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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】複数のウェーハの処理方法及び切削装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20240729BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240729BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20240729BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240729BHJP
【FI】
H01L21/78 F
H01L21/78 N
H01L21/68 A
B24B27/06 J
B24B41/06 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020081205
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021176164
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】柏木 啓司
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-245437(JP,A)
【文献】特開2016-203362(JP,A)
【文献】特開2019-195015(JP,A)
【文献】特開2007-305862(JP,A)
【文献】特開2002-299286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/677
B24B 27/06
B24B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に設定された複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域の各々にデバイスが形成された複数のウェーハのそれぞれを、各分割予定ラインに沿って切削した後にカセットへ収容する複数のウェーハの処理方法であって、
複数のウェーハが収容された第1のカセットを、カセット載置台に載置するカセット載置ステップと、
該第1のカセットからチャックテーブルへ、ウェーハを順次搬送するウェーハ搬送ステップと、
該チャックテーブルへ搬送されるウェーハが、該第1のカセットから最後に搬送される最終のウェーハかどうかを判断する判断ステップと、
該チャックテーブルで保持されたウェーハを、切削ユニットで順次切削する切削ステップと、
切削後のウェーハを順次洗浄する洗浄ステップと、
該最終のウェーハではないウェーハを該切削ステップで切削し、且つ、該洗浄ステップで洗浄した後に該第1のカセットに収容するカセット収容ステップと、
該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが該第1のカセットに収容された後、該第1のカセットを該カセット載置台から取り外し、複数のウェーハが収容されており該第1のカセットとは異なる第2のカセットを、該カセット載置台に載置するカセット交換ステップと、
該カセット交換ステップの後に、該第2のカセットから該チャックテーブルへのウェーハの搬送を開始する搬送開始ステップと、
該搬送開始ステップの後に、該切削ステップで切削され且つ該洗浄ステップで洗浄された該最終のウェーハを、該カセット載置台の下側に配置され該カセット載置台と共に昇降するウェーハ載置部に載置する最終ウェーハ載置ステップと、
を備えることを特徴とする複数のウェーハの処理方法。
【請求項2】
該最終ウェーハ載置ステップの後、該ウェーハ載置部に載置された該最終のウェーハを、該ウェーハ載置部から取り出し該第1のカセットに収容する、取り出し及び収容ステップを更に備える請求項1記載の複数のウェーハの処理方法。
【請求項3】
表面側に設定された複数の分割予定ラインによって複数の領域の各々にデバイスが形成された複数のウェーハのそれぞれを、各分割予定ラインに沿って切削した後にカセットへ収容する切削装置であって、
ウェーハを保持するチャックテーブルと、
スピンドルと、該スピンドルの一端側に装着された切削ブレードとを有する切削ユニットと、
ウェーハを吸引保持するスピンナテーブルと、該スピンナテーブルの保持面に向かって流体を噴射するノズルと、を含み、切削後のウェーハを洗浄する洗浄ユニットと、
複数のウェーハが収容された第1のカセットが載置されるカセット載置台と、該カセット載置台の下側に配置され該カセット載置台と共に昇降するウェーハ載置部と、を備えるカセット機構と、
該カセット機構と該チャックテーブルとの間でウェーハを搬送する搬送ユニットと、
該第1のカセットから最後に搬送されたウェーハを該第1のカセットの最終のウェーハと判断する判断部を含む制御ユニットと、
該第1のカセットに収容されていた該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが、該切削ユニットでの切削及び該洗浄ユニットでの洗浄後に該第1のカセットに収容された場合に、該第1のカセットの交換を促すメッセージを発する報知部と、を備え、
該制御ユニットは、該搬送ユニットを制御することにより、
切削後のウェーハのうち該最終のウェーハ以外の全てのウェーハを該第1のカセットに搬送し、該最終のウェーハを該ウェーハ載置部に搬送し、
該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが該第1のカセットに収容された後、且つ、複数のウェーハが収容されており該第1のカセットとは異なる第2のカセットが該カセット載置台に載置された場合に、切削且つ洗浄後の該最終のウェーハが該ウェーハ載置部に載置される前に、該第2のカセットから該チャックテーブルへのウェーハの搬送を開始することを特徴とする切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウェーハを分割予定ラインに沿って順次切削する複数のウェーハの処理方法、及び、複数のウェーハを順次切削する切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスチップの製造工程では、円盤状のウェーハの表面に複数の分割予定ラインを格子状に設定し、当該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域の各々にIC(Integrated Circuit)等のデバイスを形成する。その後、ウェーハを各分割予定ラインに沿って切削することで、ウェーハを複数の半導体デバイスチップに分割する。
【0003】
ウェーハを切削するためには、例えば、切削装置が用いられる。切削装置は、ウェーハを搬送する搬送ユニットと、ウェーハを吸引保持するチャックテーブルと、チャックテーブルで吸引保持されたウェーハを切削する切削ブレードを有する切削ユニットと、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ウェーハを切削する際には、まず、複数のウェーハを収容している第1のカセットを切削装置に配置する。そして、搬送ユニットにより第1のカセットからウェーハを順次搬出して、切削及び洗浄後のウェーハを第1のカセットへ順次搬入する。
【0005】
そして、第1のカセットに収容されていた全てのウェーハが第1のカセットに搬入された後、第1のカセットに代えて、複数のウェーハを収容している別のカセット(第2のカセット)を切削装置に配置する。そして、第1のカセットの場合と同様に、第2のカセットからウェーハを順次搬出し、切削及び洗浄を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-159823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、カセットを交換する際には切削装置のオペレーションを停止させる必要があるので、単位時間当たりのウェーハの処理数が低下する。これに対して、複数のカセットを切削装置に同時に搭載するために、同じ高さ位置に複数のカセット載置台を設ける様に、通常の切削装置の仕様を変更することも考えられるが、搬送ユニットの可動範囲を広げる等の大幅な改造が必要になる。
【0008】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、搬送ユニットの可動範囲を通常の仕様から変更すること無く、且つ、収容されている全てのウェーハが処理されて第1のカセットへ搬送された後に第1のカセットを第2のカセットに交換する場合に比べて、単位時間当たりのウェーハの処理数を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、表面側に設定された複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域の各々にデバイスが形成された複数のウェーハのそれぞれを、各分割予定ラインに沿って切削した後にカセットへ収容する複数のウェーハの処理方法であって、複数のウェーハが収容された第1のカセットを、カセット載置台に載置するカセット載置ステップと、該第1のカセットからチャックテーブルへ、ウェーハを順次搬送するウェーハ搬送ステップと、該チャックテーブルへ搬送されるウェーハが、該第1のカセットから最後に搬送される最終のウェーハかどうかを判断する判断ステップと、該チャックテーブルで保持されたウェーハを、切削ユニットで順次切削する切削ステップと、切削後のウェーハを順次洗浄する洗浄ステップと、該最終のウェーハではないウェーハを該切削ステップで切削し、且つ、該洗浄ステップで洗浄した後に該第1のカセットに収容するカセット収容ステップと、該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが該第1のカセットに収容された後、該第1のカセットを該カセット載置台から取り外し、複数のウェーハが収容されており該第1のカセットとは異なる第2のカセットを、該カセット載置台に載置するカセット交換ステップと、該カセット交換ステップの後に、該第2のカセットから該チャックテーブルへのウェーハの搬送を開始する搬送開始ステップと、該搬送開始ステップの後に、該切削ステップで切削され且つ該洗浄ステップで洗浄された該最終のウェーハを、該カセット載置台の下側に配置され該カセット載置台と共に昇降するウェーハ載置部に載置する最終ウェーハ載置ステップと、を備える複数のウェーハの処理方法が提供される。
【0010】
好ましくは、複数のウェーハの処理方法は、該最終ウェーハ載置ステップの後、該ウェーハ載置部に載置された該最終のウェーハを、該ウェーハ載置部から取り出し該第1のカセットに収容する、取り出し及び収容ステップを更に備える。
【0011】
本発明の他の態様によれば、表面側に設定された複数の分割予定ラインによって複数の領域の各々にデバイスが形成された複数のウェーハのそれぞれを、各分割予定ラインに沿って切削した後にカセットへ収容する切削装置であって、ウェーハを保持するチャックテーブルと、スピンドルと、該スピンドルの一端側に装着された切削ブレードとを有する切削ユニットと、ウェーハを吸引保持するスピンナテーブルと、該スピンナテーブルの保持面に向かって流体を噴射するノズルと、を含み、切削後のウェーハを洗浄する洗浄ユニットと、複数のウェーハが収容された第1のカセットが載置されるカセット載置台と、該カセット載置台の下側に配置され該カセット載置台と共に昇降するウェーハ載置部と、を備えるカセット機構と、該カセット機構と該チャックテーブルとの間でウェーハを搬送する搬送ユニットと、該第1のカセットから最後に搬送されたウェーハを該第1のカセットの最終のウェーハと判断する判断部を含む制御ユニットと、該第1のカセットに収容されていた該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが、該切削ユニットでの切削及び該洗浄ユニットでの洗浄後に該第1のカセットに収容された場合に、該第1のカセットの交換を促すメッセージを発する報知部と、を備え、該制御ユニットは、該搬送ユニットを制御することにより、切削後のウェーハのうち該最終のウェーハ以外の全てのウェーハを該第1のカセットに搬送し、該最終のウェーハを該ウェーハ載置部に搬送し、該最終のウェーハ以外の全てのウェーハが該第1のカセットに収容された後、且つ、複数のウェーハが収容されており該第1のカセットとは異なる第2のカセットが該カセット載置台に載置された場合に、切削且つ洗浄後の該最終のウェーハが該ウェーハ載置部に載置される前に、該第2のカセットから該チャックテーブルへのウェーハの搬送を開始する切削装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る複数のウェーハの処理方法では、最終のウェーハ以外の全てのウェーハが第1のカセットに収容された後、第1のカセットをカセット載置台から取り外し、複数のウェーハが収容されており、第1のカセットとは異なる第2のカセットをカセット載置台に載置するカセット交換ステップと、カセット交換ステップの後に、第2のカセットからチャックテーブルへのウェーハの搬送を開始する搬送開始ステップと、搬送開始ステップの後に、切削ステップで切削された最終のウェーハを、カセット載置台の下側に配置されカセット載置台と共に昇降するウェーハ載置部に載置する最終ウェーハ載置ステップと、を備える。
【0013】
この様に、最終のウェーハを第1のカセットへ戻す前に、第2のカセットからチャックテーブルへのウェーハの搬送を開始できる。それゆえ、収容されている全てのウェーハが処理されて第1のカセットへ搬送された後に第1のカセットを第2のカセットに交換する場合に比べて、単位時間当たりのウェーハの処理数を向上できる。
【0014】
加えて、カセット載置台の下側に配置されているウェーハ載置部は、カセット載置台と共に昇降するので、搬送ユニットの可動範囲を変えること無く、搬送ユニットは、最終のウェーハをウェーハ載置部に載置できる。それゆえ、搬送ユニットの可動範囲を通常の仕様から変更する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】切削装置の斜視図である。
図2】カセット機構等の一部断面側面図である。
図3】ウェーハ等の斜視図である。
図4】複数のウェーハの処理を時系列的に説明する図である。
図5】#1のウェーハが洗浄され、#2のウェーハが切削される様子を示す図である。
図6】#(N-1)及び#Nのウェーハを処理する様子を示す図である。
図7】カセット交換ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。図1は、切削装置2の斜視図である。なお、図1に示すX軸方向(加工送り方向)、Y軸方向(割り出し送り方向)及びZ軸方向(鉛直方向)は互いに直交する。
【0017】
切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の前方の角部には、開口4aが設けられている。開口4a内には、図2に示すカセット機構6が設けられている。図2は、カセット機構6等の一部断面側面図である。
【0018】
カセット機構6は、昇降台6aを有する。昇降台6aは、ボールネジ式の昇降機構8によりZ軸方向に沿って昇降する。昇降台6aの上面には、ウェーハ載置部6bが配置されている。ウェーハ載置部6bは、縦及び横の各長さに比べて高さ方向の長さが小さい直方体状の筐体である
【0019】
ウェーハ載置部6bの内部は空洞であり、ウェーハ載置部6bはY軸方向と略直交する両側面に開口6cを有する。開口6cは、後述する1つのウェーハユニット21が通過できる程度の大きさを有する。
【0020】
ウェーハ載置部6bの上側には、ウェーハ載置部6bの上面と略同じ大きさを有する平板状のカセット載置台6dが設けられている。カセット載置台6d上には、複数のウェーハユニット21(即ち、ウェーハ11)が収容されたカセット6eが載置される。
【0021】
ここで、図3を参照して、ウェーハ11等について説明する。図3は、ウェーハ11等の斜視図である。ウェーハ11は、例えば、シリコン等の半導体材料で形成されており、円盤形状を有する。
【0022】
ウェーハ11の表面11aには、互いに交差する態様で複数の分割予定ライン(ストリート)13が設定されている。複数の分割予定ライン13で区画された複数の領域の各々には、IC(Integrated Circuit)等のデバイス15が形成されている。
【0023】
なお、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、ウェーハ11は、シリコン以外の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料で形成されていてもよい。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
【0024】
表面11aとは反対側に位置する裏面11b側には、ウェーハ11よりも面積の大きい円形の粘着テープ(ダイシングテープ)17が貼り付けられている。粘着テープ17の外周部分、金属製で環状のフレーム19に固定されている。
【0025】
つまり、粘着テープ17を介してフレーム19でウェーハ11を支持する様に、ウェーハユニット21が形成されている。複数のウェーハユニット21は、1つのカセット6eに収容されている。カセット6eは、一対の側壁と、一対の側壁の上部と下部とをそれぞれ接続する接続部と、を有する。
【0026】
一対の側壁には、カセット6eの高さ方向に沿って複数の棚(不図示)が設けられており、各棚には1つのウェーハユニット21が載置されている。また、一対の側壁の幅方向の両側に位置するカセット6eの側部は、開口になっている。
【0027】
ここで、図2に戻り、カセット機構6について説明する。カセット機構6は、昇降台6a上に配置されたウェーハ載置部6b及びカセット載置台6dと、カセット6eとを含む。カセット機構6は、昇降機構8によりZ軸方向に沿って共に昇降する。
【0028】
カセット6eに収容されているウェーハユニット21は、開口4aを構成する基台4の側壁のうち、後方(Y軸方向の一方)に配置された側壁の上部に配置されたセンサ6fにより検知される。
【0029】
本実施形態のセンサ6fは、LED(Light Emitting Diode)等の光源を含む発光部と、発光部から照射された光の反射光を受光するフォトダイオード等の光電変換素子を含む受光部と、を有する反射型のマッピングセンサである。
【0030】
センサ6fは、カセット6eの開口を介して、カセット6eの内部へ光を照射し、フレーム19からの反射光を受光することで、ウェーハユニット21の有無を検知する。具体的には、昇降機構8でカセット6eを上昇させると共に、センサ6fは、受光部で反射光を受光する。
【0031】
例えば、センサ6fが反射光の輝度のピークを検知することにより、カセット6e内に収容されているウェーハユニット21(即ち、ウェーハ11)の数がカウントされる。なお、センサ6fとして、透過型のマッピングセンサや、櫛型のマッピングセンサを用いてもよい。
【0032】
ここで、図1に戻り、切削装置2の他の構成要素について説明する。開口4aの後方には、X軸方向に沿う長手部を有する開口4bが形成されている。開口4b内には、平板状のテーブルカバー10が配置されている。
【0033】
テーブルカバー10のX軸方向の両側には、蛇腹状の防塵防滴カバー12が配置されている。テーブルカバー10及び防塵防滴カバー12の下方には、ボールネジ式のX軸移動機構(加工送りユニット)(不図示)が配置されている。
【0034】
テーブルカバー10上には、チャックテーブル14が設けられている。チャックテーブル14は、X軸移動機構により、テーブルカバー10と共にX軸方向に移動可能である。チャックテーブル14の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、チャックテーブル14は、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転できる。
【0035】
チャックテーブル14の上部には、多孔質セラミックスで形成された円盤状のポーラス板が固定されている。ポーラス板には、所定の流路を介して真空ポンプ等の吸引源(不図示)が接続されている。
【0036】
吸引源を動作させると、ポーラス板の上面には負圧が発生する。それゆえ、チャックテーブル14の上面は、ウェーハ11等を吸引保持する保持面14aとなる。なお、チャックテーブル14の周囲には、フレーム19を四方から固定するための4個のクランプ14bが設けられている。
【0037】
開口4aの後方、且つ、開口4bの上方には、Y軸方向に略平行な一対のガイドレール(不図示)が配置されている。一対のガイドレールは、例えば、カセット6eから取り出されたウェーハユニット21のX軸方向の位置を調整する。
【0038】
開口4a及び一対のガイドレールに対してX軸方向の一方側には、開口4bを跨ぐ態様で、門型の支持体4cが設けられている。支持体4cのうち、X軸方向の他方側に位置する側面には、それぞれウェーハユニット21を搬送するロアアームユニット(搬送ユニット)16が設けられている。
【0039】
ロアアームユニット16には、移動機構16aが連結されている。移動機構16aは、Y軸方向に略平行なレールを含み、ロアアームユニット16をY軸方向に沿って移動可能な態様で支持している。
【0040】
ロアアームユニット16は、長手部がZ軸方向に沿って配置されたエアシリンダ16bを有する。エアシリンダ16bには、空気圧制御によりZ軸方向に沿って上下移動可能なロッド16cが設けられている。
【0041】
ロッド16cの下端には、X軸方向に沿う細長い平板状の第1腕部16dの一端部が接続されている。第1腕部16dのX軸方向の他端部には、Y軸方向に沿う細長い平板状の第2腕部が接続されている。
【0042】
第2腕部のY軸方向の両端部には、Y軸方向の長さに比べてX軸方向の長さが長い幅広部が設けられており、各幅広部の下面側には、フレーム19を吸着可能な複数の吸着パッド16eが設けられている。
【0043】
前方側に位置する幅広部のうち、第2腕部とは反対側の側面には、ウェーハユニット21を把持する把持機構16fが設けられている。把持機構16fがフレーム19の一部を摘まんだ状態で、ロアアームユニット16を後方へ移動させれば、カセット6eに収容されたウェーハユニット21を一対のガイドレールへ引き出すことができる。
【0044】
一対のガイドレールでX軸方向の位置が調整されたウェーハユニット21は、ロアアームユニット16により複数の吸着パッド16eでフレーム19が吸着された状態で、一対のガイドレールからチャックテーブル14へ搬送される。
【0045】
これに対して、カセット6eへウェーハユニット21を搬送する場合には、複数の吸着パッド16eでフレーム19を吸着した状態で、ウェーハユニット21を一対のガイドレールへ搬送する。
【0046】
そして、一対のガイドレールでウェーハユニット21のX軸方向の位置を調整した後、把持機構16fでフレーム19の一部を摘まんだ状態で、ロアアームユニット16を前方へ移動させ、一対のガイドレールからカセット6eへウェーハユニット21を押し込む。
【0047】
なお、一対のガイドレールからウェーハ載置部6bへウェーハユニット21を搬送する場合には、昇降機構8で開口6cの高さを一対のガイドレールと略同じ高さにした上で、同様に、ウェーハ載置部6bへウェーハユニット21を押し込む。
【0048】
この様に、ロアアームユニット16は、カセット機構6(ウェーハ載置部6b及びカセット6e)と、チャックテーブル14と、の間で、ウェーハユニット21(ウェーハ11)を搬送する。
【0049】
支持体4cに対してロアアームユニット16の反対側には、開口4bを跨ぐ態様で門型の支持体4dが設けられている。支持体4dのうち、支持体4c側の側面には、一対の加工ユニット移動機構(割り出し送りユニット、切り込み送りユニット)が設けられている。
【0050】
一対の加工ユニット移動機構は、支持体4dの前面に配置されY軸方向に概ね平行な一対のY軸ガイドレール(不図示)を備えている。一対のY軸ガイドレールには、各加工ユニット移動機構を構成するY軸移動プレート18がスライド可能に取り付けられている。
【0051】
Y軸移動プレート18の支持体4d側の面には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレールに概ね平行なY軸ボールネジ(不図示)が回転可能な形態で連結されている。
【0052】
Y軸ボールネジの一端部には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータでY軸ボールネジを回転させれば、Y軸移動プレート18は、Y軸ガイドレールに沿ってY軸方向に移動する。
【0053】
Y軸移動プレート18の支持体4c側の面には、Z軸方向に概ね平行なZ軸ガイドレール(不図示)が設けられている。Z軸ガイドレールには、Z軸移動プレート(不図示)がスライド可能に取り付けられている。
【0054】
Z軸移動プレートの支持体4d側の面には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレールに平行なZ軸ボールネジ(不図示)が回転可能な形態で連結されている。
【0055】
Z軸ボールネジ(不図示)の上端部には、Z軸パルスモータ20が連結されている。Z軸パルスモータ20でZ軸ボールネジを回転させれば、Z軸移動プレートは、Z軸ガイドレールに沿ってZ軸方向に移動する。
【0056】
Z軸移動プレートの下部には、ウェーハ11を切削する切削ユニット22が設けられている。本実施形態では、一対のZ軸移動プレートの各下部に切削ユニット22が設けられている。一対の切削ユニット22は、Y軸方向に沿って向かい合う様に配置されている。
【0057】
図5を参照し、切削ユニット22について説明する。切削ユニット22は、長手部がY軸方向に沿って配置された筒状のスピンドルハウジング22aを有する。スピンドルハウジング22aは、Y軸方向に対して平行な回転軸となる円柱状のスピンドル22bを回転可能に支持できる。
【0058】
スピンドル22bの一端部は、スピンドルハウジング22aから突出しており、この一端部には、円環状の切り刃を有する切削ブレード22cが装着されている。また、スピンドル22bの他端部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
【0059】
図1に示す様に、切削ユニット22に隣接する位置には、ウェーハ11を撮像するための撮像ユニット24が設けられている。撮像ユニット24は、対物レンズや、イメージセンサ等の撮像素子を含むカメラであり、ウェーハ11と切削ユニット22との位置合わせ等に利用される。
【0060】
開口4bの後方には、円形の開口4eが設けられている。開口4eには、切削後のウェーハ11等を洗浄するための洗浄ユニット26が配置されている。洗浄ユニット26は、ウェーハユニット21を吸引保持するスピンナテーブルと、スピンナテーブルの保持面に向かって気液混合流体を噴射するノズルと、を含む。
【0061】
洗浄ユニット26のスピンナテーブルと、開口4bに配置されているチャックテーブル14との間において、ウェーハユニット21は、アッパーアームユニット30によって搬送される。アッパーアームユニット30には、移動機構30aが連結されている。
【0062】
移動機構30aは、移動機構16aの上方に配置されたY軸方向に略平行なレールを含み、アッパーアームユニット30をY軸方向に沿って移動可能な態様で支持している。アッパーアームユニット30は、長手部がZ軸方向に沿って配置されたエアシリンダ30bを有する。
【0063】
エアシリンダ30bには、空気圧制御によりZ軸方向に沿って上下移動可能なロッド30cが設けられている。ロッド30cの下端には、X軸方向に沿う細長い平板状の第1腕部30dの中央部が接続されている。
【0064】
第1腕部30dのX軸方向の両端部には、X軸方向の長さに比べてY軸方向の長さが長い幅広部が設けられており、幅広部の下面側には、フレーム19を吸着可能な複数の吸着パッド30eが設けられている。
【0065】
アッパーアームユニット30は、切削後のウェーハ11を含むウェーハユニット21のフレーム19を複数の吸着パッド30eで吸着した状態で、チャックテーブル14から洗浄ユニット26のスピンナテーブルへ搬送する。
【0066】
切削装置2は、各構成要素の動作を制御する制御ユニット32を更に有する。制御ユニット32は、センサ6f、昇降機構8、X軸移動機構、加工ユニット移動機構、ロアアームユニット16、切削ユニット22、撮像ユニット24、洗浄ユニット26、アッパーアームユニット30等の動作を制御する。
【0067】
制御ユニット32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ等の処理装置と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置と、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置と、を含むコンピュータによって構成されている。
【0068】
補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニット32の機能が実現される。制御ユニット32は、所定のプログラムで構成された判断部34を有する。判断部34は、センサ6fが検知した反射光の輝度のピークの数に基づいて、カセット6eに収容されているウェーハ11の数を特定する。
【0069】
また、判断部34は、何個目のウェーハ11がカセット6eから搬送(即ち、搬出)されたかを判断し、更に、何個目のウェーハ11がカセット6eへ搬送(即ち、搬入)されたかを判断する。
【0070】
例えば、判断部34は、カセット6eから一対のガイドレールへ引き出すロアアームユニット16の動作の回数により、何個目のウェーハ11がカセット6eから搬送されたかを判断できる。同様に、判断部34は、一対のガイドレールからカセット6eへ押し込むロアアームユニット16の動作の回数により、何個目のウェーハ11がカセット6eへ搬送されたかを判断できる。
【0071】
判断部34は、カセット6eから最後に搬送されたウェーハ11をカセット6eの最終のウェーハ11と判断する。また、最終のウェーハ11以外の全てのウェーハ11が、切削及び洗浄後にカセット6eに収容された場合に、制御ユニット32は、カセット6eの交換を促すための制御信号を生成する。
【0072】
制御ユニット32は、この制御信号により、入力装置及び表示装置を兼ねるタッチパネル36、スピーカー(不図示)、警報ランプ38等の報知部40を動作させる。例えば、制御ユニット32は、「カセットを交換してください」というメッセージをタッチパネル36に表示させる。
【0073】
制御ユニット32は、タッチパネル36のメッセージ表示に代えて、又は、これと共に、「カセットを交換してください」という音声や所定の警報音をスピーカーから流してもよい。また、制御ユニット32は、警報ランプ38を点滅させることで、カセット6eの交換を促すメッセージを発してもよい。
【0074】
次に、図4から図7を参照し、複数のウェーハ11のそれぞれを切削ユニット22で切削した後にカセット6eへ収容する複数のウェーハ11の処理方法について説明する。図4は、複数のウェーハ11の処理を時系列的に説明する図である。
【0075】
図4に示す様に、オペレータが、カセット載置台6d上にN個のウェーハユニット21(即ち、ウェーハ11)を収容した第1のカセット6e-1を載置する(第1のカセット6e-1のカセット載置ステップS10)。なお、Nは2以上の自然数であり、本実施形態ではN=25である。
【0076】
カセット載置台6dに第1のカセット6e-1が載置されると、昇降機構8が所定の速度で上昇又は下降する。このとき、制御ユニット32は、センサ6fを用いて、第1のカセット6e-1に収容されているウェーハユニット21の数をカウントする。
【0077】
ウェーハユニット21の数がカウントされた後、ロアアームユニット16は、高さ位置が調整された第1のカセット6e-1から一対のガイドレールを経て#1のウェーハ11をチャックテーブル14へ搬送する(#1のウェーハ搬送ステップS20)。なお、記号#は、カセット6eから搬送されたウェーハ11の順番を示す。
【0078】
判断部34は、#1のウェーハ搬送ステップS20において、搬送されるウェーハ11が、第1のカセット6e-1から最後に搬送される最終のウェーハ11かどうかを判断する(#1の判断ステップS30)。勿論、#1のウェーハ11は、最終のウェーハ11ではない。
【0079】
#1の判断ステップS30の後、チャックテーブル14は、#1のウェーハ11の裏面11b側を吸引保持した状態で、切削ユニット22の下方へ移動する。そして、1つの分割予定ライン13がX軸方向と略平行になる様に、回転軸の周りでチャックテーブル14の向きを調整する。
【0080】
その後、高速で回転させた切削ブレード22cの下端の高さを、裏面11bと保持面14aとの間に位置付けた状態で、切削ブレード22cとチャックテーブル14とをX軸方向に沿って相対的に移動させる。これにより、1つの分割予定ライン13に沿って、ウェーハ11が切削される(#1の切削ステップS40)。
【0081】
全ての分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を切削した後、チャックテーブル14での吸引を解除する。そして、アッパーアームユニット30が#1のウェーハ11をチャックテーブル14から洗浄ユニット26へ搬送し、洗浄ユニット26が#1のウェーハ11を洗浄する(#1の洗浄ステップS50)。
【0082】
#1のウェーハ11が洗浄ユニット26へ搬送されると、ロアアームユニット16は、#2のウェーハ11を、第1のカセット6e-1から一対のガイドレールを経てチャックテーブル14へ搬送する(#2のウェーハ搬送ステップS20)。この様に、ロアアームユニット16は、カセット6eからウェーハ11を順次搬送する。
【0083】
また、判断部34は、#2のウェーハ搬送ステップS20についても、搬送されるウェーハ11が、最終のウェーハ11かどうかを判断する(#2の判断ステップS30)。勿論、#2のウェーハ11も、最終のウェーハ11ではない。
【0084】
更に、#2のウェーハ11は、切削ユニット22により切削される(#2の切削ステップS40)。この様に、切削ユニット22は、ウェーハ11を順次切削する。図5は、#1のウェーハ11が洗浄され、#2のウェーハ11が切削される様子を示す図である。
【0085】
図5では、#1のウェーハ11(即ち、ウェーハユニット21)を、便宜上、円の中に「#1」と記載して示す。同様に、#2のウェーハ11(即ち、ウェーハユニット21)を、円の中に「#2」と記載して示す。
【0086】
#2のウェーハ11が切削される間に、ロアアームユニット16は、スピンナテーブルから第1のカセット6e-1へ洗浄後の#1のウェーハ11を搬送する。これにより、#1のウェーハ11は、第1のカセット6e-1に収容される(#1のカセット収容ステップS60)。
【0087】
#1のカセット収容ステップS60の終了後、#2の洗浄ステップS50と、#3のウェーハ搬送ステップS20及び#3の判断ステップS30と、が行われる。その後、#2のカセット収容ステップS60と、#3の切削ステップS40と、が行われる。この様にして、各ウェーハ11が順次処理される。
【0088】
更に処理が進み、#(N-1)の洗浄ステップS50中には、#Nのウェーハ搬送ステップS20及び#Nの判断ステップS30が行われる。図6は、#(N-1)のウェーハ11及び#Nのウェーハ11を処理する様子を示す図である。
【0089】
図6では、#(N-1)のウェーハ11(即ち、ウェーハユニット21)を、便宜上、長円の中に「#N-1」と記載して示す。同様に、最終のウェーハ11である#Nのウェーハ11(即ち、ウェーハユニット21)を、円の中に「#N」と記載して示す。
【0090】
#(N-1)のカセット収容ステップS60及び#Nの切削ステップS40が完了し、#Nのウェーハ11(即ち、最終のウェーハ11)以外の全てのウェーハ11が第1のカセット6e-1に収容された後、第1のカセット6e-1を交換する旨がオペレータに伝えられる。これを受けて、オペレータは、例えば、手作業で、第1のカセット6e-1をカセット載置台6dから取り外し、切削装置2の外部に配置された所定の台に搬送する。
【0091】
そして、オペレータは、第1のカセット6e-1とは異なる第2のカセット6e-2を、カセット載置台6dに載置する(カセット交換ステップS70、即ち、第2のカセット6e-2のカセット載置ステップS10)。図7は、カセット交換ステップS70を示す図である。
【0092】
第2のカセット6e-2にも、複数のウェーハ11がウェーハユニット21の状態で収容されており、カセット交換ステップS70の後に、第2のカセット6e-2からチャックテーブル14へ#1のウェーハ11の搬送が開始される(搬送開始ステップS80、即ち、#1のウェーハ搬送ステップS20)。
【0093】
第2のカセット6e-2中の各ウェーハ11についても、第1のカセット6e-1中のウェーハ11と同様の手順で処理が進められる。図7では、第2のカセット6e-2の#1のウェーハ11(即ち、ウェーハユニット21)を、円の中に「#1」と記載して示す。
【0094】
ところで、第1のカセット6e-1に収容されていた最終のウェーハ11は、#Nの切削ステップS40及び#Nの洗浄ステップS50を経て、第2のカセット6e-2の#1のウェーハ11の搬送開始ステップS80の後に、ウェーハ載置部6bへ搬送される。
【0095】
この最終のウェーハ11は、ロアアームユニット16により、第2のカセット6e-2ではなく、第2のカセット6e-2の下方に位置するウェーハ載置部6bに載置される(最終ウェーハ載置ステップS90)。
【0096】
なお、最終ウェーハ載置ステップS90では、昇降機構8によりウェーハ載置部6bを一対のガイドレールと同じ高さまで上昇させた状態で、最終のウェーハ11をウェーハ載置部6bへ搬送する。
【0097】
本実施形態では、最終のウェーハ11を第1のカセット6e-1へ戻す前に、第2のカセット6e-2からチャックテーブル14へのウェーハ11の搬送を開始できる。それゆえ、収容されている全てのウェーハ11が処理されて第1のカセット6e-1へ搬送された後に第1のカセット6e-1を第2のカセット6e-2に交換する場合に比べて、単位時間当たりのウェーハ11の処理数を向上できる。
【0098】
加えて、カセット載置台6dの下側に配置されているウェーハ載置部6bは、カセット載置台6dと共に昇降するので、ロアアームユニット16の可動範囲を変えること無く、ロアアームユニット16は、最終のウェーハ11をウェーハ載置部6bに載置できる。それゆえ、ロアアームユニット16の可動範囲を通常の仕様から変更する必要もないという利点がある。
【0099】
最終ウェーハ載置ステップS90の後、オペレータが手作業で、ウェーハ載置部6bに載置された最終のウェーハ11を、ウェーハ載置部6bから取り出し、切削装置2の外部に配置された第1のカセット6e-1に収容する(取り出し及び収容ステップS100)。これにより、最終のウェーハ11を含む全てのウェーハ11を、第1のカセット6e-1に収容できる。
【0100】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。カセット交換ステップS70や取り出し及び収容ステップS100は、オペレータの手作業に限定されず、搬送ロボット(不図示)で行ってもよい。
【符号の説明】
【0101】
2:切削装置
4:基台
4a,4b,4e:開口
4c,4d:支持体
6:カセット機構
6a:昇降台、6b:ウェーハ載置部、6c:開口、6d:カセット載置台
6e:カセット、6e-1:第1のカセット、6e-2:第2のカセット、6f:センサ
8:昇降機構
10:テーブルカバー
12:防塵防滴カバー
14:チャックテーブル、14a:保持面、14b:クランプ
16:ロアアームユニット、16a:移動機構、16b:エアシリンダ、16c:ロッド
16d:第1腕部、16e:吸着パッド、16f:把持機構
18:Y軸移動プレート
20:Z軸パルスモータ
22:切削ユニット、22a:スピンドルハウジング
22b:スピンドル、22c:切削ブレード
24:撮像ユニット
26:洗浄ユニット
30:アッパーアームユニット、30a:移動機構、30b:エアシリンダ
30c:ロッド、30d:第1腕部、30e:吸着パッド
32:制御ユニット
34:判断部
36:タッチパネル、38:警報ランプ、40:報知部
11:ウェーハ、11a:表面、11b:裏面
13:分割予定ライン、15:デバイス、17:粘着テープ
19:フレーム、21:ウェーハユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7