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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】プラズマをモニタするためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240802BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023017344
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2020521310の分割
【原出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2023058596
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】62/577,208
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パービス,マイケル,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ハマー,クラウス,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ディン,チェンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ラファック,ロバート,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フォメンコフ,イゴール,ウラジーミロヴィチ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特許第7225224(JP,B2)
【文献】特開2013-004258(JP,A)
【文献】特表2017-506357(JP,A)
【文献】特表2018-532138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
H01L 21/027、21/30
H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減する方法であって、
ターゲット材料を含むターゲットとプラズマ形成位置で相互作用する増幅光ビームパルスの時間的特性に関する第1の情報にアクセスすることと、
前記プラズマ生成プロセス中、前記ターゲットの前記ターゲット材料の一部が発光プラズマに変換される際に生成される前記発光プラズマの時間的特性に関する第2の情報にアクセスすることと、
前記第1の情報と前記第2の情報とを比較することによって、前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の量を決定することと、を含み、
前記増幅光ビームパルスの前記時間的特性は、前記増幅光ビームパルスの持続時間を含み、
前記発光プラズマの前記時間的特性は、前記発光プラズマから生成された光の持続時間を含み、
前記第1の情報と前記第2の情報とを比較することは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間と前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間とを比較することを含む、方法。
【請求項2】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定することは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間が前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間と補償値との合計より大きい場合に、前記プラズマ形成位置で相互作用する次の増幅光ビーム及び次のターゲットの特性が実質的に未変化であり続けるように、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されたと決定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定することは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間が前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間と補償値との合計より大きくない場合に、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されていないと決定することを含み、
前記方法は、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されていないと決定された場合に前記プラズマ生成プロセスを調整することを更に含み、
前記プラズマ生成プロセスを調整することは、コマンド信号を光源、ビームデリバリシステム、及びターゲット供給システムのうちの1つ以上に提供することを含み、
前記光源は、前記増幅光ビームを生成するように構成され、
前記ビームデリバリシステムは、前記増幅光ビームを前記プラズマ形成位置に供給するように構成され、
前記ターゲット供給システムは、前記ターゲットを前記プラズマ形成位置に供給するように構成される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定することは、前記増幅光ビームパルスの、前記持続時間の前記発光プラズマから生成された光の前記持続時間に対する比率が、デブリの許容量に対応する閾値デブリ値以下であるかどうかを決定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記比率が前記閾値デブリ値より大きい場合に前記プラズマ生成プロセスを調整することを更に含み、
前記プラズマ生成プロセスを調整することは、コマンド信号を光、ビームデリバリシステム、及びターゲット供給システムのうちの1つに提供することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減するシステムであって、
前記システムは、センサシステムを備え、
前記センサシステムは、
ターゲット材料を含むターゲットとプラズマ形成位置で相互作用する増幅光ビームのパルスを検出し、且つ前記増幅光ビームパルスの時間的特性に関する第1の情報を含む第1の信号を生成するように構成された第1のセンサと、
前記プラズマ生成プロセス中、前記ターゲットの前記ターゲット材料の一部が発光プラズマに変換される際に生成される前記発光プラズマから発せられた光の少なくとも一部を検出し、且つ前記発光プラズマの時間的特性に関する第2の情報を含む第2の信号を生成するように構成された第2のセンサと、
前記センサシステムと通信する制御システムであって、前記第1の情報と前記第2の情報とを比較することによって、前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の量を決定するように構成された、制御システムと、を備え
前記増幅光ビームパルスの前記時間的特性は、前記増幅光ビームパルスの持続時間を含み、
前記発光プラズマの前記時間的特性は、前記発光プラズマから生成された光の持続時間を含み、
前記第1の情報と前記第2の情報とを比較するように構成された前記制御システムは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間と前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間とを比較することを含む、システム。
【請求項7】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定するように構成された前記制御システムは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間が前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間と補償値との合計より大きい場合に、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されたと決定することを含み、
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定するように構成された前記制御システムは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間が前記発光プラズマから生成された前記光の前記持続時間と補償値との合計より大きくない場合に、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されていないと決定することを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御システムは、前記ターゲット材料の全てが発光プラズマに変換されていないと決定された場合に前記プラズマ生成プロセスを調整するように構成され、
前記プラズマ生成プロセスを調整することは、コマンド信号を光源、ビームデリバリシステム、及びターゲット供給システムのうちの1つ以上に提供することを含み、
前記光源は、前記増幅光ビームを生成するように構成され、
前記ビームデリバリシステムは、前記増幅光ビームを前記プラズマ形成位置に供給するように構成され、
前記ターゲット供給システムは、前記ターゲットを前記プラズマ形成位置に供給するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定するように構成された前記制御システムは、前記増幅光ビームパルスの前記持続時間の、前記発光プラズマから生成された光の前記持続時間に対する比率が、デブリの許容量に対応する閾値デブリ値以下であるかどうかを決定することを含み、
前記比率が前記閾値デブリ値よりも大きい場合、前記制御システムは、コマンド信号を光、ビームデリバリシステム、及びターゲット供給システムのうちの1つに提供することによって前記プラズマ生成プロセスを調整するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減する方法であって、
ターゲット材料を含むターゲットとプラズマ形成位置で相互作用する増幅光ビームパルスに関する第1の情報にアクセスすることと、
前記プラズマ生成プロセス中、前記ターゲットの前記ターゲット材料の一部が発光プラズマに変換される際に生成される前記発光プラズマに関する第2の情報にアクセスすることと、
前記第1の情報と前記第2の情報とを比較することによって、前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の量を決定することと、
前記決定に基づいて前記プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減することと、を含み、
前記第1の情報は、前記増幅光ビームパルスの持続時間であり、
前記第2の情報は、前記発光プラズマから生成された光の持続時間である、方法。
【請求項11】
前記ターゲット材料は、溶融した形態の金属を含み、
前記発光プラズマは、蒸発した形態の前記金属を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記決定に基づいて前記プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減することは、前記増幅光ビームの少なくとも1つの後続パルスの特性、及び少なくとも1つの後続ターゲットの特性の一方又は両方を調整することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記増幅光ビームの前記少なくとも1つの後続パルスの前記特性を調整することは、前記増幅光ビームの前記後続パルスの時間的プロファイルを調整することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
デブリは、前記ターゲット材料の粒子又は欠片を含むターゲットデブリ、並びに、前記ターゲット材料の蒸発した、霧状の、及び/又はイオン化した粒子を含む粒子デブリ、のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の前記量を決定することは、前記増幅光ビームパルスのエネルギー、前記増幅光ビームパルスの焦点位置、前記発光プラズマのエネルギー、前記増幅光ビームパルスの立ち上がり時間、及び前記発光プラズマの立ち上がり時間のうちの1つ以上に関する情報を分析することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
プラズマ生成プロセスにおけるデブリを軽減するシステムであって、
前記システムは、センサシステムを備え、
前記センサシステムは、
ターゲット材料を含むターゲットとプラズマ形成位置で相互作用する増幅光ビームのパルスを検出し、且つ前記増幅光ビームパルスに関する第1の情報を含む第1の信号を生成するように構成された第1のセンサと、
前記プラズマ生成プロセス中、前記ターゲットの前記ターゲット材料の一部が発光プラズマに変換される際に生成される前記発光プラズマから発せられた光の少なくとも一部を検出し、且つ前記発光プラズマに関する第2の情報を含む第2の信号を生成するように構成された第2のセンサと、
前記センサシステムと通信する制御システムと、を備え、
前記制御システムは、前記第1の情報と前記第2の情報とを比較することによって、前記発光プラズマに変換されたターゲット材料の量を決定し、前記決定に基づいて前記プラズマ生成プロセスにおいてデブリを軽減する、ように構成され
前記第1の情報は、前記増幅光ビームパルスの持続時間であり、
前記第2の情報は、前記発光プラズマから生成された光の持続時間である、システム。
【請求項17】
前記決定に基づいて前記プラズマ生成プロセスにおいてデブリを軽減させるように構成された前記制御システムは、前記増幅光ビームの少なくとも1つの後続パルスの特性、及び少なくとも1つの後続ターゲットの一方又は両方を調整することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記デブリは、前記ターゲット材料の粒子又は欠片を含むターゲットデブリ、並びに、前記ターゲット材料の蒸発した、霧状の、及び/又はイオン化した粒子を含む粒子デブリ、のうちの1つ以上を含む、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[00001] この出願は、2017年10月26日に出願された米国出願62/577,208の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[00002] この開示は、プラズマをモニタするための技術に関する。この技術は、例えば極端紫外(EUV)光源で使用することができる。
【背景技術】
【0003】
[00003] 極端紫外(「EUV」)光、例えば100ナノメートル(nm)以下の波長を有し(時には軟x線とも呼ばれる)、例えば20nm以下、5~20nm、又は13~14nmの波長の光を含む電磁放射は、フォトリソグラフィプロセスで使用され、レジスト層で重合を開始することによって、基板、例えばシリコンウェーハ内に極端に小さいフィーチャを生成することができる。
【0004】
[00004] EUV光を生成する方法は、必ずしもこれらに限定されるわけではないが、ターゲット材料を、EUV光を発するプラズマに変換することを含む。ターゲット材料は、EUV範囲の輝線を有する元素、例えば、キセノン、リチウム、又はスズを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い1つのこのような方法では、所要のプラズマは、ドライブレーザと呼ばれ得る増幅光ビームでターゲット材料を含むターゲットを照射することによって生成することができる。このプロセスでは、プラズマは一般に、密閉容器、例えば真空チャンバで生成され、様々なタイプのメトロロジ機器を使用してモニタされる。ターゲット材料は、液滴、プレート、テープ、ストリーム、又はクラスタの形態であってよい。
【発明の概要】
【0005】
[00005] 1つの一般的な態様では、プラズマに変換されたターゲット材料の量がモニタされる。増幅光ビームが、ターゲット材料を含むターゲットを受ける領域に供給され、増幅光ビームとターゲットとの相互作用がターゲット材料の少なくとも一部を第1の形態から第2の形態に変換して発光プラズマを形成し、増幅光ビームに関する情報を含む第1のデータがアクセスされ、発光プラズマに関する情報を含む第2のデータがアクセスされ、第1の形態から第2の形態に変換されたターゲット材料の量が決定される。この決定は、少なくとも第1のデータ及び第2のデータに基づき、ターゲット材料の第2の形態はターゲット材料の第1の形態より低密度である。
【0006】
[00006] 実装形態は以下の特徴の1つ以上を含むことができる。ターゲット材料は金属を含むことができ、第1の形態は、溶融した形態の金属を含むことができ、第2の形態は、蒸発した形態の金属を含むことができる。
【0007】
[00007] 増幅光ビームの特性、及びターゲットの後に領域で受けた少なくとも1つの後続ターゲットの特性の一方又は両方を、決定されたターゲット材料の変換量に基づいて調整することができる。増幅光ビームはパルス増幅光ビームを含むことができ、パルス増幅光ビームは複数の光パルスを含むことができ、発光プラズマは、複数の光パルスの1つの光パルスとターゲット材料との相互作用によって形成することができる。複数の光パルスの1つの光パルスは持続時間を有することができ、複数の光パルスの1つの光パルスとターゲットとの相互作用により形成された発光プラズマは、発光期間中に光を発することができる。
【0008】
[00008] 第1のデータは、複数の光パルスの1つの光パルスの持続時間を表す情報を含むことができ、第2のデータは、発光期間の持続時間を表す情報を含むことができる。ターゲット材料の変換量を決定することは、複数の光パルスの1つの光パルスの持続時間と発光期間の持続時間とを比較して、発光期間の持続時間の複数のパルスの1つのパルスの持続時間に対する比率を決定すること、比率を、これを超えるとターゲットデブリの発生を許容できない値である閾比率と比較すること、及び比率が閾比率より大きいかどうかを比較に基づいて決定すること、を含むことができる。一部の実装形態では、比率が閾比率より大きい場合に、増幅光ビーム内の後続パルスの特性を調整する、又は増幅光ビームを生成するソースを停止させる。一部の実装形態では、比率が閾比率より大きい場合に、ターゲットの後に領域で受けた後続ターゲットの特性を調整する、又は増幅光ビームを生成するソースを停止させる。後続パルスの特性は、持続時間、時間的プロファイル、エネルギー、及び焦点位置のうちの1つ以上を含むことができる。後続パルスは、複数のパルスの1つのパルスの直後のパルスであってよい。後続ターゲットの特性は、形状、密度、厚さ、及びサイズのうちの1つ以上を含むことができる。
【0009】
[00009] 増幅光ビームに関する情報は、複数の光パルスの1つの光パルスの特性を表す情報を含むことができ、発光プラズマに関する情報は、発光期間の特性を表す情報を含むことができ、ターゲット材料の変換量を決定することは、複数の光パルスの1つの光パルスの特性と発光期間の特性を比較することを含むことができ、複数の光パルスの1つの光パルスの特性及び発光プラズマの特性は、立ち上がり時間、ピークエネルギー値、総エネルギー含量、及び/又は平均エネルギー含量を含むことができる。
【0010】
[00010] 一部の実装形態では、第1のデータは、増幅光ビームの特性を測定し、測定した増幅光ビームの特性に基づいて増幅光ビームに関する情報を生成するように構成された第1のセンサからのデータを含み、第2のデータは、発光プラズマの特性を測定し、測定した発光プラズマの特性に基づいて発光プラズマに関する情報を生成するように構成された第2のセンサからのデータを含む。
【0011】
[00011] 決定されたターゲット材料の変換量に基づく診断データを提示することができる。
【0012】
[00012] 決定されたターゲット材料の変換量に基づいて増幅光ビームのソースを制御することができる。増幅光ビームのソースを制御することは、(a)ソースを停止させること、(b)ソースの動作モードを変更すること、又は(c)ソースにおける最適化ルーチンをトリガすること、を含むことができる。
【0013】
[00013] 第2のデータは、発光プラズマから発せられた極端紫外(EUV)光についての情報を含むことができる。
【0014】
[00014] ターゲット材料の変換量を決定することは、ターゲットデブリ及び/又は粒子デブリの生成を決定することを含むことができ、ターゲットデブリは第1の形態のターゲット材料を含み、粒子デブリは第2の形態のターゲット材料を含む。
【0015】
[00015] 別の一般的な態様では、システムが、増幅光ビームを発射するように構成された光源と、増幅光ビームを内部にあるプラズマ形成位置で受光するように配置された真空チャンバと、ターゲット材料を含むターゲットをプラズマ形成位置に供給するように構成され、ターゲットと増幅光ビームとの相互作用がターゲット材料の少なくとも一部を変換して発光プラズマを形成するターゲット材料供給システムと、センサシステムと、を備え、センサシステムが、増幅光ビームの少なくとも1つの波長を検出し、増幅光ビームに関する情報を含む第1の信号を生成するように構成された第1のセンサと、発光プラズマから発せられた光の少なくとも一部を検出し、発光プラズマに関する情報を含む第2の信号を生成するように構成された第2のセンサと、センサシステムに連結され、少なくとも第1の信号及び第2の信号に基づいてターゲット材料の変換量を決定するように構成された制御システムと、を備える。
【0016】
[00016] 実装形態は以下の特徴の1つ以上を含むことができる。制御システムはさらに、決定された変換量に基づいて増幅光ビームの1つ以上の特性を制御するように構成することができる。光源は、パルス増幅光ビームを発射するように構成することができ、第1の信号は、光源から発せられた光のパルスの持続時間を示す情報を含むことができ、第2の信号は、プラズマからの発光の持続時間を示す情報を含むことができる。システムはさらに、光源とターゲット領域の間に光変調器を備え、制御システムは光変調器に連結することができ、制御システムは、光変調器を制御することによって増幅光ビームの特性を制御し、これによって増幅光ビームの持続時間を制御するように構成することができる。
【0017】
[00017] 制御システムは光源に連結することができ、制御システムはまた、決定された変換量に基づいて光源を制御するように構成することができる。
【0018】
[00018] システムはまた、第2の光ビームを発射するように構成された第2の光源を備えることができる。第2の光ビームは、動作使用時にターゲットを照射して修正ターゲットを形成し、増幅光ビームとターゲットとの相互作用は、増幅光ビームと修正ターゲットとの相互作用であってよい。ターゲットの特性は、密度、サイズ、厚さ、及び形状のうちの1つ以上を含むことができる。
【0019】
[00019] 制御システムは、第2の光源に連結することができ、さらに、決定された変換量に基づいて第2の光ビームの1つ以上の特性を制御するように構成することができる。第2の光ビームの特性は、エネルギー、パルスの持続時間、パルスの時間的プロファイル、及び焦点位置のうちの1つ以上を含むことができる。
【0020】
[00020] 第2のセンサは、EUV光を検出するように構成されたセンシング要素を含むことができる。
【0021】
[00021] 別の一般的な態様では、EUV光源のための制御システムが、1つ以上の電子プロセッサと、1つ以上の電子プロセッサに連結された電子ストレージと、を備え、電子ストレージは、実行されるとき、1つ以上の電子プロセッサに、ターゲット内のターゲット材料と相互作用してEUV光源の真空容器内に発光プラズマを形成するように構成された増幅光ビームに関する情報を含む第1のデータにアクセスすること、発光プラズマに関する情報を含む第2のデータにアクセスすること、相互作用においてターゲット材料の第1の形態からターゲット材料の第2の形態に変換されたターゲット材料の量を、少なくとも第1のデータ及び第2のデータに基づいて決定すること、決定された相互作用において変換されたターゲット材料の量を閾値変換量と比較すること、及び相互作用において変換されたターゲット材料の量が閾値変換量より小さい場合に、光源及び光学コンポーネントのうちの1つ以上を制御するのに十分なコマンド信号を生成すること、を行わせる命令を含む。
【0022】
[00022] 上記いずれの技術の実装形態も、EUV光源、センサシステム、方法、プロセス、デバイス、又は装置を含むことができる。1つ以上の実装形態の詳細は、添付図面及び以下の記述に記載されている。その他の特徴は、記述及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】[00023] 例示的なEUV光源のブロック図である。
図1B】[00024] 例示的な光パルスのプロットである。
図2】[00025] 例示的なEUV光源のブロック図である。
図3】[00026] ターゲット材料の発光プラズマへの変換をモニタすることに用いられ得るプロセスのフローチャートである。
図4】[00027] ターゲット材料の22μm液滴のバーンスルー時間に関連する例示的な測定データである。
図5A-B】[00028] 2つの異なる時間における図1AのEUV光源を示す。
図6】[00029] ターゲット厚さと初期ターゲット直径の関係を示す測定データの例である。
図7】[00030] EUV光継続時間と初期ターゲットの直径の関係を示す測定データの例である。
図8】[00031] バーンスルーに関連する測定データの例である。
図9】[00032] 例示的なリソグラフィ装置のブロック図である。
図10】[00033] 例示的なEUVリソグラフィシステムのブロック図である。
図11】[00034] 例示的なEUV光源のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[00035] プラズマ生成プロセスにおける燃料デブリ生成を最小限に抑える又は低減するための技術が開示される。プラズマは、例えば、燃料(すなわちターゲット材料)に燃料をプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する光ビームを照射することによって生成することができる。光ビームと燃料との相互作用は、燃料の一部又は全てをプラズマに変換する。プラズマは、プラズマ粒子と総称される微粒子又は小粒子を含む。プラズマ粒子は、例えば、燃料の蒸発した、霧状の、及び/又はイオン化した粒子であってよい。換言すれば、燃料を変換してプラズマを形成することによって、燃料の微粒子又は小粒子を生成することができ、燃料を変換してプラズマを形成することは、燃料をその元の形態から別の形態に変換することを含む。例えば、その元の形態が溶融金属である燃料を蒸発金属に変換してプラズマを形成することができる。プラズマ生成プロセスで変換されない燃料が、例えば、その元の形態が燃料の微小粒子又は元の形態が燃料片である燃料デブリを形成する。燃料デブリは、一般にプラズマ粒子より密度が高い、大きい、及び/又は重い。したがって、プラズマ粒子よりも燃料デブリを軽減又は除去することのほうが困難な可能性がある。
【0025】
[00036] したがって、デブリの全体的影響は、プラズマ生成プロセスにおいて第2の形態に変換される燃料の量又は部分を増加させることによって低減することができる。燃料デブリはシステムの性能に悪影響を及ぼす可能性があるため、燃料デブリの影響を軽減又は排除することが望ましいことがある。例えば、燃料デブリの存在は、システム内の光学コンポーネントを劣化させたり、コンポーネントを最適とは言えない方法で動作させたりする可能性がある。燃料デブリの量を低下させることに加えて、プラズマに変換される燃料の量又は部分を増加させることもまた、プラズマの量及び発光量を増加させることができる。
【0026】
[00037] 以下で考察されるように、プラズマ及び光ビームは、プラズマ生成イベントの間にプラズマに変換された燃料の量を決定するためにモニタされる。モニタリングから集められた情報を利用して燃料デブリの生成を制御することによってデブリ低減を強化することができる。例えば、光ビーム及び/又は燃料の特性を、プラズマ生成イベントの間に収集されるデータに基づいて修正して、後続のプラズマ生成イベントにおいて変換される燃料の量又は相対的部分を増加させることができる。一部の実装形態では、燃料と相互作用する光ビームの時間的プロファイルは、光ビームが、少なくとも閾値量の燃料の変換又は実質的に全ての燃料の変換を保証するのに十分長くなるように調整することができる。代替的又は付加的に、燃料の特性は、燃料の量が燃料の変換を高めるように光ビームに適合するように修正することができる。この技術は、例えばEUV光源で用いることができる。プラズマからのEUV光の発光をモニタすることによって、光ビームの時間的プロファイルを調整して、燃料デブリを最小限に抑えながらもEUV光の生成を最大化することができる。
【0027】
[00038] 図1Aを参照すると、極端紫外(EUV)光源100のブロック図が示されている。EUV光源100は、センサシステム130と制御システム150とを備える。センサシステム130は、プラズマ生成イベントの間のターゲット121p内のターゲット材料(燃料)の変換をモニタする。プラズマ生成イベントは、光ビーム106のパルス104とターゲット121pとの相互作用から生じる。制御システム150は、光ビーム106の後続(後で生じる)パルスの1つ以上の特性及び/又は後続ターゲットの1つ以上の特性をモニタリングに基づいて調整するように構成される。
【0028】
[00039] 光ビーム106は、それぞれが時間的に最も近いパルスから離れているパルスの列であってよい。図1Bは、列中のパルス104の時間的プロファイル(時間の関数としての光パワー)の例を示している。パルス104は、光ビーム106の一部であり得るパルスの例示的な1つのパルスである。パルス104とプラズマ形成位置123にあるターゲット121pとの相互作用がプラズマ生成イベントである。
【0029】
[00040] パルス104は、ピークパワー103と有限持続時間102とを有する。図1Bの例では、パルス長102は、パルス104のパワーがゼロでない時間である。パルス104がゼロからピークパワー103まで増加する時間がパルスの立ち上がり時間である。他の実装形態では、パルス長102及び/又は立ち上がり時間は他のメトリクスに基づくこともできる。例えば、パルス長102は、パルス104の半値全幅(FWHM)など、パルス104のパワーがゼロでない時間に満たない時間であってよい。同様に、立ち上がり時間は、ゼロ光パワー及びピーク光パワー103以外の2つの値の間で測定することができる。
【0030】
[00041] 図1Bに示す時間的プロファイルは例示であり、他の時間的プロファイルも可能である。示されている例では、パルス104のパワーは、ゼロパワーからピークパワー103まで単調増加し、ピークパワー103からゼロまで単調減少する。光ビーム106を構成するパルス列中のパルスは異なる時間的プロファイルを有することができる。例えば、パルスのパワーはゼロからピークパワーまで非単調に増加することができる。パルスは2つ以上のピークエネルギーポイントを有することができる。
【0031】
[00042] 再度図1Aを参照すると、光源100はまた、ターゲットのストリーム121を真空チャンバ109内のプラズマ形成位置123に向けて放出する供給システム110を備える。供給システム110は、オリフィス119を画定するターゲット形成装置117を備える。供給システム110は、運転使用時に、圧力P下でターゲット材料を含むリザーバ118に流体連結される。ターゲット材料は燃料と考えられ得る。真空チャンバ109内の圧力は、リザーバに印加された圧力Pよりはるかに低く、オリフィス119を流れるターゲット材料は溶融状態にある可能性がある。オリフィス119から放出されたターゲット材料はターゲットのストリーム121を形成する。ターゲットのストリーム121内のターゲットは、ターゲット材料又はターゲットの液滴と考えられ得る。図1Aの例では、ターゲットのストリーム121は、オリフィス119からプラズマ形成位置123まで概ねx方向に移動する。
【0032】
[00043] ターゲット材料は、プラズマ状態にあるときにEUV光を発する任意の材料であってよい。例えば、ターゲット材料は、水、スズ、リチウム、及び/又はキセノンを含むことができる。ターゲット材料は、ターゲット物質と非ターゲット粒子などの不純物とを含むターゲット混合物であってよい。ターゲット物質とは、プラズマ状態にあるときにEUV範囲の輝線を有する物質である。ターゲット物質は、例えば、液体金属又は溶融金属の液滴、液体流の一部分、固体粒子又はクラスタ、液滴に含有される固体粒子、ターゲット材料の泡、又は液体流の一部分に含有される固体粒子であってよい。ターゲット物質は、例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又はプラズマ状態に変換されたときにEUV範囲の輝線を有する任意の材料であってよい。例えば、ターゲット物質は元素スズであってよく、これは、純スズ(Sn)として、スズ化合物、例えばSnBr、SnBr、SnHとして、スズ合金、例えばスズ-ガリウム合金、スズ-インジウム合金、スズ-インジウム-ガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせとして用いることができる。また、不純物が存在しない状況では、ターゲット材料はターゲット物質のみを含む。
【0033】
[00044] 光ビーム106は、1つ以上の光学コンポーネント112を備えるビームデリバリシステム111によって光路107上の真空チャンバ109に向けられる。光学コンポーネント112は、光ビーム106と相互作用することができる任意のコンポーネントを含むことができる。コンポーネント112はまた、パルス104を形成及び/又は整形することができるデバイスを備えることができる。例えば、光学コンポーネント112は、ミラー、レンズ、及び/又はプリズムなどの受動光デバイスと、関連する任意の機械的取付けデバイス及び/又は電子ドライバとを備えることができる。これらのコンポーネントは、光ビーム106を操向する及び/又は合焦させることができる。また、光学コンポーネント112は、光ビーム106の1つ以上の特性を修正するコンポーネントを含むことができる。例えば、光学コンポーネント112は、光ビーム106の時間的プロファイルを変化させてパルス104を形成することができる、音響光学変調器及び/又は電気光学変調器などの能動光デバイスを備えることができる。
【0034】
[00045] パルス104は、ビームデリバリシステム111を出て真空チャンバ109に入る。パルス104は、光学素子114のアパーチャ113を通過してプラズマ形成位置123に到達する。パルス104とターゲット121p内のターゲット材料との相互作用が、光197を発するプラズマ196を生成する。光197の発光は、プラズマがプラズマ形成位置123に存在するときに起こる。したがって、光197の存在をモニタすることはまた、プラズマ196の有無を示す。
【0035】
[00046] 光197は、ターゲット材料の輝線に対応する波長を有する光を含む。図1Aの例では、光197はEUV光198を含み、光197はまた、帯域外の光を含む可能性がある。帯域外の光は、EUV光の範囲内にない波長の光である。例えば、ターゲット材料はスズを含むことができる。これらの実装形態では、光197はEUV光198を含み、さらに深紫外(DUV)光、可視光、近赤外(NIR)光、中波長赤外(MWIR)光、及び/又は長波長赤外(LWIR)光などの帯域外の光を含む。EUV光198は、例えば、5ナノメートル(nm)、5nm~20nm、10nm~120nm、又は50nm未満の波長を有する光を含むことができる。DUV光は約120nm~300nmの間の波長を有する光を含むことができ、可視光は約390nm~750nmの間の波長を有する光を含むことができ、NIR光は約750nm~2500nmの間の波長を有する光を含むことができ、MWIR光は約3000nm~5000nmの間の波長を有する光を含むことができ、LWIR光は約8000nm~12000nmの間の波長を有することができる。
【0036】
[00047] 光学素子114は、光197の少なくとも一部を受光し、光197をリソグラフィ装置199に反射するように配置された反射面116を有することができる。反射面116は、EUV光198を反射する一方、光197の帯域外成分を反射しないか又は光197の帯域外成分をほんのわずかな量しか反射しないコーティングを有することができる。このように、反射面116はEUV光198のみをリソグラフィ装置199に誘導する。
【0037】
[00048] EUV光源100はまた、光197に関するデータを含む信号157を制御システム150に提供するセンサシステム130を備える。センサシステム130は、光197の1つ以上の波長を検出することができるセンサ135を備えたプラズマモニタリングモジュール134を備える。センサ135は、光197中の何れの波長の存在も検出又は検知できる任意のセンサであってよい。したがって、図1Aの例では、センサ135は、EUV光を検出できるセンサ、又は帯域外の光の1つ以上の波長を検出できるセンサであってよい。
【0038】
[00049] センサシステム130はまた、パルス104に関するデータを制御システム150に提供するように構成されたビームモニタリングモジュール131を備えることができる。ビームモニタリングモジュール131は、パルス104の1つ以上の特性を測定又は決定する。パルス104の特性は、例えば、持続時間、時間的プロファイル、及び/又は総エネルギーを含むことができる。ビームモニタリングモジュール131は、パルス104内の波長を検出できるセンサ132を備える。センサ132及びセンサ135は、パルス104の光パワーと光197の光パワーとを互いに区別できるように、異なる光の波長を検出するように構成される。例えば、パルス104は、NIR又はMWIRの波長を有することができ、センサ132は、センサ132がこれらの波長のみを検出するフィルタを備えることができる。センサ135は、光ビーム106に存在しない異なる波長又はスペクトル帯を検出するように構成される。例えば、センサ135は、EUV光又は可視光を検出するように構成することができる。
【0039】
[00050] 一部の実装形態では、センサシステム130は、ビームモニタリングモジュール131を備えない。これらの実装形態では、制御システム150は、光ビーム106及び/又はパルス104に関する情報を光源105及び/又はビームデリバリシステム111から受け取る。また、一部の実装形態では、センサシステム130はビームモニタリングモジュール131を備え、制御システム150は、パルス104に関する情報をビームモニタリングモジュール131、光源105、及びビームデリバリシステム111の何れかから受け取るように構成される。
【0040】
[00051] EUV光源100はまた、センサシステム130、光源105、及び/又はビームデリバリシステム111からの情報を利用してターゲット121p内のターゲット材料の変換をモニタする制御システム150を備える。制御システム150は、センサシステム130からデータを受け取り、光源105及び/又はビームデリバリシステム111からもデータを受け取ることができる。制御システム150はまた、光ビーム106及び発光プラズマ196に関する情報に基づいて生成されるコマンド信号159を、光源105、供給システム110、及び/又はビームデリバリシステム111に供給する。
【0041】
[00052] 制御システム150は決定モジュール152を備える。決定モジュール152は、プラズマ196に変換されたターゲット材料の量を決定する。例えば、決定モジュール152は、光197が発せられる時間の長さを示すデータをセンサ135から受け取ることができる。この時間は、プラズマ196が存在する時間の長さを示す。決定モジュール152はまた、パルス104の持続時間を示すデータをセンサシステム130及び/又は光源105から受け取ることができる。
【0042】
[00053] 決定モジュール152は、これらの情報を利用してターゲット121p内のターゲット材料の変換量を決定する。例えば、決定モジュール152は、光197が発せられる時間の長さを光パルス104の持続時間と比較することができる。光パルス104の持続時間が光197が発せられた時間より大きい場合、決定モジュール152は、ターゲット121p内の全ての又は実質的に全てのターゲット材料が変換されたと判定することができる。制御システム150及び決定モジュール152の動作は、図3に関してさらに考察される。
【0043】
[00054] 図1Aの例では、制御システム150の決定モジュール152は、電子プロセッサ154、電子ストレージ156、及びI/Oインターフェイス158を使用して実現される。電子プロセッサ154には、コンピュータプログラムの実行に適した汎用又は専用マイクロプロセッサなどの1つ以上のプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの1つ以上の任意のプロセッサが含まれる。一般に、電子プロセッサは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受け取る。電子プロセッサ154は、何れのタイプの電子プロセッサであってもよい。電子プロセッサ154は、決定モジュール152を構成する命令を実行する。
【0044】
[00055] 電子ストレージ156は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリであってよい。一部の実装形態では、電子ストレージ156は、不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを含む。電子ストレージ156は、制御システム150の動作に使用されるデータ及び情報を記憶することができる。例えば電子ストレージ156は、決定モジュール152を実行する(例えばコンピュータプログラムの形式の)命令を記憶することができる。決定モジュール152は、センサシステム130から情報を受け取り、さらに光源105、供給システム110、及び/又はビームデリバリシステム111から情報を受け取ることができる。
【0045】
[00056] 電子ストレージ156はまた、実行されるとき、電子プロセッサ154に光源105、ビームデリバリシステム111、供給システム110、及び/又はセンサシステム130内のコンポーネントとの通信を行わせる、例えばコンピュータプログラムである命令を記憶することができる。例えば、命令は、電子プロセッサ154に、決定モジュール152により生成されたコマンド信号159の光源105、供給システム110、及び/又はビームデリバリシステム111への供給を行わせる命令であってよい。コマンド信号159は、光源105及び/又はビームデリバリシステム111内のコンポーネントに光ビーム106を調整するように動作させる信号である。例えば、光パルスの持続時間と光197が発せられる時間とが実質的に同じである場合、制御システム150は、プラズマ形成位置123に到達する次の光パルスが前の光パルスと比べてより大きい持続時間を有し、より多量のターゲット材料を変換できるように電気光学変調器を制御するコマンド信号をビームデリバリシステム111に発することができる。別の例では、電子ストレージ156は、実行されるとき、制御システム150を離れた機械と対話させる命令を記憶することができる。例えば、制御システム150は、同じプラント又は施設内にある他のEUV光源と対話することができる。
【0046】
[00057] I/Oインターフェイス158は、制御システム150がオペレータ、光源105、光源105の1つ以上のコンポーネント、リソグラフィ装置199、及び/又は別の電子デバイス上で実行する自動化プロセスとデータ及び信号をやりとりできるようにする任意の種類のインターフェイスである。例えば、決定モジュール152を編集することができる実装形態では、編集はI/Oインターフェイス158を通じて行うことができる。I/Oインターフェイス158は、視覚表示装置、キーボード、及び、パラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、及び/又は、例えばイーサネットなどの各種ネットワークインターフェイスなどの通信インターフェイスの1つ以上を含むことができる。I/Oインターフェイス158はまた、例えばIEEE802.11、ブルートゥース、又は近距離無線通信(NFC)接続を介した物理的接触のない通信を可能にすることができる。
【0047】
[00058] 図2を参照すると、EUV光源200のブロック図が示されている。EUV光源200は、EUV光源の実装形態の別の例である。EUV光源200は、EUV光源200が第1の光ビーム206_1を放射する第1の光源208_1と第2の光ビーム206_2を放射する第2の光源208_2とを含む光源205を使用する点を除き、EUV光源100(図1)と同じである。パルス204_1が第1の光ビーム206_1のパルスであり、パルス204_2が第2の光ビーム206_2のパルスである。パルス204_2は「プリパルス」光ビームと呼ばれることがあり、パルス204_1は「メインパルス」光ビームと呼ばれることがある。
【0048】
[00059] EUV光源200は光学素子114を備えるが、簡潔にするために、光学素子114のアパーチャ113だけが図2に示されている。パルス204_2は、ビーム経路207_2に沿って伝搬し、光学素子114のアパーチャ113を通過し、ビームデリバリシステム211_2を通って初期ターゲット領域224に搬送される。初期ターゲット領域224は、供給システム110から初期ターゲット221pを受け取る。初期ターゲット領域224は、プラズマ形成位置123に対して-x方向にずれている。
【0049】
[00060] パルス204_2は、初期ターゲット領域224でターゲット221pと相互作用して、ターゲット221pを調節し、修正ターゲット221mを形成する。調節は、ターゲット221pがパルス204_1を吸収する能力を高めることができる。例えば、発光プラズマ196は一般的には初期ターゲット領域224で生成されないが、パルス204_2とターゲット221pとの相互作用は、初期ターゲット221p内のターゲット材料の分布の状態、容積、及び/又は大きさを変化させることができる、及び/又はメインパルス204_1の伝搬方向に沿ってターゲット材料の密度勾配を減少させることができる。修正ターゲット221mは、例えば、ターゲット221pよりxy平面での広がりが大きく、ターゲット221pよりz軸に沿った広がりが小さいターゲット材料の円盤状の分布であってよい。修正ターゲット221mは、プラズマ形成位置123に移動し、パルス204_1によって照射されてプラズマ196を形成する。
【0050】
[00061] 制御システム150は、制御システム150を使用して第2の光ビーム206_2(又は光ビーム206_2のパルス)の特性を制御できるように光源208_2及びビームデリバリシステム211_2と連結される。このようにして、制御システム150を使用して、初期ターゲット221pの調節のパラメータを制御することができる。制御システム150はまた、光源208_1及びビームデリバリシステム211_1と連結され、制御システム150を使用して光ビーム206_1(又は光ビーム206_1のパルス)の特性を制御することができる。
【0051】
[00062] 光源208_1及び208_2は、例えば2つのレーザであってよい。例えば、光源208_1、208_2は、2つの炭酸ガス(CO)レーザであってよい。他の実装形態では、光源208_1、208_2は、異なるタイプのレーザであってよい。例えば、光源208_2は固体レーザであってよく、光源208_1はCOレーザであってよい。図2の例では、第1及び第2の光ビーム206_1、206_2はパルス化されている。第1及び第2の光ビーム206_1、206_2は異なる波長を有することができる。例えば、光源208_1、208_2が2つのCOレーザを含む実装形態では、第1の光ビーム206_1の波長は約10.26ミクロン(μm)であってよく、第2の光ビーム206_2の波長は10.18μm~10.26μmであってよい。第2の光ビーム206_2の波長は約10.59μmであってよい。これらの実装形態では、光ビーム206_1、206_2は、COレーザの異なる線から生成され、結果として、光ビーム206_1、206_2は、両方のビームが同じタイプのソースから生成される場合であっても、異なる波長を有することになる。
【0052】
[00063] パルス204_1及び204_2は、異なるエネルギーを有し、異なる持続時間を有することができる。例えば、プリパルス204_2は、少なくとも1nsの持続時間を有し、例えば、プリパルスは、1~100nsの持続時間と、1μm又は10μmの波長とを有することができる。1つの例では、放射のプリパルスは、15~60mJのエネルギーと、20~70nsのパルス長と、1~10μmの波長とを有するレーザパルスである。一部の例では、プリパルスは1ns未満の持続時間を有することができる。例えば、プリパルスは、300ps以下、100ps以下、100~300psの間、又は10~100psの間の持続時間を有することができる。
【0053】
[00064] ビームデリバリシステム211_1及び211_2は、ビームデリバリシステム111(図1A)と同様であることがある。図2の例では、第1の光ビーム206_1及び第2の光ビーム206_2は、別個のビームデリバリシステムと相互作用し、別個の光路上を進む。一方、他の実装形態では、第1の光ビーム206_1及び第2の光ビーム206_2は、同じ光路の全て又は一部を共有することができ、同じビームデリバリシステムを共有することもできる。
【0054】
[00065] 図3は、プロセス300のフローチャートである。プロセス300は、ターゲット材料の発光プラズマへの変換をモニタするためのプロセスの実装形態の例である。プロセス300を用いて、燃料と光ビームとの相互作用を通じてプラズマを形成する任意のシステムにおける燃料(ターゲット材料)の変換をモニタすることができる。プロセス300は、制御システム150によって実行することができる。プロセス300は、EUV光源100について考察し、続いてEUV光源200について考察される。
【0055】
[00066] 増幅光ビーム106は、ターゲット121pが、増幅光ビーム106の光パルス104とターゲット121pとが相互作用するプラズマ形成位置123にあるときにプラズマ形成位置123に供給される。パルス104とターゲット121pとの相互作用は、ターゲット121p内のターゲット材料の少なくとも一部をプラズマ196に変換する。第1のデータがアクセスされる(310)。第1のデータは、パルス104に関する情報を含む。例えば、第1のデータは、パルス104の持続時間を示すことができる。第1のデータはまた、パルス104に関する追加又は他の情報を示すことができる。例えば、第1のデータは、パルス104の特性、例えば、立ち上がり時間、総エネルギー含量、及び/又はピークエネルギー値などを示す情報を含むことができる。
【0056】
[00067] 制御システム150は、第1のデータを受け取り、第1のデータを処理してパルス104の1つ以上の特性を決定する。第1のデータは、センサシステム130からアクセスすることができる。これらの実装形態では、第1のデータはセンサ132により測定されたセンサデータである。センサ132は、パルス104内の波長を有する光を検出することができる任意のセンサであってよい。例えば、光源105が炭酸ガス(CO)レーザを含む実装形態では、センサ132は、例えば9~11ミクロン(μm)、10~11μm、又は10.5~10.7μmの間の波長を検出できるセンサである。
【0057】
[00068] 一部の実装形態では、第1のデータはセンサシステム130からアクセスされない。例えば、第1のデータは、光源105及び/又はビームデリバリシステム111からアクセスすることができる。これらの実装形態では、第1のデータは、例えば、ビーム106のパルスの時間的プロファイルを形成する電気光学変調器を制御するコントローラからアクセスすることができる。この例では、第1のデータは、パルス104を形成するために電気光学変調器に印加された励起信号についての情報を含むデータであってよい。制御システム150は、印加された励起信号についての情報からパルス104の時間的プロファイル及び/又は立ち上がり時間を決定又は推定することができる。別の例では、制御システム150は、光パルスを生成するのに採用された発射パターンについての情報を光源105から受け取ることができ、ビームモニタリングモジュール131は、光源105から受け取った情報からパルス104の持続時間を推定又は決定することができる。一部の実装形態では、第1のデータは、センサシステム130と光源105及び/又はビームデリバリシステム111との両方からアクセスすることができる。
【0058】
[00069] 発光プラズマ196に関する情報を含む第2のデータがアクセスされる(320)。第2のデータは、プラズマモニタリングモジュール134及びセンサ135からのデータであってよい。センサ135は、光197の波長に敏感な任意のセンサ又はセンサの組み合わせであってよい。制御システム150は、第2のデータから発光プラズマ196の1つ以上の特性を決定する。例えば、制御システム150は、センサ135からのデータを使用して、光197の持続時間を決定することができる。光197の持続時間は、発光期間と呼ばれることがあり、プラズマ196が生成される期間を示す。制御システム150は、第2のデータを処理し、第2のデータに1つ以上のメトリクスを適用することによって発光期間を決定することができる。例えば、発光期間は、センサ135により検出された光パワーが、少なくともセンサ135により検出された最大光パワーの閾値パーセンテージである連続時間と定義することができる。
【0059】
[00070] プラズマ196に変換されたターゲット材料の量が、少なくとも第1のデータ及び第2のデータに基づいて決定される(330)。例えば、第1のデータと第2のデータを比較して、プラズマ196に変換されたターゲット材料の量を決定することができる。以上で考察したように、パルス104とターゲット121pとの相互作用は発光プラズマ196を生成する。プラズマ196を生成するプロセスでは、ターゲット121内のターゲット材料の一部又は全てが第1の形態から第2の形態に変換される。ターゲット材料の第2の形態は、一般にターゲット材料の第1の形態よりも低密度である。ターゲット材料の第2の形態はまた、ターゲット材料の第1の形態よりも軽い及び/又は小さい可能性がある。ターゲット材料の第2の形態は、例えば、ターゲット材料の蒸発した粒子又は霧状の粒子であってよい。
【0060】
[00071] 第2の形態に変換されないターゲット材料は、燃料デブリ又はターゲットデブリと呼ばれる。燃料デブリは、光学素子114の反射面116など、真空チャンバ109内の物体上に蓄積する可能性がある。したがって、燃料デブリが真空チャンバ109内の物体上に蓄積することによって性能低下が生じる可能性がある。また、第2の形態のターゲット材料は密度が低いため、第1の形態のターゲット材料よりも容易に真空チャンバ109から除去する及び/又は既知の洗浄技術を用いて低減することができる。したがって、できるだけ多くのターゲット材料を第2の形態に変換することが望ましい。プロセス300は、ターゲットデブリの量を制御できるようにプラズマ生成プロセスをモニタする。
【0061】
[00072] プラズマ196はターゲット材料が変換されるときにのみ生成されるため、プラズマ生成イベントにおいて変換されたターゲット材料の量(並びに燃料デブリの量及びプラズマ粒子の量)は、(パルス104についての情報を有する)第1のデータ及び(発光プラズマ196についての情報を有する)第2のデータから決定する又は見積もることができる。例えば、変換されたターゲット材料の量は、第1のデータと第2のデータとの比較に基づいて決定することができる。
【0062】
[00073] ターゲットデブリの量を最小限に抑える又は低減するために、ターゲット内のターゲット材料の質量は、光パルスが発光プラズマ196に変換できるよりも多くするべきではない。特に、プラズマ生成イベントに由来するデブリ生成と「バーンスルー」の程度との間には相関関係がある。完全な「バーンスルー」は、一般に、ターゲット材料の照射に使用された光パルスが、プラズマから発せられた光の発光期間よりも長い持続時間を有するときに起こる。完全なバーンスルーによって、発光期間は照射光パルスの持続時間の範囲内にあり、これは全てのターゲット材料が変換され、プラズマ生成に寄与することを示す。
【0063】
[00074] バーンスルー時間は、完全なバーンスルーが起こるのに要する時間である。図4は、ターゲット材料の22μm液滴のバーンスルー時間405に関する例示的な測定データである。図4の例では、トレース406(実線)が、時間の関数としての光ビーム106のパルスの光パワーを表し、トレース407(破線)が、時間の関数としての測定されたEUV光を表す。トレース406は、ターゲット材料と相互作用して、トレース407により表されたEUV光を発するプラズマを生成する光パルスの時間的プロファイルである。図4の例では、EUV光の発光期間は、検出されたEUV光のパワーがピーク値の10%まで低下したときに終了する。以下で考察されるように、発光期間を決定するための閾値を考慮して許容可能なターゲットデブリの量を設定するために補償値409を使用することができる。
【0064】
[00075] 先の図3では、変換されたターゲット材料の量は、第1のデータ及び第2のデータに基づいて決定される。例えば、第1及び第2のデータは互いに比較することができる。第1のデータと第2のデータを比較することは、(第1のデータから決定される)光197の発光期間と(第2のデータから決定される)光パルスの持続時間を比較することを含むことができる。一部の実装形態では、制御システム150の決定モジュール152を実行して、式1で表現された条件に基づいて、第2の形態に変換されたターゲット材料の量を評価することができる。
【0065】
【数1】
【0066】
式中、δは0以上の補償値であり、tlightは、光197がtpulseの持続時間を有する光パルスの相互作用から形成されたプラズマ196から発せられる期間である。
【0067】
[00076] バーンスルーは一般に、光パルスが光197の持続時間より長いときに起こるが、EUV光源100などの動作システムでは、センサ較正、光パルス104及び光197の発光がいつ終了するかを決定するのに使用される閾値、並びに動作条件は、光197及び光パルス104の等しい持続時間と一致しないバーンスルー時間をもたらす可能性がある。補償値δは、これらの動作条件を考慮することに使用することができ、ターゲットデブリの許容量を設定することに使用することができる。補償値δは、特定のシステムに対してあらかじめ設定することができる、及び/又は動作中に実験データから決定することができる。補償値δは、システム条件が変化するとシステムの動作中に変化する可能性がある。また、補償値δは、バーンスルーの量が特定の状況には十分であると知られている又は決定されているが、完全なバーンスルーが起こるよりも小さくなるように設定することができる。したがって、補償値δは、燃料デブリの許容量を設定することに使用することができる。
【0068】
[00077] パルス104の持続時間と光197の持続時間の比較に他のメトリクスを使用することもできる。例えば、式(2)に示す比率を使用することができる。
【0069】
【数2】
【0070】
式中、デブリthは、そのシステム及び動作条件についてのターゲットデブリの許容量に対応する閾値であり、tlightは、光197がパルス104の相互作用から形成されたプラズマ196から発せられる期間であり、tpulseは、パルス104の持続時間である。閾値デブリthは、システムから測定されたデータに基づいて設定することができ、閾値デブリthは、システムの動作中に変化する可能性がある。式2で表現された比率が1に等しい場合、光197の持続時間とパルス104の持続時間は等しい。1未満の比率は、パルス104の持続時間が光197の持続時間より大きいことを示し、したがって、バーンスルー状態が起こった可能性が高い。
【0071】
[00078] 式1及び式2は、ターゲット材料の変換量を評価するために、パルス104の特性と光197の特性とを比較できる方法の例として与えられる。他の比較も可能である。持続時間の代わりに、例えば、立ち上がり時間及び/又は総エネルギーを比較する特性として使用することができる。
【0072】
[00079] ターゲットデブリの量が許容可能であるか否かが決定される(340)。式1で表現された条件又は式2で表現された条件が真の場合、変換されたターゲット材料の量は十分であり、したがって、パルス104とターゲット122pとの相互作用で生成されたターゲットデブリの量は、ターゲットデブリの許容範囲内にある。この場合、制御システム150は、コマンド信号159を光源105、ビームデリバリシステム111、又はターゲット供給システム110に供給しない。したがって、光ビーム106の次の光パルス及びプラズマ形成位置123に到達する次のターゲットの特性は、パルス104及びターゲット122pと実質的に同じである。
【0073】
[00080] 式1の条件又は式2の条件が偽であることは、パルス104とターゲット122pとの相互作用において変換されたターゲット材料の量が不十分であり、ターゲットデブリが望ましい量を超えていることを示す。パルス104とターゲット122pとの相互作用において変換されたターゲット材料の量が不十分であるとの決定に応答して、制御システム150は、光源105(図1A)もしくは光源205(図2)、ビームデリバリシステム111、及び/又は供給システム110を制御する。EUV光源100のこれらのサブシステムの何れかを制御するために、制御システム150は、1つ以上のコマンド信号159を生成し、制御されるサブシステムにコマンド信号159を供給する。1つ以上のコマンド信号159を制御されるサブシステムに供給することによって、後続パルス及び/又は後続ターゲットの1つ以上の特性が調整されることになる。EUV光源の1つ以上のサブシステムを制御して後続パルス及び/又は後続ターゲットの特性を制御する例は、図5A及び図5Bに関して考察される。
【0074】
[00081] 図5A及び図5Bは、2つの異なる時間におけるEUV光源100を示しており、図5Aは、時間t1におけるEUV光源100を示し、図5Bは、時間t1の後の時間t2におけるEUV光源100を示している。時間t1において、光ビーム106のパルス504_aがプラズマ形成位置123に到達し、ターゲット521_aを照射して発光プラズマ596_aを生成する。発光プラズマ596_aは、第1の発光期間にわたって光597_aを発する。時間t2において、後続パルス504_bがプラズマ形成位置123に到達し、後続ターゲット521_bを照射して発光プラズマ596_bを生成する。発光プラズマ596_bは、第2の発光期間にわたって光597_bを発する。第1の発光期間と第2の発光期間は、同じ持続時間であってよい、又はEUV光源100の1つ以上のサブシステムを制御するためにコマンド信号159が発せられたか否かに応じて異なってよい。
【0075】
[00082] 後続パルス504_b及び後続ターゲット521_bは、それぞれパルス504_a及びターゲット521_aの後にプラズマ形成位置123に到達する何れのパルス又は何れのターゲットであってもよい。後続パルス504_bは、パルス504_aの直後のパルスであってよく、後続ターゲット521_bは、ターゲット521_aの直後にプラズマ形成位置123にあるターゲットであってよい。
【0076】
[00083] コマンド信号159は、ターゲット材料の変換量の決定に基づいている(330)。例えば、式1が(330)の決定に使用される場合、光597_aの発光期間と補償値δとの合計がパルス504_aの持続時間以上であることは、相互作用において変換されたターゲット材料の量が不十分であったことを示す。パルス504_aの持続時間と光597_aの持続時間との差の値は、制御システム150が行うべき調整の量を示す。具体的には、式1を再度参照すると、後続パルス504_bの持続時間は、光597_aの発光期間よりδだけ上回る持続時間を有する必要がある。したがって、この例では、コマンド信号159は、EUV光源100のサブシステムの1つ以上のコンポーネントに印加される場合、後続パルス504_bに光597_aの持続時間よりδだけ上回る持続時間を持たせる情報を含む。
【0077】
[00084] 例えば、コマンド信号159は、ビームデリバリシステム111のビーム経路107上に位置するシャッタ518に供給することができる。シャッタは、例えば、電気光学変調器(EOM)又は音響光学変調器(AOM)であってよい。シャッタ518が第1の状態にあるとき、ビーム106はシャッタと相互作用してプラズマ形成位置123に伝搬する光パルスを形成する。シャッタ518が第2の状態にあるとき、光ビーム106は光路107上に残っていない、及び/又は光パルスが形成されない。この例では、コマンド信号159は、後続パルス504_bの持続時間に光197の発光期間よりδだけ上回る持続時間を持たせる時間の間、シャッタ518が第1の状態にとどまるべきことを示す情報を含む。
【0078】
[00085] コマンド信号159はまた、ターゲット521_bなどの後続ターゲットの特性を調整することに使用することができる。後続ターゲットの特性を調整する例は、図2のEUV光源200に関して考察される。修正ターゲットのサイズ及び液滴サイズの影響の例は、EUV光源200を使用して後続ターゲットの特性を調整する例を示すのに先立って考察される。
【0079】
[00086] 図6は、プリパルスの伝搬方向に沿った修正ターゲット(修正ターゲット221mなど)の厚さを、供給システム110から放出されたターゲット液滴の直径の関数として示すグラフ600である。図6の例では、初期ターゲットは、溶融金属の実質的に球状の液滴である。図6は、プロット602と、プロット603と、プロット604とを含む。プロット602、603、604は、それぞれ直径が300μm、350μm、及び400μmの修正ターゲットに対応する。修正ターゲットの直径は、伝搬方向と異なる方向に沿っており、伝搬方向と概ね直交する方向に沿っている可能性がある。例えば、修正ターゲットの直径はxy平面上にある可能性がある。より大きな直径を有する液滴を使用して、より厚くて大きい修正ターゲットを形成することができるが、図6に示すように、特定の直径(例えば27μm)を有する初期ターゲットを調節して、様々な直径及び厚さの修正ターゲットを形成することができる。
【0080】
[00087] 光パルスが修正ターゲットと相互作用して、光を発するプラズマを形成する。発せられた光の特性は、修正ターゲットの厚さに依存する。例えば、比較的薄い修正ターゲットは、光の発光の持続時間を短縮する可能性がある。図7は、直径が22μm(「x」で示す)、26μm(「*」で示す)、及び34μm(円で示す)の初期ターゲットから形成された修正ターゲットに対するEUV光の持続時間のプロット700である。図7に示すように、EUV持続時間は一般に、(図6に示すように、より薄い修正ターゲットを形成するのに使用され得る)より大きい直径を有する初期ターゲットを使用する場合に長くなる。
【0081】
[00088] したがって、修正ターゲット221m(図2)の厚さを使用して、光197(図2)を発する時間を制御することができる。形状(例えば、厚さを含む)及び密度などの修正ターゲット221mの特性は、プリパルス204_2の特性を制御することによって制御することができる。
【0082】
[00089] プリパルス204_2と初期ターゲット221p(図2)との相互作用は、修正ターゲット221mを形成する。初期ターゲット221pは、ターゲット材料の球状の液滴であってよい。ただし、プリパルス204_2と初期ターゲット221pとの相互作用は、修正ターゲット221mが初期ターゲット221pと異なる形状を有するように、ターゲット材料の幾何分布を修正する。修正ターゲット221mはまた、初期ターゲット221pと異なる形状を有することができる。例えば、修正ターゲット221mは、ディスク形状を有することができ、ディスクの最も薄い部分がメインパルス204_1の伝搬方向に平行である。一部の実装形態では、修正ターゲット221mの向きは、修正ターゲット221mの最も薄い部分がメインパルス204_1の方向に対して非ゼロ角度で傾斜するものであってよい。修正ターゲット221mは、他の幾何学的形態を取ることもできる。例えば、放射のプリパルスの持続時間が1ns未満である実装形態では、修正ターゲット221は、半球状の形状など、回転楕円体をある平面に沿ってスライスすることから形成された形状を有することができる。
【0083】
[00090] したがって、修正ターゲット221mの後にプラズマ形成位置123に到達する修正ターゲットの形状及び/又はサイズは、後続初期ターゲットを形成することに使用されるプリパルスの特性を制御することによって制御することができる。図2のEUV光源200においてプリパルスの特性を制御する例は以下で考察される。以下の考察では、修正ターゲット221mの後にプラズマ形成位置123に到達する修正ターゲットは、後続修正ターゲットと呼ばれる。プリパルス204_2の後で且つ後続初期ターゲットと同時に初期ターゲット領域224に到達する光ビーム206_2のパルスは、後続プリパルスと呼ばれる。
【0084】
[00091] メインパルス204_1と修正ターゲット221mとの相互作用は、光197を発するプラズマ196を形成する。センサシステム130は、光197についての情報(第2のデータ)を制御システム150に提供する。センサシステム130、光源205、及び/又はビームデリバリシステム211_1は、メインパルス204_1(第1のデータ)についての情報を制御システム150に提供する。制御システム150は、この情報を図3の(330)に関して考察したように使用する。変換されたターゲット材料の量が不十分である場合、制御システム150はコマンド信号159を生成し、信号159を光源208_2及び/又はビームデリバリシステム211_2に供給して後続プリパルスの特性を変更することができる。例えば、コマンド信号159は、後続プリパルスの持続時間、立ち上がり時間、総エネルギー、及び/又は焦点位置を変更することができる。
【0085】
[00092] これらの特性の1つ以上を変更することによって、後続プリパルスで形成された後続修正ターゲットは、修正ターゲット221mよりxy平面上で大きく、z方向に小さく、及び/又は後続メインパルスの伝搬方向に沿って密度を低くすることができる。このようにして、後続修正ターゲットは、後続メインパルスをより多く吸収することができ、プラズマ生成プロセスにおいて生成される燃料デブリを少なくすることができる。
【0086】
[00093] 後続ターゲットの特性は、他の方法で変更することもできる。例えば、初期ターゲット221pの直径は、供給システム110のリザーバ118に印加される圧力Pを変化させることによって、及び/又は供給システム110に印加される駆動波形の周波数及び/又は振幅を修正することによって変更することができる。初期ターゲット221pの直径を変更することで、その初期ターゲットから形成される修正ターゲットの厚さを変更できる可能性がある。
【0087】
[00094] これらの実装形態では、制御システム150は、コマンド信号159を供給システム110に発することによって、初期ターゲット221pの直径を変更することができる。コマンド信号159は、初期ターゲット221pの直径を変化させる変化を供給システム110内にもたらすのに十分である。このような供給システム110への変化はターゲットのストリーム121(例えば、ストリーム内のターゲット間の距離及び合体長さ)に他の変化をもたらす可能性があるが、供給システム110の1つ以上のパラメータを変更することを利用して、後続ターゲットの特性を変更することもできる。
【0088】
[00095] 図8は、例示的な実験データの棒グラフ800を示している。棒グラフ800は、照射光パルスの持続時間の関数としてデブリ発生又はデブリ数を示す。デブリ数は、プラズマ生成イベント後に残っているターゲットデブリの量を示す。図8の例では、デブリ数は、デブリ粒子を数える粒子画像速度測定(PIV)検出器を使って測定された。棒グラフ800の作成に使用されたデータは、330μmのサイズを有し、最大規模の軸に沿って拡張され、プラズマ形成位置123に到達した27μm径のターゲット液滴を基にした。
【0089】
[00096] 図8では、領域801のパルスは「バーンスルー」を達成し、領域802のパルスは達成しなかった。領域801のパルスは、130、110、及び90ナノ秒(ns)の持続時間を有していた。領域802のパルスは、全てのターゲット材料を蒸発させるには不十分な長さの70ns及び50nsの持続時間を有していた。デブリ数は、領域802のパルスの場合(デブリ数は少なくとも15であった)より領域801のパルスの場合(例えば4又は5個)の方が少なかった。
【0090】
[00097] 一部の実装形態では、図8に示すようなデータは、EUV光源100又は200の動作に先立って収集し、制御システム150の電子ストレージ156に記憶することができる。ターゲットデブリの量を減らすために、このデータを使用して初期パルス長をプログラム又は設定すること、及び/又は動作中に光源105及び/又はビームデリバリシステム111を制御することができる。例えば、図8のデータは、最大規模の軸に沿って330μmのサイズを有するターゲットがターゲットデブリの量を少なくとも3倍減らすことから、パルスの持続時間が90ns以上であるべきことを示す。
【0091】
[00098] 図9及び図10は、EUVフォトリソグラフィシステムの例を考察する。図11は、EUV光源の例を考察する。
【0092】
[00099] 図9は、一実装形態に係るソースコレクタモジュールSOを備えたリソグラフィ装置900を概略的に示している。リソグラフィ装置900は、光源100又は200のリソグラフィ装置199として使用することができる。リソグラフィ装置900は、
放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば、反射型投影システム)PSと、
を備える。
【0093】
[00100] 照明システムは、放射を誘導し、成形し、又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電型又は他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0094】
[00101] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
【0095】
[00102] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0096】
[00103] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0097】
[00104] 投影システムPSは、照明システムILと同様に、使用する露光放射、又は真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折、反射、磁気、電磁気、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用には真空を使用することが望ましいことがある。したがって、真空環境は、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供してもよい。
【0098】
[00105] 本明細書で示すように、本装置は反射型である(例えば反射マスクを使用する)。リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0099】
[00106] 図9を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受光する。EUV光を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲の1つ以上の輝線を含む少なくとも1つの元素、例えば、キセノン、リチウム、又はスズを有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような1つの方法では、所要のプラズマは、所要の線発光元素を有する材料の液滴、ストリーム又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供する、図9には示されていないレーザを備えたEUV放射システムの一部であってよい。その結果生じるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置された放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するために炭酸ガス(CO)レーザが使用される場合には、別個のエンティティであってよい。
【0100】
[00107] このような場合、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するものとは見なされず、放射ビームは、例えば、好適な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えるビームデリバリシステムの助けにより、レーザからソースコレクタモジュールに渡される。他の場合、例えばソースが、しばしばDPPソースと呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、ソースはソースコレクタモジュールの不可欠な一部であってよい。
【0101】
[00108] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性及び強度分布が得られるようにしてもよい。
【0102】
[00109] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分Cにビームを合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ又は容量性センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0103】
[00110] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0104】
[00111] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0105】
[00112] 図10は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを備えたリソグラフィ装置900の実装形態をより詳細に示している。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造1020に真空環境を維持できるように構築及び配置される。同様に、システムIL及びPSはそれ自体の真空環境に含まれる。EUV放射放出プラズマ2は、レーザ生成LPPプラズマ源によって形成することができる。ソースコレクタモジュールSOの機能は、仮想光源点に合焦されるようにEUV放射ビーム20をプラズマ2から搬送することである。仮想光源点は、一般に中間焦点(IF)と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造1020のアパーチャ1021に又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ2の像である。
【0106】
[00113] 中間焦点IFにあるアパーチャ1021から、放射は、この例ではファセットフィールドミラーデバイス22とファセット瞳ミラーデバイス24とを備えた照明システムILを横断する。これらのデバイスは、(参照記号1060により示されるように)パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように構成された、いわゆる「フライアイ(fly’s eye)」イルミネータを構成する。支持構造(マスクテーブル)MTにより保持されたパターニングデバイスMAにおけるビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。基板W上のターゲット部分Cを露光するために、放射パルスの生成は、基板テーブルWT及びパターニングデバイステーブルMTが、照明のスリットを介してパターニングデバイスMA上のパターンをスキャンするために同期運動を実行する間に行われる。
【0107】
[00114] 各システムIL及びPSは、閉鎖構造1020と同様の閉鎖構造により画定される、それ自体の真空又は近真空環境内に配置される。一般に、照明システムIL及び投影システムPSには、図に示されるよりも多くの要素が存在する可能性がある。さらに、図に示されるよりも多くのミラーが存在する可能性がある。例えば、照明システムIL及び/又は投影システムPSには、図10に示すもの以外に1から6個の付加的な反射要素が存在する可能性がある。
【0108】
[00115] ソースコレクタモジュールSOについてより詳細に考察すると、レーザを含むレーザエネルギー源1023が、ターゲット材料を含む燃料にレーザエネルギー1024を付与するように配置される。ターゲット材料は、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)など、EUV放射を放出するプラズマ状態のいずれの材料であってもよい。プラズマ2は、電子温度が数十電子ボルト(eV)の高イオン化されたプラズマである。他の燃料材料、例えばテルビウム(Tb)及びガドリニウム(Gd)を用いて、よりエネルギーの高いEUV放射を生成することもできる。これらのイオンの脱励起及び再結合の間に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって収集され、アパーチャ1021に合焦される。プラズマ2及びアパーチャ1021は、それぞれコレクタCOの第1及び第2の焦点に位置する。
【0109】
[00116] 図10に示すコレクタ3は単一の湾曲ミラーであるが、コレクタは他の形態を取ることもできる。例えばコレクタは、2つの放射収集面を有するシュヴァルツシルトコレクタであってよい。ある実施形態では、コレクタは、互いにネスト化された複数の実質的に円筒形のリフレクタを備えたかすめ入射コレクタであってよい。
【0110】
[00117] 例えば液体スズである燃料を供給するために、エンクロージャ1020内に、プラズマ2の望ましい位置に向けて液滴の高周波ストリーム1028を発射するように構成された液滴発生器1026が配置される。動作中、レーザエネルギー1024は、各燃料液滴をプラズマ2に変化させるように放射のインパルスを供給するために、液滴発生器1026の動作と同期して供給される。液滴の供給周波数は、数キロヘルツ、例えば50kHzであってよい。実際には、レーザエネルギー1024は、少なくとも2つのパルスで供給される。すなわち、燃料材料を蒸発させて小さなクラウドにするために、エネルギーが制限されたプリパルスがプラズマ位置に到達する前に液滴に供給され、次にプラズマ2を生成するために、レーザエネルギー1024のメインパルスが望ましい位置にあるクラウドに供給される。いかなる理由であれ、プラズマに変化しない燃料を捕捉するために、閉鎖構造1020の反対側にトラップ1030が設けられる。
【0111】
[00118] 液滴発生器1026は、燃料液体(例えば、溶融スズ)を含むリザーバ1001と、フィルタ1069と、ノズル1002とを備える。ノズル1002は、プラズマ2形成位置に向けて燃料液体の液滴を噴出するように構成される。燃料液体の液滴は、リザーバ1001内の圧力とピエゾアクチュエータ(図示せず)によりノズルに印加される振動との組み合わせによってノズル1002から噴出することができる。
【0112】
[00119] 当業者であればわかるように、装置、その様々なコンポーネント、及び放射ビーム20、21、26のジオメトリ及び挙動を測定及び記述するために、基準軸X、Y、及びZを定義することができる。装置の各部で、X、Y及びZ軸の局所基準フレームを定義することができる。図10の例では、Z軸は、システム内の所与のポイントで光軸Oの方向と概ね一致し、パターニングデバイス(レチクル)MAの面に対して概ね垂直且つ基板Wの面に対して垂直である。ソースコレクタモジュールにおいて、X軸は燃料ストリーム1028の方向と概ね一致するが、Y軸はそれと直交し、図10に示されるようにページの外を指す。他方で、レチクルMAを保持する支持構造MTの付近では、X軸はY軸に沿ったスキャン方向に対して概ね横方向である。便宜上、図10の概略図のこのエリアでは、X軸は、ここでもマークされているようにページの外を指す。これらの指定は当分野では慣習的であり、本明細書で便宜上採用される。原則として、装置及びその挙動を記述するために、いずれの基準フレームを選ぶことも可能である。
【0113】
[00120] 典型的な装置には、ソースコレクタモジュール及びリソグラフィ装置900全体の動作で使用される多数の付加的コンポーネントが存在するが、ここでは図示されていない。これらには、例えば、コレクタ3及び他の光学部品の性能を損なうか又は害する燃料材料の堆積を防止するために、閉鎖された真空内の汚染物の影響を削減又は緩和するための構成が含まれる。存在するが詳細には説明しない他の特徴は、リソグラフィ装置900の様々なコンポーネント及びサブシステムの制御に関与する全てのセンサ、コントローラ及びアクチュエータである。
【0114】
[00121] 図11を参照すると、LPP EUV光源1100の実装形態が示されている。光源1100は、リソグラフィ装置900のソースコレクタモジュールSOとして使用することができる。さらに、図1Aの光源105又は図2の光源205は、ドライブレーザ1115の一部であってよい。ドライブレーザ1115は、レーザ1023(図10)として使用することができる
【0115】
[00122] LPP EUV光源1100は、プラズマ形成位置1105にあるターゲット混合物1114に、ビーム経路に沿ってターゲット混合物1114に向かって進む増幅光ビーム1110を照射することによって形成される。図1Aに関して考察されたストリーム121内のターゲットは、ターゲット混合物1114であるか、又はこれを含んでよい。プラズマ形成位置1105は、真空チャンバ1130の内部1107にある。増幅光ビーム1110がターゲット混合物1114に当たるとき、EUV範囲の輝線を有する元素を有する、ターゲット混合物1114内のターゲット材料は、プラズマ状態に変換される。生成されたプラズマは、ターゲット混合物1114内のターゲット材料の組成に依存したいくつかの特性を有する。これらの特性は、プラズマにより生成されたEUV光の波長、並びにプラズマから放出されるデブリの種類及び量を含むことができる。
【0116】
[00123] 光源1100はまた、液滴、液体ストリーム、固体粒子もしくはクラスタ、液滴内に含まれた固体粒子、又は液体ストリーム内に含まれた固体粒子の形態のターゲット混合物1114を搬送、制御、及び誘導する供給システム1125を備える。ターゲット混合物1114は、例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又はプラズマ状態に変換されたときにEUV範囲の輝線を有する任意の材料などのターゲット材料を含む。例えば、スズ元素は、純スズ(Sn)として、SnBr、SnBr、SnHなどのスズ化合物として、スズ-ガリウム合金、スズ-インジウム合金、スズ-インジウム-ガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせなどのスズ合金として使用することができる。ターゲット混合物1114はまた、非ターゲット粒子などの不純物を含む可能性がある。したがって、不純物が無い状態では、ターゲット混合物1114はターゲット材料のみから構成される。ターゲット混合物1114は、供給システム1125によってチャンバ1130の内部1107及びプラズマ形成位置1105へ供給される。
【0117】
[00124] 光源1100はドライブレーザシステム1115を備え、このレーザシステムは、レーザシステム1115の単数又は複数の利得媒質における反転分布に起因して、増幅光ビーム1110を生成する。光源1100は、レーザシステム1115とプラズマ形成位置1105との間にビームデリバリシステムを備え、このビームデリバリシステムはビーム搬送システム1120及び焦点アセンブリ1122を備える。ビーム搬送システム1120は、増幅光ビーム1110をレーザシステム1115から受光し、増幅光ビーム1110を必要に応じて操向及び修正し、増幅光ビーム1110を焦点アセンブリ1122に出力する。焦点アセンブリ1122は増幅光ビーム1110を受光し、ビーム1110をプラズマ形成位置1105に合焦させる。
【0118】
[00125] 一部の実装形態では、レーザシステム1115は、1つ以上のメインパルス及び場合によっては1つ以上のプリパルスを提供する、1つ以上の光学増幅器、レーザ、及び/又はランプを備えることができる。各光学増幅器は、所望の波長を高利得で光学的に増幅することができる利得媒質と、励起源と、内部光学部品とを備える。光学増幅器は、レーザミラー又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有する場合も、有しない場合もある。したがって、レーザシステム1115は、たとえレーザキャビティが無い場合であっても、レーザ増幅器の利得媒質における反転分布に起因して、増幅光ビーム1110を生成する。また、レーザシステム1115は、レーザシステム1115に十分なフィードバックを提供するためのレーザキャビティがある場合は、コヒーレントなレーザビームである増幅光ビーム1110を生成することができる。「増幅光ビーム」という用語は、単に増幅されているのみで必ずしもコヒーレントなレーザ発振ではないレーザシステム1115からの光、及び、増幅されており且つコヒーレントなレーザ発振でもあるレーザシステム1115からの光の1つ以上を包含する。
【0119】
[00126] レーザシステム1115内の光学増幅器は、利得媒質としてCOを含む充填ガスを含むことができ、約9100~約11000nm、特に約10600nmの波長の光を、800倍以上の利得で増幅することができる。レーザシステム1115での使用に適した増幅器及びレーザは、例えばDC又はRF励起により、例えば約9300nm又は約10600nmの放射線を生成し、例えば10kW以上の比較的高い出力と、例えば40kHz以上の高いパルス繰り返し率とで動作する、パルスガス放電COレーザデバイスなどのパルスレーザデバイスを含むことができる。パルス繰り返し率は、例えば50kHzであってよい。レーザシステム1115内の光学増幅器はまた、レーザシステム1115をより高出力で運転する際に使用され得る水などの冷却システムを備えることができる。
【0120】
[00127] 光源1100は、増幅光ビーム1110が通過してプラズマ形成位置1105に到達することを可能にするアパーチャ1140を有するコレクタミラー1135を備える。コレクタミラー1135は、例えば、プラズマ形成位置1105に第1焦点を、中間位置1145(中間焦点とも呼ばれる)に第2焦点を有する楕円ミラーであってよく、この第2焦点においてEUV光を光源1100から出力することができるとともに、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力することができる。光源1100はまた、増幅光ビーム1110がプラズマ形成位置1105に到達することを可能にしつつ、焦点アセンブリ1122及び/又はビーム搬送システム1120に侵入するプラズマ生成デブリの量を減少させるようにコレクタミラー1135からプラズマ形成位置1105に向かって細くなる、開放端を有する中空で円錐形のシュラウド1150(例えばガス円錐)を備えることができる。この目的のため、シュラウド内にプラズマ形成位置1105に向けて誘導されるガス流を供給することができる。
【0121】
[00128] 光源1100はまた、液滴位置検出フィードバックシステム1156、レーザ制御システム1157、及びビーム制御システム1158に接続された主コントローラ1155を備えることができる。光源1100は、1つ以上のターゲット又は液滴イメージャ1160を備えることができ、この液滴イメージャは、例えばプラズマ形成位置1105に対する液滴の位置を示す出力を供給するとともに、この出力を、例えば、液滴位置及び軌道を計算し得る液滴位置検出フィードバックシステム1156に供給する。この液滴位置及び軌道から、液滴ごとに又は平均で、液滴位置誤差を計算することができる。したがって、液滴位置検出フィードバックシステム1156は、液滴位置誤差を主コントローラ1155への入力として供給する。よって、主コントローラ1155は、レーザ位置、方向、及びタイミング補正信号を、例えばレーザタイミング回路を制御するために用いられ得るレーザ制御システム1157、及び/又は、チャンバ1130内のビーム焦点スポットの位置及び/又は集光力を変更するようにビーム搬送システム1120の増幅光ビーム位置及び整形を制御するビーム制御システム1158に提供することができる。
【0122】
[00129] 供給システム1125は、主コントローラ1155からの信号に応答して、例えば、所望のプラズマ形成位置1105に到達する液滴の誤差を補正するべくターゲット材料供給装置1127により放出される液滴の放出点を修正するように動作可能なターゲット材料供給制御システム1126を含む。
【0123】
[00130] また、光源1100は、パルスエネルギー、波長の関数としてのエネルギー分布、特定の波長帯域内のエネルギー、特定の波長帯域外のエネルギー、並びにEUV強度及び/又は平均出力の角度分布を含むがこれらに限られない1つ以上のEUV光パラメータを測定する光源検出器1165及び1170を備えることができる。光源検出器1165は、主コントローラ1155により用いられるフィードバック信号を生成する。このフィードバック信号は、例えば、効果的且つ効率的なEUV光生成のために正しい位置及び時間において液滴を適切にインターセプトするためのレーザパルスのタイミング及び焦点などのパラメータの誤差を示す可能性がある。
【0124】
[00131] 光源1100はまた、光源1100の様々なセクションを整列させるため又は増幅光ビーム1110をプラズマ形成位置1105へ操向するのを支援するために使用され得るガイドレーザ1175を備えることができる。ガイドレーザ1175と関連して、光源1100は、ガイドレーザ1175からの光及び増幅光ビーム1110の一部分をサンプリングするように焦点アセンブリ1122内に配置されたメトロロジシステム1124を備える。他の実装形態では、メトロロジシステム1124は、ビーム搬送システム1120内に配置される。メトロロジシステム1124は、光の一部をサンプリング又は再誘導する光学素子を備えることができ、そのような光学素子は、ガイドレーザビーム及び増幅光ビーム1110の出力に耐え得る任意の材料で作製されている。主コントローラ1155がガイドレーザ1175からのサンプリングされた光を分析し、この情報をビーム制御システム1158を通じて焦点アセンブリ1122内のコンポーネントを調整するために用いることから、メトロロジシステム1124及び主コントローラ1155からビーム分析システムが形成される。
【0125】
[00132] したがって、要約すれば、光源1100は、混合物1114内のターゲット材料をEUV範囲の光を発するプラズマに変換するべく、プラズマ形成位置1105にあるターゲット混合物1114を照射するためにビーム経路に沿って誘導される増幅光ビーム1110を生成する。増幅光ビーム1110は、レーザシステム1115の設計及び特性に基づいて決定される特定の波長(ドライブレーザ波長とも呼ばれる)で動作する。また、増幅光ビーム1110は、ターゲット材料がコヒーレントなレーザ光を生成するためにレーザシステム1115に十分なフィードバックを提供するとき、又はドライブレーザシステム1115がレーザキャビティを形成するために適切な光フィードバックを含む場合には、レーザビームであってよい。
【0126】
[00133] 他の実装形態も特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、図1A図2図5A及び図5Bは、センサシステム130を真空チャンバ109の内側にあるものとして示している。しかしながら、他の実装形態も可能である。例えば、センサシステム130の全て又は一部は真空チャンバ109の外側にあり、センサ135はビューポートから真空チャンバ109の内部を見る位置にあってよい。
【0127】
[00134] 本発明の他の態様は、以下の番号付けされた条項に記載される。
【0128】
1.プラズマに変換されたターゲット材料の量をモニタする方法であって、方法が、
増幅光ビームを、ターゲット材料を含むターゲットを受ける領域に供給し、増幅光ビームとターゲットとの相互作用がターゲット材料の少なくとも一部を第1の形態から第2の形態に変換して発光プラズマを形成すること、
増幅光ビームに関する情報を含む第1のデータにアクセスすること、
発光プラズマに関する情報を含む第2のデータにアクセスすること、及び
第1の形態から第2の形態に変換されたターゲット材料の量を、少なくとも第1のデータ及び第2のデータに基づいて決定することを含み、ターゲット材料の第2の形態がターゲット材料の第1の形態より低密度である、
方法。
2.ターゲット材料が金属を含み、第1の形態が、溶融した形態の金属を含み、第2の形態が、蒸発した形態の金属を含む、条項1に記載の方法。
3.増幅光ビームの特性、及びターゲットの後に領域で受けた少なくとも1つの後続ターゲットの特性の一方又は両方を、決定されたターゲット材料の変換量に基づいて調整することをさらに含む、条項1に記載の方法。
4.増幅光ビームがパルス増幅光ビームを含み、パルス増幅光ビームが複数の光パルスを含み、発光プラズマが、複数の光パルスの1つの光パルスとターゲット材料との相互作用によって形成される、条項3に記載の方法。
5.複数の光パルスの1つの光パルスが持続時間を有し、複数の光パルスの1つの光パルスとターゲットとの相互作用によって形成された発光プラズマが発光期間中に光を発する、条項4に記載の方法。
6.第1のデータが、複数の光パルスの1つの光パルスの持続時間を表す情報を含み、
第2のデータが、発光期間の持続時間を表す情報を含む、条項5に記載の方法。
7.ターゲット材料の変換量を決定することが、
複数の光パルスの1つの光パルスの持続時間と発光期間の持続時間とを比較して、発光期間の持続時間の複数のパルスの1つのパルスの持続時間に対する比率を決定すること、
比率を、これを超えるとターゲットデブリの発生を許容できない値である閾比率と比較すること、及び
比率が閾比率より大きいかどうかを比較に基づいて決定すること、
を含む、条項6に記載の方法。
8.比率が閾比率より大きい場合に、増幅光ビーム内の後続パルスの特性を調整すること、又は増幅光ビームを生成するソースを停止させることをさらに含む、条項7に記載の方法。
9.後続パルスの特性が、持続時間、時間的プロファイル、エネルギー、及び焦点位置のうちの1つ以上を含む、条項8に記載の方法。
10.後続パルスが、複数のパルスの1つのパルスの直後のパルスである、条項8に記載の方法。
11.比率が閾比率より大きい場合に、ターゲットの後に領域で受けた後続ターゲットの特性を調整すること、又は増幅光ビームを生成するソースを停止させることをさらに含む、条項7に記載の方法。
12.後続ターゲットの特性は、形状、密度、厚さ、及びサイズのうちの1つ以上を含む、条項11に記載の方法。
13.増幅光ビームに関する情報が、複数の光パルスの1つの光パルスの特性を表す情報を含み、
発光プラズマに関する情報が、発光期間の特性を表す情報を含み、
ターゲット材料の変換量を決定することが、複数の光パルスの1つの光パルスの特性と発光期間の特性とを比較することを含み、
複数の光パルスの1つの光パルスの特性及び発光プラズマの特性が、立ち上がり時間、ピークエネルギー値、総エネルギー含量、及び/又は平均エネルギー含量を含む、条項1に記載の方法。
14.第1のデータが、増幅光ビームの特性を測定し、測定した増幅光ビームの特性に基づいて増幅光ビームに関する情報を生成するように構成された第1のセンサからのデータを含み、
第2のデータが、発光プラズマの特性を測定し、測定した発光プラズマの特性に基づいて発光プラズマに関する情報を生成するように構成された第2のセンサからのデータを含む、
条項1に記載の方法。
15.決定されたターゲット材料の変換量に基づく診断データを提示することをさらに含む、条項1に記載の方法。
16.決定されたターゲット材料の変換量に基づいて増幅光ビームのソースを制御することをさらに含み、
増幅光ビームのソースを制御することが、(a)ソースを停止させること、(b)ソースの動作モードを変更すること、又は(c)ソースにおける最適化ルーチンをトリガすること、を含む、
条項1に記載の方法。
17.第2のデータが、発光プラズマから発せられた極端紫外(EUV)光についての情報を含む、条項1に記載の方法。
18.ターゲット材料の変換量を決定することが、ターゲットデブリ及び/又は粒子デブリの生成を決定することを含み、ターゲットデブリが第1の形態のターゲット材料を含み、粒子デブリが第2の形態のターゲット材料を含む、条項1に記載の方法。
19.増幅光ビームを発射するように構成された光源と、
増幅光ビームを内部にあるプラズマ形成位置で受光するように配置された真空チャンバと、
ターゲット材料を含むターゲットをプラズマ形成位置に供給するように構成され、ターゲットと増幅光ビームとの相互作用がターゲット材料の少なくとも一部を変換して発光プラズマを形成するターゲット材料供給システムと、
センサシステムと、を備えたシステムであって、
センサシステムが、
増幅光ビームの少なくとも1つの波長を検出し、増幅光ビームに関する情報を含む第1の信号を生成するように構成された第1のセンサと、
発光プラズマから発せられた光の少なくとも一部を検出し、発光プラズマに関する情報を含む第2の信号を生成するように構成された第2のセンサと、
センサシステムに連結され、少なくとも第1の信号及び第2の信号に基づいてターゲット材料の変換量を決定するように構成された制御システムと、
を備えたシステム。
20.制御システムがさらに、決定された変換量に基づいて増幅光ビームの1つ以上の特性を制御するように構成される、条項19に記載のシステム。
21.光源がパルス増幅光ビームを発射するように構成され、第1の信号が、光源から発せられた光のパルスの持続時間を示す情報を含み、第2の信号が、プラズマからの発光の持続時間を示す情報を含む、条項20に記載のシステム。
22.システムがさらに、光源とターゲット領域の間に光変調器を備え、制御システムが光変調器に連結され、制御システムが、光変調器を制御することによって増幅光ビームの特性を制御し、これによって増幅光ビームの持続時間を制御するように構成される、条項21に記載のシステム。
23.制御システムが光源に連結され、制御システムがさらに、決定された変換量に基づいて光源を制御するように構成される、条項19に記載のシステム。
24.システムがさらに、第2の光ビームを発射するように構成された第2の光源を備え、第2の光ビームが、動作使用時にターゲットを照射して修正ターゲットを形成し、増幅光ビームとターゲットとの相互作用が、増幅光ビームと修正ターゲットとの相互作用を含む、条項19に記載のシステム。
25.ターゲットの特性が、密度、サイズ、厚さ、及び形状のうちの1つ以上を含む、条項24に記載のシステム。
26.制御システムが、第2の光源に連結され、さらに決定された変換量に基づいて第2の光ビームの1つ以上の特性を制御するように構成される、条項24に記載のシステム。
27.第2の光ビームの特性が、エネルギー、パルスの持続時間、パルスの時間的プロファイル、及び焦点位置のうちの1つ以上を含む、条項26に記載のシステム。
28.第2のセンサが、EUV光を検出するように構成されたセンシング要素を含む、条項19に記載のシステム。
29.EUV光源のための制御システムであって、制御システムが、
1つ以上の電子プロセッサと、
1つ以上の電子プロセッサに連結された電子ストレージと、を備え、電子ストレージが、実行されるとき、1つ以上の電子プロセッサに、
ターゲット内のターゲット材料と相互作用してEUV光源の真空容器内に発光プラズマを形成するように構成された増幅光ビームに関する情報を含む第1のデータにアクセスすること、
発光プラズマに関する情報を含む第2のデータにアクセスすること、
相互作用においてターゲット材料の第1の形態からターゲット材料の第2の形態に変換されたターゲット材料の量を、少なくとも第1のデータ及び第2のデータに基づいて決定すること、
決定された相互作用において変換されたターゲット材料の量を閾値変換量と比較すること、及び
相互作用において変換されたターゲット材料の量が閾値変換量より小さい場合に、光源及び光学コンポーネントのうちの1つ以上を制御するのに十分なコマンド信号を生成すること、
を行わせる命令を含む、制御システム。
【0129】
[00135] 他の実装形態も以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11