(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】発光装置及び発光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20240802BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240802BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240802BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20240802BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240802BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/58
H01L33/50
H01L33/54
F21S2/00 482
(21)【出願番号】P 2022074306
(22)【出願日】2022-04-28
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐太
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0242366(US,A1)
【文献】特開2008-294224(JP,A)
【文献】特開2019-009223(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0077253(KR,A)
【文献】特開2012-169189(JP,A)
【文献】特表2012-516044(JP,A)
【文献】特開2017-073477(JP,A)
【文献】特開2020-047870(JP,A)
【文献】特開2020-053642(JP,A)
【文献】特開2020-202364(JP,A)
【文献】特開2021-036621(JP,A)
【文献】特開2021-145118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第1発光素子を含む第1光源部と、上面視において前記第1光源部を囲むように前記第1光源部の外側に配置され、
互いに直列接続または並列接続された複数の第2発光素子を含
み、前記複数の第2発光素子のすべてが一括して発光する第2光源部と、を有する光源と、
前記第1光源部の上方に配置される1以上の第1透光層と、
前記第2光源部の上方に配置される1以上の第2透光層と、
前記複数の第2発光素子のそれぞれの間に配置される光反射性部材と、
前記1以上の第2透光層のうち1つの第2透光層の下方において、前記隣り合う第2発光素子の間に配置された透光性部材と、
を備え、
前記1以上の第2透光層のうち
前記1つの第2透光層は、上面視において、前記複数の第2発光素子のうち隣り合う第2発光素子と、前記隣り合う第2発光素子間に配置される前記光反射性部材と、の上方に跨がって配置される発光装置。
【請求項2】
前記1以上の第2透光層は3以上であり、
前記3以上の第2透光層は、上面視において、等間隔に配置される請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記1以上の第2透光層は1つであり、
1つの前記第2透光層は、上面視において、前記複数の第2発光素子の全面に跨って配置される請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2発光素子の平面サイズは、前記第1発光素子の平面サイズよりも大きい請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記透光性部材は、蛍光体または光拡散材を含む請求項
1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2発光素子と前記第2透光層との間には透光性の接合部材が配置される請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の第2発光素子は、前記隣り合う第2発光素子以外に1つの第2発光素子を含み、
前記1つの第2発光素子の上方には前記接合部材を介して2つ以上の前記第2透光層が配置される請求項
6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光反射性部材は、さらに前記2つ以上の第2透光層の間に配置され、
前記接合部材は、前記1つの第2発光素子の側面を被覆しつつ、前記2つ以上の第2透光層の間にある前記光反射性部材の下方に配置される請求項
7に記載の発光装置。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置と、
前記光源の発光を制御し、前記第2光源部の発光を一括して制御可能な発光制御部と、を備える発光モジュール。
【請求項10】
第1発光素子と、
前記第1発光素子の周囲に配置され、
互いに直列接続または並列接続され、すべてが一括して発光する、隣り合う少なくとも2つの第2発光素子と、
前記2つの第2発光素子の間に配置される光反射性部材と、
前記第1発光素子の上方に配置される第1透光層と、
前記光反射性部材の上方であって、かつ、前記2つの第2発光素子の上方に跨がるように配置される第2透光層と、
第2透光層の下方において、前記2つの第2発光素子の間に配置された透光性部材と、
を備える発光装置。
【請求項11】
前記第2発光素子の平面サイズは、前記第1発光素子の平面サイズよりも大きい請求項
10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記透光性部材は、蛍光体または光拡散材を含む請求項
10または11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第2発光素子と前記第2透光層との間には透光性の接合部材が配置される請求項
10または
11に記載の発光装置。
【請求項14】
前記発光装置は、さらに複数の第3透光層を備え、
前記少なくとも2つの第2発光素子は、前記2つの第2発光素子以外に1つの第2発光素子を含み、
前記1つの第2発光素子の上方には前記接合部材を介して2つ以上の前記第3透光層が配置される請求項
13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記光反射性部材は、さらに前記2つ以上の第3透光層の間に配置され、
前記接合部材は、前記1つの第2発光素子の側面を被覆しつつ、前記2つ以上の第3透光層の間にある前記光反射性部材の下方に配置される請求項
14に記載の発光装置。
【請求項16】
請求項
10または11に記載の発光装置と、
前記隣り合う少なくとも2つの第2発光素子を一括して制御可能な発光制御部と、を備える発光モジュール。
【請求項17】
前記第2発光素子の上面視における形状は、長方形状である請求項1または10に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及び発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、基板上にマトリクス状に配置された複数の発光素子を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、隣り合う発光素子間の暗部による照射ムラを低減できる発光装置及び発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、発光装置は、1以上の第1発光素子を含む第1光源部と、上面視において前記第1光源部を囲むように前記第1光源部の外側に配置され、一括して発光する複数の第2発光素子を含む第2光源部と、を有する光源と、前記第1光源部の上方に配置される1以上の第1透光層と、前記第2光源部の上方に配置される1以上の第2透光層と、前記複数の第2発光素子のそれぞれの間に配置される光反射性部材と、を備え、前記1以上の第2透光層のうち1つの第2透光層は、上面視において、前記複数の第2発光素子のうち隣り合う第2発光素子と、前記隣り合う第2発光素子間に配置される前記光反射性部材と、の上方に跨がって配置される。
【0006】
本開示の一態様によれば、発光装置は、第1発光素子と、前記第1発光素子の周囲に配置され、一括して発光する、隣り合う少なくとも2つの第2発光素子と、前記2つの第2発光素子の間に配置される光反射性部材と、前記第1発光素子の上方に配置される第1透光層と、前記光反射性部材の上方であって、かつ、前記2つの第2発光素子の上方に跨がるように配置される第2透光層と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る実施形態によれば、隣り合う発光素子間の暗部による照射ムラを低減できる発光装置及び発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置の模式上面図である。
【
図2A】
図1のIIA-IIA線における模式断面図である。
【
図2B】
図1のIIB-IIB線における模式断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る第1光源部および第2光源部のみを示す模式上面図である。
【
図4A】第2実施形態に係る発光装置の模式上面図である。
【
図4B】
図4AのIVB-IVB線における模式断面図である。
【
図5A】第3実施形態に係る発光装置の模式上面図である。
【
図6】第4実施形態に係る発光装置の模式上面図である。
【
図7】
図6のVII-VII線における模式断面図である。
【
図8】実施形態の発光モジュールの模式上面図である。
【
図9】実施形態の発光モジュールの模式断面図である。
【
図10A】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10B】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10C】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10D】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10E】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10F】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10G】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10H】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図10I】第4実施形態の発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11A】第4実施形態の変形例による発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11B】第4実施形態の変形例による発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11C】第4実施形態の変形例による発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【
図11D】第4実施形態の変形例による発光装置の製造方法の一工程を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態に係る発光装置および発光モジュールについて説明する。以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置および発光モジュールを例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0010】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(または下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(または下方)に位置している場合も含む。
【0011】
以下に示す図でX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合がある。X軸に沿うX方向は、実施形態に係る発光装置の発光面内での所定方向を示す。Y軸に沿うY方向は、上記発光面内においてX方向に直交する方向を示す。Z軸に沿うZ方向は、上記発光面に直交する方向を示すものとする。すなわち、発光装置の発光面はXY平面に平行であり、Z軸はXY平面に直交する。また、実施形態において、第1方向と、第1方向と交差する第2方向と、第1方向および第2方向と交差する第3方向と、を用いて各部材を説明することがある。実施形態において、第1方向をX軸に沿う方向とし、第2方向をY軸に沿う方向とし、第3方向をZ軸に沿う方向として説明する場合がある。なお、第1方向、第2方向および第3方向は、必ずしもX軸、Y軸およびZ軸に沿う必要はない。
【0012】
[第1実施形態]
本開示に係る第1実施形態の発光装置1は、第1光源部10と、上面視において第1光源部10を囲むように第1光源部10の外側に配置される第2光源部20と、を有する光源100と、第1光源部10の上方に配置される1以上の第1透光層31と、第2光源部20の上方に配置される1以上の第2透光層32と、光反射性部材60とを備える。
【0013】
以下、第1実施形態に係る発光装置1の各構成部材について、
図1~3を参照して説明する。上面視における発光装置1の発光面における一の方向、例えばX方向を第1方向Xとする。発光装置1の発光面において第1方向Xと交差する方向、例えばY方向を第2方向Yとする。第1発光素子11から第1透光層31に向かう方向、又は第2発光素子21から第2透光層32に向かう方向を第3方向Zとする。
【0014】
<光源>
光源100は、第1光源部10と第2光源部20とを有する。第1光源部10は、1以上の第1発光素子11を含む。第1実施形態においては、第1光源部10は、複数の第1発光素子11を含む。
図1及び
図3に示す例では、4つの第1発光素子11が、第1方向X及び第1方向Xと交差する第2方向Yに整列されている。第1発光素子11の形状、配置および個数はこれに限定されるものではない。第1発光素子11は、少なくとも1つあればよく、第1発光素子11の形状、配置および個数は、発光装置1の用途等に応じて適宜変更可能である。
【0015】
第2光源部20は、上面視において第1光源部10を囲むように第1光源部10の外側に配置されている。第2光源部20は、一括して発光する複数の第2発光素子21を含む。複数の第2発光素子21は、上面視において第1発光素子11の周囲に配置され、隣り合う少なくとも2つの第2発光素子21を含む。
【0016】
複数の第2発光素子21は、一括して発光する。これにより、複数の第2発光素子21のすべてが発光した状態と、複数の第2発光素子21のすべてが非発光の状態とが一括して切り替えられる。複数の第2発光素子21の一括した点灯または消灯は、例えば、後述する発光制御部201により制御可能である。複数の第2発光素子21を一括して点灯または消灯することにより、第2光源部20に割り当てられる発光制御部201のチャネル数が1つになり、光源100と発光制御部201との配線の引き回しが容易になる。複数の第2発光素子21は、それぞれが直列接続されてよく、それぞれが並列接続されてよく、または直列接続と並列接続を組み合わせた接続であってよい。1以上の第1発光素子11は、それぞれが直列接続されてよく、それぞれが並列接続されてよく、または直列接続と並列接続を組み合わせた接続であってよい。例えば、1以上の第1発光素子11をそれぞれ並列接続することで、発光制御部201により各第1発光素子11を個別に制御可能である。これにより、各第1発光素子11を所望の明るさで個別に点灯することができ、第1光源部10の照射光におけるコントラストを向上させることができる。
【0017】
本実施形態に係る発光装置1は、例えば撮像装置のフラッシュ光源として用いることができる。撮像装置は、例えば携帯通信端末に搭載される。本実施形態に係る発光装置1を撮像装置のフラッシュ光源として用いる場合は、例えば、第1光源部10と第2光源部20の両方を発光させる広角モードと、第1光源部10を発光させ、第2光源部20を発光させない挟角モードとを切り替えて光を照射可能である。挟角モードは、広角モードよりも光の照射角が狭い。広角モードと挟角モードに対応して発光装置1が照射光を切り替え可能であることで、例えば、撮像装置における接写や望遠等の撮影モードに応じた撮影を行うことが可能となる。
【0018】
撮像装置のフラッシュ光源として本実施形態に係る発光装置1を用いる場合、例えば、第1光源部10における各第1発光素子11の照射を個別に制御し、第2光源部20における各第2発光素子21の照射を一括して制御する。そして、広角モードでは第1光源部10および第2光源部20の双方により照射を行い、挟角モードでは第1光源部10のみにより照射を行う。この形態によれば、広角モードにおいては、画角の中央部分に対して第1光源部10の個別に制御される各第1発光素子11の照射によりコントラストの高い照射が可能になるとともに、背景等に対応する画角の縁部分に対して第2光源部20の照射により明るさを補うことができる。また、挟角モードにおいては、第1光源部10の個別に制御される各第1発光素子11の照射により画角全体に対してコントラストの高い照射が可能となる。なお、発光装置1は、第1光源部10および第2光源部20以外に、第2光源部20の外側に配置される第3光源部等を備えていてよい。第1光源部10、第2光源部20および第3光源部を備える発光装置は、すべての光源部により照射を行うことで、例えば超広角モードに対応した照射をすることができる。
【0019】
図1及び
図3に示す例では、第2光源部20は、4つの第2発光素子21を含む。4つの第2発光素子21は、第1方向Xに延びる長方形状の2つの第2発光素子21Aと、第2方向Yに延びる長方形状の2つの第2発光素子21Bとを含む。2つの第2発光素子21Aは、第2方向Yにおいて離れて位置する。2つの第2発光素子21Bは、第1方向Xにおいて離れて位置する。第2発光素子21Aの第1方向Xの長さは、第2発光素子21Aの第2方向Yの長さよりも長い。第2発光素子21Bの第2方向Yの長さは、第2発光素子21Bの第1方向Xの長さよりも長い。上面視において、第1光源部10は、第1方向Xにおいて離れて位置する2つの第2発光素子21Bの間、及び第2方向Yにおいて離れて位置する2つの第2発光素子21Aの間に位置する。上面視において、第2発光素子21Aと第2発光素子21Bとは、隙間101を隔てて第1方向Xにおいて隣り合う。第1実施形態に係る光源100において、隙間101は、第2発光素子21Aの第2方向Yに延びる側面と、第2発光素子21Bの第2方向Yに延びる側面との間に位置する。
【0020】
上面視において、隣り合う第2発光素子21間の隙間101は、狭いことが好ましい。隣り合う第2発光素子間の隙間101とは、上面視において、2つの第2発光素子21の対向する面同士の離隔距離とすることができる。隣り合う第2発光素子21間の隙間101は、第2発光素子21の長手方向の長さに対して、例えば、0.01倍以上0.16倍以下であり、0.02倍以上0.08以下である。隣り合う第2発光素子21間の隙間101は、例えば、10μm以上200μm以下であり、20μm以上100μm以下であることが好ましい。隣り合う第2発光素子21間の隙間101を上記に設定することで、第2発光素子21間の暗部となる領域を小さくすることができる。
【0021】
図3に示すように、第1方向Xにおいて、各第1発光素子11の中心を通り第2方向Yに延びる中心線C1間の距離dX1と、第1発光素子11と隣接する第2発光素子21Bの中心を通り第2方向Yに延びる中心線C2と中心線C1との距離dX2は、略等しいことが好ましい。同様に、第2方向Yにおいて、各第1発光素子11の中心を通り第1方向Xに延びる中心線C3間の距離dY1と、第1発光素子11と隣接する第2発光素子21Aの中心を通り第1方向Xに延びる中心線C4と中心線C3との距離dY2は、略等しいことが好ましい。ここで、略等しいとは、±5%以下の誤差を含むものとする。
【0022】
なお、第2光源部20は、上面視において、第1光源部10を囲むように第1光源部10の外側に配置されていればよく、第2光源部20を構成する第2発光素子21の形態は上記の形態に限られない。第2発光素子21の形状、配置および個数はこれに限定されるものではない。第2発光素子21は、少なくとも2つあればよく、第2発光素子21の形状、配置および個数は、発光装置1の用途等に応じて適宜変更可能である。
【0023】
図2Aに示すように、第1発光素子11は、半導体構造体11aと、半導体構造体11aの下方に配置された電極11bとを有する。
図3に示すように、第1発光素子11は、第2方向Yに離れて位置する2つの電極11bを有する。2つの電極11bのうち一方はアノード電極、他方はカソード電極として機能する。2つの電極11bは、第1方向Xに離れて位置してもよい。また、2つの電極11bは、第1方向X及び第2方向Yに傾斜した方向に離れて位置してもよい。半導体構造体11aは、支持基板と支持基板上に配置される半導体層とを含んでいてよい。この場合、支持基板、半導体層および電極11bが順に配置される。第1発光素子11の電極11bの数は、3つ以上であってもよい。
【0024】
第2発光素子21は、半導体構造体21aと、半導体構造体21aの下方に配置された電極21bとを有する。
図3に示すように、第2発光素子21Aは、第1方向Xに離れて位置する2つの電極21bを有する。第2発光素子21Bは、第2方向Yに離れて位置する2つの電極21bを有する。第2発光素子21が有する2つの電極21bのうち、一方はアノード電極、他方はカソード電極として機能する。2つの電極21bは、第1方向X及び第2方向Yに傾斜した方向に離れて位置してもよい。半導体構造体21aは、支持基板と支持基板上に配置される半導体層とを含んでいてよい。この場合、支持基板、半導体層および電極21bが順に配置される。第2発光素子21の電極21bの数は、3つ以上であってもよい。
【0025】
半導体構造体11a及び半導体構造体21aは、窒化物半導体を含む。本明細書において窒化物半導体とは、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)で表される化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。また、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素をさらに含むもの、半導体の導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むものも窒化物半導体に含まれるものとする。半導体構造体11a及び半導体構造体21aは、活性層を含む。活性層は、光を発する発光層であり、例えば複数の障壁層と、複数の井戸層を含むMQW(Multiple Quantum well)構造を有する。活性層が発する光は、例えば、紫外光または可視光である。第1発光素子11の活性層の発光ピーク波長と、第2発光素子21の活性層の発光ピーク波長とは、同じでも異なっていてもよい。また、半導体構造体11a及び半導体構造体21aは、2以上の活性層を含んでいてもよい。2以上の活性層は、それぞれ発光ピーク波長が同じでも異なっていてもよい。
【0026】
<透光層>
第1光源部10の上方に1以上の第1透光層31が配置されている。例えば、第1透光層31の数は、第1発光素子11の数と同じである。本実施形態の発光装置1では、1つの第1発光素子11の上方に、1つの第1透光層31が配置されている。1つの第1発光素子11の上方に1つの第1透光層31が配置し、各第1透光層31間に光反射性部材60が配置することで、発光装置1の発光面において一の第1発光素子11が第1透光層31を介して照射する発光領域と、隣接する第1発光素子11が第1透光層31を介して照射する発光領域とが重なることを低減することができる。これにより、発光領域と非発光領域との輝度差を大きくでき、また第1透光層31の照射面とその周囲を取り囲む光反射性部材60との境界を明瞭にできる。換言すると、高いコントラストを有し、かつ、見切り性の良い発光装置とすることができる。なお、第1透光層31の数および配置はこれに限定されるものではない。例えば、上面視において、1つの第1透光層31が2以上の第1発光素子11の上面の全てに跨がって配置されていてもよい。
【0027】
第2光源部20の上方に1以上の第2透光層32が配置されている。本実施形態に係る発光装置1では、第2光源部20の上方に複数の第2透光層32が配置されている。第2発光素子21上に2つ以上の第2透光層32が配置されている。また、本実施形態に係る発光装置1では、第1透光層31および第2透光層32それぞれの平面形状および平面サイズは略等しく、第1透光層31および第2透光層32は第1方向Xおよび第2方向Yにおいて等間隔に整列されている。これにより、発光装置1全体の照射領域において、各透光層から照射される光の中心軸は等間隔に配置されやすい。そのため、発光装置1全体の照射領域における各照射光のコントラストの制御が容易になる。例えば、
図1に示すように、第1方向Xまたは第2方向Yにおいて第2透光層32は3以上あり、3以上の第2透光層32は、上面視において等間隔に配置されている。
【0028】
第1透光層31および第2透光層32は、後述する蛍光体または光拡散材を含んでいてよい。第1透光層31および第2透光層32が蛍光体または光拡散材を含むことで、第1透光層31および第2透光層32を通過する光を十分に拡散させた状態で出射することができる。
【0029】
<接合部材>
図2Aに示すように、第1発光素子11と第1透光層31とは、第1発光素子11と第1透光層31との間に配置される接合部材50によって接合される。
図2A及び
図2Bに示すように、第2発光素子21と第2透光層32とは、第2発光素子21と第2透光層32との間に配置される接合部材50によって接合される。接合部材50は、第1発光素子11の上面及び第2発光素子21の上面と、第1発光素子11の側面の一部及び第2発光素子21の側面の一部と、を被覆する。接合部材50は、第1発光素子11が発する光及び第2発光素子21が発する光に対する透光性を有する。なお、ここでの透光性とは、発光素子からの光の60%以上を透過することが好ましい。接合部材50の材料として、透光性の樹脂を用いることが好ましく、例えばシリコーン樹脂を好適に用いることができる。
【0030】
<光反射性部材>
光反射性部材60は、第1光源部10が発する光及び第2光源部20が発する光に対する反射性を有する。光反射性部材60は、複数の第2発光素子21のそれぞれの間に配置されている。第1実施形態に係る発光装置1において、光反射性部材60は、第1発光素子11と隣接する第1発光素子11との間、第1発光素子11と隣接する第2発光素子21との間、及び第2発光素子21と隣接する第2発光素子21との間に配置されている。各発光素子間に光反射性部材60を配置することで、発光面において発光素子が透光層を介して照射する光が、隣接する発光素子が透光層を介して照射する光の発光領域に入射することを低減することができる。これにより、発光領域と非発光領域との輝度差を大きくでき、また第1透光層31の照射面とその周囲を取り囲む光反射性部材60との境界を明瞭にできる。換言すると、高いコントラストを有し、かつ、見切り性の良い発光装置とすることができる。光反射性部材60は、光取出し効率を向上させるために、光反射率の高い部材で構成されることが好ましい。
【0031】
本実施形態に係る発光装置1では、光反射性部材60は、第1透光層31の側面、第2透光層32の側面および接合部材50の側面を覆っている。発光面において、第1透光層31の上面および第2透光層32の上面は光反射性部材60から露出している。発光面は主たる光取出し面である。また、光反射性部材60は、第1発光素子11および第2発光素子21のそれぞれの半導体構造体11a、21aの側面及び下面を覆っている。光反射性部材60は、第1発光素子11の電極11bの側面及び第2発光素子21の電極21bの側面を覆っている。電極11bの下面及び電極21bの下面は、光反射性部材60から露出している。
【0032】
発光面における第1透光層31間、第2透光層32間及び第1透光層31と第2透光層32との間に位置する光反射性部材60の幅は、第2発光素子21の長手方向の長さに対して、例えば、0.004倍以上0.08以下であり、0.008倍以上0.055倍以下が好ましく、0.012倍以上0.04倍以下がより好ましい。各透光層の間に位置する光反射性部材60の幅は、例えば5μm以上100μm以下であり、10μm以上70μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、上面視において、発光装置1を小型にしつつ、発光領域と非発光領域との見切り性の良い発光モジュールとすることができる。
【0033】
1以上の第2透光層32のうちの1つの第2透光層32は、上面視において、複数の第2発光素子21のうち隣り合う第2発光素子21と、隣り合う第2発光素子21間の隙間101に配置された光反射性部材60と、の上方に跨がって配置されている。本実施形態に係る発光装置1では、2つの第2発光素子21Aと2つの第2発光素子21Bとの間に4つの隙間101がある。4つの隙間101に位置する光反射性部材60のそれぞれの上方に1つの第2透光層32が位置している。
【0034】
上述したように、第2光源部20を発光させる場合、複数の第2発光素子21はすべてが発光した状態となる。並んで配置される複数の発光素子を発光させる場合、隣り合う発光素子の間は、一般的に、発光素子の直上に出射される光の輝度よりも輝度が低下した暗部として目立ちやすくなる。一方で、本実施形態にかかる発光装置1によれば、隣り合う第2発光素子21と、隣り合う第2発光素子21の隙間101に配置された光反射性部材60と、の上方に跨がって1つの第2透光層32が配置される。この構成によれば、隣り合う第2発光素子21のそれぞれから出射された光が、隙間101の上方に位置する第2透光層32の内部を伝搬し、上方に照射される。これにより、隣り合う第2発光素子21間における輝度の低下が低減され、発光装置1の照射ムラ(発光装置1からの光の照射像における明るさのムラ)を低減することができる。
【0035】
第1透光層31、第2透光層32および光反射性部材60の具体的な形態および材料を以下に例示する。第1透光層31及び第2透光層32は、蛍光体または光拡散材を含んでいてよい。第1透光層31及び第2透光層32が蛍光体を含む場合、第1透光層31及び第2透光層32は、発光素子からの光の少なくとも一部を波長変換する。蛍光体を含む第1透光層31及び第2透光層32は、樹脂材料、セラミックス、ガラス等に蛍光体を含有させたもの、蛍光体の焼結体等が挙げられる。また、蛍光体を含む第1透光層31及び第2透光層32は、樹脂、セラミックス、ガラス等の成形体の一の面に蛍光体を含有する樹脂層を配置したものでもよい。蛍光体として、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、窒化物系蛍光体、フッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2、AgInSe2、AgInGaS2またはCuAgInS2)等を用いることができる。窒化物系蛍光体の例は、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)およびSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等であり、フッ化物系蛍光体の例は、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si,Al)F6:Mn)およびMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等である。上記の蛍光体は、粒子である。
【0036】
第1透光層31及び第2透光層32のそれぞれは、1種類の蛍光体を含んでいてもよいし、複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。第1光源部10は、例えば、第1発光素子11が発する可視光の色と、第1発光素子11が発する光に励起されて第1透光層31の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。または、第1光源部10は、第1発光素子11が発する紫外光の色と、第1発光素子11が発する光に励起されて第1透光層31の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。第2光源部20は、例えば、第2発光素子21が発する可視光の色と、第2発光素子21が発する光に励起されて第2透光層32の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。または、第2光源部20は、第2発光素子21が発する紫外光の色と、第2発光素子21が発する光に励起されて第2透光層32の蛍光体が発する光の色と、が混合された色の光を発する。第1光源部10が発する光のピーク波長と第2光源部20が発する光のピーク波長とは、同じでも異なっていてもよい。第1透光層31または第2透光層32は、単層でもよく、複数層でもよい。第1透光層31または第2透光層32が複数層である場合、各層に異なる蛍光体を含有させてよい。
【0037】
第1透光層31及び第2透光層32に含有される光拡散材は、酸化チタンや酸化ケイ素等が挙げられる。また、第1透光層31及び第2透光層32の樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂またはその変性樹脂が好適である。
【0038】
光反射性部材60は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。また、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本開示に係る第2実施形態の発光装置2について、
図4A及び
図4Bを参照しながら説明する。第2実施形態に係る発光装置2は、第2透光層32が1つである点で第1実施形態に係る発光装置1と主に異なる。1つの第2透光層32は、上面視において、複数の第2発光素子21の全面に跨って配置されている。また、第2透光層32は、隣り合う第2発光素子21間の隙間102に配置された光反射性部材60の上方に位置する。
【0040】
発光装置2は、発光面において、連続した1つの第2透光層32が光反射性部材60から露出する。連続した1つの第2透光層32の下方に、全ての第2発光素子21が位置し、全ての第2発光素子21が発する光が1つの第2透光層32を通って外部に取り出される。連続した1つの第2透光層32は、複数の第2発光素子21の全面と、隣り合う第2発光素子21間の隙間102に配置される光反射性部材60と、の上方に跨って配置される。第2実施形態に係る発光装置2では、第2透光層32は、環状の連続した透光層である。発光装置2は、第2光源部20上に位置する第2透光層32に隙間を有さないため、第1実施形態の発光装置1と比べて、第2透光層32間の隙間に起因する照射ムラをさらに抑制することができる。連続した1つの第2透光層32は、例えば、平板状の透光層を準備した後に、チョッパーカット法またはチョッパートラバース法により内側部分をダイシングブレードで切り取ることにより準備することができる。具体的には、発光装置2で示す環状の第2透光層32を形成する場合は、平板状の透光層の直上から、透光層の内側部分に対してダイシングブレードを垂直に下げ、互いに端部が繋がる4つの切り込みを入れる。これにより、平板状の透光層の内側部分が除去され、環状の第2透光層32を準備することができる。なお、切断方法は、ダイシングブレードに限られず例えばレーザであってよい。また、透光性の樹脂材料を環状に描画して硬化することにより準備することができる。また、環状の第2透光層32を購入等することにより準備することができる。
【0041】
本実施形態においては、第2発光素子21の平面サイズは、第1発光素子11の平面サイズよりも大きい。一般的に、内側の光源部を囲むように配置される外側の発光素子は、発光素子の数が多くなりやすい。発光素子の数が多くなると、暗部となる隙間の数が多くなり、外側に配置される発光素子の全体の輝度が低下する可能性がある。一方で、本実施形態の発光装置によると、外側に配置される第2発光素子21として平面サイズの大きい発光素子を用いることで、第2発光素子21の数を減らしつつ、第2光源部20の輝度が低下することを抑制することができる。
【0042】
また、第2発光素子21の平面サイズが大きいことにより、第2発光素子21の配置が容易になる。本実施形態における第2発光素子21は、上面視において四角形の発光装置2の1辺に沿う長方形状に形成されている。第1発光素子11および第2発光素子21の平面サイズの関係については、第1実施形態に係る発光装置1にも適用可能である。
【0043】
[第3実施形態]
次に、本開示に係る第3実施形態の発光装置3について、
図5A~
図5Cを参照しながら説明する。第3実施形態に係る発光装置3は、第1発光素子11と第2発光素子21の形状および平面サイズが同じである点で、第1実施形態に係る発光装置1と主に異なる。
【0044】
第3実施形態に係る発光装置3では、第2発光素子21の形状および平面サイズは、第1発光素子11の形状および平面サイズと同じである。複数の第2発光素子21は、上面視において第1光源部10を囲むように第1光源部10の外側に配置されている。
【0045】
複数の第2発光素子21を含む第2光源部20の上方に複数の第2透光層32が配置されている。複数の第2透光層32のうち1つの第2透光層32は、上面視において、隣り合う第2発光素子21と、隣り合う第2発光素子21の隙間103に配置された光反射性部材60と、の上方に跨がって配置される。複数の第2透光層32は、第1方向X及び第2方向Yに等間隔に整列している。
【0046】
第1発光素子11及び第2発光素子21は、同じ形状および同じ平面サイズを有する。第1発光素子11及び第2発光素子21は、例えば、同じウェーハから個片化した発光素子を、第1発光素子11及び第2発光素子21として用いることができる。これにより、形状及び平面サイズが異なる2種類の発光素子を準備する場合に比べて低コストにできる。
【0047】
[第4実施形態]
次に、本開示に係る第4実施形態の発光装置4について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。第4実施形態に係る発光装置4は、透光性部材70をさらに備える点で第1実施形態に係る発光装置1と主に異なる。
【0048】
複数の第2発光素子21は、第1方向Xに延びる長方形状の2つの第2発光素子21Aと、第2方向Yに延びる長方形状の2つの第2発光素子21Bとを含む。発光装置4において、第2発光素子21Aの長手方向の長さと、第2発光素子21Bの長手方向の長さとは同じである。また、第2発光素子21Aの短手方向の長さと、第2発光素子21Bの短手方向の長さとは同じである。したがって、例えば、同じウェーハから同じ形状および同じ平面サイズで個片化した発光素子を、複数の第2発光素子21として用いることができる。これにより、長さが異なる2種類の第2発光素子21を準備する場合に比べて低コストにできる。
【0049】
複数の第2透光層32のうち1つの第2透光層32は、上面視において、隣り合う第2発光素子21と、隣り合う第2発光素子21間に配置された光反射性部材60と、の上方に跨がって配置されている。隣り合う第2発光素子21上に跨って第2透光層32を配置することで、第2発光素子21のそれぞれから出射された光が、上方に位置する第2透光層32の内部を伝搬し、上方に照射される。これにより、隣り合う第2発光素子21間の輝度の低下が低減され、発光装置4の照射ムラを低減することができる。
【0050】
発光装置4は、透光性部材70をさらに備える。透光性部材70は、発光素子が発する光に対する透光性を有する。透光性部材70は、例えば、樹脂を含む。透光性部材70に含まれる樹脂として、前述した第1透光層31または第2透光層32に含まれる樹脂材料と同じ材料を用いることができる。また、透光性部材70は、蛍光体または光拡散材を含んでもよい。透光性部材70に含まれる蛍光体または光拡散材は、前述した第1透光層31または第2透光層32に含まれる蛍光体または光拡散材と同じ材料を用いることができる。
【0051】
透光性部材70は、隣り合う第2発光素子21の上方に跨って位置する第2透光層32の下方に配置されている。
図6に示す発光装置4では、透光性部材70(第2部分70b)は、上面視において、第2発光素子21Aの長手方向の端と、第2発光素子21Bの長手方向の端との間に配置されている。透光性部材70(第2部分70b)は、上面視において、複数の第2発光素子21から構成される第2光源部20の角部に配置されている。透光性部材70は、各第1透光層31および各第2透光層32の下方に配置されていてもよい。第4実施形態に係る発光装置4において、透光性部材70の上面は、第1透光層31または第2透光層32の下面に接している。透光性部材70は、第1透光層31または第2透光層32の下面と接し、第2透光層32の平面サイズと同じ平面サイズを有する第1部分70aを有する。また、隣り合う第2発光素子21の上方に跨って位置する第2透光層32の下方に配置される透光性部材70は、第1部分70aの下方に位置し、第1部分70aの平面サイズよりも小さい平面サイズを有し、且つ第2発光素子21の一の側面21cに対向する側面を有する第2部分70bを有する。
図6に示す第2透光層32および第2部分70bは、上面視において、それぞれ矩形形状になっている。第2部分70bは、上面視において、隣り合う第2発光素子21それぞれの側面21cに対向する2つの側面と、他の2つの側面を有している。第2部分70bの他の2つの側面は、上面視において、第2透光層32の2つの側面に一致している。また、第2部分70bの他の2つの側面が交差する角は、第2透光層32の一の角部に一致している。第1部分70aと第2部分70bとは連続した一体物である。
図7において、接合部材50は、第1部分70aの下面と、第2部分70bの側面の一部と、を被覆している。また、第2部分70bの下面および側面の一部は光反射性部材60に覆われている。
【0052】
隣り合う第2発光素子21の上方に跨って位置する第2透光層32の下方に透光性部材70を配置することで、第2発光素子21間の輝度の低下が低減され、発光装置4の照射ムラを低減することができる。具体的には、隣り合う第2発光素子21のそれぞれの側面21cから出射される光の一部は、透光性部材70の第2部分70bの内部を伝搬し、その光は透光性部材70内において光拡散材等により散乱される。そして、透光性部材70の内部を伝搬した光は、上方に位置する第2透光層32を介して発光装置4の外部に取り出される。これにより、第2発光素子21間の輝度の低下が低減され、発光装置4の照射ムラを低減することができる。
【0053】
複数の第2発光素子21は、その上方に接合部材50を介して2つ以上の第2透光層32が配置された第2発光素子21を含む。例えば、
図7には、第2発光素子21Aと、第2発光素子21Aに隣り合う第2発光素子21Bとを示す。第2発光素子21A及び第2発光素子21Bのそれぞれの上方に配置された複数の第2透光層32を、隣り合う第2発光素子21Aと第2発光素子21Bとに跨がって配置された第2透光層32と区別して第3透光層32Aともいう。
【0054】
図7に示すように、第2発光素子21と第2透光層32との間には透光性の接合部材50が配置される。具体的には、接合部材50は、第1部分70aの下面と第2発光素子21の上面との間に配置され、第1部分70aの下面及び第2発光素子21の上面に接している。接合部材50は、第2発光素子21の上面及び側面の一部と、2つ以上の第1部分70aの下面と、に接して連続して被覆している。第2発光素子21と第2透光層32との間に接合部材50を配置することで、第2発光素子21と第2透光層32との接合強度を高くすることができる。なお、第2透光層32の下面に透光性部材70の第1部分70aを配置せず、接合部材50が2つ以上の第2透光層32の下面に接して連続して被覆していてもよい。
【0055】
また、透光性の接合部材50の一部は、1つの第2発光素子21上に位置する2つ以上の第2透光層32(第3透光層32A)の間であって、隣り合う第2透光層32(第3透光層32A)の間にある光反射性部材60の下方に配置される。すなわち、1つの第2発光素子21上の2つ以上の第2透光層32(第3透光層32A)の間に、光反射性部材60と透光性の接合部材50が位置する。光反射性部材60の下方に接合部材50の一部を配置することで、第2透光層32(第3透光層32A)間に光反射性部材60だけが配置される場合と比べて、第2透光層32(第3透光層32A)間における光反射性部材60の体積が減り、第2透光層32(第3透光層32A)間における輝度の低下が低減される。これにより、発光装置4の照射ムラを低減することができる。
【0056】
隣り合う第2透光層32の間にある接合部材50の一部は、先端部50aと、先端部50aと連続し先端部50aから下方に向かって幅が広くなる接合部材表面50bと、を有する。先端部50aは、発光装置4の発光面には達しておらず、光反射性部材60の内部に位置している。また、接合部材表面50bは、隣り合う第2透光層32の間に位置し、接合部材表面50bと第2透光層32の間には光反射性部材60の一部が配置している。
【0057】
発光装置4は、複数の第2透光層32のそれぞれの上面に配置された光拡散層80をさらに備えることができる。光拡散層80は、第1発光素子11が発する光及び第2発光素子21が発する光に対する透光性を有する。例えば、光拡散層80は、樹脂と光拡散材とを含む。光拡散層80に含まれる樹脂および光拡散材は、前述した第1透光層31または第2透光層32の樹脂および光拡散材と同じ材料を用いることができる。第2透光層32の上面に光拡散層80を配置することで、光拡散層80内で光が拡散し、発光装置4の照射ムラを低減することができる。なお、各第1透光層31のそれぞれの上面にも光拡散層80を配置していてよい。
【0058】
[発光モジュール]
次に、実施形態に係る発光装置を備える発光モジュールについて説明する。
図8に示す発光モジュール300は、例示として第1実施形態に係る発光装置1を備える。なお、発光モジュール300は、第2実施形態に係る発光装置2、第3実施形態に係る発光装置3、または第4実施形態に係る発光装置4を備えていてもよい。発光モジュール300は、基板200と発光制御部201をさらに備える。発光装置1及び発光制御部201は、基板200上に配置される。発光制御部201は、半導体集積回路を含む半導体部品である。発光制御部201は、例えばICドライバである。
【0059】
第1発光素子11の電極11bの下面及び第2発光素子21の電極21bの下面は、例えば半田などの導電性接合部材を介して、基板200上に配置された配線部に接合される。電極11bの下面及び電極21bの下面には、
図2Aに示す金属膜41が配置されることが好ましい。金属膜41は、例えば、金膜と、電極11b、21bと金膜との間に配置されるニッケル膜と含む。金膜は、電極11b、21bを腐食及び酸化から保護する。ニッケル膜は、電極11b、21bと金膜との密着性を高める。
【0060】
発光制御部201は、基板200上に配置された配線部を介して、第1発光素子11の電極11b及び第2発光素子21の電極21bと電気的に接続されている。発光制御部201は、光源100の発光を制御する。発光制御部201は、第2光源部20を構成する複数の第2発光素子21のすべてを一括して制御可能である。発光制御部201は、複数の第1発光素子11のすべてを一括して制御可能である。また、発光制御部201は、各第1発光素子11を個別に制御可能である。
【0061】
次に、レンズ610をさらに備える発光モジュール600について
図9を参照して説明する。
図9は、発光モジュール600を示す模式断面図である。
【0062】
発光モジュール600は、例えば第1実施形態に係る発光装置1を備える。なお、発光モジュール600は、第2実施形態の発光装置2、第3実施形態の発光装置3、または第4実施形態の発光装置4を備えていてもよい。
【0063】
基板200の上面に第1配線部211と第2配線部212が配置されている。第1発光素子11の電極11bは第1配線部211に接合され、第2発光素子21の電極21bは第2配線部212に接合される。基板200上には、前述した発光制御部201が配置される。
【0064】
発光モジュール600において、レンズ610は、第1レンズ部材611と第2レンズ部材612とを有する。第1レンズ部材611は、第1レンズ部611aと、第1レンズ部611aの外側に位置する第1外周部611bとを有する。第1外周部611bは、例えば接着部材701によって基板200の上面に固定される。第1レンズ部611aは、発光装置1の発光面に対向する。第2レンズ部材612は、第2レンズ部612aと、第2レンズ部612aの外側に位置する第2外周部612bとを有する。第2外周部612bは、例えば接着部材702によって第1レンズ部材611の第1外周部611bの上面に固定される。第2レンズ部612aは、第1レンズ部611aの上面に対向する。
【0065】
図9において、発光装置1から出射した光の主な軌跡を破線の矢印で表す。第1レンズ部材611は、例えば、発光装置1からの光を平行光にし、第2レンズ部材612は、第1レンズ部材611からの光を集光あるいは拡散する。
【0066】
発光装置のうち外側に位置する発光素子からの光の一部は、レンズに取り込まれずにレンズの外側に漏れ出る場合がある。一方で、前述した第1、第2、または第4実施形態のように、外側に位置する第2発光素子21の平面サイズを大きくすることで、第2発光素子21を含む第2光源部20の輝度を高くすることができる。これにより、第2発光素子21からの光のうち一部の光が第1レンズ部611a及び第2レンズ部612aに取り込まれなかったとしても、第2光源部20からの十分な光を第1レンズ部611a及び第2レンズ部612aに取り込ませることができる。
【0067】
次に、実施形態の発光装置の製造方法の一例として、第4実施形態の発光装置4の製造方法について、
図10A~
図10Iを参照して説明する。なお、
図10A~
図10Iは、
図6のVII-VII線の断面に対応する断面図である。
【0068】
まず、
図10Aに示すように、構造体400を準備する。構造体400は、光拡散層80と、光拡散層80上に配置された透光層30と、透光層30上に配置された透光性部材70とを有する。
【0069】
次に、
図10Bに示すように、構造体400に複数の溝401が形成される。溝401は、透光性部材70の上面から、透光性部材70及び透光層30を貫通して、光拡散層80に達する。溝401は、構造体400を上から見たときに、第1方向Xおよび第2方向Yに沿って複数形成される。溝401は、例えばダイシングブレードやレーザにより形成される。溝401によって、透光性部材70及び透光層30が複数の部分に分離される。光拡散層80は、連続した1つの層であり、上面の一部が除去された状態となる。複数の溝401によって分離された透光層30の複数の部分は、第1透光層31となる部分および第2透光層32となる部分を含む。
【0070】
次に、第1発光素子11が配置される領域及び第2発光素子21が配置される領域の透光性部材70の一部が除去される。これにより、
図10Cに示すように、透光性部材70に、第1部分70aと、第1部分70aの上方に位置する第2部分70bと、が形成される。つまり、透光性部材70の一部を除去する工程において、第2発光素子21が配置される領域において、第2透光層32が露出するまで透光性部材70を除去せずに、第2透光層32上に第1部分70aが残るように除去工程が行われる。これにより、第2透光層32の一部が除去されて第2透光層32の厚さがばらつくことに起因して、各透光層の発光色がばらつくことを低減することができる。また、第1透光層31についても同様に、透光性部材70の一部を除去する工程において、第1発光素子11が配置される領域において、第1透光層31が露出するまで透光性部材70を除去せずに、第1透光層31上に第1部分70aが残るように除去工程が行われる。これにより、第1透光層31の厚さがばらつくことに起因して、各透光層の発光色がばらつくことを低減することができる。透光性部材70の一部を除去する工程は、例えばダイシングブレードを用いて行われる。
【0071】
次に、
図10Dに示すように、第2発光素子21が配置される領域における第1部分70a上に、未硬化状態の接合部材50が供給される。また、第1発光素子11が配置される領域における第1部分70a上に、未硬化状態の接合部材50が供給される。接合部材50は透光性である。未硬化状態の接合部材50は、例えばディスペンサにより第1部分70aの上方から供給される。未硬化状態の接合部材50を供給する工程において、相対的に溝401に近い位置に供給される接合部材50の量を、相対的に溝401から遠い位置に供給される接合部材50の量よりも多くしてもよい。これにより、溝401に入り込む接合部材50の量を多くすることができ、後の工程で第2透光層32間に入り込む光反射性部材60の体積を減らすことができる。
【0072】
次に、
図10Eに示すように、第2透光層32に対向する領域に第2発光素子21を配置する。また、第1透光層31に対向する領域に第1発光素子11を配置する。第1発光素子11及び第2発光素子21を配置した後、接合部材50を硬化させる。接合部材50を硬化させる工程は、例えば、加熱することにより行われる。これにより、第1発光素子11と第1透光層31とが接合部材50を介して接合され、第2発光素子21と第2透光層32とが接合部材50を介して接合される。
【0073】
硬化後の接合部材50は、第1発光素子11の上面(電極11bが配置された面の反対側の面)と側面の一部、および第2発光素子21の上面21d(電極21bが配置された面21eの反対側の面)と側面21cの一部を被覆する。また、接合部材50は、透光性部材70の第1部分70aの上面と、第2部分70bの側面の一部と、を被覆する。また、未硬化状態の流動性を有する接合部材50の一部は、第2発光素子21によって押し出されるようにして溝401内に入り込む。そのため、硬化後の接合部材50は、隣り合う第2透光層32間の溝401内にも配置される。溝401内に配置される接合部材50は、下垂した状態で硬化されることにより、先端部50aと、先端部50aと連続し幅が広くなる接合部材表面50bと、が形成される。本実施形態では、第1透光層31上に配置される接合部材50は、溝401内に配置されない。なお、第1透光層31上に配置される接合部材50が溝401内の一部に配置されていてもよい。
【0074】
次に、
図10Fに示すように、光反射性部材60が形成される。光反射性部材60は、例えば、金型を用いたトランスファモールド法、射出成形法または圧縮成形法などを用いて形成される。光反射性部材60は、第1発光素子11の側面の一部と下面、及び第2発光素子21の側面21cの一部と下面21eを覆う。第1発光素子11の下面に位置する電極11bおよび第2発光素子21の下面21eに位置する電極21bは、光反射性部材60に内包されている。また、光反射性部材60は、接合部材50の一部と、透光性部材70の第2部分70bの側面の一部および上面と、を覆う。光反射性部材60は、第1透光層31の側面、第2透光層32の側面、及び光拡散層80の側面を覆う。また、光反射性部材60の一部は、隣り合う第1透光層31間の溝401内、および隣り合う第2透光層32間の溝401内にも配置される。第2透光層32間の溝401内には、溝401の開口側に透光性の接合部材50が位置し、溝401の底側に光反射性部材60が位置する。光反射性部材60は、例えば、第1透光層31間の溝401内を通って、溝401内の接合部材50の下方に入り込む。
【0075】
次に、
図10Gに示すように、上面側から光反射性部材60の表面の一部を除去して、第2発光素子21の電極21bの表面及び第1発光素子11の電極11bの表面を、光反射性部材60から露出させる。光反射性部材60を除去する工程は、例えば、研削装置を用いて行われる。
【0076】
次に、
図10Hに示すように、光反射性部材60から露出する電極11b、21bの表面に金属膜41が形成される。金属膜41として、例えば、電極側からニッケル膜および金膜が順に積層される。金属膜41は、例えばスパッタ法または蒸着法により形成される。
【0077】
次に、
図10Iに示すように、光拡散層80が上面側になるように上下反転させて、光拡散層80の一部および光反射性部材60の一部を除去する。これにより、溝401の位置で光拡散層80が複数の部分に分離される。光拡散層80等の除去は、例えば、研削装置を用いて行われる。ここまでの工程は、例えば、発光装置4となる複数の領域が繋がった集合体の状態で行われる。発光装置4となる複数の領域が繋がった集合体は、個々の発光装置4となるようにダイシングブレード等で切断される。これにより、個片化された複数の発光装置4を得ることができる。
【0078】
次に、第4実施形態の変形例に係る発光装置4の製造方法について
図11A~
図11Dを参照して説明する。第4実施形態の変形例に係る発光装置4の製造方法は、透光性部材70の形態が異なる点で、第4実施形態に係る発光装置4の製造方法と異なる。なお、
図11A~
図11Dは、
図6のVII-VII線の断面に対応する断面図である。
【0079】
まず、
図11Aに示すように、構造体500を準備する。構造体500は、光拡散層80と、光拡散層80上に配置された透光層30とを有する。
【0080】
次に、
図11Bに示すように、構造体500に複数の溝501が形成される。溝501は、透光層30の上面から、透光層30を貫通して、光拡散層80に達する。溝501は、構造体500を上から見たときに、第1方向Xおよび第2方向Yに沿って複数形成される。溝501は、例えばダイシングブレードやレーザにより形成される。溝501によって、透光層30が複数の部分に分離される。光拡散層80は、連続した1つの層であり、上面の一部が除去された状態となる。複数の溝501によって分離された透光層30の複数の部分は、第1透光層31となる部分および第2透光層32となる部分を含む。
【0081】
次に、
図11Cに示すように、前述した隣り合う第2発光素子21上に跨って配置される第2透光層32上に未硬化状態の透光性部材70が配置される。具体的には、
図6を参照すると、隣り合う第2発光素子21上に跨って配置される第2透光層32上に未硬化状態の透光性部材70が配置される。上面視において、透光性部材70は、例えば第2透光層32の内側に位置する。未硬化状態の透光性部材70は、例えば、ディスペンサにより供給される。なお、予め固体化した透光性部材70を第2透光層32上に配置してもよい。
【0082】
また、第2発光素子21が配置される領域における第2透光層32上に、未硬化状態の接合部材50が供給される。また、第1発光素子11が配置される領域における第1透光層31上に、未硬化状態の接合部材50が供給される。接合部材50は透光性である。未硬化状態の接合部材50は、例えばディスペンサにより第1透光層31および第2透光層32の上方から供給される。
【0083】
次に、
図11Dに示すように、第2透光層32に対向する領域に第2発光素子21を配置する。また、第1透光層31に対向する領域に第1発光素子11を配置する。第1発光素子11及び第2発光素子21を配置した後、接合部材50を硬化させる。透光性部材70として未硬化状態の透光性部材70を用いる場合、接合部材50と透光性部材70とを同時に硬化してもよい。接合部材50または透光性部材70を硬化させる工程は、例えば、加熱することにより行われる。これにより、第1発光素子11と第1透光層31とが接合部材50を介して接合され、第2発光素子21と第2透光層32とが接合部材50を介して接合される。第4実施形態の変形例に係る発光装置4の製造方法によれば、第1発光素子11と第1透光層31との間、及び第2発光素子21と第2透光層32との間に透光性部材70は配置されない。
【0084】
硬化後の接合部材50は、第1発光素子11の上面と側面の一部、および第2発光素子21の上面21dと側面21cの一部を被覆する。また、接合部材50は、透光性部材70の側面の一部を被覆する。また、未硬化状態の流動性を有する接合部材50の一部は、第2発光素子21によって押し出されるようにして溝501内に入り込む。そのため、硬化後の接合部材50は、隣り合う第2透光層32間の溝501内にも配置される。溝501内に配置される接合部材50は、下垂した状態で硬化されることにより、先端部50aと、先端部50aと連続し幅が広くなる接合部材表面50bと、が形成される。本実施形態では、第1透光層31上に配置される接合部材50は、溝501内に配置されない。なお、第1透光層31上に配置される接合部材50が溝501内の一部に配置されていてもよい。
【0085】
次に、前述した
図10F~
図10Iと同様の工程が続けられる。光反射性部材60を形成する工程において、光反射性部材60の一部は、隣り合う第1透光層31間の溝501内、および隣り合う第2透光層32間の溝501内にも配置される。第2透光層32間の溝501内には、溝501の開口側に透光性の接合部材50が位置し、溝501の底側に光反射性部材60が位置する。光反射性部材60は、例えば、第1透光層31間の溝501内を通って、溝501内の接合部材50の下方に入り込む。
【0086】
本開示に係る実施形態は、以下の発光装置及び発光モジュールを含む。
1.1以上の第1発光素子を含む第1光源部と、上面視において前記第1光源部を囲むように前記第1光源部の外側に配置され、一括して発光する複数の第2発光素子を含む第2光源部と、を有する光源と、
前記第1光源部の上方に配置される1以上の第1透光層と、
前記第2光源部の上方に配置される1以上の第2透光層と、
前記複数の第2発光素子のそれぞれの間に配置される光反射性部材と、
を備え、
前記1以上の第2透光層のうち1つの第2透光層は、上面視において、前記複数の第2発光素子のうち隣り合う第2発光素子と、前記隣り合う第2発光素子間に配置される前記光反射性部材と、の上方に跨がって配置される発光装置。
2.前記1以上の第2透光層は3以上であり、
前記3以上の第2透光層は、上面視において、等間隔に配置される上記1に記載の発光装置。
3.前記1以上の第2透光層は1つであり、
1つの前記第2透光層は、上面視において、前記複数の第2発光素子の全面に跨って配置される上記1に記載の発光装置。
4.前記第2発光素子の平面サイズは、前記第1発光素子の平面サイズよりも大きい上記1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
5.前記1つの第2透光層の下方において、前記隣り合う第2発光素子の間に配置された透光性部材をさらに備える上記1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
6.前記透光性部材は、蛍光体または光拡散材を含む上記5に記載の発光装置。
7.前記第2発光素子と前記第2透光層との間には透光性の接合部材が配置される上記1~6のいずれか1つに記載の発光装置。
8.前記複数の第2発光素子は、前記隣り合う第2発光素子以外に1つの第2発光素子を含み、
前記1つの第2発光素子の上方には前記接合部材を介して2つ以上の前記第2透光層が配置される上記7に記載の発光装置。
9.前記光反射性部材は、さらに前記2つ以上の第2透光層の間に配置され、
前記接合部材は、前記1つの第2発光素子の側面を被覆しつつ、前記2つ以上の第2透光層の間にある前記光反射性部材の下方に配置される上記8に記載の発光装置。
10.上記1~9に記載の発光装置と、
前記光源の発光を制御し、前記第2光源部の発光を一括して制御可能な発光制御部と、を備える発光モジュール。
11.第1発光素子と、
前記第1発光素子の周囲に配置され、一括して発光する、隣り合う少なくとも2つの第2発光素子と、
前記2つの第2発光素子の間に配置される光反射性部材と、
前記第1発光素子の上方に配置される第1透光層と、
前記光反射性部材の上方であって、かつ、前記2つの第2発光素子の上方に跨がるように配置される第2透光層と、を備える発光装置。
12.前記第2発光素子の平面サイズは、前記第1発光素子の平面サイズよりも大きい上記11に記載の発光装置。
13.前記第2透光層の下方において、前記2つの第2発光素子の間に配置された透光性部材をさらに備える上記11または12に記載の発光装置。
14.前記透光性部材は、蛍光体または光拡散材を含む上記13に記載の発光装置。
15.前記第2発光素子と前記第2透光層との間には透光性の接合部材が配置される上記11~14のいずれか1つに記載の発光装置。
16.前記発光装置は、さらに複数の第3透光層を備え、
前記少なくとも2つの第2発光素子は、前記2つの第2発光素子以外に1つの第2発光素子を含み、
前記1つの第2発光素子の上方には前記接合部材を介して2つ以上の前記第3透光層が配置される上記15に記載の発光装置。
17.前記光反射性部材は、さらに前記2つ以上の第3透光層の間に配置され、
前記接合部材は、前記1つの第2発光素子の側面を被覆しつつ、前記2つ以上の第3透光層の間にある前記光反射性部材の下方に配置される上記16に記載の発光装置。
18.上記11~17のいずれか1つに記載の発光装置と、
前記隣り合う少なくとも2つの第2発光素子を一括して制御可能な発光制御部と、を備える発光モジュール。
【0087】
以上、具体例を参照しつつ、本開示に係る実施形態について説明した。しかし、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本開示の要旨を包含する限り、本開示の範囲に属する。その他、本開示の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本開示の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0088】
1~4…発光装置、10…第1光源部、11…第1発光素子、11a…半導体構造体、11b…電極、20…第2光源部、21(21A,21B)…第2発光素子、21a…半導体構造体、21b…電極、31…第1透光層、32…第2透光層、32A…第3透光層、50…接合部材、60…光反射性部材、70…透光性部材、80…光拡散層、100…光源、200…基板、201…発光制御部、211…第1配線部、212…第2配線部、300,600…発光モジュール、610…レンズ、611…第1レンズ部材、611a…第1レンズ部、611b…第1外周部、612…第2レンズ部材、612a…第2レンズ部、612b…第2外周部