(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】被加工物の管理方法及びシート切断装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240806BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240806BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240806BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240806BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L21/78 Q
H01L21/78 M
H01L21/68 A
H01L21/68 N
B24B27/06 M
B24B41/06 Z
(21)【出願番号】P 2020123649
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 良信
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-004794(JP,A)
【文献】特開平04-199733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/677
H01L 21/683
B24B 27/06
B24B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の管理方法であって、
互いに交差する分割予定ラインに区画された領域にデバイスが形成された表面を備える被加工物が、環状フレームの開口に樹脂シートを介して支持されるフレームユニットを形成するフレームユニット形成ステップと、
該フレームユニット形成ステップを実施後、被加工物の外周と該環状フレームの内周との間の領域の該樹脂シートに、該被加工物の識別情報を印字する印字ステップと、
被加工物を加工装置で加工する加工ステップと、
加工された被加工物を該樹脂シートから剥離する剥離ステップと、
該被加工物が剥離された該樹脂シートを保管する保管ステップと、
該印字ステップ、及び該剥離ステップ実施後、該樹脂シートに残った加工痕から加工状態を検査し、検査した該樹脂シートの該識別情報を読み取り、被加工物それぞれの加工状態を取得する検査結果取得ステップ
と、
を備え
る被加工物の管理方法。
【請求項2】
該識別情報は、被加工物毎のID情報、被加工物の該加工ステップでの加工条件、または加工ステップを実施した日付に関する情報を含む請求項
1に記載の被加工物の管理方法。
【請求項3】
環状フレームの開口に樹脂シートを介して支持した被加工物が加工され、加工された被加工物が該樹脂シートから剥離されて、該樹脂シートに加工痕が形成されたフレームユニットを収容するカセットが載置されるカセット載置部と、
該カセット載置部に載置された該カセットから該フレームユニットを搬出する搬出ユニットと、
該カセットから搬出された該フレームユニットの該樹脂シートに該剥離された被加工物の識別情報を印字する印字ユニットと、
該印字ユニットにより該識別情報が印字された該フレームユニットの該樹脂シートを該環状フレームから離脱させる樹脂シート離脱ユニットと、
該樹脂シート離脱ユニットによって該環状フレームから離脱した該樹脂シートを収容するシート収容部と、
を備えることを特徴とするシート切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物の管理方法及びシート切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハや樹脂パッケージ基板、ガラス基板、セラミックス基板など各種板状の被加工物でデバイスチップを形成し、電子機器を構成しているが、被加工物の加工には、製造中に被加工物を破損無くハンドリングする目的で、フレームユニット(環状フレームの開口に粘着テープ等の樹脂シートで被加工物が支持された状態)を構成する(例えば、特許文献1参照)。特に、ダイシング工程(切削ブレードによる工程、レーザービームによる工程を含む)、デバイス検査工程、チップ剥離(ピックアップ)工程では、フレームユニットが採用されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年製造されたデバイスチップに不良品が発生した場合、その原因を突き止める目的で、加工工程でどのような状況だったのか、記録を取ることが求められている。たとえば、被加工物にバーコード等を形成し、処理装置毎にバーコードを読み取り、いつどの処理装置でその被加工物が加工されたかを記録し、処理装置のログデータを確認することで、不良が発生した被加工物の加工状況を確認したりする。
【0005】
ピックアップ後のダイシングテープに残った残渣が多いと、ダイシングテープ側の面に欠けが多く発生した可能性が高く、ピックアップ工程実施後のダイシングテープを保管し、被加工物が加工されたかを記録として一定期間残すこともある。しかし、ダイシングテープには、どの被加工物が固定されていたかを確認する事が出来ず、細かい原因追及が難しい。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、デバイスチップの不具合の原因追及の困難さを抑制することができる被加工物の管理方法及びシート切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の管理方法は、被加工物の管理方法であって、互いに交差する分割予定ラインに区画された領域にデバイスが形成された表面を備える被加工物が、環状フレームの開口に樹脂シートを介して支持されるフレームユニットを形成するフレームユニット形成ステップと、該フレームユニット形成ステップを実施後、被加工物の外周と該環状フレームの内周との間の領域の該樹脂シートに、該被加工物の識別情報を印字する印字ステップと、被加工物を加工装置で加工する加工ステップと、加工された被加工物を該樹脂シートから剥離する剥離ステップと、該被加工物が剥離された該樹脂シートを保管する保管ステップと、該印字ステップ、及び該剥離ステップ実施後、該樹脂シートに残った加工痕から加工状態を検査し、検査した該樹脂シートの該識別情報を読み取り、被加工物それぞれの加工状態を取得する検査結果取得ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
前記被加工物の管理方法において、該識別情報は、被加工物毎のID情報、被加工物の該加工ステップでの加工条件、または加工ステップを実施した日付に関する情報を含んでも良い。
【0010】
本発明のシート切断装置は、環状フレームの開口に樹脂シートを介して支持した被加工物が加工され、加工された被加工物が該樹脂シートから剥離されて、該樹脂シートに加工痕が形成されたフレームユニットを収容するカセットが載置されるカセット載置部と、該カセット載置部に載置された該カセットから該フレームユニットを搬出する搬出ユニットと、該カセットから搬出された該フレームユニットの該樹脂シートに該剥離された被加工物の識別情報を印字する印字ユニットと、該印字ユニットにより該識別情報が印字された該フレームユニットの該樹脂シートを該環状フレームから離脱させる樹脂シート離脱ユニットと、該樹脂シート離脱ユニットによって該環状フレームから離脱した該樹脂シートを収容するシート収容部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の被加工物の管理方法及びシート切断装置は、デバイスチップの不具合の原因追及の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る被加工物の管理方法の管理対象の被加工物の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図2に示された被加工物の管理方法のフレームユニット形成ステップを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示された被加工物の管理方法のフレームユニット形成ステップで形成されたフレームユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2に示された被加工物の管理方法の印字ステップを示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示された被加工物の管理方法の印字ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示されたフレームユニットの識別情報の平面図である。
【
図8】
図8は、
図2に示された被加工物の管理方法の加工ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図9】
図9は、
図2に示された被加工物の管理方法の加工ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図2に示された被加工物の管理方法の剥離ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図11】
図11は、
図2に示された被加工物の管理方法の保管ステップを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、
図2に示された被加工物の管理方法の保管ステップの他の例で用いられるカセットを示す斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図13に示された被加工物の管理方法の検査結果取得ステップを示す斜視図である。
【
図15】
図15は、
図13に示された被加工物の管理方法の検査結果取得検査ステップにおいて取得した樹脂シートの要部の画像を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態3に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、
図16に示された被加工物の管理方法の剥離ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。
【
図18】
図18は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップを実施するシート切断装置の構成を模式的に示す平面図である。
【
図19】
図19は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて樹脂シートを環状フレームの内縁に沿って切断する状態を一部断面で示す側面図である。
【
図20】
図20は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて切断した樹脂シートを保持した状態を一部断面で示す側面図である。
【
図21】
図21は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて樹脂シートを収容ケースに収容する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る被加工物の管理方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る被加工物の管理方法の管理対象の被加工物の一例を示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
【0015】
実施形態1に係る被加工物の管理方法は、
図1に示された被加工物1を管理する方法である。実施形態1に係る被加工物の管理方法の管理対象の被加工物1は、シリコン(Si)、サファイア(Al
2O
3)、ガリウムヒ素(GaAs)または炭化ケイ素(SiC)等を基板2とする円板状の半導体ウェーハ、又は光デバイスウェーハなどのウェーハである。
【0016】
被加工物1は、
図1に示すように、互いに交差する複数の分割予定ライン3に区画された各領域にデバイス4が形成された表面5を備える。デバイス4は、例えば、IC(Integrated Circuit)、あるいはLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ等である。
【0017】
また、被加工物1は、基板2の表面5に被加工物ID(identification)情報が付されている。被加工物ID情報6は、被加工物1同士を識別するための情報即ち被加工物1毎のID情報である。実施形態1において、被加工物1は、分割予定ライン3に沿って切削(加工に相当)されて、個々のデバイスチップ7に分割される。デバイスチップ7は、基板2の一部分とデバイス4とを含む。
【0018】
実施形態1に係る被加工物の管理方法は、
図2に示すように、フレームユニット形成ステップ1001と、印字ステップ1002と、加工ステップ1003と、剥離ステップ1004と、保管ステップ1005とを備える。
【0019】
(フレームユニット形成ステップ)
図3は、
図2に示された被加工物の管理方法のフレームユニット形成ステップを示す斜視図である。
図4は、
図2に示された被加工物の管理方法のフレームユニット形成ステップで形成されたフレームユニットを示す斜視図である。フレームユニット形成ステップ1001は、被加工物1が、環状フレーム15の開口16に樹脂シート17を介して支持されるフレームユニット18を形成するステップである。
【0020】
実施形態1において、フレームユニット形成ステップ1001では、
図3に示すように、被加工物1よりも大径な樹脂シート17の粘着層の外縁部を被加工物1の外径よりも内径が大径な円環状の環状フレーム15に対面させ、被加工物1の表面5の裏側の裏面8を樹脂シート17の粘着層の中央部に対面させて、樹脂シート17の粘着層の外縁部を環状フレーム15に貼着し、被加工物1の裏面8を樹脂シート17の粘着層の中央部に貼着する。こうして、実施形態1において、フレームユニット形成ステップ1001では、開口16の内側に樹脂シート17を介して環状フレーム15で被加工物1を支持した
図4に示すフレームユニット18を形成する。
【0021】
(印字ステップ)
図5は、
図2に示された被加工物の管理方法の印字ステップを示す断面図である。
図6は、
図2に示された被加工物の管理方法の印字ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。
図7は、
図6に示されたフレームユニットの識別情報の平面図である。印字ステップ1002は、フレームユニット形成ステップ1001を実施後、被加工物1の外周と環状フレーム15の内周との間の領域の樹脂シート17の粘着層に、被加工物1の識別情報19を印字するステップである。
【0022】
実施形態1において、印字ステップ1002では、印字装置20が、フレームユニット18の樹脂シート17の基材層側を図示しない保持テーブルで保持し、読み取りユニット21で被加工物ID情報6を読み取る。印字装置20の制御ユニット23は、読み取った被加工物ID情報6が示す被加工物1毎のID情報と、加工ステップの加工条件とを予め1対1で対応付けて記憶している。
【0023】
なお、制御ユニット23は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インタフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実施可能なコンピュータである。制御ユニット100は、印字装置20を構成する各構成要素を制御して、印字ステップ1002を印字装置20に実施させるものである。
【0024】
実施形態1において、印字ステップ1002では、印字装置20の制御ユニット23が、読み取った被加工物ID情報6が示す被加工物1毎のID情報と対応付けられた加工ステップの加工条件を抽出して、識別情報19を生成する。実施形態1において、印字ステップ1002では、印字装置20が、
図5に示すように、印字ユニット22を被加工物1の外周と環状フレーム15の内周との間の領域の樹脂シート17の粘着層に対面させ、印字ユニット22で制御ユニット23が生成した識別情報19を、
図6に示すように、この領域の樹脂シート17の粘着層に印字する。実施形態1は、印字ユニット22は、樹脂シート17の粘着層にレーザービーム24を照射して識別情報19を印字するが、本発明では、これに限定されずに、例えば、樹脂シート17の粘着層にインクを塗布して識別情報19を印字しても良い。
【0025】
実施形態1では、印字ステップ1002で形成される識別情報19は、
図7に示すように、白丸で示す被加工物ID情報6と、白三角で示す加工条件ID情報9と、白四角で示す日付情報10とを含む。被加工物ID情報6は、被加工物1同士を識別するための情報即ち被加工物1毎のID情報である。加工条件ID情報9は、加工ステップ1003での加工条件を示す情報であって、加工条件同士を識別するための情報即ち加工条件毎のID情報である。
【0026】
また、識別情報19の加工条件ID情報9は、読み取りユニット21が読み取った被加工物ID情報6が示す被加工物1毎のID情報と対応付けられた加工ステップの加工条件を示すものである。日付情報10は、加工ステップ1003を実施した日付または識別情報19を印字した日付に関する情報であって、実施形態1では、加工ステップ1003を実施した日付を示す。このために、実施形態1では、印字装置20の制御ユニット23が、読み取った被加工物ID情報6と、読み取った被加工物ID情報6が示す被加工物1毎のID情報と対応付けられた加工ステップの加工条件を示す加工条件ID情報9と、加工ステップ1003を実施した日付を示す日付情報10とを含む識別情報19を生成する。
【0027】
なお、本発明では、識別情報19は、被加工物ID情報6と、加工条件ID情報9と、日付情報10とを含む1次元バーコード又は2次元コードでも良い。なお、識別情報19は、バーコードである場合、加工条件ID情報の代わりに、加工条件ID情報9が示す加工条件の切削ブレード35(
図8に示す)の種類、切り刃36の下端の高さを示すブレード高さ、切削ブレード35をY軸方向に移動させる距離を示すYインデックス、チャックテーブル31(
図8に示す)の移動速度を示す加工送り速度、スピンドル34(
図8に示す)の回転数を示すスピンドル回転数などを含んでも良い。
【0028】
なお、実施形態1では、識別情報19は、被加工物ID情報6と、加工条件ID情報9と、日付情報10とを含むが、本発明では、被加工物ID情報6と、加工条件ID情報9と、日付情報10とのうち少なくとも1つを含めばよい。即ち、本発明では、識別情報19は、被加工物ID情報6、加工条件ID情報9、または日付情報10を含む。
【0029】
(加工ステップ)
図8は、
図2に示された被加工物の管理方法の加工ステップを一部断面で示す側面図である。
図9は、
図2に示された被加工物の管理方法の加工ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。加工ステップ1003は、被加工物1を加工装置30で加工するステップである。
【0030】
実施形態1において、加工ステップ1003では、加工装置30がチャックテーブル31に被加工物1の裏面8を樹脂シート17を介して吸引保持し、クランプ部32で環状フレーム15をクランプする。加工ステップ1003では、加工装置30が読み取りユニット33で識別情報19を読み取り、識別情報19の加工条件ID情報9が示す加工条件を抽出する。加工ステップ1003では、加工装置30が抽出した加工条件通りにスピンドル34により回転される切削ブレード35と被加工物1とを分割予定ライン3に沿って相対的に移動させながら、切削ブレード35の切り刃36を樹脂シート17に切り込む高さに位置付けて、各分割予定ライン3に切り込ませて、被加工物1を個々のデバイスチップ7に分割する。
【0031】
実施形態1において、加工ステップ1003後のフレームユニット18は、
図9に示すように、被加工物1の各分割予定ライン3に加工痕である切削溝14が形成されている。また、加工ステップ1003後のフレームユニット18は、加工痕である切削溝14が、
図9に示すように、樹脂シート17にも形成されている。このように、実施形態1において、加工ステップを実施する加工装置30は、被加工物1を切削する切削装置である。
【0032】
(剥離ステップ)
図10は、
図2に示された被加工物の管理方法の剥離ステップを一部断面で示す側面図である。剥離ステップ1004は、加工された被加工物1を樹脂シート17から剥離するステップである。
【0033】
実施形態1において、剥離ステップ1004では、被加工物1のデバイスチップ7を
図10に示すように、周知のピックアップ37で一つずつ樹脂シート17の粘着層から剥離し、全てのデバイスチップ7をピックアップする。また、実施際には、
図11に示されたフレームユニット18に端材チップが残っているが、
図11では、端材チップを省略している。なお、被加工物1が剥離されたフレームユニット18を、以下、符号18-1で示す。
【0034】
(保管ステップ)
図11は、
図2に示された被加工物の管理方法の保管ステップを示す斜視図である。
図12は、
図2に示された被加工物の管理方法の保管ステップの他の例で用いられるカセットを示す斜視図である。保管ステップ1005は、被加工物1が剥離された樹脂シート17を保管するステップである。
【0035】
実施形態1において、保管ステップ1005では、被加工物1が剥離された樹脂シート17を含むフレームユニット18-1は、樹脂シート17の外縁部に環状フレーム15が貼着されたまま
図11に示すようにコインスタックカセット40に収容されて、予め定められる所定期間、保管される。
図11に示すコインスタックカセット40は、被加工物1を上下方向に積層して複数収容する収容容器であるとともに、上部開口部42を通して被加工物1が挿入されるとともに、上部開口部42を通して被加工物1を取り出すことができるものである。
【0036】
コインスタックカセット40は、
図3に示すように、上部開口部42を有する円筒壁41及び円筒壁41に形成された切り欠き部43と、ベース壁44とを有する。円筒壁41は、円筒状に形成され、内側にフレームユニット18-1を収容可能である。上部開口部42は、円筒壁41の上端に設けられ、内側にフレームユニット18-1を通すことができる。切り欠き部43は、円筒壁41の軸心に沿って円筒壁41の一部を切り欠いて形成されている。ベース壁44は、平面形状が矩形の平板状に形成され、円筒壁41の下端に設けられて、円筒壁41の下端を塞いでいる。
【0037】
コインスタックカセット40は、円筒壁41の内側に、外縁部に環状フレーム15が貼着された樹脂シート17即ちフレームユニット18-1と、例えば、紙や合成樹脂などの被加工物1よりも軟質な材料で構成された離型シート12とを交互に積層して収容する。即ち、フレームユニット18-1は、離型シート12と重なってコインスタックカセット40に収容される。また、コインスタックカセット40は、フレームユニット18-1及び離型シート12が上下方向に移動されることで、上部開口部42を通してフレームユニット18-1及び離型シート12が出し入れされる。
【0038】
また、本発明では、被加工物1が剥離されたフレームユニット18-1は、
図12に示すカセット50に収容されて、保管されても良い。カセット50は、フレームユニット18-1を上下方向に間隔をあけて複数収容する。カセット50は、
図12に示すように、底壁51と、底壁51の両端から立設しかつ互いに対向する一対の側壁52,52と、一対の側壁52,52の上端に連なり底壁51と上下方向に対向する天井壁53と、一対の側壁52,52と底壁51及び天井壁53に連なる奥壁54とを備えている。側壁52,52は、互いに対向する内面にフレームユニット18-1の環状フレーム15の両端部を載置して支持する支持棚55が複数段形成されている。支持棚55は、水平方向に直線状であるとともに、上下方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0039】
また、カセット50は、一対の側壁52,52と底壁51及び天井壁53とで囲まれて、支持棚55に対して樹脂シート17を水平に出し入れする開口部56を備える。カセット50は、各段の支持棚55上に環状フレーム15の両端部を支持して、複数のフレームユニット18-1を上下方向に間隔をあけて1段ずつ支持棚55の各段に収容する。また、カセット50は、フレームユニット18-1が水平方向に移動されることで、開口部56を通してフレームユニット18-1が出し入れされる。
【0040】
以上説明した実施形態1に係る被加工物の管理方法は、樹脂シート17に識別情報19を印字する事で、被加工物1を樹脂シート17から剥離した後にもどの樹脂シート17にどの被加工物1が固定されていたかがわかるので、樹脂シート17に残された加工痕である切削溝14で加工状況を判断することができ、被加工物1及びデバイスチップ7の加工状態を特定できるという効果がある。とくに、被加工物の加工方法は、加工で発生したコンタミ(加工屑)や切削溝14が樹脂シート17に残されるので、裏面8のチッピングや切削ブレード35の蛇行などを判断することができる。その結果、被加工物の管理方法は、デバイスチップ7の不具合の原因追及の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【0041】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る被加工物の管理方法を図面に基づいて説明する。
図13は、実施形態2に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
図14は、
図13に示された被加工物の管理方法の検査結果取得ステップを示す斜視図である。
図15は、
図13に示された被加工物の管理方法の検査結果取得検査ステップにおいて取得した樹脂シートの要部の画像を示す図である。なお、
図13、
図14、及び
図15は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
実施形態2に係る被加工物の管理方法は、
図13に示すように、検査結果取得ステップ1006を備えること以外、実施形態1と同じである。検査結果取得ステップ1006は、印字ステップ1002、及び剥離ステップ1004実施後、樹脂シート17に残った切削溝14から加工状態を検査し、検査した樹脂シート17の識別情報19を読み取り、被加工物1それぞれの加工状態を取得するステップである。
【0043】
実施形態2において、検査結果取得ステップ1006では、被加工物1が個々に分割されて製造されたデバイスチップ7に不具合などが発生した際に、不具合の原因追究のために、保管ステップ1005で保管された樹脂シート17の切削溝14の付近を検査するステップである。このために、検査結果取得ステップ1006は、必ずしも全ての被加工物1に対して実施されるわけではない。
【0044】
実施形態2において、検査結果取得ステップ1006では、保管ステップ1005において保管されたコインスタックカセット40から検査対象のデバイスチップ7が樹脂シート17に貼着されていたフレームユニット18-1を取り出し、検査装置60が、樹脂シート17の基材層側を図示しない保持テーブルで保持する。実施形態1において、検査結果取得ステップ1006では、検査装置60が、
図14に示すように、フレームユニット18-1の樹脂シート17の検査対象のデバイスチップ7が貼着されていた箇所を撮像ユニット61で撮像し、
図15に例示した画像62を取得する。実施形態1において、検査結果取得ステップ1006では、
図15に示すように、画像62の切削溝14の縁に被加工物1の破片1-1が映っていると、樹脂シートの破片1-1が存在する位置に貼着されていたデバイスチップ7に裏面チッピング(裏面8において切削溝14の縁が欠けること)が生じた判定する。
【0045】
また、実施形態1において、検査結果取得ステップ1006では、検査装置60が、図示しない読み取りユニットで識別情報19を読み取り、被加工物ID情報6及び加工条件ID情報9を取得する。検査結果取得ステップ1006では、検査装置60が、被加工物ID情報6が示す被加工物1の加工状態を取得する。
【0046】
実施形態2に係る被加工物の管理方法は、樹脂シート17に識別情報19を印字する事で、樹脂シート17に残された切削溝14で加工状況を判断することができ、被加工物1及びデバイスチップ7の加工状態を特定できる。その結果、被加工物の管理方法は、実施形態1と同様に、デバイスチップ7の不具合の原因追及の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【0047】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る被加工物の管理方法を図面に基づいて説明する。
図16は、実施形態3に係る被加工物の管理方法の流れを示すフローチャートである。
図17は、
図16に示された被加工物の管理方法の剥離ステップ後のフレームユニットを示す斜視図である。
図18は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップを実施するシート切断装置の構成を模式的に示す平面図である。
図19は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて樹脂シートを環状フレームの内縁に沿って切断する状態を一部断面で示す側面図である。
図20は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて切断した樹脂シートを保持した状態を一部断面で示す側面図である。
図21は、
図16に示された被加工物の管理方法の印字ステップにおいて樹脂シートを収容ケースに収容する状態を示す断面図である。なお、
図16、
図17、
図18、
図19、
図20及び
図21は、実施形態1及び実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
実施形態3に係る被加工物の管理方法は、
図16に示すように、フレームユニット形成ステップ1001と、加工ステップ1003と、剥離ステップ1004と、印字ステップ1002と、保管ステップ1005と、検査結果取得ステップ1006とを備え、フレームユニット形成ステップ1001実施後に、加工ステップ1003と、剥離ステップ1004と、印字ステップ1002と、保管ステップ1005と、検査結果取得ステップ1006とを順に実施する。実施形態3に係る被加工物の管理方法では、フレームユニット形成ステップ1001、加工ステップ1003及び剥離ステップ1004は、実施形態1と同様に実施される。
【0049】
実施形態3に係る被加工物の管理方法では、
図17に示すように、フレームユニット18-1の環状フレーム15にフレームID(identification)情報11が付されている。フレームID情報11は、フレームユニット18同士を識別するための情報即ちフレームユニット18毎のID情報である。
【0050】
実施形態3に係る被加工物の管理方法では、印字ステップ1002は、
図18に示すシート切断装置70により実施される。シート切断装置70は、
図17に示された剥離ステップ1004後のフレームユニット18の樹脂シート17を環状フレーム15の内縁に沿って切断し、切断した樹脂シート17を収容ケース75に収容する装置である。
【0051】
シート切断装置70は、
図18に示すように、カセット載置部71と、搬出ユニット680と、印字ユニット72と、切断ユニット(樹脂シート離脱ユニットに相当)73と、搬送ユニット74と、シート収容部である収容ケース75が載置されるシート載置部76と、離型シート12を重ねて収容する離型シートストック部77と、制御ユニット78とを備える。
【0052】
カセット載置部71は、シート切断装置70の装置本体79の角部に設けられ、上面に剥離ステップ1004後のフレームユニット18-1を収容したカセット50が載置され、カセット50を鉛直方向に昇降自在に支持する。このために、カセット50は、環状フレーム15の開口16に樹脂シート17を介して支持した被加工物1が切削され、切削された被加工物1が樹脂シート17から剥離されて、樹脂シート17に切削溝14が形成されたフレームユニット18-1を収容する。カセット載置部71は、カセット50の開口部56を装置本体79の中央に向けて、上面にカセット50を載置する。
【0053】
搬出ユニット80は、カセット載置部71に載置されたカセット50からフレームユニット18を搬出して、印字ユニット72の図示しない保持テーブルに載置する。
【0054】
印字ユニット72は、搬出ユニット80によりカセット50から搬出されたフレームユニット18の樹脂シート17に剥離された被加工物1の識別情報19を印字するものである。印字ユニット72は、カセット載置部71に載置されるカセット50からフレームユニット18が搬出される際の移動方向に沿って装置本体79のカセット載置部71の隣に配置され、フレームユニット18を樹脂シート17を介して保持する保持テーブルと、保持テーブルに保持されたフレームユニット18のフレームID情報11を読み取る読み取りユニット721と、フレームユニット18-1の樹脂シート17に識別情報19を印字する印字ヘッド722とを備える。印字ヘッド722は、樹脂シート17の粘着層にレーザービームを照射して識別情報19を印字するが、本発明では、これに限定されずに、例えば、樹脂シート17の粘着層にインクを塗布して識別情報19を印字しても良い。
【0055】
切断ユニット73は、印字ユニット72により識別情報19が印字されたフレームユニット18-1の樹脂シート17を環状フレーム15の内縁に沿って切断して、フレームユニット18-1の樹脂シート17を環状フレーム15から離脱させるものである。切断ユニット73は、カセット載置部71に載置されるカセット50からフレームユニット18が搬出される際の移動方向に対して交差する方向に沿って装置本体79の印字ユニット72の隣に配置されている。切断ユニット73は、
図19に示すように、フレームユニット18の樹脂シート17の環状フレーム15の内縁よりも内側を保持するシート保持テーブル731と、フレームユニット18の環状フレーム15を保持するフレーム保持テーブル732と、樹脂シート17を切断する切断ヘッド733と、図示しない移動ユニットとを備える。
【0056】
切断ユニット73は、シート保持テーブル731でフレームユニット18の樹脂シート17の環状フレーム15よりも内側を保持し、フレーム保持テーブル732でフレームユニット18の環状フレーム15を保持し、移動ユニットで切断ヘッド733をフレームユニット18に対して環状フレーム15の内縁に沿って相対的に移動させて、フレームユニット18の樹脂シート17を環状フレーム15の内縁に沿って切断する。実施形態3において、切断ユニット73の切断ヘッド733は、樹脂シート17の粘着層にレーザービーム734を照射して切断するが、本発明では、これに限定されずに、例えば、樹脂シート17の粘着層に切り刃を切り込ませて切断しても良い。また、実施形態3では、切断ユニット73は、樹脂シート17の切断後、フレーム保持テーブル732が外縁を中心に回動して、フレーム保持テーブル732で保持した環状フレーム15を落下させて、下方の図示しないケース内に収容する。
【0057】
搬送ユニット74は、フレームユニット18を印字ユニット72の保持テーブルから切断ユニット73の保持テーブル731,732上に搬送し、切断後の樹脂シート17を切断ユニット73のシート保持テーブル731から収容ケース75に搬送するとともに、離型シートストック部77から離型シート12を収容ケース75に搬送するものである。搬送ユニット74は、
図20に示すように、吸引パッド741と、吸引パッド741を保持する保持部材742と、保持部材742を鉛直方向及び水平方向に移動させる図示しない移動ユニットとを備える。吸引パッド741は、加圧された気体を噴射して、この気体の負圧によって樹脂シート17及び離型シート12に接触することなく保持する非接触式のベルヌーイパッドである。
【0058】
離型シートストック部77は、装置本体79の切断ユニット73の隣に配置され、シート載置部76は、装置本体79のカセット載置部71と切断ユニット73との隣に配置されている。シート載置部76に載置される収容ケース75は、前述したコインスタックカセット40と同様の構成であるので、コインスタックカセット40と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。収容ケース75の切り欠き部43は、切断ユニット73により切断された樹脂シート17の外径よりも大きく形成され、切断ユニット73側に対向している。収容ケース75は、切り欠き部43を通して、樹脂シート17及び離型シート12が搬送ユニット74により挿入される。このために、収容ケース75は、切断ユニット73によって環状フレーム15から離脱した樹脂シート17を収容する。
【0059】
制御ユニット78は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インタフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実施可能なコンピュータである。制御ユニット100は、印字装置20を構成する各構成要素を制御して、印字ステップ1002をシート切断装置70に実施させるものである。
【0060】
また、制御ユニット78は、読み取りユニット721が読み取ったフレームID情報11と、読み取りユニット721がフレームID情報11を読み取ったフレームユニット18の樹脂シート17に貼着されていた被加工物1毎のID情報と、加工ステップ1003の加工条件とを予め1対1で対応付けて記憶している。
【0061】
なお、制御ユニット78は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インタフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。制御ユニット100は、印字装置20を構成する各構成要素を制御して、印字ステップ1002を印字装置20に実行させるものである。
【0062】
実施形態3に係る被加工物の管理方法の印字ステップ1002では、シート切断装置70が搬出ユニット80でカセット50から剥離ステップ1004後のフレームユニット18-1を1枚取り出し、印字ユニット72の保持テーブルで保持する。シート切断装置70が印字ユニット72の読み取りユニット721でフレームID情報11を読み取り、制御ユニット78が、フレームID情報11に対応付けられた被加工物1毎のID情報を示す被加工物ID情報6と、フレームID情報11に対応付けられた加工ステップ1003の加工条件を示す加工条件ID情報9とを抽出する。シート切断装置70の制御ユニット78が、被加工物ID情報6と、加工条件ID情報9と、加工ステップ1003が実施された日付を示す日付情報10とを含む識別情報19を生成する。
【0063】
シート切断装置70が印字ヘッド722を樹脂シート17の環状フレーム15の内縁よりも内周に対面させて、生成した識別情報19を印字ヘッド722で樹脂シート17に印字する。シート切断装置70が識別情報19が印字された樹脂シート17を含むフレームユニット18-1を搬送ユニット74で切断ユニット73に搬送し、保持テーブル731,732で保持する。シート切断装置70が
図19に示すように、切断ヘッド733で樹脂シート17を環状フレーム15の内縁に沿って切断し、切断後の樹脂シート17を搬送ユニット74で、
図20に示すように、保持する。シート切断装置70が、切断後の樹脂シート17を搬送ユニット74で、
図21に示すように、収容ケース75内に収容する。なお、実施形態3では、収容ケース75は、樹脂シート17と、離型シート12とを交互に積層して収容する。収容ケース75内に収容された樹脂シート17は、保管ステップ1005で予め定められた所定の期間保管される。
【0064】
実施形態3に係る被加工物の管理方法では、検査結果取得ステップ1006は、実施形態2と同様に実施される。
【0065】
実施形態3に係る被加工物の管理方法は、樹脂シート17に識別情報19を印字する事で、樹脂シート17に残された切削溝14で加工状況を判断することができ、被加工物1及びデバイスチップ7の加工状態を特定できる。その結果、被加工物の管理方法は、実施形態1と同様に、デバイスチップ7の不具合の原因追及の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、上記実施形態では、加工ステップ1003を実施する加工装置30は、被加工物1を切削する切削装置であるが、本発明では、切削装置に限定されることなく、被加工物1に対して透過性又は吸収性を有する波長のレーザービームを照射するレーザー加工装置、被加工物1を研削する研削装置又は被加工物1を研磨する研磨装置でも良い。なお、レーザー加工装置、被加工物1を研削する研削装置又は被加工物1を研磨する研磨装置では、加工不良が発生した時、樹脂シート17が加熱されるなどして変色する所謂加工痕である焼けが生じることがある。これらの加工装置が加工ステップ1003を実施する場合、検査結果取得ステップ1006では、樹脂シート17の加工痕である焼けを検出する。なお、上記実施形態では、樹脂シート17を切断して環状フレーム15から離脱させたが、本発明では、樹脂シート17を環状フレーム15から剥離して離脱させても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 被加工物
3 分割予定ライン
4 デバイス
5 表面
6 被加工物ID情報(被加工物毎のID情報)
9 加工条件ID情報(加工ステップでも加工条件を示す情報)
10 日付情報(日付に関する情報)
14 切削溝(加工痕)
15 環状フレーム
16 開口
17 樹脂シート
18,18-1 フレームユニット
19 識別情報
30 加工装置
50 カセット
70 シート切断装置
71 カセット載置部
72 印字ユニット
73 切断ユニット(樹脂シート離脱ユニット)
75 収容ケース(シート収容部)
80 搬出ユニット
1001 フレームユニット形成ステップ
1002 印字ステップ
1003 加工ステップ
1004 剥離ステップ
1005 保管ステップ
1006 検査結果取得ステップ