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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】可変ループ制御特徴
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240806BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20240806BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/316 X
H01L21/318 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022563911
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 US2021034105
(87)【国際公開番号】W WO2021242781
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/030,716
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/326,984
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャンカラムルティ, ベンカタナラヤナ
(72)【発明者】
【氏名】バリシニコフ, アントン
(72)【発明者】
【氏名】ベレンス, ブレット
(72)【発明者】
【氏名】サンビ, ミテシュ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ショアン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-503578(JP,A)
【文献】特表2018-522393(JP,A)
【文献】特表2018-537853(JP,A)
【文献】国際公開第2019/010196(WO,A1)
【文献】特開2016-197719(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0322215(US,A1)
【文献】特開2019-159864(JP,A)
【文献】特開2013-069915(JP,A)
【文献】特開2012-212919(JP,A)
【文献】特開2007-224354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/316
H01L 21/318
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムの処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるためのレシピを特定することであって、前記レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含み、前記複数回の反復の各反復は、前記複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである、レシピを特定することと、
層間厚さの均一性をもたらすために、前記基板上に前記少なくとも1つの層を堆積させるための基板処理パラメータに対する複数の変更を決定することであって、前記複数の変更の各々は、前記複数回の反復のそれぞれの反復に対応し、かつ前記基板の前記複数の層の対応する層の相対的な位置と関連付けられ、前記複数の変更が、1つまたは複数の加法演算および1つまたは複数の乗数を含む、複数の変更を決定することと、
前記レシピと前記複数の変更に基づいて、1つまたは複数の基板上に前記複数の層を堆積させることと
を含む、方法。
【請求項2】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすためのものである、複数の反復調整を含み、
前記複数の反復調整の各反復調整は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記複数の反復調整のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の加法演算を指示する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の層の前記層間厚さの均一性は、
前記複数の層の各層は、同じ厚さを有する、
前記複数の層の各層は、均一である、または、
前記複数の層のうちの隣り合う層の各組は、同じ平面間間隔を有する
ことのうちの1つまたは複数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の変更を前記決定することは、
第1の基板上に第1の型の第1の複数の層を堆積させることと、
前記第1の複数の層の第1の計測データを決定することと、
前記第1の計測データに基づいて、前記第1の複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすために、対応する基板処理パラメータを調整するための第1の変更を生成することであって、前記複数の変更は、前記第1の変更に基づく、第1の変更を生成することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすためのものである、前記1つまたは複数の乗数を含み、
前記1つまたは複数の乗数の各乗数は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記1つまたは複数の乗数は、乗法演算を指示する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レシピ、および、前記複数の変更に基づいて、前記複数の層を前記1つまたは複数の基板上に堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1つまたは複数のプロセスの前記セットは、前記基板上に前記少なくとも1つの層を堆積させるための複数の基板処理パラメータを含み、
前記複数の変更の各々は、前記1つまたは複数の加法演算のうちの少なくとも1つ、および前記1つまたは複数の乗数のうちの少なくとも1つを実行することにより、1つまたは複数のプロセスの前記セットの、前記それぞれの反復の、前記複数の基板処理パラメータのうちの1つまたは複数を更新する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の層の各々は、ターゲット層厚さと関連付けられ、
前記複数の層の第1の層の第1のターゲット層厚さは、前記複数の層の第2の層の第2のターゲット層厚さとは異なる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の変更を前記決定することは、厚さの特定の調整に対応する1つまたは複数の基板処理パラメータに対応した、1つまたは複数の感度因子を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
命令を記憶する非一時的機械可読記憶媒体であって、前記命令は、実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、
基板処理システムの処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるためのレシピを特定することであって、前記レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含み、前記複数回の反復の各反復は、前記複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである、レシピを特定することと、
層間厚さの均一性をもたらすために、前記基板上に前記少なくとも1つの層を堆積させるための基板処理パラメータに対する複数の変更を決定することであって、前記複数の変更の各々は、前記複数回の反復のそれぞれの反復に対応し、かつ前記基板の前記複数の層の対応する層の相対的な位置と関連付けられ、前記複数の変更が、1つまたは複数の加法演算および1つまたは複数の乗数を含む、複数の変更を決定することと、
前記レシピと前記複数の変更に基づいて、1つまたは複数の基板上に前記複数の層を堆積させることと
を含む動作を遂行させる、非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項11】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすためのものである複数の反復調整を含み、
前記複数の反復調整の各反復調整は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記複数の反復調整のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の加法演算を指示する、
請求項10に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項12】
前記複数の層の前記層間厚さの均一性は、
前記複数の層の各層は、同じ厚さを有する、
前記複数の層の各層は、均一である、または、
前記複数の層のうちの隣り合う層の各組は、同じ平面間間隔を有する
ことのうちの1つまたは複数を含む、請求項11に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項13】
前記複数の変更を前記決定することは、
第1の基板上に第1の型の第1の複数の層を堆積させることと、
前記第1の複数の層の第1の計測データを決定することと、
前記第1の計測データに基づいて、前記第1の複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすために、対応する基板処理パラメータを調整するための第1の変更を生成することであって、前記複数の変更は、前記第1の変更に基づく、第1の変更を生成することと
を含む、請求項11に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項14】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすためのものである前記1つまたは複数の乗数を含み、
前記1つまたは複数の乗数の各乗数は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記1つまたは複数の乗数は、乗法演算を指示する、
請求項10に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項15】
前記動作は、前記レシピ、および、前記複数の変更に基づいて、前記複数の層を前記1つまたは複数の基板上に堆積させることをさらに含む、請求項10に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項16】
メモリと、
前記メモリに結合される1つまたは複数のプロセッサであって、
基板処理システムの処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるためのレシピを特定することであって、前記レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含み、前記複数回の反復の各反復は、前記複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである、レシピを特定することと、
層間厚さの均一性をもたらすために、前記基板上に前記少なくとも1つの層を堆積させるための基板処理パラメータに対する複数の変更を決定することであって、前記複数の変更の各々は、前記複数回の反復のそれぞれの反復に対応し、かつ前記基板の前記複数の層の対応する層の相対的な位置と関連付けられ、前記複数の変更が、1つまたは複数の加法演算および1つまたは複数の乗数を含む、複数の変更を決定することと、
前記レシピと前記複数の変更に基づいて、1つまたは複数の基板上に前記複数の層を堆積させることと
を行うためのものである、1つまたは複数のプロセッサと
を含むシステム。
【請求項17】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすためのものである複数の反復調整を含み、
前記複数の反復調整の各反復調整は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記複数の反復調整のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の加法演算を指示する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の層の前記層間厚さの均一性は、
前記複数の層の各層は、同じ厚さを有する、
前記複数の層の各層は、均一である、または、
前記複数の層のうちの隣り合う層の各組は、同じ平面間間隔を有する
ことのうちの1つまたは複数を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の変更を決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、
第1の基板上に第1の型の第1の複数の層を堆積させることと、
前記第1の複数の層の第1の計測データを決定することと、
前記第1の計測データに基づいて、前記第1の複数の層の前記層間厚さの均一性をもたらすために、対応する基板処理パラメータを調整するための第1の変更を生成することであって、前記複数の変更は、前記第1の変更に基づく、第1の変更を生成することと
のためのものである、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
基板処理パラメータに対する前記複数の変更は、前記複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすためのものである前記1つまたは複数の乗数を含み、
前記1つまたは複数の乗数の各乗数は、前記複数回の反復の対応する反復に対応し、
前記1つまたは複数の乗数は、乗法演算を指示する、
請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可変ループ制御特徴に関し、より詳細には、基板処理のための可変ループ制御特徴に関する。
【背景技術】
【0002】
製品は、製造機器を使用して、1つまたは複数の製造プロセスを遂行することにより生み出される。例えば、基板処理機器が、基板製造プロセスによって基板を生み出すために使用される。基板製造プロセスは、基板上に層を堆積させることを含む。
【発明の概要】
【0003】
下記は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するための、本開示の簡略化された概要である。本概要は、本開示の広範な概観ではない。本概要は、本開示の主要な、または決定的に重要な要素を特定することも、本開示の個別の実装例の何らかの範囲、または、特許請求の範囲の何らかの範囲を線引きすることも意図しない。本概要の唯一の目的は、本開示のいくつかの概念を、追って提示される、より詳細な説明に対する導入部として、簡略化された形式において提示することである。
【0004】
本開示の一態様において、方法は、基板処理システムの処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるためのレシピを特定することを含む。レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含む。複数回の反復の各反復は、複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである。方法は、複数の層の均一性をもたらすために、複数の反復調整を決定することをさらに含む。複数の反復調整の各反復調整は、複数回の反復のそれぞれの反復に対応する。方法は、複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすために、1つまたは複数の乗数を決定することをさらに含む。1つまたは複数の乗数の各乗数は、複数回の反復の対応する反復に対応する。方法は、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数として、複数の反復調整、および、1つまたは複数の乗数を記憶することをさらに含む。複数の層は、レシピ、ならびに、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数に基づいて、1つまたは複数の基板上に堆積される。
【0005】
本開示の別の態様における、実行されると、処理デバイス(processing device)が、基板処理システムの処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるためのレシピを特定することを含む動作を遂行することをもたらす命令を記憶する非一時的機械可読記憶媒体。レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含む。複数回の反復の各反復は、複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである。動作は、複数の層の均一性をもたらすために、複数の反復調整を決定することをさらに含む。複数の反復調整の各反復調整は、複数回の反復のそれぞれの反復に対応する。動作は、複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすために、1つまたは複数の乗数を決定することをさらに含む。1つまたは複数の乗数の各乗数は、複数回の反復の対応する反復に対応する。動作は、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数として、複数の反復調整、および、1つまたは複数の乗数を記憶することをさらに含む。複数の層は、レシピ、ならびに、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数に基づいて、1つまたは複数の基板上に堆積される。
【0006】
本開示の別の態様における、メモリと、メモリに結合される処理デバイスとを含むシステム。処理デバイスは、処理チャンバ内において基板上に複数の層を堆積させるために、レシピを特定するためのものである。レシピは、1つまたは複数のプロセスのセットの複数回の反復を含む。複数回の反復の各反復は、複数の層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである。処理デバイスは、さらに、複数の層の均一性をもたらすために、複数の反復調整を決定するためのものである。複数回の反復調整の各反復調整は、複数回の反復のそれぞれの反復に対応する。処理デバイスは、さらに、複数の層のうちの1つまたは複数の層の厚さの調整をもたらすために、1つまたは複数の乗数を決定するためのものである。1つまたは複数の乗数の各乗数は、複数回の反復の対応する反復に対応する。処理デバイスは、さらに、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数として、複数の反復調整、および、1つまたは複数の乗数を記憶するためのものである。複数の層は、レシピ、ならびに、記憶される複数の反復調整、および、1つまたは複数の記憶される乗数に基づいて、1つまたは複数の基板上に堆積される。
【0007】
本開示は、添付する図面の図において、限定としてではなく、例として例解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一定の実施形態による、例示的なシステムアーキテクチャを例示するブロック図である。
図1B】一定の実施形態による、反復調整および乗数とともに使用するためのレシピの図である。
図1C】一定の実施形態による、反復調整および乗数を含むオフセットテーブルの図である。
図1D】一定の実施形態による、反復調整および乗数とともに使用するための許容テーブルの図である。
図2A】一定の実施形態による、基板を生み出すために反復調整および乗数を使用することと関連付けられる方法のフロー図である。
図2B】一定の実施形態による、基板を生み出すために反復調整および乗数を使用することと関連付けられる方法のフロー図である。
図2C】一定の実施形態による、基板を生み出すために反復調整および乗数を使用することと関連付けられる方法のフロー図である。
図3】一定の実施形態による、コンピュータシステムを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において説明されるのは、可変ループ制御特徴に向けられる技術である。
【0010】
製品は、1つまたは複数の製造プロセスを遂行することにより生み出される。例えば、基板(例えば、ウエハ、半導体、その他)は、1つまたは複数の基板製造プロセスを遂行することにより生み出される。いくつかの例において、基板処理システムの処理チャンバが、基板上に層を堆積させるために使用される。レシピは、基板を生み出すためのプロセスを含む。いくつかの例において、レシピは、プロセスの同じセットのループ(例えば、反復)を含む。例えば、プロセスのセットは、基板上に層を堆積させるために使用され得るものであり、プロセスの同じセットが、基板上に複数個の層を堆積させるために、ループ(例えば、繰り返される、複数個の反復)においてランさせられ得る。層が基板上に堆積される際、層の特性は変化する。例えば、層が基板上に堆積される際、基板の最も新しい層は、チャンバの上部により近くなり、チャンバにおけるインピーダンス特性は変化し、ヒータが最も新しい層とコンタクトをなす具合は異なり、最も新しい層の結果的に生じる厚さは、他の層とは異なる。
【0011】
従来、同じ厚さの層を維持するために、レシピの異なるループは、異なるレシピへと分けられ、各ループのパラメータは、均一の厚さを維持するために、他のループとは異なるように調整される。例えば、基板の50の層が各々、レシピの分離したループにより作られ、各層が、異なる厚さを有するならば、レシピは、50の異なるレシピへと分けられ、50のレシピの各々のパラメータは、均一の厚さを維持するために、独立して調整される。同じレシピを複数個の回数繰り返すことの代わりに、複数個の分離したレシピが実行される。複数個の分離したレシピの実行(例えば、同じレシピを繰り返すことの代わりの)は、1つのループさせられるレシピを実行することと比較して、エネルギー消費、プロセッサオーバーヘッド、および、使用される帯域幅を増大する。複数個の分離したレシピの実行は、1つのループさせられるレシピを実行することと比較して、誤り、基板に対する損傷、および、基板処理システムに対する損傷を増大する。複数個の分離したレシピを作ること、トラブルシューティングすること、維持すること、試験すること、および更新することは、1つのループさせられるレシピを使用することと比較して、より多い計算時間、人員時間、および資源を使用する。
【0012】
本明細書において開示されるデバイス、システム、および方法は、レシピ(例えば、ループさせられるレシピ)ならびに反復調整および乗数を使用して基板を生み出すための可変ループ制御特徴を提供する。処理デバイスは、基板上に層を堆積させるために、レシピ(例えば、ループさせられるレシピ)を特定する。レシピは、製造パラメータを含むプロセスのセットの反復(例えば、ループ)を有する。プロセスのセットの各反復は、基板上に1つまたは複数の層を堆積させるためのものである。
【0013】
処理デバイスは、基板の層の均一性をもたらすために、(例えば、プロセスのセットの反復に対応する)反復調整を決定する。各反復調整は、加法演算(例えば、値の加算、値の減算)を遂行することにより、プロセスのセットの、それぞれの反復の、1つまたは複数の製造パラメータを更新する。レシピとともにとなる反復調整の使用は、均一の層(例えば、同じ厚さの層、同じ平面間間隔(距離)の層、層は均一である、その他)を伴う基板を生み出すことになる。
【0014】
処理デバイスは、基板の層の厚さの調整をもたらすために、乗数を決定する。いくつかの実施形態において、各乗数は、乗法演算(例えば、製造パラメータの値に0.75を乗算する、製造パラメータの値に1.2を乗算する、その他)により、プロセスのセットの対応する反復の製造パラメータのうちの少なくとも1つを更新する。
【0015】
いくつかの実施形態において、反復調整および乗数を含むオフセットテーブルが生成される(例えば、処理デバイスがオフセットテーブルの生成をもたらす、処理デバイスがオフセットテーブルを生成する、その他)。レシピならびに反復調整および乗数(例えば、オフセットテーブルにおける)は、基板を生み出すために使用される。
【0016】
本開示の態様は、技術的利点を結果的に生じさせる。いくつかの例において、プロセスのセット(例えば、6つのプロセス)のレシピは、基板上に酸化物および窒化物を堆積させるためのものであり、プロセスのセットは、(例えば、基板上に100の層を作るために、50回)繰り返される。いくつかの例において、プロセスのセットは、基板処理チャンバの各チャンバ(例えば、7つのチャンバ)において繰り返される。7つのチャンバにおいて50回繰り返される6つのプロセスに対して、このことは、2,100のプロセスに等しい。従来、2,100のプロセスは、作られる、試験される、維持される、その他である製造パラメータを各々が有する、分離したレシピ(例えば、最高2,100のレシピ)へと分けられる。本開示は、複数個の分離したレシピ(例えば、最高2,100のレシピ)の代わりに、1つのレシピと、反復調整と、乗数とを含む。反復調整および乗数(例えば、オフセットテーブル)とともにとなる1つのレシピの使用は、複数個の異なるレシピの作ること、試験すること、維持すること、および使用と比較して、エネルギー消費、使用される帯域幅、プロセッサオーバーヘッド等々における有意な低減を結果的に生じさせる。本開示は、指定される厚さ(例えば、均一の厚さ、指定される変動する厚さ、その他)の層を生み出すために、反復調整および乗数を決定する(例えば、オフセットテーブルの生成をもたらす)。本開示は、基板に対する損傷を減少し、指定される厚さを伴う基板層の準拠性を増大し、基板処理システムの損傷を減少する。本開示は、複数個の分離したレシピを使用することと比較して、人員の時間、計算時間、および資源を減少する。
【0017】
図1Aは、一定の実施形態による、システム100(例えば、例示的なシステムアーキテクチャ)を例示するブロック図である。システム100は、クライアントデバイス120と、製造機器124と、センサ126と、計測機器128と、サーバ110と、データストア140とを含む。
【0018】
クライアントデバイス120、製造機器124、センサ126、計測機器128、サーバ110は、反復調整162および乗数164を決定する(例えば、オフセットテーブル160の生成をもたらす)ために、ネットワーク130を介して互いに結合される。いくつかの実施形態において、ネットワーク130は、サーバ110、データストア140、および、他の公開で利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスをクライアントデバイス120に提供する公衆ネットワークである。いくつかの実施形態において、ネットワーク130は、製造機器124、センサ126、計測機器128、データストア140、および、他の非公開で利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスをクライアントデバイス120に提供する私設ネットワークである。ネットワーク130は、1つもしくは複数の、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えば、Ethernetネットワーク)、ワイヤレスネットワーク(例えば、802.11ネットワークまたはWi-Fiネットワーク)、セルラネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワーク、および/または、それらの組み合わせを含む。
【0019】
サーバ110は、ラックマウントサーバ、ルータコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、アクセラレータ特定用途向け集積回路(ASIC)(例えば、テンソル処理ユニット(TPU))、その他などの、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含む。いくつかの実施形態において、サーバ110は、(例えば、データストア140、クライアントデバイス120、計測機器128、センサ126、その他から)入力(例えば、レシピ150、許容テーブル170、計測データ172、入力データ176、その他)を受信し、出力を生成するために入力を処理し、(例えば、データストア140、クライアントデバイス120、製造機器124、その他に)出力(例えば、オフセットテーブル160、反復調整162、乗数164、感度因子174、その他)を提供する、可変ループ制御構成要素112を含む。いくつかの実施形態において、可変ループ制御構成要素112は、図2A~Cの方法200A~Cの、1つまたは複数の動作を遂行するために使用される。いくつかの実施形態において、サーバ110は、半導体処理システムのコントローラであり、製造機器124を制御するために使用される。
【0020】
クライアントデバイス120は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビジョン(「スマートTV」)、ネットワーク接続媒体プレーヤ(例えば、Blu-rayプレーヤ)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックス、その他などのコンピューティングデバイスを含む。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス120は、入力を受信するために、および、出力を表示するために、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示する。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス120は、入力(例えば、ユーザ入力、レシピ150、許容テーブル170、計測データ172、入力データ176、その他)を受信し、(例えば、可変ループ制御構成要素112に、データストア140に)入力を送信し、出力(例えば、オフセットテーブル160、反復調整162、乗数164、感度因子174、その他)を受信し、出力を表示する。
【0021】
いくつかの実施形態において、製造機器124は、基板処理システムの部分である。製造機器124は、エンクロージャシステム(例えば、基板キャリア、前方開口型統一ポッド(FOUP)、自動教示FOUP、プロセスキットエンクロージャシステム、基板エンクロージャシステム、その他)、サイドストレージポッド(SSP)、アライナデバイス、ファクトリインターフェース(例えば、機器フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module))、ロードロック、移送チャンバ、1つもしくは複数の処理チャンバ、ロボットアーム(例えば、移送チャンバにおいて配される、前方インターフェースにおいて配される、その他)、および/または類するもののうちの1つまたは複数を含む。エンクロージャシステム、SSP、およびロードロックは、ファクトリインターフェースに取り付き、ファクトリインターフェースにおいて配されるロボットアームは、エンクロージャシステムと、SSPと、ロードロックと、ファクトリインターフェースとの間で、内容物(例えば、基板、プロセスキットリング、キャリア、検証ウエハ、その他)を移送するためのものである。アライナデバイスは、内容物を位置合わせするために、ファクトリインターフェースにおいて配される。ロードロックおよび処理チャンバは、移送チャンバに取り付き、移送チャンバにおいて配されるロボットアームは、ロードロックと、処理チャンバと、移送チャンバとの間で、内容物(例えば、基板、プロセスキットリング、キャリア、検証ウエハ、その他)を移送するためのものである。
【0022】
製造機器124は、レシピ150、反復調整162、および乗数164(例えば、オフセットテーブル160)に基づいて基板を生み出すために、1つまたは複数の処理チャンバを含む。レシピ150は、基板上に層を堆積させるために、(ある数の反復156にわたって繰り返される)(例えば、製造パラメータ154を含む)プロセスのセット152を含む。反復調整162(例えば、基板が均一の層を有することをもたらすための加法演算)および乗数164(例えば、入力データ176に基づいて基板の層の厚さを選択的に変化させるための乗法演算)が(例えば、オフセットテーブル160において)記憶される。
【0023】
センサ126は、製造機器124と関連付けられる(例えば、製造機器124により基板を生み出すことと関連付けられる)センサデータ178(例えば、センサ値、トレースデータ)を提供する。いくつかの実施形態において、センサデータ178は、製造機器124の実際の製造パラメータ154を決定するために使用される。いくつかの実施形態において、センサデータ178は、機器健全性および/または製品健全性(例えば、基板品質)のために使用される。製造機器124は、ある期間の時間にわたって、レシピ150(例えば、ランを遂行する、ループを遂行する、反復156を遂行する、プロセスのセット152を繰り返す、その他)、反復調整162、および乗数164(例えば、オフセットテーブル160)に則って基板を生み出す。センサデータ178(例えば、トレースデータ)は、(例えば、レシピ150またはランの少なくとも部分に対応する)ある期間の時間にわたって、異なるセンサ126から受信される。
【0024】
いくつかの実施形態において、センサデータ178は、温度(例えば、ヒータ温度)、間隔(SP)、圧力、高周波無線周波数(HFRF:High Frequency Radio Frequency)、低周波無線周波数(LFRF:Low Frequency Radio Frequency)、高周波(RF)電力、静電チャック(ESC)の電圧、電流、フロー、電力、電圧、その他のうちの1つまたは複数の値を含む。いくつかの実施形態において、センサデータ178は、ハードウェアパラメータ(例えば、製造機器124のセッティングまたは構成要素(例えば、サイズ、型、その他))、もしくは、製造機器のプロセスパラメータなどの、製造パラメータ154と関連付けられる、または、それらの製造パラメータ154を指示している。センサデータ178は、製造機器124が製造プロセスを遂行している間に提供される(例えば、製品を処理するときの機器読み取り値)。いくつかの実施形態において、センサデータ178は、各基板および/または層に対して異なる。
【0025】
計測機器128は、製造機器124の製品に対応する計測データ172を決定するために使用される。いくつかの実施形態において、製造機器124が基板上に1つまたは複数の層を堆積させる後、計測機器128は、層の厚さ、層の均一性、層の層間間隔、または類するもののうちの1つまたは複数を決定するために使用される。いくつかの実施形態において、計測機器128は、イメージングデバイスを含む。
【0026】
データストア140は、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)、ドライバ(例えば、ハードドライバ、フラッシュドライバ)、データベースシステム、または、データを記憶する能力をもつ別の型の構成要素もしくはデバイスである。データストア140は、複数個のコンピューティングデバイス(例えば、複数個のサーバコンピュータ)にまたがる複数個のストレージ構成要素(例えば、複数個のドライバ、または、複数個のデータベース)を含む。データストア140は、レシピ150、オフセットテーブル160、反復調整162、乗数164、許容テーブル170、計測データ172、感度因子174、入力データ176、および/またはセンサデータ178のうちの1つまたは複数を記憶する。
【0027】
レシピ150は、製造パラメータ154を含むプロセスのセット152を含む。レシピ150は、反復156(例えば、プロセスのセット152のループ、繰り返し)をさらに含む。製造パラメータ154は、ハードウェアパラメータ(例えば、所定の構成要素、構成要素により実行されるファームウェア、構成要素により実行されるソフトウェア、その他を使用する)および/またはプロセスパラメータ(例えば、温度、圧力、フロー、レート、電流、電圧、ガス流、リフト速度、その他)を含む。レシピ150は、図1Bとの関係においてさらに説明される。
【0028】
反復調整162(例えば、層が均一であることをもたらすための、製造パラメータ154と関連付けられる加法演算)および乗数164(例えば、層が特定の厚さを有することをもたらすための、製造パラメータ154と関連付けられる乗法演算)が(例えば、オフセットテーブル160において)記憶される。オフセットテーブル160、反復調整162、および乗数164は、図1Cとの関係においてさらに説明される。
【0029】
許容テーブル170は、各製造パラメータ154に対するデフォルト値、最小値、および/または最大値のうちの1つまたは複数を含む。許容テーブル170は、図1Dとの関係においてさらに説明される。
【0030】
計測データ172は、イメージデータ、厚さ値、層間間隔値、均一性値、性能データ、基板の層がしきい値の値を満たすかどうか、基板の層における分散の指示、基板の特性データ、歩留、基板空間的膜特性、寸法(例えば、厚さ、高さ、その他)、誘電率、ドーパント濃度、密度、欠陥(例えば、基板および/または層がしきい値特性を満たすかどうか、なぜ基板および/または層がしきい値特性を満たさないか)、および/または類するものを含む。いくつかの実施形態において、計測データ172は、仕上げられた、または半仕上げの基板に対するものである。いくつかの実施形態において、計測データ172は、各基板および/または層に対して異なる。
【0031】
感度因子174は、基板の層の厚さにおける、ある数量の変化をもたらすための、製造パラメータ154の調整の指示数量を含む。
【0032】
入力データ176は、クライアントデバイス120から受信されるユーザ入力(例えば、レシピ150、許容テーブル、層の個別の厚さ、その他)を含む。いくつかの例において、入力データ176は、1つまたは複数の底部層に対する、より大である厚さ、および、1つまたは複数の上側層に対する、より少ない厚さを指示する。
【0033】
限定よりむしろ例解の目的のために、本開示の態様は、基板上に層を堆積させることをもたらすために、反復調整162および乗数164を決定することを説明する。いくつかの実装例において、ヒューリスティックモデルまたはルールベースモデルが、反復調整162および乗数164を決定する(例えば、オフセットテーブル160の生成をもたらす)ために使用される。可変ループ制御構成要素112は、レシピ150に対して、反復調整162および乗数164を決定する(例えば、オフセットテーブル160の生成をもたらす)ために、計測データ172をモニタする。いくつかの実施形態において、訓練される機械学習モデルが、反復調整162および乗数164を決定する(例えば、オフセットテーブル160を決定する)ために使用される。履歴的レシピおよび履歴的計測データが、データ入力として使用され、(例えば、均一の層の、特定の厚さの層の)履歴的な反復調整および履歴的な乗数(例えば、履歴的なオフセットテーブル)が、機械学習モデルを訓練するためのターゲット出力として使用される。レシピ150および計測データ172は、訓練される機械学習モデル内への入力として使用され、反復調整162および乗数164(例えば、オフセットテーブル160)は、訓練される機械学習モデルの出力から決定される。
【0034】
いくつかの実施形態において、クライアントデバイス120およびサーバ110の機能は、より少数の機械により提供される。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス120およびサーバ110は、単一機械へと集積される。
【0035】
いくつかの実施形態において、クライアントデバイス120により遂行されると説明される1つまたは複数の機能は、さらには、適切ならば、サーバ110上で遂行され得る。加えて、個別の構成要素に属すると考えられる機能性は、一体で動作する異なるまたは複数個の構成要素により遂行され得る。例えば、いくつかの実施形態において、サーバ110が、反復調整162および乗数164を決定し(例えば、オフセットテーブル160の生成をもたらし)、いくつかの実施形態において、クライアントデバイスが、反復調整162および乗数164を決定する(例えば、オフセットテーブル160の生成をもたらす)。
【0036】
加えて、個別の構成要素の機能は、一体で動作する異なるまたは複数個の構成要素により遂行され得る。いくつかの実施形態において、サーバ110は、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通して他のシステムまたはデバイスに提供されるサービスとしてアクセスされる。
【0037】
実施形態において、「ユーザ」は、単一個体として表される。しかしながら、本開示の他の実施形態は、複数のユーザおよび/または自動源により制御されるエンティティである「ユーザ」を包含する。例えば、アドミニストレータのグループとして連合させられる個々のユーザのセットは、「ユーザ」とみなされる。
【0038】
本開示の一部分は、いくつかの実施形態において、基板処理システムの基板チャンバにおいて基板処理によって基板上に特定の厚さの層を堆積させることに言及するが、本開示は、一般的には、他の繰り返しのプロセスに応用される。
【0039】
図1Bは、一定の実施形態による、反復調整および乗数(例えば、図1Aおよび1Cの、オフセットテーブル160、反復調整162、および/または乗数164)とともにとなる使用のためのレシピ150である。いくつかの実施形態において、レシピ150は、ある数の反復156(例えば、ループ)に対して繰り返されるプロセスのセット152を含む。いくつかの例において、プロセスのセット152は、プロセスA~Fを含むプロセスのセット152を含み、プロセスA~Cは、基板上に第1の型(例えば、窒化物)の層を堆積させるために使用され、プロセスD~Fは、基板上に第2の型(例えば、酸化物)の層を堆積させるために使用される。プロセスのセット152の各プロセスは、製造パラメータ154を含む。例えば、プロセスAは、製造パラメータ154A~Bを含む。
【0040】
反復156は、特定のプロセス、および、ある数の繰り返しを指示する。いくつかの例において、反復は、50のループカウント(例えば、反復の数、反復の数)に対する、プロセスAからプロセスFまでのループを指示する(例えば、プロセスA~Fの各々を遂行する、プロセスのセット152を遂行する)。
【0041】
図1Cは、一定の実施形態による、オフセットテーブル160である。オフセットテーブル160は、製造パラメータ154(例えば、プロセスのセット152に対応する、プロセスに対応する)、反復調整162、および乗数164を指示する。
【0042】
反復調整162は、反復156の各々に対する、製造パラメータ154(例えば、プロセスのセット152のプロセスに対応する)に対する加法演算(例えば、加算、減算)を指示する。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスAに対して、製造パラメータ154Aは、第1の反復において0だけ増大され、第2の反復において0だけ増大され、第3の反復において10だけ増大され、第4の反復において10だけ増大され、第5の反復において10だけ増大される。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスBに対して、製造パラメータ154Bは、第1の反復において0だけ増大され、第2の反復において5だけ増大され、第3の反復において10だけ増大され、第4の反復において15だけ増大され、第5の反復において20だけ増大される。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスCに対して、製造パラメータ154Cは、第1の反復において5だけ減少され(例えば、-5だけ増大され)、第2の反復において5だけ減少され、第3の反復において0だけ増大され、第4の反復において0だけ増大され、第5の反復において5だけ増大される。反復調整162は、基板の層が均一(例えば、同じ厚さ、同じ層間間隔、その他)であることをもたらすために使用される。
【0043】
乗数164は、反復156の各々に対する、製造パラメータ154(例えば、プロセスのセットのプロセスに対応する)に対する乗法演算を指示する。いくつかの実施形態において、乗数164は、反復調整162が製造パラメータ154に適用される後に、製造パラメータ154に適用される。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスAに対して、製造パラメータ154Aは、第1の反復において2を乗算され、第2の反復において1を乗算され、第3の反復において1を乗算され、第4の反復において0.4を乗算される。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスBに対して、製造パラメータ154Bは、反復156の各々において1を乗算される(例えば、製造パラメータ154Bは、第1、第2、第3、および第4の反復により生み出される層の厚さを変化させるように変動させられない)。いくつかの例において、プロセスのセット152のプロセスCに対して、製造パラメータ154Cは、第1の反復において1.5を乗算され、第2の反復において1を乗算され、第3の反復において1を乗算され、第4の反復において1を乗算される。乗数164は、基板の特定の層が特定の厚さを有することをもたらすために使用される。特定の厚さは、クライアントデバイス120によって受信される入力データ176の部分であることがある。
【0044】
図1Dは、一定の実施形態による、反復調整および乗数(例えば、図1Aおよび1Cの、オフセットテーブル160、反復調整162、および/または乗数164)とともにとなる使用のための許容テーブル170である。いくつかの実施形態において、許容テーブル170は、製造パラメータ154のデフォルト値(例えば、「デフォルト」)、最小値(例えば、「最小」)、および/または最大値(例えば、「最大」)のうちの1つまたは複数を指示している。いくつかの例において、製造パラメータ154Aは、10のデフォルト値と、0の最小値と、100の最大値とを有する。いくつかの例において、製造パラメータ154Bは、50のデフォルト値と、0の最小値と、100の最大値とを有する。いくつかの例において、製造パラメータ154Cは、20のデフォルト値と、0の最小値と、50の最大値とを有する。
【0045】
いくつかの実施形態において、可変ループ制御構成要素114は、和を生成するために、製造パラメータ154に反復調整162を加算し、積を生成するために、和に乗数164を乗算する。積は、許容テーブル170と比較される。積が、最小値より下でないこと、および、最大値より上でないことに応じて、積が使用される。積が最小値より下であることに応じて、最小値が使用される。積が最大値より上であることに応じて、最大値が使用される。いくつかの実施形態において、積が、最小値より下、または、最大値より上であることに応じて、補正アクションが遂行される(例えば、警告がクライアントデバイス120に送出される、レシピ150の実行が停止される、製造機器124が中断させられる、その他)。
【0046】
図2A~Cは、一定の実施形態による、基板を生み出すために反復調整および乗数(例えば、図1Aおよび/または1Cの、オフセットテーブル160、反復調整162、および/または乗数164)を使用することと関連付けられる方法200A~Cのフロー図である。方法200A~Cは、ハードウェア(例えば、回路網、専用化された論理、プログラム可能な論理、マイクロコード、処理デバイス、その他)、ソフトウェア(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、または、専用化された機械上でランさせられる命令など)、ファームウェア、マイクロコード、または、それらの組み合わせを含む処理ロジック部により遂行される。いくつかの実施形態において、方法200A~Cは、部分において、サーバ110(例えば、可変ループ制御構成要素112)により遂行される。いくつかの実施形態において、非一時的記憶媒体が、(例えば、サーバ110、その他の)処理デバイスにより実行されると、処理デバイスが方法200A~Cのうちの1つまたは複数を遂行することをもたらす命令を記憶する。
【0047】
解説の簡潔さのために、方法200A~Cは、一連の動作として描写および説明される。しかしながら、本開示にしたがう動作は、様々な順序において、および/または同時的に、ならびに、本明細書において提示および説明されない他の動作とともに生起し得る。さらにまた、いくつかの実施形態において、すべての例解される動作が、開示される主題にしたがう方法200A~Cを実現するために遂行されることになるとは限らない。加えて、当業者は、方法200A~Cが、代替的に、状態線図またはイベントによって、一連の相互関係のある状態として表され得ることを理解および認識することになる。
【0048】
図2Aを参照すると、方法200Aのブロック210において、処理ロジック部は、(例えば、基板処理システムの処理チャンバ内において)基板上に層を堆積させるために、プロセスのセットの反復(例えば、ループ)を含むレシピを特定する。各反復は、基板上に層のうちの少なくとも1つの層を堆積させるためのものである。プロセスのセットは、基板上に少なくとも1つの層を堆積させるための製造パラメータ(例えば、ガス流量、HFRF電力、LFRF電力、リフト間隔(距離)、チャンバ圧力、底部チューナパラメータ、内側ゾーンヒータ温度、その他)を含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、クライアントデバイスから入力データとしてレシピを受信する。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、データストアからレシピを受信する。
【0050】
いくつかの実施形態において、レシピは、ループカウントに対して、第1の動作から第2の動作までループするための反復(例えば、ループ情報)を有する。いくつかの実施形態において、レシピは、ループカウントに対して、個別の動作までループするための反復(例えば、ループ情報)を有する。
【0051】
ブロック212において、処理ロジック部は、基板の層の均一性(例えば、各層は、同じ厚さを有する、各層は、均一である、隣り合う層の各セットは、同じ平面間間隔を有する、その他)をもたらすために、反復調整を決定する。各反復調整は、プロセスのセットの、それぞれの反復に対応する。各反復調整は、1つまたは複数の加法演算(例えば、値を加算する、負の値を加算する、ゼロを加算する、その他)を遂行することにより、それぞれの反復の製造パラメータのうちの1つまたは複数を更新する。
【0052】
いくつかの実施形態において、ブロック212は、図2Bの方法200Bの1つまたは複数の動作を含む。
【0053】
ブロック214において、処理ロジック部は、基板の層の厚さの調整をもたらすために、乗数を決定する。各乗数は、対応する反復に対応する。各乗数は、1つまたは複数の対応する乗法演算(例えば、1を乗算する、1未満の正の数を乗算する、1より大である数を乗算する、その他)を遂行することにより、対応する反復の、少なくとも1つの製造パラメータを更新する。
【0054】
いくつかの実施形態において、ブロック214の乗数は、図2Cの方法200Cの1つまたは複数の動作により決定される感度因子に基づいて生成される。
【0055】
いくつかの実施形態において、基板の層の厚さの調整は、クライアントデバイスから、および/または、データストアから入力データとして受信される。いくつかの例において、入力データ(例えば、ユーザ入力)は、1つまたは複数の個別の下側層がより厚くあるべきであり、1つまたは複数の個別の上側層がより薄くあるべきであることを指示する。
【0056】
いくつかの実施形態において、乗数は、層の厚さの調整、および、感度因子に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、異なる製造パラメータが、入力データに基づいて調整される。いくつかの例において、電力が、スループットが優先事項であることを指示する入力データに応じて、時間の代わりに増大される。いくつかの例において、時間が、エネルギー低減が優先事項であることを指示する入力データに応じて、電力の代わりに増大される。
【0057】
いくつかの実施形態において、ブロック216において、処理ロジック部は、反復調整および乗数を含むオフセットテーブルの生成をもたらす。いくつかの実施形態において、オフセットテーブルは、計測のフィードバックに基づいて生成される。いくつかの実施形態において、ブロック216において、処理ロジック部は、オフセットテーブルを生成する。いくつかの例において、オフセットテーブルの生成することは、(例えば、ソフトウェアにより)自動的に遂行される。いくつかの実施形態において、ブロック216において、オフセットテーブルの生成をもたらすために、処理ロジック部は、1つまたは複数のユーザに(例えば、GUIを介して、データベースを介して、その他で)反復調整および乗数を提供し、オフセットテーブルの生成は、人手で遂行される。いくつかの実施形態において、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数は、可変ループ調整特徴と呼称される。いくつかの実施形態において、オフセットテーブルは、各反復に対するプロセスのセットの各製造パラメータに対する反復調整および乗数を含む。いくつかの実施形態において、オフセットテーブルは、反復のうちの少なくともいくらかに対するプロセスのセットの製造パラメータのサブセットに対する反復調整および乗数を含む。いくつかの実施形態において、オフセットテーブルは、反復のサブセットに対するプロセスのセットの製造パラメータのうちの少なくともいくつかに対する反復調整および乗数を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、製造パラメータは、反復調整および/または乗数(例えば、オフセットテーブル)を使用して、所与のレシピにおいてチャンバごとに調整および/またはチューニングされる。製造パラメータは、ガス流量(例えば、最高10のガス、チャンバへのフロー、迂回するフロー)、スロット独立HFRF電力、スロット独立LFRF電力、スロット独立リフト間隔(例えば、処理するための処置のリフト位置)、スロット独立チャンバ圧力、スロット独立チャンバ圧力、スロット独立底部チューナ第1圧力、スロット独立底部チューナ第2圧力、スロット独立底部チューナ予測第2圧力、スロット独立内側ゾーンヒータ温度、および/または類するもののうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、異なる製造パラメータに対するオフセット値が、同じオフセットテーブルにおいて記憶される。
【0059】
ブロック218において、処理ロジック部は、(例えば、データストアにおいて、データベースにおいて、オフセットテーブルにおいて、その他で)オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数のうちの1つまたは複数を記憶する。
【0060】
ブロック219において、処理ロジック部は、基板が、レシピ、ならびに、反復調整、乗数、および/またはオフセットテーブルのうちの1つまたは複数に基づいて生成されることをもたらす。いくつかの例において、処理ロジック部は、層が、レシピ、ならびに、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数のうちの1つまたは複数に基づいて、1つまたは複数の基板上に堆積されることをもたらす(例えば、記憶されるオフセットテーブル、記憶される反復調整、および/または、記憶される乗数が、層が1つまたは複数の基板上に堆積されることをもたらすために、検索および使用されることをもたらす)。いくつかの実施形態において、可変ループ調整特徴が可能にされることに応じて、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数は、ループにおいて製造パラメータを調整するために、レシピと連関して使用される。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、製造パラメータの値が、和(例えば、均一の層を生成することになる、更新された製造パラメータ)を生成するために、反復調整の値に加算されることをもたらし、和は、積(例えば、指定される厚さの層を生成するための、更新された製造パラメータ)を生成するために、乗数を乗算される。式は、後に続くようなものである:最終値=(原セットポイント+オフセット)*乗数。最終値は、更新された製造パラメータである。原セットポイントは、レシピにおいて指定される元の製造パラメータである。オフセットは反復調整である。
【0061】
いくつかの実施形態において、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数は、ランタイムの間にレシピ(例えば、ループさせられるレシピ)の製造パラメータ(例えば、ガス流、RF電力、リフト間隔、圧力、ヒータ温度、その他)をチューニングするために使用される。レシピが、基板上に層を堆積させるためにループにおいてランさせられる際、基板の厚さは増大し続け、製造パラメータの値のオフセットは、同一の堆積層、および/または、層の指定される厚さを結果的に生じさせる。
【0062】
いくつかの実施形態において、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数は、1つもしくは複数のガススティック(例えば、シャットオフバルブ、圧力制御レギュレータ、および/またはゲージを含むガス供給制御デバイス)、および/または、ガス流量、電力、間隔、圧力、温度、その他などの1つもしくは複数の製造パラメータを調節するために使用されるレシピテンプレートである。いくつかの実施形態において、レシピは、基板の処理を行うために使用される既存のレシピテンプレートである。1つの新しいパラメータがレシピに追加され、そのことは、所与のレシピ動作における、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数の使用することを可能にすることになる。両方のレシピが作られると(例えば、オフセットテーブル、および、オフセットテーブルを使用することを可能にするための新しいパラメータを伴うレシピ)、処理ロジック部は、各レシピ動作の実行のために、オフセットテーブルがレシピ動作と関連付けられるかどうかを決定する。オフセットテーブルがレシピ動作と関連付けられるならば、処理ロジック部は、オフセットテーブルを開き、値(例えば、反復調整、乗数)を読み出し、アレイおよびリストにおいて値を記憶する。処理ロジック部は、レシピ動作からデフォルトセットポイント(例えば、デフォルト製造パラメータ)を取り出し、アレイからのオフセット(例えば、反復調整)を加算し(例えば、および、結果的に生じる和に、対応する乗数を乗算し)、(例えば、ベクトル内へと戻るように)結果的に生じる値を記憶する。いくつかの実施形態において、ベクトルは、メモリ空間を節約するために使用され、なぜならば、異なるレシピが、異なる数のループを使用していたからである。いくつかの実施形態において、レシピファイルにおいて実際のセットポイントを記憶するよりむしろ、参照属性名が記憶され、参照属性名の値が、ランタイムの間にチェックされる。ランタイムにおいて、参照属性の値は、レシピ動作番号、ループ番号、ガススティック番号(例えば、ガス供給制御デバイス番号)、および/または類するものなどの情報を調べて、ベクトルから更新される。
【0063】
いくつかの実施形態において、基板は、レシピの反復(例えば、ループ)を分けることなく(例えば、ある数の反復を有するプロセスのセットとしてレシピを実行することにより、レシピを、分離したレシピへと分けることなく)、レシピ、ならびに、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数に基づいて生成される。
【0064】
いくつかの実施形態において、積は、許容テーブルにより指定される最小値および/または最大値と比較される。いくつかの例において、許容テーブルは、リフト間隔に対する算出されるセットポイントが、100ミルより大であるべきである、最大安全間隔未満であるべきである、および、RFがオンであることに応じて、RFに関する最小安全間隔より大であるべきであることを指示する。積が最大値より大であることに応じて、最大値が使用される。積が最小値未満であることに応じて、最小値が使用される。いくつかの実施形態において、積が、最大値より大、または、最小値未満であることに応じて、補正アクションが遂行される(例えば、警告がクライアントデバイスに送出される)。いくつかの実施形態において、積が、最大値より大でないこと、および、最小値未満でないことに応じて、積が使用される。いくつかの実施形態において、製造パラメータ(例えば、ガス流、HFRF電力、LFRF電力、その他)に対する算出されるセットポイントは、正であるべきである。
【0065】
いくつかの実施形態において、所与のチャンバに対して、2つ以上のオフセットテーブル、反復調整のセット、および/または、乗数のセット(例えば、レシピ動作ごとに1つ)が存し得るが、選択されるガスは、しきい値の値(例えば、6、10)より多くあり得ない。いくつかの実施形態において、同じオフセットテーブル、反復調整、および/または乗数において重複のガススティック(例えば、重複のガス供給制御デバイス)を選択することは可能とされない。いくつかの実施形態において、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数とともに、入れ子ループを使用することは可能とされない。いくつかの実施形態において、前/後と同じようなリフト位置、HRFR前/後モード、およびLFRF前/後モードは、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数を有するレシピ動作において使用され得ない。いくつかの実施形態において、後と同じモード(same-as-after mode)は、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数により調整されるレシピ動作に先立つレシピ動作において選択され得ない。いくつかの実施形態において、前と同じモード(same-as-before mode)は、オフセットテーブル、反復調整、および/または乗数により調整されるレシピ動作の後に続くレシピ動作において選択され得ない。いくつかの実施形態において、LFRFループ調整は、ループの最初のステップにおいて使用され得ない。
【0066】
図2Bを参照すると、方法200Bのブロック220において、処理ロジック部は、第1の基板上に第1の型の第1の層を堆積させる。いくつかの例において、処理ロジック部は、酸化物の5つの層が第1の基板上に堆積されることをもたらすために、(製造パラメータを含む)第1のプロセスを実行する。
【0067】
ブロック222において、処理ロジック部は、第1の層の第1の計測データ(例えば、層対層の変動)を決定する。いくつかの例において、処理ロジック部は、酸化物の5つの層の各層の厚さを決定する。
【0068】
ブロック224において、処理ロジック部は、第1の計測データに基づいて、第1の反復調整を生成する。いくつかの実施形態において、第1の反復調整は、酸化物の5つの層が第1の基板上に堆積されることをもたらすために使用される第1のプロセスの製造パラメータに対する更新である。
【0069】
いくつかの実施形態において、ブロック220~224は、異なる型の層に対して繰り返される。例えば、ブロック226~230は、第1の型とは異なる第2の型の層に対するものである。
【0070】
ブロック226において、処理ロジック部は、第2の基板上に第2の型の第2の層を堆積させる。いくつかの例において、処理ロジック部は、窒化物の5つの層が(酸化物の5つの層が堆積させられた第1の基板とは異なる)第2の基板上に堆積されることをもたらすために、(製造パラメータを含む)第2のプロセスを実行する。
【0071】
ブロック228において、処理ロジック部は、第2の層の第2の計測データを決定する。いくつかの例において、処理ロジック部は、窒化物の5つの層の各層の厚さを決定する。
【0072】
ブロック230において、処理ロジック部は、第2の計測データに基づいて、第2の反復調整を生成する。いくつかの実施形態において、第1の反復調整は、窒化物の5つの層が第2の基板上に堆積されることをもたらすために使用される第2のプロセスの製造パラメータに対する更新である。
【0073】
ブロック232において、処理ロジック部は、第3の基板上に、第1の型および第2の型の交互層を堆積させる(例えば、第2の型の層によって後に続かれる第1の型の層、その他)。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、交互の、酸化物の5つの層、および、窒化物の5つの層が、第3の基板上に堆積されることをもたらすために、(製造パラメータを含む)第1および第2のプロセスを実行する(例えば、基板上に堆積される酸化物の第1の層、酸化物の第1の層上に堆積される窒化物の第1の層、窒化物の第1の層上に堆積される酸化物の第2の層、その他)。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、第1の反復調整および第2の反復調整に基づいて、第1および第2のプロセスを実行する。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、(例えば、ブロック224および230からの)第1および第2の反復調整に基づいて、反復調整を決定し、および/または、オフセットテーブルの生成をもたらし、処理ロジック部は、オフセットテーブルおよび/または反復調整に基づいて、第1および第2のプロセスを実行する。
【0074】
ブロック234において、処理ロジック部は、交互層の第3の計測データを決定する。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、酸化物の5つの層、および、窒化物の5つの層の、各層の厚さを決定する。
【0075】
ブロック236において、処理ロジック部は、第3の計測データに基づいて、第3の反復調整を生成する。いくつかの実施形態において、ブロック224および230の第1および第2の反復調整は、1つまたは複数の製造パラメータを調整し、ブロック236の第3の反復調整は、時間の製造パラメータ(例えば、時間値)を調整する。
【0076】
いくつかの実施形態において、図2Aのブロック212の反復調整、および/または、図2Aのブロック216のオフセットテーブルは、ブロック224の第1の反復調整、ブロック230の第2の反復調整、および/または、ブロック236の第3の反復調整のうちの1つまたは複数に基づいて生成される。いくつかの実施形態において、ブロック224、230、および/または236により決定される反復調整は、図2Aのブロック212の反復調整、および/または、図2Aのブロック216のオフセットテーブルの生成をもたらすために、広げて外挿される(例えば、5つの層に対する反復調整、および/または、10の層に対する反復調整が、50の層に、広げて外挿される)。いくつかの実施形態において、方法200Bの1つまたは複数の反復調整に基づいて生成される反復調整および/またはオフセットテーブルは、方法200Bにおいて使用される型とは異なる型の層、基板、および/または処理チャンバに適用される。
【0077】
いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、更新された反復調整を生成するために(例えば、反復調整を検証および/または試験するために)、層の堆積させることの間に反復調整を適用することとともに、ブロック220~236のうちの1つまたは複数を繰り返す。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、更新された反復調整を生成するために、ブロック220~236において堆積される数量より大である数量の層を堆積させることの間に反復調整を適用することとともに、ブロック220~236のうちの1つまたは複数を繰り返す(例えば、外挿される反復調整が、5つの層の代わりに10の層を堆積させるために使用される)。
【0078】
いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、更新された乗数を生成するために(例えば、乗数を検証および/または試験するために)、層の堆積させることの間に反復調整および乗数を適用することとともに、ブロック220~236のうちの1つまたは複数を繰り返す。いくつかの実施形態において、処理ロジック部は、更新された反復調整および/または乗数を生成するために(例えば、異なる処理チャンバに対して反復調整および/または乗数を検証および/または試験するために)、反復調整および/または乗数を決定するために使用される処理チャンバとは異なる処理チャンバにおいて、層の堆積させることの間に反復調整および/または乗数を適用することとともに、ブロック220~236のうちの1つまたは複数を繰り返す。
【0079】
図2Cを参照すると、方法200Cのブロック240において、処理ロジック部は、製造パラメータを使用して、第1の基板上に第1の層を堆積させる。いくつかの例において、製造パラメータは、レシピのデフォルト製造パラメータである。
【0080】
ブロック242において、処理ロジック部は、第1の層の第1の計測データ(例えば、厚さ、平面間距離、均一性、その他)を決定する。
【0081】
ブロック244において、処理ロジック部は、更新された製造パラメータを使用して、第2の基板上に第2の層を堆積させる。いくつかの例において、更新された製造パラメータは、レシピのデフォルト製造パラメータと比較して調整される、電力(例えば、RF電力)、プラズマのインピーダンス(例えば、底部チューナ)、および/または時間のうちの1つまたは複数を含む。
【0082】
ブロック246において、処理ロジック部は、第2の層の第2の計測データ(例えば、厚さ、平面間距離、均一性、その他)を決定する。
【0083】
ブロック248において、処理ロジック部は、第1および第2の計測データに基づいて、製造パラメータと関連付けられる1つまたは複数の感度因子を決定する。感度因子は、製造パラメータを更新すること(例えば、製造パラメータの値に乗数を乗算すること)と、厚さにおける結果的に生じる変化(例えば、層の厚さの乗数)との間の関係性を指示する。いくつかの例において、感度因子は、1つの製造パラメータの乗数が、層の厚さの乗数と関連付けられることを指示する(例えば、プラズマのインピーダンスを2倍にすることは、層の3倍の厚さをもたらす)。いくつかの例における、一体で使用される異なる製造パラメータの異なる乗数が、層の厚さの乗数と関連付けられることを指示する感度因子(例えば、プラズマのインピーダンスを2倍にすること、および、半分の時間は、層の2倍の厚さをもたらす)。
【0084】
ブロック242~248のうちの1つまたは複数は、感度因子を決定するために、異なる製造パラメータとともに繰り返される。いくつかの実施形態において、1つの製造パラメータのみが、単一製造パラメータに対する更新の効果を決定するために、ある時間において変化させられる。いくつかの実施形態において、複数個の製造パラメータが、複数個の製造パラメータに対する更新の効果を決定するために、ある時間において変化させられる。いくつかの実施形態において、ブロック242~248は、異なる数の層、異なる型の層、層の交互積重体、異なる処理チャンバ、および/または類するものとともに繰り返される。
【0085】
いくつかの実施形態において、方法200Cの実験(例えば、感度実験)は、方法200Bの実験(例えば、均一性実験)とは異なる。
【0086】
いくつかの実施形態において、図1のブロック214の乗数は、ブロック248の感度因子に基づいて決定される。
【0087】
図3は、一定の実施形態による、コンピュータシステム300を例示するブロック図である。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、他のコンピュータシステムに(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットなどのネットワークを介して)接続される。コンピュータシステム300は、クライアント-サーバ環境におけるサーバもしくはクライアントコンピュータの立場において、または、ピアツーピアもしくは分散されたネットワーク環境におけるピアコンピュータとして動作する。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、セルラ電話、ウエブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、または、任意のデバイスであって、そのデバイスによりとられることになるアクションを指定する(連続した、または、他の形での)命令のセットを実行する能力をもつ、任意のデバイスにより提供される。さらに、用語「コンピュータ」は、本明細書において説明される方法のうちの任意の1つまたは複数を遂行するための命令のセット(または、複数個のセット)を、個々に、または一緒に実行するコンピュータの任意の集合体を含むものとする。
【0088】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、バス308を介して互いと通信する、処理デバイス302、揮発性メモリ304(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ306(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、または、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM))、および/またはデータストレージデバイス316を含む。
【0089】
いくつかの実施形態において、処理デバイス302は、汎用プロセッサ(例えば、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の型の命令セットを実現するマイクロプロセッサ、または、諸型の命令セットの組み合わせを実現するマイクロプロセッサなど)、または、特殊化されたプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはネットワークプロセッサなど)などの、1つまたは複数のプロセッサにより提供される。
【0090】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、(例えば、ネットワーク374に結合される)ネットワークインターフェースデバイス322をさらに含む。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム300は、さらには、ビデオディスプレイユニット310(例えば、LCD)、英数字入力デバイス312(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス314(例えば、マウス)、および/または信号生成デバイス320を含む。
【0091】
いくつかの実装例において、データストレージデバイス316は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体324を含み、その非一時的コンピュータ可読記憶媒体324上に、図1の構成要素(例えば、可変ループ制御構成要素112、その他)、および、本明細書において説明される方法を実現するための構成要素をエンコードする命令を含む、本明細書において説明される方法または機能のうちの任意の1つまたは複数をエンコードする命令326を記憶する。
【0092】
いくつかの実施形態において、命令326は、さらには、コンピュータシステム300によるそれらの命令326の実行の間、揮発性メモリ304の中に、および/または、処理デバイス302の中に、完全に、または部分的に所在し、ゆえに、揮発性メモリ304および処理デバイス302は、さらには、いくつかの実施形態において、機械可読記憶媒体を組成する。
【0093】
コンピュータ可読記憶媒体324は、単一媒体として例解的な例において示されるが、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、実行可能命令の、1つまたは複数のセットを記憶する、単一媒体または複数個の媒体(例えば、集中型の、もしくは分散されたデータベース、ならびに/または、関連付けられるキャッシュおよびサーバ)を含むものとする。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、さらには、コンピュータが、本明細書において説明される方法のうちの任意の1つまたは複数を遂行することをもたらす、コンピュータによる実行のための命令のセットを記憶またはエンコードする能力をもつ、任意の有形媒体を含むものとする。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体を含む、ただし、それらの固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体に限定されないものとする。
【0094】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明される方法、構成要素、および特徴は、ディスクリートハードウェア構成要素により実現され、または、ASICS、FPGA、DSP、もしくは同様のデバイスなどの、他のハードウェア構成要素の機能性において集積される。いくつかの実施形態において、方法、構成要素、および特徴は、ハードウェアデバイスの中のファームウェアモジュールまたは機能的回路網により実現される。さらに、方法、構成要素、および特徴は、ハードウェアデバイスおよびコンピュータプログラム構成要素の任意の組み合わせにおいて、または、コンピュータプログラムにおいて実現される。
【0095】
別段に具体的に説述されない限り、「特定する」、「決定する」、「生成する」、「もたらす」、「堆積させる」、または類するものなどの用語は、コンピュータシステムレジスタおよびメモリの中の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタ、または、他のそのような情報ストレージ、伝送もしくはディスプレイデバイスの中の物理的量として同様に表される他のデータへと操作および転換するコンピュータシステムにより遂行または実現される、アクションおよびプロセスを指す。さらには、本明細書において使用される際の用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、その他は、異なる要素の間で区別するためのラベルとしての意味をもたされ、それらの用語の数値的記号表示にしたがう序数の意味合いを有さない。
【0096】
本明細書において説明される例は、さらには、本明細書において説明される方法を遂行するための装置に関係する。いくつかの実施形態において、この装置は、本明細書において説明される方法を遂行するために特別に構築され、または、その装置は、コンピュータシステムにおいて記憶されるコンピュータプログラムにより選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムを含む。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読有形記憶媒体において記憶される。
【0097】
本明細書において説明される方法および例解的な例は、いかなる個別のコンピュータまたは他の装置にも本来的に関係付けられない。様々な汎用システムが、本明細書において説明される教示にしたがって使用され、あるいは、いくつかの実施形態において、本明細書において説明される方法、および/または、それらの方法の個々の機能、ルーチン、サブルーチン、もしくは動作の各々を遂行するために、より特殊化された装置を構築することが、好都合であると判明する。種々のこれらのシステムに対する構造の例が、上記の説明において論述されている。
【0098】
上記の説明は、制約的ではなく、例解的であることを意図される。本開示は、特定の例示的な例および実装例を参照して説明されたが、本開示は、説明された例および実装例に限定されないことが認識されることになる。本開示の範囲は、後に続く特許請求の範囲を、特許請求の範囲が権利を付与される均等物の最大限の範囲と併せて参照して決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3