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特許7529741ラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給して遠隔プラズマ膜蒸着を可能にするための温度制御を備えた統合シャワーヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給して遠隔プラズマ膜蒸着を可能にするための温度制御を備えた統合シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240730BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240730BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240730BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
C23C16/455
H05H1/46 C
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022167262
(22)【出願日】2022-10-19
(62)【分割の表示】P 2019531737の分割
【原出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2023002673
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】15/378,854
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッザー・レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】チュウ・フアタン
(72)【発明者】
【氏名】バラダラジャン・バドリ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイリング・パトリック・ジラール
(72)【発明者】
【氏名】ゴン・ボー
(72)【発明者】
【氏名】シュロッサー・ウィル
(72)【発明者】
【氏名】グイ・ジェ
(72)【発明者】
【氏名】タン・タイド
(72)【発明者】
【氏名】ホーン・ジェフリー
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-220231(JP,A)
【文献】特開2013-174023(JP,A)
【文献】特開2010-192513(JP,A)
【文献】特開2007-227829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/3065
C23C 16/455
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の処理に用いるための装置であって、
連続構造を形成するように結合されている複数の層によって形成されているシャワーヘッドを備え、
前記複数の層は、最上層、中間層、および最下層を含み、
前記シャワーヘッドは、前記シャワーヘッドの上面から前記上面に対向する前記シャワーヘッドの底面に伸びる複数の貫通孔を含み、
前記シャワーヘッドは、前記シャワーヘッドの前記上面と前記シャワーヘッドの前記底面との間に配置されている二次ガスプレナムおよび熱伝導流体プレナムを含み、
前記中間層に面する前記最上層の表面は、前記熱伝導流体プレナムを部分的または完全に規定し、
複数の二次ガスインジェクタが、前記二次ガスプレナムから前記シャワーヘッドの前記底面に通じ、
円筒壁が、前記複数の貫通孔および前記複数の二次ガスインジェクタを取り囲み、前記シャワーヘッドの前記底面から第1距離だけ伸びる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記円筒壁および前記複数の層は、連続構造を形成する、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記二次ガスインジェクタは、前記シャワーヘッドの前記底面から、前記第1距離よりも短い第2距離だけ外向きに突出している、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記円筒壁は、前記シャワーヘッドの外縁から半径方向内側にオフセットされている、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記円筒壁の半径方向外側にある前記シャワーヘッドの部分は、前記円筒壁の半径方向内側にある前記シャワーヘッドの部分よりも厚い、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
各貫通孔は、前記シャワーヘッド内の前記熱伝導流体プレナムから封止されている、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記シャワーヘッドは、さらに、熱伝導流体流入口および熱伝導流体流出口を含み、
前記熱伝導流体流入口および前記熱伝導流体流出口は、いずれも前記熱伝導流体プレナムと接続されている、装置。
【請求項8】
請求項に記載の装置であって、
前記最上層の前記表面は、前記熱伝導流体プレナムを少なくとも部分的に規定する一または複数のリセスを有する前記中間層に面している、装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置であって、
前記最下層の上面は、前記二次ガスプレナムを部分的または完全に規定する、装置。
【請求項10】
請求項に記載の装置であって、
前記最下層の上面は、前記二次ガスプレナムを部分的または完全に規定する、装置。
【請求項11】
請求項6に記載の装置であって、
前記熱伝導流体プレナムは、第1弓形プレナムおよび第2弓形プレナムを含み、
複数の流路は、前記第1弓形プレナムと前記第2弓形プレナムとの間に伸び、
前記複数の流路は、隣り合わせに配置され、平行方向に沿って伸びる、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
各流路は、曲線または方形波の経路をたどる、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、さらに、
前記第1弓形プレナム内で第1弓形経路に沿って分散されている複数の第1ポストと、
前記第2弓形プレナム内で第2弓形経路に沿って分散されている複数の第2ポストと、
を備える、装置。
【請求項14】
請求項6に記載の装置であって、
前記熱伝導流体プレナムは、流体流入プレナムおよび複数の流路を含み、
前記複数の流路は各々、前記流体流入プレナムと接続する第1端から対応する導管で終端する第2端に通じる、対応する経路をたどり、
前記複数の経路の少なくともいくつかの経路は、前記シャワーヘッドを横切る第1方向と逆の第2方向に沿って延びるように逆戻りする前に、前記第1方向に沿って伸び、
前記複数の導管は、前記流体流入プレナムとは異なる高度に配置されている流体流出プレナムと接続する、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記流体流入プレナムおよび前記流体流出プレナムは、いずれも弓形である、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であって、
前記複数の導管の少なくともいくつかの導管は、異なる断面積を有する、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、
前記複数の経路の少なくともいくつかの経路は、曲線または方形波である、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、
前記流体流入プレナムおよび前記流体流出プレナムは、前記シャワーヘッドの前記底面に垂直な方向に沿って見たときに、互いに位置合わせされている、装置。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置であって、さらに、
処理チャンバと、
基板支持体であって、前記シャワーヘッドは前記基板支持体の上方に位置する、基板支持体と、
を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、
前記装置は、前記装置における基板処理の間に、前記基板支持体の上面が前記円筒壁の底面の上方に位置するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる、2016年12月14日出願の米国特許出願第15/378,854号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、特に、ラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給するシャワーヘッドを備えた基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示することを目的とする。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0004】
半導体ウエハなどの基板上に膜を蒸着するために、基板処理システムが利用されうる。基板処理システムは、通常、処理チャンバおよび基板支持体を備える。膜蒸着中、ラジカルおよび前駆体ガスが、処理チャンバに供給されうる。
【0005】
例えば、処理チャンバは、上側チャンバ、下側チャンバ、および、基板支持体を備えうる。シャワーヘッドが、上側チャンバと下側チャンバとの間に配置されうる。基板が、下側チャンバ内の基板支持体上に配置される。プラズマ混合ガスが上側チャンバに供給され、プラズマが上側チャンバ内で点火される。プラズマによって生成されたラジカルの一部が、シャワーヘッドを通して下側チャンバに流れる。シャワーヘッドは、イオンをフィルタリングし、下側チャンバに到達しないようにUV光を遮断する。前駆体混合ガスが、シャワーヘッドを通して下側チャンバに供給され、ラジカルと反応することで基板上に膜を蒸着する。
【0006】
一般的に、シャワーヘッドは、温度制御システムを備えない。しかしながら、一部の処理システムでは、シャワーヘッドの外縁(アクセス可能であり、真空下にはない)の温度を制御するために、基本的な温度制御システムが用いられる。基本的な温度制御システムは、プラズマからの熱のために、シャワーヘッドの全体の温度を均一に制御しない。換言すると、シャワーヘッドの中心の温度が上昇する。温度変化は、プラズマのオン/オフ、圧力、流量、および/または、ペデスタル温度など、プロセスの変化に伴って生じる。シャワーヘッドの温度のばらつきは、蒸着処理の均一性および欠陥性能に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0007】
基板処理システムは、基板支持体を備える第1チャンバを備える。シャワーヘッドが、第1チャンバの上方に配置されており、イオンをフィルタリングし、プラズマ源から第1チャンバにラジカルを供給するように構成されている。シャワーヘッドは、熱伝導流体を受け入れるための流入口と、シャワーヘッドの中央部分を通じて流出口まで熱伝導流体を導いてシャワーヘッドの温度を制御するための複数の流路とを備える熱伝導流体プレナムと、二次ガスを受け入れるための流入口と、二次ガスを第1チャンバに注入するための複数の二次ガスインジェクタとを備える二次ガスプレナムと、シャワーヘッドを貫通する複数の貫通孔と、を備える。貫通孔は、熱伝導流体プレナムとも二次ガスプレナムとも流体連通していない。
【0008】
別の特徴において、熱伝導流体プレナムは、流入口と流体連通する第1プレナムを備える。流路の第1端が、第1プレナムと流体連通している。第2プレナムは、流路の反対端と流体連通している。
【0009】
別の特徴において、熱伝導流体プレナムは、流入口と流体連通する第1プレナムと、流路の第1端と流体連通する第2プレナムと、第1プレナムと第2プレナムとの間に配置され、それらの間の流体の流れを制限する第1複数の制限部と、流路の反対端と流体連通する第3プレナムと、流出口と流体連通する第4プレナムと、第3プレナムと第4プレナムとの間に配置され、それらの間の流体の流れを制限する第2複数の制限部と、を備える。
【0010】
別の特徴において、複数の流路は、シャワーヘッドの片側からシャワーヘッドの反対側へ半径方向に流れる。複数の流路は、直線経路を規定する。複数の流路は、曲線経路を規定する。複数の流路は、正弦曲線形状の経路を規定する。
【0011】
別の特徴において、二次ガスプレナムは、第1プレナムと、第2プレナムと、第1プレナムと第2プレナムとの間に配置されている流量制限部と、を備える。
【0012】
別の特徴において、流量制限部は、第1複数の壁と、第1複数の壁の間に規定されている複数のスロットと、を備える。第1複数の壁は、弓形である。第2複数の壁が、第2プレナムの貫通孔の周りに配置されている。第2複数の壁は、円筒形である。
【0013】
別の特徴において、二次ガスインジェクタは、第2プレナムと流体連通している。複数の制限部が、第2プレナムと二次ガスインジェクタとの間に配置される。
【0014】
別の特徴において、複数の流路は、流入口および流出口を備える。複数の流路の流入口は、シャワーヘッドの片側に配置され、複数の流路の流出口は、その片側で流入口の間に配置され、複数の流路は、流入口に接続し、シャワーヘッドを横切り、折り返してシャワーヘッドを横切って流出口に戻る。
【0015】
別の特徴において、第2チャンバは、第1チャンバの上方に配置される。シャワーヘッドは、第1チャンバと第2チャンバとの間に配置される。コイルが、第2チャンバの周りに配置される。第2チャンバ内でプラズマを生成するために、RF発生器がコイルに接続されている。
【0016】
別の特徴において、流路の内の少なくとも1つは、流量制限部を備える。熱伝導流体は、液体を含む。熱伝導流体は、気体を含む。熱伝導流体は、第1チャンバには流れ込まない。
【0017】
別の特徴において、二次ガスインジェクタは、シャワーヘッドの底面から所定の距離だけ伸びており、所定の距離は、0.1インチ(2.54mm)~1.5インチ(38.1mm)の範囲内である。貫通孔は、0.05インチ(1.27mm)~0.3インチ(7.62mm)の範囲の直径を有する。
【0018】
別の特徴において、シャワーヘッドは、円筒壁を備えており、円筒壁は、シャワーヘッドの底面から伸びて、複数の貫通孔および複数の二次ガスインジェクタの半径方向外側に配置されている。シャワーヘッドは、円筒壁を備えており、円筒壁は、シャワーヘッドの上面から上向きに伸びて、複数の貫通孔および複数の二次ガスインジェクタの半径方向外側に配置されている。
【0019】
別の特徴において、第1O-リングが、シャワーヘッドの上面と上側チャンバとの間に配置され、第2O-リングが、シャワーヘッドの底面と下側チャンバとの間に配置される。
【0020】
詳細な説明、特許請求の範囲、および、図面から、本開示を適用可能なさらなる領域が明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【0022】
図1】本開示に従って、シャワーヘッドを備える基板処理チャンバの一例を示す機能ブロック図。
【0023】
図2A】本開示に従って、シャワーヘッドの一例を示す底面斜視図。
【0024】
図2B】本開示に従って、O-リングを受けるための溝を示す側断面図。
【0025】
図3】本開示に従って、シャワーヘッドの一例を示す上面斜視図。
【0026】
図4A】本開示に従って、シャワーヘッドの一例の底面を示す平面図。
【0027】
図4B】本開示に従って、二次ガスインジェクタの周りに配置されている複数の貫通孔の一例を示す平面図。
【0028】
図4C】本開示に従って、二次ガスインジェクタの周りに配置されている複数の貫通孔の別の例を示す平面図。
【0029】
図5A】本開示に従って、シャワーヘッドの一例を示す側断面図。
【0030】
図5B】複数の隣接する層によって形成されたシャワーヘッドを示す一例の側断面図。
【0031】
図6】本開示に従って、シャワーヘッドの別の例を示す拡大側断面図。
【0032】
図7】本開示に従って、図6のシャワーヘッドを示す側断面図。
【0033】
図8A】本開示に従って、下向きに突出する壁を備えるシャワーヘッドの別の例を示す拡大側断面図。
【0034】
図8B】本開示に従って、上向きに突出する壁を備えるシャワーヘッドの別の例を示す拡大側断面図。
【0035】
図9】本開示に従って、シャワーヘッドの中間層の上面の一例を示す平面図。
【0036】
図10】本開示に従って、流路を通る流体の流れを制御するための制限部を備える流路の一例を示す図。
【0037】
図11】本開示に従って、シャワーヘッドの中間層の底面の一例を示す平面図。
【0038】
図12】本開示に従って、一方の縁部に沿って配置されている交互の熱伝導流体の流入口および流出口のペアを備えるシャワーヘッドの中間層の上面の別の例を示す平面図。
【0039】
図13】本開示に従って、図12のシャワーヘッドの中間層の底面を示す平面図。
【0040】
図14図12および図13のシャワーヘッドの側断面図。
【0041】
図面において、同様および/または同一の要素を特定するために、同じ符号を用いる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示は、均一なラジカルを供給すると共に遠隔プラズマ源からのイオンをフィルタリングする統合された埋め込み型シャワーヘッドを備えた基板処理システムに関する。シャワーヘッドは、均一で制御された温度を維持するために、シャワーヘッドの中央部分を通して流路に熱伝導流体を供給することによって、均一な温度制御を提供する。また、シャワーヘッドは、基板を含むチャンバへの均一な前駆体ガス流供給を提供する。いくつかの例において、基板処理システムは、共形炭化物膜を蒸着するために利用できるが、その他のタイプの膜が蒸着されてもよい。
【0043】
ここで、図1を参照すると、基板処理システム10は、上側チャンバ20および下側チャンバ30を備える。特定のタイプの基板処理システムが図示および記載されているが、その他のタイプが用いられてもよい。誘導結合プラズマが図示されているが、容量結合プラズマ、遠隔プラズマ源、または、その他の適切なプラズマ発生器など、他のタイプのプラズマ生成が用いられてもよい。
【0044】
いくつかの例において、上側チャンバ20は、ドーム形チャンバを含みうるが、その他のチャンバ形状が用いられてもよい。基板支持体34が、下側チャンバ30内に配置されている。基板36が、基板処理中、基板支持体34上に配置される。シャワーヘッド40が、上側チャンバ20と下側チャンバ30との間に配置される。誘導コイル42が、上側チャンバ20の周りに配置されてよい。
【0045】
ガス供給システム50-1が、プラズマガスを含む処理ガス混合物を上側チャンバ20に供給するために用いられてよい。ガス供給システム50-1は、1または複数のガス源52-1、52-2、...、および、52-Nと、バルブ54-1、...、および、54-Nと、マスフローコントローラ(MFC)56-1、...、および、56-Nと、マニホルド58と、を備えるが、その他のタイプのガス供給システムが用いられてもよい(ここで、Nは整数)。ガス供給システム50-2が、前駆体ガスを含む処理ガス混合物をシャワーヘッド40に供給する。
【0046】
RFプラズマ発生器66は、RF源70および整合回路網72を備える。RFプラズマ発生器66は、(プラズマガスが供給されている間に)誘電コイル42にRF電力を選択的に供給して、上側チャンバ20内でプラズマ62を生成する。
【0047】
シャワーヘッド40の温度を制御するために、気体または液体の冷却材などの熱伝導流体をシャワーヘッド40に供給する温度制御システム86が用いられてよい。バルブ88およびポンプ90が、反応物質を排出するために用いられてよい。
【0048】
コントローラ94は、上側チャンバ20およびシャワーヘッド40へ必要に応じて処理ガスを選択的に供給するために、ガス供給システム50-1および50-2と通信する。コントローラ94は、上側チャンバ20内でプラズマを生成および消火するために、RFプラズマ発生器66と通信する。
【0049】
コントローラ94は、シャワーヘッド40の温度を制御するために用いられる熱伝導流体の流量および温度を制御するために、温度制御システム86と通信する。一部の例において、熱伝導流体は、水、エチレングリコールと混合した水、フッ化ペルフルオロポリエーテル流体またはその他の流体、ならびに/もしくは、1または複数のガスを含みうる。一部の例において、温度制御システム86は、閉ループ制御を用いて、熱伝導流体の流量および温度を制御する。他の例において、温度制御システム86は、比例積分微分(PID)制御を用いて、流量および温度を制御する。熱伝導流体は、建物の水循環システムから開ループシステムで提供されてもよい。一部の例において、熱伝導流体は、真空チャンバから密閉される。
【0050】
一部の例において、コントローラ94は、シャワーヘッド40の1または複数の温度を検知するために、シャワーヘッド40に配置された1または複数の温度センサ(図示せず)に接続される。一部の例において、コントローラ94は、処理チャンバ内の1または複数の圧力を検知するために、シャワーヘッド40に配置された1または複数の圧力センサ(図示せず)に接続される。コントローラ94は、上側および下側チャンバ20、30内の圧力を制御するため、および、そこから選択的に反応物質を排出するために、バルブ88およびポンプ90と通信する。
【0051】
ここで、図2A図3を参照すると、シャワーヘッド40の上面102、底面104、および、側面108が示されている。図2Aにおいて、シャワーヘッド40は、シャワーヘッドの軸の中央部分または中央に、シャワーヘッド40の上面102からシャワーヘッド40の底面104へ通る複数の離間した貫通孔110を備える。一部の例では、O-リング111が、図2Bに示すように、シャワーヘッド40の底面104と下側チャンバ30との間に配置されてもよい。溝113が、O-リング111を位置決めするために、シャワーヘッド40および下側チャンバ30の一方または両方に配置されてよい。
【0052】
複数の二次ガスインジェクタ112が、シャワーヘッド40から二次ガス(前駆体ガスなど)を供給する。一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、シャワーヘッド40の中央部分において、シャワーヘッド40の底面104から下方に伸びる。一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、逆拡散を防ぐため、および、二次ガスインジェクタごとのガス流を均一にするために、底面104上に制限部(図示せず)を備える。制限部は、チョーク流れ条件を引き起こしうる。
【0053】
図3において、シャワーヘッド40は、流入口および流出口として機能する対になった熱流体ポート120、122を備える。シャワーヘッド40は、より多くの対になったポートを備えた2以上の熱流体プレナムを含んでもよい。漏れ回収トレイ128が、熱流体ポート120、122の一方または両方の周りに配置されてよい。漏れ回収トレイ128は、上側および下側チャンバの外側に配置されてよい。漏れ回収トレイ128は、漏れ検出を可能にする。一部の例では、O-リング115が、シャワーヘッド40の上面102と上側チャンバ20との間に配置されてもよい。図2Bに示すのと同様に、溝がO-リング111を位置決めするために、シャワーヘッド40および上側チャンバ20の一方または両方に配置されてよい。
【0054】
ここで、図4Aを参照すると、シャワーヘッド40の貫通孔110および二次ガスインジェクタ112は、様々なパターンで配列されてよい。例えば、図4Aに示すシャワーヘッド40の貫通孔110および二次ガスインジェクタ112は、オフセットされた三角形パターンTを有してよい。別のパターンは、長方形、放射状、六角形、または、らせんパターンを含むが、その他のパターンが用いられてもよい。一部の例において、二次ガスインジェクタ112の間隔は、0.25インチ~2インチ(50.8mm)の範囲である。一部の例において、貫通孔110は、二次ガスインジェクタと同じ間隔を有してよいが、図4Bおよび図4Cに示すように、異なる間隔が用いられてもよい。
【0055】
一部の例において、貫通孔110は、図4Bおよび図4Cの例に示すように、各二次ガスインジェクタ112の周りに集まる複数のより小さい貫通孔を含んでもよい。二次ガスインジェクタ112の周りの貫通孔110の配列は、図4Bに示すように均一であってもよいし、図4Cに示すように不均一であってもよい。一部の例では、貫通孔110-Rが、二次ガスインジェクタのシャワーヘッド40の中心に近い側でシャワーヘッド40の放射線上に配置される。
【0056】
ここで、図5A図8Bを参照すると、シャワーヘッド40の側断面図が示されている。図5Aにおいて、貫通孔110は、シャワーヘッド40の上面102からその底面104まで貫通している。貫通孔110と直交し、シャワーヘッド40の上面102と平行であるが上面102からオフセットされた1または複数の平面内に、1または複数の熱伝導流体プレナム140が配置されている。貫通孔110と直交し、シャワーヘッド40の底面104ならびに熱伝導流体プレナム140を含む1または複数の平面と平行であるがそれらの面からオフセットされた1または複数の平面内に、1または複数の二次ガスプレナム150が配置されている。図の構成では、二次ガス供給部の上方に熱伝導流体プレナムがある。プレナムは、二次ガスプレナムが熱伝導流体プレナムの上方になるように逆転されてもよい。
【0057】
1または複数の熱伝導流体プレナム140は、熱流体ポート120、122に接続されている。1または複数の二次ガスプレナム150は、二次ガス流入口(図2A)からガスを受け入れ、二次ガスインジェクタ112の流路152に二次ガス流を供給する。
【0058】
一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、シャワーヘッド40への膜の蒸着を低減するために、シャワーヘッド40の底面から離れる向きに所定の距離だけ伸びている。一部の例において、所定の距離は、0.1インチ~1.5インチの範囲であるが、その他の距離が用いられてもよい。一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、逆拡散を防いで二次ガスインジェクタごとの流れの均一性を保証するために、制限部を備える。一部の例において、貫通孔110は、0.05インチ~0.3インチの範囲の直径を有する。
【0059】
図5Bにおいて、シャワーヘッド40は、互いに接続された最上層163、中間層165、および、最下層167を含む複数の層で形成されうる。より多くの層が、さらなるプレナムを形成するために追加されてもよい。一部の例において、シャワーヘッド40は、複雑かつ独特な形状を合理的なコストで可能にするために、真空ろう付け、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、または、電子ビーム溶接を用いて製造されてよい。真空ろう付け接合は、プレートに溝を切って各プレートの間にろう付け層を設けた平坦なプレートとして、シャワーヘッドを機械加工することを可能にする。溶接技術は、シーリングを必要とするすべての領域に溶接がアクセスするために、より複雑なサブ構成要素を必要とする。溶接がアクセス可能である部分の表面までシーリング領域を持ち上げるために、ポストおよび対応する穴が機械加工されてもよい。
【0060】
一部の例において、中間層165の上面が、1または複数の熱伝導流体プレナム140を規定し、中間層165の底面が、1または複数の二次ガスプレナム150を規定する。ただし、最上層163の底面が、1または複数の熱伝導流体プレナム140を部分的または完全に規定するために用いられてもよく、最下層167の上面が、1または複数の二次ガスプレナムを完全または部分的に規定するために用いられてもよい。
【0061】
一部の例において、プレナムおよびそれらの上下にある材料の厚さは、0.05インチ~0.25インチ(6.35mm)であるが、他の厚さが用いられてもよい。プレナムの間および上/下の材料の厚さは、製造に必要とされる流体圧力および材料厚さをサポートするのに必要な強度によって決定される。熱流体プレナム140の厚さは、流体の圧力降下を低減するようなサイズであってよい。二次ガスプレナム150のサイズは、各インジェクタ112への均一なガス分散を可能にするのに十分な大きさに選択されてよい。各層の厚さは、全体の厚さを削減することで貫通孔110内でのラジカルの損失を低減するために最小化されることが好ましい。
【0062】
一部の例において、最上層163および最下層167の厚さは、0.075インチ(1.905mm)~0.125インチ(3.175mm)の範囲であるが、他の厚さが用いられてもよい。一部の例において、最上層163および最下層167の厚さは、0.1インチであるが、他の厚さが用いられてもよい。一部の例において、中間層165の厚さは、0.4インチ(10.16mm)~0.6インチ(15.24mm)の範囲であるが、他の厚さが用いられてもよい。一部の例において、中間層165の厚さは、0.5インチ(12.7mm)であるが、他の厚さが用いられてもよい。一部の例において、シャワーヘッドの厚さは、1インチ(25.4mm)以下である。一部の例において、シャワーヘッドの厚さは、0.7インチ(17.78mm)以下である。
【0063】
図6および図7に、漏れ回収トレイ128が示されている。漏れ回収トレイ128は、熱流体ポート120、122の少なくとも一方の周りに配置された凹部を含む。一部の例において、凹部は円筒形であるが、他の形状が用いられてもよい。
【0064】
図8Aにおいて、一部の例は、シャワーヘッド40の半径方向外側縁部208から(近くでまたは半径方向内側に離間されて)基板36に向かって(かつ、貫通孔110および二次ガスインジェクタ112の半径方向外側で)下方に伸びる円筒壁210を備える。円筒壁210は、シャワーヘッド40と一体化されてもよいし、シャワーヘッド40に取り付けられてもよい。円筒壁210は、基板から見たシャワーヘッド40とチャンバ壁との間の熱均一性を改善する。円筒壁210は、壁と基板支持体34との間に流量制限を設けることによって、排出ポートのポンピングの非均一性を抑制するために用いられてもよい。一部の例において、円筒壁210は、基板支持体34の上面を含む平面の下方に伸びる。
【0065】
図8Bにおいて、一部の例は、シャワーヘッド40の半径方向外側縁部208から(近くでまたは半径方向内側に離間されて)(かつ、貫通孔110および二次ガスインジェクタ112の半径方向外側で)下向きに伸びる円筒壁211を備える。円筒壁211は、シャワーヘッド40の上面と一体化されてもよいし、シャワーヘッド40の上面に取り付けられてもよい。円筒壁211は、ラジカル源を取り付けるための取り付け面を提供する。
【0066】
ここで、図9図10を参照すると、1または複数の熱伝導流体プレナム140の構成例が示されている。図9には、中間層165の上面が示されている。1または複数の熱伝導流体プレナム140は、第1プレナム156-1を含む。一部の例において、第1プレナム156-1は、弓形であるが、その他の形状が用いられてもよい。一部の例では、複数の制限部158-1が、第1プレナム156-1の片側で互いに隣接して配置されている。複数の制限部158-1の各々の間の間隔は、第1プレナム156-1から第2プレナム156-2への流れを制限して分散させるように選択される。一部の例において、複数の制限部158-1の各々は、円形、楕円形、または、長円形の形状を有するポストを含むが、その他の形状が用いられてもよい。複数の制限部158-1は、流路160の間の流体流をより均一にするため、および、噴出効果を排除するために用いられてよい。あるいは、流路160の内の1または複数が、図10に示すように、流れを制御するために制限部164を備えてもよい。流路160が制限部164を備える場合、複数の制限部158-1を省略することができるため、第1および第2プレナム156-1および156-2を単一のプレナムとすることができる。
【0067】
第2プレナム156-2は、流路160の第1端に向かって開いている。一部の例において、流路160は、表面積を増大させるために、三角形、方形波、曲線、または、略正弦曲線の形状を有する。流路160の第2端はシャワーヘッド40の反対側に配置された第3プレナム156-3に接続されている。複数の制限部158-2が、第3プレナム156-3の片側に配置されている。複数の制限部158-2の各々は、第4プレナム156-4への流れを制限するために配置される。第4プレナム156-4は、流出口に接続されている。流路160が制限部164を備える場合、複数の制限部158-2を省略することができるため、第3および第4プレナム156-3および156-4を単一のプレナムとすることができる。
【0068】
一部の例において、熱流体流路160は、流量の10%以下のチャネル間不均一性を有する。一部の例において、熱流体の流量は、毎分10ガロンであり、シャワーヘッド表面全体を±1℃までに制御する。一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、質量流量の1%以下の流量不均一性を有する。一部の例において、二次ガスインジェクタ112は、質量流量の0.1%以下の不均一性を有する。
【0069】
図11では、中間層165の底面が示されている。1または複数の二次ガスプレナム150は、ガス流入口172と、第1プレナム176-1および第2プレナム176-2と流体連通する流路174と、を備える。第1複数の壁180が、第1プレナム176-1と第2プレナム176-2との間に配置されている。複数のスロット184が、第1プレナム176-1と第2プレナム176-2との間の流れを制限するために、複数の壁180の端部の間に配置されている。一部の例において、第1プレナム176-1はリング形状であり、第2プレナム176-2は円形であり、第1複数の壁180は弓形であるが、その他の形状が用いられてもよい。
【0070】
第2複数の壁190が、貫通孔110の周りに配置されている。一部の例において、第2複数の壁190は円筒形であるが、その他の形状が用いられてもよい。一部の例において、第2複数の壁190の上縁は、二次プレナム176-2と貫通孔110との間に真空シールを形成するために、結合領域を提供する。一部の例では、複数の制限部186が、第2プレナム176-2から下側チャンバ30への二次ガスの流れを制御するために、第2ガスインジェクタ112の流入口に提供される。
【0071】
一部の例において、スロット184は、スロット184での圧力降下ΔPスロットが圧力降下ΔP第1プレナムよりも大幅に大きくなるように、制限部186に対してサイズを決められる。一部の例において、ΔPスロットは、ΔP第1プレナムの20倍の大きさである。一部の例において、ΔPスロットは、ΔP第1プレナムの5倍の大きさである。
【0072】
ここで、図12図14を参照すると、別のシャワーヘッド40の中間部分300が、その片側に沿って配置された熱伝導流体流入口および流出口を備えることが図示されている。換言すると、流路は、流入口からシャワーヘッドを横切り、折り返してシャワーヘッドを横切って流出口へ至る。
【0073】
図12には、中間部分300の上面が示されている。流体流入口310が、流体流入プレナム320に接続されている。一部の例において、流体流入プレナム320は、弓形である。複数の流路330への流入口324が、流体流入プレナム320に接続されている。複数の流路330は、シャワーヘッド40全体を横切って、折り返した後に流入口324の内の隣接する流入口の間に配置された流出口334に戻る。流路330は、直線部分として図示されているが、直線ではない流路(上で示したようなものなど)が、表面積および熱伝導を増大させるために用いられてもよい(もしくは、直線および曲線の組みあわせが用いられてもよい)。
【0074】
流出口334は、中間部分300におけるガス導管338を通して、図13における中間部分300の底面側に配置された流出プレナム350へ至る。流出プレナム350は、流体流出口358に接続されている。理解できるとおり、中間部分300の底面は、図11に示したものと同様の二次ガスプレナムも備えてよい。導管338のサイズは、流路ごとの不均一な流量を補償してポスト158を用いるのと同じ均一性を達成するために変更されてよい。
【0075】
本明細書に記載の統合シャワーヘッドは、十分かつ均一なラジカルを供給し、遠隔プラズマ源からのイオンをフィルタリングし、均一な温度制御を提供し、均一な前駆体を供給する。一部の例において、上述の熱伝導流体流路を備えたシャワーヘッドによって提供される温度制御は、基板にわたる温度の不均一性を5℃未満まで抑制する。また、熱伝導流体流路は、上側チャンバ20の空間に含まれるプラズマから生成される熱を抑制することができる。シャワーヘッドは、さらに、下側チャンバに均一な前駆体供給を提供する内部二次ガスプレナムを備える。一部の例において、二次ガスプレナムからのガス流出口は、シャワーヘッド上への蒸着を最小限に抑えて洗浄の合間の時間を延ばすために、シャワーヘッドの底面からの所定の距離だけオフセットされる。
【0076】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0077】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係および機能的関係性が、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2要素の間の関係性を本開示で記載する時に、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性でありうるが、1または複数の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもありうる。本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0078】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(基板ペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体基板または基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外への基板移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0079】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体基板に対するまたは半導体基板のための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、基板の1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0080】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、基板処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0081】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体基板の加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0082】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこから基板のコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14