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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】搬送装置、および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G03G15/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020180639
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2021152635
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020049927
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山口 淳平
(72)【発明者】
【氏名】桐生 光示
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044410(JP,A)
【文献】特開2004-271718(JP,A)
【文献】特開2009-222112(JP,A)
【文献】特開2007-156194(JP,A)
【文献】特開2006-154575(JP,A)
【文献】特開2010-145539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動する駆動部と、
前記駆動部の回転角度を検出する回転角検出部と、
前記駆動部からの動力により回転し、かつ回転方向に向かって所定間隔で位置表示部が配設される無端ベルトと、
前記位置表示部を検出する位置表示検出部と、
前記位置表示検出部による前記位置表示部の検出結果に基づいて、前記無端ベルトの第1回転速度を算出する第1回転速度演算部と、
前記第1回転速度に基づいて、前記駆動部の目標回転速度に対する補正値を算出するベルト速度補償部と、
前記駆動部の回転角度に基づいて、前記駆動部の第2回転速度を算出する第2回転速度演算部と、
前記補正値を記憶する記憶部と、
前記目標回転速度、前記補正値、および前記第2回転速度を用いて、前記駆動部のフィードバック制御を実行する駆動部速度補償部と、
前記駆動部のフィードバック制御に用いる前記補正値を、前記ベルト速度補償部により算出される前記補正値または前記記憶部に記憶される前記補正値に切り替える切替部と、
前記無端ベルトの移送を検出する位相検出部と、
を備え
前記記憶部は、前記無端ベルトの位相毎に前記補正値を記憶し、
前記切替部は、前記駆動部のフィードバック制御に用いる前記補正値を、前記記憶部に記憶される前記補正値のうち、前記位相検出部により検出される前記無端ベルトの位相に対応する前記補正値に切り替える搬送装置。
【請求項2】
前記位置表示検出部による前記位置表示部の検出の異常を検知する異常検知部をさらに備え、
前記切替部は、前記位置表示部の検出の異常が検知された場合、前記駆動部のフィードバック制御に用いる前記補正値を、前記記憶部に記憶される前記補正値に切り替える請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記位置表示検出部は、光学式センサであり、
前記異常検知部は、前記光学式センサからの出力信号の振幅が所定の閾値を下回った場合に、前記位置表示部の検出の異常を検知する請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記無端ベルトは、当該無端ベルトの位相を示す位相指示部を有し、
前記位相検出部は、前記位相指示部の検出によって前記無端ベルトの位相を検出する請求項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記位相検出部は、前記無端ベルトが有する繋ぎ目を検出し、当該繋ぎ目の検出結果および前記第1回転速度に基づいて、前記無端ベルトの位相を検出する請求項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ベルト速度補償部による前記補正値の算出結果にフィルタ処理を実行するフィルタをさらに備え、
前記記憶部は、前記フィルタ処理が実行された前記補正値を記憶する請求項1からのいずれか一つに記載の搬送装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一つに記載の搬送装置を備える画像形成装置。
【請求項8】
前記無端ベルトは、感光体上に形成される画像が転写される中間転写ベルトである請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
転写搬送ベルトや中間転写ベルト等の無端ベルトを有する搬送装置を備えた画像形成装置(例えば、タンデムカラー方式の画像形成装置)は、無端ベルトを駆動するモータが一定速度で駆動していても、無端ベルトの厚みの変動や、当該モータにより回転駆動する駆動ローラの回転ムラ等によって、無端ベルト表面の回転速度が変動して、無端ベルト上に形成される画像に色ずれが発生することがある。この無端ベルト表面の回転速度の変動を抑制するため、無端ベルト表面に等間隔でマーク等の位置表示部を配設し、その位置表示部を光学センサ等の検出部により検出し、当該検出部からの出力信号のパルス間隔に基づいて補正値を算出し、当該算出した補正値を駆動ローラの目標回転速度に加算することによって、ベルト表面の回転速度を高精度に制御する技術が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の技術では、無端ベルト上に配設される位置表示部や光学センサにトナー汚れ等が付着することによって、位置表示部を検出することができなくなった場合に、駆動ローラの目標駆動速度に対する補正値を算出することができず、ベルト表面の回転速度の変動を抑制することができなくなることがある。これにより、無端ベルト上に形成される画像に発生する色ずれが許容できる品質より悪くなった場合、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムが生じる場合がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無端ベルトに配設される位置表示部を検出できない場合でも、無端ベルト上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減する搬送装置、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、回転駆動する駆動部と、前記駆動部の回転角度を検出する回転角検出部と、前記駆動部からの動力により回転し、かつ回転方向に向かって所定間隔で位置表示部が配設される無端ベルトと、前記位置表示部を検出する位置表示検出部と、前記位置表示検出部による前記位置表示部の検出結果に基づいて、前記無端ベルトの第1回転速度を算出する第1回転速度演算部と、前記第1回転速度に基づいて、前記駆動部の目標回転速度に対する補正値を算出するベルト速度補償部と、前記駆動部の回転角度に基づいて、前記駆動部の第2回転速度を算出する第2回転速度演算部と、前記補正値を記憶する記憶部と、前記目標回転速度、前記補正値、および前記第2回転速度を用いて、前記駆動部のフィードバック制御を実行する駆動部速度補償部と、前記駆動部のフィードバック制御に用いる前記補正値を、前記ベルト速度補償部により算出される前記補正値または前記記憶部に記憶される前記補正値に切り替える切替部と、前記無端ベルトの移送を検出する位相検出部と、を備える。前記記憶部は、前記無端ベルトの位相毎に前記補正値を記憶し、前記切替部は、前記駆動部のフィードバック制御に用いる前記補正値を、前記記憶部に記憶される前記補正値のうち、前記位相検出部により検出される前記無端ベルトの位相に対応する前記補正値に切り替える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、無端ベルトに配設される位置表示部を検出できない場合でも、無端ベルト上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置が備える搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第2の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施の形態にかかる搬送装置におけるマークの検出の異常の検知処理の一例を説明するための図である。
図7図7は、第3の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラ目標速度の補正値の切替処理の一例を説明するための図である。
図9図9は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による無端ベルトの位相の検出処理の一例を説明するための図である。
図11図11は、第4の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図12図12は、第4の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラの回転速度のフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第1~4の実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、搬送装置、および画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置が備える搬送装置の構成の一例を示すブロック図である。まず、図1を用いて、本実施の形態にかかる画像形成装置が備える搬送装置100の構成の一例について説明する。
【0010】
搬送装置100は、図1に示すように、無端ベルト101、駆動ローラ102、従動ローラ103、ギア104、モータ105、駆動軸エンコーダ106、マーク検出センサ107、およびベルト駆動制御部108を備える。
【0011】
無端ベルト101は、中間転写ベルト等であり、駆動ローラ102および複数の従動ローラ103に張架される。ここで、中間転写ベルトは、感光体上に形成される画像が転写されるベルトであり、例えば、感光体上に形成される複数色の画像が重ね合わされて転写されるベルトである。
【0012】
無端ベルト101は、駆動ローラ102からの動力により回転する。また、無端ベルト101には、当該無端ベルト101の回転方向に向かって所定間隔でマーク101aが配設されている。ここで、マーク101aは、無端ベルト101の回転方向における位置を示す位置表示部の一例である。また、ここで、所定間隔は、予め設定される間隔である。本実施の形態では、無端ベルト101には、当該無端ベルト101の回転方向の全周に渡ってマーク101aが配設されている。
【0013】
駆動ローラ102は、ギア104を介して、モータ105と接続されている。そして、駆動ローラ102は、モータ105からの動力(駆動力)によって回転駆動して、当該動力を無端ベルト101に伝える駆動部の一例として機能する。本実施の形態では、駆動ローラ102には、駆動軸エンコーダ106が接続されている。
【0014】
モータ105は、駆動ローラ102を回転駆動させる。駆動軸エンコーダ106は、駆動ローラ102(具体的には、駆動ローラ102の駆動軸)の回転角度を検出する回転角検出部の一例である。マーク検出センサ107は、無端ベルト101に配設されるマーク101aを検出する位置表示検出部の一例である。本実施の形態では、マーク検出センサ107は、光学式センサ等である。
【0015】
ベルト駆動制御部108は、無端ベルト101の回転駆動を制御する制御部である。具体的には、ベルト駆動制御部108は、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果、駆動軸エンコーダ106によって検出される回転角度等に基づいて、無端ベルト101の回転駆動を制御する。
【0016】
図2は、第1の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。次に、図2を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置100の機能構成の一例について説明する。
【0017】
本実施の形態にかかる搬送装置100は、図2に示すように、無端ベルト101、ギア104、モータ105、駆動軸エンコーダ106、マーク検出センサ107、ベルト駆動制御部108、およびモータドライバ109を備える。
【0018】
本実施の形態では、ベルト駆動制御部108は、図2に示すように、ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、記憶部206、駆動ローラ速度補償器207、切替部208、および差分算出部209,210を有する。
【0019】
ベルト表面速度演算部201は、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果に基づいて、無端ベルト101の回転速度(第1回転速度の一例)を算出する第1回転速度演算部の一例である。
【0020】
駆動ローラ速度演算部202は、駆動軸エンコーダ106による回転角度の検出結果に基づいて、駆動ローラ102の回転速度(第2回転速度の一例)を検出する第2回転速度演算部の一例である。
【0021】
ベルト表面目標速度設定部203は、無端ベルト101の回転方向に対する目標回転速度(以下、ベルト表面目標速度と言う)を設定する。
【0022】
駆動ローラ目標速度設定部204は、駆動ローラ102の目標回転速度(以下、駆動ローラ目標速度と言う)を設定する。
【0023】
差分算出部209は、ベルト表面目標速度と、ベルト表面速度演算部201により算出される無端ベルト101の回転速度と、の差分値を算出する。
【0024】
ベルト速度補償器205は、ベルト表面速度演算部201により算出される無端ベルト101の回転速度に基づいて、駆動ローラ目標速度に対する補正値(以下、第1補正値と言う)を算出する。本実施の形態では、ベルト速度補償器205は、差分算出部209により算出される差分値に基づいて、第1補正値を算出する。ここで、第1補正値は、無端ベルト101の回転速度の変動を抑制する補正値である。
【0025】
記憶部206は、駆動ローラ目標速度の補正値(以下、第2補正値と言う)を記憶する記憶部の一例である。例えば、記憶部206は、ベルト速度補償器205によって最後に算出される第1補正値を、第2補正値として記憶する。
【0026】
差分算出部210は、駆動ローラ目標速度と、駆動ローラ速度演算部202により算出される第2回転速度と、の差分値を算出する。本実施形態では、差分算出部210は、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値を、駆動ローラ目標速度に加算した上で、当該駆動ローラ目標速度と、駆動ローラ102の回転速度との差分値を算出する。
【0027】
駆動ローラ速度補償器207は、駆動ローラ目標速度、当該駆動ローラ目標速度の補正値、および駆動ローラ速度演算部202により算出される第2回転速度を用いて、駆動ローラ102のフィードバック制御を実行する駆動部速度補償部の一例である。本実施の形態では、駆動ローラ速度補償器207は、差分算出部210から入力される差分値に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御を実行する。
【0028】
具体的には、駆動ローラ速度補償器207は、差分算出部210から入力される差分値に基づいて、予め設定される制御演算を行って、モータ105の駆動を制御するモータドライバ109への指令値を算出する。そして、駆動ローラ速度補償器207は、当該算出した指令値を、モータドライバ109へ出力する。モータドライバ109は、駆動ローラ速度補償器207から入力される指令値に従って、モータ105を駆動させる。
【0029】
ところで、無端ベルト101の表面に配設されるマーク101aに汚れが付着して、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合、第1補正値を算出することができず、無端ベルト101のフィードバック制御を実行することができなくなる。この場合、ベルト駆動制御部108は、駆動ローラ速度演算部202により算出される第2回転速度のみに基づいて、当該駆動ローラ102のフィードバック制御を行う。その結果、駆動ローラ102は一定速度で回転させることができるが、無端ベルト101の厚みの変動等による影響が発生した場合に無端ベルト101の回転速度が変動して、無端ベルト101上に形成される画像に色ずれが発生する。そして、当該色ずれが許容できる品質よりも悪化すると、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムが生じる場合がある。
【0030】
そこで、本実施形態では、切替部208が、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部206に記憶される第2補正値、またはベルト速度補償器205により算出される第1補正値に切り替え可能とする。これにより、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、記憶部206に記憶される第2補正値(すなわち、無端ベルト101の回転速度の変動を抑える成分を含む、駆動ローラ目標速度の補正値)を用いて、駆動ローラ102のフィードバック制御も実行可能となる。その結果、無端ベルト101に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト101上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減することができる。なお、切替部208による、駆動ローラ目標速度の補正値の第1補正値または第2補正値への切り替えは、ユーザの手動の操作に応じて行っても良いし、予め設定された条件を満たした場合に自動的に行われても良い。
【0031】
図3は、第1の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図3を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置100による駆動ローラ102のフィードバック制御の流れの一例について説明する。
【0032】
駆動ローラ速度補償器207は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値が、切替部208によって、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値に切り替えられているか否かを判断する(ステップS301)。
【0033】
駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値が、記憶部206に記憶される第2補正値に切り替えられている場合(ステップS301:No)、差分算出部210は、記憶部206に記憶される第2補正値を、駆動ローラ目標速度に加算する(ステップS302)。さらに、駆動ローラ速度演算部202は、駆動軸エンコーダ106による回転角度の検出結果に基づいて、駆動ローラ102の第2回転速度を算出する(ステップS303)。
【0034】
次いで、駆動ローラ速度補償器207は、第2補正値を加算した駆動ローラ目標速度と、駆動ローラ速度演算部202により算出される第2回転速度と、の差分値に基づいて、モータ105の駆動を制御するモータドライバ109への指令値を算出する駆動ローラ速度補償演算処理を実行する(ステップS304)。そして、駆動ローラ速度補償器207は、算出した指令値を、モータドライバ109へ出力して、駆動ローラ102のフィードバック制御を実行する(ステップS305)。
【0035】
一方、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値が、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値に切り替えられている場合(ステップS301:Yes)、ベルト表面速度演算部201は、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果に基づいて、無端ベルト101の第1回転速度を算出する(ステップS306)。次いで、ベルト速度補償器205は、ベルト表面速度演算部201により算出される無端ベルト101の第1回転速度に基づいて、第1補正値を算出するベルト表面速度補償演算処理を実行し(ステップS307)、当該算出した第1補正値を第2補正値として記憶部206に記憶させる(ステップS308)。
【0036】
次に、差分算出部210は、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値を、駆動ローラ目標速度に加算する(ステップS309)。さらに、駆動ローラ速度演算部202は、駆動軸エンコーダ106による回転角度の検出結果に基づいて、駆動ローラ102の第2回転速度を算出する(ステップS303)。
【0037】
次いで、駆動ローラ速度補償器207は、第1補正値を加算した駆動ローラ目標速度と、駆動ローラ速度演算部202により算出される駆動ローラ102の第2回転速度と、の差分値に基づいて、モータ105の駆動を制御するモータドライバへの指令値を算出する駆動ローラ速度補償演算処理を実行する(ステップS304)。そして、駆動ローラ速度補償器207は、算出した指令値を、モータドライバへ出力して、駆動ローラ102のフィードバック制御を実行する(ステップS305)。
【0038】
このように、第1の実施の形態にかかる搬送装置100によれば、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、記憶部206に記憶される第2補正値(すなわち、無端ベルト101の回転速度の変動を抑える成分を含む、駆動ローラ目標速度の補正値)に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御を実行可能となる。その結果、無端ベルト101に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト101上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減することができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、無端ベルトに配設される位置表示部の検出の異常が検知された場合に、駆動ローラのフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部に記憶される第2補正値に切り替える例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0040】
図4は、第2の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
本実施の形態にかかる搬送装置400は、図4に示すように、無端ベルト101、ギア104、モータ105、駆動軸エンコーダ106、マーク検出センサ107、ベルト駆動制御部401、およびモータドライバ109を備える。
【0042】
本実施の形態では、ベルト駆動制御部401は、図4に示すように、ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、記憶部206、駆動ローラ速度補償器207、差分算出部209,210、切替部402、および異常検出部403を有する。
【0043】
異常検出部403は、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出の異常を検知する異常検知部の一例である。本実施の形態では、異常検出部403は、マーク検出センサ107が光学センサである場合、当該光学センサからの出力信号の振幅が所定の閾値を下回った場合に、マーク101aの検出の異常を検知する。ここで、所定の閾値は、予め設定される値であり、マーク101aの検出に異常があると判定する出力信号の振幅である。すなわち、本実施の形態では、異常検出部403は、マーク検出センサ107からの出力信号が正常か否かを判断する。
【0044】
切替部402は、異常検出部403によってマーク101aの検出の異常が検知された場合に、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部206に記憶される第2補正値に切り替える。これにより、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、記憶部206に記憶される第2補正値(すなわち、無端ベルト101の回転速度の変動を抑える成分を含む、駆動ローラ目標速度の補正値)に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御も実行可能となる。その結果、無端ベルト101に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト101上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減することができる。
【0045】
図5は、第2の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図5を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置400による駆動ローラ102のフィードバック制御の流れの一例について説明する。
【0046】
本実施の形態では、異常検出部403は、マーク検出センサ107からの出力信号が正常か否かを判断する(ステップS501)。
【0047】
マーク検出センサ107からの出力信号が正常でないと判断した場合(ステップS501:No)、言い換えると、異常検出部403によってマーク101aの検出の異常が検知された場合、切替部402は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部206に記憶される第2補正値に切り替える(ステップS502)。そして、ベルト駆動制御部401は、図3に示すステップS302~ステップS305に示す処理を実行する。
【0048】
一方、マーク検出センサ107からの出力信号が正常であると判断した場合(ステップS501:Yes)、言い換えると、異常検出部403によってマーク101aの検出の異常が検知されていないと判断した場合、切替部402は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値に切り替える(ステップS503)。その後、ベルト駆動制御部401は、図3に示すステップS303~ステップS309に示す処理を実行する。
【0049】
図6は、第2の実施の形態にかかる搬送装置におけるマークの検出の異常の検知処理の一例を説明するための図である。図6において、縦軸は、マーク検出センサ107から出力される信号の電圧を表し、横軸は、時間を表す。
【0050】
本実施の形態では、異常検出部403は、図6に示すように、マーク検出センサ107から出力される出力信号(電圧)の振幅が所定の閾値を下回った場合に、マーク101aの検出の異常を検知する。
【0051】
このように、第2の実施の形態にかかる搬送装置400によれば、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、記憶部206に記憶される第2補正値(すなわち、無端ベルト101の回転速度の変動を抑える成分を含む、駆動ローラ目標速度の補正値)に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御も実行可能となる。その結果、無端ベルト101に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト101上に形成される画像に発生する色ずれを抑制して、画像形成装置において印刷を行うことができないダウンタイムを低減することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、無端ベルトの位相毎に駆動ローラ目標速度の第2補正値を記憶し、無端ベルトの位相に応じて、駆動ローラのフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の第2補正値を切り替える例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0053】
図7は、第3の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
本実施の形態にかかる搬送装置700は、図7に示すように、無端ベルト701、ギア104、モータ105、駆動軸エンコーダ106、マーク検出センサ107、ベルト駆動制御部702、モータドライバ109、および位相センサ703を備える。
【0055】
本実施の形態では、無端ベルト701は、当該無端ベルト701の位相を示す位相指示部を有する。これにより、無端ベルト701の現在の位相を高精度に検出することが可能となる。位相センサ703は、光学センサ等であり、無端ベルト701が有する位相指示部を検出する。
【0056】
本実施の形態では、ベルト駆動制御部702は、図7に示すように、ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、記憶部705、駆動ローラ速度補償器207、切替部706、および位相検出部704を有する。
【0057】
位相検出部704は、無端ベルト701の位相を検出する位相検出部の一例である。本実施の形態では、位相検出部704は、位相センサ703による位相指示部の検出結果に基づいて、無端ベルト701の位相を検出する。
【0058】
記憶部705は、無端ベルト701の位相毎に第2補正値を記憶する。本実施の形態では、記憶部705は、無端ベルト701の各位相について、ベルト速度補償器205によって最後に算出される第2補正値を記憶する。
【0059】
切替部706は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部705に記憶される第2補正値のうち、位相検出部704により検出される無端ベルト701の位相に対応する第2補正値に切り替える。これにより、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、無端ベルト701の位相毎に異なる回転速度の変動に合わせた駆動ローラ目標速度に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御も実行可能となる。その結果、無端ベルト701に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト701の回転速度の変動を高精度に抑制され、無端ベルト701上に形成される画像に発生する色ずれを高精度に抑制することができる。
【0060】
図8は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラ目標速度の補正値の切替処理の一例を説明するための図である。図8において、縦軸は、駆動ローラ目標速度の補正値を表し、横軸は、無端ベルト701の時間を表す。
【0061】
次に、図8を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置700による駆動ローラ目標速度の補正値の切替処理の一例について説明する。
【0062】
無端ベルト701は回転するため、ベルト速度補償器205によって算出される駆動ローラ目標速度の第1補正値は、図8に示すように、概ね、無端ベルト701の1周の周期で変動する。そのため、切替部706は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部705に記憶される第2補正値のうち、位相検出部704により検出される無端ベルト701の現在の位相に対応する第2補正値に切り替える。
【0063】
図9は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラのフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図9を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置700による駆動ローラ102のフィードバック制御の流れの一例について説明する。
【0064】
本実施の形態では、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値が、記憶部206に記憶される第2補正値に切り替えられている場合(ステップS301:No)、位相検出部704は、無端ベルト701の現在の位相を検出するベルト位相検出処理を実行する(ステップS901)。
【0065】
次いで、切替部706は、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値を、記憶部705に記憶される第2補正値のうち、位相検出部704により検出される無端ベルト701の現在の位相に対応する第2補正値に切り替える。そして、駆動ローラ速度補償器207は、無端ベルト701の現在の位相に対応する第2補正値を、駆動ローラ目標速度に加算する(ステップS902)。その後、ベルト駆動制御部702は、図3に示すステップS303~ステップS305に示す処理を実行する。
【0066】
図10は、第3の実施の形態にかかる搬送装置による無端ベルトの位相の検出処理の一例を説明するための図である。図10において、縦軸は、位相センサ703の一例であるフォトトランジスタの出力信号の電圧を表し、横軸は、時間を表す。
【0067】
位相センサ703は、マーク101aを検出する。そして、位相センサ703の出力信号の電圧は、図10に示すように、無端ベルト701の繋ぎ目に配設されるマーク101aを検出した際に、大きく低下する。そのため、位相検出部704は、無端ベルト701に新たに位相指示部を設けなくても、位相センサ703からの出力信号の電圧に基づいて、無端ベルト701の繋ぎ目に配設されるマーク101aを検出し、その検出結果と、無端ベルト701の回転速度(ベルト表面速度演算部201により算出される回転速度)と、に基づいて、無端ベルト701の現在の位相を算出することも可能である。これにより、無端ベルト701に位相指示部を設けることなく、無端ベルト701の位相を検出することが可能となる。
【0068】
このように、第3の実施の形態にかかる搬送装置700によれば、マーク検出センサ107によってマーク101aを検出することができない場合でも、無端ベルト701の位相毎に異なる回転速度の変動に合わせた駆動ローラ目標速度に基づいて、駆動ローラ102のフィードバック制御も実行可能となる。その結果、無端ベルト701に配設されるマーク101aを検出できない場合でも、無端ベルト701の回転速度の変動を高精度に抑制され、無端ベルト701上に形成される画像に発生する色ずれを高精度に抑制することができる。
【0069】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、ベルト速度補償器による駆動ローラ目標速度の補正値の算出結果に対してフィルタ処理を実行し、当該フィルタ処理を実行した駆動ローラ目標速度の補正値を第2補正値として記憶部に保存する例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0070】
図11は、第4の実施の形態にかかる搬送装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0071】
本実施の形態にかかる搬送装置1100は、図11に示すように、無端ベルト101、ギア104、モータ105、駆動軸エンコーダ106、マーク検出センサ107、ベルト駆動制御部1101、およびモータドライバ109を備える。
【0072】
本実施の形態では、ベルト駆動制御部1101は、図11に示すように、ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、記憶部1102、駆動ローラ速度補償器207、切替部208、およびフィルタ1103を有する。
【0073】
フィルタ1103は、ベルト速度補償器205による駆動ローラ目標速度の補正値の算出結果に対してフィルタ処理を実行する。具体的には、フィルタ1103は、ベルト速度補償器205による駆動ローラ目標速度の補正値に対して、予め設定される周波数の信号のみを抽出するフィルタ処理を実行する。
【0074】
そして、フィルタ1103は、フィルタ処理を実行した駆動ローラ目標速度の補正値を第2補正値として記憶部1102に保存する。これにより、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果に含まれるノイズに起因して、ベルト速度補償器205から出力される駆動ローラ目標速度の補正値に生じるノイズを除去し、無端ベルト101の回転速度の変動の主要な成分に対応する駆動ローラ目標速度の補正値のみを第2補正値として記憶部1102に保存することができる。
【0075】
図12は、第4の実施の形態にかかる搬送装置による駆動ローラの回転速度のフィードバック制御の流れの一例を示すフローチャートである。次に、図12を用いて、本実施の形態にかかる搬送装置1100による駆動ローラ102の回転速度のフィードバック制御の流れの一例について説明する。
【0076】
本実施の形態では、駆動ローラ102のフィードバック制御に用いる駆動ローラ目標速度の補正値が、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値に切り替えられている場合(ステップS301:Yes)、ベルト表面速度演算部201は、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果に基づいて、無端ベルト101の第1回転速度を算出する(ステップS306)。また、ベルト速度補償器205は、ベルト表面速度演算部201により算出される無端ベルト101の第1回転速度に基づいて、駆動ローラ目標速度の第1補正値を算出する(ステップS307)。
【0077】
次いで、フィルタ1103が、ベルト速度補償器205により算出される第1補正値に対してフィルタ処理を実行する(ステップS1201)。そして、フィルタ1103は、フィルタ処理を実行した第1補正値を、第2補正値として記憶部1102に保存する(ステップS1202)。その後、ベルト駆動制御部1101は、図3に示すステップS303~ステップS305およびステップS309に示す処理を実行する。
【0078】
このように、第4の実施の形態にかかる搬送装置1100によれば、これにより、マーク検出センサ107によるマーク101aの検出結果に含まれるノイズに起因して、ベルト速度補償器205から出力される駆動ローラ目標速度の補正値に生じるノイズを除去し、無端ベルト101の回転速度の変動の主要な成分に対応する駆動ローラ目標速度の補正値のみを第2補正値として記憶部1102に保存することができる。
【0079】
なお、本実施の形態の搬送装置100,400,700,1100で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の搬送装置100,400,700,1100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0080】
さらに、本実施の形態の搬送装置100,400,700,1100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の搬送装置100,400,700,1100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0081】
本実施の形態の搬送装置100,400,700,1100で実行されるプログラムは、上述した各部(ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、駆動ローラ速度補償器207、切替部208,402,706、差分算出部209,210、異常検出部403、位相検出部704、フィルタ1103)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、ベルト表面速度演算部201、駆動ローラ速度演算部202、ベルト表面目標速度設定部203、駆動ローラ目標速度設定部204、ベルト速度補償器205、駆動ローラ速度補償器207、切替部208,402,706、差分算出部209,210、異常検出部403、位相検出部704、フィルタ1103が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0082】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0083】
図13は、第1~4の実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。次に、図13を用いて、第1~4の実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成の一例について説明する。
【0084】
本実施の形態にかかる画像形成装置1000は、図13に示すように、転写ローラ114、および複数の感光体111(感光体111K,111C,111M,111Y)を備える。転写ローラ114および感光体111は、搬送装置100,400,700,1100に張架された無端ベルト101の外表面と接している。画像形成装置1000は、感光体111上に形成された画像を、搬送装置100,400,700,1100に張架された無端ベルト101,701上に転写し、無端ベルト101,701の表面に転写した当該画像を搬送する。
【0085】
画像形成装置1000は、給紙部113から搬送された用紙が搬送装置100,400,700,1100に達すると、当該用紙を、搬送装置100,400,700,1100と転写ローラ114との接点で保持する。そして、画像形成装置1000は、無端ベルト101,701の表面に転写した画像が、搬送装置100,400,700,1100と転写ローラとの接点に達すると、当該画像を、無端ベルト101,701上から用紙に転写する。次いで、画像形成装置1000は、画像が転写された用紙を、定着部115で加熱し、用紙に画像を定着させる。
【符号の説明】
【0086】
100,400,700,1100 搬送装置
101,701 無端ベルト
102 駆動ローラ
103 従動ローラ
104 ギア
105 モータ
106 駆動軸エンコーダ
107 マーク検出センサ
108,401,702,1101 ベルト駆動制御部
111,111K,111C,111M,111Y 感光体
201 ベルト表面速度演算部
202 駆動ローラ速度演算部
203 ベルト表面目標速度設定部
204 駆動ローラ目標速度設定部
205 ベルト速度補償器
206,705,1102 記憶部
207 駆動ローラ速度補償器
208,402,706 切替部
209,210 差分算出部
403 異常検出部
703 位相センサ
704 位相検出部
1000 画像形成装置
1103 フィルタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【文献】特開2009-222112号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13