(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】半導体デバイスの製造中にp-ドープされたシリコン及びシリコン―ゲルマニウムに対してポリシリコンを選択的に除去するための液体組成物
(51)【国際特許分類】
H01L 21/308 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
H01L21/308 D
(21)【出願番号】P 2021573516
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 US2020037447
(87)【国際公開番号】W WO2020252272
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ダー リウ
(72)【発明者】
【氏名】イー-チア リー
(72)【発明者】
【氏名】チュン-イー チャン
(72)【発明者】
【氏名】アイピン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ライション スン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-050364(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0343576(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/308
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、前記エッチング溶液は、
水、
NH
4OH又は水酸化第4級アンモニウム(ニート)、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種、
ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体から選択される少なくとも1種の化合物、を含み、
前記エッチング溶液は、(a)キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20脂肪酸、C
4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物、(b)少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに(c)アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、を更に含んでもよく、含まなくてもよい、
エッチング溶液。
【請求項2】
マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、前記エッチング溶液は、
水、
NH
4OH又は水酸化第4級アンモニウム(ニート)、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種、
ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20脂肪酸、C
4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、
少なくとも1種のポリアミン、を含み、
前記エッチング溶液は、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒を更に含んでもよく、含まなくてもよい、
エッチング溶液。
【請求項3】
約0.05~約15wt.%の、NH
4OH(ニート)又は水酸化第4級アンモニウム(ニート)のうち前記少なくとも1種、
約0.01~約8wt.%の、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20脂肪酸、C
4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される前記少なくとも1種の化合物、
を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項4】
前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種の非置換又は置換のC
6~20脂肪酸を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項5】
前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種の水―混和性有機溶媒を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項6】
前記エッチング溶液は、少なくとも1種のアルカノールアミンを含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項7】
前記エッチング溶液は、キノリン又はキノリンの誘導体から選択される前記少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項8】
前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種のポリアルキレンイミンを含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項9】
前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種のC
4~12アルキルアミンを含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項10】
請求項1に記載のエッチング溶液であって、前記エッチング溶液は、
水、
少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、
NH
4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、
アルカノールアミン及びポリアミン又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、を含み、
前記エッチング溶液は、(a)C
4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及び非置換又は置換のC
6~20脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、(b)少なくとも1種のフッ化物イオン源、(c)キノリン又はキノリンの誘導体、及び(d)界面活性剤、を更に含んでもよく、含まなくてもよい、
エッチング溶液。
【請求項11】
前記エッチング溶液は、約70~約99.9wt.%の前記水を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項12】
前記エッチング溶液は、約30~約70wt.%の水を含む、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項13】
前記水―混和性有機溶媒は、スルホラン、DMSO、エチレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項14】
前記水―混和性有機溶媒は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項15】
前記水酸化第4級アンモニウム化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項16】
前記アルカノールアミン化合物は、N-メチルエタノールアミン(NMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ―イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール(AEE)、トリエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、ジイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物から選択される、請求項
1に記載のエッチング溶液。
【請求項17】
前記ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンである、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項18】
前記置換又は非置換のC
6~20脂肪酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸(dedecanoic acid)、6-メルカプトヘキサン酸、7-メルカプトヘプタン酸、8-メルカプトオクタン酸、9-メルカプトノナン酸、10-メルカプトデカン酸、11-メルカプトウンデカン酸、12-メルカプトドデカン酸、及び16-メルカプトヘキサデカン酸から選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項19】
前記非置換又は置換のC
6~20脂肪酸は、メルカプトカルボン酸である、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項20】
前記ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体は、1,4-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2-フェニル-1,4-ベンゾキノン、2-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、トリメチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、テトラメチル-1,4-ベンゾキノン、テトラフルオロ-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-1,4-ベンゾキノン、テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン、2-クロロ-1,4-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-アントラキノン、1,8-ジクロロ-9,10-アントラキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、4-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、フェナントレンキノン、1,2-ナフトキノン、1,10-フェナントロリン-5,6-ジオン、及びテトラクロロ-1,2-ベンゾキノンから選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項21】
前記ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体は、溶液中に存在し、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-t-ブチル-pベンゾキノンから選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項22】
前記ポリアミンは、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリエチレンジアミン(TEDA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、及びジエチレントリアミン(DETA)から選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項23】
前記キノリン又はキノリンの誘導体は、キノリン、8-ヒドロキシキノリン、2-メチル-8-ヒドロキシキノリン、及びアミノキノリンから選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項24】
前記C
4~12アルキルアミンは、ヘキシルアミン、ヘキシルアミンの界面活性剤塩、オクチルアミン、オクチルアミンの界面活性剤塩、デシルアミン、デシルアミンの界面活性剤塩、及びドデシルアミン、及びドデシルアミンの界面活性剤塩から選択される、請求項1または2に記載のエッチング溶液。
【請求項25】
水、
メチル-p-ベンゾキノン、
プロピレングリコール、
ジエチレントリアミン、及び
水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムから選択される少なくとも1種の水酸化第4級アンモニウムを含む、
請求項10に記載のエッチング溶液。
【請求項26】
C
6~20脂肪酸をさらに含む、請求項25に記載のエッチング溶液。
【請求項27】
ポリシリコン及びp-ドープされたシリコンを含む並びに/或いはポリシリコン及びゲルマニウム合金を含む複合半導体デバイスにおいてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる方法であって、前記方法は、
ポリシリコン及びp-ドープされたシリコン並びに/或いはポリシリコン及びシリコンゲルマニウム合金を含む前記複合半導体デバイスを請求項1または2に記載のエッチング溶液と接触させるステップ、及び
前記ポリシリコンを少なくとも部分的に除去した後、前記複合半導体デバイスを洗浄するステップを含む、
方法。
【請求項28】
ポリシリコン及びp-ドープされたシリコンを含む複合半導体デバイスにおいてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる方法であって、前記方法は、
ポリシリコン及びp-ドープされたシリコンを含む前記複合半導体デバイスを、
マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液と接触させるステップ、
前記エッチング溶液は、
水、
NH
4OH又は水酸化第4級アンモニウム(ニート)、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種、
ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体から選択される少なくとも1種の化合物、を含み、
前記エッチング溶液は、(a)キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20脂肪酸、C
4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物、(b)少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに(c)アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、を更に含んでもよく、含まなくてもよい、並びに、
前記ポリシリコンを少なくとも部分的に除去した後、前記複合半導体デバイスを洗浄するステップを含み、
p-ドープされたシリコンに対するポリシリコンの選択性は、10超である、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造に使用される液体エッチング組成物に関する。より具体的には、本発明は、複合半導体デバイスの製造中にp-ドープされたシリコン及びシリコン―ゲルマニウムに対するポリシリコンのエッチング選択性の増加を示すエッチング組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
半導体は、技術ロードマップにしたがった、集積化による小型化によって、性能、コスト及び電力消費において改善され続けている。将来の要求を満たすようにトランジスタのスケーリング(微細化)を達成し続けるために、酸化ケイ素で製造された従来のゲート絶縁膜を用いたトランジスタのゲート厚は過度に小さくなり、その結果トンネル電流に起因する漏れ電流が増加し、電力消費が大きくなる。さらに、近年、携帯電話、ノート型パソコン及びポータブル音楽プレーヤー等の、半導体デバイスを用いたモバイル装置に対する需要が増加している。この場合、このようなモバイル装置のための電源は、充電池に頼ることが多い。したがって、モバイル装置の長期使用を達成するために、モバイル装置において用いられる半導体デバイスが低い電力消費を有することが要求されている。結果として、装置のスタンバイ状態中の漏れ電流を低減する目的に関し、トランジスタの構成として絶縁材料及びゲート電極を組み合わせる技術が提案されており、そこでは、高誘電体材料及び金属ゲートが、シリコーン酸化物及びポリシリコンの従来の組み合わせの代わりに用いられる。
【0003】
高誘電体材料及び金属ゲートを製造する1つの方法は、ゲートラスト方法と呼ばれ、そこでは高誘電体材料及びポリシリコンの組み合わせを用いてトランジスタを製造した後、ポリシリコンを除去して、それと金属ゲートを置き換える。アルカリ性湿式化学プロセスによりダミーポリシリコンゲートを除去する際、ゲート酸化物はアルカリ性配合物に曝露される。ゲート酸化物層が薄い(典型的には約10~30Å)ため、ゲート酸化物がよく保護されていない場合、湿式化学品がゲート酸化物を介して浸透し、p-ドープされたシリコン中にピット欠陥を生成することを可能とする大きな可能性がある。この理由のために、単位時間当りのポリシリコンのエッチング量(以下、「エッチング速度」と呼ぶ)が小さい場合、エッチングに要する時間は長引く傾向があり、酸化物層が腐食する危険が増加する。従来のポリシリコン湿式エッチング化学は、典型的には適当なポリシリコン除去能力を示すNH4OH又はTMAHのようなエッチャントを使用するが、例えば酸化ケイ素等のゲート酸化物へのエッチング速度は、デバイス設計がより小さくなる場合重要である。ダミーゲート除去プロセスでの酸化物損失を最小限にすることは、先端のテクノロジーノードの成功にとって重要になる。酸化物損失を最小限にするほかに、p-ドープされたシリコン中のピット欠陥を防ぐための別の重要な手法は、p-ドープされたシリコンのエッチング速度を減少させてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコンの高い選択性を達成することである。p-ドープされたシリコンに対するポリシリコンの選択的エッチングと同様に、シリコン―ゲルマニウムを用いる場合、シリコン―ゲルマニウムに対するポリシリコンの高い選択性も必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当技術分野において、ポリシリコンに対して非常に高いエッチング速度を有し、湿式化学品に曝露される場合があるp-ドープされたシリコン及び/若しくはシリコン―ゲルマニウム層又は任意の他の金属、側壁、並びに中間層絶縁膜のエッチングを著しく抑制する、湿式化学品配合物に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためには、p-ドープされたシリコンに対してポリシリコンをエッチングする及び/又はシリコン―ゲルマニウムに対してポリシリコンをエッチングするための選択性が高い配合物が求められる。本明細書にはこのような湿式化学組成物が開示される。本明細書に開示される1つの態様におけるものは、マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、このエッチング溶液は、水、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに任意選択的にフッ化物イオン源を含む、エッチング溶液である。
【0006】
別の態様において、本明細書に開示されるのは、マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、このエッチング溶液は、水、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、アルカノールアミン及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、C4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及びC6~20メルカプトカルボン酸(又はC6~20脂肪酸化合物)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体、並びに任意選択的に、界面活性剤を含み、これらから本質的になり、又はこれらからなる、エッチング溶液である。
【0007】
別の態様において、本発明は、ポリシリコン並びにp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウムを含む複合半導体デバイスについてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコン速度及び/又はシリコンゲルマニウムに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる方法であって、この方法は、ポリシリコン並びにp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウムを含むこの複合半導体デバイスを、水、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに任意選択的にフッ化物イオン源を含む水性組成物と接触させるステップ、及びこのポリシリコンを少なくとも部分的に除去した後、この複合半導体デバイスを洗浄するステップを含む、方法を提供する。
【0008】
別の態様において、本発明は、ポリシリコン並びにp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウムを含む複合半導体デバイスについてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコン及び/又はシリコン―ゲルマニウムに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる方法であって、この方法は、ポリシリコン並びにp-ドープされたシリコン及び/又はシリコンゲルマニウムを含むこの複合半導体デバイスを、水、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、アルカノールアミン及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、C4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及びメルカプトカルボン酸(又はC6~20脂肪酸化合物)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体、任意選択的に、界面活性剤、並びに任意選択的にフッ化物イオン源を含む水性組成物と接触させるステップ、及びこのポリシリコンを少なくとも部分的に除去した後、この複合半導体デバイスを洗浄するステップを含む、方法を提供する。
【0009】
本明細書において開示される実施形態は、単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において引用される、出版物、特許出願、及び特許を含む、全ての参考文献は、各参考文献が参照により本明細書に援用されるように個々に具体的に示され、その全体を本明細書に記載されたのと同程度に参照により本明細書に援用される。
【0011】
本発明を記載する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という用語並びに同様の指示語の使用は、本明細書で別段の指摘がないか又は文脈によって明確に否定されない限り、単数及び複数の両方を包含すると解されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むが、制限されない」ことを意味する)として解されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で別段の示唆がない限り、範囲内に含まれる各々の別個の値を個々に言及することの省略方法として機能することが意図されるに過ぎず、各々の別個の値は、それが本明細書で個々に列挙されたかのように本明細書中に援用される。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書で別段の指摘がないか又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるいずれかの及び全ての例又は例示的な語(例えば「等(such as)」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図したものに過ぎず、特許請求の範囲に別段の記載がない限り、本発明の範囲に関する限定を与えるものではない。本明細書中の如何なる用語も、本発明の実施に必須であるように、特許請求の範囲に記載されていない任意の要素を示すものとして解釈されるべきではない。明細書及び特許請求の範囲における「含む(comprising)」という用語の使用は、「本質的にこれからなる(consisting essentially of)」、及び「これからなる(consisting of)」の、より狭い用語を包含する。
【0012】
本発明の実施に関して本発明者らが知っているベストモードを含む本発明の実施態様を本明細書に記載する。これらの実施態様の変形は、前述の記載を読んだ当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に採用することを予期し、本発明者らは本明細書に具体的に記載された以外の方法で本発明を実施することを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法によって許容されるように、本開示に添付の特許請求の範囲に記載の主題の全ての修正形態及び均等物を含む。さらに、その全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書中に別段の示唆がないか、文脈によって明確に否定されない限り、本発明に包含される。
【0013】
本発明は概して、p-ドープされたシリコンに対するシリコンの、及び/又はシリコンゲルマニウムに対するシリコンの、それらの材料を含むマイクロ電子デバイスからの、その製造中における選択的除去に有用な組成物に関する。
【0014】
例えば、マイクロ電子デバイス上の材料として積層された、「p-ドープされたシリコン」などの用語「シリコン」には、ポリシリコンが含まれるものと理解される。
【0015】
参照しやすくするために、「マイクロ電子デバイス」とは、マイクロ電子、集積回路、又はコンピューターチップ用途での使用のために製造される、半導体デバイス又は基板、ウェハ、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリデバイス、ソーラーパネル並びにソーラー基材、太陽光発電装置、及びマイクロ電子機械システム(MEMS)を含む、他の製品に対応するものとする。ソーラー基材としては、シリコン、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、及びガリウム上ガリウムヒ素があるが、限定されない。ソーラー基材は、ドープされていてもよく又はドープされていなくてもよい。用語「マイクロ電子デバイス」又は「半導体デバイス」又は「半導体基材」とは、何らかの形で制限されることを意図せず、マイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリに最終的になるあらゆる基材を含むことを理解されたい。半導体デバイス又は基材を記載する用語「複合」とは、デバイス又は基材が、デバイス又は基材上に層又は電子構造を形成する少なくとも2つ又はそれ以上の異なる材料を含むことを意味する。このような材料は、金属、金属合金、低k誘電体材料、バリア材料、並びに当業者に公知の他の層及び材料を含むことができる。
【0016】
本明細書で規定される場合、「低k誘電体材料」は、層状マイクロ電子デバイスで誘電体材料として使用される約3.5未満の誘電率を有する任意の材料に対応する。好ましくは、低k誘電体材料としては、低極性材料、例えば、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有有機/無機ハイブリッド材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ素ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化シリコン、及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスがあげられる。低k誘電体材料は、様々な密度及び様々な多孔度を有することができることを理解されたい。
【0017】
「実質的に含まない」は、本明細書では0.001wt.%未満として規定される。「実質的に含まない」はまた、0.000wt.%を含む。「含まない」という用語は、0.000wt.%を意味する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「約」は、述べられた値の±5%に相当することが意図される。
【0019】
組成物の特定の成分がゼロの下限値を含む質量パーセントの範囲に関連して議論される全てのそのような組成物において、組成物の様々な特定の実施形態では、そのような成分は存在することができるか又は存在しないことができること、及び、例えば、そのような成分が存在する場合は、それらの成分が、そのような成分が用いられる組成物の総質量に対して0.001wt%程度の濃度で存在することができることが理解される。組成物の質量パーセントの合計は、100%である。
【0020】
この広い態様において、本開発のエッチング溶液は、マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、このエッチング溶液は、水、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸、C4~12アルキルアミン及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに任意選択的に、フッ化物イオン源を含み、これらから本質的になり、又はこれらからなる、エッチング溶液を含む。
【0021】
別の広い態様において、本開発のエッチング溶液は、マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、このエッチング溶液は、水、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、アルカノールアミン及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、C4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及びメルカプトカルボン酸(又はC6~20脂肪酸化合物)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体、並びに任意選択的に、界面活性剤を含み、これらから本質的になり、又はこれらからなる、エッチング溶液を含む。
【0022】
本発明の組成物は、電子デバイス上の構造全体にゲートを製造するプロセスにおける使用に適している。このようなプロセスは当技術分野において知られており、例えば米国特許出願公開第2017/0179248号明細書、米国特許出願公開第2017/0104062号明細書、米国特許出願公開第2017/0133462号明細書、米国特許出願公開第2017/0040321号明細書において開示されるプロセスであり、その開示は、参照により本明細書に援用される。
【0023】
本明細書に開示されるエッチング組成物は、例えば、基材、少なくとも高誘電体材料膜及びポリシリコンで製造されたダミーゲートのラミネートにより形成されたダミーゲートラミネート、ラミネートの側面を覆うように配置された側壁、及び基材上に与えられた側壁を覆うように配置された中間層絶縁膜を含む構造ボディーを用いたトランジスタを製造するプロセスにおいて、ポリシリコンで製造されたダミーゲートの除去において、p-ドープされたシリコンに対するポリシリコン及び/又はシリコン―ゲルマニウムに対するポリシリコンの良好な優先的除去を示し、ダミーゲートは、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル又はタングステンを含有する金属ゲートと置き換えられる。
【0024】
本明細書に開示されるエッチング組成物は、水系であり、したがって水を含む。本発明において、水は様々に機能し、例えば、組成物の1つ又は複数の成分を溶解するため、成分のキャリアとして、残留物の除去の助剤として、組成物の粘度改質剤として、及び希釈液として機能する。好ましくは、エッチング組成物中で用いられる水は脱イオン(DI)水である。次の段落で説明する水の範囲は、あらゆる供給源由来の組成物中の全ての水を含む。
【0025】
ほとんどの用途に関し、組成物中の水(すなわち、全ての供給源からの)の合計質量パーセントは、以下の数字群:0.5、1,5、10、15、17、20、23、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、98.6、98.8、98.9、99、99.3、99.5、99.6、99.7、99.8及び99.9から選択される始点及び終点を有する範囲に存在すると考えられる。組成物中で使用することができる水の範囲の例としては、例えば、約0.5%~約99.9wt.%又は約15%~約99.9wt.%又は約0.5%~約60wt.%又は1%~約60wt.%の水、又は約0.5%~約40wt.%又は約1%~約25wt.%又は約1%~約20wt.%又は約1%~約15wt.%、又は約5%~約20wt.%、又は5%~約15wt.%又は20%~約60wt.%又は25%~約60wt.%又は約30%~約60wt.%又は約35%~約55wt.%、又は約15%~約30wt.%、又は約5%~約35wt.%、又は約10%~約20wt.%の水があげられる。本発明のさらに他の好ましい実施形態では、他の成分の所望の質量パーセントを達成する量で水を含むことができる。他の実施形態、例えば、溶液中に低量の水混和性有機溶媒を含む若しくは水-混和性有機溶媒を実質的に含まない若しくは水混和性有機溶媒を含まない及び/又は低量のアルカノールアミン及び/又はポリアミンを含む若しくはアルカノールアミン及び/又はポリアミンを実質的に含まない若しくはアルカノールアミン及び/又はポリアミンを含まない本発明の溶液の実施形態においては、組成物中の水(すなわち、全ての源からの)の合計質量パーセントは、以下の数字群:70、75、80、82、85、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、98.6、98.8、98.9、99、99.3、99.5、99.6、99.7、99.8及び99.9から選択される始点及び終点を有する範囲に存在してよい。組成物中において使用することができる水の範囲の例としては、例えば、約70%~約99.9wt.%又は80%~約99.9wt.%の水、又は約85%~約99.9wt.%の水、又は約88%~約99.9wt.%の水又は約90%~約99.9wt.%又は約95%~約99.9wt.%又は約97%~約99.9wt.%の水があげられる。
【0026】
本明細書に開示されるエッチング組成物は、水酸化第4級アンモニウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択されるアンモニウム化合物のうち少なくとも1種である、シリコンエッチャントを含む。実施形態において、水酸化第4級アンモニウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選択されるアンモニウム化合物のうち少なくとも1種を含む得られるエッチング溶液のpHは、約7.5~14、又は約9.0~14、又は約10~14、又は約11~14、又は約12~14又は約13~14又は13超である。
【0027】
水酸化第4級アンモニウムは、アルキル基がすべて同じである水酸化第4級アンモニウム、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び/又は水酸化テトラブチルアンモニウム等であってよい。
【0028】
あるいは、アルキル基がすべて同じではない水酸化テトラアルキルアンモニウムを含む水酸化第4級アンモニウムが好ましい。アルキル基がすべて同じではない水酸化テトラアルキルアンモニウムの例としては、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム及びこれらの混合物からなる群があげられる。
【0029】
組成物中の水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムの量は、ほとんどの用途に関して、以下の数字群:0.5、1、2、3、5、7、8、10、12、15、20、25、30及び35から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントを構成することとなる。本発明の組成物中の水酸化第4級アンモニウム又は水酸化アンモニウムの範囲の例は、組成物の約1質量%~約35質量%又は約1質量%~約20質量%又は約1質量%~約10質量%、具体的には、組成物の約8質量%~約35質量%、又はより具体的には組成物の約20質量%~約35質量%であってよい。例として、水酸化第4級アンモニウム化合物がETMAH(20%溶液)であり、25質量%で加えられる場合、5%(活性)の水酸化第4級アンモニウム化合物が存在し、別の言い方では、ニート基準で加えられた5%水酸化第4級アンモニウムが存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の水酸化第4級アンモニウム化合物(ニート基準)及び/又は、水酸化アンモニウム(ニート基準)は、以下の数字群:0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.8、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、17、20、25、30及び35から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントを構成する。本発明の組成物中の水酸化アンモニウム(ニート)及び/又は少なくとも1種の水酸化第4級アンモニウム(ニート)の範囲の例は、組成物の約0.2質量%~約15質量%、又は約0.3~約12質量%、又は約0.05~約7質量%、又は約0.1~約10質量%、又は約0.1~約12質量%、又は約0.1~約7質量%、又は約0.5~約7質量%、又は約0.05質量%~約15質量%、又は約0.05質量%~約8質量%又は約0.05~約5質量%、又は約0.1~約5質量%、又は約0.2~約5質量%又は約0.05質量%~約10質量%、又は約3~約12質量%であってよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物はまた(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物はまた(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、及び非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物は(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物はまた(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体及びキノリン又はキノリンの誘導体並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物は(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体及び少なくとも1種のキノリン又はキノリンの誘導体を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物は(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体を含む。少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体を含む(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)実施形態において、組成物はさらに、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでよい。少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体を含む(水及び水酸化第4級アンモニウム化合物又は水酸化アンモニウムとともに)実施形態において、組成物はさらに、水混和性有機溶媒及び/又はアルカノールアミン及び/又はポリアミン並びにこれらの混合物から選択されてもよく、又はからなる群から選択されてもよい。
【0031】
本発明の組成物中において利用可能な、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体の例としては、1,4-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2-フェニル-1,4-ベンゾキノン、2-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、トリメチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、テトラメチル-1,4-ベンゾキノン、テトラフルオロ-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-1,4-ベンゾキノン、テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン、2-クロロ-1,4-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-アントラキノン、1,8-ジクロロ-9,10-アントラキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、4-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、フェナントレンキノン、1,2-ナフトキノン、1,10-フェナントロリン-5,6-ジオン、テトラクロロ-1,2-ベンゾキノンがあげられる。ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体を、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-t-ブチル-p-ベンゾキノンから選択してもよい。エッチング組成物中に存在する場合、ベンゾキノンは主に、阻害剤として機能する。
【0032】
本発明の組成物中において利用可能な、キノリン又はキノリンの誘導体の例としては、キノリン、8-ヒドロキシキノリン、2-メチル-8-ヒドロキシキノリン及びアミノキノリンがあげられる。組成物中のキノリン(複数含む)は、シリコン―ゲルマニウム合金が基材上に存在する時、シリコン―ゲルマニウム合金に保護を提供する。キノリンはしたがって、本発明の組成物においては任意選択成分であってよい。いくつかの実施形態において、キノリンを、8-ヒドロキシキノリン及び2-メチル-8-ヒドロキシキノリンから選択してよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、特にSi-Geが基材上に存在しないとき、任意の組み合わせでいずれか又は全てのキノリン及び/又はキノリンの誘導体及び/又は上に列挙した例のキノリンのいずれかを含まない、又は実質的に含まない。
【0034】
非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物は、1つ又は複数の鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を含んでよい。カルボン酸基は、C6~20脂肪酸化合物の唯一の基であってよく、C6~20脂肪酸を非置換にする。カルボン酸基は、鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の末端基であってもよく、又は鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の内部に位置してもよい。C6~20脂肪酸化合物に1つより多い基がある場合、鎖状アルキル鎖の反対側の末端状の末端炭素の各々に基が存在してよく、あるいは1つ又は複数の置換基がアルキル基内部(炭素鎖内部)に位置してもよい。置換基は、鎖状、分岐状又は環状基の内部にあってよい。C6~20脂肪酸は、1つ又は複数の他のカルボン酸基、チオール基、ヒドロキシル基、又はアミノ基を含む、1つ又は複数の置換基を(カルボン酸基に加えて)含んでよい。本発明の組成物中において利用可能な非置換のC6~20脂肪酸化合物の例としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸及びオレイン酸があげられる。本発明の組成物中において利用可能な置換のC6~20脂肪酸化合物の例としては、6-メルカプトヘキサン酸、7-メルカプトヘプタン酸、8-メルカプトオクタン酸、9-メルカプトノナン酸、10-メルカプトデカン酸、11-メルカプトウンデカン酸、12-メルカプトドデカン酸及び16-メルカプトヘキサデカン酸を含む、C6~20メルカプトカルボン酸があげられる。本発明の組成物中において利用可能な、ヒドロキシル基で置換されたC6~20脂肪酸化合物の例は、ジュニペル酸である。
【0035】
好ましい置換又は非置換のC6~20脂肪酸化合物は、置換又は非置換のC6~16又はC6~14又はC8~14脂肪酸化合物である。本発明の好ましい置換のC6~20脂肪酸化合物は、10-メルカプトデカン酸及び11-メルカプトウンデカン酸等の、C6~20又はC6~16又はC6~14又はC8~14メルカプトカルボン酸である。本発明の好ましい非置換のC6~20又はC6~16又はC6~14又はC8~14脂肪酸化合物は、デカン酸及びウンデカン酸である。
【0036】
適切なC4~12アルキルアミンの例としては、ヘキシルアミン、ヘキシルアミンの界面活性剤塩、オクチルアミン、オクチルアミンの界面活性剤塩、デシルアミン、デシルアミンの界面活性剤塩、ドデシルアミン、及びドデシルアミンの界面活性剤塩があげられる。C4~12アルキルアミンは、用いられる場合、部分的には、p-ドープされたシリコンの腐食防止剤として機能する。
【0037】
ポリアルキレンイミンは、組成物中に存在する場合、ポリエチレンイミン(PEI)であってよい。任意のPEIを用いることができるが、ホモポリマーのポリエチレンイミンを用いることが好ましい。PEIは分岐状であっても又は鎖状であってもよいが、好ましくは、分岐状である。ポリアルキレンイミンは、用いられる場合、部分的には、p-ドープされたシリコンの腐食防止剤として機能する。
【0038】
使用されるポリアルキレンイミン又はPEIは、有効性のために任意の式量を有することができることが分かっているが、好ましくはポリアルキレンイミン又はPEIはより低い分子量(FW)を有する。特定の実施形態において、ポリアルキレンイミン又はPEIは、100~50,000、400~25,000、800~10,000、又は1000~3000のFWを有してよい。好ましくは、ポリアルキレンイミン又はPEIは、100~2500、好ましくは200~1500及び最も好ましくは400~1200又は700~900の重量平均分子量を有する。分子量800は、特に適している。分子量は、当技術分野において既知の光散乱法によって適切に決定される。ポリエチレンイミンは市販されており、例えばBASFによって供給されるLupasol(登録商標)800である。
【0039】
エッチング組成物は、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される、又はからなる群から選択される、少なくとも1種の化合物を含む。これらの成分の少なくとも1種又はこれらの成分の2つ又はそれ以上の量は、組成物の約0.01~約8、又は約0.05質量%~約6質量%、又は約0.1質量%~約5質量%、又は約0.1質量%~約3質量%、又は約0.2質量%~約3質量%又は0.001~約10質量%、又は0.001~約5質量%、又は約0.001~約3質量%、又は約0.001~約1質量%、又は約0.2%~約1質量%である。本発明のエッチング組成物中において、これらの成分のいずれも、単独で又はともに以下の数字群:0.001、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントで組成物中に存在してよい。
【0040】
あるいは、組成物中に存在するベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、及び非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の量は、以下の数字群:0.001、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントであってよい。例えば、ベンゾキノン、ベンゾキノンの誘導体、キノリン、キノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸化合物、又はこれらの成分の混合物のうち少なくとも1種の量は、組成物の約0.01~約8、又は約0.05質量%~約6質量%、又は約0.1質量%~約5質量%、又は約0.1質量%~約3質量%、又は約0.2質量%~約3質量%、又は0.001~約10質量%、又は0.001~約5質量%、又は約0.001~約3質量%、又は約0.001~約1質量%、又は約0.2質量%~約1質量%であってよい。
【0041】
エッチング組成物がベンゾキノン若しくはベンゾキノンの誘導体、キノリン若しくはキノリンの誘導体又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、これらの加えられた成分の少なくとも1種、又はこれらの成分の2つ又はそれ以上の量は、組成物の約0.01~約8、又は約0.05質量%~約6質量%、又は約0.1質量%~約5質量%、又は約0.1質量%~約3質量%、又は約0.2質量%~約3質量%又は0.001~約10質量%、又は0.001~約5質量%、又は約0.001~約3質量%、約0.001~約1質量%、又は約0.2質量%~約1質量%である。あるいは、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体及びこれらの混合物のうち少なくとも1種の量は、以下の数字群:0.001、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントで組成物中に存在してよい。
【0042】
エッチング組成物がベンゾキノン若しくはベンゾキノンの誘導体、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、これらの加えられた成分の少なくとも1種、又はこれらの成分の2つ又はそれ以上の量は、組成物の約0.01~約8、又は約0.05質量%~約6質量%、又は約0.1質量%~約5質量%、又は約0.1質量%~約3質量%、又は約0.2質量%~約3質量%、又は0.001~約10質量%、又は0.001~約5質量%、又は約0.001~約3質量%、又は約0.001~約1質量%、又は約0.2質量%~約1質量%であってよい。あるいは、ベンゾキノン若しくはベンゾキノンの誘導体、又はこれらの混合物のうち少なくとも1種の量は、以下の数字群:0.001、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントで組成物中に存在してよい。
【0043】
エッチング組成物がC4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、これらの加えられた成分の少なくとも1種、又はこれらの成分の2つ又はそれ以上の量は、組成物の約0.01~約8、又は約0.05質量%~約6質量%、又は約0.1質量%~約5質量%、又は約0.1質量%~約3質量%、又は約0.2質量%~約3質量%、又は0.001~約10質量%、又は0.001~約5質量%、又は約0.001~約3質量%、又は約0.001~約1質量%、又は約0.2質量%~約1質量%である。あるいは、C4-12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、又はこれらの混合物のうち少なくとも1種の量は、以下の数字群:0.001、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.2、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントで組成物中に存在してよい。
【0044】
別の実施形態において、C4~12アルキルアミンは、本発明の組成物のいずれかにおいて他の組成物いずれかとともに用いられる場合、組成物の5質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、好ましくは組成物の0.25質量%未満、及び最も好ましくは組成物の0.2質量%以下を含んでよい。いくつかの実施形態において、メルカプトカルボン酸は、本発明の組成物のいずれかにおいて用いられる場合、組成物の5質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、好ましくは組成物の0.25質量%未満を構成することができる。いくつかの実施形態において、本発明の組成物のいずれかにおいて用いられる場合、ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミン(PEI)を含んでよく、PEIは好ましくは、用いられる場合、組成物の0.001~約5質量%、好ましくは0.001~約1.5質量%、好ましくは組成物の0.001~約0.25質量%及び最も好ましくは組成物の0.001~約0.2質量%を構成する。
【0045】
あるいは、いくつかの実施形態において、組成物は、1つ又は複数のC4~12アルキルアミン、及び/又はポリアルキレンイミン、及び/又はC6~20脂肪酸化合物及び/又はC6~20メルカプトカルボン酸及び/又は任意の組み合わせで上記列挙した各々の例として列挙した個々の化合物のいずれかを実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい。あるいは、他の実施形態において、組成物は、1つ又はそれ以上のベンゾキノン及び/又はベンゾキノンの誘導体、及び/又はキノリン及び/又はキノリンの誘導体及び/又は任意の組み合わせで上記列挙したベンゾキノン及び/又はベンゾキノンの誘導体、及び/又はキノリン及び/又はキノリンの誘導体の例として列挙した個々の化合物のいずれかを実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるエッチング組成物はまた、上記他の成分のいずれかの有無に関わらず、任意の組み合わせで、アルカノールアミン及びポリアミン化合物及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種、又はからなる群から選択される少なくとも1種を含んでよい。いくつかの実施形態に関して、アルカノールアミン及び/又はポリアミン化合物は、任意選択的な成分である。
【0047】
適切なアルカノールアミン化合物としては、本発明の組成物中に存在する場合、1~5個の炭素原子を有する第一級、第二級、及び第三級である低級アルカノールアミンがあげられる。このようなアルカノールアミンの例としては、N‐メチルエタノールアミン(NMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン、2‐(2‐アミノエチルアミノ)エタノール、2‐(2‐アミノエトキシ)エタノール、トリエタノールアミン、N‐エチルエタノールアミン、N,N‐ジメチルエタノールアミン、N,N‐ジエチルエタノールアミン、N‐メチルジエタノールアミン、N‐エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態において、アルカノールアミンは、存在する場合、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン、N‐メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、アミノ(エトキシ)エタノール(AEE)、N‐メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物から選択されてもよく、又はこれらからなる群から選択されてもよい。
【0049】
適切なポリアミン化合物としては、存在する場合、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)トリエチレンジアミン(TEDA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、及びジエチレントリアミン(DETA)があげられる。
【0050】
組成物中のアルカノールアミン又はポリアミン化合物の量は、存在する場合、以下の数字群:0.5、1、2、3、5、7、8、10、12、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65及び70から選択される始点及び終点を有する範囲内の質量パーセントを構成してもよい。本発明の組成物中のアルカノールアミン又はポリアミン化合物のうち少なくとも1種の範囲の例は、組成物の約1質量%~約50質量%、又は組成物の約8質量%~約50質量%、又は組成物の約20質量%~約50質量%を構成してよい。いくつかの実施形態において、アルカノールアミン又はポリアミン化合物のうち少なくとも1種は、組成物の約20質量%~約65質量%、又は約10~約60質量%、又は約15~約55質量%、又は約20~約50質量%、又は約1~約12質量%、又は約5~約40質量%、又は約25~約45質量%、又は約30~約40質量%を構成する。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、アルカノールアミン及び/又はポリアミン又は上記列挙したアルカノールアミン及び/又はポリアミンの個々の例のいずれかを、単独で、又は任意の組み合わせで、実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい。
【0051】
本明細書に開示されるエッチング組成物の特定の実施形態はまた、上記列挙した成分の少なくともいくつかの有無に関わらず、任意の組み合わせで、水―混和性有機溶媒を含んでよい。用いることができる水―混和性有機溶媒の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールn‐ブチルエーテル(diethylene gycol n-butyl ether)(BDG)(例えば販売名Dowanol(登録商標)DBの下で市販されている)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)ヘキシロキシプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフルフリルアルコール、グリセロール、アルコール、スルホラン、リン酸トリエチル、及びこれらの混合物である。好ましい溶媒は、アルコール、ジオール、又はこれらの混合物である。ほとんどの好ましい溶媒は、スルホラン、DMSO、エチレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0052】
水―混和性有機溶媒を含む実施形態に関して、水―混和性有機溶媒の量は、組成物中に存在する場合、質量パーセントの以下のリスト:0.5、1、5、7、10、12、15、20、25、29、30、33、35、40、44、50、55、59.5、65及び70から選択される始点及び終点を有する範囲であってよい。溶媒のこのような範囲の例としては、組成物の約0.5質量%~約70質量%、又は約0.5質量%~約59.5質量%、又は約1質量%~約50質量%、又は約1質量%~約40質量%、又は約0.5質量%~約30質量%、又は約30質量%~約70質量%、又は約1質量%~約30質量%、又は約5質量%~約30質量%、又は約5質量%~約20質量%、又は約7質量%~約20質量%、又は約10質量%~約30質量%、又は約15質量%~約25質量%があげられる。別の実施形態において、本発明の組成物は、水―混和性有機溶媒又は上記列挙した溶媒の種類、又は上記列挙した個々の溶媒のいずれかを実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい。
【0053】
本明細書に開示されるエッチング組成物は任意選択的に、上記他の成分の少なくともいくつかの有無に関わらず、任意の組み合わせで、1つ又は複数のフッ化物イオン源を含む。フッ化物イオンは主に、p-ドープされたシリコンの補助的な腐食防止剤として機能する。本発明によるフッ化物イオン源を提供する典型的な化合物は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、例えば、フルオロホウ酸塩、フルオロホウ酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、ヘキサフルオロアルミン酸等の、フッ化第4級アンモニウム、及び式
R1NR2R3R4F
を有する第1級、第2級、又は第3級脂肪族アミンのフッ化物塩であり、式中、R1、R2、R3及びR4は、個々にH又は(C1~C4)アルキル基を表す。典型的には、R1、R2、R3及びR4基中の炭素原子の総数は、12個以下の炭素数である。第1級、第2級、又は第3級脂肪族アミンのフッ化物塩の例は、例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、メチルトリエチルアンモニウムフルオリド、及びテトラブチルアンモニウムフルオリドなどである。
【0054】
エッチング組成物中においてフッ化物イオン源として使用される化合物の量は、ほとんどの用途に関し、約0.01~約8質量%又は約0.01~約7質量%の40%アンモニウムフルオリド溶液又はこれらの化学量論的等価物を構成する。好ましくは、化合物は、約0.02~約8質量%、より好ましくは約0.02~約6質量%、さらに好ましくは、約1~約8質量%、及び最も好ましくは、約0.025質量%~約5質量%の約40%アンモニウムフルオリド溶液を含む。いくつかの実施形態において、化合物は、約0.01~約8質量%又は約0.01~約7質量%のフッ化物イオン源を含み、これを40%アンモニウムフルオリド溶液によって提供してもよい。好ましくは、化合物は、約0.02~約6質量%のフッ化物イオン源、及び最も好ましくは、約0.025質量%~約5質量%又は約0.04~約2.5質量%のフッ化物イオン源又は約0.05~約15質量%の40%アンモニウムフルオリド溶液、最も好ましくは、約0.0625質量%~約12.5質量%又は約0.1~約6.25質量%の40%アンモニウムフルオリド溶液を含む。
【0055】
あるいは、いくつかの実施形態において、組成物は、1つ又は複数のフッ化物イオン源(フッ化物イオン含有化合物)のいずれか又は全て及び/又は上記列挙したフッ化物イオン源(フッ化物イオン含有化合物)の個々の例のいずれかを、任意の組み合わせで、実質的に含まない、又は含まない。
【0056】
本明細書に開示されるエッチング組成物は任意選択的に、上記の他の成分の有無に関わらず、任意の組み合わせで、少なくとも1種の界面活性剤を含んでよい。界面活性剤は、用いられる場合、部分的には、エッチングからシリコン―ゲルマニウムを保護するよう機能する。本明細書に記載される組成物中における使用のための界面活性剤としては、ビス(2‐エチルヘキシル)リン酸塩、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロデカン酸(prefluorodecanoic acid)、トリフルオロメタンスルホン酸、ホスホノ酢酸、ジオクタデシルリン酸水素、オクタデシル二水素リン酸塩、ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド、12‐ヒドロキシステアリン酸、及びドデシルリン酸塩を含むが、限定されない、両性塩、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、限定されない。
【0057】
企図される非イオン界面活性剤としては、以下に制限されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Emalmin NL-100(Sanyo)、Brij 30、Brij 98、Brij 35)、ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド(DSDA、Sanyo)、エチレンジアミンテトラキス(エトキシレート-ブロック-プロポキシレート)テトロール(Tetronic 90R4)、ポリエチレングリコール(例えばPEG 400)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドに基づくブロックコポリマー(Newpole PE-68(Sanyo)、Pluronic L31、Pluronic 31R1、Pluronic L61、Pluronic F-127)、ポリオキシプロピレンスクロースエーテル(SN008S、Sanyo)、t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITON X100)、10‐エトキシ‐9,9-ジメチルデカン-1-アミン(TRITON(登録商標)CF-32)、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル、分岐(IGEPAL CO-250)、ポリオキシエチレン(40)ノニルフェニルエーテル、分岐(IGEPAL CO-890)、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレアート(Tween 80)、ソルビタンモノオレアート(Span 80)、Tween 80及びSpan 80の組み合わせ、アルコールアルコキシレート(例えばPlurafac RA‐20)、アルキルポリグルコシド、エチルパーフルオロブチレート、1,1,3,3,5,5‐ヘキサメチル-1,5-ビス[2-(5-ノルボルネン‐2‐イル)エチル]トリシロキサン、SIS6952.0(Siliclad、Gelest)等のモノメリックオクタデシルシラン誘導体、PP1‐SG10 Siliclad Glide 10(Gelest)等のシロキサン変性ポリシラザン、Silwet L‐77(Setre Chemical Company)、Silwet ECO Spreader(Momentive)等のシリコーンポリエーテルコポリマー、及びエトキシル化フルオロ界面活性剤(ZONYL(登録商標)FSO-100、ZONYL(登録商標)FSN-100)があげられる。
【0058】
企図されるカチオン界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ヘプタデカンフルオロオクタンスルホン酸、テトラエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(Econol TMS-28、Sanyo)、4-(4-ジエチルアミノフェニルアゾ)-1-(4-ニトロベンジル)ピリジウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド一水和物、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリドベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp‐トルエンスルホネート、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、テトラへプチルアンモニウムブロミド、テトラキス(デシル)アンモニウムブロミド、Aliquat(登録商標)336及びオキシフェノニウムブロミド、グアニジン塩酸塩(C(NH2)3Cl)又はトリフレート塩、たとえばテトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルスルホネート、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジヘキサデシルアンモニウムブロミド及びジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Arquad 2HT-75、Akzo Nobel)があげられるが、限定されない。
【0059】
企図されるアニオン界面活性剤としては、アンモニウムポリアクリレート(例えばDARVAN 821A)、水中の変性ポリアクリル酸(例えばSOKALAN CP10S)、ホスフェートポリエーテルエステル(例えばTRITON H-55)、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸(DDPA)、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリ(アクリル酸ナトリウム塩)、ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、ナトリウムジヘキシルスルホスクシネート、ジシクロヘキシルスルホスクシネートナトリウム塩、ナトリウム7‐エチル-2-メチル-4-ウンデシルサルフェート(Tergitol 4)、SODOSIL RM02、及びホスフェートフルオロ界面活性剤、たとえばZonyl FSJ及びZONYL(登録商標)URがあげられるが、限定されない。
【0060】
両性イオン界面活性剤としては、アセチレンジオール又は変性アセチレンジオール(例えばSURFONYL(登録商標)504)、コカミドプロピルベタイン、エチレンオキシドアルキルアミン(AOA-8、Sanyo)、N,N‐ジメチルドデシルアミンN‐オキシド、ナトリウムコカミンプロピネート(LebonApl-D、Sanyo)、3-(N,N-ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネート、及び(3-(4-ヘプチル)フェニル-3-ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニオプロパンスルホネートがあげられるが、限定されない。好ましくは、少なくとも1種の界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルホスホン酸、ドデシルホスフェート、TRITON X‐100、SOKALAN CP10S、PEG400、及びPLURONIC F‐127を含む。
【0061】
存在する場合、界面活性剤の量は、組成物の総質量に基づいて、約0.001wt.%~約1wt.%、好ましくは約0.1wt.%~約1wt.%の範囲であってよい。あるいは、存在する場合、いくつかの用途に関して、1つ又は複数の界面活性剤は、組成物の約0.1wt.%~約15wt.%、又は組成物の約0.1wt.%~約10wt.%、又は約0.5wt.%~約5wt.%、又は約0.1wt.%~約1wt.%、又は約0.5wt.%~約5wt.%を構成すると考えられる。別の実施形態において、組成物の総質量に基づく組成物中の界面活性剤の質量パーセントは、以下から選択される始点及び終点を有する任意の範囲内であってよい:0.1、0.5、1,5、10及び15。
【0062】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、いずれか又は全ての界面活性剤及び/又は任意の組み合わせで上記列挙した種類の界面活性剤のいずれか(例えば両性イオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤)及び/又は任意の組み合わせで上記列挙した個々の界面活性剤のいずれかを含まない又は実質的に含まない。後者の例としては、本発明の組成物は、CTAB、及び/又はSurfynol(登録商標)485、及び/又はSAS10を含まなくてよい又は実質的に含まなくてよい。
【0063】
本明細書に開示されるエッチング組成物は、以下の添加剤の1つ又は複数をさらに含むことができる:キレート剤、化学改質剤、染料、バイオサイド、及び他の添加剤。添加剤(複数含む)を、それらが組成物の性能に悪影響を及ぼさない程度に加えてもよい。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ブチレンジアミン四酢酸、(1,2-シクロヘキシレンジアミン)四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、N,N,N’,N’‐エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン‐N,N,N’,N’-四酢酸(DHPTA)、メチルイミノ二酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトロ三酢酸(NTA)、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、糖酸、グリセリン酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、マンデル酸、マロン酸、乳酸、サリチル酸、没食子酸プロピル、ピロガロール、及びシステインがあげられる。好ましいキレート剤は、EDTA、CyDTA等のアミノカルボン酸、及びEDTMP等のアミノホスホン酸である。
【0064】
幾つかの実施態様において、本発明の組成物は、任意の組み合わせで上記列挙したキレート剤のいずれか又は全てを含まないか、実質的に含まない。例えば、組成物は、アミノカルボン酸及び/又はアミノホスホン酸及び/又はシュウ酸及び/又はシステイン及び/又はEDTAを含まなくてよい。
【0065】
染料、バイオサイド等の他の一般に知られている成分は、従来の量、例えば合計で組成物の約5質量%までの量でエッチング組成物中に含まれることができる。
【0066】
あるいは、本発明の組成物は、染料及び/又はバイオサイド及び/又は添加剤を実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい。さらに、いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、任意の組み合わせで1つ又は複数の以下のものを実質的に含まなくてよく、又は含まなくてよい:ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン誘導体、研磨剤、無機酸、無機塩基、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体以外の酸化剤、過酸化物、過硫酸塩、キノリンを除く窒素含有芳香族複素環式化合物、フッ素含有化合物、塩素含有化合物、リン含有化合物、金属含有化合物、水酸化アンモニウム、アミノ酸、アルキルアミン、アニリン又はアニリン誘導体、トリアゾール、1,2,4トリアゾール、ベンゾトリアゾール、及び金属塩。いくつかの実施形態において、例えば、本発明の組成物は、ヒドロキシルアミン及びグリコールエーテルを含まない、又は実質的に含まない。
【0067】
本明細書に開示されるエッチング溶液組成物は、典型的には、全ての固体が水系媒体に溶解するまで、室温で容器内で成分をともに混合することにより調製される。
【0068】
別の態様においては、シリコン及びp-ドープされたシリコン並びに/又はシリコン及びSiGeを含む複合半導体デバイスにおいてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる(又はシリコン―ゲルマニウムに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる)方法であって、この複合半導体デバイスを水、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸、C4~12アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに任意選択的にフッ化物イオン源を含む、から本質的になる、又はからなる組成物中でエッチングすることにより、エッチング速度を選択的に増加させる方法を提供する。別の態様において、シリコン及びp-ドープされたシリコンを含む(又はシリコン及びSiGeを含む)複合半導体デバイスにおいてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる(又はシリコン―ゲルマニウムに対するシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる)方法であって、この複合半導体デバイスを水、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、アルカノールアミン及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、C4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及びメルカプトカルボン酸(又はC6~20脂肪酸化合物)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体並びに任意選択的に、界面活性剤を含む、から本質的になる、又はからなる組成物中でエッチングすることにより、エッチング速度を選択的に増加させる方法を提供する。シリコン及びp-ドープされたシリコン(又はシリコン及びSiGe)を含む複合半導体デバイス上のp-ドープされたシリコンに対するシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる(又はSiGeに対するシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる)方法であって、この方法は、シリコン及びp-ドープされたシリコン(又はシリコン及びSiGe)を含むこの複合半導体デバイスを水、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC6~20脂肪酸、C4~12アルキルアミン及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、並びに任意選択的に、フッ化物イオン源を含む、から本質的になる、又はからなる水性組成物と接触させるステップを含む、方法。別の実施形態において、この方法は、シリコン及びp-ドープされたシリコン(並びに/又はシリコン及びSiGe)を含む複合半導体デバイス上のp-ドープされたシリコンに対するシリコン(又はSiGeに対するシリコン)のエッチング速度を選択的に増加させるステップを含み、この方法は、シリコン及びp-ドープされたシリコン並びに/又はシリコン及びSiGeを含むこの複合半導体デバイスを水、少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、NH4OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、アルカノールアミン及びポリアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、C4~12アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及びメルカプトカルボン酸(又はC6~20脂肪酸化合物)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体、並びに任意選択的に、界面活性剤を含む、から本質的になる、又はからなる水性組成物と接触させるステップ、並びにこのシリコンを少なくとも部分的に除去した後、この複合半導体デバイスを洗浄するステップを含む。本発明の組成物及び方法によって提供されるp-ドープされたシリコンに対するシリコンのエッチングの選択性は、10超、又は20超、又は50超、又は100超である。そして、本発明の組成物及び方法によって提供されるシリコン―ゲルマニウムに対するシリコンのエッチングの選択性は、10超、又は15超、又は20超である。追加の乾燥工程も本方法に含めてよい。「少なくとも部分的に除去される」とは、この材料の少なくとも50%の除去、好ましくは少なくとも70%の除去を意味する。最も好ましくは、本開発の組成物を用いた少なくとも80%の除去である。
【0069】
接触させる工程は、例えば、浸漬、スプレー、又はシングルウェハプロセス経由などの任意の適切な手段により行なうことができる。接触させる工程の間の組成物の温度は、好ましくは約25~100℃、より好ましくは約40~75℃である。
【0070】
シリコン及びp-ドープされたシリコン並びに/又はシリコン及びSiGeを含む基材上で用いられる場合、例えば、デバイス全体に積層ゲートを製造する間に用いられる場合、本明細書に開示されるエッチング組成物は、驚くべきことに、p-ドープされたシリコンに対するシリコン及び/又はSiGeに対するシリコンの優れたエッチ選択性を示す。「選択性」という用語は、典型的には2種の材料のエッチング速度の比を指すために用いられる。本発明による組成物は好ましくは、20以上、又は40以上、又は60超、又は100超、又は約20~約500、又は約40~約500、又は約100~約500のp-ドープされたシリコンに対するシリコンの湿式エッチ選択性を示す。他の実施形態において、本発明の組成物により観察されたp-ドープされたシリコンに対するシリコンのエッチ選択性は、約100~約300である。そしてシリコンゲルマニウムに対するシリコンの選択性は、10超、又は15超、又は20超、又は約10~約200である。
【0071】
接触させるステップの後、任意選択の洗浄ステップがある。洗浄ステップは、任意の適切な手段、例えば浸漬又はスプレー法により脱イオン水で基材を洗浄することにより実施することができる。好ましい実施態様において、洗浄ステップは、脱イオン水及び有機溶媒(例えば、イソプロピルアルコール等)の混合物を用いて実施することができる。
【0072】
接触させるステップ及び任意選択の洗浄ステップの後、任意の適切な手段、例えばイソプロピルアルコール(IPA)蒸気乾燥、熱、又は向心力により実施される任意選択の乾燥工程がある。
【0073】
特徴及び利点は、以下で説明される例示の例により完全に示される。
【実施例】
【0074】
エッチング組成物を調製するための基本手順
本実施例の対象である全ての組成物を、1”テフロンコーティング撹拌子を用いて250mLビーカー中で成分を混合することで調製した。典型的に、ビーカーに加えた第1の材料は脱イオン(DI)水であり、次いで特に順序はなく他の成分を加えた。
【0075】
処理条件
エッチング試験を、400rpmに設定された、1/2”円形テフロン撹拌子を備えた250mlビーカー中の100gのエッチング組成物を用いて実施した。エッチング組成物を、ホットプレート上で約50~60℃の温度に加熱した。試験片は撹拌しつつ、約10分間組成物に浸漬した。
【0076】
次いで、断片をDI水浴又はスプレーにおいて3分間洗浄して、その後、ろ過窒素を用いて乾燥させた。ポリシリコン及びp-ドープされたシリコンのエッチング速度並びにポリシリコン及びシリコンゲルマニウムのエッチング速度は、エッチング前後の厚さの変化から推定され、分光エリプソメトリー(SCI FilmTek SE2000)によって測定された。典型的な初期層厚さは、ブランクウエハ上のSi、p-ドープされたシリコン及びSiGe膜の各々について200~1000Åだった。
【0077】
本明細書に開示されるポリシリコンエッチング溶液の温度、すなわち、ダミーゲートのエッチングで用いられる温度は、典型的には約20~約80℃、好ましくは約20~約70℃、より好ましくは約20℃~約60℃である。使用時のエッチング溶液の温度は、エッチング条件、又は用いられる基材の材料によって適切に決定することができる。
【0078】
本明細書に開示されるシリコンエッチング溶液によるエッチング処理の際の処理時間、すなわち、ダミーゲートのエッチングに必要な時間は、通常約0.1~約10分間、好ましくは0.2~8分間、より好ましくは0.3~5分間の範囲であり、エッチング条件、又は用いられる基材の材料によって適切に決定することができる。他の実施態様において、ダミーゲートのエッチングに必要な時間は、通常約0.1~約30分間、好ましくは0.2~20分間、より好ましくは0.3~10分間の範囲である。
【0079】
以下で評価される配合物は、上に記載した各種成分を加えることにより、酸化物エッチング速度を抑制することができることを実証する。
【0080】
実施例1:各種官能基の評価
種々の官能基を有する分子を、表1に列挙するとおり、p-ドープされたシリコンの保護について評価した。結果からSiP(p-ドープされたシリコン)エッチング速度が>500Aであることが示される場合、このことは、30秒の浸漬後、層が完全に除去されたことを意味する。
【表1】
【0081】
表1から、長鎖アルキルアミン又はチオール分子を含む化合物がアルカリ性の配合物中のSiPエッチング速度を抑制することができることを理解できる。非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤は、SiPを保護しなかったが、ポリSiのエッチング速度をやはり減少させた。コントロールは、配合物229Oだった。
【0082】
実施例2:酸化剤及びベンゾキノンの評価
この手法は、酸化剤を用いてSiPを選択的に酸化することである。生じる薄い酸化物層は、水酸化物イオンの攻撃からの保護層の役割を果たす。組成物及び結果を表2に示す。
【表2】
【0083】
表2から、ポリSi膜及びSiP膜の両方がH2O2又は過硫酸アンモニウムによって酸化され、2枚の膜のエッチング速度が減少したことを理解できる。ベンゾキノンはH2O2及びAPSと比較すると、SiP及びポリSiに対して良好な選択性を示した。2-メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン及び2-t-ブチル-pベンゾキノンなどのp-ベンゾキノン誘導体についても、同様の性能を観測した。
【0084】
実施例3:補助的な腐食防止剤の評価
組成物及び結果を表3に示す。
【表3】
【0085】
表3から、DIW含有量が増加するにつれ、水酸化物イオンの生成量の増加によりポリSiエッチング速度が上がることを理解できる。このことは、いくつかの実施形態に関して、総水分含有量は70wt.%を超えるべきではなく、好ましくは70wt.%未満であるべきであることを示している。フッ化物イオンは、良好な補助的な腐食防止剤であることが分かった。
【0086】
実施例4:補助的なSiGe腐食防止剤
SiGeは、pMOSトランジスタのソース/ドレイン材料としての性能に見込みがある。我々の研究から、8-ヒドロキシキノリン又は2-メチル-8-ヒドロキシキノリンのようなキノリンは、表4に示すとおり、良好なSiGe保護を提供する。
【表4】
【0087】
ここで、8-ヒドロキシキノリン及び2-メチル-8ヒドロキシキノリンは、SiGe適合性を改善し、許容できるSiPエッチング速度及びポリSiエッチング速度を維持したことを理解できる。
【0088】
実施例5:溶媒の評価
ポリSiエッチング速度は通常、DIWレベル、処理温度、pH、及び第4級アミン(TMAH、TEAH、又はTBAH)の選択の調整などの、種々の方法で制御できる。ここでは、水―混和性有機溶媒もまた、ポリSiエッチング速度の調整に役割を果たし、水―混和性有機溶媒はポリSiの誘電率と強い関連があることが観察された。表5に示すように、誘電率が増加するにつれて、ポリSiエッチング速度も増加する。
【表5】
【0089】
実施例6:アミンの評価
ここでは、アルカノールアミン(MEA、AEE、MIPAなど)及びDETAなどのポリアミンを含む、アミンの効果を評価した。SiPエッチング速度及びSiGeエッチング速度は、種々のアミンを用いても大きな差を示さなかったが、ポリSiエッチング速度には多少の変化が観察された。組成物及び結果を表6に示す。
【表6】
【0090】
実施例7:水酸化第4級アンモニウムの評価
ポリシリコンをエッチングするための水酸化物源としての水酸化第4級アンモニウムを評価した。組成物及び結果を表7に示す。
【表7】
【0091】
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)に加えて、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(Triton B)などの誘導体も、ポリシリコン及びSiPに良好な選択性を示す。
【表8】
【表9】
【表10】
【0092】
前述の説明は、例示の目的を主に意図している。本発明は、本発明の好ましい実施形態に関して示され説明されてきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、形態及びその詳細部において前述及び様々な他の変更、省略、及び追加をなすことができることは、当業者に理解されるべきである。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、前記エッチング溶液は、
水、
NH
4
OH又は水酸化第4級アンモニウム、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種、
ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20
脂肪酸、C
4~12
アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、
任意選択的に少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、並びに
任意選択的に、アルカノールアミン及びポリアミン、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物、
を含む、エッチング溶液。
(2)約0.05~約15wt.%の、NH
4
OH(ニート)又は水酸化第4級アンモニウム(ニート)のうち前記少なくとも1種、
約0.01~約8wt.%の、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、キノリン又はキノリンの誘導体、非置換又は置換のC
6~20
脂肪酸、C
4~12
アルキルアミン、及びポリアルキレンイミン、並びにこれらの混合物から選択される前記少なくとも1種の化合物、
を含む、(1)に記載のエッチング溶液。
(3)前記エッチング溶液は、ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体から選択される前記少なくとも1種の化合物を含む、(1)又は(2)に記載のエッチング溶液。
(4)前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種の非置換又は置換のC
6~20
脂肪酸を含む、(1)~(3)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(5)前記エッチング溶液はさらに、前記少なくとも1種の水―混和性有機溶媒を含む、(1)~(4)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(6)前記エッチング溶液はさらに、少なくとも1種のポリアミンを含む、(1)~(5)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(7)前記エッチング溶液はさらに、少なくとも1種のアルカノールアミンを含む、(1)~(6)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(8)前記エッチング溶液は、キノリン又はキノリンの誘導体から選択される前記少なくとも1種の化合物を含む、(1)~(7)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(9)前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種のポリアルキレンイミンを含む、(1)~(8)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(10)前記エッチング溶液は、前記少なくとも1種のC
4~12
アルキルアミンを含む、(1)~(9)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(11)マイクロ電子デバイスからp-ドープされたシリコンに対してポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対してポリシリコンを選択的に除去するのに適したエッチング溶液であって、前記エッチング溶液は、
水、
少なくとも1種の水―混和性有機溶媒、
NH
4
OH又は水酸化第4級アンモニウムのうち少なくとも1種、
アルカノールアミン及びポリアミン又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
少なくとも1種のベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体、
任意選択的に、C
4~12
アルキルアミン、ポリアルキレンイミン、及び非置換又は置換のC
6~20
脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、
任意選択的に、少なくとも1種のフッ化物イオン源、
任意選択的に、キノリン又はキノリンの誘導体、及び
任意選択的に、界面活性剤
を含む、エッチング溶液。
(12)前記エッチング溶液は、約70~約99.9wt.%の前記水を含む、(1)~(11)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(13)前記エッチング溶液は、約30~約70wt.%の水を含む、(1)~(11)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(14)前記水―混和性有機溶媒は、スルホラン、DMSO、エチレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールからなる群から選択される、(1)~(13)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(15)前記水―混和性有機溶媒は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、(1)~(14)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(16)前記水酸化第4級アンモニウム化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAH)、水酸化2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される、(1)~(15)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(17)前記アルカノールアミン化合物は、N-メチルエタノールアミン(NMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ―イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール(AEE)、トリエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、ジイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物から選択される、(1)~(16)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(18)前記ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンである、(1)~(17)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(19)前記置換又は非置換のC
6~20
脂肪酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸(dedecanoic acid)、6-メルカプトヘキサン酸、7-メルカプトヘプタン酸、8-メルカプトオクタン酸、9-メルカプトノナン酸、10-メルカプトデカン酸、11-メルカプトウンデカン酸、12-メルカプトドデカン酸、及び16-メルカプトヘキサデカン酸から選択される、(1)~(18)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(20)前記非置換又は置換のC
6~20
脂肪酸は、メルカプトカルボン酸である、(1)~(19)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(21)前記ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体は、1,4-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2-フェニル-1,4-ベンゾキノン、2-メトキシ-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメチル-1,4-ベンゾキノン、トリメチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、テトラメチル-1,4-ベンゾキノン、テトラフルオロ-1,4-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-1,4-ベンゾキノン、テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン、2-クロロ-1,4-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-アントラキノン、1,8-ジクロロ-9,10-アントラキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、3,5-ジ-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、4-tert-ブチル-1,2-ベンゾキノン、フェナントレンキノン、1,2-ナフトキノン、1,10-フェナントロリン-5,6-ジオン、及びテトラクロロ-1,2-ベンゾキノンから選択される、(1)~(20)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(22)前記ベンゾキノン又はベンゾキノンの誘導体は、溶液中に存在し、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、2-メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシル-p-ベンゾキノン、及び2-t-ブチル-pベンゾキノンから選択される、(1)~(21)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(23)前記ポリアミンは、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリエチレンジアミン(TEDA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、及びジエチレントリアミン(DETA)から選択される、(1)~(22)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(24)前記キノリン又はキノリンの誘導体は、キノリン、8-ヒドロキシキノリン、2-メチル-8-ヒドロキシキノリン、及びアミノキノリンから選択される、(1)~(23)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(25)前記C
4~12
アルキルアミンは、ヘキシルアミン、ヘキシルアミンの界面活性剤塩、オクチルアミン、オクチルアミンの界面活性剤塩、デシルアミン、デシルアミンの界面活性剤塩、及びドデシルアミン、及びドデシルアミンの界面活性剤塩から選択される、(1)~(24)のいずれか1項に記載のエッチング溶液。
(26)水、
メチル-p-ベンゾキノン、
プロピレングリコール、
ジエチレントリアミン、及び
水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムから選択される少なくとも1種の水酸化第4級アンモニウムを含む、
(11)に記載のエッチング溶液。
(27)C
6~20
脂肪酸をさらに含む、(26)に記載のエッチング溶液。
(28)ポリシリコン及びp-ドープされたシリコンを含む並びに/或いはポリシリコン及びゲルマニウム合金を含む複合半導体デバイスにおいてp-ドープされたシリコンに対するポリシリコン及び/又はシリコンゲルマニウム合金に対するポリシリコンのエッチング速度を選択的に増加させる方法であって、前記方法は、
ポリシリコン及びp-ドープされたシリコン並びに/或いはポリシリコン及びシリコンゲルマニウム合金を含む前記複合半導体デバイスを(1)~(27)のいずれか1項に記載の水性組成物と接触させるステップ、及び
前記ポリシリコンを少なくとも部分的に除去した後、前記複合半導体デバイスを洗浄するステップを含む、
方法。
(29)p-ドープされたシリコンに対するポリシリコンの選択性は、10超である、(28)に記載の方法。
(30)p-ドープされたシリコンに対するポリシリコンの選択性は、50超である、(29)に記載の方法。
(31)p-ドープされたシリコンに対するポリシリコンのエッチングの選択性は、100超である、(29)に記載の方法。
(32)シリコンゲルマニウム合金に対するポリシリコンのエッチングの選択性は、約10超である、(28)に記載の方法。
(33)シリコンゲルマニウム合金に対するポリシリコンのエッチングの選択性は、約15超である、(28)に記載の方法。
(34)シリコンゲルマニウム合金に対するポリシリコンのエッチングの選択性は、約20超である、(28)に記載の方法。