IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図1
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図2
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図3
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図4
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図5
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図6
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図7
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図8
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図9
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図10
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図11
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図12
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図13
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図14
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図15
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図16
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図17
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図18
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図19
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図20
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図21
  • 特許-基板処理装置および基板処理方法 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
H01L21/306 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020206287
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022093158
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永松 辰也
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-113621(JP,A)
【文献】特開2004-327826(JP,A)
【文献】特開2010-040759(JP,A)
【文献】特開2019-102659(JP,A)
【文献】特開2007-324567(JP,A)
【文献】特開2007-273568(JP,A)
【文献】特開2019-050349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0227290(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0221880(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0032410(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0172734(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0017313(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0080937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う処理槽と、
前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する第1ガスノズル群と、
前記第1ガスノズル群に近接して配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する第2ガスノズル群と、
各部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の基板が前記処理液に浸漬されて処理されている際に、前記第1ガスノズル群および前記第2ガスノズル群のうち一方のガスノズル群から前記処理液にガスを吐出し、
所与の切替条件を検出した場合に、前記一方のガスノズル群から他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替え
前記切替条件は、前記一方のガスノズル群に含まれるガスノズルの詰まり情報である
基板処理装置。
【請求項2】
前記ガスノズルの詰まり情報は、前記ガスノズルのガス供給圧が所与の第1の閾値以上になった場合に検出される
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記切替条件は、前記ガスノズルのガス供給圧が前記第1の閾値よりも大きい所与の第2の閾値以上になった場合に検出される
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ガスノズルの詰まり情報は、前記処理槽に貯留される前記処理液の水頭圧が所与の第3の閾値以上になった場合に検出される
請求項2または3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記切替条件は、前記一方のガスノズル群においてガスを吐出した経過時間が所与の閾時間以上になった場合に検出される
請求項1~のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記一方のガスノズル群から前記他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替えた後に、前記一方のガスノズル群を大気開放する
請求項1~のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2ガスノズル群は、前記第1ガスノズル群に対して上下方向に並んで配置される
請求項1~のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2ガスノズル群に形成される複数の吐出口は、前記第1ガスノズル群に形成される複数の吐出口と平面視で同じ位置に配置される
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2ガスノズル群に含まれるガスノズルは、前記第1ガスノズル群に含まれるガスノズルと略等しい配管径を有する
請求項1~のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項10】
配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う処理槽と、前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する第1ガスノズル群と、前記第1ガスノズル群に近接して配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する第2ガスノズル群と、を備える基板処理装置において、
前記複数の基板が前記処理液に浸漬されて処理されている際に、前記第1ガスノズル群および前記第2ガスノズル群のうち一方のガスノズル群から前記処理液にガスを吐出する工程と、
所与の切替条件を検出した場合に、前記一方のガスノズル群から他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替える工程と、
を含み、
前記切替条件は、前記一方のガスノズル群に含まれるガスノズルの詰まり情報である
基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理槽に貯留した処理液に複数の基板を浸漬させることにより、かかる複数の基板に一括で液処理を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-50349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、処理槽に貯留される処理液の内部にガスを安定して吐出することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理装置は、処理槽と、第1ガスノズル群と、第2ガスノズル群と、制御部と、を備える。処理槽は、配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う。第1ガスノズル群は、前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する。第2ガスノズル群は、前記第1ガスノズル群に近接して配置され、前記処理槽に貯留される前記処理液にガスを吐出する。制御部は、各部を制御する。また、前記制御部は、前記複数の基板が前記処理液に浸漬されて処理されている際に、前記第1ガスノズル群および前記第2ガスノズル群のうち一方のガスノズル群から前記処理液にガスを吐出する。また、前記制御部は、所与の切替条件を検出した場合に、前記一方のガスノズル群から他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、処理槽に貯留される処理液の内部にガスを安定して吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。
図2図2は、実施形態に係るエッチング処理装置の構成を示す概略ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る第1ガスノズル群の構成を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る第2ガスノズル群の構成を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るガス吐出部に接続される配管の構成を示す概略ブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群の配置の一例を示す断面図である。
図7図7は、実施形態に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群の配置の一例を示す側面図である。
図8図8は、実施形態に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
図9図9は、実施形態の変形例1に係るガス吐出部に接続される配管の構成を示す概略ブロック図である。
図10図10は、実施形態の変形例2に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群の配置の一例を示す断面図である。
図11図11は、実施形態の変形例3に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群の配置の一例を示す断面図である。
図12図12は、実施形態の変形例4に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群の配置の一例を示す側面図である。
図13図13は、実施形態の変形例5に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
図14図14は、実施形態の変形例6に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
図15図15は、実施形態の変形例7に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
図16図16は、実施形態の変形例8に係る第1ガスノズル群および第2ガスノズル群における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
図18図18は、実施形態に係るノズル切替処理の処理手順を示すフローチャートである。
図19図19は、実施形態の変形例5に係るノズル切替処理の処理手順を示すフローチャートである。
図20図20は、実施形態の変形例6に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
図21図21は、実施形態の変形例7に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
図22図22は、実施形態の変形例8に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0009】
従来、処理槽に貯留した処理液に複数の基板を浸漬させることにより、かかる複数の基板を一括でエッチング処理する技術が知られている。また、かかるエッチング処理においては、処理槽内の温度均一性や薬液の置換効率を向上させるため、処理槽の底部に配置されるガスノズルから処理液内にガスを吐出し、処理槽内に上昇流を形成する場合がある。
【0010】
しかしながら、上記の従来技術では、かかるガスノズルの内部でエッチングされた成分が結晶化することにより、ガスノズルが詰まる場合があった。これにより、処理液の内部にガスを安定して吐出することができないことから、処理槽内の温度均一性や薬液の置換効率が低下する恐れがあった。
【0011】
そこで、上述の問題点を克服し、処理槽に貯留される処理液の内部にガスを安定して吐出することができる技術の実現が期待されている。
【0012】
<基板処理システムの構成>
まず、実施形態に係る基板処理システム1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。基板処理システム1は、基板処理装置の一例である。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る基板処理システム1は、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部7とを備える。
【0014】
キャリア搬入出部2は、キャリアステージ20と、キャリア搬送機構21と、キャリアストック22、23と、キャリア載置台24とを備える。
【0015】
キャリアステージ20は、外部から搬送された複数のキャリア9を載置する。キャリア9は、複数(たとえば、25枚)のウェハWを水平姿勢で上下に並べて収容する容器である。キャリア搬送機構21は、キャリアステージ20、キャリアストック22、23およびキャリア載置台24の間でキャリア9の搬送を行う。
【0016】
キャリア載置台24に載置されたキャリア9からは、処理される前の複数のウェハWが後述する基板搬送機構30によりロット処理部6に搬出される。また、キャリア載置台24に載置されたキャリア9には、処理された複数のウェハWが基板搬送機構30によりロット処理部6から搬入される。
【0017】
ロット形成部3は、基板搬送機構30を有し、ロットを形成する。ロットは、1または複数のキャリア9に収容されたウェハWを組合せて同時に処理される複数(たとえば、50枚)のウェハWで構成される。1つのロットを形成する複数のウェハWは、互いの板面を対向させた状態で一定の間隔をあけて配列される。
【0018】
基板搬送機構30は、キャリア載置台24に載置されたキャリア9とロット載置部4との間で複数のウェハWを搬送する。
【0019】
ロット載置部4は、ロット搬送台40を有し、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットを一時的に載置(待機)する。ロット搬送台40は、ロット形成部3で形成された処理される前のロットを載置する搬入側載置台41と、ロット処理部6で処理されたロットを載置する搬出側載置台42とを有する。搬入側載置台41および搬出側載置台42には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで載置される。
【0020】
ロット搬送部5は、ロット搬送機構50を有し、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部でロットの搬送を行う。ロット搬送機構50は、レール51と、移動体52と、基板保持体53とを有する。
【0021】
レール51は、ロット載置部4およびロット処理部6に渡って、X軸方向に沿って配置される。移動体52は、複数のウェハWを保持しながらレール51に沿って移動可能に構成される。基板保持体53は、移動体52に配置され、起立姿勢で前後に並んだ複数のウェハWを保持する。
【0022】
ロット処理部6は、1ロット分の複数のウェハWに対し、エッチング処理や洗浄処理、乾燥処理などを一括で行う。ロット処理部6には、2台のエッチング処理装置60と、洗浄処理装置70と、洗浄処理装置80と、乾燥処理装置90とが、レール51に沿って並んで配置される。
【0023】
エッチング処理装置60は、1ロット分の複数のウェハWに対してエッチング処理を一括で行う。洗浄処理装置70は、1ロット分の複数のウェハWに対して洗浄処理を一括で行う。洗浄処理装置80は、基板保持体53の洗浄処理を行う。乾燥処理装置90は、1ロット分の複数のウェハWに対して乾燥処理を一括で行う。なお、エッチング処理装置60、洗浄処理装置70、洗浄処理装置80および乾燥処理装置90の台数は、図1の例に限られない。
【0024】
エッチング処理装置60は、エッチング処理用のエッチング処理槽61と、リンス処理用のリンス処理槽62と、基板昇降機構63、64とを備える。
【0025】
エッチング処理槽61は、起立姿勢で配列された1ロット分のウェハWを収容可能であり、エッチング処理用の薬液(以下、「エッチング液」とも呼称する。)が貯留される。エッチング処理槽61の詳細については後述する。
【0026】
リンス処理槽62には、リンス処理用の処理液(脱イオン水等)が貯留される。基板昇降機構63、64には、ロットを形成する複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0027】
エッチング処理装置60は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構63で保持し、エッチング処理槽61のエッチング液に浸漬させてエッチング処理を行う。
【0028】
エッチング処理槽61においてエッチング処理されたロットは、ロット搬送部5によってリンス処理槽62に搬送される。そして、エッチング処理装置60は、搬送されたロットを基板昇降機構64にて保持し、リンス処理槽62のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。リンス処理槽62においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で洗浄処理装置70の洗浄処理槽71に搬送される。
【0029】
洗浄処理装置70は、洗浄用の洗浄処理槽71と、リンス処理用のリンス処理槽72と、基板昇降機構73、74とを備える。洗浄用の洗浄処理槽71には、洗浄用の薬液(以下、「洗浄薬液」とも呼称する)が貯留される。洗浄薬液は、たとえば、SC-1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)などである。
【0030】
リンス処理用のリンス処理槽72には、リンス処理用の処理液(脱イオン水等)が貯留される。基板昇降機構73、74には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0031】
洗浄処理装置70は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構73にて保持し、洗浄処理槽71の洗浄液に浸漬させることによって洗浄処理を行う。
【0032】
洗浄処理槽71において洗浄処理されたロットは、ロット搬送部5によってリンス処理槽72に搬送される。そして、洗浄処理装置70は、搬送されたロットを基板昇降機構74にて保持し、リンス処理槽72のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。リンス処理槽72においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で乾燥処理装置90の乾燥処理槽91に搬送される。
【0033】
乾燥処理装置90は、乾燥処理槽91と、基板昇降機構92とを有する。乾燥処理槽91には、乾燥処理用の処理ガスが供給される。基板昇降機構92には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0034】
乾燥処理装置90は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構92で保持し、乾燥処理槽91内に供給される乾燥処理用の処理ガスを用いて乾燥処理を行う。乾燥処理槽91で乾燥処理されたロットは、ロット搬送部5でロット載置部4に搬送される。
【0035】
洗浄処理装置80は、ロット搬送機構50の基板保持体53に洗浄用の処理液を供給し、さらに乾燥ガスを供給することで、基板保持体53の洗浄処理を行う。
【0036】
制御部7は、基板処理システム1の各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6など)の動作を制御する。制御部7は、スイッチや各種センサなどからの信号に基づいて、基板処理システム1の各部の動作を制御する。
【0037】
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御部7は、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
【0038】
制御部7は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体8を有する。記憶媒体8には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御する上記プログラムが格納される。プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体8に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部7の記憶媒体8にインストールされたものであってもよい。
【0039】
コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体8としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0040】
<エッチング処理装置の構成>
次に、ウェハWのエッチング処理を実施するエッチング処理装置60の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係るエッチング処理装置60の構成を示す概略ブロック図である。
【0041】
エッチング処理装置60は、エッチング液供給部100と、基板処理部110とを備える。エッチング液供給部100は、エッチング液Lを基板処理部110に供給する。エッチング液Lは、処理液の一例である。実施形態に係るエッチング液Lは、たとえば、SC-1である。
【0042】
エッチング液供給部100は、エッチング液供給源101と、エッチング液供給路102と、流量調整器103とを有する。
【0043】
エッチング液供給路102は、エッチング液供給源101とエッチング処理槽61の外槽112とを接続し、エッチング液供給源101から外槽112にエッチング液Lを供給する。
【0044】
流量調整器103は、エッチング液供給路102に配置され、外槽112に供給されるエッチング液Lの流量を調整する。流量調整器103は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
【0045】
基板処理部110は、エッチング液供給部100から供給されたエッチング液LにウェハWを浸漬して、かかるウェハWにエッチング処理を施す。ウェハWは、基板の一例である。基板処理部110は、たとえば、ウェハW上に形成されたポリシリコン膜をエッチング処理する。
【0046】
基板処理部110は、エッチング処理槽61と、基板昇降機構63と、循環路120と、ガス吐出部130とを備える。エッチング処理槽61は、処理槽111と、外槽112とを有する。
【0047】
処理槽111は、エッチング液L中にウェハWを浸漬させるための槽であり、浸漬用のエッチング液Lを収容する。処理槽111は、上部に開口部を有し、エッチング液Lがかかる開口部付近まで貯留される。
【0048】
処理槽111では、基板昇降機構63を用いて複数のウェハWがエッチング液Lに浸漬され、ウェハWにエッチング処理が行われる。かかる基板昇降機構63は、昇降可能に構成され、複数のウェハWを垂直姿勢で前後(Y軸方向)に並べて保持する。
【0049】
外槽112は、処理槽111の周囲を囲むように処理槽111の外側に配置され、処理槽111の開口部から流出するエッチング液Lを受ける。図2に示すように、外槽112の液位は、処理槽111の液位よりも低く維持される。
【0050】
外槽112と処理槽111とは、循環路120によって接続される。循環路120の一端は外槽112の底部に接続され、循環路120の他端は処理槽111内に位置する処理液供給ノズル124に接続される。
【0051】
循環路120には、外槽112側から順に、ポンプ121と、ヒータ122と、フィルタ123とが配置される。ポンプ121は、外槽112から循環路120を経て処理槽111に送られるエッチング液Lの循環流を形成する。
【0052】
また、エッチング液Lは、処理槽111の開口部からオーバーフローすることで、再び外槽112へと流出する。このようにして、基板処理部110内にエッチング液Lの循環流が形成される。すなわち、かかる循環流は、外槽112、循環路120および処理槽111において形成される。
【0053】
ヒータ122は、循環路120を循環するエッチング液Lの温度を調整する。フィルタ123は、循環路120を循環するエッチング液Lを濾過する。処理液供給ノズル124は、処理槽111内においてウェハWの下方に配置され、エッチング液Lを処理槽111に供給する。
【0054】
ガス吐出部130は、処理槽111に貯留されるエッチング液L中に不活性ガス(たとえば、窒素ガスやアルゴンガスなど)を吐出する。不活性ガスは、ガスの一例である。かかるガス吐出部130は、処理槽111の内部に不活性ガスを吐出することによって、処理槽111の内部にエッチング液Lの上昇流を発生させる。
【0055】
ガス吐出部130は、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150を有する。かかる第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150は、処理槽111内においてウェハWおよび処理液供給ノズル124の下方に配置され、処理槽111に貯留されるエッチング液Lに不活性ガスの気泡を吐出する。
【0056】
<ガス吐出部の構成>
つづいて、実施形態に係るガス吐出部130の詳細な構成について、図3図7を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る第1ガスノズル群140の構成を示す斜視図である。
【0057】
図3に示すように、第1ガスノズル群140は、複数(図では6本)のガスノズル140-1~140-6を有する。かかるガスノズル140-1~140-6は、複数のウェハW(図2参照)の配列方向(すなわち、Y軸方向)に沿って延在する。また、ガスノズル140-1~140-6は、この順にX軸方向に沿って並んで配置される。
【0058】
すなわち、ガスノズル140-2、140-5は、ガスノズル140-1、140-6よりもウェハWの径方向内側に配置され、ガスノズル140-3、140-4は、ガスノズル140-2、140-5よりもウェハWの径方向内側に配置される。
【0059】
また、第1ガスノズル群140には、ガス供給路141が接続される。ガス供給路141は、ガス供給路141aと、ガス供給路141bと、ガス供給路141cとを有する。
【0060】
ガス供給路141aは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル140-1、140-6と不活性ガス供給源160(図5参照)との間を接続する。すなわち、ガスノズル140-1、140-6には、共通のガス供給路141aを用いて不活性ガスが供給される。
【0061】
ガス供給路141bは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル140-2、140-5と不活性ガス供給源160との間を接続する。すなわち、ガスノズル140-2、140-5には、共通のガス供給路141bを用いて不活性ガスが供給される。
【0062】
ガス供給路141cは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル140-3、140-4と不活性ガス供給源160との間を接続する。すなわち、ガスノズル140-3、140-4には、共通のガス供給路141cを用いて不活性ガスが供給される。
【0063】
なお、本開示では、第1ガスノズル群140に6本のガスノズル140-1~140-6が設けられる例について示しているが、第1ガスノズル群140に設けられるガスノズルの数は6本に限られず、2本や4本などであってもよい。
【0064】
図4は、実施形態に係る第2ガスノズル群150の構成を示す斜視図である。
【0065】
図4に示すように、第2ガスノズル群150は、複数(図では6本)のガスノズル150-1~150-6を有する。かかるガスノズル150-1~150-6は、複数のウェハW(図2参照)の配列方向(すなわち、Y軸方向)に沿って延在する。また、ガスノズル150-1~150-6は、この順にX軸方向に沿って並んで配置される。
【0066】
すなわち、ガスノズル150-2、150-5は、ガスノズル150-1、150-6よりもウェハWの径方向内側に配置され、ガスノズル150-3、150-4は、ガスノズル150-2、150-5よりもウェハWの径方向内側に配置される。
【0067】
また、第2ガスノズル群150には、ガス供給路151が接続される。ガス供給路151は、ガス供給路151aと、ガス供給路151bと、ガス供給路151cとを有する。
【0068】
ガス供給路151aは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル150-1、150-6と不活性ガス供給源160(図5参照)との間を接続する。すなわち、ガスノズル150-1、150-6には、共通のガス供給路151aを用いて不活性ガスが供給される。
【0069】
ガス供給路151bは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル150-2、150-5と不活性ガス供給源160との間を接続する。すなわち、ガスノズル150-2、150-5には、共通のガス供給路151bを用いて不活性ガスが供給される。
【0070】
ガス供給路151cは、垂直方向に延在する部分を有し、ガスノズル150-3、150-4と不活性ガス供給源160との間を接続する。すなわち、ガスノズル150-3、
150-4には、共通のガス供給路151cを用いて不活性ガスが供給される。
【0071】
なお、本開示では、第2ガスノズル群150に6本のガスノズル150-1~150-6が設けられる例について示しているが、第2ガスノズル群150に設けられるガスノズルの数は6本に限られず、2本や4本などであってもよい。
【0072】
図5は、実施形態に係るガス吐出部130に接続される配管の構成を示す概略ブロック図である。図5に示すように、ガス吐出部130に供給される不活性ガスは、不活性ガス供給源160から供給される。
【0073】
不活性ガス供給源160から延びるガス供給路161には、圧力計162が設けられる。かかる圧力計162は、ガス供給路161を流れる不活性ガスの圧力を測定する。また、ガス供給路161は、圧力計162の下流側でガス供給路141とガス供給路151とに分岐する。
【0074】
ガス供給路161から分岐したガス供給路141には、流量調整器142が設けられる。流量調整器142は、第1ガスノズル群140へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。流量調整器142は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
【0075】
ガス供給路141における流量調整器142の下流側には、開放路143が接続され、かかる開放路143は流量調整器144を介して外部雰囲気に接続される。
【0076】
ガス供給路141は、開放路143との接続部の下流側で、ガス供給路141aと、ガス供給路141bと、ガス供給路141cとに分岐する。ガス供給路141aは、ガスノズル140-1、140-6(図3参照)に接続され、ガス供給路141bは、ガスノズル140-2、140-5(図3参照)に接続され、ガス供給路141cは、ガスノズル140-3、140-4(図3参照)に接続される。
【0077】
すなわち、実施形態において、第1ガスノズル群140のすべてのガスノズル140-1~140-6に供給される不活性ガスの流量は、共通の流量調整器142でまとめて調整される。
【0078】
また、ガス供給路161から分岐したガス供給路151には、流量調整器152が設けられる。流量調整器152は、第2ガスノズル群150へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。流量調整器152は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
【0079】
ガス供給路151における流量調整器152の下流側には、開放路153が接続され、かかる開放路153は流量調整器154を介して外部雰囲気に接続される。
【0080】
ガス供給路151は、開放路153との接続部の下流側で、ガス供給路151aと、ガス供給路151bと、ガス供給路151cとに分岐する。ガス供給路151aは、ガスノズル150-1、150-6(図4参照)に接続され、ガス供給路151bは、ガスノズル150-2、150-5(図4参照)に接続され、ガス供給路151cは、ガスノズル150-3、150-4(図4参照)に接続される。
【0081】
すなわち、実施形態において、第2ガスノズル群150のすべてのガスノズル150-1~150-6に供給される不活性ガスの流量は、共通の流量調整器152でまとめて調整される。
【0082】
図6は、実施形態に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150の配置の一例を示す断面図であり、図7は、実施形態に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150の配置の一例を示す側面図である。
【0083】
図6および図7に示すように、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6には、かかるガスノズル140-1~140-6の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って、複数の吐出口Hが設けられる。
【0084】
同様に、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1~150-6には、かかるガスノズル150-1~150-6の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って、複数の吐出口Hが設けられる。
【0085】
複数の吐出口Hは、不活性ガス供給源160(図5参照)から供給される不活性ガスが隣接するウェハW(図2参照)同士の間に入り込むように、複数のウェハWの配列方向において隣接するウェハW同士の間の位置に配置される。
【0086】
また、複数の吐出口Hは、たとえば、複数のウェハWにおける全ての隙間に対応して配置される。すなわち、たとえば1つのロットが50枚のウェハWで構成される場合、ガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6には、それぞれ49個の吐出口Hが設けられる。
【0087】
図6に示すように、複数の吐出口Hは、円筒状のガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6の下半分に設けられる。これにより、ガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6の内部へのエッチング液L(図2参照)の浸入を抑制することができる。
【0088】
また、複数の吐出口Hは、ガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6の側部よりも下方かつガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6の下部よりも上方に設けられる。
【0089】
これにより、吐出口Hをガスノズル140-1~140-6およびガスノズル150-1~150-6の下部に設けた場合と比較して、不活性ガスの吐出方向を揃えることができる。
【0090】
そして、実施形態では、図6に示すように、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1~150-6が、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6に対してそれぞれ上下方向に並んで配置される。たとえば、ガスノズル150-1~150-6は、ガスノズル140-1~140-6に対してそれぞれ下部に接触するように配置される。
【0091】
これにより、各ガスノズルが並んで配置される方向(X軸方向)において、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とで不活性ガスの吐出位置を揃えることができる。
【0092】
なお、ガスノズル150-1~150-6は、ガスノズル140-1~140-6に対して接触しないように配置されていてもよい。また、ガスノズル150-1~150-6は、ガスノズル140-1~140-6に対してそれぞれ上部に接触するように配置されてもよい。
【0093】
また、本開示では、吐出口Hがガスノズル140-1~140-6、150-1~150-6の下半分に設けられる例について示しているが、吐出口Hがガスノズル140-1~140-6、150-1~150-6の上半分に設けられていてもよい。また、吐出口Hが、ガスノズル140-1~140-6、150-1~150-6の側部に設けられていてもよい。
【0094】
また、実施形態では、図7に示すように、ガスノズル150-1~150-6に形成される複数の吐出口Hが、ガスノズル140-1~140-6に形成される複数の吐出口Hに対して平面視で同じ位置に配置される。
【0095】
これにより、各ガスノズルの延伸方向(Y軸方向)において、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とで不活性ガスの吐出位置を揃えることができる。
【0096】
<不活性ガスの吐出処理>
つづいて、ここまで説明したエッチング処理装置60におけるエッチング液Lへの不活性ガスの吐出処理の詳細について、図8を参照しながら説明する。図8は、実施形態に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
【0097】
制御部7(図1参照)は、まず、時間T1で複数のウェハW(図2参照)を処理槽111(図2参照)に搬入する。また、制御部7は、かかる時間T1で流量調整器142(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140(図5参照)からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0098】
これにより、圧力計162(図5参照)で測定される第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間T2で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。なお、時間T1以降でも、流量調整器152(図5参照)は閉状態が維持される。これにより、第2ガスノズル群150(図5参照)からは不活性ガスは吐出されない。
【0099】
一方で、時間T1から実施される不活性ガスの吐出処理中に、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6(図3参照)には、吐出口H(図6参照)側からエッチング液Lが流入(逆流)してくる。
【0100】
これにより、ガスノズル140-1~140-6内の気液界面においてエッチング液L中のシリカの濃縮が起こり、乾燥することによって結晶化が進む。そして、さらに結晶化が進むことによって、ガスノズル140-1~140-6内で詰まりが発生する。
【0101】
そのため、第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間が経過するにつれて徐々に上昇し、時間T3で所与の第1の閾値X1以上となる。
【0102】
ここで、実施形態では、制御部7が、ガス供給圧が第1の閾値X1以上となった第1ガスノズル群140に詰まりが発生したとみなし、かかる第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150に吐出ノズルを切り替える処理を実施する。
【0103】
まず、制御部7は、時間T3で、流量調整器142を開状態から閉状態に変更する。次に、制御部7は、第1ガスノズル群140のガス供給圧がゼロになった時間T4で、流量調整器152を開状態から閉状態に変更することにより、第2ガスノズル群150からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0104】
これにより、圧力計162で測定される第2ガスノズル群150へのガス供給圧は、時間T5で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。
【0105】
次に、時間T1から所与の処理時間が経過した時間T6において、複数のウェハWのエッチング処理が完了すると、制御部7は、流量調整器152を開状態から閉状態に変更する。そして、制御部7は、第2ガスノズル群150のガス供給圧がゼロになった時間T7で、複数のウェハWを処理槽111から搬出する。
【0106】
ここまで説明したように、実施形態では、エッチング液Lへの不活性ガスの吐出処理において、第1ガスノズル群140に詰まりが発生した場合に、かかる第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150に吐出ノズルを切り替える。
【0107】
これにより、第1ガスノズル群140に詰まりが発生した場合でも、エッチング液Lへの不活性ガスの吐出処理を継続することができる。したがって、実施形態によれば、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0108】
また、実施形態では、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150へ吐出ノズルを切り替えた時間T3で、制御部7は、流量調整器144(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140を大気開放するとよい。
【0109】
これにより、ガスノズル140-1~140-6の内部にエッチング液Lを引き込むことができることから、ガスノズル140-1~140-6の内部に付着する結晶を引き込んだエッチング液Lでエッチング洗浄することができる。
【0110】
すなわち、実施形態では、詰まりが発生した第1ガスノズル群140を、不活性ガスの吐出処理に使用していない時に洗浄することができる。これにより、切り替えられた第2ガスノズル群150に詰まりが発生した場合でも、洗浄した第1ガスノズル群140に吐出ノズルを再度切り替えることができる。
【0111】
したがって、実施形態によれば、第2ガスノズル群150に詰まりが発生した場合でも、エッチング液Lへの不活性ガスの吐出処理を継続することができるから、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスをさらに安定して吐出することができる。
【0112】
また、実施形態では、複数のウェハWのエッチング処理を開始した時間T1で、制御部7は、流量調整器152を閉状態で維持するとともに、流量調整器154(図5参照)を開状態にすることにより、第2ガスノズル群150を大気開放してもよい。
【0113】
これにより、ガスノズル150-1~150-6の内部にエッチング液Lを引き込むことができることから、以前の使用時にガスノズル150-1~150-6の内部に付着した結晶を引き込んだエッチング液Lでエッチング洗浄することができる。
【0114】
したがって、実施形態によれば、第2ガスノズル群150がシリコンの結晶で詰まることを抑制することができることから、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスをさらに安定して吐出することができる。
【0115】
このように、実施形態では、不活性ガスの吐出処理に使用していないガスノズル群の内部にエッチング液Lを引き込んで、かかるガスノズル群を洗浄処理するとよい。これにより、かかるガスノズル群に吐出ノズルが切り替わった際に詰まりが発生することを抑制することができることから、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスをさらに安定して吐出することができる。
【0116】
また、実施形態では、図6に示したように、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6の配管径と、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1~150-6の配管径とが略等しいとよい。
【0117】
これにより、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とを切り替えた場合でも、略等しい流量の不活性ガスをエッチング液Lに吐出することができる。したがって、実施形態によれば、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とを切り替えた場合でも、安定したエッチング処理を実施することができる。
【0118】
なお、本開示では、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6の配管径と、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1~150-6の配管径とが略等しい場合に限られない。たとえば、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1~150-6の配管径が、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1~140-6の配管径よりも小さくてもよい。
【0119】
<変形例1>
つづいて、実施形態に係る基板処理システム1の各種変形例について、図9図16を参照しながら説明する。図9は、実施形態の変形例1に係るガス吐出部130に接続される配管の構成を示す概略ブロック図である。
【0120】
なお、以下の各種変形例では、実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0121】
変形例1では、複数のガス供給路141a~141cに対してそれぞれ個別に不活性ガスが供給されるとともに、複数のガス供給路151a~151cに対してそれぞれ個別に不活性ガスが供給される。
【0122】
具体的には、図9に示すように、不活性ガス供給源160から延びるガス供給路161は、ガス供給路161a、161b、161cに分岐する。ガス供給路161aには、圧力計162aが設けられる。
【0123】
かかる圧力計162aは、ガス供給路161aを流れる不活性ガスの圧力を測定する。また、ガス供給路161aは、圧力計162aの下流側でガス供給路141aとガス供給路151aとに分岐する。
【0124】
ガス供給路161aから分岐したガス供給路141aには、流量調整器142aが設けられる。流量調整器142aは、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1、140-6(図3参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0125】
ガス供給路141aにおける流量調整器142aの下流側には、開放路143aが接続され、かかる開放路143aは流量調整器144aを介して外部雰囲気に接続される。
【0126】
また、ガス供給路161aから分岐したガス供給路151aには、流量調整器152aが設けられる。流量調整器152aは、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1、150-6(図4参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0127】
ガス供給路151aにおける流量調整器152aの下流側には、開放路153aが接続され、かかる開放路153aは流量調整器154aを介して外部雰囲気に接続される。
【0128】
また、ガス供給路161から分岐するガス供給路161bには、圧力計162bが設けられる。かかる圧力計162bは、ガス供給路161bを流れる不活性ガスの圧力を測定する。また、ガス供給路161bは、圧力計162bの下流側でガス供給路141bとガス供給路151bとに分岐する。
【0129】
ガス供給路161bから分岐したガス供給路141bには、流量調整器142bが設けられる。流量調整器142bは、第1ガスノズル群140のガスノズル140-2、140-5(図3参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0130】
ガス供給路141bにおける流量調整器142bの下流側には、開放路143bが接続され、かかる開放路143bは流量調整器144bを介して外部雰囲気に接続される。
【0131】
また、ガス供給路161bから分岐したガス供給路151bには、流量調整器152bが設けられる。流量調整器152bは、第2ガスノズル群150のガスノズル150-2、150-5(図4参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0132】
ガス供給路151bにおける流量調整器152bの下流側には、開放路153bが接続され、かかる開放路153bは流量調整器154bを介して外部雰囲気に接続される。
【0133】
また、ガス供給路161から分岐するガス供給路161cには、圧力計162cが設けられる。かかる圧力計162cは、ガス供給路161cを流れる不活性ガスの圧力を測定する。また、ガス供給路161cは、圧力計162cの下流側でガス供給路141cとガス供給路151cとに分岐する。
【0134】
ガス供給路161cから分岐したガス供給路141cには、流量調整器142cが設けられる。流量調整器142cは、第1ガスノズル群140のガスノズル140-3、140-4(図3参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0135】
ガス供給路141cにおける流量調整器142cの下流側には、開放路143cが接続され、かかる開放路143cは流量調整器144cを介して外部雰囲気に接続される。
【0136】
また、ガス供給路161cから分岐したガス供給路151cには、流量調整器152cが設けられる。流量調整器152cは、第2ガスノズル群150のガスノズル150-3、150-4(図4参照)へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。
【0137】
ガス供給路151cにおける流量調整器152cの下流側には、開放路153cが接続され、かかる開放路153cは流量調整器154cを介して外部雰囲気に接続される。
【0138】
このような配管構成を有する変形例1では、制御部7(図1参照)が、第1ガスノズル群140のガスノズル140-1、140-6と、第2ガスノズル群150のガスノズル150-1、150-6とで吐出ノズルを切り替えることができる。
【0139】
具体的には、上述の実施形態と同様に、変形例1では、制御部7が、流量調整器142aを開状態にしてガスノズル140-1、140-6から不活性ガスをエッチング液L内に吐出する。この不活性ガスのガス供給圧は、圧力計162aを用いて測定される。
【0140】
そして、ガスノズル140-1、140-6に詰まりが発生しガス供給圧が第1の閾値X1以上になった場合、制御部7は、流量調整器142aを閉状態にするとともに流量調整器152aを開状態にする。これにより、ガスノズル140-1、140-6からガスノズル150-1、150-6に吐出ノズルを切り替えることができる。
【0141】
さらに、制御部7は、流量調整器144aを開状態にすることにより、ガスノズル140-1、140-6を大気開放する。これにより、ガスノズル140-1、140-6の内部にエッチング液Lを引き込むことができることから、ガスノズル140-1、140-6の内部を洗浄処理することができる。
【0142】
また、変形例1では、上記と同様に、制御部7が、第1ガスノズル群140のガスノズル140-2、140-5と、第2ガスノズル群150のガスノズル150-2、150-5とで吐出ノズルを切り替えることができる。
【0143】
さらに、変形例1では、上記と同様に、制御部7が、第1ガスノズル群140のガスノズル140-3、140-4と、第2ガスノズル群150のガスノズル150-3、150-4とで吐出ノズルを切り替えることができる。
【0144】
ここまで説明したように、本開示は、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150のすべてのガスノズルをそれぞれ一括で制御する場合に限られず、個別のガスノズルをそれぞれ独立に制御することができる。
【0145】
なお、変形例1では、6本のガスノズルを3組に分けてそれぞれ独立に制御する場合について示したが、本開示はかかる例に限られず、たとえば、6本すべてのガスノズルをそれぞれ独立に制御してもよい。
【0146】
<変形例2、3>
図10および図11は、実施形態の変形例2および変形例3に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150の配置の一例を示す断面図である。
【0147】
本開示の第2ガスノズル群150は、図6に示したように、第1ガスノズル群140に対して上下方向に並んで配置される場合に限られず、図10に示すように、左右方向(水平方向)に並んで配置されていてもよい。
【0148】
また、図11に示すように、本開示の第2ガスノズル群150は、第1ガスノズル群140に対して千鳥状(すなわち、斜め方向)に並んで配置されていてもよい。
【0149】
<変形例4>
図12は、実施形態の変形例4に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150の配置の一例を示す側面図である。図12に示すように、ガスノズル150-1~150-6に形成される複数の吐出口Hは、ガスノズル140-1~140-6に形成される複数の吐出口Hに対して平面視で異なる位置に配置されてもよい。
【0150】
これにより、下部の第2ガスノズル群150から不活性ガスを吐出する場合に、吐出した不活性ガスが上部の第1ガスノズル群140に入りこむことを抑制することができる。
【0151】
<変形例5>
図13は、実施形態の変形例5に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
【0152】
変形例5において、制御部7(図1参照)は、まず、時間T11で複数のウェハW(図2参照)を処理槽111(図2参照)に搬入する。また、制御部7は、かかる時間T11で流量調整器142(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140(図5参照)からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0153】
これにより、圧力計162(図5参照)で測定される第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間T12で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。なお、時間T11以降でも、流量調整器152(図5参照)は閉状態が維持される。これにより、第2ガスノズル群150(図5参照)からは不活性ガスは吐出されない。
【0154】
一方で、時間T11から実施される不活性ガスの吐出処理中に、ガスノズル140-1~140-6内で詰まりが発生する。これにより、第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間が経過するにつれて徐々に上昇し、時間T13で所与の第1の閾値X1以上となる。
【0155】
すると、制御部7は、かかる時間T13で、流量調整器142を開状態から閉状態に変更するとともに、流量調整器152を開状態から閉状態に変更する。これにより、第1ガスノズル群140からの不活性ガスの吐出を停止すると同時に、第2ガスノズル群150からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0156】
これにより、圧力計162で測定される第2ガスノズル群150へのガス供給圧は、時間T14で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。
【0157】
また、変形例5では、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150へ吐出ノズルを切り替えた時間T13で、制御部7は、流量調整器144(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140を大気開放する。
【0158】
これにより、ガスノズル140-1~140-6の内部にエッチング液Lを引き込んで、ガスノズル140-1~140-6の内部に付着する結晶を引き込んだエッチング液Lでエッチング洗浄する。
【0159】
次に、時間T11から所与の処理時間が経過した時間T15で、複数のウェハWのエッチング処理が完了すると、制御部7は、流量調整器152を開状態から閉状態に変更する。そして、制御部7は、第2ガスノズル群150のガス供給圧がゼロになった時間T16で、複数のウェハWを処理槽111から搬出する。
【0160】
ここまで説明したように、変形例5では、第1ガスノズル群140に詰まりが発生した場合に、第1ガスノズル群140からの不活性ガスの吐出を停止する処理と、第2ガスノズル群150からの不活性ガスの吐出を開始する処理とを並行して進める。
【0161】
これにより、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150へのノズル切替処理の際に、ガス吐出部130からの不活性ガスの吐出量が一時的に低下することを抑制することができる。したがって、変形例5によれば、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスをさらに安定して吐出することができる。
【0162】
<変形例6>
図14は、実施形態の変形例6に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
【0163】
変形例6において、制御部7(図1参照)は、まず、時間T21で複数のウェハW(図2参照)を処理槽111(図2参照)に搬入する。また、制御部7は、かかる時間T21で流量調整器142(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140(図5参照)からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0164】
これにより、圧力計162(図5参照)で測定される第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間T22で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。なお、時間T21以降でも、流量調整器152(図5参照)は閉状態が維持される。これにより、第2ガスノズル群150(図5参照)からは不活性ガスは吐出されない。
【0165】
一方で、時間T21から実施される不活性ガスの吐出処理中にガスノズル140-1~140-6などに何らかの不具合が生じた場合、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が急激に上昇し、時間T23で所与の第2の閾値X2以上となる。
【0166】
かかる第2の閾値X2は、第1の閾値X1よりも大きい値であり、たとえば、X2=X+2(X1-X)である。
【0167】
すると、制御部7は、時間T23で、流量調整器142を開状態から閉状態に変更する。次に、制御部7は、第1ガスノズル群140のガス供給圧がゼロになった時間T24で、流量調整器152を開状態から閉状態に変更することにより、第2ガスノズル群150からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0168】
これにより、圧力計162で測定される第2ガスノズル群150へのガス供給圧は、時間T25で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。
【0169】
また、変形例6では、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150へ吐出ノズルを切り替えた時間T23で、制御部7は、流量調整器144(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140を大気開放する。
【0170】
これにより、ガスノズル140-1~140-6の内部にエッチング液Lを引き込んで、ガスノズル140-1~140-6の内部に付着する結晶を引き込んだエッチング液Lでエッチング洗浄する。
【0171】
次に、時間T21から所与の処理時間が経過した時間T26で、複数のウェハWのエッチング処理が完了すると、制御部7は、流量調整器152を開状態から閉状態に変更する。そして、制御部7は、第2ガスノズル群150のガス供給圧がゼロになった時間T27で、複数のウェハWを処理槽111から搬出する。
【0172】
ここまで説明したように、変形例6では、第1ガスノズル群140に何らかの不具合が生じてガス供給圧が急激に上昇し、かかるガス供給圧が第2の閾値X2以上になった場合に、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150に吐出ノズルを切り替える。
【0173】
このように、変形例6では、一方のガスノズル群に不具合が生じた場合でも、他方のガスノズル群に吐出ノズルを切り替えることにより、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0174】
<変形例7>
図15は、実施形態の変形例7に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
【0175】
変形例7において、制御部7(図1参照)は、まず、時間T31で複数のウェハW(図2参照)を処理槽111(図2参照)に搬入する。また、制御部7は、かかる時間T31で流量調整器142(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140(図5参照)からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0176】
これにより、圧力計162(図5参照)で測定される第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間T32で所与の圧力値Xとなる。
【0177】
しかしながら、何らかの不具合でガス供給圧が圧力値Xで安定せず、さらに上昇した場合、たとえガス供給圧が第1の閾値X1以上になったとしても、不活性ガスの吐出を開始した直後であれば、制御部7は、そのまま第1ガスノズル群140からの吐出を継続する。
【0178】
たとえば、制御部7は、不活性ガスの吐出を開始した時間T31から、所与の閾値(たとえば、120秒)が経過した時間T33までの間には、ガス供給圧が第1の閾値X1以上になったとしても、第1ガスノズル群140からの不活性ガスの吐出を継続する。
【0179】
これにより、ガス供給圧が不活性ガスの吐出を開始した直後で安定せず、一時的に第1の閾値X1以上となった場合に、必要性の低いノズル切替処理が実施されることを抑制することができる。なお、時間T33以降の処理は上記の実施形態と同様であることから、説明は省略する。
【0180】
<変形例8>
図16は、実施形態の変形例8に係る第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150における不活性ガスのガス供給圧の推移を示す図である。
【0181】
変形例8において、制御部7(図1参照)は、まず、時間T41で複数のウェハW(図2参照)を処理槽111(図2参照)に搬入する。また、制御部7は、かかる時間T41で流量調整器142(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140(図5参照)からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0182】
これにより、圧力計162(図5参照)で測定される第1ガスノズル群140へのガス供給圧は、時間T42で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。なお、時間T41以降でも、流量調整器152(図5参照)は閉状態が維持される。これにより、第2ガスノズル群150(図5参照)からは不活性ガスは吐出されない。
【0183】
そして、変形例8では、制御部7が、時間T43になった際に、ガス供給圧が第1の閾値X1以上になっていなかったとしても、ノズル切替処理を実施する。かかる時間T43は、不活性ガスの吐出を開始した時間T41から所与の閾時間(たとえば、3600秒)が経過した時間である。
【0184】
このように、制御部7は、時間T43で、流量調整器142を開状態から閉状態に変更する。次に、制御部7は、第1ガスノズル群140のガス供給圧がゼロになった時間T44で、流量調整器152を開状態から閉状態に変更することにより、第2ガスノズル群150からの不活性ガスの吐出を開始する。
【0185】
これにより、圧力計162で測定される第2ガスノズル群150へのガス供給圧は、時間T45で所与の圧力値Xとなり、以降はかかる圧力値Xで維持される。
【0186】
また、変形例8では、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150へ吐出ノズルを切り替えた時間T43で、制御部7は、流量調整器144(図5参照)を開状態にすることにより、第1ガスノズル群140を大気開放する。
【0187】
これにより、ガスノズル140-1~140-6の内部にエッチング液Lを引き込んで、ガスノズル140-1~140-6の内部に付着する結晶を引き込んだエッチング液Lでエッチング洗浄する。
【0188】
次に、時間T41から所与の処理時間が経過した時間T46で、複数のウェハWのエッチング処理が完了すると、制御部7は、流量調整器152を開状態から閉状態に変更する。そして、制御部7は、第2ガスノズル群150のガス供給圧がゼロになった時間T47で、複数のウェハWを処理槽111から搬出する。
【0189】
ここまで説明したように、変形例8では、一方のガスノズル群(ここでは、第1ガスノズル群140)で不活性ガスを吐出した経過時間が所与の閾時間以上になった場合に、他方のガスノズル群(ここでは、第2ガスノズル群150)に吐出ノズルを切り替える。
【0190】
これにより、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150で詰まりが発生することを未然に抑制することができる。したがって、変形例8によれば、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスをさらに安定して吐出することができる。
【0191】
なお、ここまで説明した実施形態および各種変形例では、圧力計162を用いてガスノズル群の詰まりの有無を判定する例について示したが、ガスノズル群の詰まりの有無の判定処理は、圧力計162で用いて実施する場合に限られない。
【0192】
たとえば、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの水頭圧を測定する水頭圧計を用いて、ガスノズル群の詰まりの有無を判定してもよい。たとえば、かかる水頭圧計によって測定されるエッチング液Lの水頭圧が所与の第3の閾値以上になった場合に、制御部7は、不活性ガスを吐出するガスノズル群に詰まりが発生したとみなし、ノズル切替処理を実施してもよい。
【0193】
これにより、一方のガスノズル群に詰まりが発生した場合でも、他方のガスノズル群に吐出ノズルを切り替えることができることから、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0194】
実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、処理槽111と、第1ガスノズル群140と、第2ガスノズル群150と、制御部7と、を備える。処理槽111は、配列された複数の基板(ウェハW)を処理液(エッチング液L)に浸漬させて処理を行う。第1ガスノズル群140は、処理槽111の内部において複数の基板(ウェハW)よりも下方に配置され、処理槽111に貯留される処理液(エッチング液L)にガスを吐出する。第2ガスノズル群150は、第1ガスノズル群140に近接して配置され、処理槽111に貯留される処理液(エッチング液L)にガスを吐出する。制御部7は、各部を制御する。また、制御部7は、複数の基板(ウェハW)が処理液(エッチング液L)に浸漬されて処理されている際に、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150のうち一方のガスノズル群から処理液(エッチング液L)にガスを吐出する。また、制御部7は、所与の切替条件を検出した場合に、一方のガスノズル群から他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替える。これにより、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0195】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、切替条件は、一方のガスノズル群に含まれるガスノズルの詰まり情報である。これにより、一方のガスノズル群に詰まりが発生した場合でも、エッチング液Lへの不活性ガスの吐出処理を継続することができる。
【0196】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、ガスノズルの詰まり情報は、ガスノズルのガス供給圧が所与の第1の閾値X1以上になった場合に検出される。これにより、一方のガスノズル群に詰まりが発生したことを精度よく検出することができる。
【0197】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、切替条件は、ガスノズルのガス供給圧が第1の閾値X1よりも大きい所与の第2の閾値X2以上になった場合に検出される。これにより、一方のガスノズル群に不具合が生じた場合でも、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0198】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、ガスノズルの詰まり情報は、処理槽に111貯留される処理液(エッチング液L)の水頭圧が所与の第3の閾値以上になった場合に検出される。これにより、一方のガスノズル群に詰まりが発生したことを精度よく検出することができる。
【0199】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、切替条件は、一方のガスノズル群においてガスを吐出した経過時間が所与の閾時間以上になった場合に検出される。これにより、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150で詰まりが発生することを未然に抑制することができる。
【0200】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、制御部7は、一方のガスノズル群から他方のガスノズル群にガスの吐出を切り替えた後に、一方のガスノズル群を大気開放する。これにより、詰まりが発生した一方のガスノズル群を、不活性ガスの吐出処理に使用していない時に洗浄することができる。
【0201】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、第2ガスノズル群150は、第1ガスノズル群140に対して上下方向に並んで配置される。これにより、各ガスノズルが並んで配置される方向において、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とで不活性ガスの吐出位置を揃えることができる。
【0202】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、第2ガスノズル群150に形成される複数の吐出口Hは、第1ガスノズル群140に形成される複数の吐出口Hと平面視で同じ位置に配置される。これにより、各ガスノズルの延伸方向において、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とで不活性ガスの吐出位置を揃えることができる。
【0203】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、第2ガスノズル群150に含まれるガスノズル150-1~150-6は、第1ガスノズル群140に含まれるガスノズル140-1~140-6と略等しい配管径を有する。これにより、第1ガスノズル群140と第2ガスノズル群150とを切り替えた場合でも、略等しい流量の不活性ガスを吐出することができる。
【0204】
<基板処理の詳細>
つづいて、図17図22を参照しながら、実施形態および各種変形例に係る基板処理システム1が実行する基板処理の詳細について説明する。図17は、実施形態に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0205】
最初に、制御部7は、複数のウェハWを処理槽111に搬入する(ステップS101)。そして、制御部7は、第1ガスノズル群140から不活性ガスを吐出する(ステップS102)。
【0206】
次に、制御部7は、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS103)。そして、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS103,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS104)。
【0207】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS104,Yes)、制御部7は、不活性ガスの吐出を停止して(ステップS105)、複数のウェハWを処理槽111から搬出し(ステップS106)、一連の基板処理を終了する。
【0208】
一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS104,No)、制御部7は、ステップS103の処理に戻る。
【0209】
また、ステップS103の処理において、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS103,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS107)。かかるノズル切替処理とは、第1ガスノズル群140から第2ガスノズル群150に吐出ノズルを切り替える処理であり、詳細については後述する。
【0210】
かかるノズル切替処理につづいて、制御部7は、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS108)。そして、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS108,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS109)。
【0211】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS109,Yes)、制御部7は、ステップS105の処理に移行する。一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS109,No)、制御部7は、ステップS108の処理に戻る。
【0212】
また、ステップS108の処理において、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS108,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS110)、ステップS103の処理に移行する。
【0213】
図18は、実施形態に係るノズル切替処理の処理手順を示すフローチャートである。かかるノズル切替処理において、最初に、制御部7は、不活性ガスを吐出してきた一方のガスノズル群からの不活性ガスの吐出を停止する(ステップS121)。
【0214】
次に、制御部7は、他方のガスノズル群から不活性ガスを吐出する(ステップS122)。そして、制御部7は、一方のガスノズル群の内部にエッチング液Lを引き込むことにより、かかる一方のガスノズル群を洗浄し(ステップS123)、一連のノズル切替処理を終了する。
【0215】
図19は、実施形態の変形例5に係るノズル切替処理の処理手順を示すフローチャートである。変形例5のノズル切替処理において、最初に、制御部7は、不活性ガスを吐出してきた一方のガスノズル群からの不活性ガスの吐出を停止する(ステップS131)。
【0216】
また、かかるステップS131の処理と並行して、制御部7は、他方のガスノズル群から不活性ガスを吐出する(ステップS132)。そして、制御部7は、一方のガスノズル群の内部にエッチング液Lを引き込むことにより、かかる一方のガスノズル群を洗浄し(ステップS133)、一連のノズル切替処理を終了する。
【0217】
図20は、実施形態の変形例6に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。最初に、制御部7は、複数のウェハWを処理槽111に搬入する(ステップS201)。そして、制御部7は、第1ガスノズル群140から不活性ガスを吐出する(ステップS202)。
【0218】
次に、制御部7は、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第2の閾値X2以上であるか否かを判定する(ステップS203)。そして、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第2の閾値X2以上でない場合(ステップS203,No)、制御部7は、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS204)。
【0219】
そして、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS204,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS205)。
【0220】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS205,Yes)、制御部7は、不活性ガスの吐出を停止して(ステップS206)、複数のウェハWを処理槽111から搬出し(ステップS207)、一連の基板処理を終了する。
【0221】
一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS205,No)、制御部7は、ステップS203の処理に戻る。
【0222】
また、ステップS203の処理において、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第2の閾値X2以上である場合(ステップS203,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS208)。
【0223】
また、ステップS204の処理において、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS204,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS208)。
【0224】
かかるノズル切替処理につづいて、制御部7は、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第2の閾値X2以上であるか否かを判定する(ステップS209)。そして、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第2の閾値X2以上でない場合(ステップS209,No)、制御部7は、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS210)。
【0225】
そして、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS210,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS211)。
【0226】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS211,Yes)、制御部7は、ステップS206の処理に移行する。一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS211,No)、制御部7は、ステップS209の処理に戻る。
【0227】
また、ステップS209の処理において、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第2の閾値X2以上である場合(ステップS209,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS212)、ステップS203の処理に移行する。
【0228】
また、ステップS210の処理において、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS210,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS212)、ステップS203の処理に移行する。
【0229】
図21は、実施形態の変形例7に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。最初に、制御部7は、複数のウェハWを処理槽111に搬入する(ステップS301)。そして、制御部7は、第1ガスノズル群140から不活性ガスを吐出する(ステップS302)。
【0230】
次に、制御部7は、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS303,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS304)。
【0231】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS304,Yes)、制御部7は、不活性ガスの吐出を停止して(ステップS305)、複数のウェハWを処理槽111から搬出し(ステップS306)、一連の基板処理を終了する。
【0232】
一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS304,No)、制御部7は、ステップS303の処理に戻る。
【0233】
また、ステップS303の処理において、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS303,Yes)、制御部7は、第1ガスノズル群140が吐出開始直後であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0234】
かかるステップS307の処理において、制御部7は、第1ガスノズル群140が不活性ガスの吐出を開始してから所与の閾値(たとえば、120秒)が経過していないか否かを判定する。
【0235】
そして、第1ガスノズル群140が吐出開始直後である場合(ステップS307,Yes)、制御部7は、ステップS303の処理に戻る。一方で、第1ガスノズル群140が吐出開始直後でない場合(ステップS307,No)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS308)。
【0236】
次に、制御部7は、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS309)。そして、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS309,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS310)。
【0237】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS310,Yes)、制御部7は、ステップS305の処理に移行する。一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS310,No)、制御部7は、ステップS309の処理に戻る。
【0238】
また、ステップS309の処理において、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS309,Yes)、制御部7は、第2ガスノズル群150が吐出開始直後であるか否かを判定する(ステップS311)。
【0239】
かかるステップS311の処理において、制御部7は、第2ガスノズル群150が不活性ガスの吐出を開始してから所与の閾値(たとえば、120秒)が経過していないか否かを判定する。
【0240】
そして、第2ガスノズル群150が吐出開始直後である場合(ステップS311,Yes)、制御部7は、ステップS309の処理に戻る。一方で、第2ガスノズル群150が吐出開始直後でない場合(ステップS311,No)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS312)、ステップS303の処理に移行する。
【0241】
図22は、実施形態の変形例8に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。最初に、制御部7は、複数のウェハWを処理槽111に搬入する(ステップS401)。そして、制御部7は、第1ガスノズル群140から不活性ガスを吐出する(ステップS402)。
【0242】
次に、制御部7は、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS403)。そして、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS403,No)、制御部7は、第1ガスノズル群140で所与の吐出時間が経過しているか否かを判定する(ステップS404)。
【0243】
かかるステップS404の処理において、制御部7は、第1ガスノズル群140が不活性ガスの吐出を開始してから所与の閾時間(たとえば、3600秒)が経過しているか否かを判定する。
【0244】
そして、第1ガスノズル群140で所与の吐出時間が経過していない場合(ステップS404,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS405)。
【0245】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS405,Yes)、制御部7は、不活性ガスの吐出を停止して(ステップS406)、複数のウェハWを処理槽111から搬出し(ステップS407)、一連の基板処理を終了する。
【0246】
一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS405,No)、制御部7は、ステップS403の処理に戻る。
【0247】
また、ステップS403の処理において、第1ガスノズル群140へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS403,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS408)。
【0248】
また、ステップS404の処理において、第1ガスノズル群140で所与の吐出時間が経過している場合(ステップS404,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施する(ステップS408)。
【0249】
かかるノズル切替処理につづいて、制御部7は、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上であるか否かを判定する(ステップS409)。そして、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上でない場合(ステップS409,No)、制御部7は、第2ガスノズル群150で所与の吐出時間が経過しているか否かを判定する(ステップS410)。
【0250】
かかるステップS410の処理において、制御部7は、第2ガスノズル群150が不活性ガスの吐出を開始してから所与の閾時間(たとえば、3600秒)が経過しているか否かを判定する。
【0251】
そして、第2ガスノズル群150で所与の吐出時間が経過していない場合(ステップS410,No)、制御部7は、複数のウェハWのエッチング処理を開始してから所与の処理時間が経過しているか否かを判定する(ステップS411)。
【0252】
そして、所与の処理時間が経過している場合(ステップS411,Yes)、制御部7は、ステップS406の処理に移行する。一方で、所与の処理時間が経過していない場合(ステップS411,No)、制御部7は、ステップS409の処理に戻る。
【0253】
また、ステップS409の処理において、第2ガスノズル群150へのガス供給圧が第1の閾値X1以上である場合(ステップS409,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS412)、ステップS403の処理に移行する。
【0254】
また、ステップS410の処理において、第2ガスノズル群150で所与の吐出時間が経過している場合(ステップS410,Yes)、制御部7は、ノズル切替処理を実施し(ステップS412)、ステップS403の処理に移行する。
【0255】
実施形態に係る基板処理方法は、上述の基板処理装置(基板処理システム1)において、ガスを吐出する工程(ステップS102、S202、S302、S402)と、ガスの吐出を切り替える工程(ステップS107、S208、S308、S408)とを含む。ガスを吐出する工程は、複数の基板(ウェハW)が処理液(エッチング液L)に浸漬されて処理されている際に、第1ガスノズル群140および第2ガスノズル群150のうち一方のガスノズル群から処理液(エッチング液L)にガスを吐出する。ガスの吐出を切り替える工程は、所与の切替条件を検出した場合に、一方のガスノズル群からのガスノズル群にガスの吐出を切り替える。これにより、処理槽111に貯留されるエッチング液Lの内部に不活性ガスを安定して吐出することができる。
【0256】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、ウェハW上に形成されるポリシリコン膜をSC-1でエッチング処理した場合について示したが、ウェハWに施される液処理はかかる例に限られない。
【0257】
たとえば、ウェハW上に形成されるアルミニウム膜などを混酸処理液(リン酸、酢酸および硝酸の混合酸など)でエッチング処理する場合などに本開示の技術を適用してもよい。また、ウェハW上に形成されるシード層などをSPM(硫酸と過酸化水素の混合液)で除去処理する場合などに本開示の技術を適用してもよい。
【0258】
これらのように、ウェハWを液処理する場合に、ガス吐出部のガスノズルに詰まりが生じる恐れがある液処理に対して、本開示の技術を適用することができる。
【0259】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0260】
1 基板処理システム(基板処理装置の一例)
7 制御部
61 エッチング処理槽
111 処理槽
130 ガス吐出部
140 第1ガスノズル群
140-1~140-6 ガスノズル
150 第2ガスノズル群
150-1~150-6 ガスノズル
X1 第1の閾値
X2 第2の閾値
W ウェハ(基板の一例)
L エッチング液(処理液の一例)
H 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22