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特許75323813D印刷において使用するためのUV硬化性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】3D印刷において使用するためのUV硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20240805BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20240805BHJP
   B29C 64/124 20170101ALI20240805BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20240805BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20240805BHJP
   C08F 226/06 20060101ALN20240805BHJP
【FI】
C08F290/06
B29C64/112
B29C64/124
B29C64/314
B33Y80/00
C08F226/06
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021540914
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019075277
(87)【国際公開番号】W WO2020064523
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】18196332.3
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ダンドラ,ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】フクス,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ロワゼル,エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】クンスマン-カイテル,ダグマール パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター,エアハルト
【審査官】藤原 研司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-109813(JP,A)
【文献】米国特許第04738870(US,A)
【文献】特開2003-089711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
B33Y
C08F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合3D印刷プロセス、バット重合、又はフォトポリマージェットにおける、光硬化性組成物の使用方法であって、光硬化性組成物が、
(A1)式
【化1】
のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(A2)場合により1種または複数種の第2の反応性希釈剤、
(B)ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレートから選択される1種または複数種とさらにアミン変性オリゴマーを含むオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、
成分(A1)の量が、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて5~70質量%であり、
成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)および(A2)の合計量が30~70質量%であり、そして成分(B)の量が70~30質量%であり、
反応性希釈剤が、(A1)および(B)と共反応することができる少なくとも1つのフリーラジカル反応性基を含有する、
光硬化性組成物の使用方法。
【請求項2】
光重合3D印刷プロセスによる三次元物品を製造する方法であって、
a)光硬化性組成物を提供する工程、
b)光硬化性組成物を化学線に曝露して、硬化した断面を形成する工程、
c)工程(a)および(b)を繰り返して、三次元物品を構築する工程
を含み、
光硬化性組成物が、
(A1)式
【化2】

のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(A2)場合により1種または複数種の第2の反応性希釈剤、
(B)ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレートから選択される1種または複数種とさらにアミン変性オリゴマーを含むオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、
成分(A1)の量が、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて5~70質量%であり、
成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)および(A2)の合計量が30~70質量%であり、そして成分(B)の量が70~30質量%であり、
反応性希釈剤が、(A1)および(B)と共反応することができる少なくとも1つのフリーラジカル反応性基を含有する、
方法。
【請求項3】
光硬化性組成物の粘度が、コーン/プレート型HR-1 Discovery Hybrid Rheometer(TA Instruments社)及び直径60mm、角度2°のコーンを使用して、せん断速度100s-1で、DIN EN ISO3219に準拠して30℃で測定した、30℃で10~3000mPa・sの範囲である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンが、5-メチル-3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン:
【化3】

である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法
【請求項5】
成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)および(A2)の合計量が50~70質量%であり、そして成分(B)の量が50~30質量%である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)および(A2)の合計量が60~70質量%であり、そして成分(B)の量が40~30質量%である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
式I中のR~Rのうち少なくとも2つが水素原子である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項8】
式Iの前記N-ビニルオキサゾリジノンが、
、R、RおよびRが水素原子である化合物、RがC~Cアルキル基であり、そしてR、RおよびRが水素原子である化合物、およびRおよびRが水素原子であり、そしてRおよびRがC~Cアルキル基である化合物、およびそれらの混合物
から選択される、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記オリゴマー(B)が、
(B1)ヒドロキシアルキルアクリレート、またはヒドロキシアルキルメタクリレート、
(B2)脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、または芳香族ポリイソシアネート、またはそれらの混合物、
(B3)脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオール、および
(B4)場合により第2のポリオール
を反応させることによって得られる、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法。
【請求項10】
成分(B1)が、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、および4-ヒドロキシブチルアクリレートから選択され、成分(B2)が、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、およびトリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)から選択され、そして前記ポリエステルポリオール(B3)が、アジピン酸およびエチレングリコールおよび1,4-ブタンジオール(ポリ(エチレン1,4-ブチレンアジペート)ジオール、PEBA)から誘導される、請求項に記載の光硬化性組成物の使用方法。
【請求項11】
前記オリゴマー(B)が、ポリアルキレングリコールと、式
【化4】
のラクトンと、少なくとも1種の脂環式または非対称脂肪族ジイソシアネートと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られ、または式(B)のラクトンと少なくとも1種の脂環式または非対称脂肪族ジイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られ、式中、R113は、1~12個の炭素原子を有し、場合によりC~Cアルキル基で置換されていてよい、および/または1個以上の酸素原子により入り込まれていてよい二価のアルキレンラジカルである、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法。
【請求項12】
前記オリゴマー(B)がε-カプロラクトン、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレジシクロヘキシルジイソシアネートおよびヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られる、請求項11に記載の光硬化性組成物の使用方法。
【請求項13】
前記オリゴマー(B)が、脂肪族、芳香族、または環状のジイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法。
【請求項14】
前記光開始剤(C)が、アシルホスフィンオキシド化合物、ベンゾフェノン化合物、アルファ-アミノケトン化合物、フェニルグリオキシレート化合物、オキシムエステル化合物、それらの混合物、およびアルファ-ヒドロキシケトン化合物またはアルファ-アルコキシケトン化合物との混合物から選択される、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記光開始剤(C)が、式
【化5】
の化合物(式中、
50は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであり、
またはR50は、非置換のC~C20アルキルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオ、NR5354により、または-(CO)-O-C~C24アルキルにより置換されているC~C20アルキルであり、
51は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであり、またはR51は-(CO)R’52であり、またはR51は、非置換の、または1種以上のハロゲン、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているC~C12アルキルであり、
52およびR’52は、互いに独立して、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~CアルキルまたはC~Cアルコキシにより置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、またはR52はS原子またはN原子を含む5員または6員の複素環であり、
53およびR54は、互いに独立して、水素、非置換のC~C12アルキル、または1種以上のOHまたはSHにより置換されているC~C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、またはR53およびR54は、互いに独立して、C~C12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルである)であるか、または前記光開始剤(C)は、式(XII)の化合物と式
【化6】
の化合物(式中、
29は、水素またはC~C18アルコキシであり、
30は、水素、C~C18アルキル、C~C12ヒドロキシアルキル、C~C18アルコキシ、-OCHCH-OR34、モルホリノ、-S-C~C18アルキル、-HC=CH、-C(CH)=CH
【化7】
であり、
D、Eおよびfは、1~3であり、
cは、2~10であり、
およびGは、互いに独立して、ポリマー構造の末端基であり、
34は、水素、
【化8】
であり、
31は、ヒドロキシ、C~C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ、または-O(CHCHO)-C~C16アルキルであり、
gは、1~20であり、
32およびR33は、互いに独立して、水素、C~Cアルキル、C~C16アルコキシ、または-O(CHCHO)-C~C16アルキルであるか、または非置換のフェニルまたはベンジル、またはC~C12-アルキルにより置換されているフェニルまたはベンジルであり、またはR32およびR33は、それらが結合している炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成し、
35は、水素、OR36またはNR3738であり、
36は、水素、C~C12アルキル(ただし、そのC~C12アルキルは、場合により、1個以上の連続しないO-原子により入り込まれ、そして、入り込まれていないか若しくは入り込まれたC~C12アルキルが、場合により、1個以上のOHで置換されている)であり、
またはR36は、
【化9】
であり、
37およびR38は、互いに独立して、水素または非置換であるかまたは1個以上のOHにより置換されているC~C12アルキルであり、
39は、場合により1個以上の連続しないOにより入り込まれたC~C12アルキレン、-(CO)-NH-C~C12アルキレン-NH-(CO)-または
【化10】
である
(ただし、R31、R32およびR33は、すべてが共にC~C16アルコキシまたは-O(CHCHO)-C~C16アルキルであるわけではないことを条件とする))との混合物であるか、または前記光開始剤が前記式(XII)のうちの異なる化合物同士の混合物であるか、または前記光開始剤が前記式(XII)および(XI)の化合物と前記式(XII)および(XI)の化合物との混合物である、請求項1に記載の光硬化性組成物の使用方法、又は請求項2に記載の方法。
【請求項16】
工程b)における光硬化性組成物を、並進または回転させた基材上に直接硬化させ、そして照射をステレオリソグラフィー、ホログラフィー、またはデジタルライトプロジェクション(DLP)を介してパターン化する、バット光重合を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
a) 光硬化性組成物の層を表面に適用する工程、
b) 前記層を画像状に化学線に曝露して、画像化された硬化断面を形成する工程、
c) 前記光硬化性組成物の第2の層を、あらかじめ曝露した画像化した断面上に適用する工程、
d) 工程(c)からの前記層を画像状に化学線に曝露して、さらなる画像化した断面を形成する工程であって、放射が曝露領域において前記第2の層を硬化させ、あらかじめ曝露した断面に接着させる工程、および
e) 三次元物品を構築するために工程c)およびd)を繰り返す工程
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
請求項2に記載の方法によって製造された三次元物品。
【請求項19】
45kJ/mを超えるアイゾット衝撃強度(ノッチなし)および/または1750MPaを超えるE弾性率を有する、請求項18に記載の三次元物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性組成物に関するものであり、この組成物は
(A1)式
【化1】
のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(A2)場合により1種または複数種の第2の反応性希釈剤、
(B)1種または複数種のオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、
成分(A1)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて5~70質量%であり、前記光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである。この組成物から、剛性と高い靭性とを組み合わせた均衡のとれた機械的特性を有する硬化した三次元形状物品を作ることができ、そしてこの組成物は、ステレオリソグラフィーおよびフォトポリマージェットによる三次元物品の製造に特に適している。
【背景技術】
【0002】
JP57109813は硬化組成物を開示しており、これはN-ビニル-2-オキサゾリドンと、アクリロイル基またはメタクリロイル基を含有する架橋性モノマーから構成されるので、その速い硬化速度と高い接着性から、金属のコーティング材料として好適に使用される。
【0003】
EP-A-555069は、固体モノマー、特にN-ビニルカプロラクタムを加えることにより、放射線硬化性組成物の性能特性が改善できることを開示している。しかしながら、そのような固体モノマーの取り扱いは不利である。WO2010/057839によれば、N-ビニルカプロラクタムは、N-ビニルカプロラクタムとN-ビニルアミドとの混合物で置き換えてよい。
【0004】
US4639472は、N-ビニルオキサゾリジノンを含む放射線硬化性組成物を開示している。印刷インクは、このような放射線硬化性組成物の1つの可能な用途として言及されている。
【0005】
US4738870は、光重合性組成物および基材をコーティングする方法に関する。光重合性組成物は、式HOP(=O)-CR’R”-OC(=O)-C(R)=CHの(ヒドロキシ)ホスフィニルアルキル化合物(式中、Rは水素、メチルまたはエチルであり、R’およびR”は水素および1~10個の炭素原子のアルキルから独立して選択される)を、得られる光重合性組成物の基材への接着を促進するのに十分な量で、少なくとも1種の共重合性エチレン性不飽和モノマーを、得られる光重合性組成物に所望の物理的特性を提供するのに十分な量で、および光開始剤を、組成物を光に曝したときに重合が開始されるのに十分な量で含み、基材をコーティングする方法は、基材にUS4738870の組成物を適用すること、および組成物を光重合するのに十分な時間、そのようにコーティングした基材を化学線に曝すことを含む。
【0006】
US4929403は、精密な物体のための多層可撓性型を放射硬化性成形組成物から高速で形成するための方法に関する。この方法は、(a)三次元物体の表面の少なくとも一部を流体成形組成物でコーティングする工程(成形組成物は放射硬化性である)、(b)流体コーティング組成物を放射エネルギーに曝すことによりコーティングを硬化させて三次元物体上に硬化した成形組成物の弾性および可撓性のある層を形成する工程、(c)硬化成形組成物の自立型多層弾性コーティングが三次元物体上に形成されるまで工程(a)および(b)を連続して繰り返す工程(多層コーティングは、低密度から中密度の成形材料の充填時に知覚できるほど歪まないよう十分に強い)、および(d)三次元物体を取り除く工程、を含む。
【0007】
流体コーティング組成物は、(a)少なくとも1種の架橋性オリゴマー、(b)少なくとも1種の反応性希釈剤および(c)少なくとも1種の光開始剤を含んでよい。
【0008】
WO2015022228は、インクジェット印刷用の印刷インクとして放射線硬化性組成物を使用する方法に関し、この方法では、放射線硬化性組成物は式
【化2】
のN-ビニルオキサゾリジノンを含み、式中、R~Rは互いに独立して水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機ラジカルである。
【0009】
WO18146259は、式(I)
【化3】
【0010】
(式中、
、R、R、Rは、それぞれ独立してH、C~C-アルキル、C~Cアルコキシ、またはC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり、
HまたはC~C-アルキルであり、
Xは、CR、O、またはNRであり、
、Rは、それぞれ独立して、H、C~C-アルキル、C~Cアルコキシ、またはC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり、RはH、C~C-アルキル、またはC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり、kは、1、2、3、4または5である)の化合物を含む組成物、および印刷インク、特にインクジェット印刷インクとしての組成物の使用方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】JP57109813
【文献】EP-A-555069
【文献】WO2010/057839
【文献】US4639472
【文献】US4738870
【文献】US4929403
【文献】WO2015022228
【文献】WO18146259
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、3D印刷用の、特にフォトポリマージェットおよびステレオリソグラフィーにおける、光硬化性組成物を提供することである。光硬化性組成物は、放射線硬化において高い反応性を有するべきであり、そして改善された特性、特に剛性と高い靭性とを組み合わせた均衡のとれた機械的特性を備えた三次元物品をもたらす3D印刷プロセスが可能となるべきである。
【0013】
驚くべきことに、式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンは、高粘度のオリゴマーに対して強い希釈効果をもたらし、その結果、実際には剛性/靭性に有益な影響を有し得るオリゴマーの量が多くなることが見出された。本発明の光硬化性組成物から、特にステレオリソグラフィーおよびフォトポリマージェットにおいて、剛性と高い靭性とを組み合わせた均衡のとれた機械的特性を有する硬化した三次元形状物品を作ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
よって本発明は、光硬化性組成物に関し、この組成物は
(A1)式
【化4】
【0015】
のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(A2)場合により1種または複数種の第2の反応性希釈剤、
(B)1種または複数種のオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、
成分(A1)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて5~70質量%である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
光硬化性組成物は、好ましくは、
(A1)式
【化5】
のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(A2)場合により1種または複数種の第2の反応性希釈剤、
(B)1種または複数種のオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、
成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)の量は5~70質量%であり、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、成分(A1)および(A2)の量は30~70質量%、そして成分(B)の量は70~30質量%である。
【0017】
成分(A1)および(A2)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、特に30~50質量%、とりわけ40~60質量%である。
【0018】
成分(B)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、特に70~50質量%、とりわけ60~40質量%である。
【0019】
光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである。フォトポリマージェットの場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~150mPasの範囲になるように調整される。バットベース(vat-based)の光重合の場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で50~1500mPasの範囲になるように調整される。市販のプリントヘッドの多くは、典型的には10~20mPasの範囲にあるインクの粘度を下げるために加熱を必要とする。
【0020】
式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンを含む光硬化性組成物は、式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンの代わりにアクリロイルモルホリン(ACMO)を含む光硬化性組成物よりも、著しく低い粘度を有する。式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンは、高粘度のオリゴマーに対して強い希釈効果をもたらし、配合物の開発に関してより柔軟性を提供し、硬化した三次元成形物品の機械的特性、特に剛性と高い靭性とを組み合わせた均衡のとれた機械的特性をより良好にする。
【0021】
さらに本発明は、本発明の光硬化性組成物を、光重合3D印刷プロセス、特にバット重合、またはフォトポリマージェットにおいて使用する方法に関するものであり、そして三次元物品を製造するための方法は、以下の工程、
a)本発明による光硬化性組成物を提供する工程、
b)光硬化性組成物を化学線に曝露して、硬化した断面を形成する工程、
c)工程(a)および(b)を繰り返して三次元物品を構築する工程
を含む。
【0022】
成分(A1)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、5~70質量%である。
【0023】
成分(A1)および(A2)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、30~70質量%、特に30~50質量%、とりわけ40~60質量%である。
【0024】
成分(B)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、70~30質量%、特に70~50質量%、とりわけ60~40質量%である。
【0025】
本発明の組成物が第2の希釈剤(A2)を含む場合、それは成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、5~65質量%の量で含有される。前記実施形態では、成分(A1)の量は、成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、65~5質量%である。
【0026】
特に好ましい実施形態では、発明の組成物は第2の希釈剤(A2)を含まず、そして成分(A1)および(B)の量に基づいて、成分(A1)の量は30~70質量%、特に30~50質量%、とりわけ40~60質量%であり、成分(B)の量は70~30質量%、特に70~50質量%、とりわけ60~40質量%である。
【0027】
前記実施形態では、光硬化性組成物は、
(A1)式
【化6】
のN-ビニルオキサゾリジノン(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または10個以下の炭素原子を有する有機基である)、
(B)1種または複数種のオリゴマー、および
(C)光開始剤(C)を含み、成分(A1)および(B)の量に基づいて、成分(A1)の量は30~70質量%、そして成分(B)の量は70~30質量%である。
【0028】
光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである。フォトポリマージェットの場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~150mPasの範囲になるように調整される。バットベースの光重合の場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で50~1500mPasの範囲になるように調整される。
【0029】
成分(A1)の量は、成分(A1)および(B)の量に基づいて、特に30~50質量%、とりわけ40~60質量%であり、そして成分(B)の量は、特に70~50質量%、とりわけ60~40質量%である。
【0030】
光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである。フォトポリマージェットの場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~150mPasの範囲になるように調整される。バットベースの光重合の場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で50~1500mPasの範囲になるように調整される。
【0031】
N-ビニルオキサゾリジノン(A1)
好ましくは、式(I)中のR~Rのうち少なくとも2つが水素原子である。
【0032】
特に好ましい実施形態では、式(I)中のR~Rのうち少なくとも2つが水素原子であり、任意の残りのR~Rは、10個以下の炭素原子を有する有機基である。
【0033】
好ましくは、有機基は4個以下の炭素原子を有する。特に好ましい実施形態では、有機基はアルキル基、またはアルコキシ基である。好ましい実施形態では、有機基はC~Cアルキル基、またはC~Cアルコキシ基である。最も好ましい実施形態では、有機基はメチル基である。
【0034】
式(I)のN-ビニルオキサゾリジノンの例として、以下のような化合物を挙げることができる。
【0035】
、R、RおよびRが水素原子(N-ビニルオキサゾリジノン(NVO))であるか、または
がC~Cアルキル基、特にメチル基であり、そしてR、RおよびRが水素原子(N-ビニル-5-メチルオキサゾリジノン(NVMO))であるか、または
およびRが水素原子であり、そしてRおよびRがC~Cアルキル基、特にメチル基であるもの。
【0036】
特に好ましいのは、NVOおよびNVMOであり、最も好ましいのはNVMOである。
【0037】
第2の希釈剤(A2)
第2の希釈剤(B)は、単一の希釈剤、または2種以上の希釈剤の混合物であってよい。
【0038】
第2の希釈剤(B)は「反応性希釈剤」を表し、これは成分(A1)および(B)と共反応することができる(例えば、付加重合を受けることが可能である)少なくとも1つのフリーラジカル反応性基(例えば、エチレン性不飽和基)を含有する成分である。
【0039】
本発明の組成物が第2の希釈剤(A2)を含む場合、それは成分(A1)、(A2)および(B)の量に基づいて、5~65質量%の量で含有される。
【0040】
適した単官能、二官能、または四官能のアクリレート、メタクリレート、またはビニルアミド成分を以下に列挙する。単官能とは、化合物の分子が1種のアクリレート、メタクリレート、またはビニルアミド官能基のみを示すことを意味する。
【0041】
単官能のビニルアミド成分の例には、N-ビニル-ピロリドン、ビニル-イミダゾール、N-ビニルカプロラクタム、N-(ヒドロキシメチル)ビニルアミド、N-ヒドロキシエチルビニルアミド、N-イソプロピルビニルアミド、N-イソプロピルメトビニルアミド、N-tert-ブチルビニルアミド、N,N’-メチレンビスビニルアミド、N-(イソブトキシメチル)ビニルアミド、N-(ブトキシメチル)ビニルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メトビニルアミド、N,N-ジメチルビニルアミド、N,N-ジエチルビニルアミドおよびN-メチル-N-ビニルアセトアミドが含まれる。
【0042】
単官能のメタクリレートの例には、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エトキシル化フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ノニルフェノールメタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートが含まれる。
【0043】
本発明の光硬化性組成物は、2つの不飽和炭素-炭素結合を有する二官能、または四官能の希釈剤、例えば、二官能、または四官能の(メタ)アクリレートを含有してよい。
【0044】
二官能モノマーの例には、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、およびジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが含まれる。これらの中の1種は、単独で使用しても、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。上述したポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、およびポリエチレングリコール(600)ジアクリレートは、以下の化学式で表される。
ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート
CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH 式中、n≒4
ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート
CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH 式中、n≒14
ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート
CH=CH-CO-(OC-OCOCH=CH 式中、n≒14
【0045】
四官能(メタ)アクリレートの例として、ビストリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アリールウレタンテトラアクリレート、脂肪族ウレタンテトラアクリレート、メラミンテトラアクリレート、エポキシノボラックテトラアクリレートおよびポリエステルテトラアクリレートが挙げられる。
【0046】
本発明の光硬化性組成物は、単官能のアクリルアミドまたはメタクリルアミドを含有してもよい。例には、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタメタクリルアミド、N-tert-ブチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)メタクリルアミド、N-(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、およびN,N-ジエチルメタクリルアミドが含まれる。
【0047】
オリゴマー(B)
オリゴマー(B)は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレートから選択され、アミン変性オリゴマーも含まれる。オリゴマー(B)は、単一のオリゴマーであってもよいし、2種以上のオリゴマーの混合物であってもよい。
【0048】
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネートと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、場合により鎖延長剤、例えばジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミン、ジチオールまたはポリチオールとを反応させることによって得ることができる。
【0049】
この種類のウレタン(メタ)アクリレートは、合成成分として実質的に、
(1)少なくとも1種の有機脂肪族、芳香族または脂環式のジ-またはポリイソシアネート、
(2)少なくとも1個のイソシアネート反応性基および少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有する少なくとも1種の化合物、および
(3)場合により、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する少なくとも1種の化合物
を含む。
【0050】
適した成分(1)は、例えば、少なくとも2、好ましくは2~5、およびより好ましくは2~4を超えるNCO官能価を有する脂肪族、芳香族、および脂環式ジイソシアネートおよびポリイソシアネートである。
【0051】
考えられるポリイソシアネートには、イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート、ウレジオンジイソシアネート、ビウレット基を含有するポリイソシアネート、ウレタン基またはアロファネート基を含有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネート、直鎖状または分岐状のC~C20アルキレンジイソシアネートのウレトンイミン修飾ポリイソシアネート、合計6~20個のC原子を有する脂環式ジイソシアネート、または合計8~20個のC原子を有する芳香族ジイソシアネート、またはそれらの混合物が含まれる。
【0052】
慣用的なジイソシアネートの例として、脂肪族ジイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6-ジイソシアナトヘキサン)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの誘導体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートまたはテトラメチルヘキサンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えば1,4-、1,3-または1,2-ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’-または2,4’-ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、または2,4-または2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、並びに芳香族ジイソシアネート、例えばトリレン2,4-または2,6-ジイソシアネートおよびそれらの異性体混合物、m-またはp-キシリレンジイソシアネート、2,4’-または4,4’-ジイソシアナト-ジフェニルメタンおよびそれらの異性体混合物、フェニレン1,3-または1,4-ジイソシアネート、1-クロロフェニレン2,4-ジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、ジフェニレン4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、3-メチルジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトベンゼンまたはジフェニルエーテル4,4’-ジイソシアネートが挙げられる。
【0053】
記載したジイソシアネートの混合物が存在してもよい。
【0054】
本発明による成分(2)として考えられるのは、少なくとも1個のイソシアネート反応性基および少なくとも1個のラジカル重合性基を有する少なくとも1種の化合物(2)である。
【0055】
化合物(2)は、好ましくは、正確に1個のイソシアネート反応性基、および1~5個、より好ましくは1~4個、および非常に好ましくは1~3個のラジカル重合性基を有する。
【0056】
成分(2)は、好ましくは10000g/mol未満、より好ましくは5000g/mol未満、非常に好ましくは4000g/mol未満、およびより具体的には3000g/mol未満のモル質量を有する。特別な成分(b)は、1000g/mol未満、またはなお600g/mol未満のモル質量を有する。
【0057】
イソシアネート反応性基は、例えば、-OH、-SH、-NH、および-NHR100であってもよく、式中、R100は、水素または1~4個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、またはtert-ブチルである。成分(2)は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドグリコール酸およびメタクリルアミドグリコール酸などのα,β-不飽和カルボン酸のモノエステル、および好ましくは2~20個のC原子および少なくとも2種のヒドロキシル基を有するポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン1,2-グリコール、プロピレン1,3-グリコール、1,1-ジメチル-1,2-エタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-、1,3-または1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ソルビトール、106~2000のモル質量を有するポリエチレングリコール、134~2000のモル質量を有するポリプロピレングリコール、162~2000のモル質量を有するポリTHF、または134~400のモル質量を有するポリ-1,3-プロパンジオールである。さらに、(メタ)アクリル酸とアミノアルコール(例えば、2-アミノエタノール、2-(メチルアミノ)エタノール、3-アミノ-1-プロパノール、1-アミノ-2-プロパノールまたは2-(2-アミノエトキシ)エタノール)、例えば、2-メルカプトエタノールまたはポリアミノアルカン(例えば、エチレンジアミンまたはジエチレントリアミン)とのエステルまたはアミド;またはビニル酢酸を使用することも可能である。
【0058】
さらに、好ましさは低くなるが、2~10の平均OH官能価を有する不飽和ポリエーテルオールまたはポリエステルオールまたはポリアクリレートポリオールも適している。
【0059】
エチレン性不飽和カルボン酸とアミノアルコールとのアミドの例として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN-ヒドロキシメチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、5-ヒドロキシ-3-オキサペンチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキルクロトンアミド、例えばN-ヒドロキシメチルクロトンアミド、またはN-ヒドロキシアルキルマレイミド、例えばN-ヒドロキシエチルマレイミドが挙げられる。
【0060】
好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、およびトリ(メタ)アクリレート、並びに2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、4-アミノブチル(メタ)アクリレート、6-アミノヘキシル(メタ)アクリレート、2-チオエチル(メタ)アクリレート、2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、2-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドを使用する。特に好ましいのは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルアクリレート、1,4-ブタンジオールモノアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、並びにモル質量が106~238のポリエチレングリコールのモノアクリレートである。
【0061】
成分(3)として考えられるのは、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する化合物であり、例として-OH、-SH、-NHまたは-NH R101が挙げられ、式中、R101は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチルであってよい。
【0062】
正確に2個のイソシアネート反応性基を有する化合物(3)は、好ましくは、2~20個の炭素原子を有するジオールであり、例として、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,1-ジメチルエタン-1,2-ジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、1,2-、1,3-または1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2-、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、ノルボルナンジオール、ピナンジオール、デカリンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,4-ジエチルオクタン-1,3-ジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールS、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-、1,2-、1,3-、および1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-、1,3-、または1,4-シクロヘキサンジオール、162~2000のモル質量を有するポリTHF、134~1178のモル質量を有するポリ-1,2-プロパンジオールまたはポリ-1,3プロパンジオール、または106~2000のモル質量を有するポリエチレングリコール、並びに脂肪族ジアミン、例えばメチレン-およびイソプロピリデン-ビス(シクロヘキシルアミン)、ピペラジン、1,2-、1,3-、または1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-、1,3-、または1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)など、ジチオールまたは多官能アルコール、第二級または第一級アミノアルコール、例えばエタノールアミン、モノプロパノールアミンなど、またはチオアルコール、例えばチオエチレングリコールが挙げられる。
【0063】
ここで特に適しているのは、脂環式ジオール、例えば、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2-,1,3-,または1,4-シクロヘキサンジオール、1,1-、1,2-、1,3-、および1,4-シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタンジオールまたはノルボルナンジオールである。
【0064】
さらなる化合物(3)は、少なくとも3個のイソシアネート反応性基を有する化合物であってよい。
【0065】
例えば、これらの成分は、3~6個、好ましくは3~5個、より好ましくは3~4個、および非常に好ましくは3個のイソシアネート反応性基を有していてよい。
【0066】
これら成分の分子量は、一般に2000g/mol以下、好ましくは1500g/mol以下、より好ましくは1000g/mol以下、および非常に好ましくは500g/mol以下である。
【0067】
ウレタン(メタ)アクリレートは、好ましくは500~20000、特に500~10000、およびより好ましくは600~3000g/molの数平均モル質量Mを有する(標準としてテトラヒドロフランおよびポリスチレンを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0068】
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得ることができる。適したエポキシドの例には、エポキシ化オレフィン、芳香族グリシジルエーテルまたは脂肪族グリシジルエーテル、好ましくは芳香族または脂肪族グリシジルエーテルのものが含まれる。
【0069】
可能なエポキシ化オレフィンの例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンが含まれ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエピクロロヒドリンが特に好ましく、およびエチレンオキシドおよびエピクロロヒドリンが非常に特に好ましい。
【0070】
芳香族グリシジルエーテルは、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、フェノール/ジシクロペンタジエンのアルキル化生成物、例えば、2,5-ビス[(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]オクタヒドロ-4,7-メタノ-5H-インデン(CAS番号[13446-85-0])、トリス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]メタン異性体(CAS番号[66072-39-7])、フェノールベースのエポキシノボラック(CAS番号[9003-35-4])、およびクレゾールベースのエポキシノボラック(CAS番号[37382-79-9])である。
【0071】
脂肪族グリシジルエーテルの例には、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,1,2,2-テトラキス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]エタン(CAS番号[27043-37-4])、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル(α,ω-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ポリ(オキシプロピレン)、CAS番号[16096-30-3])、および水添ビスフェノールA(2,2-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、CAS番号[13410-58-7])が含まれる。
【0072】
エポキシ(メタ)アクリレートは、好ましくは、200~20000、より好ましくは200~10000g/mol、および非常に好ましくは250~3000g/molの数平均モル質量Mを有し、(メタ)アクリル基の量は、エポキシ(メタ)アクリレート1000gあたり、好ましくは1~5、より好ましくは2~4である(標準としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフランを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0073】
カーボネート(メタ)アクリレートは、平均して好ましくは1~5個、特に2~4個、より好ましくは2~3個の(メタ)アクリル基、および非常に好ましくは2個の(メタ)アクリル基を含む。
【0074】
カーボネート(メタ)アクリレートの数平均分子量Mは、好ましくは3000g/mol未満、より好ましくは1500g/mol未満、非常に好ましくは800g/mol未満である(標準としてポリスチレン、溶媒としてテトラヒドロフランを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0075】
カーボネート(メタ)アクリレートは、例えばEP-A92269に記載のように、カルボン酸エステルを多価アルコール、好ましくは二価アルコール(ジオール、例えばヘキサンジオール)でトランスエステル化し、続いて遊離OH基を(メタ)アクリル酸でエステル化するか、あるいは(メタ)アクリル酸エステルでトランスエステル化することによって、簡易に得ることができる。それは、ホスゲン、尿素誘導体を多価アルコール、例えば二価アルコールと反応させることによっても得ることができる。
【0076】
ポリカーボネートポリオールの(メタ)アクリレート、例えば、前述のジオールまたはポリオールの1種とカルボン酸エステル並びにヒドロキシル含有(メタ)アクリレートとの反応生成物も考えられる。
【0077】
適したカルボン酸エステルの例には、エチレンカーボネート、1,2-または1,3-プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはジブチルカーボネートが含まれる。
【0078】
適したヒドロキシル含有(メタ)アクリレートの例として、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリルモノ-およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ-およびジ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールモノ-、ジ-、およびトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0079】
特に好ましいカーボネート(メタ)アクリレートは、式
【化7】
のものであり、
式中、R102はHまたはCHであり、XはC~C18アルキレン基であり、そしてn1は1~5、好ましくは1~3の整数である。
【0080】
102は好ましくはHであり、そしてXは好ましくはC~C10のアルキレンであり、例として1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,4-ブチレン、および1,6-ヘキシレン、より好ましくはC~Cのアルキレンが挙げられる。特に好ましくは、XはCアルキレンである。
【0081】
カーボネート(メタ)アクリレートは、好ましくは脂肪族カーボネート(メタ)アクリレートである。
【0082】
オリゴマー(B)のうち、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0083】
ウレタン(メタ)アクリレートとは、単一のウレタン(メタ)アクリレートを指すか、または異なるウレタン(メタ)アクリレートの混合物を指す。適したウレタン(メタ)アクリレートは単官能であってよいが、好ましくは二官能であるか、より高い官能価を有する。官能価とは、化合物が示す(メタ)アクリレート官能基の数を指す。
【0084】
好ましいのは、ポリエーテルジオール、またはポリエステルジオール、脂肪族、芳香族、または環状のジイソシアネート、およびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。より好ましいのは、ポリエステルジオール、芳香族、または環状のジイソシアネート、およびヒドロキシアルキル(メタ)クリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。
【0085】
ジイソシアネートは、好ましくは、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびトリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)から選択される。
【0086】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、および4-ヒドロキシブチルアクリレートから選択される。
【0087】
また、式
【化8】
のラクトン、脂肪族、芳香族、または環状のジイソシアネートおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートも好ましい。より好ましいのは、カプロラクトン、脂肪族、または環状のジイソシアネートおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。
【0088】
ジイソシアネートは、好ましくは、ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2,4-および2,4,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、および特に4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)から選択される。
【0089】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、および4-ヒドロキシブチルアクリレートから選択される。
【0090】
また、(メタ)アクリレートの多官能性を有するものまたはアクリルとメタクリルの混合官能性を有するものも好ましい。
【0091】
好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、
(B1)ヒドロキシアルキルアクリレート、またはヒドロキシアルキルメタクリレート、
(B2)脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、または芳香族ポリイソシアネート、またはそれらの混合物、特に脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、または芳香族ジイソシアネート、またはそれらの混合物、
(B3)脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオール、および(B4)場合により第2のポリオール、特にグリセロール
を反応させることによって得られる。
【0092】
ヒドロキシアルキルアクリレート、またはヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、好ましくは式
【化9】
の化合物であり、式中、R103は水素原子、またはメチル基であり、nは2~6、特に2~4である。(B1)の例には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレートおよび4-ヒドロキシブチルアクリレートが含まれる。2-ヒドロキシエチルアクリレートが最も好ましい。
【0093】
より短いアルキル鎖(nは2~4、特に2である)を有するヒドロキシアルキルアクリレート、またはヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、UV硬化した組成物のより高いE弾性率をもたらす。ヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、ヒドロキシアルキルアクリレートと比較して、より高いE弾性率をもたらす。
【0094】
ポリエステルウレタンアクリレートを作るのに使用する有機ジイソシアネート(B2)は、脂肪族、脂環式、または芳香族のジイソシアネートである。
【0095】
慣用的な脂肪族および脂環式ジイソシアネートの例として、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-および/またはオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルテトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-および/または1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1-メチル-2,4-および/または1-メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)が挙げられる。
【0096】
好ましい脂肪族および脂環式ポリイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)および4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)であり、H12MDIおよびIPDIまたはそれらの混合物が特に好ましい。適した芳香族ジイソシアネートには、ナフチレン1.5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)、3,3‘-ジメチル-4,4‘-ジイソシアナト-ジフェニル(TODI)、p-フェニレンジイソシアネート(PDI)、ジフェニルエタン-4,4‘-ジイソシアネート(EDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-ジフェニル-ジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネートおよび/またはフェニレンジイソシアネートが含まれる。
【0097】
現在最も好ましいジイソシアネートは、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、またはトリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)である。
【0098】
ジカルボン酸およびジオールから誘導されるポリエステルポリオール(B3)が好ましく、これは例えばUS20160122465に記載されている。ポリエステルポリオールの製造に使用されるジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸、またはそれらの組み合わせが含まれる。その中でも、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。単独または混合で使用することができる適した脂肪族ジカルボン酸は、典型的には4~12個の炭素原子を含有し、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸などが含まれる。アジピン酸が好ましい。
【0099】
ポリエステルポリオールの製造に使用されるジオールには、脂肪族ジオールまたは脂環式ジオール、またはそれらの組み合わせ、好ましくは2~8個の炭素原子、およびより好ましくは2~6個の炭素原子を含有する脂肪族ジオールが含まれる。使用することができる脂肪族ジオールの代表的な例には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどが含まれる。
【0100】
好ましい実施形態では、ポリエステルポリオールの製造において、1種類の脂肪族ジカルボン酸のみを使用する。別の好ましい実施形態では、ポリエステルポリオールの製造において、1種類または2種類の脂肪族ジオールを使用する。最も好ましくは、ポリエステルポリオールは、アジピン酸およびエチレングリコールおよび1,4-ブタンジオール(ポリ(エチレン1,4-ブチレンアジペート)ジオール、PEBA)から誘導される。PEBAにおいて、エチレングリコールの1,4-ブタンジオールに対するモル比は、0.05:1~10:1、好ましくは0.2:1~5:1、より好ましくは0.5:1~1.5:1、最も好ましくは0.75:1~1.25:1である。
【0101】
直鎖状のポリエステルポリオールは、典型的には、4×10~7.0×10、好ましくは8×10~6.0×10、より好ましくは1×10~5.0×10の範囲内の数平均分子量を有する。好ましい実施形態では、直鎖状のポリオールは、1種類の脂肪族ジカルボン酸および2種類の脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオールであり、2.0×10~4.0×10の数平均分子量を有する。別の好ましい実施形態では、直鎖状のポリオールは、1種類の脂肪族ジカルボン酸および1種類の脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオールであり、1.5×10~4.0×10、およびより好ましくは1.8×10~3.5×10の数平均分子量を有する。本文中に特定するあらゆる分子量は[g/mol]の単位を有し、特に断りのない限り数平均分子量(Mn)を指す。
【0102】
ポリエステルウレタンアクリレート、またはメタクリレート(A)は、60℃で2000~20000mPasの範囲の粘度を有する。
【0103】
第2のポリオール、例えばグリセロールを使用し、直鎖状または分岐状の構造要素を導入することによって、本発明によるウレタン(メタ)アクリレートの機械的特性を微調整してよい。
【0104】
別の好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、式
【化10】
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、式
【化11】
のラクトン、
および少なくとも1種の脂環式または非対称脂肪族ジイソシアネートと反応させることによって得られ、式中、R111は、2~12個の炭素原子を有し、場合によりC~Cアルキル基で置換されていてよい、および/または1個以上の酸素原子により入り込まれていてよい二価のアルキレンラジカルであり、R112は、各場合において、任意の他のものとは独立して、メチルまたは水素であり、R113は、1~12個の炭素原子を有し、場合によりC~Cアルキル基で置換されていてよい、および/または1個以上の酸素原子により入り込まれていてよい二価のアルキレンラジカルである。WO14191228A1を参照されたい。
【0105】
111は、好ましくは、1,2-エチレン、1,2-または1,3-プロピレン、1,2-、1,3-または1,4-ブチレン、1,1-ジメチル-1,2-エチレン、1,2-ジメチル-1,2-エチレン、1,5-ペンチレン、1,6-ヘキシレン、1,8-オクチレン、1,10-デシレン、および1,12-ドデシレンからなる群から選択される。
【0106】
113は、好ましくは、メチレン、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、1,5-ペンチレン、1,5-ヘキシレン、1,6-ヘキシレン、1,8-オクチレン、1,10-デシレン、1,12-ドデシレン、2-オキサ-1,4-ブチレン、3-オキサ-1,5-ペンチレン、および3-オキサ-1,5-ヘキシレンからなる群から選択される。
【0107】
式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、および1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0108】

【化12】
のラクトンは、好ましくは、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-エチル-ガンマ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、デルタ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、7-メチルオキセパン-2-オン、1,4-ジオキセパン-5-オン、オキサシクロトリデカン-2-オン、および13-ブチル-オキサシクロトリデカン-2-オンからなる群から選択される。
【0109】
脂環式ジイソシアネートは、1,4-、1,3-、または1,2-ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’-、2,4’-、および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンまたは2,4-または2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、並びに3(または4),8(または9)-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン異性体混合物である。
【0110】
非対称脂肪族ジイソシアネートは、リジンジイソシアネートの誘導体、またはテトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、またはテトラメチルヘキサンジイソシアネートである。
【0111】
ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2,4-および2,4,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、および特に4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)が非常に特に好ましい。
【0112】
ウレタン(メタ)アクリレートは、特に、ε-カプロラクトン、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、およびヒドロキシエチルアクリレートを反応させることによって製造することができる。
【0113】
別の好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ポリアルキレングリコールと、式
【化13】
のラクトン、少なくとも1種の脂環式または非対称脂肪族ジイソシアネート、および式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させることによって得られる。
【0114】
式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、および1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0115】
ウレタン(メタ)アクリレートは、特に、ポリアルキレングリコール、好ましくはポリエチレングリコールを、ε-カプロラクトン、4,4’-、2,4’-および/または2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、およびヒドロキシエチルアクリレートと反応させることによって製造することができる。
【0116】
光開始剤(C)
光開始剤(C)は、単一の化合物、または化合物の混合物であってよい。光開始剤(C)の例は、当業者に既知であり、例えば、Kurt Dietlikerにより「A compilation of photoinitiators commercially available for UV today」、Sita Technology Textbook,Edinburgh,London、2002年で発表されている。
【0117】
好ましい実施形態では、光開始剤(C)は、アシルホスフィンオキシド化合物、ベンゾフェノン化合物、アルファ-アミノケトン化合物、フェニルグリオキシレート化合物、オキシムエステル化合物、それらの混合物、およびアルファ-ヒドロキシケトン化合物、またはアルファ-アルコキシケトン化合物との混合物から選択される。
【0118】
適したアシルホスフィンオキシド化合物の例は、式XII
【化14】
の化合物であり、式中、
50は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであり、
またはR50は、非置換のC~C20アルキルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオ、NR5354により、または-(CO)-O-C~C24アルキルにより置換されているC~C20アルキルであり、
51は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであり、またはR51は-(CO)R’52であり、またはR51は、非置換の、または1種以上のハロゲン、C~C12アルコキシ、C~C12アルキルチオにより、またはNR5354により置換されているC~C12アルキルであり、
52およびR’52は、互いに独立して、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、または1種以上のハロゲン、C~CアルキルまたはC~Cアルコキシにより置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであるか、またはR52はS原子またはN原子を含む5員または6員の複素環であり、
53およびR54は、互いに独立して、水素、非置換のC~C12アルキル、または1種以上のOHまたはSHにより置換されているC~C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、またはR53およびR54は、互いに独立して、C~C12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルである。
【0119】
特に好ましい実施形態では、光開始剤(C)は、式(XII)の化合物、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、エチル(2,4,6トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドである。
【0120】
さらに興味深いのは、式(XII)の化合物と式(XI)の化合物との混合物、および式(XII)の異なる化合物の混合物である。
【0121】
例として、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドと1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとの混合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとの混合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドとエチル(2,4,6トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステルとの混合物などが挙げられる。
【0122】
適したベンゾフェノン化合物の例として、式
【化15】
の化合物が挙げられ、
式中、
65、R66およびR67は、互いに独立して、水素、C~Cアルキル、C~C-ハロゲンアルキル、C~Cアルコキシ、ClまたはN(C~Cアルキル)であり、
68は、水素、C~Cアルキル、C~Cハロゲンアルキル、フェニル、N(C~Cアルキル)、COOCH
【化16】
であり、
Qは、2~6個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物の残基であり、
xは、1より大きいが、Qにおける利用可能なヒドロキシル基の数より大きくない数であり、
Aは、-[O(CHCO]-または-[O(CHCO](y-1)-[O(CHR69CHR69’-であり、
69およびR69’は、互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり、n(またはa)が1より大きい場合、ラジカルR69は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
aは、1~2までの数であり、
bは、4~5までの数であり、
yは、1~10までの数であり、
nは、そして
mは、2~10の整数である。
【0123】
具体的な例として、ベンゾフェノン、IGM社から入手可能なEsacure TZT(登録商標)(2,4,6-トリメチルベンゾフェノンと4-メチルベンゾフェノンとの混合物)、4-フェニルベンゾフェノン、4-メトキシベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジメチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-(4-メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエート、4-(2-ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4(4-トリルチオ)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N-トリメチルベンゼンメタナミニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイルフェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパナミニウムクロリド一水和物、4-(13-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチルベンゼンメタナミニウムクロリド、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-イソプロピルフェニル)-メタノン、ビフェニル-[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-メタノン、ビフェニル-4-イル-フェニル-メタノン、ビフェニル-4-イル-p-トリル-メタノン、ビフェニル-4-イル-m-トリル-メタノン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-p-トリル-メタノン、4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-メトキシ-フェニル)-メタノン、1-(4-ベンゾイル-フェノキシ)-プロパン-2-オン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-フェノキシ-フェニル)-メタノン、3-(4-ベンゾイル-フェニル)-2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、(4-クロロ-フェニル)-(4-オクチルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-クロロ-フェニル)-(4-ドデシルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-ブロモ-フェニル)-(4-オクチルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-ドデシルスルファニル-フェニル)-(4-メトキシ-フェニル)-メタノン、(4-ベンゾイル-フェノキシ)-酢酸メチルエステル、ビフェニル-[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-メタノン、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルホニル)プロパン-1-オン(IGM社から入手可能なEsacure(登録商標)1001)が挙げられる。
【0124】
適したアルファ-ヒドロキシケトン、アルファ-アルコキシケトンまたはアルファ-アミノケトン化合物の例として、式
【化17】
のものが挙げられ、
式中、
29は、水素またはC~C18アルコキシであり、
30は、水素、C~C18アルキル、C~C12ヒドロキシアルキル、C~C18アルコキシ、OCHCH-OR34、モルホリノ、S-C~C18アルキル、基-HC=CH、-C(CH)=CH
【化18】
であり、
D、Eおよびfは、1~3であり、
cは、2~10であり、
およびGは、互いに独立して、ポリマー構造の末端基、好ましくは水素またはメチルであり、
34は、水素、
【化19】
であり、
31は、ヒドロキシ、C~C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ、または-O(CHCHO)-C~C16アルキルであり、
gは、1~20であり、
32およびR33は、互いに独立して、水素、C~Cアルキル、C~C16アルコキシ、または-O(CHCHO)-C~C16アルキルであるか、または非置換のフェニルまたはベンジル、またはC~C12-アルキルにより置換されているフェニルまたはベンジルであり、またはR32およびR33は、それらが結合している炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成し、
35は、水素、OR36またはNR3738であり、
36は、水素、C~C12アルキル(ただし、そのC~C12アルキルは、場合により、1個以上の連続しないO-原子により入り込まれ、そして、入り込まれていないか若しくは入り込まれたC~C12アルキルが、場合により、1個以上のOHで置換されている)であり、
またはR36は、
【化20】
であり、
37およびR38は、互いに独立して、水素または非置換であるかまたは1個以上のOHにより置換されているC~C12アルキルであり、
39は、場合により1個以上の連続しないOによって入り込まれたC~C12アルキレン、-(CO)-NH-C~C12アルキレン-NH-(CO)-または
【化21】
(ただし、R31、R32およびR33は、すべてが共にC~C16アルコキシまたは-O(CHCHO)-C~C16アルキルであるわけではないことを条件とする)である。
【0125】
具体的な例として、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンまたは1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとベンゾフェノンとの混合物、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、(3,4-ジメトキシ-ベンゾイル)-1-ベンジル-1-ジメチルアミノプロパン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェノキシ]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、IGM社から提供されるEsacure KIP、2-ヒドロキシ-1-{1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェニル]-1,3,3-トリメチル-インダン-5-イル}-2-メチル-プロパン-1-オンが挙げられる。
【0126】
適したフェニルグリオキシレート化合物の例として、式
【化22】
のものが挙げられ、
式中、
60は、水素、C~C12アルキルまたは
【化23】
であり、
55、R56、R57、R58およびR59は、互いに独立して、水素、非置換のC~C12アルキル、または1個以上のOH、C~Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲンにより、またはCNにより置換されているC~C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、場合により1個以上の酸素原子により入り込まれ、またはR55、R56、R57、R58およびR59は、互いに独立して、C~Cアルコキシ、C~CアルキルチオまたはNR5253であり、
52およびR53は、互いに独立して、水素、非置換のC~C12アルキル、または1種以上のOHまたはSHにより置換されているC~C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、またはR52およびR53は、互いに独立して、C~C12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルであり、そして
は、場合により1個以上の酸素原子によって入り込まれたC~C12アルキレンである。
【0127】
式XIIIの化合物の具体例として、オキソ-フェニル-酢酸2-[2-(2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ)-エトキシ]-エチルエステル(Irgacure(登録商標)754)、メチルα-オキソベンゼンアセテートが挙げられる。
【0128】
適したオキシムエステル化合物の例として、式
【化24】
のものが挙げられ、式中、zは0または1であり、
70は、水素、C~Cシクロアルキル、非置換のまたは1種以上のハロゲン、フェニルにより、またはCNにより置換されているC~C12アルキルであるか、またはR70は、C~Cアルケニル、非置換のまたは1種以上のC~Cアルキル、ハロゲン、CN、OR73、SR74により、またはNR7576により置換されているフェニルであるか、またはR70は、C~Cアルコキシ、ベンジルオキシ、または非置換のまたは1種以上のC~Cアルキルによりまたはハロゲンにより置換されているフェノキシであり、
71は、フェニル、ナフチル、ベンゾイルまたはナフトイルであり、それらの各々は、1種以上のハロゲン、C~C12アルキル、C~Cシクロアルキル、ベンジル、フェノキシカルボニル、C~C12アルコキシカルボニル、OR73、SR74、SOR74、SO74により、またはNR7576により置換されており、ここで置換基OR73、SR74およびNR7576は、フェニル環またはナフチル環上のさらなる置換基とラジカルR73、R74、R75および/またはR76を介して、5員環または6員環を場合により形成するか、またはそれらの各々は、フェニルにより、または1種以上のOR73、SR74によりまたはNR7566により置換されているフェニルにより置換されており、
またはR71は、チオキサンチル、または
【化25】
であり、
72は、水素、非置換のC~C20アルキル、または1種以上のハロゲン、OR73、SR74、C~Cシクロアルキルにより、またはフェニルにより置換されているC~C20アルキルであるか、またはC~Cシクロアルキルであるか、または非置換のまたは1種以上のC~Cアルキル、フェニル、ハロゲン、OR73、SR74によりまたはNR7576により置換されているフェニルであるか、またはC~C20アルカノイル、または非置換のまたは1種以上のC~Cアルキル、フェニル、OR73、SR74によりまたはNR7576により置換されているベンゾイルであるか、またはC~C12アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、CN、CONR7576、NO、C~Cハロアルキル、S(O)-C~CアルキルまたはS(O)-フェニルであり、
yは、1または2であり、
は、直接結合であるか、または結合しておらず、
は、NOまたは
【化26】
であり、
73およびR74は、互いに独立して、水素、C~C20アルキル、C~C12アルケニル、C~Cシクロアルキル、1個以上の、好ましくは2個のOにより入り込まれたC~Cシクロアルキル、フェニル-C~Cアルキルであるか、または、OH、SH、CN、C~Cアルコキシ、C~Cアルカノイル、C~Cシクロアルキルにより、1個以上のOにより入り込まれたC~Cシクロアルキルにより、置換されているC~Cアルキルであるか、またはC~Cアルキルが、非置換の、または1種以上のC~Cアルキル、ハロゲン、OH、C~Cアルコキシにより、またはC~Cアルキルスルファニルにより置換されているベンゾイルにより置換されているか、またはフェニルまたはナフチルであり、これらの各々は、非置換であるか、またはハロゲン、C~C12アルキル、C~C12アルコキシ、フェニル-C~Cアルキルオキシ、フェノキシ、C~C12アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C~C12アルキル)、ジフェニルアミノにより、または
【化27】
により置換されており、
75およびR76は、互いに独立して、水素、C~C20アルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~C10アルコキシアルキル、C~Cアルケニル、C~Cシクロアルキル、フェニル-C~Cアルキル、C~Cアルカノイル、C~C12アルケノイル、ベンゾイルであるか、またはフェニルまたはナフチルであり、それらの各々が、非置換であるか、またはC~C12アルキル、ベンゾイルによりまたはC~C12アルコキシにより置換されており、またはR75およびR76が共に、OまたはNR73により場合により入り込まれたC~Cアルキレンであり、場合によりヒドロキシル、C~Cアルコキシ、C~Cアルカノイルオキシにより、またはベンゾイルオキシにより置換されており、
77は、C~C12アルキル、チエニル、または非置換であるかまたはC~C12アルキル、OR73、モルホリノによりまたはN-カルバゾルイルにより置換されているフェニルである。
【0129】
具体的な例として、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、9H-チオキサンテン-2-カルボキサルデヒド9-オキソ-2-(O-アセチルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(4モルホリノベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチル-4-(2-(1,3-ジオキソ-2-ジメチル-シクロペント-5-イル)エトキシ)-ベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)(Adeka N-1919)、エタノン1-[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-1-[2-メチル-4-(1-メチル-2-メトキシ)エトキシ)フェニル]-1-(O-アセチルオキシム)(Adeka NCI831)などが挙げられる。
【0130】
カチオン性光開始剤、例えばベンゾイルペルオキシド(他の適したペルオキシドは、US4950581、第19欄、第17~25行目に記載されている)または芳香族スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、例えば、US4950581、第18欄、第60行目~第19欄、第10行目に記載のものを加えることも可能である。
【0131】
適したスルホニウム塩化合物は、式
【化28】
のものであり、
式中、
80、R81およびR82は、それぞれ互いに独立して、非置換のフェニル、または-S-フェニル、
【化29】
により置換されているフェニルであり、
83は、直接結合、S、O、CH、(CH、COまたはNR89であり、
84、R85、R86およびR87は、互いに独立して、水素、C~C20アルキル、C~Cシクロアルキル、C~C20アルコキシ、C~C20アルケニル、CN、OH、ハロゲン、C~Cアルキルチオ、フェニル、ナフチル、フェニル-C~Cアルキル、ナフチル-C~Cアルキル、フェノキシ、ナフチルオキシ、フェニル-C~Cアルキルオキシ、ナフチル-C~Cアルキルオキシ、フェニル-C~Cアルケニル、ナフチル-C~Cアルケニル、S-フェニル、(CO)R89、O(CO)R89、(CO)OR89、SO89またはOSO89であり、
88は、C~C20アルキル、C~C20ヒドロキシアルキル、
【化30】
であり、
89は、水素、C~C12アルキル、C~C12ヒドロキシアルキル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルイルであり、
90、R91、R92およびR93は、互いに独立して、R84に与えられた意味の1つを有し、またはR90およびR91は、それらが結合しているベンゼン環と融合した環系を形成し、
95は、直接結合、S、OまたはCHであり、
96は、水素、C~C20アルキル、1個以上のOにより入り込まれたC~C20アルキルであり、または-L-M-R98または-L-R98であり、
97は、R96に与えられた意味の1つを有するか、または
【化31】
であり、
98は、一価の増感剤または光開始剤部分であり、
ArおよびAr互いに独立して、非置換の、またはC~C20アルキル、ハロゲン、またはOR99により置換されているフェニルであるか、
または非置換のナフチル、アントリル、フェナントリルまたはビフェニルイルであるか、
または、C~C20アルキル、OHまたはOR99により置換されているナフチル、アントリル、フェナントリルまたはビフェニルイルであるか、
または、-Ar-A-Arまたは
【化32】
であり、
Arは、非置換のフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、またはビフェニルイルであるか、
またはC~C20アルキル、OR99またはベンゾイルにより置換されているフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルまたはビフェニルイルであり、
Arは、フェニレン、ナフチレン、アントリレンまたはフェナントリレンであり、
は、直接結合、S、OまたはC~C20アルキレンであり、
Xは、CO、C(O)O、OC(O)、O、SまたはNR99であり、
Lは、直接結合、S、O、C~C20アルキレンまたは1個以上の連続しないOにより入り込まれたC~C20アルキレンであり、
99は、C~C20アルキルまたはC~C20ヒドロキシアルキルであるか、またはO(CO)R102により置換されているC~C20アルキルであり、
は、S、COまたはNR100であり、
は、直接結合、CH、OまたはSであり、
100およびR101は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシまたはフェニルであり、
102は、C~C20アルキルであり、
103は、
【化33】
であり、そして
Eは、アニオン、特にPF、SbF、AsF、BF、(CB、Cl、Br、HSO、CF-SO、F-SO
【化34】
CH-SO、ClO、PO、NO、SO、CH-SO、または
【化35】
である。
【0132】
スルホニウム塩化合物の具体的な例として、例えば、Irgacure(登録商標)270(BASF SE)、Cyracure(登録商標)UVI-6990、Cyracure(登録商標)UVI-6974(Union Carbide)、Degacure(登録商標)KI85(Degussa)、SP-55、SP-150、SP-170(Asahi Denka)、GE UVE1014(General Electric)、SarCat(登録商標)KI-85(=トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD1010(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD1011(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)が挙げられる。
【0133】
適したヨードニウム塩化合物は、式
【化36】
のものであり、式中、
110およびR111は、それぞれ互いに独立して、水素、C~C20アルキル、C~C20アルコキシ、OH-置換C~C20アルコキシ、ハロゲン、C~C12アルケニル、C~Cシクロアルキル、特にメチル、イソプロピル、またはイソブチルであり、そして
Eは、アニオン、特にPF、SbF、AsF、BF、(CB、Cl、Br、HSO、CF-SO、F-SO
【化37】
CH-SO、ClO、PO、NO、SO、CH-SOまたは
【化38】
である。
【0134】
ヨードニウム塩化合物の具体的な例として、例えばトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-[(2-ヒドロキシ-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートまたはヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-イソプロピルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-イソブチルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(Irgacure(登録商標)250、BASF SE)、4-オクチルオキシフェニル-フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートまたはヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサアフルオロアンチモネートまたはヘキサフルオロホスフェート、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-エトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-ドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-フェノキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
【0135】
前述のあらゆるヨードニウム塩のうち、他のアニオンとの化合物も、無論、適している。ヨードニウム塩の調製は当業者に知られていて、例えば文献にも記載されており、例えばUS4151175、US3862333、US4694029、EP562897、US4399071、US6306555、WO98/46647、J.V.Crivello、「Photoinitiated Cationic Polymerization」(UV Curing:Science and Technology、S.P.Pappas編集、第24~77頁、Technology Marketing Corporation,Norwalk,Conn.1980,ISBN No.0-686-23773-0)、J.V.Crivello,J.H.W.Lam,Macromolecules,10,1307(1977)およびJ.V.Crivello,Ann.Rev.Mater.Sci.1983,13、第173~190頁およびJ.V.Crivello,Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry、第37巻、4241-4254(1999)に記載されている。
【0136】
UV-A領域および(近)VIS領域に放射ピーク(単数または複数)を有する光源(Laser、LED、LCD)を用いて硬化させるのに、アシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドおよびエチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネートが好ましい。355nmに放射ピークを有するUVレーザー(SLA)を用いて硬化させるのに、アルファ-ヒドロキシケトン系化合物、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、Lamberti社から提供されるEsacure KIP、2-ヒドロキシ-1-{1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェニル]-1,3,3-トリメチル-インダン-5-イル}-2-メチル-プロパン-1-オン、およびこれらの混合物が好ましい。
【0137】
光源が広い領域、UVおよび可視領域にわたって光放射する場合(例:水銀灯)、または異なる波長の光源が組み合わされる場合(例:LED、レーザー)、1種の光開始剤の吸収領域が領域全体をカバーしない可能性がある。これは、2種の異なる光開始剤のタイプ、例えばアルファ-ヒドロキシケトン(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、または2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン)と、アシルホスフィンオキシド(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドおよびエチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネートとを組み合わせることによって達成することができる。硬化に可視放射を使用する場合は、チタノセンのような特定の光開始剤、例えばビス(シクロペンタジエニル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1-ピリル)フェニル]チタン(Omnirad784)が必要である。
【0138】
光開始剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.5~10質量%、特に0.1~5.0質量%の割合で使用される。
【0139】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0140】
~C24アルキル(C~C20アルキル、特にC~C12アルキル)は、可能であれば、典型的には直鎖状または分岐状である。例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、1,1,3,3-テトラメチルペンチル、n-ヘキシル、1-メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルヘキシル、n-ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、1-メチルヘプチル、3-メチルヘプチル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチルおよび2-エチルヘキシル、n-ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、またはオクタデシルが挙げられる。C~Cアルキルは、典型的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチル-プロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチルおよび2-エチルヘキシルである。C~Cアルキルは、典型的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチルである。
【0141】
~C12アルケニル基(C~Cアルケニル)は、直鎖のまたは分岐状のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-ペンタ-2,4-ジエニル、3-メチル-ブト-2-エニル、n-オクト-2-エニル、またはn-ドデク-2-エニルである。
【0142】
~C12アルコキシ基(C~Cアルコキシ基)は、直鎖のまたは分岐状のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシまたはtert-アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシおよびドデシルオキシである。
【0143】
~C12アルキルチオ基(C~Cアルキルチオ基)は、直鎖のまたは分岐状のアルキルチオ基であり、酸素が硫黄に対して交換されていることを除き、アコキシ基(akoxy groups)と同じ選好を有する。
【0144】
~C12アルキレンは、二価のC~C12アルキル、すなわち(1ではなく)2の自由原子価を有するアルキル、例えばトリメチレンまたはテトラメチレンである。
【0145】
シクロアルキル基は、典型的にはC~Cシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルであり、これらは非置換であっても置換されていてもよい。
【0146】
いくつかの場合において、光開始剤に加えて増感剤化合物を採用することが有利である。適した増感剤化合物の例は、WO06/008251、第36頁第30行目から第38頁第8行目に開示されており、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。増感剤として、とりわけ上述のベンゾフェノン化合物を採用することができる。
【0147】
所望される場合、光硬化性組成物は、
-以下のもの
(D.4) 消泡剤および脱気剤、
(D.5) 潤滑剤およびレベリング剤、
(D.6) 熱硬化助剤および/または放射線硬化助剤、
(D.7) 基材湿潤助剤、
(D.8) 湿潤助剤および分散助剤、
(D.9) 疎水化剤、
(D.10) 容器内(in-can)安定剤、および
(D.11) 引掻耐性を向上させるための助剤
から選択される少なくとも1種の成分D、
-以下のもの
(E.1) 染料、および
(E.2) 顔料、
から選択される少なくとも1種の成分E、
- 光、熱および酸化安定剤から選択される少なくとも1種の成分F、および
- IR吸収化合物から選択される少なくとも1種の成分G
から選択される、さらなる混合物構成成分を含んでもよい。
【0148】
成分Dとして列挙した消泡剤および脱気剤(D.4)、潤滑剤およびレベリング剤(D.5)、熱硬化助剤または放射線硬化助剤(D.6)、基材湿潤助剤(D.7)、湿潤助剤および分散助剤(D.8)、疎水化剤(D.9)、容器内安定剤(D.10)および引掻耐性を向上させるための助剤(D.11)の効果は、通常、互いに厳密に区別することができない。例えば、潤滑剤およびレベリング剤は、消泡剤および/または脱気剤として、および/または引掻耐性を向上させるための助剤として、さらに作用することが多い。そして放射線硬化助剤は、潤滑剤およびレベリング剤、および/または脱気剤として、および/または基材湿潤助剤としても作用することができる。従って上記の記述により、或る特定の添加剤は、以下に記載のグループ(D.4)から(D.11)のうちの1つより多くに帰属してよい。
【0149】
グループ(D.4)の消泡剤には、シリコンを含まないポリマーおよびシリコン含有ポリマーが含まれる。シリコン含有ポリマーは、例えば、変性していないまたは変性ポリジアルキルシロキサン、またはポリジアルキルシロキサンとポリエーテル単位とから構成される分岐コポリマー、櫛形(comb)コポリマーまたはブロックコポリマーであり、後者はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから得ることができる。
【0150】
グループ(D.4)の脱気剤には、例えば、有機ポリマー、例えばポリエーテルおよびポリアクリレート、ジアルキルポリシロキサン、特にジメチルポリシロキサン、有機的変性ポリシロキサン、例えばアリールアルキル変性ポリシロキサンか、またはフルオロシリコーンが含まれる。消泡剤の作用は本質的に、泡の形成を防ぐこと、またはすでに形成された泡を破壊することに基づく。脱気剤は、本質的には、脱気される媒体、例えば本発明による組成物中で、微細に分散した気体または空気の気泡を合体させてより大きな気泡にして、よって気体(または空気)の放出を促進するように作用する。消泡剤はしばしば脱気剤としても使用することができ、その逆も可能であるため、これらの添加剤はグループ(D.4)の下で一緒にまとめられている。このような助剤として、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Foamex800、TEGO(登録商標)Foamex805、TEGO(登録商標)Foamex810、TEGO(登録商標)Foamex815、TEGO(登録商標)Foamex825、TEGO(登録商標)Foamex835、TEGO(登録商標)Foamex840、TEGO(登録商標)Foamex842、TEGO(登録商標)Foamex1435、TEGO(登録商標)Foamex1488、TEGO(登録商標)Foamex1495、TEGO(登録商標)Foamex3062、TEGO(登録商標)Foamex7447、TEGO(登録商標)Foamex8020、Tego(登録商標)Foamex N、TEGO(登録商標)Foamex K3、TEGO(登録商標)Antifoam2-18、TEGO(登録商標)Antifoam2-57、TEGO(登録商標)Antifoam2-80、TEGO(登録商標)Antifoam2-82、TEGO(登録商標)Antifoam2-89、TEGO(登録商標)Antifoam2-92、TEGO(登録商標)Antifoam14、TEGO(登録商標)Antifoam28、TEGO(登録商標)Antifoam81、TEGO(登録商標)Antifoam D90、TEGO(登録商標)Antifoam93、TEGO(登録商標)Antifoam200、TEGO(登録商標)Antifoam201、TEGO(登録商標)Antifoam202、TEGO(登録商標)Antifoam793、TEGO(登録商標)Antifoam1488、TEGO(登録商標)Antifoam3062、TEGOPREN(登録商標)5803、TEGOPREN(登録商標)5852、TEGOPREN(登録商標)5863、TEGOPREN(登録商標)7008、TEGO(登録商標)Antifoam1-60、TEGO(登録商標)Antifoam1-62、TEGO(登録商標)Antifoam1-85、TEGO(登録商標)Antifoam2-67、TEGO(登録商標)Antifoam WM20、TEGO(登録商標)Antifoam50、TEGO(登録商標)Antifoam105、TEGO(登録商標)Antifoam730、TEGO(登録商標)Antifoam MR1015、TEGO(登録商標)Antifoam MR1016、TEGO(登録商標)Antifoam1435、TEGO(登録商標)Antifoam N、TEGO(登録商標)Antifoam KS6、TEGO(登録商標)Antifoam KS10、TEGO(登録商標)Antifoam KS53、TEGO(登録商標)Antifoam KS95、TEGO(登録商標)Antifoam KS100、TEGO(登録商標)Antifoam KE600、TEGO(登録商標)Antifoam KS911、TEGO(登録商標)Antifoam MR1000、TEGO(登録商標)Antifoam KS1100、Tego(登録商標)Airex900、Tego(登録商標)Airex910、Tego(登録商標)Airex931、Tego(登録商標)Airex935、Tego(登録商標)Airex960、Tego(登録商標)Airex970、Tego(登録商標)Airex980およびTego(登録商標)Airex985として、およびBYK社からBYK(登録商標)-011、BYK(登録商標)-019、BYK(登録商標)-020、BYK(登録商標)-021、BYK(登録商標)-022、BYK(登録商標)-023、BYK(登録商標)-024、BYK(登録商標)-025、BYK(登録商標)-027、BYK(登録商標)-031、BYK(登録商標)-032、BYK(登録商標)-033、BYK(登録商標)-034、BYK(登録商標)-035、BYK(登録商標)-036、BYK(登録商標)-037、BYK(登録商標)-045、BYK(登録商標)-051、BYK(登録商標)-052、BYK(登録商標)-053、BYK(登録商標)-055、BYK(登録商標)-057、BYK(登録商標)-065、BYK(登録商標)-067、BYK(登録商標)-070、BYK(登録商標)-080、BYK(登録商標)-088、BYK(登録商標)-141およびBYK(登録商標)-A530として入手可能である。
【0151】
グループ(D.4)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.05~3.0質量%、好ましくは約0.5~2.0質量%の割合で使用される。
【0152】
潤滑剤およびレベリング剤のグループ(D.5)には、例えばシリコンを含まないポリマーだけでなく、シリコン含有ポリマー、例えばポリアクリレートまたは変性低分子量ポリジアルキルシロキサンも含まれる。変性とは、アルキル基の一部を多種多様な有機ラジカルで置き換えることである。これらの有機ラジカルは、例えば、ポリエーテル、ポリエステルか、または長鎖アルキルラジカルであり、前者が最も頻繁に使用されている。対応する変性ポリシロキサンのポリエーテルラジカルは、典型的には、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位によって形成される。変性ポリシロキサン中のこれらのアルキレンオキシド単位の割合が高いほど、得られる生成物は一般的に親水性が高くなる。
【0153】
このような助剤は市販されており、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Glide100、TEGO(登録商標)Glide ZG400、TEGO(登録商標)Glide406、TEGO(登録商標)Glide410、TEGO(登録商標)Glide411、TEGO(登録商標)Glide415、TEGO(登録商標)Glide420、TEGO(登録商標)Glide435、TEGO(登録商標)Glide440、TEGO(登録商標)Glide450、TEGO(登録商標)Glide A115、TEGO(登録商標)Glide B1484(消泡剤および脱気剤としても使用可能)、TEGO(登録商標)Flow ATF、TEGO(登録商標)Flow ATF2、TEGO(登録商標)Flow300、TEGO(登録商標)Flow460、TEGO(登録商標)Flow425およびTEGO(登録商標)Flow ZFS460として入手可能である。使用する放射線硬化性の潤滑剤およびレベリング剤はさらに、引掻耐性を向上させる役割を果たし、同様にTego社から入手可能な製品、TEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2300、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600、TEGO(登録商標)Rad2700およびTEGO(登録商標)Twin4000であってよい。このような助剤はBYK社から、例えば、BYK(登録商標)-300、BYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-320、BYK(登録商標)-322、BYK(登録商標)-331、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-337、BYK(登録商標)-341、Byk(登録商標)-354、Byk(登録商標)-361N、BYK(登録商標)-378およびBYK(登録商標)-388として入手可能である。
【0154】
グループ(D.5)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.005~1.0質量%、好ましくは約0.01~0.2質量%の割合で使用する。
【0155】
グループ(D.6)には、放射線硬化助剤として、特に、例えばアクリレート基の一部である末端二重結合を有するポリシロキサンが含まれる。このような助剤は、化学線または、例えば電子ビーム放射によって架橋させることができる。これらの助剤は一般的に複数の特性を1つに組み合わせる。これらは架橋されていない状態では、消泡剤、脱気剤、潤滑剤およびレベリング剤、および/または基材湿潤補助剤として作用することができ、架橋した状態では、例えば本発明による組成物を用いて製造することができる物品の、特に引掻耐性を向上させる。物品の、例えば光沢性能の向上は、本質的に、消泡剤、脱揮発剤(devolatilizers)および/または潤滑剤およびレベリング剤(未架橋状態で)としてのこれらの助剤の作用の効果とみなすことができる。使用することができる放射線硬化助剤として、例えば、Tego社から入手可能なTEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600およびTEGO(登録商標)Rad2700、およびBYK社から入手可能なBYK(登録商標)-371が挙げられる。グループ(D.6)の熱硬化助剤は、例えば、イソシアネート基と反応することができる第一級OH基を含む。
【0156】
使用される熱硬化助剤は、例えば、BYK社から入手可能な製品BYK(登録商標)-370、BYK(登録商標)-373およびBYK(登録商標)-375である。グループ(D.6)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.1~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0157】
基材湿潤補助剤のグループ(D.7)の助剤は、特に、印刷インクまたはコーティング組成物、例えば組成物(a.1)~(a.5)により、インプリントまたはコーティングする基材の湿潤性を高める役割を果たす。このような印刷インクまたはコーティング組成物の潤滑性およびレベリング性能の一般的に関連する向上は、完成した(例えば架橋された)印刷または完成した(例えば架橋された)層の外観に影響を与える。多種多様なそのような助剤は、例えばTego社からTEGO(登録商標)Wet KL245、TEGO(登録商標)Wet250、TEGO(登録商標)Wet260およびTEGO(登録商標)Wet ZFS453として、そしてBYK社からBYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-344、BYK(登録商標)-345、BYK(登録商標)-346およびBYK(登録商標)-348として市販されている。
【0158】
Dupont社のZonyl(登録商標)ブランドの製品、例えばZonyl(登録商標)FSAおよびZonyl(登録商標)FSGも非常に適している。これらはフッ素系の界面活性剤/湿潤剤である。
【0159】
グループ(D.7)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.01~3.0質量%、好ましくは約0.01~1.5質量%、および特に0.03~1.5質量%の割合で使用する。
【0160】
グループ(D.8)の湿潤および分散助剤は、特に顔料の溶出、浮遊および沈降を防ぐ役割を果たし、従って必要に応じて、特に顔料組成物において有用である。
【0161】
これらの助剤は、本質的には添加された(additized)顔料粒子の静電的反発および/または立体障害によって顔料分散体を安定化させ、後者の場合には助剤と周囲の媒体(例えばバインダー)との相互作用が主要な役割を果たす。このような湿潤および分散助剤の使用は、例えば印刷インキおよび塗料の技術分野で一般的に行われているので、所与の場合におけるこのような適した助剤の選択は、一般的に当業者には困難ではない。
【0162】
このような湿潤および分散助剤は、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Dispers610、TEGO(登録商標)Dispers610S、TEGO(登録商標)Dispers630、TEGO(登録商標)Dispers700、TEGO(登録商標)Dispers705、TEGO(登録商標)Dispers710、TEGO(登録商標)Dispers720W、TEGO(登録商標)Dispers725W、TEGO(登録商標)Dispers730W、TEGO(登録商標)Dispers735WおよびTEGO(登録商標)Dispers740Wとして、およびBYK社からDisperbyk(登録商標)、Disperbyk(登録商標)-107、Disperbyk(登録商標)-108、Disperbyk(登録商標)-110、Disperbyk(登録商標)-111、Disperbyk(登録商標)-115、Disperbyk(登録商標)-130、Disperbyk(登録商標)-160、Disperbyk(登録商標)-161、Disperbyk(登録商標)-162、Disperbyk(登録商標)-163、Disperbyk(登録商標)-164、Disperbyk(登録商標)-165、Disperbyk(登録商標)-166、Disperbyk(登録商標)-167、Disperbyk(登録商標)-170、Disperbyk(登録商標)-174、Disperbyk(登録商標)-180、Disperbyk(登録商標)-181、Disperbyk(登録商標)-182、Disperbyk(登録商標)-183、Disperbyk(登録商標)-184、Disperbyk(登録商標)-185、Disperbyk(登録商標)-190、Anti-Terra(登録商標)-U、Anti-Terra(登録商標)-U80、Anti-Terra(登録商標)-P、Anti-Terra(登録商標)-203、Anti-Terra(登録商標)-204、Anti-Terra(登録商標)5 206、BYK(登録商標)-151、BYK(登録商標)-154、BYK(登録商標)-155、BYK(登録商標)-P104S、BYK(登録商標)-P105、Lactimon(登録商標)、Lactimon(登録商標)-WSおよびBykumen(登録商標)として市販されている。ここで、上述のDuPont社のZonyl(登録商標)ブランド、例えばZonyl(登録商標)FSAおよびZonyl(登録商標)FSGも有用である。
【0163】
グループ(D.8)の助剤の用量は主に、カバーされる顔料の表面積および助剤の平均モル質量に依存する。
【0164】
無機顔料および低分子量の助剤について、顔料および助剤の総質量に基づいて、約0.5~2.0質量%の後者の含有量が典型的に想定される。高分子量の助剤の場合、含有量は約1.0~30質量%に増加する。
【0165】
有機顔料および低分子量の助剤の場合、後者の含有量は、顔料および助剤の総質量に基づいて、約1.0~5.0質量%である。高分子量の助剤の場合、この含有量は約10.0~90質量%の範囲でよい。従ってすべての場合において予備的な実験が推奨されるが、これは当業者が簡単な方法で達成することができる。
【0166】
グループ(D.9)の疎水化剤は、例えば、本発明による組成物を用いて得られる物品に撥水特性を提供することを目的として使用することができる。これは、水吸収に起因する膨潤、よって例えばそのような物品の光学的特性の変化がもはや不可能となるか、または少なくとも大幅に抑制されることを意味する。さらに、この組成物を、例えば3D印刷における印刷インクとして使用する場合、その水の吸収を防ぐか、または少なくとも大きく抑制することができる。このような疎水化剤は、例えばTego社からTego(登録商標)Phobe WF、Tego(登録商標)Phobe1000、Tego(登録商標)Phobe1000S、Tego(登録商標)Phobe1010、Tego(登録商標)Phobe1030、Tego(登録商標)Phobe1040、Tego(登録商標)Phobe1050、Tego(登録商標)Phobe1200、Tego(登録商標)Phobe1300、Tego(登録商標)Phobe1310およびTego(登録商標)Phobe1400として市販されている。
【0167】
グループ(D.9)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.05~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0168】
グループ(D.10)の容器内安定剤は、製造から硬化までの貯蔵安定性を向上させる。グループ(D.10)の容器内安定剤の例として、
ホスファイトおよびホスホナイト(加工安定剤)、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’,2”-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン、リン酸、混合2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェニルおよび4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニルトリエステル(CAS番号939402-02-5)、リン酸、トリフェニルエステル、アルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]とのポリマー、C10~16アルキルエステル(CAS番号1227937-46-3)が挙げられる。特に好ましいのは、以下のホスファイトである:
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化39】
【0169】

【化40】
のキノンメチド(長期間の貯蔵安定性を提供する)、式中、
21およびR22は、互いに独立して、C~C18アルキル、C~C12シクロアルキル、C~C15-フェニルアルキル、場合により置換されているC~C10アリールであり、
23およびR24は、互いに独立して、H、場合により置換されているC~C10-アリール、2-、3-、4-ピリジル、2-、3-フリルまたはチエニル、COOH、COOR25、CONH、CONHR25、CONR2526、-CN、-COR25、-OCOR25、-OPO(OR25であり、式中、R25およびR26は、互いに独立してC~Cアルキル、またはフェニルである。キノンメチドが好ましく、式中、R21およびR22はtert-ブチルであり、R23はHであり、R24は場合により置換されているフェニル、COOH、COOR25、CONH、CONHR25、CONR2526、-CN、-COR25、-OCOR25、-OPO(OR25であり、式中、R25およびR26はC~Cアルキル、またはフェニルである。キノンのメチドの例として、
【化41】
が挙げられる。
【0170】
キノンメチドは、例えばUS20110319535に記載されているように、高度な立体障害ニトロキシルラジカルと組み合わせて使用してよい。
【0171】
グループ(D.10)の容器内安定剤は、組成物の総質量に基づいて、約0.01~0.3質量%、好ましくは約0.04~0.15質量%の割合で使用する。
【0172】
引掻耐性を向上させるための助剤のグループ(D.11)には、例えば、Tego社から入手可能な製品、TEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600およびTEGO(登録商標)Rad2700が含まれ、これらは既に上述したとおりである。
【0173】
これら助剤について、有用な量は、グループ(D.6)で述べたものと同様であり、すなわちこれら添加剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.1~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0174】
染料のグループ(E.1)には、例えば、アゾ染料、金属錯体染料、塩基性染料、例えばジ-およびトリアリールメタン染料およびその塩、アゾメチン誘導体、ポリメチン、アントラキノン染料などのクラスの染料が含まれる。本発明による組成物に使用することができる適した染料の概要は、H.Zollingerによる著書、「Color Chemistry」、Wiley-VCH,Weinheim、第3版(2003年)に記載されている。
【0175】
特に、光発色性染料、熱変色性染料または発光性染料、およびこれら特性の組み合わせを有する染料を本発明による組成物に加えることも可能である。典型的な蛍光染料に加えて、蛍光染料は光学的光沢剤を意味すると理解すべきである。光学的光沢剤は、光硬化性組成物の吸収特性(臨界エネルギーおよび浸透深度)を最適化するのに使用してもよい。
【0176】
後者の例には、ビススチリルベンゼン、特にシアノスチリル化合物のクラスが含まれ、式
【化42】
に対応する。
【0177】
スチルベンのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化43】
のものであり、
式中、Qは、各場合においてC~C-アルコキシカルボニルまたはシアノであり、Qは、C~C-アルキル、特にメチルによって単置換または二置換されていてよいベンゾオキサゾール-2-イルであり、QはC~C-アルコキシカルボニルまたは3-(C~C-アルキル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルである。
【0178】
ベンゾオキサゾールのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化44】
に従い、
式中、
は、各場合においてC~C-アルキル、特にメチルであり、Lは式
【化45】
そして、nは0~2の整数である。
【0179】
クマリンのクラスからの適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化46】
を有し、式中、
は、C~C-アルキルであり、そして
は、フェニルまたは3-ハロピラゾール-1-イル、特に3-クロロピラゾール-1-イルである。
【0180】
ピレンのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化47】
に対応し、式中、
は、各場合においてC~C-アルコキシ、特にメトキシである。
【0181】
上述の光沢剤は単独でも互いに混合しても使用することができる。
【0182】
上述の光学的光沢剤は一般に、それ自体知られている市販の製品である。それらは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A18巻、第156~161頁に記載されており、またはその記載の方法によって得ることができる。
【0183】
特に、所望の場合、ビススチリルベンゼンのクラス、特にシアノスチリルベンゼンのクラスからの1種以上の光学的光沢剤を使用する。後者は個々の化合物としても、また異性化合物の混合物としても使用することができる。
【0184】
この場合、異性体は、式
【化48】
に対応する。
【0185】
光学的光沢剤は、例えば、BASF SE社から、Ultraphor(登録商標)SF004、Ultraphor(登録商標)SF MO、Ultraphor(登録商標)SF MPおよびUltraphor(登録商標)SF POとして市販されている。
【0186】
顔料のグループ(E.2)には、無機顔料および有機顔料の両方が含まれる。本発明による混合物中に使用することができる無機有色顔料の概要は、H.Endrissによる著書、「Aktuelle anorganische Bunt-Pigmente」[「Current inorganic colored pigments」](発行人U.Zoril,Curt-R.-Vincentz-Verlag,Hanover、1997年)およびG.Buxbaumによる著書、「Industrial Inorganic Pigments」、Wiley-VCH,Weinheim、第3版、2005年に挙げられている。さらに、前記の著書に挙げられていない有用なさらなる顔料として、ピグメントブラック6およびピグメントブラック7(カーボンブラック)、ピグメントブラック11(酸化鉄ブラック、Fe)、ピグメントホワイト4(酸化亜鉛、ZnO)、ピグメントホワイト5(リトポン、ZnS/BaSO)、ピグメントホワイト6(酸化チタン、TiO)およびピグメントホワイト7(硫化亜鉛、ZnS)が挙げられる。
【0187】
本発明による混合物に添加することができる有機顔料の概要は、W.HerbstおよびK.Hungerによる著書、「Industrielle organische Pigmente」[「Industrial Organic Pigments」],Wiley-VCH,Weinheim、第3版、2004年に挙げられている。本発明による組成物には、磁性、導電性、光発色性、熱変色性または発光性顔料、およびこれら特性の組み合わせを有する顔料も加えることが可能である。
【0188】
いくつかの有機顔料、例えばLumogen(登録商標)Yellow0795(BASF SE社)に加えて、発光特性を有する有用な顔料として挙げられるのは、本質的にアルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属/遷移金属酸化物、アルカリ土類金属/アルミニウム酸化物、アルカリ土類金属/シリコン酸化物またはアルカリ土類金属/リン酸化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、Zn/シリコン酸化物、Zn/アルカリ土類金属ハロゲン化物、希土類金属酸化物、希土類金属/遷移金属酸化物、希土類金属/アルミニウム酸化物、希土類金属/シリコン酸化物または希土類金属/リン酸化物、酸化希土類金属硫化物または酸化希土類金属ハロゲン化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛またはセレン化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウムまたはセレン化カドミウムまたは亜鉛/カドミウム酸化物、亜鉛/カドミウム硫化物または亜鉛/セレン化カドミウムをベースとした無機ドープまたは非ドープ化合物であり、ここでカドミウム化合物は、その毒性学的および生態学的関連性から重要性が低い。
【0189】
これらの化合物に使用されるドープ剤は、通例、アルミニウム、スズ、アンチモン、希土類金属、例えばセリウム、ユーロピウムまたはテルビウム、遷移金属、例えばマンガン、銅、銀または亜鉛またはこれら元素の組み合わせである。
【0190】
例として以下に発光性顔料を特定するが、「化合物:元素(単数または複数)」という表記は、当該化合物が対応する元素(単数または複数)でドープされていることを当業者に意味すると理解される。さらに、例えば「(P,V)」という表記は、顔料の固体構造中の対応する格子位置がランダムにリンとバナジウムによって占められていることを意味する。
【0191】
このような発光可能な化合物の例として、MgWO、CaWO、SrAl1425:Eu、BaMgAl1027:Eu、MgAl1119:Ce,Tb、MgSiO:Mn、Ca10(PO(F,Cl):Sb,Mn、(SrMg):Eu、SrMg:Sn、BaFCl:Eu、ZnSiO:Mn、(Zn,Mg)F:Mn、Y:Eu、YVO:Eu、Y(P,V)O:Eu、YSiO:Ce,Tb、YS:Eu、YS:Tb、LaS:Tb、GdS:Tb、LaOBr:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Mn、ZnS:Ag、ZnS/CdS:Ag、ZnS:Cu,Al、ZnSe:Mn、ZnSe:AgおよびZnSe:Cuが挙げられる。
【0192】
成分Fとしての光、熱および/または酸化安定剤の例として、以下のものが含まれる:
アルキル化モノフェノール、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖状のまたは分岐状の側鎖を有するノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデシ-1’-イル)-フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデシ-1’-イル)-フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデシ-1’-イル)フェノールおよびこれら化合物の混合物、
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノールおよび2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール、
ハイドロキノンおよびアルキル化ハイドロキノン、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルハイドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレートおよびビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート、
トコフェロール、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールおよびこれら化合物の混合物、およびトコフェロール誘導体、例えばトコフェリルアセテート、トコフェリルスクシネート、トコフェリルニコチネートおよびトコフェリルポリオキシエチレンスクシネート(「トコフェルソレート」)、
ヒドロキシル化ジフェニルチオエーテル、例えば2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス-(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)および4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンヂル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス-(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカブトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシル-メルカプトブタンおよび1,1,5,5-テトラキス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、
O-、N-およびS-ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィドおよびイソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼンおよび2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、
トリアジン化合物、例えば2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、
ベンジルホスホネート、例えばジメチル2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートおよびジオクタデシル5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、
アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウロイルアニリド、4-ヒドロキシステアロイルアニリドおよびオクチル-N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート、
例えば1価または多価アルコールのプロピオン酸エステルおよび酢酸エステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよび4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]-オクタン、
アミン誘導体をベースとしたプロピオン酸アミド、例えばN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミンおよびN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、
アスコルビン酸(ビタミンC)およびアスコルビン酸誘導体、例えばアスコルビルパルミテート、アスコルビルラウレートおよびアスコルビルステアレート、アスコルビルスルフェートおよびアスコルビルホスフェート、
アミン化合物ベースの抗酸化剤、例えばN,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルベンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル置換されているジフェニルアミン、例えばp,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス[4-メトキシフェニル]アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル置換されているN-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたイソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、N,N-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、2,2,2,6-テトラメチルピペリジン-4-オンおよび2,2,2,6-テトラメチルピペリジン-4-オール、
ホスファイトおよびホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)-ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル))ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイトおよびビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、
2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、以下の、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール]の混合物、2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300との完全なエステル化の生成物;[R-CHCH-COO(CH(式中、R=3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル)]、
硫黄含有ペルオキシド捕捉剤および硫黄含有抗酸化剤、例えば3,3’-チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルおよびトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールおよび2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチル亜鉛ジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィドおよびペンタエリスリトールテトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート、
2-ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシクロオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシおよび2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ誘導体、
非置換および置換安息香酸のエステル、例えば4-tert-ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートおよび2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、
アクリレート、例えばエチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチルα-メトキシカルボニルシンナメート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシ-シンナメートおよびメチル-α-メトキシカルボニル-p-メトキシシンナメート、
立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’-ビス(2,2,6,5-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エチレン)ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,5-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート、N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]-デカン2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンと4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-l-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4.5]-デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-l-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物、テトラメチロールアセチレンジ尿素を有する4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとポリ(メトキシプロピル-3-オキシ)-[4(2,2,6,6-テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンとの縮合生成物、
オキサミド、例えば4,4’-ジオクチルオキシオキサニリド、2.2’-ジエトキシオキサニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキサニリドおよびそれと2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、オルト-およびパラ-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物、およびオルト-およびパラ-エトキシ二置換オキサニリドの混合物、および
2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば2,4,6-トリス-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチル-5フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジンおよび2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン。
【0193】
IR吸収剤の成分Gとして使用されるのは、赤外線スペクトル域、すなわち>750nm、例えば751nm~1mmに1つ以上の吸収帯を示す化合物である。好ましくは、近赤外線(NIR)領域、すなわち>750(例えば751)~2000nm、および場合によりさらに可視スペクトル域、特に550~750nmにも吸収帯を1つ示す化合物である。化合物がIRおよび可視スペクトル域の両方で吸収を示す場合、それらはIR域において最大の吸収極大を示し、そして可視域において(多くの場合いわゆる吸収ショルダーの形の)より小さな極大を示すことが好ましい。特定の実施形態において、成分Gの化合物はさらに蛍光も示す。蛍光とは、電磁放射線(通例、可視光、UV放射線、X線または電子ビーム)の吸収によって励起された系が、同一の波長の光線(共鳴蛍光)またはより長い波長の放射線を自発的に発してエネルギーがより低い状態へ遷移することである。成分Gの好ましい化合物は、それらが蛍光する場合、IRスペクトル域、好ましくはNIRで蛍光を示す。
【0194】
このような化合物は、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ペリレン、テリレン、クアテリレン、ペンタリレン、ヘキサリレン、アントラキノン、インダントロン、アクリジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジナフトフラン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、フェナジン、ジオキサジン、キナクリドン、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、金属ポルフィリン、クマリン、ジベンゾフラノン、ジナフトフラノン、ベンズイミダゾロン、インディゴ化合物、チオインディゴ化合物、キノフタロン、ナフトキノフタロンおよびジケトピロロピロールから選択される。IRを吸収するおよび場合により蛍光性の特に好ましい成分Gの化合物は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ペリレン、テリレン、クアテリレン、ペンタリレンおよびヘキサリレンから選択され、より好ましくはペリレン、テリレンおよびクアテリレンから、および特にテリレンおよびクアテリレンから選択される。化合物は特にクアテリレンである。適した化合物は、WO2008/012292に記載されており、これは参照によって本明細書に完全に組込まれる。
【0195】
本開示(単数または複数)はまた、複数のポリマー層および三次元パターンを含む三次元構造体を作るのに適した方法を提供する。
【0196】
いくつかの実施形態は、基材上にポリマー画像をパターニングする方法を提供し、各方法は、
(a)基材上に、本明細書に記載の組成物のいずれか1つの光硬化性組成物の層を堆積させる工程、
(b)光硬化性組成物の層の一部に、適切な波長(単数または複数)を有する光を照射し、それによって重合域および非重合域のパターン化された層を提供する工程
を含む。或る特定の他の実施形態は、パターンの非重合域の除去をさらに含む。
【0197】
本方法は、照射前に基材上に光硬化性組成物の複数の層を堆積させることを含んでよく、そのうちの少なくとも1つは本発明による光硬化性組成物である。
【0198】
照射された部分は、フォトマスクの使用を介し、光の直接書き込み適用によって、干渉、ナノインプリント、または回折勾配リソグラフィーによって、インクジェット3D印刷、ステレオリソグラフィー、ホログラフィー、LCDまたはデジタルライトプロジェクション(DLP)によって、パターン化される。
【0199】
光硬化性組成物は、当技術分野で知られている任意の多種多様な方法で照射してよい。パターニングは、ポジティブまたはネガティブ画像のフォトマスクを使用するフォトリソグラフィー、干渉リソグラフィー(すなわち、回折格子を使用する)、回折勾配リソグラフィーによる近接場ナノパターニング、または光の直接のレーザー書き込み適用、例えばマルチフォトンリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、インクジェット3D印刷、ステレオリソグラフィーおよびステレオリソグラフィーのデジタルマイクロミラーアレイバリエーション(一般に、デジタルライトプロジェクション(DLP)と呼ばれる)により達成されてもよい。光硬化性組成物は、例えば、デジタルライトプロジェクション(DLP)を含む、ステレオリソグラフィー法を使用して構造体を調製するのに特に適している。光硬化性組成物は、例えばバット重合を使用してバルク構造体として処理されてもよく、この場合フォトポリマーは、並進または回転させた基材上に直接硬化され、照射は、ステレオリソグラフィー、ホログラフィー、またはデジタルライトプロジェクション(DLP)を介してパターン化される。
【0200】
ステレオリソグラフィー(SLA)とは、三次元(3D)印刷技術の一形態であり、光重合(光によって分子の鎖が結合し、ポリマーが形成されるプロセス)を利用して、モデル、プロトタイプ、パターン、生産部品などを一層ずつ作ること(いわゆる「付加製造」)である。そしてこれらポリマーが、三次元の固体の本体を構成する。典型的に、SLA付加製造プロセスでは、液体の感光性材料に浸されたビルドトレイを有するビルドプラットフォームを使用する。製造するアイテムの3Dモデルは、関連する3Dプリンタソフトウェアにインポートされる。このソフトウェアは、3Dモデルを2D画像にスライスし、次いでこれをビルドプラットフォームに投影してフォトポリマーに露光する。
【0201】
US4575330の図3は、印刷に対する既知の先行技術の「トップダウン」アプローチを描いている。容器21には、UV硬化性液体22などが充填され、指定された作業面23が提供される。プログラム可能な紫外線(UV)光源26は、表面23の平面内に紫外線光のスポット27を生成する。スポット27は、光源26の一部であるミラーやその他の光学的または機械的な要素の動きによって、表面23を横切って移動可能である。表面23上のスポット27の位置は、コンピュータ28によって制御される。容器21内の移動可能なエレベータプラットフォーム29は、選択的に上下に移動し、プラットフォームの位置はコンピュータ28によって制御される。エレベータープラットフォームは、機械的、空気的、油圧的または電気的に駆動でき、通常、光学的または電子的なフィードバックを使用して、その位置を正確に制御する。装置が動作すると、30a、30b、30cのような統合された積層体を段階的に構築することにより、三次元物体30を生成する。この動作の間、UV硬化性液体22の表面は容器21内で一定のレベルに維持され、UV光のスポット27はプログラムされた方式で作業面23を横切って移動する。液体22が硬化して固体材料が形成されると、最初は表面23のすぐ下にあったエレベータープラットフォーム29が、任意の適切なアクチュエータによってプログラムされた方式で表面から下に動かされる。このようにして、最初に形成されていた固体材料が表面23の下に取り込まれ、新しい液体22が表面23を横切って流れる。この新しい液体の一部は、今度は、プログラムされたUV光スポット27によって固体材料に変換され、新しい材料は、その下の材料に接着的に接続される。このプロセスは、三次元物体30全体が形成されるまで続けられる。
【0202】
コンピュータ制御されたポンプ(図示されず)を使用して、作業面23で液体22のレベルが一定に保たれる。適切なレベル検出システムおよびフィードバックネットワークを使用して、流体ポンプまたは液体置換装置を駆動し、流体体積の変化を相殺し、表面23で一定の流体レベルを維持することができる。あるいは、源26を感知されたレベル23に関連して動かし、作業面23での鋭い焦点を自動的に維持することができる。これらの代替法はすべて、コンピュータ制御システム28と連動して動作する従来のソフトウェアによって容易に実現することができる。
【0203】
代替アプローチは、US4575330の図4に描かれているように、アイテムを「ボトムアップ」から構築することである。このアプローチでは、UV硬化性液体22は、硬化性液体22と非混和性かつ非湿潤性である、より重いUV透明液体32上に浮かぶ。例として、エチレングリコールまたは重水が中間液体層32に適している。図4のシステムでは、三次元物体30は、図3のシステムで示したように、下に降りてさらに液状媒体の中に入るのではなく、液体22から引き上げられる。特に、図4のUV光源26は、液体22と非混和性中間液体層32との間の界面にスポット27を集中させ、UV放射は、容器21の底部に支持された石英等の適したUV透過窓33を通過する。
【0204】
WO2018106977によれば、および樹脂をその液相からただ印刷することに代えて、アイテムの1つ以上の層は、(ビルド表面23で)発泡させた樹脂から印刷される。
【0205】
WO2018106977の図3は、樹脂発泡体がプリンタのソース材料である付加製造法および装置の代表的な実施例を示している。トップダウンの印刷方法が描かれている。この例示的な実施形態では、SLA装置は、放射線源300(例えば、DLP、レーザー、電子ビーム(EB)、X線などとスキャナー)と、フォトポリマー樹脂306を保持するタンク305内でビルドプラットフォーム304を垂直に上下に移動させる移動制御機構302(例えば、ステッピングモーター)と、水平に掃引するスイーパー308(「リコータ」ブレードとも呼ばれる)とを備える。これらの要素は、先に説明した方法で部品310を印刷するために使用される。SLA装置は、プリンタインターフェイス、すなわちプリントされる層での樹脂発泡体の製造を容易にするために、発泡体製造および搬出機構で強化されている。この目的のために、機構は、発泡容器または圧力容器312、電気機械式バルブ314、およびホースまたはチューブ316を備える。マニホールド318がスイーパ308に取り付けられ、発泡樹脂をビルド表面の最上層に均等に分配する。特に、そして描かれているように、発泡容器は、液体樹脂および適したガス(例えば、CO、NOなど)を受け取る。ガスは、発泡容器内の液体樹脂に溶解し(例えば、振盪、欠け(missing)、撹拌などにより)、バルブ314が、例えば、ソレノイドまたは他の電気機械的、空気的、光学的、または電子的な制御装置により作動したときに、ホース316を介してビルドプレート/プラットフォームに選択的に供給される。典型的には、機構は、コンピュータを使用したプログラム制御下にあり、これは、プリンタを制御するために使用するのと同じコンピュータであってもよい。この実施形態では、機構は、発泡体の生成に必要であれば、液体容器内の気体を振盪などして溶解させるための泡立て器320(例えば、機械的な撹拌器、超音波装置など)を含む。
【0206】
樹脂とガスの混合物が(マニホールド318を介してビルドプレート上に直接)供給されると、(圧力が低いため)液体混合物からガスが自然に蒸発し、放射線硬化性の発泡体が生成される。スイーパー308によってプレート上に発泡体を均等に広げ、次にライトエンジンを作動させて適切な画像を表示し、発泡体を硬化(固化)させて層を形成する。層が形成されると、移動制御機構がプラットフォームを下降させ、アイテムの次の層を構築できるようにする。その後このプロセスを繰り返し、再度、好ましくは印刷インターフェースで発泡体層を使用する。好ましい技術では、層ごとの付加製造を使用するが、例えば2つのレーザーが発泡樹脂のタンク内で交差し、その場所で樹脂を硬化させるレーザーホログラフィーなど、他の製造法を使用して発泡体を加工し、ビルドアイテムを製造してもよい。
【0207】
本発明の光硬化性組成物は、好ましくは、バット光重合(ステレオリソグラフィー)およびフォトポリマージェット/印刷で使用される。
【0208】
さらに本発明は、三次元物品を製造する方法に関し、この方法は、
a) 本発明の光硬化性組成物を提供する工程、
b) 光硬化性組成物を化学線に曝露して、硬化した断面を形成する工程、
c) 工程(a)および(b)を繰り返して、三次元物品を構築する工程
を含む。
【0209】
方法の好ましい実施形態はバット光重合を含み、ここで工程b)における本発明の光硬化物を並進または回転させた基材上に直接硬化させ、照射をステレオリソグラフィー、ホログラフィー、またはデジタルライトプロジェクション(DLP)を介してパターン化する。
【0210】
別の好ましい実施形態では、方法は、
a) 本発明の光硬化性組成物の層を表面に適用する工程、
b) 層を画像状に化学線に曝露して、画像化された硬化断面を形成する工程、
c) 光硬化性組成物の第2の層を、あらかじめ曝露した画像化した断面上に適用する工程、
d) 工程(c)からの層を画像状に化学線に曝露して、さらなる画像化した断面を形成する工程であって、放射が曝露領域において第2の層を硬化させ、あらかじめ曝露した断面に接着させる工程、および
e) 三次元物品を構築するために工程c)およびd)を繰り返す工程
を含む。
【0211】
よって本発明は、本発明の方法によって製造された三次元物品、または本発明の光硬化性組成物の硬化した生成物である三次元物品にも関する。
【0212】
三次元物品は、45kJ/mを超える、特に50kJ/mを超える、とりわけ55kJ/mを超えるアイゾット衝撃強度(ノッチなし)を有していてよい。三次元成形品は、1750MPaを超える、特に1950MPaを超える、とりわけ1950MPaを超えるE弾性率を有していてよい。硬化した組成物(三次元物品)の機械的特性は、使用するオリゴマーに対する5-メチル-3-ビニル-オキサゾリジン-2-オンの比率を変えることによって変更することができ、高い衝撃強度(実施例1~3)または高いE弾性率(実施例4)に焦点を当てた良好な機械的性能を有する材料を得ることができる。
【0213】
本発明の光硬化性組成物は、ステレオリソグラフィー技術(特にCLIP)に適した二重硬化ステレオリソグラフィー樹脂に使用してよい。US9,453,142、US2016/0136889、US2016/0137838およびUS2016/016077を参照されたい。これらの樹脂は、通常、光によって典型的に重合される第1の重合性系(「パートA」と呼ばれることもある)(ここから中間体が製造される)を含み、並びに、通常、中間物体が最初に形成された後に硬化される少なくとも第2の重合性系(「パートB」)(ここから最終的な物体に望ましい構造的および/または引張特性が付与される)を含む。本発明の光硬化性組成物は、パートAによって構成されてよい。
【0214】
以下の実施例は、本発明を制限することなく説明するものである。
【実施例
【0215】
粘度
光硬化性組成物の粘度は、コーン/プレート型HR-1 Discovery Hybrid Rheometer(TA Instruments社)および直径60mm、角度2°のコーンを使用して、せん断速度100s-1で、DIN EN ISO3219に準拠して30℃で測定した。
【0216】
引張試験(DIN ISO527-1、試験片タイプ5A)および衝撃強度試験(DIN ISO180)用の試験片の調製
あらゆる試験片を、自社製のシリコン型を使用して鋳造により調製した。型への充填後、UV-Control3CT(UV-technik meyer GmbH社)で測定して5.9mW/cmの照射量(Gigahertz-Optik X1、センサーUV-3717-4)で60秒間、UVA蛍光管(Sylvania blacklight368、F40W、T12)を備えた光キャビネット内でフォトポリマーを予備硬化させた(ピンニング(pinning))。UV硬化は、365nmのUV-LED(Hoenle社)を用いて5パス(引張試験片、厚さ2mm)および500mJ/cmで10パスで試験片の両面に行った。
【0217】
【表1】
【0218】
上記の表に示すように、硬化した組成物の機械的特性は、5-メチル-3-ビニル-オキサゾリジン-2-オンと使用するオリゴマーの比率を変えることによって変更することができ、高い衝撃強度(実施例1~3)または高いE弾性率(実施例4)に焦点を当てた良好な機械的性能を有する材料を得ることができる。さらに、実施例1の組成物の粘度は非常に低いことので、フォトポリマージェットに適しているものとなる。低粘度の樹脂は、効率的な再コーティング工程を確保するために、バットベースの印刷方法にも所望される。