(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】シート剥離方法
(51)【国際特許分類】
B65H 41/00 20060101AFI20240730BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240730BHJP
B65H 29/64 20060101ALI20240730BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65H41/00 B
G03G15/00 460
B65H29/64
B29C63/02
(21)【出願番号】P 2023040734
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2019015454の分割
【原出願日】2019-01-31
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】古橋朋裕
(72)【発明者】
【氏名】岩崎昭裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木道貴
(72)【発明者】
【氏名】米山史晴
(72)【発明者】
【氏名】星野智道
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋航
(72)【発明者】
【氏名】森永拓哉
(72)【発明者】
【氏名】坂野広樹
(72)【発明者】
【氏名】國枝晶
(72)【発明者】
【氏名】原口陽介
(72)【発明者】
【氏名】日高信
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-072266(JP,A)
【文献】特開2006-160429(JP,A)
【文献】特開2011-068115(JP,A)
【文献】特開昭47-016138(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0079968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 41/00
G03G 15/00
B65H 29/64
B29C 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離するシート剥離方法において、
前記2枚重ねシート
を接合されていない側から円弧状に搬送することで、前記2枚のシートの間に周長差を生じさせて、前記2枚重ねシートを前記2枚のシートに剥離するシート剥離方法。
【請求項2】
前記2枚重ねシートの円弧状部分を挟持して搬送する請求項1に記載のシート剥離方法。
【請求項3】
前記2枚重ねシートの一部を円弧状に搬送する際に、前記2枚重ねシートの円弧状部分を挟持して搬送する請求項1に記載のシート剥離方法。
【請求項4】
2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離するシート剥離方法において、
前記2枚重ねシートを
接合されていない側から一周以上回転させて巻くことで、前記2枚のシートの間に周長差を生じさせて、前記2枚重ねシートを前記2枚のシートに剥離するシート剥離方法。
【請求項5】
前記2枚重ねシートの接合されていない側を挟持して搬送する請求項1又は4に記載のシート剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚のシートが重ねられ、一辺が接合(接続)された2枚重ねシート(ラミネートシート又はラミネートフィルム)内に、中紙類(用紙、写真など)を挿入し、熱と圧力を加えることで2枚重ねシートを接着して、内側の中紙類を挟み込むラミネート処理という技術が知られている。
【0003】
今までのラミネート処理では、ユーザが、2枚重ねシートに中紙類を手作業で挿入した後、ラミネート処理機を用いてシートを接着していた。
【0004】
しかし、2枚重ねシートの内側には接着剤層があるため滑りが悪く、ユーザにとって2枚のシートを手で剥離することは面倒であった。また、シート剥離後に挟み込む中紙類を正確な位置に挿入することも手間であった。さらに、ラミネート処理機によるラミネート処理には、約30~60秒の時間が掛かるため、その間ユーザは待機する必要があった。
【0005】
このように、(1)シート内に中紙類を挟み込み、ラミネート処理機にセットする作業と、(2)ラミネート処理機の処理中に、シート内に中紙類を挟み込む作業と、を必要枚数まで繰り返す必要があった。そのため、数十枚程度のラミネート処理であっても、ユーザは長時間ラミネート処理機から離れることができず、また、上記作業を繰り返す人手も必要であった。
【0006】
このような作業を自動化する技術として、例えば特許文献1には、専用のラミネート装置が開示されている。このラミネート装置は、前端が接続されているラミネートフィルムを分離解放手段(上部、下部バキューム)で分離し、その後、保護紙葉体を挿入する構成となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているラミネート装置は、上部、下部バキュームで構成される分離解放手段を用いるため、装置が複雑化・大型化するという問題がある。また、それに伴い、装置自体も非常に高価になると考えられる。さらに、上部、下部バキュームでは、2枚のラミネートフィルムの接着強度により必ずしも分離できないおそれもある。
【0008】
オフィスや一般家庭で用いる装置は、簡略で小型、そして安価なものが望ましい。そのため、できる限り単純な構成で、2枚重ねシートの2枚のシートを確実に剥離できる装置が求められている。
【0009】
そこで本発明は、2枚重ねシートを巻き付け搬送するという比較的単純な構成により、装置を複雑化・大型化にせず、2枚重ねシートの2枚のシートを確実に剥離できるシート剥離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離するシート剥離方法において、前記2枚重ねシートを接合されていない側から円弧状に搬送することで、前記2枚のシートの間に周長差を生じさせて、前記2枚重ねシートを前記2枚のシートに剥離するシート剥離方法によって解決される。
【0011】
また上記課題は、2枚のシートが重ねられ、その一部が接合された2枚重ねシートの前記2枚のシートを剥離するシート剥離方法において、前記2枚重ねシートを接合されていない側から一周以上回転させて巻くことで、前記2枚のシートの間に周長差を生じさせて、前記2枚重ねシートを前記2枚のシートに剥離するシート剥離方法によっても解決される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシート剥離方法は、2枚重ねシートを巻き付け搬送することにより、幾何学的な関係から内周側シートと外周側シートの間に巻き付け周長差を生じさせることで、2枚重ねシートの2枚のシートを剥離できる。また、シート剥離装置の構成は比較的単純であるので、装置を簡略化・小型化にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係るシート剥離装置の全体構成図である。
【
図2】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その1)である。
【
図3】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その2)である。
【
図4】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その3)である。
【
図5】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その4)である。
【
図6】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その5)である。
【
図7】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その6)である。
【
図8】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その7)である。
【
図9】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その8)である。
【
図10】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その9)である。
【
図11】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その10)である。
【
図12】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その11)である。
【
図13】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その12)である。
【
図14】第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その13)である。
【
図15】シート剥離装置が備える剥離爪の模式図である。
【
図16】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その1)である。
【
図17】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その2)である。
【
図18】剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図(その3)である。
【
図19】
図4と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
【
図20】第1実施形態の変形例に係るシート剥離装置の主要部分と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
【
図21】第1実施形態の変形例(その2)に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
【
図22】シート給紙から中紙挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。
【
図23】第2実施形態に係るシート剥離装置の主要部分と、その部分拡大図を含む構成図である。
【
図24】(a)は巻付けローラと別部品で構成された、くさび部を示す模式図であり、(b)は弾性部材とした、くさび部を示す模式図である。
【
図25】第2実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その2)である。
【
図26】本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。
【
図27】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【
図28】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態のシート剥離装置は、2枚重ねシート(以下、シートSという)を互いに剥離し、その剥離したシートS内に中紙Pを挿入して挟持させるものである。
【0015】
ここで、シートSとは、2枚のシートが重ねられ、その一部(又は一辺)が接合された2枚重ねシートである。
【0016】
2枚重ねシートとしては、例えば、片側を透明ポリエステルシートなどの透過性シートとし、反対側を透明又は不透明シートとして、それらの一辺で接合したものがある。
【0017】
中紙Pは、それら2枚重ねシートに挿入されるシート状媒体の一例である。シート状媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。
【0018】
また、本文中において、「シートSを互いに剥離する」とは、2枚重ねシートSの2枚のシートを剥離(分離)することを意味する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るシート剥離装置の全体構成図である。
図1に示すように、シート剥離装置100は、シートSを積載する第1積載手段であるシートトレイ102と、シートトレイ102からシートSを給送するピックアップローラ105と、搬送ローラ対107とを備える。またシート剥離装置100は、中紙Pを積載する第2積載手段である給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを備える。
【0020】
搬送ローラ対107の搬送方向下流には、シートSの搬送位置を検出する搬送センサC1が設けられ、ピックアップローラ106の搬送方向下流には、中紙Pの搬送位置を検出する搬送センサC2が設けられている。
【0021】
さらにシート剥離装置100は、搬送ローラ対107及びピックアップローラ106の下流に、入口ローラ対108と、回転部材としての巻付けローラ109と、後述する第一部材としての従動ローラ110とからなるローラ対と、出口ローラ対113と、排紙トレイ104などを備える。入口ローラ対108の搬送方向下流には、シートS及び中紙Pの搬送位置を検出する搬送センサC3が設けられ、出口ローラ対113の搬送方向下流には、シートSの搬送位置を検出する搬送センサC4が設けられている。
【0022】
なお、ピックアップローラ105、搬送ローラ対107、入口ローラ対108、巻付けローラ109と従動ローラ110からなるローラ対は、第1給送手段の一例であり、ピックアップローラ106、入口ローラ対108、巻付けローラ109、従動ローラ110とからなるローラ対は第2給送手段の一例である。
【0023】
本実施形態のシート剥離装置100は、
図1に示すように、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対の間に送り、出口ローラ対113に送る。後述するように出口ローラ対113と、巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対との間に位置されたシートSの剥離された2枚のシートの開口内に中紙Pを挿入する。そして、中紙Pが挿入されたシートSを、出口ローラ対113により、排紙トレイ104に排出・積載する。以下より、その具体的な構成と、動作について詳細に説明する。
【0024】
図2は、第1実施形態に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図(その1)である。
図2に示すように、シート剥離装置100は、第1搬送手段である出口ローラ対113を備え、出口ローラ対113により、搬送されたシートSを巻付けローラ109と従動ローラ110とからなるローラ対の間にシートSを搬送する。
【0025】
入口ローラ対108及び出口ローラ対113は、それぞれ、例えば対となった2つのローラであり、駆動手段(モータなど)により、入口ローラ対108は一方向に回転駆動し、出口ローラ対113は正逆方向に回転駆動され、シートS及び中紙Pを挟持して搬送する。
【0026】
入口ローラ対108は、シートS及び中紙Pを出口ローラ対113に向けて搬送する。この搬送方向を正搬送方向(矢印A方向)と呼ぶ。
【0027】
一方、出口ローラ対113は、その回転を正逆の両方向に切り替え可能である。挟持されたシートSを正搬送方向である排紙トレイ104(
図1参照)に向けて搬送できるとともに、その逆方向(引き戻す方向)となる巻付けローラ109に向けてシートSを搬送することもできる。この巻付けローラ109に向けて搬送する方向(正搬送方向に対し、逆方向)を、逆搬送方向(矢印B方向)と呼ぶ。
【0028】
また、シート剥離装置100は、これら入口ローラ対108と出口ローラ対113との間に、回転部材である巻付けローラ109と、その巻付けローラ109に従動して回転する第一部材である従動ローラ110とを備える。
【0029】
巻付けローラ109は、駆動手段(モータなど)により正逆方向に回転駆動され、その回転を両方向(時計回り/反時計回り)に切り替え可能である。従動ローラ110は、巻付けローラ109に当接し、ニップ部を形成し、巻付けローラ109と従動ローラ110とによってシートS及び中紙Pを挟持して搬送する。
【0030】
さらにシート剥離装置100は、巻付けローラ109の回転軸と直交する方向の外周である円周周り(外周面)に、回転方向に互いに所定の間隔を持って配置された第二部材としてのローラ部材であるグリップローラ111、112と、シートSの搬送方向を切り替えるための分岐爪T1、T2とを備える。
【0031】
これら複数のグリップローラ111、112は、巻付けローラ109に当接し、従動して回転する。グリップローラ111、112は、シートSを巻付けローラ109とで挟持(グリップ)し、巻付けローラ109に巻き付けるために用いられる。
【0032】
分岐爪T1は、入口ローラ対108と巻付けローラ109の間に配置され、分岐爪T2は、巻付けローラ109と出口ローラ対113の間に配置されている。これら分岐爪T1、T2は、駆動手段(モータなど)によりその位置(向き)を変動でき、シートSの搬送方向を変更できる。
【0033】
なお、グリップローラ111、112、及び分岐爪T1、T2は、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける巻き付け手段としての巻き付け部材の一例である。
【0034】
続いて、
図1~
図14を用いて、シート剥離装置100の一連の動作、すなわちシートSの剥離から中紙Pの挿入までの動作を説明する。なお、
図3~
図14において、
図1、2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0035】
まず、
図1に示すように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートトレイ102上にシートSの2枚のシートが接合された一部がそのシートSにおけるピックアップローラ105の給送方向(搬送方向)の下流流側に位置するように積載され、シートトレイ102上のシートSをピックアップローラ105にてピックし、搬送ローラ対107により入口ローラ対108に向けて搬送する。
【0036】
次いで、
図2に示すように、入口ローラ対108より、シートSを巻付けローラ109と従動ローラ110で形成されるニップ部に向けて搬送する。このとき分岐爪T1、T2は、シートSの搬送経路上方、下方にそれぞれ移動されており、分岐爪T1はシートSを入口ローラ対108から巻付けローラ109と従動ローラ110の間に案内し、分岐爪T2はシートSを巻付けローラ109と従動ローラ110の間から出口ローラ対113に案内する。
【0037】
ここで、本実施形態では、シート剥離装置100は、シートSの4辺中の一辺である端部が接合された側を正搬送方向(矢印A方向)の下流として搬送する。しかし、これに限定させるものではなく、シートトレイ102上にシートSの2枚のシートが接合された一部がそのシートSにおけるピックアップローラ105の給送方向(搬送方向)の上流側に位置するように積載され、シートトレイ102上から給送されたシートSが出口ローラ対113の巻付けローラ109への搬送方向側と反対方向側から出口ローラ対113に搬送されるようにしてもよい。
【0038】
続いて
図3に示すように、シート剥離装置100は、正搬送方向におけるシートSの後端部が、分岐爪T1を過ぎた後、例えば、巻付けローラ109と従動ローラ110のニップ部に挟持された時点で、シートSの搬送を一時停止する。それとともに、分岐爪T1を回転軸を支点にして反時計回りに移動(回動)させ、シートSの後端部を巻付けローラ109の周りに案内する経路を生成する。なお、これら動作は、搬送センサC3(
図1参照)の検出位置をトリガとして実施できる。
【0039】
次に、
図4に示すように、出口ローラ対113と巻付けローラ109は回転方向を反転し、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。そして、分岐爪T1によってシートSを巻付けローラ109の周りに案内する。すなわち、シート剥離装置100は、シートSの接合されていない側から、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける。なお。このときの巻付けローラ109の回転方向を第一の回転方向と呼ぶ。
【0040】
図5~
図7に、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける過程を示す。グリップローラ111、112は、送られてきたシートSを巻付けローラ109との間に挟持し、シートSを巻付けローラ109の円周周りに巻き付けていく(
図5参照)。
【0041】
シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けると、シートSの先端(シートSの接合されていない側)は、巻付けローラ109に対し固定される。さらにシートSを巻付けローラ109に巻き付けると、シートSの2枚のシートである内周側にあるシートと外周側にあるシートに周長差(巻き付け量の差)が生じ、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間で、シートSが剥離し始める(シートSに隙間が形成され始める)(
図6参照)。
【0042】
そして
図7に示すように、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間に、内周側シートの弛みが集まることで、内周側シートと外周側シートの間に隙間(空間)gを生じさせることができる。
【0043】
このように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートSを巻付けローラ109に巻き付け、幾何学的な関係から内周側シートと外周側シートの間に巻き付け周長差を生じさせることで、シートSを確実に剥離できる。
【0044】
続いて、本実施形態のシート剥離装置100において、シートSの接合された一部である一辺(一端)とその一辺(一端)と対向する開口端となる他辺(他端)と間の部分全体を剥離して中紙Pをその中に挿入するための追加の構成と、その動作について説明する。
【0045】
図8に示すように、本実施形態のシート剥離装置100は、シートSの剥離されたシートのうちの1つのシートを案内する経路部材115と、シートSの幅方向の両側に設けられ、シートSの幅方向に移動可能な剥離爪116とをさらに備える。シート剥離装置100は、シートSに生じた空間gに対し、両側から剥離爪116を挿入できる。
【0046】
図9に示すように、シート剥離装置100は、剥離爪116を挿入した状態で、シートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送する方向に出口ローラ対113を回転させる。そして、
図10に示すように、剥離爪116がシートSの搬送方向後端部に達することで、シートSの後端(開口)を剥離できる。
【0047】
ここで、剥離爪116について補足説明する。
【0048】
図15はシート剥離装置が備える剥離爪の模式図であり、
図16~
図18は剥離爪でシートSを互いに剥離する様子を示す斜視図である。
【0049】
これら図に示すように、剥離爪116は、挿入方向(矢印C)の先端から後端に向かって徐々に隆起する形状であり、シートSに生じた空間gにスムーズに挿入できる。
【0050】
また、剥離爪116を空間gに挿入した後(
図16、17参照)、シートSを正搬送方向(矢印A)に搬送することで、シートSの後端部まで確実に剥離することができる(
図18参照)。
【0051】
なお、単一の剥離爪116を備える構成とし、シートSの片側にのみ挿入するとしてもよい。また、剥離爪116の形状は、図に示したものに限定されない。例えば、長楕円形状として構成してもよいし、さらに90°回転可能な構成としてもよい。
【0052】
図10に戻り、説明を続ける。シート剥離装置100は、出口ローラ対113が、シートSを正搬送方向(矢印A)に搬送してシートSを剥離した後、回転軸を支点として分岐爪T2を時計方向に移動(回動)され、回転させ、今までのシートSの搬送経路を閉じる。
【0053】
次いで、
図11に示すように、出口ローラ対113は回転を反転し、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。これにより、シートSの剥離された2枚のシート(以下、上側シートS1、下側シートS2とする)は、それぞれ別の方向に案内される。すなわち、上側シートS1は経路部材115に沿って搬送され、下側シートS2は経路部材でもある分岐爪T2に沿って搬送される。そして、図に示すように、シートSは接合された一辺を端として、大きく開口することになる。
【0054】
続いて、
図12に示すように、出口ローラ対113は、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に指定位置まで搬送して待機する一方、第2搬送手段である入口ローラ対108は、給紙トレイ103(
図1参照)から、中紙Pを出口ローラ対113に向けて正搬送方向(矢印A方向)搬送する。このとき、分岐爪T1は、搬送経路上方に移動されており、中紙Pがその下を通過する。
【0055】
次いで、
図13に示すように、開口したシートS内に中紙Pを挿入する。なお、これら動作は、搬送センサC4(
図1参照)の検出位置をトリガとして実施できる。
【0056】
そして、
図14に示すように、出口ローラ対113は、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送することで、シートSの2枚のシートを再度重ね、開口が閉じられる。そしてシート剥離装置100は、中紙Pが挟み込まれたシートSを、出口ローラ対113、又はそれ以降に配置されたローラなど(不図示)により、排紙トレイ104に排出・積載する(
図1参照)。
【0057】
以上、説明したように本実施形態のシート剥離装置100は、シートSを大きく開口し、その中に中紙Pを挿入・挟持させることができる。したがって、例えば、バキューム装置を用いる特許文献1のラミネート装置に比べ、単純な構成であり、装置全体を簡略化、小型化できる。
【0058】
また、本実施形態のシート剥離装置100は、
図1で示したように、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、それぞれ別々に搬送できる。このため、シートSと中紙Pを予め決められた順番に積載する必要がなく、利便性を向上できる。なお、本実施形態では、トレイ102にシートSを積載し、トレイ103に中紙Pを積載するようにしたが、これに限定されない。トレイ102に中紙Pを積載し、トレイ103にシートSを積載してもよい。
【0059】
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
【0060】
(変形例その1)
先の
図6において、シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けることで、シートSの先端を巻付けローラ109に固定できることを説明した。これに対し、本変形例では、1周未満の巻き付けで、シートSを互いに剥離できるシート剥離装置について説明する。
【0061】
図19は、先に示した
図4と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
図20は、第1実施形態の変形例に係るシート剥離装置の主要部分と、その巻付けローラ上にあるシートSの部分拡大図を含む構成図である。
【0062】
図19の部分拡大図に示すように、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける際、シートSは巻き付け周長差により、搬送量に差が生じる。
【0063】
これに対し、本変形例のシート剥離装置100aは、
図20に示すように、従動ローラ110による挟持力をF1、グリップローラ111による挟持力をF2、グリップローラ112による挟持力をF3として、F1<F2<F3としている。すなわち、従動ローラ110による挟持力よりもグリップローラ111、112による挟持力を大きくし、グリップローラ111、112が従動ローラ110に当接するグリップ部において、シートSの内側シートと外側シートのずれを規制している。
【0064】
そのため、従動ローラ110と巻付けローラ109のニップ部で周長差分のスリップが生じ、シートSの内側シートの搬送量が、外側シートの搬送量に対して少なくなる。その結果、シートSを巻付けローラ109に1周以上巻き付けなくても、出口ローラ対113と巻付けローラ109の間に内周側シートの弛みが集まり、内周側シートと外周側シートの間に隙間(空間)gを生じさせることができる。
【0065】
このように、従動ローラ110、及びグリップローラ111、112による挟持力を、巻付けローラ109の(巻き付け時の)回転方向の順に大きくすることで、シートSを1周未満の巻き付けで、互いに剥離することができる。これにより、シートSの巻き付け量を減らし、剥離時間を短縮できる。
【0066】
また、従動ローラ110、及びグリップローラ111、112による挟持力は、例えば、それぞれの巻付けローラ109への当接力を調整するといった方法で、変更できることが望ましい。このシート剥離装置100aは、シート巻き付け量を調整することで、様々なサイズのシートを剥離でき、有利である。
【0067】
(変形例その2)
図21は、第1実施形態の変形例(その2)に係るシート剥離装置の主要部分を示す構成図である。
図21に示すように、本変形例のシート剥離装置100bは、グリップローラ111、112に代えて、巻付けローラ109の円周周りに2枚重ねシートSを案内するガイド部材119を備えることを特徴とする。
【0068】
ガイド部材119で巻付けローラ109にシートSを巻き付けることで、シートSを剥離することができる。なお、ガイド部材119とグリップローラ111、112の両方を備えるという構成にしてもよい。
【0069】
(変形例その3)
シート剥離装置100(変形例も含む)は、シートSの接合された側(一辺)を搬送方向の上流又は下流に配置して搬送可能であり、先の実施形態では、シートSの接合された側を正搬送方向(矢印A方向)の上流(先頭)として搬送することを説明した。
【0070】
これに代えて、シートSの接合されていない側を正搬送方向(矢印A方向)の上流(先頭)として搬送してもよい。この場合、シートSを巻付けローラ109に巻き付けると、巻き付け方向の後端、すなわち、シートSの接合されてない側(一辺)は互いに剥離し、周長差分ずれを生じる。この生じた「ずれ」を、例えば、電動グリッパなどでつまむことで、シートSを互いに剥離してもよい。
【0071】
図22は、シート給紙から中紙挟みこみ完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。フローチャートに対応する図面の番号を示しながら説明する。
【0072】
まず、ステップS11において、シート剥離装置100は、シートSの給紙を開始する(
図1参照)。次いで、ステップS12において、搬送センサC4にシートSの先端が到着したか判定する(
図2参照)。ステップS13にて、シート剥離装置100は、シートSが搬送センサC4から指定量搬送したことを判定すると、ステップS14にて、分岐爪T1をシートSが巻き付け経路に案内される位置に移動する(
図3参照)。
【0073】
続いて、ステップS15において、シート剥離装置100は、巻付けローラ109を逆回転し、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける(
図4~7参照)。ステップS16において、シート剥離装置100は、搬送センサC4にシートSの先端が到達したことを判定すると、ステップS17において、シートSを搬送センサC4から指定量搬送した後、搬送を停止し、分岐爪T1を元の位置に移動させて戻す。そして、ステップS18において、シートSの剥離で生じた空間gに剥離爪116を挿入する(
図8参照)。
【0074】
次いで、ステップS19において、シート剥離装置100は、出口ローラ対113と巻付けローラ109を正回転し、シートSを正搬送方向に搬送する。これにより、シートSは搬送方向後端まで互いに剥離されることになる(
図9、10参照)。
【0075】
続いて、ステップS20において、シート剥離装置100は、シートSが搬送センサC4から指定量搬送されたことを判定すると、ステップS21において、分岐爪T2を剥離位置に移動し、出口ローラ対113を逆回転する。次いで、ステップS22において、シートSの先端が搬送センサC4を通過したか判定する(
図11参照)。
【0076】
そして、ステップS23においてシート剥離装置100は、シートSを搬送センサC4から指定量搬送した後、シートSの搬送を停止し、分岐爪T2を元の位置に移動させて戻す。このとき、シートSを接合された一辺を端として、開口することになる(
図11参照)。
【0077】
続いて、ステップS24において、シート剥離装置100は、中紙Pの給紙を開始する(
図12参照)。ステップS25において、搬送センサC3により、中紙Pの先端が通過したことを判定した後、ステップS26において、中紙Pを指定量搬送することで、シートS内に挿入する(
図13参照)。そして、出口ローラ対113を正回転して、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向に搬送することで、挟み込みが完了する(
図14参照)。ステップ27において、挟み込みが完了し、シートSが出口ローラ対113から排出された後に、全てのローラの回転を停止する。
【0078】
(第2実施形態)
図23は、第2実施形態に係るシート剥離装置の主要部分と、その部分拡大図を含む構成図である。
図23において、
図2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0079】
本実施形態のシート剥離装置100cは、従動ローラ110、グリップローラ111、112をなくす一方、部分拡大図に示すように、くさび部117が設けられた巻付けローラ109aを備える。このくさび部117は、2枚重ねシートSを保持する保持手段の一例であり、巻付けローラ109aの外周に一体で成形されている。
【0080】
本実施形態のシート剥離装置100cは、出口ローラ113で巻付けローラ109aにシートSを搬送し、その先端をくさび部117に差し込むことで、シートSの先端を保持することを特徴とする。
【0081】
このくさび部117は、巻付けローラ109aにシートS(の端部)を固定できればよく、
図24(a)に示すように、巻付けローラ109aと別部品で構成してもよい。また、
図24(b)に示すように、クリップのような弾性力を有する部材でシートSを把持(保持)してもよい。これらは、シート剥離装置の構成に合わせて選択可能である。
【0082】
本実施形態のシート剥離装置100cにおいて、巻付けローラ109aにシートSを搬送するまでの動作、及び巻付けローラ109aにシートSを保持してからの動作は、先に説明した第1実施形態と同じである。
図25に示すように、巻付けローラ109aにシートSを巻き付けることで、シートSのそれぞれのシート間に巻き付け周長差を生じさせ、剥離できる。
【0083】
このように、本実施形態のシート剥離装置100cは、従動ローラ110及びグリップローラ111、112を用いないため、それらの搬送力の調整が不要である。また、第1実施形態に比べ、より単純な構成であり、装置全体をより簡略化、小型化できる。
【0084】
続いて、本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムについて説明する。
【0085】
図26は、本発明に係るシート剥離装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。
図26に示すように、ラミネート処理装置200は、先に説明したシート剥離装置100と、シートSを加熱及び加圧可能な熱加圧部材である熱加圧ローラ120と、熱加圧ローラ120の下流に設けられた排出ローラ121とを備える。
【0086】
このラミネート処理装置200は、シートSの給紙、剥離、中紙Pの挿入、及び熱加圧によるラミネート処理までの一連の動作を1台で実施できる構成である。この一連の動作を、人手を要さずに自動で実施でき、従来技術よりも利便性を向上できる。
【0087】
図27は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。この画像形成装置300は、ラミネート処理装置部として、内部にラミネート処理装置200aを備える。
【0088】
ここで、ラミネート処理装置200aは、シートS又は中紙Pを積載するシートトレイ102を備えるとともに、シートS及び/又は中紙Pを画像形成装置300から給紙可能な構成である。したがって、画像形成装置300(例えば、プリンタ、コピー機など)により、シートS又は中紙Pに画像をインラインで挿入できる。
【0089】
画像形成装置本体300の構成を具体的に説明する。
図27に示すように、画像形成装置本体300内には、中間転写装置150が設けられている。中間転写装置150は、複数のローラに掛けまわしてエンドレスの中間転写ベルト152をほぼ水平に張り渡し、反時計まわりに走行する。
【0090】
中間転写装置150の下には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像装置154c、154m、154y、154kが、中間転写ベルト152の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設けられている。各作像装置154は、図中時計まわりに回転するドラム状の像担持体のまわりに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成される。各作像装置154の下には、露光装置156が設けられている。
【0091】
露光装置156の下には、給紙装置158が設けられている。給紙装置158は、シートSを収納する第1給紙カセット160と、中紙Pを収納する第2給紙カセット162とを備える。なお、第1給紙カセット160は、2枚重ねシートを積載する第3積載手段の一例であり、第2給紙カセット162は、シート状媒体を積載する第4積載手段の一例である。
【0092】
第1給紙カセット160の右上には、第1給紙カセット160内のシートSを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第1給紙コロ166が設けられている。また、第2給紙カセット162の右上には、給紙カセット内の中紙Pを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第2給紙コロ168が設けられている。
【0093】
用紙搬送路164は、画像形成装置本体300内の右側に下方から上方に向けて形成され、画像形成装置本体300内のラミネート処理装置200aへと通ずる。用紙搬送路164には、搬送ローラ170、中間転写ベルト152と対向して二次転写装置174、定着装置176、一対の排紙ローラよりなる排紙装置178などが順に設けられている。
【0094】
なお、第1給紙コロ166、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第1給紙カセット160(第3積載手段)から2枚重ねシートを給送する第3給送手段の一例である。また、第2給紙コロ168、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第2給紙カセット162(第4積載手段)からシート状媒体を給送する第4給送手段の一例である。さらに、中間転写装置150、及び定着装置176などは、2枚重ねシート又はシート状媒体に画像を形成する画像形成部の一例である。
【0095】
続いて、本実施形態の画像形成装置300において、シートSに画像形成をした後、ラミネート処理を行う動作について説明する。
【0096】
シートSに画像を形成する際、はじめに、画像読取装置188で原稿画像を読み取り、露光装置156で書き込みを行う。次いで、各作像装置154c、154m、154y、154kのそれぞれの像担持体上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を一次転写装置180c、180m、180y、180kで順次転写して中間転写ベルト152上にカラー画像を形成する。
【0097】
一方、画像形成装置300は、第1給紙コロ166を回転してシートSを繰り出して用紙搬送路164に入れる。そして、用紙搬送路164を通して搬送ローラ170で搬送してタイミングを取って二次転写位置へと送り込み、上記したように中間転写ベルト152上に形成したカラー画像が二次転写装置174でシートSに転写される。
【0098】
画像転写後のシートSは、定着装置176で画像定着後、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送られる。
【0099】
また、画像形成装置300は、第2給紙コロ168を回転して中紙Pを繰り出して用紙搬送路164に入れ、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送る。
【0100】
このようにして、画像形成されたシートSと、中紙Pをラミネート処理装置200aに送ることで、ラミネート処理が行われる。ラミネート処理の詳細は、上記したので省略する。
【0101】
本実施形態の画像形成装置300は、上記した構成であるので、中紙Pに画像形成をした後に、ラミネート処理装置200aにより、ラミネート処理を行うこともできる。また、中紙PとシートSに画像形成した後に、ラミネート処理を行うこともできる。
【0102】
図28は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。この画像形成装置400は、画像形成装置本体側に本体排出ローラ122と、本体排紙トレイ123とを備える点で、
図27の画像形成装置300と異なる。
【0103】
画像形成装置400は、ラミネート処理を実施しない場合、本体排出ローラ122を用いて画像形成した記録媒体を本体排紙トレイ123に排出できる。したがって、画像形成装置400は、ラミネート処理をしない場合、画像形成の出力速度を下げない。
【0104】
なお、画像形成装置400は、ラミネート処理装置200aを内部に脱着可能に備える構成としてもよい。すなわち、ラミネート処理が不要な際は、ラミネート処理装置200aを画像形成装置400から外してもよい。
【0105】
また、その外したラミネート処理装置200aに、中紙Pを積載する給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを装着し、
図26に示すものと同様なラミネート処理機単体として利用できるとしてもよい。
【0106】
図27に示した画像形成装置300、及び
図28に示した画像形成装置400は、ラミネート処理機に代えて、シート剥離装置を備える構成としてもよい。また、
図28に示した画像形成装置400では、シート剥離装置を着脱可能な構成としてもよい。
【0107】
また、画像形成システムとして、画像形成装置と、前記画像形成装置に着脱可能に接続されたシート剥離装置100、100a、100b、又はラミネート処理装置200を備えるシステムを構成してもよい。さらにまた、給紙装置(スタッカ)、及び/又はくるみ製本装置などを備えるシステムを構成してもよい。なお、シートSを定着装置176の間を通す場合、そのシートSは、定着温度では接着されず、それよりも高温の熱を与えることにより接着されるものである。
【0108】
さらに、画像形成装置300、400は、シートSと中紙に画像を形成する方式として、電子写真方式を用いているがこれに限定されるものでなく、インクジェット方式や孔版印刷方式などの公知の画像形成方式を用いてもよい。
【0109】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明した。この実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して使用できる。例えば、実施形態と変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0110】
100、100a、100b、100c シート剥離装置
102 シートトレイ
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105、106 ピックアップローラ
107 搬送ローラ対
108 入口ローラ対
109、109a 巻付けローラ
110 従動ローラ
111、112 グリップローラ
113 出口ローラ対
115 経路部材
116 剥離爪
117 くさび部
119 ガイド部材
120 熱加圧ローラ
121 排出ローラ
122 本体排出ローラ
123 本体排紙トレイ
150 中間転写装置
152 中間転写ベルト
154c、154k、154m、154y 作像装置
156 露光装置
158 給紙装置
160 第1給紙カセット
162 第2給紙カセット
164 用紙搬送路
166 第1給紙コロ
168 第2給紙コロ
170 搬送ローラ
174 二次転写装置
176 定着装置
178 排紙装置
180c、180k、180m、180y 一次転写装置
188 画像読取装置
200、200a ラミネート処理装置
300、400 画像形成装置
C1、C2、C3、C4 搬送センサ
P 中紙
S シート(2枚重ねシート)
S1 上側シート
S2 下側シート
T1、T2 分岐爪
g 空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】