(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】エッジリングエロージョンのインサイチュ監視用センサとシステム
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240805BHJP
C23C 14/52 20060101ALI20240805BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20240805BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20240805BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240805BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H05H1/46 L
C23C14/52
C23C16/50
C23C16/52
H01L21/302 101G
H01L21/302 101C
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2021547724
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020016242
(87)【国際公開番号】W WO2020219138
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】パン ヤオリン
(72)【発明者】
【氏名】テ パトリック ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルワース マイケル ディー
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ レオナルド エム
(72)【発明者】
【氏名】ピョン ダニエル サン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス フィリップ アラン
(72)【発明者】
【氏名】クリミナレ フィリップ エー
(72)【発明者】
【氏名】リー チャングン
(72)【発明者】
【氏名】ディンドサ ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クーソー デニス エム
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0093443(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0061618(US,A1)
【文献】特開2018-160666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
C23C 14/00-16/56
H01L 21/205,21/3065,21/461
H01J 37/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を画定する複数の壁を有するチャンバ本体と、
内部容積内に配置された基板支持アセンブリであって、基板支持アセンブリは、
外周と、
外周まで延在し、上面を有する基板支持体とを備えている、基板支持アセンブリと、
外周に近接する上面に配置されたエッジリングであって、上部面を有するエッジリングと、
チャンバ本体内において基板支持アセンブリの上面の下でかつ外周の外側に配置された第1センサであって、エッジリングのメトリックを検出するように構成された第1センサ
と、
エッジリングを少なくとも部分的に支持するように構成された導電性スリーブを備え、
導電性スリーブは開口部を有し、
第1センサは導電性スリーブの開口部内に配置され、
導電性スリーブは基板支持アセンブリの上面の下でかつ外周の外側に配置されているプラズマ処理チャンバ。
【請求項2】
メトリックはエッジリングの上部面のエロージョンを表している、請求項1に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項3】
第2センサと、
第3センサとをさらに備え、
第1センサ、第2センサ、及び第3センサはそれぞれ、エッジリングのエロージョンを検出するように構成されている、請求項2に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項4】
第1センサ、第2センサ、及び第3センサは、エッジリングに対して等距離に離間されている、請求項3に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項5】
内部容積を画定する複数の壁を有するチャンバ本体と、
内部容積内に配置された基板支持アセンブリであって、基板支持アセンブリは、
外周と、
外周まで延在し、上面を有する基板支持体とを備えている、基板支持アセンブリと、
外周に近接する上面に配置されたエッジリングであって、上部面を有するエッジリングと、
チャンバ本体内において基板支持アセンブリの上面の下に配置されたリングセンサであって、エッジリングの変位、インピーダンス、又は音波に対応するメトリックを検出するように構成されたリングセンサと
、
エッジリングを少なくとも部分的に支持するように構成された導電性スリーブを備え、
導電性スリーブは開口部を有し、
リングセンサは導電性スリーブの開口部内に配置され、
導電性スリーブは基板支持アセンブリの上面の下でかつ外周の外側に配置されているプラズマ処理チャンバ。
【請求項6】
基板支持アセンブリの外周に結合されたプラズマスクリーンをさらに備え、
プラズマスクリーンは上部スクリーン面と、それを貫通して延びる複数のオリフィスとを有し、
プラズマスクリーンの上部面は基板支持体の上面と平行である、請求項2又は請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項7】
第1センサは、近接センサ、変位センサ、インピーダンスリングセンサ、又は音響センサのうちの1つである、請求項2に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項8】
メトリックはエッジリングの等価な回路モデルを含んでいる、請求項2又は請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項9】
第1センサは可撓性部材を含み、
可撓性部材の撓みは、エッジリングのエロージョンを表すメトリックに対応している、請求項2に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項10】
基板支持アセンブリ上に配置された基板をプラズマ処理する工程であって、
基板支持アセンブリは、基板支持アセンブリの外周に近接する上面に配置されたエッジリングを有し、
エッジリングは上部面を有している、工程と、
上面の下に配置された1つ以上のリングセンサを利用してエッジリングのメトリックを取得する工程であって、メトリックはエッジリングの変位、インピーダンス、又は音波に対応している、工程と、
メトリックに基づいてエッジリングの高さを調整する工程とを含み
、
1つ以上のリングセンサは、エッジリングを少なくとも部分的に支持するように構成された導電性スリーブの開口部内に配置され、
導電性スリーブは基板支持アセンブリの上面の下でかつ外周の外側に配置されている基板を処理する方法。
【請求項11】
メトリックはエッジリングの
上部面のエロージョンを表している、請求項5に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項12】
メトリックを取得する工程は1つ以上のリングセンサの少なくとも一部の寸法の変化に部分的に基づいている、請求項10に記載の基板を処理する方法。
【請求項13】
複数のリングセンサが等距離の方位に置かれている、請求項10に記載の基板を処理する方法。
【請求項14】
メトリックを
取得する工程は、プラズマスクリーンを通る点で行われ、
プラズマスクリーンは基板支持アセンブリの外周に結合され、
プラズマスクリーンは上部スクリーン面と、それを貫通して延びる複数のオリフィスとを有し、
プラズマスクリーンの上部面は基板支持アセンブリの上面と平行である、請求項10に記載の基板を処理する方法。
【請求項15】
メトリックを取得する工程は、エッジリングの等価な回路モデルに部分的に基づいている、請求項10に記載の基板を処理する方法。
【請求項16】
メトリックはエッジリングの
上部面のエロージョンを表している、請求項10に記載の基板を処理する方法。
【請求項17】
リングセンサは、近接センサ、変位センサ、インピーダンスリングセンサ、又は音響センサのうちの1つである、請求項5に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項18】
リングセンサは可撓性部材を含み、
可撓性部材の撓みは、エッジリングのエロージョンを表すメトリックに対応している、請求項5に記載のプラズマ処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(取り組み分野)
本明細書に記載の実施例は、概して基板処理方法及び装置に関し、より具体的には、エッジリングのエロージョンを検出するための改善された装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
半導体処理チャンバでは、基板は様々なプラズマ処理操作を受けることができる。その処理操作とは、プラズマ処理チャンバ内での堆積、エッチング、アニーリングなどであり、そのプラズマ処理チャンバとは、物理気相堆積法(PVD)、化学気相堆積法(CVD)、プラズマCVD(PECVD)又は他法のチャンバなどである。基板は基板支持体の上面に配置される。その基板支持体とは、プラズマ処理のために基板を保持するための静電チャック(ESC)などであり、そのプラズマ処理とはエッチング操作などである。リングアセンブリを、基板を囲む基板支持体の上面の外周に沿って配置してもよい。エッチング処理の間、リングアセンブリは基板支持体のエロージョンを防止し、さらに、基板支持体の外周に沿ってプラズマを形づくる。その目的は、基板の中心から端まで均一なプラズマ分布を形成することである。
【0003】
リングアセンブリは、石英、シリコン、SiC、又は他の適切な材料から製作され得る。エッチング処理の間、リングアセンブリには、エッチングガス、プラズマ、又はその両方への曝露によりエロージョンが発生する可能性がある。リングアセンブリのエロージョンは、リングから除去された材料が基板のエッジに沿った処理プラズマの分布に影響を与えることによる処理ドリフトをもたらす可能性がある。このような処理ドリフトは必然的に基板上の欠陥につながる。著しいエロージョンが処理結果に影響を与える前に、リングアセンブリは予防保守の間に交換されて、処理の整合性を確保し、製造上の欠陥が処理歩留まりに影響を与えるのを防ぐ。ただし、保守作業中は処理装置を停止しなければならないため、リングアセンブリの交換にはかなりの時間と費用が必要になる。
【0004】
リングのエロージョンは、生産性と技術開発の両方にとって長期的な問題であった。エッジリングのエロージョン速度はプラズマの化学的性質と処理条件に大きく依存するため、リングの耐用年数を正確に決定することは非常に困難であり、その結果、生産が非効率になり得る。エッジリングエロージョンを決定するための以前のアプローチは主として発見的方法であり、ここでは、オペレータが一定期間後にエッジリングの交換をスケジュールに入れている。オペレータによって観察されたエロージョンの深刻さに基づいて、その期間が短縮される場合も、延長される場合もあり得る。製造業者は、リングアセンブリを交換するために製造設備を停止させることの代償と利点を、エッジリングのエロージョンが欠陥をもたらす前に比較検討しなければならない。こうして、製造歩留まりが低下する。
【0005】
したがって、当技術分野では、良好な処理結果を維持しながら製造停止時間を短縮する必要がある。
【概要】
【0006】
プラズマ処理チャンバを構成して、エッジリングの方法を監視する。チャンバはチャンバ本体を有し、このチャンバ本体は、内部容積を画定する複数の壁を備える。基板支持アセンブリが内部容積内に配置される。基板支持アセンブリは外周を有する。基板支持アセンブリは、外周まで延在する基板支持体を備える。基板支持アセンブリは上面を有する。上部面を有するエッジリングが、外周に近接する上面に配置されている。少なくとも第1センサがチャンバ本体内において基板支持アセンブリの上面の下でかつ外周の外側に配置されている。リングセンサを構成して、エッジリングのメトリックを検出する。
【0007】
本明細書に開示される別の一実施例では、内部容積を画定する複数の壁を有するチャンバ本体を備えるプラズマ処理チャンバが提供される。基板支持アセンブリが内部容積内に配置される。基板支持アセンブリは外周を有する。基板支持アセンブリはまた、外周まで延在する基板支持体と、上面とを有する。エッジリングは上部面を有し、外周に近接する上面に配置されている。センサがチャンバ本体内において基板支持アセンブリの上面の下に配置される。リングセンサを構成して、エッジリングのメトリックを検出する。メトリックは、少なくとも変位、インピーダンス、及び/又はエッジリングを通る音波の伝播に対応する。
【0008】
さらに別の一実施例では、基板を処理する方法が提供される。この方法は、外周に近接する上面にエッジリングを配置する工程を含む。エッジリングは上部面を有している。この方法はまた、チャンバ本体内において上面の下にセンサを配置する工程を含む。エッジリングのメトリックが、リングセンサを利用して取得される。メトリックは、エッジリングの変位、インピーダンス、又は音波に対応する。この方法は、メトリックに基づいてエッジリングの高さを調整する工程をさらに含む。この方法はまた、チャンバ本体内でプラズマに曝すことによって基板を処理する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上記の構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、添付図面にそのいくつかが示されている本願明細書における実施例を参照して行う。しかしながら、添付図面は例示的な実施例を示しているに過ぎず、従ってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、他の同等に効果的な実施例を認めてもよいことに留意すべきである。
【
図1A】基板支持アセンブリのエッジリングのエロージョンを監視するためのリングセンサを有する例示的な処理チャンバの概略側面図である。
【
図1B】
図1Aの線B-Bに沿った処理チャンバの概略断面平面図である。
【
図2A】
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図であり、基板支持アセンブリ内に配置されたリングセンサの一実施例を示している。
【
図2B】
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図であり、基板支持アセンブリの周囲の外側に配置されたリングセンサの別の一実施例を示している。
【
図3A】リングセンサの一実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。
【
図3B】リングセンサの代替実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。
【
図3C】リングセンサの代替実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。
【
図3D】リングセンサの代替実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。
【
図4】
図1の処理チャンバ内で基板を処理する例示的な方法である。
【
図5】
図1Aの基板支持アセンブリ内のリングセンサの様々な位置を示す。
【
図6】プラズマ処理チャンバの様々な実施例を実行するのに適したコンピュータシステム、並びにリングアセンブリのエロージョンに関連するメトリックを決定するための方法及び装置の概略図である。
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、同一の符号を使用して、これらの図面に共通の同一の要素を示す。一実施例の要素及び構成は、さらなる記載がなくとも、他の実施例に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書に開示される諸実施例は、概して、エッジリングの方法を監視するように構成されたプラズマ処理チャンバに関する。有益なことに、エッジリングのエロージョンを監視することにより、エロージョンを低減するための処理レシピ調整が可能になる。エッジリングの寿命を正確に監視することで、生産性が向上するだけでなく、リングアセンブリの交換頻度が減ることで、運用コストも削減される。エッジリングのインサイチュ(in-situ、その場での)監視により、エッジリング位置のリアルタイム制御も可能になり、処理動作中のプラズマ均一性が向上する。
【0012】
本明細書の諸実施例は、基板をエッチングするように構成されたシステムでの使用に関連して以下で例示的に説明される。ただし、開示された主題は、他のシステム構成において有用性を有することを理解するべきである。そのシステム構成とは、化学気相堆積システム、物理気相堆積システム、及び基板支持体上のリングアセンブリが処理チャンバ内でプラズマに曝される他のシステムなどである。本明細書に開示される諸実施例は、様々なサイズと寸法の基板を処理するように構成された他の処理チャンバでの実施に適合され得ることも理解するべきである。
【0013】
有益なことに、本明細書の開示の諸実施例は、リングアセンブリのエロージョンのインサイチュ測定を可能にする。エロージョンをより正確に決定することにより、より一貫したプラズマ分布を処理チャンバ内で維持することができる。一貫したプラズマ分布を維持することで、生産される基板の品質は影響を受ける。したがって、本明細書に開示される装置及び方法を適用することにより、基板処理の歩留まりを向上させることができる。また、リングアセンブリのエロージョンの実際のレベルに基づいて予防保守をスケジュールに入れられる。これは、固定タイムスケジュールを遵守するオペレータに単に依存する従来のアプローチとは対照的である。さらに、リングの実際のエロージョンに基づいて予防保守をスケジュールに入れることにより、運転休止期間の間の平均時間が長くなると、所有コストが削減される。さらに、オペレータは、定期的時間ベースでスケジュールされた保守中に生産を中止したものの、リングアセンブリの交換を正当化できるだけの十分なエロージョンが発生していないことを発見しただけだったという状況を回避できるため、コストが削減される。
【0014】
センサは、基板支持アセンブリの上面の下に配置されているものとして上述されているが、本明細書に開示されるセンサはまた、上面に配置されてもよいことを理解するべきである。したがって、上面の下と記載されているセンサの各説明が上面に配置でもよく、上面に配置されるセンサの各説明が上面の下に配置でもよいことに、注意するべきである。
【0015】
図1Aは、リングアセンブリ128を有するプラズマ処理チャンバ100の断面図である。プラズマ処理チャンバ100は、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ強化化学気相堆積チャンバ、物理気相堆積チャンバ、プラズマトリートメントチャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適切な真空処理チャンバであってもよい。図示のように、プラズマ処理チャンバ100は、基板Wをエッチングするのに適したエッチングチャンバである。基板Wは、半導体ウェハ、ガラスパネル、又は他のワークピースであってもよい。
【0016】
プラズマ処理チャンバ100を、様々なプラズマ処理に使用してもよい。一実施例では、プラズマ処理チャンバ100を使用して、1つ以上のエッチング剤でエッチングを実行してもよい。例えば、処理チャンバを、ガスからのプラズマを維持するために使用してもよい。そのガスとは、CxFy(xとyは、許容される種々の組み合わせを取り得る)、O2、NF3、SF6、CHxFy、若しくはそれらの組み合わせ、又はCl2、HBr、BCl3、SiCl4などである。プラズマ処理チャンバ100はチャンバ本体102を含み、このチャンバ本体は、複数の側壁191と、チャンバ蓋192と、チャンバ底部193とを含む。複数の側壁191、チャンバ蓋192、及びチャンバ底部193は、内部容積103を囲むと共に画定する。
【0017】
ガスノズル108は、チャンバ蓋192を貫通して形成された穴116に結合されている。穴116は、導管106に結合されている。ガスパネル104は、導管106によって穴116に結合され、ノズル108を通ってチャンバ本体102の内部容積にガスを供給するように構成されている。
【0018】
チャンバ本体102は、チャンバ底部193を貫通して形成された第2穴116を含む。第2穴116は、ポンプ118に流体的に結合されており、このポンプは、チャンバ本体102の内部容積103からガスを除去し、内部容積103で真空を維持するように構成されている。
【0019】
複数のコイル114がチャンバ本体102の上方に配置されている。コイル114は、高周波電源などの電源112に結合されている。内部容積103に存在するガスは、コイル114によってガスに誘導的に結合された電力によってエネルギーを与えられて、プラズマを形成する。
【0020】
基板支持アセンブリ120は、チャンバ本体102の内部容積103に配置される。基板支持アセンブリ120は、上面131と外周132とを有する。基板支持体122は、基板支持アセンブリ120の一部である。基板支持体122は、静電チャックであってもよい。基板支持体122は基板取付面133を有しており、この基板取付面は、処理中に基板Wをその上に受け入れるように構成されている。リングアセンブリ128及び基板支持体122は、部分的に、基板支持アセンブリ120の上面131を形成する。
【0021】
リングアセンブリ128は、基板支持体122上に配置される。基板支持体122の上部面201(
図2に示す)は、基板支持アセンブリ120の上面131と同一平面上にある。リングアセンブリ128は、基板支持アセンブリ120の外周132に近接する上面131に配置される。
【0022】
1つ以上のリングセンサ140が、リングアセンブリ128に隣接して配置される。一実施例では、リングセンサ140は、基板支持アセンブリ120の上面131の下に示されている。別の一実施例では、リングセンサ140は、プラズマスクリーン124の上面の下に示されている。リングセンサ140は、導電性ロッド141によって支持されている。導電性ロッド141を、アルミニウムを含む任意の適切な導電性金属で作製してもよい。導電性ロッド141は、基板支持アセンブリ120の外周132の横方向外側に配置される。これにより、リングセンサ140も外周132の横方向外側に配置される。別の一実施例では、1つ以上のリングセンサ140は、導電性スリーブ142内に配置される。この実施例では、導電性スリーブ142は、基板支持アセンブリ120の外周132の横方向内側に配置されている。この実施例では、1つ以上のリングセンサ140もまた、外周132の横方向内側に配置される。
【0023】
プラズマスクリーン124が、基板支持アセンブリ120の外周132の外側に隣接して配置されている。プラズマスクリーン124は、基板支持アセンブリ120の上面131と平行に配置された上部面125を有する。一実施例では、プラズマスクリーン124の上部面125は、リングアセンブリ128において上面131と同一平面上にある。別の一実施例では、プラズマスクリーン124の上部面125は、基板支持体122の基板取付面133と同一平面上にある。プラズマスクリーン124は、複数の開口部126を有し、これら開口部は、ガスが開口部126を通過することを可能にする一方で、プラズマが通過することを実質的に防止するように構成されている。例えば、開口部126は、角度が付いていてもよく、プラズマスクリーン124の上部面125の上方の領域から開口部126を通ってプラズマスクリーン124の下方の領域への垂直な視線を防止する他の形状であってもよい。
【0024】
一時的に
図1Bを参照する。
図1Bは、
図1Aの線B-Bに沿った処理チャンバの概略断面平面図である。一実施例では、各リングセンサ140は、基板支持アセンブリ120の中心軸199から距離197の位置に配置されている。各リングセンサ140は、中心軸199からエッジリング228の下に配置された隣接するリングセンサ140まである角度198で配置される。一実施例では、3つのリングセンサ140は、120度の角度で等間隔に配置されている。別の一実施例では、4つのリングセンサ140は、90度の角度で等間隔に配置されている。ただし、リングセンサ140が等しい間隔であることは必須ではなく、いくつかの実施例では、リングセンサは、基板支持アセンブリ120の構造体を収容するなどのために、不規則な間隔で配置されている場合にも同様に有効であることを、理解するべきである。
【0025】
ここで
図2Aを参照する。
図2Aは、
図1Aの基板支持アセンブリ120の一部の平面図であり、基板支持アセンブリ120内に配置されたリングセンサ140の一実施例を示している。基板支持アセンブリ120は、静電チャック(ESC)202、すなわち基板支持体122、リングアセンブリ128、及び導電性スリーブ210を含む。リングアセンブリ128は、単一のリング又は複数部品のアセンブリであってもよい。一実施例では、リングアセンブリ128は、内側リング204とエッジリング228とを有する。
【0026】
内側リング204は、少なくとも部分的に、静電チャック202によって支持されている。内側リング204は、縁部上面205、縁部底面207、及び縁部垂直面209を有する。縁部垂直面209は、エッジリング228の内面224と平行である。エッジリング228の外面226は、プラズマスクリーン124に隣接して配置されている。
【0027】
エッジリング228は、基板支持アセンブリ120内の内側リング204及び導電性スリーブ210によって部分的に支持されている。エッジリング228は、上部面220、下部面222、内面224、及び外面226を含む。上部面220は、下部面222と実質的に平行である。内面224は、外面226と実質的に平行であり、下部面222と実質的に垂直である。エッジリング228の断面輪郭は実質的に長方形であるが、代替的に他の構成を有してもよい。
【0028】
リングセンサ140は、導電性スリーブ210内に配置されており、この導電性スリーブは、エッジリング228の下部面222に近接して配置されている。エッジリング228の下部面222と導電性スリーブ210との間に隙間又は間隔が存在してもよい。リングセンサ140は、基板支持アセンブリ120の上面131の下に配置されている。各リングセンサ140はさらに、エッジリング228に隣接して配置されている。リングセンサ140は、近接センサ(例えば、容量センサ)、変位センサ、インピーダンスセンサ、又は音響センサであってもよい。配線206は、リングセンサ140の出力を通信回路208に結合し、この通信回路は、リングセンサ140によって取得されたデータを
図6に示すコントローラ618へ送信する。データはデジタルでもアナログでもよい。リングセンサ140によって取得されたデータは、エッジリング228のメトリックを表す。さらに、このメトリックはエッジリング228のエロージョンに対応する。リングセンサ140はまた、通信回路208を介してCPU620から命令を受信し得る。
【0029】
図2Bは、プラズマ処理チャンバ100の一部の部分断面図の別の一実施例を示す。リングセンサ140は、基板支持アセンブリ120の外周132の外側に配置されている。リングセンサ140を、導電性ロッド230内に配置してもよい。導電性ロッド230は、プラズマスクリーン124の下部面に当接している。プラズマスクリーン124は、リングアセンブリ128に電気的に結合されている。いくつかの実施例では、プラズマスクリーン124は追加の外側リングを有し、この追加の外側リングは、エッジリング228、静電チャック202、又はその両方に当接している。リングセンサ140を、プラズマスクリーン124内に埋め込んでもよい。また、リングセンサ140を、プラズマスクリーン124の表面と同一平面上としてもよい。
図2Aの実施例と実質的に同様の方法で、配線206は、リングセンサ140を通信回路208に結合し、この通信回路は、リングセンサ140によって取得されたデータをコントローラ618へ送信する(
図6に示すと共に、以下で説明する)。リングセンサ140はまた、通信回路208を介してCPU620から命令を受信し得る。
【0030】
(センサの実施例)
上記のように、リングセンサ140を、変位センサ、インピーダンスセンサ、又は音響センサのうちのいずれか1つ、及び近接センサとしてもよい。この近接センサについては、以下で詳しく説明する。以下の各実施例では、通信回路208は、処理のためにリングセンサ140とコントローラ618との間でデータを送信する。このデータから、エッジリング228のエロージョン特性を決定することができる。リングセンサ140によって取得されたエッジリング228のメトリックを利用して、プラズマ均一性を促進する方法でエッジリング228の位置を制御してもよい。また、メトリックを利用して、エッジリング228の整備又は交換が必要になる時期を予測又は表示するチャンバ本体102内でプラズマ分布を一定に維持してもよい。こうして、本明細書に開示される方法及び装置を採用することで、エッジリング228の予防交換のタイミングを正確に決定又は予測し得る。
【0031】
(変位センサ)
図3Aは、リングセンサの一実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。変位センサはエッジリング228のエロージョンを間接的に測定することができる。リングセンサ140は可撓性膜310を含む。エッジリング228のエロージョンを、可撓性膜310の変位を測定することによって決定し得る。一実施例では、リングセンサ140は導電性スリーブ210の開口部312内に少なくとも部分的に配置される。開口部312は1つ以上の側壁311を含む。可撓性膜310は開口部312内に配置され、側壁311に取り付けられる。いくつかの実施例では、アタッチメント315がエッジリング228に取り付けられ、開口部312の上方に配置される。アタッチメント315は可撓性膜310と接触して、これを変位させる。このとき、アタッチメント315がエッジリング228の重量を完全に支持している。
【0032】
さらに
図5を参照する。
図5は基板支持アセンブリ120内のリングセンサ140の様々な位置を示す。一実施例では、アタッチメント315はまた、エッジリング228の下方の第1位置512に配置される。
図3Aに示すように、アタッチメント315は、エッジリング228及び可撓性膜310に結合される。可撓性膜310は、距離Δdだけ撓むように構成されている。可撓性膜310が撓む距離Δdは、エッジリング228の重量に対応する。リング材料のエロージョンが増加するにつれて、エッジリング228の重量は減少する。以下のいくつかの実施例では、リングセンサ140は、導電性スリーブ520内に取り付けられている。
【0033】
本開示の別の一実施例では、代替的に、リングセンサ140は導電性スリーブ520の下の第2位置514に取り付けられる。リングセンサ140、側壁311及び開口部312は、上記の説明と同様に構成される。この実施例では、アタッチメント315はまた、可撓性膜310に結合される。
【0034】
図5Aは、石英管502の一部の断面図である。
図5Aに示すように、リングセンサ140を石英管502のヒール522に配置してもよい。石英管502のヒール522内にリングセンサ140を配置することにより、配線206又は通信回路208へのアクセスが可能になる。この実施例では、リングセンサ140は、エッジリング228に対して実質的に静止している。リングセンサ140を構成して、導電性スリーブ210の重量及びエッジリング228の重量によって生じる力を測定する。この測定構成では、エッジリング228は内側リング204に当接しない。測定された力は、導電性スリーブ210が受ける摩擦力の影響を受け得る。導電性スリーブ210は、エッジリング228が基板支持体122に取り付けられているときに摩擦力を経験し得る。導電性スリーブ520は、プッシュピン504の動きによって調整されるので、石英管502に当接して摩擦を引き起こす可能性がある。導電性スリーブ520はまた、他の構成要素(基板支持体122など)に当接して、同様に摩擦を引き起こす可能性がある。コントローラ618又は通信回路208によってフィルター処理で摩擦を除外し得る。
【0035】
別の一実施例では、代替的に、リングセンサ140は、導電性スリーブ520の底部の第3位置516に取り付けられる。リングセンサ140はまた、第3位置516でプッシュピン504内に取り付けられ得る。この実施例では、アタッチメント315はまた、導電性スリーブ520及び可撓性膜310に結合される。リングセンサ140は、導電性スリーブ520の内側に取り付けられている。
【0036】
さらに別の一実施例では、代替的に、リングセンサ140は、プッシュピン504の下の第4位置518に取り付けられる。また、リングセンサ140を、ベース部材508の上方に配置してもよい。こうして、リングセンサ140を、ベース部材508の内側に配置してもよい。また、リングセンサ140を、この第4位置518でプッシュピン504内に取り付けることができる。プッシュピン504は、ベース部材508に取り付けられている。リングセンサ140は、プッシュピン504の底部506に当接する。リングセンサ140を構成して、エッジリング228の重量を検出する。また、リングセンサを構成して、導電性スリーブ520の重量を検出する。また、リングセンサ140を構成して、プッシュピン504の重量を検出する。上記の実施例と同様に、エッジリング228が基板支持体122に取り付けられているときに、プッシュピン504は摩擦力を受ける可能性がある。プッシュピン504はまた、プッシュピン504がベアリング510に当接するときに摩擦力を受ける可能性がある。この実施例では、ベアリング510は、プッシュピン504の相対運動を所望の方向に拘束する。ベアリング510を、ベース部材508内に配置してもよい。
【0037】
リングアセンブリ128を、プッシュピン504を介して導電性スリーブ520に結合してもよい。プッシュピン504は、チャンバ本体102のチャンバ底部193の表面を貫通して延在してもよい。導電性スリーブ520は、リングアセンブリ128をチャンバ本体102内で複数の下方位置といくつかの上昇位置との間で上下に移動させるのに適している。導電性スリーブ520を、
図6に示すアクチュエータ624(モーターなど)に結合してもよく、又はねじ、若しくは基板支持体122に対してリングアセンブリ128を位置決めするための他の適切な装置としてもよい。
【0038】
導電性スリーブ520により、エッジリング228をチャンバ本体102内で下部移送部分といくつかの上昇処理位置との間で垂直方向に移動させることができる。本明細書に開示されるいくつかの実施例では、エッジリング228は、導電性スリーブ520と連結する。いくつかの実施例では、導電性スリーブ520を、アクチュエータ624によって駆動してもよい。他の実施例では、導電性スリーブ142を、導電性スリーブ520内に配置してもよい。
【0039】
このように、エッジリング228のエロージョンを間接的に検出するいくつかの技術が本明細書に開示される。この検出のために、リングセンサ140の一実施例では可撓性膜310の撓みを測定する。以下のセンサの各々を、
図2A及び2Bに示すように、リングセンサ140として制限なく配置してもよいことを理解するべきである。
【0040】
(容量リングセンサ)
リングセンサ140は容量リングセンサを利用して可撓性膜310の撓みを検出してもよい。リングセンサ140を、ピエゾ抵抗効果を利用するピエゾ抵抗歪みゲージに結合して、加えられる圧力による歪みを検出してもよい。ピエゾ抵抗材料内では、リングセンサ140に結合された薄いダイヤフラム(図示せず)の材料を圧力が変形させるにつれて、測定可能な抵抗が増加する。
【0041】
加えられる圧力が、薄いダイヤフラム(すなわち、コンデンサのプレート)を長さΔlだけ撓ませ、静電容量を変化させる。加えられる圧力は、エッジリング128の重量から生じる力によって引き起こされる。エッジリング128の重量の変化は、薄いダイヤフラムの撓みと比例する。したがって、静電容量の変化を使用して、発振器の周波数を制御してもよく、又はネットワークを介するAC信号の結合を変化させてもよい。また、静電容量を、スイッチトキャパシタ回路などの電子回路を使用して直接測定してもよい。容量リングセンサはダイヤフラム及び圧力キャビティを使用して、加えられる圧力による歪みを検出する可変コンデンサを生成する。エッジリングから加えられる圧力(すなわち、力)は、薄いダイヤフラムを測定可能な長さΔlだけ変形させる。圧力がダイヤフラムを変形させると、静電容量は減少する。静電容量(C)はプレート間の材料の誘電率に比例する。静電容量(C)は次の式で表される。C=μA/d、μ=プレート間の材料の誘電率、A=プレートの面積、d=プレート間の間隔。リングセンサ140の静電容量の変化を監視することにより、エッジリング128のエロージョンを検出することができる。
【0042】
(歪みゲージリングセンサ)
上記のように、リングセンサ140はまた、歪みゲージを利用して可撓性膜310の撓みを検出してもよい。歪みゲージを、可撓性膜310に物理的に貼りつけてもよい。歪みゲージは、電気コンダクタンスの物理的性質、及び可撓性膜310の形状に対するその依存性を巧みに利用する。可撓性膜310が伸びると、歪みゲージが細長くなり、その電気抵抗は増加する。逆に、導電性材料が圧縮されると太く、短くなり、その電気抵抗は減少する。測定された歪みゲージの電気抵抗から、誘発された応力の量を決定してもよい。この応力の量は、エッジリング128の重量に比例する。
【0043】
例えば、歪みゲージを、電気抵抗(R)を有する金属材料の細片としてもよい。この電気抵抗は、R=ρL/WTで表される。ここで、ρ=抵抗率、L=長さ、W=幅、T=厚さ。金属歪みゲージは、寸法変化に依存して抵抗の変化を引き起こす。細片に応力が加わると、細片はわずかに長く、細く、薄くなり、その結果、次の抵抗が生じる。R=ρ(L+ΔL)/(W-ΔW)(T-ΔT)。出力電圧は、金属材料の細片の歪みによって引き起こされる抵抗の変化に比例する。
【0044】
(光学干渉センサ)
リングセンサ140を、光学干渉計に結合してもよい。また、光学干渉計を構成して、可撓性膜310の撓みを検出してもよい。光学干渉計は、少なくとも1つの発光素子を有する。発光素子は、光又は何らかの他の形態の電磁波を放出し得る。ほとんどの干渉計では、単一の光源からの光は、異なる光路を進む2つのビームに分割されて、その後、光ビームは再合流して干渉を生じさせる。
【0045】
発光素子から放出された光ビームは可撓性膜310の表面に入射すると、屈折面で方向を変える。各光ビームは異なる経路を進み、その後、検出器に到達する前に再合流する。経路差、すなわち、各ビームが移動する距離の差により、光ビーム間に位相差が生じる。位相差は、最初は同一であった光波間に干渉縞を作り出す。単一の電磁ビームが2つの経路に沿って分割されている場合、位相差は、経路長自体の物理的変化、又は経路に沿った屈折率の変化に対応する。屈折率(n)はn=c/vとして定義される。ここで、cは真空中の光の速度であり、vは媒質内の光の位相速度である。
【0046】
圧力又は力の変化に応じて、薄いダイヤフラムの変形は変化する。エッジリング128の重量によって引き起こされる圧力又は力の変化は、干渉縞の変化を引き起こし得る。干渉縞の変化を検出することにより、エッジリング128のエロージョンを監視することが可能になる。
【0047】
出願人は、リングセンサ140の別の一実施例を利用してエッジリング228のエロージョンを直接検出するいくつかの技術を本明細書で開示する。
【0048】
(近接センサ)
近接センサが、リングセンサ140の別の一実施例である。この実施例では、
図3C及び3Dに示す第1電極350及び第2電極360を含む電極対を、エッジリング228に埋め込んでもよい。リングセンサ140を、エッジリング228の上部面220の下方埋め込んでもよい。リングセンサ140を、エッジリング228の下部面222の上方に埋め込んでもよい。他の諸実施例では、追加の電極対があってもよい。2つの電極350及び360を、抵抗及びコンデンサとして並列にモデル化してもよい。電極350と360の間の静電容量が測定される。エッジリング228が高抵抗半導体又は絶縁材料で作られている場合、エッジリング228は高い抵抗を発生させるので、第1電極350と第2電極360の間の静電容量を測定することができる。例えば、静電容量の変化は、エッジリング228の厚さの変化に対応する。エッジリング228が金属材料などの導電性材料で作られている場合、エッジリング228は高い静電容量を発生させるので、第1電極350と第2電極360との間の抵抗を測定することができる。この実施例では、抵抗の変化は、エッジリング228の厚さの変化に対応する。厚さの変化を、エッジリング228の元の厚さから(リング静電容量の情報を介して)測定された厚さを差し引くことによって決定して、エッジリング228の全体的なエロージョンを決定し得る。代替的に、測定された静電容量は、エッジリング228の絶対厚さに対応し得る。静電容量を、エッジリング228の所定の限界最小厚さに対応する閾値と比較してもよい。また、厚さの変化又は測定された厚さが限界最小厚さに近づく速度を使用して、エッジリング228のエロージョン速度を決定してもよい。エッジリング228の厚さの変化、厚さの絶対値、又はエロージョン速度のいずれを決定するかにかかわらず、厚さ情報を利用してエッジリング228が整備又は交換を必要とする時期を予測又は表示してもよい。
【0049】
近接センサを構成して、電磁場又は電磁放射(赤外放射など)を放出し得る。電磁場の変化は、リングセンサ140によって検出される。近接センサを構成して、エッジリング128を検出する。近接センサの種類はエッジリング128の材料に対応する。例えば、容量近接センサ又は光電センサは半導体材料又はポリマーの検出に適するだろう。別の一実施例では、誘導近接センサが金属材料を検出するのに適する場合がある。
【0050】
(圧電音響センサ)
図3Bは、リングセンサの代替実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。リングセンサ140は、音響センサとして示されており、この音響センサは送信要素及び受信要素、すなわちトランシーバなどの送受信要素330を含む。一実施例では、送信要素及び受信要素は2つの別個の要素である。別の一実施例では、送信要素及び受信要素は2つの明確に分かれた要素である。音響センサは、エッジリング228のエロージョンを直接測定することができる。いくつかの実施例では、送信要素及び受信要素は、単一の送受信要素であってもよい。バッファ層328がリングセンサ140とエッジリング228との間に配置されている。バッファ層328は、リングセンサ140からエッジリング228へ、及びその逆へ、音波を効果的に結合する。送受信要素330はバッファ層328に当接する。放出される音波324が第1時間に送受信要素330から発生し、反射音波326が第1時間より遅い第2時間に送受信要素330で受信される。
【0051】
音波リングセンサ140は圧電材料を使用して、音波を発生させ、これを検出し得る。音波が基板の表面を伝播する場合、それは表面波として知られており、音波が基板を通って伝播する場合、それはバルク波と呼ばれている。圧電材料は電気的応答と機械的応答との間の変換、及び電気信号から機械音波への変換並びにその逆を提供する。この実施例では、音波が励起され、エッジリング228を通って又はその表面を伝播する。音波伝播経路の特性の変化は、音波の速度及び/又は振幅に影響を与える。速度/振幅の変化を、リングセンサ140の固有周波数又は位相特性を測定することによって監視することができ、測定されている対応の物理量と相関させることができる。この実施例では、測定される物理量は、エッジリング228の元の厚さとエッジリング228の現在の厚さとの差である。エッジリング228の厚さの変化は、エッジリング228のエロージョンに対応する。
【0052】
リングセンサ140を構成して、エッジリング228のエロージョンを測定する。エッジリング228のエロージョンを、音波がエッジリング228を通って伝播するときの音波の飛行時間tofを測定することによって決定することも可能である。ここで、音波は、放出された音波324と反射された音波326とを含む。飛行時間は、式tof=2d/vで表される。変数のtは飛行時間を表し、vは、エッジリング228を通って進行する音波の速度を表し、dは、放出された音波324又は反射された音波326が進行した距離を表す。距離dはエッジリング228の厚さに対応する。飛行時間に加えて、エッジリング228の厚さを、音波減衰を計算することによって決定してもよい。媒体を通る音波の減衰は、A=Aoe-αxとして表される。ここで、xはエッジリング228の厚さであり、Aは減衰する音波Aoの振幅変化であり、αは、エッジリング228の材料に基づく減衰係数である。
【0053】
表面音波は、縦方向と垂直方向の剪断成分の重ね合わせからなる。表面音波は表面に拘束され、表面からの距離とともに指数関数的に減衰する。表面音波(SAW)デバイスの一般的な構造は圧電材料で構成されており、その上にインターデジタルトランスデューサ(IDT)がパターン形成されている。圧電効果によって入力IDTにAC電圧が印加されると、音波が励起され、表面に沿って進行する。SAWデバイスの動作周波数(fres)は10kHzから1GHzの範囲である。圧電材料の動作周波数(fres)を、次式で表すことができる。fres=VR/λ、ここで、VRは材料特性によって決定されるレイリー波速度であり、λはIDTの周期性として定義される波長である。バルク音波は圧電材料を通って進行し、表面音波よりも速い。それは、縦波又は剪断波を含むからである。バルク音波では、周波数の変化はアクティブエリアAに反比例し、圧電材料の密度及び圧電材料の剪断弾性係数の平方根に反比例する。エッジリング228を通る音波の飛行時間を解析することによって、メトリックを取得してもよい。また、音波が媒体を通って伝播するときの信号の減衰を解析することによって、メトリックを取得してもよい。
【0054】
(インピーダンスリングセンサ)
ここで
図3C及び3Dを参照する。
図3C及び3Dは、リングセンサ140の代替実施例を有する
図1Aの基板支持アセンブリの一部の平面図である。リングセンサ140を、インピーダンスリングセンサとして組み込んでもよい。インピーダンスリングセンサは、エッジリング228のエロージョンを直接測定することができる。インピーダンス(Z)は、一般に、デバイス又は回路が所与の周波数で交流電流(AC)の流れに与える全体の抵抗として定義され、ベクトルとして表すことができる複素量として表される。インピーダンスベクトルは、実数部(抵抗、R)と虚数部(リアクタンス、X)から構成される。
【0055】
少なくとも1つの実施例では、第1電極350及び第2電極360は、配線206を介して通信回路208に結合されている。電流が第1及び第2電極350及び360を介してエッジリング228を通過するとき、リングセンサ140は、等価な回路モデル362を利用することにより、エッジリング228のメトリックを決定する。この回路モデルは、エッジリング228と、第1及び第2電極350及び360と、周囲とを含む。信号源部が交流信号を生成する。一実施例では、AC信号は高周波信号である。高周波信号は所与の周波数でエッジリング228に印加され、この周波数を10Hzから10GHzの間としてもよい。別の一実施例では、周波数を10キロヘルツから1ギガヘルツの間としてもよい。高周波電流電圧法は、オームの法則で表される、電圧電流比とインピーダンスの線形関係に基づいている。回路全体の抽出されたインピーダンス、抵抗性インピーダンス及び容量性インピーダンスは、エッジリング228の厚さに正比例する。このようにして、エッジリング228のエロージョンの直接監視を行うことができる。例えば、数オーム、数10オーム、又は数100オームのインピーダンス変化は、約1ミクロン以上のエッジリング228のエロージョンに対応し得る。本明細書の開示により、エッジリング228のエロージョンの高解像度監視は、1ミクロン未満まで実現することができる。他の各実施例と同様に、通信回路208はCPU620と通信する。
【0056】
関連する一実施例では、電気機械(EM)インピーダンスを、圧電センサを用いて決定してもよい。圧電トランスデューサ340が、エッジリング228のエッジ底面207に接合されている。交流電圧で励起すると、圧電トランスデューサ340は、エッジリング228の下部面222に平行な局所歪みを加え、弾性波をエッジリング228へ伝達する。
【0057】
リングセンサ構成を、ばね-質量-ダンパシステムとしてモデル化してもよい。ここで、mはエッジリング228の質量を表し、ばね定数kはエッジリング228の抵抗に対応し、減衰係数cはエッジリング228の材料特性に対応する。一般に、圧電トランスデューサは非常に高いDC出力インピーダンスを有しており、比例電圧源としてモデル化され得る。比例電圧源における電圧Vは、加えられる力、圧力、又は歪みに正比例する。出力電圧信号はこの機械的な力に、あたかもばね-質量-ダンパモデルで表された等価な回路を通過したかのように関連付けられる。エッジリング228のエロージョンは、エッジリング228内の音波特性の変化をもたらし得る。音波特性の変化は、等価な質量m、ばね定数k、及び減衰係数Cに影響を与え得る。したがって、EMインピーダンスのインピーダンス出力特性は、エッジリング128のエロージョンが続くにつれて変化する。固有周波数シフトを含むEMインピーダンススペクトルを監視して、エッジリング228のエロージョンを決定し得る。
【0058】
本明細書に開示される様々なセンサの実施例を、
図4に示すように、基板を処理する方法400で利用することができる。
図4は、
図1の処理チャンバ内で基板を処理するための例示的な方法である。方法400は、ブロック402から始まる。ここで、基板Wはプラズマ処理チャンバ内で処理される。ブロック404で、エッジリング228のメトリックが、基板支持アセンブリ120の上面131の下に配置されたリングセンサ140を利用して取得される。メトリックはエッジリング228の変位、インピーダンス、又は音波に対応する。一実施例では、リングセンサ140は、チャンバ本体102内の基板支持アセンブリ120の上面131の下に配置される。また、リングセンサ140を、基板支持アセンブリ120の外周132の外側に配置してもよい。別の一実施例では、リングセンサ140を、基板支持アセンブリ120の外周132の内側、すなわち基板支持アセンブリ120の内側に配置する。ブロック406で、エッジリング228の高さは、メトリックに基づいて調整される。ブロック408で、第2基板がプラズマ処理チャンバ内で処理される。エッジリング228の高さを調整して、リングの如何なるエロージョンをも補償し、第2基板のプラズマ処理の均一性を確保する。
【0059】
ここでさらに
図6を参照する。
図6は、プラズマ処理チャンバの様々な実施例を実行するのに適したコンピュータシステム、並びにリングアセンブリ128のエロージョンに関連するメトリックを決定するための方法及び装置の概略図である。導電性スリーブ520の制御を、中央処理装置(CPU)620に結合されたコントローラ618によって制御してもよい。CPU620は、メモリ622並びに大容量記憶装置、入力制御ユニット、及び表示ユニット(図示せず)(電源、クロック、キャッシュ、入力/出力(I / O)回路、ライナーなど)と共に動作可能であり、処理システムの様々な構成要素に結合されて、基板処理の制御を容易にする。上記のように、リングセンサ140はまた、配線206を介してCPU620と通信する。
【0060】
上述のプラズマ処理チャンバ100の制御を容易にするために、CPU620は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであってもよい。メモリ622はCPU620に結合されており、メモリ622は非一時的なものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカル又はリモートのデジタル記憶装置など、容易に入手可能なメモリのうちの1つ以上であってもよい。通信回路208は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPU620に結合されている。荷電種の生成、加熱、及び他の処理は、一般に、しばしばソフトウェアルーチンとしてメモリ622に格納される。エッジリング228の厚さ及びエッジリング228の厚さの変化を含むエロージョン監視情報もメモリ622に格納される。メモリ622はまた、エロージョン監視に関連する前述の変数の各々を格納し得る。ソフトウェアルーチンはまた、第2CPU(図示せず)によって格納され、及び/又は実行され、この第2CPUが、CPU620によって制御されているプラズマ処理チャンバ100から離れた位置にあってもよい。
【0061】
メモリ622は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態をしており、この命令はCPU620によって実行されると、プラズマ処理チャンバ100の動作を容易にする。メモリ622内の命令はプログラム製品(本開示の方法を実行するプログラムなど)の形態をしている。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のいずれに合わせてもよい。一実施例では、本開示を、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム製品として実施してもよい。プログラム製品のプログラムは、諸実施例(本明細書に記載されている方法を含む)の機能を明らかにしている。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、以下のものが含まれるが、これらには限定されない。(i)書き込み不可の記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブで読み取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリなどの、コンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス)ここには、情報が恒久的に保存されている。(ii)書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ内のフロッピーディスクやハードディスクドライブ、又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)ここには、変更可能な情報が格納されている。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を伝達するならば、本開示の実施例である。
【0062】
上記は特定の実施例を対象としているが、その基本的範囲から逸脱することなく他の及びさらなる実施例を創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。