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特許7527665トルコギキョウ植物を判別する方法、作出する方法、及びトルコギキョウ植物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】トルコギキョウ植物を判別する方法、作出する方法、及びトルコギキョウ植物
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20240729BHJP
   A01H 1/02 20060101ALI20240729BHJP
   A01H 6/40 20180101ALI20240729BHJP
   C12N 15/29 20060101ALI20240729BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20240729BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240729BHJP
   C12Q 1/6895 20180101ALI20240729BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
A01H1/02 Z
A01H6/40
C12N15/29
C12Q1/6813 Z ZNA
C12Q1/686 Z
C12Q1/6895 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022012657
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2022138114
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2021037627
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100211199
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】川勝 恭子
(72)【発明者】
【氏名】小野崎 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 衛
(72)【発明者】
【氏名】川勝 泰二
(72)【発明者】
【氏名】福田 直子
(72)【発明者】
【氏名】川部 眞登
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】KAWABATA, Saneyuki et al.,Scientia Horticulturae,2012年,Vol. 144,p.230-235,DOI:10.1016/j.scienta.2011.12.024
【文献】Database GenBank [online], ID: JT578729.1, 2012.02.26 uploaded, [検索日 2024.01.17], TSA: Eustoma exaltatum subsp. russelianum E_gra_c22024 mRNA sequence,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/JT578729.1
【文献】ONOZAKI et al.,The Horticulture Journal,2020年,Vol. 89, No. 4,p.473-480,DOI: 10.2503/hortj.UTD-151
【文献】農研機構 野菜花き研究部門 編,水耕装置を用いたトルコギキョウ立枯病(Fusarium Solani)抵抗性簡易検定法マニュアル,生物系特定産業技術研究支援センター イノベーション創出強化研究推進事業(基礎研究ステージ)「トルコギキョウ立枯病害因子の探索と比較ゲノム解析を利用した抵抗性遺伝子の同定(課題番号30004A)」成果資料,2021年01月
【文献】小野崎 隆 ほか,トルコギキョウの立枯病抵抗性育種に関する研究(第2報)抵抗性の品種・系統間差異および抵抗性の遺伝性,園芸学研究 別冊,2018年,Vol. 17, No. 1,p. 214,ISSN: 1881-8307
【文献】藤原 博文 ほか,トルコギキョウの野生種の特性と新品種の育成,大分県農林水産センター研究報告 農業編,2008年,No. 2,p. 65-84,ISSN: 1881-9206
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
A01H 1/00-17/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示す可能性が高いトルコギキョウ植物を判別する方法であって、被検トルコギキョウ植物が、相同染色体上の少なくとも1箇所において、
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、及び
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、前記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示す可能性が高いトルコギキョウ植物であると判別することを含み、
前記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
前記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
前記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
前記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
前記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
前記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、
前記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
前記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
前記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位塩基が挿入されていることであり、
前記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
前記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
前記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
前記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
前記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
前記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
前記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
前記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
前記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
前記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、方法。
【請求項2】
被検トルコギキョウ植物が、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム属菌による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
被検トルコギキョウ植物が、前記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、前記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示す可能性が高いトルコギキョウ植物であると判別する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項の方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するための組成物又はプライマーセットであって、前記組成物は、請求項1~4のいずれか一項の方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのプローブを含む、組成物又はプライマーセット
【請求項6】
前記組成物が、前記プローブを用いたハイブリダイゼーションによりユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するための組成物、又は前記プローブを用いてSNPの塩基タイプを確認するための組成物であり、
前記プライマーセットが、前記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、SNPの有無をDNA増幅法による増幅の有無により確認するためのプライマーセット、又はDNA増幅法による増幅産物を特定の制限酵素により処理した際の切断の有無によりSNPの有無を確認するためのプライマーセットである、請求項5に記載の組成物又はプライマーセット。
【請求項7】
配列番号1における56~157位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号2における174~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号3における139~154位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける260位~569位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間における、配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位における配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位における配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位における配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位における配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
ユーストマ・グランディフロラムのゲノムにおいて50~1200bpのDNA断片を増幅する、請求項5又は6に記載のプライマーセット。
【請求項8】
配列番号13と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号14と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセット、
配列番号15と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号16と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセット、
配列番号17と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号18と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセットからなる群から選択される、請求項5~7のいずれか一項に記載のプライマーセット。
【請求項9】
フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム属菌による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物において、相同染色体上の少なくとも1箇所において、
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である、及び
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、前記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含み、
前記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
前記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
前記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
前記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
前記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
前記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、
前記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
前記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
前記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位塩基が挿入されていることであり、
前記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
前記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
前記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
前記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
前記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
前記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
前記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
前記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
前記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
前記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、
フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する方法。
【請求項10】
前記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記交配後代トルコギキョウ植物が、前記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、前記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項の方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかのゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するための組成物又はプライマーセットであって、前記組成物は、請求項9~11のいずれか一項の方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのプローブを含む、組成物又はプライマーセット
【請求項13】
前記組成物が、前記プローブを用いたハイブリダイゼーションによりユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するように設計された組成物、又は前記プローブを用いてSNPの塩基タイプを確認するための組成物であり、
前記プライマーセットが、前記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、SNPの有無をDNA増幅法による増幅の有無により確認するためのプライマーセット、又はDNA増幅法による増幅産物を特定の制限酵素により処理した際の切断の有無によりSNPの有無を確認するためのプライマーセットである、請求項12に記載の組成物又はプライマーセット。
【請求項14】
配列番号1における56~157位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号2における174~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号3における139~154位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける260位~569位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間における、配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位における配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位における配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位における配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位における配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
ユーストマ・グランディフロラムのゲノムにおいて50~1200bpのDNA断片を増幅する、請求項12又は13に記載のプライマーセット。
【請求項15】
配列番号13と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号14と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセット、 配列番号15と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号16と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセット、
配列番号17と90%以上の配列同一性を有するプライマー、及び配列番号18と90%以上の配列同一性を有するプライマーを含むプライマーセットからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか一項に記載のプライマーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルコギキョウ植物を判別する方法、作出する方法、及びトルコギキョウ植物に関する。
【背景技術】
【0002】
トルコギキョウは国内産出額第4位の花き品目であるが、近年はフザリウム属菌による立枯病が頻発している。現在流通するトルコギキョウ品種のほとんどがフザリウム・ソラニー罹病性であると考えられるが、国内の生産現場では薬剤等による土壌消毒を毎年のように行うものの、その効果は完全ではなく、フザリウム属菌を圃場から根絶するには至っていない。薬剤の使用は、圃場回転率の低下や生産者への費用的身体的負担等の問題も多く、化学防除に代わる立枯病病原菌の封じ込め対策方法が強く求められており、立枯病抵抗性のトルコギキョウ品種育成が強く望まれている。
【0003】
しかしながら、これまでトルコギキョウの育種は、花型や草姿などの外観や早晩性に着目して進められており、トルコギキョウの立枯病発生については報告があるものの(例えば、非特許文献1)、病害抵抗性育種は行われていない。病害抵抗性系統を育種するためには、全世代の全個体に対して病原菌を接種する必要があることが大きな理由である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】S Wolcan et al.“First Report of Fusarium solani Causing Stunt on Lisianthus”,Plant Disease 85: 443(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、病原菌を接種する必要のない、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー(Fusarium solani))によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法を提供することを目的とする。また、同様に、本発明は、病原菌を接種する必要のない、トルコギキョウ植物を選抜し、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示す交配後代トルコギキョウ植物を作出する方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、特定のDNAの特徴を有する、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示す交配後代トルコギキョウ植物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物ユーストマ・グランディフロラム(Eustoma grandiflorum)とフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)の特定のゲノムDNAにおける違いに基づき、効率的に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別及び選抜できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
したがって、本発明は、例えば、以下の発明を提供する。
〔1〕
フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法であって、被検トルコギキョウ植物が、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含む、方法。
(1)AGTTTGCTTCCAGTGAGACCTCCAGCTCTATATATACCTGCATAAATGACGTAATAATAGAAATATGATGTGATAGTGTGTTAGTGAGGAAATTCAGTAAATACAAATAGGAAGTTTCTAATAAACTGCTAAGATCATTCCAGCTGTTTTTTCATCCAATATAGCAAGCGAACTTTCTTGTCTAAACCACAATCACATTGCCTTTGCT(配列番号1)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)CAGAAGATGACGAGGCATACCATCAATCAAAAAATATATGTCAAAAAGTAATACAGACAATTGAATAGGCATAAAAAAACAAGGGGAAAAAATAAGCAAGCATCATATCGTTCATTTTATTCCAACCATAGTTATCGAACACAGCTTAGTAGTTTAGTGGTTCAACTGGTAGGCCATTGAGCCAAACTTTAAGTTTTATATATTACTAAAATAATATAGGGCGGACCTTCGAGCAACTGGTAAAGGTGATGCTTTGTAACCTTGAGGTCACGGGTTCGTCCCGCGGAAATAGCCTCGAGTTCGAGCCACAGAAATAATCTCTTGTACAAAGTGTAAGATAAGGCTGCGTACATCAGATTGCGAAACGATCTGGCC(配列番号2)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)GTCACGAGTTCAAGCTGCGAAAACAACCTCTTGTAAAAAAAAGTGTAGGTTATGAATGTACGGGATGTAAAAACAGAATCTTGTAAAAAAAGTGTAGATATGACTGCACATATCAGATCGCAAAGCGATTCCGTTTCTCTCCGGACCTTGCTTGCACAAACGTAGGAAGTTACTACGGGAGCGTCCTTTGTAT(配列番号3)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)CTGTCTCATCTTTCGGCGCTTCCTCTTAAGTCTCCTCATTCTCTTCTTCTTCCACTGAACATGGCACAAACACAATCACGTTAACAGATGAAAACACTTC(配列番号4)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)GATTGATCTCTAGACTTTATATGTTAGTCTATAAATAGGGCTATATAATCTGTTAAGTCAATCAATAAGATCGCTTCTTTCTTCTTTTCTACACTTGAAGA(配列番号5)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)TGTGAAGTCATTCCAGATTCCTTGGAAACCCCATCCAGTGTATAACTGAGCACCATATCTCGCTAATGACTTGACATTTAAAAAATAGGTGCCTTACGGTT(配列番号6)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)TTTGCCCTCAAGGTCCTTCCACATTTGCAGGAGAGAAGATGTACGAGTGCTGGCACTGTCTTGCTCACCCTCCCATAGCCGCCCAGACTCTGGAGATTGTGCATTTTTAAGAATAGAAGAACCAAAAATGGAATGATTGGGCAAACCAGTAACAGCCATTCCACTTCAGTAATCAAAATCAACCATCTGACAACCCAATCATGCTAATCATAGCATAAAGTAGCATATAACACATCCATATGCTCTCATCACATCCAAAAACTGTCCATTACCAATATGCAGTTACATCAAACACCTGGTATTTGATATACAAGTGTCAGAAAATTACATTTCTGGAAAAAGAGAAAAGGTCATAACGCCCATCTTTTCTCTGAAAAGTGAAACCCACCCAACAAAAAAACTGAAAAAGTCAACATTTGAAGGCCACCGAATTATTCAAAATTTGGAATCAAATAAAGCGACGACATAAAACCCATCAATAAAAATAGAATCTTGCACACTCGCCCACCCTACCTCCCAATCA(配列番号19)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)TGCTTCAGCCCGCAATCTAAACTTCATGATCCAGCTCTTTATCAAATGCTGCATAAGGTAACTGATAATCTTTTATCAATCCGGGCATATTTGTAGTGTCATGTCTCCTTAATTTTCTATCCTGGATGACACTTTTCAATGAAGCTTTTCATTGATCTAATTTTCTTAATGGCAATAGTGTTCATGTTGTAAGTTATTTAGATCTTGTACTCCATGTTTTATCTTGGTTTCTCTTCCTCTCCCCCTTTAAATGTGATTATATACTTTAGTTTCTGGAGCTTATTTAGTATTGAATTGGTTGATTGCCTTCATGTTGATACTTGTTACATTATGGAGATTTGATTTATCATTCCTGTATTGCAGTTCATGCGAAAAGTGCTTGCACTGCTGATGGCTGAGTTCCGAAAGCTAGGTGCTAATGTTGTACATGCAACCTTTTCAAAATTCATCATTGACACTGGGAAATCTGATCTTCTTGCCGCAAAAGCTTATTGTGATAGTTTGCTCAAAACTCTGCAGACT(配列番号21)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)CCGGTGTGGGCTCAACATTAGCAAACCATGAAGTGTTTTTTTTTCACCTTTATTTGACATACCATGAAGTGTTAATCCACAATTACAAAAAATAACAAGTTTGTTAAGAAAGGCAAGGTCACCAAACAGCGGTCACACATATATACATACACACACATATATATATATATATAATGACACCTTTTAGAGAAAAAAAACTTAAGTGCTGTACCGGACATGCTCGGTGGGCTCTGGTGTCAATATTATACTATGATCATGATTAGGGCTGTAAATGAACCAAGCCGTTCGGTTGTTAGGCTCGTTTGGTTCGAGCTCAAACTCGAGCTCGGCTCGGATAAAAGGTTAATGAACAGAGCTTGAACACCTTTTTCTGTTCGAGCTCGGTAAGTGACACCGTTCGTTTAAGGTGTTCGGCTCGTTAATGTTGTTCGTTGAGTTAAACGAACCAAGCTTGAACAAGTAAATATGTTCGTTTAAATAAACGAACAAGCTCGGCTCGTTCGCTAAGTTAAATGAACAGAGCTTGAACAACGCAATGCTCGGCTCGTTCGGCTCGTTTACAGCCCTAATCATGATTAAAATGACAGGATACATATATACACACACTTTTCTTTCGACCTGCATAATTCTTTATTCTTTTTCAGTCCCTCAATGTTTTCTACTTTCTGTATAAAAGCATTATAATTTTGTAGACTTATGAAATACCCTAATTTGGTTGTCGAAGCAAAACTTCACAGGACTTCAAATAGACATGATAATATATCTGCGCTAACTTAATTATGATAACTGATGCTTTTGTTTTCTCATATACATAAATTTGTGTCTACTTTCTTTTTATGAACAAGGGGGAGAAGGGTGTCTGGAT(配列番号23)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)TCCAGTTCTACGATCAGAGCCTTAATCGAAAAAGCATAAACCAATAAACCACCGAACATGTTAGCGATGATGAGTGTAGCAACCTTTTGTCCATTGTACGGGTTGCACCTCCATTACGGTGCATTTTTCGGTCAAGGTACGCCTTGGCCATTGGGTATATTATTTACATTGTTCCAAAAAAGATGATGAGTGTAGCAAAACAGAAAATCCGTCTTATTATTTTATCTTTTAATGGTTAATGAGTAATATTTTAAGTCGGTCACTAATTATTGATAATGCTCCGTAATTTACAAGTTGGTCTCTTTGGGAG(配列番号25)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)TGGCATGACAAAAGCTAGGCTACTAAAAGACTAGGCAACCCTTTTATAAGCATATTGCATCCTGCAAGTGATGCCTTCATTCATCTTTCACTACAACGAATCAACGGAAGCAAGCTAGAAAAGCTAACTTCTGTTTTGTTTTGTCATTCTAGTTACCAATATGCACCTAAAGGAATCAACGGGCTATTTGCATTCAAACAGTGGAAAAAAAAAACTACACACATTGGAATTAAGAAGTCATTACAGTCAGACACAATAATTCGCCACGTGCCATCCTTGTAGAGAAAAACAAGAAACAGATACAGCTATCAAACATATTTTCTTCAAGGAACTTACGGCGAGACAATATGCTTACAGTTAAAGAAAACCATTATTTGCCAAGTAAGCAGAAAATATTGCTCAGGGGCCTTCA(配列番号27)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)TCTTTGCCTTCGACTTCTTTCATCTTTTAGGGTTTCCACTGCTTTTGTAACATATATACAATGATGAACTACTCTATAAATATGATGGTGATAAAATTTATTAAGAAAAAAAAAAGAAAAGATTGATGAATGCCGCCCGGTAAGGTCCCGAGTTCGAACCAGAATCAGAAACGGAACTAGCTTTCGAATATATATGTCCTAATAGCCATGCATCCTGTAACACTTTTCTACTATAAGTCCTAATAGTCTAAAAAACTGTACATTGAGGCCTTCTCTTCCCATTTTGCCCAAATTTCCTGGGACCAGCCA(配列番号29)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)GGGAGGACGTCATACTGCAGCCTCCACAGGAAAAGATTCAGTCGACTAGAGCTCTTAAGTTTCCATATACGATGCGTAGCTTGAGCATTCCGAGACTATGTCGCTGATGTTTGCACAGTATAGACGCTAGCGACACAAAATCTACCCGAAGCGTTTGGTCCTCATCGCCAACAATCGTCCGTGTGGTTCTCCATTCGGCTGGGTCTGTGTAGTTCCTTCTTCAATATGTATGAGCCAAGTCAAACTCGAATAGTTCGGCTCTTTTAAAGAGTTATAACGTTATCAAGCCGAACTCGAACATATCTTAAGACTCGATATATTGACCAAGTCAAGTCAAACTGTTTTTTAACTTAAACGAGTCTAAACTCGAAAACCTACTATTTGATTCGGTTTGGCTCGTTAACCGCATTGTAATTATCTCATCATTCTTGTCGATTTTATTTTTTGTGCTTCACTCTATTTAATTCGTAAGAAAATTCTATTTAATTAAACTTTATATTAAAAAGAAGTTTCTTTTCTTGTTTATGGGAACCATGATCTAACCAAATATTCACTATGTTATACTGTAATAGATGAGGAGAGGGAAATATAAGAGCAACG(配列番号31)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)CTCCTCCGAATCCACTTGAGGTGCATATAGGCTTATAATATTGATTGCTTCTTTTTCAAGCACCAACTTACGGGCTATAGTTCTTTCTCCTTTCCTAAAAACACCTACTACTAAGTATGTTAATCATGCATCTGCAATAACTCCAACTCCAACTCCATTTATTATCTTATTCTTTCATGTGTACATGATTTTAAATCTTGAATTATCCAGCATCCTATCTTTTGAACATATCCACTTTGTCTCTTGTAAAAATAAAATATTTATTTTTATCCTTATCATTGAATCCACTAATTCTATTGTTTATCCCGTTAGAGTTCCAGTGTTGCATGTTCGTAGTCTTATACTCTTACCTAAACTAGTATTTTGTCTCTTAGTATCTAACTTACGGTTTAAGAACTCTTGCTTATTTTTCACTGTATTCGAGTTCTCTAGGAGATGCAGCGTCTCCAGTTCAATTGTCGTCCCATTCGAGCCATGCGACGAGGATCCTTGTTTATTTGACACTACATCCAAGTACCTCAGATGCA(配列番号33)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)TGGTGAAATTAGCATTACAGTTTCATCTTTATTTGCAGAAATTTTCCCATAAGTTAAAAGCATAGCTAAAAACGCGTTAACTTGGCAAGTACTCGGCCTTTAACATTGATTAGACATGTGTAAAGGTTGATCTTAATGTTAGGTCCCTTAGAACACACTAAAAGGGGAGTTGAATAGTGTGTTCACCAAGTATGATTATTTTCTACGTATAAAGCAAAATTGTTAGAACATGTCATTTTAGAAATCCATTATTGAACTCCAGATCAATGCAAACCCATATCAATTTAGCAAAATTCTTATTCTCTATACCAATTCCTCTATTGGATTCTCTAATTCAAACATCTACGAAATTCCATCCATATGTAAATCAAGTATCACGAATTCTTTCGCGTTAAACTATTCTAA(配列番号35)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)CAGAAGATGACGAGGCATACCATCAATCAAAAAATATATGTCAAAAAGTAATACAGACAATTGAATAGGCATAAAAAAACAAGGGGAAAAAATAAGCAAGCATCATATCGTTCATTTTATTCCAACCATAGTTATCGAACACAGCTTAGTAGTTTAGTGGTTCAACTGGTAGGCCATTGAGCCAAACTTTAAGTTTTATATATTACTAAAATAATATAGGGCGGACCTTCGAGCAACTGGTAAAGGTGATGCTTTGTAACCTTGAGGTCACGGGTTCGTCCCGCGGAAATAGCCTCGAGTTCGAGCCACAGAAATAATCTCTTGTACAAAGTGTAAGATAAGGCTGCGTACATCAGATTGCGAAACGATCTGGCC(配列番号37)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)TGGCACTCTTGTGAAAGACAGTTTTATATATATAAGAGTCGCTATATATATTTTGATCATATAATGAATCTAATTCAAACTAGTAACATGCATGTTGTATATGTATGTACTATAGCAAATGGGATCACCTTTAAGACGATCTAATCAATAAACATTAAGTATGCATATGCTTAAAGTGAAATATTTGAAAGAAAAAGTTATGCCGCTAGCAATGTAGAGGTGGATTCGTTTAAAGGCCACAAGACGTTATAACTTAATTATTTTTATAAATAGTGCAATGATTGTTGTTGTATTTTTATAAATACTGCAATTAATTAATCTATGCAGGTATATATAGAGTCGAGGGTTTCACTGGA(配列番号39)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)GGTCTTCAGATGGACGTGACTTGGTATCTAATTGAATAGTTCGCTAAGTACAAAATTGTGCACGGGATGGATGATCTATCAATAGTTCATATTCATTGTATCTTATGTTACAGTCTAATTTAAACAATGGACGATCTCGTTTTTGCGATTTTTGATCACAATAAAAAAAAAATACATTAAAAGTGGACAAATAATTCGATGCAATTGATGCACTATGAAGCAAATTTGATCCTCTCGCTCAAGGTCGTAATACTGCTTAATAATTAGGTTATGGTTACTATGGGTCATCGGAAAACAACCTCTGTATGTTTCTAATACATGGATATGGTTGCATACATCTGACCCCTATACCCGCCATAGACGGGAGCCTCTAACGCAATGGTGTAATGTTGTGTTGTAATTAGGTTATGGTTACAAGGGTGGGCCTTGAACCAACTAGTAAGTTTGTTGCTTTGTAACTTTAAGGTTACCGGTTCAAGCCTGCCTCTTACACAAAGTACTGAATAAGACTTCATATATCACATCGCAAAACGATTCGACCCCTCTTTAGATCGTGCGTAAACG(配列番号41)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)GCTGCAACATTCACTTGACTTGGTCTGGTGGATGCTTCATTTCCAGAACTTTGAGCCACCCCAACAGAAACCCACAAATAAGAGATCAAAACCAACACTGTTCTCCACATATATAACTTGGCCTGCATTTTTTGCACAAAAGCCGCAGCTCAAAGTGTGATTCTTGATGTCTTTCTGGAAATATGAGTGCATCTGCAGAGAGATGCATTATGAACTCTGGGAATTCTAGTACAGAATTTGTGGAATCGTGGAAATTTGACATGGCTTGCAGGTAAGTTTCTTATACATTATTAATAATTTTTTTTCTTATTTCAAATTATATTCAGGCGCGGAAGGTTCCATATTTATTGAATCAAACTATACTGTCCTATATCTAACTTCTGCGTATCTATTCCATGAAAGGTACGAAGAAGAAGAAGTTACTTGCATTTGATTAATGAACTAAAGACGACAACAACATTCCATATGACTTTAGAGTCTCTCGCTTATGGCAGTGTATAGATGGTCGGATGTACACAACTATACCTATATGTTAGAAACGCATAGATGTTTCCCGATGACCCATAATAAAAATTGTGTCAAGCTATGTCGATCAACTGCTATCTCTCACCCCATTTTCCATCGTCCGCCACGTGCCAACAGGGAGGGTGAGCCTAAATGAGAGAATGGGGAGGAAGAATTGTATGAGTGGGATGGCTGGCGCGTGGTGGACAGAGGGAAAGGAGGTGAGGGATTTGAGGGTCCACACTAAAAGTAGCCGATAGACCTTAAGAGGGAAATTTAACTTATGTACAATCTAAAATGTCGCCTCATGTTTCAAACACACTCATCATAAACTTTTAGACCTGATAAGCTTATGACCATTATGCCCAAGTCGTATTAGCACCATACTACATGCTTAGTCG(配列番号43)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔2〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3に対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔1〕に記載の方法。
〔3〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおけ152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおけ260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおけ538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕
上記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することをさらに含む、〔4〕に記載の方法。
〔6〕
被検トルコギキョウ植物が、上記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕
〔1〕~〔6〕のいずれかの方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかのゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカー。
〔8〕
ユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム属菌による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物において、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む、フザリウム属菌による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する方法。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔9〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔8〕に記載の方法。
〔10〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔11〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166~193位の塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔8〕~〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕
上記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することをさらに含む、〔11〕に記載の方法。
〔13〕
上記交配後代トルコギキョウ植物が、上記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む、〔8〕~〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕
〔8〕~〔13〕のいずれかの方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかのゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカー。
〔15〕
ユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム属菌による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物であって、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすトルコギキョウ植物。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔16〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔15〕に記載の交配後代トルコギキョウ植物。
〔17〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔15〕又は〔16〕に記載の交配後代トルコギキョウ植物。
〔18〕 上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔15〕~〔17〕のいずれかに記載の交配後代トルコギキョウ植物。
〔P1〕
フザリウム・ソラニーによる立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法であって、被検トルコギキョウ植物が、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム・ソラニーによる立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含む、方法。
(1)AGTTTGCTTCCAGTGAGACCTCCAGCTCTATATATACCTGCATAAATGACGTAATAATAGAAATATGATGTGATAGTGTGTTAGTGAGGAAATTCAGTAAATACAAATAGGAAGTTTCTAATAAACTGCTAAGATCATTCCAGCTGTTTTTTCATCCAATATAGCAAGCGAACTTTCTTGTCTAAACCACAATCACATTGCCTTTGCT(配列番号1)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)CAGAAGATGACGAGGCATACCATCAATCAAAAAATATATGTCAAAAAGTAATACAGACAATTGAATAGGCATAAAAAAACAAGGGGAAAAAATAAGCAAGCATCATATCGTTCATTTTATTCCAACCATAGTTATCGAACACAGCTTAGTAGTTTAGTGGTTCAACTGGTAGGCCATTGAGCCAAACTTTAAGTTTTATATATTACTAAAATAATATAGGGCGGACCTTCGAGCAACTGGTAAAGGTGATGCTTTGTAACCTTGAGGTCACGGGTTCGTCCCGCGGAAATAGCCTCGAGTTCGAGCCACAGAAATAATCTCTTGTACAAAGTGTAAGATAAGGCTGCGTACATCAGATTGCGAAACGATCTGGCC(配列番号2)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)GTCACGAGTTCAAGCTGCGAAAACAACCTCTTGTAAAAAAAAGTGTAGGTTATGAATGTACGGGATGTAAAAACAGAATCTTGTAAAAAAAGTGTAGATATGACTGCACATATCAGATCGCAAAGCGATTCCGTTTCTCTCCGGACCTTGCTTGCACAAACGTAGGAAGTTACTACGGGAGCGTCCTTTGTAT(配列番号3)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)CTGTCTCATCTTTCGGCGCTTCCTCTTAAGTCTCCTCATTCTCTTCTTCTTCCACTGAACATGGCACAAACACAATCACGTTAACAGATGAAAACACTTC(配列番号4)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)GATTGATCTCTAGACTTTATATGTTAGTCTATAAATAGGGCTATATAATCTGTTAAGTCAATCAATAAGATCGCTTCTTTCTTCTTTTCTACACTTGAAGA(配列番号5)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)TGTGAAGTCATTCCAGATTCCTTGGAAACCCCATCCAGTGTATAACTGAGCACCATATCTCGCTAATGACTTGACATTTAAAAAATAGGTGCCTTACGGTT(配列番号6)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)TTTGCCCTCAAGGTCCTTCCACATTTGCAGGAGAGAAGATGTACGAGTGCTGGCACTGTCTTGCTCACCCTCCCATAGCCGCCCAGACTCTGGAGATTGTGCATTTTTAAGAATAGAAGAACCAAAAATGGAATGATTGGGCAAACCAGTAACAGCCATTCCACTTCAGTAATCAAAATCAACCATCTGACAACCCAATCATGCTAATCATAGCATAAAGTAGCATATAACACATCCATATGCTCTCATCACATCCAAAAACTGTCCATTACCAATATGCAGTTACATCAAACACCTGGTATTTGATATACAAGTGTCAGAAAATTACATTTCTGGAAAAAGAGAAAAGGTCATAACGCCCATCTTTTCTCTGAAAAGTGAAACCCACCCAACAAAAAAACTGAAAAAGTCAACATTTGAAGGCCACCGAATTATTCAAAATTTGGAATCAAATAAAGCGACGACATAAAACCCATCAATAAAAATAGAATCTTGCACACTCGCCCACCCTACCTCCCAATCA(配列番号19)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)TGCTTCAGCCCGCAATCTAAACTTCATGATCCAGCTCTTTATCAAATGCTGCATAAGGTAACTGATAATCTTTTATCAATCCGGGCATATTTGTAGTGTCATGTCTCCTTAATTTTCTATCCTGGATGACACTTTTCAATGAAGCTTTTCATTGATCTAATTTTCTTAATGGCAATAGTGTTCATGTTGTAAGTTATTTAGATCTTGTACTCCATGTTTTATCTTGGTTTCTCTTCCTCTCCCCCTTTAAATGTGATTATATACTTTAGTTTCTGGAGCTTATTTAGTATTGAATTGGTTGATTGCCTTCATGTTGATACTTGTTACATTATGGAGATTTGATTTATCATTCCTGTATTGCAGTTCATGCGAAAAGTGCTTGCACTGCTGATGGCTGAGTTCCGAAAGCTAGGTGCTAATGTTGTACATGCAACCTTTTCAAAATTCATCATTGACACTGGGAAATCTGATCTTCTTGCCGCAAAAGCTTATTGTGATAGTTTGCTCAAAACTCTGCAGACT(配列番号21)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)CCGGTGTGGGCTCAACATTAGCAAACCATGAAGTGTTTTTTTTTCACCTTTATTTGACATACCATGAAGTGTTAATCCACAATTACAAAAAATAACAAGTTTGTTAAGAAAGGCAAGGTCACCAAACAGCGGTCACACATATATACATACACACACATATATATATATATATAATGACACCTTTTAGAGAAAAAAAACTTAAGTGCTGTACCGGACATGCTCGGTGGGCTCTGGTGTCAATATTATACTATGATCATGATTAGGGCTGTAAATGAACCAAGCCGTTCGGTTGTTAGGCTCGTTTGGTTCGAGCTCAAACTCGAGCTCGGCTCGGATAAAAGGTTAATGAACAGAGCTTGAACACCTTTTTCTGTTCGAGCTCGGTAAGTGACACCGTTCGTTTAAGGTGTTCGGCTCGTTAATGTTGTTCGTTGAGTTAAACGAACCAAGCTTGAACAAGTAAATATGTTCGTTTAAATAAACGAACAAGCTCGGCTCGTTCGCTAAGTTAAATGAACAGAGCTTGAACAACGCAATGCTCGGCTCGTTCGGCTCGTTTACAGCCCTAATCATGATTAAAATGACAGGATACATATATACACACACTTTTCTTTCGACCTGCATAATTCTTTATTCTTTTTCAGTCCCTCAATGTTTTCTACTTTCTGTATAAAAGCATTATAATTTTGTAGACTTATGAAATACCCTAATTTGGTTGTCGAAGCAAAACTTCACAGGACTTCAAATAGACATGATAATATATCTGCGCTAACTTAATTATGATAACTGATGCTTTTGTTTTCTCATATACATAAATTTGTGTCTACTTTCTTTTTATGAACAAGGGGGAGAAGGGTGTCTGGAT(配列番号23)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)TCCAGTTCTACGATCAGAGCCTTAATCGAAAAAGCATAAACCAATAAACCACCGAACATGTTAGCGATGATGAGTGTAGCAACCTTTTGTCCATTGTACGGGTTGCACCTCCATTACGGTGCATTTTTCGGTCAAGGTACGCCTTGGCCATTGGGTATATTATTTACATTGTTCCAAAAAAGATGATGAGTGTAGCAAAACAGAAAATCCGTCTTATTATTTTATCTTTTAATGGTTAATGAGTAATATTTTAAGTCGGTCACTAATTATTGATAATGCTCCGTAATTTACAAGTTGGTCTCTTTGGGAG(配列番号25)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)TGGCATGACAAAAGCTAGGCTACTAAAAGACTAGGCAACCCTTTTATAAGCATATTGCATCCTGCAAGTGATGCCTTCATTCATCTTTCACTACAACGAATCAACGGAAGCAAGCTAGAAAAGCTAACTTCTGTTTTGTTTTGTCATTCTAGTTACCAATATGCACCTAAAGGAATCAACGGGCTATTTGCATTCAAACAGTGGAAAAAAAAAACTACACACATTGGAATTAAGAAGTCATTACAGTCAGACACAATAATTCGCCACGTGCCATCCTTGTAGAGAAAAACAAGAAACAGATACAGCTATCAAACATATTTTCTTCAAGGAACTTACGGCGAGACAATATGCTTACAGTTAAAGAAAACCATTATTTGCCAAGTAAGCAGAAAATATTGCTCAGGGGCCTTCA(配列番号27)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)TCTTTGCCTTCGACTTCTTTCATCTTTTAGGGTTTCCACTGCTTTTGTAACATATATACAATGATGAACTACTCTATAAATATGATGGTGATAAAATTTATTAAGAAAAAAAAAAGAAAAGATTGATGAATGCCGCCCGGTAAGGTCCCGAGTTCGAACCAGAATCAGAAACGGAACTAGCTTTCGAATATATATGTCCTAATAGCCATGCATCCTGTAACACTTTTCTACTATAAGTCCTAATAGTCTAAAAAACTGTACATTGAGGCCTTCTCTTCCCATTTTGCCCAAATTTCCTGGGACCAGCCA(配列番号29)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)GGGAGGACGTCATACTGCAGCCTCCACAGGAAAAGATTCAGTCGACTAGAGCTCTTAAGTTTCCATATACGATGCGTAGCTTGAGCATTCCGAGACTATGTCGCTGATGTTTGCACAGTATAGACGCTAGCGACACAAAATCTACCCGAAGCGTTTGGTCCTCATCGCCAACAATCGTCCGTGTGGTTCTCCATTCGGCTGGGTCTGTGTAGTTCCTTCTTCAATATGTATGAGCCAAGTCAAACTCGAATAGTTCGGCTCTTTTAAAGAGTTATAACGTTATCAAGCCGAACTCGAACATATCTTAAGACTCGATATATTGACCAAGTCAAGTCAAACTGTTTTTTAACTTAAACGAGTCTAAACTCGAAAACCTACTATTTGATTCGGTTTGGCTCGTTAACCGCATTGTAATTATCTCATCATTCTTGTCGATTTTATTTTTTGTGCTTCACTCTATTTAATTCGTAAGAAAATTCTATTTAATTAAACTTTATATTAAAAAGAAGTTTCTTTTCTTGTTTATGGGAACCATGATCTAACCAAATATTCACTATGTTATACTGTAATAGATGAGGAGAGGGAAATATAAGAGCAACG(配列番号31)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)CTCCTCCGAATCCACTTGAGGTGCATATAGGCTTATAATATTGATTGCTTCTTTTTCAAGCACCAACTTACGGGCTATAGTTCTTTCTCCTTTCCTAAAAACACCTACTACTAAGTATGTTAATCATGCATCTGCAATAACTCCAACTCCAACTCCATTTATTATCTTATTCTTTCATGTGTACATGATTTTAAATCTTGAATTATCCAGCATCCTATCTTTTGAACATATCCACTTTGTCTCTTGTAAAAATAAAATATTTATTTTTATCCTTATCATTGAATCCACTAATTCTATTGTTTATCCCGTTAGAGTTCCAGTGTTGCATGTTCGTAGTCTTATACTCTTACCTAAACTAGTATTTTGTCTCTTAGTATCTAACTTACGGTTTAAGAACTCTTGCTTATTTTTCACTGTATTCGAGTTCTCTAGGAGATGCAGCGTCTCCAGTTCAATTGTCGTCCCATTCGAGCCATGCGACGAGGATCCTTGTTTATTTGACACTACATCCAAGTACCTCAGATGCA(配列番号33)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)TGGTGAAATTAGCATTACAGTTTCATCTTTATTTGCAGAAATTTTCCCATAAGTTAAAAGCATAGCTAAAAACGCGTTAACTTGGCAAGTACTCGGCCTTTAACATTGATTAGACATGTGTAAAGGTTGATCTTAATGTTAGGTCCCTTAGAACACACTAAAAGGGGAGTTGAATAGTGTGTTCACCAAGTATGATTATTTTCTACGTATAAAGCAAAATTGTTAGAACATGTCATTTTAGAAATCCATTATTGAACTCCAGATCAATGCAAACCCATATCAATTTAGCAAAATTCTTATTCTCTATACCAATTCCTCTATTGGATTCTCTAATTCAAACATCTACGAAATTCCATCCATATGTAAATCAAGTATCACGAATTCTTTCGCGTTAAACTATTCTAA(配列番号35)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)CAGAAGATGACGAGGCATACCATCAATCAAAAAATATATGTCAAAAAGTAATACAGACAATTGAATAGGCATAAAAAAACAAGGGGAAAAAATAAGCAAGCATCATATCGTTCATTTTATTCCAACCATAGTTATCGAACACAGCTTAGTAGTTTAGTGGTTCAACTGGTAGGCCATTGAGCCAAACTTTAAGTTTTATATATTACTAAAATAATATAGGGCGGACCTTCGAGCAACTGGTAAAGGTGATGCTTTGTAACCTTGAGGTCACGGGTTCGTCCCGCGGAAATAGCCTCGAGTTCGAGCCACAGAAATAATCTCTTGTACAAAGTGTAAGATAAGGCTGCGTACATCAGATTGCGAAACGATCTGGCC(配列番号37)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)TGGCACTCTTGTGAAAGACAGTTTTATATATATAAGAGTCGCTATATATATTTTGATCATATAATGAATCTAATTCAAACTAGTAACATGCATGTTGTATATGTATGTACTATAGCAAATGGGATCACCTTTAAGACGATCTAATCAATAAACATTAAGTATGCATATGCTTAAAGTGAAATATTTGAAAGAAAAAGTTATGCCGCTAGCAATGTAGAGGTGGATTCGTTTAAAGGCCACAAGACGTTATAACTTAATTATTTTTATAAATAGTGCAATGATTGTTGTTGTATTTTTATAAATACTGCAATTAATTAATCTATGCAGGTATATATAGAGTCGAGGGTTTCACTGGA(配列番号39)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)GGTCTTCAGATGGACGTGACTTGGTATCTAATTGAATAGTTCGCTAAGTACAAAATTGTGCACGGGATGGATGATCTATCAATAGTTCATATTCATTGTATCTTATGTTACAGTCTAATTTAAACAATGGACGATCTCGTTTTTGCGATTTTTGATCACAATAAAAAAAAAATACATTAAAAGTGGACAAATAATTCGATGCAATTGATGCACTATGAAGCAAATTTGATCCTCTCGCTCAAGGTCGTAATACTGCTTAATAATTAGGTTATGGTTACTATGGGTCATCGGAAAACAACCTCTGTATGTTTCTAATACATGGATATGGTTGCATACATCTGACCCCTATACCCGCCATAGACGGGAGCCTCTAACGCAATGGTGTAATGTTGTGTTGTAATTAGGTTATGGTTACAAGGGTGGGCCTTGAACCAACTAGTAAGTTTGTTGCTTTGTAACTTTAAGGTTACCGGTTCAAGCCTGCCTCTTACACAAAGTACTGAATAAGACTTCATATATCACATCGCAAAACGATTCGACCCCTCTTTAGATCGTGCGTAAACG(配列番号41)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)GCTGCAACATTCACTTGACTTGGTCTGGTGGATGCTTCATTTCCAGAACTTTGAGCCACCCCAACAGAAACCCACAAATAAGAGATCAAAACCAACACTGTTCTCCACATATATAACTTGGCCTGCATTTTTTGCACAAAAGCCGCAGCTCAAAGTGTGATTCTTGATGTCTTTCTGGAAATATGAGTGCATCTGCAGAGAGATGCATTATGAACTCTGGGAATTCTAGTACAGAATTTGTGGAATCGTGGAAATTTGACATGGCTTGCAGGTAAGTTTCTTATACATTATTAATAATTTTTTTTCTTATTTCAAATTATATTCAGGCGCGGAAGGTTCCATATTTATTGAATCAAACTATACTGTCCTATATCTAACTTCTGCGTATCTATTCCATGAAAGGTACGAAGAAGAAGAAGTTACTTGCATTTGATTAATGAACTAAAGACGACAACAACATTCCATATGACTTTAGAGTCTCTCGCTTATGGCAGTGTATAGATGGTCGGATGTACACAACTATACCTATATGTTAGAAACGCATAGATGTTTCCCGATGACCCATAATAAAAATTGTGTCAAGCTATGTCGATCAACTGCTATCTCTCACCCCATTTTCCATCGTCCGCCACGTGCCAACAGGGAGGGTGAGCCTAAATGAGAGAATGGGGAGGAAGAATTGTATGAGTGGGATGGCTGGCGCGTGGTGGACAGAGGGAAAGGAGGTGAGGGATTTGAGGGTCCACACTAAAAGTAGCCGATAGACCTTAAGAGGGAAATTTAACTTATGTACAATCTAAAATGTCGCCTCATGTTTCAAACACACTCATCATAAACTTTTAGACCTGATAAGCTTATGACCATTATGCCCAAGTCGTATTAGCACCATACTACATGCTTAGTCG(配列番号43)のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔P2〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3に対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔P1〕に記載の方法。
〔P3〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔P1〕又は〔P2〕に記載の方法。
〔P4〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおけ152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおけ260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおけ538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔P1〕~〔P3〕のいずれかに記載の方法。
〔P5〕
上記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することをさらに含む、〔P4〕に記載の方法。
〔P6〕
被検トルコギキョウ植物が、上記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム・ソラニーによる立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含む、〔P1〕~〔P5〕のいずれかに記載の方法。
〔P7〕
〔P1〕~〔P6〕のいずれかの方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかのゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカー。
〔P8〕
ユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム・ソラニーによる立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物において、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む、フザリウム・ソラニーによる立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する方法。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔P9〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔P8〕に記載の方法。
〔P10〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔P8〕又は〔P9〕に記載の方法。
〔P11〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166~193位の塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔P8〕~〔P10〕のいずれかに記載の方法。
〔P12〕
上記欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、
配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は
配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを、決定することをさらに含む、〔P11〕に記載の方法。
〔P13〕
上記交配後代トルコギキョウ植物が、上記(1)~(19)からなる群から選択される3以上の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む、〔P8〕~〔P12〕のいずれかに記載の方法。
〔P14〕
〔P8〕~〔P13〕のいずれかの方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかのゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカー。
〔P15〕
ユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム・ソラニーによる立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物であって、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすトルコギキョウ植物。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
〔P16〕
上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することである、〔P15〕に記載の交配後代トルコギキョウ植物。
〔P17〕
上記(4)の配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号4のゲノムDNAにおける100位の塩基がチミンであることであり、
上記(5)の配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号5のゲノムDNAにおける37位の塩基がチミンであり、且つ38位の塩基がアデニンであることであり、
上記(6)の配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号6のゲノムDNAにおける8位の塩基がアデニンであり、40位の塩基がアデニンであり、53位の塩基がチミンであり、且つ100位の塩基がシトシンであることである、〔P15〕又は〔P16〕に記載の交配後代トルコギキョウ植物。
〔P18〕 上記(1)の配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していることであり、
上記(2)の配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号2のゲノムDNAにおける174~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(3)の配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していることであり、
上記(7)の配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していることであり、
上記(8)の配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していることであり、
上記(9)の配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位塩基が挿入されていることであり、
上記(10)の配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていることであり、
上記(11)の配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していることであり、
上記(12)の配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していることであり、
上記(13)の配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していることであり、
上記(14)の配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していることであり、
上記(15)の配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていることであり、
上記(16)の配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していることであり、
上記(17)の配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していることであり、
上記(18)の配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていることであり、
上記(19)の配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、及び/又は配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることである、〔P15〕~〔P17〕のいずれかに記載の交配後代トルコギキョウ植物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲノムDNAにおける違いに基づき、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法を提供することができる。本発明は、ゲノムDNA情報を利用するため、病原菌を接種する必要がなく、簡便且つ効率的に判別及び選抜することができる。また、本発明によれば、ゲノムDNAにおける違いに基づき、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物と抵抗性であるトルコギキョウ植物の交配後代植物から、抵抗性を示すトルコギキョウ植物を効率的に選抜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】QTL解析により得られた遺伝子型と発病指数を示すグラフである。遺伝子型Aは紫盃タイプ、遺伝子型Bは大川1号タイプ、遺伝子型Hはヘテロタイプを示す。
図2】3座SNP(180Fpil_584498,147Fpil_3163121,187Fpil_1,651,751)の遺伝型と実生発病指数の関係を示すグラフである。F2(F2_AAA)は3座すべてが紫盃タイプであるF、F2(F2_HHH)は3座すべてがヘテロタイプであるF、F2(F2_BBB)は3座すべてが大川1号タイプであるFを示す。
図3】ID756_180F_584,498、IDE934_147F_2,665,700、IDE965_187F_958,712の3座遺伝子型とフザリウム・ソラニー山形菌接種時の平均発病指数を示すグラフである。
図4】ID756_180F_584,498、IDE934_147F_2,665,700、IDE965_187F_958,712、IDE903_293F_182,103の3座遺伝子型とフザリウム・ソラニー接種時の平均発病指数を示すグラフである。
図5】病害抵抗性に隔たりのある両親系統(実生)と雑種系統(実生)へのフザリウム・ソラニー福島菌株接種実験の発病指数を示すグラフである。IDE756_180F_584,498、IDE934_147F_2,665,700、IDE965_187F_958,712における遺伝子型がいずれも抵抗性系統型の系統を「3座Bの雑種系統」、いずれも罹病性系統型の系統を「3座Aの雑種系統」と示す。
図6】各選抜マーカーを用いたPCR法により得られたDNA増幅産物の泳動写真を示す。遺伝子型Aは紫盃タイプ、遺伝子型Bは大川1号タイプ、遺伝子型Hはヘテロタイプを示す。
図7】第三世代の雑種における180Fコンティグから147コンティグまでの範囲の各座の多型を示す表である。遺伝子型Aは紫盃タイプ、遺伝子型Bは大川1号タイプ、遺伝子型Hはヘテロタイプを示す。
図8】第三世代の雑種における180Fコンティグから147コンティグまでの範囲の各座の多型の平均発病指数値を示すグラフである。実線は罹病性型ホモの発病度平均値―抵抗性型ホモ系統発病度平均値、破線は罹病性型ホモの発病度平均値―ヘテロ系統発病度平均値、一点鎖線は抵抗性型ホモ系統発病度平均値―ヘテロ系統発病度平均値を示す。
図9】紫盃、大川1号、フザリウム・ソラニー抵抗性領域の遺伝子型が異なる雑種第2代の後代におけるフザリウム・オキシスポラム静岡菌株接種実験の発病指数を示すグラフである。なお、AAAは3座が紫盃タイプ、BBBは3座が大川1号タイプであることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
フザリウム属菌は、トルコギキョウの立枯病の原因菌であり、フザリウム・ソラニー、及びフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)等が含まれる。フザリウム・ソラニーは、トルコギキョウの立枯病の原因菌であり、現在流通するトルコギキョウ品種(ユーストマ・グランディフロラム)のほとんどがフザリウム・ソラニー罹病性であると考えられる。一方、ユーストマ・エグザルタトゥムは、フザリウム・ソラニーによる立枯病に対して抵抗性を示す。なお、本明細書において、特段の限定がない限り、「トルコギキョウ植物」はユーストマ属植物を意味する。「植物」は、特段の限定がない限り、植物又は植物の一部、例えば、胚、花粉、胚珠、配偶子、種子、葉、花、枝、果実、茎、根、葯等を含む。
【0011】
一般に、トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を有するか否かは、当業者が通常用いる方法を用いて判定ことができ、例えば、トルコギキョウ植物を人工的にフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)に感染させ、同様にフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)に感染させた罹病性のトルコギキョウ植物(Mock)と比較して、病徴が弱まれば抵抗性を有し、病徴が同等であれば抵抗性を有さない(罹病性である)と判定する方法が挙げられる。無発病の植物においては、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)の増殖が抑制され、植物には変化が見られない。一方、発病程度が進んだ植物においては、増殖したフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)の菌糸が植物の外へも観察される。このように、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)を接種した植物を観察(例えば、電子顕微鏡等により)することで、当該植物が抵抗性か罹病性かを判断することもできる。
【0012】
フザリウム・ソラニーによる立枯病のトルコギキョウの抵抗性評価方法については、本発明者らが以下のように安定的に抵抗性評価を行える接種方法を確立している。
(接種方法)
水耕装置(ホームハイポニカSarah,協和(株))にトルコギキョウ植物を定植し、約3週間後に注射針で株元2箇所に針刺し付傷処理後に、菌濃度1×10~1×10個/mLのフザリウム・ソラニー懸濁液を1mL/株ずつ株元灌注する方法で接種を行う。
フザリウム・オキシスポラムの接種については、トルコギキョウ植物を土に定植し断根処理処理後に、菌濃度1×10~1×10個/mLのフザリウム・オキシスポラム懸濁液を1mL/株ずつ株元灌注する方法で接種を行う。
(評価)
フザリウム・ソラニー種後1週間毎に発病程度を調査し、表1に記載のように、発病度、発病株率を算出する。他のフザリウム属菌についても同様に抵抗性を評価することができる。
【0013】
【表1】
【0014】
本明細書において、例えば、発病指数0の植物を抵抗性とし、発病指数1~4の植物を罹病性としてもよく、発病指数0~1の植物を抵抗性とし、発病指数2~4を罹病性としてもよい。また、例えば、罹病性の植物が発病指数3又は4となるところを発病指数0~2に抑えることを抵抗性を示すとしてもよい。また、植物の複数の株について評価した場合、発病指数1以上を示す株の割合が、例えば、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満又は0%である場合に、当該植物が抵抗性であるとしてもよい。また、発病指数1以上を示す株の割合が、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上又は100%である場合に、当該植物が罹病性であるとしてもよい。
【0015】
本発明は、被験トルコギキョウ植物における、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー、フザリウム・オキシスポラム)による立枯病に罹病性であるユーストマ・グランディフロラムの特定のDNA配列に対応する配列が、フザリウム・ソラニーによる立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥム型である場合に、当該トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー、フザリウム・オキシスポラム)による立枯病に対して抵抗性を示す可能性が高いという知見に基づくものである。本発明によれば、上述したフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー、フザリウム・オキシスポラム)の接種等を必要とすることなく、DNA情報に基づき、トルコギキョウ植物が、フザリウム・オキシスポラム)フザリウム・ソラニー、フザリウム・オキシスポラム)による立枯病に対して抵抗性を示すか否かを判別することができる。トルコギキョウ植物のゲノムは約1400Mbである。
【0016】
ユーストマ・グランディフロラムの特定のDNA配列としては、配列番号1~6に示される塩基配列、及び配列番号19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43が挙げられる。これらの塩基配列と、対応するユーストマ・エグザルタトゥムにおける塩基配列、その比較を以下に示す。
【0017】
【表2】











【0018】
【表3】
【0019】
なお、‘紫盃’の学名として、ユーストマ・ラッセルリアナム(Eustoma russellianum))が使用されることもある。
【0020】
表2及び表3に示すように、ユーストマ・グランディフロラムの特定のDNA配列に対応するユーストマ・エグザルタトゥムにおける配列において、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対する抵抗性と連鎖する特定のインデル(Indel)及び/又はヌクレオチドの一塩基多型が存在する。
【0021】
表2に示されるように、後述するユーストマ・グランディフロラム‘紫盃’とユーストマ・エグザルタトゥム‘大川1号’のQTL解析により見出されたインデルの一つは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号1の配列上に存在し、配列番号1に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの56位~157位の102bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号7)において欠失している。ここで、配列番号1を配列番号7と比較すると、配列番号1に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの52位のSNP(チミン>シトシン)も観察される。
【0022】
また、もう一つのインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号2の配列上に存在し、配列番号2に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの174位~213位の40bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号8)において欠失している。ここで、同欠失箇所において、配列番号8に記載の塩基配列においてGCの挿入(2bp)も観察される。また、配列番号2を配列番号8と比較すると、配列番号2に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの245位のSNP(グアニン>アデニン)、249位(アデニン>シトシン)も観察される。
【0023】
さらに、もう一つのインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号3の配列上に存在し、配列番号3に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの139位~154位の16bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号9)において欠失している。ここで、配列番号3を配列番号9と比較すると、配列番号3に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの65位のSNP(アデニン>チミン)及び159位のSNP(アデニン>グアニン)も観察される。
【0024】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号19の配列上に存在し、配列番号19に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの330位~331位間に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号20)において、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の93bpが挿入されている。また、配列番号19に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの391位~392位間に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号20)において、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の11bpが挿入されている。また、配列番号19に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの78位~80位の3bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号20)において欠失している。ここで、配列番号19を配列番号20と比較すると、配列番号19に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの43位のSNP(アデニン>シトシン)、71位のSNP(チミン>アデニン)、111位のSNP(グアニン>チミン)、167位のSNP(シトシン>チミン)、216位のSNP(チミン>シトシン)、247位のSNP(シトシン>チミン)、249位のSNP(チミン>アデニン)、265位のSNP(チミン>シトシン)、275位のSNP(アデニン>グアニン)、278位のSNP(チミン>シトシン)、285位のSNP(アデニン>チミン)、393位のSNP(シトシン>アデニン)、408位のSNP(アデニン>グアニン)、414位のSNP(シトシン>アデニン)、432位のSNP(チミン>シトシン)、438位のSNP(アデニン>グアニン)、442位のSNP(チミン>アデニン)、463位のSNP(グアニン>アデニン)、466位のSNP(アデニン>グアニン)、及び500位のSNP(シトシン>チミン)も観察される。
【0025】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号21の配列上に存在し、配列番号21に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの240位~291位の52bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号22)において欠失している。ここで、配列番号21を配列番号22と比較すると、配列番号21に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの84位のSNP(グアニン>アデニン)、100位のSNP(シトシン>チミン)、126位のSNP(アデニン>チミン)、141位のSNP(グアニン>アデニン)、308位のSNP(チミン>シトシン)、379位のSNP(シトシン>チミン)、387位のSNP(グアニン>アデニン)、414位のSNP(チミン>グアニン)、462位のSNP(グアニン>アデニン)も観察される。
【0026】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号23の配列上に存在し、配列番号23に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの260位~535位の276bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号24)において欠失している。また、配列番号23に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの538位~569位の32bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号24)において欠失している。また、配列番号23に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの165位~166位間に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号24)において、配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の28bp(TAリピート 12組)が挿入されている。ここで、配列番号23を配列番号24と比較すると、配列番号23に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位のSNP(アデニン>グアニン)も観察される。
【0027】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号25の配列上に存在し、配列番号25に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの78位~190位の113bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号26)において欠失している。また、配列番号25に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの同位置に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号25)において、配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の212bpが挿入されている。ここで、配列番号25を配列番号26と比較すると、配列番号25に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの258位のSNP(グアニン>アデニン)及び304位のSNP(チミン>アデニン)も観察される。
【0028】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号27の配列上に存在し、配列番号27に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの83位~135位の53bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号28)において欠失している。また、配列番号27に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの211位~212位間に、配列番号28に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの213位~214位の2bpが挿入されている。ここで、配列番号27を配列番号28と比較すると、配列番号27に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの15位のSNP(シトシン>グアニン)も観察される。
【0029】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号29の配列上に存在し、配列番号29に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの124位~203位の80bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号30)において欠失している。ここで、配列番号29を配列番号30と比較すると、配列番号29に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの109位のSNP(アデニン>グアニン)及び206位のSNP(シトシン>チミン)も観察される。
【0030】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号31の配列上に存在し、配列番号31に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの247位~340位の94bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号32)において欠失している。ここで、配列番号31を配列番号32と比較すると、配列番号31に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの162位のSNP(チミン>シトシン)、196位のSNP(シトシン>チミン)、229位のSNP(チミン>グアニン)、246位のSNP(チミン>アデニン)及び386位のSNP(チミン>シトシン)も観察される。
【0031】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号33の配列上に存在し、配列番号33に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの171位~342位の172bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号34)において欠失している。ここで、配列番号33を配列番号34と比較すると、配列番号33に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの8位のSNP(グアニン>アデニン)、25位のSNP(アデニン>グアニン)、408位のSNP(チミン>アデニン)、417位のSNP(チミン>シトシン)、489位のSNP(シトシン>アデニン)、515位のSNP(チミン>シトシン)も観察される。
【0032】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号35の配列上に存在し、配列番号35に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの198位~342位の145bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号36)において欠失している。また、配列番号35に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの同位置に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号36)において、配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の431bpが挿入されている。また、配列番号35に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの163位の1bpが、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号36)において欠失している。ここで、配列番号35を配列番号36と比較すると、配列番号35に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの4位のSNP(チミン>シトシン)、128位のSNP(チミン>グアニン)、132位のSNP(シトシン>チミン)、146位のSNP(シトシン>アデニン)、161位のSNP(アデニン>グアニン)、187位のSNP(シトシン>チミン)、189位のSNP(アデニン>チミン)、191位のSNP(チミン>アデニン)、194位のSNP(グアニン>アデニン)、195位のSNP(アデニン>チミン)も観察される。
【0033】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号37の配列上に存在し、配列番号37に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの176位~213位の38bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号38)において欠失している。ここで、配列番号37を配列番号38と比較すると、配列番号37に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの94位のSNP(アデニン>チミン)、96位のSNP(グアニン>チミン)、174位のSNP(シトシン>グアニン)、245位のSNP(グアニン>アデニン)、249位のSNP(アデニン>シトシン)、325位のSNP(チミン>シトシン)、367位のSNP(グアニン>アデニン)も観察される。
【0034】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号39の配列上に存在し、配列番号39に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの207位~315位の109bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号39)において欠失している。ここで、配列番号39を配列番号40と比較すると、配列番号39に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの33位のSNP(チミン>アデニン)、37位のSNP(アデニン>グアニン)、48位のSNP(アデニン>シトシン)、66位のSNP(グアニン>シトシン)、67位のSNP(アデニン>グアニン)、84位のSNP(チミン>シトシン)、87位のSNP(シトシン>チミン)、107位のSNP(グアニン>シトシン)、331位のSNP(チミン>シトシン)、340位のSNP(チミン>シトシン)も観察される。
【0035】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号41の配列上に存在し、配列番号41に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの278位~432位の155bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号42)において欠失している。また、配列番号41に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの同位置に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号42)において、配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の18bpが挿入されている。ここで、配列番号41を配列番号42と比較すると、配列番号41に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの444位のSNP(チミン>グアニン)、451位のSNP(シトシン>チミン)、467位のSNP(チミン>アデニン)、502位のSNP(グアニン>チミン)、510位のSNP(シトシン>チミン)、512位のSNP(チミン>グアニン)、517位のSNP(チミン>シトシン)、539位のSNP(アデニン>グアニン)、540位のSNP(シトシン>グアニン)も観察される。
【0036】
さらなるインデルは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号43の配列上に存在し、配列番号43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの603位~746位の144bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号44)において欠失している。また、配列番号43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの同位置に、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号44)において、配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の423bpが挿入されている。また、配列番号43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの412位、414位、460位、470位、569位の各1bpがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号44)において欠失している。また、配列番号43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの473位~477位の5bp、481位~483位の3bpが、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号44)において欠失している。ここで、配列番号43を配列番号44と比較すると、配列番号43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの100位のSNP(グアニン>チミン)、210位のSNP(アデニン>グアニン)、228位のSNP(アデニン>グアニン)、298位のSNP(チミン>アデニン)、412位のSNP(アデニン>シトシン)、421位のSNP(チミン>シトシン)、439位のSNP(グアニン>アデニン)、452位のSNP(シトシン>アデニン)、461位のSNP(チミン>アデニン)、463位のSNP(シトシン>アデニン)、464位のSNP(アデニン>チミン)、485位のSNP(シトシン>チミン)、493位のSNP(アデニン>グアニン)、494位のSNP(グアニン>アデニン)、495位のSNP(チミン>アデニン)、496位のSNP(グアニン>アデニン)、502位のSNP(アデニン>グアニン)、503位のSNP(チミン>アデニン)、505位のSNP(グアニン>アデニン)、516位のSNP(アデニン>グアニン)、530位のSNP(アデニン>グアニン)、532位のSNP(グアニン>アデニン)、541位のSNP(グアニン>アデニン)、、542位のSNP(シトシン>チミン)、544位のSNP(チミン>シトシン)、549位のSNP(グアニン>アデニン)、553位のSNP(シトシン>チミン)、554位のSNP(シトシン>チミン)、577位のSNP(チミン>シトシン)、748位のSNP(シトシン>チミン)、774位のSNP(グアニン>アデニン)、775位のSNP(グアニン>チミン)、779位のSNP(アデニン>チミン)、790位のSNP(グアニン>アデニン)も観察される。
【0037】
表3に示されるように、ユーストマ・グランディフロラム‘紫盃’とユーストマ・エグザルタトゥム‘大川1号’のQTL解析により見出された1又は複数のSNPの一つは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号4の配列上に存在し、配列番号4に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの100位のシトシンがユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号10)においてチミンである。また、もう一つのゲノムDNAは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号5の配列上に存在し、配列番号5に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの37位のアデニン及び38位のグアニンが、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号11)において、それぞれチミン及びアデニンである。さらに、もう一つのゲノムDNAは、ユーストマ・グランディフロラムの配列番号6の配列上に存在し、配列番号6に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの8位のシトシン、40位のグアニン、53位のシトシン及び100位のチミンが、ユーストマ・エグザルタトゥムの対応する配列(配列番号12)において、順にアデニン、アデニン、チミン及びシトシンである。
【0038】
本明細書において、配列同一性は、例えば、少なくとも75%、80%、85%、88%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるか、又は100%であってもよい。
【0039】
<フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法>
本実施形態に係る、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を判別する方法(以下「本判別方法」ともいう)は、被検トルコギキョウ植物が、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含む。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
【0040】
被験トルコギキョウ植物とは、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であるか否か判別する対象となるトルコギキョウ植物を意味する。
【0041】
なお、上記(1)~(19)の条件を満たすか否かについては、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列全体を調べる必要がある訳ではなく、あくまでも配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43に記載の塩基配列からなるゲノムDNAに対応するDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型か否かを判断できればよい。例えば、表2に示し、また後述する特定のインデルが存在しているか否かで(1)~(3)及び(7)~(19)の各条件を満たすか判断する場合、特定のインデルが存在していれば(1)~(3)及び(7)~(19)の各条件を満たすと判断できるため、配列番号1~3、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかに記載の塩基配列からなるゲノムDNAに対応するDNA全体を調べる必要はなく、インデルの有無のみの調査で足りる。また、例えば、表2及び3に示し、また後述する特定のSNPが存在しているか否かで(1)~(19)の各条件を満たすか判断する場合、特定のSNPが存在していれば(1)~(19)の各条件を満たすと判断できるため、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のいずれかに記載の塩基配列からなるゲノムDNAに対応するDNA全体を調べる必要はなく、SNPの有無のみの調査で足りる。また、インデルの有無とSNPの有無を組み合わせて調査してもよい。
【0042】
被験トルコギキョウ植物は、ユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物であってもよい。ユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物として、例えば、ユーストマ・エグザルタトゥムを使用して交配により作出した交配後代植物、ユーストマ・エグザルタトゥムを使用して葯培養により作出した半数体を倍加した植物、及びユーストマ・エグザルタトゥムを使用して遺伝子組み換え技術等により作出した植物等が挙げられる。
【0043】
本判別方法は、相同染色体上の2箇所において、上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、前記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別することを含むものであってもよい。この場合、当該交配後代トルコギキョウ植物は、上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすゲノムDNAをホモ型に有することになる。
【0044】
本判別方法は、被検トルコギキョウ植物が、上記(1)~(19)からなる群から選択される2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、8以上、10以上、13以上、15以上、17以上又はすべての条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別するものであってもよい。
【0045】
また、本判別方法は、上記(1)~(19)の条件のうち、上記(1)~(3)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別するものであってもよく、上記(4)~(6)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別するものであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0046】
また、本判別方法は、上記(1)~(3)に加え、(7)の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別するものであってもよい。また、本判別方法は、上記(4)~(5)に加え、(7)の条件を満たす場合に、上記被検トルコギキョウ植物を、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であると判別するものであってもよい。これにより強い抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0047】
配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列番号に示される配列に対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、上述したユーストマ・グランディフロラムとユーストマ・エグザルタトゥムの差異(表2及び表3参照)に基づき、ユーストマ・エグザルタトゥムにより近いことを意味する。
【0048】
ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、具体的には、例えば、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、及び配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することが挙げられる。ここで配列同一性は、少なくとも75%、85%、88%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるか、又は100%であってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0049】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号1における56~157位の塩基が欠失していること、配列番号2における174~213位の塩基が欠失していること、配列番号3における139~154位の塩基が欠失していること、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していること、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける152位~153位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基が挿入されていること、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていること、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していること、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していること、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していること、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していること、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていること、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していること、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していること、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていること、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0050】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約105bp(例えば、100~107bp)短いこと、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約38bp(例えば、35~40bp)短いこと、配列番号3のゲノムDNAに対応する配列が約16bp(例えば、13~17bp)短いこと、配列番号19のゲノムDNAに対応する配列が約93bp(例えば、90~95bp)長いこと、配列番号19のゲノムDNAに対応する配列が約11bp(例えば、9bp~13bp)長いこと、配列番号21のゲノムDNAに対応する配列が約52bp(例えば、50bp~55bp)短いこと、配列番号23のゲノムDNAに対応する配列が約308bp(例えば、300bp~312bp)短いこと、配列番号23のゲノムDNAに対応する配列が約28bp(例えば、25bp~31bp)長いこと、配列番号25のゲノムDNAに対応する配列が約99bp(例えば、95bp~104bp)長いこと、配列番号27のゲノムDNAに対応する配列が約53bp(例えば、50bp~56bp)短いこと、配列番号29のゲノムDNAに対応する配列が約80bp(例えば、77bp~83bp)短いこと、配列番号31のゲノムDNAに対応する配列が約94bp(例えば、91bp~97bp)短いこと、配列番号33のゲノムDNAに対応する配列が約172bp(例えば、168bp~175bp)短いこと、配列番号35のゲノムDNAに対応する配列が約286bp(例えば、280bp~294bp)長いこと、配列番号37のゲノムDNAに対応する配列が約38bp(例えば、35bp~41bp)短いこと、配列番号39のゲノムDNAに対応する配列が約109bp(例えば、106bp~112bp)短いこと、配列番号41のゲノムDNAに対応する配列が約137bp(例えば、132bp~142bp)短いこと、配列番号43のゲノムDNAに対応する配列が約266bp(例えば、260bp~272bp)長いことであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。上記の各配列が特定の長さ分短いこと又は長いことは、各配列のインデルの合計が特定の長さであることを表す。すなわち、例えば、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約102bp(例えば、100~107bp)短いことは、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAにおけるインデル(この場合は欠失)が約105bpであることを意味する。
【0051】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であることを、表2において示したSNPに基づき決定してもよく、例えば、配列番号1に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの52位の塩基がシトシンであること、配列番号2に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの245位がアデニンであり、且つ/又は249位の塩基がシトシンであること、並びに配列番号3に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの56位がチミンであり、且つ/又は159位の塩基がグアニンであることであってもよい。また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であることを、上述したインデルとSNPを組み合わせて決定してもよい。
【0052】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号10の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有すること、配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号11の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有すること、及び配列番号6のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号12の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有することことが挙げられる。また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号4における100位の塩基がチミンであること、配列番号5における37位の塩基がチミンであり、且つ/又は38位の塩基がアデニンであること、並びに、配列番号6における8位の塩基がアデニンであり、且つ/又は40位の塩基がアデニンであり、且つ/又は53位の塩基がチミンであり、且つ/又は100位の塩基がシトシンであることであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0053】
配列番号1~6の各配列番号に示される配列のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法としては、当業者が通常用いる方法を用いることができるが、後述するインデル、一塩基多型(SNP)に基づく方法の他に、例えば、対応するゲノムDNAに対するプローブを用いてハイブリダイゼーションを行う方法、及び対応するゲノムDNAをクローニングし、ユーストマ・エグザルタトゥムの配列と比較する方法等が挙げられる。
【0054】
インデルに基づく方法としては、上述した方法以外に、例えば、欠失及び/又は挿入を挟み込むように設計されたプライマーセットを用いたPCR法によって増幅したDNA断片の長さに基づき、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否か、及び/又は配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法が挙げられる。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より簡便に効率的よく判別することができる。各プライマーセットを用いて増幅したDNA断片の長さがより短い又はより長いとユーストマ・エグザルタトゥム型であると決定することができる。より具体的には、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約102bp(例えば、100~105bp)短いこと、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約38bp(例えば、35~38bp)短いこと、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約16bp(例えば、13~16bp)短いことにより、ユーストマ・エグザルタトゥム型であると決定することができる。他の各配列が特定の長さ分短いこと又は長いことについては、上述したとおりであり、その情報も当然使用することができる。PCR法により増幅することは、例えば、被験トルコギキョウ植物からDNA抽出し、そのDNAを鋳型として各プライマーセットを用いてPCR法によりDNA断片を増幅することであってよい。増幅したDNA断片の長さは、例えば、アガロースゲル電気泳動により確認できる。増幅したDNA断片の長さは、例えば、分子量マーカーとの比較により確認するができる。また、例えば、ユーストマ・グランディフロラム及び/又はユーストマ・エグザルタトゥムの対応するゲノムDNAの増幅断片を対照として共に電気泳動し、増幅断片の長さを比較することにより、インデルの有無を判断することもできる。
【0055】
プライマーセットは、インデル(欠失及び/又は挿入)を挟み込むように設計され、且つ増幅したDNA断片の長さによりインデルの有無が検出できるものであればよく、各配列番号1~3、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43上に存在する配列に基づくものであってもよいが、基づかないものであってもよい。また、プライマーは、オリゴヌクレオチドプライマーであってよく、各プライマーの長さも特に制限されないが、例えば、18bp~35bp、20bp~30bp又は20bp~25bpであってもよい。例えば、プライマーセットは、表2のIDE756_180Fの欠失を挟み込むが、配列番号1よりも広いゲノムDNAを増幅するように設計されてもよい。また、プライマーセットは、1種のフォワードプライマー及び1種のリバースプライマーを含むプライマー対に限られず、例えば、2種のフォワードプライマー及び1種リバースプライマーを含むものであってもよい。フォワードプライマーは、インデルの5’側、リバースプライマーがインデルの3’側に設計されてもよい。プライマーセットは、インデルのすぐ上流及び下流に設計する必要はなく、インデル部分を含む領域を増幅するものであればよく、例えば、ユーストマ・グランディフロラムのゲノムにおける50~800bp、100~500bp又は150~400bpのDNA断片を増幅するものであってもよい。また、例えば、プライマーセットは、配列番号1における56~157位の塩基の欠失、配列番号2における174~213位の塩基の欠失、又は配列番号3における139~154位の塩基の欠失を挟み込むように設計され、ユーストマ・グランディフロラムのゲノムにおける50~1200bp、100~800bp、200bp~700bp又は150~400bpのDNA断片を増幅するものであってもよい。
【0056】
このようなプライマーセットの一例としては、表2のIDE756_180Fの欠失を挟み込むフォワードプライマーAGTTTGCTTCCAGTGAGACCTC(配列番号13)及びリバースプライマーAGCAAAGGCAATGTGATTGTGG(配列番号14)、表2のIDE934_147Fの欠失を挟み込むフォワードプライマーCAGAAGATGACGAGGCATACCA(配列番号15)及びリバースプライマーGGCCAGATCGTTTCGCAATC(配列番号16)、並びに、表2のIDE965_187Fの欠失を挟み込むフォワードプライマーGTCACGAGTTCAAGCTGCGAA(配列番号17)及びリバースプライマーATACAAAGGACGCTCCCGTAG(配列番号18)が挙げられる。これらは、それぞれがトルコギキョウ植物において、配列番号1、2及び3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAを特異的に増幅することができるプライマーセットでもある。例えば、上記配列番号13~18に記載の各塩基配列と99%以上、98%以上、97%以上、95%以上、90%以上、85%以上又は80%以上の配列相同性を有するヌクレオチド配列を含むプライマーを使用してもよい。
【0057】
SNPに基づく方法として、上述した方法以外に、例えば、増幅断片多型法(RAPD法)、制限酵素切断断片長多型法(RFLP法)、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)法、SSLP(simple sequence length polymorphism)法、増幅断片長多型法(AFLP法)及びSSCP(Single-stranded conformation polymorphism)法等が挙げられる。既知のSNPに基づいて判別する方法としては、当業者が通常用いる方法を用いることができるが、例えば、SSR(Simple sequence repeat)マーカー及びSNPマーカー等のDNAマーカーを使用した方法が挙げられる。DNAマーカーを使用する場合には、既知のSNPを含むゲノムDNAの配列に基づいて適宜プライマー/プローブを設計し、例えば、蛍光標識したプローブによりSNPの塩基タイプを確認する方法、PCR等のDNA増幅法により増幅の有無を確認する方法、及び増幅産物を特定の制限酵素により処理した際の切断の有無を確認する方法(CAPSマーカー等)が挙げられる。増幅産物を特定の制限酵素により処理する場合であって、SNPが制限酵素認識部位に含まれない場合には、制限酵素認識部位を付加するdCAPS(Derived Cleaved Amplified Polymorphic Sequences)マーカーのプライマーを設計して使用してもよい。
【0058】
本判別方法により、上記ゲノムDNAにおける違いに基づき、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を効率的に判別することができる。
【0059】
本発明は、一実施形態として、上記の本判別方法において、配列番号1~6のゲノムDNAのゲノムDNAのいずれかに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカーも提供する。マーカーは、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を選抜するための選抜マーカーであってもよい。
【0060】
このようなマーカーとしては、例えば、上述した配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列番号に示される配列のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法に用いることができるプライマー(セット)、及びプローブ等を挙げることができる。具体的には、例えば、対応するゲノムDNAに対するプローブを用いてハイブリダイゼーションによりユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法におけるプローブ、インデル(欠失及び/又は挿入)を挟み込むように設計されたプライマーセット、SNPの塩基タイプを確認するためのプローブ、SNPの有無をDNA増幅法による増幅の有無により確認するためのプライマーのセット、並びにDNA増幅法による増幅産物を特定の制限酵素により処理した際の切断の有無によりSNPの有無を確認するためのdCAPSマーカー等が挙げられる。
【0061】
また、このようなマーカー又はマーカーのセットを、上記の本判別方法において、被検トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であるか否かを判別するためのマーカー又はマーカーのセットとすることもできる。
【0062】
このようなマーカー又はマーカーのセットとしては、例えば、
配列番号1における56~157位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号2における174~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号3における139~154位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間における、配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける260位~569位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間における、配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位における配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位における配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位における配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位における配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基の挿入を挟み込むように設計されたプライマーセット、
配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位の塩基の欠失を挟み込むように設計されたプライマーセット、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0063】
本実施形態に係るマーカーにおける具体的な態様等は、本判別方法の欄を含む、上述した具体的な態様等を制限なく適用できる。
【0064】
<フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する方法>
本実施形態に係る、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する方法(以下「本作出方法」ともいう)は、ユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム・ソラニーによる立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物において、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、当該交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含む。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合には、当該交配後代トルコギキョウ植物が、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を示す可能性が高いからである。
【0065】
交配後代トルコギキョウ植物は、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物との交配により得られた雑種第1代(F)であってもよく、さらなる交配により得られた雑種第2代(F)以降の植物、例えば、F、Fであってもよく、例えば、Fを罹病性であるトルコギキョウ植物と戻し交配をした第1代(BC)であってもよく、さらに戻し交配をした第2代(BC)以降の植物であってもよい。
【0066】
フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるユーストマ・グランディフロラムと抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥムとの雑種第1代は、ユーストマ・グランディフロラムのゲノムDNAとユーストマ・エグザルタトゥムのゲノムDNAをヘテロ型に有するが、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を示す。
【0067】
本作出方法は、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物と、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥム又はユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物を交配することを含んでもよい。
【0068】
フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物としては、例えば、ユーストマ・エグザルタトゥムを使用して交配により作出した交配後代植物、ユーストマ・エグザルタトゥムを使用して葯培養により作出した半数体を倍加した植物、及びユーストマ・エグザルタトゥムを使用して遺伝子組み換え技術等により作出した植物等であって、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を示す植物が挙げられる。
【0069】
フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物は、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるユーストマ属植物であれば特に限定されないが、例えば、ユーストマ・グランディフロラム又はユーストマ・グランディフロラムに由来する植物が挙げられる。罹病性のトルコギキョウ植物品種としては、例えば、ユーストマ・グランディフロラム‘紫盃’、‘ミンク’、‘ボレロホワイト’等が挙げられる。フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるユーストマ・グランディフロラムに由来する植物としては、例えば、ユーストマ・グランディフロラムを使用して交配により作出した交配後代植物、ユーストマ・グランディフロラムを使用して葯培養により作出した半数体を倍加した植物、及びユーストマ・グランディフロラムを使用して遺伝子組み換え技術等により作出した植物等であって、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性である植物が挙げられる。
【0070】
本作出方法は、交配後代トルコギキョウ植物において、相同染色体上の2箇所において、上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合に、当該交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含むものであってもよい。この場合、当該交配後代トルコギキョウ植物は、上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすゲノムDNAをホモ型に有することになる。このような交配後代トルコギキョウ植物を作出する方法としては、例えば、上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすゲノムDNAを有する雄親及び同様の条件を満たすゲノムDNAを有する雌親を用いた交配により得られた後代トルコギキョウ植物からマーカー等を用いて選抜する方法、並びに上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすゲノムDNAを有する植物から葯培養により上記ゲノムDNAを有する半数体を作出し、倍化する方法等が挙げられる。
【0071】
本作出方法は、交配後代トルコギキョウ植物において、上記(1)~(19)からなる群から選択される2以上、3以上、4以上、5以上又はすべての条件を満たす場合に、当該交配後代トルコギキョウ植物を選抜することを含んでもよい。
【0072】
また、本作出方法は、上記(1)~(19)の条件のうち、上記(1)~(3)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜するものであってもよく、上記(4)~(6)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜するものであってもよい。これにより抵抗性を示す交配後代トルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく選抜することができる。
【0073】
また、本作出方法は、上記(1)~(3)に加え、(7)の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜するものであってもよい。また、本作出方法は、上記(4)~(5)に加え、(7)の条件を満たす場合に、上記交配後代トルコギキョウ植物を選抜するものであってもよい。これにより強い抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく選抜することができる。
【0074】
配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列番号に示される配列のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、上述したユーストマ・グランディフロラムとユーストマ・エグザルタトゥムの差異に基づき、ユーストマ・エグザルタトゥムにより近いことを意味する(表2及び表3参照)。
【0075】
ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、具体的には、例えば、配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号7の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号8の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号9のゲノムDNAの配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であることが、配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号20の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号22の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号24の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号26の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号28の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号30の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号32の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号34の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号36の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号38の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号40の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号42の配列と少なくとも90%の配列同一性を有すること、及び配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号44の配列と少なくとも90%の配列同一性を有することが挙げられる。ここで配列同一性は、少なくとも75%、85%、88%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるか、又は100%であってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく選抜することができる。
【0076】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号1のゲノムDNAにおける56~157位の塩基が欠失していること、配列番号2における174~213位の塩基が欠失していること、配列番号3のゲノムDNAにおける139~154位の塩基が欠失していること、配列番号19のゲノムDNAにおける330位~331位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの328位~420位の塩基が挿入されていること、配列番号19のゲノムDNAにおける391位~392位間に配列番号20に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの481位~491位の塩基が挿入されていること、配列番号19のゲノムDNAにおける78位~80位の塩基が欠失していること、配列番号21のゲノムDNAにおける240位~291位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける260位~535位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける538位~569位の塩基が欠失していること、配列番号23のゲノムDNAにおける165位~166位間に配列番号24に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの166位~193位の塩基が挿入されていること、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位の塩基が欠失していること、配列番号25のゲノムDNAにおける78位~190位において配列番号26に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの79位~290位の塩基が挿入されていること、配列番号27のゲノムDNAにおける83位~135位の塩基が欠失していること、配列番号29のゲノムDNAにおける124位~203位の塩基が欠失していること、配列番号31のゲノムDNAにおける247位~340位の塩基が欠失していること、配列番号33のゲノムDNAにおける171位~342位の塩基が欠失していること、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位の塩基が欠失していること、配列番号35のゲノムDNAにおける198位~342位に配列番号36に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの197位~627位の塩基が挿入されていること、配列番号37のゲノムDNAにおける176位~213位の塩基が欠失していること、配列番号39のゲノムDNAにおける207位~315の塩基が欠失していること、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位の塩基が欠失していること、配列番号41のゲノムDNAにおける278位~432位に配列番号42に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの276位~293位の塩基が挿入されていること、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位の塩基が欠失していること、配列番号43のゲノムDNAにおける603位~746位に配列番号44に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの589位~1011位の塩基が挿入されていること、配列番号43のゲノムDNAにおける473位~477位が欠失していることでであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。
【0077】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約105bp(例えば、100~107bp)短いこと、配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約38bp(例えば、35~40bp)短いこと、配列番号3のゲノムDNAに対応する配列が約16bp(例えば、13~17bp)短いこと、配列番号19のゲノムDNAに対応する配列が約93bp(例えば、90~95bp)長いこと、配列番号19のゲノムDNAに対応する配列が約11bp(例えば、9bp~13bp)長いこと、配列番号21のゲノムDNAに対応する配列が約52bp(例えば、50bp~55bp)短いこと、配列番号23のゲノムDNAに対応する配列が約308bp(例えば、300bp~312bp)短いこと、配列番号23のゲノムDNAに対応する配列が約28bp(例えば、25bp~31bp)長いこと、配列番号25のゲノムDNAに対応する配列が約99bp(例えば、95bp~104bp)長いこと、配列番号27のゲノムDNAに対応する配列が約53bp(例えば、50bp~56bp)短いこと、配列番号29のゲノムDNAに対応する配列が約80bp(例えば、77bp~83bp)短いこと、配列番号31のゲノムDNAに対応する配列が約94bp(例えば、91bp~97bp)短いこと、配列番号33のゲノムDNAに対応する配列が約172bp(例えば、168bp~175bp)短いこと、配列番号35のゲノムDNAに対応する配列が約286bp(例えば、280bp~294bp)長いこと、配列番号37のゲノムDNAに対応する配列が約38bp(例えば、35bp~41bp)短いこと、配列番号39のゲノムDNAに対応する配列が約109bp(例えば、106bp~112bp)短いこと、配列番号41のゲノムDNAに対応する配列が約137bp(例えば、132bp~142bp)短いこと、配列番号43のゲノムDNAに対応する配列が約266bp(例えば、260bp~272bp)長いことであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく判別することができる。上記の各配列が特定の長さ分短いこと又は長いことは、各配列のインデルの合計が特定の長さであることを表す。すなわち、例えば、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAが約102bp(例えば、100~107bp)短いことは、配列番号1のゲノムDNAのゲノムDNAに対応するゲノムDNAにおけるインデル(この場合は欠失)が約105bpであることを意味する。
【0078】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であることを、表2において示したSNPに基づき決定してもよく、例えば、配列番号1に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの52位の塩基がシトシンであること、配列番号2に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの245位がアデニンであり、且つ/又は249位の塩基がシトシンであること、並びに配列番号3に記載の塩基配列からなるゲノムDNAの56位がチミンであり、且つ/又は159位の塩基がグアニンであることであってもよい。また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であることを、上述したインデルとSNPを組み合わせて決定してもよい。
【0079】
また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号10の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有すること、配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号11の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有すること、及び配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが配列番号12の配列と99%以上又は100%の配列同一性を有することことが挙げられる。また、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるとは、例えば、配列番号4における100位の塩基がチミンであること、配列番号5における37位の塩基がチミンであり、且つ/又は38位の塩基がアデニンであること、並びに、配列番号6における8位の塩基がアデニンであり、且つ/又は40位の塩基がアデニンであり、且つ/又は53位の塩基がチミンであり、且つ/又は100位の塩基がシトシンであることであってもよい。これにより抵抗性を示すトルコギキョウ植物を、より効率的に精度よく選抜することができる。
【0080】
配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列番号に示される配列のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法に関しては、上述したとおりである。
【0081】
トルコギキョウ植物の交配方法は特に限定されることなく、当業者が通常用いる方法により行うことができる。フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物を雄親として、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥム又はユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物を雌親としてもよく、逆でもよい。また、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物と、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性であるユーストマ・エグザルタトゥム又はユーストマ・エグザルタトゥムに由来する植物を交配することは、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を作出する過程でいずれかの段階で行われていればよく、最初の交配である必要はない。
【0082】
また、当該交配後代トルコギキョウ植物を選抜した後、さらに交配をしてもよい。例えば、より優れた形質を有する交配後代植物を得るために、例えば、近親交配、戻し交配及び連続戻し交配等を行ってもよい。例えば、ユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるユーストマ属植物(例えば、ユーストマ・グランディフロラム)の交配後代植物について、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対する抵抗性を示す植物体を選抜しながら罹病性であるユーストマ属植物との戻し交配を行うことで、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対する抵抗性を有しつつ、形質は罹病性であるユーストマ属植物により近い交配後代植物を得ることができる。
【0083】
本作出方法は、交配後代トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対する抵抗性を有するか否かを判定することをさらに含んでもよい。本作出方法によれば、上記ゲノムDNAにおける違いに基づき、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)によるトルコギキョウ立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を選抜することができる。したがって、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)を接種する必要はないが、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)を接種することにより交配後代トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対する抵抗性を有するか否かを確認することを妨げるものではない。例えば、交配後代トルコギキョウ植物を人工的にフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)に感染させ、同様にフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)に感染させた罹病性のトルコギキョウ植物(例えば、ユーストマ・グランディフロラム)(Mock)と比較して、発病の程度(例えば、表1の発病指数又は発病株率)が弱まれば抵抗性を示し、発病の程度が同等であれば抵抗性を有さない(罹病性である)と確認する方法が挙げられる。
【0084】
本作出方法により、上記ゲノムDNAにおける違いに基づき、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物と抵抗性であるトルコギキョウ植物の交配後代植物から、抵抗性を示すトルコギキョウ植物を効率的に選抜することができる。
【0085】
本作出方法における具体的な態様等は、上述した具体的な態様等を制限なく適用できる。
【0086】
本発明は、一実施形態として、上記の本作出方法において、配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43のゲノムDNAのいずれかに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定するためのマーカーも提供する。マーカーは、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物を選抜するための選抜マーカーであってもよい。
【0087】
このようなマーカーとしては、例えば、上述した配列番号1~6、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41及び43の各配列番号に示される配列のゲノムDNAに対応するゲノムDNAが、ユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法に用いることができるプライマー(セット)、及びプローブ等を挙げることができる。具体的には、例えば、対応するゲノムDNAに対するプローブを用いてハイブリダイゼーションによりユーストマ・エグザルタトゥム型であるか否かを決定する方法におけるプローブ、インデルを挟み込むように設計されたプライマーセット、SNPの塩基タイプを確認するためのプローブ、SNPの有無をDNA増幅法による増幅の有無により確認するためのプライマーのセット、並びにDNA増幅法による増幅産物を特定の制限酵素により処理した際の切断の有無によりSNPの有無を確認するためのdCAPSマーカー等が挙げられる。
【0088】
また、このようなマーカー又はマーカーのセットを、上記の本作出方法において、被検トルコギキョウ植物がフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に抵抗性を示すトルコギキョウ植物であるか否かを判別するためのマーカー又はマーカーのセットとすることもできる。
【0089】
本実施形態に係るマーカーにおける具体的な態様等は、本判別方法の欄を含む、上述した具体的な態様等を制限なく適用できる。
【0090】
<特定の条件を満たす、ユーストマ・エグザルタトゥムと罹病性トルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物>
本発明は、一実施形態として、ユーストマ・エグザルタトゥム(Eustoma exaltatum)とフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物であって、相同染色体上の少なくとも1箇所において、以下の(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たすトルコギキョウ植物も提供する。
(1)配列番号1のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(2)配列番号2のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(3)配列番号3のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(4)配列番号4のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(5)配列番号5のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(6)配列番号6のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(7)配列番号19のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(8)配列番号21のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(9)配列番号23のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(10)配列番号25のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(11)配列番号27のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(12)配列番号29のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(13)配列番号31のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(14)配列番号33のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(15)配列番号35のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(16)配列番号37のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(17)配列番号39のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(18)配列番号41のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
(19)配列番号43のゲノムDNAに対応するゲノムDNAがユーストマ・エグザルタトゥム型である
【0091】
当該交配後代トルコギキョウ植物は、人工的に交配により作出されたトルコギキョウ植物である。上記(1)~(19)からなる群から選択される1以上の条件を満たす場合には、当該交配後代トルコギキョウ植物は、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を示す可能性が高い。したがって、当該交配後代トルコギキョウ植物は、フザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して抵抗性を示す、あるいは抵抗性であるトルコギキョウ植物であってもよい。
【0092】
本実施形態において、交配後代トルコギキョウ植物は、上記(1)~(19)からなる群から選択される2以上、3以上、4以上、5以上又はすべての条件を満たすものであってもよい。
【0093】
また、実施形態において、交配後代トルコギキョウ植物は、上記(1)~(19)の条件のうち、上記(1)~(3)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たすものであってもよく、上記(4)~(6)からなる群から選択される1以上、2以上又はすべての条件を満たすものであってもよい。
【0094】
また、交配後代トルコギキョウ植物は、上記(1)~(3)に加え、(7)の条件を満たすものであってもよい。また、交配後代トルコギキョウ植物は、上記(4)~(5)に加え、(7)の条件を満たすものであってもよい。このような交配後代トルコギキョウ植物はより強い抵抗性を示すことが期待される。
【0095】
ユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物は、雑種第1代(F)であってもよく、さらなる交配により得られた雑種第2代(F)以降の植物、例えば、F、Fであってもよく、例えば、Fを罹病性であるトルコギキョウ植物と戻し交配をした第1代(BC)であってもよく、さらに戻し交配をした第2代(BC)以降の植物であってもよい。
【0096】
ユーストマ・エグザルタトゥムとフザリウム属菌(例えば、フザリウム・ソラニー)による立枯病に対して罹病性であるトルコギキョウ植物の交配後代トルコギキョウ植物については、上述したとおりである。また、本実施形態における具体的な態様等は、本判別方法及び本作出方法の欄を含む、上述した具体的な態様等を制限なく適用できる。
【実施例
【0097】
トルコギキョウゲノム情報を利用したフザリウム・ソラニー病害抵抗性遺伝因子の解析を以下のように行った。
【0098】
(1)病害抵抗性の異なる系統を両親とした分離集団における病害抵抗性検定
トルコギキョウ生産圃場で立枯病を発症した個体から分離したフザリウム・ソラニーに対し極強の抵抗性を示すトルコギキョウ野生種‘大川一号’と、極弱の抵抗性を示す固定自殖系統‘紫盃’を材料に、病害抵抗性を司る因子の遺伝性解析を行った。両系統を両親とする分離集団における病害抵抗性をフザリウム・ソラニーの接種検定により評価し、抵抗性の優劣性を明らかにした。
【0099】
接種検定は以下のように行った。水耕装置(ホームハイポニカSarah,協和(株))に抵抗性分離集団を定植し、約3週間後に注射針で株元2箇所に針刺し付傷処理後に、菌濃度1×10~1×10個/mLのフザリウム・ソラニーMAFF712388菌懸濁液を1mL/株ずつ株元灌注する方法で接種を行った。菌接種後1週間毎に発病程度を調査し、発病度、発病株率を算出した(表4)
【0100】
【表4】
【0101】
水耕措置を用いたトルコギキョウ立枯病(フザリウム・ソラニー)抵抗性検定法により、固定系統・品種のユーストマ・グランディフロラム‘紫盃’、ユーストマ・エグザルタトゥム‘大川1号’及びそのF、F系統における抵抗性評価を行ったところ、‘大川1号’は抵抗性(発病株率0%)、‘紫盃’は罹病性(発病株率90%)、そのF系統は抵抗性(発病株率0%)であり、F系統では抵抗性が分離した。‘大川1号’の抵抗性には遺伝性があり、優性の抵抗性遺伝子が存在することが示唆された。Fの同一個体について抵抗性評価を反復実施するために、挿し芽増殖によるF検定材料の育苗法を確立し、F系統の接種試験を実施し、F抵抗性解析集団における各個体毎の抵抗性の分離を明らかにした。
【0102】
候補遺伝子座両領域を絞り込むには多くの組み替え個体が必要であるため、2年目には新たにF系統191個体についてフザリウム・ソラニー山形菌株に対する病害抵抗性を評価した。F系統191個体における発病程度別個体数は、無発病(発病指数0)から枯死(発病指数4)と広く分離した。F系統では発病度、発病株率ともに、Fの両親の中間の値を示した。
【0103】
繰り返されたさし穂によるQTL解析は、回数が増えるにつれ困難であると考えられたため、挿し穂ではなく実質的に同質と思われる実生苗を得るために作出してきた組替え自殖系統Recombinant inbred line(RILs)での抵抗性検定を行った。RILsは、遺伝子座乗領域同定を達成するために、ユーストマ・グランディフロラム系統‘紫盃’×ユーストマ・エグザルタトゥム野生種‘大川1号’雑種を繰り返し自殖させたものである。
【0104】
同質な遺伝的背景を持つRILs個体を1組あたり20個体ずつ定植し、10組200個体に病原菌を接種した。全組について非接種区は発病度が0で推移した、接種区は、接種後60日目には、病害抵抗性に大きな開きが確認された。
【0105】
(2)病害抵抗性の異なる系統を両親とした分離集団を利用した病害抵抗性に関与する遺伝子領域のゲノム座乗位置の同定
極弱の抵抗性を示す固定自殖系統‘紫盃’は、現在流通しているトルコギキョウ品種(ユーストマ・グランディフロラム)とのゲノム共通性が高いと予想されている。一方でフザリウム・ソラニーに対し極強の抵抗性を示すユーストマ・エグザルタトゥム野生種‘大川1号’のゲノムはユーストマ・グランディフロラムに対し多くの遺伝的多型をもつと考えられる。病害抵抗性遺伝子座の同定の第一歩として、両系統間のDNA多型を同定した。
【0106】
多検体遺伝子型検定が容易なインデル(Indel;Insersion/deletion)を情報解析により探索し、‘紫盃’‘大川1号’間で10bp以上の違いがあるインデルを同定した。そのうち、現在のリファレンスゲノムを構成する943個のコンティグに散在するインデルを1つのコンティグあたり1つずつ抽出し多型検出するためのプライマーを設計した。
【0107】
設計したプライマーセットについて‘紫盃’‘大川1号’のゲノムを鋳型にPCR増幅し、両系統間の多型をアガロースゲル電気泳動で確認した結果、多型を示すセットが多く確認され、そのうち330組のインデルマーカーについては雑種第二代においても安定的に増幅され多型を示した。
【0108】
次にRAD-Seq解析により‘紫盃’‘大川1号’F分離集団の多検体それぞれについて得ていたゲノム上に散在する制限酵素認識部位からの短鎖配列情報の中から、分離比の歪みのないマーカーを選抜し、短期間低コストかつ高い正確性で‘紫盃’ב大川1号’交雑分離集団でのDNA多型解析を行った。
【0109】
その結果、96個体以上の雑種第二代でタイピングが可能だった1479マーカー、86個体以上の雑種第二代でタイピングが可能だった2480マーカー、76個体以上の雑種第二代でタイピングが可能だった3019マーカーを得た。
【0110】
これらの結果と発病度の結果を用いてQTL解析を行った結果、大川1号がもつ抵抗性遺伝子座の1つはコンティグ番号187F_pilon近傍に座乗していることが示唆された(LOD値 5.05,p<0.05で有意差あり)。また、147F_pilion及び180F_pilion(両コンティグは同一連鎖群に含まれる)間の領域にも抵抗性差異に関与する領域の存在が示唆された。
【0111】
(3)SNP遺伝子型と発病指数の関係の解析
これらの領域を解析したところ、下記の表に示すように、それぞれ1~4個のSNPを有する領域であることが分かった。
【0112】
【表5】
【0113】
第一回集団(実生春実験)と2480マーカーを用いたQTL解析により得られたこれらの遺伝子型と発病指数を図1に示す。遺伝子型Aは紫盃タイプ、遺伝子型Bは大川1号タイプ、遺伝子型Hはヘテロタイプを示す。
【0114】
また、3座SNP(180Fpil_584498、147Fpil_3163121、187Fpil_1,651,751)すべてが紫盃タイプであるF2(F2_AAA)、3座すべてがヘテロタイプであるF2(F2_HHH)、3座すべてが大川1号タイプであるF2(F2_BBB)の発病指数を、紫盃及び大川1号と比較した結果を図2に示す。
【0115】
雑種第二代第一集団のさし穂増殖により繰り返し試験を行なった試験の中で、安定して抵抗性だった系統を「極強系統」、安定して罹病した系統を「極弱系統」としてそれぞれ6系統ずつについて全ゲノムリシーケンスを行なった。それら情報からゲノム全体の8割以上を網羅するカバー率のコンティグ群に含まれるインデル多型を検出し検証した結果、遺伝子型分離と抵抗性強弱が概ね一致した位置は、QTL解析で同定した候補領域と一致した。
【0116】
第一回集団(実生78個体、春実験)のうち、候補領域がすべて罹病性(紫盃)タイプの遺伝型を示した3系統の発病指数は3.3と極めて高く罹病性系統の発病指数3.6に近かったことから、これらの領域の遺伝型の相違を指標に罹病性抵抗性を区別できる可能性が示唆された。
【0117】
(4)インデル遺伝子型とフザリウム・ソラニーに対する発病指数の関係の解析
初年度までの集団で得た抵抗性座乗候補領域の信頼性を検証するために、第一回集団における3座SNP近傍に複数のインデルマーカーを設計し、2年目に供試した雑種第二代第二集団実生191個体の発病スコアとインデル遺伝子型を検証した。その結果、ID756_180F_584,498、IDE934_147F_2,665,700、IDE965_187F_958,712の3座遺伝子型と平均発病指数において、第一集団と同様の傾向が認められたため、当領域が病害抵抗性に関与すると考えられた(図3)。
【0118】
3座に加え、180Fと147Fに挟まれる位置に存在する293Fコンティグにもインデルマーカーを設計しその遺伝子型と病害抵抗性値の関係を調査したところ、4座(ID756_180F_584,498、IDE934_147F_2,665,700、IDE965_187F_958,712、IDE903_293F_182,103)で選択した雑種は293Fマーカー以外の3座で選択した雑種よりもさらに病原性と相関することが明らかとなった(図4)。
【0119】
3座が全て紫盃タイプを持つものの発病程度平均値は、3座について大川1号タイプをもつものに比べ大きく、病気にかかりやすいことが示唆された。統計的にこの差を立証するために、当領域の組み換え個体を使用した多検体での解析を行なった。
【0120】
‘紫盃’ב大川1号’雑種を自殖させた組替え自殖系統(Recombinant Inbred lines;RILs)の作出と利用を行った。まず雑種第二代の自殖交配を行い、世代を進め、最終的に118組の雑種第4代を得た。次にRILsに対する接種の準備段階として、雑種第4代95個体の祖先である雑種第2代95個体について抵抗性候補遺伝子座の多型解析を行った。候補座の遺伝型が罹病性系統(AAA)および抵抗性系統(BBB)をもつような個体を探索し同定した。
【0121】
それらの自殖後代種子を複数年の交配で育成した。最終年度には、抵抗性を司るQTL領域について様々なパターンでホモ化したと考えられるRILsに対して病害抵抗性評価を行った(前述)。菌株として、これまで使用してきたフザリウム・ソラニー山形菌よりも病原性の強いフザリウム・ソラニー福島菌株を用いた。それらの遺伝型を確認した結果、候補QTL座を確実に識別可能なIDE756_180F_ 584,498、IDE934_147F_2, 665, 700、IDE965_187F_ 958,712における遺伝子型がいずれも抵抗性系統型である集団が得られ、それらは3座がいずれも罹病性系統型の集団よりも統計的に有意に、フザリウム・ソラニーに対して強い(発病度指数が小さい)ことが明らかとなった(図5)。図5において、Aは紫盃タイプ、Bは大川1号タイプを意味する。
【0122】
3座がフザリウム・ソラニー抵抗性親型のこの集団について数百粒以上の種子を得た。これらは、抵抗性F1品種を育成する際に中間母本として利用可能である。IDE756_180F_ 584,498、IDE934_147F_2, 665, 700、IDE965_187F_ 958,712における遺伝子型を確認するために用いた各選抜マーカーの配列を下記の表に示す。
【0123】
【表6】
【0124】
上記選抜マーカーにより増幅される配列(紫盃タイプ及び大川1号タイプ)とその比較について下記の表に示す。
【0125】
【表7】











【0126】
また、各選抜マーカーを用いたPCR法により得られたDNA増幅産物の泳動写真を図6に示す。
【0127】
病原菌を接種し強弱検定を行うことなく、遺伝子型の確認によってその後代個体のフザリウム・ソラニーによる立枯病抵抗性を評価可能であることが示された。
【0128】
(5)同一連鎖群に座乗する2座に関するさらなる解析
上記3座が全て紫盃タイプを持つものの発病程度平均値は、3座について大川1号タイプをもつものに比べ大きかったが、うち2座は同一連鎖群に座乗していたため、2座に挟まれた領域の病害抵抗性関与をさらに検証した。2座(IDE756-180F及びIDE926-147F)をホモ固定化(IDE756-180Fを抵抗性の遺伝子型B、IDE926-147Fを罹病性の遺伝子型A)したものの後代(第三世代の雑種)における立枯病害抵抗性を検証した。なお、別の染色体にある187Fは罹病性の遺伝型(A)で固定した。第三世代の各雑種(縦軸)における180Fコンティグから147コンティグまでの範囲の各座の多型を図7に示す。遺伝子型Aは紫盃タイプ、遺伝子型Bは大川1号タイプ、遺伝子型Hはヘテロタイプを示す。また、図7の囲み線部分の各座の平均発病指数値を図8に示す。図8において、実線は罹病性型ホモの発病度平均値―抵抗性型ホモ系統発病度平均値、破線は罹病性型ホモの発病度平均値―ヘテロ系統発病度平均値、一点鎖線は抵抗性型ホモ系統発病度平均値―ヘテロ系統発病度平均値を示す。すなわち、罹病性の遺伝型(A)をもつ雑種の発病指数は、抵抗性の遺伝型をもつ雑種の発病指数よりも高かった。したがって、2座に挟まれた領域の遺伝子型と雑種の抵抗性の強弱には相関があることが分かった。よって、当領域の遺伝子型を調査すれば、強抵抗性の系統が選抜できることがわかった。
【0129】
(6)インデル遺伝子型とフザリウム・オキシスポラムに対する発病指数の関係の解析
静岡県のトルコギキョウ産地から分離・同定されたフザリウム・オキシスポラムの1菌株(以下、フザリウム・オキシスポラム静岡菌株)は、フザリウム・ソラニーのQTL解析で用いた両親(紫盃及び大川1号)に対して異なる罹病性を示したため、それら両親の雑種がフザリウム・オキシスポラムのQTL解析に利用可能であると予想された。そこで雑種に対してフザリウム・オキシスポラム静岡菌株を接種したところ、抵抗性が分離した。さらに、「(4)インデル遺伝子型とフザリウム・ソラニーに対する発病指数の関係の解析」において得られた3座がフザリウム・ソラニー抵抗性親型(3座がB)の集団に対して、フザリウム・オキシスポラム静岡菌株を接種したところ、発病個体は認められなかった(図9)。
【0130】
病原菌を接種し強弱検定を行うことなく、遺伝子型の確認によってその後代個体のフザリウム・オキシスポラムによる立枯病抵抗性を評価可能であることが示された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
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