(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】スパッタリング装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
C23C14/34 G
(21)【出願番号】P 2020560224
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2019005038
(87)【国際公開番号】W WO2020004801
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074857
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518346720
【氏名又は名称】アルバック コリア カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100144211
【氏名又は名称】日比野 幸信
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ビョン ファ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ダ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 寛寿
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 照明
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-213634(JP,A)
【文献】特開昭63-145765(JP,A)
【文献】特開平04-289166(JP,A)
【文献】特開平11-195620(JP,A)
【文献】特開2002-146527(JP,A)
【文献】特開2016-033266(JP,A)
【文献】特開平08-239759(JP,A)
【文献】特開平10-026698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細パターンを備える基板を支持した状態で回転自在なステージと、
前記基板に対向するターゲットと、
前記ステージとターゲットとの間に設けられる遮断本体と、前記遮断本体に形成され、
前記ターゲットから分離して前記基板に進む成膜物質の少なくとも一部を通過させる通過孔を含む遮断部材と、
前記ステージの回転軸に対して直交する方向に前記遮断部材を移動させることができる駆動部と、
を含み、
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、スパッタリングが行われる間に、前記基板の中心から前記通過孔の頂点の間の距離は増加する
スパッタリング装置。
【請求項2】
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、前記通過孔の頂点は前記基板の中心にオーバーラップされる、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記通過孔は、前記頂点から遠くなるほど幅が大きくなる形状を有する、請求項2に記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
前記通過孔は扇形状を有する、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項5】
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、前記通過孔の外角の枠は前記基板の枠から離隔される、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項6】
前記ステージの回転軸は前記基板の中心を通過する、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項7】
前記ステージの回転軸は、前記ターゲット表面のうちプラズマの密度が最も高く形成される地点から離隔される、請求項6に記載のスパッタリング装置。
【請求項8】
前記プラズマの密度が最も高く形成されている地点は、前記ステージの回転軸に並んでいる方向を基準にして前記通過孔にオーバーラップされる、請求項7 に記載のスパッタリング装置。
【請求項9】
前記遮断部材は、前記遮断本体の枠部から上方に突出形成される遮断突出部をさらに含む、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項10】
前記通過孔は複数設けられ、
複数の前記通過孔は互いに連通しない、請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項11】
前記ステージの回転軸は、前記複数の通過孔の間を通過する、請求項10に記載のスパッタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スパッタリング装置の場合、基板上に成膜物質を均一に成膜することが重要である。ターゲットは基板と並んで配置される。ターゲットから分離して基板に向かっている成膜物質は基板の法線方向に進むが、基板の法線に対して一定の角度傾いている経路に沿って進んだりもする。従って、基板の中央部は、相対的に均一な成膜が行われるが、基板の枠部には相対的に不均一な成膜が行われる。基板が正しく機能するためには、均一な成膜でなければならない。特に、微細パターンを有するウェハーの場合、より均一な成膜が求められている。
【0003】
前述した背景技術は、発明者が本発明の導出過程で保持したり習得したものであり、必ずしも本発明の出願前に一般の公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態の目的は、基板の法線に対して一定の角度傾いている経路に沿って基板に進入する成膜物質をほとんど遮断する方式により、基板上に均一な成膜を実現することのできるスパッタリング装置を提供することにある。
【0005】
一実施形態に目的は、ターゲットの経時変化に対応して、基板上に均一な成膜を実現することのできるスパッタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るスパッタリング装置は、微細パターンを備える基板を支持した状態で回転自在なステージと、前記基板に対向するターゲットと、前記ステージとターゲットとの間に設けられる遮断本体と、前記遮断本体に形成され、前記ターゲットから分離して前記基板に進む成膜物質の少なくとも一部を通過させる通過孔を含む遮断部材とを含む。
【0007】
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、前記通過孔の頂点は前記基板の中心にオーバーラップされることができる。
【0008】
前記通過孔は、前記頂点から遠くなるほど幅が大きくなる形状を有することができる。
【0009】
前記通過孔は扇形状を有することができる。
【0010】
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、前記通過孔の外角の枠は前記基板の枠から離隔されることができる。
【0011】
前記ステージの回転軸は前記基板の中心を通過することができる。
【0012】
前記ステージの回転軸は、前記ターゲット表面のうちプラズマの密度が最も高く形成される地点から離隔されることができる。
【0013】
前記プラズマの密度が最も高く形成されている地点は、前記ステージの回転軸に並んでいる方向を基準にして前記通過孔にオーバーラップされることができる。
【0014】
前記スパッタリング装置は、前記ステージの回転軸に対して直交する方向に前記遮断部材を移動させることができる駆動部をさらに含むことができる。
【0015】
前記ターゲットから前記ステージをみたとき、スパッタリングが行われる間に、前記基板の中心から前記通過孔の頂点の間の距離は増加することができる。
【0016】
前記遮断部材は、前記遮断本体の枠部から上方に突出形成される遮断突出部をさらに含むことができる。
【0017】
前記通過孔は複数設けられ、前記複数の通過孔は互いに連通しなくてもよい。
【0018】
前記ステージの回転軸は、前記複数の通過孔の間を通過することができる。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態に係るスパッタリング装置は、基板の法線に対して一定の角度傾いている経路に沿って基板に進入する成膜物質をほとんど遮断することで、基板上に均一な成膜を実現することができる。
【0020】
一実施形態に係るスパッタリング装置は、遮断部材を移動させることによってターゲットの経時変化に対応し、基板上に均一な成膜を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係るスパッタリング装置を概念的に図示する側面図である。
【
図2】一実施形態に係るステージ及び基板を概念的に図示する側面図及び部分拡大図である。
【
図3】一実施形態に係る遮断部材及び基板を概念的に図示する平面図である。
【
図4】一実施形態に係る遮断部材及び基板を概念的に図示する平面図であり、遮断部材が一方向に移動した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態を例示的な図を参照して詳説する。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同じ構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同じ符号を有するようにしたことに留意しなければならない。また、実施形態の説明にあたり、関連する公知構成又は機能の具体的な説明が実施形態についての理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0023】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語によって当該の構成要素の本質や順序などが限定されることはない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、又は「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、各構成要素との間にさらなる構成要素が「連結」、「結合」、又は「接続」され得るものと理解されなければならない。
【0024】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施形態において同じ名称を用いて説明することとする。反対となる記載がない限り、いずれか1つの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用することができ、重複する範囲における具体的な説明は省略することにする。
【0025】
図1は、一実施形態に係るスパッタリング装置を概念的に図示する側面図である。
【0026】
図1を参照すると、スパッタリング装置1は、チャンバ91、ターゲット92、磁石集合体93、基板S、ステージ11、遮断部材12、及び駆動部13を含む。
【0027】
チャンバ91は、スパッタリング装置1の構成要素を収容することができる。チャンバ91には正の電圧が印加されてもよい。正の電圧が印加されたチャンバ91は、ターゲット92から分離されたカチオン性の成膜物質がチャンバ91の内壁に付着することを防止する。チャンバ91は、成膜物質が遮断部材12の外側に進むことを遮断することができる。例えば、ターゲット92からステージ11をみたとき、基板S及びステージ11は、貫通孔121aを通じてのみ見られ、残りの領域はチャンバ91及び遮断部材12によって隠される。
【0028】
ターゲット92は、基板Sに成膜される物質から構成される。ターゲット92は、基板Sに対向してもよい。ターゲット92は、金属物質又は金属物質を含む合金であってもよい。また、ターゲット92は、金属酸化物、金属窒化物又は誘電体であってもよい。例えば、ターゲット92は、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Al、In、C、Si及びSnなどから選択される元素を主成分にする材料を含んでもよい。
【0029】
磁石集合体93は、電磁石及び永久磁石を含んでもよい。磁石集合体93は、電磁石及び永久磁石を用いてターゲット92上に一定強度の固定磁場を形成することができる。固定磁場と外部から印加された電場により、ターゲット92の表面にプラズマが形成される。プラズマの密度は、固定磁場及び印加された電場により決定される。プラズマによってターゲット92の表面でスパッタリングが発生し、ターゲット92から分離した成膜物質は基板Sに進むことができる。
【0030】
基板Sは、半導体、FPD(LCD、OLEDなど)、太陽電池などを製造するための基板である。基板Sは、複数の微細パターンを備えるウェハーであってもよい。基板Sが微細パターンを備えるウェハーである場合、基板S上に成膜物質を均一に成膜することが、基板Sの品質向上のための重要な要素となる。
【0031】
ステージ11は、成膜物質が基板20に均一に成膜されるよう基板Sを固定する。ステージ11は、基板Sが載置されれば、固定手段などを用いて基板Sの端部を固定したり、基板Sの裏面で基板Sを固定することができる。ステージ11は、回転軸A1を中心に回転することができる。ステージ11の回転軸A1は、基板Sの中心を通過することができる。
【0032】
ステージの回転軸A1は、ターゲット92の表面のうち、プラズマの密度が最も高く形成されている地点から離隔される。言い換えれば、ステージの回転軸A1は、ターゲット92の表面のうちプラズマ(plasma)の密度が最も高く形成されている地点で、ターゲット92に対して垂直に延びた補助線A2から離隔してもよい。例えば、
図1を基準にして、ターゲット92の表面のうち、プラズマの密度が最も高く形成されている地点は中心に形成されてもよい。ターゲット92のうち、プラズマの密度が最も高く形成されている地点は、他の地点に比べて、成膜物質の消耗速度が速い。これにより、プラズマの密度が最も高く形成されている地点では成膜物質がより多く分離される。例えば、プラズマの密度が最も高く形成されている地点は、磁石集合体93から印加される磁場のうち、垂直磁場が0である地点である。
【0033】
ターゲット92の表面のうち、プラズマの密度が最も高く形成されている地点は、ステージ11の回転軸A1に並んでいる方向を基準にして、通過孔121aにオーバラップされる。言い換えれば、補助線A2は、通過孔121aを通過することができる。通過孔121aは、ターゲット92のうち成膜物質が最も盛んに行われる地点の下側に備えられるため、基板S上に成膜物質を効率よく成膜することができる。
【0034】
遮断部材12は、ターゲット92から分離して基板Sに向かって進んでいる成膜物質の少なくとも一部を遮断することができる。言い換えれば、遮断部材12は、ターゲット92から分離して基板Sに向かって進んでいる成膜物質の一部を遮断し、一部を通過させることができる。遮断部材12は、遮断本体121、通過孔121a及び遮断突出部122を含む。
【0035】
遮断本体121は、ステージ11とターゲット92との間に設けられてもよい。遮断本体121は、基板S上に配置し、基板Sへ進入する成膜物質の一部を遮断する。遮断本体121は、プレートの形状である。スパッタリングが行われる間、遮断本体121の表面には成膜物質が積る。成膜物質は、基板Sの法線に並んでいる経路に沿って基板Sの表面に進入する第1成膜物質P1と、基板Sの法線に対して傾いた経路に沿って基板Sの表面に進入する第2成膜物質P2を含んでいる。遮断本体121は、第2成膜物質P2をほとんど遮断することができる。また、遮断本体121は、通過孔121aに進入する第1成膜物質P1を全て通過させることができる。その結果、基板Sの表面上に成膜されている成膜物質のうち、第1成膜物質P1の量は第2成膜物質P2の量よりも多く、基板Sの表面上には均一な成膜を実現することができる。遮断本体121は回転しなくてもよい。例えば、遮断本体121は基板Sに併行してもよい。
【0036】
通過孔121aは、遮断本体121に形成されてもよい。通過孔121Aは、ターゲット92から分離して基板Sに進む成膜物質の少なくとも一部を通過させることができる。ステージ11が回転する間、基板Sの表面に対する通過孔121aの相対的な位置は継続して変更され得る。従って、基板Sの表面の全体的に均一な成膜を実現することができる。
【0037】
遮断突出部122は、遮断本体121の枠部から上方に突出形成されてもよい。遮断突出部122は遮断本体121とチャンバ91との間の空間で成膜物質の浸透を防止することができる。
【0038】
駆動部13は、ステージ11の回転軸A1に対して直交する方向に遮断部材12を移動させることができる。
【0039】
図2は、一実施形態に係るステージ及び基板を概念的に図示する側面図及び部分拡大図である。
【0040】
図2を参照すると、ステージ11は、回転軸A1を中心に回転自在である。ステージ11上に載置した基板Sには、成膜物質Pが成膜される。ステージ11は回転しているため、基板Sがターゲットに露出された領域を持続的に変更できるため、基板S上には均一な成膜を実現することができる。
【0041】
図3は、一実施形態に係る遮断部材及び基板を概念的に示す平面図であり、
図4は、一実施形態に係る遮断部材及び基板を概念的に示す平面図であり、遮断部材が一方向に移動した状態を示す。
【0042】
図3及び
図4を参照すると、駆動部13は、遮断部材12を移動させることができる。例えば、駆動部13は、基板Sに平行又は垂直方向に遮断部材12を移動させることができる。駆動部13は、ターゲットの金属のタイプ、ターゲットと基板との間の距離、及び磁力集合体の磁場の強度の少なくとも1つ以上に基づいて遮断部材12を移動させることができる。
【0043】
駆動部13は、ターゲットの表面の不規則な消耗により遮断部材12を移動させることができる。例えば、ターゲットは、周辺プラズマの強度に応じて不規則に消耗されることがある。駆動部13は、ターゲットの消耗量に基づいて遮断部材12を移動することで、基板S上に均一な成膜を実現することができる。
【0044】
通過孔121aは、基板Sを扇形状でターゲットに露出させる。例えば、通過孔121aは、頂点1211aから遠くなるほど、幅が大きくなる形状を有してもよい。例えば、通過孔121aは扇形状を有してもよい。
【0045】
基板Sは、ターゲットからステージをみているとき、通過孔121aを介して外部に露出される第1領域S1と、遮断部材12によって隠される第2領域S2と、チャンバ(図示せず)によって隠される第3領域S3を含むことができる(
図1参照)。
【0046】
例えば、スパッタリングの初期ステップにおいて、通過孔121aは、ターゲットからステージをみたとき、通過孔121aの頂点1211aは、基板Sの中心にオーバラップされてもよい。スパッタリングが行われる間、駆動部13は遮断部材12を移動し、それにより基板Sの中心から通過孔121aの頂点1211aの間の距離dは増加する。このような作動によると、基板Sの中心に相対的に多い量の成膜物質が成膜されることを防止し、均一な成膜を実現することができる。
【0047】
ターゲットからステージをみたとき、通過孔121aの外角の枠1212aは基板Sの枠部から離隔してもよい。言い換えれば、遮断本体121と基板Sとの間にはオーバラップされない領域Aが備えられる。領域Aは、遮断部材12に積もった成膜物質が基板Sに落下することを防止できる。
【0048】
図3及び
図4には、遮断部材12が1つの通過孔121aを備えるものと示されているが、これに制限されないことを明らかにする。例えば、遮断部材は、互いに連通しない複数の通過孔(図示せず)を備えてもよい。複数の通過孔それぞれの面積は、示されている1つの通過孔121aの面積よりも小さくてもよいが、複数の通過孔の面積の合計は1つの通過孔121aの面積とほとんど類似してもよい。ターゲットから基板Sに進む成膜物質は、直進成分と斜線成分の和と言えるが、複数の通過孔を含んでいる遮断部材12は、成膜物質の斜線成分を効率よく遮断することができる。言い換えれば、複数の通過孔を有する遮断部材は、1つの通過孔を有する遮断部材に比べて成膜物質の斜線成分を相対的に少なく通過させることができる。
【0049】
一方、ステージ11(
図1参照)の回転軸A1(
図1参照)は、複数の通過孔の間を通過することができる。例えば、複数の通過孔のそれぞれの一頂点は回転軸A1に接し、複数の通過孔は回転軸A1を基準としてそれぞれ異なる側に配置されてもよい。このような構造によると、複数の通過孔を有する遮断部材12は、基板Sの中心部を相対的に長い時間の間にターゲットへ露出させることができ、これによって基板Sの中心部のボトムカバレッジ(bottom coverage)が向上される。
【0050】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順で実行されるし、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。