(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】基材処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240806BHJP
G03F 7/30 20060101ALI20240806BHJP
G03F 7/40 20060101ALI20240806BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L21/30 570
H01L21/30 565
H01L21/30 569C
H01L21/30 564C
G03F7/30 502
G03F7/40 521
H01L21/302 105A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019150167
(22)【出願日】2019-08-20
【審査請求日】2022-08-05
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・カート・デ・ルスト
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162477(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109553(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256265(US,A1)
【文献】国際公開第2018/109554(WO,A1)
【文献】特開平07-326562(JP,A)
【文献】特開2016-035956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材処理装置であって、前記基材処理装置は、
基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置および/または前記基材上の前記レジストを現像するための現像処理装置を備える湿式処理ステーションと、
別の処理ステーションと、
前記基材を前記湿式および/または別の処理ステーションに移動させ、前記基材処理装置内および/または前記基材処理装置外の方向に前記基材を移動させるための基材ハンドラと、を備え、前記別の処理ステーションは、
浸透性材料を有する少なくとも一つの基材を保持するための基材ホルダーを備える反応チャンバーと、
前駆体分配除去システムであって、
第一の前駆体を保持するように構築および配置された第一の前駆体供給源容器であって、前記第一の前駆体は、シリコン、またはアルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、リチウム(Li)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、およびスズ(Sn)からなる群から選択される金属を含む、第一の前駆体供給源容器と、
反応物質を保持するように構築および配置された反応物質供給源容器であって、前記反応物質は、酸素を含む、反応物質供給源容器と、
前記反応チャンバーに気体状態の前記第一の前駆体を供給し、および前記反応チャンバーからそれを除去するために、一つまたは複数の反応チャンバーバルブと、を備える、前駆体分配除去システムと、
シーケンスコントローラであって、前記前駆体分配除去システムに動作可能に接続され、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配除去システムを作動させ、前記第一の前駆体を第一の期間前記反応チャンバー内に供給して前記基材上の前記浸透性材料を浸透させることを含む浸透サイクルによって、前記基材上の前記浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えるメモリを備える、シーケンスコントローラと、を備える浸透装置を備
え、
前記メモリに格納される前記浸透サイクルは、前記前駆体分配除去システムを作動させて、第二の期間にわたって前記反応チャンバーから前記第一の前駆体の一部を除去することを更に含み、
前記前駆体分配除去システムは、気体の第二の前駆体を前記反応チャンバーに供給し、前記反応チャンバーから除去するための一つまたは複数の反応チャンバーバルブを備え、メモリに格納される前記浸透サイクルは更に、前記前駆体分配除去システムを作動させて前記第二の前駆体を第三の期間にわたって前記反応チャンバー内に供給し、前記基材上の前記浸透性材料に、前記浸透性材料と前記第一の前駆体との反応の反応生成物を浸透させ、又は、前記浸透性材料と前記第二の前駆体との反応の反応生成物を浸透させ、
前記第二の前駆体は、シリコン、またはアルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、リチウム(Li)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、およびスズ(Sn)からなる群から選択される金属を含み、前記第二の前駆体は、前記第一の前駆体とは異なる、基材処理装置。
【請求項2】
前記メモリに格納される前記浸透サイクルは、前記前駆体分配除去システムを作動させて第四の期間にわたって前記反応チャンバーから前記第二の前駆体の一部を除去することと、前記浸透サイクルを1~60回繰り返すことと、を更に含む、請求項
1に記載の基材処理装置。
【請求項3】
前記メモリに格納される前記浸透サイクルは、前記第三の期間より長い前記第一の期間を有する、請求項
1に記載の基材処理装置。
【請求項4】
前記メモリに格納される前記浸透サイクルは、前記第一の期間より長い前記第三の期間を有する、請求項
1に記載の基材処理装置。
【請求項5】
前記メモリに格納される前記浸透サイクルは、前記第三の期間よりも5~100倍長い前記第一の期間を有する、請求項
1に記載の基材処理装置。
【請求項6】
前記別の処理ステーションは、前記浸透性材料に金属を浸透させるように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項7】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、ハロゲン化金属を反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項8】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、マグネシウムおよび/またはカルシウムを含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項9】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、リチウム(Li)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、およびスズ(Sn)を含む群からの金属を含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項10】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、SnI4またはSnCl4を含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項11】
前記浸透装置の前記前駆体分配除去システムは、金属アルキルアミド前駆体を含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項12】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムヒドリド(DMAH)、テトラエチルスズ、テトラメチルスズ、またはアセチルアセトネートスズを含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項13】
前記別の処理ステーションの前記前駆体分配除去システムは、酸化剤を含む前駆体を前記反応チャンバー内に供給するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項14】
前記第一の前駆体は、シリコンを含む、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項15】
前記別の処理ステーションは、前記反応チャンバーの温度を20~450℃の値に制御するように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項16】
前記別の処理ステーションは、前記反応チャンバーの圧力を0.001~1,000Torrの値に制御するように構成および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項17】
前記湿式処理ステーションは、
基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置を備える、第一の湿式処理ステーションと、
前記レジストを現像するための現像処理装置を備える、第二の湿式処理ステーションと、を備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項18】
前記湿式処理ステーションは、前記基材を回転させるための回転可能な基材テーブルと、前記基材の表面に液体を供給するための液体ディスペンサと、を備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項19】
前記浸透性材料はパターン化されたレジスト層を備え、前記基材ハンドラは前記基材を前記湿式処理ステーション内の前記現像処理装置から前記別の処理ステーションへ移動させ前記パターン化されたレジストを浸透させるように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項20】
前記浸透性材料は平坦なレジスト層を備え、前記基材ハンドラは前記基材を前記湿式処理ステーション内の前記レジストコーティング装置から前記別の処理ステーションへ移動させ前記レジスト層を浸透させるように構築および配置される、請求項1に記載の基材処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね基材処理装置およびその使用方法に関する。装置は、
基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置および/または基材上のレジストを現像するための現像処理装置を備える湿式処理ステーションと、
別の処理ステーションと、
基材を湿式および/または別の処理ステーションに移動し、基材処理装置内の方向に、および/またはその外の方向に基材を移動させるための基材ハンドラと、を備える。
【背景技術】
【0002】
基材処理装置は、例えばコータ/デベロッパ装置またはトラックと呼ばれる場合がある。基材処理装置を使用して、基材上のレジスト層にパターンを形成する前後で基材上で異なる処理工程を行なうことができる。例えば、汚染が基材上に存在する場合、化学処理によりそれらを除去することができる。基材を、基材上に存在する可能性がある水分を追い出すのに十分な温度に加熱することができる。基材処理装置内で基材上へのレジストの接着を促進するために接着促進剤を塗布することができる。
【0003】
基材処理装置の湿式処理ステーションでは、基材をスピンコーティングによってレジストで覆うことができる。粘性のレジスト溶液を基材上に分注してもよく、基材を回転させて薄い均一層を形成してもよい。そして、レジストコートウェーハをベークしてレジスト溶剤を蒸発させることができる。
【0004】
レジストがフォト(感光性)レジストである場合、基材を基材処理装置からリソグラフィ露光装置に搬送してもよい。リソグラフィ露光装置では、フォトレジストを有する基材を(極端)紫外線のパターン付き放射ビームに露光することができる。放射線への露光は、レジストをパターニングするフォトレジストに化学変化を引き起こす。
【0005】
パターン化されたレジストを有する基材を、基材処理装置の湿式処理ステーションに戻してもよく、そこで、レジストの一部を特殊な現像液によって除去してもよい。ポジ型フォトレジストは露光後に現像液に可溶となり、一方ネガ型フォトレジストでは未露光領域は現像液に可溶となる。現像液を、レジストと同じように、スピナー上の湿式処理ステーションに供給してもよい。現像前に露光後ベークを行ってもよく、および/または現像後にベークを用いてもよい。
【0006】
半導体デバイス構造がますます小さな形状に向かうにつれて、異なるパターニング技術が生まれた。これらの技術は、自己整合多重パターニング、スペーサ規定四重パターニング、深紫外線リソグラフィ(DUV)、極端紫外線リソグラフィ、およびスペーサ規定二重パターニングと組み合わせたDUV/EUVを含む。
【0007】
上記のパターニング技術は、基材上に配置されたレジストを利用して基材の高解像度パターニングを可能にすることができる。高解像度と低ラインエッジラフネスの両方の要件を満たすために、レジストは薄層とすることができる。しかし、このような薄いレジストはいくつかの欠点を有する場合がある。例えば、高解像度レジストは、高い欠陥率、高い粗さ、および高いエッチング速度のうちの一つまたは複数に悩まされる可能性がある。高いエッチング速度は、レジストの低いエッチング耐性によって引き起こされ、パターン化されたレジストの下の層への転写をより困難にする。高度な高解像度レジストを更に小型化する必要がある場合、欠陥率、粗さおよびエッチング耐性は更に悪化する可能性がある。
【0008】
したがって、改善した特性を有する浸透性材料、例えばレジストまたはハードマスクを提供するための改善した基材処理装置が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0009】
この発明の概要は、概念の選択を簡略化した形で紹介するように提供する。これらの概念について、以下の本開示の発明を実施するための形態において、さらに詳細に記載する。本発明の概要は、請求項に記載する主題の重要な特徴も、本質的な特徴も特定することを意図しておらず、請求項に記載する主題の範囲を限定するように使用されることも意図していない。
【0010】
いくつかの実施形態では、基材処理装置が開示される。処理装置は、基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置および/または基材上のレジストを現像するための現像処理装置を備える湿式処理ステーションを備える。処理装置は、別の処理ステーションと、基材を湿式および/または別の処理ステーションに移動させ、基材処理装置内の方向に、および/またはその外の方向に基材を移動させるための基材ハンドラと、を備える。別の処理ステーションは、浸透性材料を有する少なくとも一つの基材を保持するための基材ホルダーを備えた反応チャンバーと、反応チャンバーに気体の第一の前駆体を供給し、および反応チャンバーからそれを除去するために、一つまたは複数の反応チャンバーバルブを備える前駆体分配除去システムと、前駆体分配除去システムに動作可能に接続され、シーケンスコントローラ上で実行される場合に、浸透サイクルによって基材上の浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えるメモリを備えるシーケンスコントローラと、を備える浸透装置、を備える。浸透サイクルは、反応チャンバー内で第一の期間に第一の前駆体を供給するために前駆体分配除去システムを作動させることを含むことができる。浸透性材料を、浸透性材料と第一の前駆体との反応の反応生成物で浸透してもよい。
【0011】
従来の技術を超えて達成される本発明および利点を要約するために、本発明のある目的および利点について、本明細書において上に記載してきた。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点の全てが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それゆえ、例えば、本明細書に教授または示唆する通り、一つの利点または利点の一群を達成または最適化する形式で、本明細書に教授または示唆されてもよい、他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化または実行されてもよいことを、当業者は認識するであろう。
【0012】
これらの実施形態の全ては、本明細書に開示する本発明の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して、以下のいくつかの実施形態の発明を実施するための形態から容易に明らかとなり、本発明は、開示される全ての特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを特に指摘し、明確に主張して、特許請求の範囲で結論付けるものの、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある例についての記載から、より容易に解明されてもよい。
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による基材処理装置である。
【
図2】
図1の基材処理装置の非限定的な例示的な別の処理ステーションである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明が、具体的に開示する本発明の実施形態および/または用途、並びにその明白な変更および均等物を超えて拡大することは、当業者により理解されるであろう。それゆえ、開示する本発明の範囲は、以下に記載し具体的に開示する実施形態によって限定されるべきでないことが意図される。本明細書に示される図は、何らかの特定の材料、構造またはデバイスの実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態について記載するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0016】
本明細書で使用する用語「基材」は、使用することができる、または上にデバイス、回路、もしくは膜を形成することができる、任意の下地材料または複数の材料を指すことができる。更に、用語「浸透性材料」は、追加の種、例えば原子、分子、またはイオンを導入することができる任意の材料を指してもよい。用語「半導体デバイス構造」は、処理された、または部分的に処理された半導体構造の任意の部分であって、半導体基材の上または中に形成される半導体デバイスの能動または受動部品の少なくとも一部である、それらを含む、またはそれらを画定する、半導体構造の任意の部分を指してもよい。例えば、半導体デバイス構造としては、集積回路の能動および受動部品、例えば、トランジスタ、メモリ素子、トランスデューサ、キャパシタ、抵抗器、導電線、導電性ビア、および導電性コンタクトパッドを挙げることができる。
【0017】
本開示の実施形態を通して、いくつかの例示的な材料が示される。例示的な材料のそれぞれについて与えられた化学式は限定的であると解釈されるべきではなく、そして与えられた非限定的な例示的な材料は与えられた例示的な化学量論によって限定されるべきではないことに留意されたい。
【0018】
本開示は、浸透性材料、例えば半導体デバイス製造プロセスにおいてエッチングマスクとして使用される、レジストおよびハードマスク材料の特性を改善するために利用されることができる基材処理装置および処理方法を含む。
【0019】
浸透プロセス、例えば逐次浸透合成(SIS)等は、無機保護成分で材料を改質することによって様々な有機材料のエッチング耐性を高めることを示している。例えば、SISプロセスは、有機レジスト材料に浸透してレジスト層内に保護成分を形成する気相前駆体へのポリマーレジストの交互暴露を利用する。SISプロセスおよびその使用は、米国特許出願公開第2012/0241411号、および/または同第2018/0171475号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、基材処理装置において浸透プロセスを高解像度レジストおよびハードマスクパターニングと組み合わせることは、従来の方法、例えば、米国特許出願公開第2014/0273514号および/または米国特許第9,916,980 B1号に記載されているもので、参照により本明細書に組み込まれる、ではこれまで見られなかった利点を提供する可能性がある。
【0020】
浸透プロセスは、上に少なくとも浸透性材料を備える基材を保持するように構築および配置される反応チャンバーを備えることができる専用の浸透ツールを用いて達成されることができる。このような反応チャンバーは、原子層堆積(ALD)プロセス用に構成された反応チャンバー、ならびに化学気相堆積(CVD)プロセス用に構成された反応チャンバーを含むことができる。シャワーヘッド反応チャンバーを使用することができる。クロスフロー、バッチ、ミニバッチ、または空間的ALD反応チャンバーを使用することができる。バッチ式反応チャンバー、例えば縦型バッチ式反応チャンバーを使用することができる。他の実施形態では、バッチ式反応チャンバーは、10枚以下のウェーハ、8枚以下のウェーハ、6枚以下のウェーハ、4枚以下のウェーハ、または2枚以下のウェーハを収容するように構成されたミニバッチ式反応器を備える。浸透プロセスを単独に行うように構築および配置されることができる反応チャンバーを含む、独立型の浸透ツールを利用することができる。レジストは非常に敏感に反応する。したがって、レジストがパターン化された後に非常に迅速に浸透を適用することができる。
【0021】
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、基材処理装置に浸透能力を提供することができる。いくつかの実施形態では、基材処理装置は、基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置および/または基材上のレジストを現像するための現像処理装置を含む湿式処理ステーション、別の処理ステーションと、基材を湿式および/または別の処理ステーションに移動し、基材処理装置内の方向に、および/またはその外の方向に基材を移動させるための基材ハンドラと、を備える。別の処理ステーションは、浸透性材料を有する少なくとも一つの基材を保持するための基材ホルダーを備えた反応チャンバーと、反応チャンバーに気体の第一および/または第二の前駆体を供給し、および反応チャンバーからそれらを除去するために、一つまたは複数の反応チャンバーバルブを備える前駆体分配除去システムと、前駆体分配除去システムに動作可能に接続され、シーケンスコントローラ上で実行される場合に、浸透サイクルによって基材上の浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えるメモリを備えるシーケンスコントローラと、を備える浸透装置、を備える。
【0022】
浸透サイクルは、前駆体分配除去システムを作動させて、第一の前駆体を第一の期間にわたって反応チャンバー内に供給して、基材上の浸透性材料に浸透性材料と第一の前駆体との反応生成物を浸透させることと、前駆体分配除去システムを作動させて、第二の期間にわたって反応チャンバーから第一の前駆体の一部を除去することと、を含む。浸透サイクルは更に、前駆体分配除去システムを作動させて第二の前駆体を第三の期間にわたって反応チャンバー内に供給し、基材上の浸透性材料に、浸透性材料、ならびに/または第一および/もしくは第二の前駆体の反応生成物を浸透させる。処理装置では、浸透性材料として敏感に反応するレジストを有する基材は、処理ツールを浸透せたままにする必要はない。それにより浸透はより早く達成され、汚染の危険性は減少するであろう。したがって、浸透性材料の品質を改善することができる。
【0023】
本開示の基材処理装置の非限定的な例を、本開示の実施形態による例示的な基材処理装置1の概略図を含む
図1に例示する。
図1に例示する基材処理装置1は例示的な基材処理装置の簡略化された概略図であり、あらゆる要素、即ち、例えば本開示の基材処理装置の製造に利用することができるあらゆるバルブ、ガスライン、発熱体、および反応器構成要素等を含むわけではないことに留意されたい。
【0024】
例示的な基材処理装置1は、カセット3を配置することができるカセット収納部2、処理部4、およびインターフェース部5を備えることができる。基材処理装置1は、インターフェース部5を介してフォトリソグラフィ露光装置に基材を搬送することができる。インターフェース部5は、基材処理装置1の一部であっても、または別個のフォトリソグラフィ露光装置(図示せず)の一部であってもよい。処理部4には、基材を移動させるための基材ハンドラ6を設けてもよい。
【0025】
処理部4には、基材上にレジストをコーティングするためのレジストコーティング装置を備える第一の湿式処理ステーション7と、基材上のレジストを現像するための現像処理装置を備える第二の湿式処理ステーション8とを備えることができる。第一および第二の湿式処理ステーション7、8は、基材を回転させるための回転可能な基材テーブル17と、基材の表面に液体を供給するための液体ディスペンサとを備えることができる。フォトレジストを、毎秒10~100回転で20~60秒間回転させることができる。
【0026】
基材ハンドラ6は、基材を第一および/または第二の湿式処理ステーションに移動させ、カセット収納部2およびインターフェース5を介して基材処理装置内および/または基材処理装置外の方向に基材を移動させるように、構成および配置することができる。基材ハンドラ6は、この目的のために水平方向および垂直方向に移動可能な基材ホルダーを有してもよい。加熱ステーション9および冷却ステーション10を、それぞれ基材をベーキング、冷却するために処理部4に設けてもよく、これらのステーションに基材ハンドラ6によって基材を供給することもできる。
【0027】
基材処理装置は、浸透性材料、例えばレジストまたはハードマスク製の少なくとも一つの基材を保持するための基材ホルダー13を備える反応チャンバー12を備える別の処理ステーション11を備えることができる。別の処理ステーションは、気体の第一および/または第二の前駆体を反応チャンバー12に供給し、反応チャンバー12から除去するための一つまたは複数の反応チャンバーバルブを備える、前駆体分配除去システム14を備える浸透装置を備えることができる。基材ハンドラ6を、別の処理ステーションへおよび別の処理ステーションから基材を移動させるように構成および配置してもよい。
【0028】
この基材処理装置では、カセット収納部2に配置されたカセット3に収容された基材15を基材ハンドラ6によって処理部4内および第一の湿式処理ステーション7内に積み込む。第一の湿式処理ステーション7では、レジストコーティング装置がウェーハW上にレジスト溶液をコーティングすることができる。その後、基材を加熱ステーション、別の処理ステーション、および/またはインターフェース部5に搬送することができる。インターフェース部5には、基材をフォトリソグラフィ露光装置に搬送し、そこから戻すために、第一および第二の基材テーブル16、17があることができる。
【0029】
フォトリソグラフィ露光装置は基材上のレジストをパターンを用いて露光し、基材15を処理部分の第二の湿式処理ステーション8に逆経路で搬送する。第二の湿式処理ステーションにおいて、現像処理装置は基材15上のパターン化されたレジストを現像する。その後、基材ハンドラ6によって基材を加熱ステーション、別の処理ステーション、および/またはカセット装着部2に搬送することができる。
【0030】
図2は、
図1の基材処理装置用の浸透装置を備える非限定的な例示的な別の処理ステーションを例示する。別の処理ステーション11は、その上に浸透性材料106を備える少なくとも基材15を保持するように構成および配置された反応チャンバー12を備えることができる。
【0031】
浸透性材料を浸透させるために使用することができる反応チャンバーは、原子層堆積(ALD)プロセス用に構成された反応チャンバー、ならびに化学気相堆積(CVD)プロセス用に構成された反応チャンバーを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、シャワーヘッド反応チャンバーを使用することができる。いくつかの実施形態によれば、クロスフロー、バッチ、ミニバッチ、浸漬または空間的ALD反応チャンバーを使用することができる。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態では、バッチ式反応チャンバーを使用することができる。いくつかの実施形態では、縦型バッチ式反応チャンバーを使用することができる。他の実施形態では、バッチ式反応チャンバーは、10枚以下のウェーハ、8枚以下のウェーハ、6枚以下のウェーハ、4枚以下のウェーハ、または2枚以下のウェーハを収容するように構成されたミニバッチ式反応器を備える。
【0033】
反応チャンバー12内に配置されているのは、上に浸透性材料106が配置された、即ち基材15の上面に配置された少なくとも一つの基材15である。本開示のいくつかの実施形態では、基材15は平面基材またはパターン化された基材を備えることができる。基材15は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ゲルマニウムスズ(GeSn)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムスズ(SiGeSn)、炭化シリコン(SiC)、またはIII-V族半導体材料、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、もしくは窒化ガリウム(GaN)を含む一つまたは複数の材料を含むことができるが、これらに限定されない。本開示のいくつかの実施形態では、基材15は、表面半導体層がバルク支持部上に配置され、介在する埋め込み酸化物(BOX)がその間に配置される加工基材を含む。
【0034】
パターン化された基材は、基材の表面内または表面上に形成された半導体デバイス構造を含むことができる基材を備えることができ、例えば、パターン化された基材は、部分的に製造された半導体デバイス構造、例えばトランジスタおよび/またはメモリ素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、基材は、単結晶表面、ならびに/または非単結晶表面、例えば多結晶表面および/もしくはアモルファス表面を含むことができる一つまたは複数の第二の表面を含みことができる。単結晶表面は、例えば、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウムスズ(GeSn)、またはゲルマニウム(Ge)のうちの一つまたは複数を含むことができる。多結晶またはアモルファス表面は、誘電体材料、例えば酸化物、酸窒化物または窒化物、例えば酸化ケイ素および窒化ケイ素等を含むことができる。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態では、基材15は、その上に配置された、すなわち基材15の上面に配置された浸透性材料106を有する。浸透性材料106は、浸透性材料106に導入された場合に浸透性材料106のエッチング耐性を高めることができる追加の種を導入することができる任意の材料を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、ポリマーレジスト、例えばフォトレジスト、極端紫外線(EUV)レジスト、液浸フォトレジスト、化学増幅レジスト(CAR)、または電子線レジスト(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA))等のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0036】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、多孔質材料、例えばスピンオングラス(SOG)およびスピンオンカーボン(SOC)を含む多孔質材料、例えば微多孔質および/またはナノ多孔質材料を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、炭化ホウ素、非晶質炭素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素を含むがこれらに限定されない、一つまたは複数のハードマスク材料を含むことができる。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、パターン化された浸透性材料、例えば、一つまたは複数の浸透性形体を含むパターン化されたレジストまたはパターン化されたハードマスクを含むことができる。形体を、後続のエッチングプロセス中に下にある基材に転写することができる。浸透性形体は、露光および関連する現像プロセスに応じて形成されることができる任意の形状を含むことができ、ライン形体、ブロック形体、開気孔形体、および円形形体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、後続のプロセス中にパターン形成され得る平坦な浸透性材料を含むことができる。例えば、浸透性材料106は、後続のリソグラフィ露光工程中にパターン化されることができる平坦なレジストを備えることができるか、または浸透性材料106は、後続のエッチング工程中にパターンされることができる平坦なハードマスクを備えることができる。
【0039】
基材15は、反応チャンバー12内に配置され、その上に少なくとも一つの基材を保持するように構成される基材ホルダー13によって定位置に保持されることができる。本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される浸透プロセスは、基材15および関連する浸透性材料106を好適なプロセス温度に加熱するプロセスを利用することができる。したがって、基材ホルダー13は、浸透性材料106をその上に配置した基材15を加熱するように構成することができる一つまたは複数の発熱体110を備えることができる。発熱体110は、基材15を、20~450℃、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~120℃、最も好ましくは70~100℃の温度に、例えば85℃に加熱するように構成されてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、別のステーション11は、反応チャンバー内の圧力を0.001~1,000、好ましくは0.1~500、最も好ましくは1~100Torrの値に制御するように構成および配置されている。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透装置を備える別のステーション11は、前駆体分配除去システムを備えることができる。前駆体分配除去システムは、いくらかの前駆体の蒸気を供給し、関連する蒸気を反応チャンバー12に分配するように構成および配置された一つまたは複数の前駆体源114Aおよび114Bを更に含むことができるガス供給システム112を備えることができる。ガス供給システム112はまた、本明細書に記載の例示的な浸透プロセスのパージサイクルで利用することができるパージガスを貯蔵および分配するように構成された供給源容器116を含むことができる。ガス供給システム112はまた、本明細書に記載の例示的な浸透プロセスで利用されるように反応物質を収容して反応チャンバー12に分配するように構成される反応物質供給源容器118を備えることができる。非限定的な例として、別のステーション11は、第一の前駆体の蒸気を供給するように構築および配置される第一の前駆体源114Aを含むことができる。いくつかの実施形態において、第一の前駆体源114Aは、第一の前駆体を蒸発させるように構成および配置された第一の前駆体蒸発器を備えることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、好適な作動条件下で第一の前駆体を貯蔵および収容するように構成された供給源容器を備えることができる。例えば、第一の前駆体は固体前駆体、液体前駆体、または気相前駆体を含むことができ、供給源容器は好適な作動条件下で固体、液体、または気相前駆体を貯蔵および収容するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源は、第一の前駆体を好適な作動温度に加熱し、それにより第一の前駆体の一部を制御可能に蒸発させることができる、一つまたは複数の制御可能な発熱体を備えることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができ、蒸発した蒸気は、続いて、浸透性材料を浸透させるための好適な手段によって反応チャンバー12に分配される。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aと関連付けられた一つまたは複数の発熱体は、第一の前駆体の蒸気圧を制御するように構成されてもよい。更に、流量コントローラ120A、例えば質量流量コントローラ(MFC)は、第一の前駆体源114Aと更に関連付けられてもよく、第一の前駆体源114A、例えば、第一の前駆体蒸発器から生成された蒸気の質量流量を制御するように構成されてもよい。流量コントローラ120Aに加えて、バルブ122A、例えば遮断弁を第一の前駆体源114Aと関連付けることができ、第一の前駆体源114Aを反応チャンバー12から切リ離すために利用することができる。即ち、バルブ122Aが閉位置にある場合には、第一の前駆体源114Aによって生成された蒸気が反応チャンバー12内に流入するのを防ぐことができる。
【0042】
更なる実施形態では、第一の前駆体源114Aは、キャリアガス(例えば、窒素)を第一の前駆体上を通過させる、または第一の前駆体を通ってバブリングさせることができるようなキャリアガス投入装置(図示せず)を更に備えることができ、その結果、第一の前駆体をキャリアガス中に取り込むことができ、その後、キャリアガス/第一の前駆体蒸気を適切な手段によって反応チャンバー12に供給することができる。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透ステーション11(
図2)は、反応チャンバー12に第一の前駆体源114Aからの第一の前駆体の蒸気を供給し、反応チャンバー12から第一の前駆体の蒸気を除去するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別の処理ステーション11は、反応チャンバー12中にアルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、リチウム(Li)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、およびスズ(Sn)を含む群からの金属を含む第一の前駆体源114から第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを含むことができる。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別の処理ステーション11は、金属アルキルアミド前駆体を含む前駆体を反応チャンバー12内に供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別の処理ステーション11は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムヒドリド(DMAH)を含む群から選択される前駆体を供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。それにより、浸透装置は、金属、例えば浸透性材料、例えばレジスト中のアルミニウムを浸透させることができる。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別のステーション処理11は、ハロゲン化金属を含む第一の前駆体源114から第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透装置の前駆体分配除去システムは、SnI4またはSnCl4を含む前駆体を反応チャンバー内に供給するように構築および配置されている。本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別の処理ステーション11は、テトラエチルスズ、テトラメチルスズ、またはアセチルアセトネートスズを含む群から選択される前駆体を反応チャンバー内に供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。それにより、浸透装置は、金属、例えば浸透性材料、例えばレジスト中のアルミニウムを浸透させることができる。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別のステーション11は、マグネシウムおよび/またはカルシウムを含む第一の前駆体源114から第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給するように構築および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、浸透装置は、浸透性材料、例えばレジスト中にシリコンを浸透させるように構築および配置することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、アミノシランの蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源は、3-アミノプロピルおよびケイ素含有化合物の蒸気、即ち3-アミノプロピル成分とケイ素成分の両方を含むケイ素前駆体を提供するように構築および配置されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を蒸発させるように構築および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。例えば、APTESを好適な供給源容器に貯蔵して収容することができ、APTESの一部を気化させ、それにより浸透性材料を浸透させるのに好適な気化された第一の前駆体を生成するために、関連する発熱体を利用してAPTESを0℃より高い、または90℃より高い、または更には230℃より高い温度に加熱することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)を蒸発させるように構築および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。例えば、APTMSを好適な供給源容器に貯蔵して収容することができ、APTMSの一部を気化させ、それにより浸透性材料を浸透させるのに好適な気化された第一の前駆体を生成するために、関連する発熱体を利用してAPTMSを0℃より高い、または90℃より高い、または更には230℃より高い温度に加熱することができる。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、アルコキシド配位子とアルコキシド配位子以外の別の配位子とを含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、アルコキシド配位子およびアルコキシド配位子以外の別の配位子を含むシリコン前駆体を蒸発させるように構築および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、シリコン原子に結合するアミノ置換アルキル基を含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。
【0057】
より詳細には、前駆体分配システムは、ガス供給システム112、および一つまたは複数のガスライン、例えば第一の前駆体源114Aと流体連通するガスライン124、第二の前駆体源114Bと流体連通するガスライン126、供給源容器116と流体連通するガスライン128、および反応物質供給源容器118と流体連通するガスライン130を備えることができる。非限定的な例として、ガスライン124は第一の前駆体源114Aに流体連通しており、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給するように構成されていてもよい。
【0058】
前駆体分配システムは更に、第一の前駆体の蒸気を反応性チャンバー12内および浸透性材料106が上に配置された基材15上に分配するように構成されるガスディスペンサ132を備えることができ、ガスディスペンサ132は、ガスライン126、128、および130と流体連通することに加えて、ガスライン124と流体連通する。
【0059】
非限定的な例示的実施形態として、
図2にブロック形状で例示するように、ガスディスペンサ132はシャワーヘッドを備えることができる。シャワーヘッドはブロック形状で例示されているが、シャワーヘッドは比較的複雑な構造であることができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、シャワーヘッドは、ガス混合物を反応チャンバー12に分配する前に複数の供給源からの蒸気を混合するように構成されてもよい。別の実施形態では、シャワーヘッドは、シャワーヘッドに導入された複数の蒸気間の分離を維持するように構成されてもよく、複数の蒸気は反応チャンバー12内に配置された基材15の近傍でのみ互いに接触する。更に、シャワーヘッドは、反応チャンバー12内への垂直方向または水平方向のガスの流れを供給するように構成されてもよい。例示的なガス分配器は、米国特許第8,152,922号に記載されており、その内容は、本開示と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
図2に例示するように、前駆体分配システムは、ガス供給システム112、少なくともガスライン124、126、128、および130、ならびにガス分配器132を備えることができるが、前駆体分配システムは
図2に例示しない別の構成要素、例えば別のガスライン、バルブ、アクチュエータ、シール、および発熱体を備えることができることに留意されたい。
【0061】
前駆体分配システムに加えて、浸透装置を備える別のステーション11はまた、反応チャンバー12からガスを除去するように構築および配置される除去システムを備えることができる。いくつかの実施形態では、除去システムは、反応チャンバー12の壁内に配置される排気口134と、排気口134と流体連通する排気ライン136と、排気ライン136と流体連通し反応チャンバー12内からガスを排気するように構成される真空ポンプ138とを備えることができる。一つまたは複数のガスが真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12から排出されると、それらは別の排気ライン140に沿って運ばれて別のステーション11を出ることができ、そこで更なる削減プロセスを受けることができる。
【0062】
反応チャンバー12内からの前駆体ガス、すなわち反応性蒸気の除去を更に助けるために、除去システムは、ガスライン128を介してガス分配器132に流体連通する供給源容器116を更に備えることができる。例えば、供給源容器116は、パージガス、例えばアルゴン(Ar)、窒素(N2)、またはヘリウム(He)を収容および貯蔵するように構成されてもよい。供給源容器116に関連付けられた流量コントローラ120Cおよびバルブ122Cは、ガスライン128を通ってガス分配器132へ、そして反応チャンバー12内へと供給されるパージガスの流量、特に質量流量を制御することができる。パージガスは、反応チャンバー12内から気相前駆体ガス、不活性ガス、および副生成物の除去を助け、特に、浸透性材料106の露出面から前駆体ガスおよび未反応副生成物を取り除くことができる。パージガス(および任意の関連する前駆体および副生成物)は、真空ポンプ138を利用して排気口134を経由して反応チャンバー12から出ることができる。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態では、別のステーション11は、前駆体分配システムおよび除去システムに動作可能に接続され、シーケンスコントローラ上で実行される場合に浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えたメモリ144を備えるシーケンスコントローラ142を更に備えることができる。
【0064】
より詳細には、例示的な別のステーション11は、制御ライン144A、144B、および144Cも含むことができるシーケンスコントローラ142を備えることができ、制御ラインは浸透システム11の様々なシステムおよび/または構成要素をシーケンスコントローラ142に結合させることができる。例えば、制御ライン144Aは、シーケンスコントローラ142をガス供給システム112と結合させることができ、それによってガスライン124、126、128、および130、ならびにガス分配器132を含む前駆体分配システムを制御することができる。制御ライン144Bは、シーケンスコントローラ142を反応チャンバー12と結合させ、それによって、プロセス圧力およびサセプタ温度を含むがこれらに限定されない反応チャンバーの作動を制御することができる。制御ライン144Cは、ガス除去システムの操作および制御がシーケンスコントローラ142によって提供されることができるように、シーケンスコントローラ142を真空ポンプ138と結合させることができる。
【0065】
図2に例示するように、シーケンスコントローラ142は三本の制御ライン144A、144B、および144Cを備えるが、多数の制御ライン、即ち電気的および/または光学的に接続した制御ラインを利用して、別のステーション11を備える所望のシステムおよび構成要素をシーケンス制御装置142と結合し、それによって浸透装置全体を制御することができる。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、例示的な浸透装置に含まれるバルブ、ヒーター、流量コントローラ、マニホールド、ポンプ、および他の機器を選択的に操作するための電子回路を備えることができる。このような回路および構成要素は、前駆体ガスおよびパージガスをそれぞれの前駆体源114A、114B、反応物質供給源容器118、およびパージガス供給源容器116から導入するように動作する。シーケンスコントローラ142はまた、前駆体パルスシーケンスのタイミング、基材および反応チャンバー12の温度、ならびに反応チャンバーの圧力、ならびに別のステーション11を適切に作動させるために必要な他の様々な作動を制御することができる。いくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142はまた、反応チャンバー12内に入り、そこから出て行く前駆体およびパージガスの流量を制御するための制御ソフトウェアおよび電気的または空気圧で制御されるバルブを備えることができる。本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、シーケンスコントローラ上で実行される場合、浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えたメモリ144を備えることができる。例えば、シーケンスコントローラ142は、モジュール、例えば特定の浸透プロセスを行うソフトウェアまたはハードウェアコンポーネント、例えばFPGAもしくはASICを備えることができる。モジュールは、シーケンスコントローラ142のアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成されることができ、一つまたは複数の浸透プロセスを実行するように構成されることができる。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142のメモリ144は、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12内の基材15上の浸透性材料106に供給し、それにより反応チャンバー12内の基材15上の浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気と浸透性材料106との反応の反応生成物を浸透させる、によって実行するためのプログラムを備えることができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別のステーション11は、第二の前駆体源114B、例えば第二の前駆体蒸発器を備えることができる。より詳細には、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。例えば、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体を蒸発させるように構築および配置されることができる第二の前駆体蒸発器を備えることができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体源114Bは、第一の前駆体源114Aと同一または実質的に同一であってもよく、したがって、第二の前駆体源114Bに関する詳細は、簡潔のために省略される。
【0069】
いくつかの実施形態では、前駆体分配システムおよび除去システムは、反応チャンバー12に第二の前駆体源114Bから第二の前駆体の蒸気を供給するように構築および配置されてもよい。例えば、ガスライン126は、流量コントローラ120Bおよびバルブ122Bを介して第二の前駆体源114Bに流体連通することができ、第二の前駆体の蒸気を第二の前駆体源114Bからガス分配器132に、続いて反応チャンバー12内に供給することができる。いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給し、それにより基材15上の浸透性材料106に第二の前駆体の蒸気を浸透させることができる、によって実行するようにプログラムされることができる。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体の後に第二の前駆体を供給する、即ち、第一の前駆体源114Aは、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12内に供給し、浸透性材料106に第一の前駆体を浸透させることができ、続いて、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給し、浸透性材料106に第二の前駆体を浸透させることができる、によって実行するようにプログラムされることができる。メモリ144に格納されたプログラムの浸透サイクルは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を実行するために第二の前駆体の蒸気を供給する第三期間よりも長い第一の前駆体の蒸気を供給する第一の期間を有してもよい。あるいは、メモリ144に格納されたプログラムの浸透サイクルは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を実行するために第一の期間よりも長い第三の期間を有してもよい。メモリ144に格納されたプログラムの浸透サイクルは、第三の期間よりも0.1~10,000、好ましくは1~1,000、および最も好ましくは5~100倍長く第一の前駆体の蒸気を供給する第一の期間を有することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体の後に第一の前駆体を提供するためにメモリ144上でプログラムを実行してもよい。即ち、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給して浸透性材料106に第二の前駆体の蒸気を浸透させることができ、続いて、第一の前駆体源114Aは第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給して浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気を浸透させることができる。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に格納されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第一の前駆体を反応チャンバー12に供給し、続いて過剰の第一の前駆体およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行い、そしてその後第二の前駆体を反応チャンバーに供給し、続いて過剰の第二の前駆体およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するために第二のパージサイクルを行う、によって実行するようにプログラムされることができる。
【0073】
より詳細には、シーケンスコントローラ142のメモリ144内に搭載されたプログラムは、最初に第一の前駆体源114Aを作動させ、反応チャンバー12に第一の前駆体の蒸気を供給して浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気を浸透させることができる。その後、第一の前駆体源114Aの作動を停止させ、第一の前駆体源114Aと反応チャンバー12との間の反応チャンバー12への流体連通を、例えば第一の前駆体源114Aに関連付けられたバルブ122Aによって解除することができる。第一の前駆体源114Aの作動を停止させ、そして反応チャンバー12から分離すると、シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、真空ポンプ138と係合させし、または係合させ続けて、第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバー12から排出させることができる。更なる実施形態では、真空ポンプ138を利用して第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバー12から排出することに加えて、シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムはパージガスの供給源を含む供給源容器116を、例えば、供給源容器116に関連付けられたバルブ122Cを開くことによって作動させることができる。パージガスは、ガス分配器132を介してガスライン128を通って反応チャンバー12内に流れ込み反応チャンバー12をパージし、特に基材15上に配置された浸透性材料106をパージすることができる。シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、その後、反応チャンバー12を通るパージガスの流れを停止させ、続いて第二の前駆体源114Bを作動させ、それによって第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給し、特に浸透性材料106を第二の蒸気源114Bによって供給される第二の前駆体蒸気で浸透させることができる。シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、続いて第二の前駆体の蒸気の反応チャンバー12への流れを停止させ、続いて供給源容器116を作動させて反応チャンバーを再びパージする、例えば第二の前駆体の過剰な蒸気を除去することができる。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に搭載されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体の蒸気を反応チャンバーに供給し、続いて第二の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行い、その後第一の前駆体の蒸気を反応チャンバーに供給し、続いて第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行う、によって実行するようにプログラムされることができる。
【0075】
本開示の追加の実施形態では、追加のステーション11は、逐次浸透合成(SIS)装置を含む浸透装置を備えることができる。例えば、逐次浸透合成(SIS)装置は、浸透性材料を二つ以上の気相前駆体に交互に自己制御的に曝すように構築および配置されることができる。
【0076】
本開示の更なる実施形態では、第一の前駆体源114Aおよび第二の前駆体源114Bに加えて、例示的な別のステーション11は、反応物質供給源容器118および反応物供給ライン、即ち、酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー12に供給するように構築および配置されるガスライン130を更に備えることができる。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は、固相の、液相の、または気相の反応物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は反応物質蒸発器を備えることができ、即ち、一つまたは複数の発熱体が反応物質供給源容器と関連付けられ、反応物質の蒸発を可能にし、それによって酸素前駆体を含む気化反応物質を反応チャンバー12に提供することができる。いくつかの実施形態では、酸素前駆体を含む蒸気反応物質の反応チャンバーへの流量の制御は、共に反応物質供給源容器118に関連付けられたバルブ122Dおよび流量コントローラ120Dを使用することによって達成されることができる。反応物質供給源容器118が反応物質蒸発器を更に備える本開示のいくつかの実施形態では、反応物質蒸発器は、酸素前駆体を含む反応物質として水(H2O)または過酸化水素(H2O2)のうちの少なくとも一つを蒸発させるように構築および配置されることができる。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は、反応物質供給ライン130およびガス分配器132を介して気体の酸素前駆体を反応チャンバー12に貯蔵および分配することができる。いくつかの実施形態では、気体の酸素前駆体は、オゾン(O3)または分子状酸素(O2)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0079】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透ステーション11は必要に応じてプラズマ発生器146を更に備えることができる。プラズマ発生器146は、気体の酸素前駆体からプラズマを発生させ、それによって原子状酸素、酸素イオン、酸素ラジカル、および酸素の励起種のうちの一つまたは複数を反応チャンバー12に供給するように構築および配置されることができ、それによって、プラズマ発生器146によって生成される酸素系プラズマは、基材15の上に配置される浸透性材料106と反応することができる。
【0080】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な別のステーション11は、酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー12に供給するように構築および配置される反応物質供給源容器118および反応物質供給ライン130を更に備える逐次浸透合成装置とすることができ、シーケンスコントローラ142のメモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて反応チャンバー12からガスを除去すること、および前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー12に供給すること、それによって、反応チャンバー12内の基材15上の浸透性材料106を、第一の前駆体および酸素前駆体を含む反応物質と浸透性材料106との反応によって浸透させることにより、浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0081】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に搭載されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、浸透性材料106の逐次浸透合成を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、酸素前駆体を反応物質供給源容器118から反応チャンバーに、続いて第一の前駆体の蒸気を第一の前駆体源114Aから反応チャンバー12に供給し、それにより浸透性材料に第一の前駆体および酸素原子を浸透させる、により実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、酸素前駆体を供給し、続いて第一の前駆体の蒸気を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0082】
本開示のいくつかの実施形態では、装置は逐次浸透合成装置を備え、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に供給するように構築および配置される第二の前駆体源114Bを更に備える。例えば、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体を蒸発させるように構築および配置される第二の前駆体蒸発器を備えることができる。いくつかの実施形態では、前駆体分配システムおよび除去システムは、第二の前駆体源114Bから第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー12に提供するように構築および配置されてもよく、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体を供給する、によって実行するようにプログラムされる。
【0083】
いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給する、によって実行するようにプログラムされる。
【0084】
いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給することを複数回繰り返す、によって実行するようにプログラムされることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給する各工程の間に、前駆体および/または反応物質を反応チャンバーから除去する、によって実行するようにプログラムされることができる。
【0086】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給する、によって実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第二の前駆体を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給する、によって実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給する、によって実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給する、によって実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行する場合、浸透性材料106の浸透を、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給する、によって実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー12を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0091】
上に記載した本開示の例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその法的等価物により定義される、本発明の実施形態の単なる例であるため、これらの実施形態によって本発明の範囲は限定されない。いかなる同等の実施形態も、本発明の範囲内にあることを意図している。実際に、記載した要素の代替の有用な組み合わせなど、本明細書に示し記載したものに加えて、本開示の様々な改変が、記載から当業者に明らかとなってもよい。このような改変および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲に入ると意図される。