観点で設定され得る。例えば、第1開始時刻は、第1予想時刻に近い時間で設定されてもよい。霧の場合は、雪の場合のように道路50の路面温度の上昇作用を発揮させることを目的とはしなくてもよい。視認性が悪くなり始めるよりも先に、電磁波18が照射されればよい。例えば、第1開始時刻は、第1予想時刻の1分前で設定することができる。なお、気象状態は、正確に把握することが困難な面もあると考えられるため、余裕を持って、例えば、10分前に設定するなどしてもよい。このように動作を制御することで、霧が発生した場合でも、車55の運転手が道路50の走行すべきラインを見誤ってしまうリスクを低減し、道路50の状態を良好に維持することができる。
【0082】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的斜視図である。
図11Aは、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式的上面図である。
図11Bは、第2実施形態に係る道路管理システムを例示する模式図であり、車のバックサイドからみた図である。
図12は、第2実施形態に係る道路管理システムに係る模式的な機能ブロック図である。
【0083】
図10に示すように、第2実施形態に係る道路管理システム120において、1以上の情報処理装置20と、複数の電磁波出射装置10と、1台以上の車55と、が通信可能に接続する。
【0084】
第2実施形態においては、情報処理装置20は、第1イベントが発生している地域58を走行する車55から電磁波55EMを出射させるための制御信号43sを供給する。これにより、対象となる地域の道路50に対して、電磁波出射装置10からの電磁波18に加え、そこを走行する車55からの電磁波55EMも照射させることができる。これにより、例えば、第1イベント(例えば降雪)が生じた場合において、道路50を良好な状態(例えば積雪が抑制された状態)に維持できる。
【0085】
図10及び
図11Aに示すように、第2実施形態において、第1実施形態と同様に、気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、電磁波出射装置10によって電磁波18が出射される。一方で、電磁波出射装置10のように固定的に設置されるわけではなく、移動する車55については、その車55が、第1イベントが発生する地域58を走行しているか否かによって、電磁波55EMの出射が制御される。なお、電磁波55EMは、電磁波18と同じ波長でなくてもよい。
【0086】
図12に示すように、車55は、電磁波出射素子55A、位置情報取得手段55B、及び、第3動作制御手段55Cを有する。電磁波出射素子55Aは、電磁波55EMを出射する。電磁波出射素子55Aは、車55の車両用灯具に組み込まれて実装されてもよく、また、車55の下面(例えば、アンダーフロアやアンダーカバー)に実装されてもよい。位置情報取得手段55Bは、例えば、GPS(Global Positioning System)であり、車55の現在位置を特定する位置情報を取得する。第3動作制御手段55Cは、情報処理装置20から受信したイベント発生地域情報と、位置情報取得手段55Bから取得した位置情報と、に基づき、電磁波出射素子55Aによる電磁波55EMの出射を制御する。第3動作制御手段55Cは、情報処理装置20と同様に、CPUなどの制御部が実行するプログラムによって実行される制御手段である。
【0087】
車55による電磁波55EMの動作制御について説明する。第3動作制御手段55Cは、車55のエンジンが始動したことに応じて制御を開始する。なお、エンジンの始動ではなく、車55のギアが所定の状態(例えば、ドライブ)になったことに応じて制御を開始してもよい。第3動作制御手段55Cは、情報処理装置20から、イベント発生地域情報を取得する。なお、イベント発生地域情報を取得する情報処理装置20は、第1予想時刻に基づき電磁波出射装置10の動作を制御する情報処理装置20とは、異なっていてもよい。例えば、GPSの位置情報に対応した位置情報で、イベント発生地域情報を送信可能な情報処理装置20から取得する。
【0088】
イベント発生地域情報は、第1イベントが発生している1または複数の地域58が特定された情報である。イベント発生地域情報は、例えば、情報を取得する時点で保持している、最新の第1情報及び第2情報に基づいて取得される。なお、第1イベントが発生している地域58に加えて、所定時間内に第1イベントが発生すると予想される地域58を特定してもよい。例えば、第1予想時刻が到来している地域58を特定してもよい。
【0089】
また、第3動作制御手段55Cは、位置情報取得手段55Bによって取得された車55の位置情報と、イベント発生地域情報とに基づき、車55の現在位置が、第1イベントが発生している1または複数の地域58に含まれているか否かを判定する。含まれていると判定した場合、第3動作制御手段55Cは、電磁波出射素子55Aから電磁波55EMを出射させるように動作を制御する。含まれていないと判定した場合は、車55から電磁波55EMは出射されない。つまり、電磁波55EMが出射されている場合は、電磁波55EMの出射を停止する。
【0090】
第3動作制御手段55Cは、定期的に、イベント発生地域情報と、車55の現在位置を特定する位置情報を取得し、最新の情報に基づいて、上記の判定を繰り返し、電磁波出射素子55Aの動作を制御する。
【0091】
なお、第3動作制御手段55Cは、車55の現在位置が、第1イベントが発生している1または複数の地域58に含まれていると判定した場合に、更に、車55が停止状態にあるか否かを判定してもよい。停止状態にあるか否かの判定は、例えば、ギアが所定の状態(例えば、ドライブ)であるか否かによって判定する方法が挙げられる。また例えば、車55のスピードメーターが時速0kmか否かによって判定する方法が挙げられる。
【0092】
例えば、運転中だが、信号によって一時的に停止している状態であれば、車は道路50上に存在しており、このような状態であれば電磁波55EMは停止しなくてよいという考え方に基づけば、ギアが所定の状態(例えば、パーキング)になっているか否かを判定し、所定の状態になっていると判定した場合に、電磁波55EMを出射しないように制御することが好ましい。停止した状態での継続した電磁波55EMの照射を避けた方がよいという考え方に基づけば、スピードメーターが0kmになっているか否かを判定し、0kmになっていると判定した場合に、電磁波55EMを出射しないように制御することが好ましい。
【0093】
このように、実施形態に係る道路管理システム120は、第1イベント(例えば降雪など)が発生している地域58を走行する車55から電磁波55EMを道路50に向けて出射させることができるため、電磁波出射装置10により道路50に向けて出射された電磁波18が車55によって遮られる場合も、車55による電磁波55EMによって遮った分を補うことができ、道路の状態を良好に維持し易くできる。
【0094】
図11Bに示すように、電磁波出射装置10は、道路50の側部50Sに設けられる側壁92などに設けられても良い。
【0095】
なお、上記第2実施形態においては、車55から出射される対象として電磁波55EMを例に挙げて説明したが、これに限らなくてよい。車55は、電磁波出射装置10よりも道路50に近い位置にいるため、例えば、エンジンの駆動熱など、車55から発生する熱を利用して、道路50に向けて、下向き、あるいは、斜め下向きに、熱風を出射するようにしてもよい。また、エンジンなどとは別個に熱風生成装置を備えていてもよい。またあるいは、エンジンと熱風生成装置をハイブリッドに利用してもよい。
【0096】
このとき、車55は、電磁波出射素子55Aに代えて、熱風55EMを出射する熱風出射デバイス55Aを備えることになる。熱風出射デバイス55Aは例えば、車55の下面(例えば、アンダーフロアやアンダーカバー)に実装されることができる。道路50に近い位置にあるため、電磁波出射装置10の設置位置から熱風を出射する場合と比べて有効に道路50に熱を伝えられる。
【0097】
熱風55EMの動作制御は、電磁波55EMと同様の動作制御によって行うことができる。また、車55のギアが、例えば、走行可能な状態(例えば、ドライブの状態はここでいうところの走行可能な状態であり、パーキングはここでいうところの走行可能な状態ではない)であり、かつ、走行している状態(スピードメーターが時速0kmではない状態)か停止している状態(スピードメーターが時速0kmである状態)かの違いによって、動作態様を変更させる制御を行ってもよい。具体的な例として、走行している状態であれば、熱風55EMの出射方向を固定した状態で熱風55EMを出射し、停止している状態であれば、熱風55EMの出射方向を移動させながら熱風55EMを出射するよにしてもよい。これにより、信号待ちなどで一定時間以上、車55が停止しているときに、熱風55EMが道路50の決まった箇所に出射され続ける場合と比べて、より広い領域に、より均一に熱風55EMを出射させることができる。
【0098】
このように、電磁波18や、電磁波55EMまたは熱風55EMなどは、道路50に熱を与える、熱作用要素の具体的な一例であると言うことができる。同様に、電磁波出射素子11Eや、電磁波出射素子55Aまたは熱風出射デバイス55Aなどは、熱作用要素を出射する熱作用要素出射部の一例であるということができる。同様に、電磁波出射装置10や、熱風発生装置などは、熱作用要素を生成する熱作用要素生成装置の一例であるということができる。
【0099】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る道路管理方法を例示するフローチャート図である。
図13に示すように、実施形態に係る道路管理方法においては、1または複数の地域58において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報81を取得する(ステップS110)。取得した第1情報81に基づいて、第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域58に設置されている電磁波出射装置10から電磁波18を出射させる(ステップS120)。実施形態に係る道路管理方法によれば、道路の状態を良好に維持し易くできる。
【0100】
第3実施形態に係る道路管理方法は、コンピュータにより実施されても良い。例えば、実施形態は、コンピュータに、1または複数の地域58において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報81を取得させ、取得した第1情報81に基づいて、第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域58に設置されている電磁波出射装置10に電磁波18を出射させることを実装する方法を含んでも良い。
【0101】
図14は、各実施形態に係る各装置において実行される情報処理を実現するハードウェアを説明するための例示的なハードウェア構成図である。
図14は、実施形態で用いられる処理装置を例示している。処理装置は、電磁波出射装置10、情報処理装置20または、車55に備わり、各種の情報処理を実行する。処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)311、通信I/F312、入出力I/F313、GUI(Graphical User Interface)314、ROM(Read Only Memory)315、RAM(Random Access Memory)316及びHDD(Hard Disk Drive)317などを含む。上記の各種の処理(例えば、第1情報取得手段31、第2情報取得手段32、第1動作制御手段41、第2動作制御手段42、第3動作制御手段55cなどによる処理)は、例えばCPUで行われる。処理装置に含まれる複数の要素は、例えば、通信経路318などにとり通信可能である。通信は、有線または無線で良い。
【0102】
実施形態は、上記の動作をコンピュータに実装させるプログラムが記録された記録媒体を含んでも良い。実施形態に係る記録媒体は、例えば、コンピュータに、1または複数の地域において気象に関する第1イベントが開始される予想時刻を示す第1予想時刻を含む第1情報81を取得させ、取得した第1情報81に基づいて、第1予想時刻よりも前の第1開始時刻に、第1イベントの開始が予想される地域に設置されている電磁波出射装置10に電磁波を出射させるプログラムが記録される。
【0103】
実施形態によれば、道路の状態を良好に維持し易くできる道路管理システムを提供できる。
【0104】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、道路管理システムに含まれる情報処理装置、電磁波出射装置、情報取得手段、及び、動作制御手段などのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0105】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0106】
その他、本発明の実施の形態として上述した道路管理システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての道路管理システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0107】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0108】
10、10a、10b…電磁波出射装置、 11…出射部、 11E…電磁波出射素子、 11H…上側部分、 11L…下側部分、 15…照明装置、 15L…照明光、 18…電磁波、 20…情報処理装置、 25…記憶部、 26…管理情報、 31、32…第1、第2情報取得手段、 41、42…第1、第2動作制御手段、 41s、42s…第1、第2制御信号、 43s…制御信号、 50…道路、 50A~50C…第1~第3通行帯、 50S…側部、 50SB…路側帯、 50T…中央部、 50e…端、 55…車、 55A…電磁波出射素子、 55B…位置情報取得手段、 55C…第3動作制御手段、 55EM…電磁波、 58、58a、58b…地域、 80…気象情報提供部、 81…第1情報、 81G…程度情報、 82…第2情報、 87…確認者、 88…端末、 92…側壁、 110、120…道路管理システム、 A-ID…地域情報、 H11、H15、H18…高さ、 J-ID…区間情報、 L-ID…電磁波出射装置情報、 R-ID…道路名情報