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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 307
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020019640
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021123064
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 剛史
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-181855(JP,A)
【文献】特開2019-147368(JP,A)
【文献】特開2017-013514(JP,A)
【文献】特開2009-045905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するヘッド部材と、前記ヘッド部材を保持する保持部材とを有する液体吐出ヘッドであって、
前記ヘッド部材に電気信号を印加する電気信号印加部材を備えるプリント基板と、前記プリント基板に接触する冷却部材とを有し、
前記保持部材は、冷媒を流すことが可能な第1の流路を有し、
前記第1の流路は、前記ヘッド部材を囲むように形成され、前記冷媒の流入口と流出口を有し、
前記冷却部材は、前記保持部材と接触する接触部を有し、
前記液体吐出ヘッドは、前記ヘッド部材に前記液体を供給するための流路が形成された供給部材を有し、
前記供給部材は、前記液体を流すことが可能な第2の流路と、前記冷媒を流すことが可能な第3の流路とを有し、
前記第3の流路は、前記第1の流路に連通することを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
液体を吐出するヘッド部材と、前記ヘッド部材を保持する保持部材とを有する液体吐出ヘッドであって、
前記ヘッド部材に電気信号を印加する電気信号印加部材を備えるプリント基板と、前記プリント基板に接触する冷却部材とを有し、
前記保持部材は、冷媒を流すことが可能な第1の流路を有し、
前記第1の流路は、前記ヘッド部材を囲むように形成され、前記冷媒の流入口と流出口を有し、
前記冷却部材は、前記保持部材と接触する接触部を有し、
前記保持部材及び前記冷却部材は金属材料からなり、前記保持部材と前記冷却部材は拡散接合または接着接合により接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項3】
液体を吐出する複数のヘッド部材と、前記ヘッド部材を保持する保持部材とを有する液体吐出ヘッドであって、
前記ヘッド部材に電気信号を印加する電気信号印加部材を備えるプリント基板と、前記プリント基板に接触する冷却部材とを有し、
前記保持部材は、冷媒を流すことが可能な第1の流路を有し、
前記第1の流路は、前記ヘッド部材を囲むように形成され、前記冷媒の流入口と流出口を有し、
前記冷却部材は、前記保持部材と接触する接触部を有し、
前記第1の流路は、前記ヘッド部材の1つ又は複数を囲むように形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記ヘッド部材に前記液体を供給するための流路が形成された供給部材を有し、
前記供給部材は、前記液体を流すことが可能な第2の流路と、前記冷媒を流すことが可能な第3の流路とを有し、
前記第3の流路は、前記第1の流路に連通することを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記保持部材は、金属材料からなることを特徴とする請求項1または3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記保持部材及び前記冷却部材は金属材料からなり、前記保持部材と前記冷却部材は拡散接合または接着接合により接合されていることを特徴とする請求項1または3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記ヘッド部材を複数有し、
前記第1の流路は、前記ヘッド部材の1つ又は複数を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記液体が吐出される記録媒体の搬送方向と垂直な方向に前記ヘッド部材が複数並べられたラインヘッドとしたことを特徴とする請求項3または7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
請求項1~のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項10】
前記冷媒を循環させることを特徴とする請求項に記載の液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置として、例えばインク等の液体を吐出するヘッド部材を備えた液体吐出ヘッドが知られている。
【0003】
液体吐出ヘッドにおいて、高速印刷を実現するためには長尺化したラインヘッドとすることがよいと考えられており、多色化に対してはノズル列を多列にすることがよいと考えられている。一方で、ラインヘッドや多列を1つのヘッド部材で構成する場合、ヘッド生産性からコストが高くなるため、ヘッド部材を複数用いることが提案されている。
【0004】
高速印刷を行う際、速い駆動によりヘッド部材が加熱されやすくなる。ヘッドが熱を受けると印字性能に変化があり、それが多数のヘッドを有するラインヘッドの場合ではヘッド間でばらつきが生じることによる画質変化が起こる。
【0005】
特許文献1では、冷却媒体用流路が支持板とその外側に配置された冷却媒体用流路形成部材とによって形成される空間を含むように形成されるので、支持板における記録素子基板に近い位置に冷却媒体を流通させる試みを行っている。特許文献1では、温度上昇し易い記録素子基板を効率的に冷却することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ヘッドの外周にしか流路が配置できないため、支持体中央部は冷却できず、良好な放熱効率が得られない。また、ヘッド全体の温度分布を小さくすることができず、高画質化にはいまだ不十分である。
【0007】
そこで本発明は、ヘッド部材間で温度のばらつきが生じることを抑制し、良好な画像品質が得られる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド部材と、前記ヘッド部材を保持する保持部材とを有する液体吐出ヘッドであって、前記ヘッド部材に電気信号を印加する電気信号印加部材を備えるプリント基板と、前記プリント基板に接触する冷却部材とを有し、前記保持部材は、冷媒を流すことが可能な第1の流路を有し、前記第1の流路は、前記ヘッド部材を囲むように形成され、前記冷媒の流入口と流出口を有し、前記冷却部材は、前記保持部材と接触する接触部を有し、前記液体吐出ヘッドは、前記ヘッド部材に前記液体を供給するための流路が形成された供給部材を有し、前記供給部材は、前記液体を流すことが可能な第2の流路と、前記冷媒を流すことが可能な第3の流路とを有し、前記第3の流路は、前記第1の流路に連通することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヘッド部材間で温度のばらつきが生じることを抑制し、良好な画像品質が得られる液体吐出ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】液体吐出ヘッドの一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)である。
図2】液体吐出ヘッドの一例における下面斜視図(A)及び下面平面図(B)である。
図3】カバーの一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)である。
図4】ノズルカバーの一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)である。
図5】カバー及びノズルカバーを外した場合の一例における上面斜視図(A)及び下面斜視図(B)である。
図6】PCBの一例における上面斜視図(A)及び側面平面図(B)である。
図7】マニホールドの一例における上面斜視図(A)及び下面平面図(B)である。
図8】カバー、ノズルカバー、PCB及びマニホールドを外した場合の一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)である。
図9】ヘッド部材の一例における上面斜視図(A)、上面平面図(B)及び下面平面図(C)である。
図10】ヘッド部材の一例における上面斜視図(A)及び断面模式図(B)である。
図11】ヘッド部材の一例における部材1~4の上面平面図(A1)~(D1)及び下面平面図(A2)~(D2)である。
図12】ベースの一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)である。
図13】ベース上側の一例における上面斜視図(A)及びベース下側の一例における上面斜視図(B)である。
図14】ベース上側の一例における上面平面図(A)及び下面平面図(B)である。
図15】ベース下側の一例における上面平面図(A)及び下面平面図(B)である。
図16】マニホールドの一例における部材(1)~(4)の上面平面図(A1)~(D1)及び下面平面図(A2)~(D2)である。
図17】液体を吐出する装置の一例における概略図である。
図18】ヘッドユニットの一例における概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】
本実施形態の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド部材と、前記ヘッド部材を保持する保持部材とを有する液体吐出ヘッドであって、前記保持部材は、冷媒を流すことが可能な第1の流路を有し、前記第1の流路は、前記ヘッド部材を囲むように形成され、前記冷媒の流入口と流出口を有することを特徴とする。
【0013】
本実施形態によれば、ヘッド部材間で温度のばらつきが生じることを抑制することができ、良好な画像品質を得ることができる。本実施形態の液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置は、インク等の液体を吐出する他、液体レジストを液滴として吐出してもよいし、DNAの試料を液滴として吐出してもよい。
【0014】
図1は、本実施形態の液体吐出ヘッドにおける上面斜視図(A)及び上面平面図(B)の概略図である。本実施形態の液体吐出ヘッドは、複数の部材からなり、ヘッドモジュールなどとも称することがある。なお、本実施形態の液体吐出ヘッドは複数のヘッド部材を有しているが、これに限られるものではなく、1つであってもよい。
【0015】
図1に示されるように、本実施形態の液体吐出ヘッドは、カバー40とノズルカバー50を有している。また、本実施形態の液体吐出ヘッドは、冷媒流入口41a、冷媒流出口42a、第1の液体流入口43、第2の液体流入口44を有しており、更に電気接続部64、物理接続部48を有している。
【0016】
図2は、本実施形態の液体吐出ヘッドにおける下面斜視図(A)及び下面平面図(B)の概略図である。ノズルカバー50には開口が形成されており、ヘッド部材10のノズル面11が開口されている。ノズル面11に形成されたノズル14から液体が記録媒体に吐出される。
【0017】
本例では、8個のヘッド部材10を用いており、8個のノズル面11が図示されているが、これに限られるものではない。ノズル面11の数は適宜変更することが可能である。また、ノズル面11の配置は、図示されるものに限られず、適宜変更することができる。
【0018】
図3は、本実施形態におけるカバーの上面斜視図(A)及び上面平面図(B)の概略図である。カバー40は、開口47a~47eを有している。開口47a~47eは、それぞれ冷媒流入口41a、冷媒流出口42a、第1の液体流入口43、第2の液体流入口44、電気接続部64に対応している。特に制限されるものではないが、カバー40は、耐薬品性、加工性、強度などからステンレス製とすることが好ましい。
【0019】
図4は、本実施形態におけるノズルカバーの上面斜視図(A)及び上面平面図(B)の概略図である。図4(A)に示される例では、厚みを有していないように図示されているが、これに限られるものではなく、形状は適宜変更することができる。
【0020】
ノズルカバー50は、液体吐出ヘッドのノズル面側に配置される。ノズルカバー50は、例えば接着接合によりカバー40等と接合させることができ、液体吐出ヘッド内部へのインクの浸入を防止することができる。ノズルカバー50は、耐薬品性、加工性、強度などからステンレス製とすることが好ましい。
【0021】
ノズルカバー50は、ヘッド部材10に対応するように開口51を有している。ここでは、例として8個としている。例えば、厚み0.15mmの圧延材を用い、フォトリソプロセスとウェットエッチングにより貫通開口部を加工することができる。
【0022】
図5は、本実施形態の液体吐出ヘッドにおけるカバー40及びノズルカバー50を外した場合の上面斜視図(A)及び下面斜視図(B)の概略図である。図5には、保持部材としてのベース30、ヘッド部材10a、10b、供給部材としてのマニホールド20、PCB(printed circuit board)62等が図示されている。
【0023】
ベース30はヘッド部材10を保持するものであり、ベースプレートなどと称してもよい。本実施形態では、8個のヘッド部材10を保持している。保持の方法は、特に制限されるものではなく、例えば、接着、カシメ、ねじ等の固定などが挙げられる。本実施形態では、例としてねじ固定としている。
【0024】
ベース30としては、線膨張係数が低い材料を用いることが好ましい。例えば、鉄にニッケルを添加した42alloyや、インバー材、コバルトを添加したコバールなどが例として挙げられる。本実施形態ではインバーを用いる。この場合、ヘッド部材が発熱してベース30の温度が上昇しても、膨張量が少ないために所望のノズル位置からノズルが動きにくくなる。これにより、高画質化を図ることができる。
【0025】
図6は、本実施形態におけるPCB62の上面斜視図(A)及び側面平面図(B)の概略図である。PCB62は、例えばエレキコネクタ63、電気接続部64を有している。図示される例では、エレキコネクタ63を16箇所備えているが、これに限られるものではない。PCB62は、電気接続部64を介して電気信号を受け取り、ヘッド部材に電気信号を供給する。受け取った電気信号に基づいて、ヘッド部材10等が制御される。
【0026】
本実施形態では、例えばヘッド部材のFPCが電気接続されるPCB62をマニホールド20に固定し、カバー40を接着固定する。この場合、高速印刷や多色化を実現する液体吐出ヘッドにおいて、ヘッドサイズが大きくならず、部品点数も抑えることができ、高画質化を両立することができる。
【0027】
図7は、本実施形態におけるマニホールド20の上面斜視図(A)及び下面平面図(B)の概略図である。ここでは、例として、マニホールド20が4つの部材(1)21、部材(2)22、部材(3)23、部材(4)24を有する構成を示している。マニホールド20は、ヘッド部材に液体を供給するための流路が形成された供給部材である。詳細は後述するが、マニホールド20を用いることにより、装置に使用される部品数を抑えることができ、装置が大型化することを防止できる。
【0028】
また、図7(A)には、冷媒流入口41a、冷媒流出口42aが図示されており、図7(B)には、冷媒流入口41b、冷媒流出口42bが図示されている。冷媒流入口41aからマニホールド20に流入した冷媒は、マニホールド20を通り、冷媒流入口41bから流出する。ここで、冷媒流入口41bからは冷媒が流出しているが、流出した冷媒は、ベース30に形成された冷媒流入口41bから流入するため、「流入口」と記載している。また、ベース30から流出した冷媒は、マニホールド20に形成された冷媒流出口42bからマニホールド20に流入し、冷媒流出口42aから流出する。
【0029】
図8は、本実施形態におけるカバー40、ノズルカバー50、PCB62及びマニホールド20を外した場合の一例における上面斜視図(A)及び上面平面図(B)の概略図である。
【0030】
図示される例では、ベース30にヘッド部材10a、10bが保持されており、ここでは8個のヘッド部材が保持されている。ヘッド部材10aとヘッド部材10bが並べて配置されており、ヘッド部材10aとヘッド部材10bは、例えば異なる色の液体(例えばインク)を吐出する。なお、ヘッド部材10と表記した場合、ヘッド部材10aとヘッド部材10bを区別せずに説明するものである。
【0031】
また、図8(B)の矢印aに示される方向を記録媒体の搬送方向としたとき、記録媒体の搬送方向と垂直な方向にヘッド部材10を複数並べて、ラインヘッドとしてもよい。この場合、ラインプリント方式とすることができ、ヘッドを走査させる必要がなく、走査させるための部材を減らすことができる。なお、ヘッド部材10の配置は本例に限られるものではなく、記録媒体の搬送方向と垂直な方向において、一直線上にヘッド部材10を配置してもよいし、一直線上に一つのヘッド部材10を配置するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、ヘッド部材どうし(例えばヘッド部材10aとヘッド部材10b)を隣接させてもよい。
【0033】
ヘッド部材10a、10bは、例えばねじ31aを用いてベース30に固定してもよい。また、ねじ用の穴には、めねじを用いてもよい。
【0034】
図9は、本実施形態におけるヘッド部材10aの上面斜視図(A)、上面平面図(B)及び下面平面図(C)の概略図である。なお、ここでは、ヘッド部材10aを説明しているが、その他のヘッド部材、例えばヘッド部材10bについても同様である。
【0035】
図9では、プリント基板としてのFPC(Flexible printed circuits)65、冷却部材としてのヒートシンク15、第1の液体供給口12a、第2の液体供給口13a等が図示されている。
【0036】
FPC65は、液体を吐出するための圧力を発生させる圧力素子に電気信号を印加するIC66(電気信号印加部材)を有している。IC66は例えば駆動回路を有している。
【0037】
FPC65にはIC66が実装され、圧電素子を駆動させる信号が送られる。圧電素子の駆動によりIC66が発熱し、IC66を実装したFPC65の温度が上昇するため、これらを放熱させる仕組みを有していることが好ましい。本実施形態では、FPC65に接触する冷却部材としてのヒートシンク15を有している。ヒートシンク15を用いることにより、ヘッド部材10aに生じた熱を効率的に放熱することができる。
【0038】
ヒートシンク15は、FPC65と接触することに加え、ベース30と接触する接触部38aを有している。ヒートシンク15は、FPC65やベース30に接触するとしているが、直接接触する場合に限られず、熱を移動させることができれば、その他の部材を介していてもよい。例えば、熱伝導グリスや熱伝導テープ等を用いてもよい。
【0039】
ヒートシンク15としては、例えばアルミで形成することができる。板金や切削、ダイカストなど様々な加工方法が可能である。
【0040】
本実施形態におけるヘッド部材は、第1の液体供給口12a、13a及び第2の液体供給口12b、13bを有している(図8も参照)。第1の液体供給口12a、13aは、ヘッド部材10aが吐出する液体を供給するために用いられ、第2の液体供給口12b、13bは、ヘッド部材10bが吐出する液体を供給するために用いられる。また、供給口の数や配置等は、適宜変更することができる。
【0041】
図9(C)に示されるように、ノズル面11にはノズル14が形成されている。ノズル14から液体が記録媒体に対して吐出される。図では、ノズル14の図示を省略している箇所がある。ノズル14の数や配置、ノズル列の数や配置等は適宜変更することができる。
【0042】
図10は、本実施形態におけるヘッド部材10aの上面斜視図(A)及び断面模式図(B)の概略図である。図9(A)と図10(A)は同じ図であるが、説明のしやすさの観点から図10に掲載している。
【0043】
図10(B)は図10(A)に示されるヘッド部材10aの断面模式図であり、ここでは、ヒートシンク15、共通液室部材16、個別液室基板17、ノズルプレート18を模式的に示している。各部材の厚みや形状等については、図示されるものに限られず、適宜変更することが可能である。以下、各部材の詳細例について説明する。
【0044】
図11は、本実施形態におけるヘッド部材の部材1~4の上面平面図(A1)~(D1)及び下面平面図(A2)~(D2)である。部材1~部材4は、それぞれヒートシンク15、共通液室部材16、個別液室基板17、ノズルプレート18である。
【0045】
(A1)及び(A2)について、ヒートシンク15としては、上述の構成とすることができる。ここでは、図11(A2)に示されるように、ベース30との接触部38aを有している。ヒートシンク15とベース30は、例えば金属材料を用いることができ、ヒートシンク15とベース30は、例えば拡散接合、接着接合等により接合させることができる。本実施形態では拡散接合により接合させており、この場合、熱の授受がしやすくなり、効率よく熱を逃がすことができる。
【0046】
(B1)及び(B2)について、共通液室部材16は、第1の液体供給口12a及び第2の液体供給口13aを有している。供給された液体は、共通液室上側16aに供給される。共通液室部材16は、例えばエポキシからなる樹脂製とすることができる。この他にも、SUS、PPS(ポリフェニレンスルフィド)など各種の金属や樹脂材料を用いることができる。
【0047】
図10にも図示されるように、共通液室部材16の長手方向端部側につば部が設けられており、つば部の箇所でベース30に固定することができる。つば部には穴31cが形成されており、穴31c及びねじ31aを用いることによりヘッド部材10aをベース30に固定することができる。穴31cは円形としているが、これに限られるものではない。また、めねじを用いてもよい。
【0048】
共通液室部材16には、ヒートシンク収納部16bが形成されており、ヒートシンク15がヒートシンク収納部16bに収納される。ヒートシンク収納部16bの大きさ、形状等は適宜変更することができる。
【0049】
(C1)及び(C2)について、個別液室基板17は、共通液室下側17aと個別液室17b等を有している。図11(B2)と図11(C1)のように、共通液室を上側と下側とで分けて図示しているが、これに限られるものではなく、1つの部材に共通液室を形成してもよい。また、共通液室部材16と個別液室基板17とを一つの部材としてもよい。
【0050】
本実施形態における個別液室基板17は、ノズルに連通する個別液室17bが形成されている。個別液室基板17は、加工性や物性から任意の材料を用いることができ、例えばシリコン基板を用いることができる。液室の加工は、例えばドライエッチング法を用いることができる。
【0051】
ここでは図示を省略しているが、個別液室17bの上部には、振動板が形成され、振動板上には下部電極、圧電体、上部電極が積層された圧電素子が形成される。振動板はシリコンや窒化物、酸化物、炭化物等の剛性の高い材料とすることが好ましい。
下部電極、上部電極は金属、合金、導電性化合物が上げられ、例えばPt、Ir、Ir酸化物、Pd、Pd酸化物等が安定性の高い材料として挙げられる。
圧電体材料は圧電性を示す強誘電体材料を用いることができる。例としては、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムが一般的に用いられる。圧電体の成膜方法は任意の手法を用いることができる。例えばスパッタリング法、ゾルゲル法が挙げられる。上記の圧電体と電極から構成される圧電素子は個別液室上部に形成される。
【0052】
個別液室基板17には個別液室17bに連通する流体抵抗部を形成してもよい。流体抵抗部は共通液室から個別液室17bにインクを供給する機能を有する。同時に、圧電素子を駆動させた際の個別液室17bに発生する圧力によってインクが逆流することを防止しつつノズルから液体を吐出することができる。
【0053】
ノズル14に連通する個別流路として、個別液室、流体抵抗部、インク供給口を形成してもよい。流体抵抗部は振動板が開口するインク供給口を通じて共通液室に連通する。
【0054】
個別液室17bは隔壁により区画されており、それぞれに対応する圧電素子が形成される。また、圧電素子を駆動する電気信号を送る配線と、配線に外部とつながる電気接点も形成され、FPC65を実装して外部に引き出される。
【0055】
上記では、個別液室基板17が共通液室下側17aを有しているとしたが、これに限られるものではなく、例えば、共通液室下側17aを有する保持基板を設けてもよい。保持基板は、例えば、個別液室17bに連通する共通液室下側17aと、圧電素子駆動部に対応した凹み部とを有する。この場合、個別液室基板17は、個別液室17bを有する部分と、共通液室下側17aを有する保持基板とから構成される。保持基板は、シリコンウエハプロセスで形成される個別液室基板を研磨等で薄肉化及びダイシング等でチップ化する際に保持する機能も付与できる。
【0056】
(D1)及び(D2)について、ノズルプレート18は、ノズル面11を有し、ノズル面11にはノズル14が形成されている。ノズルプレート18は、例えばシリコン製とすることができるが、これに限られるものではなく、必要な剛性や加工性から任意の材料を用いることができる。例えば、SUS、ニッケル等の金属または合金やシリコン、セラミックス等の無機材料、ポリイミド等の樹脂材料等を挙げることができる。
【0057】
ノズル14の加工方法は材料の特性と要求される精度、加工性に応じて任意のものを選ぶことができ、例えば電鋳めっき法、エッチング法、プレス加工法、レーザ加工法等、フォトリソグラフィ法等が挙げられる。ノズルの開口径、配列数、配列密度等は、ヘッドに要求される仕様に合わせて最適な組み合わせを設定することができる。
【0058】
図12は、本実施形態におけるベース30の上面斜視図(A)及び上面平面図(B)の概略図である。本実施形態におけるベース30は、冷媒流入口41b、冷媒流出口42bを有し、ヘッド部材10を収納するための開口32、穴31bを有している。穴31bは、例えばめねじを有していてもよい。
【0059】
冷媒流入口41b、冷媒流出口42b、開口32の形状、配置等は適宜変更することができる。上述のように、1つの開口32には、ヘッド部材10a及びヘッド部材10bが収納される。
【0060】
本実施形態において、ベース30は例えば複数の部材で構成してもよい。例えば、ベース30を上側の部材と下側の部材により構成してもよい。以下、一例について図13図15を用いて説明する。
【0061】
図13は、本実施形態におけるベース上側35の上面斜視図(A)及びベース下側36の上面斜視図(B)の概略図である。図14は、ベース上側35の上面平面図(A)及び下面平面図(B)の概略図である。図15は、ベース下側36の上面平面図(A)及び下面平面図(B)である。
【0062】
ベース上側35及びベース下側36は、上述のベース30で挙げられる材料を用いることができる。ベース上側35とベース下側36は、例えば接着接合、拡散接合などを用いて一体化することができる。本実施形態においては、拡散接合を用いる。
【0063】
ベース上側35には、冷媒流入口41b、冷媒流出口42b、ヘッド部材10が収納される開口32、穴31b、冷却流路34aが形成されている。穴31bは、例えばめねじを有していてもよい。
【0064】
ベース下側36には、ヘッド部材10が収納される開口32、冷却流路34bが形成されている。
【0065】
本実施形態においては、ベース上側35及びベース下側36に冷却流路34が形成されている。ベース上側35には、図14(B)に示されるように、冷却流路34aが形成されており、ベース下側36には、図13(B)及び図15(A)に示されるように、冷却流路34bが形成されている。すなわち、本実施形態においては、ベース上側35の下面と、ベース下側36の上面において冷却流路34が視認できる。
【0066】
また、冷却流路34は本発明における第1の流路に相当し、冷却流路34a又は冷却流路34bを第1の流路と称してもよいし、冷却流路34a及び冷却流路34bをあわせたものを第1の流路と称してもよい。
【0067】
なお、冷却流路34と表記した場合は、ベース上側35の冷却流路34aとベース下側36の冷却流路34bとを区別せず説明するものである。また、冷却流路34と表記した場合、ベース上側35の冷却流路34aとベース下側36の冷却流路34bが一体化して形成する流路について説明することもある。また、マニホールド20が有する冷却流路と区別するため、ベース30における冷却流路を第1の冷却流路34としているが、ここでは、冷却流路34として説明する。
【0068】
図示されるように、冷却流路34は、開口32を囲むように形成されている。上述したように、開口32にはヘッド部材10が収納されるため、冷却流路34はヘッド部材10を囲むように形成されていることになる。
【0069】
本実施形態における例では、1つの開口32に2つのヘッド部材(ヘッド部材10a及びヘッド部材10b)が収納されるため、冷却流路34は2つのヘッド部材を囲むように形成されている。本実施形態ではこれに限られるものではなく、冷却流路34を適宜変更することが可能であり、1つのヘッド部材を囲むように形成してもよいし、2つよりも多い数のヘッド部材を囲むように形成してもよい。
【0070】
冷却流路34には冷媒(冷却用媒体などとも称する)を流すことができる。冷却流路34を冷媒が流れることにより、温度が上昇したヘッド部材の温度を下げることができ、複数のヘッド部材間での温度を一定にすることができる。これにより、ヘッド部材間の温度のばらつきを抑制することができ、高品質の画像を得ることができる。
【0071】
冷却流路34は、厳密にヘッド部材を囲む必要はなく、ヘッド部材の周囲の一部に冷却流路34が形成されていない領域があってもよい。図13図15に示されるように、一部隙間があってもよく、図示される例はヘッド部材を囲むように形成されている例である。また、冷却流路34とヘッド部材との距離は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。
【0072】
冷却流路34は、冷媒の流入口と流出口を有しており、流入口と流出口はベース30の外部と連通させることができる。流入口と流出口を有することにより、例えば循環機構を用いて冷却流路34中の冷媒を循環させることができる。冷媒を循環させることにより、効率よくヘッド部材を冷却することができ、ヘッド部材間の温度のばらつきを抑制しやすくなる。
【0073】
本実施形態における冷媒の流入口と流出口の例として、冷媒流入口41bと冷媒流出口42bが図示されている。流入口及び流出口の数や配置等は、適宜変更することができる。図示されるように、例えば冷媒流入口41bから流入した冷媒は、冷却流路34を流れ、冷媒流出口42bから流出する。
【0074】
冷媒としては、公知のものを用いることができる。例えば、水、または水にエチレングリコールやプロピレングリコールを混ぜた液体等が挙げられる。
【0075】
従来技術において、高速印刷を行うためには、高い周波数で駆動する必要があり、この場合、駆動回路ICの発熱量が増えるが、ヘッド部材間の温度分布が大きくなるため、インク粘度分布がついてしまい、結果としてヘッド部材間の吐出特性ばらつきが発生する。これにより、画像品質が低下してしまう。駆動回路ICの熱を放熱するためには、専用の放熱機構を追加すればよいが、部品点数が増加し、ヘッドサイズの大型化にもつながってしまう。
【0076】
本実施形態によれば、ヘッド部材間で温度のばらつきが生じることを抑制することができ、ヘッド部材間で画質変化のばらつきを抑え、良好な画像品質を得ることができる。更に、高速印刷や多色化を実現する液体吐出ヘッドとした場合にも、液体吐出ヘッドのサイズが大きくなることを抑制し、部品点数が増加することを防止できるとともに、高画質化を両立することができる。
【0077】
図16は、本実施形態におけるマニホールド20の部材(1)21~(4)24の上面平面図(A1)~(D1)及び下面平面図(A2)~(D2)である。なお、図16(C1)、(C2)、(D1)、(D2)では、符号28側のインク流路の符号を省略している。
【0078】
本実施形態において、マニホールド20は、ヘッド部材10に液体を供給するための流路が形成されており、供給部材として用いられる。マニホールド20は、液体を流すことが可能な第2の流路を有しており、第2の流路として第1のインク流路25と第2のインク流路26が図示されている。
【0079】
また、マニホールド20は、冷媒を流すことが可能な第3の流路を有し、第3の流路として第2の冷却流路27、第3の冷却流路28が図示されている。なお、第1の冷却流路34は、ベース30に形成される冷却流路であり、第1の流路に相当する。
【0080】
図示されるように、第1のインクは、部材(1)の第1の液体流入口43から供給され、部材(2)、部材(3)及び部材(4)に形成された第1のインク流路25を流れる。図16(D2)に示されるように、第1のインクは、部材(4)に形成された第1の液体供給口12a及び第1の液体供給口13aから流出する。次いで、第1のインクは、図8等に示される、ヘッド部材10aに形成された第1の液体供給口12a及び第1の液体供給口13aを通り、ヘッド部材10aに供給される。
【0081】
第2のインクについても第1のインクと同様に、部材(1)の第2の液体流入口44から供給され、第2のインク流路26を流れ、第2の液体供給口12b及び第2の液体供給口13bを通り、ヘッド部材10bに供給される。
【0082】
本例では、ヘッド部材10aに供給されるインク(液体)を第1のインクとし、ヘッド部材10bに供給されるインクを第2のインクとしている。上述のように、第1のインクと第2のインクは、例えば色材が異なるインクとすることができる。
【0083】
本実施形態において、第3の流路は第1の流路に連通する。本実施形態における冷媒の流れの一例を説明する。冷媒は、マニホールド20に形成された冷媒流入口41a(図1図5及び図7)からマニホールド20に流入し、マニホールド20に形成された第2の冷却流路27を流れる(図16)。次いで、冷媒は、ベース30に形成された冷媒流入口41b(図8(B)及び図12等)からベース30に流入し、ベース30に形成された第1の冷却流路34を流れ、ヘッド部材10を冷却する(図13等)。
【0084】
次いで、冷媒は、ベース30に形成された冷媒流出口42b(図8(B)及び図12等)を通ってベース30から流出し、マニホールド20に流入する。次いで、冷媒は、第3の冷却流路28を流れ(図16)、冷媒流出口42aから流出する(図1図5及び図7)。
【0085】
なお、本実施形態では、冷媒は冷媒流入口41aから流入し、冷媒流出口42aから流出しているものとして説明しているが、これに限られるものではなく、経路が逆であってもよいし、流入口や流出口が複数であってもよい。
【0086】
上述のように、本実施形態では、マニホールド20は、ヘッド部材にインクを供給する流路と、ベース30に冷却流体を供給及び回収する流路を有する。ここで示される例では、インクを2種類又は1種類使用できる構成とし、インク供給は2系統としている。これを実現させるために、図16にあるような4つの部材で流路を形成している。冷却流路として、ベース30に流す流路(第2の冷却流路27)と、ベース30から回収する流路(第3の冷却流路28)を設けている。
【0087】
部材(1)乃至部材(4)は、例えば接着接合で一体化することができる。マニホールド20は、ベース30に対して例えば接着やねじにより固定することができ、マニホールド20の各部材とベース30及びヘッド部材は、接着剤で封止することができる。
【0088】
上記本実施形態によれば、吐出するインクを供給する手前のマニホールド20内に、ベース30を冷却する流路を形成することで部品点数を増やすことなく、または装置が大型化することなく、ヘッド部材を冷却することが可能になる。
【0089】
次に、本発明の液体を吐出する装置の一例について図17及び図18を参照して説明する。図17は同装置の概略説明図、図18は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。ここでは、本実施形態の液体吐出ヘッドを用いたヘッドユニットを例として説明する。
【0090】
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙、シート材などの連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
【0091】
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0092】
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550及びヘッドユニット555に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が形成され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
【0093】
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
【0094】
各ヘッドアレイ551は、液体吐出手段であり、それぞれ、搬送される連続体510に対してブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0095】
本実施形態の液体を吐出する装置は、冷媒を循環させる構成とすることが好ましい。冷媒を循環させるには、例えば循環機構を用いて行う。これにより、効率よくヘッド部材間の温度を一定にすることができる。
【符号の説明】
【0096】
10、10a、10b ヘッド部材
11 ノズル面
12a、13a 第1の液体供給口
12b、13b 第2の液体供給口
14 ノズル
15 ヒートシンク
16 共通液室部材
16a 共通液室上側
16b ヒートシンク収納部
17 個別液室基板
17a 共通液室下側
17b 個別液室
18 ノズルプレート
20 マニホールド
21~24 部材(1)~部材(4)
25 第1のインク流路
26 第2のインク流路
27 第2の冷却流路
28 第3の冷却流路
30 ベース
31a ねじ
31b、31c 穴
32 開口
34 第1の冷却流路
35 ベース上側
36 ベース下側
38a 接触部
40 カバー
41a、41b 冷媒流入口
42a、42b 冷媒流出口
43 第1の液体流入口
44 第2の液体流入口
48 物理接続部
47a~47e 開口
50 ノズルカバー
51 開口
62 PCB
64 電気接続部
65 FPC
66 IC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【文献】特開2009-132095号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18