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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】デバイスチップの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20240729BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01L21/78 R
H01L21/78 F
H01L21/78 M
H01L23/12 501F
H01L23/12 501P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020046472
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021048381
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】16/571,800
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】デビン マーティン
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0065902(US,A1)
【文献】特開2019-102592(JP,A)
【文献】特開2011-134799(JP,A)
【文献】特開2017-135246(JP,A)
【文献】特開2003-158097(JP,A)
【文献】特表2008-541441(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0321954(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0315476(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0013159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、
分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、
側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む溝を該ウェーハに形成し、
該溝が形成された該ウェーハの該溝をエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、
該溝が形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該溝の該斜面と該裏面とが接続するまで該ウェーハを薄くし該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法。
【請求項2】
研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理することにより、該裏面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工する請求項に記載のデバイスチップの製造方法。
【請求項3】
基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、
分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、
側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む溝を該ウェーハに形成し、
該溝が形成された該ウェーハの該溝をエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、
該溝が形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該ウェーハを薄くし、
研削された該ウェーハの該溝の該斜面と該裏面とを接続するように該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法。
【請求項4】
研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理して該ウェーハを該分割予定ラインで分割するとともに、該裏面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工する請求項に記載のデバイスチップの製造方法。
【請求項5】
基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、
分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、
側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する第1切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む第1溝を該ウェーハに形成し、
該第1切削ブレードの該先端部よりも幅の狭い第2切削ブレードで該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該第1溝よりも幅が狭く該第1溝よりも該表面から深い位置に達する第2溝を該ウェーハに形成し、
該第1溝が形成された該ウェーハをエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、
該第1溝と該第2溝とが形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該ウェーハを薄くし該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法。
【請求項6】
研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理することにより、該裏面と該デバイスチップの側面との接続部を角が取れた丸い形状に加工する請求項に記載のデバイスチップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装されるデバイスチップ及びこのデバイスチップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に代表される各種の電子機器では、電子回路等のデバイスを備えるデバイスチップが必須の構成要素になっている。デバイスチップは、例えば、基材となるウェーハの表面をストリートと呼ばれる分割予定ラインで複数の領域に区画し、各領域にデバイスを形成した上で、このウェーハを分割予定ラインに沿って分割することにより得られる。
【0003】
ところで、上述のようなデバイスチップの厚みを小さくすると、そのデバイスチップの柔軟性は高くなる。よって、樹脂製のフィルムに代表される柔軟な基板(以下、フレキシブル基板)に対して、十分に薄いデバイスチップを実装することで、柔軟性の高い電子機器を実現できると考えられる。
【0004】
近年では、フレキシブル基板に対して印刷等の方法で配線や絶縁膜を形成する技術が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような技術を利用して、デバイスチップとフレキシブル基板との接続にかかる配線を印刷等の方法で形成することも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-142598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、一般的な直方体状のデバイスチップをフレキシブル基板に配置すると、デバイスチップの端部とフレキシブル基板との間に段差が発生してしまう。そのため、デバイスチップとフレキシブル基板とを接続する信頼性の高い配線を、印刷等の方法で形成することは難しかった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印刷等の方法による配線の形成に適したデバイスチップ及びこのデバイスチップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む溝を該ウェーハに形成し、該溝が形成された該ウェーハの該溝をエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、該溝が形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該溝の該斜面と該裏面とが接続するまで該ウェーハを薄くし該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法が提供される。本発明の一態様にかかるデバイスチップの製造方法では、研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理することにより、該裏面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工することがある。
【0012】
本発明の別の一態様によれば、基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む溝を該ウェーハに形成し、該溝が形成された該ウェーハの該溝をエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、該溝が形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該ウェーハを薄くし、研削された該ウェーハの該溝の該斜面と該裏面とを接続するように該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法が提供される。
【0013】
本発明の別の一態様にかかるデバイスチップの製造方法では、研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理して該ウェーハを該分割予定ラインで分割するとともに、該裏面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工することがある。
【0014】
また、本発明の他の一態様によれば、基板に実装されるデバイスチップの製造方法であって、分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに電子回路を含む回路部を有するウェーハを準備し、側面に対して傾斜した外周面を先端部に有する第1切削ブレードの該先端部で該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該表面に対して傾斜し且つ該表面に接続する斜面を含む第1溝を該ウェーハに形成し、該第1切削ブレードの該先端部よりも幅の狭い第2切削ブレードで該ウェーハの該分割予定ラインを該表面側から切削することにより該第1溝よりも幅が狭く該第1溝よりも該表面から深い位置に達する第2溝を該ウェーハに形成し、該第1溝が形成された該ウェーハをエッチングによって該表面側から処理することにより、該表面と該斜面との接続部を角が取れた丸い形状に加工し、該第1溝と該第2溝とが形成された該ウェーハの該表面とは反対側に位置する裏面を研削して該ウェーハを薄くし該ウェーハを該分割予定ラインで分割することにより、表面と裏面とに対して傾斜し且つ該表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法が提供される。
【0015】
本発明の他の一態様にかかるデバイスチップの製造方法では、研削された該ウェーハの該裏面をエッチングによって該裏面側から処理することにより、該裏面と該デバイスチップの側面との接続部を角が取れた丸い形状に加工することがある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様にかかるデバイスチップは、表面と、表面よりも面積の大きい裏面と、表面と裏面とに対して傾斜し且つ表面側に露出する斜面と、を備えている。そのため、表面と斜面とが露出するようにデバイスチップを基板に配置すると、表面側の回路部と斜面との間、及び斜面と基板との間には、殆ど段差が発生しない。
【0017】
よって、斜面を含む配線部に印刷等の方法で配線を形成するだけで、電子回路を含む回路部と基板とを確実に接続できる。このように、本発明の一態様にかかるデバイスチップは、印刷等の方法による配線の形成に適している。
【0018】
また、本発明の各態様にかかるデバイスチップの製造方法では、傾斜した外周面を先端部に有する切削ブレードの先端部でウェーハの分割予定ラインを表面側から切削することにより斜面を含む溝をウェーハに形成した上で、このウェーハを分割するので、表面と裏面とに対して傾斜し且つ表面側に露出する斜面を備えたデバイスチップを確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(A)は、デバイスチップの平面図であり、図1(B)は、デバイスチップの側面図である。
図2図2(A)は、ウェーハの斜視図であり、図2(B)は、ウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。
図3図3(A)は、ウェーハの表面側に溝が形成される様子を模式的に示す図であり、図3(B)は、ウェーハの溝が表面側からエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図である。
図4図4(A)は、ウェーハの表面側にシートを密着させる様子を模式的に示す図であり、図4(B)は、シートを被覆する樹脂板が形成される様子を模式的に示す図である。
図5図5(A)は、保護部材が完成した状態を模式的に示す図であり、図5(B)は、ウェーハの裏面側が研削される様子を模式的に示す図である。
図6図6(A)は、ウェーハの裏面側がエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図であり、図6(B)は、ウェーハから保護部材が除去される様子を模式的に示す図である。
図7】デバイスチップがフレキシブル基板に実装された状態を模式的に示す断面図である。
図8図8(A)は、第1変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図8(B)は、第1変形例にかかるデバイスチップの側面図である。
図9】第1変形例にかかるデバイスチップの製造に用いられるウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。
図10】第1変形例にかかるデバイスチップの製造に用いられるウェーハに溝が形成される様子を模式的に示す図である。
図11】第1変形例にかかるデバイスチップの製造に用いられる別のウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。
図12】第1変形例にかかるデバイスチップの製造に用いられる別のウェーハに溝が形成される様子を模式的に示す図である。
図13図13(A)は、第2変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図13(B)は、第2変形例にかかるデバイスチップの側面図である。
図14図14(A)は、第3変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図14(B)は、第3変形例にかかるデバイスチップの側面図である。
図15図15(A)は、ウェーハの表面側に溝が形成される様子を模式的に示す図であり、図15(B)は、ウェーハの表面側にシートを密着させる様子を模式的に示す図である。
図16図16(A)は、ウェーハの裏面側が研削される様子を模式的に示す図であり、図16(B)は、ウェーハの裏面側がエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1(A)は、本実施形態にかかるデバイスチップの平面図であり、図1(B)は、デバイスチップの側面図である。図1(A)及び図1(B)に示すように、デバイスチップ1は、例えば、シリコン等の半導体材料を含む板状の部品であり、表面1aと、表面1aとは反対側に位置する裏面1bと、を含む。
【0021】
表面1aと裏面1bとは、いずれも概ね平坦な矩形状に形成されている。また、表面1aと裏面1bとは、互いに概ね平行に配置されている。この裏面1bの面積は、表面1aの面積よりも大きくなっている。すなわち、表面1aの面積は、裏面1bの面積よりも小さくなっている。
【0022】
矩形の4つの辺のいずれかに相当する表面1aの縁の一部の傍には、矩形の4つの辺のいずれかに相当する裏面1bの縁の一部が配置されており、この表面1aの縁の一部と、裏面1bの縁の一部とは、互いに平行である。そして、この表面1aの縁の一部と、裏面1bの縁の一部とは、表面1aと裏面1bとに対して傾斜した斜面1cによって互いに接続されている。
【0023】
つまり、矩形の1つの辺に相当する表面1aの縁の一部には、表面1aと裏面1bとに対して傾斜した斜面1cの縁の一部が接続されている。また、矩形の1つの辺に相当する裏面1bの縁の一部には、表面1aと裏面1bとに対して傾斜した斜面1cの縁の他の一部が接続されている。この斜面1cは、概ね平坦に形成されており、表面1a側にのみ露出している。
【0024】
矩形の他の3つの辺に相当する表面1aの縁の各部分の傍にも、矩形の他の3つの辺に相当する裏面1bの縁の各部分が配置されており、この表面1aの縁の各部分と、裏面1bの縁の各部分とは、互いに平行である。そして、この表面1aの縁の各部分と、裏面1bの縁の各部分とは、同様の斜面1cによって互いに接続されている。すなわち、デバイスチップ1は、表面1a側又は裏面1b側から見た形状が矩形の四角錐台状に形成されており、側壁となる4つの斜面1cを含んでいる。
【0025】
デバイスチップ1の表面1a側には、電子回路を含む回路部(デバイス)3が設けられている。回路部3は、外部に露出する複数の端子3aを含む。複数の端子3aは、矩形の4つの辺に相当する表面1aの縁の各部分に沿って配列されている。このデバイスチップ1をフレキシブル基板に実装する際には、回路部3の端子3aとフレキシブル基板の端子とが配線を介して電気的に接続されることになる。
【0026】
斜面1cの一部は、回路部3の端子3aに相当する領域とともに、デバイスチップ1をフレキシブル基板に実装する際に配線が形成される配線部5を構成している。なお、図1(A)及び図1(B)では、説明の便宜上、1つの斜面1cに対応する配線部5のみを示しているが、本実施形態のデバイスチップ1は、各斜面1cに対応する複数の配線部5を備えている。
【0027】
このように、本実施形態のデバイスチップ1は、表面1aと裏面1bとに対して傾斜し且つ表面1a側に露出する複数の斜面1cを備えている。また、各斜面1cは、表面1aと裏面1bとに接続している。そのため、表面1aと斜面1cとが露出するようにデバイスチップ1をフレキシブル基板に配置すると、表面1a側の回路部3と斜面1cとの間、及び斜面1cとフレキシブル基板との間には、段差が殆ど発生しない。
【0028】
よって、直方体状のデバイスチップ(表面や裏面に対して概ね垂直な側面のみを持つデバイスチップ)を用いる場合とは異なり、斜面1cを含む配線部5に印刷等の方法で配線を形成するだけで、電子回路を含む回路部3とフレキシブル基板とを確実に接続できる。このように、本実施形態にかかるデバイスチップ1は、印刷等の方法による配線の形成に適している。
【0029】
このデバイスチップ1の裏面1bと斜面1cとのなす角度θ1に特段の制限はないが、角度θ1が小さくなると、回路部3の面積に対して配線部5の面積が相対的に大きくなって、十分な広さの回路部3を確保できなくなる。また、角度θ1が大きくなると、段差が発生し易くなって、印刷等の方法で配線部5に良好な配線を形成できなくなる。よって、角度θ1は、例えば、20°以上70°以下に設定され、30°以上60°以下に設定されると望ましく、35°以上55°以下に設定されるとより望ましい。
【0030】
なお、デバイスチップ1の幅W1(矩形の1つの辺に相当する裏面1bの長さ)は、例えば、0.5μm~5mmであり、デバイスチップ1の厚み(仕上げ厚み)T1は、例えば、10μm~50μmである。ただし、デバイスチップ1の幅W1やデバイスチップ1の厚みT1等にも特段の制限はない。
【0031】
次に、上述したデバイスチップ1を製造する方法について詳述する。本実施形態にかかるデバイスチップの製造方法では、まず、分割予定ラインで区画された表面側の複数の領域のそれぞれに回路部(デバイス)を有するウェーハを準備する(準備ステップ)。図2(A)は、本実施形態にかかるデバイスチップの製造方法で用いられるウェーハの斜視図であり、図2(B)は、ウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。
【0032】
図2(A)に示すように、本実施形態のウェーハ11は、例えば、シリコン等の半導体材料を用いて円盤状に形成されており、表面11aと、表面11aとは反対側に位置する裏面11bと、を含む。このウェーハ11の表面11a側は、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の小領域に区画されており、各小領域には、電子回路を含む回路部(デバイス)15が形成されている。
【0033】
各回路部15の最外層(最上層)は、代表的には、絶縁性の保護膜(パッシベーション膜)で構成される。また、各回路部15は、図2(B)に示すように、上端が外部に露出する複数の端子15aを含んでいる。このウェーハ11を加工することで、上述したデバイスチップ1が得られる。ウェーハ11の回路部15は、デバイスチップ1の回路部3に相当しており、ウェーハ11の端子15aは、デバイスチップ1の端子3aに相当している。
【0034】
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体材料を含む円盤状のウェーハ11を用いるが、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料を含む基板をウェーハ11として用いることもできる。同様に、回路部15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
【0035】
ウェーハ11を準備した後には、このウェーハ11の分割予定ライン13を切削ブレードで切削し、ウェーハ11の表面11a側に斜面(傾斜した側面)を含む溝を形成する(切削ステップ)。図3(A)は、ウェーハ11に溝が形成される様子を模式的に示す図である。本実施形態では、図3(A)の切削装置2を用いてウェーハ11に溝17を形成する。
【0036】
切削装置2は、ウェーハ11を保持する際に使用されるチャックテーブル4を備えている。このチャックテーブル4は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属材料でなる円筒状の枠体と、多孔質材料でなり枠体の上部に配置される保持板と、を含む。この保持板の上面が、ウェーハ11を保持する保持面4aとなる。
【0037】
保持板の下面側は、枠体の内部に設けられた流路等を介して吸引源(不図示)に接続されている。流路等には、流体の流れを制御するバルブ(不図示)が設けられている。そのため、バルブを開けば、吸引源の負圧を保持面4aに作用させてウェーハ11を吸引できる。
【0038】
チャックテーブル4の枠体は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、この回転駆動源が生じる力によって、上述した保持面4aに対して概ね垂直な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル4の枠体は、移動機構(不図示)によって支持されており、上述した保持面4aに対して概ね平行な第1方向(加工送り方向)に移動する。
【0039】
チャックテーブル4の上方には、切削ユニット6が配置されている。この切削ユニット6は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、チャックテーブル4の保持面4aに対して概ね平行で第1方向に概ね垂直な回転軸となるスピンドル8が収容されている。スピンドル8の一端側には、ダイヤモンド等の砥粒を樹脂や金属等の結合材で固定してなる環状の切削ブレード10が装着されている。
【0040】
切削ブレード10は、例えば、概ね平坦で互いに平行な一対の側面10aを含み、この一対の側面10aが回転軸に対して垂直になるように、スピンドル8の一端側に装着される。すなわち、切削ブレード10の一対の側面10aは、チャックテーブル4の保持面4aに対して概ね垂直であり、第1方向に対して概ね平行である。
【0041】
また、切削ブレード10の外周縁に相当する先端部には、一対の側面10aに対して傾斜した一対の外周面10bが設けられている。各外周面10bは、円錐台の側面に相当する曲面状に形成されており、その一端側の縁には、対応する側面10aの縁が接続されている。また、一方の外周面10bの他端側の縁と他方の外周面10bの他端側の縁とは、互いに接続されている。
【0042】
すなわち、本実施形態の切削ブレード10は、先端部へと向かって厚みが小さくなるように2つの円錐台をその底面同士が重なるように接続した形状を有している。よって、切削ブレード10を径方向に切断した断面を観察すると、その先端部の形状は、概ねV字状になる。つまり、切削ブレード10を回転させてその先端部をウェーハ11に切り込ませれば、一対の斜面(傾斜した側面)を含み断面の形状がV字状の溝17をウェーハ11に形成できる。
【0043】
なお、この切削ブレード10の先端部の高低差(外周面10bの一端側の縁と外周面10bの他端側の縁との側面10aに沿う方向での距離)は、代表的には、デバイスチップ1の厚みT1よりも大きい。これにより、ウェーハ11に対して切削ブレード10の先端部のみを切り込ませる場合にも、デバイスチップ1の厚みT1に相当する深さに達する溝17を形成できる。
【0044】
スピンドル8の他端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドル8の一端側に装着された切削ブレード10は、回転駆動源が生じる力によって回転する。この切削ユニット6は、例えば、移動機構(不図示)によって支持されており、チャックテーブル4の保持面4aに対して概ね垂直な高さ方向と、チャックテーブル4の保持面4aに対して概ね平行で第1方向に概ね垂直な第2方向(割り出し送り方向)と、に移動する。
【0045】
ウェーハ11の表面11a側に溝17を形成する際には、まず、このウェーハ11の裏面11bをチャックテーブル4の保持面4aに接触させる。そして、バルブを開いて、吸引源の負圧を保持面4aに作用させる。これにより、裏面11bが保持面4aに吸引されて、ウェーハ11は、表面11a側が上方に露出した状態でチャックテーブル4に保持される。なお、ウェーハ11の裏面11bに粘着テープ等の保護部材を貼付し、この保護部材を介してウェーハ11を保持するようにしても良い。
【0046】
次に、加工の対象となる分割予定ライン13と第1方向とが平行になるように、チャックテーブル4の向きを調整する。そして、この分割予定ライン13の延長線の上方に切削ブレード10の外周面10bの他端側の縁(下端の縁)が位置付けられるように、チャックテーブル4と切削ユニット6との位置を調整する。
【0047】
更に、切削ブレード10の外周面10bの下端の高さがウェーハ11の表面11aの高さよりも低くなり、切削ブレード10の側面10aの下端の高さがウェーハ11の表面11aの高さよりも高くなるように、切削ユニット6の高さを調整する。より詳細には、切削ブレード10の外周面10bの下端の高さがデバイスチップ1の裏面1bとなる部分の高さと同じか、それよりも低くなるように、切削ユニット6の高さを調整する。
【0048】
その後、スピンドル8を回転させながらチャックテーブル4を第1方向に移動させる。これにより、回転する切削ブレード10の先端部のみを対象の分割予定ライン13に切り込ませ、一対の斜面を含む溝17をウェーハ11の表面11a側に形成できる。本実施形態では、切削ブレード10の外周面10bの下端の高さをデバイスチップ1の裏面1bとなる部分の高さと同じか、それよりも低くしているので、回路部15の上面から溝17の下端までの距離D1は、デバイスチップ1の厚みT1と同じか、それよりも大きくなる。
【0049】
また、本実施形態では、切削ブレード10の側面10aの下端の高さをウェーハ11の表面11aの高さよりも高くしているので、ウェーハ11には、切削ブレード10の先端部のみが切り込み、側面10aは切り込まない。よって、ウェーハ11の表面11aと溝17の斜面との間に、この表面11a(及び裏面11b)に対して垂直な面が形成されることはない。つまり、溝17の斜面は、ウェーハ11の表面11aに接続されることになる。
【0050】
更に、本実施形態では、この溝17の一対の斜面が、ウェーハ11の表面11a側から視認できる態様で形成される。すなわち、溝17の一対の斜面は、ウェーハ11の表面11a側に露出する。なお、上述した動作は、ウェーハ11に設定される全ての分割予定ライン13に溝17が形成されるまで繰り返される。
【0051】
ウェーハ11に溝17を形成した後には、この溝17を表面11a側からエッチングによって処理する(第1エッチングステップ)。図3(B)は、ウェーハ11の溝17が表面11a側からエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図である。
【0052】
本実施形態では、図3(B)のプラズマエッチング装置22を用いて溝17を表面11a側から処理する。プラズマエッチング装置22は、内部に空間が形成された真空チャンバ(不図示)を備えている。この真空チャンバの内部の空間には、静電チャック24が配置されている。静電チャック24は、互いに絶縁された複数の電極を備えており、各電極とウェーハ11との間に作用する電気的な力を利用してウェーハ11等を吸着する。
【0053】
静電チャック24の下方には、平板状の下部電極(不図示)が配置されている。また、静電チャック24の上方には、平板状の上部電極(不図示)が配置されている。上部電極と下部電極とは、それぞれ、真空チャンバの外部に配置された高周波電源に接続されている。なお、上部電極の下面側には、複数のガス噴出孔が形成されている。
【0054】
ウェーハ11の表面11a側の溝17をエッチングによって処理する際には、まず、ウェーハ11を真空チャンバの内部の空間に搬入して、静電チャック24の上に載せる。具体的には、ウェーハ11の裏面11bを静電チャック24の上面24aに接触させる。そして、この静電チャック24の電極間に電位差を生じさせる。これにより、ウェーハ11は、表面11a側が上方に露出した状態で静電チャック24に吸着される。
【0055】
静電チャック24でウェーハ11を吸着した後には、真空チャンバの内部の空間を密閉して減圧する。この状態で、四フッ化炭素(CF4)や六フッ化硫黄(SF6)に代表されるエッチング用のガスを、ガス噴出孔を通じて所定の流量で供給し、下部電極と上部電極とに適切な高周波電力を供給すると、ウェーハ11の表面11a側にラジカルやイオン等を含むプラズマ26が発生する。
【0056】
その結果、ウェーハ11の溝17がプラズマ26に曝され、溝17の斜面に残留する応力が解放される(ストレスリリーフ)。よって、デバイスチップ1の抗折強度が高くなる。溝17の斜面は、表面11aに対して傾斜している(垂直ではない)ので、この表面11a側からのエッチングによって溝17の斜面を容易に処理できる。また、ウェーハ11の表面11aと溝17の斜面との接続部の角が取れて丸くなるので、デバイスチップ1は、衝撃にも強くなる。
【0057】
なお、本実施形態では、端子3aの上端を除く回路部15の表面(最外層、最上層)が絶縁性の保護膜(パシベーション膜)で構成されたウェーハ11を用いるので、プラズマ26によって各回路部15が損傷することはない。よって、各回路部15をプラズマ26から保護するためのマスクを別に設ける必要もない。ただし、端子15aや保護膜以外の回路部15の構成要素が露出している場合には、プラズマ26から回路部15を保護するためのマスクを形成する必要がある。
【0058】
マスクを形成する方法に特段の制限はないが、例えば、ウェーハ11の表面11a側に水溶性の樹脂を塗布した後に、この樹脂の溝17に対応した部分をレーザービーム等によって除去すれば、回路部15を保護するためのマスクを形成できる。もちろん、フォトリソグラフィ等の方法でマスクを形成しても良い。
【0059】
また、ウェーハ11の表面11a側に溝17を形成する前に、このウェーハ11の表面11a側にフィルムを貼付しても良い。その後、例えば、フィルムとともにウェーハ11を切削すれば、ウェーハ11に溝17を形成しながらフィルムの溝17に対応した部分を除去してマスクを形成できる。なお、回路部15を保護するためのマスクを形成した場合には、溝17をエッチングによって処理した後に、このマスクが除去される。
【0060】
ウェーハ11の溝17を表面11a側からエッチングによって処理した後には、このウェーハ11の表面11a側を保護する保護部材を形成する(保護部材形成ステップ)。具体的には、まず、ウェーハ11の表面11a側にシートを密着させる(シート密着ステップ)。図4(A)は、ウェーハ11の表面11a側にシートを密着させる様子を模式的に示す図である。
【0061】
図4(A)に示すように、シート21は、ポリオレフィン(PO)やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂でなるフィルム状の基材21aを含んでいる。この基材21aは、ウェーハ11よりも直径の大きい円形に形成されている。
【0062】
基材21aの一方の面の外周部には、接着剤を含む接着層21bが設けられている。本実施形態では、この接着層21bの接着力によって、シート21の外周部が環状のフレーム23に固定されている。なお、シート21の接着層21bは、後にウェーハ11の回路部15が形成された回路領域と接触する部分には設けられていない。接着層21bは、この回路領域を囲む大きさの環状に形成されている。
【0063】
ウェーハ11の表面11a側にシート21を密着させる際には、例えば、十分に減圧された環境で、このシート21を構成する基材21aの一方の面を、ウェーハ11の表面11aに対面させる。そして、ウェーハ11の回路領域よりも外側の外周領域と接着層21bとが接触するように、シート21をウェーハ11に押し当てる。
【0064】
シート21をウェーハ11に押し当てた後には、環境の圧力(気圧)を上昇させる。その結果、シート21は、環境の圧力によってウェーハ11の表面11a側に密着する。なお、シート21をウェーハ11に押し当てる際や、環境の圧力を上昇させる際には、シート21に対して熱を加えると良い。これにより、ウェーハ11の表面11a側に存在する凹凸に倣ってシート21が変形し易くなり、ウェーハ11とシート21との密着性が良くなる。
【0065】
なお、シート21は、接着層21bによってウェーハ11の外周領域に接着されるが、ウェーハ11の回路領域には接着されない。シート21は、ウェーハ11の回路領域に密着するだけなので、例えば、ウェーハ11からシート21を剥離する際に、接着層21bの接着剤が回路領域に残ることはない。更に、この接着層21bは、環状のフレーム23が固定される部分にのみ設けられても良い。つまり、シート21は、接着層21bによってウェーハ11の外周領域に接着されなくても良い。
【0066】
ウェーハ11の表面11a側にシート21を密着させた後には、このシート21を被覆する樹脂板を形成する(樹脂板形成ステップ)。図4(B)は、シート21を被覆する樹脂板が形成される様子を模式的に示す図である。本実施形態では、図4(B)の樹脂板形成装置32を用いてシート21を被覆する樹脂板を形成する。
【0067】
樹脂板形成装置32は、例えば、紫外線を透過する材料で形成された支持プレート34を含む。この支持プレート34の上面34aは、概ね平坦である。また、支持プレート34の下方には、紫外線光源36が配置されており、支持プレート34の上方には、ウェーハ11に対して下向きの圧力をかけるためのプレスユニット38が配置されている。
【0068】
シート21を被覆する樹脂板を形成する際には、例えば、ポリオレフィン(PO)やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂でなる平坦なシート25を支持プレート34の上面34aに載せる。また、このシート25の上面に、紫外線で硬化する液状の樹脂27を塗布する。
【0069】
次に、シート21を構成する基材21aの他方の面を樹脂27に接触させて、上方に露出するウェーハ11の裏面11bにプレスユニット38で下向きの圧力をかける。これにより、液状の樹脂27は、ウェーハ11の径方向に広がり、シート21のウェーハ11に対応する領域は、液状の樹脂27によって被覆される。すなわち、溝17等に起因する表面11a側の凹凸が、液状の樹脂27によって埋められる。
【0070】
その後、紫外線光源36で液状の樹脂27に紫外線を照射して、この液状の樹脂27を硬化させる。これにより、図4(B)に示すように、シート21のウェーハ11に対応する領域を被覆する樹脂板29(図5(A)参照)が形成される。なお、液状の樹脂27に紫外線を照射する際には、必ずしもプレスユニット38でウェーハ11に圧力を掛けなくて良い。
【0071】
シート21を被覆する樹脂板29を形成した後には、この樹脂板29を、シート21やシート25等とともに、ウェーハ11の外周縁に沿って切断する(切断ステップ)。これにより、シート21、シート25、及び樹脂板29を含む円形の保護部材が完成する。図5(A)は、保護部材が完成した状態を模式的に示す図である。
【0072】
保護部材が完成した後には、このウェーハ11の裏面11bを研削してウェーハ11を薄くする(研削ステップ)。図5(B)は、ウェーハ11の裏面11b側が研削される様子を模式的に示す図である。本実施形態では、図5(B)の研削装置42を用いてウェーハ11の裏面11b側を研削する。
【0073】
研削装置42は、ウェーハ11を保持する際に使用されるチャックテーブル44を備えている。このチャックテーブル44は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属材料でなる円筒状の枠体と、多孔質材料でなり枠体の上部に配置される保持板と、を含む。この保持板の上面が、ウェーハ11を保持する保持面44aとなる。
【0074】
保持板の下面側は、枠体の内部に設けられた流路等を介して吸引源(不図示)に接続されている。流路等には、流体の流れを制御するバルブ(不図示)が設けられている。そのため、バルブを開けば、吸引源の負圧を保持面44aに作用させてウェーハ11を吸引できる。
【0075】
チャックテーブル44の枠体は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、この回転駆動源が生じる力によって、上述した保持面44aに対して概ね垂直な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル44の枠体は、移動機構(不図示)によって支持されており、上述した保持面44aに対して概ね平行な方向に移動する。
【0076】
チャックテーブル44の上方には、研削ユニット46が配置されている。研削ユニット46は、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、チャックテーブル44の保持面44aに対して概ね垂直な回転軸となるスピンドル48が収容されている。
【0077】
スピンドル48の下端部には、円盤状のマウント50が固定されている。マウント50の下面には、このマウント50と概ね径が等しい円盤状の研削ホイール52が装着されている。研削ホイール52は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料で形成されたホイール基台54を備えている。ホイール基台54の下面には、複数の研削砥石56が環状に配列されている。
【0078】
スピンドル48の上端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、研削ホイール52は、この回転駆動源が生じる力によって回転する。研削ホイール52に隣接する位置、又は、研削ホイール52の内部には、ウェーハ11等に対して研削用の液体(代表的には、水)を供給するためのノズル(不図示)が設けられている。この研削ユニット46は、例えば、移動機構(不図示)によって支持されており、チャックテーブル44の保持面44aに対して概ね垂直な方向に移動する。
【0079】
ウェーハ11の裏面11bを研削する際には、まず、このウェーハ11の表面11a側に形成された保護部材のシート25を、チャックテーブル44の保持面44aに接触させる。そして、バルブを開いて、吸引源の負圧を保持面44aに作用させる。これにより、シート25が保持面44aに吸引される。すなわち、ウェーハ11は、裏面11b側が上方に露出した状態で、保護部材を介してチャックテーブル44に保持される。
【0080】
次に、このチャックテーブル44を研削ユニット46の下方の位置に移動させる。その後、図5(B)に示すように、チャックテーブル44とスピンドル48(研削ホイール52)とをそれぞれ回転させて、ウェーハ11の裏面11b側に研削用の液体を供給しながら、研削ユニット46(研削ホイール52)を下降させる。研削ユニット46を下降させる速度は、研削砥石56がウェーハ11の裏面11bに対して適切に押し当てられる範囲で調整される。
【0081】
これにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削して、ウェーハ11を薄くできる。本実施形態では、少なくとも溝17の斜面が裏面11bに接続し、この溝17(分割予定ライン13)を境にウェーハ11が複数のデバイスチップ1と端材31(図6参照)とに分割されるまでウェーハ11を薄くする。
【0082】
なお、このウェーハ11の表面11aは、デバイスチップ1の表面1aとなり、研削後のウェーハ11の裏面11bは、デバイスチップ1の裏面1bとなり、溝17の斜面は、デバイスチップ1の斜面1cとなる。本実施形態では、溝17等に起因する表面11a側の凹凸を液状の樹脂27で埋めることにより平坦な保護部材を形成しているので、表面11a側の凹凸の影響を受けることなく裏面11bを研削して平坦にできる。
【0083】
ウェーハ11の裏面11bを研削した後には、このウェーハ11の裏面11b(デバイスチップ1の裏面1b)をエッチングによって処理する(第2エッチングステップ)。図6(A)は、ウェーハ11の裏面11bがエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図である。
【0084】
本実施形態では、上述したプラズマエッチング装置22を用いてウェーハ11の裏面11bを処理する。まず、ウェーハ11を真空チャンバの内部の空間に搬入して、静電チャック24の上に載せる。具体的には、ウェーハ11の表面11a側に形成された保護部材のシート25を、静電チャック24の上面24aに接触させる。
【0085】
そして、この静電チャック24の電極間に電位差を生じさせる。これにより、ウェーハ11とウェーハ11の表面11a側に形成された保護部材とが静電チャック24に吸着される。すなわち、ウェーハ11は、裏面11b側が上方に露出した状態で、この保護部材を介して静電チャック24に保持される。
【0086】
静電チャック24でウェーハ11を保持した後には、真空チャンバの内部の空間を密閉して減圧する。この状態で、四フッ化炭素(CF4)や六フッ化硫黄(SF6)に代表されるエッチング用のガスを、ガス噴出孔を通じて所定の流量で供給し、下部電極と上部電極とに適切な高周波電力を供給すると、ウェーハ11の裏面11b側にラジカルやイオン等を含むプラズマ26が発生する。
【0087】
その結果、ウェーハ11の裏面11bがプラズマ26に曝され、この裏面11bに残留する応力が解放される(ストレスリリーフ)。よって、デバイスチップ1の抗折強度が高くなる。また、デバイスチップ1の裏面1b(ウェーハ11の裏面11b)と斜面1c(溝17の斜面)との接続部の角が取れて丸くなるので、デバイスチップ1は、衝撃にも強くなる。
【0088】
ウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理した後には、このウェーハ11から保護部材を除去する(保護部材除去ステップ)。図6(B)は、ウェーハ11から保護部材が除去される様子を模式的に示す図である。具体的には、例えば、ウェーハ11の裏面11b側を円形の粘着テープ33に貼付した上で、このウェーハ11から保護部材を引き剥がす。なお、粘着テープ33の外周部には、ウェーハ11を囲む環状のフレーム35を固定しておくと良い。
【0089】
上述のように、保護部材のシート21は、接着層21bによってウェーハ11の外周領域にのみ接着されている。そのため、このウェーハ11から保護部材を引き剥がして簡単に除去できる。また、シート21の接着層21bに含まれる接着剤がデバイスチップ1の表面1a側(回路部3)に残ることもない。
【0090】
このように、本実施形態にかかるデバイスチップの製造方法では、傾斜した外周面10bを先端部に有する切削ブレード10の先端部でウェーハ11の分割予定ライン13を表面11a側から切削することにより斜面を含む溝17をウェーハ11に形成した上で、この溝17の斜面と裏面11bとが接続するようにウェーハ11を分割するので、表面1aと裏面1bとに対して傾斜し且つ表面1a側に露出する斜面1cを備えたデバイスチップ1を確実に得られる。
【0091】
図7は、デバイスチップ1がフレキシブル基板に実装された状態を模式的に示す断面図である。なお、この図7では、説明の便宜上、デバイスチップ1の一部の構成要素が省略されている。図7に示すように、フレキシブル基板41に対してデバイスチップ1を実装する際には、まず、このフレキシブル基板41の上面41aにデバイスチップ1を配置する。
【0092】
具体的には、例えば、フレキシブル基板41の上面41aに設けられた端子43と重ならないように、このフレキシブル基板41の上面41aにデバイスチップ1の裏面1b側を接着剤等で接着する。これにより、デバイスチップ1の表面1aと斜面1cとは上方に露出する。
【0093】
その後、デバイスチップ1の端子3aとフレキシブル基板41の端子43とを電気的に接続する配線45を、印刷等の方法で斜面1cを含む配線部5に形成する。なお、配線45の形成にかかる具体的な方法に特段の制限はないが、例えば、スクリーン印刷やインクジェット印刷等の方法を用いると良い。
【0094】
このように、表面1aと斜面1cとが露出するようにデバイスチップ1をフレキシブル基板41に配置すると、表面1a側の回路部3と斜面1cとの間、及び斜面1cとフレキシブル基板41との間には、段差が殆ど発生しない。よって、斜面1cを含む配線部5に印刷等の方法で配線を形成するだけで、回路部3の端子3aとフレキシブル基板41の端子43とを確実に接続できる。
【0095】
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、デバイスチップ1がフレキシブル基板41に実装されているが、本発明のデバイスチップは、任意の基板に実装され得る。
【0096】
また、上述した実施形態では、ウェーハ11の溝17や裏面11bを処理するためのエッチングとして、プラズマエッチング(ドライエッチング)を採用しているが、ウェットエッチングによって溝17や裏面11bを処理することもできる。
【0097】
また、上述した実施形態では、ウェーハ11の回路領域と接触する部分に接着層21bが設けられていないシート21を使用して保護部材を形成したが、全面に接着層が設けられた一般的な保護テープを用いて保護部材を形成することもできる。もちろん、この一般的な保護テープだけで保護部材を構成しても良い。
【0098】
また、上述した実施形態では、ウェーハ11の裏面11b側を研削することによって、溝17(分割予定ライン13)を境にウェーハ11が複数のデバイスチップ1と端材31とに分割されるまでウェーハ11を薄くしているが、ウェーハ11の裏面11b側を研削した後に、別の方法でウェーハ11を複数のデバイスチップ1と端材31とに分割しても良い。
【0099】
例えば、ウェーハ11の裏面11bを研削した後に、このウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理することで、ウェーハ11を更に薄くして、複数のデバイスチップ1と端材31とに分割することもできる(分割ステップ)。つまり、この場合には、ウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理することで、溝17の斜面と裏面11bとを接続する。なお、ウェーハ11を複数のデバイスチップ1と端材31とに分割した後には、このウェーハ11から保護部材を除去すれば良い(保護部材除去ステップ)。
【0100】
また、ウェーハ11の裏面11bを研磨することによって、このウェーハ11を更に薄くして、複数のデバイスチップ1と端材31とに分割することもできる(分割ステップ)。なお、ウェーハ11を複数のデバイスチップ1と端材31とに分割した後には、ウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理した上で(第2エッチングステップ)、保護部材を除去しても良いし(保護部材除去ステップ)、ウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理することなく、保護部材を除去しても良い。
【0101】
また、上述した実施形態では、概ね平坦な斜面1cを示したが、デバイスチップの側壁となる斜面は、曲面状に形成されても良い。曲面状の斜面を形成する際には、例えば、その斜面の形状に合う外周面を持つ切削ブレードを使用する。概ね平坦な斜面を形成した後に、この斜面をエッチング等によって曲面状に加工しても良い。
【0102】
また、上述した実施形態では、側壁となる4つの斜面1cを含む四角錐台状のデバイスチップ1を示したが、本発明のデバイスチップは、少なくとも1つの斜面を含んでいれば良い。図8(A)は、第1変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図8(B)は、第1変形例にかかるデバイスチップの側面図である。
【0103】
図8(A)及び図8(B)に示すように、第1変形例にかかるデバイスチップ51の基本的な構造は、上述した実施形態にかかるデバイスチップ1の構造と同じである。すなわち、デバイスチップ51は、表面51aと、表面51aとは反対側に位置する裏面51bと、を含んでいる。
【0104】
表面51aと裏面51bとは、いずれも概ね平坦な矩形状に形成されている。また、表面51aと裏面51bとは、互いに概ね平行に配置されている。この裏面51bの面積は、表面51aの面積よりも大きくなっている。すなわち、表面51aの面積は、裏面51bの面積よりも小さくなっている。
【0105】
矩形の4つの辺のいずれかに相当する表面51aの縁の一部の傍には、矩形の4つの辺のいずれかに相当する裏面51bの縁の一部が配置されており、この表面51aの縁の一部と、裏面51bの縁の一部とは、互いに平行である。そして、この表面51aの縁の一部と、裏面51bの縁の一部とは、表面51aと裏面51bとに対して傾斜した斜面51cによって互いに接続されている。
【0106】
つまり、矩形の1つの辺に相当する表面51aの縁の一部には、表面51aと裏面51bとに対して傾斜した斜面51cの縁の一部が接続されている。また、矩形の1つの辺に相当する裏面51bの縁の一部には、表面51aと裏面51bとに対して傾斜した斜面51cの縁の他の一部が接続されている。この斜面51cは、概ね平坦に形成されており、表面51a側にのみ露出している。
【0107】
矩形の他の3つの辺に相当する表面51aの縁の各部分の傍にも、矩形の他の3つの辺に相当する裏面51bの縁の各部分が配置されており、この表面51aの縁の各部分と、裏面51bの縁の各部分とは、互いに平行である。ただし、この表面51aの縁の各部分と、裏面51bの縁の各部分とは、表面51a及び裏面51bに対して概ね垂直な側面51dによって互いに接続されている。すなわち、第1変形例のデバイスチップ51は、表面51a側又は裏面51b側から見た形状が矩形であり、側壁となる1つの斜面51cと3つの側面51dとを含んでいる。
【0108】
デバイスチップ51の表面51a側には、電子回路を含む回路部(デバイス)53が設けられている。回路部53は、外部に露出する複数の端子53aを含む。複数の端子53aは、斜面51cに接続された表面51aの縁に沿って配列されている。このデバイスチップ51をフレキシブル基板に実装する際には、回路部53の端子53aとフレキシブル基板の端子とが配線によって電気的に接続される。
【0109】
斜面51cの一部は、回路部53の端子53aに相当する領域とともに、デバイスチップ51をフレキシブル基板に実装する際に配線が形成される配線部55を構成している。上述のように、第1変形例のデバイスチップ51は、表面51a側又は裏面51b側から見た形状が矩形であり、配線部55は、この矩形の1つの辺(斜面51cに対応する辺)に相当する領域にのみ配置されている。
【0110】
このデバイスチップ51の裏面51bと斜面51cとのなす角度θ2や、デバイスチップ51の幅W2、デバイスチップ51の厚み(仕上げ厚み)T2等に特段の制限はない。例えば、角度θ2、幅W2、厚みT2を、デバイスチップ1の角度θ1、幅W1、厚みT1と同程度にすることができる。
【0111】
図9は、デバイスチップ51の製造に用いられるウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。図9に示すように、デバイスチップ51の製造に用いられるウェーハ61の基本的な構造は、上述した実施形態にかかるウェーハ11の構造と同じである。すなわち、ウェーハ61は、表面61aと、表面61aとは反対側に位置する裏面61b(図10参照)と、を含む。
【0112】
このウェーハ61の表面61a側は、互いに交差する第1分割予定ライン(第1ストリート)63aと第2分割予定ライン(第2ストリート)63bとによって複数の小領域に区画されており、各小領域には、電子回路を含む回路部(デバイス)65が形成されている。各回路部65の最外層(最上層)は、代表的には、絶縁性の保護膜(パッシベーション膜)で構成される。また、各回路部65は、図9に示すように、外部に露出する複数の端子65aを含んでいる。
【0113】
なお、このウェーハ61では、第1分割予定ライン63aを挟んで配置される2つの回路部65の間隔が、第2分割予定ライン63bを挟んで配置される2つの回路部65の間隔よりも広くなっている。また、第1分割予定ライン63aは、隣接する2つの回路部65の一方に近く、他方から遠い位置に配置されている。
【0114】
図10は、デバイスチップ51の製造に用いられるウェーハ61に溝が形成される様子を模式的に示す図である。ウェーハ61の第1分割予定ライン63aに斜面を含む溝67を形成する際には、上述した切削装置2を用いる。ただし、ここでは、溝17の形成に用いた切削ブレード10の代わりに切削ブレード12を用いる。
【0115】
切削ブレード12は、例えば、概ね平坦で互いに平行な一対の側面12aを含み、この一対の側面12aが回転軸に対して垂直になるように、スピンドル8の一端側に装着される。すなわち、切削ブレード12の一対の側面12aは、チャックテーブル4の保持面4aに対して概ね垂直であり、第1方向に対して概ね平行である。
【0116】
また、切削ブレード12の外周縁に相当する先端部には、一対の側面12aに対して傾斜した外周面12bが設けられている。外周面12bは、円錐台の側面(円錐面の一部)に相当する曲面状に形成されており、その一端側の縁には、一方の側面12aの縁が接続されている。また、外周面12bの他端側の縁には、他方の側面12aの縁が接続されている。すなわち、この切削ブレード12は、円錐台に相当する形状を有している。
【0117】
切削ブレード12の先端部の高低差(外周面12bの一端側の縁と外周面12bの他端側の縁との側面12aに沿う方向での距離)は、代表的には、デバイスチップ51の厚みT2よりも大きい。これにより、ウェーハ61に対して切削ブレード12の先端部のみを切り込ませる場合にも、デバイスチップ51の厚みT2に相当する深さに達する溝67を形成できる。
【0118】
ウェーハ61の第1分割予定ライン63aに溝67を形成する際の手順は、上述した実施形態でウェーハ11に溝17を形成する際の手順と同様である。ただし、ここでは、第1分割予定ライン63aの延長線の上方に切削ブレード12の一方の側面12aの縁(下端の縁)が位置付けられるように、チャックテーブル4と切削ユニット6との位置を調整する。
【0119】
また、切削ブレード12の一方の側面12aの下端の高さが、デバイスチップ51の裏面51bとなる部分の高さと同じか、それよりも低くなり、切削ブレード12の他方の側面12aの下端の高さがウェーハ61の表面61aの高さよりも高くなるように、切削ユニット6の高さを調整する。
【0120】
これにより、回路部65の上面から溝67の下端までの距離D2は、デバイスチップ51の厚みT2と同じか、それよりも大きくなる。なお、第2分割予定ライン63bに溝を形成する際には、任意の形状の切削ブレードを用いれば良い。例えば、側面に対して概ね垂直に交わる外周面を有する切削ブレードを用いることができる。
【0121】
図11は、デバイスチップ51の製造に用いられる別のウェーハの表面側の一部を拡大した平面図である。図11に示すように、デバイスチップ51の製造に用いられるウェーハ71の基本的な構造は、上述した実施形態にかかるウェーハ11の構造と同じである。すなわち、ウェーハ71は、表面71aと、表面71aとは反対側に位置する裏面71b(図12参照)と、を含む。
【0122】
このウェーハ71の表面71a側は、互いに平行な第1分割予定ライン(第1ストリート)73a及び第2分割予定ライン(第2ストリート)73bと、これらに対して交差する第3分割予定ライン(第3ストリート)73cと、によって複数の小領域に区画されており、各小領域には、電子回路を含む回路部(デバイス)75が形成されている。各回路部75の最外層(最上層)は、代表的には、絶縁性の保護膜(パッシベーション膜)で構成される。
【0123】
また、各回路部75は、図11に示すように、外部に露出する複数の端子75aを含んでいる。なお、このウェーハ71では、第1分割予定ライン73aを挟んで配置される2つの回路部75の間隔が、第2分割予定ライン73bを挟んで配置される2つの回路部75の間隔よりも広くなっている。また、第2分割予定ライン73bを挟んで配置される2つの回路部75の間隔と、第3分割予定ライン73cを挟んで配置される2つの回路部75の間隔とは、同程度である。
【0124】
図12は、デバイスチップ51の製造に用いられるウェーハ71に溝が形成される様子を模式的に示す図である。ウェーハ71の第1分割予定ライン73aに溝77を形成し、ウェーハ71の第2分割予定ライン73bに溝79を形成する際には、図12に示す切削装置62を用いる。切削装置62の基本的な構造は、切削装置2と同じである。
【0125】
すなわち、切削装置62は、ウェーハ71を保持する際に使用されるチャックテーブル64を備えている。このチャックテーブル64は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属材料でなる円筒状の枠体と、多孔質材料でなり枠体の上部に配置される保持板と、を含む。この保持板の上面が、ウェーハ71を保持する保持面64aとなる。
【0126】
チャックテーブル64の上方には、第1切削ユニット66が配置されている。第1切削ユニット66は、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、スピンドル68が収容されている。スピンドル68の一端側には、ダイヤモンド等の砥粒を樹脂や金属等の結合材で固定してなる環状の切削ブレード(第1切削ブレード)70が装着されている。
【0127】
切削ブレード70の構造は、上述した切削ブレード10の構造と同じである。つまり、切削ブレード70は、概ね平坦で互いに平行な一対の側面70aを含んでいる。切削ブレード70の外周縁に相当する先端部には、一対の側面70aに対して傾斜した一対の外周面70bが設けられている。
【0128】
また、チャックテーブル64の上方には、第2切削ユニット72が配置されている。この第2切削ユニット72も、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、スピンドル74が収容されている。スピンドル74の一端側には、ダイヤモンド等の砥粒を樹脂や金属等の結合材で固定してなる環状の切削ブレード(第2切削ブレード)76が装着されている。切削ブレード76の形状に特段の制限はないが、ここでは、側面に対して概ね垂直に交わる外周面を持ち切削ブレード70の先端部(一対の外周面70b)よりも幅(側面の間隔)の狭いものが用いられる。
【0129】
ウェーハ71の第1分割予定ライン73aに斜面を含む溝77を形成する際には、切削ブレード70が装着された第1切削ユニット66を使用する。具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11に溝17を形成する際の手順と同様である。なお、この第1切削ユニット66の高さは、回路部75の上面から溝77の下端までの距離D3が、デバイスチップ51の厚みT2と同じか、それよりも大きくなるように調整される。
【0130】
一方で、ウェーハ71の第2分割予定ライン73bに溝79を形成する際には、切削ブレード76が装着された第2切削ユニット72を使用する。なお、第3分割予定ライン73cに溝を形成する際にも、この第2切削ユニット72を使用すれば良い。
【0131】
図13(A)は、第2変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図13(B)は、第2変形例にかかるデバイスチップの側面図である。図13(A)及び図13(B)に示すように、第2変形例にかかるデバイスチップ81の基本的な構造は、上述した第1変形例にかかるデバイスチップ51の構造と同じである。ただし、この第2変形例にかかるデバイスチップ81は、表面81aと裏面81bとに接続された2つの斜面81cと、表面81aと裏面81bとに接続された2つの側面81dと、を有している。
【0132】
デバイスチップ81の表面81a側には、電子回路を含む回路部(デバイス)83が設けられている。回路部83は、外部に露出する複数の端子83aを含む。複数の端子83aは、斜面81cに接続された表面81aの縁に沿って配列されている。このデバイスチップ81をフレキシブル基板に実装する際には、回路部83の端子83aとフレキシブル基板の端子とが配線を介して電気的に接続される。
【0133】
斜面81cの一部は、回路部83の端子83aに相当する領域とともに、デバイスチップ81をフレキシブル基板に実装する際に配線が形成される配線部85を構成している。上述のように、第2変形例のデバイスチップ81は、表面81a側又は裏面81b側から見た形状が矩形であり、配線部85は、この矩形の2つの辺(斜面81cに対応する辺)に相当する領域に配置されている。
【0134】
デバイスチップ81の裏面81bと斜面81cとのなす角度θ3や、デバイスチップ81の幅W3、デバイスチップ81の厚み(仕上げ厚み)T3等に特段の制限はない。例えば、角度θ3、幅W3、厚みT3を、デバイスチップ1の角度θ1、幅W1、厚みT1と同程度にすることができる。
【0135】
図14(A)は、第3変形例にかかるデバイスチップの平面図であり、図14(B)は、第3変形例にかかるデバイスチップの側面図である。図14(A)及び図14(B)に示すように、第3変形例にかかるデバイスチップ91の基本的な構造は、上述した実施形態にかかるデバイスチップ1の構造と同じである。すなわち、デバイスチップ91は、表面91aと、表面91aとは反対側に位置する裏面91bと、を含んでいる。
【0136】
表面91aと裏面91bとは、いずれも概ね平坦な矩形状に形成されている。また、表面91aと裏面91bとは、互いに概ね平行に配置されている。この裏面91bの面積は、表面91aの面積よりも大きくなっている。すなわち、表面91aの面積は、裏面91bの面積よりも小さくなっている。
【0137】
矩形の4つの辺のいずれかに相当する表面91aの縁の一部の傍には、矩形の4つの辺のいずれかに相当する裏面91bの縁の一部が配置されており、この表面91aの縁の一部と、裏面91bの縁の一部とは、互いに平行である。そして、この表面91aの縁の一部と、裏面91bの縁の一部とは、表面91aと裏面91bとに対して傾斜した斜面91c、及び表面91aと裏面91bとに対して概ね垂直な側面91dを介して互いに接続されている。
【0138】
具体的には、矩形の1つの辺に相当する表面91aの縁の一部には、表面91aと裏面91bとに対して傾斜した斜面91cの縁の一部が接続されている。また、矩形の1つの辺に相当する裏面91bの縁の一部には、表面91aと裏面91bとに対して概ね垂直な側面91dの縁の一部が接続されている。そして、斜面91cの縁の他の一部と側面91dの縁の他の一部とは、互いに接続されている。斜面91cは、概ね平坦に形成されており、表面91a側にのみ露出している。
【0139】
矩形の他の3つの辺に相当する表面91aの縁の各部分の傍にも、矩形の他の3つの辺に相当する裏面91bの縁の各部分が配置されており、この表面91aの縁の各部分と、裏面91bの縁の各部分とは、互いに平行である。そして、この表面91aの縁の各部分と、裏面91bの縁の各部分とは、同様の斜面91cと側面91dとを介して互いに接続されている。すなわち、デバイスチップ91は、表面91a側又は裏面91b側から見た形状が矩形の略四角錐台状に形成されており、側壁となる4つの斜面91cと4つの側面91dとを含んでいる。
【0140】
デバイスチップ91の表面91a側には、電子回路を含む回路部(デバイス)93が設けられている。回路部93は、外部に露出する複数の端子93aを含む。複数の端子93aは、矩形の4つの辺に相当する表面91aの縁の各部分に沿って配列されている。このデバイスチップ91をフレキシブル基板に実装する際には、回路部93の端子93aとフレキシブル基板の端子とが配線を介して電気的に接続される。
【0141】
斜面91cの一部は、側面91dの一部や回路部93の端子93aに相当する領域とともに、デバイスチップ91をフレキシブル基板に実装する際に配線が形成される配線部95を構成している。なお、図14(A)及び図14(B)では、説明の便宜上、1つの斜面91cに対応する配線部95のみを示しているが、第3変形例のデバイスチップ91は、各斜面91cに対応する複数の配線部95を備えている。
【0142】
このデバイスチップ91の裏面91bに対して平行な面と斜面91cとのなす角度θ4や、デバイスチップ91の幅W4、デバイスチップ91の厚み(仕上げ厚み)T4等に特段の制限はない。例えば、角度θ4、幅W4、厚みT4を、デバイスチップ1の角度θ1、幅W1、厚みT1と同程度にすることができる。
【0143】
ただし、デバイスチップ91の斜面91cに相当する部分の厚みta(すなわち、斜面91cの高低差)は、側面91dに相当する部分の厚みtb(すなわち、側面91dの高低差)よりも十分に大きい。つまり、側面91dに相当する部分の厚みtbは、斜面91cに相当する部分の厚みtaよりも十分に小さい。例えば、厚みtbは、5μm以下であることが望ましく、3μm以下であるとより望ましい。また、厚みtbは、厚みtaの1/3以下であることが望ましく、1/5以下であるとより望ましい。
【0144】
このように、第3変形例のデバイスチップ91は、表面91aと裏面91bとに対して傾斜し且つ表面91a側に露出する複数の斜面91cを備えている。また、各斜面91cは、表面91aに接続するとともに、斜面91cに比べて高低差が十分に小さい側面91dを介して裏面91bに接続している。そのため、表面91aと斜面91cとが露出するようにデバイスチップ91をフレキシブル基板に配置すると、表面91a側の回路部93と斜面91cとの間、及び斜面91cとフレキシブル基板との間には、段差が殆ど発生しない。
【0145】
よって、直方体状のデバイスチップ(表面や裏面に対して概ね垂直な側面のみを持つデバイスチップ)を用いる場合とは異なり、斜面91cを含む配線部95に印刷等の方法で配線を形成するだけで、電子回路を含む回路部93とフレキシブル基板とを確実に接続できる。つまり、第3変形例にかかるデバイスチップ91も、印刷等の方法による配線の形成に適している。
【0146】
デバイスチップ91は、例えば、上述した実施形態にかかるウェーハ11を用いて製造される。具体的な製造方法は、例えば、次の通りである。まず、ウェーハ11を準備する(準備ステップ)。そして、このウェーハ11の分割予定ライン13を切削ブレード(第1切削ブレード)で切削し、ウェーハ11の表面11a側に斜面(傾斜した側面)を含む溝(第1溝)17を形成する(第1切削ステップ)。
【0147】
図15(A)は、ウェーハ11の表面11a側に溝17等が形成される様子を模式的に示す図である。この第3変形例では、溝17を形成する際に、上述した切削装置62を用いる。具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11に溝17を形成する際の手順と同様である。
【0148】
つまり、図15(A)に示すように、側面70aに対して傾斜した一対の外周面70bを先端部に持つ切削ブレード(第1切削ブレード)70の先端部でウェーハ11の分割予定ライン13を表面11a側から切削する。ウェーハ11を切削する際の第1切削ユニット66の高さは、回路部15の上面から溝17の下端までの距離D4が、デバイスチップ91の厚みT4よりも僅かに小さくなるように調整される。
【0149】
ウェーハ11に溝17を形成した後には、この溝17の下端に相当する部分(分割予定ライン13に相当する部分)を切削ブレード(第2切削ブレード)で切削し、溝17よりも表面11aから深い位置に達する溝(第2溝)19をウェーハ11に形成する。この溝19を形成する際にも、上述した切削装置62を用いる。
【0150】
具体的には、図15(A)に示すように、切削ブレード70の先端部(一対の外周面70b)よりも幅(側面の間隔)の狭い切削ブレード(第2切削ブレード)76でウェーハ11の分割予定ライン13を表面11a側から切削する。ウェーハ11を切削する際の第2切削ユニット72の高さは、回路部15の上面から溝19の下端までの距離D5が、デバイスチップ91の厚みT4よりも大きくなるように調整される。
【0151】
これにより、溝17よりも幅が狭く溝17よりも表面11aから深い位置に達する溝19がウェーハ11に形成される。なお、ここでは、溝17を形成した後に溝19を形成しているが、溝19を形成した後に溝17を形成しても良い。
【0152】
ウェーハ11に溝17と溝19とを形成した後には、これらを表面11a側からエッチングによって処理する(第1エッチングステップ)。この第3変形例では、上述したプラズマエッチング装置22を用いて溝17と溝19とを処理する。具体的な手順は、上述した実施形態で溝17を表面11a側からエッチングによって処理する際の手順と同様である。
【0153】
これにより、溝17の斜面や溝19の側面に残留する応力が解放される(ストレスリリーフ)。よって、デバイスチップ91の抗折強度が高くなる。また、ウェーハ11の表面11aと溝17の斜面との接続部の角や、溝17の斜面と溝19の側面との接続部の角が取れて丸くなるので、デバイスチップ91は、衝撃にも強くなる。
【0154】
ウェーハ11の溝17と溝19とを表面11a側からエッチングによって処理した後には、このウェーハ11の表面11a側を保護する保護部材を形成する(保護部材形成ステップ)。具体的には、まず、ウェーハ11の表面11a側にシートを密着させる(シート密着ステップ)。図15(B)は、ウェーハ11の表面11a側にシート21を密着させる様子を模式的に示す図である。具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11の表面11a側にシート21を密着させる際の手順と同様である。
【0155】
ウェーハ11の表面11a側にシート21を密着させた後には、このシート21を被覆する樹脂板29を形成する(樹脂板形成ステップ)。そして、形成された樹脂板29を、シート21やシート25等とともに、ウェーハ11の外周縁に沿って切断する(切断ステップ)。これにより、シート21、シート25、及び樹脂板29を含む円形の保護部材が完成する。具体的な手順は、上述した実施形態にかかる手順と同様である。
【0156】
保護部材が完成した後には、このウェーハ11の裏面11bを研削してウェーハ11を薄くする(研削ステップ)。図16(A)は、ウェーハ11の裏面11b側が研削される様子を模式的に示す図である。本実施形態では、上述した研削装置42を用いてウェーハ11の裏面11b側を研削する。具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11の裏面11bを研削する際の手順と同様である。
【0157】
これにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削して、ウェーハ11を薄くできる。本実施形態では、溝19の側面が裏面11bに接続し、この溝19(分割予定ライン13)を境にウェーハ11が複数のデバイスチップ91と端材97(図16(B)参照)とに分割されるまでウェーハ11を薄くする。すなわち、溝17の斜面と裏面11bとが接続しない程度にウェーハ11を薄くする。
【0158】
なお、このウェーハ11の表面11aは、デバイスチップ91の表面91aとなり、研削後のウェーハ11の裏面11bは、デバイスチップ91の裏面91bとなり、溝17の斜面は、デバイスチップ91の斜面91cとなり、溝19の側面は、デバイスチップ91の側面91dとなる。
【0159】
ウェーハ11の裏面11bを研削した後には、このウェーハ11の裏面11b(デバイスチップ91の裏面91b)をエッチングによって処理する(第2エッチングステップ)。図16(B)は、ウェーハ11の裏面11bがエッチング(プラズマエッチング)によって処理される様子を模式的に示す図である。この第3変形例でも、上述したプラズマエッチング装置22を用いてウェーハ11の裏面11bを処理する。
【0160】
具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11の裏面11b側をエッチングによって処理する際の手順と同様である。これにより、ウェーハ11の裏面11bに残留する応力が解放される(ストレスリリーフ)。よって、デバイスチップ91の抗折強度が高くなる。また、デバイスチップ91の裏面91b(ウェーハ11の裏面11b)と側面91d(溝19の側面)との接続部の角が取れて丸くなるので、デバイスチップ91は、衝撃にも強くなる。
【0161】
ウェーハ11の裏面11bをエッチングによって処理した後には、このウェーハ11から保護部材を除去する(保護部材除去ステップ)。具体的な手順は、上述した実施形態でウェーハ11から保護部材を除去する際の手順と同様である。
【0162】
第3変形例にかかるデバイスチップの製造方法では、切削ブレード70で分割予定ライン13を切削して斜面を含む溝17をウェーハに形成し、切削ブレード76で分割予定ライン13を切削してこの溝17よりも幅が狭く溝17よりも表面11aから深い位置に達する溝19を形成する。そして、溝19の側面が裏面11bに接続し、この溝19(分割予定ライン13)を境にウェーハ11が複数のデバイスチップ91に分割されるまで裏面11bを研削してウェーハ11を薄くする。
【0163】
そのため、裏面11bを研削してウェーハ11を複数のデバイスチップ91へと分割する際に、隣接するデバイスチップ91の間に溝19による隙間が形成され、隣接するデバイスチップ91が衝突し難くなる。つまり、研削の際にデバイスチップ91が欠け難くなる。また、ウェーハ11に溝19を形成しない場合のように、デバイスチップ91の端部が薄くなり過ぎてしまうことがないので、ウェーハ11の裏面11bを研削する際にデバイスチップ91が欠ける可能性を低く抑えられる。
【0164】
そして、溝19を形成しない場合に比べて溝17を浅くできるので、加工に必要な幅が狭くなる。すなわち、ストリートリダクションによって、デバイスチップ91の取り数を増やすことができる。
【0165】
その他、上述した実施形態や変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて変更して実施できる。
【符号の説明】
【0166】
1 :デバイスチップ
1a :表面
1b :裏面
1c :斜面
3 :回路部(デバイス)
3a :端子
5 :配線部
11 :ウェーハ
11a :表面
11b :裏面
13 :分割予定ライン(ストリート)
15 :回路部(デバイス)
15a :端子
17 :溝(第1溝)
19 :溝(第2溝)
21 :シート
21a :基材
21b :接着層
23 :フレーム
25 :シート
27 :液状の樹脂
29 :樹脂板
31 :端材
33 :粘着テープ
35 :フレーム
41 :フレキシブル基板
41a :上面
43 :端子
45 :配線
51 :デバイスチップ
51a :表面
51b :裏面
51c :斜面
51d :側面
53 :回路部(デバイス)
53a :端子
55 :配線部
57 :溝
61 :ウェーハ
61a :表面
61b :裏面
63a :第1分割予定ライン(第1ストリート)
63b :第2分割予定ライン(第2ストリート)
65 :回路部(デバイス)
65a :端子
67 :溝
69 :溝
71 :ウェーハ
71a :表面
71b :裏面
73a :第1分割予定ライン(第1ストリート)
73b :第2分割予定ライン(第2ストリート)
73c :第3分割予定ライン(第3ストリート)
75 :回路部(デバイス)
77 :溝
79 :溝
81 :デバイスチップ
81a :表面
81b :裏面
81c :斜面
81d :側面
83 :回路部(デバイス)
83a :端子
85 :配線部
91 :デバイスチップ
91a :表面
91b :裏面
91c :斜面
93 :回路部(デバイス)
93a :端子
95 :配線部
97 :端材
10 :切削ブレード
10a :側面
10b :外周面
12 :切削ブレード
12a :側面
12b :外周面
70 :切削ブレード(第1切削ブレード)
70a :側面
70b :外周面
76 :切削ブレード(第2切削ブレード)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16