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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】リソグラフィシステム帯域幅制御
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/137 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
H01S3/137
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118361
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2020522873の分割
【原出願日】2018-10-29
(65)【公開番号】P2022153531
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】15/815,935
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アガーウォル,タヌジ
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0179677(US,A1)
【文献】特表2009-505396(JP,A)
【文献】特表2009-527124(JP,A)
【文献】特表2012-507048(JP,A)
【文献】特開平11-097768(JP,A)
【文献】特開平10-308547(JP,A)
【文献】特表2008-515230(JP,A)
【文献】特表2010-524256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0138631(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0016708(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380402(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
G01J 3/00-4/04
G01J 7/00-9/04
G01B 9/00-9/10
G01B 11/00-11/30
G01B 21/00-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ーザが動作することが可能な複数の繰り返し率から選択された第1の繰り返し率で動作するように構成されたレーザであって、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有するレーザと、
前記第1の繰り返し率が前記レーザによって直前に使用された第2の繰り返し率と実質的に同じであるかどうかを決定するように適合された比較モジュールと、
前記比較モジュールが、前記第1の繰り返し率が前記第2の繰り返し率と実質的に同じでないと決定した場合、前記第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する前記第2のチャンバ内の発射のタイミングに関する前記レーザの制御パラメータを変更するように適合された制御モジュールと、
を備える、装置。
【請求項2】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAの移動平均である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
使用される前記第2の繰り返し率が前記第1の繰り返し率と実質的に同じであった時以降の経過時間の量を決定するように適合されたタイミングモジュールを更に備え、前記制御モジュールは、前記タイミングモジュールによって決定された前記経過時間の量に少なくとも部分的に基づいて前記制御パラメータを変更するように更に適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、フィードフォワード利得を変更することによって、前記経過時間の量に少なくとも部分的に基づいて前記制御パラメータを変更するように更に適合される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
メモリを含む相関器を更に備え、前記メモリは、前記制御パラメータの値を前記複数の繰り返し率の各々と相関させるフィードフォワード相関データを記憶するように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記メモリは、前記フィードフォワード相関データを記憶するフィードフォワードルックアップテーブルを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、前記第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する前記第2のチャンバ内の発射のタイミングに関する制御パラメータに従って動作するように構成されたレーザと、
前記制御パラメータと前記制御パラメータの基準値との差の量が所定の量を超えるかどうかを決定するように適合されたモニタモジュールと、
前記制御パラメータと前記制御パラメータの前記基準値との差の量に少なくとも部分的に基づいて、前記制御パラメータを調整するように適合された制御パラメータ調整モジュールと、
を備える、装置。
【請求項9】
前記基準値は飽和値であり、前記制御パラメータ調整モジュールは、前記制御パラメータが前記飽和値と前記所定の量を超えて異ならないと前記モニタモジュールが決定した場合、前記制御パラメータが前記飽和値と前記所定の量を超えて異なるように、前記制御パラメータにオフセット値を追加することによって前記制御パラメータを調整するように適合される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAである、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAの移動平均である、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記制御パラメータ調整モジュールは、前記制御パラメータが前記基準値と前記所定の量を超えて異なると前記モニタモジュールが決定した場合、前記制御パラメータが前記基準値と前記所定の量未満異なるように、前記制御パラメータを調整して前記基準値に近づけるように適合される、請求項に記載の装置。
【請求項13】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
記制御パラメータは、タイミングパラメータDtMOPAの移動平均である、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[00001] 本願は、2017年11月17日出願の米国出願第15/815,935号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[00002] 開示された本主題は、集積回路フォトリソグラフィ製造プロセスに使用されるようなレーザ生成光源の制御に関する。
【背景技術】
【0003】
[00003] 半導体フォトリソグラフィのためのレーザ放射は、典型的には、例えば約500Hzから約6kHzのレンジ内で、指定された繰り返し率での一連のパルスとして供給される。繰り返し率の数のうちのいずれか1つでレーザを動作するオプションをユーザに提供することが有用である。しかしながら、こうした柔軟性を提供することから生じる技術的な課題が存在する。こうした課題の1つは、レーザが動作する繰り返し率(周波数)の関数である帯域幅共振として知られる現象を、レーザが呈示する可能性があるという事実から生じる。チャンバ内の共振は、何らかの繰り返し率で発生する可能性があり、共振周波数付近で、共振に近接する周波数における低い谷又は床を伴う、性能測定基準(例えば、帯域幅、ポインティング、発散度)の急増を生じさせる可能性がある。性能測定基準を規定範囲内で維持するために、アライメント中に追加の時間及び労力が必要となる可能性があるが、すべてのデータポイントが規定範囲内であるという条件で、共振の存在自体が許容可能であり得る。加えて、共振によって生じる性能測定基準内の最高対最低の差が、スキャナの設計及び制御について技術的な課題を生み出す可能性がある。
【0004】
[00004] 半導体フォトリソグラフィ(深紫外線(DUV)波長)に有用な周波数でレーザ放射を生成するための1つのシステムは、主発振器パワー増幅器(MOPA)デュアルガス放電チャンバ構成の使用を含む。こうした構成における帯域幅は、MOPAのパワー増幅器(PA)部分内のパルス(発射)に対して、MOPAの主発振器(MO)部分内のパルス(発射)の相対的なタイミングを制御することによって、帯域幅を制御する、高速帯域幅アクチュエータを使用して管理可能である。この相対的なタイミングは、MOPAタイミング、ΔtMOPA、又はDtMOPAなど、様々に呼ばれる。これらの省略表記法は、本明細書では、MOなどのシードレーザ、及び、PA又はPOなどの増幅器レーザ、又は他の増幅器レーザ構成における放電の発射の任意の微分タイミング制御についての省略として使用され、MOPA構成などの特定の構成に限定されない。こうした高速帯域幅アクチュエータは、例えば、2010年10月26日発行の「Method and Apparatus for Stabilizing and Tuning the Bandwidth of Laser Light」という名称の米国特許第7,822,084号に開示され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。他の例は、2012年3月27日発行の「System Method and Apparatus for Selecting and Controlling Light Source Bandwidth」という名称の米国特許第8,144,739号に見られ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。高速帯域幅アクチュエータは、帯域幅共振に起因して生じる帯域幅擾乱を含む、任意の帯域幅擾乱を制御することが意図される。しかしながら、この高速帯域幅アクチュエータは、典型的にはフィードバックコントローラとして実装され、したがって、実際の擾乱が存在した後にのみ応答する。しかしながら、1つの繰り返し率から別の繰り返し率への切り替えは、潜在的に帯域幅測定基準を規定から外すほどの大きさである瞬間的な擾乱を、帯域幅に導入する可能性がある。したがって、繰り返し率の変化に起因する大きな帯域幅過渡のリスクを緩和することが求められている。
【0005】
[00005] 上記のように、MOPAタイミングを高速アクチュエータとして使用することによって、帯域幅制御を提供することが可能である。このアクチュエータは限定レンジを有するため、帯域幅内で限定量の擾乱を取り扱うことのみが可能である。動作繰り返し率を含む様々な理由に起因して、定常状態帯域幅は、例えばレーザチャンバが最後にガスを補充(再充填)されてからの時間量の関数として、経時的に変化し得る。この変化は帯域幅内に一定オフセットを追加し、その後、一定オフセットは高速帯域幅アクチュエータによって補償される。オフセットは、MOPAタイミングをそのレンジの一端において飽和させ、帯域幅内に通常の変化に対処するための余地をほとんど又はまったく残さないほど、大きい可能性がある。この問題は、MOPAタイミングアクチュエータがそのアクティブレンジの中心付近になるまで帯域幅オフセットをゆっくりと導入する、アクティブ帯域幅安定化(ABS)を利用する、アクティブスペクトル制御(ASC)脱飽和技術によって改善される。アクティブスペクトル制御は、例えば、2012年1月17日発行の「Active Spectral Control of DUV Laser Light Source」という名称の米国特許第8,098,698号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ソリューションは、レーザが様々な繰り返し率のいずれか1つで動作可能なように構成されるとき、すなわち、レーザが繰り返し率機動性であるときにも影響を受ける。異なる繰り返し率は、帯域幅内に異なるそれぞれのオフセットを呈示する可能性がある。極端に異なる繰り返し率間で切り替えたときに帯域幅エラーを潜在的に増加させる結果となる可能性があるように、1つの繰り返し率についてMOPAを中心化することで、他の繰り返し率は中心外れとなる可能性がある。
【0006】
[00006] 本明細書又はその他の場所で確認されているかどうかに関わらず、問題のうちの少なくとも1つを取り除くか又は緩和すること、あるいは、既存の装置又は方法に対して代替を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
[00007] 下記に、本発明を基本的に理解するための1つ以上の実施形態の簡略化された要約を提示する。この要約は企図されるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の主要又は重大な要素を識別すること、あるいは、任意又はすべての実施形態の範囲を定めることは、意図されていない。後に提示するより詳細な説明の前段階として、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略的な形で提示することのみを目的とする。
【0008】
[00008] 一態様によれば、繰り返し率における変化に起因する帯域幅内の過渡は、DtMOPA対繰り返し率のフィードフォワードモデルを使用することによって、低減又は防止され、DtMOPAは、過渡を落ち着かせることができるほど十分に長い時間期間動作した、一定の繰り返し率での高速帯域幅アクチュエータの定常状態値である。このフィードフォワードモデルは、繰り返し率スキャンを実行すること、並びに、各繰り返し率についてDtMOPAの落着値を取得及び記憶することによって、初期化又は較正することができる。
【0009】
[00009] 別の態様によれば、較正は再充填後に実行され、ここで繰り返し率スキャンが実行され、帯域幅がロックされている間に、MOPAタイミング対繰り返し率のルックアップテーブルを構築する。スキャンされた繰り返し率はビン(例えば、約10Hz)に区分され、各繰り返し率ビンに1つのMOPAタイミング値が割り当てられる。ルックアップテーブルに記憶されるMOPAタイミング値は、帯域幅制御マージンを保つために制御可能な限界にないことが保証される。脱飽和がアクティブなとき、アクティブ帯域幅安定化は、繰り返し率における実際のMOPAタイミングと、その繰り返し率についてのルックアップテーブルからの値との間の差に応答して、制御される。共振挙動が変化しないままである場合、脱飽和は繰り返し率遷移全体にわたってシームレスに実行することになる。共振挙動が変化する場合、アクティブ帯域幅安定化によって導入される帯域幅オフセットは調整される。
【0010】
[00010] 別の態様によれば、脱飽和は、繰り返し率依存共振挙動に関する任意の先験的情報なしに実行される。これに代わって脱飽和は、ユーザの発射パターン、すなわち、いくつかの繰り返し率にわたる切り替えを含み得る繰り返し率の選択パターンに、少なくとも部分的に基づいて実行される。この結果として、1つが各繰り返し率に対応する、様々な定常状態値間でのMOPAタイミングジャンピングが生じることになる。繰り返し率のうちの1つが、MOPAタイミングがその制御可能レンジの限界に近いような場合、アクティブ帯域幅安定化は、MOPAタイミングをその限界から離してオフセットするように制御される。これにより、MOPAタイミングレンジのマージンが再確立される。
【0011】
[00011] 別の態様によれば、複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作するように構成されたレーザと、レーザの帯域幅を少なくとも部分的に制御するための制御信号を生成するように構成された帯域幅コントローラと、複数の繰り返し率の各々について制御信号の値を繰り返し率と相関させる、電気的に記憶されたフィードフォワード相関データを含む相関器と、レーザの少なくとも1つの動作パラメータを決定し、決定された動作パラメータをフィードフォワード値として相関器に供給するように構成された、モジュールとを備える、装置であって、相関器は、記憶されたフィードフォワード値に少なくとも部分的に基づいて、制御信号に対する調整を生成するように構成される、装置が開示される。レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し得、この場合、制御信号は、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射のタイミングを少なくとも部分的に制御する、発射タイミング制御信号DtMOPAであり得る。相関器は、DtMOPAに対する調整を生成するように構成可能である。DtMOPAに対する調整は、以下の式に従うものであり得、
DtMOPA+feedforward gain(FF(RRcurrent)-FF(RRprevious))
上式で、
DtMOPAは、第1及び第2のチャンバにおける発射の最新の実際の相対的なタイミングであり、
FF(RRcurrent)は、現在の繰り返し率についてのDtMOPAの記憶された値であり、
FF(RRprevious)は、前の繰り返し率についてのDtMOPAの記憶された値であり、
feedforward gainは、利得係数である。
【0012】
[00012] 別の態様によれば、相関器は、複数の繰り返し率の各々について制御信号の値を繰り返し率と相関させる相関データを記憶する、フィードフォワードルックアップテーブルとすることができる。少なくとも1つの動作パラメータは、現在の繰り返し率についてのDtMOPAの平均値である。
【0013】
[00013] 別の態様によれば、レーザが発射する時点での現在の繰り返し率を決定するステップと、現在の繰り返し率が直前の繰り返し率と実質的に同じであるかどうかを決定するステップと、現在の繰り返し率が直前の繰り返し率と実質的に同じでない旨を決定した場合、レーザの動作パラメータを変更するステップとを含む、方法が開示される。レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し得、この場合、動作パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに関して第2のチャンバ内の発射のタイミングを少なくとも部分的に制御する、発射タイミング制御値DtMOPAであり得る。方法は、使用される繰り返し率が現在の繰り返し率と実質的に同じであった最後の時点との間の経過時間の量を決定する追加ステップを含むことが可能であり、この場合、変更するステップは、経過時間の量を決定するステップに少なくとも部分的に基づいて動作パラメータを変更することを含むことができる。経過時間の量の決定に少なくとも部分的に基づいて動作パラメータを変更するステップは、フィードフォワード利得を変更することを含む。
【0014】
[00014] 別の態様によれば、複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作することが可能なレーザについて繰り返し率における変化を検出するステップと、繰り返し率における変化の検出の後、レーザの第1の動作パラメータを計算するステップと、計算された第1の動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の繰り返し率の各々について第2の動作パラメータの値を繰り返し率に相関させる電子的に記憶された相関データを更新するステップとを含む、方法が開示される。レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し得、この場合、第2の動作パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAとすることができる。電子的に記憶された相関データは、複数の繰り返し率の各々についてDtMOPAの値を繰り返し率と相関させる相関データを記憶する、フィードフォワードルックアップテーブルを含むことができる。動作パラメータは、DtMOPAの平均値又は帯域幅エラーとすることができる。更新するステップは、以下の関係を使用して実施可能であり、
FF[rrbin]=FF[rrbin]+gain(ΔDTMopaavg-ΔFF)
ΔDTMopaavg=DtMOPAavg(currentRR)-DtMOPAavg(previousRR))
ΔFF=FF[RR]-FF[RR last]
上式で、
FF[rrbin]は、繰り返し率rrに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値であり、
DtMOPAavg(current RR)は、現在の繰り返し率についての平均タイミング値であり、
DtMOPAavg(previous RR)は、直前の繰り返し率についての平均タイミング値であり、
FF[RR]は、繰り返し率RRに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値であり、
FF[RR last]は、直前の繰り返し率RR lastに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値である。
【0015】
[00015] 上記の平均は、ある数のパルスのウィンドウにわたって取られた移動平均として計算することができる。バルスの数は好ましくは小さいが、代表的な平均を提供するには十分である。
【0016】
[00016] 別の態様によれば、複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作することが可能なレーザについて、第1の繰り返し率から第2の繰り返し率までの繰り返し率における変化を検出するステップと、繰り返し率における変化が検出されたとき、第2の繰り返し率における制御パラメータが制御パラメータの飽和値とは十分に異なるかどうかを決定するステップと、第2の繰り返し率における制御パラメータが制御パラメータの飽和値と十分に異ならない場合、制御パラメータが飽和値と十分に異なるように、調整済み動作パラメータを取得するために動作パラメータを調整することによって、制御パラメータを修正するステップとを含む、方法が開示される。レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し得、この場合、制御パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAとすることができる。動作パラメータは、ABS技術によって導入される帯域幅オフセットとすることができる。
【0017】
[00017] 別の態様によれば、複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作することが可能なレーザについて、第1の繰り返し率から第2の繰り返し率までの繰り返し率における変化を検出するステップと、繰り返し率における変化が検出された場合、制御パラメータが第2の繰り返し率についての基準値に調整されるように、動作パラメータを調整するステップとを含む、方法が開示される。レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し得、この場合、制御パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAとすることができる。動作パラメータは、ABS技術によって導入される帯域幅オフセットとすることができる。
【0018】
[00018] 本発明の更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら下記で詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されるものではないことに留意されたい。こうした実施形態は、例示の目的のみで本明細書に提示されている。当業者であれば、本明細書に含まれる教示に基づいて追加の実施形態が明らかとなろう。
【0019】
[00019] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し説明とともに、更に本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるようにする働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】[00020]開示される主題の態様に従った、フォトリソグラフィシステム全体の広範な観念を示す、一定の縮尺でない概略図である。
図2】[00021]開示される主題の態様に従った、照明システム全体の広範な観念を示す、一定の縮尺でない概略図である。
図3】[00022]繰り返し率及び帯域幅エラーの関数としてDtMOPAを制御するためのシステム全体の広範な観念を示す、一定の縮尺でない概略図である。
図4A】[00023]開示される主題の態様に従った、繰り返し率の関数としてDtMOPAを制御する方法を示すフローチャートである。
図4B】[00023]開示される主題の態様に従った、繰り返し率の関数としてDtMOPAを制御する方法を示すフローチャートである。
図5A】[00024]開示される主題の態様に従った、DtMOPAの調整のレンジを制御する方法全体の広範な観念を示す、グラフ図である。
図5B】[00024]開示される主題の態様に従った、繰り返し率の関数としてDtMOPAを制御する方法を示すフローチャートである。
図6A】[00025]開示される主題の別の態様に従った、DtMOPAの調整のレンジを制御する方法全体の広範な観念を示す、グラフ図である。
図6B】[00025]開示される主題の態様に従った、繰り返し率の関数としてDtMOPAを制御する方法を示すフローチャートである。
【0021】
[00026] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照符号は全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。ある要素が最初に出現する図面は、対応する参照番号の左端の1つ又は複数の数字によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[00027] 次に、図面を参照しながら様々な実施形態を説明し、図面では全体を通じて同じ要素を指すために同じ参照番号が使用される。以下の記述では、1つ以上の実施形態の完全な理解を促進させるために、説明を目的として多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、いくつか又はすべての例において、以下で説明するいずれの実施形態も、以下で説明する具体的な設計詳細を採用することなく実践可能であることは明らかであり得る。他の例では、1つ以上の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。下記に、実施形態を基本的に理解するために、1つ以上の実施形態の簡略的な要約を提示する。この要約は、企図されるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の主要又は重大な要素を識別すること、あるいは、任意又はすべての実施形態の範囲を定めることは、意図されていない。
【0023】
[00028] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0024】
[00029] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を記載することができるが、そのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0025】
[00030] そのような実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実装され得る例示的な環境を提示することは有益である。
【0026】
[00031] 図1を参照すると、照明システム105を含むフォトリソグラフィシステム100である。下記でより完全に説明するように、照明システム105は、パルス光ビーム110を発生させ、これを、ウェーハ120上にマイクロ電子フィーチャをパターニングするフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115へと誘導する、光源を含む。ウェーハ120は、ウェーハ120を保持するように構築され、あるパラメータに従ってウェーハ120を正確に位置決めするように構成されたポジショナに接続された、ウェーハテーブル125上に配置される。
【0027】
[00032] フォトリソグラフィシステム100は、深紫外線(DUV)レンジ内の波長を有する、例えば、248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を伴う、光ビーム110を使用する。ウェーハ120上にパターニングされるマイクロ電子フィーチャのサイズは、光ビーム110の波長に依存し、より低い波長は、結果としてより小さな最小フィーチャサイズを生じさせる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmであるとき、マイクロ電子フィーチャの最小サイズは、例えば50nm又はそれ未満となり得る。光ビーム110の帯域幅は、その光学スペクトル(又は、発光スペクトル)の実際の瞬時帯域幅であり得、光ビーム110の光エネルギーが異なる波長を介してどのように分散されるかに関する情報を含む。スキャナ115は、例えば1つ以上のコンデンサレンズ、マスク、及び対物系配置を有する、光学配置を含む。マスクは、光ビーム110の光軸に沿って、又は光軸に対して垂直な平面内などの、1つ以上の方向に沿って移動可能である。対物系配置は投影レンズを含み、ウェーハ120上でのマスクからフォトレジストへの像転写を実行可能にする。照明システム105は、マスクに衝突する光ビーム110の角度レンジを調整する。照明システム105は、マスク全体にわたる光ビーム110の強度分布も均等化する(均一にする)。
【0028】
[00033] スキャナ115は、他のフィーチャの中でもとりわけ、リソグラフィコントローラ130、空調デバイス、及び様々な電気コンポーネントのための電源を含むことができる。リソグラフィコントローラ130は、層がウェーハ120上にどのようにプリントされるかを制御する。リソグラフィコントローラ130は、プロセスレシピなどの情報を記憶するメモリを含む。プロセスプログラム又はレシピは、ウェーハ120上の露光の長さ、使用されるマスク、並びに、露光に影響を与える他の要因を決定する。リソグラフィの間、光ビーム110の複数のパルスは、照明ドーズを構成するためにウェーハ120の同じエリアを照明する。
【0029】
[00034] フォトリソグラフィシステム100は、好ましくは制御システム135も含む。一般に、制御システム135は、デジタル電子回路要素、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ以上を含む。制御システム135は、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリとすることが可能な、メモリも含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有形に実施するのに適した記憶デバイスは、例を挙げると、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及び、CD-ROMディスクを含む、すべての形の不揮発性メモリを含む。
【0030】
[00035] 制御システム135は、1つ以上の入力デバイス(キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、マウス、ハンドヘルド入力デバイスなど)、及び1つ以上の出力デバイス(スピーカ又はモニタなど)も含むことができる。制御システム135は、1つ以上のプログラム可能プロセッサ、及び、1つ以上のプログラム可能プロセッサによる実行のために機械可読記憶デバイス内に有形に実施される1つ以上のコンピュータプログラム製品も含む。1つ以上のプログラム可能プロセッサは、各々、入力データ上で動作すること、及び適切な出力を生成することによって、所望の機能を実行するための命令のプログラムを実行することができる。一般に、プロセッサはメモリから命令及びデータを受信する。前述のいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか、又はこれに組み込まれることが可能である。制御システム135は、集中型であるか、あるいは、フォトリソグラフィシステム100全体にわたって部分的又は全体的に分散することができる。
【0031】
[00036] 図2を参照すると、例示的な照明システム105は、光ビーム110としてパルスレーザビームを発生させるパルスレーザ源である。図2は、厳密には、概して本発明の広範な原理の説明を容易にするためのコンポーネントの1つの特定の集団及び光路を示し、当業者であれば、本発明の原理が、他のコンポーネント及び構成を有するレーザに有利に適用可能であることが明らかとなろう。
【0032】
[00037] 図2は、開示される主題のある態様の実施形態に従い、ガス放電レーザシステムを例示的及びブロック図で示す。ガス放電レーザシステムは、例えば、ソリッドステート又はガス放電シードレーザシステム140、パワー増幅(「PA」)ステージ、例えばパワーリング増幅器(「PRA」)ステージ145、リレー光学系150、及び、レーザシステム出力サブシステム160を含むことができる。シードシステム140は、例えば、主発振器(「MO」)チャンバ165を含み得、MOチャンバ165内では、例えば電極(図示せず)間での放電が、当分野で既知のように、線狭まりモジュール(「LNM」)170において選択される、相対的に非常に狭い帯域幅及び中心波長まで線狭まりされ得る、相対的に広い帯域放射を発生させるための、例えば、Ar、Kr、又はXeを含む高エネルギー分子の反転分布を生み出すために、レージングガス中のレージングガス放電を生じさせる可能性がある。
【0033】
[00038] シードレーザシステム140は、主発振器出力カップラ(「MO OC」)175も含み得、MO OC 175は、LNM 170内の反射格子(図示せず)と共に発振器キャビティを形成する部分反射型ミラーを備え得、発振器キャビティ内では、シードレーザ140がシードレーザ出力パルスを形成する、すなわち、主発振器(「MO」)を形成するために発振する。システムは、線中心分析モジュール(「LAM」)180も含み得る。LAM 180は、微細波長測定のためのエタロンスペクトロメータ、及びより粗な解像度格子スペクトロメータを含み得る。MO波面エンジニアリングボックス(「WEB」)185は、MOシードレーザシステム140の出力を増幅ステージ145に向けてリダイレクトする働きをし得、また、例えばマルチプリズムビームエキスパンダ(図示せず)を伴う、例えばビームエクスパンド、及び、例えば光学遅延パス(図示せず)の形のコヒーレンスバスティングを含み得る。
【0034】
[00039] 増幅ステージ145は、PRA WEB 210に組み込むことが可能であり、ビーム逆転器220によってチャンバ200内の利得媒体を介して逆にリダイレクト可能な、例えばシードビーム注入及び出力結合光学系(図示せず)によって形成される、例えば発振器でもあり得るレージングチャンバ200を含み得る。PRA WEB 210は、(例えば、ArFシステムの場合およそ193nmでの)公称動作波長のための、部分反射型入力/出力カップラ(図示せず)及び最大反射型ミラー、並びに1つ以上のプリズムを組み込むことができる。
【0035】
[00040] 増幅ステージ145の出力側にある帯域幅分析モジュール(「BAM」)230は、増幅ステージからのパルスの出力レーザ光ビームを受け取り、例えば出力帯域幅及びパルスエネルギーを測定するために、メトロロジのための光ビームの一部をピックオフすることができる。次いで、パルスのレーザ出力光ビームは、光学パルスストレッチャ(「OPuS」)240、及び、パルスエネルギーメータの場所でもあり得る出力結合オートシャッタメトロロジモジュール(「CASMM」)250を通過する。OPuS240の1つの目的は、例えば、単一の出力レーザパルスをパルス列に変換することであり得る。元の単一の出力パルスから作り出される2次パルスは、互いに関して遅延され得る。元のレーザパルスエネルギーを2次パルスの列に分散させることによって、レーザの実効パルス長が拡張可能であり、同時にピークパルス強度が低減される。したがって、OPuS240は、BAM230を介してPRA WEB 210からレーザビームを受け取り、OPuS240の出力をCASMM250に誘導することができる。
【0036】
[00041] 上記で説明したようなシステムにおいて帯域幅が制御される1つの方式は、2つのレーザチャンバ、すなわち、パワー増幅器PAチャンバに関するシードステージ主発振器MOチャンバの、相対的な発射時間、DtMOPAを制御することによるものである。これは、図3に概略的に示されている。コントローラ300は、レーザ310によって使用されるべきDtMOPAの値を指定する。図示されたシステムにおいて、コントローラ300からの信号は、フィードフォワードテーブル330からの値ΔDTMによって、加算接合320において調整される。ΔDTMは、(1)その時の現在の繰り返し率及び(2)現在の繰り返し率の前の繰り返し率についての、フィードフォワードテーブル内に記憶されるDtMOPAの値における変化を表す。純粋なフィードフォワードモデルにおいて、値DtMOPAは、レーザ310の共振挙動の先験的理解に基づくものである。通常のレーザ動作の間、繰り返し率はバーストの第2のパルス上で識別可能である。繰り返し率が直前のバーストから変化した場合、フィードフォワードモデルは、新規の繰り返し率についてのDtMOPAと前の繰り返し率についてのDtMOPAとの間の差を計算するために使用される。次いで、この差はDtMOPAの現在の値に適用される。結果は、帯域幅における大きな過渡を防ぐために役立つDtMOPAにおける瞬時変化となる。フィードフォワードテーブルの構造の一部の例は、下記の通りであり得る。
【0037】
【表1】
【0038】
[00042] フィードフォワード制御の有効性は、フィードフォワードモデルがレーザの固有の共振挙動の良好な表現である範囲に依存する。実際には、固有の共振挙動は変化する可能性があり、フィードフォワードモデルは、もはや有効ではない想定される固有の共振挙動に基づくものとなる可能性がある。これにより、スプリアス効果が発生し、潜在的に過渡を不良にする可能性がある。このリスクを軽減するために、一実施形態に従った、新規の共振挙動を習得するための方法が提供される。この方法は、フィードフォワードが適用された後に、平均DtMOPAをフィードバックすることを含む。適応機構は、この平均DtMOPAを使用して、次に異なる繰り返し率から同じ繰り返し率が訪問されるときの過渡エラーの大きさを低減させるために、フィードフォワードテーブルを更新することができる。
【0039】
[00043] 別の実施形態によれば、フィードフォワード利得を使用して、以前に習得した共振挙動のうちのどの程度がフィードフォワードに使用されるかを制御する。例として、フィードフォワード利得は、0から1の間の値を用いて乗算可能であり、0はフィードフォワードが使用されないことを意味する。このフィードフォワード利得は、例えば、同じ繰り返し率の最も直近の使用(訪問)以降に経過した時間量に依存可能である。最近使用されたフィードフォワード適合は、依然として有効であるものと想定され得るため、より高い利得を割り当てることができる。これとは逆に、最近使用されていないフィードフォワード適合は、依然として有効である可能性が低いため、より低い利得を割り当てることができる。言い換えれば、フィードフォワード利得は、同じ繰り返し率への訪問間の時間間隔の持続時間が増加するにつれて単調に減少し得る。これとは逆に、フィードフォワード利得は、同じ繰り返し率への訪問間の時間間隔の持続時間が減少するにつれて単調に増加し得る。フィードフォワード利得は、所定の閾値を下回る時間間隔について1の値を有し、すべてのより長い時間間隔についてゼロの値を有する、ステップ関数などの、何らかの他の時間の関数であり得る。
【0040】
[00044] 図3の配置において、フィードフォワード適合モジュール340は、平均DtMOPAを計算し、平均DtMOPAの大きさを示す信号を、フィードフォワード適合のために使用すべき値としてフィードフォワードテーブル330に供給する。これらの平均は、少数の値のウィンドウを介する移動平均であり得る。フィードフォワードテーブルは信号を使用して、繰り返し率に関連付けられたDtMOPAの値、及び加算接合320に供給されるΔDTMの値を調整する。図に示されるように、フィードフォワード適合モジュール340は、レーザ310についての帯域幅エラーを検出するようにも構成可能である。フィードフォワードについての設定により、多くの例において、帯域幅エラーは相対的に小さく、受け入れ可能なレンジ内にあるものと想定することができる。しかしながら、帯域幅エラーは検出可能であるが、追加のフィードフォワード適合に使用可能である。子の方法は、フィードフォワードが適用された後に、帯域幅内の残余エラーをフィードバックすることを含む。フィードフォワードが不正確な場合、帯域幅過渡の大きさに測定可能な残余エラーが存在することになる。適応機構は、このエラーを使用して、次に異なる繰り返し率から同じ繰り返し率が訪問されるときの過渡エラーの大きさを低減させるために、フィードフォワードテーブルを更新することができる。
【0041】
[00045] 図3に示されるような配置において実施されるべきプロセスの例が、図4A及び図4Bに示されている。ステップS40において、レーザは1つのパルスを発射させる。ステップS42において、発射されたパルスがバーストの第2のパルスであったかどうかが決定される。繰り返し率を決定するためには少なくとも2つのパルスが必要であるため、ステップS42における決定が否定の場合、プロセスはステップS44に進み、パルスのその時の現在のバーストが終了したかどうかを決定する。ステップS44における決定が否定の場合、プロセスはステップS40に戻り、レーザが再度発射する。ステップS44における決定が肯定の場合、プロセスは、図4Bに関して説明するような適合手順に進む。ステップS44における決定が否定の場合、プロセスはステップS46に進み、現在の繰り返し率が決定される。
【0042】
[00046] 次に、ステップS48において、繰り返し率が変更されたかどうかが決定される。ステップS48において、現在の繰り返し率が変更されていないものと決定された場合、プロセスはステップS50に進み、プロセスに基づいてMOPAタイミングは調整されないが、他の手順によってMOPAタイミングを変更可能であることは理解されたい。
【0043】
[00047] ステップS48において繰り返し率が変更されたものと決定された場合、ステップS51において、フィードフォワード利得が計算される。この例におけるフィードフォワード利得は、現在の繰り返し率と同じ繰り返し率が訪問された以降に経過した時間に依存する。一実施形態において、同じ繰り返し率への最後の訪問以降の経過時間に対するフィードフォワード利得の依存度は、同じ繰り返し率への連続する訪問間時間が多いほど、フィードフォワード利得は減少し、その逆も真であるように、線形であり得る。フィードフォワード利得の計算後、ステップS52において、DtMOPAは今現在の繰り返し率について調整され、現在の繰り返し率は前の繰り返し率に設定される。すなわち、新規及び今現在の繰り返し率は、手順の次の反復にとって、前の繰り返し率として使用されるように設定される。DtMOPAに対する調整の一例は、下記の関係に従うことができる。
DtMOPA=DtMOPA+feedforward gain(FF(RRcurrent)-FF(RRprevious))
【0044】
[00048] 言わば、適用されるべきDtMOPAの値は、実際に使用されているDtMOPAの最も直近の値に、現在の繰り返し率RRcurrentについてのフィードフォワードテーブルからのDtMOPAと、前の繰り返し率RRpreviousについてのフィードフォワードテーブルからのDtMOPAの値との間の差に基づく調整であって、この差がフィードフォワード利得係数によって乗算される、調整を加えた値に等しい。
【0045】
[00049] 図4Bは、バーストの結果後にフィードフォワードテーブルを更新するために使用可能なプロセスを示す。ステップS54において、最後の繰り返し率変更以降の、MOPAタイミングの移動平均及び帯域幅エラーの移動平均(ABE)が計算される。この平均は、好ましくは、繰り返し率における最後の変更以降のすべてのパルスにわたって計算されるものではない。代わりに平均は、好ましくは、繰り返し率における最後の変更以降の最近のパルスにウィンドウにわたって計算される。ステップS56において、バーストについての繰り返し率が、フィードフォワードテーブルの最後の更新の前の繰り返し率とは異なるかどうかが決定され、帯域幅エラーの移動平均が所定の閾値(ABEMIN)以下であったかどうかも決定される。繰り返し率が変更されていないこと、又は、平均帯域幅エラーがしきい値を超えたことが決定された場合、ステップS57において、フィードフォワードテーブルは変更されない。他方で、ステップS56において、繰り返し率が変更されたこと、及び平均帯域幅エラーが所定の閾値未満であることが決定された場合、プロセスはステップS58に進み、現在の繰り返し率についてのフィードフォワードテーブルが初期化されたかどうかが決定される。ステップS58において、現在の繰り返し率についてのフィードフォワードテーブルが初期化されていないものと決定された場合、ステップS60において、現在の繰り返し率についてのフィードフォワードテーブルは、その時の現在の繰り返し率についての現在の平均DtMOPAを用いて初期化される。ステップS58において、フィードフォワードテーブルが初期化されたものと決定された場合、ステップS62において、その時の現在の繰り返し率についてのフィードフォワードテーブルが更新される。フィードフォワードテーブルを更新するための1つの方法は、下記の関係に従うことが可能であり、
FF[rrbin]=FF[rrbin]+gain(ΔDTMopaavg-ΔFF)
上式で、
ΔDTMopaavg=DtMOPAavg(current RR)-DtMOPAavg(previous RR))
ΔFF=FF[RR]-FF[RR last]
である。
【0046】
[00050] 言わば、フィードフォワードテーブル内に記憶される繰り返し率についての「ビン」についての値(例えば、10Hzビン)は、その繰り返し率についての前のビン値に、(1)利得係数と、(2)現在の繰り返し率についての平均DtMOPAと前の繰り返し率との差から、FF[RR]とFF[RR last]との差を引いた値との、積を加えた値、すなわち、現在及び直前の繰り返し率についてのフィードフォワードテーブルに記憶されるDtMOPA値に、等しく設定可能である。
【0047】
[00051] 次いで、ステップS64において、現在の繰り返し率は、手順の次の反復についての前の繰り返し率として使用されるものとして設定され、プロセスはステップS56に戻る。
【0048】
[00052] 実際のMOPAタイミングは、通常のドリフト並びに共振に応答するため、繰り返し率変更の前と後の平均MOPAタイミング間の差が使用される。
【0049】
[00053] 適合のためのフィードバック信号及び適合のための条件に関しては、繰り返し率における変更の後、フィードフォワードが正確でない場合、残余帯域幅エラーが存在する。残余エラーは、ASCの通常動作によって補償されることが予測される。ASCの通常動作が補償時に有効なとき、帯域幅エラーは所望の閾値(ABEmin)内まで低減する。その後、収束されたDtMOPA値は、フィードフォワードについての所望のターゲットであるものと見なすことができる。したがって、過渡収束後の平均DtMOPAは、適合のための信号と見なすことができる。帯域幅エラーを、DtMOPAから独立に、又はDtMOPAと組み合わせて、信号として使用することも可能である。
【0050】
[00054] 要約すると、少なくとも1つの実施形態に従い、MOPAタイミング対繰り返し率のルックアップテーブルが作成される。フィードフォワードルックアップテーブルは、繰り返し率変更時にMOPAタイミングフィードフォワード調整を供給する。フィードフォワード機構は、DtMOPAにおけるドリフトの存在で働くように構成可能である。フィードフォワードルックアップテーブルは、自動化及びオンライン様式で適応可能である。
【0051】
[00055] フィードフォワードモデルは、反復率依存MOPAタイミング脱飽和にも使用可能であり、帯域幅オフセットは、定常状態MOPAタイミングがフィードフォワード値近くにとどまるように、アクティブ帯域幅安定化技術を使用して調整可能である。これによって、1つの繰り返し率で脱飽和しながら、他の繰り返し率では脱飽和論理が飽和するのを防ぐ助けとなる。
【0052】
[00056] この手順を適応フィードフォワードに適合可能にするために、実際のDtMOPAではなくフィードフォワード信号上で脱飽和を実施することができる。適応フィードフォワードは、各繰り返し率について基準DtMOPAを変更する。すべての繰り返し率にわたって帯域幅内に均一なドリフトが存在する場合、適応フィードフォワードはドリフトに反応し、基準DtMOPAを効果的に変更することになる。これは、ドリフトが脱飽和率よりも高速である場合、より厳密になる。こうしたシナリオでは、基準DtMOPAが極値を達成しないようにすることが望ましく、したがって、通常の脱飽和ループが既にアクティブであり、現在のDtMOPAを基準DtMOPAにするように試行している間、制御可能レンジ内で維持するために、別の脱飽和ループを基準DtMOPA上に提供することが望ましい可能性がある。基準DtMOPA上の新規の脱飽和ループは、基準DtMOPAが極値に近過ぎると思われる場合は必ず、通常の脱飽和を無効にするように構成可能である。
【0053】
[00057] 適合の1つの形は、脱飽和ターゲットが各繰り返し率について異なるMOPAタイミング値である場合、繰り返し率依存であり得る。適合の別の形は、代わりに、MOPAタイミングがその限界に接近することに応答して、自動帯域幅安定化技術を使用して、帯域幅オフセットが調整される、脱飽和ターゲットが存在する場合、繰り返し率非依存ASC脱飽和であり得る。
【0054】
[00058] 次に、これらのプロセスを、図5A及び図5B並びに図6A及び図6Bに関連して説明する。初めに図5Aを参照すると、繰り返し率へのDtMOPAの依存度を示す曲線が示されている。背景では、垂直方向中央の明るい影付き領域が、DtMOPAが最も容易に制御可能なレンジである。上部及び下部のより暗い影付き領域が、マージンDtMOPA可制御性の、すなわち飽和に接近したエリアである。ユーザが「1」で示された繰り返し率で動作している場合、DtMOPAは、十分その制御可能ゾーン内にある。しかしながら、ユーザが繰り返し率2に切り替えた場合、DtMOPAはその制御可能ゾーンの外側になる(飽和される)。この例では、アクティブ帯域幅安定化は、制御可能ゾーンを移動させるオフセットを追加するため、DtMOPA対繰り返し率曲線は、一番上の曲線によって示されるように、再度制御可能ゾーン内となる。その後ユーザが繰り返し率3に切り替えた場合、この繰り返し率でのDtMOPAは上部マージンより上であり、アクティブ帯域幅安定化は、この繰り返し率にあるDtMOPAが明るい影付き領域内に入るまで、制御可能ゾーンを移動させるオフセットを追加する。この結果、背景に関して中央の曲線内に示されるような関係が生じる。このプロセスは、ユーザがレーザを動作させる各繰り返し率について続行される。制御可能レンジが十分である場合、最終的に、すべての訪問される繰り返し率についてのDtMOPAは、最も制御可能な明るい影付き領域内に集中されることになる。
【0055】
[00059] 図5Bは、このプロセスの可能な実施のステップを示すフローチャートである。ステップS70において、DtMOPAが、現在の繰り返し率についてその制御可能レンジ内にあるかどうかが決定される。DtMOPAが、現在の繰り返し率についてその制御可能レンジ内にある場合、プロセスに更なるアクションの必要はない(ステップS72)。DtMOPAが、現在の繰り返し率についてその制御可能レンジ内にない場合、ステップS74において、ABS帯域幅オフセットが調整され、DtMOPAを制御可能レンジ内に戻るように移動させる。
【0056】
[00060] 代替として、また初めに図6Aを参照すると、繰り返し率へのDtMOPAの依存度を示す曲線が示されている。背景では、垂直方向中央の明るい影付き領域が、DtMOPAが最も容易に制御可能なレンジである。上部及び下部のより暗い影付き領域が、マージンDtMOPA可制御性の、すなわち飽和に接近したエリアである。この方法では、破線で示されるような、各繰り返し率についてのDtMOPA基準値が存在する。ユーザが「1」で示された繰り返し率で動作している場合、DtMOPAは、その繰り返し率での基準値に一致するように調整される。ユーザが繰り返し率2に切り替えた場合、DtMOPAはその繰り返し率での基準値に一致するように、再度調整される。その後、ユーザが繰り返し率3に切り替えた場合、DtMOPAはその繰り返し率での基準値に一致するように、再度調整される。このプロセスは、ユーザがレーザを動作させる各繰り返し率について続行される。制御可能レンジが十分であり、繰り返し率に関して帯域幅共振挙動の形状が変化しない場合、最終的に、すべての訪問される繰り返し率についてのDtMOPAは、基準DtMOPAと一致することになる。
【0057】
[00061] 図6Bは、このプロセスの可能な実施のステップを示すフローチャートである。ステップS76において、現在の繰り返し率が取得される。ステップS78において、その繰り返し率についての実際のDtMOPAが、その繰り返し率についての基準DtMOPAと異なるかどうかが決定される。その繰り返し率についての実際のDtMOPAが、その繰り返し率についての基準DtMOPAと同じである場合、プロセスに更なるアクションの必要はない(ステップS80)。その繰り返し率についての実際のDtMOPAが、その繰り返し率についての基準DtMOPAと異なる場合、ABSオフセットは、その繰り返し率についての実際のDtMOPAがその繰り返し率についての基準DtMOPAと同じになるように調整される。
【0058】
[00062] 上記の説明は、複数の実施形態の例を含む。もちろん、前述の実施形態を説明するために、コンポーネント又は方法論の考え得るあらゆる組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者であれば、様々な実施形態の多くの更なる組み合わせ及び並べ替えが可能であることを理解されよう。したがって、説明した実施形態は、添付の特許請求の趣旨及び範囲内に入るすべてのこうした変更、修正、及び変形を包含することが意図される。更に、「含む」という用語が詳細な説明又は特許請求の範囲内で使用される範囲内において、こうした用語は、「備える」という用語が請求項内で遷移語として採用される場合に解釈されるような「備える」と同様に包括的であるものと意図される。更に、説明した態様及び/又は実施形態の要素は、単数形で記述又は請求され得るが、単数への限定が明示的に示されていない限り複数も企図される。加えて、任意の態様及び/又は実施形態のすべて又は一部は、特段の記載がない限り、任意の他の態様及び/又は実施形態のすべて又は一部と共に利用可能である。
【0059】
[00063] 本発明の他の態様を、下記の番号付けされた条項で記載する。
【0060】
1. 装置であって、
複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作するように構成されたレーザと、
レーザの帯域幅を少なくとも部分的に制御するための制御信号を生成するように構成された帯域幅コントローラと、
複数の繰り返し率の各々について制御信号の値を繰り返し率と相関させる、電気的に記憶されたフィードフォワード相関データを含む相関器と、
レーザの少なくとも1つの動作パラメータを決定し、決定された動作パラメータをフィードフォワード値として相関器に供給するように構成された、モジュールと、
を備え、
相関器は、フィードフォワード値に少なくとも部分的に基づいて、制御信号に対する調整を生成するように構成される、
装置。
2. レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、制御信号は、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射のタイミングを少なくとも部分的に制御する、発射タイミング制御信号DtMOPAである、条項1に記載の装置。
3. 相関器は、DtMOPAに対する調整を生成するように構成される、条項2に記載の装置。
4. 相関器は、以下の式に従ったDtMOPAに対する調整を生成するように構成され、
DtMOPA+feedforward gain(FF(RRcurrent)-FF(RRprevious))
上式で、
DtMOPAは、第1及び第2のチャンバにおける発射の実際の相対的なタイミングであり、
FF(RRcurrent)は、現在の繰り返し率についてのDtMOPAの記憶された値であり、
FF(RRprevious)は、前の繰り返し率についてのDtMOPAの記憶された値であり、
feedforward gainは、利得係数である、
条項3に記載の装置。
5. 相関器は、複数の繰り返し率の少なくともいくつかについて制御信号の値を繰り返し率と相関させる相関データを記憶する、フィードフォワードルックアップテーブルである、条項1に記載の装置。
6. 少なくとも1つの動作パラメータは、現在の繰り返し率についてのDtMOPAの移動平均値である、条項2に記載の装置。
7. 方法であって、
レーザが発射する時点での現在の繰り返し率を決定するステップと、
現在の繰り返し率が直前の繰り返し率と実質的に同じであるかどうかを決定するステップと、
現在の繰り返し率が直前の繰り返し率と実質的に同じでないと決定された場合、レーザの制御パラメータを変更するステップと、
を含む、方法。
8. レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、制御パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに関して第2のチャンバ内の発射のタイミングを少なくとも部分的に制御する、発射タイミング制御値DtMOPAである、条項7に記載の方法。
9. 使用される繰り返し率が現在の繰り返し率と実質的に同じであった最後の時点との間の経過時間の量を決定する追加ステップを含み、変更するステップは、経過時間の量を決定するステップに少なくとも部分的に基づいて動作パラメータを変更するステップを含む、条項7に記載の方法。
10. 経過時間の量の決定に少なくとも部分的に基づいて制御パラメータを変更するステップは、フィードフォワード利得を変更するステップを含む、条項9に記載の方法。
11. 方法であって、
複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作することが可能なレーザについて繰り返し率における変化を検出するステップと、
繰り返し率における変化の検出の後、レーザの第1の動作パラメータを計算するステップと、
計算された第1の動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数の繰り返し率の各々について第2の動作パラメータの値を繰り返し率に相関させる電子的に記憶された相関データを更新するステップと、
を含む、方法。
12. レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、第2の動作パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAである、条項11に記載の方法。
13. 電子的に記憶された相関データは、複数の繰り返し率の各々についてDtMOPAの値を繰り返し率と相関させる相関データを記憶する、フィードフォワードルックアップテーブルを含む、条項12に記載の方法。
14. 第1の動作パラメータは、DtMOPAの平均値である、条項12に記載の方法。
15. 第1の動作パラメータは、帯域幅エラーの平均値である、条項12に記載の方法。
16. 更新するステップは、以下の関係を使用して実施され、
FF[rrbin]=FF[rrbin]+gain(ΔDTMopaavg-ΔFF)
ΔDTMopaavg=DtMOPAavg(current RR)-DtMOPAavg(previous RR))
ΔFF=FF[RR]-FF[RR last]
上式で、
FF[rrbin]は、繰り返し率rrに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値であり、
DtMOPAavg(current RR)は、現在の繰り返し率についての移動平均タイミング値であり、
DtMOPAavg(previous RR)は、直前の繰り返し率についての平均タイミング値であり、
FF[RR]は、繰り返し率RRに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値であり、
FF[RR last]は、更新の直前の繰り返し率RRlastに関連付けられたビン内の発射の相対的なタイミングについて記憶された値である、
条項12に記載の方法。
17. 方法であって、
制御パラメータが制御パラメータの飽和値と十分に異なるかどうかを決定するステップと、
制御パラメータが制御パラメータの飽和値と十分に異ならないと決定された場合、飽和値と十分に異なる調整済み制御パラメータを取得するために、制御パラメータを調整する動作パラメータにオフセット値を追加するステップと、
を含む、方法。
18. レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、制御パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAである、条項17に記載の方法。
19. 動作パラメータは調整可能な帯域幅オフセットである、条項17に記載の方法。
20. 方法であって、
複数の繰り返し率のうちのいずれか1つで動作することが可能なレーザについて、現在の繰り返し率を検出するステップと、
制御パラメータが現在の繰り返し率についての基準値に近いように、動作パラメータを調整するステップと、
を含む、方法。
21. レーザは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、制御パラメータは、第1のチャンバ内の発射のタイミングに対する第2のチャンバ内の発射の時点に関する、タイミングパラメータDtMOPAである、条項19に記載の方法。
22. 動作パラメータは帯域幅オフセットである、条項20に記載の方法。
【0061】
[00064] 他の実施は、下記の特許請求の範囲内である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B