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特許7528646通信端末、通信システム、通信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】通信端末、通信システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240730BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020146276
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2021057025
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2019177978
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 義弘
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-122953(JP,A)
【文献】特開2003-263475(JP,A)
【文献】特開2012-123589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して、検査対象の検査結果を管理する検査結果管理サーバと通信する通信端末であって、
入力画面を表示させる表示制御手段と、
前記検査対象に関連付けられている情報提供物から当該情報提供物を識別するための識別情報を取得する取得手段と、
前記通信ネットワークを介して前記検査結果管理サーバに前記識別情報と、前記表示制御手段が前記識別情報の取得後に表示させる入力画面へ入力された認証情報と、を送信する送信手段と、
前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて前記検査結果管理サーバが送信した前記検査対象の検査結果に関する入力項目の情報を受信する受信手段と、
前記表示制御手段が表示させる前記入力項目の入力画面に対する入力情報を受け付ける受付手段と、
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記受信手段は、前記検査対象の種類に応じた入力項目の情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記送信手段は、前記検査対象の種類を示す種類情報が含まれている前記識別情報を送信し、
前記受信手段は、前記検査結果管理サーバが送信した前記種類に応じた前記入力項目の情報を受信することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記送信手段は、前記検査対象の種類を示す種類情報と共に前記識別情報を送信し
前記受信手段は、前記検査結果管理サーバが送信した前記種類に応じた前記入力項目の情報を受信することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項5】
前記送信手段は、前記通信ネットワークを介して前記検査結果管理サーバに、前記受付手段によって受け付けられた入力情報を送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記受信手段は、前記識別情報の送信に応じて前記検査結果管理サーバが送信した前記検査対象の過去の画像データを受信し、
前記表示制御手段は、前記過去の画像データを表示させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記検査対象に前記情報提供物が関連付けられていることは、前記情報提供物が前記検査対象に取り付けられたことであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項8】
前記情報提供物は前記識別情報が埋め込まれたQRコードを表すシールであり、前記情報提供物が前記検査対象に取り付けられたとは、前記情報提供物が前記検査対象に貼り付けられたことであることを特徴とする請求項7に記載の通信端末。
【請求項9】
前記情報提供物は、前記識別情報を送信するICタグ、又は前記識別情報を発信するビーコン発信機であることを特徴とする請求項7に記載の通信端末。
【請求項10】
検査対象の検査結果を管理する検査結果管理サーバと、当該検査結果管理サーバに対して通信ネットワークを介して通信する通信端末とを有する通信システムであって、
前記通信端末は、
入力画面を表示させる表示制御手段と、
前記検査対象に関連付けられている情報提供物から当該情報提供物を識別するための識別情報を取得する取得手段と、
前記通信ネットワークを介して前記検査結果管理サーバに前記識別情報と、前記表示制御手段が前記識別情報の取得後に表示させる入力画面へ入力された認証情報と、を送信する第1の送信手段と、
前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて前記検査結果管理サーバが送信した前記検査対象の検査結果に関する入力項目の情報を受信する第1の受信手段と、
前記表示制御手段が表示させる前記入力項目の入力画面に対する入力情報を受け付ける受付手段と、
を有し、
前記検査結果管理サーバは、
前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて入力項目の情報管理する入力項目管理手段と、
前記通信端末が送信した前記識別情報と前記認証情報を前記通信ネットワークを介して受信する第2の受信手段と、
前記入力項目管理手段において前記第2の受信手段によって受信された前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて特定される入力項目の情報を、前記通信ネットワークを介して前記通信端末に送信する第2の送信手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項11】
通信ネットワークを介して、検査対象の検査結果を管理する検査結果管理サーバと通信する通信端末が実行する通信方法であって、
入力画面を表示させる表示制御ステップと、
前記検査対象に関連付けられている情報提供物から当該情報提供物を識別するための識別情報を取得する取得ステップと、
前記通信ネットワークを介して前記検査結果管理サーバに前記識別情報と、前記表示制御ステップが前記識別情報の取得後に表示させる入力画面へ入力された認証情報と、を送信する送信ステップと、
前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて前記検査結果管理サーバが送信した前記検査対象の検査結果に関する入力項目の情報を受信する受信ステップと、
前記表示制御ステップが表示させる前記入力項目の入力画面に対する入力情報を受け付ける受付ステップと、
を実行することを特徴とする通信方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、通信端末、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁、トンネル等の検査対象を定期的に検査(点検)するインフラメンテナンスという業種がある。検査場所には、専門の知識やスキルを持つ検査者の他に、知識やスキルを持たない補助者(アルバイト等)も同行する場合がある。検査による劣化等の進み具合の判断は検査者によって行われるが、検査対象の検査結果の入力等は、補助者によって行われる場合がある。補助者は、検査場所に持参したスマートフォン等の通信端末で現在の検査対象の検査結果と共にサーバにアップロードする(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、橋梁やトンネル等のように検査対象が異なると検査方法や検査箇所も異なるため、検査結果に関する入力項目も検査対象に応じて異ならせる必要がある。そのため、検査者又は補助者は、検査対象に適した入力項目を特定するための負担が掛かるという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明は、通信ネットワークを介して、検査対象の検査結果を管理する検査結果管理サーバと通信する通信端末であって、入力画面を表示させる表示制御手段と、前記検査対象に関連付けられている情報提供物から当該情報提供物を識別するための識別情報を取得する取得手段と、前記通信ネットワークを介して前記検査結果管理サーバに前記識別情報と、前記表示制御手段が前記識別情報の取得後に表示させる入力画面へ入力された認証情報と、を送信する送信手段と、前記識別情報と前記認証情報に関連付けられたURLに基づいて前記検査結果管理サーバが送信した前記検査対象の検査結果に関する入力項目の情報を受信する受信手段と、前記表示制御手段が表示させる前記入力項目の入力画面に対する入力情報を受け付ける受付手段と、を有することを特徴とする通信端末である。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように本発明によれば、検査対象に適した入力項目を特定するための負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
図2】スマートフォンのハードウェア構成図である。
図3】データ管理サーバ、検査結果管理サーバ、及びPCのハードウェア構成図である。
図4】通信システムの各機能ブロック図である。
図5】(A)はアクセス先情報のデータ構造を示す概念図、(B)は転送先管理テーブルの概念図である。
図6】入力項目管理テーブルの概念図である。
図7】検査対象画像管理テーブルの概念図である。
図8】検査結果管理テーブルの概念図である。
図9】検査結果の登録画面を要求する処理を示したシーケンス図である。
図10】(A)はスマートフォンに表示される確認画面の表示例、(B)はスマートフォンに表示されるパスコード入力画面の表示例である。
図11】検査結果の登録処理を示したシーケンス図である。
図12】スマートフォンで最初に表示される検査結果登録画面の表示例である。
図13】スマートフォンで検査情報を入力された後の検査結果登録画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に図面を用いて、本実施形態に係る通信システムを詳細に説明する。
【0008】
〔システムの概略〕
まず、通信システムの概略について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【0009】
通信システムは、スマートフォン2、データ管理サーバ4、検査結果管理サーバ6、及びPC(Personal Computer)8によって構築されている。スマートフォン2は、データ管理サーバ4、検査結果管理サーバ6、及びPC8は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。
【0010】
図1では、検査者Aが検査場所Xの構造物等の検査対象Yを定期検査する場合において、補助者Bが、検査対象Yの検査結果等を登録するための登録画面を要求するため、スマートフォン2は情報提供物10から、登録画面を要求するためのアクセス先のURL及び情報提供物10を識別するための情報提供物IDを取得する。
【0011】
検査対象Yは、例えば、橋(橋梁)やトンネル等の構造物、アパートやマンション等の不動産建物、若しくは、車両、船舶又は航空機等の移動体等である。また、構造物には、気体、液体、粉体、粒体物質の輸送に用いる配管、又は昇降機(エレベータ)が走行する縦穴状の鉄筋コンクリート構造等の昇降路(エレベータシャフト)も含まれる。
【0012】
情報提供物10は、例えば、バーコード等のQRコードが示されたシール、ICタグ、ビーコン発信機等である。
【0013】
QRコードの場合には、図5(A)に示されているように、情報提供物ID及びアクセス先のURLの各情報が埋め込まれている。QRコードが示されたシールは、検査対象に貼り付けられることで、QRコードと検査対象が関連付けられる。スマートフォン2は、インストールされているQRコードスキャナのアプリケーションによりQRコードの情報を取得する。
【0014】
ICタグの場合には、スマートフォン2は、IDタグに対して、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。ICタグは、検査対象Yに取り付けられていることで、ICタグと検査対象Yが関連付けられる。
【0015】
ビーコン発信機の場合には、スマートフォン2がビーコン発信機の電波エリアに入ったときに、スマートフォン2は、ビーコン発信機から発信される電波によって通信可能である。ビーコン発信機は、検査対象Yに取り付けられることで、ビーコン発信機と検査対象Yが関連付けられる。
【0016】
なお、情報提供物10と検査対象Yを関連付かせる(紐づかせる)ためには、必ずしも検査対象Yに情報提供物10を取り付ける必要はない。例えば、検査対象Yの付近で他の検査対象よりも検査対象Yに近い場所に情報提供物10を貼り付け又は設置してもよい。また、複数の検査対象が存在する場合、複数の検査対象の近くに設置された掲示板等に、各検査対象の写真又は名称と関連付けて情報提供物10を貼り付け又は設置してもよい。
【0017】
以上より、スマートフォン2は、情報提供物10から、図5(A)に示されている情報提供物ID及びアクセス先のURLの情報を取得する。
【0018】
そして、補助者Bは、スマートフォン2を用いてデータ管理サーバ4にアクセスし、検査対象Yの検査結果等を登録するための登録画面を要求する。これにより、データ管理サーバ4は、検査結果管理サーバ6に対して、登録画面を要求する。検査結果管理サーバ6はスマートフォン2に対して、登録画面のデータを送信する。その後、検査場所Xにおいて、補助者Bは、スマートフォン2で最新の検査対象Yを撮影すると共に、スマートフォン2に検査者Aの指示に従って入力項目に検査結果等を入力する。なお、撮影又は検査結果等の入力に関しては、検査者Aが行ってもよい。
【0019】
スマートフォン2は、検査結果管理サーバ6に対して、検査対象の画像のデータ及び検査結果等のデータをアップロードして登録する。これにより、検査業者Zの管理者CがPC8から検査結果管理サーバ6にアクセスし、登録されている検査対象の画像及び検査結果等を取得して閲覧することができる。
【0020】
また、データ管理サーバ5及び検査結果管理サーバ6は、それぞれ単一又は複数のコンピュータによって構築されている。データ管理サーバ4及び検査結果管理サーバ6は、検査処理システム3を構築している。データ管理サーバ4及び検査結果管理サーバ6の各機能が検査管理システム3として1つにまとまっていても良い。
【0021】
また、スマートフォン2は、(移動)通信端末の一例である。通信端末には、タブレットPC、ノートPC、スマートウォッチ、携帯ゲーム機、専用端末等も含まれる。
【0022】
〔ハードウェア構成〕
続いて、図2及び図3を用いて、通信システムを構築するは端末及びサーバのハードウェア構成を説明する。
【0023】
<スマートフォンのハードウェア構成>
図2は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図2に示されているように、スマートフォン2は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、CMOSセンサ205、撮像素子I/F206、加速度・方位センサ207、メディアI/F209、GPS受信部211を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU201は、スマートフォン2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ205は、CPU201の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F206は、CMOSセンサ205の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ207は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F209は、フラッシュメモリ等の記録メディア208に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部211は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0025】
また、スマートフォン2は、遠距離通信回路212、CMOSセンサ213、撮像素子I/F214、マイク215、スピーカ216、音入出力I/F217、ディスプレイ218、外部機器接続I/F(Interface)219、近距離通信回路220、近距離通信回路220のアンテナ220a、及びタッチパネル221を備えている。
【0026】
これらのうち、遠距離通信回路212は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ213は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F214は、CMOSセンサ213の駆動を制御する回路である。マイク215は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ216は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F217は、CPU201の制御に従ってマイク215及びスピーカ216との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ218は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F219は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路220は、NFCやBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル221は、利用者がディスプレイ218を押下することで、スマートフォン2を操作する入力手段の一種である。
【0027】
また、スマートフォン2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0028】
<データ管理サーバのハードウェア構成>
まずは、図3を用いて、データ管理サーバのハードウェア構成を説明する。図3は、データ管理サーバのハードウェア構成図である。
【0029】
図3に示されているように、データ管理サーバ4は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU401、ROM402、RAM403、HD404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、メディアI/F407、ディスプレイ408、ネットワークI/F409、データバス410、キーボード411、マウス412、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ414を備えている。
【0030】
これらのうち、CPU401は、データ管理サーバ4全体の動作を制御する。ROM402は、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HD404は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ408は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。メディアI/F407は、フラッシュメモリ等の記録メディア415に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0031】
更に、ネットワークI/F409は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン410は、図3に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。また、キーボード411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス412は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ414は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW413に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0032】
なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。下記検査結果管理サーバ6、及びPC8でも同様である。
【0033】
<検査結果管理サーバのハードウェア構成>
次に、図3を用いて、検査結果管理サーバのハードウェア構成を説明する。図3には、検査結果管理サーバ6のハードウェア構成も示されている。
【0034】
図3に示されているように、検査結果管理サーバ6は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU601、ROM602、RAM603、HD604、HDDコントローラ605、メディアI/F607、ディスプレイ608、ネットワークI/F609、データバス610、キーボード611、マウス612、及びDVD-RWドライブ614を備えている。
【0035】
なお、これらは、それぞれ、データ管理サーバ4における、CPU401、ROM402、RAM403、HD404、HDDコントローラ405、ディスプレイ406、メディアI/F407、ネットワークI/F409、データバス410、キーボード411、ポインティングデバイス412、DVD-RWドライブ414、及びメディアI/F407と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0036】
なお、検査結果管理サーバ6の場合、メディアI/F607は、フラッシュメモリ等の記録メディア615に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。また、DVD-RWドライブ614は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW613に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0037】
<PCのハードウェア構成>
次に、図3を用いて、PCのハードウェア構成を説明する。図3には、PC8のハードウェア構成も示されている。
【0038】
図3に示されているように、PC8は、コンピュータによって構築されており、図3に示されているように、CPU801、ROM802、RAM803、HD804、HDDコントローラ805、メディアI/F807、ディスプレイ808、ネットワークI/F809、データバス810、キーボード811、マウス812、及びDVD-RWドライブ814を備えている。
【0039】
なお、これらは、それぞれ、データ管理サーバ4における、CPU401、ROM402、RAM403、HD404、HDDコントローラ405、ディスプレイ406、メディアI/F407、ネットワークI/F409、データバス410、キーボード411、ポインティングデバイス412、DVD-RWドライブ414、及びメディアI/F407と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0040】
なお、PC8の場合、メディアI/F807は、フラッシュメモリ等の記録メディア815に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。また、DVD-RWドライブ814は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW813に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0041】
〔通信システムの各機能構成〕
続いて、図2及び図4を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図4は、通信システムの各機能ブロック図である。
【0042】
<スマートフォンの機能構成>
まずは、スマートフォン2の機能構成について説明する。図4に示されているように、スマートフォン2は、送受信部21、受付部22、撮影部23、表示制御部24、取得部28、及び記憶・読出部29を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM204からRAM203上に展開されたスマートフォン用プログラムに従ったCPU201からの命令によって、動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、スマートフォン2は、図2に示されているRAM203及びEEPROM204によって構築される記憶部2000を有している。
【0043】
(スマートフォンの各機能構成)
次に、スマートフォン2の各機能構成について詳細に説明する。
【0044】
送受信部21は、図2に示されているCPU201からの命令によって実行され、通信ネットワーク100を介して、他の装置(サーバ、端末)と通信する。
【0045】
受付部22は、CPU201からの命令によって実現され、タッチパネル221を介して、利用者(補助者B等)による選択等の操作を受け付ける機能である。
【0046】
撮影部23は、CPU201からの命令によって実行され、主に、CMOS205及び撮像素子I/F206、又はCMOS213及び、撮像素子I/F214よって実現される。
【0047】
表示制御部24は、CPU201からの命令によって実行され、ディスプレイ218に対して、各種画面(画像や文字等)を表示させる。
【0048】
取得部28は、CPU201からの命令によって実行され、近距離通信回路220及びアンテナ222aを介して、ICタグ又はビーコン発信機等の情報提供物10と近距離無線通信を行う。
【0049】
記憶・読出部29は、CPU201からの命令によって実現され、記憶部2000に各種データを記憶したり、記憶部2000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0050】
<データ管理サーバの機能構成>
次に、データ管理サーバ4の機能構成について説明する。図4に示されているように、データ管理サーバ4は、送受信部41、判断部45、及び記憶・読出部49を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD404からRAM403上に展開されたデータ管理サーバ用プログラムに従ったCPU401からの命令によって、動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、データ管理サーバ4は、図3に示されているRAM403及びHD404によって構築される記憶部4000を有している。
【0051】
(転送先管理テーブル)
図5(B)は、転送先管理テーブル示す概念図である。記憶部4000には、図5(B)に示されているような転送先管理テーブルによって構成されている転送先管理DB4001が構築されている。この転送先管理テーブルでは、情報提供物ID、パスコード、及び転送先(リダイレクト先)のURL(Uniform Resource Locator)が関連付けられて管理されている。
【0052】
情報提供物IDは、情報提供物10がスマートフォン2等の通信端末に提供する情報であって、情報提供物10を識別するための情報提供物識別情報(識別情報の一例)である。パスコードは、利用者(検査者A又は補助者B)若しくはスマートフォン2の認証に用いられる文字及び数字の羅列であり、認証情報の一例である。認証情報には、パスワードも含まれる。なお、下記各種テーブルで示される属性(例えば、情報提供物ID)が同じ名称である場合には、同じ意味を示す。
【0053】
(データ管理サーバの各機能)
次に、データ管理サーバ4の各機能構成について詳細に説明する。
【0054】
送受信部41は、図3に示されているCPU401からの命令によって実行され、通信ネットワーク100を介して、他の装置(サーバ、端末)と通信する。
【0055】
判断部45は、図3に示されているCPU401からの命令によって実行され、各種判断を行う。
【0056】
記憶・読出部49は、CPU401からの命令によって実現され、記憶部4000に各種データを記憶したり、記憶部4000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0057】
<検査結果管理サーバの機能構成>
次に、検査結果管理サーバ6の機能構成について説明する。図4に示されているように、検査結果管理サーバ6は、送受信部61、作成部63、判断部65、及び記憶・読出部69を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD604からRAM603上に展開された検査結果管理サーバ用プログラムに従ったCPU601からの命令によって、動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、検査結果管理サーバ6は、図3に示されているRAM603及びHD604によって構築される記憶部6000を有している。
【0058】
(入力項目管理テーブル)
図6は、入力項目管理テーブル示す概念図である。記憶部6000には、図6に示されているような入力項目管理テーブルによって構成されている入力項目管理DB6001が構築されている。図6(A)は、橋梁、トンネル等の構造物用のテーブルである。図6(B)は、アパート、マンション等の不動産建物用のテーブルである。図6(C)は、車両、船舶、航空機等の移動体用のテーブルである。
【0059】
各入力項目管理テーブルでは、情報提供物ID、書誌情報、及び入力項目の情報が関連付けられて管理されている。図6では、3種類の検査対象に対応する書誌情報及び入力項目が示されている。但し、これら3種類は一例であるため、これらに限定されるものではない。
【0060】
図6(A)の情報提供物IDの先頭の「a」は、検査対象の種類が構造物である旨を示すコードの一例である。図6(B)の情報提供物IDの先頭の「b」は、検査対象の種類が不動産建物である旨を示すコードの一例である。図6(C)の情報提供物IDの先頭の「c」は、検査対象の種類が移動体である旨を示すコードの一例である。なお、情報提供物IDの先頭の意味は以下に説明するテーブルでも同じである。
【0061】
各書誌情報は、検査対象に関する書誌情報を示す。例えば、検査対象名、検査対象が設置されている場所、検査対象を検査する検査業者が示されている。各入力項目は、検査対象Yの検査結果に関する情報を入力するための項目である。「検査結果」項目には、利用者(検査者又は補助者)が容易に入力することができるように、「異状あり」、「異状なし」等の選択項目が登録されている。各書誌情報及び各入力項目は、予め(下記ステップS21の処理以前に)、管理者CによってPC8等から検査結果管理サーバ6にアクセスして登録されている。
【0062】
(検査対象画像管理テーブル)
図7は、検査対象画像管理テーブル示す概念図である。記憶部6000には、図7に示されているような検査対象画像管理テーブルによって構成されている検査対象画像管理DB6002が構築されている。図6と同様に、図7(A)は構造物用のテーブル、図7(B)は不動産建物用のテーブル、及び図7(C)は移動体用のテーブルである。各検査対象画像管理テーブルでは、情報提供物ID、撮影日、及び検査対象の画像データが関連付けられて管理されている。
【0063】
これらのうち、撮影日は、スマートフォン2等によって検査対象が撮影された日を示す。検査対象の画像データは、上記撮影日に撮影された検査対象の画像データである。例えば、定期検査により、1年毎に撮影されていることが示されている。なお、1つの撮影日に検査対象の複数の画像データが関連付けられてもよい。
【0064】
(検査結果管理テーブル)
図8は、検査結果管理テーブル示す概念図である。記憶部6000には、図8に示されているような検査結果管理テーブルによって構成されている検査結果管理DB6003が構築されている。図6と同様に、図8(A)は構造物用のテーブル、図8(B)は不動産建物用のテーブル、及び図8(C)は移動体用のテーブルである。各検査結果管理テーブルでは、情報提供物ID、パスコード、書誌情報、入力情報(検査日、検査結果、所見)及び検査対象の画像データが関連付けられて管理されている。
【0065】
これらのうち、検査日は、検査対象Yが検査者A及び補助者Bによって検査された日を示す。検査日に検査対象Yが撮影されるため、通常、検査日は撮影日と同日となる。検査結果は、検査者Aの判断によって決められた検査対象の検査結果である。所見は、検査者Aの考えによって決められた検査対象の検査結果に対する意見である。なお、1つの検査日(撮影日)に検査対象の複数の画像データが関連付けられてもよい。
【0066】
更に、図8(B)の不動産建物用のテーブルの場合には、入力情報に、入居者の修繕費負担額の欄が含まれている。図8(C)の移動体用のテーブルの場合には、入力情報に、修理費の負担額が含まれている。
【0067】
(検査結果管理サーバの各機能)
次に、検査結果管理サーバ6の各機能構成について詳細に説明する。
【0068】
送受信部61は、図3に示されているCPU601からの命令によって実行され、通信ネットワーク100を介して、他の装置(サーバ、端末)と通信する。
【0069】
作成部63は、図3に示されているCPU601からの命令によって実行され、後述の図12に示されているような検査結果登録画面のデータを作成する。
【0070】
判断部65は、図3に示されているCPU601からの命令によって実行され、各種判断を行う。
【0071】
記憶・読出部69は、CPU601からの命令によって実現され、記憶部6000に各種データを記憶したり、記憶部6000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0072】
〔実施形態の処理及び動作〕
続いて、図1図9乃至図13を用いて、本実施形態の処理または動作について説明する。ここでは、図1に示すように、検査者A及び補助者Bが検査場所Xに行き、検査対象である検査対象Yの情報提供物10に近づいた場合について説明する。図9は、検査結果の登録画面を要求する処理を示したシーケンス図である。
【0073】
<検査結果の登録画面の要求>
まずは、図9及び図10を用いて、検査結果の登録画面の要求処理を説明する。
【0074】
補助者Bが検査対象である検査対象Yの情報提供物10に近づく等により、補助者Bが持参しているスマートフォン2の取得部28は、情報提供物10から情報提供物ID及びアクセス先のURL(図5(A)参照)を取得する(S21)。これにより、表示制御部24は、ディスプレイ408上に、図10(A)に示されている確認画面を表示させる。図10(A)はスマートフォンに表示される確認画面の表示例である。
【0075】
次に、受付部22は、補助者Bからアクセス先へのアクセスを受け付ける(S22)。このように、スマートフォン2はアクセス先のURLを取得し、このURLにアクセスすることで、後述のステップS44~S48において、スマートフォン2のウェブブラウザにより、検査結果登録画面の表示、検査結果の入力受付、及び画像データの送信等を行うことができる。
【0076】
ここで、このステップS22の処理に関して、図10(A)、(B)を用いて説明する。図10(B)はスマートフォンに表示されるパスコード入力画面の表示例である。
【0077】
図10(A)に示されている確認画面の上部には、ステップS21によって情報提供物10から受信された情報提供物ID及びアクセス先のURLが表示されている。更に、確認画面の下部には、「OK」ボタン及び「CANCEL」ボタンが表示されている。この状態で、補助者Bが「OK」ボタンを押下すると、受付部22が「OK」ボタンの選択を受け付け、表示制御部24が、図10(B)に示されているパスコード入力画面の表示に切り替える。このパスコード入力画面には、上部にパスコード入力欄、中部にテンキー、下部に「ACCESS」ボタン及び「CANCEL」ボタンが表示されている。ここで、補助者Bがテンキーを押下することでパスコードを入力し、「ACCESS」ボタンを押下すると、受付部22がアクセス先へのアクセスを受け付ける。なお、図10(A)、(B)に示されている「CANCEL」ボタンが押下された場合には、アクセスの受け付けは行われない。
【0078】
次に、受付部22によって「ACCESS」ボタンの押下を受け付けられたことによって、送受信部21は、ステップS21で取得されたアクセス先のURLに基づき、データ管理サーバ4に対して、検査対象の検査結果を登録するための登録画面の要求を示す登録画面要求を送信する(S23)。この登録画面要求には、ステップS21で取得された情報提供物ID、ステップS22で受け付けされたパスコード、及びスマートフォン2のIPアドレスを示す端末IPアドレスが含まれている。これにより、データ管理サーバ4の送受信部41は、登録画面要求を受信する。
【0079】
なお、情報提供物IDには、先頭に「a」等の検査対象の種類が構造物である旨のコードが含まれているが、情報提供物10が、種類を示すコード(種類情報の一例)を「0001」等の情報提供物IDとは別に管理しておくことで、送受信部21は、種類を示すコードと共に情報提供物IDを送信してもよい。また、送受信部21は、必ずしもスマートフォン2のIPアドレスを送らなくてもよいが、このIPアドレスを送ることで、後ほど管理者CのPC8と双方向通信(リアルタイムチェック、チャットボット等)を行うことができる。
【0080】
次に、データ管理サーバ4では、記憶・読出部49が、ステップS23で受信された情報提供物ID及びパスコードの組を検索キーとして転送先管理DB4001を検索することにより、対応する転送先のURLを読み出す(S24)。このステップS24の処理は、スマートフォン2の認証も兼ねている。
【0081】
次に、送受信部41は、読み出された転送先のURLに基づき、検査果管理サーバ6に対して、登録画面要求を転送する(S25)。この転送された登録画面要求には、上記ステップS23で受信された、情報提供物ID、パスコード、及び端末IPアドレスが含まれている。これにより、検査結果管理サーバ6の送受信部61が、転送された登録画面要求を受信する。
【0082】
<検査結果の登録処理>
続いて、図11乃至図13を用いて、検査結果の登録処理について説明する。図11は、検査結果の登録処理を示したシーケンス図である。
【0083】
図9のステップ25によって、登録画面要求を受信した検査結果管理サーバ6では、図11に示されているように、記憶・読出部69が、ステップS25で受信された情報提供物IDを検索キーとして入力項目管理DB6001を検索することにより、対応する種類の入力項目管理テーブルを読み出す(S41)。例えば、情報提供物IDの頭文字「a」が、種別が「構造」であることを示し、情報提供物IDの頭文字に続く「0001」が、特定の検査対象が「橋梁」であることを示す場合、記憶・読出部69は、以下のような2つの絞り込み処理によって入力項目管理テーブルを読み出す。
【0084】
即ち、記憶・読出部69が、情報提供物IDの先頭の「a」等で入力項目管理テーブルの種類(例えば、構造物)に絞り込み(1次絞り込み)、情報提供物IDの先頭以降の情報で特定の入力項目管理テーブル(例えば、橋梁)に絞り込む(2次絞り込み)。このように2次絞り込みをするのは、例えば、検査対象としての橋梁とトンネルで同じ入力項目を使う場合である。
【0085】
なお、入力項目管理テーブルの種類の絞り込みだけで検索を終了してもよい。例えば、検査対象としての橋梁とトンネルで同じ入力項目を使う場合、2次絞り込みは不要だからである。また、種類の絞り込み(1次絞り込み)を行わずに、直接、特定の入力項目管理テーブルを絞り込み(2次絞り込み)だけで検索を終了してもよい。例えば、検査対象としての大型橋梁と小型橋梁で異なる入力項目を使う場合である。
【0086】
次に、記憶・読出部69が、ステップS25で受信された情報提供物IDを検索キーとして検査対象画像管理DB6002を検索することにより、対応する撮影日及び検査対象の過去の画像データの特定の組を読み出す(S42)。この場合も、上記ステップS41と同様の絞り込みにより読み出される。
【0087】
なお、記憶・読出部69は、検査対象画像管理DB6002に替えて検査結果管理DB6003から、情報提供物IDに対応する撮影日(検査日)及び検査対象の過去の画像データの特定の組を読み出してもよい。この場合、検査対象画像管理DB6002は不要である。
【0088】
次に、作成部63は、ステップS41で読み出された各情報、及びステップS42で読み出された画像データに基づいて、図12に示されているような後述の検査結果登録画面を作成する(S43)。図12は、スマートフォンで最初に表示される検査結果登録画面の表示例である。なお、検査結果登録画面は、スマートフォン2等の通信端末に表示させる画面の一例である。
【0089】
次に、作成部63は、登録画面の要求元であるスマートフォン2のウェブブラウザに対して、ステップS43で作成した検査結果登録画面を表示させる(S44)。この検査結果登録画面には、ステップS41で読み出された書誌情報及び入力項目、ステップS42で読み出された画像データ、並びにステップS25で受信された情報提供物IDが含まれている。
【0090】
次に、スマートフォン2では、表示制御部24が、ウェブブラウザによって、ディスプレイ218上に、図12に示されているような検査結果登録画面を表示させる(S45)。ここで、図12を用いて、スマートフォン2に最初に表示される検査結果登録画面について説明する。ここでは、検査対象が構造物の一例である橋梁の場合の検査結果登録画面が示されている。
【0091】
図12に示されているように、最初の検査結果登録画面には、この画面のデータのURL、STEP1,2,3の各指示欄が表示されている。利用者(例えば、補助者B)は、STEP1,2,3で示されている指示に従って処理する。
【0092】
STEP1の欄には、最初から、書誌情報として、構造部名、場所、検査業者(名)が表示されている。更に、STEP1の欄には、検査結果に関する入力項目(検査日、検査結果、及び所見)に各入力情報を入力するための入力欄a1が表示されている。検査結果は、プロダウンメニュー等により選択可能である。
【0093】
なお、「検査日」は書誌情報として既に表示されていてもよい。この場合、検査日も検査対象名等と同様に予め登録されており、「検査予定日」の意味も示すことになる。
【0094】
STEP2の欄には、最初から、今回の検査対象と同じ検査対象Yの過去の画像が表示されている。これら過去の画像は、ステップS44で受信されている。更に、STEP2の欄には、最新画像表示欄a2、及び「追加」ボタンa3が表示されている。最新画像表示欄a2には、これから補助者Bが撮影する検査対象Yの最新の画像が表示される。「追加」ボタンa3は、現在表示中の検査結果登録画面から撮影用画面に切り替え表示するためのボタンである。
【0095】
なお、最新画面表示欄a2にサンプル画像を表示させ、このサンプル画像が、現在表示中の検査結果登録画面から撮影用画面に切り替え表示するためのボタンの替わりであってもよい。この場合の「追加」ボタンa3は、2回目以降の撮影の際に押下されるボタンとなる。
【0096】
STEP3の欄には、「UPLOAD」ボタン、及び「CANCEL」ボタンが表示されている。「UPLOAD」ボタンは、STEP1,2で入力された各データを検査結果管理サーバ6にアップロードするためのボタンである。「CANCEL」ボタンは、アップロードを行わないためのボタンである。
【0097】
まず、検査結果登録画面に対するSTEP1として、補助者Bが書誌情報を確認する。そして、受付部22は、補助者Bによって、入力欄a1に、検査日、検査結果、及び所見の各欄に対して入力情報の入力を受け付ける(S46)。検査結果及び所見の判断には、専門知識が必要なため、補助者Bは検査者Aの指示に従う。検査結果はプルダウンメニュー等により選択できるため、補助者Bは、検査者Aの指示に従って検査結果を選択する。所見はフリー入力(記載)することができるため、補助者Bは、検査者Aの指示に従って所見を入力する。
【0098】
次に、STEP2に移行し、検査者A及び補助者Bは、過去の画像を参考にして、現在の同じ検査対象の構図等を決めるための参考にする。そして、受付部22は、補助者Bによる「追加」ボタンa3の押下を受け付けることで、表示制御部24が図12に示されている検査結果登録画面から撮影用画面に切り替え表示した後、受付部22が補助者Bの撮影操作を受け付けることで、撮影部23が検査対象の検査対象を撮影する(S47)。これにより、表示制御部24は、最新画像表示部a2に撮影により得られた検査対象の画像を表示させる。
【0099】
なお、撮影用画面の表示中に複数回撮影してもよいし、撮影の終了後で検査結果登録画面に戻った後に、受付部22が、再度「追加」ボタンa3の押下を受け付け、撮影用画面が表示されることで、複数回撮影してもよい。この場合、最新画像表示欄a2には複数の最新の検査対象の画像が表示され、補助者Bが検査者Aに相談して特定の画像を選択する。
【0100】
最後に、STEP3に移行し、受付部22が補助者Bから「UPLOAD」ボタンの押下を受け付けると、送受信部21は、検査結果管理サーバ6に対して、情報提供物ID、入力情報(検査日、検査結果、及び所見)、及び最新の検査対象の画像データを送信する(S48)。情報提供物IDはステップS44で受信された情報であり、一連の処理を関連付けるために使用される。入力情報は、ステップS46で入力された情報である。最新の検査対象の画像データは、ステップS47で検査対象が撮影されることで得られた最新の検査対象の画像データである。これにより、検査結果管理サーバ6の送受信部61は、情報提供物ID、入力情報、及び最新の検査対象の画像データを受信する。
【0101】
なお、複数回撮影されている場合には、複数の最新の検査対象の画像データのうち、ステップS48において、補助者Bによって選択された少なくとも1つの画像が送信される。この場合、ステップS48の前に、表示制御部24が複数の最新の検査対象の画像(例えば、サムネイル)を表示させ、受付部22が補助者Bによる所望の画像の選択を受け付ける。または、ステップS48の前に、表示制御部24が、複数の最新の検査対象の画像(例えば、サムネイル)を1つずつ順に表示させると共に、各画像に対してUPLOADするか否かの選択を行わせる画面をさせる。これにより、受付部22が、各画像に対して補助者BからUPLOADの可否の選択を受け付ける。
【0102】
また、スマートフォン2は、上記ステップS48を実行しなくてもよい。この場合、検査者A又は補助者Bが、後ほど、スマートフォン2を検査結果管理サーバ6の近くに持って行き、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやUSBメモリ等で、上記ステップS48で送信する内容を検査結果管理サーバ6に移行させてもよい。
【0103】
次に、検査結果管理サーバ6では、記憶・読出部69が、ステップS48で受信された情報提供物IDを検索キーとして検査対象画像管理DB6002を検索することにより、対応する撮影日のカラムにステップS48で受信された検査日を記憶すると共に、対応する検査対象の画像データのカラムにステップS48で受信された最新の検査対象の画像データを記憶する(S49)。
【0104】
なお、検査対象画像管理DB6002にステップ48で受信された情報提供物IDと同じIDが管理されていない場合には、記憶・読出部69は、新たに、ステップ48で受信された情報提供物ID、検査日としての撮影日、及び最新の検査対象の画像データを関連付けて、検査対象画像管理DB6002に記憶する。また、最新の検査対象の画像データのメタデータとして撮影日の情報が付加されている場合には、この付加されている撮影日の情報が、検査対象画像管理DB6002の撮影日として記憶されるようにしてもよい。
【0105】
次に、記憶・読出部69は、ステップS25で受信された情報(情報提供物ID、パスコード)、ステップS41で読み出された書誌情報、及びステップS48で受信された情報(検査日、所見、最新の検査対象の画像データ)を関連付けて、検査結果管理DB6003に新たなレコードとして記憶する(S50)。
【0106】
なお、記憶・読出部69は、パスコードを記憶しなくてもよい。この場合、図9のステップS25において、データ管理サーバ4は検査結果管理サーバ6に対してパスコードを転送しなくてもよい。
【0107】
また、検査結果管理DB6003は、図8に示されているようなテーブル構造でなくてもよい。例えば、検査結果管理DB6003には、情報提供物ID、パスコード、及び図13に示されている検査結果登録画面のデータのURLを関連付けて管理される。
【0108】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、スマートフォン2は、検査対象Yに関連付けられている情報提供物10から取得した情報提供物IDを通信ネットワーク100を介して検査結果管理サーバ6に送信することで(S21~S25参照)、検査結果管理サーバ6から検査対象に適した検査結果に関する入力項目を受信して表示することができる(S44,S45参照)。これにより、検査者又は補助者は、検査対象Yに適した入力項目を特定するための負担を軽減(又は抑制)することができるという効果を奏する。
【0109】
また、検査場所Xでは、情報提供物10が検査対象Yに取り付けられる等により、情報提供物10と検査対象Yが関連付けられており、検査結果管理サーバ6では、情報提供物10を識別するための情報提供物ID(識別情報の一例)と検査対象Yの過去の画像データが関連付けて管理されている。これにより、スマートフォン2で情報提供物10から情報提供物IDを取得し、データ管理サーバ4に送りさえすれば、検査結果管理サーバ6が、スマートフォン2に対して、検査対象Yの過去の画像データを送信することができる。これにより、検査者A及び補助者Bは、現在の検査対象と同じ検査対象Yの過去の画像データを比較的容易に取得することができるため、撮影する検査対象Yの構図等を容易に決めることができるという効果を奏する。
【0110】
なお、検査対象Yがマンションやアパート等の不動産の場合、引っ越しにより入居直後又は退去直後に、不動産業者(検査者A、補助者B)が部屋の汚れや傷等の検査を行うと共に撮影して、撮影より得られた画像データを検査結果管理サーバ6に送信する。
【0111】
また、スマートフォン2は情報提供物10から、図5(A)に示されているように、情報提供物IDだけでなく、アクセス先のURLも取得する。これにより、補助者Bは、検査対象Yの検査結果を登録するために、どのURLにアクセスしなければならないかを考える必要がないため、検査場所Xにおいて、検査対象Yの最新の画像データの登録を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0112】
〔補足〕
上記実施形態では、検査者Aと補助者Bが登場したが、検査対象Yの検査は検査者Aが行う必要があるが、スマートフォン2を操作するのは検査者Aと補助者Bのどちらであってもよい。例えば、補助者Bが検査場所Xに行かずに、検査者Aだけで、検査対象の検査及びスマートフォン2の操作を行ってもよい。
【0113】
また、情報提供物IDは、情報提供物10がスマートフォン2等の通信端末に提供する情報であって、情報提供物10を識別するための情報提供物識別情報(識別情報の一例)として説明したが、これに限るものではない。情報提供物IDは、情報提供物10によって提供されるものの、情報提供部10以外を識別する情報であってもよい。例えば、情報提供物10がGPS(Positioning System, Global Positioning Satellite)衛星である場合、識別情報には、GPS信号に基づく位置情報が含まれる。
【0114】
上記実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0115】
2 スマートフォン((移動)通信端末の一例)
4 データ管理サーバ
6 検査結果管理サーバ
8 PC
10 情報提供部
21 送受信部(端末側送信手段の一例)
22 受付部
23 撮影部
24 表示制御部
28 取得部
29 記憶・読出部
41 送受信部
45 判断部
49 記憶・読出部
61 送受信部(受信手段の一例)
63 作成部(作成手段の一例)
65 判断部
69 記憶・読出部
100 通信ネットワーク
2000 記憶部
4000 記憶部
4001 転送先管理DB
6000 記憶部
6001 入力項目管理DB
6002 検査対象画像管理DB(管理手段の一例)
6003 検査結果管理DB(管理手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【文献】特開2007-087067号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13