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特許7534391デジタルリソグラフィデバイス用のデジタルパターンファイルの最適化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】デジタルリソグラフィデバイス用のデジタルパターンファイルの最適化
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022518269
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 US2019052449
(87)【国際公開番号】W WO2021061092
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チュン-シン
(72)【発明者】
【氏名】レイディグ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トン, インフォン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤオ-チョン
(72)【発明者】
【氏名】フン, チェン-ジエン
(72)【発明者】
【氏名】カマラプラ, シバライ グルライ
(72)【発明者】
【氏名】カオ, ツァイチョアン
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-261568(JP,A)
【文献】特開2011-197445(JP,A)
【文献】特開2012-129479(JP,A)
【文献】国際公開第2014/167750(WO,A1)
【文献】特開2005-141107(JP,A)
【文献】特開平05-234860(JP,A)
【文献】特開平09-034097(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0227671(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/92
7/20-7/24
9/00-9/02
H01L 21/027
G06F 30/00-30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルリソグラフィデバイス用のデジタルパターンファイルを最適化するための方法であって、
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することと、
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数を削減して、第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと、
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルの第1のセルを、前記第1のセルが回転、拡大縮小、または鏡映された同等なセルである前記第1のセルの代替バージョンで置換して、第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと、
前記第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを1つまたは複数の四角ポリゴンに変換して、最適化デジタルパターンファイルを生成することと、
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
を含み、
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
頂点が削減された第1の弧と前記第1の弧との間の差を決定することであって、各弧の中心から各頂点への投影を生成すること、および前記投影同士を比較することを含む、差を決定すること、ならびに
前記差をしきい値と比較すること、を含む、
法。
【請求項2】
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去することが、
前記デジタルパターンファイルの第2のセルと同等の前記デジタルパターンファイルの第1のセルを識別すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することが、
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと前記デジタルパターンファイルとのセル比較を実施することと、前記比較の出力を誤りしきい値と比較することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと前記第2の更新されたデジタルパターンファイルとのセル比較を実施すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記最適化デジタルパターンファイルと前記第3の更新されたデジタルパターンファイルとの間の差を識別することと、
前記差をしきい値と比較することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デジタルリソグラフィデバイスのためのデジタルパターン生成システムであって、
デジタルパターンファイルを含むメモリと、
前記メモリに結合されたコントローラとを備え、前記コントローラは、
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することと
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数を削減して、第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルの第1のセルを、前記第1のセルが回転、拡大縮小、または鏡映された同等なセルである前記第1のセルの代替バージョンで置換して、第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
前記第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを四角ポリゴンに変換して、最適化デジタルパターンファイルを生成することと
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
を行うように構成され
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
頂点が削減された第1の弧と前記第1の弧との間の差を決定することであって、各弧の中心から各頂点への投影を生成すること、および前記投影同士を比較することを含む、差を決定すること、ならびに
前記差をしきい値と比較すること、を含む、
ステム。
【請求項7】
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去することが、
前記デジタルパターンファイルの第2のセルと同等の前記デジタルパターンファイルの第1のセルを識別すること
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することが、
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと前記デジタルパターンファイルとのセル比較を実施すること
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
頂点が削減された第1の弧と前記第1の弧との間の差を決定することと、
前記差をしきい値と比較することと
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと前記第2の更新されたデジタルパターンファイルとのセル比較を実施すること
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記最適化デジタルパターンファイルと前記第3の更新されたデジタルパターンファイルとの間の差を識別することと、
前記差をしきい値と比較することと
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
最適化デジタルパターンファイルを生成するためのコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読プログラムコードが、1つまたは複数のコンピュータプロセッサによって、
デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することと
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数を削減して、第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルの第1のセルを、前記第1のセルが回転、拡大縮小、または鏡映された同等なセルである前記第1のセルの代替バージョンで置換して、第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
前記第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを1つまたは複数の四角ポリゴンに変換して、前記最適化デジタルパターンファイルを生成することと
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することと
を行うように実行可能であり、
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
頂点が削減された第1の弧と前記第1の弧との間の差を決定することであって、各弧の中心から各頂点への投影を生成すること、および前記投影同士を比較することを含む、差を決定すること、ならびに
前記差をしきい値と比較すること
を含む、
ンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去することが、
前記デジタルパターンファイルの第2のセルと同等の前記デジタルパターンファイルの第1のセルを識別することと、
前記デジタルパターンファイルの前記第2のセルを前記デジタルパターンファイルの前記第1のセルで置換することと
を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルを前記デジタルパターンファイルと比較することが、
前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと前記デジタルパターンファイルとのセル比較を実施すること
を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記第2の更新されたデジタルパターンファイルを前記第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
頂点が削減された第1の弧と前記第1の弧との間の差を決定することと、
前記差をしきい値と比較することと
を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルを前記第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと前記第2の更新されたデジタルパターンファイルとのセル比較を実施すること
を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記最適化デジタルパターンファイルを前記第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することが、
前記最適化デジタルパターンファイルと前記第3の更新されたデジタルパターンファイルとの間の差を識別することと、
前記差をしきい値と比較することと
を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去することが、
前記デジタルパターンファイルの前記第2のセルを前記デジタルパターンファイルの前記第1のセルに置換すること
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記デジタルパターンファイルから重複するセルを除去することが、
前記デジタルパターンファイルの前記第2のセルを前記デジタルパターンファイルの前記第1のセルに置換すること
をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般にはデジタルリソグラフィシステム用の設計ファイルを生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造ではリソグラフィ方法が使用される。従来のリソグラフィ方法は、設計パターンをフォトマスクのセット上に転写することを含み、フォトマスクのセットはフォトレジスト上に転写される。フォトマスクは、元の設計に鑑みてフォトマスクの精度および品質を検証するために検査される。しかしながら、設計パターンをフォトマスクのセット上に転写し、フォトマスクの精度および品質を検証することは、時間がかかり、コストのかかるプロセスである。デジタルリソグラフィプロセスでは、撮像プロセスを使用して設計パターンがフォトレジスト上に直接的にデジタル化される。さらに、デジタルリソグラフィプロセスは、設計パターンの精度を検証し、撮像プロセスに対して設計パターンを最適化するための検証プロセスを含む。しかしながら、検証および最適化プロセスは時間がかかり、処理集約的である。
【0003】
したがって、設計ファイルを最適化し、検証するための改良型の方法が求められている。
【発明の概要】
【0004】
一例では、デジタルリソグラフィデバイス用のデジタルパターンファイルを最適化するための方法が、デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、第1の更新されたデジタルパターンファイルをデジタルパターンファイルと比較することとを含む。方法は、第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数を削減して、第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、第2の更新されたデジタルパターンファイルを第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較することとをさらに含む。さらに、方法は、第2の更新されたデジタルパターンファイルの第1のセルを第1のセルの代替バージョンで置換して、第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成することと、第3の更新されたデジタルパターンファイルを第2のデジタルパターンファイルと比較することとを含む。さらに、方法は、第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを1つまたは複数の四角ポリゴンに変換して、最適化デジタルパターンファイルを生成することと、最適化デジタルパターンファイルを第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較することとを含む。
【0005】
一例では、デジタルパターンファイルを生成するためのコンピュータプログラム製品が、コンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読プログラムコードは、1つまたは複数のコンピュータプロセッサによって、デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成し、第1の更新されたデジタルパターンファイルをデジタルパターンファイルと比較するように実行可能である。さらに、第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数が第2の更新されたデジタルパターンファイルまで削減され、第2の更新されたデジタルパターンファイルが第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較される。さらに、デジタルパターンファイルの第1のセルが第1のセルの代替バージョンで置換され、第3の更新されたデジタルパターンファイルが生成され、第3の更新されたデジタルパターンファイルが第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較される。さらに、第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンが1つまたは複数の四角ポリゴンに変換され、最適化デジタルパターンファイルが生成され、最適化デジタルパターンファイルが第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較される。
【0006】
一例では、デジタルパターン生成システムがメモリおよびコントローラを備える。メモリコントローラはデジタルパターンファイルを含む。コントローラはメモリに結合され、デジタルパターンファイルから重複するセルを除去して、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成し、第1の更新されたデジタルパターンファイルをデジタルパターンファイルと比較するように構成される。コントローラは、第1の更新されたデジタルパターンファイルの第1の弧の頂点の数を削減して、第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成し、第2の更新されたデジタルパターンファイルを第1の更新されたデジタルパターンファイルと比較するようにさらに構成される。さらに、コントローラは、第2の更新されたデジタルパターンファイルの第1のセルを第1のセルの代替バージョンで置換して、第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成し、第3の更新されたデジタルパターンファイルを第2の更新されたデジタルパターンファイルと比較するように構成される。コントローラは、第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを1つまたは複数の四角ポリゴンに変換して、最適化デジタルパターンファイルを生成し、最適化デジタルパターンファイルを第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較するようにさらに構成される。
【0007】
本開示の前述の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に示される実施形態を参照することによって、上記で簡潔に要約した、本開示のより具体的な説明が得られ得る。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を認め得るので、添付の図面は例示的実施形態を示すに過ぎず、したがって本開示の範囲の限定と見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つまたは複数の実施形態によるリソグラフィシステムの斜視図である。
図2A-2B】1つまたは複数の実施形態による、デジタルパターンファイルを検証するための方法の流れ図である。
図3】1つまたは複数の実施形態による、等価更新の前後の例示的セル構造を示す図である。
図4】1つまたは複数の実施形態による例示的弧を示す図である。
図5】1つまたは複数の実施形態による例示的セル構造変換を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合には、各図に共通の同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。有益には、一実施形態の要素および特徴が、さらなる説明なしに他の実施形態に組み込まれ得ることが企図される。
【0010】
本明細書で説明する実施形態は、削減された処理リソースで設計ファイル(デジタルパターンファイル)を最適化するためのシステムおよび方法を提供する。方法は、最適化プロセスを複数のステップに分割することと、各ステップの間でデジタルパターンファイルを変更することとを含む。したがって、最適化プロセスが完了する前に、最適化プロセスでの誤りが検出され、訂正され得る。さらに、最適化プロセスをより小さいステップに分割することにより、全設計ファイルの処理と比べて処理要件および時間要件が削減される。
【0011】
図1は、1つまたは複数の実施形態によるデジタルリソグラフィシステム100を示す。システム100は、デジタルリソグラフィデバイス101およびオプティマイザ130を含む。デジタルリソグラフィデバイス101は、ステージ114および処理装置104を含む。ステージ114は、スラブ102上に配設されたトラック116の対によって支持される。基板120はステージ114によって支持される。ステージ114は、スラブ102上に配設されたトラック116の対によって支持される。ステージ114は、図1に示される座標系によって示されるように、トラック116の対に沿ってX方向に移動する。トラック116の対は、平行な磁気チャネルの対であり得る。図示されるように、トラック116の対の各トラックは直線経路に延びる。ステージ114の位置の情報をコントローラ122に提供するために、エンコーダ118がステージ114に結合される。
【0012】
コントローラ122は一般に、本明細書で説明する処理技法の制御および自動化を容易にするように設計される。コントローラ122は、処理装置104、ステージ114、およびエンコーダ118に結合され、またはそれらと通信し得る。処理装置104およびエンコーダ118は、基板処理および基板位置合せに関する情報をコントローラ122に提供し得る。たとえば、処理装置104は、基板処理が完了したことをコントローラ122に警報するようにコントローラ122に情報を提供し得る。コントローラ122は、オプティマイザ130によって提供されるデジタルパターンファイルに基づくデジタルリソグラフィプロセスの制御および自動化を容易にする。コントローラ122によって読取り可能な、撮像設計ファイルと呼ばれることがあるデジタルパターンファイル(またはコンピュータ命令)は、どのタスクが基板上で実行可能であるかを決定する。デジタルパターンファイル(たとえば、デジタルパターンファイル140)は、マスクパターンデータと、処理時間および基板位置を監視および制御するためのコードとを含む。マスクパターンデータは、デジタルリソグラフィデバイス101によって出力される電磁放射を使用してフォトレジストに書き込むべきパターンに対応する。
【0013】
基板120は、フラットパネルディスプレイの部分として使用され得る任意の適切な材料、たとえばガラスを含む。他の実施形態では、基板120は、フラットパネルディスプレイまたは他の半導体デバイスの一部として使用することのできる他の材料から作成され得る。基板120は、基板120上に形成された、パターンエッチングなどによってパターニングすべきフィルム層と、電磁放射、たとえばUVまたは遠UV「光」に感応性のある、パターニングすべきフィルム層上に形成されたフォトレジスト層とを有する。ポジ型フォトレジストは、電磁放射を使用してパターンがフォトレジスト内に書き込まれた後、放射で露光されたとき、フォトレジストに塗布されたフォトレジストデベロッパにそれぞれ可溶性のフォトレジストの部分を含む。ネガ型フォトレジストは、電磁放射を使用してパターンがフォトレジスト内に書き込まれた後、放射で露光されたとき、フォトレジストに塗布されたフォトレジストデベロッパにそれぞれ不溶性のフォトレジストの部分を含む。フォトレジストの化学組成が、フォトレジストがポジ型フォトレジストであるか、それともネガ型フォトレジストであるかを決定する。フォトレジストの例には、限定はしないが、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メチルグルタルイミド)、およびSU-8のうちの少なくとも1つが含まれる。電磁放射でフォトレジストが露光された後、レジストが現像され、下にあるフィルム層上に、パターニングされたフォトレジストが残される。次いで、パターニングされたフォトレジストを使用して、下にある薄膜が、フォトレジスト内の開口を通じてパターンエッチングされ、ディスプレイパネルの電子回路の一部が形成される。
【0014】
処理装置104は、支持体108および処理装置106を含む。処理装置104はトラック116の対をまたぎ、スラブ102上に配設され、それによって、トラック116の対およびステージ114が処理装置106の下を通過するための開口112を含む。処理装置106は、支持体108によってスラブ102の上に支持される。処理装置106は、フォトリソグラフィプロセスでフォトレジストを露光するように構成されたパターンジェネレータであり得る。いくつかの実施形態では、パターンジェネレータは、マスクレスリソグラフィプロセスを実施するように構成される。さらに、処理装置106は複数のイメージ投影システムを含み得る。
【0015】
動作中、ステージ114は、図1に示されるローディング位置から、処理位置にX方向に移動する。処理位置は、処理装置106の下の1つまたは複数の位置である。本明細書では、デジタルリソグラフィデバイス101が概略的に示されており、デジタルリソグラフィデバイス101が、Y方向に基板120上のフォトレジスト層の幅全体を露光することができるような大きさにされ、すなわち、基板120は、実際のフラットパネルディスプレイ基板と比べて小さい。しかしながら、実際の処理システムでは、処理装置104は、Y方向の基板120の幅よりも、Y方向にかなり小さくなり、基板120は、処理装置104の下を-X方向に連続して移動し、+Y方向に移動またはステッピングし、処理装置104の下を+X方向に走査されて戻ることになる。このX方向走査およびY方向ステッピングの動作が、基板エリア全体が処理装置104の書込み可能エリアの下を通過するまで続行されることになる。
【0016】
オプティマイザ130は、コントローラ132およびメモリ(たとえば、データストア)134を含む。オプティマイザ130は、デジタルパターンファイル140を生成、最適化、検証、および/または更新するために利用され得る。デジタルパターンファイル140はメモリ134内に記憶され得る。デジタルパターンファイル140は、基板120をパターニングするためにデジタルリソグラフィデバイス101によって利用され得る設計データを含む。
【0017】
コントローラ132は、メモリ134内に記憶されたプログラミングデータを検索および実行し、他のシステム構成要素の動作を調整する。同様に、コントローラ132は、メモリ134内に常駐するアプリケーションデータを記憶および検索する。コントローラ132は1つまたは複数の中央演算処理装置(CPU)であり得る。代替または追加として、コントローラ132は1つまたは複数の特定用途向けソフトウェアプログラムであり得る。
【0018】
メモリ134は、コントローラ132によって実行すべき命令および論理を記憶し得る。さらに、メモリ134は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および不揮発性メモリ(NVM)のうちの1つまたは複数であり得る。NVMは、とりわけ、ハードディスク、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)、取外し可能記憶デバイスであり得る。さらに、デジタルパターンファイル140がメモリ134内に記憶される。
【0019】
デジタルパターンファイル140がメモリ134内に記憶され、コントローラ132によってアクセス可能である。デジタルパターンファイル140は、デジタルリソグラフィデバイス101のコントローラ122によって解釈されるとき、基板120をどのようにパターニングするかの命令を与える設計データを含み得る。デジタルパターンファイル140は様々なフォーマットで提供され得る。たとえば、デジタルパターンファイル140のフォーマットは、とりわけ、GDSフォーマット、およびOASISフォーマットの一方であり得る。さらに、デジタルパターンファイル140は、ビットマップまたは別のイメージファイルとしてコントローラ122に提供され得る。デジタルパターンファイル140の設計データは、基板(たとえば、基板120)上で生成すべきパターンの構造に対応する情報を含む。デジタルパターンファイル140は、1つまたは複数の構造的要素に対応する注目のエリアを含み得る。構造的要素は幾何学形状として構築され得る。さらに、注目のエリアは、検証および/または最適化プロセス中にセルとして表され得る。
【0020】
オプティマイザ130はデジタルリソグラフィデバイス101に結合され得る。たとえば、オプティマイザ130は、基板120をパターニングするためにリソグラフィプロセス中に使用すべきデジタルリソグラフィデバイス101に、デジタルパターンファイル、たとえばデジタルパターンファイル140を送信し得る。デジタルパターンファイル140は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介してデジタルリソグラフィデバイス101に通信され得る。代替として、デジタルパターンファイル140は取外し可能メモリ上にロードされ、デジタルリソグラフィデバイス101上にロードされ得る。デジタルパターンファイル140は、対応する設計レイアウトの構造を定義するポリゴンの座標を提供し得る。構造は、アレイを作成するために参照され得る階層内に編成され得る。さらに、デジタルパターンファイル140は、対応する半導体デバイスの層に対応する層を定義する。たとえば、層はコンタクトパッド、トレースなどを備え得る。さらに、デジタルパターンファイル140は、要素の論理グループ化である、セルのグループ化を含み得る。たとえば、セルは、半導体デバイスのトランジスタまたは別の要素の論理要素のグループ化であり得る。さらに、セルは、ポリゴン(境界、経路、および他のセル)などの幾何学的物体を含み得る。セル内の物体は、対応する設計の「層」に割り当てられる。異なる層は、リソグラフィプロセス内の異なる処理ステップを表し得る。セルは、その要素が描画されるべきときにはいつでも参照され得る。たとえば、トランジスタに対応するセルは、トランジスタが描画されるべきときにはいつでも参照され得る。さらに、セルは、設計ファイルの設計内の1つまたは複数の層にわたり得る。セル階層が1つまたは複数のセルを含み得る。たとえば、トップレベルセルが、対応する物体のすべての要素を含み得、階層のより低いレベルの各セルが、物体の異なる部分の要素を含み得る。
【0021】
図2Aおよび図2Bは、1つまたは複数の実施形態による、デジタルパターンファイル、たとえばデジタルパターンファイル140を検査するための方法200を示す。動作210で、重複するセルがデジタルパターンファイル内で置換される。たとえば、オプティマイザ130は、別のセルと重複する、デジタルパターンファイル140の設計レイアウト内の1つまたは複数のセルを識別するように構成され得る。図3は、セル構造300およびセル構造310を示す。セル構造300は、共通要素の部分であるセルA、B、C、D、およびEを含む。たとえば、セルAは、セル構造300の階層のトップレベルであり得、セルB、C、D、およびEは、セル構造300の階層のより低いレベルに対応する。セル構造310は、重複するセル構造300内の1つまたは複数のセルを識別し、それらの重複するセルを同等のセルで置換することによって生成され得る。たとえば、オプティマイザ130はセル構造300を検査し、セルDおよびセルEが重複することを識別する。言い換えれば、セルDおよびセルEはデジタルパターンファイル140の同一の要素タイプに対応するので、セルDはセルEと同等であると判定される。したがって、セルEはセルDで置換され得、セル構造310が生成される。さらに、セルBおよびCも同等で重複すると判定される。したがって、セルCはセルBで置換され得、セル構造310が生成される。したがって、セル構造300および310は同等である。セルCをセルBで置換し、セルEをセルDで置換することにより、最適化および検証タスク中に処理されるセルがより少なくなるので、対応するデジタルパターンファイルに適用される圧縮および他の処理が簡略化される。たとえば、セル構造310は3つのセルからなり、一方、セル構造300は5つのセルからなる。したがって、セル構造310を含むデジタルパターンファイルが必要とする処理は、セル構造300を含むデジタルパターンファイルよりも少なくなる。
【0022】
動作212で、重複するセルを置換したことに応答して、第1の更新されたデジタルパターンファイルが生成される。たとえば、コントローラ132は、動作210に関して説明したように重複するセルを置換することによって生成される更新されたセル構造を含むように、第1の更新されたデジタルパターンファイルを生成し得る。
【0023】
動作214で、第1の更新されたデジタルパターンファイルがデジタルパターンファイル140と比較され、階層的に比較が実施され、第1の更新されたデジタルパターンファイル内の誤りが検出される。コントローラ132は、第1の更新されたデジタルパターンファイルのトップセルの内容と、デジタルパターンファイルのトップセルの内容との比較を実施して、更新されたデジタルパターンファイル内のパターン差を検出し得る。セル内で、またはセルの親セルのいずれかの中で、誤り(たとえば、デジタルパターンファイル間のパターン差)が検出され得る。誤りの数が誤りしきい値と比較され、第1の更新されたデジタルパターンファイルを検証するか否かが決定され得る。たとえば、誤りしきい値は0であり得る。代替として、誤りしきい値は1以上であり得る。さらに、オプティマイザ130は、識別した誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。たとえば、オプティマイザ130は、ユーザに提示され得る誤りレポートを生成し得る。
【0024】
動作220で、第1の更新されたデジタルパターンの1つまたは複数の弧内の頂点が削減される。1つまたは複数の弧内の頂点を削減することは、弧を表現するために使用する頂点を少なくすることを含み得る。たとえば、弧が、より小さい頂点カウントを有する弧で置換され得る。オプティマイザ130は、第1の更新されたデジタルパターン内の1つまたは複数の弧を識別し、1つまたは複数の弧を形成するために使用される頂点の数を削減し得る。弧を形成するために使用される頂点の数を削減することにより、弧を表現するデータ量が削減され、対応する設計ファイルが簡略化される。したがって、設計ファイルの最適化により、生成される形状寸法がより四角でなくなり、必要とする処理時間が少なくなる。
【0025】
頂点の対応する線分が弦公差(chord tolerance、たとえば、弦しきい値)以内であるとき、1つまたは複数の頂点を共通の弧の部分としてグループ化することによって弧が形成され得る。たとえば、共通の中心に対応し、弦公差未満である弦距離を有する連続する頂点(たとえば、境界に沿った点)を識別することによって弧が生成され得る。パラメータを満たす頂点が互いにグループ化され、共通の弧が形成される。さらに、これらのパラメータを満たさない頂点は、弧を形成するためにグループ化されず、弧の境界を識別し得る。弧の頂点および弦は、弧を表現するためにデジタルパターンファイル内で利用され得る四角ポリゴンを形成するために使用され得る。
【0026】
弦公差は、入力弦の長さとほぼ同一である。たとえば、弦公差は、内接法を使用するときに入力弦の長さと同一である。内接法では、線分の端点が弧に接触する。代替として、コントローラ132は、実質的な出力弦誤りを半分に削減するためにまたぎ法を利用し得る。またぎ法は、出力弦公差を入力弦の長さの約2倍にすることを可能にする。またぎ法(straddle method)では、弧を形成する弦が、線分の中心で弧と交差する。
【0027】
図4は、弧410および420を示す。弧410は頂点412から形成され、最適化されていないと見なされ得る。頂点412のうちの隣接する頂点間の距離は、弦414の長さに基づく。たとえば、弦414の長さは約0.05umであり得る。代替として、弦414の長さは約0.05um未満、または約0.05um超であり得る。さらに、弧410を形成するために利用される頂点412の数は、約40個以上であり得る。しかしながら、弧を表現するために使用される頂点および弦の数が増加するにつれて、弧に対応するデータ量も増大する。したがって、対応するデジタルパターンファイルを最適化するために利用される最適化プロセスは処理集約的である。しかしながら、弧を形成するために利用される頂点および弦の数を削減することにより、デジタルパターンファイルを最適化するための処理量が削減される。さらに、より少ない頂点および/または弦を有する弧で弧410を置換することにより、対応する設計ファイルが簡略化され、デジタルパターンファイルを最適化するための処理が削減される。たとえば、弧410が、頂点422および弦424から形成される弧420で置換され、頂点422の数は頂点412の数未満である。さらに、弦424の数は弦414の数未満であり、弦424の長さは弦414の長さよりも長い。したがって、弧420を表すデータは弧410よりも少なく、弧420を含むデジタルパターンファイルを最適化するために利用される処理は、弧410を含むデジタルパターンファイルよりも少ない。弧410を弧420で置換することは、弧420を形成するために、頂点の数を削減すること、および/または弦の長さを増大させることを含み得る。
【0028】
動作222で、1つまたは複数の弧内の頂点の数を削減したことに応答して、第2の更新されたデジタルパターンファイルが生成される。たとえば、コントローラ132は、削減した数の頂点から形成された弧を含むように第2の更新されたデジタルパターンファイルを生成し得る。
【0029】
動作224で、オプティマイザ130は、第2の更新されたデジタルパターンファイル内の更新されたセルを第1の更新されたデジタルパターンファイル内の対応するセルと比較し得る。たとえば、オプティマイザ130は、第2の更新されたデジタルパターンファイルを第1の更新されたパターンファイルと比較して、第2の更新されたデジタルパターンファイル内の誤りを検出し得る。オプティマイザ130は、弧回復プロセスを実施して、第2の更新されたデジタルパターンファイル内の弧の数が第1の更新されたデジタルパターンファイル内の弧の数に等しいかどうかを判定し得る。弧回復プロセスは、各弧の中心から各頂点への投影を生成することを含み得る。第2の更新されたデジタルパターンファイルの弧から形成された投影が、第1の更新されたデジタルパターンファイルの弧から形成された投影と比較され、投影間に偏差がある場合に偏差が検出される。しきい量を超える偏差は、第2の更新されたデジタルパターンファイルが第1の更新されたデジタルパターンファイルとは異なる数の弧を有することを示し得る。しきい値は約0.05umであり得る。代替として、またぎ法が使用されるとき、しきい値は、許容される出力弦誤りの半分未満であり得る。さらに、しきい値は約0.05um超、または約0.05um未満であり得る。さらに、オプティマイザ130は、識別された誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。たとえば、オプティマイザ130は、ユーザに出力(たとえば、表示)され得る誤りレポートを生成し得る。
【0030】
動作230で、回転、拡大縮小、鏡映と共に配置されたセルが、回転、拡大縮小、および鏡映なしに配置され得る同等なセルで置換される。たとえば、オプティマイザ130は、回転、拡大縮小、または鏡映と共に配置された第2の更新された設計パターン内の1つまたは複数のセルを識別し、識別したセルが、回転、拡大縮小、および鏡映なしに配置され得るセルの回転した変異形で置換される。たとえば、図5のセル構造510のセルA’は、トップレベルの視点からは、図5のセル構造520のセルAの回転したバージョンと同等である。したがって、回転と共に配置されたセルA’が、回転なしのセルAで置換され得る。たとえば、90度の回転と共に配置されたセルA’が、回転なしに配置されたセルAの90度の変異形で置換されると判定され得る。したがって、セルA’が回転を有し、かつセルAがセルA’の90度変異形である場合、セルA’がセルAで置換され得る。セルを変異形で置換することにより、対応するデジタルパターンファイルの複雑さが低減される。
【0031】
動作232で、セルをセルの回転したバージョンで置換したことに応答して、第3の更新されたデジタルパターンファイルが生成される。たとえば、オプティマイザ130は、セル構造を含むように第3の更新されたデジタルパターンファイルを生成し得る。
【0032】
動作234で、第3の更新されたデジタルパターンファイルが第2のデジタルパターンファイルと比較され、第3の更新されたデジタルパターンファイル内の誤りが検出される。たとえば、オプティマイザ130のコントローラ132は、第3の更新されたデジタルパターンファイルのトップセルの内容と、第2のデジタルパターンファイルのトップセルとの比較を実施して、第3の更新されたデジタルパターンファイル内のパターン差を検出し得る。誤りがセル内、またはセルの親セルのいずれかの中に記憶され得る。誤りの数が誤りしきい値と比較され、第1の更新されたデジタルパターンファイルを検証するか否かが決定され得る。たとえば、誤りしきい値は1以上であり得る。代替として、誤りしきい値は0以上であり得る。さらに、オプティマイザ130は、識別した誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。さらに、オプティマイザ130は、識別した誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。たとえば、オプティマイザ130は、ユーザに出力(たとえば、表示)され得る誤りレポートを生成し得る。
【0033】
動作240で、第3の更新されたデジタルパターンファイルの1つまたは複数のポリゴンが、四角ポリゴンに変換される。たとえば、オプティマイザ130は、第3の更新されたデジタルパターンファイル内の1つまたは複数のポリゴンを識別し、識別したポリゴンを四角ポリゴンに変換し得る。コントローラ132は、マンハッタンアルゴリズムおよび近傍頂点探索の一方を利用して、ポリゴンを四角ポリゴンに変換し得る。マンハッタンアルゴリズムは、各ポリゴンをマンハッタン近似に変換することを含み得、四角ポリゴンの各辺は水平または垂直である。近傍頂点探索(nearby vertex search)は、既存の頂点を利用して、対応する四角ポリゴンを構築する。したがって、近傍頂点探索は、線分を分割する機会が低減され得、他の方法と比べて生成される四角が少ない。マンハッタンアルゴリズムまたは近傍頂点探索は、ポリゴンの面積、角度、およびアスペクト比に基づくポリゴンの四角ポリゴンへの変換のために使用されるように選択され得る。マンハッタンアルゴリズムを使用するか、それとも近傍頂点探索を使用するかの決定は、全体の四角カウントおよび/または幅を最小限に抑えるように行われ得る。
【0034】
動作242で、ポリゴンを四角ポリゴンに変換したことに応答して、最適化デジタルパターンファイルが生成される。たとえば、オプティマイザ130は、生成した四角ポリゴンを含むように最適化デジタルパターンファイルを生成し得る。
【0035】
動作244で、最適化デジタルパターンファイルが第3の更新されたデジタルパターンファイルと比較される。たとえば、オプティマイザ130は、最適化デジタルパターンファイルを第3のデジタルパターンファイルと比較して、最適化デジタルパターンファイル内に誤りがある場合に誤りを識別し得る。たとえば、最適化デジタルパターンファイル内に誤りがある場合に誤りを識別するために、最適化デジタルパターンファイルと第3のデジタルパターンファイルとの間のセル間比較がオプティマイザ130によって完了される。誤りは、グリッドしきい値よりも大きいセル内のパターン間の差に対応し得る。誤りの数が誤りしきい値と比較され、第1の更新されたデジタルパターンファイルを検証するか否かが決定され得る。たとえば、誤りしきい値は0であり得る。代替として、誤りしきい値は1以上であり得る。さらに、オプティマイザ130は、識別した誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。たとえば、グリッドしきい値は約20nmであり得る。オプティマイザ130は、識別した誤りがある場合に誤りを訂正するようにユーザに警報し得る。たとえば、オプティマイザ130は、ユーザに出力(たとえば、表示)され得る誤りレポートを生成し得る。
【0036】
動作250は任意選択である。動作250で、動作242によって生成された最適化デジタルパターンファイルが検証される。最適化デジタルパターンファイル(たとえば、最終的なデジタルパターンファイル)を検証することは、最適化デジタルパターンファイルが第3の更新されたデジタルパターンファイルとの比較のパラメータを満たすか否かを判定することを含み得る。最適化デジタルパターンファイルは、オプティマイザ130によって第3の更新されたデジタルパターンファイルから生成され得る。さらに、最適化デジタルパターンファイルは、基板120のパターニング中に利用すべきデジタルリソグラフィシステムに通信され得る。代替として、最適化デジタルパターンファイルは、デジタルリソグラフィデバイス101のコントローラ122によって生成され得る。たとえば、コントローラ122は、第3の更新されたデジタルパターンファイルから最適化デジタルパターンファイルを生成し得る。さらに、最適化デジタルパターンファイルは、ビットマップまたは他のイメージファイルタイプの形式であり得る。
【0037】
オプティマイザ130は、最適化デジタルパターンファイルに関する密度チェックを実施して、最適化デジタルパターンファイルが対応する露光プラン、コントローラ122のラスタライザキャッシュ、および/またはタクトタイム(たとえば、あるユニットの製造の開始から別のユニットの製造の開始までの間の平均時間)に対応する要件を満たすか否かを判定するように構成され得る。たとえば、オプティマイザ130は、最終的なデジタルパターンファイルに関する密度チェックを実施して、第3の更新されたデジタルパターンファイルがデジタルリソグラフィデバイス101のコントローラ122によって処理され得るか否かを判定する。オプティマイザ130は、グリッドごとにデジタルパターンの密度を収集し得る。各グリッドは、ロード(シングルトンカウントと反復セルカウントの和)と、全体の四角の幅と四角の数の和を含み得る。次いでロードは、コントローラ122のラスタライザキャッシュが着信データを保持できるかどうかを予測するために使用され得る。合計の四角の幅およびカウントは、タクトタイムを予測するために使用され得る。さらに、オプティマイザ130は、最終的な最適化デジタルパターンを解析し、反復セルの全体の参照カウントとシングルトンカウントの和を計算して、露光プラン時間を予測し得る。
【0038】
図2Aおよび図2Bで提示される方法は、コンピュータプログラム製品内に記憶され、オプティマイザのコントローラ(たとえば、オプティマイザ130のコントローラ132)上で実行され得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0039】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のために命令を保持および記憶し得る有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体はメモリ134を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定はしないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、とりわけ、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピィディスクが含まれる。
【0040】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいはネットワーク、たとえばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、および/またはワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体内に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0041】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、あるいはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語や類似のプログラミング言語などの従来の手続型プログラミング言語とを含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードのどちらかであり得る。いくつかの実施形態では、たとえばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0042】
本発明の態様が、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、フローチャート図および/またはブロック図の中のブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されよう。
【0043】
こうしたコンピュータ可読プログラム命令は、コントローラ122および/またはコントローラ132に与えられ得る。さらに、コンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えられ、マシンが生成され得、したがってコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を生み出す。こうしたコンピュータ可読プログラム命令はまた、メモリ134内に記憶され得る。
【0044】
上記は本開示の例を対象とするが、本開示の基本的範囲から逸脱することなく、本開示の他の例およびさらなる例が考案され得、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5