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特許7532394プラズマ処理チャンバにおける高周波(RF)電力印加のための静電チャック
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  • 特許-プラズマ処理チャンバにおける高周波(RF)電力印加のための静電チャック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】プラズマ処理チャンバにおける高周波(RF)電力印加のための静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240805BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240805BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H02N13/00 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021553044
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2020019713
(87)【国際公開番号】W WO2020185395
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】62/815,919
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/406,921
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラウフ, シャヒッド
(72)【発明者】
【氏名】ティアン, ペング
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-522103(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0352567(US,A1)
【文献】特開2018-142589(JP,A)
【文献】特開2015-195346(JP,A)
【文献】特開2016-009715(JP,A)
【文献】特表2014-534620(JP,A)
【文献】特表2017-525138(JP,A)
【文献】特表2017-527984(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052291(WO,A1)
【文献】特開2003-338492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ内で使用するための静電チャックであって、
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを有するプレートと、
前記第1の面に近接して前記プレート内に埋め込まれた第1の電極と、
前記第2の面に近接して前記プレート内に埋め込まれた第2の電極と、
前記第1の電極を前記第2の電極に連結する複数の導電性要素と、
前記プレート内で、かつ前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された第1のガスチャネルと、
前記プレートの前記第2の面から前記第1のガスチャネルへ延在するガス注入口と、
前記プレートの前記第1の面から前記第1のガスチャネルへ延在する複数のガス排出口と、
前記プレートの周辺領域に埋め込まれ、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つに直接連結される第3の電極と
を備える、静電チャック。
【請求項2】
前記プレート内で、かつ前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された第2のガスチャネルと、前記プレートの前記第2の面に配置され、かつ前記第2のガスチャネルに連結された第2のガス注入口と、前記プレートの前記第1の面に配置され、かつ前記第2のガスチャネルに連結された複数のガス排出口とをさらに備える、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記第1のガスチャネルが第1のプレナムを画定し、前記第2のガスチャネルが第2のプレナムを画定し、前記第1のプレナムが前記プレート内の前記第2のプレナムから流体的に独立している、請求項2に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記第1のガスチャネルは、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記静電チャックを横切って前記ガス注入口から、前記複数のガス排出口に対応する複数の端部へ水平に延在する複数のガスチャネルを備える、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記複数のガスチャネルは、前記ガス注入口から各端部への前記第1のガスチャネルの各経路に沿ってほぼ等しい流動長を提供するように均等に分割されるように構成される、請求項4に記載の静電チャック。
【請求項6】
前記第1のガスチャネルは、約0.8mm~約1.2mmの幅を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記第1の電極から前記静電チャックの前記第1の面までの距離は、前記第2の電極から前記静電チャックの前記第2の面までの距離とほぼ同じである、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記第1の電極は、モリブデン(Mo)またはチタン(Ti)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項9】
チャンバ本体を備える処理チャンバであって、前記チャンバ本体は前記チャンバ本体の内部空間内に配置された基板支持体を有し、前記基板支持体は、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャックを含む、処理チャンバ。
【請求項10】
前記静電チャックは上方周辺エッジにノッチを含み、エッジリングは前記ノッチに配置される、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記第1の電極から前記静電チャックの上面までの距離が、前記第2の電極から前記静電チャックの底面までの距離とほぼ同じである、請求項から10のいずれか一項に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記基板支持体の下方にある冷却プレートは、アルミニウムで作られる、請求項から10のいずれか一項に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
前記基板支持体前記基板支持体の下方にある冷却プレートとの間の界面において、1つまたは複数の第1のガスチャネル内に配置された多孔質プラグをさらに備える、請求項から10のいずれか一項に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は概して、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムで使用するための静電チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高周波(RF)電力は、エッチング処理においてしばしば使用されるが、例えば、電気経路のためのインフラストラクチャを敷設するための接点または深いトレンチを作るためには、非常に高いアスペクト比の孔を必要とする。RF電力は、プラズマ生成のため、および/またはバルクプラズマからイオンを引きつけるために処理される基板上にバイアス電圧を生成するために使用されうる。処理中に基板を静電的に保持し、基板温度を制御するため、静電チャックが使用される。静電チャックは、典型的には、誘電体プレートに埋め込まれた電極と、誘電体プレートの下方に配置される冷却プレートとを含む。バイアスを生成するため、RF電源が冷却プレートに印加される。裏側ガスは、伝熱媒体として静電チャック内のガスチャネルを介して、基板と静電チャックの上面との間に導入されてもよい。しかしながら、本発明者らは、基板上にバイアス電圧を誘起するために冷却プレートに印加されるRF電力が、基板と冷却プレートとの間にDC電位差を生じさせ、望ましくないことに、これがガスチャネル内のアーク放電を引き起こしうることを観察した。
【0003】
[0003] そのため、本発明者らは、改良された静電チャックを提供する。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本明細書では、静電チャックの実施形態が提示される。いくつかの実施形態では、基板処理チャンバ内で使用するための静電チャックは、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有するプレートと、第1の面に近接してプレート内に埋め込まれた第1の電極と、第2の面に近接してプレート内に埋め込まれた第2の電極と、第1の電極を第2の電極に連結する複数の導電性要素と、プレート内に配置され、第1の電極と第2の電極との間にある第1のガスチャネルと、プレートの第2の面から第1のガスチャネルへ延在するガス注入口と、プレートの第1の面から第1のガスチャネルへ延在する複数のガス排出口とを含む。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、基板処理チャンバ内で使用するための静電チャックは、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有するプレートと、第1の面に近接するプレート内に埋め込まれた第1の電極と、第2の面に近接するプレート内に埋め込まれた第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間で、プレートの周辺領域内に埋め込まれた第3の電極と、第1の電極から第2の電極へ延在して第1の電極と第2の電極とを電気的に連結する複数の第1のポストと、第1の電極または第2の電極の少なくとも1つから第3の電極へ延在して、第3の電極を第1の電極または第2の電極の少なくとも1つに電気的に連結する複数の第2のポストとを含む。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体の内部空間内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体を含み、基板支持体は、冷却プレートを備える静電チャックと、冷却プレートの上方に配置され、第1の電極、第2の電極、および第1の電極を第2の電極に電気的に連結する複数のポストを有する誘電体プレートと、静電チャックの底面から誘電体プレート内へ延在する1つまたは複数の第1のガスチャネルと、第1の電極と第2の電極との間で静電チャックを横切って1つまたは複数の第1のガスチャネルから水平に延在する複数の第2のガスチャネルと、複数の第2のガスチャネルから静電チャックの上面まで延在する複数の第3のガスチャネルとを含む。
【0007】
[0007] 本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態は、以下に記載される。
【0008】
[0008] 上記で簡単に要約され、以下でより詳細に論じられる本開示の実施形態は、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示は、他の等しく有効な実施形態を許容しうるため、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、静電チャックを有する処理チャンバの概略側面図を示す。
図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、静電チャックの概略部分側面図を示す。
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、静電チャックの概略側面図を示す。
図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、静電チャックの断面上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013] 理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素は、可能であれば同一の参照番号を使用して示してある。図は縮尺どおりには描かれておらず、明確性のために簡略化されていることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記載なしに、他の実施形態に有益に組み込まれてもよい。
【0011】
[0014] 基板処理チャンバで使用するための静電チャックの実施形態が本明細書で提供される。静電チャックは、基板を支持する支持面を有する誘電体プレートを含む。誘電体プレートは、冷却プレートの上に配置される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のガスチャネルは、静電チャックの底面(例えば、冷却プレートの底面)から静電チャックの上面(例えば、誘電体プレートの上面)まで延在する。1つまたは複数のガスチャネルは、窒素(N)またはヘリウム(He)などの裏側ガスを静電チャックの上面に供給して、伝熱媒体として作用するように構成される。
【0012】
[0015] いくつかの実施形態では、RF電源が冷却プレートに連結され、処理される基板に負のバイアスを与えるように構成される。RF電力が冷却プレートに印加されると、冷却プレート上のピーク・ツー・ピーク電圧(Vpp)と基板上のVppは、誘電体プレートのインピーダンスによって異なる。それぞれのピーク・ツー・ピーク電圧の差は、冷却プレートと基板との間に電界を生じさせ、これは、望ましくないことに、裏側ガスをイオン化させ、その結果、アーク放電を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態では、冷却プレート上のVppと基板上のVppとの間の差を有利に減少させるために、複数の電極が誘電体プレート内に配置される。
【0013】
[0016] 図1は、本開示のいくつかの実施形態による処理チャンバ(例えば、プラズマ処理チャンバ)の概略断面図である。いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバは、エッチング処理チャンバである。しかしながら、異なる処理のために構成された他のタイプの処理チャンバもまた、本明細書に記載された静電チャックの実施形態と共に使用することが可能であるか、使用するように修正することができる。
【0014】
[0017] チャンバ100は、基板処理中にチャンバの内部空間120に大気圧未満の圧力を維持するように適切に適合された真空チャンバである。チャンバ100は、チャンバ内部空間120の上半分に位置する処理空間119を包み込むリッド104によって覆われたチャンバ本体106を含む。チャンバ100はまた、様々なチャンバ構成要素を取り囲む1つまたは複数のシールド105を含み、そのような構成要素とイオン化された処理材料との間の望ましくない反応を防止することができる。チャンバ本体106およびリッド104は、アルミニウムなどの金属で作ることができる。チャンバ本体106は、接地115への連結を介して接地されてもよい。
【0015】
[0018] 基板支持体124は、チャンバ内部空間120内に配置されて、例えば半導体ウェハなどの基板122、または静電的に保持されうる他の同様な基板を支持および保持する。基板支持体124は、一般的に、静電チャック150(図2図4に関連して以下でより詳細に述べる)と、静電チャック150を支持するための中空支持シャフト112とを備えてもよい。静電チャック150は、その中に配置された1つまたは複数の電極154を有する誘電体プレート152と、冷却プレート136とを備える。中空支持シャフト112は、例えば、裏側ガス、処理ガス、流体、冷却剤、動力等を静電チャック150に供給する導管を提供する。
【0016】
[0019] いくつかの実施形態では、中空支持シャフト112は、上方の処理位置(図1に示されるように)と、下方の移送位置(図示せず)との間の静電チャック150の垂直移動を提供する、アクチュエータまたはモータなどのリフト機構113に連結される。ベローズアセンブリ110は、中空支持シャフト112の周りに配置され、チャンバ100の静電チャック150と底面126との間に連結されて、チャンバ100内からの真空の損失を防止しつつ、静電チャック150の垂直運動を可能にする柔軟なシールを提供する。ベローズアセンブリ110はまた、チャンバ真空の損失の防止を支援するため、底面126に接触するOリング165または他の適当なシール要素と接触する下方のベローズフランジ164も含む。
【0017】
[0020] 中空支持シャフト112は、裏側ガス供給部141、チャッキング電源140、およびRF源(例えば、RFプラズマ電源170およびRFバイアス電源117)を静電チャック150に連結するための導管を提供する。いくつかの実施形態では、RFプラズマ電源170によって供給されるRFエネルギーは、約40MHz以上の周波数を有してもよい。裏側ガス供給部141は、チャンバ本体106の外側に配置され、伝熱ガスを静電チャック150に供給する。いくつかの実施形態では、RFプラズマ電源170およびRFバイアス電源117は、それぞれのRFマッチネットワーク(RFマッチネットワーク116のみを示す)を介して静電チャック150に連結される。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、代替的に、AC、DC、またはRFバイアス電力を含んでもよい。
【0018】
[0021] 基板リフト130は、基板リフト130を昇降させる第2のリフト機構132に連結されたシャフト111に接続されたプラットフォーム108に取り付けられたリフトピン109を含むことができ、その結果、基板122を静電チャック150上に配置するか、または静電チャック150から取り外すことができる。静電チャック150は、リフトピン109を受け入れるための貫通孔を含みうる。ベローズアセンブリ131は、基板リフト130と底面126との間に連結され、基板リフト130の垂直運動中にチャンバ真空を維持する柔軟なシールを提供する。
【0019】
[0022] 静電チャック150は、静電チャック150の下面から静電チャック150の上面の種々の開口部まで延在するガス供給チャネル138を含む。ガス供給チャネル138は、使用中に静電チャック150の温度および/または温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して裏側ガス供給141と流体連通している。
【0020】
[0023] チャンバ100は、チャンバ100を排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)および真空ポンプ(図示せず)を含む真空システム114に連結され、流体連通している。チャンバ100内の圧力は、スロットルバルブおよび/または真空ポンプを調節することによって管理されてもよい。チャンバ100はまた、内部に配置された基板を処理するためのチャンバ100に1つまたは複数の処理ガスを供給することができる処理ガス供給部118に連結され、流体連通している。
【0021】
[0024] 動作中、例えば、プラズマ102は、1つまたは複数の処理を実行するためにチャンバ内部空間120に生成されてもよい。プラズマ102は、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力を、チャンバ内部空間120の近傍または内部の1つまたは複数の電極を介して処理ガスに連結することによって生成されてもよく、処理ガスに点火して、プラズマ102を生成する。プラズマから基板122に向かってイオンを引き付けるため、バイアス電力は、バイアス電源(例えば、RFバイアス電源117)から静電チャック150内の1つまたは複数の電極154に、供給されてもよい。
【0022】
[0025] 図2は、本開示の少なくともいくつかの実施形態により、チャンバ100内で使用するための静電チャック200の概略部分側面図を示す。静電チャック200は、図1に関して上述した静電チャック150として使用されてもよい。静電チャック200は、誘電体プレート210および冷却プレート220を含む。いくつかの実施形態では、誘電体プレート210は、ボンド層を使用して冷却プレート220に取り付けられる。いくつかの実施形態では、誘電体プレート210は、第1の面202と、第1の面202に対向する第2の面204とを有する。いくつかの実施形態では、第1の面202は、静電チャック200の支持面232に対応する。いくつかの実施形態では、基板122は、支持面232上に配置される。いくつかの実施態様では、冷却プレート220は、導電性材料、例えばアルミニウム(Al)で作られる。いくつかの実施形態では、冷却プレート220は、冷却剤の流れを収めるための通路(図示せず)を含む。
【0023】
[0026] 第1の電極208は、第1の面202に近接して誘電体プレート210内に埋め込まれる。第2の電極218は、第2の面204に近接して誘電体プレート210内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、第1の電極208と第2の電極218はほぼ平行である。第1の電極208および第2の電極218は、ディスク形状であってもよく、または誘電体プレート210の形状に対応する任意の他の形状であってもよい。複数の導電性要素212は、第1の電極208を第2の電極218に電気的に連結する。いくつかの実施態様では、複数の導電性要素212は、複数のポストである。いくつかの実施形態では、第1の電極208と第1の面202との間の第1の距離228は、約0.8mm~約1.2mmである。いくつかの実施形態では、第2の電極218と第2の面204との間の第2の距離230は、約0.8mm~約1.2mmである。いくつかの実施形態では、第1の距離228は、第2の距離230にほぼ等しい。第1の電極208、第2の電極218、および複数の導電性要素212は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の適切な処理適合性材料で形成されてもよい。
【0024】
[0027] 第1の電極208を誘電体プレートの第1の面202の近くに配置し、第2の電極218を複数の導電性要素212を用いて第2の面204の近くに配置し、第1の電極208を第2の電極218に連結することにより、RF電力が誘電体プレート210を通過する際に生成される支持面232と冷却プレート220との間の電位差は有利に減少する。その結果、低減された電位差は、有利には、ガス供給チャネル138内のアーク放電電位を低減する。
【0025】
[0028] いくつかの実施形態では、ガス供給チャネル138は、静電チャックの底面(例えば、冷却プレートの底面)に配置された1つまたは複数の注入口を含む。いくつかの実施形態では、ガス供給チャネル138は、静電チャック200の支持面232、または上面に配置された1つまたは複数の排出口を含む。いくつかの実施形態では、ガス供給チャネル138は、静電チャック200の底面214に配置された1つまたは複数の注入口から、静電チャック200の上面に配置された1つまたは複数の排出口まで延在する。ガス供給チャネル138は、窒素(N)またはヘリウム(He)などの裏面ガスを静電チャックの上面に供給するように構成される。
【0026】
[0029] 第1の電極208と第2の電極218との間の領域は、電界を有さない。いくつかの実施形態では、ガス供給チャネル138は、第1の電極208と第2の電極218との間に実質的に配置され、その中のアーク電位を有利に低減または防止する。いくつかの実施形態では、ガス供給チャネル138は、誘電体プレート210内に配置され、第1の電極208と第2の電極218との間に配置された第1のガスチャネル222を含む。第1の電極208と第2の電極218との間の第1のガスチャネル222の位置は、有利には、第1のガスチャネル222内のアーク放電を防止する。第1のガスチャネル222は、誘電体プレート210の第2の面204に配置されたガス注入口224に連結される。第1のガスチャネル222は、誘電体プレート210の第1の面202に配置された複数のガス排出口226に連結されている。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル222の断面幅は、約0.8mm~約1.2mmである。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル222の断面高は、約0.8mm~約1.2mmである。
【0027】
[0030] いくつかの実施態様では、多孔質プラグ206が、誘電体プレート210と冷却プレート220との間の界面で、ガス供給チャンネル138内に配置される。いくつかの実施形態では、多孔質プラグ206はアルミナで作られる。多孔質プラグ206は、誘電体プレート210と冷却プレート220との間の界面における裏面ガスのアーク電位を低減または防止するように構成される。
【0028】
[0031] 図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による静電チャックの概略側面図を示す。中央コネクタ306は、チャッキング電源140に連結され、静電チャック200の底面214から誘電体プレート210へ延在する。いくつかの実施形態では、中央コネクタ306は、チャッキング電源140を第1の電極208に連結してチャッキング電力を第1の電極208に供給するため、第1の電極208に直接連結される。いくつかの実施形態では、中央コネクタ306は、第2の電極218に直接連結される。いくつかの実施形態では、中心コネクタ306を冷却プレート220から電気的に絶縁するため、絶縁体304が冷却プレート220内の中心コネクタ306の周囲に配置される。
【0029】
[0032] いくつかの実施形態では、エッジリング302が誘電体プレート210の周囲に配置され、誘電体プレート210上に配置された基板を誘導する。いくつかの実施形態では、エッジリング302は、誘電体プレート210の上方周辺エッジのノッチに載置される。いくつかの実施形態では、エッジリング302は、冷却プレート220の周囲に配置された石英リング(図示せず)上に載置される。いくつかの実施形態では、エッジリング302は、誘電体プレート210および基板122の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、エッジリング302は、処理中の基板122上の汚染を低減するために、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、又はグラファイトで構成される。
【0030】
[0033] 動作中、冷却プレート220に印加されるRF電力は、基板122とプラズマ102との間にシースを生成する。その結果、プラズマ102からのイオンはバイアスされた基板122に引き付けられ、イオンはシース内の等電位線に垂直なシースを通って加速される。エッジリング302が誘電体プレート210の周囲に配置される場合、エッジリング上の電圧電位は、基板122上の電圧電位と比較して異なる。電圧電位の差によって、シースは、基板122の上方よりもエッジリング302の上方で厚い形状を有するようになる。そのため、シース内の等電位線は、基板122のエッジ付近で平坦なプロファイルを有さず、エッジリング302の周囲の角度でイオンが加速し、エッジリング302の周囲のエッチングプロファイル傾斜の問題を引き起こす。
【0031】
[0034] いくつかの実施形態では、第3の電極310は、誘電体プレート210の周辺領域に埋め込まれ、複数の導電性要素308を介して第1の電極208及び第2の電極218の少なくとも一方に直接連結される。いくつかの実施形態では、複数の導電性要素308は、複数の第2のポストである。第3の電極310は、第1の電極208と第2の電極218との間に垂直に配置される。いくつかの実施形態では、第3の電極310と誘電体プレート210の上方周辺エッジにおけるノッチの底面との間の第3の距離312は、約0.8mm~約1.2mmである。いくつかの実施形態では、第3の距離312は、第1の距離228および第2の距離230にほぼ等しい。第3の電極310は、有利には、エッチングプロファイルの傾斜の問題を低減または防止するために、エッジリング302の周囲に、より平坦なシースプロファイルを作成する。
【0032】
[0035] 図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、第1の電極208と第2の電極218との間の位置における静電チャックの断面上面図を示す。上述のように、第1のガスチャネル222は、誘電体プレート210の第2の面204に配置されたガス注入口224に連結される。第1のガスチャネル222は、ガス注入口224に連結された第1の端部418を含む。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル222は、第1の端部418から複数の第2の端部426まで誘電体プレート210を横切って水平方向に延在して第1のプレナム404を画定するガスチャネルのネットワークを備える。複数の第2の端部426は、複数のガス排出口226の対応する排出口に連結される。いくつかの実施形態では、ガスチャネルのネットワークは、第1の端部418からそれぞれの第2の端部426までの第1のガスチャネル222の各経路に沿ってほぼ等しい流動長および流動コンダクタンスを提供するように均等に分割するように構成される。ほぼ等しいコンダクタンスとは、約10パーセント以内を意味する。
【0033】
[0036] いくつかの実施形態では、第2のガス注入口402は、誘電体プレート410の第2の面204に配置され、第2のガスチャネル330に連結される。複数のガス排出口が、プレートの第1の面202に配置され、第2のガスチャネル330に連結されている。第2のガスチャネル330は、第2のガス注入口402に連結された第1の端部420を含む。いくつかの実施形態では、第2のガスチャネル330は、第1の端部420から複数の第2の端部414まで誘電体プレート210を横切って水平方向に延在して第2のプレナム406を画定するガスチャネルのネットワークを備える。複数の第2の端部414は、第2のガスチャネル330に連結された第1の面202上の複数のガス排出口のうちの対応する1つに連結される。いくつかの実施形態では、ガスチャネルのネットワークは、第1の端部420からそれぞれの第2の端部414までの第2のガスチャネル330の各経路に沿ってほぼ等しい流動長および流動コンダクタンスを提供するように均等に分割するように構成される。ほぼ等しいコンダクタンスとは、約10パーセント以内を意味する。
【0034】
[0037] いくつかの実施形態では、第1のプレナム404は、誘電体プレート210内の第2のプレナム406から流体的に独立しており、静電チャック200の温度プロファイルに対してより大きな均一性または制御を有利に提供する。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル222に連結された複数のガス排出口226は、誘電体プレート210の周辺領域に配置されるが、第2のガスチャネル330に連結された複数のガス排出口は、誘電体プレート210の中央領域に配置される。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル222に連結された複数のガス排出口226は、誘電体プレート210の中央領域に配置されるが、第2のガスチャネル330に連結された複数のガス排出口は、誘電体プレート210の周辺領域に配置される。
【0035】
[0038] いくつかの実施形態では、誘電体プレート210は、第1のガスチャネル222および第2のガスチャネル330を形成するように機械加工された2つのプレートからなる。いくつかの実施形態では、2つのプレートは焼結される。いくつかの実施形態では、2つのプレートは、機械加工されると、共に拡散接合される。
【0036】
[0039] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されうる。
図1
図2
図3
図4