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特許7532550パターニングデバイス及びそのパターンを生成するためのシステム、製品、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】パターニングデバイス及びそのパターンを生成するためのシステム、製品、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/36 20120101AFI20240805BHJP
【FI】
G03F1/36
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022568698
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2021062102
(87)【国際公開番号】W WO2021244820
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】63/034,343
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/037,513
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/122,760
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジウニン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,イエン-ウェン
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-015831(JP,A)
【文献】特開2010-152356(JP,A)
【文献】特開2020-064911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0248496(US,A1)
【文献】特開2003-167323(JP,A)
【文献】国際公開第2019/158682(WO,A1)
【文献】特開2005-092212(JP,A)
【文献】特表2009-508161(JP,A)
【文献】特開2008-310333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0007023(US,A1)
【文献】国際公開第2019/179747(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、前記マスクフィーチャは、基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに関連付けられていることと、
前記マスクポイントの位置を調節して、調節済マスクポイントに基づいて前記マスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、
含み、
マスクポイントを取得することは、
前記ターゲットフィーチャから前記マスクポイントを導出することを含み、前記導出することは、前記マスクポイントを前記ターゲットフィーチャ上の制御ポイントに関連付けることを含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記マスクポイントの位置を調節することは、反復プロセスであり、各反復は、
光近接効果補正プロセス又は放射源マスク最適化プロセスに関連付けられた費用関数を決定することと、
前記ターゲットフィーチャ上の制御ポイント毎に、前記費用関数に基づいて前記マスクポイントの位置データを決定することと、
前記費用関数を最適化するために、前記位置データに基づいて前記マスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することであって、前記調節することは、前記変更済デザインを更新することを含むことと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記費用関数を決定することは、
前記変更済デザインを用いてシミュレーションを実施して、シミュレート信号としてレジスト像信号又はエッチング像信号を取得することと、
前記ターゲットフィーチャ上の制御ポイント毎に前記シミュレート信号を決定することであって、前記調節することは、前記制御ポイントでの前記シミュレート信号、及びマスクポイントと前記制御ポイントとの関連付けに基づいていることと、を含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記費用関数を決定することは、
前記変更済デザインを用いてシミュレーションを実施してシミュレート像を取得することと、
前記シミュレート像を使用してプロセスウィンドウを取得することであって、前記プロセスウィンドウは、前記変更済デザインを使用して基板上にプリントされる前記ターゲットパターンが所定の仕様を満足するための焦点及びドーズ値の範囲を含むことと、
を含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記費用関数は、エッジ配置誤差、シミュレート信号、プロセスウィンドウ、又はマスクルールチェック違反ペナルティのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
記導出することは、第1の組のマスクポイントと第1の制御ポイントとの間の第1の関連付け、及び第2の組のマスクポイントと第2の制御ポイントとの間の第2の関連付けを生成することを含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記マスクポイントの前記位置を調節することは、
マスクポイント調節の次の反復のために、前記マスクポイントと前記制御ポイントとの間の関連付けを変更することを含む、請求項6に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記ターゲットフィーチャ上の1つ又は複数の制御ポイントは、少なくとも2回の反復中に異なる組のマスクポイントと関連付けられる、請求項6に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記マスクポイントに平滑化処理を施すことをさらに含み、前記平滑化処理は、曲線のあてはめを行って前記マスクポイントを曲線でつないで、第1の曲線パターンとして前記パターニングデバイスの前記デザインを生成する、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記パターニングデバイスの前記デザインに対して像摂動を実施して、前記デザインの拡大版を生成することをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記マスクポイントのうちの複数のものの前記位置を調節することは、一組の前記マスクポイントを集合的に調節することを含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記マスクポイントのうちの複数のものの前記位置を調節することは、一組の前記マスクポイントのそれぞれを個別に調節することを含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
各マスクポイントの前記位置データは、方向及び距離値であって、対応するマスクポイントの位置調節が、前記対応するマスクポイントが関連付けられている制御ポイントに関係して、その方向及び距離値だけ実施される、方向及び距離値を含む、請求項2に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記デザインは、機械学習(ML)ベースの光近接効果補正(OPC)、連続透過マスク(CTM)フリーフォームOPC、CTM+フリーフォームOPC、セグメントベースOPC、及びインバースリソグラフィ技術、のうちの1つ又は複数から結果として生じる、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記マスクフィーチャは、サブレゾリューションアシストフィーチャ又は主要フィーチャである、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年6月3日に出願された米国特許出願第63/034,343号、2020年6月10日に出願された米国特許出願第63/037,513号、及び2020年12月8日に出願された米国特許出願第63/122,760号の優先権を主張するものであり、これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の説明は、一般に、パターニングデバイス及びそのパターンを生成するためのシステム、製品、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用され得る。このような場合、パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ICの個々の層に対応するパターン(「デザインレイアウト」)を含むこと、又は提供することができ、及びこのパターンは、パターニングデバイス上のパターンを通してターゲット部分を照射するなどの方法により、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコートされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に転写され得る。一般に、単一の基板は、パターンがリソグラフィ投影装置によって連続して転写される複数の隣接するターゲット部分(一度に1つのターゲット部分)を含む。あるタイプのリソグラフィ投影装置においては、パターニングデバイス全体上のパターンが、一度に1つのターゲット部分上に転写され、このような装置は、一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替装置では、投影ビームが、所与の基準方向(「スキャン」方向)にパターニングデバイスをスキャンすることに同期して、この基準方向に平行又は逆平行に基板を移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、1つのターゲット部分に漸進的に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は、縮小率M(例えば、4)を有するので、基板を移動させる速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度×1/Mとなる。本明細書に記載するようなリソグラフィデバイスに関する更なる情報は、例えば、本明細書に援用される米国特許第6,046,792号から学ぶことができる。
【0004】
[0004] パターニングデバイスから基板にパターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々なプロシージャを経てもよい。露光後に、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写されたパターンの測定/インスペクションなどの他のプロシージャ(「露光後プロシージャ」)を受けてもよい。この多数のプロシージャは、デバイス、例えばICの個々の層を作るための基礎として使用される。基板は、次に、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨など(全て、デバイスの個々の層を仕上げることを意図したもの)の様々なプロセスを経てもよい。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、プロシージャ全体又はそれの異形が、各層に対して繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスがキャリア上に取り付けられること、ピンに接続されることなどが可能である。
【0005】
[0005] したがって、半導体デバイスなどの製造デバイスは、一般的に、デバイスの様々なフィーチャ及び複数の層を形成するための多数の製作プロセスを用いて、基板(例えば半導体ウェーハ)を処理することを含む。このような層及びフィーチャは、一般的に、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を用いて、製造及び処理される。複数のデバイスが、基板上の複数のダイ上で製作され、その後、個々のデバイスに分離されてもよい。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスとみなすことができる。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを用いる光及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、及び一般的に(但し任意選択的に)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンを使用するエッチングなどの1つ又は複数の関連のパターン処理ステップを含む。
【0006】
[0006] 上述の通り、リソグラフィは、基板上に形成されたパターンが、マイクロプロセッサ、メモリチップなどのデバイスの機能素子を定義する、ICなどのデバイスの製造における中心的ステップである。フラットパネルディスプレイ、微小電子機械システム(MEMS)、及び他のデバイスの形成においても、類似のリソグラフィ技術が使用される。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、機能素子の寸法は、継続的に小さくなっている一方で、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って、1つのデバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の量は、何十年にもわたり、着実に増加している。現在の技術状況では、デバイスの層は、深紫外線照明源からの照明を用いて、デザインレイアウトを基板上に投影し、100nmをはるかに下回る(すなわち、照明源(例えば、193nm照明源)からの放射の波長の半分未満)寸法を有する個々の機能素子を生成するリソグラフィ投影装置を用いて製造される。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の古典的限界解像度未満の寸法を持つフィーチャが印刷されるこのプロセスは、一般に、解像度式CD=k1×λ/NAによる低k1リソグラフィとして知られ、式中、λは、用いられた放射の波長(現在、ほとんどの場合、248nm又は193nm)であり、NAは、リソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」(一般に、印刷される最小のフィーチャサイズ)であり、及びk1は、経験的解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的機能性及び性能を達成するために設計者によって計画された形状及び寸法に酷似するパターンを基板上に再現することがより難しくなる。これらの困難を克服するために、最新式の微調整ステップが、リソグラフィ投影装置、デザインレイアウト、又はパターニングデバイスに適用される。これらは、例えば、限定されないが、NA及び光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズ照明方式、位相シフトパターニングデバイスの使用、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC、「光学及びプロセス補正(optical and process correction)」とも呼ばれることがある)、又は一般に「解像度向上技術」(RET)と定義される他の方法も含む。本明細書で使用する「投影光学系」という用語は、例えば、屈折光学系、反射光学系、アパーチャ、及び反射屈折光学系を含む、様々なタイプの光学システムを網羅すると広く解釈されるものとする。「投影光学系」という用語は、まとめて、又は単独で、放射の投影ビームの誘導、整形、又は制御を行うためにこれらのデザインタイプのいずれかに従って動作するコンポーネントも含み得る。「投影光学系」という用語は、光学コンポーネントがリソグラフィ投影装置の光路上のどこに位置するかにかかわらず、リソグラフィ投影装置内のいずれの光学コンポーネントも含み得る。投影光学系は、ソースからの放射がパターニングデバイスを通過する前に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネント、及び/又は放射がパターニングデバイスを通過した後に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネントを含み得る。投影光学系は、一般に、ソース及びパターニングデバイスを除く。
【発明の概要】
【0009】
[0009] 一実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され、この方法は、(i)マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、(ii)マスクポイントの位置を調節して、調節済マスクポイントに基づいてマスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、を含む。
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され、この方法は、(i)マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、(ii)プロセスウィンドウを増加させるようにマスクポイントの位置を調節することであって、プロセスウィンドウは、基板上にターゲットパターンをプリントするためのパターニングプロセスと関連付けられており、調節することは、調節された位置に基づいて変更済デザインを生成することを含むことと、を含む。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、パターニングデバイスのデザインを改良するための方法が提供され、この方法は、(i)マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、(ii)マスクポイントの位置を調節して、調節済マスクポイントに基づいてマスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012]リソグラフィシステムの様々なサブシステムのブロック図を示す。
図2】[0013]プロセス変数の例示的なカテゴリーを示す。
図3】[0014]一実施形態による、パターニングシミュレーション方法のフローを概略的に示す。
図4】[0015]一実施形態による、測定シミュレーション方法のフローを概略的に示す。
図5A】[0016]様々な実施形態と整合性のある、ターゲットパターンに対応するマスクフィーチャのデザインを生成又は改良するための方法のフローチャートである。
図5B】[0017]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの初期デザインを生成するための方法のフローチャートである。
図5C】[0018]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの初期デザインを最適化するためのプロセスのフローダイヤグラムである。
図6A】[0019]様々な実施形態と整合性のある、制御ポイントを有するターゲットフィーチャ及び初期マスクポイントを示す。
図6B】[0020]様々な実施形態と整合性のある、別のプロセスから得られたマスクフィーチャのデザインを示す。
図7】[0021]様々な実施形態と整合性のある、平滑化処理をマスクポイントに施すプロセスを示す。
図8】[0022]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの初期デザインの摂動版を示す。
図9】[0023]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの最適化済デザインを示す。
図10A】[0024]様々な実施形態と整合性のある、第1の形状のターゲットフィーチャに対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。
図10B】[0025]様々な実施形態と整合性のある、第2の形状のターゲットフィーチャに対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。
図10C】[0026]様々な実施形態と整合性のある、ターゲットフィーチャ及びサブレゾリューションアシストフィーチャ(SRAF)に対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。
図10D】[0027]様々な実施形態と整合性のある、SRAFではなくターゲットフィーチャに対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。
図11】[0028]一実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
図12】[0029]一実施形態による、リソグラフィ投影装置の概略図である。
図13】[0030]一実施形態による、別のリソグラフィ投影装置の概略図である。
図14】[0031]一実施形態による、図12の装置のより詳細な図である。
図15】[0032]一実施形態による、図13及び図14の装置のソースコレクタモジュールSOのより詳細な図である。
図16A】[0033]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザインを示す。
図16B】[0034]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの多角形デザインを示す。
図16C】[0035]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザイン及び多角形デザインを示す。
図16D】[0036]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザイン及び多角形デザインを示す。
図17】[0037]様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャのハイブリッドデザインを示す。
図18】[0038]様々な実施形態と整合性のある、図5Aに記載した「全角度OPC」方法を実施するためのフローダイヤグラムが実施されることがあることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0039] リソグラフィでは、パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ターゲットパターン(例えば、ターゲットデザインレイアウト)に対応するマスクパターン(例えば、マスクデザインレイアウト)を提供することがあり、このマスクパターンは、光をマスクパターンを通して伝達させることにより、基板上に転写されることがある。しかしながら、様々な制約に起因して、転写されたパターンは、多くの不規則性を伴って現れることがあり、従って、ターゲットパターンとは似ていないことがある。光近接効果補正(OPC)は、リソグラフィにおける回折又は他のプロセス効果に起因する画像誤差を補償するためにマスクパターンをデザインする際に一般的に使用される拡張技術である。現在のOPC技術は、デザインのセグメントを反復して調節する(例えば、レジスト像又はエッチング像信号などの信号を最小化するように)ことによりマスクフィーチャのデザインを強化し、補正されたセグメントを縫い合わせて補正済デザインを形成する。技術によっては、デザインを強化して、費用関数、例えば、エッジ配置誤差、マスクルールチェック、対称性等、を最適化する。技術によっては、全てのセグメントを一緒に補正して、費用関数を最適化する。技術によっては、フリーフォーム技術などの画像ベースの拡張方法を使用する。この技術では、自由形状マスクデザインが初期画像(例えば、CTM(Continuum transmission mask)画像)から生成され、この自由形状マスクデザインを反復して補正して、画像変数ピクセルを最適化する。しかしながら、現在の技術の少なくとも一部は非効率的である。というのも、それらの技術は、収束の問題に見舞われることがあるか、プロセスウィンドウのサイズが制限されることがあるか、所望の結果を達成するためにユーザが多数のパラメータを調整する必要があるか、又は、例えば実行時間及びメモリなどの、著しい量のコンピュータ資源を消費することがあるからであり、これらの原因により、その技術の製造ラインでの使用が妨げられている。
【0014】
[0040] 本開示では、ポイントベースのOPC、又は本明細書では「全角度OPC」と呼ばれるものを使用して、マスクパターンを改良するための方法及びシステムについて開示する。ポイントベースのOPCでは、実施形態によっては、初期マスクポイントが、ターゲットパターンからのターゲットフィーチャに対して生成され、ターゲットフィーチャ上の制御ポイントに関連付けられることがある、例えば、1つの制御ポイントが、1つ又は複数のマスクポイントに関連付けられる。マスクポイントは、曲線パターンを生成するように調節される(例えば、位置が変更される)。マスクポイントは、例えば、制御ポイントにおける費用関数を最適化するために、特定の量だけ、特定の方向(例えば、曲線パターンの局所的法線、又は他の所定の方向)に沿って移動させることができる。マスクポイントを調節する上記のプロセスを反復して実施して、曲線パターンを更新して収束を達成することができる。
【0015】
[0041] 実施形態によっては、ポイントベースのOPCは、曲線パターンを有するマスクの最終デザイン又は中間デザインを提供し、これは、既知の技術から生成された伸長されたデザインよりも自然である。実施形態によっては、複数のマスクポイントを首尾一貫して移動させて、1つ又は複数の制御ポイントにおける費用関数を最適化することができ、これにより、局所的にマスクデザインのより細かくより正確な制御が可能になり、リソグラフィ性能全体が向上する可能性がある。実施形態によっては、例えばマスクデザインがターゲットフィーチャから大幅に異なるようになった場合などに、制御ポイントとマスクポイントとの関連付けが解除され再構築されることがあり、これにより、補正されるべきマスクポイントを理知的に選択することにより、より効率的に制御ポイントでの最適化を行うことが可能になる(対照的に、従来技術では、セグメントが既に制御ポイントから相当に離れている(例えば、ターゲットフィーチャの角部付近などで)場合であっても、セグメントと制御ポイントとの関連付けは固定されている)。全角度OPC技術を使用して、マスクフィーチャに対して、曲線パターン又は非曲線パターン(例えば、パターンのセグメント又は直線と水平軸との間の角度が、45*n度又は90*n度(但しnは整数)である多角形パターン)、又はハイブリッドデザイン(例えば、部分的に曲線で部分的に多角形のデザイン)を生成することができる。
【0016】
[0042] 簡単に説明すると、図1は、例示的リソグラフィ投影装置10Aを示す。主なコンポーネントは、深紫外線エキシマレーザ源、又は極端紫外線(EUV)源を含む他のタイプのソースでもよい放射源12A(上記に説明するように、リソグラフィ投影装置自体は、放射源を有する必要がない)と、部分コヒーレンス(シグマで表す)を例えば定義し、並びにソース12Aからの放射を整形する光学系14A、16Aa、及び16Abを含み得る照明光学系と;パターニングデバイス18Aと;パターニングデバイスパターンの像を基板面22A上に投影する透過光学系16Acとである。投影光学系の瞳面における調節可能フィルタ又はアパーチャ20Aは、基板面22Aに衝突するビーム角の範囲を制限することができ、ここで、可能な最大角が、投影光学系の開口数NA=n sin(Θmax)を定義し、式中、nは、基板と投影光学系の最後の素子との間の媒体の屈折率であり、及びΘmaxは、まだ基板面22Aに衝突し得る投影光学系から出るビームの最大角である。
【0017】
[0043] リソグラフィ投影装置では、ソースは、照明(すなわち、放射)をパターニングデバイスに提供し、並びに投影光学系は、パターニングデバイスを介して、基板上へと照明の誘導及び整形を行う。投影光学系は、コンポーネント14A、16Aa、16Ab、及び16Acの少なくとも幾つかを含み得る。空間像(AI)は、基板レベルにおける放射強度分布である。レジストモデルを使用して、空間像からレジスト像を計算することができ、その一例は、その開示内容が全体として本明細書に援用される米国特許出願公開第2009-0157360号に見つけることができる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、露光後ベーク(PEB)、及び現像中に生じる化学プロセスの影響)のみに関係する。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が、空間像を決定付け、光学モデルで定義できる。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更され得るので、パターニングデバイスの光学特性を、少なくともソース及び投影光学系を含む、リソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から切り離すことが望ましい。デザインレイアウトを様々なリソグラフィ像(例えば、空間像、レジスト像など)に変換するため、技法及びモデルを用いてOPCを適用するため、並びに(例えば、プロセスウィンドウの観点から)性能を評価するために使用される上記技法及びモデルの詳細は、米国特許出願公開第2008-0301620号、同第2007-0050749号、同第2007-0031745号、同第2008-0309897号、同第2010-0162197号、及び同第2010-0180251号に記載されており、各開示内容は、本明細書に全体として援用される。
【0018】
[0044] パターニングデバイスは、1つ又は複数のデザインレイアウトを含むか又は形成することがある。デザインレイアウトは、CAD(computer-aided design)プログラムを利用して生成することができ、このプロセスは、しばしば、EDA(electronic design automation)と呼ばれる。ほとんどのCADプログラムは、機能的デザインレイアウト/パターニングデバイスを作製するために、一組の所定のデザインルールに従う。これらのルールは、処理及びデザイン上の制約によって設定される。例えば、デザインルールは、デバイス又は線が望ましくない態様で互いに相互作用しないことを確実にするように、デバイス間(ゲート、コンデンサ等)又は相互接続線間のスペース許容値を定義する。デザインルール制約のうちの1つ又は複数は、「クリティカルディメンジョン」(CD)と呼ばれることがある。デバイスのクリティカルディメンジョンは、線若しくは穴の最小の幅、又は2本の線若しくは2つの穴の間の最小のスペースとして定義されることがある。従って、CDは、デザインされたデバイスの全体的なサイズ及び密度を決定する。当然ながら、デバイス製造の目標の1つは、(パターニングデバイスを介して)基板上に元のデザイン意図を忠実に再現することである。
【0019】
[0045] 本明細書で用いられる「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、入ってくる放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応したパターン付き断面を付与するために使用することができる一般的なパターニングデバイスを指すものと広く解釈することができ、「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のこのようなパターニングデバイスの例としては、以下が挙げられる:
- プログラマブルミラーアレイ。このようなデバイスの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面である。このような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスエリアが、入射放射を回折放射として反射し、一方、非アドレスエリアが、入射放射を非回折放射として反射する、ということである。適切なフィルタを使用して、前述の非回折放射を反射ビームから除去し、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームが、マトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターン付与される。必要とされるマトリックスアドレッシングは、適切な電子手段を使用して実施することができる。
- プログラマブルLCDアレイ。このような構造の一例が、本明細書に組み込まれる米国特許第5,229,872号によって与えられる。
【0020】
[0046] リソグラフィプロセスを理解する一態様は、放射とパターニングデバイスとの相互作用を理解することである。放射がパターニングデバイスを通過した後の放射の電磁場は、放射がパターニングデバイスに到達する前の放射の電磁場と、相互作用を特徴付ける関数とから、決定することができる。この関数は、マスク透過関数と呼ばれることもある(この関数を使用して、透過型パターニングデバイス及び/又は反射型パターニングデバイスによる相互作用を説明することができる)。
【0021】
[0047] パターニングプロセスの変数は、「プロセス変数」と呼ばれる。パターニングプロセスは、リソグラフィ装置におけるパターンの実際の転写の上流及び下流のプロセスを含むことがある。図2は、プロセス変数370の例示的なカテゴリーを示す。第1のカテゴリーは、リソグラフィ装置か又はリソグラフィプロセスで使用される任意の他の装置の変数310であり得る。このカテゴリーの例としては、リソグラフィ装置の照明、投影システム、基板ステージ等の変数が挙げられる。第2のカテゴリーは、パターニングプロセスにおいて実施される1つ又は複数の手続きの変数320であり得る。このカテゴリーの例としては、焦点制御又は焦点測定、ドーズ制御又はドーズ測定、帯域幅、露光持続時間、現像温度、現像で使用される化学組成などが挙げられる。第3のカテゴリーは、デザインレイアウト、及び、パターニングデバイスにおける又はパターニングデバイスを使用したデザインレイアウトの実装の変数330であり得る。このカテゴリーの例としては、アシストフィーチャの形状及び/又は位置、解像度向上技術(RET)によって施される調整量、マスクフィーチャのCDなどが挙げられる。第4のカテゴリーは、基板の変数340であり得る。例としては、レジスト層の下の構造の特徴、レジスト層の化学組成及び/又は物理的寸法などが挙げられる。第5のカテゴリーは、パターニングプロセスの1つ又は複数の変数の時間変動の特徴350であり得る。このカテゴリーの例としては、高頻度のステージ移動(例えば、周波数、振幅等)、高頻度のレーザ帯域幅の変化(例えば、周波数、振幅等)、及び/又は高頻度のレーザ波長の変化、の特徴が挙げられる。これらの高頻度の変化又は移動とは、根底にある変数(例えば、ステージ位置、レーザー強度)を調節するためのメカニズムの応答時間を上回るものである。第6のカテゴリーは、スピンコーティング、露光後ベーク(PEB)、現像、エッチング、堆積、ドーピング、及び/又はパッケージングなどの、リソグラフィ装置におけるパターン転写の上流又は下流のプロセスの特徴360であり得る。
【0022】
[0048] 理解されるであろうが、これらの変数のうちの全てではなくとも多くが、パターニングプロセスのパラメータ、しばしば関心対象のパラメータ、に影響を及ぼす。パターニングプロセスのパラメータの非限定的な例としては、クリティカルディメンジョン(CD)、クリティカルディメンジョン均一性(CDU)、焦点、オーバーレイ、エッジ位置又は配置、側壁角度、パターンシフト等が挙げられる。しばしば、これらのパラメータは、公称値(例えば、設計値、平均値等)からの誤差を表す。パラメータ値は、個々のパターンの特徴の値、又はパターンのグループの特徴の統計値(例えば、平均、分散、等)であり得る。
【0023】
[0049] プロセス変数の一部又は全部の値又はそれに関連したパラメータは、適切な方法によって決定されることがある。例えば、それらの値は、様々な計測ツール(例えば、基板計測ツール)を用いて得られたデータから決定されることがある。それらの値は、パターニングプロセスにおける装置の様々なセンサ又はシステムから得られることがある(例えば、リソグラフィ装置のレベリングセンサ又は位置合わせセンサなどのセンサ、リソグラフィ装置の制御システム(例えば、基板又はパターニングデバイステーブル制御システム)、トラックツール内のセンサ、など)。それらの値は、パターニングプロセスのオペレータからのものであり得る。
【0024】
[0050] パターニングプロセスの一部をモデル化及び/又はシミュレートするための例示的なフローチャートを図3に示す。理解されるであろうが、モデルは、異なるパターニングプロセスを表すことがあり、以下に説明する全てのモデルを含む必要はない。放射源モデル1200は、パターニングデバイスの照明の光学的特徴(放射強度分布、帯域幅、及び/又は位相分布を含む)を表す。放射源モデル1200は、開口数設定、照明シグマ(σ)設定、及び任意の特定の照明形状(例えば、環状、四極子、双極子等のオフアクシス放射形状)、(但し、σ(即ちシグマ)は、照明器の外側半径範囲である)を含むがこれらには限定されない、照明の光学的特徴を表すことができる。
【0025】
[0051] 投影光学系モデル1210は、投影光学系の光学的特徴(投影光学系によって生じた放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表す。投影光学系モデル1210は、収差、歪み、1つ又は複数の屈折率、1つ又は複数の物理的サイズ、1つ又は複数の物理的寸法等を含む、投影光学系の光学的特徴を表すことができる。
【0026】
[0052] パターニングデバイス/デザインレイアウトモデルモジュール1220は、デザインフィーチャがパターニングデバイスのパターン内にどのように配置されるかを捕らえ、例えば米国特許第7,587,704号に記載されるように、パターニングデバイスの詳細な物理的特性の表現を含むことがあり、該特許は、その全体が参照により組み込まれる。一実施形態では、パターニングデバイス/デザインレイアウトモデルモジュール1220は、デザインレイアウト(例えば、集積回路、メモリ、電子デバイス等のフィーチャに対応するデバイスデザインレイアウト)(これは、パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスによって形成されるフィーチャの配置の表現である)の光学的特徴(所与のデザインレイアウトによって生じた放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表す。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更できるので、パターニングデバイスの光学的特性を、少なくとも照明及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学的特性から分離することが望ましい。シミュレーションの目的は、多くの場合、例えば、エッジ配置及びCDを正確に予測することであり、これらは、その後、デバイスデザインと比較されることがある。デバイスデザインは、一般的に、プリOPCパターニングデバイスレイアウトとして定義され、GDSII又はOASISなどの標準デジタルファイルフォーマットで提供される。
【0027】
[0053] 空間像1230は、放射源モデル1200、投影光学系モデル1210、及びパターニングデバイス/デザインレイアウトモデル1220からシミュレートすることができる。空間像(AI)は、基板レベルでの放射強度分布である。リソグラフィ投影装置の光学的特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が、空間像を規定する。
【0028】
[0054] 基板上のレジスト層は、空間像によって露光され、空間像は、潜在的な「レジスト像」(RI)としてレジスト層に転写される。レジスト像(RI)は、レジスト層中のレジストの溶解度の空間分布として定義することができる。レジスト像1250は、レジストモデル1240を使用して空間像1230からシミュレートすることができる。レジストモデルを使用して空間像からレジスト像を計算することができ、その例が、米国特許出願公開第2009-0157360号に記載されており、この開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。レジストモデルは、通常、例えば、基板上に形成されるレジストフィーチャのコンターを予測するために、レジスト露光、露光後ベーク(PEB)、及び現像の中で生じる化学プロセスの効果を説明し、よって、レジストモデルは通常、レジスト層のそのような特性(例えば、露光、露光後ベーク、及び現像の中で生じる化学プロセスの効果)のみに関係している。一実施形態では、レジスト層の光学的特性、例えば、屈折率、膜厚、伝播及び偏光の効果などは、投影光学系モデル1210の一部として捕捉されることがある。
【0029】
[0055] よって、一般的に、光学モデルとレジストモデルとの間を結びつけるのは、レジスト層内のシミュレートされた空間像強度であり、これは、基板への放射の投影、レジスト界面での屈折、及びレジスト膜スタックでの多重反射から生じる。この放射強度分布(空間像強度)は、入射エネルギーの吸収によって潜在的な「レジスト像」へと変換され、これはさらに、拡散プロセス及び様々なローディング効果によって変更される。フルチップ用途にとって十分に高速である効率的なシミュレーション方法では、2次元の空間(及びレジスト)像によって、レジストスタック内の実際的な3次元の強度分布を近似する。
【0030】
[0056] 一実施形態では、レジスト像は、パターン転写後プロセスモデルモジュール1260への入力として使用されることがある。パターン転写後プロセスモデルモジュール1260は、1つ又は複数のレジスト現像後プロセス(例えば、エッチング、現像等)の性能を定義する。
【0031】
[0057] パターニングプロセスのシミュレーションにより、例えば、レジスト及び/又はエッチング済像におけるコンター、CD、エッジ配置(例えば、エッジ配置誤差)を予測することができる。従って、シミュレーションの目的は、例えば、プリントされるパターンのエッジ配置、及び/又は空間像強度勾配、及び/又はCD等を正確に予測することである。これらの値は、例えば、パターニングプロセスを補正したり、欠陥が発生すると予測される場所を特定したりするなどのために、意図されたデザインと比較されることがある。意図されたデザインは、一般的に、GDSII又はOASIS又は他のファイルフォーマットなどの標準デジタルファイルフォーマットで提供することができる、プリOPCデザインレイアウトとして定義される。
【0032】
[0058] 従って、モデル表現は、プロセス全体の既知の物理的現象及び化学的現象の全てではなくとも大部分を説明し、モデルパラメータのそれぞれは、異なる物理的効果又は化学的効果に対応することが望ましい。従って、モデル表現は、そのモデルを使用してどの位よく製造プロセス全体をシミュレートすることができるかについて、上限を設定する。
【0033】
[0059] 計測プロセスをモデル化及び/又はシミュレートするための例示的なフローチャートを図4に示す。理解されるであろうが、以下のモデルは、異なる計測プロセスを表すことがあり、以下に説明する全てのモデルを含む必要はない(例えば、幾つかのモデルは組み合わされることがある)。放射源モデル1300は、計測ターゲットの照明の光学的特徴(放射強度分布、放射波長、偏光等を含む)を表す。放射源モデル1300は、波長、偏光、照明シグマ(σ)設定(但し、σ(即ちシグマ)は、照明器の照明の半径範囲である)、任意の特定の照明形状(例えば、環状、四極子、双極子等のオフアクシス放射形状)等を含むがこれらには限定されない、照明の光学的特徴を表すことができる。
【0034】
[0060] 計測光学系モデル1310は、計測光学系の光学的特徴(計測光学系によって生じた放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表す。計測光学系1310は、計測光学系による計測ターゲットの照明の光学的特徴、及び計測ターゲットから計測装置検出器に向け直された放射の伝達の光学的特徴を表すことができる。計測光学系モデルは、収差、歪み、1つ又は複数の屈折率、1つ又は複数の物理的サイズ、1つ又は複数の物理的寸法などを含む、ターゲットの照明、及び計測ターゲットから検出器に向け直された放射の伝達、を含む様々な特徴を表すことができる。
【0035】
[0061] 計測ターゲットモデル1320は、計測ターゲットによって向け直された照明の光学的特徴を表すことができる(計測ターゲットによって生じた照明放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)。従って、計測ターゲットモデル1320は、照明放射から計測ターゲットにより向け直された放射への変換をモデル化することができる。従って、計測ターゲットモデルは、計測ターゲットからの向け直された放射の結果的に生じる照明分布をシミュレートすることができる。計測ターゲットモデルは、1つ又は複数の屈折率、計測の1つ又は複数の物理的サイズ、計測ターゲットの物理的レイアウト等を含む、ターゲットの照明、及び計測からの向け直された放射の生成を含む、様々な特徴を表すことができる。使用される計測ターゲットは変更することができるので、計測ターゲットの光学的特性を、少なくとも照明及び投影光学系及び検出器を含め、計測装置の残りの部分の光学的特性から分離することが望ましい。シミュレーションの目的は、例えば、強度、位相等を正確に予測することである場合が多く、次いで、これらを使用して、オーバーレイ、CD、焦点等のパターニングプロセスの関心対象のパラメータを導き出すことができる。
【0036】
[0062] 瞳又は空間像1330は、放射源モデル1300、計測光学系モデル1310、及び計測ターゲットモデル1320からシミュレートすることができる。瞳又は空間像は、検出器レベルでの放射強度分布である。計測光学系及び計測ターゲットの光学的特性(例えば、照明、計測ターゲット、及び計測光学系の特性)は、瞳又は空間像を規定する。
【0037】
[0063] 計測装置の検出器は、瞳又は空間像にさらされ、瞳又は空間像の1つ又は複数の光学的特性(例えば、強度、位相等)を検出する。検出モデルモジュール1320は、計測光学系からの放射が、計測装置の検出器によってどのように検出されるかを表す。検出モデルは、検出器が瞳又は空間像をどのように検出するかを記述することができ、信号対ノイズ、検出器への入射放射に対する感度等を含むことができる。よって、一般的に、計測光学系モデルと検出器モデルとの間を結びつけるのは、シミュレートされた瞳又は空間像であり、これは、光学系による計測ターゲットの照射、ターゲットによる放射の向け直し、向け直された放射の検出器への伝達、から生じる。放射分布(瞳又は空間像)は、検出器上の入射エネルギーの吸収により、検出信号に変換される。
【0038】
[0064] 計測プロセスのシミュレーションにより、例えば、検出器における空間強度信号、空間位相信号等、又は、瞳若しくは空間像の検出器による検出に基づくオーバーレイ、CD等の値など、検出システムからの他の計算値、を予測することができる。従って、シミュレーションの目的は、例えば、計測ターゲットに対応する検出器信号、又はオーバーレイ、CDなどの導出される値を正確に予測することである。これらの値を意図されるデザイン値と比較して、例えば、パターニングプロセスを補正したり、欠陥が発生すると予測される場所を特定したりすることなどができる。
【0039】
[0065] 従って、モデル表現は、計測プロセス全体の既知の物理的現象及び化学的現象の全てではなくとも大部分を説明し、モデルパラメータのそれぞれは、計測プロセスにおける異なる物理的効果及び/又は化学的効果に対応することが望ましい。
【0040】
[0066] パターニングデバイス上の又はパターニングデバイスによって提供される様々なパターンは、異なるプロセスウィンドウ、即ち、仕様の範囲内でパターンを生成するプロセス変数の空間、を有することがある。潜在的な系統的欠陥に関係するパターン仕様の例としては、ネッキング、ラインプルバック、ライン細線化、CD、エッジ配置、オーバーラップ、レジストトップロス、レジストアンダーカット、及び/又はブリッジ、のチェックが挙げられる。通常、パターニング後に得られるCDが、パターンのフィーチャの所望のCDの±10%以内になり得るように、プロセスウィンドウは、2つのプロセス変数、即ちドーズ及び焦点に対して定義される。パターニングデバイス又はそのエリア上の全てのパターンのプロセスウィンドウは、それぞれの個々のパターンのプロセスウィンドウを結合する(例えば、オーバーラップさせる)ことにより、得られることがある。
【0041】
[0067] 図5Aは、様々な実施形態と整合性のある、リソグラフィプロセスを含むパターニングプロセスを介して基板にプリントされるターゲットパターンに対応するマスクフィーチャのデザインを生成又は改良するための例示的な方法500のフローチャートである。一実施形態では、ターゲットパターンは、バイナリデザインレイアウト、連続トーンデザインレイアウト、又は別の適切な形式のデザインレイアウトであり得る。ターゲットパターンは、基板上にプリントされる1つ又は複数のターゲットフィーチャを含むことがあり、マスクパターンは、1つ又は複数のターゲットフィーチャに対応するマスクフィーチャを含む。実施形態によっては、ターゲットフィーチャのデザインは多角形であることがあり、対応するマスクフィーチャのデザインは曲線パターンであることがある。マスクフィーチャは、ターゲットフィーチャ又はサブレゾリューションアシストフィーチャ(SRAF)に対応する主要フィーチャであり得る。
【0042】
[0068] プロセスP501では、マスクフィーチャのデザインのマスクポイントが取得される。実施形態によっては、マスクポイントは、マスクフィーチャ上に位置する一組のポイントである。マスクポイントを調節して(例えば、異なる位置に移動させて)、マスクフィーチャのデザインを修正することができる。マスクポイントは、マスクフィーチャの既存のデザインから導き出されるか、又はターゲットフィーチャから導き出され、この場合、マスクポイントは線で(滑らかに)接続され、初期デザインが形成される。実施形態によっては、初期デザインは曲線パターンである。マスクポイントの取得又は初期デザインの生成の更なる詳細については、少なくとも図5Bのプロセス550を参照して説明する。
【0043】
[0069] プロセスP503では、初期デザインが、マスクポイントの位置を調節することにより、最適化される。マスクポイントの位置を調節すると、マスクフィーチャの変更済デザインが生成される(従って、「ポイントベースの最適化プロセス」と呼ばれる)。実施形態によっては、マスクポイントの位置は、費用関数が最適化されるように調節される。費用関数は、エッジ配置誤差(EPE)、レジスト像信号(又はエッチング像信号)などのシミュレートされた信号、マスクルールチェック(MRC)ペナルティ、プロセスウィンドウ等のうちの1つ又は複数を含むことがある。プロセスP503は1つ又は複数の費用関数を使用することがあり、異なる費用関数が異なる方法で最適化されることがある。
【0044】
[0070] 例えば、プロセスP503は、1つ又は複数のターゲットフィーチャのEPEを低減する(例えば、最小化されるまで)ことにより、EPEなどの費用関数を最適化することがある。実施形態によっては、EPEは、レジスト像中のコンター(例えば、マスクフィーチャに対応するコンター)上のポイントと、そのポイントの意図される位置(例えば、ターゲットフィーチャ上の制御ポイント)との間の距離である。
【0045】
[0071] 別の例では、プロセスP503は、1つ又は複数のターゲットフィーチャのシミュレート信号を低減する(例えば、最小化されるまで)ことにより、シミュレート信号などの費用関数を最適化することがある。実施形態によっては、シミュレート信号はレジスト像(又はエッチング像)から取得されることがあり、これは、マスクフィーチャの変更済デザインから取得されることがある、例えば、レジストモデル(又はエッチングモデル)を使用してシミュレートされることがある。
【0046】
[0072] 別の例では、プロセスP503は、MRC違反ペナルティを低減する(例えば、最小化されるまで)ことにより、MRC違反ペナルティなどの費用関数を最適化することがある。実施形態によっては、MRCは、生成することができるマスクパターンの複雑さを低減するための像正則化方法である。MRCは、マスク製造プロセス又は装置の制約条件を指す。ペナルティは、費用関数の一項であることがあり、これは、違反量、例えば、マスク測定値と所与のMRC又はマスクパラメータ(例えば、マスクパターンの幅と、許容される(例えば、最小又は最大の)マスクパターン幅)との間の差、に依存する。
【0047】
[0073] 別の例では、プロセスP503は、プロセスウィンドウを増加させる(例えば、最大化されるまで)ことにより、プロセスウィンドウなどの費用関数を最適化することがある。実施形態によっては、プロセスウィンドウを増加させることには、ドーズ値又は焦点値の範囲を増加させることが含まれる。実施形態によっては、パターニングプロセスのプロセスウィンドウは、マスクパターンを使用して基板にターゲットパターンをプリントするために使用されるリソグラフィ装置の、ドーズ及び焦点などの放射源パラメータの値の範囲を含む。
【0048】
[0074] 実施形態によっては、位置を調節するプロセスP503は反復的なプロセスであり、位置調節の反復は、指定された条件が満足されるまで行われる。指定された条件とは、所定の回数の反復が行われるか、又は費用関数が最適化されることであり得る。さらに、(例えば、1つ又は複数のマスクポイントの位置を調節することにより)反復毎に変更済デザインが更新され、最終反復の出力、例えば最終的な変更済デザインは、マスクパターンを製造するために使用されることがある。マスクパターンは、変更済デザインに対応するSRAFなど、追加の構造的フィーチャを有することがある。次いで、マスクパターンは、リソグラフィ装置を使用して変更済デザインを基板に転写するために使用されることがある。
【0049】
[0075] マスクフィーチャの初期デザインの最適化に関する更なる詳細については、少なくとも図5Cのプロセス575を参照して説明する。
【0050】
[0076] 図5Bは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの初期デザインを生成するための方法550のフローチャートである。実施形態によっては、プロセス550は、プロセス500のプロセスP501の一部として実施される。プロセスP505では、ターゲットパターン501が取得される。ターゲットパターン501は、図6Aのターゲットフィーチャ602などの1つ又は複数のターゲットフィーチャを含むことがある。図6Aは、様々な実施形態と整合性のある、制御ポイントを有するターゲットフィーチャ及び初期マスクポイントを示す。ターゲットフィーチャは、任意の形状、例えば、円、楕円、多角形等であり得る。例えば、ターゲットフィーチャ602は、長方形の形状をしている。プロセスP505を続けると、ターゲットフィーチャ602は、制御ポイント656及び制御ポイント662などの複数の制御ポイントと関連付けられている。実施形態によっては、制御ポイントは、ターゲットフィーチャ602を複数のセグメントに分割し、ターゲットフィーチャ602の辺上の1つ又は複数の制御ポイントをそれぞれのセグメントに配置することにより、ターゲットフィーチャ602と関連付けられる。図6Aの例では、制御ポイント656及び別の同様の制御ポイントは、ターゲットフィーチャ602の短辺の中間点に配置され、制御ポイント662を含む幾つかの制御ポイントは、ターゲットフィーチャ602の長辺に配置されている。実施形態によっては、ターゲットフィーチャ上の制御ポイントは、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の辺上のユーザ定義位置に配置されることがある。
【0051】
[0077] マスクポイント604及び606などの複数のマスクポイント503が、ターゲットフィーチャ602から導き出される。マスクポイント503は、ターゲットフィーチャ602に対応するマスクフィーチャのデザインを形成する一組のポイントである。マスクポイント503は、マスクフィーチャのデザインを形成するために、線(例えば、曲線又は直線)を使用して接続されることがある。実施形態によっては、マスクポイント503は、曲線を使用して接続されて、曲線デザインを形成する。実施形態によっては、ターゲットフィーチャ602からマスクポイント503を導き出すプロセスは、例えば、ターゲットフィーチャ602上の又はその近傍の、ユーザ定義位置でマスクポイント503を生成することを含む。図6Aに示すように、マスクポイント604などの幾つかのマスクポイントが、ターゲットフィーチャ602の辺上に位置し、マスクポイント606などの幾つかのマスクポイントが、ターゲットフィーチャ602の辺又は角の近くに位置する。マスクポイント503を、例えば、マスクポイントの位置を変更することにより、調節して、(少なくとも以下で図5Cを参照して説明するように)デザインを更新することがある。
【0052】
[0078] ポイントベースのOPCプロセスは、様々な方法で生成されたマスクフィーチャの初期デザインと共に開始することがある。例えば、マスクフィーチャの初期デザインは、例えば、(以下でさらに説明するように)ターゲットフィーチャ602から導き出されたマスクポイント503を使用することにより、ターゲットフィーチャ602から生成されることがある。別の例では、マスクフィーチャの入力デザイン502が、プロセスP505に提供されることがある。入力デザイン502は、別のOPCプロセスから取得されるか、又は別のOPCプロセスを使用して生成されることがある。そのようなOPCプロセスの例としては、機械学習フリーフォームOPC、CTMフリーフォームOPC、CTM+フリーフォームOPC、セグメントベースのOPC、インバースリソグラフィ技術(ILT)、機械学習(ML)ベースのOPC等が挙げられる。図6Bは、様々な実施形態と整合性のある、別のプロセスから得られたマスクフィーチャのデザインを示す。マスクフィーチャのデザイン654(例えば、入力デザイン502)は、上記のOPCプロセスのうちの1つを使用してターゲットフィーチャ602から生成されることがある。さらに、デザイン654は、曲線の形状をしていることがある。プロセスが入力デザイン502としてデザイン654を受け取る場合、マスクポイント503は、デザイン654から導き出される。例えば、マスクポイント503は、例えばデザイン654上の、ユーザ定義位置にある一組のポイントであり得る。
【0053】
[0079] プロセスP507では、マスクポイント503が制御ポイントと関連付けられて、複数の制御ポイント-マスクポイント関連付け507が生成される。例えば、第1の関連付けが、一組のマスクポイント658と制御ポイント656との間で生成される。この関連付けは、ユーザ定義入力に基づいて生成されることがある。例えば、ユーザは、制御ポイント656と関連付けられるべき一組のマスクポイント658を選択することがある。実施形態によっては、関連付けは、各制御ポイントが同じ数のマスクポイントと関連付けられるように生成される。例えば、図6Bに示すように、各制御ポイントは、3つのマスクポイントと関連付けられる(マスクポイントと制御ポイントとの間の関連付けは、マスクポイントと対応する制御ポイントを接続する辺を使用して示されている)。しかしながら、これは単なる例にすぎない。1つ又は複数のマスクポイントを各制御ポイントと関連付ける任意の他の適切な態様を、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができる。実施形態によっては、少なくとも以下で図5Cを参照して説明するように、制御ポイントと関連付けられた1つ又は複数のマスクポイントの位置を調節することにより、費用関数が制御ポイントにおいて最適化される。さらに、マスクポイントと制御ポイントとの間の関連付けは、少なくとも以下で図5Cを参照して説明するように、位置を調節するプロセス中に変更することができる。
【0054】
[0080] プロセスP509では、平滑化処理をマスクポイント503に施して、マスクフィーチャのデザイン509を生成する。実施形態によっては、平滑化処理は、曲線のあてはめを行うことを含むことがあり、これは、一連のデータポイントに最もあてはまる曲線を構築するプロセスである(例えば、制約を受ける)。曲線のあてはめは、データへの正確なあてはめが必要とされる補間か、又はデータに大まかにあてはまる「平滑」関数が構築される平滑化、のいずれかを含むことがある。図7は、様々な実施形態と整合性のある、平滑化処理をマスクポイントに施すプロセスを示す。図7では、平滑化処理をマスクポイント503(例えば、マスクポイント604及び606)に施して曲線パターン702(例えば、デザイン509)を生成している。
【0055】
[0081] プロセスP511では、摂動処理をデザイン509に施して拡大された(又は縮小された)デザイン511を生成しており、このデザインは、デザイン509の拡大(又は縮小)版である。実施形態によっては、摂動処理は、指定された方向(例えば、局所法線)に(例えば、指定された距離だけ)マスクポイントのそれぞれを移動させることにより、デザイン509を拡大(又は縮小)する。図8は、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの初期デザインの摂動版を示す。例えば、摂動処理を曲線パターン702(例えば、平滑化処理によって生成されたデザイン509)に施すことにより、曲線パターン702の拡大版802が生成される。拡大版802は、マスクフィーチャの初期デザイン511として、図5Cのデザイン最適化プロセスに入力されることがある。
【0056】
[0082] 図5Cは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャのデザインを最適化するためのプロセス575のフローダイヤグラムである。実施形態によっては、プロセス575は、プロセス500のプロセスP503の一部として実施される。プロセスP521では、初期デザイン511は入力として受け取られる。レジストモデル及びエッチングモデルなどのプロセスモデルを、初期デザインに適用して、シミュレート像(例えば、レジスト像又はエッチング像)を取得し、このシミュレート像を使用して費用関数521が計算される。実施形態によっては、費用関数521は、ターゲットフィーチャ602に関連付けられた制御ポイント毎に決定される。上記で説明したように、費用関数521は、EPE、シミュレート信号、プロセスウィンドウ等のうちの1つ又は複数であり得る。例えば、EPEなどの費用関数は、シミュレート像からマスクフィーチャのコンターを抽出し、このコンターをターゲットフィーチャ602と比較して制御ポイントでのEPEを取得することにより、シミュレート像を使用して決定されることがある。
【0057】
[0083] プロセスP523では、少なくとも部分的に費用関数521に基づいて、マスクポイント503の位置調節データ523が制御ポイント毎に決定される。実施形態によっては、位置調節データ523には、費用関数521を最適化する(例えば、EPEを低減又は最小化する)ために、制御ポイントに関連付けられた1つ又は複数のマスクポイントを移動しなければならない距離値及び勾配値が含まれることがある。例えば、制御ポイント656の位置調節データ523は、一組のマスクポイント658からの1つ又は複数のマスクポイントを制御ポイント656でのEPEを最小化するために移動しなければならない距離及び方向(例えば、デザインの局所法線などの方向又は他の方向)を示すことがある。位置調節データ523の決定にあたっては、制御ポイントと関連付けられたマスクポイントの現在位置及びターゲットフィーチャの幾何学的情報(例えば、形状)も考慮することがある。例えば、制御ポイント656の位置調節データ523の決定にあたっては、マスクポイント658の現在位置及びターゲットフィーチャ602の幾何学的情報(例えば、形状)を考慮することがある。
【0058】
[0084] プロセスP525では、各制御ポイントに関連付けられた1つ又は複数のマスクポイントの位置を位置調節データ523に基づいて調節して、費用関数521を最適化する。1つ又は複数のマスクポイントの位置を調節すると、例えば、図9に示すように、変更済デザイン525が生成される。
【0059】
[0085] 図9は、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの最適化済デザインを示す。初期デザイン511の1つ又は複数のマスクポイントの位置を調節すると、変更済デザイン902a(例えば、変更済デザイン525)が生成される。なお、図9は、制御ポイント656に関連した1つ又は複数のマスクポイント658を移動させることにより、制御ポイント656におけるEPEなどの費用関数521が、初期値から「3.5nm」に低減されることを示す。実施形態によっては、EPEは、変更済デザイン902aからシミュレート像(例えば、レジスト像又はエッチング像)を取得し、シミュレート像からコンター912aを抽出し、コンター912a上のポイントと制御ポイント656との間の距離を測定することにより、決定される。実施形態によっては、マスクポイントを調節する際に、プロセスは、デザインを複数の断片(例えば、弧状の断片)に分割し、その後デザインのそれらの断片に調節を施すことがある。例えば、複数のマスクポイントを、集合的に(例えば、首尾一貫して)又は個々に(例えば個別に)調節することがある。
【0060】
[0086] プロセスP527では、平滑化処理を変更済デザイン902aに施す。上記で説明したように、平滑化処理は、曲線のあてはめ処理であることがあり、この処理では、一連のデータポイント(例えば、調節されたマスクポイント)に最もよくあてはまる曲線を構築する。
【0061】
[0087] プロセスP529では、MRC処理を変更済デザイン902aに施して変更済デザイン902aをさらに更新し、変更済デザイン902aがマスク製造プロセス又は装置の制約条件(例えば、マスクデザイン幅が、許容される(例えば、最小又は最大の)マスクデザイン幅の範囲内であるなど)に確実に適合するようにする。
【0062】
[0088] 判定プロセスP531では、最適化条件が満たされたかどうかの判定が行われる。最適化条件が満たされている(例えば、費用関数521が最適化されたか、又は所定の回数の反復が行われた)場合、プロセス575は終了する。最適化条件が満たされていない場合、変更済デザイン902aをプロセスP521に入力し、プロセス575を繰り返して、マスクポイントを調節し別の変更済デザインを生成することにより、費用関数521をさらに最適化する。実施形態によっては、マスクフィーチャのデザイン(例えば、初期デザイン511又は変更済デザイン902a)を最適化するプロセス575は、反復プロセスであり、反復(例えば、上記のP521~P529のプロセスなどの)は、費用関数521が最適化されるまで、又は1つ若しくは複数のマスクポイントを調節することにより反復毎に変更済デザインを生成しながら、所定の回数の反復が行われるまで、繰り返される。何回かの反復の後、最終的な変更済マスクデザイン525が生成される。実施形態によっては、最終的な変更済デザイン525に関連付けられた費用関数521が最適化される。例えば、図9では、数回の反復の後、最終的な変更済デザイン902b(例えば、最終的な変更済デザイン525)が生成される。なお、制御ポイント656における最終的な変更済デザイン902bでの、EPEなどの費用関数521は「1.1nm」であり、これは、最初の反復における「3.5nm」のEPEよりも小さくなっている。即ち、EPEは、反復の回数が増加するにつれて低減される(例えば、費用関数521が最適化される)。実施形態によっては、「1.1nm」のEPEは、さらに最適化されないことがあり、従って、変更済デザイン902bは、ターゲットフィーチャ602に対応するマスクフィーチャの最終的な最適化済デザインとみなされることがある。実施形態によっては、EPEは、コンター912bを(例えば、上述のようなシミュレート像から)取得し、コンター912b上のポイントと制御ポイント656との間の距離を測定することにより、決定される。
【0063】
[0089] 実施形態によっては、数回の反復にわたって変更済デザイン525を最適化している間、マスクポイントと制御ポイントとの間の関連付けは、「固定」か又は「動的」のいずれかであり得る。例えば、固定モードでは、第1の組のマスクポイントが第1の反復において第1の制御ポイントと関連付けられている場合、第1の組のマスクポイントは、全ての反復において、第1の制御ポイントと関連付けられたままになる。動的モードでは、第1の組のマスクポイントが第1の反復において第1の制御ポイントと関連付けられている場合、第1の組のマスクポイントからの1つ又は複数のマスクポイントは、費用関数521を最適化するために、第2の反復において、第2の制御ポイントと関連付けられることがある。即ち、マスクポイントと制御ポイントとの間の既存の関連付けは解除され、新しい関連付けが確立されることがある。そのような動的な調節は、様々なシナリオにおいて役に立つ。例えば、変更済デザインがターゲットフィーチャの形状とは大きく異なるようになった場合(これは、変更済デザインをターゲットフィーチャと比較することにより判断されることがある)などである。このようにして、補正されるべきマスクポイントを理知的に選択することにより、制御ポイントでの費用関数521をより効果的に最適化することができる。
【0064】
[0090] 「ソフト」モードと呼ばれるさらに別の関連付けモードでは、マスクポイントと制御ポイントとの間に定義された関連付けが存在しないことがある。マスクポイントは、マスクポイントの特定の距離範囲内にある制御ポイントのそれぞれと関連付けられた費用関数521に基づいて調節されることがある。実施形態によっては、選択される関連付けの「ソフト」モードは、ターゲットフィーチャ602の幾何形状に依存することがある。例えば、マスクポイントの調節量は、マスクポイントと制御ポイントとの間の距離、及び、マスクポイントと制御ポイントを結ぶ直線とマスクポイントでの局所法線との間の角度、に依存することがある。
【0065】
[0091] 費用関数521を最適化する前述の説明は、EPEに関連して説明したが、シミュレート信号又はプロセスウィンドウなどの他の費用関数を使用することもできる。費用関数521がシミュレート信号である場合、プロセス575は、マスクポイントの位置を調節して、シミュレート信号を低減する(例えば、最小化されるまで)ことにより、シミュレート信号を最適化することがある。別の例では、費用関数521がプロセスウィンドウである場合、プロセス575はマスクポイントの位置を調節して、プロセスウィンドウを増加させる(例えば、最大化されるまで)ことにより、プロセスウィンドウを最適化することがある。さらに別の例では、費用関数521が、EPE及びプロセスウィンドウなどの1つ又は複数の指標の組み合わせである場合、プロセス575はマスクポイントの位置を調節して、EPEを低減し(例えば、最小化されるまで)且つプロセスウィンドウを増加させる(例えば、最大化されるまで)ことにより、EPE及びプロセスウィンドウを最適化することがある。実施形態によっては、シミュレート信号又はEPEなどの費用関数はローカル費用関数であり、例えば、制御ポイントに対してローカルな費用関数であり、一方、プロセスウィンドウなどの費用関数はグローバル費用関数であり、これは、全体的にみて1つ又は複数のターゲットフィーチャに関係している。実施形態によっては、ローカル費用関数とグローバル費用関数の両方を最適化する際に競合が生じることがあり、この場合、最適化は、妥協を介して達成される(例えば、1つ又は複数のローカル費用関数が最適化されないことがある一方で、他のローカル費用関数又はグローバル費用が最適化されることがある、又はその逆も同様)。例えば、ある制御ポイントでのシミュレート信号又はEPEが、別の制御ポイント、例えば隣接する制御ポイントでのシミュレート信号又はEPEによって影響を受ける場合、両方のローカル費用関数は同時に最適化されないことがあり、妥協した最適化が採用されることがある、例えば、それらのうちの一方が最適化されることがあるか、又は一方が他方に影響を与えない範囲で両方が最適化される(例えば、EPEが低減されるが最小化はされない)ことがある。
【0066】
[0092] 前述の説明は単一のマスクフィーチャのデザインの最適化について説明しているが、マスクパターンは、ターゲットパターン中の複数のターゲットフィーチャに対応する、複数のそのようなマスクフィーチャを有することがある。ポイントベースの最適化プロセス(例えば、プロセス500)を、マスクパターン中の全てのマスクフィーチャに対して実施して、対応するマスクフィーチャの最適化されたデザインを生成することがある。次いで、最適化されたデザイン902bなどの、マスクフィーチャの最適化されたデザインを有するマスクパターンを、マスクパターンを基板に転写する際に使用されることがあるマスクの製造において使用することができる。
【0067】
[0093] マスクフィーチャのデザイン生成又は最適化のポイントベースの最適化プロセスは、様々な用途で使用することができる。図10A図10Dは、様々な実施形態と整合性のある、デザイン最適化プロセスの様々な適用例を示す。図10Aは、図示された正方形などのターゲットフィーチャ(例えば、ターゲットフィーチャ1001)に対してマスクフィーチャの最適化済デザイン(例えば、最適化済デザイン1002)を生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。図10Bは、円及び楕円などのターゲットフィーチャ(例えば、ターゲットフィーチャ1007)に対してマスクフィーチャの最適化済デザイン(例えば、最適化済デザイン1008)を生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。図10Cは、斜めのパターンなどのーゲットフィーチャに対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する、ポイントベースの最適化プロセスの適用例を示す。図10Cでは、ポイントベースの最適化プロセスは、主要フィーチャ(例えば、ターゲットフィーチャ)及びSRAFなどの、異なるタイプのマスクフィーチャを分離しない、即ち、最適化済デザインは、主要フィーチャ及びSRAFの両方に対して生成される。例えば、マスクパターン1003は、主要フィーチャ(例えば、ターゲットフィーチャ)及びSRAFに対応するマスクフィーチャを含む。ポイントベースの最適化プロセスは、ターゲットフィーチャ1005に対応するマスクフィーチャの最適化済デザイン1010を生成する。図10Dでは、ポイントベースの最適化プロセスは、異なるタイプのマスクフィーチャを分離し、SRAFではなく主要フィーチャに対してマスクフィーチャの最適化済デザインを生成する。例えば、マスクパターン1017は、主要フィーチャ(例えば、ターゲットフィーチャ)とSRAFの両方に対応するマスクフィーチャを含む。ポイントベースの最適化プロセスは、ターゲットフィーチャ1020に対応するマスクフィーチャの最適化済デザイン1025を生成する。
【0068】
[0094] ポイントベースの最適化プロセスは、ターゲットフィーチャからマスクフィーチャの初期デザインを生成し、初期デザインを最適化することができ、また、ポイントベースの最適化プロセスを使用して、フリーフォームプロセスなどの他のOPCプロセスによって生成されたマスクフィーチャのデザインを改良することもできる。図10C及び図10Dの例では、マスクフィーチャの初期デザインが、フリーフォームプロセスを使用して生成され、これらの初期デザインは、次いで、それらを最適化済デザイン1010及び1025へと最適化するために、ポイントベースの最適化プロセスに入力される。
【0069】
[0095] 実施形態によっては、ポイントベースの最適化プロセスは、他のOPCプロセスよりも効率的である。例えば、ポイントベースの最適化プロセスは、他のプロセスよりもより少ない回数の反復で費用関数を最適化することができ、それによって、最適化済デザインを生成する際に消費されるコンピュータ資源、例えば、プロセッサ実行時間及びメモリなどを、最小限に抑えることができる。別の例では、ポイントベースの最適化プロセスは、他のプロセスよりもより少ないコンピュータ資源、例えばプロセッサ実行時間及びメモリなどを消費しながら、他のOPCプロセスと比較してより優れた費用関数の最適化を達成する。
【0070】
[0096] 実施形態によっては、他のOPCプロセスと組み合わせてポイントベースの最適化プロセスを使用することは、ポイントベースの最適化プロセスなしで他のOPCプロセスを使用する場合よりも、より効率的である。即ち、初期デザインを他のOPCプロセスを使用して生成し、次いでこれをポイントベースの最適化プロセスを使用して最適化することで、いっそうの効率化が達成される。例えば、ポイントベースの最適化プロセスは、他のプロセスがポイントベースの最適化プロセスを使用せずに最適化済デザインを生成する際に消費するよりも、より少ないコンピュータ資源、例えばプロセッサ実行時間及びメモリなどを消費することにより、初期デザインから最適化済デザインを生成することができる。さらに、ポイントベースの最適化プロセスは、他のOPCプロセスがポイントベースの最適化プロセスを使用せずに達成する最適化と比べて、より優れた費用関数の最適化を達成することがある。
【0071】
[0097] 実施形態によっては、ポイントベースの最適化プロセスは、マスクポイントの位置をリソグラフィ装置の放射源と一緒に最適化してプロセスウィンドウを最適化することにより、放射源マスク最適化(SMO)フローに組み込むことができる。例えば、SMOの各反復において、移動される各マスクポイントの方向及び移動量は、同じSMOの反復においてやはり最適化される放射源の形状に依存することがある。次いで、SMOからのマスク出力は、(例えば、平滑化処理を使用して)滑らかに接続された最適化済マスクポイントから構成される。
【0072】
[0098] 図11は、本明細書で開示する方法、フロー、又は装置の実装を支援することができるコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、バス102又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを含む。コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、プロセッサ104によって実行される情報及び命令を保存するためにバス102に結合されたメインメモリ106も含む。メインメモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を保存するためにも使用されてもよい。コンピュータシステム100は、リードオンリーメモリ(ROM)108、又はプロセッサ104のための静的情報及び命令を保存するためにバス102に結合された他の静的ストレージデバイスをさらに含む。情報及び命令を保存するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス110が設けられると共に、バス102に結合される。
【0073】
[0099] コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114が、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ112上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
【0074】
[00100] ある実施形態によれば、本明細書における1つ又は複数の方法の部分は、メインメモリ106に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって行われてもよい。このような命令は、ストレージデバイス110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に本明細書に記載のプロセスステップを行わせる。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられてもよい。ある代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と一緒に、ハードワイヤード回路が用いられてもよい。従って、本明細書の記載は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0075】
[00101] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス110などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バス102を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態もとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができるその他の媒体を含む。
【0076】
[00102] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ104に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス102にのせることができる。バス102は、データをメインメモリ106に搬送し、そこからプロセッサ104が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ106によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ104による実行の前又は後に、ストレージデバイス110に保存されてもよい。
【0077】
[00103] コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118も含み得る。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されたネットワークリンク120に結合する双方向データ通信も提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実施されてもよい。このような実施において、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送信及び受信を行う。
【0078】
[00104] ネットワークリンク120は、一般的に、1つ又は複数のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を通して、ホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126によって操作されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、次に、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」128と呼ばれる)によるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100に対して、及びコンピュータシステム100からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、及びネットワークリンク120上の、及び通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の形態例である。
【0079】
[00105] コンピュータシステム100は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を通して、メッセージを送信すること、及びプログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネット例では、サーバ130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされたあるアプリケーションは、本明細書における方法の全て又は一部を提供することができる。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ104によって実行されてもよく、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス110又は他の不揮発性ストレージに保存されてもよい。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形態のアプリケーションコードを取得してもよい。
【0080】
[00106] 図12は、本明細書に記載する技術と組み合わせて利用することができる例示的リソグラフィ投影装置を模式的に描く。この装置は、以下を含む:
-放射ビームBを調節するための照明システムIL。この特定のケースでは、照明システムは、放射源SOも含む;
-パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを備え、且つアイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続された第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MT;
-基板W(例えば、レジストコートシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、且つアイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続された第2のオブジェクトテーブル(基板テーブル)WT;
-パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像する投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型光学システム)。
【0081】
[00107] 本明細書で描かれるように、本装置は、透過型(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)である。しかし一般に、それは、例えば反射型(反射型パターニングデバイスを有する)でもよい。本装置は、従来のマスクとは異なる種類のパターニングデバイスを用いてもよく、例には、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
【0082】
[00108] ソースSO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUVソース)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに対して、そのまま、又は例えばビームエキスパンダExなどの調節手段を横断した後に、供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含み得る。さらにそれは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
【0083】
[00109] 図12に関して、ソースSOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内に位置してもよいが(大抵の場合、ソースSOが、例えば水銀ランプのとき)、リソグラフィ投影装置から離れた位置にあり、それが生成する放射ビームが装置内に導き入れられてもよい(例えば、適宜の誘導ミラーを用いて)ことに留意されたい。この後者のシナリオは、ソースSOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づく)であるケースが多い。
【0084】
[00110] 続いて、ビームBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差する。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過する。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、図12には明示的に描かれない、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現される。但しステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0085】
[00111] 描かれたツールは、2つの異なるモードで使用され得る:
-ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは、基本的に静止したままであり、及びパターニングデバイス像全体が、一回(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。次いで、異なるターゲット部分CがビームBによって照射され得るように、基板テーブルWTが、x及び/又はy方向にシフトされる;
-スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが、単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオがあてはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBがパターニングデバイス像上をスキャンさせられるように、速度vで、所与の方向(いわゆる「スキャン方向」、例えば、y方向)に移動可能である。並行して、基板テーブルWTが、速度V=Mv(Mは、レンズPLの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ又は反対方向に同時に移動される。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光させることができる。
【0086】
[00112] 図13は、本明細書に記載される技術と共に利用することができる別の例示的リソグラフィ投影装置1000を模式的に示す。
【0087】
[00113] リソグラフィ投影装置1000は、以下を含む:
- ソースコレクタモジュールSO
- 放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL
- パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、且つパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT
- 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、且つ基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT、及び
- パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射型投影システム)PS。
【0088】
[00114] ここに描かれているように、装置1000は、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを用いる)である。ほとんどの材料が、EUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、マルチスタックリフレクタは、各層の厚さが4分の1波長である、モリブデン及びシリコンの40層ペアを有する。さらに小さな波長が、X線リソグラフィを用いて生成され得る。ほとんどの材料が、EUV及びx線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターン付き吸収材料(例えば、多層リフレクタ上のTaNアブゾーバ)は、どこにフィーチャが印刷され(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)を定義する。
【0089】
[00115] 図13を参照すると、イルミネータILが、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射(EUV)ビームを受ける。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲において1つ又は複数の輝線を備えた少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム、又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、プラズマは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成され得る。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(図13では不図示)を含むEUV放射システムの一部でもよい。その結果生じるプラズマが、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、別個のエンティティでもよい。
【0090】
[00116] このようなケースでは、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、及び放射ビームは、例えば、適宜の誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールへと渡される。他のケースでは、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、ソースは、ソースコレクタモジュールの一体化部分でもよい。
【0091】
[00117] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が、調節され得る。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して、断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整することができる。
【0092】
[00118] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、及びパターニングデバイスによってパターン付けされる。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0093】
[00119] 描かれた装置1000は、以下のモードの少なくとも1つで使用され得る:
1.ステップモードでは、放射ビームに付与されたパターン全体が、一回でターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止したままである(すなわち、単一静的露光)。次いで、異なるターゲット部分Cが露光され得るように、基板テーブルWTが、X及び/又はY方向にシフトされる。
2.スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特性によって決定され得る。
3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、且つ基板テーブルWTは、移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、及びプログラマブルパターニングデバイスが、基板テーブルWTの各移動後に、又はスキャン中の連続する放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0094】
[00120] 図14は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含む装置1000をより詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように、構築及び配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、超高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気)によって生成され得る。超高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。Xe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適宜のガス若しくは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされ得る。ある実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマは、EUV放射を生成するために提供される。
【0095】
[00121] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口内、又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、コレクタチャンバ212内へと渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリア及びチャネル構造の組み合わせも含み得る。本明細書にさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当該技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
【0096】
[00122] コレクタチャンバ211は、いわゆる斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240に反射して、一点鎖線「O」によって示される光軸に沿った仮想光源点IFに焦点を合わせることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、及びソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0097】
[00123] 続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を包含し得る照明システムILを横断する。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、及びパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
【0098】
[00124] 一般に、図示されるよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在し得る。格子スペクトルフィルタ240が、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に存在してもよい。さらに、図面に示されるミラーよりも多くのミラーが存在してもよく、例えば、図12に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が、投影システムPSに存在してもよい。
【0099】
[00125] 図12に示されるようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれる。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置され、及びこのタイプのコレクタ系COは、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用され得る。
【0100】
[00126] 代替的に、ソースコレクタモジュールSOは、図15に示すように、LPP放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に堆積させ、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を生成するように配置される。脱励起及びこれらのイオンの再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、及び閉鎖構造220の開口221上に焦点が合わせられる。
【0101】
[00127] 少なくとも図5A図10Dを参照して上述したように、「全角度OPC」技術は、ターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応するマスクフィーチャの曲線パターンを生成する。曲線パターンは、費用関数が最適化されるまで、入力マスクフィーチャ又は対応するターゲットフィーチャから導出され得るマスクポイントを調節することにより生成される。実施形態によっては、「全角度OPC」技術は、マスクフィーチャに対して、非曲線デザイン(例えば、パターンのセグメント又は直線と水平軸との間の角度が、45*n度又は90*n度(但しnは整数)である多角形パターン)、又はハイブリッドデザイン(例えば、部分的に曲線で部分的に多角形のデザイン)を生成することがある。さらに、そのようなデザインは、(a)ターゲットフィーチャに対応する主要フィーチャ、又は(b)SRAF、であり得るマスクフィーチャに対して生成されることがある。なお、本開示で使用される「多角形デザイン」又は「多角形パターン」という用語は、パターンのセグメント又は直線と水平軸との間の角度が、45*n度又は90*n度(但しnは整数)であるパターンを指す。実施形態によっては、多角形パターンは、最終的なデザイン(例えば、最終的な変更済デザイン525又は902b)の2つの直線間の角度が45*n度又は90*n度となるようにマスクポイントを調節することにより、少なくとも図5A図5Cを参照して説明した方法を使用して、生成されることがある。例えば、少なくとも図5Bを参照して説明した平滑化処理又は少なくとも図5Cを参照して説明した費用関数521(これは、マスクポイントの位置調節データを決定するために使用される)を適合して、マスクフィーチャの曲線デザインの代わりに多角形デザイン又はハイブリッドデザインを生成することがある。
【0102】
[00128] 生成されるデザインの種類(例えば、曲線、多角形、又はハイブリッド)は、1つ又は複数のパラメータに基づいて決定されることがある。実施形態によっては、マスクフィーチャは、ユーザの好みに基づいて、多角形デザイン又はハイブリッドデザインとして生成されることがある。例えば、ユーザは、曲線デザインの代わりに多角形デザイン又はハイブリッドデザインとしてマスクフィーチャを生成することを選択して、曲線デザインを有するパターニングデバイスを製造する場合の複雑さを最小限に抑えることができる。実施形態によっては、マスクフィーチャを多角形デザイン又はハイブリッドデザインとして生成して、曲線デザインで達成され得る場合よりもより良好に費用関数(例えば、EPE、MRC違反ペナルティ)を最適化することがある。例えば、マスクフィーチャが曲線デザインを使用して生成された場合、EPEなどの費用関数は、第1の値まで低減されることがあるが、マスクフィーチャが多角形デザイン又はハイブリッドデザインを用いて生成された場合には、さらに第2の値(第2の値<第1の値)まで低減されることがある。実施形態によっては、ターゲットパターンが密な配置のターゲットフィーチャを有する場合、マスクフィーチャは、多角形デザイン又はハイブリッドデザインとして生成されることがあり、曲線デザインを生成すると、マスクフィーチャサイズ、幅、2つのマスクフィーチャ間の距離、又は他のMRC制約などの、1つ又は複数のMRC制約に違反することがある。例えば、2つのマスクフィーチャ間の距離は、マスクフィーチャが曲線デザインとして生成された場合には、最小距離閾値よりも小さくなることがあるが、マスクフィーチャが多角形デザイン又はハイブリッドデザインとして生成された場合には、最小距離閾値以上になることがある。実施形態によっては、マスクフィーチャは、ターゲットフィーチャの特定の部分に対しては曲線デザインとして生成され、ターゲットフィーチャの他の部分に対しては多角形デザインとして生成されることがある。例えば、マスクフィーチャは、(図17に示すように)、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の頂点又は線端の近くのターゲットフィーチャの部分に対しては曲線デザインとして生成され、ターゲットフィーチャの残りの部分に対しては多角形デザインとして生成されることがある。実施形態によっては、マスクフィーチャは、曲線デザインを生成する際に消費されるコンピュータ資源を最小限に抑えるために、曲線デザインの代わりに多角形デザイン又はハイブリッドデザインとして生成されることがある。
【0103】
[00129] 図16Aは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザインを示す。ターゲットフィーチャ1602に対応するマスクフィーチャ1604は、曲線デザインとして生成される。実施形態によっては、マスクフィーチャ1604は、図9の変更済デザイン902bに似ており、ターゲットフィーチャ1602は、ターゲットフィーチャ602に似ている。
【0104】
[00130] 図16Bは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの多角形デザインを示す。ターゲットフィーチャ1602に対応するマスクフィーチャ1606は、多角形デザイン(例えば、直線を使用して構築されたデザイン)として生成される。実施形態によっては、マスクフィーチャ1606は、少なくとも図5A図10Dを参照して説明した方法に類似した方法で生成されるが、マスクフィーチャ1606は、曲線パターンではなく多角形として生成される点が異なる。
【0105】
[00131] 図16Cは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザイン及び多角形デザインを示す。ターゲットフィーチャ1602に対応するマスクフィーチャ1604は、曲線デザインとして生成される。SRAFに対応するマスクフィーチャ1614は、多角形デザインとして生成される。
【0106】
[00132] 図16Dは、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャの曲線デザイン及び多角形デザインを示す。ターゲットフィーチャ1602に対応するマスクフィーチャ1606は多角形デザインとして生成され、一方、SRAFに対応するマスクフィーチャ1616は曲線デザインとして生成される。
【0107】
[00133] 図17は、様々な実施形態と整合性のある、マスクフィーチャのハイブリッドデザインを示す。ターゲットフィーチャ1702に対応するマスクフィーチャ1704はハイブリッドデザインとして生成され、このデザインでは、第1の部分1706は多角形デザインとして生成され、第2の部分1708(例えば、ターゲットフィーチャ1702の頂点の近く)は曲線デザインとして生成される。実施形態によっては、マスクフィーチャ1704は、図9の変更済デザイン902bに似ており(マスクフィーチャ1704は多角形及び曲線のパターンとして生成される点が異なる)、ターゲットフィーチャ1702はターゲットフィーチャ602に似ている。
【0108】
[00134] 図16C及び図16Dは、図16Cにおける主要マスクフィーチャ1604の曲線デザイン及びSRAFマスクフィーチャ1614の多角形デザイン、並びに、図16Dにおける主要マスクフィーチャ1606の多角形デザイン及びSRAFマスクフィーチャ1616の曲線デザインなどの、マスクフィーチャのデザインの特定の組み合わせを示しているが、様々な他の組み合わせも可能である。例えば、主要マスクフィーチャとSRAFマスクフィーチャの両方が、同じデザインのものであり得る。別の例では、主要マスクフィーチャのデザインは、SRAFマスクフィーチャのデザインとは異なっていることがある。さらに別の例では、SRAFマスクフィーチャは生成されないことがある。
【0109】
[00135] 図18は、様々な実施形態と整合性のある、図5Aで説明した「全角度OPC」を実施するためのフローダイヤグラムを示す。
【0110】
[00136] プロセスP1801では、ターゲットパターンに対応するターゲット像である、複数のクリップ1801をCTMエンジンに入力して、クリップ1801に対してOPCを実施し、CTM又はCTM+マスク像1802を生成する。実施形態によっては、CTMエンジンは、クリップ1801に対して複数段階のCTM及びCTM+を実施して、最適化済OPC結果としてマスク像1802を取得することがある。マスク像1802は、主要フィーチャとSRAFの両方を含むことがある。マスク像1802を、任意の所与のターゲットパターンのマスクパターン(例えば、ポストOPC)を生成するための機械学習(ML)モデル1805をトレーニングするためのグラウンドトゥルースとして使用することがある。
【0111】
[00137] プロセスP1802では、MLモデル1805をトレーニングするためのトレーニングデータセットとして、クリップ1801及びマスク像1802をMLモデル1805に提供する。実施形態によっては、MLモデル1805のトレーニングは反復プロセスであることがあり、各反復には、予測されるマスクパターン(例えば、MLモデル1805によって生成されたマスクパターン)とMLモデル1805に入力されたマスク像との差を示す費用関数を決定することと、MLモデル1805のパラメータを調節して費用関数を最小化することと、が含まれることがある。MLモデル1805は、費用関数が最小化された(例えば、予測されるマスクパターンと入力マスク像との差が閾値を下回る)場合、トレーニングされたとみなされる。MLモデル1805が十分にトレーニングされた後、MLモデル1805を使用して、任意の所与のターゲットパターンのマスクパターンを生成することができる。
【0112】
[00138] ターゲットパターンのターゲット像1803をトレーニング済MLモデル1805に入力して、そのターゲットパターンのマスクパターン1804を取得する。実施形態によっては、MLモデル1805によって生成されたマスクパターン1804は最適化されていないことがある(例えば、EPEが最適化されていないことがある)。
【0113】
[00139] プロセスP1803では、マスクパターン1804を、全角度OPC方法(例えば、少なくとも図5A図5Cを参照して説明したような)を実施する全角度OPCモジュールに入力してマスクパターン1804を改良し、改良されたマスクパターン1807を生成する。実施形態によっては、改良されたマスクパターン1807は、図5Cの最終的な変更済マスクデザイン525に似ている。実施形態によっては、改良されたマスクパターン1807は、最適化されていることがある(例えば、EPEが最適化されていることがある)。さらに、マスクパターン1807は、曲線、多角形、又はハイブリッドのデザインを有することがある。
【0114】
[00140] 実施形態によっては、全角度OPCはマスクパターンに関連付けられたマスクポイントを調節することによりマスクパターンを生成するのに対し、フリーフォームOPCはデザインレイアウトに対応する像内のピクセル値を調節することによりマスクパターンを生成するという点で、全角度OPC技術はフリーフォームOPCとは異なる。さらに、従来のセグメントベースのOPC方法では、セグメントの角度は保存される(例えば、セグメントは45*n度(但しnは整数)を有するように制限される)が、マスクパターンを調節するために使用されるマスクポイントの数は保存されないことがある。対照的に、全角度OPC技術では、マスクポイントの数又はマスクパターンのセグメント間の角度のいずれも調節プロセス中に保存されないことがある、というのも、調節プロセス中にマスクポイントが追加されたり又は削除されたりすることがあり、セグメント間の角度は任意の角度(例えば、曲線デザインの場合には「0」~「360」度、多角形デザインの場合には45*n又は90*n度など、任意の角度)になり得るからである。さらに、全角度OPC技術では、マスクパターンの辺セグメントが、そのセグメントの法線方向に沿って調節されるセグメントベースのOPC方法とは対照的に、マスクポイントを任意の方向に移動することができる。
【0115】
[00141] 実施形態によっては、全角度OPC技術は、マスクパターンを生成する際に他のOPC技術と組み合わされることがある。各技術を使用して、マスクパターンの異なるマスクフィーチャ又はマスクフィーチャの異なる部分を生成することができ、各技術を使用して、多角形デザイン又は曲線デザインを生成することができる。例えば、図16Dに示すターゲットフィーチャ1602の場合、セグメントベースのOPC又は像ベースのOPC技術を使用して、マスクフィーチャ1606を生成することができ、全角度OPC技術を使用してマスクフィーチャ1616を生成することができる。
【0116】
[00142] 本明細書では、ICの製造について具体的に言及していることがあるが、本明細書の説明には、他の多数の可能な用途があることが、明確に理解されるべきである。例えば、本明細書の説明は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いることができる。当業者であれば、そのような代替の用途という文脈において、本明細書での「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というより一般的な用語と交換可能であるとみなされるべきである、ということを理解するであろう。
【0117】
[00143] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線、例えば、約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含めて、全てのタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0118】
[00144] 本明細書に開示する概念は、サブ波長フィーチャを結像するための一般的結像システムのシミュレーション又は数学的モデル化を行うことができ、及び特に、より短い長さの波長を生成することが可能な新しい結像技術にとって有用となり得る。既に使用されている新しい技術には、ArFレーザを使用して193nmの波長、及びフッ素レーザを使用して157nmの波長さえ生成可能な、EUV(極端紫外線)リソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内で光子を生成するために、シンクロトロンを使用することによって、又は材料(固体又はプラズマ)に高エネルギー電子をぶつけることによって、この範囲内の波長を生成することが可能である。
【0119】
[00145] 本明細書に開示する概念は、シリコンウェーハなどの基板上の結像のために使用され得るが、開示した概念は、あらゆるタイプのリソグラフィ結像システム(例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の結像に使用されるもの)に使用され得ることが理解されるものとする。
【0120】
[00146] 本明細書で使用される「最適化する」及び「最適化」という用語は、成果物及び/又はプロセスがより望ましい特徴、例えば基板へのデザインパターンのより高精度な投影、より大きなプロセスウィンドウなど、を有するように、パターニング装置(例えば、リソグラフィ装置)、パターニングプロセス等を調節することを指すか又は意味する。従って、本明細書で使用される「最適化する」及び「最適化」という用語は、少なくとも1つの関連する指標において、1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値の初期の組と比べて、改善(例えば、局所最適)をもたらす、その1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を特定するプロセスを指すか又は意味する。「最適」及び他の関連用語は、これに応じて解釈されるべきである。一実施形態では、最適化ステップを反復して適用して、1つ又は複数の指標において更なる改善をもたらすことができる。
【0121】
[00147] 本発明の態様は、任意の便利な形式で実施することができる。例えば、実施形態は、有形のキャリア媒体(例えば、ディスク)又は無形のキャリア媒体(例えば、通信信号)であり得る適切なキャリア媒体で運ぶことができる、1つ又は複数の適切なコンピュータプログラムによって、実装されることがある。本発明の実施形態は、特に、本明細書に記載するような方法を実施するように構成されたコンピュータプログラムを実行するプログラム可能コンピュータの形態を取ることがある、適切な装置を使用して実施されることがある。従って、本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されることがある。本開示の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサが読み取り及び実行することができる、機械可読媒体上に記憶された命令として、実装されることもある。機械可読媒体は、情報を、機械(例えば、コンピュータデバイス)が読み取り可能な形式で記憶又は伝送するための、任意のメカニズムを含むことがある。例えば、機械可読媒体には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的、又は他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外信号、デジタル信号等)などが含まれることがある。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、本明細書では、特定の動作を行うものとして説明されることがある。しかしながら、そのような説明は、単に便宜上のものであり、そのような動作は実際には、それらのファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行するコンピュータデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0122】
[00148] 本開示の実施形態については、以下の条項によってさらに説明することができる。
1.コンピュータによって実行されると、コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、この方法は、
マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは、基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに関連付けられていることと、
マスクポイントの位置を調節して、調節済マスクポイントに基づいてマスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
2.マスクポイントの位置を調節することは、反復プロセスであり、各反復は、
光近接効果補正プロセス又は放射源マスク最適化プロセスに関連付けられた費用関数を決定することと、
ターゲットフィーチャ上の制御ポイント毎に、費用関数に基づいてマスクポイントの位置データを決定することと、
費用関数を最適化するために、位置データに基づいてマスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することであって、調節することは、変更済デザインを更新することを含むことと、を含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
3.費用関数は、エッジ配置誤差又はシミュレート信号を含み、費用関数を最適化することは、費用関数を低減することを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
4.費用関数を決定することは、
変更済デザインを用いてシミュレーションを実施してシミュレート像を取得することであって、シミュレート像はレジスト像又はエッチング像を含むことと、
シミュレート像からコンターを抽出することと、
費用関数として制御ポイント毎にコンター及びターゲットフィーチャに基づいてエッジ配置誤差を決定することと、を含む、条項3に記載のコンピュータ可読媒体。
5.マスクポイントの位置を調節することは、エッジ配置誤差が最小化されるまで複数回の反復を実施することを含む、条項4に記載のコンピュータ可読媒体。
6.費用関数を決定することは、
変更済デザインを用いてシミュレーションを実施して、シミュレート信号としてレジスト像信号又はエッチング像信号を取得することと、
制御ポイント毎にシミュレート信号を決定することと、を含む、条項3に記載のコンピュータ可読媒体。
7.マスクポイントの位置を調節することは、シミュレート信号が最小化されるまで複数回の反復を実施することを含む、条項6に記載のコンピュータ可読媒体。
8.費用関数は、変更済デザインを基板上にプリントするためのパターニングプロセスのプロセスウィンドウを含み、費用関数を最適化することはプロセスウィンドウを増加させることを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
9.費用関数を決定することは、
変更済デザインを用いてシミュレーションを実施してシミュレート像を取得することであって、シミュレート像はレジスト像又はエッチング像を含むことと、
シミュレート像を使用してプロセスウィンドウを取得することであって、プロセスウィンドウは、変更済デザインを使用して基板上にプリントされるターゲットパターンが所定の仕様を満足するための焦点及びドーズ値の範囲を含むことと、を含む、条項8に記載のコンピュータ可読媒体。
10.マスクポイントの位置を調節することは、プロセスウィンドウが最大化されるまで複数回の反復を実施することを含む、条項9に記載のコンピュータ可読媒体。
11.費用関数は、エッジ配置誤差、シミュレート信号、プロセスウィンドウ、又はマスクルールチェック違反ペナルティのうちの少なくとも1つを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
12.マスクポイントを取得することは、
ターゲットフィーチャからマスクポイントを導出することを含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
13.マスクポイントの位置を調節することは、
マスクポイントをターゲットフィーチャ上の制御ポイントに関連付けて、第1の組のマスクポイントと第1の制御ポイントとの間の第1の関連付け、及び第2の組のマスクポイントと第2の制御ポイントとの間の第2の関連付けを生成することを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
14.マスクポイントの位置を調節することは、
変更済デザインとターゲットフィーチャとの比較に基づいて、マスクポイントと制御ポイントとの間の関連付けを変更することを含む、条項13に記載のコンピュータ可読媒体。
15.ターゲットフィーチャ上の各制御ポイントは、各反復中に同じ組のマスクポイントと関連付けられる、条項13に記載のコンピュータ可読媒体。
16.ターゲットフィーチャ上の1つ又は複数の制御ポイントは、少なくとも2回の反復中に異なる組のマスクポイントと関連付けられる、条項13に記載のコンピュータ可読媒体。
17.マスクポイントを取得することは、
マスクポイントに平滑化処理を施すことであって、平滑化処理は、曲線のあてはめを行ってマスクポイントを曲線でつないで、第1の曲線パターンとしてデザインを生成すること、を含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
18.デザインに対して像摂動を実施して、そのデザインの拡大版を生成することをさらに含む、条項17に記載のコンピュータ可読媒体。
19.マスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することは、一組のマスクポイントをまとめて調節することを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
20.1つ又は複数のマスクポイントの位置を調節することは、マスクポイントを個別に調節することを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
21.各マスクポイントの位置データは、勾配値及び距離値であって、対応するマスクポイントの位置調節が、その対応するマスクポイントが関連付けられている制御ポイントに関係してその勾配値及び距離値だけ実施される、勾配値及び距離値を含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
22.変更済デザインに平滑化処理を施すことをさらに含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
23.変更済デザインに対してマスクルールチェック処理を施して、マスクルールチェック制約を満足することをさらに含む、条項22に記載のコンピュータ可読媒体。
24.マスクポイントの位置を調節して変更済デザインを生成することは、所定の回数の反復を実施することを含む、条項2に記載のコンピュータ可読媒体。
25.デザインを取得することは、
ターゲットフィーチャからデザインを生成するプロセスからデザインを取得することを含み、このプロセスは、機械学習(ML)ベースの光近接効果補正(OPC)、連続透過マスク(CTM)フリーフォームOPC、CTM+フリーフォームOPC、セグメントベースOPC、又はインバースリソグラフィ技術、のうちの1つ又は複数を含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
26.マスクフィーチャは、サブレゾリューションアシストフィーチャである、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
27.変更済デザインを使用してパターニングステップを実施して、パターニングプロセスを介して基板上にパターンをプリントすることをさらに含む、条項1~26のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
28.変更済デザインに対応する構造的フィーチャを含むパターニングデバイスを製造することをさらに含む、条項1~27のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
29.リソグラフィ装置を介して、パターニングデバイスの変更済デザインを基板に転写することをさらに含む、条項28に記載のコンピュータ可読媒体。
30.コンピュータによって実行されると、コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、この方法は、
マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは、基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、
プロセスウィンドウを増加させるためにマスクポイントの位置を調節することであって、プロセスウィンドウは、ターゲットパターンを基板上にプリントするためのパターニングプロセスに関連付けられており、調節することは、調節済位置に基づいて変更済デザインを生成することを含むことと、を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
31.位置を調節することは、反復プロセスであり、各反復は、
変更済デザインに基づいてプロセスウィンドウを取得することであって、プロセスウィンドウは、変更済デザインを使用してターゲットパターンを基板上にプリントするためのパターニングプロセスの少なくとも1つのパラメータの値の範囲を含むことと、
マスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節して1つ又は複数のパラメータの値の範囲を増加させることであって、調節することは、変更済デザインを更新することを含むことと、を含む、条項30に記載のコンピュータ可読媒体。
32.少なくとも1つのパラメータは、ターゲットパターンを基板上にプリントするのに使用されるリソグラフィ装置に関連付けられたドーズ又は焦点のうちの少なくとも1つを含む、条項31に記載のコンピュータ可読媒体。
33.コンピュータによって実行されると、コンピュータにパターニングデバイスのデザインを改良するための方法を実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、この方法は、
基板上にプリントされるターゲットパターン、及びターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応するマスクフィーチャのデザインを取得することと、
デザインのマスクポイントを導出することと、
費用関数に基づいてマスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することにより、デザインを反復して更新することであって、更新することは、マスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
34.デザインを取得することは、
ターゲットパターンからデザインを生成するプロセスからデザインを取得することを含み、このプロセスは、機械学習(ML)ベースの光近接効果補正(OPC)、連続透過マスク(CTM)フリーフォームOPC、CTM+フリーフォームOPC、セグメントベースOPC、又はインバースリソグラフィ技術、のうちの1つ又は複数を含む、条項33に記載のコンピュータ可読媒体。
35.マスクポイントを導出することは、
マスクポイントをターゲットフィーチャ上の制御ポイントに関連付けることを含み、関連付けることは、第1の組のマスクポイントを第1の制御ポイントと関連付け、第2の組のマスクポイントを第2の制御ポイントと関連付けることを含む、条項33に記載のコンピュータ可読媒体。
36.デザインを反復して更新することは、各反復において、
費用関数を決定することであって、費用関数はエッジ配置誤差を含むことと、
制御ポイント毎に、費用関数に基づいてマスクポイントの位置データを決定することと、
費用関数を低減するために、位置データに基づいてマスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することと、を実施する、条項35に記載のコンピュータ可読媒体。
37.デザインを反復して更新することは、費用関数が最小化されるまで、複数回の反復を実施することを含む、条項36に記載のコンピュータ可読媒体。
38.デザインを反復して更新することは、各反復において、
費用関数を決定することであって、費用関数は、変更済デザインを基板上にプリントするためのパターニングプロセスのプロセスウィンドウを含むことと、
制御ポイント毎に、費用関数に基づいてマスクポイントの位置データを決定することと、
費用関数を増加させるために、位置データに基づいてマスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することと、を実施することを含む、条項35に記載のコンピュータ可読媒体。
39.デザインを反復して更新することは、費用関数が最大化されるまで、複数回の反復を実施することを含む、条項38に記載のコンピュータ可読媒体。
40.パターニングデバイスのデザインを改良する方法であって、
マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは、基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、
マスクポイントの位置を調節して、調節済マスクポイントに基づいて変更済デザインを生成することと、を含む方法。
41.パターニングデバイスのデザインを改良する方法であって、
マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得することであって、マスクフィーチャは、基板上にプリントされるターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応することと、
プロセスウィンドウを増加させるためにマスクポイントの位置を調節することであって、プロセスウィンドウは、ターゲットパターンを基板上にプリントするためのパターニングプロセスに関連付けられており、調節することは、調節済位置に基づいて変更済デザインを生成することを含むことと、を含む、方法。
42.パターニングデバイスのデザインを改良する方法であって、
基板上にプリントされるターゲットパターン、及びターゲットパターン中のターゲットフィーチャに対応するマスクフィーチャのデザインを取得することと、
デザインのマスクポイントを導出することと、
費用関数に基づいてマスクポイントのうちの1つ又は複数のものの位置を調節することにより、デザインを反復して更新することであって、更新することは、マスクフィーチャの変更済デザインを生成することと、を含む、方法。
43.命令が記録された非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、この命令は、コンピュータによって実行されると、上記の条項のいずれか一項に記載の方法を実施する、コンピュータプログラム製品。
44.プロセッサによって実行されると、プロセッサに光近接効果補正(OPC)方法を実施させる命令を記憶する非一時的な有形のコンピュータ可読媒体(CRM)であって、
このOPC方法は、マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得し、また、OPCを実施してマスクポイントの位置を調節することにより、マスクフィーチャのデザインを変更する、非一時的な有形のコンピュータ可読媒体(CRM)。
45.この方法は、マスクフィーチャのターゲット多角形上に位置する制御ポイントを取得することをさらに含み、各制御ポイントは1つ又は複数のマスクポイントに関連付けられている、条項44に記載の媒体。
46.変更することは、マスクポイントに対して曲線のあてはめを行って、マスクフィーチャの変更済デザインを取得することを含み、変更済デザイン中のマスクフィーチャの辺は、マスクポイント間にあてはめられた曲線を含む、条項45に記載の媒体。
47.OPCを実施することは、マスクポイントの位置を調節して制御ポイント上のシミュレート信号又はEPEを最適化することを含む、条項44に記載の媒体。
48.シミュレート信号はレジスト像信号である、条項47に記載の媒体。
49.調節することは、複数のマスクポイントを首尾一貫して調節して、一または複数の制御ポイントにおいてシミュレート信号を最適化することを含む、条項47に記載の媒体。
50.調節することは、マスクポイントを個別に調節して、1つ又は複数の制御ポイントにおいてシミュレート信号を最適化することを含む、条項47に記載の媒体。
51.マスクポイントは、フィーチャのターゲット多角形デザインに基づいて最初に取得される、条項44に記載の媒体。
52.マスクポイントは、セグメントベースのOPCプロセスから結果として得られるデザインに基づいて、最初に取得される、条項44に記載の媒体。
53.セグメントベースのOPCプロセスは、CTMフリーフォームOPCプロセス、機械学習OPCプロセス、又はILTプロセスである、条項52に記載の媒体。
54.この方法は、
制御ポイントとマスクポイントとの間の関連付けを確立することと、
制御ポイントとマスクポイントとの間の関連付けを解除することと、
制御ポイントと別のマスクポイントとの間の関連付けを確立することと、をさらに含む、条項44に記載の媒体。
55.解除すること及び/又は再確立することは、フィーチャのターゲット多角形と変更済デザインとの比較に基づいている、条項54に記載の媒体。
56.マスクフィーチャは、主要フィーチャ又はSRAFである、条項44に記載の媒体。
57.マスクフィーチャの調節済デザインに基づいてプロセスウィンドウを決定することをさらに含む、条項44に記載の媒体。
58.プロセッサによって実行されると、プロセッサに放射源マスク最適化(SMO)方法を実施させる命令を記憶する非一時的な有形のコンピュータ可読媒体(CRM)であって、
この方法は、マスクフィーチャのデザインのマスクポイントを取得し、また、SMOプロセスに従って、マスクポイントの位置を調節してプロセスウィンドウを最適化することにより、マスクフィーチャのデザインを変更する、非一時的な有形のコンピュータ可読媒体(CRM)。
59.マスクポイントの位置を調節して変更済デザインを生成することは、変更済デザインを多角形パターンとして生成することを含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
60.多角形パターンは、パターンの直線と水平軸との間の角度が45*n度(但しnは整数)であるパターンを含む、条項59に記載のコンピュータ可読媒体。
61.多角形パターンは、パターンの直線と水平軸との間の角度が90*n度(但しnは整数)であるパターンを含む、条項59に記載のコンピュータ可読媒体。
62.マスクポイントの位置を調節して変更済デザインを生成することは、変更済デザインを曲線パターンとして生成することを含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
63.マスクポイントの位置を調節することは、複数のマスクポイントのうちのあるマスクポイントの位置を、そのマスクポイントをターゲットフィーチャ上の制御ポイントに対して任意の方向に移動させることにより、調節することを含む、条項62に記載のコンピュータ可読媒体。
64.変更済デザインは、光近接効果補正プロセス又は放射源マスク最適化プロセスに関連付けられた費用関数に基づいて、多角形パターン又は曲線パターンとして生成される、条項59~63のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
65.変更済デザインが曲線パターンとして生成される場合よりも費用関数が最適化されるとの決定に基づいて、変更済デザインが多角形パターンとして生成される、条項64に記載のコンピュータ可読媒体。
66.変更済デザインが曲線パターンとして生成される場合、マスクルールチェック制約が満たされないとの決定に基づいて、変更済デザインが多角形パターンとして生成される、条項64に記載のコンピュータ可読媒体。
67.マスクポイントの位置を調節して変更済デザインを生成することは、変更済デザインを多角形パターンと曲線パターンとの組み合わせとして生成することを含む、条項1に記載のコンピュータ可読媒体。
68.変更済デザインは、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の頂点に近接する部分については曲線パターンとして生成される、条項67に記載のコンピュータ可読媒体。
69.変更済デザインは、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の頂点に近接する部分以外のターゲットフィーチャの部分については多角形パターンとして生成される、条項67に記載のコンピュータ可読媒体。
70.変更済デザインは、ターゲットフィーチャの第1の部分については曲線パターンとして生成され、ターゲットフィーチャの第2の部分については多角形パターンとして生成される、条項67に記載のコンピュータ可読媒体。
71.ターゲットフィーチャの第1の部分は、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の頂点に近接する部分を含む、条項70に記載のコンピュータ可読媒体。
72.ターゲットフィーチャの第2の部分は、ターゲットフィーチャの1つ又は複数の頂点に近接する部分以外の部分を含む、条項70に記載のコンピュータ可読媒体。
【0123】
[00149] ブロック図では、図示した構成要素は別々の機能ブロックとして描かれているが、実施形態は、本明細書で説明する機能が図示したように構成されるシステムに限定はされない。構成要素のそれぞれによって提供される機能は、現在描かれているものとは異なる態様で構成されたソフトウェア又はハードウェアモジュールによって提供されることがあり、例えば、そのようなソフトウェア又はハードウェアは、混在するか、結合するか、複製されるか、分割されるか、分散されるか(例えば、データセンター内部で若しくは地理的に)、又は他の態様で異なって構成されることがある。本明細書で説明する機能は、有形の非一時的な機械可読媒体に記憶されたコードを実行する1つ又は複数のコンピュータの1つ又は複数のプロセッサによって、もたらされることがある。場合によっては、サードパーティーのコンテンツ配信ネットワークが、ネットワーク越しに伝達される情報の一部又は全部をホストすることがあり、この場合、情報(例えば、コンテンツ)が供給されるか又は提供されると言われる範囲で、情報は、命令を送信してその情報をコンテンツ配信ネットワークから取得することによって、提供されることがある。
【0124】
[00150] 特に断りのない限り、考察から明らかなように、本明細書全体を通じて、「処理する」「算出する」「計算する」「決定する」などの用語を利用した考察は、特殊用途コンピュータ又は類似の特殊用途電子処理/計算機器などの、特定の装置の動作又はプロセスを指すことを理解されたい。
【0125】
[00151] 読者は、本出願が幾つかの発明について記載していることを理解すべきである。それらの発明を複数の独立した特許出願に分離するのではなく、それらの発明を単一の文書にまとめている、というのも、それら発明の関連する主題は、出願プロセスの経済性にかなうからである。しかしながら、そのような発明の独特の利点及び態様は、混同されるべきではない。場合によっては、実施形態は本明細書に記述された欠点の全てに対処するが、本発明は独立して有用であり、幾つかの実施形態は、そのような問題点の部分集合にのみ対処するか、又は、本開示を検討する当業者には明らかである、言及されていない他の利点を提供することを、理解されたい。費用上の制約により、本明細書で開示する幾つかの発明は、ここでは特許請求されていないことがあり、例えば継続出願などの後日の出願で又は本特許請求を補正することにより、特許請求されることがある。同様に、スペース上の制約により、本文書の要約又は発明の概要の章のいずれも、そのような発明の全て又はそのような発明の全ての態様の、包括的な列挙を含むものとして解釈されるべきではない。
【0126】
[00152] 説明及び図面は、本開示を開示した特定の形態に限定することを意図したものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正形態、均等物、及び代替形態をカバーするものであることを、理解されたい。
【0127】
[00153] 本発明の様々な態様の修正形態及び代替の実施形態は、本明細書に照らして当業者には明らかになるであろう。従って、本説明及び図面は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、本発明を実行するための一般的な方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書で図示し説明した本発明の形態は、実施形態の例として解釈されるべきであることを理解されたい。当業者には、本明細書の恩恵を受けた後では全て明らかであるように、要素及び材料は、本明細書で図示し説明したもので置き換えてもよく、部分及びプロセスは逆にしても又は省略してもよく、特定の特徴を独立して利用してもよく、実施形態又は実施形態の特徴を組み合わせてもよい。以下の特許請求の範囲に記載するような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した要素に変更を加えることができる。本明細書で使用する見出しは、系統立てる目的のためのみのものであり、説明の範囲を限定するために使用することを意味してはいない。
【0128】
[00154] 本出願全体を通じて使用する場合、「~であることがある」という語は、必須の意味(即ち、~であらねばならないという意味)ではなく、許容の意味(即ち、可能性があるという意味)で使用される。「含む(include)」「含んでいる(including)」及び「含む(includes)」などの語は、含んでいるが、限定はされないことを意味する。本出願全体を通じて使用する場合、単数形「a」「an」及び「the」は、特に断りのない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「ある(an)」要素又は「1つの(a)」要素への言及は、「1つ又は複数の」などの、1つ又は複数の要素について他の用語又は語句を使用するにもかかわらず、2つ以上の要素の組み合わせを含む。「又は」という用語は、特に断りのない限り、非排他的である、即ち、「及び」と「又は」の両方を包含する。本明細書で使用する場合、特に断りのない限り、「又は」という用語は、実現不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことがあると記載されている場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、その構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことがある。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことがあると記載されている場合、特に断りのない限り又は実現不可能でない限り、その構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことがある。条件付きの関係を記述する用語、例えば、「X、Yに応答して」「X、Yの際に」、「X、Yである場合」、「X、Yのとき」などは、先行する項が必須の因果的条件であるか、先行する項が十分な因果的条件であるか、又は先行する項が結果に寄与する因果的条件である、因果的関係を包含する。例えば、「状態Xは、条件Yが得られると発生する」は、「Xは、Yに応じてのみ発生する」及び「Xは、Y及びZに応じて発生する」の総称である。そのような条件付きの関係は、先行する項が得られた直後に続く結果に限定はされない、というのも、幾つかの結果は遅延することがあり、条件付きの記述では、先行する項が結果とつながっている、例えば、先行する項は、結果が発生する可能性に関係しているからである。特に断りのない限り、複数の属性又は機能が複数のオブジェクトと対応付けられる記述(例えば、ステップA、B、C、及びDを実施する1つ又は複数のプロセッサ)は、全てのそのような属性又は機能が全てのそのようなオブジェクトに対応付けられることと、属性及び機能のサブセットがオブジェクトのサブセットに対応付けられることの両方を包含する(例えば、全てのプロセッサのそれぞれがステップA~Dを実施するのと、プロセッサ1がステップAを実施し、プロセッサ2がステップB及びステップCの一部を実施し、プロセッサ3がステップCの一部及びステップDを実施する場合との両方を包含する)。さらに、特に断りのない限り、1つの値又は動作が別の条件又は値に「基づいている」という記述は、その条件又は値が、唯一の要因である場合と、その条件又は値が、複数の要因の中の1つの要因である場合の両方を包含する。特に断りのない限り、いずれかの集合の「各」部分がいずれかの特性を有するという記述は、より大きな集合のいずれかの他の同一の又は類似の要素がその特性を有していない場合を除外すると読み取られるべきではない、即ち、各は必ずしもどれもこれも皆を意味するものではない。ある範囲からの選択についての言及は、その範囲の端点を含む。
【0129】
[00155] 上記の説明では、フローチャートの任意のプロセス、説明、又はブロックは、プロセス中の特定の論理機能又はステップを実施するための1つ又は複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すものとして理解されるべきであり、当業者には理解されるように、代替の実施態様は、本進展の例示的な実施形態の範囲内に含まれ、この中では、機能は、関係する機能に応じて、実質的に同時に又は逆の順序を含めて、図示又は考察したものとは違う順序で実行されることがある。
【0130】
[00156] 特定の米国特許、米国特許出願、又は他の資料(例えば、論文)が参照により組み込まれる範囲では、そのような米国特許、米国特許出願、及び他の資料の文章は、そのような資料と本明細書に記載した記述及び図面との間に矛盾が生じない範囲でのみ、参照により組み込まれる。そのような矛盾が生じる場合、そのような参照によって組み込まれた米国特許、米国特許出願、及び他の資料中のそのような矛盾する文章は、特に、参照により本明細書には組み込まれない。
【0131】
[00157] 特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は単なる例として提示されており、本開示の範囲を限定することを意図してはいない。実際、本明細書で説明した新規の方法、装置、及びシステムは、様々な他の形態で具現化することができる。さらに、本開示の趣旨から逸脱することなく、本明細書で説明した方法、装置、及びシステムの形態において様々な省略、置き換え、及び変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び趣旨の中に含まれるものとして、そのような形態又は修正形態をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18