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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20240806BHJP
【FI】
G02B7/04 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022142374
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2021501621の分割
【原出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2022168094
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2019029345
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100142147
【弁理士】
【氏名又は名称】本木 久美子
(72)【発明者】
【氏名】山田 智士
(72)【発明者】
【氏名】浜崎 拓司
(72)【発明者】
【氏名】岸本 崇
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/170583(WO,A1)
【文献】特開2017-151271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の第1部材と、
前記第1部材の外周側又は内周側の一方に配置され、光軸方向に沿って形成される直進溝を有する第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に配置され、径方向に移動可能な移動部材と、
光軸方向に付勢力を有する弾性部と、を備え、
前記直進溝は、光軸に対して傾斜する面を有し、
前記移動部材は、前記直進溝に配置され、前記弾性部によって前記傾斜する面に沿って径方向へ移動し、前記第1部材及び前記第2部材と当接するレンズ鏡筒。
【請求項2】
前記移動部材は、2つ配置され、前記傾斜する面に沿って互いに離れる方向に移動可能である
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記移動部材及び前記弾性部は、径方向において、前記第1部材と前記第2部材との間に配置される
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記直進溝は、前記第1部材の外周における周方向の均等な位置に配置される
請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記移動部材は、第2部材を均等に径方向の外側に付勢する
請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ鏡筒は、ガタを防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-120651号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様のレンズ鏡筒は、筒状の第1部材と、前記第1部材の外周側又は内周側の一方に配置され、光軸方向に沿って形成される直進溝を有する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置され、径方向に移動可能な移動部材と、軸方向に付勢力を有する弾性部と、を備え、前記直進溝は、光軸に対して傾斜する面を有し、前記移動部材は、前記直進溝に配置され、前記弾性部によって前記傾斜する面に沿って径方向へ移動し、前記第1部材及び前記第2部材と当接する構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態のレンズ鏡筒1を示す断面図であり、上部と下部とは、焦点距離が異なる状態を示す。
図2図1の点線部分の筒構成を示す拡大斜視図で、固定筒14と直進筒15とを示す。
図3】回転筒13の内周を示す断面図で、ベアリング14b、ベアリング16b及びばね17も示す。
図4】第2実施形態のレンズ鏡筒201を示す部分断面図である。
図5】回転筒213の展開図である。
図6】直進筒215と、レンズ鏡筒201のガタ取り構造部200とを示した斜視図である。
図7】ガタ取り構造部200を内径側から見た分解斜視図である。
図8】連結筒224と、連結筒224の外側に配置された点線で示す回転筒213を径方向外側から見た部分的な図である。
図9】比較形態のカム溝213a’を示す図である。
図10】第3実施形態のレンズ鏡筒301の部分斜視図であり、外筒350を除いた状態を示す。
図11図10のA-A断面図であり、図10に示す内筒310の外周に外筒350が配置された状態を示す。
図12図11のA-A断面図から周方向にずれた図10のB-B断面図である。
図13】第4実施形態のレンズ鏡筒401の部分斜視図であり、外筒450を除いた状態を示す。
図14図13のC-C断面図であり、図13に示す内筒410の外周に外筒450が配置された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、第1実施形態のレンズ鏡筒1について説明する。図1は、第1実施形態のレンズ鏡筒1を示す断面図であり、図1における上部と下部とは、焦点距離が異なる状態を示す。
レンズ鏡筒1は、図中右側にレンズ側マウント部11を有し、カメラボディ2に設けられたボディ側マウント部(図示せず)に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒1である。ただしこれに限定されず、カメラボディ2と一体型のレンズ鏡筒であっても良い。
以下、光軸OAに沿った図中左側を被写体側、図中右側を像側と称す。
【0008】
レンズ鏡筒1は、外周側からフォーカスリング12と、フォーカスリング12の被写体側の内周側に配置され、フォーカスリング12と一体で回転する回転筒13と、回転筒13の内周側に配置され、回転筒13よりもさらに像側に延びる固定筒14と、回転筒13及び固定筒14の内周側に配置され、回転筒13の回転によって直進する直進筒15と、を備える。
【0009】
レンズ鏡筒1は、本実施形態では2群構成の単焦点レンズで、1群レンズL1と、2群レンズL2とを備える。ただし、2群構成の単焦点レンズに限定されない。例えば、ズームレンズでも良いし、より多くの群で構成されていてもよい。
1群レンズL1は、第1-1群レンズL11と、第2-1群レンズL12と、第3-1群レンズL13と、第4-1群レンズL14と、第5-1群レンズL15と、第6-1群レンズL16と、第7-1群レンズL17と、を備える。
第1-1群レンズL11の外周は第1-1群レンズ保持枠21に保持され、第2-1群レンズL12外周は第2-1群レンズ保持枠22に保持され、第3-1群レンズL13の外周は第3-1群レンズ保持枠23に保持され、第4-1群レンズL14の外周は第4-1群レンズ保持枠24に保持され、第5-1群レンズL15外周は第5-1群レンズ保持枠25に保持され、第6-1群レンズL16の外周は第6-1群レンズ保持枠26に保持され、第7-1群レンズL17外周は第7-1群レンズ保持枠27に保持されている。
【0010】
第3-1群レンズ保持枠23と、第4-1群レンズ保持枠24と、第5-1群レンズ保持枠25とは、それらの外周に配置された第2直進移動筒32に固定されている。第2直進移動筒32は直進筒15にネジ止めされている。
したがって、直進筒15が直進すると、第2直進移動筒32が直進し、これにより第3-1群レンズ保持枠23と、第4-1群レンズ保持枠24と、第5-1群レンズ保持枠25と、が直進し、ゆえに第3-1群レンズL13と、第4-1群レンズL14と、第5-1群レンズL15とが直進する。
【0011】
第1-1群レンズ保持枠21と、第2-1群レンズ保持枠22とは、それらの外周に配置された第1直進移動筒31に固定されている。第1直進移動筒31は第2直進移動筒32の被写体側の先端にネジ止めされている。
したがって、直進筒15が直進すると、第2直進移動筒32とともに第1直進移動筒31が直進し、これにより第1-1群レンズ保持枠21と、第2-1群レンズ保持枠22とが直進し、ゆえに第1-1群レンズL11と、第2-1群レンズL12とが直進する。
【0012】
第6-1群レンズ保持枠26と、第7-1群レンズ保持枠27とは、直進筒15に固定されている。したがって、直進筒15が直進すると、第6-1群レンズ保持枠26と、第7-1群レンズ保持枠27とが直進し、ゆえに第6-1群レンズL16と第7-1群レンズL17とが直進する。
すなわち、直進筒15の直進により、1群レンズL1が全て直進する。
【0013】
また、2群レンズL2は、2群レンズ保持枠28に保持され、2群レンズ保持枠28は、固定筒14の像側に固定されている。
【0014】
図2図1の点線部分の筒構成を示す拡大斜視図で、固定筒14と直進筒15とを示す。
(固定筒14)
図1に示すように固定筒14は、被写体側が大径で像側が小径の筒部材である。なお、固定筒14の形状はこれに限らず、被写体側も像側もほぼ同径の形状であってもよい。図2に示すように固定筒14の被写体側の円周状端面の周方向における均等な3箇所には、像側に向って略矩形に切り欠かれた凹部14aが設けられている。
【0015】
(ベアリング14b)
固定筒14における被写体側の端部における、凹部14aと周方向に隣接する部分に、外周側に突出してベアリング14bが取り付けられている。言い換えると、凹部14aとベアリング14bとは、周方向において少なくとも一部が重なるように取り付けられている。ベアリング14bは、周方向の3箇所に設けられた凹部14aのそれぞれに対応して3箇所に取り付けられている。なお、凹部14a、ベアリング14bが設けられる位置は、周方向における均等な3箇所に限定されない。2箇所以下でもよいし、4箇所以上でもよい。また、不均等に配置されてもよい。
【0016】
(第1環状部材16)
固定筒14の被写体側には、固定筒14と略同径の第1環状部材16が配置されている。
第1環状部材16の固定筒14側(像側)の円周状端面の周方向の3箇所には、固定筒14側(像側)に向って延びる略矩形の凸部16aが設けられている。
固定筒14の凹部14aと、第1環状部材16の凸部16aとは略同形で、凹部14a内に凸部16aがはめ込まれるようにして、固定筒14の被写体側に第1環状部材16が配置されている。
【0017】
(バネ17)
凸部16aの固定筒14側(像側)の端面には、被写体側に向って延びる2つの穴16cが設けられている。穴16cには、それぞれ、バネ17が挿入されている。
バネ17は圧縮バネで、穴16cの深さより長く、バネ17の一端は穴16cの固定筒14側(像側)を向いた底部(穴16cの被写体側の端部)に当接し、バネ17の他端は穴16cから突出し、固定筒14の凹部14aの被写体側を向いた側面と当接している。
【0018】
(ベアリング16b)
第1環状部材16の凸部16aには、それぞれベアリング16bが外周側に突出して取り付けられている。
【0019】
(回転筒13)
図3は回転筒13の内周を示す断面図で、ベアリング14b、ベアリング16b及びバネ17も示す。回転筒13の内周の像側には、光軸OAを中心とした円周に沿うように円周溝13aが形成されている。図示するように、ベアリング14bの外径とベアリング16bの外径は、円周溝13aの幅とほぼ同じか、それより小さい。
また、回転筒13の内周には、円周溝13aより被写体側に、光軸OAを中心とした螺旋状のヘリコイド溝13bが形成されている。
【0020】
図3に点線で、固定筒14の凹部14aが設けられている部分と、第1環状部材16の凸部16aが設けられている部分を示す。
【0021】
(円周溝13aおけるガタ取り構造)
上述のように第1環状部材16は、固定筒14の被写体側に配置され、固定筒14の凹部14a内に第1環状部材16の凸部16aが嵌るようにして配置されている。よって、ベアリング14bとベアリング16bとは、光軸を中心とする周方向において、少なくとも一部が重なるように配置される。これにより同一の溝(円周溝13a)に係合しやすい。回転筒13は、固定筒14と第1環状部材16との外周側に配置されている。固定筒14のベアリング14bと、第1環状部材16のベアリング16bとは、回転筒13の円周溝13a内に配置されている。
このとき、固定筒14の凹部14aの被写体側を向いた側面と、第1環状部材16の穴16cの像側を向いた底面との間に、バネ17が配置されている。バネ17は、第1環状部材16を固定筒14から離れるように付勢する。
【0022】
そうすると、第1環状部材16に固定されたベアリング16bは、図3の矢印F1で示す方向に押圧され、回転筒13の円周溝13aの被写体側の側面に接触する。一方、固定筒14のベアリング14bは、図3の矢印F2で示す方向に押圧され、円周溝13aの像側の側面に接触する。
このため、回転筒13は、内周に設けられた円周溝13aの被写体側の側面がベアリング16bに押さえられ、像側の側面がベアリング14bに押さえられる。このため、回転筒13と固定筒14とはガタなく保持される。なお、ベアリング14bは、円周溝13aの像側の側面と被写体側の側面との両方に当接してもよい。これにより、ベアリング14bは移動用のメインのベアリングとして、円周溝13aの中をガタなく移動できる。また、ベアリング16bは、円周溝13aの被写体側の側面に当接し、像側の側面には当接しないようにしてもよい。これにより、ベアリング16bはガタ取り用のベアリングとして、過剰拘束せずに円周溝13aの中を移動できる。ベアリング14bが円周溝13aの像側の側面に沿って移動することにより各レンズは光軸方向に移動可能である。
なお、「ガタ」とは、部材間での、製造上の誤差や、機械設計時に意図的に設けられた組立上必要なクリアランス等によって生じてしまう相対的な動きをいう。また、「ガタ取り」とは、この相対的な動きを除去することを意味する。
【0023】
つまり、固定筒14とは別に第1環状部材16を備え、固定筒14と第1環状部材16とを付勢することで、固定筒14に対する回転筒13のガタをとることができる。
【0024】
このとき、回転筒13は、固定筒14及び第1環状部材16に対して回転するが、回転筒13の内周に設けられた円周溝13aの両側面を押さえているのは、ベアリング14bとベアリング16bであるので、回転筒13の回転を妨げることはない。
【0025】
なお、実施形態では、このように、ベアリング14b及びベアリング16bにより円周溝13aの両側面を押さえるガタ取り構造を周方向に3箇所設けたが、3箇所に限定されず、例えば6箇所に設けても良い。
また、実施形態では、ガタ取り構造としてベアリング14b及びベアリング16bを設けたが、ベアリングに限定されず、外周側に突出したピン等であってもよい。なお、ピンの場合は、互いに相対回転する筒部材間のガタ取りの場合、外面が滑らかで、滑りやすくしてもよい。
【0026】
(直進筒15)
図1に示すように、直進筒15は、固定筒14と同様に被写体側が大径で、像側が小径であり、被写体側の端部に大径部よりもさらに大径で外周にヘリコイドネジ15cが設けられたネジ部15Cが設けられている。なお、直進筒15の形状はこれに限らず、被写体側と像側とがほぼ同径の形状でもよい。
ヘリコイドネジ15cは、図3に示す回転筒13のヘリコイド溝13bに螺合し、回転筒13が回転すると、ヘリコイドネジ15cがヘリコイド溝13bに沿って移動する。これにより直進筒15は、固定筒14と、固定筒14に対して回転するが光軸方向には移動しない回転筒13と、に対して光軸OA方向に直進移動(進退)する。
【0027】
図1の上部及び図2は、直進筒15の固定筒14に対する突出量が最も少ない状態を示し、直進筒15のネジ部15Cのみが第1環状部材16及び固定筒14から突出している。
図1の下部は直進筒15の固定筒14に対する突出量が最も大きい状態を示し、直進筒15のネジ部15Cは、図1の上部に示す状態と比べて第1環状部材16及び固定筒14から光軸方向に離間しており、直進筒15の大径部の約半分程度が第1環状部材16及び固定筒14よりも被写体側に突出している。ただし、直進筒15の先端は、回転筒13の先端から突出しておらず、回転筒13のヘリコイド溝13bと、直進筒15のヘリコイドネジ15cとの係合は維持されている。
【0028】
図2に示すように、直進筒15の被写体側の円周状端面の周方向の3箇所には、像側に向って略矩形に切り欠かれた凹部15aが設けられている。
(ベアリング15b)
直進筒15における、凹部15aが設けられた部分と周方向に隣接する部分に、外周側に突出してベアリング15bが取り付けられている。言い換えると、凹部15aとベアリング15bとは、周方向において少なくとも一部が重なるように設けられている。ベアリング15bは、凹部15aと同様に周方向の3箇所に取り付けられている。なお、凹部15a、ベアリング15bが設けられる位置は、周方向の3か所に限定されず、2箇所以下であってもよいし、4箇所以上でもよい。
【0029】
(第2環状部材18)
直進筒15の被写体側には、直進筒15と略同径の第2環状部材18が配置されている。
第2環状部材18の直進筒15側(像側)の円周状端面の周方向の3箇所には、直進筒15側(像側)に向って延びる略矩形の凸部18aが設けられている。
直進筒15の凹部15aと、第2環状部材18の凸部18aとは略同形で、凹部15a内に凸部18aがはめ込まれるようにして直進筒15の被写体側に第2環状部材18が配置されている。
【0030】
(バネ18d)
凸部18aの直進筒15側(像側)の端面には、被写体側に延びる2つの穴18cが形成されている。穴18cには、それぞれバネ18dが挿入されている。
バネ18dは圧縮バネで、穴18cの深さより長く、バネ18dの一端は穴18cの直進筒15側(像側)を向いた底部(穴18cの被写体側の端部)に当接し、バネ18dの他端は穴18cから突出して直進筒15の凹部15aの被写体側を向いた側面と当接している。
【0031】
(ベアリング18b)
第2環状部材18の凸部18aには、それぞれベアリング18bが外周側に突出して取り付けられている。
【0032】
図3に点線で直進筒15の凹部15aが設けられている部分と、第2環状部材18の凸部18aが設けられている部分を示す。図示するようにベアリング18bの外径とベアリング15bの外径は、ヘリコイド溝13bの幅とほぼ同じか、それより小さい。
【0033】
(ヘリコイド溝13bにおけるガタ取り構造)
上述のように第2環状部材18は、直進筒15の被写体側に配置され、直進筒15の凹部15a内に第2環状部材18の凸部18aが嵌るようにして配置されている。よって、ベアリング15bとベアリング18bとは、光軸を中心とする周方向において、少なくとも一部が重なるように配置される。これにより同一の溝(ヘリコイド溝13b)に係合しやすい。そして、回転筒13が直進筒15と第2環状部材18との外周側に配置されている。直進筒15のベアリング15bと、第2環状部材18のベアリング18bとは、回転筒13のヘリコイド溝13b内に配置されている。
このとき、直進筒15の凹部15aの被写体側を向いた側面と、第2環状部材18の穴18cの像側を向いた底面との間に、バネ18dが配置されている。バネ18dは、第2環状部材18を直進筒15から離れるように付勢している。
【0034】
そうすると、第2環状部材18に固定されたベアリング18bが、図3の矢印F3に示す方向に押圧され、回転筒13のヘリコイド溝13bの被写体側の側面と接触する。一方、直進筒15のベアリング15bは、矢印F4に示す方向に押圧され、ヘリコイド溝13bの像側の側面と接触する。
このため、回転筒13は、内周に設けられたヘリコイド溝13bの被写体側の側面がベアリング18bに押さえられ、像側の側面がベアリング15bに押さえられているので、回転筒13と直進筒15とはガタなく保持される。なお、ベアリング15bは、ヘリコイド溝13bの像側の側面と被写体側の側面との両方に当接してもよい。これにより、ベアリング15bは移動用のメインのベアリングとして、ヘリコイド溝13bの中をガタなく移動できる。また、ベアリング18bは、ヘリコイド溝13bの被写体側の側面に当接し、像側の側面には当接しないようにしてもよい。これにより、ベアリング18bはガタ取り用のベアリングとして、過剰拘束せずにヘリコイド溝13bの中を移動できる。ベアリング15bがヘリコイド溝13bの像側の側面に沿って移動することにより、各レンズは光軸方向に移動する。
【0035】
つまり、直進筒15とは別に第2環状部材18を備え、直進筒15と第2環状部材18とを付勢することで、直進筒15に対する回転筒13のガタ、若しくは回転筒13に対する直進筒15のガタをとることができる。
【0036】
このとき、回転筒13は、直進筒15及び第2環状部材18に対して回転するが、回転筒13の内周に設けられたヘリコイド溝13bの両側面を押さえているのはベアリング18bとベアリング15bとであるので回転筒13の回転を妨げることはない。
【0037】
なお、実施形態では、このように、ベアリング15bとベアリング18bによりヘリコイド溝13bの両側面を押さえるガタ取り構造を周方向に3箇所設けたが、箇所に限定されず、例えば6箇所に設けても良い。
また、実施形態では、ガタ取り構造としてベアリング15b及びベアリング18bを設けた、ベアリングに限定されず、外周側に突出したピン等であってもよい。なお、ピンの場合は互い言相対回転する筒部材間のガタ取りでは、外面が滑らかで、滑りやすいことが好ましい。
【0038】
また、回転筒13のヘリコイド溝13bの側面の形状は、被写体側と像側とで異ならせてもよい。これにより、直進筒15に対して第2環状部材18が傾くことを防ぐことができる。また、トルクの調整をすることができる。
【0039】
ヘリコイド溝13bの場合、両ベアリング15b、18bの光軸OA方向の相対的距離が変わる場合がある。このとき、相対的距離が広がってもバネ付勢できるような比較的強いバネを使ってもよい。
【0040】
さらに、直接レンズを保持している筒の場合は、特に倒れないように強いバネで付勢するようにしてレンズの倒れを防止してもよい。
本実施形態では、2群構成の単焦点レンズであって、フォーカシング際のレンズ駆動時での相対回転する2つの筒間でのガタ取りを説明したが、これに限定されず、ズーミングや絞り駆動時に相対回転する2つの筒部材間のガタ取りにおいて本実施形態の構成を徹供することができ、メカ構成は上述の実施形態に限定されるものではない。
なお、実施形態では、円周溝13a又はヘリコイド溝13bを有する回転筒13が、固定筒14や直進筒15、第1環状部材16、第2環状部材18より外周側に配置される例を説明したが、これに限らない。回転筒13が内周側に配置されていてもよい。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図面等を参照して第2実施形態のレンズ鏡筒201について説明する。
図4は、第2実施形態のレンズ鏡筒201を示す部分断面図である。レンズ鏡筒201も第1実施形態のレンズ鏡筒1と同様に、レンズ側マウント部(図示せず)を有し、カメラボディ(図示せず)に設けられたボディ側マウント部(図示せず)に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒201である。なお、ボディとレンズ鏡筒とが一体型のカメラであってもよい。
【0042】
第2実施形態のレンズ鏡筒201はズームレンズで、少なくとも1群レンズM1と2群レンズM2と、3群レンズM3とを備える。第2実施形態では2群レンズM2がフォーカスレンズである。
【0043】
1群レンズM1の外周は1群レンズ保持枠221に保持され、2群レンズM2の外周は2群レンズ保持枠222に保持され、3群レンズM3の外周は3群レンズ保持枠223に保持されている。
1群レンズ保持枠221と3群レンズ保持枠223とは、連結筒224で連結されている。連結筒224の1群レンズ保持枠221と3群レンズ保持枠223との間には、駆動軸225が延びている。2群レンズ保持枠222は駆動軸225に保持され、駆動部(図示せず)によって、連結筒224内を光軸OA方向に移動可能となっている。
【0044】
連結筒224の被写体側の外周には直進筒215が配置されている。直進筒215と連結筒224とは、一体で直進移動する。直進筒215の外周には回転筒213が配置されている。
【0045】
(回転筒213)
図5は回転筒213の展開図である。回転筒213は内面にカム溝213aが設けられている。カム溝213aには、後述するように直進筒215より外側に突出したベアリング(メインベアリング)215bと、ベアリング250bとが係合している。ベアリング215bとベアリング250bとは、光軸を中心とする周方向において、少なくとも一部が重なるように配置されている。これにより同一の溝(カム溝213a)に係合しやすい。
回転筒213が回転すると、ベアリング215bがカム溝213aに沿って移動することにより、直進筒215が光軸OA方向に直進する。
直進筒215が直進すると、連結筒224とともに、1群レンズ保持枠221及び3群レンズ保持枠223、及びこれらの間に保持されている2群レンズ保持枠222が直進し、すなわち1群レンズM1、2群レンズM2、3群レンズM3が光軸方向に移動する。さらに2群レンズM2は、駆動部(図示せず)の駆動によって1群レンズM1及び3群レンズM3に対して光軸方向に駆動されることでフォーカス位置を調整する。
【0046】
図6は直進筒215と、レンズ鏡筒201のガタ取り構造部200とを示した斜視図である。図7はガタ取り構造部200を内径側から見た分解斜視図である。
【0047】
(直進筒215)
図6に示すように直進筒215は、周方向の均等な3箇所に、光軸OAに沿って延びる溝部215aが形成されている。直進筒215は、溝部215aと同一直線上の位置から円周方向にわずかにずれた位置に、外側に突出したベアリング215bが取り付けられている。
【0048】
(付勢力伝達部材250)
直進筒215の溝部215aが設けられている部分と、回転筒213との間には、付勢力伝達部材250が配置されている。付勢力伝達部材250は、光軸OA方向に延びる板部材であり、中央部に光軸方向に延びる開口部250aが設けられている。付勢力伝達部材250における開口部250aを挟んだ長手方向の両側に、長穴251及び長穴252が設けられている。長穴251及び長穴252の長手方向の一方は、円形になっている。付勢力伝達部材250における開口部250aの被写体側の端部は、内径側に折れ曲がってバネかけ部255が形成されている。また、付勢力伝達部材250の像側には外側に突出するベアリング250bが取り付けられている。
【0049】
長穴251にはピン253が挿通され、直進筒215に固定されている。長穴252にはピン254が挿通され、ピン254は、さらに、付勢力伝達部材250と直進筒215との間に配置されたバネかけ板部材256を貫通して直進筒215に固定されている。
バネかけ板部材256は、直進筒215に固定されている。
バネかけ板部材256と、付勢力伝達部材250に設けられたバネかけ部255との間には、バネ260が掛けられている。バネ260は引張バネである。
バネ260の一端がバネかけ板部材256に掛けられ、バネ260の他端がバネかけ部255にかけられることでバネかけ部255、即ち付勢力伝達部材250を図4図6図7に示す矢印方向に付勢する。これにより、付勢力伝達部材250は像側に引っ張られる。
【0050】
図8は直進筒215、直進筒215の外側に配置された点線で示す回転筒213を径方向外周側から見た部分的な図である。回転筒213の内面のカム溝213aの内部にベアリング250bとベアリング215bとが配置されている。
付勢力伝達部材250が図中矢印で示すように像側に押されると、付勢力伝達部材250に固定されているベアリング250bも像側に押され、ベアリング250bがカム溝213aの像側の側面と当接してその側面を押さえる。
【0051】
一方、カム溝213aの被写体側面には、直進筒215に固定されたベアリング215bが当接している。これにより、カム溝213aの両側面が、ベアリング250bとベアリング215bとによりそれぞれ押さえられるので、回転筒213と、その回転筒213の回転によって直進移動する直進筒215との間のガタが防止される。
【0052】
実施形態において、ベアリング215bは回転筒213の回転により直進筒215を駆動するメインベアリングで、付勢力伝達部材250に固定されたベアリング250bはガタ取り用のベアリングである。そして、回転筒213が回転するとズーム位置やフォーカス位置に対応してメインベアリング215bの位置は変わる。
【0053】
図9は比較形態における回転筒213’に設けられたカム溝213a’を示す図である。比較形態では、カム溝213a’の幅が一定である。
カム溝213a’の幅が一定である場合、ズーム位置やフォーカス位置によって、メインベアリング215bの位置が変わると、メインベアリング215bとガタ取り用ベアリング250bとの光軸方向の相対的な位置関係が変わる。
例えば、図9の位置P1では、メインベアリング215bとガタ取り用ベアリング250bとの間の光軸OA方向の距離がd1であるが、図9のP2の位置では、メインベアリング215bとガタ取り用のベアリング250bとの間の光軸OA方向の距離はほぼ0である。
【0054】
そうすると、ズーム位置やフォーカス位置によってメインベアリング215bとガタ取り用のベアリング250bとの位置関係が変わると、バネ260の伸び量も変わる。したがって、ガタ取り用ベアリング250bがカム溝213aに押し付けられる力が変化する。そうすると、ユーザのトルク感(操作感)が変わり、ユーザが違和感を感じる場合がある。
【0055】
しかし、実施形態においては、カム溝213aの側面の形状を被写体側(前側)と像側(後側)とで異ならせ、図5に示すように、位置Q1,Q2,Q3で示すいずれの位置においてもメインベアリング215bとガタ取り用ベアリング250bとの位置関係(例えば、光軸OA方向の距離d2)は変化しないようにしている。したがって、ガタ取り用ベアリング250bがカム溝213aに押し付けられる力の変化量は少ない。よって、ユーザのトルク感は変化せず、ユーザは違和感を感じることなく操作することができる。この場合、メインベアリング215bと接触しているカム溝213aの被写体側の側面によって、回転筒213に対する直進筒215の移動軌跡が決まる。
【0056】
また、一般的にカム溝213aの、円周方向に対する傾斜角度が大きい領域ではトルクは小さく、傾斜角度が小さい領域ではトルクは大きくなってしまう。よって、カム溝213aの傾斜角度が大きい領域ではバネ力が強く、傾斜角度が小さい領域ではバネ力が弱くなるように、ガタ取り用ベアリングと当接するカム面の形状を調整してもよい。
【0057】
本実施形態ではメインベアリング215bはカム溝213aの被写体側の側面に当接し、ガタ取り用のベアリング250bはカム溝213aの像側の側面に当接させたが、これに限定されない。例えば、メインベアリングをカム溝の両側面と当接させ、ガタ用ベアリングは一方の側面に当接するようにしてもよい。これにより、メインベアリングはカム溝の両面に当接して移動できるため、筒(レンズ)の移動を精度よくすることができ、且つガタ取り用のベアリングは片面に当接しているので過剰拘束をせずにスムーズに移動させることができる。
【0058】
なお、実施形態では引張りバネを用いたが、圧縮バネを用いても良い。
なお、実施形態では回転筒213が直進筒215より外周側に配置される例で説明したがそれに限らない。回転筒213が直進筒215より内周側に配置されていてもよい。
【0059】
(第3実施形態)
次に、図10-12を参照して第3実施形態のレンズ鏡筒301について説明する。レンズ鏡筒301も第1実施形態のレンズ鏡筒1と同様に、レンズ側マウント部(図示せず)を有し、カメラボディ(図示せず)に設けられたボディ側マウント部(図示せず)に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒301である。なお、ボディとレンズ鏡筒とが一体型のカメラであってもよい。レンズ鏡筒301は互いに相対回転しないが直進移動する内筒310と外筒350とを備える。
【0060】
図10は、第3実施形態のレンズ鏡筒301の部分斜視図であり、外筒350を除いた状態を示す。図11図10のA-A断面図であり、図10に示す内筒310の外周に外筒350が配置された状態を示す。図12は、図11のA-A断面図から周方向にずれた図10のB-B断面図である。
【0061】
(内筒310)
内筒310の外周における周方向の均等な3箇所に、光軸方向に延びる凹部311が設けられている。凹部311の長手方向の両端は、周方向の幅が広くなった幅広部311aが設けられている。なお、凹部311が設けられる位置は2箇所以下でもよいし、4箇所以上でもよい。また、不均等でもよい。
【0062】
(直方体部材313)
凹部311の幅広部311a以外の部分(中央部)の内部には、長手方向に沿って2つの細長い直方体部材313が配置されている。直方体部材313における長手方向の一端の側面には、直方体部材313の内部へと延びる穴313aが設けられている。また、直方体部材313における長手方向の他端の側面には、窪み313bが設けられている。
2つの直方体部材313は、それぞれの穴313aが設けられている面を対向させるようにして直線状に凹部311内に配置されている。
そして、一方の直方体部材313の穴313aと他方の直方体部材313の穴313aを通して1つのバネ315が配置されている。バネ315は圧縮バネで、バネ315の両端は、それぞれの直方体部材313の穴313aの底部と当接し、2つの直方体部材313を互いに離れる方向に付勢している。
なお、直方体部材313の形状は、一例として直方体として説明するが、形状は直方体に限らない。例えば円柱や多角柱の形状でもよい。
【0063】
(ローラ320)
凹部311の長手方向の両端側に設けられた幅広部311aには、ローラ320が配置されている。ローラ320は円板状で、ローラ320の中心には軸部材321が挿通されている。ローラ320の一部は、直方体部材313の窪み313b内に保持される。
凹部311の幅広部311aにおける、ローラ320が配置される部分を挟んだ周方向の両側における、光軸方向の両端面には、図12に示すように斜面312aが形成されている。この斜面312aには、ローラ320の軸部材321が当接し、この当接位置によりローラ320の径方向の位置が定まる。
【0064】
(外筒350)
外筒350の内面にも、周方向における均等な3箇所に、光軸方向に延びる凹部350aが形成されている。
内筒310の凹部311に配置されたローラ320の上端は、外筒350の凹部350aの内面と当接している。
バネ315によって2つの直方体部材313が互いに離れる方向に付勢されると、両端のローラ320は互いに離れる方向に回転移動し、軸部材321が斜面312aを登る。そうするとローラ320の位置が内筒310から外筒350側へと移動する。つまり、バネ315によって2つの直方体部材313が光軸方向に付勢されることによって、ローラ320が外筒350の凹部350aと当接し、内筒310と外筒350との径方向のガタをとることができる。
光軸方向の両端に配置されている2つのローラ320の組は、周方向に均等な3箇所配置されている。バネ315のバネ力や、斜面312aの傾斜が、周方向の3箇所において均等な場合、外筒350は周方向3箇所において、均等に外側に押圧され、外筒350と内筒310との間の径方向のガタを取ることができる。なお、バネ315のバネ力や、斜面312aの傾斜は、周方向の3箇所において異ならせてもよい。
なお、実施形態では、内筒310が凹部311を有し、外筒350が凹部350aを有する例で説明したが、これに限らない。外筒350に凹部311を形成し、内筒310に凹部350aを形成してもよい。これによりローラ320が外筒350に形成される斜面312aを内径側に向かって転がり、内筒310の凹部350aと当接して、ガタをとることができる。
【0065】
(第4実施形態)
次に、図13及び図14を参照して第4実施形態のレンズ鏡筒401について説明する。レンズ鏡筒401も第1実施形態のレンズ鏡筒1と同様に、レンズ側マウント部(図示せず)を有し、カメラボディ(図示せず)に設けられたボディ側マウント部(図示せず)に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒401である。なお、ボディとレンズ鏡筒とが一体型のカメラであってもよい。レンズ鏡筒401は互いに相対回転しないが直進移動する内筒410と、外筒450とを備える。
図13は、第4実施形態のレンズ鏡筒401の部分斜視図であり、外筒450を除いた状態を示す。図14図13のC-C断面図であり、図13に示す内筒410の外周に外筒450が配置された状態を示す。
【0066】
(内筒410)
内筒410外周における周方向の均等な3箇所に、光軸方向に延びる凹部411が設けられている。なお、凹部411が設けられるのは2箇所以下でもよいし4箇所以上でもよい。また、不均等に配置されていてもよい。凹部411の長手方向の両端には、円錐部411aが設けられている。
【0067】
(六角柱部材413)
凹部411の円錐部411a以外の部分(中央部)には、長手方向に沿って2つの細長い六角柱部材413が配置されている。六角柱部材413における長手方向の一端の側面には、六角柱部材413の内部へと延びる穴413aが設けられている。2つの六角柱部材413は、それぞれの穴413aが設けられている面を対向させるようにして直線状に凹部411内に配置されている。そして、一方の六角柱部材413の穴413aと他方の六角柱部材413の穴413aを通して1つのバネ415が配置されている。バネ415は圧縮バネで、バネ415の両端は、それぞれの六角柱部材413の穴413aの底部と当接し、2つの六角柱部材413を互いに離れる方向に付勢している。なお、六角柱部材413の形状は、一例として六角柱として説明するが、形状はこれに限らない。例えば円柱や他の多角柱であってもよい。
【0068】
(ボール420)
凹部411の長手方向の両端側に設けられた円錐部411aには、ボール420が配置されている。ボール420は、六角柱部材413の穴413aが設けられている側と反対の面と当接している。
また、ボール420は、凹部411の両端側に設けられた円錐部411aの斜面とも当接している。このボール420と円錐部411aの斜面との当接位置によりボール420の径方向の位置が定められる。
【0069】
(外筒450)
外筒450の内面にも、周方向における均等な3箇所に、光軸方向に延びる凹部450aが形成されている。内筒410の凹部411に配置されたボール420の上端は、外筒450の凹部450aの内面と当接している。
バネ415によって2つの六角柱部材413が互いに離れる方向に付勢されると、両端のボール420は互いに離れる方向に回転移動して円錐部411aの斜面を登る。そうするとボール420の位置が内筒410側から、外筒450へと移動する。つまり、バネ415によって2つの六角柱部材413が光軸方向に付勢されることによって、ボール420が円錐部411aの斜面を登り外筒450の凹部450aと当接し、内筒410と外筒450との径方向のガタをとることができる。
光軸方向の両端に配置されている2つのボール420の組は、周方向に均等な3箇所配置されている。バネ415のバネ力や、円錐部411aの斜面の傾斜が、周方向の3箇所において均等な場合、外筒350は周方向3箇所において、均等に外側に押圧され、外筒350と内筒310との間の径方向のガタを取ることができる。なお、バネ415のバネ力や、円錐部411aの傾斜は、周方向の3箇所において異ならせてもよい。
なお、実施形態では、内筒410が凹部411を有し、外筒450が凹部450aを有する例で説明したが、これに限らない。外筒450に凹部411を形成し、内筒410に凹部450aを形成してもよい。これによりボール420が外筒450に形成される円錐部411aの斜面を内径側に向かって転がり、内筒410の凹部450aと当接して、ガタをとることができる。
【0070】
なお、上記説明した実施形態に限らず任意の組み合わせでも良い。
【符号の説明】
【0071】
1:レンズ鏡筒、13:回転筒、13a:円周溝、13b:ヘリコイド溝、14:固定筒、14a:凹部、14b:ベアリング、15:直進筒、15C:ネジ部、15a:凹部、15b:ベアリング、15c:ヘリコイドネジ、16:第1環状部材、16a:凸部、16b:ベアリング、16c:穴、17:バネ、18:第2環状部材、18a:凸部、18b:ベアリング、18c:穴、18d:バネ、200:構造部、201:レンズ鏡筒、213:回転筒、213a:カム溝、215:直進筒、215a:溝部、215b:ベアリング、224:連結筒、225:駆動軸、250:付勢力伝達部材、250a:開口部、250b:ベアリング、251:長穴、252:長穴、253:ピン、254:ピン、255:バネかけ部、256:板部材、260:バネ、301:レンズ鏡筒、310:内筒、311:凹部、312a:斜面、313:直方体部材、313a:穴、315:バネ、320:ローラ、321:軸部材、350:外筒、350a:凹部、401:レンズ鏡筒、410:内筒、411:凹部、411a:円錐部、413:六角柱部材、413a:穴、415:バネ、420:ボール、450:外筒、450a:凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14