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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ボイスコイルモータおよびレンズ鏡筒
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/18 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
H02K33/18 B
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022571470
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2021047150
(87)【国際公開番号】W WO2022138594
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2020217237
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 梓
(72)【発明者】
【氏名】芦沢 隆利
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-153030(JP,A)
【文献】特開平04-067364(JP,A)
【文献】特開昭63-181660(JP,A)
【文献】特開2020-064284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動部材を第1方向に駆動するボイスコイルモータであって、
前記第1方向に長さを有する第1ヨーク及び第2ヨークと、
前記第1方向に長さを有し、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの間に配置される第3ヨークと、
前記第1ヨークに配置される第1磁石と、
前記第2ヨークに配置される第2磁石と、
前記第3ヨークに貫通され、前記第1磁石および前記第2磁石の磁力により前記第1方向に移動可能なコイルと、を備え、
前記第3ヨークの前記第1方向における端部の断面積は、前記第1方向における中央部の断面積よりも大きく、
前記コイルは前記被駆動部材に固定され、
前記被駆動部材の外周に沿って、前記第1ヨークと、前記第1磁石と、前記第3ヨークと、前記第2磁石と、前記第2ヨークと、が順に配置され
前記第3ヨークの少なくとも一部は、前記第1方向に沿った円柱形状である、
ボイスコイルモータ。
【請求項2】
前記第3ヨークは、前記中央部を含む第1領域と、前記第1方向において前記第1領域の両側に位置する第2領域とを有し、
前記第2領域における前記第3ヨークの前記第1方向に垂直な平面における断面積は、前記第1領域における断面積よりも大きい、
請求項1に記載のボイスコイルモータ。
【請求項3】
前記第1領域は、前記コイルが移動可能な領域であり、前記第2領域は前記コイルが移動不可能な領域である、
請求項2に記載のボイスコイルモータ。
【請求項4】
前記第2領域の前記第1方向における長さは、前記第1領域の前記第1方向における長さよりも短い、
請求項2又は請求項3に記載のボイスコイルモータ。
【請求項5】
前記第2領域において、前記第3ヨークの前記第1方向に垂直な平面における断面積は、前記第1領域側の一端から他端にかけて徐々に大きくなる、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項6】
前記第1領域における前記第3ヨークの前記第1方向と垂直な平面における断面積は一定である、
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項7】
前記第3ヨークは、前記第1方向に沿った溝を前記第1領域に有し、前記第2領域には前記第1方向に沿った溝を有さない、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項8】
前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの前記第1方向に垂直な平面における断面形状及び断面積は、前記第1方向における一方の端部から他方の端部にかけて一定である、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項9】
前記第1ヨークの形状は、前記第2ヨークの形状と同じであり、
前記第3ヨークの形状は、前記第1ヨークの形状と異なる、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項10】
前記第1ヨークの前記第3ヨークの中央部と対向する位置に前記第1磁石が配置され、
前記第2ヨークの前記第3ヨークの前記中央部と対向する位置に前記第2磁石が配置される、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項11】
前記被駆動部材はレンズを保持し、
前記レンズの周方向において対向する前記第1ヨークの2側面のうち前記第3ヨークから遠い第1側面を含む第1平面と、前記周方向において対向する前記第2ヨークの2側面のうち前記第3ヨークから遠い第2側面を含む第2平面と、は交差する、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項12】
前記第1ヨークおよび前記第2ヨークの少なくとも一方の前記第1方向における端部の断面積は、前記第1方向における中央部の断面積よりも大きい、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項13】
前記第1ヨークの前記第1方向における端部の断面積と前記第2ヨークの前記第1方向における端部の断面積と前記第3ヨークの前記第1方向における端部の断面積との和は、前記第1ヨークの前記第1方向における中央部の断面積と前記第2ヨークの前記第1方向における中央部の断面積と前記第3ヨークの前記第1方向における中央部の断面積との和よりも大きい、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項14】
前記第3ヨークの材料は、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの材料とは異なる、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項15】
前記第3ヨークの材料の飽和磁束密度は、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの材料の飽和磁束密度より大きい、
請求項14に記載のボイスコイルモータ。
【請求項16】
前記第1ヨークの材料は、前記第2ヨークの材料と同一である、
請求項14又は請求項15に記載のボイスコイルモータ。
【請求項17】
前記第3ヨークの材料は、Fe-49%Co-2%V合金、Fe-35%Co-Cr合金、Fe-20%Co-Cr-V合金、珪素鋼板Fe-3%Si合金、純鉄、またはSS400である、
請求項14から請求項16のいずれか1項に記載のボイスコイルモータ。
【請求項18】
前記第1ヨークの材料及び前記第2ヨークの材料は、SPCCである、
請求項17に記載のボイスコイルモータ。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のボイスコイルモータを備えるレンズ鏡筒。
【請求項20】
前記被駆動部材は、レンズを保持するレンズ保持枠であり、
前記レンズの光軸を中心とする円周方向に沿って、前記第1ヨークと、前記第1磁石と、前記第3ヨークと、前記第2磁石と、前記第2ヨークと、が順に配置される、
請求項19に記載のレンズ鏡筒。
【請求項21】
前記第1ヨークは板状の形状であり、
前記レンズの周方向において対向する前記第1ヨークの2側面のうち前記第3ヨークから遠い第1側面を含む第1平面は、前記第3ヨークの中心軸と前記光軸とを含む平面と、交差する、
請求項20に記載のレンズ鏡筒。
【請求項22】
前記第1方向における前記第1ヨークの端部と、前記第1方向における前記第2ヨークの端部とを連結する連結部材を有し、
前記連結部材は、前記レンズの光軸を中心とする円周方向に沿って湾曲した形状である、
請求項20または請求項21に記載のレンズ鏡筒。
【請求項23】
前記ボイスコイルモータが固定される第2固定筒と、
前記第2固定筒の外周に配置される第1固定筒と、
を備える請求項20から請求項22のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項24】
前記第2固定筒において、前記第1方向において前記レンズ保持枠と対向する位置に配置される緩衝部材を備える請求項23に記載のレンズ鏡筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ボイスコイルモータおよびレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズの駆動装置として、ボイスコイルモータを採用したレンズ鏡筒が提案されている(例えば、特許文献1)。ボイスコイルモータは、十分な駆動力を有することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-49334号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、ボイスコイルモータは、第1方向に長さを有する第1ヨーク及び第2ヨークと、前記第1方向に長さを有し、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの間に配置される第3ヨークと、前記第1ヨークに配置される第1磁石と、前記第2ヨークに配置される第2磁石と、前記第3ヨークに貫通され、前記第1磁石および前記第2磁石の磁力により前記第1方向に移動可能なコイルと、を備え、前記第3ヨークの材料は、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの材料とは異なる。
【0005】
第2の態様によれば、ボイスコイルモータは、第1方向に長さを有する第1ヨーク及び第2ヨークと、前記第1方向に長さを有し、前記第1ヨーク及び前記第2ヨークの間に配置される第3ヨークと、前記第1ヨークに配置される第1磁石と、前記第2ヨークに配置される第2磁石と、前記第3ヨークに貫通され、前記第1磁石および前記第2磁石の磁力により前記第1方向に移動可能なコイルと、を備え、前記第3ヨークの前記第1方向における端部の断面積は、前記第1方向における中央部の断面積よりも大きい。
【0006】
第3の態様によれば、レンズ鏡筒は、上記ボイスコイルモータを備える。
【0007】
なお、後述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒と、カメラ本体と、を備えるカメラを示す図である。
図2図2(A)は、第1実施形態に係るボイスコイルモータの斜視図であり、図2(B)は、図2(A)において矢印A1で示す方向からボイスコイルモータを見た図である。
図3図3(A)は、比較例に係るボイスコイルモータの構成を示す概略図であり、図3(B)は、比較例に係るボイスコイルモータにおける磁束密度のシミュレーション結果を示す図である。
図4図4は、第2実施形態に係るレンズ鏡筒と、カメラ本体と、を備えるカメラを示す図である。
図5図5(A)は、第2実施形態に係るボイスコイルモータの構成を示す概略図であり、図5(B)は、図4のボイスコイルモータ周辺の拡大図である。
図6図6(A)は、第2実施形態の変形例1に係るボイスコイルモータの構成を示す概略図であり、図6(B)は、図6(A)のA-A線断面図であり、図6(C)は、図6(A)のB-B線断面図である。
図7図7は、第2実施形態の変形例2に係るボイスコイルモータの構成を示す概略図である。
図8図8(A)及び図8(B)は、第2実施形態の変形例3に係るボイスコイルモータの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
以下、第1実施形態に係るレンズ鏡筒100Aについて、図面を参照し、詳細に説明する。なお、各図において、理解を容易にするため、一部の要素の図示を省略している場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るレンズ鏡筒100Aと、カメラ本体101と、を備えるカメラ1Aを示す図である。なお、本実施形態において、レンズ鏡筒100Aは、カメラ本体101に対して着脱可能であるが、これに限定されず、レンズ鏡筒100Aとカメラ本体101とは一体であってもよい。
【0011】
カメラ本体101は、内部に撮像素子111および制御部112等を備えている。撮像素子111は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子によって構成され、結像光学系(カメラ本体101に装着されたレンズ鏡筒100A)によって結像された被写体像を電気信号に変換する。
【0012】
制御部112は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、カメラ本体101および装着されたレンズ鏡筒100Aにおける合焦駆動を含む撮影に係る当該カメラ1A全体の動作を統括制御する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るレンズ鏡筒100Aは、第1固定筒10と、第1固定筒10よりも内周側に配置された第2固定筒20と、を備える。本実施形態において、第1固定筒10は複数の部品から構成されているが、1つの部品により構成されてもよい。図1に示すように、第1固定筒10には、レンズ鏡筒100Aをカメラ本体101に着脱可能とするレンズマウントLMが固定されている。
【0014】
また、レンズ鏡筒100Aは、共通の光軸OAに沿って順次配列された第1~第4レンズ群L1~L4を備える。第3レンズ群L3はレンズ保持枠F3に保持され、他のレンズ群は、第2固定筒20に保持されている。第1~第4レンズ群L1~L4は、それぞれ、複数のレンズで構成されていてもよい。
【0015】
また、レンズ鏡筒100Aは、レンズ保持枠F3を光軸方向に案内するガイドバー22を備える。ガイドバー22は、第2固定筒20に固定されている。なお、ガイドバー22に代えて、光軸方向に延びる直進溝によってレンズ保持枠F3を光軸方向に案内してもよい。
【0016】
本実施形態において、第3レンズ群L3は、フォーカスレンズ群であって、レンズ鏡筒100Aの内部に配設されたボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)30Aによって光軸方向に移動されて、焦点調節を行う。
【0017】
VCM30Aは、レンズ鏡筒100A内に設けられた駆動装置113によって駆動される。駆動装置113は、カメラ本体101の制御部112による制御下で、第3レンズ群L3の合焦駆動を制御する。具体的には、駆動装置113は、光学式エンコーダや磁気エンコーダ等の位置検出機構(不図示)から入力される第3レンズ群L3の位置情報と、カメラ本体101の制御部112から入力された第3レンズ群L3の目標位置情報とに基づいて、VCM30Aの駆動信号を生成し、VCM30Aに出力する。
【0018】
VCM30Aは駆動信号によって、第3レンズ群L3を光軸方向に直進駆動する。詳細は後述するが、図1に示すように、VCM30Aが備えるコイル35には、レンズ保持枠F3が連結されている。具体的には、レンズ保持枠F3の連結部115を介して、レンズ保持枠F3は、コイル35に固定されている。これにより、コイル35が光軸方向に直進駆動すると、レンズ保持枠F3が光軸方向に直進駆動され、第3レンズ群L3の光軸方向における位置が変化する。
【0019】
なお、VCM30Aの駆動信号がOFFになっている場合、VCM30Aのコイル35はその位置を保つ保持力を有さないため、自由に移動する。そのため、レンズ鏡筒100Aを上向きまたは下向きにした場合、レンズ保持枠F3及び第3レンズ群L3の自重でコイル35が移動して、レンズ保持枠F3が第2固定筒20に衝突し、衝撃音が発生するおそれがある。そこで、図1に示すように、レンズ鏡筒100Aでは、その光軸方向において第2固定筒20のレンズ保持枠F3と重なる部分には、クッション材40が設けられている。これにより、コイル35が移動した場合に、レンズ保持枠F3がクッション材40に衝突するようになるため、衝撃が緩和されるとともに、衝撃音が抑制される。
【0020】
上記のようにカメラ本体101とレンズ鏡筒100Aとにより構成されたカメラ1Aは、図示しないシャッターボタンが押圧操作(レリーズ操作又は合焦操作)されると、カメラ本体101における制御部112が、駆動装置113を介してレンズ鏡筒100Aの合焦駆動等の制御を行う。また、レンズ鏡筒100Aによって結像された被写体像光を撮像素子111が電気信号に変換し、その画像データをカメラ本体101が備える図示しないメモリに記録(すなわち撮影)する。
【0021】
次に、VCM30Aの構成について説明する。図2(A)は、本第1実施形態に係るVCM30Aの構成を示す斜視図であり、図2(B)は、VCM30Aを図2(A)の矢印A1の方向から見た図である。
【0022】
本第1実施形態に係るVCM30Aは、光軸方向に長さを有する第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bと、光軸方向に長さを有し、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの間に配置されるセンターヨーク32Aと、を備える。
【0023】
また、VCM30Aは、第1サイドヨーク31a、第2サイドヨーク31b、およびセンターヨーク32Aの光軸方向における一端を接続する上ヨーク34aと、第1サイドヨーク31a、第2サイドヨーク31b、およびセンターヨーク32Aの光軸方向における他端を接続する下ヨーク34bとを備える。これにより、閉磁路が形成される。
【0024】
第1サイドヨーク31aのセンターヨーク32A側の側面には第1磁石33aが配置され、第2サイドヨーク31bのセンターヨーク32A側の側面には第2磁石33bが配置されている。第1磁石33aは、例えば、センターヨーク32A側がN極となるように配置されており、第2磁石33bも、センターヨーク32A側がN極となるように配置されている。これにより、図2(B)において矢印で示すように、磁束が第1磁石33aおよび第2磁石33bのN極からセンターヨーク32Aに入り、上ヨーク34aおよび下ヨーク34b並びに第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bを経て、第1磁石33aおよび第2磁石33bのS極にそれぞれ戻る磁路を形成している。
【0025】
また、VCM30Aは、センターヨーク32Aに貫通されるコイル35を備える。コイル35の内周面とセンターヨーク32Aとの間には僅かな隙間があり、コイル35は、光軸方向に移動可能となっている。またコイル35は、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bからセンターヨーク32Aに集まる磁束の向きが、コイル35の巻き方向に垂直となるように構成されている。
【0026】
コイル35には、駆動装置113から駆動信号(電流)が入力される。コイル35に電流が流れると、第1磁石33aおよび第2磁石33bの磁力によりコイル35は光軸方向に移動する。より詳細には、電流が流れているコイル35と第1磁石33aおよび第2磁石33bとの間の電磁相互作用によりコイル35は光軸方向に移動する。コイル35に流す電流の向きを変更することで、コイル35の移動方向を被写体側とカメラ本体101側(像面側)との間で切り替えることができる。また、コイル35に流す電流値を変更することで、コイル35の駆動力や移動速度を変更することができる。
【0027】
本実施形態では、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料を、冷間圧延鋼板(SPCC:Steel Plate Cold Commercial)とし、センターヨーク32Aの材料は、パーメンジュールと呼ばれるFe-49%Co-2%Vとしている。この理由について説明する。
【0028】
図3(A)は、比較例に係るVCM30Xの概略構成を示す図である。VCM30Xは、第1および第2サイドヨーク31a,31bの材料、上および下ヨーク34a,34bの材料、ならびにセンターヨーク32Xの材料が同一(例えば、SPCC)である点が、VCM30Aと異なる。その他の構成は、VCM30Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0029】
図3(B)は、比較例に係るVCM30Xにおける磁束密度のシミュレーション結果を示す図である。図3(B)において、ハッチングが密であるほど、磁束密度が高いことを意味する。図3(A)に示すように、第1および第2サイドヨーク31a,31bの間にセンターヨーク32Xが配置された構成では、第1および第2サイドヨーク31a,31bに配置された第1および第2磁石33a,33bからの磁束が1つのセンターヨーク32Xに集中する。ここで、第1および第2サイドヨーク31a,31b、上および下ヨーク34a,34b、ならびにセンターヨーク32Xの材料が同一である場合、図3(B)に示すように、センターヨーク32Xの光軸方向の両端部の磁束密度が高くなり、磁束が流れにくくなってしまう箇所が発生し、所望の駆動力が得られないおそれがある。
【0030】
これに対して、例えば、センターヨーク32Xの径を太くすることで、センターヨーク32Xの磁束の流れを改善することが考えられる。しかしながら、この場合は、センターヨーク32Xの重量が増え、また、センターヨーク32Xに貫通されるコイル35も大きくなってしまう。そのため、VCM30XおよびVCM30Xを備えるレンズ鏡筒の軽量化や小型化が困難となるおそれがある。
【0031】
そこで、第1実施形態に係るVCM30Aでは、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料をSPCCとし、センターヨーク32Aの材料を、パーメンジュールとしている。
【0032】
表1に、各材料とその飽和磁束密度とを示す。飽和磁束密度とは、磁性体に外部から磁界を加えた場合に、磁性体が磁気的に飽和する磁束密度のことであり、飽和磁束密度が大きいほど、磁束が流れやすいことを意味する。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すように、センターヨーク32Aの材料であるパーメンジュールは、第1および第2サイドヨーク31a,31bの材料であるSPCCよりも高い飽和磁束密度を有する。これにより、センターヨーク32Aにおける磁束の流れが改善され、センターヨーク32Aの材料をSPCCとした場合と比較して、数十%程度、駆動力が向上する。
【0035】
なお、第1および第2サイドヨーク31a,31bの材料ならびにセンターヨーク32Aの材料をパーメンジュールにしても、磁束の流れを改善することはできる。しかしながら、パーメンジュールは高価であるため、センターヨーク32Aだけでなく、第1および第2サイドヨーク31a,31bにもパーメンジュールを使用すると、VCM30Aの製造コストが高くなってしまう。そこで、少なくともセンターヨーク32Aの材料を、飽和磁束密度が高いパーメンジュールとすることが好ましい。これにより、製造コストを抑えつつ、VCM30Aの駆動力を向上させることができる。
【0036】
以上、詳細に説明したように、本第1実施形態によれば、VCM30Aは、光軸方向に長さを有する第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bと、光軸方向に長さを有し、第1サイドヨーク31aと第2サイドヨーク31bとの間に配置されるセンターヨーク32Aと、第1サイドヨーク31aに配置される第1磁石33aと、第2サイドヨーク31bに配置される第2磁石33bと、センターヨーク32Aに貫通され、第1磁石33aおよび第2磁石33bの磁力により光軸方向に移動可能なコイル35と、を備え、センターヨーク32Aの材料は、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの材料とは異なる。
【0037】
これにより、第1磁石33aおよび第2磁石33bからの磁束がセンターヨーク32Aに集中する構造において、センターヨーク32Aにおける磁束の流れが改善でき、センターヨーク32Aの材料と、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの材料とを同一にした場合と比較して、VCM30Aの駆動力を向上させることができる。
【0038】
また、本第1実施形態によれば、センターヨーク32Aの材料の飽和磁束密度は、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの材料の飽和磁束密度よりも大きい。飽和磁束密度が大きいほど、磁束が流れやすいため、センターヨーク32Aにおける磁束の流れが改善でき、センターヨーク32Aの材料の飽和磁束密度が、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの材料の飽和磁束密度と同一である場合と比較して、VCM30Aの駆動力を向上させることができる。
【0039】
また、本第1実施形態によれば、第1サイドヨーク31aの材料は、第2サイドヨーク31bの材料と同一である。第1サイドヨーク31aと第2サイドヨーク31bとは、同一の形状を有しているため、材料が同一である場合、同一の部品を用いることができる。そのため、第1サイドヨーク31aと第2サイドヨーク31bとが異なる材料である場合と比較して、製造コストを削減することができる。
【0040】
また、本第1実施形態によれば、センターヨーク32Aの材料は、パーメンジュール(Fe-49%Co-2%V合金)である。パーメンジュールは、2.4Tと高い飽和磁束密度を有するため、センターヨーク32Aにおける磁束の流れが改善でき、VCM30Aの駆動力を向上させることができる。
【0041】
また、本第1実施形態によれば、第1サイドヨーク31aの材料および第2サイドヨーク31bの材料は、SPCCである。SPCCは、比較的安価な材料であるため、VCM30Aの製造コストを低減することができる。
【0042】
なお、上記第1実施形態では、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料がSPCCであり、センターヨーク32Aの材料がパーメンジュールである場合について説明したが、これに限られるものではない。センターヨーク32Aの材料の飽和磁束密度が、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料の飽和磁束密度よりも大きければ、VCM30Aの駆動力の向上効果を得ることができる。
【0043】
例えば、第1および第2サイドヨーク31a,31bの材料がSPCCである場合、センターヨーク32Aの材料は、SPCCよりも高い飽和磁束密度を有するFe-35%Co-Cr合金、Fe-20%Co-Cr-V合金、珪素鋼板Fe-3%Si合金、純鉄、またはSS400であってもよい。これらの材料を用いた場合も、センターヨーク32Aにおける磁束の流れが改善でき、VCM30Aの駆動力を向上させることができる。
【0044】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係るレンズ鏡筒100Bについて説明する。なお、以下では、レンズ鏡筒100Bがレンズ鏡筒100Aと異なる点について主に説明する。
【0045】
図4は、本実施形態に係るレンズ鏡筒100Bと、カメラ本体101と、を備えるカメラ1Bを示す図である。また、図5(A)は、第2実施形態に係るVCM30Bの構成を示す概略図であり、図5(B)は、図4のVCM30B周辺の拡大図である。
【0046】
第2実施形態に係るVCM30Bは、センターヨーク32Bの構成が、第1実施形態に係るVCM30Aと異なる。より具体的には、図5(A)に示すように、VCM30Bでは、センターヨーク32Bの光軸方向における端部の断面積が、光軸方向における中央部の断面積よりも大きくなっている。なお、センターヨーク32Bの断面積とは、光軸方向に垂直な平面における断面積である。以下の説明でも同様である。
【0047】
図3(B)で説明したように、センターヨークの断面積が光軸方向に一定であり、センターヨークの材料が、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料と同一である場合、センターヨークの光軸方向における両端部において磁束密度が高くなり、磁束が流れにくくなってしまう箇所が発生する。
【0048】
そこで、本実施形態に係るVCM30Bでは、センターヨーク32Bの光軸方向における端部の断面積を、光軸方向における中央部の断面積よりも大きくすることによって、磁束を流しやすくしている。これにより、センターヨークの断面積が光軸方向に一定であるVCMよりもVCM30Bの駆動力を大きくすることができる。
【0049】
なお、図5(A)に示すように、センターヨーク32Bの光軸方向における中央部を含み、断面積が光軸方向に一定の領域を第1領域R1とし、センターヨーク32Bの断面積が変化し始める位置から上ヨーク34aおよび下ヨーク34bと接合するまでの領域を第2領域R2とすると、第2領域R2では、センターヨーク32Bの光軸方向と直交する平面における断面積が、第1領域R1側の一端から他端にかけて徐々に大きくなることが好ましい。これにより、センターヨーク32Bにおける磁束をより流れやすくすることができる。
【0050】
本第2実施形態において、第2領域R2におけるセンターヨーク32Bの断面積は、第1領域R1におけるセンターヨーク32Bの断面積よりも大きく、コイル35の内径よりもセンターヨーク32Bの外径が大きくなるため、コイル35は第2領域R2を移動することができないようになっている。言い換えると、コイル35が移動できない領域の断面積を大きくして、第2領域R2としている。すなわち、第2実施形態では、コイル35が光軸方向に移動可能な距離は、センターヨーク32Bの光軸方向の長さよりも短くなっている。
【0051】
そのため、図5(B)において点線で示すように、第2実施形態に係るレンズ鏡筒100Bでは、レンズ保持枠F3の連結部115が接触するクッション材40の端部の位置が、光軸方向において、センターヨーク32Bの第2領域R2の第1領域R1側の端部の位置と略一致するようにしている。この結果、センターヨーク32Bの第1領域R1の光軸方向の長さは、2つのクッション材40の間の光軸方向における距離と略等しくなる。
【0052】
なお、第2実施形態では、センターヨーク32Bの材料は、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料と同一でもよいし、異なっていてもよい。しかしながら、第1実施形態と同様に、センターヨーク32Bの材料を、第1および第2サイドヨーク31a,31bならびに上および下ヨーク34a,34bの材料よりも高い飽和磁束密度を有する材料とすることによって、センターヨーク32Bの磁束の流れをより改善することができる。これにより、VCM30Bの駆動力をより向上することができる。
【0053】
以上、詳細に説明したように、本第2実施形態によれば、VCM30Bは、光軸方向に長さを有する第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bと、光軸方向に長さを有し、第1サイドヨーク31aと第2サイドヨーク31bとの間に配置されるセンターヨーク32Bと、第1サイドヨーク31aに配置される第1磁石33aと、第2サイドヨーク31bに配置される第2磁石33bと、センターヨーク32Bに貫通され、第1磁石33aおよび第2磁石33bの磁力により光軸方向に移動可能なコイル35と、を備え、センターヨーク32Bの光軸方向における端部の面積は光軸方向における中央部の断面積よりも大きい。すなわち、本第2実施形態において、センターヨーク32Bは、光軸方向において中央部を含む第1領域R1と、第1領域R1の光軸方向の両側に位置する第2領域R2とを有し、第2領域R2におけるセンターヨーク32Bの断面積は、第1領域R1における断面積よりも大きい。
【0054】
図3(B)に示したように、センターヨークの光軸方向に垂直な平面における断面積が一定の場合、センターヨークの光軸方向における端部で磁束密度が高くなり、磁束が流れにくくなる。VCM30Bでは、センターヨーク32Bの光軸方向の端部に第1領域R1よりも断面積が大きい第2領域R2を設けている。これにより、センターヨーク32Bの光軸方向における端部において磁束が密集するのを抑制することができるため、センターヨーク32Bの磁束の流れを改善することができ、VCM30Bの駆動力を向上することができる。
【0055】
また、本第2実施形態において、第1領域R1はコイル35が移動可能な領域であり、第2領域R2はコイル35が移動不可能な領域である。これにより、コイル35が第1領域R1だけを移動するため、コイル35を安定して駆動できる。
【0056】
また、本第2実施形態において、第2領域R2の光軸方向における長さは、第1領域R1の光軸方向における長さよりも短い。これにより、コイル35の光軸方向の移動距離を長くすることができる。
【0057】
また、本第2実施形態において、第2領域R2において、センターヨーク32Bの断面積は、第1領域R1側の一端から他端にかけて徐々に大きくなる。これにより、センターヨーク32Bの磁束の流れをより改善することができ、VCM30Bの駆動力をより向上することができる。
【0058】
また、本第2実施形態において、第1領域R1におけるセンターヨーク32Bの断面積は光軸方向に一定である。これにより、コイル35を光軸方向にスムーズに駆動させることができる。
【0059】
(変形例1)
上記第2実施形態では、第2領域R2におけるセンターヨーク32Bの断面積を、第1領域R1側の一端から他端にかけて徐々に大きくすることで、センターヨーク32Bの光軸方向の端部で磁束が密集し、磁束がながれにくくなることを抑制していたが、これに限られるものではない。
【0060】
図6(A)は、第2実施形態の変形例1に係るVCM30Cの構成を示す概略図であり、図6(B)は、図6(A)におけるセンターヨーク32CのA-A線断面図であり、図6(C)は、図6(A)におけるセンターヨーク32CのB-B線断面図である。
【0061】
図6(A)及び図6(B)に示すように、変形例1に係るVCM30Cのセンターヨーク32Cは、第1領域R1において光軸方向に延伸する溝36を有し、図6(A)及び図6(C)に示すように、第2領域R2においては溝36が形成されていない。これにより、第2領域R2におけるセンターヨーク32Cの断面積は、第1領域R1における断面積よりも大きくなっている。このような変形例1に係るセンターヨーク32Cを用いても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、VCM30Cでは、センターヨーク32Cの直径が一定であり、コイル35が第2領域R2を移動することができるため、コイル35の光軸方向における移動可能距離がVCM30Bと比較して長くなる。また、例えば、コイル35とレンズ保持枠F3とを連結する連結部115を、溝36内に配置し、コイル35をコイル35の内周側から把持してレンズ保持枠F3と連結することができる。
【0063】
なお、変形例1を第2実施形態に適用してもよい。すなわち、図5(A)に示すVCM30Bにおいて、第1領域R1に光軸方向に沿った溝36が形成されていてもよい。
【0064】
(変形例2)
図7は、第2実施形態の変形例2に係るVCM30Dの構成を示す概略図である。第2実施形態に係るVCM30Bでは、第2領域R2におけるセンターヨーク32Bの断面積は、第1領域R1側の一端から他端にかけて徐々に大きくなっていたが、図7に示すように、第2領域R2におけるセンターヨーク32Dの断面積は第1領域R1におけるセンターヨーク32Dの断面積よりも大きければ、一定であってもよい。変形例2に係るセンターヨーク32Dを用いても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、センターヨーク32Dは、変形例1のような溝36を第1領域R1に有していてもよい。
【0065】
(変形例3)
センターヨークの磁束を流れやすくすると、磁束が流れやすくなった分、第1および第2サイドヨーク31a,31bと上および下ヨーク34a,34bとの接続部において磁束の流れが悪くなる場合がある。変形例3では、第1サイドヨーク31aおよび第2サイドヨーク31bの光軸方向における端部の断面積を中央部の断面積よりも大きくすることで、第1および第2サイドヨーク31a,31bと上ヨーク34aおよび下ヨーク34bとの接続部における磁束の流れを改善している。
【0066】
図8(A)及び図8(B)は、変形例3に係るVCM30Eの構成を示す概略図である。図8(A)及び図8(B)に示すように、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebは、その断面積が、端部に近づくにつれて大きくなるような形状を有している。これにより、第1サイドヨーク31Eaおよび第2サイドヨーク31Ebの端部の断面積が、中央部の断面積よりも大きくなり、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebと上ヨーク34aおよび下ヨーク34bとの接続部における磁束の流れが改善される。なお、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebの端部は、図8(A)に示すように、R形状を有していてもよいし、図8(B)に示すように、直線形状を有していてもよい。
【0067】
なお、変形例3では、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebの両方において、光軸方向における端部の断面積が中央部の断面積よりも大きくなっているが、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebのいずれか一方において、光軸方向における端部の断面積が中央部の断面積よりも大きくなっていてもよい。また、第1および第2サイドヨーク31Ea,31Ebの光軸方向における両端部の断面積が中央部の断面積よりも大きくなっているが、いずれか一方の端部の断面積が中央部の断面積よりも大きくなっていてもよい。
【0068】
また、上記変形例3において、センターヨーク32Bの断面積を一定とし、第1サイドヨーク31Eaおよび第2サイドヨーク31Ebの端部の断面積を、中央部の断面積よりも大きくしてもよい。すなわち、光軸方向における第1サイドヨークの端部の断面積と第2サイドヨークの端部の断面積とセンターヨークの端部の断面積との和が、光軸方向における第1サイドヨークの中央部の断面積と第2サイドヨークの中央部の断面積とセンターヨークの中央部の断面積との和よりも大きければよい。これにより、VCM30Eの駆動力を向上させることができる。
【0069】
なお、上記実施形態およびその変形例において、レンズ保持枠F3を収納する第2固定筒20は、光軸方向に直進移動が可能な移動筒であってもよい。また、上記実施形態およびその変形例において、レンズ鏡筒100A,100Bは単焦点レンズであってもよいし、ズームレンズであってもよい。また、VCM30A,30B,30C,30Dを、カメラのレンズ鏡筒以外に用いてもよい。
【0070】
上述した実施形態は好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能であり、任意の構成要件を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B カメラ
30A,30B,30C,30D ボイスコイルモータ
31a 第1サイドヨーク
31b 第2サイドヨーク
32A,32B,32C,32D センターヨーク
33a 第1磁石
33b 第2磁石
34a 上ヨーク
34b 下ヨーク
35 コイル
100A,100B レンズ鏡筒
L3 第3レンズ群
F3 レンズ保持枠
R1 第1領域
R2 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8