(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 9/113 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G03G9/113 361
G03G9/113 362
(21)【出願番号】P 2020121599
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 菜美恵
(72)【発明者】
【氏名】岸田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩介
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276575(JP,A)
【文献】特開2016-212254(JP,A)
【文献】特開2017-129669(JP,A)
【文献】特開平05-333605(JP,A)
【文献】特開平06-273981(JP,A)
【文献】特開2011-209678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と前記芯材を被覆する被覆層とを有し、
前記被覆層が導電性ポリマー粒子及び帯電性粒子を含有
し、
前記導電性ポリマー粒子が、導電性ポリマーとドーパントイオンとを有し、
前記導電性ポリマーが、ポリピロール系樹脂、ポリアニリン系樹脂、及びポリチオフェン系樹脂から選択される少なくとも1種で形成され、
前記導電性ポリマー粒子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体(PEDOT/PSS)であることを特徴とするキャリア。
【請求項2】
前記複合体(PEDOT/PSS)が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)由来のカチオンと、ポリスチレンスルホン酸由来のアニオンとが静電結合したポリイオンコンプレックスである、請求項
1に記載のキャリア。
【請求項3】
前記帯電性粒子の体積平均粒径A(μm)と、前記被覆層の平均厚みC(μm)との比(A/C)が、0.25以上1.00以下である、請求項1から
2のいずれかに記載のキャリア。
【請求項4】
前記帯電性粒子が、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトから選択される少なくとも1種類である、請求項1から
3のいずれかに記載のキャリア。
【請求項5】
前記帯電性粒子が硫酸バリウムであり、前記被覆層の表面のバリウム原子の露出量が0.1atomic%以上である、請求項
4に記載のキャリア。
【請求項6】
前記被覆層が無機微粒子を含有し、前記無機微粒子がタングステン、インジウム、リン及びこれらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ、並びに、前記ドープした酸化スズを表面に有する基体粒子のいずれかである、請求項1から
5のいずれかに記載のキャリア。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれかに記載のキャリア、及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
【請求項8】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項
7に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
静電潜像担持体と、
前記静電
潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項
7に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項
7に記載の現像剤を用いて現像する現像手段と、
前記静電潜像担持体の表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキャリアは、導電性を持たせるために被覆層に導電性微粉末であるカーボンブラックを含有させて低抵抗化し、電気抵抗を制御する手法が一般的である。しかしながら、このようなキャリアは、初期は良好な画像を形成することができるが、コピー枚数が増加するに連れて、被覆層が削れて画質が低下するという問題がある。また、被覆層が削れたり、被覆層からカーボンブラックが脱離したりすることにより、色汚れが発生するという問題がある。
従来のキャリアとしては、例えば、被覆樹脂最表面に帯電性能付与微粒子として硫酸バリウムや酸化マグネシウムを含有するキャリアが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、溶剤可溶性の導電性ポリマーを被覆樹脂として使用しているキャリアが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、十分な抵抗制御及び帯電制御が可能であり、かつ、長期的に品質を維持することが可能なキャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための手段としての本発明のキャリアは、芯材と前記芯材を被覆する被覆層とを含むキャリアであって、前記被覆層が導電性ポリマー粒子及び帯電性粒子を含有するキャリアである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、十分な抵抗制御及び帯電制御が可能であり、かつ、長期的に品質を維持することが可能なキャリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明のキャリアの一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、被覆層の厚みの測定箇所の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(キャリア)
本発明のキャリアは、芯材と、被覆層を有し、更に必要に応じてその他の成分を有する。
前記被覆層としては、導電性ポリマー粒子及び帯電性粒子を含有する。
前記被覆層としては、前記芯材の表面の少なくとも一部を被覆する。
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、導電性ポリマー及びドーパントイオンの複合体である前記導電性ポリマー粒子が、従来のキャリアにおいて導電性成分として用いられていた導電性フィラーの代わりとして用いることができ、導電性成分としての前記導電性ポリマー粒子は、前記被覆層に含まれる樹脂との密着性が高いため、前記被覆層からの脱離を防ぐことができることを知見した。
さらに、本発明者らは、キャリアの前記被覆層が前記帯電性粒子を有することで、キャリアの帯電能力の低下を防ぐことができ、帯電能力の低下によるトナーの飛散や地汚れといった異常を抑制することができることを知見した。
【0009】
ここで、
図1は、本発明のキャリアの一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明のキャリアは、芯材20と、芯材20を被覆する被覆層21を有し、前記被覆層21が、導電性ポリマー粒子22及び帯電性粒子23を含有する。
【0010】
<被覆層>
前記被覆層としては、前記導電性ポリマー粒子及び前記帯電性粒子を含有し、樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0011】
-導電性ポリマー粒子-
前記導電性ポリマー粒子としては、導電性ポリマー及びドーパントイオンの複合体である。前記導電性ポリマー粒子は、粒子の状態で被覆層中に分散することでキャリアに導電性を付与することができ、樹脂との密着性が高いため、前記被覆層からの脱離するのを防ぐことができる。また、透過率が高い導電性ポリマー粒子が被覆層から脱離したとしても、トナーの変色が起こらないため、色汚れによる画像品質の低下を抑制することができる。
【0012】
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリアニリン系樹脂などが挙げられる。
前記ポリチオフェン系樹脂としては、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTと称することがある)、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体などが挙げられる。
前記ポリピロール系樹脂としては、ポリピロール、ポリピロール誘導体などが挙げられる。
前記ポリアニリン系樹脂としては、ポリアニリン(以下、PANIと称することがある)、ポリアニリン誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、導電性付与能力が高い点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。
【0013】
前記ドーパントイオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと称することがある)、10-カンファ―スルホン酸(以下、CSAと称することがある)、β-ナフタレンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,2-ベンゼンジカルボン酸-4-スルホン酸-1,2-ジ(2-エチルヘキシル)エステル、スルホイソフタル酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、被覆層中での分散性がよい点から、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。
【0014】
前記導電性ポリマー粒子としては、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン及びカンファ-スルホン酸の複合体(PANI/CSA)などが挙げられる。これらの中でも、被覆層中での分散性がよく、かつ導電性ポリマーとドーパントイオンとの複合体が分離しにくく、経時で安定した導電性を維持することができる点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体(PEDOT/PSS)が好ましい。
前記ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体(PEDOT/PSS)としては、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)由来のカチオンと、ポリスチレンスルホン酸由来のアニオンとが静電結合したポリイオンコンプレックスであることが好ましい。これにより、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体が分離しにくく、経時で安定した導電性を維持することができる。
【0015】
前記複合体(PEDOT/PSS)としては、適宜合成することもできるが、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、商品名:Clevios PH 1000(へレウス株式会社製)などが挙げられる。
【0016】
前記被覆層における前記導電性ポリマー粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%以上10質量%以下が好ましい。前記含有量が1質量%以上であると、被覆層に導電性ポリマー粒子を多量に添加することができ、キャリアの導電性を安定かつ長期的に付与することができる。
【0017】
-帯電性粒子-
前記帯電性粒子とは、アルミナ粒子(AA-03、住友化学株式会社製)よりもイオン化ポテンシャルが低い粒子である。被覆層中に帯電性粒子を含有することで、キャリアの帯電能力の低下を防ぐことができ、帯電能力の低下によるトナーの飛散や地汚れといった異常を抑制することができる。
前記イオン化ポテンシャルの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、PYS-202(住友重機械工業株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記帯電性粒子としては、無機粒子が好ましく、例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。これらの中でも、帯電能力の低下を防ぐことができる点から、硫酸バリウムが好ましい。
前記帯電性粒子が硫酸バリウムである場合、前記被覆層の表面のバリウム原子の露出量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1atomic%以上が好ましい。
【0018】
前記帯電性粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4μm以上0.9μm以下が好ましい。前記体積平均粒径が0.4μm以上であると、被覆層の表面から突出する帯電性粒子の割合が高くなり、帯電能力の低下を防ぐことができ、前記体積平均粒径が0.9μm以下であると、帯電性粒子が被覆層から脱離するのを防ぐことができる。
前記帯電性粒子の体積平均粒径A(μm)と、被覆層の平均厚みC(μm)との比(A/C)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.25以上1.00以下が好ましい。前記比(A/C)が、0.25以上であると、被覆層の表面から突出する帯電性粒子の割合が高くなり、キャリア同士、又はキャリアと収容容器壁面、搬送冶具等とが摺擦するときに、突出した帯電性粒子がスペーサーとして機能するため被覆層の寿命を延ばすことができる。前記比(A/C)が、1.00以下であると、帯電性粒子とトナーの接触面積が大きくなり、トナーに効率よく帯電性を付与することができ、また、帯電性粒子の被覆層からの脱離を防止することができる。
【0019】
前記帯電性粒子の体積平均粒径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イオンミリングにてキャリアを切断し、その断面図をSEM、EDXなどで観察することで測定することができる。
具体的には、キャリアを包埋樹脂(Struers社EpoFix、2液混合、12時間硬化型エポキシ樹脂)に混ぜ込み、一晩以上置いて硬化させ、カッターにより大まかな断面試料を作製する。これにイオンミリング(日立ハイテクノロジーズ社製、IM4000PLUS)を用いて、加速電圧4.5kV、加工時間5Hの条件で断面の仕上げを行った。これを走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製Merlin)を用いて、加速電圧0.8kV、倍率10k倍の条件で撮影する。撮影した画像をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage-Pro Plusを用いて、帯電性粒子100粒子の体積平均粒径を測定し、その平均値を使用した。また、被覆層の平均厚みについても同様に撮影した画像から計測することで算出した。ただし、粒子には粒子毎の個体差、被覆層の厚みには場所による厚さのばらつきが存在することから、1粒につき10箇所の計測を50粒子行い、その平均値を被覆層の平均厚みとした。
図2に、被覆層の厚みの測定箇所の一例を示す。この被覆層の厚みの測定箇所は、被覆層10と空気相の界面12、芯材14と被覆層10の界面13とし、芯材中心11から被覆層10と空気相の界面12に向かい直線を引き、芯材14と被覆層の界面13と被覆層と空気相の界面12の長さを計測したものとする。これを10点計測し、その平均を被覆層の平均厚みとする。
【0020】
-樹脂-
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、シリコーン樹脂とアクリル樹脂とを併用することが好ましい。アクリル樹脂は、接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。シリコーン樹脂は、接着性が弱く脆性が高く耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。これは、シリコーン樹脂は表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるためである。
【0021】
前記シリコーン樹脂としては、一般的に知られているシリコーン樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコン、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタン等で変性したシリコーン樹脂などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、適宜合成してもよく、また市販品を使用してもよい。前記ストレートシリコン樹脂の市販品としては、例えば、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。前記変性シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。前記市販品を用いるときは、シリコーン樹脂単体で用いることもできるが、架橋反応する他の成分、帯電量調整成分等を同時に用いることもできる。
前記架橋反応する他の成分としては、例えば、グアナミン、メラミン樹脂等のアミノ樹脂、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有する酸性触媒などが挙げられる。
【0022】
-その他の成分-
前記その他の成分としては、無機微粒子、シランカップリング剤、縮重合触媒など、通常、被覆層に用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
【0023】
--無機微粒子--
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タングステン、インジウム、リン、これらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ、前記ドープした酸化スズを表面に有する基体粒子などが挙げられる。
前記基体粒子としては、従来既存又は新規の材料を用いることができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが挙げられる。
【0024】
--シランカップリング剤--
前記シランカップリング剤は、前記無機微粒子を安定して分散させることができる。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-r-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r-クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r-クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記シランカップリング剤の市販品としては、例えば、AY43-059、SR6020、SZ6023、SH6020、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43-310M、SZ6030、SH6040、AY43-026、AY43-031、sh6062、Z-6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z-6721、AY43-004、Z-6187、AY43-021、AY43-043、AY43-040、AY43-047、Z-6265、AY43-204M、AY43-048、Z-6403、AY43-206M、AY43-206E、Z6341、AY43-210MC、AY43-083、AY43-101、AY43-013、AY43-158E、Z-6920、Z-6940(いずれも、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0026】
前記シランカップリング剤の添加量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。前記添加量が0.1質量%以上であると、芯材や導電性微粒子とシリコーン樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあるという不具合を防止でき、前記添加量が10質量%以下であると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生するという不具合を防止できる。
【0027】
--縮重合触媒--
前記シランカップリングを使用する際には、縮重合触媒を使用することが好ましい。
前記縮重合触媒としては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒などが挙げられる。
これら各種触媒のうち、優れた結果をもたらすチタン系触媒の中でも、特にチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が触媒として最も好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。
【0028】
<芯材>
前記芯材としては、磁性体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、各種合金や化合物、これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境へのア配慮から、フェライトが好ましい。
【0029】
前記芯材の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下が好ましく、28μm以上40μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が20μm以上であると、キャリアの付着やキャリアの飛散を防止することができ、前記体積平均粒径が100μm以下であると、キャリアスジ等の異常画像発生を防止し、画像品質の低下を防止することができる。
【0030】
前記芯材としては、適宜合成したものでも、市販品でも用いることができる。芯材の合成方法としては、例えば、次のような方法により製造することができる。
組成式:MFe2O4(M:Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、及びZnから選択される少なくとも1種を含む)を満たすよう各原材料を適量配合し、水、バインダー、及び分散材を加え、固形比を調合し、湿式ボールミルで粉砕、混合し、乾燥させる。次に、700℃~1,100℃で加熱後、湿式ボールミルで粉砕したスラリーを造粒乾燥する。次に、酸素濃度制御が可能な焼成炉を用い、1,000℃~1,300℃の焼成温度において、1時間~24時間保持した後、解砕、粒度調整を行い、芯材が得られる。
【0031】
前記芯材のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.27m2/g~0.31m2/gが好ましく、0.28m2/g~0.30m2/gがより好ましい。
前記BET比表面積が、0.27m2/g~0.31m2/gであると、被覆層の樹脂と芯材の結着が強く、被覆層が削れる影響がなく、キャリア抵抗低下を防止でき、かつトナーを傷つけることがなく、トナースペントによる抵抗上昇を防止できる。
前記BET比表面積が、0.27m2/g未満では、被覆層(キャリアコート膜)の樹脂と芯材との結着性が低くなり、経時でのキャリアコート膜が削れる影響を受けやすく、キャリア抵抗低下を引き起こすことがある。また、BET比表面積が、0.31m2/g超であると、トナーを傷つけやすくなりトナースペントによる抵抗上昇を引き起こすことがある。
BET比表面積としては、芯材製造時における焼成温度により調整することが出来る。
【0032】
BET比表面積の測定方法としては、公知の方法で行うことができるが、本発明においては以下の方法で測定した。
BET比表面積測定装置(マウンテック社製、Macsorb HM model 1210)を用いて測定を行う。測定試料を真空乾燥機に入れ、200℃で2時間処理を行い、80℃以下になるまで乾燥機内で保持した後、乾燥機から取り出す。その後、試料をセルが密になるように充填し、装置にセットする。脱気温度200℃にて60分間前処理を行った後、測定を行う。
【0033】
<被覆層の形成方法>
前記被覆層の形成方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、被覆層を形成する材料を前記芯材にコーティングする方法などが挙げられる。
前記コーティングする方法としては、一般に用いられるコーティング方法であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーを用いた転動流動層、分散液中に芯材を浸漬させて溶媒を乾燥させる方法、などが挙げられる。
前記芯材の露出高さ、及び前記芯材の露出率は、コーティングをする際に、被覆層を形成する材料の量と芯材の量との比を調節することで、所望の値とすることができる。
【0034】
(現像剤)
前記現像剤は、上述した本発明のキャリア、及びトナーを有する。
【0035】
<トナー>
前記トナーは、結着樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、着色剤、帯電制御剤、離型剤などのその他の成分を含む。
【0036】
前記トナーは、クリアトナー、モノクロトナー、及びカラートナーのいずれであってもよい。
前記クリアトナーは、着色剤を含有しないトナーである。
【0037】
定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、前記トナーは、離型剤を含有してもよい。
このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
【0038】
さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
【0039】
前記トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
【0040】
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
【0041】
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3μm~15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5μm~20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
【0042】
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp-スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0043】
圧力定着用の前記結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0044】
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
【0045】
-着色剤-
前記着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0046】
-離型剤-
前記離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0047】
-帯電制御剤-
前記帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2~16のアルキル基を有するアジン系染料;C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;モノアゾ染料の金属錯塩;サルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
【0048】
-外添剤-
前記外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05μm~1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
【0049】
(補給用現像剤)
前記補給用現像剤は、上述した前記キャリアと前記トナーからなる。前記補給用現像剤を現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期に渡って安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、前記補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度があがる。これにより、極めて長期間に渡って安定した画像を得られる。
【0050】
前記補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2質量部~50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部以上であると、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすいという不具合を防止できる。更に、現像剤帯電量が上がる事により、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまうという不具合を防止できる。50質量部以下であると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなるという不具合を防止できる。
【0051】
(プロセスカートリッジ)
前記プロセスカートリッジは、トナー収容ユニットの一形態である。
前記トナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、前記トナー又は前記現像剤を収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、現像剤収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
前記現像剤収容容器とは、前記現像剤を収容した容器をいう。
前記現像器は、前記現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
前記プロセスカートリッジとは、静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段を有し、前記現像剤を収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に露光手段を備えてもよい。
【0052】
本発明に関するプロセスカートリッジの実施形態について、
図3を用いて説明する。
図3に示されるように、プロセスカートリッジ100は、感光体20と、近接型のブラシ状の帯電部材32、本発明の現像剤を収納する現像装置40、クリーニングブレード61を少なくとも有するクリーニング装置を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である。本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機、プリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱自在に構成することができる。
【0053】
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電像担持体を帯電させる帯電手段と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の現像剤セットを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有し、更に必要に応じてクリーニング手段などの適宜選択したその他の手段を有する。
前記トナー像を形成する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段が好ましい。
【0054】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の現像剤セットを用いて現像してトナー像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程と、を有し、更に必要に応じてクリーニング工程などの適宜選択したその他の手段を有する。
前記トナー像を形成する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する工程が好ましい。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
(結着樹脂の合成例1)
<ウレア変性ポリエステル(U1)の合成例>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管を有する反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸276質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10mmHg~15mmHgの減圧で5時間反応した。その後、160℃まで冷却して、無水フタル酸32質量部を加えて2時間反応した後、80℃まで冷却した。次に、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
得られたイソシアネート含有プレポリマー(P1)267質量部、及びイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64,000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
<変性されていないポリエステル(E1)の合成例>
ウレア変性ポリエステル(U1)の合成例において、イソフタル酸276質量部を、テレフタル酸276質量部に変更した以外は、ウレア変性ポリエステル(U1)の合成例と同様にして、ピーク分子量5,000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
<結着樹脂(B1)の合成例>
前記ウレア変性ポリエステル(U1)200部と前記変性されていないポリエステル(E1)800部を、酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2,000部に溶解後に混合し、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。その後、一部減圧乾燥して、結着樹脂(B1)を単離した。
【0057】
(マスターバッチの作成例1)
下記材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ-ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を得た。
・顔料(C.I.PigmentYellow155) :40質量部
・結着樹脂:ポリエステル樹脂A :60質量部
・水 :30質量部
【0058】
(トナー製造例1)
ビーカー内に、前記結着樹脂(B1)240質量部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20質量部、マスターバッチ(M1)8質量部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12,000rpmで攪拌し、均一に分散させ、トナー材料液を得た。
ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(スーパタイト10、日本化学工業株式会社製)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ均一に溶解した後、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで攪拌しながら、上記トナー材料液を投入し、10分間攪拌して混合液を得た。
次に、得られた混合液を、攪拌棒と温度計を有するコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、母体トナー粒子Aを得た。
得られた母体トナー粒子A100質量部に、疎水性シリカ1.0質量部と、疎水化酸化チタン1.0質量部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーAを得た。トナーの粒径を、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器(コールターカウンターTA2)を用いて、アパーチャ径100μmで測定したところ、体積平均粒径(Dv)が6.2μm、個数平均粒径(Dn)が5.1μmであった。
【0059】
(実施例1)
下記[被覆層の組成]を有する混合物をホモミキサーにて10分間分散し、被覆層形成用液を得た。芯材(材質:Mn-Mgフェライト、体積平均粒径:35μm)の表面に被覆層形成用液を、スピラコーター(岡田精工社製)を用いて、55℃、30g/minで塗布し、乾燥させて被覆層を形成した。前記被覆層の平均厚みとしては、1.2μmとなるように塗布した。電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した後に冷却した。得られた粒子を、目開き100μmの篩を用いて解砕し、結合している粒子を1つの粒子にして、キャリアを得た。
得られたキャリアにおけるバリウムの露出量を、X線光電子分光分析(XPS)(商品名:AXIS/ULTRA、島津/KRATOS社製)を用いて測定したところ、0.3atmic%であった。
[被覆層の組成]
・アクリル樹脂溶液(固形分20重量%) :200質量部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40重量%) :2,000質量部
・PEDOT/PSS(導電性ポリマー粒子、固形分5重量%、体積平均粒径:100nm):700質量部
・アミノシラン(固形分100重量%) :30質量部
・硫酸バリウム(帯電性粒子、体積平均粒径:0.3μm) :650質量部
・トルエン :6,000質量部
【0060】
(実施例2)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.6μmである硫酸バリウム粒子に変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.6atmic%であった。
【0061】
(実施例3)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が1.2μmである硫酸バリウム粒子に変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.6atmic%であった。
【0062】
(実施例4)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.6μmである硫酸バリウム粒子に変更し、被覆層の平均厚みを0.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.6atmic%であった。
【0063】
(実施例5)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.3μmである硫酸バリウム粒子に変更し、被覆層の平均厚みを1.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.2atmic%であった。
【0064】
(実施例6)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.3μmである酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。
【0065】
(実施例7)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.3μmである水酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。
【0066】
(実施例8)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.3μmであるハイドロタルサイトに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。
【0067】
(実施例9)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウムを、体積平均粒径が0.6μmである硫酸バリウムに変更し、酸化タングステンドープ酸化Sn(粉体比抵抗:40Ω・cm)600質量部を添加した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.6atmic%であった。
【0068】
(実施例10)
実施例9において、酸化タングステンドープ酸化Snを、酸化インジウムドープ酸化Sn600質量部に変更した以外は、実施例9と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.4atmic%であった。
【0069】
(実施例11)
実施例9において、酸化タングステンドープ酸化Snを、五酸化リンドープ酸化Sn600質量部に変更した以外は、実施例9と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.5atmic%であった。
【0070】
(実施例12)
実施例9において、酸化タングステンドープ酸化Snを、アルミニウムで表面処理した酸化タングステンドープ酸化Sn1,400質量部に変更した以外は、実施例9と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.6atmic%であった。
【0071】
(実施例13)
実施例1において、導電性ポリマー粒子としてのPEDOT/PSSを、PANI/CSAに変更した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。得られたキャリアにおけるバリウムの露出量は、0.3atmic%であった。
【0072】
(比較例1)
実施例2において、導電性ポリマー粒子としてのPEDOT/PSSを添加しなかった以外は、実施例2と同様にしてキャリアを得た。
【0073】
(比較例2)
実施例1において、帯電性粒子としての硫酸バリウム、及びアミノシランを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。
【0074】
(比較例3)
比較例1において、酸化タングステンドープ酸化Sn(粉体比抵抗:40Ω・cm)1,200質量部を添加した以外は、比較例1と同様にしてキャリアを得た。
【0075】
(比較例4)
実施例1において、カーボン(ケッチェンブラック)を添加した以外は、実施例1と同様にしてキャリアを得た。
【0076】
<現像剤の作製>
実施例1~12及び比較例1~4で得られた各キャリア93質量部、及びトナーA7質量部を、タービュラーミキサーを用いて81rpmで3分間攪拌し、現像剤を得た。また、現像剤の補給用現像剤は、トナー濃度が95%となるように、前記キャリア及び前記トナーを用いて作製した。
【0077】
次に、各現像剤について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
【0078】
<初期ベタキャリア付着>
得られた現像剤を用いて市販のデジタルフルカラー複合機(株式会社リコー製、ProC9100)にセットした。実験室環境(25℃、60%環境)で、ベタ画像を所定の現像条件(帯電電位(Vd):-600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:-100V、現像バイアス:DC-500V)にて、作像中に電源をOFFにする等の方法で作像を中断し、転写後の感光体上のキャリア付着の個数を数えた。なお、評価する領域は感光体上の10mm×100mmの領域とした。
[評価基準]
◎:キャリア付着の個数が0個
〇:キャリア付着の個数が1~3個
△:キャリア付着の個数が4~10個
×:キャリア付着の個数が11個以上
【0079】
<経時ベタキャリア付着>
得られた現像剤を用いて市販のデジタルフルカラー複合機(株式会社リコー製、ProC9100)にセットした。実験室環境(25℃、60%環境)にて、各現像剤、及び補給用現像剤を用いて、画像面積率0.5%で100万枚のランニングを実施し、経時におけるベタキャリア付着を評価した。100万枚ランニング後に評価を実施する以外は、初期ベタキャリア付着と同様の方法にて評価した。
【0080】
<経時帯電安定性>
リコー社製ProC9100(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)に各現像剤、及び補給用現像剤を用いて、画像面積率40%で100万枚のランニング後のキャリアで評価を行った。まず、初期のキャリアの帯電量(Q1)は、キャリアとトナーAとを質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルをブローオフ装置TB-200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。帯電量の変化率は(Q1-Q2)/(Q1)×100の絶対値と規定した。
[評価基準]
◎:0以上5未満
〇:5以上10未満
△:10以上20未満
×:20以上
【0081】
<色汚れ>
画像面積率0.5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて3万枚連続出力した後、イエロー単色画像を出力し、初期及び3万枚出力後のイエロー単色画像について、画像濃度をX-RITE938(x-rite社製)により測定した。イエロー画像濃度が1.4±0.5のポイントでのCIE L*、CIE a*、CIE b*を3点測定して平均値を求め、下記式に代入してΔE値を算出し、下記基準に基づいて評価した。
ΔE=√((初期L*)2+(初期a*)2+(初期b*)2)-√((ラン後L*)2+(ラン後a*)2+(ラン後b*)2)
[評価基準]
〇:ΔEが2未満で色汚れがない
△:ΔEが2以上4未満で色汚れが目立たず、色調変化は指摘されない
×:ΔEが4以上で明らかに色汚れが目立ち、色調変化を指摘される
【0082】
<トナー飛散>
リコー社製ProC9100(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)に各現像剤と、それらの補給用現像剤を用いて、画像面積率40%で100万枚のランニング後に現像剤担持体下部に溜まったトナーの量を吸引、回収し、トナー質量を測定した。
[評価基準]
◎:0mg以上50mg未満
〇:50mg以上100mg未満
△:100mg以上250mg未満
×:250mg以上
【0083】
<総合評価>
「初期ベタキャリア付着」、「経時ベタキャリア付着」、「経時帯電安定性」、「色汚れ」及び「トナー飛散」の評価結果から、下記基準により評価した。
◎:「◎」が4個以上、かつ「×」が0個
○:「◎」が1個以上3個以下、かつ「×」が0個
△:「◎」が0個、かつ「×」が0個
×:「×」が1個以上
【0084】
【0085】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 芯材と前記芯材を被覆する被覆層とを有し、
前記被覆層が導電性ポリマー粒子及び帯電性粒子を含有することを特徴とするキャリアである。
<2> 前記導電性ポリマー粒子が、導電性ポリマーとドーパントイオンとを有し、
前記導電性ポリマーが、ポリピロール系樹脂、ポリアニリン系樹脂、及びポリチオフェン系樹脂から選択される少なくとも1種で形成された、前記<1>に記載のキャリアである。
<3> 前記導電性ポリマー粒子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体(PEDOT/PSS)である、前記<2>に記載のキャリアである。
<4> 前記複合体(PEDOT/PSS)が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)由来のカチオンと、ポリスチレンスルホン酸由来のアニオンとが静電結合したポリイオンコンプレックスである、前記<3>に記載のキャリアである。
<5> 前記帯電性粒子の体積平均粒径A(μm)と、前記被覆層の平均厚みC(μm)との比(A/C)が、0.25以上1.00以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載のキャリアである。
<6> 前記帯電性粒子が、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトから選択される少なくとも1種類である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のキャリアである。
<7> 前記帯電性粒子が硫酸バリウムであり、前記被覆層の表面のバリウム原子の露出量が0.1atomic%以上である、前記<6>に記載のキャリアである。
<8> 前記被覆層が無機微粒子を含有し、前記無機微粒子がタングステン、インジウム、リン及びこれらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ、並びに、前記ドープした酸化スズを表面に有する基体粒子のいずれかである、前記<1>から<7>のいずれかに記載のキャリアである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のキャリア、及びトナーを有することを特徴とする現像剤である。
<10> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<9>に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<11> 静電潜像担持体と、
前記静電像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<9>に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
<12> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記<9>に記載の現像剤を用いて現像する現像手段と、
前記静電潜像担持体の表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0086】
前記<1>から<8>のいずれかに記載のキャリア、前記<9>に記載の現像剤、前記<10>に記載の画像形成方法、前記<11>に記載の画像形成装置、及び前記<12>に記載のプロセスカートリッジによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 樹脂
11 芯材の中心点
12 樹脂と空気層との境界点
13 芯材と樹脂との境界点
14、20 芯材
21 被覆層
22 導電性ポリマー粒子
23 帯電性粒子
24 導電パス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【文献】特許第6488866号公報
【文献】特開2017-167387号公報
【文献】特開平06-273981号公報