(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】基板処理装置、及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H01L21/304 651G
H01L21/304 647A
H01L21/304 642B
H01L21/304 642F
H01L21/304 651L
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2020100983
(22)【出願日】2020-06-10
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】広城 幸吉
(72)【発明者】
【氏名】野中 純
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 和也
(72)【発明者】
【氏名】中森 光則
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-072446(JP,A)
【文献】特開2009-239234(JP,A)
【文献】特開平11-067713(JP,A)
【文献】特開2018-206851(JP,A)
【文献】特表2018-515910(JP,A)
【文献】特開2018-056155(JP,A)
【文献】特開2014-103149(JP,A)
【文献】特開2019-140401(JP,A)
【文献】特開2019-046893(JP,A)
【文献】特開2017-174859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液の付着した基板を、処理容器の内部に搬入することと、
前記搬入した前記基板に対して第1有機溶剤を供給し、前記基板に付着した前記処理液を除去することと、
前記処理液を除去した前記基板に対して前記第1有機溶剤とは異なる第3有機溶剤を供給し、前記基板に付着した前記第1有機溶剤を除去することと、
前記
第1有機溶剤を除去した前記基板に対して撥水剤を供給し、前記基板を撥水化することと、
前記撥水化した前記基板に対して前記第3有機溶剤を供給し、未反応の前記撥水剤を前記基板から除去することと、
前記
撥水剤を除去した前記基板に対して第2有機溶剤を供給することと、
前記基板に付着した前記第2有機溶剤を揮発させ、前記基板を乾燥することと、
をこの順番で有し、
前記第1有機溶剤と前記第2有機溶剤はOH基を有し、前記第3有機溶剤はOH基を有しない、基板処理方法。
【請求項2】
前記撥水剤を前記基板に対して供給する際に、前記撥水剤と前記第3有機溶剤との混合液を前記基板に対して供給する、請求項
1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第2有機溶剤を前記基板に対して供給することは、前記基板に付着した前記第3有機溶剤を前記第2有機溶剤に置換することを含み、
前記第2有機溶剤は、前記第3有機溶剤よりも低い沸点を有する、請求項
1又は2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第1有機溶剤と前記第2有機溶剤はIPAであり、
前記第3有機溶剤はPGMEAである、請求項
1~
3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1有機溶剤と前記第2有機溶剤と前記撥水剤は、前記基板に対して霧状又はシャワー状に吹き付けられる、請求項1~
4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記撥水剤は、Si-N結合を有する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記処理液は、水を含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記処理液の付着した前記基板が搬入される前記処理容器と、
前記処理容器の内部にて前記基板を保持する保持部と、
前記処理容器の内部にて前記基板に対して液体を供給する液供給部と、
前記処理容器の内部にガスを供給するガス供給部と、
前記液供給部と前記ガス供給部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記液供給部と前記ガス供給部を制御し、請求項1~
7のいずれか1項に記載の基板処理方法を実施する、基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記基板を前記処理容器の内部に搬入した後、前記第1有機溶剤を前記基板に対して供給する前に、不活性ガスを前記処理容器の内部に供給する、請求項
8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記処理容器の内部から外部に流体を排出させる排出機構を備え、
前記制御部は、前記第1有機溶剤と前記撥水剤と前記第2有機溶剤を前記基板に対して供給する間、前記排出機構を作動させる、請求項
8または
9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記液供給部は、前記液体を霧状又はシャワー状に噴射するノズルを1つ以上含み、
前記第1有機溶剤と前記第2有機溶剤と前記撥水剤は、前記基板に対して霧状又はシャワー状に吹き付けられる、請求項
8~
10のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記処理容器は、前記基板に対する前記液体の供給が行われる液処理室を内部に形成する液処理槽と、前記基板の乾燥が行われる乾燥室を内部に形成する乾燥槽とを含み、
前記基板の乾燥が行われる際に、前記乾燥室と前記液処理室とを遮断するシャッターを更に備える、請求項
8~
11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記保持部は、前記基板を複数同時に保持する、請求項
8~
12のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の基板処理装置は、複数枚の基板を処理液で一括して液処理する液処理槽と、液処理槽の上方にて液処理後の基板を乾燥処理する乾燥処理槽と、液処理槽と乾燥処理槽との間で基板を搬送する基板搬送装置とを備える。複数枚の基板は、前後に間隔をあけて垂直状に並べられ、液処理槽に貯留した洗浄液やリンス液などの処理液に浸漬され、その後、乾燥処理槽に搬送され、乾燥処理槽でIPA(イソプロピルアルコール)蒸気等の乾燥流体を用いて乾燥される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、基板を撥水剤で撥水化し基板の凹凸パターンの倒壊を抑制し、また、撥水剤の供給によるパーティクルの発生を抑制する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る基板処理方法は、処理液の付着した基板を、処理容器の内部に搬入することと、前記搬入した前記基板に対して第1有機溶剤を供給し、前記基板に付着した前記処理液を除去することと、前記処理液を除去した前記基板に対して前記第1有機溶剤とは異なる第3有機溶剤を供給し、前記基板に付着した前記第1有機溶剤を除去することと、前記第1有機溶剤を除去した前記基板に対して撥水剤を供給し、前記基板を撥水化することと、前記撥水化した前記基板に対して前記第3有機溶剤を供給し、未反応の前記撥水剤を前記基板から除去することと、前記撥水剤を除去した前記基板に対して第2有機溶剤を供給することと、前記基板に付着した前記第2有機溶剤を揮発させ、前記基板を乾燥することと、をこの順番で有する。前記第1有機溶剤と前記第2有機溶剤はOH基を有し、前記第3有機溶剤はOH基を有しない。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、基板を撥水剤で撥水化し基板の凹凸パターンの倒壊を抑制でき、また、撥水剤によるパーティクルの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る基板処理装置を示す図である。
【
図2】
図2は、撥水剤であるTMSDMAと、基板表面のシラノール基との反応の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、撥水剤であるTMSDMAと、水との反応の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、撥水剤であるTMSDMAと、メタノールとの反応の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、変形例に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、変形例に係る基板処理装置の液処理時の状態を示す図である。
【
図8】
図8は、変形例に係る基板処理装置の乾燥時の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0009】
先ず、
図1を参照して、一実施形態に係る基板処理装置10について説明する。基板Wは、例えばシリコンウェハ若しくは化合物半導体ウェハ等の半導体基板、又はガラス基板を含む。半導体基板、又はガラス基板の表面には、導電膜又は絶縁膜などが形成される。複数の膜が形成されてもよい。基板Wは、その表面に、電子回路等のデバイスを含み、不図示の凹凸パターンを含む。
【0010】
基板Wの表面には、予め複数の処理液が供給される。例えば薬液とリンス液とが供給される。薬液は、例えば酸性、アルカリ性又は中性の水溶液である。リンス液は例えば純水である。従来、基板Wの乾燥時に、表面に残る水の表面張力によって、表面の凹凸パターンが倒壊してしまうことがあった。
【0011】
そこで、凹凸パターンの倒壊を抑制すべく、基板Wの表面を撥水化する技術が検討されている。撥水剤として、アルコキシド系シランカップリング剤を用いる場合、アニール処理が行われ、撥水効果が得られる前に、基板Wが乾燥してしまう。
【0012】
本実施形態では、基板Wを乾燥しなくても効果の得られる撥水剤が用いられ、例えばSi-N結合を有するものが用いられる。Si-N結合を有する撥水剤として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0013】
【化1】
上記一般式(1)において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5は、それぞれ、アルキル基又はアルキル基の水素の少なくとも一部をフッ素に置換した基などの官能基である。
【0014】
上記一般式(1)の具体例として、
・(トリメチルシリル)ジメチルアミン(N,N-Dimethyltrimethylsilylamine:TMSDMA)
・ノナフルオロヘキシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン(NFHDMA)
・ジメチルアミノトリエチルシラン((N,N-Dimethylamino)triethylsilane)
・ブチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン(Butyldimethyl(dimethylamino)silane)
・オクチルジメチル(ジメチルアミノ)シラン(n-Octyldimethyl(dimethylamino)silane)
などが挙げられる。
【0015】
なお、Si-N結合を有する撥水剤として、上記一般式(1)で表されるもの以外のものが用いられてもよい。例えば、ヘキサメチルジシラザン(1,1,1,3,3,3-Hexamethyldisilazane:HMDS)が用いられてもよい。
【0016】
図2に示すように、TMSDMAは、基板Wの表面のシラノール基(Si-OH基)と反応し、基板Wの表面を撥水化させる。
図2に示す反応は液中でも生じるので、基板Wが乾燥する前に、撥水効果が得られる。なお、TMSDMA以外のSi-N結合を有する撥水剤でも、
図1に示す反応と同様の反応が生じる。
【0017】
図3に示すように、TMSDMAは、水とも反応し、有機シラノールを生じさせる。有機シラノールは、重合反応によって、パーティクルを生じさせてしまう。なお、TMSDMA以外のSi-N結合を有する撥水剤でも、
図3に示す反応と同様の反応が生じる。
【0018】
詳しくは後述するが、本実施形態では、水の付着した基板Wを処理容器20の内部に搬入した後であって、基板Wに対して撥水剤を供給する前に、基板Wに対して第1有機溶剤を供給し、基板Wに付着した水を除去する。従って、水と撥水剤の反応によるパーティクルの発生を抑制できる。
【0019】
図1に示すように、基板処理装置10は、処理容器20と、保持部30と、液供給部40と、ガス供給部50と、制御部90とを備える。処理容器20は、水等の処理液の付着した基板Wが搬入されるものである。保持部30は、処理容器20の内部にて基板Wを保持する。液供給部40は、処理容器20の内部にて基板Wに対して液体を供給する。ガス供給部50は、処理容器20の内部にガスを供給する。制御部90は、液供給部40とガス供給部50を制御する。
【0020】
処理容器20は、例えば、筒状の側壁21と、側壁21の下端を塞ぐ底壁22とを有する。筒状の側壁21は、上方に開放されており、その上端に基板Wの搬入出口23を有する。処理容器20は、搬入出口23を開閉する蓋体24を更に有する。
【0021】
蓋体24は、搬入出口23を閉塞する閉塞位置と、搬入出口23を開放する開放位置との間で移動可能である。蓋体24は、基板Wの搬入出時に搬入出口23を開放し、基板Wの搬入後、搬出前に搬入出口23を閉塞する。
【0022】
基板処理装置10は、蓋体24を閉塞位置と開放位置との間で移動させる開閉機構25を更に備える。蓋体24を自動で移動できる。開閉機構25は、蓋体24を上下又は横に平行移動してもよいし、回転移動してもよい。
【0023】
保持部30は、不図示の搬送装置から基板Wを受け取り、基板Wを下方から保持する。基板処理装置10が複数枚の基板Wを一括で処理されるバッチ式の場合、保持部30は基板Wを複数同時に保持する。例えば、保持部30は、複数の基板Wを水平方向に間隔をおいて配列し、複数の基板Wを鉛直に立てて保持する。
【0024】
保持部30は、例えば互いに平行な複数本の保持棒31を有する。複数本の保持棒31のそれぞれには、その長手方向に間隔をおいて複数の溝が形成される。その溝に、基板Wの周縁が挿入される。複数枚の基板Wのそれぞれは、複数本の保持棒31によって複数点で保持される。
【0025】
なお、本実施形態の基板処理装置10は、バッチ式であるが、枚葉式であってもよい。枚葉式の基板処理装置10は基板を一枚ずつ処理する。基板処理装置10が枚葉式の場合、保持部30は、基板Wの凹凸パターンを上に向けて、基板Wを下方から水平に保持する。
【0026】
基板処理装置10がバッチ式の場合、基板処理装置10は保持部30を昇降させる昇降機構35を更に備えてもよい。保持部30は、処理容器20の上方にて、不図示の搬送装置から基板Wを受け取る。その際、基板Wには水等の処理液が付着している。
【0027】
基板Wは、保持部30と共に下降され、処理容器20の搬入出口23を通り、処理容器20の内部に搬入される。基板Wは、処理容器20の内部で乾燥された後、保持部30と共に上昇され、処理容器20の上方にて搬送装置に渡される。
【0028】
液供給部40は、保持部30に保持された基板Wに対して液体を供給する。供給する液体は、例えば、第1有機溶剤L1、第2有機溶剤L2、第3有機溶剤L3、及び撥水剤Rである。本実施形態では、第1有機溶剤L1と第2有機溶剤L2はIPAであり、第3有機溶剤L3はPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)であり、撥水剤RはTMSDMAである。なお、後述するように、L1~L3及びRの組み合わせは、特に限定されない。
【0029】
液供給部40は、保持部30に保持された基板Wに対して液体を噴射するノズル41を1つ以上含む。第1有機溶剤L1と、第2有機溶剤L2と、第3有機溶剤L3と、撥水剤Rとは、本実施形態では同一のノズル41から噴射されるが、異なるノズル41から噴射されてもよい。ノズル41は、液体を霧状又はシャワー状に噴射する。
【0030】
ノズル41は、処理容器20の内部に配置され、基板Wの上方に配置される。処理容器20の内部にて、基板Wは、鉛直に立てられ、水平方向に間隔をおいて一列に並ぶ。基板Wの列の幅方向(
図1中左右方向)両側に、基板Wの列の長手方向(
図1中紙面直交方向)に間隔をおいて複数のノズル41が配置される。ノズル41は、隣り合う基板W同士の隙間に向けて液体を噴射する。
【0031】
液供給部40は、ノズル41に対して液体を供給する液供給機構42を更に含む。液供給機構42は、共通ライン43と、複数の個別ライン44~46とを有する。共通ライン43は、複数の個別ライン44~46の合流点と、ノズル41とを接続する。共通ライン43の途中には、同時に供給される複数種類の液体を混ぜるミキサー47が設けられてもよい。
【0032】
個別ライン44は、ノズル41に対して第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2を供給する。個別ライン44の途中には、開閉弁V1と、流量制御器F1とが設けられる。開閉弁V1が個別ライン44の流路を開くと、第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2が共通ライン43を介してノズル41に供給され、ノズル41から噴射される。その流量は、流量制御器F1によって制御される。一方、開閉弁V1が個別ライン44の流路を閉じると、第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2が共通ライン43に供給停止される。
【0033】
個別ライン45は、ノズル41に対して第3有機溶剤L3を供給する。個別ライン45の途中には、開閉弁V2と、流量制御器F2とが設けられる。開閉弁V2が個別ライン45の流路を開くと、第3有機溶剤L3が共通ライン43を介してノズル41に供給され、ノズル41から噴射される。その流量は、流量制御器F2によって制御される。一方、開閉弁V2が個別ライン45の流路を閉じると、第3有機溶剤L3が共通ライン43に供給停止される。
【0034】
個別ライン46は、ノズル41に対して撥水剤Rを供給する。個別ライン46の途中には、開閉弁V3と、流量制御器F3とが設けられる。開閉弁V3が個別ライン46の流路を開くと、撥水剤Rが共通ライン43を介してノズル41に供給され、ノズル41から噴射される。その流量は、流量制御器F3によって制御される。一方、開閉弁V3が個別ライン46の流路を閉じると、撥水剤Rが共通ライン43に供給停止される。
【0035】
ガス供給部50は、処理容器20の内部にガスを供給する。供給するガスは、例えば不活性ガスG1、又は不活性ガスG1と第2有機溶剤L2の蒸気G2との混合ガスである。第2有機溶剤L2は例えばIPAである。供給するガスは、予め加熱されてもよい。基板Wの乾燥を促進できる。
【0036】
ガス供給部50は、例えばガスを噴射するノズル51を含む。ノズル51は、処理容器20の内部に配置され、基板Wの上方に配置される。処理容器20の内部にて、基板Wは、鉛直に立てられ、水平方向に間隔をおいて一列に並ぶ。基板Wの列の幅方向両側に、基板Wの列の長手方向に間隔をおいて複数のノズル51が配置される。ノズル51は、液供給部40のノズル41の上方に配置される。
【0037】
ガス供給部50は、ノズル51に対して液体を供給するガス供給機構52を更に含む。ガス供給機構52は、共通ライン53と、複数の個別ライン54~55とを有する。共通ライン53は、複数の個別ライン54~55の合流点と、ノズル51とを接続する。共通ライン53の途中には、供給するガスを加熱するヒータ57が設けられてもよい。
【0038】
個別ライン54は、ノズル51に対して不活性ガスG1を供給する。個別ライン54の途中には、開閉弁V4と、流量制御器F4とが設けられる。開閉弁V4が個別ライン54の流路を開くと、不活性ガスG1が共通ライン53を介してノズル51に供給され、ノズル51から噴射される。その流量は、流量制御器F4によって制御される。一方、開閉弁V4が個別ライン54の流路を閉じると、不活性ガスG1が共通ライン53に供給停止される。
【0039】
個別ライン55は、ノズル51に対して第2有機溶剤L2の蒸気G2を供給する。個別ライン55の途中には、開閉弁V5と、流量制御器F5とが設けられる。開閉弁V5が個別ライン55の流路を開くと、蒸気G2が共通ライン53を介してノズル51に供給され、ノズル51から噴射される。その流量は、流量制御器F5によって制御される。一方、開閉弁V5が個別ライン55の流路を閉じると、蒸気G2が共通ライン53に供給停止される。
【0040】
基板処理装置10は、処理容器20の内部から外部に流体を排出させる排出機構60を備える。排出機構60は、例えば処理容器20から延びる排出ライン61を含む。排出ライン61の途中には、開閉弁V6と、流量制御器F6とが設けられる。
【0041】
開閉弁V6が排出ライン61の流路を開くと、処理容器20の内部の流体が排出される。その流量は、流量制御器F6によって制御される。一方、開閉弁V6が排出ライン61の流路を閉じると、流体の排出が停止される。
【0042】
排出機構60によって排出する流体は、液供給部40によって供給する液体と、ガス供給部50によって供給するガスとを含む。なお、液体用の排出ライン61と、ガス用の排出ライン61とは、別々に設けられてもよい。
【0043】
排出ライン61は、例えば処理容器20の底壁22に接続される。処理容器20の内部に、ダウンフローを形成できる。ダウンフローによって液滴が舞い上がるのを抑制でき、液滴が蓋体24の下面に付着するのを抑制できる。
【0044】
制御部90は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Procesing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92とを備える。記憶媒体92には、基板処理装置10において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部90は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、基板処理装置10の動作を制御する。
【0045】
次に、
図5を参照して、一実施形態に係る基板処理方法について説明する。基板処理方法は、例えば
図5に示すステップS101~S107を有する。S101~S107は、制御部90による制御下で実施される。なお、S101~S107の全てが実施されなくてもよく、例えばS102が実施されなくてもよい。
【0046】
先ず、保持部30が、処理容器20の上方にて、不図示の搬送装置から、水等の処理液の付着した基板Wを受け取る。次いで、昇降機構35が、保持部30と共に基板Wを下降させ、基板Wを処理容器20の内部に搬入する(S101)。また、開閉機構25が、蓋体24を開放位置から閉塞位置に移動させ、処理容器20の搬入出口23を閉塞する(S101)。処理容器20の内部には、基板Wの搬入時に侵入した空気が含まれている。
【0047】
次に、ガス供給部50が、処理容器20の内部に不活性ガスG1を供給し、処理容器20の内部に含まれる空気をパージする(S102)。空気は、排出機構60によって、処理容器20の外部に排出される。空気中に含まれる水分を排出でき、水分と撥水剤Rとの反応を抑制できる。
【0048】
ガス供給部50による不活性ガスG1の供給と、排出機構60による流体の排出とは、基板Wに対する液体の供給と、基板Wの乾燥とが行われる間、常に実施される。処理容器20の内部にダウンフローを形成でき、液滴が舞い上がるのを抑制できる。ガス供給部50のノズル51は、液供給部40のノズル41の上方に配置され、ノズル41から液滴が舞い上がるのを抑制する。
【0049】
次に、液供給部40が、第1有機溶剤L1を基板Wに対して供給する(S103)。第1有機溶剤L1は、基板Wに付着した水を除去する。第1有機溶剤L1は、水溶性でも非水溶性でもよいが、水の置換速度を向上すべく、好ましくは水溶性であり、より好ましくは高水溶性である。第1有機溶剤L1が水溶性であれば、基板Wの凹凸パターンの凹部に入り込んだ水をも、効率よく置換できる。
【0050】
非水溶性とは、例えば100gの水に対する溶解量(100gの水に溶ける限界量)が0g以上10g未満であることを意味する。以下、100gの水に対する溶解量を、単に「溶解量」とも呼ぶ。
【0051】
水溶性は、溶解量に応じて、中水溶性と、高水溶性と、に区分される。中水溶性とは、例えば100gの水に対する溶解量が10g以上30g以下であることを意味する。中水溶性の有機溶剤の具体例として、PGMEAと、酢酸メチルと、2-ブタノンが挙げられる。PGMEAの溶解量は19.8g、酢酸メチルの溶解量は24.4g、2-ブタノンの溶解量は27.5gである。
【0052】
高水溶性とは、例えば100gの水に対する溶解量が30gを超えることを意味する。高水溶性の場合、100gの水に対する溶解量の上限値は、特に限定されない。高水溶性の有機溶剤の具体例として、IPAと、アセトンとが挙げられる。
【0053】
第1有機溶剤L1は、本実施形態ではIPAである。第1有機溶剤L1は、基板Wに対して霧状又はシャワー状に吹き付けられる。処理容器20の内部に溜めた第1有機溶剤L1に基板Wを浸漬する場合に比べて、第1有機溶剤L1の使用量を低減できる。
【0054】
処理容器20の内部にて、基板Wは、鉛直に立てられ、水平方向に間隔をおいて一列に並ぶ。ノズル41は、基板W同士の隙間に向けて第1有機溶剤L1を噴射する。その際に、昇降機構35が保持部30と共に基板Wを昇降させてもよい。基板Wとノズル41が相対的に昇降され、第1有機溶剤L1を基板Wの鉛直方向全体に亘って効率良く供給できる。なお、基板Wを昇降させる代わりに、ノズル41を昇降させてもよい。
【0055】
次に、液供給部40が、撥水剤Rを基板Wに対して供給する(S104)。撥水剤Rとして、例えばSi-N結合を有するものが用いられる。基板Wを乾燥しなくても基板Wを撥水化できる。撥水剤Rは、本実施形態ではTMSDMAである。撥水剤Rは、基板Wに対して霧状又はシャワー状に吹き付けられる。処理容器20の内部に溜めた撥水剤Rに基板Wを浸漬する場合に比べて、撥水剤Rの使用量を低減できる。
【0056】
処理容器20の内部にて、基板Wは、鉛直に立てられ、水平方向に間隔をおいて一列に並ぶ。ノズル41は、基板W同士の隙間に向けて撥水剤Rを噴射する。その際に、昇降機構35が保持部30と共に基板Wを昇降させてもよい。基板Wとノズル41が相対的に昇降され、撥水剤Rを基板Wの鉛直方向全体に亘って効率良く供給できる。なお、基板Wを昇降させる代わりに、ノズル41を昇降させてもよい。
【0057】
撥水剤Rを供給する際に、撥水剤Rと第1有機溶剤L1との混合液を供給してもよい。撥水剤Rの使用量を低減できる。撥水剤Rと第1有機溶剤L1の混合液に占める撥水剤Rの含有量は、例えば2質量%以上50質量%以下、好ましくは2質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
【0058】
次に、液供給部40が、第2有機溶剤L2を基板Wに対して供給する(S105)。基板Wに対して第2有機溶剤L2を供給することは、未反応の撥水剤Rを基板Wから除去することを含む。撥水剤Rの供給は停止される。第2有機溶剤L2は、本実施形態ではIPAであるが、未反応の撥水剤Rを溶解でき、揮発性の高いものであれば特に限定されない。
【0059】
次に、ガス供給部50が処理容器20の内部に不活性ガスG1を供給すると共に、排出機構60が処理容器の内部のガスを排出することにより、基板Wに付着した第2有機溶剤L2を揮発させ、基板Wを乾燥させる(S106)。乾燥を促進すべく、不活性ガスG1を予め加熱してもよい。基板Wを乾燥させる際に、液供給部40は基板Wに対する液体の供給を停止する。
【0060】
不活性ガスG1を供給する際に、不活性ガスG1と第2有機溶剤L2の蒸気G2との混合ガスを供給してもよい。第2有機溶剤L2の蒸気G2は、基板Wに付着すると凝縮する。凝縮熱によって基板Wを加熱でき、基板Wの乾燥を促進できる。
【0061】
次に、開閉機構25が、蓋体24を閉塞位置から開放位置に移動させ、処理容器20の搬入出口23を開放する(S107)。また、昇降機構35が、保持部30と共に基板Wを上昇させ、基板Wを処理容器20の外部に搬出する(S107)。その後、保持部30は、処理容器20の上方にて、不図示の搬送装置に基板Wを渡す。
【0062】
ところで、第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2として、アルコール類が用いられる場合、アルコール類は水と同様にOH基を有するので、第2有機溶剤L2と撥水剤Rとが反応する。
【0063】
例えば、
図4に示すように、TMSDMAとメタノールとの反応によって、Si-OCH
3結合が生じる。Si-OCH
3結合は、
図3に示すSi-OH結合とは異なり、水が存在しない環境では重合反応を生じさせない。
【0064】
それゆえ、アルコール類は、水と同様にOH基を有する反面、水とは異なりパーティクルを生じさせない。
【0065】
従って、第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2として、アルコール類を使用可能である。但し、第1有機溶剤L1又は第2有機溶剤L2は、微量の水を含むことがある。その結果、微小なパーティクルが生じてしまうことがある。
【0066】
近年、基板Wの凹凸パターンの微細化が進んでおり、微小なパーティクルでも問題が生じてしまう場合も考えられる。
【0067】
微小なパーティクルでも問題が生じてしまう場合、詳しくは後述するが、OH基を含まない第3有機溶剤L3も併用される。第3有機溶剤L3は、例えば、ケトン類、エステル類、又はエーテル類等である。
【0068】
第3有機溶剤L3は、上記の通り水溶性であることが好ましい。第3有機溶剤L3の具体例として、アセトン、PGMEA、酢酸メチル、又は2-ブタノン等が挙げられる。これらの中でも、アセトンは高水溶性の観点で特に好ましい。
【0069】
次に、
図6を参照して、変形例に係る基板処理方法について説明する。本変形例の基板処理方法は、S101~S107及びS111~S111を有する。S101~S107及びS111~S111は、制御部90による制御下で実施される。S111とS112では、第3有機溶剤L3が基板Wに対して供給される。なお、S101~S107及びS111~S112の全てが実施されなくてもよく、例えばS112が実施されなくてもよい。以下、本変形例と上記実施形態の相違点について主に説明する。
【0070】
S111は、
図6に示すように、S103の後、S104の前に実施される。S103では、液供給部40が、第1有機溶剤L1を基板Wに対して供給する。一方、S104では、液供給部40が、撥水剤Rを基板Wに対して供給する。
【0071】
S111では、液供給部40が、第1有機溶剤L1とは異なる第3有機溶剤L3を基板Wに対して供給し、基板Wに付着した第1有機溶剤L1を除去する。第1有機溶剤L1はOH基を有するのに対し、第3有機溶剤L3はOH基を有しない。
【0072】
第1有機溶剤L1はOH基を有し、OH基は親水基であるので、基板Wに付着した水をS103で効率よく除去できる。一方、第3有機溶剤L3はOH基を有しないので、撥水剤Rとは反応しない。従って、S104で、微小なパーティクルの発生をも抑制できる。
【0073】
S104では、液供給部40が、撥水剤Rを基板Wに対して供給する。撥水剤Rを供給する際に、撥水剤Rと第3有機溶剤L3との混合液を供給してもよい。撥水剤Rの使用量を低減できる。撥水剤Rと第3有機溶剤L3の混合液に占める撥水剤Rの含有量は、例えば2質量%以上50質量%以下、好ましくは2質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
【0074】
S112は、
図6に示すように、S104の後、S105の前に実施される。105では、液供給部40が、第2有機溶剤L2を基板Wに対して供給する。第2有機溶剤L2は、第1有機溶剤L1と同様にOH基を有する。
【0075】
S112では、液供給部40が、第3有機溶剤L3を基板Wに対して供給し、未反応の撥水剤Rを基板Wから除去する。その結果、S105で、OH基を有する第2有機溶剤L2と撥水剤Rとの反応を抑制でき、微小なパーティクルの発生をも抑制できる。
【0076】
S105では、液供給部40が、第2有機溶剤L2を基板Wに対して供給し、基板Wに付着した第3有機溶剤L3を第2有機溶剤L2に置換する。第2有機溶剤L2は、第3有機溶剤L3よりも低い沸点を有し、高い揮発性を有する。その結果、S106で、基板Wの乾燥を促進できる。
【0077】
次に、
図7及び
図8を参照して、変形例に係る基板処理装置10について説明する。以下、本変形例の基板処理装置10と、上記実施形態の基板処理装置10との相違点について説明する。
【0078】
処理容器20は、基板Wに対する液体の供給が行われる液処理室R1を内部に形成する液処理槽26を有する。液処理室R1には、液供給部40のノズル41が配置される。液処理槽26は、例えば、液処理室R1を内部に形成する内槽26aと、内槽26aの上端を囲む外槽26bと、外槽26bの上端を囲むシール槽26cとを有する。内槽26aの底壁22には、排出ライン61が接続される。シール槽26cは、内部に溜めた純水等で、外気の侵入を抑制する。
【0079】
また、処理容器20は、基板Wの乾燥が行われる乾燥室R2を内部に形成する乾燥槽27を有する。乾燥室R2には、ガス供給部50のノズル51が配置される。乾燥槽27は、液処理槽26の上方に配置される。乾燥槽27は、例えば、筒状の側壁27aを含む。筒状の側壁27aは、上方に開放されており、その上端に基板Wの搬入出口23を有する。乾燥槽27は、搬入出口23を開閉する蓋体27bを更に有する。蓋体27bは、上に凸のドーム状であって、開閉機構25によって昇降させられる。
【0080】
また、処理容器20は、液処理槽26と乾燥槽27の間にケーシング28を有する。ケーシング28の内部には、シャッター29が移動可能に配置される。シャッター29は、液処理室R1と乾燥室R2を連通する連通位置(
図7参照)と、液処理室R1と乾燥室R2を遮断する遮断位置(
図8参照)との間で移動させられる。
【0081】
基板処理装置10は、シャッター29を連通位置と遮断位置との間で移動させる開閉機構70を更に備える。開閉機構70は、シャッター29を水平移動させる。開閉機構70は、シャッター29を更に鉛直移動させてもよい。シャッター29は、水平に配置され、その上面に枠状のシール71を保持する。
【0082】
基板処理装置10は、乾燥槽27の内部から外部にガスを排出させる第2排出機構80を備える。第2排出機構80は、例えば乾燥槽27から延びる第2排出ライン81を含む。第2排出ライン81の途中には、開閉弁V7と、流量制御器F7とが設けられる。
【0083】
開閉弁V7が第2排出ライン81の流路を開くと、乾燥槽27の内部のガスが排出される。その流量は、流量制御器F7によって制御される。一方、開閉弁V7が第2排出ライン81の流路を閉じると、ガスの排出が停止される。
【0084】
第2排出ライン81は、例えば乾燥槽27の側壁27aの下部に接続される。乾燥槽27の内部に、ダウンフローを形成できる。ダウンフローによって液滴が舞い上がるのを抑制でき、液滴が蓋体24の下面に付着するのを抑制できる。
【0085】
本変形例の基板処理装置10は、例えば
図5又は
図6に示す基板処理方法を実施する。
【0086】
S101では、昇降機構35が、保持部30と共に基板Wを下降させ、基板Wを処理容器20の内部に搬入する。基板Wは、乾燥室R2を通り、液処理室R1まで搬送される。その際、シャッター29は、基板Wと干渉しないように、連通位置に位置する。S101では、開閉機構25が、蓋体27bを開放位置から閉塞位置に移動させ、処理容器20の搬入出口23を閉塞する。
【0087】
S102では、ガス供給部50が、処理容器20の内部に不活性ガスG1を供給し、処理容器20の内部に含まれる空気をパージする。空気は、排出機構60によって、処理容器20の外部に排出される。S102では、排出機構60を作動すればよく、第2排出機構80は作動してもよいし作動しなくてもよい。
【0088】
ガス供給部50による不活性ガスG1の供給と、排出機構60による流体の排出とは、少なくとも基板Wに対する液体の供給が液処理室R1で行われる間、常に実施される。処理容器20の内部にダウンフローを形成でき、液滴が舞い上がるのを抑制できる。
【0089】
S103では、液供給部40が、第1有機溶剤L1を基板Wに対して供給する。第1有機溶剤L1は、基板Wに付着した水を除去する。S103の後、S104の前に、S111が行われてもよい。
【0090】
S104では、液供給部40が、撥水剤Rを基板Wに対して供給する。S104の後、S105の前に、S112が行われてもよい。
【0091】
S105では、液供給部40が、第2有機溶剤L2を基板Wに対して供給する。S105の後、S106の前に、昇降機構35が、保持部30と共に基板Wを上昇させる。基板Wは、液処理室R1から、乾燥室R2に移される。続いて、開閉機構70がシャッター29を連通位置から遮断位置に移動させる。S106で、基板Wの乾燥を促進できる。
【0092】
S106では、ガス供給部50が乾燥室R2に不活性ガスG1を供給すると共に、第2排出機構80が乾燥室R2のガスを外部に排出することにより、基板Wに付着した第2有機溶剤L2を揮発させ、基板Wを乾燥させる。乾燥を促進すべく、不活性ガスG1を予め加熱してもよい。基板Wを乾燥させる際に、液供給部40は基板Wに対する液体の供給を停止する。
【0093】
不活性ガスG1を供給する際に、不活性ガスG1と第2有機溶剤L2の蒸気G2との混合ガスを供給してもよい。第2有機溶剤L2の蒸気G2は、基板Wに付着すると凝縮する。凝縮熱によって基板Wを加熱でき、基板Wの乾燥を促進できる。
【0094】
S107では、開閉機構25が、蓋体27bを閉塞位置から開放位置に移動させ、処理容器20の搬入出口23を開放する。また、S107では、昇降機構35が、保持部30と共に基板Wを上昇させ、基板Wを処理容器20の外部に搬出する。その後、保持部30は、処理容器20の上方にて、不図示の搬送装置に基板Wを渡す。
【0095】
以上、本開示に係る基板処理方法及び基板処理装置の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0096】
10 基板処理装置
20 処理容器
30 保持部
40 液供給部
50 ガス供給部
90 制御部
W 基板