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特許7528478画像検査装置、画像形成システムおよび画像検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像形成システムおよび画像検査方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240730BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20240730BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240730BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/00 386
B41J29/393 105
B41J29/46 Z
H04N1/12 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020044746
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144205
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大宮 豊
(72)【発明者】
【氏名】橋本 英樹
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-104544(JP,A)
【文献】特開2017-164935(JP,A)
【文献】特開2016-191779(JP,A)
【文献】特開2015-225285(JP,A)
【文献】特開2017-216621(JP,A)
【文献】特開2018-088620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/393
B41J 29/46
H04N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部により読み取られた画像データであって、記録媒体に対応する媒体領域と前記記録媒体の背景となるものであって前記記録媒体と所定の明度差を有する部材で形成されている背景部材に対応する背景領域を含む画像データにおける所定のパターンを検出するパターン検出手段と、
前記画像データにおける前記媒体領域と前記背景領域とを判別する領域判別手段と、
前記パターン検出手段での検出結果と前記領域判別手段での判別結果とに基づいて、前記パターン検出手段で検出した所定のパターンが前記読取部によって生じたものであるかを判定するパターン判定手段と、
前記記録媒体上に形成されているべき画像であるマスタ画像データを記憶する記憶手段と、
前記媒体領域にかかる前記画像データと前記マスタ画像データとを比較し、不一致部を欠陥として検出する欠陥検出手段と、
を備え、
前記パターン検出手段は、前記媒体領域と前記背景領域では所定のパターンと検出する閾値を変更し、
前記パターン判定手段は、前記画像データにおいて前記媒体領域と前記背景領域とに共通して存在するパターンを、前記読取部によって生じたパターンであると判定
前記欠陥検出手段は、検出された欠陥のうち、前記パターン判定手段により前記読取部によって生じた所定のパターンであると判定された欠陥については除外する、
ことを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記所定のパターンは、前記読取部による画像読取における副走査方向のスジパターンであり、
前記パターン判定手段は、前記画像データにおいて前記背景領域から前記媒体領域にわたって連続的または断続的に存在するスジパターンを、前記読取部によって生じたスジパターンであると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記背景部材は、複数の明度の領域を備えており、
前記記録媒体の明度に応じて、前記記録媒体との明度差が所定の明度差になるように前記背景部材の明度の領域を切り替える制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記背景部材は、回転体である、
ことを特徴とする請求項に記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記パターン判定手段において前記読取部によって生じたパターンであると判定された結果が所定の条件を満たした場合に、前記読取部の異常の兆候を報知する報知データを生成して報知手段に送信する報知制御手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の画像検査装置。
【請求項6】
前記パターン判定手段において前記読取部によって生じたパターンであると判定された結果が所定の条件を満たした場合に、前記読取部の異常を通知する通知データを生成して表示手段に対して送信する表示制御手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1ないしの何れか一項に記載の画像検査装置。
【請求項7】
記録媒体に対して画像形成処理を実行する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された前記記録媒体を読み取って画像データを生成する読取部と、
請求項1ないしの何れか一項に記載の画像検査装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
読取部により読み取られた画像データであって、記録媒体に対応する媒体領域と前記記録媒体の背景となるものであって前記記録媒体と所定の明度差を有する部材で形成されている背景部材に対応する背景領域を含む画像データにおける所定のパターンを検出するパターン検出ステップと、
前記画像データにおける前記媒体領域と前記背景領域とを判別する領域判別ステップと、
前記パターン検出ステップでの検出結果と前記領域判別ステップでの判別結果とに基づいて、前記パターン検出ステップで検出した所定のパターンが前記読取部によって生じたものであるかを判定するパターン判定ステップと、
前記記録媒体上に形成されているべき画像であるマスタ画像データを記憶する記憶ステップと、
前記媒体領域にかかる前記画像データと前記マスタ画像データとを比較し、不一致部を欠陥として検出する欠陥検出ステップと、
を含み、
前記パターン検出ステップは、前記媒体領域と前記背景領域では所定のパターンと検出する閾値を変更し、
前記パターン判定ステップは、前記画像データにおいて前記媒体領域と前記背景領域とに共通して存在するパターンを、前記読取部によって生じたパターンであると判定
前記欠陥検出ステップは、検出された欠陥のうち、前記パターン判定ステップにより前記読取部によって生じた所定のパターンであると判定された欠陥については除外する、
ことを特徴とする画像検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像形成システムおよび画像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷データに基づいて画像形成した印刷物の欠陥の有無を判定する技術が既に知られている。例えば、印刷データから生成した基準画像と印刷物を読取部で読み取って生成した読取画像との対応する部分を比較した差分に基づき、印刷物の欠陥の有無を画像検査する技術が既に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、異物が要因となったスジ画像の正確な検出を行う技術が開示されている。より詳細には、特許文献1には、画像読取の対象物が有る領域及び対象物が無い領域で副走査方向の同じ位置を含む範囲に異常画像が存在する場合に、当該範囲に読取位置における異物による異常画像が発生したと判定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術によれば、対象物がある領域と対象物が無い領域の判別は背景部材上の対象物の影を基に行っているが、対象物の設置状態や搬送状態によっては影が発生せず対象物の有無が判別できないことがある。そのため、スジ画像が読取位置における異物による異常画像かどうかの判定が行われないため、読取部の起因で発生するスジ画像などを高精度に判別できないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、読取部の起因で画像データのみに存在する欠陥を形成された画像上の欠陥と誤検知することを防止する、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、読取部により読み取られた画像データであって、記録媒体に対応する媒体領域と前記記録媒体の背景となるものであって前記記録媒体と所定の明度差を有する部材で形成されている背景部材に対応する背景領域を含む画像データにおける所定のパターンを検出するパターン検出手段と、前記画像データにおける前記媒体領域と前記背景領域とを判別する領域判別手段と、前記パターン検出手段での検出結果と前記領域判別手段での判別結果とに基づいて、前記パターン検出手段で検出した所定のパターンが前記読取部によって生じたものであるかを判定するパターン判定手段と、前記記録媒体上に形成されているべき画像であるマスタ画像データを記憶する記憶手段と、前記媒体領域にかかる前記画像データと前記マスタ画像データとを比較し、不一致部を欠陥として検出する欠陥検出手段と、を備え、前記パターン検出手段は、前記媒体領域と前記背景領域では所定のパターンと検出する閾値を変更し、前記パターン判定手段は、前記画像データにおいて前記媒体領域と前記背景領域とに共通して存在するパターンを、前記読取部によって生じたパターンであると判定前記欠陥検出手段は、検出された欠陥のうち、前記パターン判定手段により前記読取部によって生じた所定のパターンであると判定された欠陥については除外する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、読取部の起因で画像データのみに存在する欠陥を形成された画像上の欠陥と誤検知することを防止することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる画像検査システムの構成を示す図である。
図2図2は、読取部および周辺の構成例を示す図である。
図3図3は、画像検査装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、画像検査装置の機能を示す機能ブロック図である。
図5図5は、パターン判定部でのスジパターン判定について説明する図である。
図6図6は、第2の実施の形態にかかる画像検査装置の機能を示す機能ブロック図である。
図7図7は、欠陥検出部における欠陥検出の例について説明する図である。
図8図8は、第3の実施の形態にかかる読取部および周辺の構成例を示す図である。
図9図9は、画像検査装置の機能を示す機能ブロック図である。
図10図10は、第4の実施の形態にかかる読取部および周辺の構成例を示す図である。
図11図11は、第5の実施の形態にかかる画像検査装置の機能を示す機能ブロック図である。
図12図12は、第6の実施の形態にかかる画像検査装置の機能を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、画像検査装置、画像形成システムおよび画像検査方法の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態においては、画像形成出力による出力結果を読み取った読取画像とマスタ画像とを比較することにより出力結果を検査する画像検査装置を含む画像形成システムを例として説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成システム1の構成を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、プリントエンジン3と、画像検査装置4と、を備える。
【0011】
プリントエンジン3は、印刷処理部301を備える。印刷処理部301は、エンジンコントローラから入力されるビットマップデータを取得し、用紙P(記録媒体の一例)に対して画像形成処理を実行し、印刷物を出力する画像形成部である。
【0012】
なお、本実施の形態の印刷処理部301は、電子写真方式の一般的な画像形成機構によって実現されるが、これに限るものではなく、インクジェット方式等の他の画像形成機構を用いることも可能である。
【0013】
印刷処理部301は、無端状移動手段である搬送ベルト11に沿って各色の感光体ドラム12Y、12M、12C、12K(以降、総じて感光体ドラム12とする)が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ13から給紙される用紙Pに転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト11に沿って、この搬送ベルト11の搬送方向の上流側から順に、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kが配列されている。
【0014】
各色の感光体ドラム12の表面においてトナーにより現像された各色の画像が、搬送ベルト11に重ね合わせられて転写されることによりフルカラーの画像が形成される。そのようにして搬送ベルト11上に形成されたフルカラー画像は、図中に破線で示す用紙Pの搬送経路と最も接近する位置において、転写ローラ14の機能により、経路上を搬送されてきた用紙Pの紙面上に転写される。
【0015】
紙面上に画像が形成された用紙Pは更に搬送され、定着ローラ15にて画像を定着された後、画像検査装置4に搬送される。また、両面印刷の場合、片面上に画像が形成されて定着された用紙Pは反転パス16に搬送され、反転された上で再度転写ローラ14の転写位置に搬送される。
【0016】
画像検査装置4は、読取部400を備える。読取部400は、印刷処理部301によって印刷が実行されて出力された印刷物を搬送経路において読み取り、読取画像を出力する画像読取部である。読取部400は、例えば画像検査装置4内部における搬送経路に設置されたラインスキャナである。読取部400は、搬送される用紙Pの紙面上を走査することによって紙面上に形成された画像を読み取る。読取部400は、詳細は後述するが、被写体として、用紙Pと用紙Pの背景となる背景部材500(図2参照)とを読み取って、用紙Pに対応する用紙領域(媒体領域)と用紙領域外(背景領域)を含む読取画像データを出力する。
【0017】
ここで、図2は読取部400および周辺の構成例を示す図である。図2に示すように、読取部400は、2つの光源401,402、撮像素子403、コンタクトガラス404を備える。
【0018】
2つの光源401,402は、印刷処理部301によって出力されて搬送経路を搬送される用紙Pに対して、コンタクトガラス404を介して光を照射する。
【0019】
撮像素子403は、コンタクトガラス404を介して用紙Pから反射した光を受光し、電気信号に変換する。
【0020】
加えて、画像検査装置4は、図2に示すように、読取部400に対して2組のローラ対600で構成される搬送経路を挟んで対向する位置には、背景部材500を備える。本実施形態の背景部材500は、明度が高い用紙Pと所定の明度差を有する部材(明度差が大きな部材(明度が低い部材))で形成されている。このように背景部材500を用紙Pとの明度差が大きい部材で形成することにより、読取画像データのみから読取部400の起因で発生するスジ画像などを判別するに際して、用紙領域と用紙領域外とを安定的に判別することができる。
【0021】
なお、図2に示す例では、固定された読取部400に対して用紙Pを搬送させて副走査方向にも読み取る構成を示しているが、これに限るものではなく、読取部400の一部が用紙Pに対して移動する構成でもよい。
【0022】
図1に戻り、読取部400によって紙面が読み取られた用紙Pは画像検査装置4内部を更に搬送され、排紙トレイ410に排出される。
【0023】
なお、図1においては、画像検査装置4における用紙Pの搬送経路において、用紙Pの片面側にのみ読取部400が設けられている場合を例としているが、用紙Pの両面の検査を可能とするため、用紙Pの両面側に夫々読取部400を配置しても良い。
【0024】
次に、画像検査装置4を構成するハードウェアについて説明する。
【0025】
図3は、画像検査装置4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、画像検査装置4は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置と同様の構成を有する。即ち、画像検査装置4は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50には、読取部400の他、LCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
【0026】
CPU10は演算手段であり、画像検査装置4全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。
【0027】
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像検査装置4の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが画像検査装置4に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0028】
専用デバイス80は、高速に画像処理を行うための専用の演算装置である。このような演算装置は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成される。また、紙面上に出力された画像を読み取る読取部400における画像処理も、専用デバイス80によって実現される。
【0029】
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されているプログラムや、HDD40又は光学ディスク等の記録媒体からRAM20に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、画像検査装置4の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0030】
本実施形態の画像検査装置4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0031】
また、本実施形態の画像検査装置4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の画像検査装置4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0032】
次に、画像検査装置4の機能について説明する。
【0033】
ここで、図4は画像検査装置4の機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、画像検査装置4は、領域判別手段である用紙領域検出部41と、パターン検出手段であるパターン検出部42と、パターン判定手段であるパターン判定部43と、を備える。読取部400で取得した読取画像データは、用紙領域検出部41とパターン検出部42とに送られる。
【0034】
用紙領域検出部41は、読取画像データから用紙領域(媒体領域)と用紙領域外(背景領域)とを判定する。上述したように、用紙領域外にあたる背景部材500は、用紙Pとの明度差が大きい部材で構成されている。そこで、用紙領域検出部41は、明度差、すなわち読取画像データの画素値の差から用紙領域と用紙領域外を判定する。用紙Pと背景部材500との明度差を大きくすることによって、用紙領域検出部41は、用紙Pの設置状態や搬送状態に影響されること無く、安定的に領域の識別を行うことが可能となる。
【0035】
パターン検出部42は、読取画像データにおける所定のパターンを検出する。所定のパターンとは、ポチやスジなどの、本来は画像形成装置などによって用紙P上に印字することを意図していないが、画像形成過程における異常や、用紙搬送中の汚れなどによっても発生しうるパターンを指す。
【0036】
ポチやスジなどのパターンは、読取部400の起因でも発生しうる。例えば、読取画像データを転送する伝送線路の一部が破断している場合は、画像データの一部がビット化けすることにより読取画像データには周期的なポチとして現れる。また、撮像素子の画素異常や、紙粉などのゴミが被写体との間の光路上に付着することで読取画像データに画像読取における副走査方向のスジとして現れる。ここで、副走査方向とは、光源やミラーなどの読取部400の一部と用紙Pが相対的に移動する方向である。読取部400の一部と用紙Pは一方が固定されてもう一方が移動する構成であればどちらが移動しても構わない。上述のようにポチやスジなどの所定のパターンは用紙P上に実在する場合も、読取部400の起因で読取画像データのみに存在する場合もあるが、パターン検出部42は、両者を含めて検出する。
【0037】
パターン判定部43は、パターン検出部42で検出した所定のパターンが読取部400の起因で発生したものか否かの判定を行う。より詳細には、パターン判定部43は、用紙領域検出部41から送られてくる用紙領域座標と、パターン検出部42から送られてくる所定のパターンの座標とから、それぞれのパターン座標が用紙領域、用紙領域外それぞれどちらの範囲に属しているかを判断する。そして、パターン判定部43は、用紙領域と用紙領域外の両方に共通して存在する所定のパターンのみを読取部400の起因で発生した所定のパターンであると判定して、判定結果を出力する。
【0038】
パターン判定部43において上記のような判定が可能となるのは、読取部400の起因で発生する所定のパターンは、用紙領域の内外に依存せず読取画像データ全体に発生するためである。
【0039】
上記のように本実施形態の画像検査装置4によれば、用紙P上に実在する所定のパターンと、読取部400の起因で読取画像データのみに存在する所定のパターンとを判別することが可能となる。
【0040】
前述したように、パターン判定部43が、所定のパターンが読取部400の起因であるか否かを判定するためには、用紙領域検出部41で用紙領域と用紙領域外を認識する必要がある。この時、用紙Pと用紙領域外である背景部材500の明度差が小さい場合、読取画像からは用紙領域と用紙領域外の境目が判別できない恐れがある。そこで、用紙Pと明度差が大きい背景部材500を用いることで用紙領域と用紙領域外の境目が明確になり、用紙領域検出部41での領域判別の精度が向上する。
【0041】
ただし、読取部400の起因の所定のパターンの画素値は用紙Pや背景部材500の明度に関係なく同等の画素値になるが、所定のパターンと判別する時に比較対象となる近接画素の画素値は用紙Pや背景部材500の明度に影響される。そのため、用紙Pと用紙領域外である背景部材500の明度差が大きい場合、用紙領域と用紙領域外では所定のパターンと近接画素との画素値差が異なってしまい、一方では所定のパターンと認識されても、もう一方では所定のパターンと認識されない恐れがある。そこで、パターン検出部42は、必要に応じて用紙領域と用紙領域外とで所定のパターンと検出する閾値を変更する。
【0042】
なお、用紙Pの明度が低い場合には明度が高い背景部材500を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0043】
次に、パターン判定部43でのパターン判定について説明する。ここでは、特定のパターンがスジパターンである場合について説明する。
【0044】
用紙P上に実在または読取画像データのみに存在するパターンはポチやスジなどが考えられるが、実際に読取画像データのみに存在する可能性が高いのはスジパターンである。なぜなら、スジパターンは、伝送線路の断線などのハードウェア故障によって引き起こされるものではないため他の方法によって検出することが難しく、紙粉などのゴミ付着という通常の使用状態で発生しうる要因で引き起こされるためである。
【0045】
本実施の形態において、パターン検出部42は、副走査方向のスジパターンを検出する。パターン検出部42は、副走査方向と直行する方向である主走査方向において、近接する画素との画素値の差が所定の値よりも大きく、副走査方向に画素値の差が大きい画素が連続している画素を検出することで、スジパターンの検出を行う。
【0046】
図5は、パターン判定部43でのスジパターン判定について説明する図である。図5に示すように、読取画像データには用紙領域に加えて背景部材500すなわち用紙領域外も含まれている。パターン判定部43は、パターン検出部42で検出したスジパターンが用紙領域内でのみ副走査方向に連続している場合、そのスジパターンを読取部400以外で発生したスジパターンであると判定する。
【0047】
一方、パターン判定部43は、パターン検出部42で検出したスジパターンが用紙領域と用紙領域外にわたって副走査方向に連続している場合、そのスジパターンを読取部400で発生したスジパターンであると判定する。
【0048】
読取部400の起因でのスジパターンは、画素異常あるいはゴミ付着のいずれであっても、主走査方向の所定の位置に用紙Pの有無に関係なく発生するため、上記の判定が可能となる。しかし、ゴミ付着の場合は、読取部400の一部または用紙Pが移動している間に、付着位置が主走査方向に変化したり、付着位置が読取可能な範囲の外に移動したりする可能性がある。そのため、パターン判定部43は、用紙Pの副走査方向の上端側の用紙外領域もしくは下端側の用紙外領域のどちらかと用紙領域にわたって連続しているスジパターンであっても、読取部400の起因のスジパターンであると判定する。
【0049】
また、読取部400の起因でのスジパターンは、同一の主走査位置で断続的なスジパターンとして現れる可能性もある。そのため、パターン判定部43は、断続的なスジパターンであっても主走査位置が変化していなければ読取部400の起因のスジパターンであると判定する。
【0050】
なお、本実施形態では、用紙領域外として用紙領域の四方全方向の領域を読み取る例を示したが、少なくとも副走査方向の用紙P上端側または用紙P下端側の用紙領域外が読み取れていれば、パターン判定部43は、上述のスジパターン判定が可能である。
【0051】
このように本実施形態によれば、用紙P上に実在するパターン(例えば、スジパターン)と、読取部400の起因で読取画像データに生じたパターン(例えば、スジパターン)とを高精度に判別することが可能となる。これにより、読取部400の起因で読取画像データのみに存在する欠陥を形成された画像上の欠陥と誤検知することを防止できるため、画像形成装置の画像検査の精度が向上する。
【0052】
なお、図5では黒スジを例として説明したが、判別が可能なスジの色や濃度には特に制限は無く、パターン判定部43は、例えば白スジでも同様に判別することが可能である。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0054】
第2の実施の形態は、パターン判定部43による判定結果を参照し、読取部400の起因の所定のパターンであると判定されたパターンについては画像欠陥からは除外する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0055】
ここで、図6は第2の実施の形態にかかる画像検査装置4の機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、画像検査装置4は、図4で説明した構成に加え、記憶手段である記憶部44と、欠陥検出手段である欠陥検出部45と、を備える。
【0056】
記憶部44は、画像形成装置によって用紙P上に形成されているべき画像の情報であるマスタ画像データを記憶する。
【0057】
欠陥検出部45は、記憶部44に記憶されたマスタ画像データと、読取部400によって読み取られた読取画像データのうちの用紙領域にかかる読取画像データとを比較し、不一致部分を読取部400によって読み取った用紙P上の画像欠陥として検出する。
【0058】
前述したような原因により、読取画像データには読取部400の起因の所定のパターンが発生する場合があり、本来は用紙P上の画像に欠陥が無かったとしても画像欠陥として検出されてしまう恐れがある。そこで、欠陥検出部45は、パターン判定部43による判定結果を参照し、読取部400の起因の所定のパターンであると判定されたパターンについては画像欠陥からは除外する。これにより、読取部400の起因の欠陥を用紙P上の画像欠陥として誤検出することを防止することができるため、画像検査装置4の検査精度が向上する。
【0059】
図7は、欠陥検出部45における欠陥検出の例について説明する図である。図7に示す例は、欠陥としてスジパターンを検出する例である。
【0060】
図7(a)に示すようなスジパターン判定では、パターン判定部43は、図5で説明したように、副走査方向に連続したスジパターンのうち、用紙領域外と用紙領域にわたって連続しているスジパターンを読取部400の起因のスジパターンと判定する。
【0061】
欠陥検出部45は、図7(b)に示すように、マスタ画像データと読取画像データを比較し、不一致部を検出する。ここで、パターン判定部43の判定結果から第2の不一致部のスジパターンは読取部400の起因のスジパターンであることがわかっているため、用紙P上の画像欠陥からは除外する。よって、第1の不一致部のみを画像欠陥として欠陥情報を送信する。
【0062】
このように本実施形態によれば、読取部400によって読取画像データに生じたパターンを欠陥から除外することが可能となり、画像検査の精度を向上させることができる。
【0063】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0064】
第3の実施の形態は、用紙Pの明度に応じて背景部材500の明度を切り替える点が、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0065】
ここで、図8は第3の実施の形態にかかる読取部400および周辺の構成例を示す図である。図8に示す例は、2つの明度の領域を持つ背景部材500を備えた構成を示すものである。すなわち、画像検査装置4は、複数の明度の領域(500a,500b)を有する背景部材500を備える。
【0066】
図8(a)は、明度が高い用紙Pを読み取る場合に、背景部材500の明度が低い領域(500a)を用いる状態を示している。また、図8(b)は、明度が低い用紙Pを読み取る場合に、背景部材500の明度が高い領域(500b)を用いる状態を示している。
【0067】
このような構成により、読取対象となる用紙Pの明度が変化する場合でも、用紙Pの明度に応じて背景部材500の明度を所定の明度差になるように切り替えることによって、用紙Pと背景部材500の明度差を確保することができ、安定的に用紙領域と用紙領域外の判別ができる。すなわち、単一の読取部400において読み取る用紙Pの明度に依存することなく、用紙P上に実在する所定のパターンと、読取部400の起因で読取画像データのみに存在する所定のパターンとを判別することが可能となる。
【0068】
ここで、図9は画像検査装置4の機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、画像検査装置4は、図4で説明した構成に加え、制御手段である制御部46を備える。
【0069】
制御部46は、取得した用紙情報に応じて、所望の明度の背景部材500が読取部400の対向に配置されるように駆動信号を出力して、背景部材500の明度を所定の明度差になるように切り替え制御する。
【0070】
なお、用紙情報をユーザが設定する手段や、読取部400で読み取る前に明度をあらかじめ測定する手段を設け、それらの手段によって決定された用紙情報が制御部46に入力されることになる。
【0071】
このように本実施形態によれば、記録材の明度に応じて背景部材500を切り替えることができ、様々な記録材において記録材上に実在するパターンと読取部400によって読取画像データに生じたパターンとが高精度に判別することができる。
【0072】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0073】
第4の実施の形態は、背景部材500として2つの明度の領域を持つ部材で、かつ回転体の部材を備える点が、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0074】
ここで、図10は第4の実施の形態にかかる読取部400および周辺の構成例を示す図である。図10に示す例は、2つの明度の領域を持つとともに、回転体である背景部材500を備える。すなわち、画像検査装置4は、複数の明度の領域(500a,500b)を有し、回転体である背景部材500を備える。
【0075】
図10(a)は、明度が高い用紙Pを読み取る場合に、背景部材500の明度が低い領域(500a)を用いる状態を示している。また、図10(b)は、明度が低い用紙Pを読み取る場合に、背景部材500の明度が高い領域(500b)を用いる状態を示している。
【0076】
このような構成により、読取対象となる用紙Pの明度が変化する場合でも、用紙Pの明度に応じて背景部材500の明度を所定の明度差になるように切り替えることによって、用紙Pと背景部材500の明度差を確保することができ、安定的に用紙領域と用紙領域外の判別ができる。すなわち、単一の読取部400において読み取る用紙Pの明度に依存することなく、用紙P上に実在する所定のパターンと、読取部400の起因で読取画像データのみに存在する所定のパターンとを判別することが可能となる。
【0077】
また、背景部材500として回転体を用いることによって、背景部材500の明度を所定の明度差になるように切り替えるための機構を簡易化したり、省スペース化したりすることが可能となる。また、特に3種類以上の明度を持つ背景部材500を用いる場合には、異なる背景部材500に切り替えるために必要な時間を短縮することも可能となる。
【0078】
なお、上述の背景部材500の明度の切り替え制御は、図9に示した制御部46による制御と変わるものではないため、その説明は省略する。
【0079】
このように本実施形態によれば、異なる明度の背景部材500に切り替えるための機構を簡易化、省スペース化することができる。また、本実施形態によれば、異なる明度の背景部材500に切り替えるための時間を短縮することができる。
【0080】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0081】
第5の実施の形態は、異常の兆候があると判断した場合は、異常の兆候がある旨を報知する点が、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なる。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0082】
ここで、図11は第5の実施の形態にかかる画像検査装置4の機能を示す機能ブロック図である。図11に示すように、画像検査装置4は、図4で説明した構成に加え、報知制御手段である報知制御部47と、報知部48と、を備える。
【0083】
例えば、第2の実施の形態の図6および図7で説明したように、読取部400の起因のスジパターンが発生していた場合、欠陥検出部45は、検出する画像欠陥から読取部400の起因のスジパターンを除外することが可能である。しかしながら、仮に読取部400の起因のスジパターンと重なるように用紙P上の画像欠陥が存在していたとすると、その用紙P上の画像欠陥も除外することとなってしまい、本来検出する必要がある欠陥を見逃す恐れがある。すなわち、読取部400の起因のスジパターンは少ないほうが画像検査の精度は向上する。
【0084】
そこで、本実施形態の画像検査装置4のパターン判定部43は、読取部400の起因のスジパターンとして判定された結果を報知制御部47に出力する。
【0085】
そして、報知制御部47は、読取部400の起因のスジパターンとして判定された個数やスジパターンの幅を基に、読取部400の異常が発生する兆候を判断する。報知制御部47は、個数または幅のいずれか、もしくは両方が所定の閾値を超えたか否かで、読取部400の異常が発生する兆候の判断を行う。報知制御部47は、異常の兆候があると判断した場合、報知部48に対して報知データを生成して送信する。
【0086】
報知部48は、報知制御部47から送信された報知データに応じて、ネットワークなどを介してメンテナンス担当者にメンテナンスの必要性を報知する。
【0087】
前述のように、読取部400の起因のスジパターンは撮像素子の画素異常や光路上のゴミ付着などによって発生するため、読取部400の異常の兆候を報知してメンテナンスを促すことによって、実際に異常が発生する前にメンテナンスを行うことが可能となり、画像検査の精度に影響を与える前に読取部400を正常化することができる。
【0088】
このように本実施形態によれば、読取部400の異常(画素異常やゴミ付着)が増えてきた兆候が見えた場合にメンテナンスを促すことができ、画像検査の精度に影響を与える前に正常化することができる。
【0089】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。
【0090】
第6の実施の形態は、ユーザへの通知の必要性があると判断した場合は、読取部400の異常を通知するための表示を行う点が、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる。以下、第6の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0091】
ここで、図12は第6の実施の形態にかかる画像検査装置4の機能を示す機能ブロック図である。図12に示すように、画像検査装置4は、図4で説明した構成に加え、表示制御手段である表示制御部49を備える。
【0092】
例えば、第2の実施の形態の図6および図7で説明したように、読取部400の起因のスジパターンが発生していた場合、欠陥検出部45は、検出する画像欠陥から読取部400の起因のスジパターンは除外することが可能である。しかしながら、仮に読取部400の起因のスジパターンと重なるように用紙P上の画像欠陥が存在していたとすると、その用紙P上の画像欠陥も除外することとなってしまい、本来検出する必要がある欠陥を見逃す恐れがある。すなわち、読取部400の起因のスジパターンは少ないほうが画像検査の精度は向上する。
【0093】
そこで、本実施形態の画像検査装置4のパターン判定部43は、読取部400の起因のスジパターンとして判定された結果を表示制御部49に出力する。
【0094】
そして、表示制御部49は、読取部400の起因のスジパターンとして判定された個数やスジパターンの幅を基に、ユーザへの通知の必要性を判断する。表示制御部49は、個数または幅のいずれか、もしくは両方が所定の閾値を超えたか否かで、ユーザへの通知の必要性の判断を行う。表示制御部49は、ユーザへの通知の必要性があると判断した場合、LCD60に対して通知データを生成して送信する。
【0095】
LCD60は、表示制御部49から送信された通知データに応じて、ユーザに読取部400の異常を通知するための表示を行う。
【0096】
前述のように、読取部400の起因のスジパターンは撮像素子の画素異常や光路上のゴミ付着などによって発生するため、読取部400の異常をユーザに通知することによって、ユーザは読取部400の交換や光路の清掃などの対応を取ることが可能となり、画像検査の精度を向上させることができる。
【0097】
このように本実施形態によれば、読取部400の異常(画素異常やゴミ付着)が多い場合にユーザに異常の解消を促すことができ、画像検査の精度を向上させることができる。
【0098】
なお、上記各実施の形態では、本発明の画像検査装置を、画像形成システム1に適用した例を挙げて説明するが、これに限るものではなく、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成システム
4 画像検査装置
41 領域判別手段
42 パターン検出手段
43 パターン判定手段
44 記憶手段
45 欠陥検出手段
46 制御手段
47 報知制御手段
49 表示制御手段
301 画像形成部
400 読取部
500 背景部材
P 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【文献】特開2017-216621号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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