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特許7535247粉体量検知装置、粉体補給装置及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】粉体量検知装置、粉体補給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240808BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G03G15/08 322B
G03G15/08 343
G03G21/00 510
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020178226
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2022069188
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】久保 達哉
(72)【発明者】
【氏名】松本 純一
(72)【発明者】
【氏名】田巻 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】岡本 啓明
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020888(JP,A)
【文献】特開2020-024384(JP,A)
【文献】特開2016-145962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の測定電極を有し、
一対の測定電極間の静電容量に基づいて粉体容器内の粉体量を検知する粉体量検知装置において、
粉体容器は円筒型で水平方向に設置されており、
前記測定電極は、前記粉体容器の長手方向から見たとき、前記粉体容器の左右に配置され、
左右の前記測定電極は、下端部に行くほど両者の距離が接近するように形成されていることを特徴とする粉体量検知装置。
【請求項2】
前記測定電極の下端高さ位置は、前記粉体容器内におけるトナー下端の高さ位置とすることを特徴とする請求項1に記載の粉体量検知装置。
【請求項3】
前記測定電極の上端高さ位置は、満タンの粉体容器内におけるトナーの上端の高さ位置以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体量検知装置。
【請求項4】
水平方向からの投影面積で左右に配置された前記測定電極の面積が同一の大きさであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の粉体量検知装置。
【請求項5】
前記測定電極の上端高さ位置を、前記粉体容器の長手方向で変化させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の粉体量検知装置。
【請求項6】
前記測定電極の外側に電気的に接地された接地電極が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の粉体量検知装置。
【請求項7】
静電容量と前記粉体容器内の粉体量との関係を示す検量線を記憶する記憶手段を備え、
前記検量線と、測定した一対の電極間の静電容量とに基づいて、粉体容器内の粉体量を検知するものであり、
電極間の粉体量が互いに異なる二以上の状態の静電容量を測定して前記検量線を求める検量線算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の粉体量検知装置。
【請求項8】
静電容量と前記粉体容器内の粉体量との関係を示す検量線を記憶する記憶手段と、
温度と湿度とを検知する温湿度検知手段とを備え、
前記検量線と、計測した一対の電極間の静電容量と、前記温湿度検知手段の検知結果とに基づいて、粉体容器内の粉体量を検知することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一に記載の粉体量検知装置。
【請求項9】
円筒型の粉体容器と、
粉体容器内の粉体量を検知する粉体量検知手段を備え、
前記粉体容器内の粉体を補給する粉体補給装置において、
前記粉体量検知手段として、請求項1乃至8の何れか一に記載の粉体量検知装置を用いたことを特徴とする粉体補給装置。
【請求項10】
前記粉体容器を回転駆動させる回転駆動装置を備えることを特徴とする請求項9に記載の粉体補給装置。
【請求項11】
複数の粉体容器が、並べて配置されており、
前記粉体量検知手段が、前記粉体容器に応じて設けられており、
前記粉体容器の間に電気的に接地された接地電極が配置されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の粉体補給装置。
【請求項12】
像担持体と、
現像剤を用いて像担持体上の潜像を現像する現像手段と、
前記現像手段で使用される現像剤を収容する粉体容器内の現像剤を前記現像手段に補給する現像剤補給手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像剤補給手段として、請求項9乃至11の何れか一に記載の粉体補給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体量検知装置、粉体補給装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の電極を有し、一対の電極間の静電容量に基づいて粉体容器内の粉体量を検知する粉体量検知装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記粉体量検知装置として、箱型の粉体容器の内壁面に一対の平板電極を平行に設けたものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の粉体量検知装置では、正確な粉体量の検知を行なえないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、一一対の測定電極を有し、一対の測定電極間の静電容量に基づいて粉体容器内の粉体量を検知する粉体量検知装置において、粉体容器は円筒型で水平方向に設置されており、前記測定電極は、前記粉体容器の長手方向から見たとき、前記粉体容器の左右に配置され、左右の前記測定電極は、下端部に行くほど両者の距離が接近するように形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、正確な粉体量検知を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタの概略構成を示す模式図。
図2】四つの作像部のうちの一つの概略構成を示す模式図。
図3】四つのトナー補給装置のうちの一つを示す模式図。
図4図3のA-A断面図。
図5】トナー容器収容部にトナー容器が設置された状態を示す概略斜視図。
図6】一対の電極を円弧状にした場合の不具合に説明する概略断面図。
図7】容器やトナーの静電容量に与える比率の例の説明図。
図8】検量線の一例を示すグラフ。
図9】測定電極の外側にグランド電極を設けた例を示す概略断面図。
図10】隣り合うトナー容器の間をグランド電極で仕切った例を示す概略断面図。
図11】左右の測定電極の形状の変形例の説明図。
図12】左右に設ける測定電極の形状の他の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ100の概略構成を示す模式図である。
プリンタ100のトナー容器収容部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した四つの粉体収納容器としてのトナー容器32(Y,M,C,K)が着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色に対応した作像部6(Y,M,C,K)が並設されている。また、トナー容器32(Y,M,C,K)の下方には、それぞれ、粉体補給装置あるいは現像剤補給手段としてのトナー補給装置60(Y,M,C,K)が配設されている。そして、トナー容器32(Y,M,C,K)に収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置60(Y,M,C,K)によって、作像部6(Y,M,C,K)の現像手段としての現像装置(粉体使用部)内に供給(補給)される。
【0009】
各色に対応した四つのトナー容器32(Y,M,C,K)、作像部(Y,M,C,K)及びトナー補給装置60(Y,M,C,K)は、使用するトナーの色が異なる点以外は同様の構成となっている。このため、以下の説明及び図面では、使用するトナーの色を示す「Y」、「M」、「C」、「K」という添字は適宜省略して説明する。
【0010】
図2は、四つの作像部6のうちの一つの概略構成を示す模式図である。
作像部6は、像担持体としての感光体1と、感光体1の周囲に配設された帯電部4、現像装置5(現像部)、クリーニング部2、除電部等で構成されている。そして、感光体1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体1上に各色の画像が形成されることになる。
【0011】
感光体1は、駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動する。そして、帯電部4の位置で、感光体1の表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体1の表面は、露光装置7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程)。その後、感光体1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体1の表面は、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラ9と対向する一次転写部で、感光体1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(一次転写工程)。各色の感光体1上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写することで、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0012】
一次転写部を通過した感光体1の表面上には、僅かながら未転写トナーが残存する。その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、感光体1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体1の表面は、除電部との対向位置に達して感光体1上の残留電位が除去される。
【0013】
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、四つの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)、二次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成される。中間転写ベルト8は、複数の張架ローラによって張架、支持されるとともに、ローラ部材のうちの二次転写バックアップローラ12の回転駆動によって、図1中の反時計周り方向に無端移動する。四つの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体1(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。
【0014】
そして、一次転写ローラ9(Y,M,C,K)に、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、それぞれの一次転写ローラ9(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体1(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて一次転写される。
【0015】
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、二次転写ローラ19と対向する二次転写部に達する。二次転写部では、二次転写バックアップローラ12と二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成する。中間転写ベルト8上に形成された四色のトナー像は、この二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部の位置に達し、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
【0016】
二次転写ニップの位置に搬送される記録媒体Pは、装置本体の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップで一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0017】
二次転写ニップでカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、プリンタ100における一連の画像形成プロセスが完了する。
【0018】
次に、作像部における現像装置の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5は、図2に示すように、ドラム状の感光体1に対向する現像ローラ51、現像ローラ51に対向するドクターブレード52、第一現像剤収容部53及び第二現像剤収容部54内に配設された二つの搬送スクリュー55を備える。さらに、第一現像剤収容部53の現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサ56を備える。現像ローラ51は、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部(53,54)内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54は、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64に連通している。
【0019】
現像ローラ51のスリーブは、図2の矢印方向(反時計周り方向)に回転駆動する。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51上を移動する。現像装置5内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー容器32に収容されているトナーが、トナー補給装置60を介して第二現像剤収容部54内に補給される。トナー補給装置の構成、動作については、後で詳しく説明する。
【0020】
第二現像剤収容部54内に補給されたトナーは、二つの搬送スクリュー55によって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、二つの現像剤収容部(53,54)を循環する。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52の位置に達する。
【0021】
そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体1との対向位置(現像領域)まで搬送され、現像領域に形成された電界によって感光体1上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない第一現像剤収容部53の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱される。
【0022】
次に、トナー補給装置60及びトナー容器32について詳述する。
図3は、四つのトナー補給装置60のうちの一つを示す模式図である。また、図4は、図3のA-A断面図である。また、図5は、トナー容器収容部70にトナー容器32(Y,M,C,K)が設置された状態を示す概略斜視図である。
【0023】
プリンタ100のトナー容器収容部70に設置されたトナー容器32内のトナーは、各色の現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60によって適宜に各色の現像装置5内に補給される。
【0024】
プリンタ100本体のトナー容器収容部70に対して、トナー容器32を図5中の矢印「Q」の方向へ移動することで、トナー容器収容部70にトナー容器32を装着する。
【0025】
トナー容器32は、図4に示す2つのガイド部72に支持されている。トナー容器32は、略円筒状のトナーボトルであって、主として、トナー容器収容部70に非回転で保持されるキャップ34と、ギヤ33cが一体的に形成された容器本体33と、で構成される。容器本体33は、キャップ34に対して相対的に回転可能に保持され、ギヤ33cがトナー補給装置60の駆動出力ギヤ81とかみ合う構成である。駆動モータ91が駆動出力ギヤ81を回転させることにより、容器本体33のギヤ33cに駆動を伝達し、容器本体33がガイド部72に外周面がガイドされながら容器本体33が回転駆動する。駆動モータ91、駆動出力ギヤ81、ギヤ33cなどが回転駆動装置を構成している。
【0026】
容器本体33が回転することで、容器本体33の内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起331によって、容器本体33の内部に収容されたトナーが容器本体33の長手方向に沿って図3中の左側から右側へ搬送される。搬送されたトナーは、トナー容器32から排出され、トナー補給装置60のホッパ部61内にトナーが供給される。すなわち、駆動モータ91によってトナー容器32の容器本体33が適宜に回転駆動されることで、ホッパ部61にトナーが適宜に供給される。各色のトナー容器32(Y,M,C,K)は、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。
【0027】
図3に示すように、トナー補給装置60は、トナー容器収容部70、ホッパ部61、トナー搬送スクリュー62、駆動モータ91等で構成されている。ホッパ部61には、トナー容器32から供給されたトナーが貯留されており、トナー搬送スクリュー62が配設されている。
【0028】
トナー濃度検知センサ56(図2参照)の検知結果に基づいて現像装置5内のトナー濃度が低下したことを制御部が検知すると、トナー搬送スクリュー62を回転させて、所定時間回転させて現像装置5Yへのトナー補給を行う。トナー搬送スクリュー62を回転することによってトナーの補給を行っているため、トナー搬送スクリュー62の回転数を検出することで、現像装置へのトナー供給量を精度良く算出することもできる。
【0029】
ホッパ部61の壁面には、ホッパ部61に貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサが設置されている。トナーエンドセンサとしては、圧電センサ等を用いることができる。トナーエンドセンサによってホッパ部61に貯留されたトナーが所定量以下になったことが検知(トナーエンド検知)されると、駆動モータ91が駆動する。そして、トナー容器32の容器本体33を所定時間回転駆動してホッパ部61へのトナー補給を行う。
【0030】
本実施形態では、ホッパ部61を設けて、トナー容器32から排出されたトナーを一時貯留しているが、トナー容器32から排出されたトナーを、ダイレクトに現像装置5へ供給してもよい。
【0031】
従来から、トナー容器32のトナー残量を予測しユーザーに通知等を行っているものが知られている。トナー容器32のトナー残量を予測する方法としては、トナー搬送スクリュー62の累積駆動時間から予測する方法がある。トナー搬送スクリュー62のトナー搬送量はほぼ回転角度(回転時間)に比例するため、トナー搬送スクリュー62の総回転時間を記録していけばトナーの使用量がわかり、トナー容器32の初期充填量から減算すれば、トナー残量が分かる。しかしながら、トナー搬送スクリュー62の搬送量は、環境、駆動時間、補給頻度(補給間隔)等によってばらつくため、トナー残量予測もばらつきが大きい。
【0032】
また、別のトナー容器32のトナー残量を予測する方法としては、出力画像パターンによる予測する方法がある。プリント出力される画像に対して使用するトナー量は(画像面積当たりの感光体に付着するトナーほぼ一定)は算出可能であるため、累積の画像面積が分かれば使用トナー量がわかる。この方法においても、感光体に付着するトナーが種々の誤差によってばらつくため正確なトナー残量の把握は難しい。
【0033】
特許文献1では、箱型のトナー容器の左右内壁面に電極を配置してトナー量の静電容量値を計測して、トナー容器の残量を測定しているが、以下の課題及び懸念がある。すなわち、トナー容器32の内壁面に電極を設けているため、電極にトナーが固着(振動などの軽微な力では、剥がれないで残る)するおそれがある。環境条件などにより電極に多くのトナーが固着すると、例えば、トナー容器32のトナーが無くなっているにも係わらず、まだトナーがあるといった誤検知が生じるおそれがある。
【0034】
また、特許文献2には、粉体ではなく液体であるインクを収容する円筒型のインク容器を長手方向の一端面に形成された吐出口が鉛直下方を向くように配置し、2枚の電極の間のインク量変化による静電容量の変化を検出するものが記載されている。この2枚の電極はインク容器の側面に沿った曲面形状に形成されている。しかし、この構造を粉体残量検出にそのまま転用すると、トナーが粉体であり、自重によってトナーが吐出口近傍に締まってしまいトナーが排出できない恐れがある。
【0035】
そこで、本実施形態では、図3図4に示すように、静電容量を測定する測定電極65、66を、水平方向に設置された円筒型のトナー容器32の外側の左右に配置して測定電極65、66間の静電容量を測定するようにした。測定電極65、66はトナー容器32には付いておらず、画像形成装置本体側に付いている。図示の例では、トナー容器32を支持するガイド部72に保持されている。トナー容器32の外側に配置するためトナーが測定電極65、66に付着するのを防ぐことができる。なお、図4において、トナー容器32内のトナーはトナー容器32が反時計回りに回転駆動されて紙面下側からトナー容器外に排出される。
【0036】
左右の測定電極65,66はトナー容器32の外形状に沿った円弧形状となっている。測定電極65,66の下端高さ位置は、図4(b)に示すトナーTの下端高さ位置と同等となっている。一方、測定電極65,66の上端高さ位置は、トナーTの上端高さ位置以下となっている。測定電極65,66は、任意の導電性部材でよく例えば鉄製の板材を用いることができる。水平方向からの投影光L1による鉛直面Sへの投影面積で左右に配置された測定電極65、66の面積は同一の大きさであるがこれに限られない。
【0037】
図6はトナー容器32の上下に円弧形状の測定電極65,66を配置した比較例の説明図である。上下ともトナー容器に沿わした測定電極65、66では両端部Aの電気力線が図6(b)に示すように中央部Bより密となっている。電極端部間の距離が、電極中央部間の距離よりも短いことによる。このため、トナー容器が回転して容器内のトナーTが図6(a)に示すように例えば右側に偏在したときは、偏在していないときに比べて静電容量値が大きくなり、偏在していないときは静電容量値が小さくなり、測定のばらつきが大きくなってしまう。
【0038】
これに対し、図4に示す左右の測定電極65,66の配置ではトナー容器32の水平中央部は測定電極間距離が広いので電気力線が疎となり、トナー容器の下端にいくほど測定電極間距離が狭まるので電気力線が密となる。トナー容器内のトナーの偏在は上側が生じやすいため、左右に測定電極を配置した場合は電気力線が疎の箇所でトナーが偏在するので静電容量の変動が小さくなり、測定精度が向上する。
【0039】
測定電極65,66の下端をトナー下端位置とすることで、電気力線が密な箇所でトナーを測定できるため測定感度が高くなり、トナー容器内のトナー量が少ない状態でも精度良く測定できる。一方、測定電極65,66の上端はトナー高さより低くすることで電極間の余分(空気)な測定を除くことができる。測定電極65,66間の測定対象となるトナーが無い空間が減少し、測定電極65,66への電圧変動による検知ばらつきを低減できる。
【0040】
また、測定電極間で測定している対象は、図7に示すように、トナーと容器と空気となる。静電容量を測定するために測定電極に電圧を印加するが、その電圧が変動すると静電容量も変動してしまい、静電容量から算出するトナー量もばらつきが大きくなる。このトナー量のばらつきは、測定対象(トナー)以外の静電容量を下げることや、測定対象(トナー)の感度を高めることで減少させることができる。そのため、左右の測定電極をトナー容器に沿わした形状にすることで、平板形状よりも空気の測定エリアを小さくすることができ、なおかつ測定対象(トナー)の感度を高めることができるため、測定精度を向上することができる。
【0041】
例えば、上下平板の場合、算出トナー量が次のようにばらつく。
静電容量 空気(容器、トナーなし):3000カウント(割合79%)
空気&容器:3100カウント
空気&容器&トナー:3800カウント(割合100%)
静電容量のトナー感度:2.0カウント/gとなる。
電圧変動±0.5%するとした場合、±7.8gから9.5gトナー量がばらつく
【0042】
一方、左右円弧の場合、算出トナー量が次のようにばらつく。
静電容量 空気(容器、トナーなし):8000カウント(割合69%)
空気&容器:8450カウント、
空気&容器&トナー:11600カウント(割合100%)
静電容量のトナー感度:9.0カウント/gとなる。
電圧変動±0.5%するとした場合、±4.7gから6.4gトナー量がばらつく
【0043】
左右円弧にすることで、上下の電極間が狭まり、静電容量の測定感度が高まることでトナー感度が高くなる。また、空気だけの静電容量値は高くなるが、容器やトナーを含んだ静電容量に対しての割合は減少する。これらにより、±2.1gのトナー量ばらつきを低減できる。
【0044】
トナー容器内のトナー量が多いときは大きな差ではないが、トナー量が少ないときは大きな差となる。トナー量検知で最も精度よく検知したいのはトナー量が少ないときであるため、有効な手段である。
【0045】
図3において、各測定電極65、66は、静電容量検出回路111に接続されている。静電容量検出回路111から一対の測定電極65,66に電力が印加されることで、測定電極間の静電容量が検出される。
【0046】
静電容量の検出方法は一般的な方法でよく、本実施形態では充電法(定電圧または定電流を電極間に印加し、充電到達ポイントの時間と電圧または電流の関係から静電容量を測定する)により検出した。
【0047】
静電容量検出回路111で検出した検出結果は、トナー残量算出回路112に送られ、検出された静電容量に基づいてトナー容器内のトナー残量が算出される。検出される静電容量は測定電極間の誘電率により変化する。トナーは、空気よりも誘電率が高い。従って、測定電極間の電界の範囲のトナー量によって誘電率が変化する。よって、外側から1対の測定電極65、66により挟まれたトナー容器32のトナー量によって静電容量が変化する。これにより、静電容量を検出することで、トナー容器32のトナー量を算出することができる。
【0048】
本実施形態では、トナー残量算出回路112は、記憶手段としての記憶部113に記憶されている予め求めた静電容量とトナー量との関係を示す検量線と、静電容量検出回路111で検出した静電容量とに基づいてトナー容器内のトナー残量を算出する。また、トナー容器周辺の温度と湿度とを検知する温湿度検知手段としての温湿度センサ114を備え、この温湿度センサ114の検知結果に基づいて算出したトナー残量を補正する。そして、トナー残量算出回路112で求められたトナー残量を表示部115に表示する。
【0049】
このように、本実施形態では、測定電極65、66、静電容量検出回路111、トナー残量算出回路、記憶部113、温湿度センサ114、表示部115などにより粉体量検知手段である粉体量検知装置が構成される。
【0050】
本実施形態では、測定電極65、66を、トナー容器32の外側に設けることで、測定電極にトナーが固着するのを抑制することができ、正確なトナー残量を検出することができる。さらに、トナー容器32の部品点数を削減することができ、トナー容器32のコストダウンを図ることができる。さらに、トナー容器32の熱膨張の影響を受けることがなく、高温環境下でも正確なトナー残量を検出することができる。
【0051】
また、1対の測定電極65、66でトナー容器32を挟む構成とすることで、トナー容器の形状誤差や、トナー容器の回転偏心の影響で静電容量が変化することがなく、正確なトナー残量を検出することができる。
【0052】
また、本実施形態では、一対の測定電極65、66でトナー容器32のほぼ全体をカバーしている。具体的には、鉛直方向の投影光による水平面への測定電極65、66の投影面領域がトナー容器32の投影面領域を含んでいる。これにより、トナー容器内のトナーほぼ全部が1対の電極間の電気力線(電界)に含まれるため、トナー容器内でトナーの偏在があっても、正確にトナー容器内のトナー残量を把握することができ、ユーザーに正確なトナー容器の残量を、報知することができる。
【0053】
図8は、トナー容器内のトナー量と静電容量との関係を示す一例である。
図8に示すように、トナー容器内のトナー量と静電容量との関係はほぼ線形の関係となる。これにより、静電容量に基づいてトナー容器の残量を正確に計算することができる。
【0054】
また、組み付け誤差などにより、測定電極間の距離が装置毎に異なるおそれがある。よって、本実施形態においては、図8に示すような検量線を求める検量線算出モードを有しており、工場出荷前にこの検量線算出モードを実行して検量線を求め、記憶部113に記憶する。この検量線算出モードは、画像形成装置の操作表示部で、特定の操作を行なうことで実行することができる。
【0055】
検量線算出モードを実行すると、制御部は、まず、操作表示部に空のトナー容器32をトナー容器収容部70にセットする旨を表示する。作業者は、空のトナー容器32をトナー容器収容部70にセットしたら、操作表示部を操作(例えば、「スタート」ボタンを押す)して、静電容量の測定を実行させる。制御部は、空のトナー容器32の静電容量を計測したら、操作表示部に満タンのトナー容器32をトナー容器収容部70にセットする旨を表示する。
【0056】
作業者は、満タンのトナー容器32をトナー容器収容部70にセットしたら、操作表示部を操作して静電容量の測定を実行させる。制御部は、満タンのトナー容器32の静電容量を計測したら、空のトナー容器32の静電容量と満タンのトナー容器32の静電容量とから検量線を求め、記憶部113に記憶する。この検量線算出モードは、Y,M,C,Kについて行なう。
【0057】
なお、空のトナー容器を少量のトナーが入っているトナー容器にしてもよく、またさらに、トナー容器32が無いときの静電容量と、満タンのトナー容器の静電容量とから検量線を求めてもよい。トナー容器と同等の静電容量となる例えばABS樹脂材の量を調整したもので検量線を作製してもよい。以上の検量線算出モードを実行する制御部などで検量線算出手段が構成されている。
【0058】
また、本実施形態では、トナー容器周辺の温度と湿度とを温湿度センサ(それぞれ個別のセンサでもよい)で検知し、温湿度センサの検知結果に基づいてトナー量を補正している。これは、測定電極65,66が固定されている部材(上壁面67を構成する部材や下壁面68を構成部材)の熱伸縮により測定電極間の距離が変動し、また測定電極間の水分量が変動することで静電容量が変化するからである。
【0059】
前記した検量線測定時の温度湿度を記憶しておき、実使用のトナー容器測定時と検量線測定時の温度湿度との差から、予め決めておいた温度湿度補正係数を加えて、トナー残量を補正する。環境温度によるトナー残量の算出誤差を抑制でき正確なトナー残量を求めることができる。
【0060】
例えば、高温高湿時の補正係数αと低温低湿時の補正係数βを記憶部113記憶しておき、温湿度センサで検出した温度と湿度とが、規定の第1閾値以上のときは、算出したトナー残量に高温高湿時の補正係数αを乗算してトナー残量を補正する。また、温湿度センサで検出した温度と湿度とが、上記第1閾値よりも低い第2閾値以下のときは、算出したトナー残量に低温低湿時の補正係数βを乗算してトナー残量を補正する。これにより、環境温度によるトナー残量の算出誤差を抑制でき正確なトナー残量を求めることができる。
【0061】
なお、上述では、算出したトナー残量を温度と湿度とに応じて補正しているが、検出した静電容量を温度と湿度とに応じて補正してもよい。
【0062】
図9は、測定電極65,66の外側に接地電極としてのグランド電極120を設けた例を示す概略断面図である。このグランド電極120は左右の測定電極65,66の更に外側の左右に配置され、アースに落とされ(接地され)ている。このグランド電極120をある程度の強度を有する部材で構成する場合には、図9に示すように、一対の測定電極65,66を、絶縁性部材69を介してグランド電極120に取り付けることもできる。
【0063】
図1に示すようにトナー容器32の下方には、感光体や帯電装置、中間転写体などが配置されており、これらの影響で静電容量が変動するおそれがある。下壁面68を構成する部材をアースに落としてグランド電極とすることで、感光体や帯電装置、中間転写体などからの電気的ノイズをカットすることができる。
【0064】
また、トナー容器32の上方には、印刷された記録紙や操作パネルなどが配置されており、また、人の手も置かれる場合があり、これらの影響で静電容量が変動するおそれがある。上壁面67を構成する部材をアースに落としてグランド電極とすることで、これらの電気的なノイズをカットすることができる。
【0065】
これにより、電気的なノイズにより、静電容量が変化するのを抑制することができ、正確にトナー量を検出することができる。
なお、良好に電気的なノイズをカットするには、アースに落としたグランド電極を測定電極65,66よりも大きくし、グランド電極側から見たとき、測定電極が覆い隠れるようにするのが好ましい。
【0066】
図10は、上壁面67を構成する部材をアースに落としてグランド電極にするとともに、隣り合うトナー容器32の間をグランド電極120で仕切った例を示す概略断面図である。
上記グランド電極120がない場合、測定電極間の電気力線の一部(隣接するトナー容器側の電気力線)が、隣接するトナー容器内のトナーの影響で変化する(隣接するトナー容器内のトナーに電流が流れる)おそれがある。その結果、静電容量が、隣接するトナー容器内のトナー量により変化するおそれがあり、正確なトナー量の検出が行えないおそれがあった。
【0067】
しかし、図10に示すように、隣り合うトナー容器32の間をグランド電極120で仕切ることで、測定電極65,66極間の電気力線をグランド電極120でカットすることができる(測定電極間の電気力線の一部は、グランド電極120へ向かうが、グランド電極120を越えて、隣接するトナー容器には行かない)。これにより、検出する静電容量が、隣接するトナー容器のトナー量の影響を受けるのを抑制することができ、正確なトナー量の検出を行なうことができる。
【0068】
また、図10おける左右、図10の紙面と直交する方向にもグランド電極を設け、4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kをグランド電極で取り囲むようにしてもよい。これにより、人が横切ることにより電気的ノイズや、画像形成装置の横や前後に配置された装置による電気的ノイズもグランド電極でカットすることができ、より精度の高いトナー量の検出を行なうことができる。
【0069】
なお、図10の例では、下壁面68を構成する部材についてはアースに落してグランド電極とせず、絶縁性部材69も設けていないが、上壁面67側と同様にグランド電極を構成してもよい。逆に、下壁面68のみグランド電極とし、上壁面67側は、グランド電極構成にしなくてもよい。
【0070】
図11は左右に設ける測定電極65,66の形状の変形例を示すものである。
水平方向に設置されている円筒型のトナー容器32内のトナーはトナー容器32が回転して図中右から左に搬送されるとする。このとき、図中左側には排出口32aが設けられており、そこからトナーが排出されてホッパ部61(図3参照)に供給される。このため、トナー容器32内のトナーTは排出口32aがある図中左側ほど多くなる。測定電極65,66の上の高位置もトナー容器長手方向で高さを変更し、排出口32aがある図中左側が高く、右側を低くする。これにより、前記した空気の測定エリアを減少することができる。これにより、より測定精度を向上することができる。
【0071】
以上の本実施形態では、水平方向に設置される円筒型トナー容器の外側から一対の測定電極で挟む構成とし、測定電極はトナー容器の左右に配置され、測定電極形状をトナー容器形状に沿った円弧形状となっているので、トナー容器の水平中央周辺は測定電極間のギャップが広いため測定感度が低く、一方、下側(もしくは上側)周辺は、測定電極間のギャップが狭いため、静電容量の測定感度が高くなる。そのため、トナー容器が回転しトナー容器水平中央周辺でトナーが偏在しても測定感度が低い箇所での変動であるため、測定検知への影響を低減できる。
さらに、トナー容器内のトナー量が少なくなると、トナーは重力で下側に残るため、最も精度よく検知したいトナー量が少ない条件下でも、測定感度が高い箇所で測定できるので、トナー量が少ない時の誤検知を改善できる。
また、測定電極間の測定対象となるトナーが無い空間が減少し、トナーの測定感度が高まるため、測定電極への電圧変動による検知ばらつきを低減できる。
【0072】
図12は左右に設ける測定電極65,66の形状の他の変形例を示すものである。この変形例ではそれぞれの測定電極65,66が互いに平行な平板部65a、66aと、平板部65a、66aの下端から幅方向中央に向けて伸びる平板状の下端部65b、66bとを有する。この変形例にも、図10のようなグランド電極を付設したり、図11の変形例のようにトナー容器長手方向で高さを変化させてもよい。
【0073】
この図12の変形例でも、トナー容器の水平中央周辺は測定電極間のギャップが広いため測定感度が低く、一方、下側(もしくは上側)周辺は、測定電極間のギャップが狭いため、静電容量の測定感度が高くなる。よって、トナー容器が回転することによるトナー偏在の、測定検知への影響を低減できる。図12の変形例にかぎらず、左右の測定電極は、少なくとも下端部において両者の距離が接近する形成であれば、下側(もしくは上側)周辺で、測定電極間のギャップが狭く、静電容量の測定感度が高くなる。
【0074】
なお、以上の実施形態は画像形成装置に用いられる粉体であるトナーの量を検出する装置に適用した例であるが、これに限らず種々の粉体の量を検出する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 :感光体
5 :現像装置
32 :トナー容器
33 :容器本体
33c :ギヤ
34 :キャップ
56 :トナー濃度検知センサ
60 :トナー補給装置
61 :ホッパ部
62 :トナー搬送スクリュー
64 :トナー落下搬送経路
65 :測定電極
66 :測定電極
67 :上壁面
68 :下壁面
69 :絶縁性部材
70 :トナー容器収容部
72 :ガイド部
81 :駆動出力ギヤ
91 :駆動モータ
100 :プリンタ
111 :静電容量検出回路
112 :トナー残量算出回路
113 :記憶部
114 :温湿度センサ
115 :表示部
120 :グランド電極
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【文献】特開2016-71299号公報
【文献】特開2001-121681号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12