(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】流体の流れが改善されたフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
B01D29/10 510Z
B01D29/10 501Z
(21)【出願番号】P 2022525609
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 US2020056636
(87)【国際公開番号】W WO2021091691
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-07-08
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グレガーソン, バリー エル.
(72)【発明者】
【氏名】バーク, クリストファー ピー.
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-029984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0035549(US,A1)
【文献】特表2004-503357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00 - 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタであって、
内面及び外面を有するハウジングと、
ハウジング内に配置されている膜と、
ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが50mm以下の螺旋パターンでハウジングの内面に形成された流体チャネルであって、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成された流体チャネルと、
中空中心及び一連の開口部を有するコアと、
流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む第1エンドキャップと
を含み、
膜が、コアとハウジングの内面との間に配置されており、
開口部が、膜と中空中心との間を流体が通過することを可能にする、
フィルタ。
【請求項2】
螺旋パターンが、45度以下の螺旋角度を有する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
入口が、流体を流体チャネル中に方向付ける、請求項1又は2に記載のフィルタ。
【請求項4】
入口から流体を受け入れるように構成されているチューブと、流体を流体チャネルに提供するように構成されているポートとを含み、チューブ及びポートが、流体が流体チャネルの底部で流体チャネルに導入されるように構成されている、請求項
1に記載のフィルタ。
【請求項5】
膜が内面の隆起部分と直接接触している、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項6】
膜と内面の隆起部分との間にケージが配置されていない、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項7】
フィルタハウジングであって、
内面と、
外面と、
流体チャネルであって、ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが60mm以下の螺旋パターンでフィルタハウジングの内面に形成され、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成されている流体チャネルと、
中空中心及び一連の開口部を有するコアと
、
流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む第1エンドキャップと
を含み、
膜が、コアとハウジングの内面との間に配置されており、
開口部が、膜と中空中心との間を流体が通過することを可能にする、
フィルタハウジング。
【請求項8】
第1エンドキャップに接続されるように構成されている第1の端部と、第2エンドキャップに接続されるように構成されている第2の端部とを
含む、請求項7に記載のハウジング。
【請求項9】
流体を濾過する方法であって、
入口を通してフィルタに流体を導入することと;
フィルタのハウジング内に形成された流体チャネルであって、60mm以下のハウジングの軸方向の螺旋ピッチを有する螺旋パターンを有し、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される流体チャネルを通して流体を方向付けることと;
流体を、隆起部分と直接接触している膜に通すことと;
コアに形成された一連の開口部
を通して、コアとハウジングの内面との間に配置されている膜とコアの中空中心
との間に流体を通すことと;
コアの中空中心に流体接続する出口を通してフィルタから流体を流出させることと;
を含み
、
フィルタが、流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む第1エンドキャップを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/931,290号の米国特許法第119条に基づく利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、流体処理フィルタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
製造、例えば半導体製造産業において使用される流体は、多くの場合、流体が分配される前に複数のフィルタを通過して、流体から夾雑物を除去する。システムに流体を分配する前の最後の濾過点で使用されるフィルタは、一般に、ポイントオブユース(POU)又はポイントオブディスペンス(POD)フィルタと呼ばれる。フィルタは、典型的には、ケージによって囲まれた多孔質膜を含む一体型フィルタカートリッジを有する。フィルタカートリッジは、ハウジング内に配置される。
【0004】
通常、フィルタの製造装置には厳格な空間制約がある。流体を濾過するための適切な流量も提供するコンパクトな設計のフィルタが必要とされている。フィルタのサイズを小さくしながら、膜の量を増加させて、流量が増加したより小さいフィルタを実現することができる。より小さなフィルタにより多くの膜を含めて、流量を増加させることができる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示されるフィルタは、第1端面及び第2端面及び内面及び外面を有する管状ハウジングと、管状ハウジング内に配置された膜と、管状ハウジングの第1端面及び膜の第1端面を封止する第1エンドキャップと、管状ハウジングの第2端面及び膜の第2端面を封止する第2エンドキャップと、管状ハウジングの内面に螺旋パターンで形成された流体チャネルとを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。螺旋パターンは、管状ハウジングの軸方向に約60mm以下の螺旋ピッチを有する。これらの特徴を有するフィルタにより、所与のフィルタのサイズを小さくし、同時にフィルタ内に配置される膜の量を増加させ、同時に流量の増加も達成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、フィルタは、管状ハウジング内に配置されたコアをさらに含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなり、膜はコアと管状ハウジングとの間に配置される。
【0007】
一実施形態では、フィルタは、内面及び外面を有するハウジングと、ハウジング内に配置された膜と、ハウジングの内面に形成された流体チャネルとを含む。流体チャネルは、ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが約60mm以下の螺旋パターンを有し、流体チャネルは、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される。
【0008】
一実施形態では、螺旋パターンは、約45度以下の螺旋角度を有する。
【0009】
一実施形態では、フィルタは、ハウジング内に配置されたコアをさらに含み、膜はコアとハウジングとの間に配置される。
【0010】
一実施形態では、フィルタは第1エンドキャップをさらに含み、第1エンドキャップは、流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む。
【0011】
一実施形態では、第1エンドキャップは、通気口として機能する第3の開口部をさらに含む。
【0012】
一実施形態では、流体用の入口は、流体を流体チャネル中に方向付ける。一実施形態では、フィルタは、入口から流体を受け入れるように構成されたチューブと、流体を流体チャネルに提供するように構成されたポートとを含み、チューブ及びポートは、流体が流体チャネルの底部で流体チャネルに導入されるように構成される。一実施形態では、ハウジングの外面は、概して円筒形の形状を有し、チューブは、ハウジングの概して円筒形の外面から外側に伸長する突起内に配置される。
【0013】
一実施形態では、出口は、流体チャネル内の流体がフィルタから出られるように構成される。
【0014】
一実施形態では、入口及び出口の各々は異なる高さを有する。
【0015】
一実施形態では、膜は、内面の隆起部分と直接接触している。一実施形態では、膜と内面の隆起部分との間にケージは配置されない。
【0016】
一実施形態では、フィルタハウジングは、内面と、外面と、フィルタハウジングの内面に形成された流体チャネルとを含む。流体チャネルは、ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが約60mm以下の螺旋パターンを有し、流体チャネルは、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される。
【0017】
一実施形態では、螺旋パターンは、約45度以下の螺旋角度を有する。
【0018】
一実施形態では、ハウジングは、第1エンドキャップに接続されるように構成された第1の端部と、第2エンドキャップに接続されるように構成された第2の端部とを含み、第1エンドキャップは、流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む。
【0019】
一実施形態では、流体を濾過する方法は、入口を通して流体をフィルタに導入することと、フィルタのハウジングに形成された流体チャネルを通して流体を方向付けることとを含む。流体チャネルは、ハウジングの軸方向に約60mm以下の螺旋ピッチを有する螺旋パターンを有する。流体チャネルは、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される。この方法はまた、流体を膜に通すことを含み、膜は隆起部分と直接接触している。
【0020】
一実施形態では、流体を膜に通す前に、流体を流体チャネルを通して方向付ける。
【0021】
本開示は、添付の図面に関連して様々な例示的な実施形態の以下の説明を考慮してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】例示的なフィルタハウジングの断面図である。
【
図5】別の実施形態による例示的なフィルタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、様々な変更及び代替形態を受け入れることができるが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、本開示の態様を記載された特定の例示的な実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それどころか、本開示の精神及び範囲内に入るすべての修正、等価物、及び代替物を網羅することを意図している。
【0024】
同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。
【0025】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、一般に、その内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0026】
用語「約」は、一般に、列挙された値と等価であると考えられる(例えば、同じ機能又は結果を有する)数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数字を含むことができる。
【0027】
端点を使用して表される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
【0028】
以下の詳細な説明は、異なる図面の同様の要素に同じ番号を付した図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明及び図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。図示された例証的な実施形態は、例示としてのみ意図されている。反対のことが明確に述べられていない限り、任意の例示的な実施形態の選択された特徴は、追加の実施形態に組み込まれてもよい。
【0029】
フィルタのサイズを小さくしたいという要望は、フィルタを通る適切な流量を維持することと釣り合わなければならない。ケージの使用を排除することによって一体型フィルタカートリッジを含まないフィルタが本明細書で開示される。代わりに、膜がハウジング内に配置され、流体チャネルがハウジングの内面に螺旋パターンで形成される。螺旋の回転の間に位置するハウジングの内面の領域は、膜と接触し、膜を支持する。ケージを排除することにより、追加の膜をフィルタ内に配置することが可能になり、螺旋状流体チャネルは、膜への適切な支持及びフィルタを通って濾過される流体の流れに備える。いくつかの実施形態では、螺旋状流体チャネルのハウジングの軸方向の螺旋ピッチは、膜への適切な支持を確実にし、フィルタを通る流体の適切な流れを維持するために、約60mm以下である。
【0030】
図1及び
図2は、例示的なフィルタ100の分解図及び等角図をそれぞれ示す。フィルタ100は、ハウジング105と、ハウジング内に配置された膜110と、第1エンドキャップ115と、第2エンドキャップ120とを含む。
図1に示すように、いくつかの実施形態では、フィルタはまた、コア125を含むことができ、その周りに膜が配置される。他の実施形態では、
図1に示すコア125を省略することができる。
【0031】
ハウジング105は、内部空間を画定するハウジングを少なくとも部分的に形成することができる。第1エンドキャップ115及び/又は第2エンドキャップ120は、ハウジング105に加えて、内部空間を画定するために使用され得る。内部空間は、膜110及び任意選択的にコア125を、前記膜110を使用して濾過される流体と共に収容することができる。ハウジング105は、リブ130を含むことができる。一実施形態では、リブ130は、第1エンドキャップ115がハウジング105に取り付けられている端部と、第2エンドキャップ120がハウジング105に取り付けられているハウジングの反対側の端部との間に伸長する。リブ130は、ハウジング105の成形、特に以下で詳述され、
図3及び
図4に示されるハウジング105の内面の構造を成形する場合に使用することができる。実施形態では、リブ130は、フィルタ100の手動又は自動ハンドリングのために補強を提供するか、又は係合を可能にすることができる。
【0032】
一実施形態では、第1エンドキャップ115は、
図1及び
図2に示すコネクタ135a、b、cなどの1つ以上のコネクタを含む。一実施形態では、コネクタ135a、b、cの各々は、開口145を囲むスレッディング140を含む。実施形態では、そのような2つのコネクタ135a、bのみを含めることができる。スレッディング140によって、流体ラインがそれぞれのコネクタ135a、b、cへ接続することができる。実施形態では、スレッディング140は、流体ラインとそれぞれのコネクタ135a、b、cとの間に封止接続を形成するための任意の他の適切な機械的コネクタと置き換えることができる。開口145は、流体をハウジング105に出入りさせることができ、例えば、濾過されている流体をハウジング105に出入りさせること、又は空気若しくは任意の他の流体をハウジング105から排出させることができる。一実施形態では、コネクタ135a、b、cは、入口135a、出口135b、及び通気口135cを含むことができる。入口135aは、濾過されるべき流体がハウジング105に入れるようにすることができる。出口135bは、膜110を使用して濾過された流体がハウジング105から出られるようにすることができる。出口135bは、膜110がハウジング105と、第1及び第2エンドキャップ115,120とで画定された内部空間を通る、入口135aから出口135bまでの流体経路内に位置するように配置することができる。通気口135cは、他の流体をハウジング105から出させる、例えば非限定的な例として、濾過されるべき流体が先だって使用されていないフィルタ100に導入された場合に、空気をハウジング105から出させることができる。フィルタ100によって濾過されたもの、及び他の流体、例えば135cで排出された流体の両方を含む流体は、気相又は液相のどちらであるかが問題となり得る。
【0033】
図3は、それぞれフィルタ100及びフィルタハウジング105の断面図を示す。
図4もフィルタ100及びフィルタハウジング105の断面図を示しているが、ただし
図4は、コネクタ135a、b、cがすべて同じ高さではないことを示しており、実施形態によるそのようなコネクタは、入口135aから出口135bまでハウジング105を通る流体流路が流体に膜110を通過することを要求する限り、異なる位置又は配置、又は構成で提供することができる。
図3は、コネクタ135a、b、cがすべて同じ高さであることを示している。
図4に示す例示的な実施形態では、コネクタ135a、b、cをそれぞれ配置及び/又は構成して(すなわち、対応するスレッディングの高さを変えることによって)、異なる高さで提供することができる。実施形態では、コネクタ135a、b、cの位置、配置、及び/又は構成は、フィルタ100が使用されるデバイス上の流体ライン接続の位置に対応するように選択することができる。
【0034】
図3及び
図4の例示的な実施形態では、ハウジング105は、管形状であり、第1端面150と、第2端面155と、内面160と、外面165とを有する。
【0035】
ハウジング105は、限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)を含む、フィルタハウジングに典型的に使用される任意の適切な成形可能な材料で作ることができる。ハウジング105の内面160は、内面160が螺旋パターンの回転の間に位置する隆起領域175を有するように、螺旋パターンを有する流体チャネル170を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、ハウジング105の外面165は、外面165から伸長するリブ130を有する。リブ130は、ハウジングを成形するプロセスで利用することができる。一実施形態では、流体チャネルの螺旋パターンを画定する中央の成形片は、成形の終了時にハウジングから外すことができる。中央成形片の除去を容易にするために、リブを使用してハウジング105を金型内の所定の位置に固定し、ハウジング105が回転するのを防止することができる。リブ130は、図では直線として示されているが、これは単なる例示である。いくつかの実施形態において、リブ130は、任意の適切な形状であってもよい。ハウジング105は、ケージが膜への流体の出入りを可能にするために外面に開口部を有するという点で、フィルタに通常使用されるケージとは異なる。ハウジングの外面165に開口部がなくてもよい。
【0037】
膜110は、多孔質膜であってもよく、ひだ状構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、膜110として使用されるひだ状膜は、管状構成で包むことができる。膜に使用され得る適切な材料としては、非限定的な例として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレン(UPE)を含む)、及びポリスルホンが挙げられる。膜は、第1の縁部、第2の縁部、並びに第1の縁部と第2の縁部との間に延在する第1の(又は内部)表面及び第2の(又は外部)表面を有する。実施形態では、膜110は、内面160に直接接触することができる。一実施形態では、膜110は、隆起領域175でのみ内面160に直接接触する。一実施形態では、内面160は、螺旋状流体チャネル170で膜110から離間している。一実施形態では、内面160と膜110との間に、ケージ又は他のそのような別個の部材は配置されない。
【0038】
コア125は、膜がコア125とハウジング105との間に配置されるように、膜によって囲まれた部材であってもよい。一実施形態では、コア125は、管状又は円筒形の形状である。コア125は、流体を膜と、コア125の中空中心との間を通過させる一連の開口部を有することができる。実施形態では、コアは、非限定的な例として、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)を含む任意の適切な材料であり得る。
【0039】
第1エンドキャップ115は、ハウジング105の第1端面150、膜の第1縁部、及び、存在する場合、コア125のうちの1つ以上に接続される。同様に、第2エンドキャップ120は、存在する場合、ハウジングの第2端面、膜の第2縁部、及びコア125のうちの1つ以上に取り付けることができる。第1及び第2エンドキャップは、非限定的な例として、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)を含む任意の適切な材料であり得る。一実施形態では、第1エンドキャップ115及び第2エンドキャップ120の一方又は両方は、ハウジングと同じ材料であってもよい。第1及び第2エンドキャップ115,120は、従来の手段を使用してハウジング105及び場合により他の部品に取り付けられて、液密シールを形成し、一体型フィルタを形成することができる。そのような取り付けの非限定的な例には、熱又は超音波溶接などの溶接、接合部に提供されたシールを含む機械的取り付けなどが含まれる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1エンドキャップ115は、流体をフィルタに入らせるための入口135aと、濾過された流体をフィルタから出させるための出口135bとを有することができる。いくつかの実施形態では、入口135aは、流体が流体チャネル170に沿って流れ、出口135bに向かって流れるときに膜110を通過するように、ハウジング105の内面160に形成された流体チャネル170の出発点に流体接続される。流体は膜110を通過すると、出口135bを通ってハウジング105から流出することができる。一実施形態では、出口135bは、第1エンドキャップの中心に配置することができる。コア125を含む実施形態では、出口135bは、コア125の中空内部空間に流体接続することができる。いくつかの実施形態では、第1エンドキャップは、気体をフィルタ100から排出させる通気口135cを有してもよい。
【0041】
フィルタ100が組み立てられると、膜はハウジング105の内面の隆起領域175に接触することができる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、例えば、膜110をハウジング105に対して外側に押し付ける可能性がある圧力差がある場合に膜110がその形状を維持するのを助けるために、隆起領域175を通して支持を提供する。一実施形態では、膜に接触して支持を提供するハウジングの内面の割合と、フィルタ100内の適切な流れを確保するために流体チャネルの形状及び寸法とはバランスが保たれている。したがって、いくつかの実施形態では、隆起領域175は、ハウジング105の内面160の約30%、25%、20%、15%、又は10%以下を形成する。一実施形態では、隆起領域175は、内面160の表面積の約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約15%~約30%、約15%~約25%、約20%~約30%の範囲、又はそれらの間の任意の範囲及び部分範囲にある内面160の表面積の割合を形成する。
【0042】
いくつかの実施形態では、適切な流れ及び膜への支持を確実にするために、流体チャネルの螺旋ピッチHPは、約60mm、55mm、50mm、45mm、40mm、35mm、30mm、25mm、20mm、15mm、若しくは10mm以下であるか、又は約5mm~約60mm、約5mm~約55mm、約5mm~約50mm、約5mm~約45mm、約5mm~約40mm、約5mm~約35mm、約5mm~約30mm、約5mm~約25mm、約5mm~約20mm、約10~約60mm、約10~約55mm、約10mm~約50mm、約10mm~約45mm、約10mm~約40mm、約10mm~約35mm、約10mm~約30mm、約10mm~約25mm、約10mm~約20mm、約15mm~約60mm、約15mm~約55mm、約15mm~約50mm、約15mm~約45mm、約15mm~約40mm、約15mm~約35mm、約15mm~約30mm、約15mm~約25mm、約15mm~約20mm、約20mm~約60mm、約20mm~約55mm、約20mm~約50mm、約20mm~約45mm、約20mm~約40mm、約20mm~約35mm、約20mm~約30mm、約25mm~約60mm、約25mm~約55mm、約25mm~約50mm、約25mm~約45mm、約25mm~約40mm、約25mm~約35mm、約25mm~約30mm、約30mm~約60mm、約30mm~約55mm、約30mm~約50mm、約30mm~約45mm、約30mm~約40mm、約30mm~約35mm、約40mm~約60mm、約45mm~約55mm、約40mm~約50mm、約40mm~約45mm、約45mm~約60mm、約45mm~約55mm、約45mm~約50mm、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲である。本明細書で使用される場合、螺旋ピッチHPは、例えば
図4に示すように、1つの完全な螺旋回転の軸方向距離である。
【0043】
いくつかの実施形態では、適切な流れ及び膜への支持を確実にするために、流体チャネルHAの螺旋角度は、45度、40度、35度、30度、25度、20度、15度若しくは10度以下であるか、又は約5度~約45度、約5度~約40度、約5度~約35度、約5度~約30度、約5度~約25度、約5度~約20度、約5度~約15度、約5度~約10度、約10度~約45度、約10度~約40度、約10度~約35度、約10度~約30度、約10度~約25度、約10度~約20度、約10度~約15度、約15度~約45度、約15度~約40度、約15度~約35度、約15度~約30度、約15度~約25度、約15度~約20度、約20度~約45度、約20度~約40度、約20度~約35度、約20度~約30度、約20度~約25度、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲である。本明細書で使用する場合、螺旋角度HAは、
図4に示すように、ハウジング105の軸に垂直な平面に対する螺旋の角度である。螺旋角度が大きすぎると、圧力が膜110をハウジング105に押し付けるときに膜110のひだが流体チャネル170内に押し込まれる可能性が高くなるため、隆起領域の形状は十分な支持を提供しない。
【0044】
図5は、別の実施形態による例示的なフィルタの断面図である。フィルタ200は、ハウジング205と、第1エンドキャップ210と、第2エンドキャップ215とを含む。第1エンドキャップ210は、コネクタ220a、b、cを含むことができる。
図5に示す実施形態では、コネクタ220a、b、cは、入口220a、出口220b、及び通気口220cを含む。コネクタ220a、b、cの各々は、スレッディング225及び開口230を含むことができる。フィルタ200は、チューブ235をさらに含むことができる。チューブ235は、入口220aで受け取った流体をポート240に搬送することができ、それを通って流体は、内面255の隆起部分250の間に画定された流体チャネル245に入ることができる。流体チャネル245、隆起部分250、及び内面255は、それぞれの流体チャネル、隆起部分、及び内面に、例えば上で説明され
図3及び
図4に示すような、内面155の隆起部分175によって形成された流体チャネル170などに、本明細書の任意の説明に従って対応することができる。ポート240は、流体チャネル245の頂部の下の任意の場所、例えば、第1エンドキャップ210と出合うハウジング205の端部に配置することができる。一実施形態では、ポート240は、入口220aからハウジング205の底部、例えばハウジング205が第2エンドキャップ215と接触する箇所において、流体チャネル245に流体を供給する。そのような実施形態では、入口220aでフィルタ200に供給された流体は、ポート240までチューブ235を下に向かって通過し、そこで螺旋状流体チャネル245に導入される。膜(図示せず)は、流体チャネル245を画定する隆起部分250に接触することができる。流体は、膜を通過して、本明細書に記載されるように、任意選択的にコアを含むことができる膜の中心へと至ることができる。膜を通過した流体は、出口220bを介してフィルタ200から出ることができ、出口は、膜の流体チャネル245から反対側で膜のコア又は膜内の空間と流体連通している。通気口220cは、例えばハウジング205が第1エンドキャップ210と接触する流体チャネル245の頂部において、流体チャネル245からの排出を提供することができる。
【0045】
態様:
態様1~12のいずれかは、態様13~15又は16~17のいずれかと組み合わせることができることが理解される。態様13~15のいずれかは、態様16~17のいずれかと組み合わせることができることが理解される。
【0046】
態様1.フィルタであって、
内面及び外面を有するハウジングと、
ハウジング内に配置された膜と、
ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが約60mm以下の螺旋パターンでハウジングの内面に形成された流体チャネルであって、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成された流体チャネルと
を含む、フィルタ。
【0047】
態様2.螺旋パターンが、約45度以下の螺旋角度を有する、態様1に記載のフィルタ。
【0048】
態様3.ハウジング内に配置されたコアをさらに含み、膜がコアとハウジングとの間に配置される、態様1又は態様2に記載のフィルタ。
【0049】
態様4.第1エンドキャップをさらに含み、第1エンドキャップが、流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む、態様1~3のいずれかに記載のフィルタ。
【0050】
態様5.第1エンドキャップが、通気口として機能する第3開口部をさらに含む、態様4に記載のフィルタ。
【0051】
態様6.流体用の入口が、流体を流体チャネル内に導く、態様4又は態様5に記載のフィルタ。
【0052】
態様7.フィルタが、入口から流体を受け入れるように構成されたチューブと、流体を流体チャネルに提供するように構成されたポートとを含み、チューブ及びポートが、流体が流体チャネルの底部で流体チャネルに導入されるように構成される、態様4~6のいずれかに記載のフィルタ。
【0053】
態様8.ハウジングの外面が、概して円筒形の形状を有し、チューブが、ハウジングの概して円筒形の外面から外側に伸長する突起内に配置される、態様7に記載のフィルタ。
【0054】
態様9.出口が、流体チャネル内の流体がフィルタから出られるように構成される、態様6に記載のフィルタ。
【0055】
態様10.入口及び出口の各々が異なる高さを有する、態様4~9のいずれかに記載のフィルタ。
【0056】
態様11.膜が内面の隆起部分と直接接触している、態様1~10のいずれかに記載のフィルタ。
【0057】
態様12.膜と内面の隆起部分との間にケージが配置されない、態様1~11のいずれかに記載のフィルタ。
【0058】
態様13.フィルタハウジングであって、
内面と、
外面と、
流体チャネルであって、ハウジングの軸方向の螺旋ピッチが約60mm以下の螺旋パターンでフィルタハウジングの内面に形成され、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される流体チャネルと
を含む、フィルタハウジング。
【0059】
態様14.螺旋パターンが、約45度以下の螺旋角度を有する、態様13に記載のハウジング。
【0060】
態様15.第1エンドキャップに結合されるように構成された第1の端部と、第2エンドキャップに結合されるように構成された第2の端部とを含み、第1エンドキャップが、流体の入口として機能する第1開口部と、流体の出口として機能する第2開口部とを含む、態様13又は態様14に記載のハウジング。
【0061】
態様16.流体を濾過する方法であって、
入口を通してフィルタに流体を導入することと;
フィルタのハウジング内に形成された流体チャネルであって、約60mm以下のハウジングの軸方向の螺旋ピッチを有する螺旋パターンを有し、ハウジングの内面の隆起部分の間に形成される流体チャネルを通して流体を導くことと;
流体を、隆起部分と直接接触している膜に通すことと
を含む方法。
【0062】
態様17.前記流体を流体チャネルを通して導くことが、前記流体を膜に通すことの前に実行される、態様16に記載の方法。
【0063】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当該技術分野の当業者は、添付の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態を作成及び使用することができることを容易に理解するであろう。本文書によって網羅される本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲を超えることなく、詳細、特に部品の形状、サイズ、及び配置に関して変更を加えることができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。