(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ラピッドチャンバ減圧リークチェックハードウェア及び保守ルーチン
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240806BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240806BHJP
G01M 3/26 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L21/31 F
C23C16/44 B
G01M3/26 R
(21)【出願番号】P 2023502577
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 US2021052344
(87)【国際公開番号】W WO2022086679
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-23
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヒルケン, マーティン エー.
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァスタヴァ, スレンドラ シン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-064819(JP,A)
【文献】特開2006-121072(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110017955(CN,A)
【文献】特開2001-330534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/44
G01M 3/26
H01L 21/3065
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧リークを検出する方法であって、
プロセスチャンバを第1の圧力から第2の圧力にポンピングすることであって、前記第2の圧力は前記第1の圧力未満である、ポンピングすること、
スペクトルゲージを有効にすること、
前記プロセスチャンバを前記第2の圧力にポンピングした後で、チャンバ隔離弁を閉じること、
前記スペクトルゲージを使用して、導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及び
前記スペクトルデータからチャンバリーク率を計算することを含
み、
前記チャンバリーク率は、前記導管内のガス濃度の経時的な増加の強度を、所定の較正されたガス濃度の経時的な増加の強度と比較することによって計算される、方法。
【請求項2】
前記スペクトルデータを収集した後で、前記プロセスチャンバを前記第2の圧力から前記第2の圧力よりも高い第3の圧力にポンピングすること、及び
前記プロセスチャンバを前記第3の圧力にポンピングした後で、基板処理動作を実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャンバ隔離弁は、前記スペクトルゲージの下流の前記プロセスチャンバの排気導管内に位置付けられ、前記プロセスチャンバを隔離する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトルデータを収集することは、約15秒から約100秒間実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スペクトルデータは、前記導管内の酸素、窒素、又は酸素と窒素の両方の濃度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の圧力は、較正動作中に計算された所定の圧力である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の圧力は、フォアラインガスの流れが最も小さくなる圧力である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基板を処理する方法であって、
リーク検出試験を実行することであって、前記リーク検出試験は、
プロセスチャンバをリーク試験圧力にポンピングすること、
スペクトルゲージを有効にすること、
前記プロセスチャンバを前記リーク試験圧力にポンピングした後で、チャンバ隔離弁を閉じること、
前記スペクトルゲージを使用して、導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及び
前記スペクトルデータからチャンバリーク率を計算することを含む、リーク検出試験を実行すること、
前記スペクトルデータを収集した後で、前記プロセスチャンバを前記リーク試験圧力から前記リーク試験圧力よりも高い処理圧力にポンピングすること、
前記プロセスチャンバを前記処理圧力にポンピングした後で、幾つかの基板に対して基板処理動作を実行すること、並びに
前記リーク検出試験を実行することを繰り返すことを含
み、
前記スペクトルゲージは、約250nmから約1000nmの波長の放射を測定する、方法。
【請求項9】
前記幾つかの基板は、複数の基板を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記リーク検出試験は、300秒未満で実行される、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記リーク検出試験は、約250℃を超える温度で実行される、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記リーク試験圧力は、約20mTorrから約300mTorrである、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
基板を処理するためのプロセスチャンバであって、
処理空間を画定するチャンバ本体、
プロセスガス入口、
プロセスガス源、
前記プロセスガス源と前記プロセスガス入口との間に配置されたプロセスガス導管、
前記プロセスガス源と前記プロセスガス入口との間で前記プロセスガス導管に流体結合された基準リークデバイス、
プロセスガス出口であって、
前記処理空間と排気ポンプとの間に流体結合された第1の導管、
前記処理空間と前記排気ポンプとの間に配置されたチャンバ隔離弁、及び
前記処理空間と前記チャンバ隔離弁との間で前記第1の導管に流体結合されたスペクトルゲージを備える、プロセスガス出口、並びに
コントローラを備え、前記コントローラは、
前記プロセスチャンバをリーク試験圧力にポンピングすること、
前記スペクトルゲージを有効にすること、
前記プロセスチャンバを前記リーク試験圧力にポンピングした後で、前記チャンバ隔離弁を閉じること、
前記スペクトルゲージを使用して、前記第1の導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及び
前記スペクトルデータからチャンバリーク率を計算すること、を実行するように構成されている、プロセスチャンバ。
【請求項14】
前記第1の導管と前記スペクトルゲージとの間に流体結合された第2の導管、及び
前記第2の導管に沿って前記第1の導管と前記スペクトルゲージとの間に配置されたゲージ隔離弁を更に備える、請求項
13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項15】
基準リーク隔離弁が、前記基準リークデバイスと前記プロセスガス導管との間に配置されている、請求項
13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項16】
減圧ゲージが、前記チャンバ隔離弁と前記処理空間との間で前記第1の導管に流体結合されている、請求項
13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項17】
前記スペクトルゲージは、発光分光計である、請求項
13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項18】
減圧リークを検出する方法であって、
プロセスチャンバを第1の圧力から第2の圧力にポンピングすることであって、前記第2の圧力は前記第1の圧力未満である、ポンピングすること、
スペクトルゲージを有効にすること、
前記プロセスチャンバを前記第2の圧力にポンピングした後で、チャンバ隔離弁を閉じること、
前記スペクトルゲージを使用して、導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及び
前記スペクトルデータからチャンバリーク率を計算することを含み、
前記第2の圧力は、較正動作中に計算された所定の圧力である、方法。
【請求項19】
基板を処理するためのプロセスチャンバであって、
処理空間を画定するチャンバ本体、
プロセスガス入口、
プロセスガス出口であって、
前記処理空間と排気ポンプとの間に流体結合された第1の導管、
前記処理空間と前記排気ポンプとの間に配置されたチャンバ隔離弁、及び
前記処理空間と前記チャンバ隔離弁との間で前記第1の導管に流体結合され、発光分光計であるスペクトルゲージを備える、プロセスガス出口、並びに
コントローラを備え、前記コントローラは、
前記プロセスチャンバをリーク試験圧力にポンピングすること、
前記スペクトルゲージを有効にすること、
前記プロセスチャンバを前記リーク試験圧力にポンピングした後で、前記チャンバ隔離弁を閉じること、
前記スペクトルゲージを使用して、前記第1の導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及び
前記スペクトルデータからチャンバリーク率を計算すること、を実行するように構成されている、プロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の複数の実施形態は、広くは、半導体処理用の装置及び方法に関する。特に、開示される方法及び装置は、半導体処理チャンバ内のリーク検出に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 半導体基板は、集積デバイス及びマイクロデバイスの製造を含む、幅広い様々な用途向けに処理される。処理中、基板は、プロセスチャンバ内のサセプタ又は基板支持体上に配置されている。半導体は、極めて正確なプロセス条件及びガス流量を使用して処理される。特にエピタキシャル堆積プロセス及び急速熱処理では、その傾向が顕著である。動作中に外側の空気又はプロセスガスがプロセスチャンバの中にリークしないようにするために、プロセスチャンバを減圧密封することが重要である。プロセス間で減圧構成要素又は密封が壊れると、リークが検出される前に、大量の基板がチャンバを通過し、汚染される可能性がある。
【0003】
[0003] 従来のリーク試験では、構成要素の故障によってもたらされる任意のリークを検出するために、チャンバを冷却し、標準的な圧力上昇率の試験を実行することが必要である。このプロセスは、チャンバを冷却すること、チャンバ内の温度及び圧力を安定化させること、チャンバのポンピング及び隔離後に上昇率データを取得すること、チャンバを再加熱すること、及び半導体処理用にチャンバを再調整することを含み得る。このプロセスは、チャンバを冷却し、プロセスチャンバを処理温度まで再加熱するために、大量の時間を要する。再加熱した後で、基板が再び処理されることを可能にする前に、プロセスチャンバは、再調整及び調節される必要がある。冷却、再加熱、及び再調整は、長いダウンタイム及び生産の支障をもたらす。代替的な方法としては、チャンバ内のヘリウムの量を測定する、ヘリウムリーク測定ツールの使用がある。これらのシステムは、微小なリークを測定できる場合があるが、従来のプロセスは、システムのダウンタイムが長く、半導体処理用にチャンバが利用可能な時間量を低減させる。
【0004】
[0004] したがって、チャンバを処理温度に維持しながら、構成要素の摩耗又は故障に起因する小さな減圧又は密封リークを迅速に検出するための改善された方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示は、広くは、半導体処理チャンバ内で減圧リークを検出するための方法及び装置に関する。一実施形態では、減圧リークを検出する方法が、本明細書で説明される。該方法は、プロセスチャンバを第1の圧力から第2の圧力にポンピングすることを含む。その場合、第2の圧力は第1の圧力未満である。該方法は、スペクトルゲージを有効にすること、及び、チャンバを第2の圧力にポンピングした後で、チャンバ隔離弁を閉じることを更に含む。スペクトルゲージを使用して導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集する。スペクトルデータからチャンバリーク率が計算される。
【0006】
[0006] 別の一実施形態では、基板を処理する方法が、リーク検出試験を実行することを含む。リーク検出試験は、プロセスチャンバをリーク試験圧力にポンピングすること、スペクトルゲージを有効にすること、チャンバをリーク試験圧力にポンピングした後でチャンバ隔離弁を閉じること、スペクトルゲージを使用して導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及びスペクトルデータからチャンバリーク率を計算することを含む。リーク検出試験後、プロセスチャンバは、スペクトルデータを収集した後で、リーク試験圧力からリーク試験よりも高い処理圧力にポンピングされ、プロセスチャンバを処理圧力にポンピングした後で、幾つかの基板に対して基板処理動作が実行される。幾つかの基板に対して基板処理動作を実行した後で、リーク検出試験を実行することが繰り返される。
【0007】
[0007] 更に別の一実施形態では、基板を処理するためのプロセスチャンバが説明される。プロセスチャンバは、処理空間を画定するチャンバ本体、プロセスガス入口、及びプロセスガス出口を含む。プロセスガス出口は、処理空間と排気ポンプとの間に流体結合された第1の導管、処理空間と排気ポンプとの間に配置されたチャンバ隔離弁、及び、処理空間とチャンバ隔離弁との間で第1の導管に流体結合されたスペクトルゲージを含む。コントローラが、プロセスチャンバに結合される。コントローラは、プロセスチャンバをリーク試験圧力にポンピングすること、スペクトルゲージを有効にすること、チャンバをリーク試験圧力にポンピングした後でチャンバ隔離弁を閉じること、スペクトルゲージを使用して第1の導管からサンプル時間分のスペクトルデータを収集すること、及びスペクトルデータからチャンバリーク率を計算すること、を実行するように構成されている。
【0008】
[0008] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 一実施形態による基板処理システムの概略断面図である。
【
図2A】[0010] 一実施形態による処理チャンバの概略断面図である。
【
図2B】[0011] 別の一実施形態による処理チャンバの概略断面図である。
【
図3】[0012] 一実施形態による
図2A又は
図2Bの処理チャンバのうちの1の範囲内のリーク率を測定する方法である。
【
図4】[0013] 一実施形態によるリーク検出システムを較正する方法である。
【
図5】[0014] 数回の試行にわたる処理チャンバ内のサンプルの測定された純度を示すグラフである。
【
図6】[0015] 数回の試行にわたるプロセスチャンバ内の測定された初期及び最終圧力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016] 理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0011】
[0017] 本開示の複数の実施形態は、広くは、半導体処理用の装置及び方法に関する。特に、本開示は、熱処理チャンバ内の減圧リークの検出に関する。減圧リークを検出するための装置は、チャンバ隔離弁の上方の処理チャンバの減圧システムに取り付けられた発光分光計(optical emission spectrometer)を含む。発光分光計は、排気ライン内の種々のガスの濃度を測定し、リーク率を特定する。幾つかの実施形態では、発光分光計が、処理チャンバの中へのN2及び/又はO2のリークを測定する。
【0012】
[0018] 本明細書で説明される発光分光計及び方法を利用することによって、チャンバリークが、0.5mTorr/分未満のリーク率で検出され得る。チャンバリークは、処理チャンバと同じ温度で何時間おき(every so many hours)に3分未満で検出され得る。したがって、処理チャンバの温度を下げる必要がなく、人間の手を介さず又はプロセスチャンバの長いダウンタイムなしに、短時間で小さなリークが検出され得る。4時間ごとに試験リークを行う従来の方法では、ツールの稼働率が3%程度低下する。本開示の複数の実施形態は、ツールの稼働率の低下をわずか0.5%に抑える。
【0013】
[0019]
図1は、一実施形態による基板処理システム100の概略断面図である。システム100は、第1のチャンバ102、第2のチャンバ104、第3のチャンバ106、第4のチャンバ108、第5のチャンバ110、及び、中央移送ロボット116を含む移送スペース118を画定する中央移送チャンバ112を含む、クラスタツールである。システム100は、システム100に結合されたコントローラ120を更に含む。コントローラ120は、中央移送ロボット116の動作、ならびにチャンバ102~110及びローディングチャンバ114の動作を含む、半導体デバイスを製造するためのシステム100の動作用の複数の指示命令を実行するようにプログラムされている。
図2Aで示されているように、コントローラ120は、メモリ255及び大容量ストレージデバイスと共に動作するプログラマブル中央処理装置(CPU)、入力制御ユニット、並びにディスプレイユニット(図示せず)を含む。コントローラ120は、プロセスチャンバ内のセンサを介して基板処理をモニタするためのハードウェアを含み、前駆体、プロセスガス、及びパージガス流をモニタする。サポート回路258は、従来のやり方でプロセッサをサポートするためにCPU252に結合されている。チャンバ102~110は、各々、中央移送チャンバ112の周りに配置され、それと結合されている。中央移送ロボット116は、移送スペース118を介して、ローディングチャンバ114と1以上のチャンバ102~110との間で基板を移送するように構成される。
【0014】
[0020]
図1では示されていないが、システム100のチャンバ102、104、106、108、及び/又は110は、1以上の遠隔プラズマ源、並びに、前駆体ガス、キャリアガス、及び他のプロセスガス用の1以上のガス源を更に含み得る。システム100はまた、チャンバ102~110の一部又は全部の中の圧力、温度、ガス流、及びガス組成を制御するように構成されたセンサ及び制御部などの複数の構成要素も含み得る。したがって、システム100は、所望の構造及びデバイスを形成するように構成され得る。チャンバ102、104、106、108、及び/又は110の各々は、様々な異なる種類の半導体処理チャンバのうちの1つであってよい。例示的なチャンバとしては、エピタキシャル堆積チャンバ、急速熱処理(RTP)チャンバ、エッチングチャンバ、熱化学気相堆積(CVD)チャンバ、プラズマCVD(PECVD)チャンバ、又は洗浄チャンバが挙げられる。
【0015】
[0021]
図2Aは、一実施形態による堆積チャンバ200aの概略断面図である。堆積チャンバ200aは、
図1におけるチャンバ102~110のうちのいずれか1つであり得る。本明細書で説明される堆積チャンバ200aは、エピタキシャル堆積チャンバ又は熱堆積チャンバである。堆積チャンバ200aは、一般に、基板202などの基板上にエピタキシャル膜を成長させるために利用される。堆積チャンバ200aは、基板202の上面250を横切る前駆体のクロスフロー(cross-flow)を生成する。
【0016】
[0022] 堆積チャンバ200aは、上側本体256、上側本体256の下方に配置された下側本体248、及び上側本体256と下側本体248との間に配置されたフローモジュール212を含む。上側本体256、フローモジュール212、及び下側本体248は、チャンバ本体を形成する。チャンバ本体内に配置されるのは、サセプタ206、上側ドーム208、下側ドーム210、複数の上側ランプ241、及び複数の下側ランプ243である。コントローラ120は、チャンバ200aに結合され、本明細書で説明される全てのチャンバプロセスを制御するために使用されてよい。サセプタ206は、上側ドーム208と下側ドーム210との間に配置されている。複数の上側ランプ241は、上側ドーム208と蓋254との間に配置されている。蓋254は、堆積チャンバ200a内の温度を測定するためにその中に配置された複数のセンサ(図示せず)を含む。複数の下側ランプ243は、下側ドーム210と床201との間に配置されている。複数の下側ランプ243は、下側ランプアセンブリ245を形成する。
【0017】
[0023] 処理空間236が、上側ドーム208と下側ドーム210との間に形成されている。処理空間236は、その中に配置されたサセプタ206を有する。サセプタ206は、基板202が上に配置される上面を含む。サセプタ206は、シャフト218に取り付けられている。シャフトは、運動アセンブリ220に接続されている。運動アセンブリ220は、処理空間236の中でシャフト218及び/又はサセプタ206の動き及び/又は調整を提供する、1以上のアクチュエータ230及び/又は調整デバイスを含む。
【0018】
[0024] サセプタ206は、その中に配置されたリフトピン孔207を含んでよい。リフトピン孔207は、堆積プロセスが実行される前又は後のいずれかにおいて、基板202をサセプタ206から持ち上げるためのリフトピン232を受け入れるようにサイズ決定されている。リフトピン232は、サセプタ206が処理位置から移送位置へ下げられたときに、リフトピンストップ234上に載置されてよい。
【0019】
[0025] フローモジュール212は、複数のプロセスガス入口214、複数のパージガス入口264、及び1以上の排気ガス出口216を含む。複数のプロセスガス入口214及び複数のパージガス入口264は、1以上の排気ガス出口216からフローモジュール212の反対側に配置されている。ライナ263が、フローモジュール212の内面上に配置され、フローモジュール212を、堆積プロセス中に使用される反応性ガスから保護する。プロセスガス入口214及びパージガス入口264は、処理空間236内に配置された基板202の上面250と平行にガスを流すように配置される。
【0020】
[0026] プロセスガス入口214は、プロセスガス導管253を介してプロセスガス源251に流体接続されている。パージガス入口264は、パージガス導管260を介してパージガス源262に流体接続されている。1以上の排気ガス出口216は、排気ガス導管278を介して排気ポンプ257に流体接続されている。
【0021】
[0027] 基準リークデバイス295が、基準リーク導管256を介してプロセスガス導管253に流体結合されている。基準リーク隔離弁259が、基準リーク導管256に沿って基準リークデバイス295とプロセスガス導管253との間に配置されている。リーク検出の較正中に、基準リークデバイス295は、リークガスが処理空間236に入る前に、基準リーク導管256を通して、プロセスガス導管253の中に少量のリークガスを放出してよい。基準リークデバイス295によって放出されてよい小さなリークは、約0.005sccmから約3sccm、例えば約0.01sccmから約2sccm、例えば約0.02sccmから約1sccmであってよい。幾つかの実施形態では、リークガスの量が、約0.03sccm未満、例えば約0.025sccm未満である。幾つかの実施形態では、基準リークデバイス295が、小さなガスパネルである。基準リーク隔離弁259は、リークガスが基準リーク導管256を通って逃げることを可能にするために開いてよい。基準リーク隔離弁259は、さもなければ閉じられ、基準リークデバイス295を処理空間236から密封する。幾つかの実施形態では、プロセスガスがプロセスガス入口214を通って流れている最中に、基準リークデバイス295を保護するために、基準リーク隔離弁259が使用される。
【0022】
[0028] チャンバ隔離弁271が、排気ガス導管278に沿って排気ガス出口216と排気ポンプ257との間に配置されている。チャンバ隔離弁271は、開かれるか又は排気ガス出口216と排気ポンプ257との間の密封を形成するために閉じられ得る。それによって、チャンバ隔離弁271が閉じられたときに、処理空間236から排気ガス導管278を通って逃げるガスは存在しない。スペクトルゲージ292及び減圧ゲージ(vacuum gauge)293が、排気ガス出口216とチャンバ隔離弁271との間で排気ガス導管278に流体接続されている。
【0023】
[0029] スロットル弁272が、チャンバ隔離弁271と排気ガスポンプ257との間に更に配置されている。スロットル弁272は、基板処理中に排気ガス導管278を通るガスの流量を制御するように構成される。スロットル弁272及びチャンバ隔離弁271は、幾つかの実施形態では、同じであってよい。しかし、スロットル弁272又はチャンバ隔離弁271のうちの1つだけで、排気ガス導管278を通るプロセスガスの流れを制御することは、しばしば困難である。例えば、スロットル弁272は、処理空間236と排気ポンプ257との間の完全な密封を形成しなくてよい。隔離弁271は、一般に、処理空間236と排気ポンプ257との間の密封を形成できる一方で、隔離弁271は、基板処理中のプロセスガスの流れを正確に制御することにおいてより効率が低い場合がある。しかし、幾つかの実施形態では、リーク較正を実行し、基板処理中に排気ガス導管278を通るガスの流量を正確に制御しながら、適切な密封を形成することができる弁が使用されてよい。
【0024】
[0030] スペクトルゲージ292が、排気ガス導管278と流体的に又は光学的にのいずれかで結合される。スペクトルゲージ292は、分光計であり、排気ガス導管278内のガスの組成を測定するために使用される。スペクトルゲージ292は、第1のゲージ導管269によって排気ガス導管278に流体結合されてよい。第1のゲージ導管269は、それに配置された第1の弁267を有してよい。それによって、第1の弁267は、スペクトルゲージ292と排気ガス導管278に対する第1のゲージ導管269の接合部との間に流体的に配置される。第1の弁267は、処理空間236内での基板処理中に閉じられるように構成される。第1の弁267を閉じることによって、スペクトルゲージ292へのプロセスガスの流れが防止される。というのも、スペクトルゲージ292は、プロセスガスへの曝露に敏感な可能性があるためである。第1の弁267は、堆積チャンバ200a内での減圧リークチェック中に開かれる。排気ガス導管278からのガスが、スペクトルゲージ292の中に流れ、スペクトルゲージ292は、排気ガス導管278内の1種類以上のガスの濃度を特定する。
【0025】
[0031] 幾つかの実施形態では、スペクトルゲージ292が、遠隔プラズマ発光分光計などのような発光分光計である。スペクトルゲージ292は、250nmから約1000nm、例えば約300nmから約900nm、例えば、300nmから約880nmの範囲の発光を測定するために利用される。幾つかの実施形態では、ガスサンプルの発光の範囲が、現場(in-situ)プラズマキャビティ内で測定される。他の実施形態では、スペクトルゲージ292が、排気ガス導管278に光学的に結合されてよく、排気ガス導管278の側面を通して配置されたウインドウ(図示せず)を介して排気ガス導管278内のガスの濃度を測定する。ウインドウは、排気ガス導管278の一部分の内面の周りに配置された1以上のリフレクタを伴ってよい。
【0026】
[0032] 減圧ゲージ293が、排気ガス導管278に流体結合されている。減圧ゲージ293は、排気ガス導管278内の圧力を測定するように構成されている。減圧ゲージ293は、システム内で任意の大きなリークが存在するかどうかを判定する助けとなり、スペクトルゲージ292の較正中にも使用される。減圧ゲージ293は、圧力ゲージであってよく、0.01Torr未満、例えば5mTorr未満、例えば1mTorr未満の精度を有してよい。幾つかの実施形態では、減圧ゲージ293が、第2のゲージ導管299を介して排気ガス導管278に流体結合されている。第2のゲージ導管299は、一方の端部で排気ガス導管278に結合され、他方の端部で減圧ゲージ293に結合されている。第2の弁266が、第2のゲージ導管299に配置されている。第2の弁266は、第2のゲージ導管299に沿って排気ガス導管278と減圧ゲージ293との間に配置されている。第2の弁266は、次の点において第1の弁267と同様である。すなわち、本明細書で説明されるように、第2の弁266は、基板処理中に閉じられてよく、減圧リークチェック中に開かれてよい。第2の弁266は、閉じられたときに減圧ゲージ293を排気ガス導管278から隔離してよい。それによって、プロセスガスは、減圧ゲージ293に到達しない。
【0027】
[0033] 排気ポンプ257は、基板処理チャンバ内で使用される任意の適切なポンプであってよい。排気ポンプ257は、排気アセンブリ(図示せず)の部分であってよい。幾つかの実施形態では、排気ポンプ257が、複数のプロセスチャンバと共に利用され、プロセスチャンバ内の所望の圧力及び減圧に応じて強度を調整可能である。
【0028】
[0034]
図2Bは、別の一実施形態によるプロセスチャンバ200bの概略断面図である。堆積チャンバ200bは、
図1のチャンバ102~110のうちのいずれか1つであり得る。堆積チャンバ200bは、急速熱処理(RTP)チャンバである。例示的なRTPチャンバには、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能なRADIANCE(登録商標)又はRADIANCE Plusチャンバが含まれるが、他の製造者による複数のチャンバも考慮される。堆積チャンバ200bは、一般に、基板202などの半導体デバイスの形成用に基板上に膜を堆積させるために利用される。堆積チャンバ200bは、基板202の上面250の上に前駆体を堆積させる。
【0029】
[0035] 堆積チャンバ200bは、上側加熱アセンブリ275、本体274、ベース285、サセプタ281、第1のウインドウ284、複数の高温計289、複数の光パイプ286、プロセスガス源251、排気ポンプ257、及びパージガス源262を含む。
【0030】
[0036] 上側加熱アセンブリ275は、堆積チャンバ200bの本体274の上部上に配置される。本体274は、ベース285を取り囲む1つの構成要素又は複数の構成要素であってよく、上側加熱アセンブリ275を支持する。本体274は、プロセスガス入口215、パージガス入口217、及び排気出口279を含んでよい。複数の開孔278が貫通して形成されている第1のウインドウ284が、本体274の上側部分内に配置される。それによって、第1のウインドウ284は、本体274の一部分の上部上に載置されている。第1のウインドウ284は、上側加熱アセンブリ275によって放射されるエネルギー用の放射ウインドウとして更に働く。幾つかの実施形態では、第1のウインドウ284が石英ウインドウである。
【0031】
[0037] 上側加熱アセンブリ275は、第1のウインドウ284の上方に配置され、第2のウインドウ276によって第1のウインドウ284から分離されている。第2のウインドウ276及び第1のウインドウ284は、処理空間280の上方に分配プレナムを形成する。上側加熱アセンブリ275は、上側プレート276に結合され、処理空間280及び基板250の上面を急速加熱するための複数のランプ277を含む。ランプ277は、1以上の冷却チャネルによって取り囲まれている。上側加熱アセンブリ275内の複数のランプは、コントローラ120などのコントローラによって制御されてよい。上側加熱アセンブリ275からの放射は、第1のウインドウ284及び第2のウインドウ276を通って処理空間280に入る。代替的に(図示せず)、上側加熱アセンブリ275は、下側加熱アセンブリであり、例えば、基板202の下方に配置され、基板202の裏側に放射を導くことによって、基板202の裏側を加熱するように構成される。
【0032】
[0038] ベース285は、本体274内でサセプタ281の下方に配置されている。ベース285は、サセプタ281を支持するために使用されてよい。ベース285は、水冷ベースであってよく、放射を反射させるための上面上に取り付けられたリフレクタ283を有する。それによって、リフレクタ283は、上側加熱アセンブリ275からの放射をサセプタ281及び基板202の裏側に反射する。サセプタ281は、基板202を支持するように構成され、ベース285の上部上且つ第1のウインドウ284の下方に配置される。
【0033】
[0039] 基板202の局所的な領域における温度が、高温計289によって測定される。高温計289は、基板202によって放射されたエネルギーを測定することによって、基板202の温度を測定するように構成されている。基板202からの放射は、ベース285を貫通して配置された光パイプ286の中に放射される。光パイプ286は、基板202に沿った種々の半径方向位置から放射を受け取るように配置される。光パイプ286の各々の上側部分282は、基板202及びサセプタ281の下側に隣接して配置され、一方、光パイプ286の各々の下側部分287は、可撓性光ファイバ288に取り付けられる。可撓性光ファイバ288は、光パイプ286と高温計289との間に配置され、光パイプ286の下側端部を高温計289と光学的に結合する。それによって、光パイプ286及び可撓性光ファイバ288は、基板202及び/又はサセプタ281によって放射されたエネルギーを高温計289に移送する。各光パイプ286は、ベース285内に配置されている。それによって、各光パイプ286の上側部分282は、ベース285の上面と同一平面上にあるか又はそのわずかに下方にあり、例えば、リフレクタ283の上面のわずかに下方にあるか又はそれと同一平面上にある。幾つかの実施形態では、光パイプ286が、可撓性光ファイバ288の使用なしに、高温計289と直接的に接続される。
【0034】
[0040] 高温計289は、コントローラ120に接続されている。コントローラ120は、測定された基板温度に応じて、上側加熱アセンブリ275に供給される電力を制御する。200nm基板用などの幾つかの実施態様では、上側加熱アセンブリ275が、187個のランプ277などの複数のランプを使用して、タングステンハロゲンランプからの高度にコリメートされた放射を処理空間280に供給する。300nm基板用などの幾つかの実施態様では、上側加熱アセンブリ275が、409個のランプ277などの複数のランプを使用してよい。本明細書で開示されるランプの数及び構成は、例示的なものであり、ランプの他の数及び構成も使用されてよい。
【0035】
[0041]
図2Aの堆積チャンバ200aのプロセスガス入口214と同様に、プロセスガス入口215は、プロセスガス導管253を介してプロセスガス源251に流体接続されている。パージガス入口217は、パージガス導管260を介してパージガス源262に流体接続されている。排気ガス出口279は、排気ガス導管278を介して排気ポンプ257に流体接続されている。
【0036】
[0042]
図2Aに関連して説明されたように、基準リークデバイス295が、基準リーク導管256を介してプロセスガス導管253に流体結合され、基準リーク隔離弁259が、基準リーク導管256に沿って基準リークデバイス295とプロセスガス導管253との間に配置されている。
【0037】
[0043]
図2Aに関連して説明されたように、チャンバ隔離弁271が、排気ガス導管278に沿って排気ガス出口279と排気ポンプ257との間に配置されている。スペクトルゲージ292及び減圧ゲージ293が、排気ガス出口279とチャンバ隔離弁271との間で排気ガス導管278に流体接続されている。スロットル弁272が、チャンバ隔離弁271と排気ガスポンプ257との間に更に配置されている。
【0038】
[0044] 排気ポンプ257は、基板処理チャンバ内で使用される任意の適切なポンプであってよい。排気ポンプ257は、排気アセンブリ(図示せず)の部分であってよい。幾つかの実施形態では、排気ポンプ257が、複数のプロセスチャンバと共に利用され、プロセスチャンバ内の所望の圧力及び減圧に応じて強度を調整可能である。
【0039】
[0045] コントローラ120が、高温計289、上側加熱アセンブリ275、プロセスガス源251、基準リークデバイス295、排気ポンプ257、スペクトルゲージ292、減圧ゲージ293、及びバルブ259、267、268、271、272のうちのいずれか、のうちのいずれかを制御してよい。
【0040】
[0046]
図3は、一実施形態による
図2A又は
図2Bの処理チャンバのうちの1つの範囲内のリーク率を測定する方法300である。方法300は、本明細書で説明されるように、第1の動作302、第2の動作304、第3の動作306、第4の動作308、第5の動作310、第6の動作312、第7の動作314、第8の動作316、第9の動作318、及び第10の動作320を含む。
【0041】
[0047] 第1の動作302は較正動作である。第1の動作302は、設置又は保守が処理システム又はクラスタツールに対して実行された後で実行される。第1の動作302は、スペクトルゲージ292及び/又は減圧ゲージ293を較正するために使用される。第1の動作302は、
図4に関連して説明される動作の全て又は他の代替的な較正方法を含んでよい。幾つかの実施形態では、スペクトルゲージ292及び/又は減圧ゲージ293が、方法300全体を通して更なる又は代替的なポイントで較正される。第1の動作302は、本明細書で
図4に関連して更に詳細に説明される。
【0042】
[0048] 第2の動作304は、プロセスチャンバを第1の圧力から第2の圧力にポンプダウンすることを含み、第2の圧力は第1の圧力より低い。堆積動作の最後の部分の最中に又はチャンバが較正プロセス後に加圧された後で、第1の圧力は、堆積チャンバ200a、200bのうちの1つなどの処理チャンバの圧力であってよい。幾つかの動作では、チャンバを基板処理圧力に戻すことなしに、チャンバが較正された場合、第1の圧力と第2の圧力とは等しくてよい。第2の動作304中に、プロセスガス又はパージガス源からチャンバの中に流れるガスは存在しない。プロセスガス及び/又はパージガス源からチャンバの中へのガスの流れは、第2の動作304中又はその前に停止される。第2の圧力は、導管253、256、260、266、278、又は299の各々の範囲内のガスの最小量が、処理空間236及び280などの処理空間の中にリークするときの圧力である。第2の圧力はまた、試験圧力又はリーク試験圧力として言及されることもある。
【0043】
[0049] プロセスチャンバ内の圧力が低下すると、導管からのガスが、チャンバの中へ逆流し、チャンバ内にガス堆積物が生じる。それによって、プロセスチャンバの中へのリークの検出がより難しくなる。したがって、チャンバ内の圧力は、チャンバ内のガスを除去して減圧を有するのに十分低くなければならないが、任意の逆流効果を抑えるのに十分高い必要がある。第2の圧力は、ポンプダウン中に導管253、256、260、266、278、又は299のうちの1以上からの放出をモニタすることによって、第2の動作304中に特定されてよい。したがって、放出強度は、第2の圧力の許容可能な閾値未満である。代替的に、第2の圧力は、第1の動作302中に予め特定されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の圧力が、約20Torrから約200Torr、例えば約50Torrから約150Torr、例えば約60Torrから約100Torr、例えば約70Torrから約90Torr、例えば約80Torrなどである。幾つかの実施形態では、第2の圧力が、約500mTorr未満、例えば約20mTorrから約300mTorr、例えば約30mTorrから約250mTorr、例えば約50mTorrから約200mTorr、例えば約75mTorrから約150mTorr、例えば約80mTorrから約120mTorr、例えば約100mTorrなどである。
【0044】
[0050] この動作中に、処理チャンバは、基板処理温度に維持されてよい。処理チャンバを基板処理温度に維持することによって、リーク率を測定する方法300の最中の処理チャンバのダウンタイムが減り、したがって、チャンバの可用性が増加する。基板処理温度は、約100℃から約800℃、例えば約100℃から約750℃、例えば約200℃から約750℃であってよい。
図2Aの堆積チャンバ200aのようなエピタキシャル堆積チャンバが利用される複数の実施形態では、基板処理温度が、約250℃から約800℃、例えば約300℃から約750℃である。
図2Bの堆積チャンバ200bのようなRTPチャンバが利用される複数の実施形態では、基板処理温度が、約150℃から約450℃、例えば約200℃から約400℃である。ホットプレートヒータシステムでは、基板処理温度が、約100℃から約700℃、例えば約100℃から約650℃である。
【0045】
[0051] 第3の動作306は、スペクトルゲージ292のようなスペクトルゲージを有効にすることを含む。スペクトルゲージ292を有効にすることは、スペクトルゲージ292をオンにすること、又はスペクトルゲージ292を用いてサンプリングを開始することを含んでよい。幾つかの実施形態では、スペクトルゲージ292が、バックグラウンドで連続的に実行されているが、第3の動作306中に、スペクトルサンプリングデータが、収集及び/又は保存されるようになる。スペクトルサンプリングデータは、コントローラ120などのコントローラ内に記憶されてよい。スペクトルゲージが有効にされると、排気導管とスペクトルゲージとの間の第1バルブ267などのバルブが開かれて、排気導管からスペクトルゲージへガスが流れることを可能にする。
【0046】
[0052] 第4の動作308は、チャンバ隔離弁271のようなチャンバ隔離弁を閉じることを含む。チャンバ隔離弁を閉じて、処理空間236、280などの処理空間を密封する。チャンバ隔離弁が閉じられると、スペクトルゲージは、排気導管ひいては処理空間内の種々のガスの濃度を測定する。したがって、第3の動作306と第4の動作308は、重なるか又は同時に実行される。チャンバ隔離弁が密封を形成するように閉じている間に、濃度の測定が、安定化時間にわたり実行される。安定化時間は、約1秒から約20秒、例えば約1秒から約15秒、例えば約2秒から約10秒であってよい。安定化時間経過後、チャンバ隔離弁は閉じられているはずであり、処理空間は、排気ガスポンプから密封されているはずである。幾つかの実施形態では、スペクトルゲージと排気導管との間の弁が、隔離弁271が閉じられた後に開かれる。
【0047】
[0053] 第5の動作310は、排気導管278などの排気導管内からスペクトルゲージを使用してスペクトルデータをサンプリングすることを含む。スペクトルデータは、発光分光法(OES)を使用して取得される。第5の動作中にOESスペクトルデータが収集されて、排気導管内の1種以上のガスの濃度を特定する。スペクトルデータのサンプリングは、排気導管からのガスの複数のサンプルを取得することによって実行されてよい。これは、排気導管内に存在するガスのわずかな一定量を、スペクトルゲージの現場プラズマキャビティなどのスペクトルゲージ内のサンプル空間の中に流すことを含んでよい。次いで、サンプル空間内のガスは、光学的に分析されて、サンプル空間内の1種以上のガスの濃度を特定する。本明細書で説明される複数の動作では、N2、N、O、O2、H、又はArのうちの1種以上の濃度が測定される。第5の動作310、ならびに第2、第3、第4、及び第6の動作304、306、308、312は、第10の動作320中に基板が処理され得る温度と同様な温度で実行されてよい。幾つかの実施形態では、第5の動作310中の温度が、約250℃より高く、例えば約400℃より高く、例えば約500℃より高く、例えば約750℃より高い。
【0048】
[0054] 排気導管内のガスの複数のサンプルが収集される。幾つかの実施形態では、排気導管内のガスが、約20サンプル/分から約150サンプル/分、例えば約30サンプル/分から約120サンプル/分、例えば約45サンプル/分から約100サンプル/分、例えば約60サンプル/分などの速度で測定される。サンプルは、約15秒から約100秒、例えば約20秒から約90秒、例えば約30秒から約75秒、例えば約30秒から約50秒、例えば約32秒などの合計時間で収集されてよい。したがって、約5サンプルから約180サンプル、例えば約20サンプルから約180サンプル、例えば約30サンプルから約120サンプルが取得されてよい。
【0049】
[0055] サンプリングの量及び頻度を増やすと、処理チャンバ内のリークを明らかにするデータの分解能及び傾向分析が向上する。リーク検出中のプロセスチャンバのダウンタイムを短縮するために、サンプリングは、一般に、約2分未満だけ実行される。サンプルが、OESを使用して取得されると、利用されるプロセスガスに関わらず、排気導管内のガスの元素組成が特定され得、1種以上のガスの濃度が特定され得る。
【0050】
[0056] 第6の動作312は、第5の動作310の後で実行され、スペクトルデータの1以上のサンプル内でのガス濃度の増加の強度を計算することを含む。サンプル内のガス濃度の増加の強度は、空気のリークに関連付けられた1種以上のガスの濃度の増加率を測定することによって特定される。本明細書で説明される複数の実施形態では、測定されるガスが、N2、N、O、O2、及びArを含む。ガス濃度の増加の強度は、コントローラ120内で計算される。外側の環境、別のチャンバ、排気システムの構成要素、又はガスパネルの構成要素のうちの1つから、処理チャンバの中への雰囲気の許容可能なリーク率は、ユーザによって決定される。許容可能なリーク率は、1種以上のガスの濃度の許容可能な増加率を決める。幾つかの動作では、第6の動作312が、第5の動作310中のスペクトルデータの収集と同時に実行されてよい。更に他の複数の実施形態では、スペクトルデータの全てが、プロセスチャンバ内の純度の計算の前に収集される。
【0051】
[0057] 第7の動作314は、スペクトルゲージを無効にし、チャンバ隔離弁を開くことを含む。スペクトルデータのサンプルが、第5の動作310中に取得された後で、スペクトルゲージと排気導管との間の弁が閉じられ、スペクトルゲージが非アクティブ化されてよい。同時に又はその直後に、チャンバ隔離弁が、プロセスチャンバの密封を解除するために再び開かれてよい。スペクトルゲージと排気導管との間の弁は、基板処理中にスペクトルゲージをプロセスガスから保護するために閉じられてよい。第7の動作314は、任意選択的に、第6の動作312の前、それと連続して、又は後に実行されてよい。それによって、プロセスチャンバのガス濃度の増加の強度は、スペクトルゲージが無効にされ且つチャンバ隔離弁が開かれている間、又はスペクトルゲージが無効にされ且つチャンバ隔離弁が開かれた後で、計算される。
【0052】
[0058] 第8の動作316は、サンプルのガス濃度の増加の強度を、第1の動作302中に測定されたガス濃度の増加の較正強度と比較して、リーク率を特定し、処理チャンバがリークテストに合格したか又は失格したかを判定する。ガス濃度の増加の較正強度は、プロセスチャンバがリーク試験に失格し得る増加率の値であってよい。したがって、強度値が較正強度を上回ると、プロセスチャンバは、所定の最大リーク値を超えるリークを有し得る。較正純度を特定するための方法が、
図4を参照しながらより詳細に説明される。幾つかの実施形態では、第8の動作316が、スペクトルゲージが非アクティブ化され、チャンバ隔離弁が開かれる前に実行される。第8の動作は、代わりに、第6の動作312に続いて実行されてもよい。
【0053】
[0059] 幾つかの実施形態では、第8の動作316中に、プロセスチャンバが所定の限界値を超えるリークを有すると判定された場合、更なるプロセス動作が実行されてよい。更なる動作中に、基準リークデバイス295などの基準リークデバイスが、基準リークデバイスとプロセスガス導管253などのプロセスガス導管との間の弁を開くことによってアクティブ化され、基準リークデバイスは、予め設定された量のリークガスを放出する。幾つかの実施形態では、リークガスの予め設定された量が、約0.005sccmから約3sccm、例えば約0.01sccmから約2sccm、例えば約0.02sccmから約1sccmなどである。幾つかの実施形態では、リークガスの予め設定された量が、約0.03sccm未満、例えば約0.025sccm未満である。次いで、スペクトルゲージは、第5の動作510に関連して説明されたのと同様なやり方で、排気導管内のガスの濃度を測定してよい。予め知られているガスの予測可能な量が、プロセスチャンバの中に放出されているので、コントローラは、最初のリーク判定からの純度計算が正確であるかどうか、又はシステムが再較正されるべきであるか及び/若しくはリーク試験が更に実行されるべきであるかどうかを判定してよい。この更なる動作は、第7の動作314の前に第8の動作316が実行される複数の実施形態において実行されてよい。更なる動作は、第7の動作314の前に実行される。したがって、スペクトルゲージは、依然としてアクティブであり、チャンバ隔離弁は、依然として閉じられている。これにより、基準リークデバイスが、基準リークをアクティブに提供している間、純度試験とリーク試験間と間の測定の一貫性が確保される。
【0054】
[0060] 第9の動作318は、プロセスチャンバを処理圧力にポンピングすることを含む。処理圧力は、第3の圧力が第2の圧力よりも大きくなるような第3の圧力であってよい。幾つかの実施形態では、第3の圧力が、第1の圧力と同じである。他の実施形態では、第1の圧力と第3の圧力が異なる。本明細書で開示される幾つかの実施形態では、第3の圧力が、約20Torrから約200Torr、例えば約50Torrから約150Torr、例えば約60Torrから約100Torr、例えば約70Torrから約90Torr、例えば約80Torrなどである。処理チャンバ内の圧力を増加させることが、プロセスガス入口又はパージガス入口のいずれかから1種以上のガスを流すことによって実行されてよい。
【0055】
[0061] 第10の動作320は、堆積チャンバ200a、200bのうちの1つなどの、処理チャンバ内で1以上の基板を処理することを含む。1以上の基板の処理は、基板に対して堆積動作などの半導体形成動作を実行することを含む。第10の動作320中に1以上の基板が処理された後で、第2から第10の動作302~320が繰り返され又はループされてよい。このループは、所定時間にわたり、又は設定された数の基板が処理チャンバ内で処理された後で繰り返されてよい。第2から第10の動作302~320の繰り返されたループの後で、予防保守がもう一度実行されてよく、方法300の全体が再び開始されてよい。
【0056】
[0062] 幾つかの動作では、リーク検出動作が、n枚の基板毎にその前/後で実行される。したがって、リーク検出動作は、n枚の基板が処理チャンバ内で処理された前/後に実行される。リーク試験が、所定数の基板が処理される間に実行される複数の実施形態では、リーク試験が、約2から約2000枚の基板、例えば約25から約1000枚の基板、例えば約100から約750枚の基板が処理チャンバ内で処理された後に実行される。他の複数の実施形態では、リーク検出動作が、約1時間から約24時間、例えば約2時間から約12時間、例えば約3時間から約5時間などの所定の動作時間後に実行される。幾つかの実施形態では、リーク検出動作が、システム動作の24時間毎に少なくとも1回実行される。更に他の実施形態では、システムの保守が行われた後、及び/又は処理チャンバが長時間アイドル状態のままであった後に、リーク検出動作が実行される。
【0057】
[0063]
図4は、一実施形態による保守後のリーク検出システムを較正する詳細な較正動作302である。動作302は、第1の動作402中にプロセスチャンバに対して予防保守を実行すること、第2の動作404中にプロセスチャンバを第1の圧力にポンピングすること、第3の動作406中に、スペクトルデータをサンプリングし、処理チャンバ内の圧力を経時的に測定すること、第4の動作408中に較正表に入力すること、及び、第5の動作410中にプロセスチャンバについて合格/失格純度値を計算することを含む。
【0058】
[0064] 処理チャンバに対して予防保守を実行する第1の動作402は、任意選択的に、較正動作302の開始時に完了する。予防保守は、処理チャンバの定期的な洗浄、処理チャンバ内の部品の整備、処理チャンバ内の構成要素の交換、又は処理チャンバの据え付けを含んでよい。予防保守は、処理チャンバの寿命の全体を通して実行されてよい。
【0059】
[0065] 処理チャンバに対して予防保守を実行した後で、処理チャンバは、一般に、処理チャンバを暖機するために幾つかの初期動作手順を実行する。これには、処理チャンバを処理圧力にポンピングし、1以上の試験基板を処理チャンバに通すこと(実行すること)が含まれる。
【0060】
[0066] 処理チャンバを第1の圧力にポンピングする第2の動作404は、プロセスチャンバ内の圧力を、保守又は処理後の圧力から上述された第2の圧力と同様な圧力に減圧することを含む。幾つかの実施形態では、圧力が、約20mTorrから約300mTorr、例えば約30mTorrから約250mTorr、例えば約50mTorrから約200mTorr、例えば約75mTorrから約150mTorr、例えば約80mTorrから約120mTorr、例えば約100mTorrなどに減圧される。プロセスチャンバの較正圧力へのポンピングは、複数の段階で実行されてよい。したがって、プロセスチャンバは、ポンピングが停止される前の設定された時間にわたりポンピングされ、チャンバは、以下で説明される第3の動作406を実行するために隔離される。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバの較正圧力へのポンピングが、60秒未満、例えば30秒未満で実行される。幾つかの実施形態では、処理チャンバの較正圧力へのポンピングが、約0.1秒から約60秒、例えば約3秒から60秒、例えば約5秒から約15秒で実行される。
【0061】
[0067] 第2の動作404と同時に、処理チャンバからスペクトルデータをサンプリングし、圧力変化を経時的に測定する第3の動作406が実行されてよい。スペクトルデータのサンプリングは、上述されたように、スペクトルゲージ292などのスペクトルゲージによって行われる。スペクトルデータのサンプリングは、
図3の方法300の第5の動作310中にスペクトルデータが測定されるやり方と同様に実行され得る。第3の動作406中に、チャンバ隔離弁271を使用して、プロセスチャンバのポンピングは一時的に停止され、チャンバは隔離される。それによって、チャンバ内のガスの上昇率が、ポンピングが停止された圧力について特定されてよい。
【0062】
[0068] 経時的な圧力及び変化は、減圧ゲージ293などの圧力ゲージを使用して測定される。経時的な圧力変化は、プロセスチャンバが較正圧力にポンピングされるときに、周期的な圧力測定値を取得することによって計算されてよい。圧力変化の測定値に曲線を当てはめ、経時的な圧力変化を求めることができる。
【0063】
[0069] 第3の動作406中にスペクトルデータ及び圧力データが取得された後で、スペクトルデータは、処理チャンバ内の1種以上のガスの濃度の変化率を計算することによって、強度値に変換されてよい。
【0064】
[0070] 第4の動作408中に、計算された強度値及び圧力値は、較正表を作成するために互いに対してプロットされる。較正表は、約0.2mTorr/分から約100mTorr/分、例えば約0.3mTorr/分から約75mTorr/分、例えば約0.4mTorr/分から約50mTorr/分、例えば約0.5mTorr/分から約40mTorr/分の除去率について特定されてよい。強度値は、処理チャンバ内の1種以上のガスの濃度の変化率によって特定される任意の値であってよい。一般に、強度値がより高いことは、処理チャンバ内の1種以上のガスの濃度の変化率がより大きいことと同等である。較正表はまた、
図3の方法300の第2の動作304に関連して説明された第2の圧力などの、
図3のリークテスト動作中に使用するための最適な圧力を特定するためにも利用されてよい。
【0065】
[0071] 第2の動作404、第3の動作406、及び第4の動作408は、完全な較正表に入力するためにループされてよい。上述されたように、第2の動作404は、プロセスチャンバが隔離され、スペクトルデータを取得するために、プロセスチャンバ内のガスのサンプリングが実行される前に、プロセスチャンバを設定された圧力にポンピングするために実行される。スペクトルデータには、設定された圧力におけるプロセスチャンバのリーク率を特定するための、チャンバ内のガスの標準的上昇率動作が伴う。この動作のループが、処理チャンバ内の種々の圧力にわたる完全な較正表に入力する。
【0066】
[0072] 第5の動作410中に、合格/失格純度値が特定される。合格/失格純度値は、第4の動作408中に形成された較正表及び最大許容リーク値を使用して特定される。最大許容リーク値は、ユーザ入力であってよく、幾つかの実施形態では、約0.1mTorr/分から約1mTorr/分、例えば約0.3mTorr/分から約0.7mTorr/分、例えば約0.5mTorr/分などである。較正表に入力されると、リーク試験の合格又は失格についての許容可能な純度値が、外挿により、又は許容可能な純度値を以前に測定したリーク率に合わせることによって特定される。合格/失格純度の制限は、チャンバに対して予防保守が実行されるたびに再計算されてよい。
【0067】
[0073] 幾つかの実施形態では、合格/失格の閾値を特定するために、較正リークが利用される。この実施形態では、プロセスチャンバが、第2の動作404及び第3の動作406中にリークタイトである(リークがない)ことが示された後で、スペクトルゲージを使用する強度試験が、較正されたリークが開いた状態で繰り返される。較正リークは、ユーザ合格/失格基準であり得る速度でガスを放出するために開かれる。したがって、較正リークの使用中に計算されるガス濃度の増加の強度が、合格/失格の閾値になる。
【0068】
[0074]
図5は、数回の試行にわたる処理チャンバ内のサンプルの測定された純度を示しているグラフ500である。測定された純度は、上述されたものと同様な方法を使用して利用される。グラフでは、Y軸に任意の汚染率(すなわち、1種以上のガスの濃度の経時的な増加)をとって純度値を表している。グラフの左側502は、リークがない状態で実行された試行を示している。リークなしO
2汚染率測定値506とリークなしN
2汚染率測定値508が示されている。グラフの右側504は、基準リークデバイス295によって放出されたものなどのリークが存在する場合に実行された試行を示している。基準リークは、約0.3mTorr/分のリークであってよい。リーク有りO
2汚染率測定値512とリーク有りN
2汚染率測定値510が示されている。グラフ500で示されているように、リーク有りN
2試行値510は、リークなしN
2試行値508と比較したときに、プロセスチャンバの中へのN
2の汚染率が著しく高いと見ることができる。リーク有りO
2試行値512は、リークなしO
2試行値506と比較したときに、プロセスチャンバの中へのO
2の汚染率が明らかに高いと見ることができる。
【0069】
[0075]
図6は、数回の試行にわたる処理チャンバ内のサンプルの測定された圧力示しているグラフ600である。グラフ600は、純度試験の開始時と終了時に、処理チャンバ内にリークがある場合とない場合の圧力測定値を比較したものである。左側602では、リークなしの初期圧力606が、減圧ゲージ293などの圧力ゲージを使用して特定され、リークなしの最終圧力608と比較されている。図示されているように、リークが存在しないときでさえ、プロセスチャンバ内の圧力の小さな変化が存在する。右側604では、リークありの初期圧力610が、圧力ゲージを使用して特定され、リークありの最終圧力612と比較されている。プロセスチャンバ内の圧力の小さな変化が存在するが、圧力の変化は、リークなしの場合でも図示されている圧力変化と略同等である。したがって、処理チャンバ内の圧力差は、プロセスチャンバ内の小さなリーク、例えば約1mTorr未満のリーク、例えば約0.5mTorr未満のリークなどを検出する能力に限界がある。
図5で示されているように、分光測定法を使用し、特定のガスの濃度の増加率を検出して、純度値を計算することによって、リークがより容易に検出される。
【0070】
[0076] 本明細書で説明されるように、プロセスチャンバ内のリークの存在又は重大性を特定することは、圧力データに依存する場合にしばしば困難である。したがって、本明細書で説明されるものなどの方法は、プロセスチャンバ内のリーク又はリーク率を検出することにおいて改善されたアプローチを提供してよい。低圧でのプロセスチャンバの分光測定は、正確で精密なリーク率の値を提供することができる。チャンバのリーク率をモニタすることは、チャンバ構成要素が故障したかどうかを判定することにおいて助けとなり得、チャンバによって汚染される基板の数を低減させ得る。最大リーク率が、ユーザによって入力され得る。それによって、システムは、それ以降自動化され、リーク率が入力された最大リーク率を超えた場合、ユーザに警告し得る。
【0071】
[0077] 本明細書で説明される方法は、任意の数のプロセスチャンバ内で有用であってよいが、エピタキシャル堆積チャンバ及びRTPチャンバの複数の実施例が、本明細書で提供された。本明細書で説明される方法は、特に、エピタキシャル堆積チャンバ及びRTPチャンバにとって適切である。というのも、これらのチャンバ内で典型的に実行される堆積ステップは、外側の雰囲気のリークからの汚染に極めて敏感だからである。
【0072】
[0078] 以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。