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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】多層回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240806BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240806BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L23/12 E
H05K3/46 Z
H01L23/12 N
H01L23/12 301Z
H01L21/92 602P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019194457
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2020107878
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】16/234,483
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・エス・カーチス
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-527122(JP,A)
【文献】特開2008-218931(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0037684(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358866(US,A1)
【文献】特開2005-243864(JP,A)
【文献】特開2014-038972(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0156319(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0218985(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1656861(CN,A)
【文献】特開2014-082298(JP,A)
【文献】特開2005-64028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0226928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/46
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層回路基板であって、
1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第1グループと、
1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第2グループと、
上記交互層第1グループと上記交互層第2グループとの間にあって1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する1つ以上のコア層と、
上記多層回路基板の第1面から上記交互層第1グループ、1つ以上の上記コア層及び上記交互層第2グループを通って上記多層回路基板の第2面へと伸びる中央導体と、
上記多層回路基板の上記第1面に第1直径を有し、上記中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面から1つ以上の上記コア層へと広がる第1ギャップと、
上記多層回路基板の上記第2面に上記第1直径と異なる第2直径を有し、上記中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面から1つ以上の上記コア層へと広がる第2ギャップと、
上記第1ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面上に第1パターンで配置されるグラウンド突起部第1配列と、
上記第2ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面上に第2パターンで配置されるグラウンド突起部第2配列と、
上記交互層第1グループ及び上記交互層第2グループを通って上記グラウンド突起部第1配列と上記グラウンド突起部第2配列とを接続するグラウンド・パスと
を具える多層回路基板。
【請求項2】
上記中央導体が、上記交互層第1グループを通る第1複合ビアと、上記交互層第2グループを通る第2複合ビアとを有する請求項の多層回路基板。
【請求項3】
上記第1複合ビアが並列に機能する少なくとも3つのビアから成る第1配列を有し、上記第2複合ビアが並列に機能する少なくとも3つのビアから成る第2配列を有する請求項の多層回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスをマウントするための多層回路基板に関し、特に、無線周波数(RF)アセンブリを回路基板にマウントするための多層回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の半導体デバイスをマウントするのに利用される方法は、多数存在している。
【0003】
フリップ・チップは、集積回路(又はその他の半導体デバイス)の1種であって、これは、例えば、この集積回路(フリップ・チップ)のパッド上に置かれたはんだバンプ、ボールその他の突起部を通して、別の回路(回路基板や別の集積回路など)に接続される。はんだは、一般に、処理の間、集積回路の上側に置かれ、次いで、この集積回路のパッドを、この集積回路と接続することになる別の回路上のパッドと揃えるようにして、集積回路をひっくり返す。次に、多くの場合、はんだを再度溶融して、集積回路を別の回路に接合する。
【0004】
ボール・グリッド・アレイ(ball grid array:BGA)は、半導体デバイスを、例えば、印刷回路基板に表面実装するのに使用されるデバイス・パッケージの形式である。BGAパッケージでは、半導体デバイスのある1面上にグリッド・パターンで配置される複数のパッドがあり、各パッドには、はんだボールその他の突起部がある。半導体デバイスを印刷回路基板に結合するために、半導体デバイスの複数のパッドは、印刷回路基板上の対応する複数のパッドと位置合わせされ、次いで、はんだを溶かし、冷やして凝固させることで、これらコンポーネントを恒久的に結合する。
【0005】
多層回路基板には、一般に、多数の異なる層(レイヤ)又はプレーン(面)があり、個々の層は、例えば、信号層、グラウンド層、パワー層、又は、複数機能をミックスした層として機能する。これら異なる層は、例えば、ビア(VIA)によって接続されることがあり、これによって、信号が、これら層とおおよそ垂直な方向に、これら層を通って伝送可能となる。
【0006】
高周波数信号は、概して、同軸状に配置された複数の導体を用いて、信号源から負荷へと伝播されるが、この場合、通常、その中心導体が、その信号電流を運ぶとみなされる。信号電流は、信号源に戻る必要があり、同軸構造の外部導体が、強固に結合されたリターン・パスを提供する。この外部導体は、通常、グラウンド電位にあり、一般に「グラウンド」と呼ばれる。リターン電流パスを信号と強固に結合することは、信号が望ましくない箇所へ伝送又は放射されるのを防止し、もって、信号を外部のものから「シールド」するのに役立つ。
【0007】
他の構成も用いられている。例えば、「ツイナックス(twinax)」は、ツイン・アクシャル・ケーブル(Twinaxial cable)とも呼ばれ、1つの信号導体の代わりに、2つの信号導体を使用し、これら信号導体の周りは、導電性の「シールド」で覆われ、通常、差動信号のために利用される。更に別の構成では、3つ以上の信号導体が使用される。もっと別の構成では、信号のリターン・パスが、回路のグラウンド基準電位以外の電位にある場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特表2017-539090号公報
【文献】米国特許第9515017号明細書
【非特許文献】
【0009】
【文献】「ビルドアップフィルム 熱硬化型層間絶縁フィルム NX04シリーズ(NX04H)、NQ07シリーズ(NQ07XP)、NRシリーズ」の紹介サイト、積水化学工業株式会社、[オンライン]、[2019年10月23日検索]、インターネット<https://www.sekisui.co.jp/semicon/ja/PackageSubstrate/Insulationfilm.html>
【文献】「アンダーフィル」の記事、Wikipedia 日本語版[オンライン]、[2019年10月25日検索]、インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/アンダーフィル>
【文献】「Flip chip」の記事、Wikipedia 英語版[オンライン]、[2019年10月25日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Flip_chip>
【文献】「ビルドアップ工法」の記事、Wikipedia 日本語版[オンライン]、[2019年10月25日検索]、インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/ビルドアップ工法>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在の一般的なパッケージ工程及び電子コンポーネント組み立て工程を考えると、デバイス・パッケージを通した高周波数(例えば、無線周波数(RF))信号の伝送には課題がある。例えば、半導体BGAパッケージでは、高周波数信号の忠実度は、信号パス・インピーダンスの最良状態からのずれで制限され、また、ボールとボールの間の容量、コア・ビアのピッチ、最小パッドのサイズ、コア・ビア・ドリル(core VIA drill)のサイズ、絶縁ビアのサイズ、最大ビア・スタック(maximum via stack:ビアの積み重ねの最大)、アンダーフィル(封止材)、その他の要因によって影響される。ボールとボールの間の容量を小さくするには、理論上は、使用するボールのサイズをもっと小さくすれば良いと考えられるが、コストを低く維持するために、電子コンポーネント組み立て設備では、最小ボール・サイズが指定されることがあり、この最小ボール・サイズは、30GHzよりも良いRF信号性能に理論上必要となるサイズよりも、大きいものとなりがちである。
【0011】
本発明の実施形態は、こうした従来技術の欠点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願で説明するように、本発明の実施形態は、非常に小さなボール・サイズに頼る必要がなく、また、パッケージにコネクタを実装してボールを完全に回避することでコストやサイズで不利になることもなしに、BGA(Ball grid array:ボール・グリッド・アレイ)パッケージにおいて、所与のボール・サイズに対して、より高い信号帯域幅(例えば、周波数50GHzまでのRF信号を伝送)、低い挿入損失、低反射RF接続を可能にできる。本発明の実施形態は、外側のグラウンドについて大きな直径の空間距離(クリアランス)を用いると共に、特定のグラウンド突起部の位置を変えたり、過疎状態にすることで、BGAボールの容量を低減できる。本発明の実施形態は、内側及び外側の導体の直径の大きな変化(Step Changes:グラウンド突起部(ボール)とビルドアップ・ビアの間、コア・ビアとビルドアップ・ビアの間)を減らすことで、パッケージ全体で50オームのインピーダンス(又は、別の望ましい特性インピーダンス)を維持でき、また、帯域を制限する寄生成分を低減できる。
【0013】
本発明による多層回路基板のようなICパッケージ基板は、小さなIC形状への接続を容易にするために、典型的には、外側の層に非常に小さいビアを使用しており、次いで、ICの小さなピッチからの信号を、もっと大きなピッチの回路基板へと再配信するのをより容易なものとする。より薄い1つ以上のコア層に積層されるビルドアップ層を使用した高密度インターコネクト(相互接続)パッケージについては、コア・ビアを、ビルドアップ・ビアよりも、大幅に大きなものとすることがある。加えて、BGAパッドも、ビルドアップ・ビアよりも、大幅に大きなものとすることがある。小さなビアを大きなパッド又は大きなビアに接続するのに使用した場合、寄生インダクタンス及び寄生容量の影響が生じ、これは、RFの性能を制限すると共に、これを補償するのは困難である。そのため、複数のビルドアップ・ビアから成る配列(複合ビア)を使用することで、中央導体の直径を更に徐々に先細りさせることが可能となり、これによって、RF伝送特性を改善する。更に、グラウンド導体までの距離を増加させることで大きなボールやパッドの容量が低減された場合、その結果得られる小さなビア1つのインピーダンスは、誘導性に大きく傾くことがあるが、その代わりに、複数ビアから成る配列(複合ビア)を、そのパスのインピーダンスを所望値に補正するのに利用できる。
【0014】
本発明の実施形態は、小さな直径の単式(single)のビルドアップ・ビアによって生じる損失を、例えば、ビア配列(複合ビア)を用いて、もっと大きな実効(effective:事実上の)直径の導体を形成することによって低減できる。中央導体のビア配列の実効直径を大きくすることによって、小さな実効直径の中央導体又は同じ実効直径の導体に比較して、抵抗性損失が低減されると共に、より大きな電力を扱うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態による多層回路基板の一部分を示す上方等角図である。
図2図2は、図1に示す多層回路基板の一部分の下方等角図である。
図3図3は、図1に示す多層回路基板の側面図である。
図4図4は、図1に示す多層回路基板の上面図である。
図5図5は、図1に示す多層回路基板の底面図である。
図6図6は、本発明の実施形態による例示的な多層回路基板の層の特性情報(プロパティ)を示す表である。
図7図7は、図1の中央導体104を分離した状態で示した側面図である。
図8A図8Aは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8B図8Bは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8C図8Cは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8D図8Dは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8E図8Eは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8F図8Fは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8G図8Gは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8H図8Hは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8I図8Iは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8J図8Jは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図8K図8Kは、本発明の実施形態による複合ビアの断面の構成形態の1例を示す図である。
図9図9は、多層回路基板の第1面及び第2面に関する例示的な構成形態を説明するのに使用する例示的な5掛ける5のグリッドを示す。
図10図10は、本発明の実施形態による多層回路基板の1例の上面図である。
図11図11は、図11の多層回路基板の底面図である。
図12図12は、本発明の実施形態による多層回路基板の他の例の上面図である。
図13図13は、図12の多層回路基板の底面図である。
図14図14は、多層回路基板にマウント可能な例示的な集積回路と、多層回路基板にマウント可能な例示的な印刷回路基板を含めた多層回路基板の1例の分解等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施形態による多層回路基板100の一部分を示す上方等角図である。図2は、図1に示す多層回路基板100の下方等角図である。図3は、図1に示す多層回路基板100の側面図である。図4は、図1に示す多層回路基板100の上面図である。図5は、図1に示す多層回路基板100の底面図である。図1~5に示すように、多層回路基板100には、コア層101、交互層の第1グループ102、交互層の第2グループ103及び中央導体104がある。なお、本発明の実施形態では、当業者には周知のように、絶縁性のエポキシ樹脂等の液状硬化性樹脂による封止材が適宜使用されても良い(非特許文献2など)。また、トレース(配線)の材料としては、銅が使用されても良い。
【0017】
コア層101は、交互層第1グループ102及び交互層第2グループ103の間に配置されても良い。コア層101には、例えば、1つ以上の導電層があっても良い。コア層101は、更に、コア材料(例えば、ガラス・エポキシ多層材料など)から成る1つ以上の層を含んでいても良い。
【0018】
実施形態によっては、コア層101が無くても良い。こうした実施形態では、交互層第1グループ102及び交互層第2グループ103というように、交互層が2グループ(2セット)ある代わりに、交互層が1グループ(1セット)あるだけでも良い。
【0019】
交互層第1グループ102は、1つ以上の導体層と、1つ以上の絶縁層とを含んでいても良い。これら1つ以上の絶縁層は、1つ以上のビルドアップ層であるか、又は、1つ以上のビルドアップ層を含んでいても良い。交互層第2グループ103についても、交互層第1グループ102と同様に形成されて良い。なお、交互層の名称は、絶縁層と導体層を交互に積み上げて形成されることに由来する。一般に、ビルドアップ工法では、コアとなるプリント基板の上面と底面に交互層が形成される。
【0020】
図6は、本発明の実施形態による例示的な多層回路基板100の層の特性情報(プロパティ)を示す表である。
【0021】
図6では、はんだマスク層は、「はんだマスク」として特定され、絶縁層は、「BU(ビルドアップ)」又は「コア」として特定され、そして、信号、信号リターン/グラウンド及び電源(power)に使われる層は「導体」として特定される。ビルドアップ層及びコア層を利用した高密度相互接続では、層の構造は、A-B-Cの形式で記述できる。ここで、A、B及びCは、交互層(ビルドアップ層)第1グループ102、コア層(又は領域)101及び交互層(ビルドアップ層)第2グループ103夫々における導体層の総数である。図6における層の構成形態は、いくつかのあり得る構成形態を示しており、別の構成形態を用いても良い。例えば、他にあり得る構成形態としては、6-2-6構成形態、7-2-7構成形態及び8-4-8構成形態がある。
【0022】
図1~5に戻ると、中央導体104は、多層回路基板100の第1面105から延びて、交互層第1グループ102を通過し、1つ以上のコア層101を通過し、そして、交互層第2グループ103を通過して、多層回路基板100の第2面106に至るようにしても良い。上述した別の実施形態では、コア層がなく、交互層が1グループだけあるので、中央導体104が、多層回路基板100の第1面105から延びて、1グループ(1セット)だけの交互層を通過し、多層回路基板100の第2面106に至るようにしても良い。
【0023】
図7は、図1の中央導体104を分離した状態で示した側面図である。図7に示されるように、中央導体104には、交互層第1グループ102を貫通する第1複合ビア107と、交互層第2グループ103を貫通する第2複合ビア108とがあっても良い。加えて、中央導体104には、1つ以上のコア層101を貫通する単式(single)ビア109があっても良い。図7に示されるように、中央導体104には、更に、その両端部の夫々に、はんだボール、バンプ、突起部、パッド、又は、その他のコンポーネント実装(マウント)面があっても良い。なお、図7が示すように、端部の突起部、ボール等と直接接続される複合ビア中のビルドアップ・ビアの個数と、コア・ビアと直接接続される複合ビア中のビルドアップ・ビアの個数とが異なっていても良い。このように、端部の突起部等とビルドアップ・ビアとの間、コア・ビアとビルドアップ・ビアとの間で、1つのビルドアップ・ビアだけに注目すれば、サイズが大きく変化するところ、夫々の接続箇所において、最適な接続ができるように、複合ビア中の接続に使用するビルドアップ・ビアの個数を選択すると良い。これによって、中央導体の直径を、事実上、柔軟に変化又は先細りさせるのと同等の効果が得られる。直接の接続に使用しないビルドアップ・ビアは、接続に使用する他のビルドアップ・ビアと導電層中のトレースを介して接続されていても良い。中央導体104の両端部が垂直方向に揃っていないような実施形態では、中央導体104が、更に、コア層101又は交互層グループ102及び103の中の導体層上に1つ以上の導体トレース(配線)又は導体パターンを有していても良く、これらは、第1複合ビア107を第2複合ビア108に接続する、つまり、多層回路基板100を通過して複合ビア107及び108間を「垂直」に接続する。
【0024】
更に別の実施形態では、中央導体104が、図1~5、7及び図10~13に示されるように、多層回路基板100の全ての層を通過していなくてもよい。代わりに、これら実施形態では、中央導体104が、第1中央導体104Aと第2中央導体104Bとを構成要素として含み、第1中央導体104Aは、多層回路基板100の第1面から多層回路基板100の中のいくつかの層を通過して延びている一方で、第2中央導体104Bは、多層回路基板100の同じ面から多層回路基板100の中の同じ個数の層又は異なる個数の層を通過して延びており、多層回路基板100の導体層上のトレース(配線)が、これら第1中央導体104A及び第2中央導体104Bを接続するようにしても良い。こうした実施形態は、多層回路基板100の一方の面から信号を導入して、同じ面に戻して出力する必要がある場合に有用であろう。
【0025】
実施形態によっては、中央導体104が、グラウンドを基準とするシングル・エンド信号を伝送しても良い。別の実施形態では、中央導体104が、1対の中央導体を含み、差動信号を伝送するように構成されても良い。
【0026】
本願における用語「複合ビア(Compound VIA)」とは、並列に機能する2つ以上のビアを意味する。これに対して、用語「単式ビア(Single VIA)」は、単一のビアを意味する。図8A~8Kは、本発明の実施形態による複合ビアの断面119の例示的な構成形態(configuration)を示す図である。図8A~8Kに関して、「構成形態」という用語は、複合ビアにおける別々のビア110及び118の配置を意味するのに加えて、これら別々のビア110及び118の個数をも意味する。図示するように、複合ビアが、3個から19個の個別のビア110及び118を有していても良いが、個別のビア110及び118の個数がもっと少ないか、もっと多い他の構成形態も可能である。中央ビア118がある構成形態(例えば、図8C、8D、8E、8F及び8Kに例示的な構成形態を示す)では、中央ビア118をオプションとしても良い。
【0027】
複合ビアが3つ以上の個別のビア110及び118を有する構成形態では、第1複合ビア107の個別のビア110及び118の夫々は、交互層第1グループ102を貫通して連続的に伸びている必要はない。同様に、第2複合ビア108の個別のビア110及び118の夫々は、交互層第2グループ103を貫通して連続的に伸びている必要はない。その代わりに、所定の個別ビア110及び118は、全ての層よりも少ない層において、不連続が生じても良い(層全体の内の一部の層を通過しなくても良い)。個別ビア110及び118のこうした不連続により、いくつかの利点がもたらされる。例えば、ビアは、一般に、製造上又は信頼性の観点から、高密度相互接続構造の製造業者が許容するよりも多数には、互いを積み重ねることができない。しかし、複合ビアは、1つの層の1つのビア、その次の層の別のビアなどをスキップすることを可能にし、このために、製造業者が積み重ねを許容しているものよりも多数のビアの積み重ねを回避しながら、接続性と正しい直径が維持される。
【0028】
第1複合ビア107及び第2複合ビア108は、同じ構成形態であっても良いし、又は、第1複合ビア107及び第2複合ビア108が、異なる構成形態であっても良い。
【0029】
図1~5に戻ると、第1ギャップ(間隙)111は、中央導体104の周りを囲んでおり、多層回路基板100の第1面105から、交互層第1グループ102を通って、1つ以上のコア層101まで広がっている。第1ギャップ111には、多層回路基板100の第1面105において、第1公称直径112がある。第2ギャップ113は、中央導体104の周りを囲んでおり、多層回路基板100の第2面106から、交互層第2グループ103を通って、1つ以上のコア層101まで広がっている。第2ギャップ113には、多層回路基板100の第2面106において、第2公称直径114がある。
【0030】
図1~5に示されるように、第1直径112及び第2直径114は、実質的に同じであっても良い。本願において「実質的に同じ」とは、極めて正確に同じである必要はなく、おおよそ又は基本的に同じであることを意味する。ある特定の例示的実施形態では、第1直径112及び第2直径114が、両方ともに約1600マイクロメータである。別の実施形態では、第1直径112及び第2直径114が、同じでなくても良い。言い換えると、第1直径112が、第2直径114よりも大きいか、又は、小さいかのどちらかであっても良い。
【0031】
グラウンド突起部の第1配列115が、第1ギャップ111の周りを囲んでいても良く、多層回路基板100の第1面105上で、第1グリット・パターンで配置されていても良い。グラウンド突起部の第1配列115中の各グラウンド突起部は、例えば、ボール、バンプ(bump:こぶ)、柱状部(pillar:ピラー)、ピン、その他類似の隆起部であっても良い。グラウンド突起部の第1配列115は、例えば、多層回路基板100の第1面105上の対応するパッドの配列上に置かれても良い。そして、各パッドの上に溶融したはんだを乗せ、表面張力で丸くなったはんだが凝固することで、ボールが形成されても良い。多層回路基板100の第1面105は、実施形態によっては、フリップ・チップの面であっても良い。
【0032】
グラウンド突起部の第2配列116が、第2ギャップ113の周りを囲んでいても良く、多層回路基板100の第2面106上で、第2グリット・パターンで配置されていても良い。グラウンド突起部の第2配列116中の各グラウンド突起部は、例えば、ボール、バンプ(bump:こぶ)、柱状部(pillar:ピラー)、ピン、その他類似の隆起部であっても良い。グラウンド突起部の第2配列116は、例えば、多層回路基板100の第2面106上の対応するパッドの配列上に置かれても良い。多層回路基板100の第2面106は、実施形態によっては、BGA(Ball grid array:ボール・グリッド・アレイ)の面であっても良い。
【0033】
グラウンド・パス117が、グラウンド突起部の第1配列115を、交互層第1グループ102及び交互層第2グループ103を通して、グラウンド突起部の第2配列116に接続しても良い。また、グラウンド・パス117は、交互層102、103又はコア層101のいずれかの導体層にトレース(配線)又はパターンを含んでいても良い。これによって、図3等が示すように、第1面上の第1配列115と、第2面上の第2配列116とで、グラウンド突起部の異なるピッチが実現できる。グラウンド・パス117は、更に、図7に図示するように、例えば、コア層101を貫通する複数の層の間にあるビアを含んでも良い。このように、ビア117で囲まれる中央導体104は、多層回路基板100を貫通する同軸状の信号伝送構造を形成する。
【0034】
図9は、多層回路基板100の第1面105と、多層回路基板100の第2面106とに関する例示的な構成形態を説明するのに使用する例示的な5掛ける5(縦5、横5)のグリッド120を示している。説明の都合上、これらグリッドの位置に、1~25のラベルを付している。例示的な実施形態では、規則的な間隔のグリッド120を参照して説明するが、グラウンド突起部の第1配列115及びグラウンド突起部の第2配列116に関して、例えば、千鳥配列(staggered array:ジグザグ配列)や円形配列といった別の構成形態も可能である。グラウンド突起部第1配列115及びグラウンド突起部第2配列116に関して、用語「グラウンド」が使用されるが、当業者であれば理解されるように、実施形態によっては、これら突起部と、これらを接続するグラウンド・パス117に、グラウンド基準電位以外の電位があってもよい。
【0035】
図9を参照すると、図1~5の多層回路基板100の第1面105は、中央導体104が位置13にあり、そして、位置7~9、12、14及び17~19については、過疎状態に構成される。言い換えると、これら位置には、グラウンド突起部が設けられない。実施形態によっては、位置7~9、12、14及び17~19に加えて、位置1、5、21及び25についても過疎状態にされる。
【0036】
引き続き図9を参照すると、図1~5の多層回路基板100の第2面106は、中央導体104が位置13にあり、そして、位置8、12、14及び18(位置13に隣接する上下左右の位置)については、過疎状態に構成される。一方、位置13に隣接する対角線上の4つの位置7、9、17及び19(即ち、位置13に隣接する上下左右の位置よりは遠い隣接する位置)には、グラウンド突起部が配置される。別の実施形態では、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、5、21及び25についても過疎状態にされる。更に別の実施形態では、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、2、4~6、10、16、20~22、24及び25についても過疎状態にされる。こうした配置の選択は、多層回路基板を用いたパッケージ全体で形成される信号パスで必要とされる所望の特性インピーダンス値(例えば、50オーム)を実現できるように決定されても良い。このとき、本発明によれば、グラウンド突起部の配置位置を、実現される特性インピーダンスの結果に応じて柔軟に変更できることで、所望の特性インピーダンス値の実現が容易となる。
【0037】
図10は、本発明の実施形態による多層回路基板200の上面図である。図11は、図10の多層回路基板200の底面図である。図10及び図11の多層回路基板200は、いくつかの点を除けば、図1~5の多層回路基板100と実質的に同一としても良い。
【0038】
図10及び図11に示すように、第1ギャップ111の第1直径112は、第2ギャップ113の第2直径114よりも小さくても良い。例えば、第1直径112は、第2直径114よりも、約20%から約60%程度小さくても良い。
【0039】
図9を参照すると、図10及び図11の多層回路基板200の第1面105は、位置13に中央導体104がある一方で、位置8、12、14及び18(位置13に隣接する上下左右の位置)については、過疎(グラウンド突起部がない)状態に構成されても良い。一方、位置13に隣接する対角線上の4つの位置7、9、17及び19には、グラウンド突起部が配置される。実施形態によっては、図10に図示するように、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、5、21及び25についても過疎状態にしても良い。
【0040】
引き続き図9を参照すると、図10及び図11の多層回路基板200の第2面106は、図11に示すように、位置13に中央導体104がある一方で、位置8、12、14及び18(位置13に隣接する上下左右の位置)については、過疎(グラウンド突起部がない)状態に構成されても良い。一方、位置13に隣接する対角線上の4つの位置7、9、17及び19には、グラウンド突起部が配置される。別の実施形態では、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、5、21及び25についても過疎状態にして良い。更に別の実施形態では、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、2、4~6、10、16、20~22、24及び25についても過疎状態にして良い。
【0041】
図12は、本発明の実施形態による多層回路基板300の上面図である。図13は、図12の多層回路基板300の底面図である。図12及び図13の多層回路基板300は、いくつかの点を除けば、図10及び11の多層回路基板200と実質的に同一としても良い。
【0042】
図9を参照すると、図12及び図13の多層回路基板300の第1面105は、位置13に中央導体104がある一方で、位置8、12、14及び18(位置13に隣接する上下左右の位置)については、過疎(グラウンド突起部がない)状態に構成されても良い。一方、位置13に隣接する対角線上の4つの位置7、9、17及び19には、グラウンド突起部が配置される。実施形態によっては、図12に図示するように、位置8、12、14及び18に加えて、位置1、5、21及び25についても過疎状態にしても良い。
【0043】
引き続き図9を参照すると、図12及び図13の多層回路基板300の第2面106は、位置13に中央導体104があり、また、どの位置も過疎状態にしない構成としても良い。このとき、第2面106上の位置8、12、14及び18のグラウンド突起部が、第1直径112の外周に接する位置にあっても良い。別の実施形態では、図13に示すように、位置1、5、21及び25について過疎状態としても良い。更に別の実施形態では、位置1、2、4~6、10、16、20~22、24及び25について過疎状態にしても良い。
【0044】
図14は、例示的な集積回路425及び例示的な印刷回路基板450を含めた多層回路基板400に関する分解等角図である。図14に示すように、多層回路基板400は、集積回路425や印刷回路基板450などのような複数の他の半導体デバイスにマウントされるか、又は、これらの間にマウントされても良い。多層回路基板400は、例えば、図1~5の多層回路基板100、図10及び図11の多層回路基板200、又は、図12及び図13の多層回路基板300であっても良い。なお、図14では、中央導体の周りを囲むギャップを示していないことに留意されたい。むしろ、図14に示す多層回路基板400の底面上の複数のボールの任意のどれかを中央導体とし、これに関連するギャップと、その周りに形成された関連する複数のグラウンド突起部の配列とを有するように構成しても良い。
【0045】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。本発明の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0046】
実施例1としては、多層回路基板があり、1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第1グループと、1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第2グループと、上記交互層第1グループと上記交互層第2グループとの間にあって1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する1つ以上のコア層と、上記交互層第1グループを通る第1複合ビアと上記交互層第2グループを通る第2複合ビアとを有し、上記多層回路基板の第1面から上記交互層第1グループ、1つ以上の上記コア層及び上記交互層第2グループを通って上記多層回路基板の第2面へと伸びる中央導体と、該中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面から上記多層回路基板の上記第2面へと広がるギャップ(間隙)と、該ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面上に第1パターンで配置されるグラウンド突起部第1配列と、上記ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面上に第2パターンで配置されるグラウンド突起部第2配列と、上記交互層第1グループ及び上記交互層第2グループを通って上記グラウンド突起部第1配列を上記グラウンド突起部第2配列に接続するグラウンド・パスとを具えている。
【0047】
実施例2としては、実施例1の多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、更に、1つ以上の上記コア層を通る単式ビアを有している。
【0048】
実施例3としては、実施例1~2のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアから成る第1配列を有している。
【0049】
実施例4としては、実施例1~2のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアから成る第2配列を有している。
【0050】
実施例5としては、実施例3の多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアの上記第1配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層第1グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0051】
実施例6としては、実施例4の多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアの上記第2配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層第2グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0052】
実施例7としては、実施例1~6のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、更に、上記第1複合ビアを上記第2複合ビアに接続するトレース(配線)を導体層に有している。
【0053】
実施例8としては、実施例1~7のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1パターンは、第1グリッド・パターンである。
【0054】
実施例9としては、実施例1~8のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2パターンは、第2グリッド・パターンである。
【0055】
実施例10としては、実施例1~9のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記交互層第1グループ又は上記交互層第2グループの夫々は、導電層-絶縁層-導電層-絶縁層の繰り返しパターンを有している。
【0056】
実施例11としては、実施例1~10のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、差動信号を伝送するよう構成された1対の中央導体を有している。
【0057】
実施例12としては、多層回路基板があり、1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第1グループと、1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する交互層第2グループと、上記交互層第1グループと上記交互層第2グループとの間にあって1つ以上の導体層及び1つ以上の絶縁層を有する1つ以上のコア層と、上記多層回路基板の第1面から上記交互層第1グループ、1つ以上の上記コア層及び上記交互層第2グループを通って上記多層回路基板の第2面へと伸びる中央導体と、上記多層回路基板の上記第1面に第1直径を有し、上記中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面から1つ以上の上記コア層へと広がる第1ギャップと、上記多層回路基板の上記第2面に上記第1直径と異なる第2直径を有し、上記中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面から1つ以上の上記コア層へと広がる第2ギャップと、上記第1ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面上に第1パターンで配置されるグラウンド突起部第1配列と、上記第2ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面上に第2パターンで配置されるグラウンド突起部第2配列と、上記交互層第1グループ及び上記交互層第2グループを通って上記グラウンド突起部第1配列と上記グラウンド突起部第2配列とを接続するグラウンド・パスとを具えている。
【0058】
実施例13としては、実施例12の多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、上記交互層第1グループを通る第1複合ビアと、上記交互層第2グループを通る第2複合ビアとを有している。
【0059】
実施例14としては、実施例13の多層回路基板があり、このとき、上記第1複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアの第1配列を有している。
【0060】
実施例15としては、実施例13の多層回路基板があり、このとき、上記第2複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアの第2配列を有している。
【0061】
実施例16としては、実施例14の多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアの上記第1配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層第1グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0062】
実施例17としては、実施例15の多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアの上記第2配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層第2グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0063】
実施例18としては、実施例13~17のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、更に、上記第1複合ビアを上記第2複合ビアに接続するトレース(配線)を導体層に有している。
【0064】
実施例19としては、実施例12~18のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、更に、1つ以上の上記コア層を通る単式ビアを有している。
【0065】
実施例20としては、実施例12~19のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1直径は、上記第2直径よりも、約20%から約60%程度小さい。
【0066】
実施例21としては、実施例12~20のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1パターンは、第1グリッド・パターンである。
【0067】
実施例22としては、実施例12~21のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2パターンは、第2グリッド・パターンである。
【0068】
実施例23としては、実施例12~22のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記交互層第1グループ又は上記交互層第2グループの夫々は、導電層-絶縁層-導電層-絶縁層の繰り返しパターンを有している。
【0069】
実施例24としては、実施例12~23のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、差動信号を伝送するよう構成された1対の中央導体を有している。
【0070】
実施例25としては、多層回路基板があり、複数の導体層と1つ以上の絶縁層とを有する交互層グループと、該交互層グループを通る複合ビアを有し、上記多層回路基板の第1面から上記交互層グループを通って上記多層回路基板の第2面へと伸びる中央導体と、該中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の第1面から上記多層回路基板の第2面へと広がっており、上記多層回路基板の上記第1面に第1直径を有し、上記多層回路基板の上記第2面に第2直径を有するギャップと、該ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面上に第1パターンで配置されるグラウンド突起部第1配列と、上記ギャップの周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第2面上に第2パターンで配置されるグラウンド突起部第2配列と、上記交互層グループを通って上記グラウンド突起部第1配列を上記グラウンド突起部第2配列に接続するグラウンド・パスとを具えている。
【0071】
実施例26としては、実施例25の多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、導体層にトレースを更に有している。
【0072】
実施例27としては、実施例25~26のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアから成る配列を有している。
【0073】
実施例28としては、実施例27の多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアから成る上記配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0074】
実施例29としては、実施例25~28のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1パターンは、第1グリッド・パターンである。
【0075】
実施例30としては、実施例25~29のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2パターンは、第2グリッド・パターンである。
【0076】
実施例31としては、実施例25~30のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記交互層グループの夫々は、導電層-絶縁層-導電層-絶縁層の繰り返しパターンを有している。
【0077】
実施例32としては、実施例25~31のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1直径は、上記第2直径と実質的に同じである。
【0078】
実施例33としては、実施例25~31のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1直径と上記第2直径は、異なっている。
【0079】
実施例34としては、実施例25~32のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記中央導体が、差動信号を伝送するよう構成された1対の中央導体を有している。
【0080】
実施例35としては、多層回路基板があり、複数の導体層と1つ以上の絶縁層とを有する交互層グループと、第1複合ビアを有し、上記多層回路基板の第1面から上記交互層グループの第1多層グループを通って伸びる第1中央導体と、第2複合ビアを有し、上記多層回路基板の第1面から上記交互層グループの第2多層グループを通って伸びる第2中央導体と、上記交互層グループの導体層上にあって上記第1中央導体を上記第2中央導体に接続するトレースと、上記第1中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面から上記交互層グループの上記第1多層グループを通って広がる第1ギャップと、上記第2中央導体の周りを囲むと共に上記多層回路基板の上記第1面から上記交互層グループの上記第2多層グループを通って広がる第2ギャップと、上記第1ギャップの周りを囲むと共に第1パターンで配置されるグラウンド突起部第1配列と、上記第2ギャップの周りを囲むと共に第2パターンで配置されるグラウンド突起部第2配列と、上記交互層グループを通って上記グラウンド突起部第1配列を上記グラウンド突起部第2配列に接続するグラウンド・パスとを具えている。
【0081】
実施例36としては、実施例35の多層回路基板があり、このとき、上記交互層グループの上記第1多層グループは、上記交互層グループの上記第2多層グループと同一である。
【0082】
実施例37としては、実施例35~36のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアの配列を有している。
【0083】
実施例38としては、実施例35~37のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2複合ビアは、並列に機能する少なくとも3つのビアの配列を有している。
【0084】
実施例39としては、実施例37~38のいずれかの多層回路基板があり、このとき、少なくとも3つのビアの上記配列中の少なくとも1つのビアは、上記交互層グループの全部は通らない(通過しない不連続部分がある)。
【0085】
実施例40としては、実施例35~39のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1ギャップは第1直径を有し、上記第2ギャップは第2直径を有し、このとき、上記第1直径は、上記第2直径と実質的に同じである。
【0086】
実施例41としては、実施例35~39のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1ギャップは第1直径を有し、上記第2ギャップは第2直径を有し、このとき、上記第1直径と上記第2直径とは異なる。
【0087】
実施例42としては、実施例35~41のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1パターンは、第1グリッド・パターンである。
【0088】
実施例43としては、実施例35~42のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第2パターンは、第2グリッド・パターンである。
【0089】
実施例44としては、実施例35~43のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記交互層グループは、導電層-絶縁層-導電層-絶縁層の繰り返しパターンを有している。
【0090】
実施例45としては、実施例35~44のいずれかの多層回路基板があり、このとき、上記第1及び第2中央導体の一方又は両方が、差動信号を伝送するよう構成された1対の中央導体を有している。
【0091】
開示された本発明の上述したバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0092】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0093】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0094】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0095】
100 多層回路基板
101 コア層
102 交互層第1グループ
103 交互層第2グループ
104 中央導体
105 多層回路基板の第1面
106 多層回路基板の第2面
107 第1複合ビア
108 第2複合ビア
109 単式ビア
110 ビア
111 第1ギャップ
112 第1公称直径
113 第2ギャップ
114 第2公称直径
115 グラウンド突起部第1配列
116 グラウンド突起部第2配列
117 グラウンド・パス(ビア)
118 中央ビア
119 複合ビアの断面
120 5×5のグリッド
200 多層回路基板
300 多層回路基板
400 多層回路基板
425 集積回路
450 印刷回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K
図9
図10
図11
図12
図13
図14