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特許7535941土壌の水浸潤性の改良及び/又は土壌の撥水性の調節のための土壌添加剤の指示
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  • 特許-土壌の水浸潤性の改良及び/又は土壌の撥水性の調節のための土壌添加剤の指示 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-08
(45)【発行日】2024-08-19
(54)【発明の名称】土壌の水浸潤性の改良及び/又は土壌の撥水性の調節のための土壌添加剤の指示
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/24 20060101AFI20240809BHJP
   C09K 17/14 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G01N33/24 E
C09K17/14 H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020524412
(86)(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2018080202
(87)【国際公開番号】W WO2019086678
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】17200207.3
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メインワリング,デヴィッド エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ムルガラジ,パンディヤン
(72)【発明者】
【氏名】デヴィース,ローハン
(72)【発明者】
【氏名】デーシュナー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセマイアー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,ハオ
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】加々美 一恵
【審判官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-343303(JP,A)
【文献】特表2005-536572(JP,A)
【文献】特開2007-198027(JP,A)
【文献】塩沢昌、土の中の物質移動(その2)-土の中の水の浸潤と貯留-、農土誌、第56巻台8号、1988年、p791-797
【文献】Dallas L. Peck、A Field Method for Measurement of Infiltration、GEOLOGICAL SURVEY WATER-SUPPLY PAPER 1544-F、1963
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N33/24
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備するステップ(S1)、
- 少なくとも1つの土壌試料を調製処理するステップ(S2)、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するステップ(S3)、
- 浸潤前線を時間と共に記録することにより、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水浸潤速度を決定するステップ(S4、S5)、及び
- 少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップ(S6)
を含む、方法
【請求項2】
調製処理するステップ(S2)が、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかけること、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
方法のステップのうちの少なくとも1つを、ハイスループットスクリーニングによって行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
一連の土壌試料の複数のカラムのうちの少なくとも1つのカラムを充填することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水浸潤速度を決定するステップ(S4、S5)が、
- 視覚による試料検査により浸潤前線を時間と共に記録すること、及び/又は
- 浸潤計を使用すること、及び/又は
- 透水計を使用すること
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップ(S6)が、
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の種類を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の濃度を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の量を指示すること
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの土壌条件を規定するステップを更に含み、使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示すること(S6)が、規定された少なくとも1つの土壌条件に更に基づく、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(S6)で指示される少なくとも1種の土壌添加剤が、界面活性剤、又は表面活性物質から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置(100)であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備するように構成された試料準備手段(101)、
- 少なくとも1つの土壌試料の調製処理を行うように構成された試料調製手段(102)、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するように構成された水供給手段(103)、
- 浸潤前線を時間と共に記録することにより、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水浸潤速度を決定するように構成された水浸潤速度決定手段(104、105)、及び
- 少なくとも1つの土壌の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するように構成された指示手段(106)
を含む、装置(100)。
【請求項10】
ハンドヘルド型装置である、請求項9に記載の装置(100)。
【請求項11】
ハイスループットスクリーニングを行うように構成されている、請求項9又は10に記載の装置(100)。
【請求項12】
試料調製手段(102)が、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかける、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料の空気乾燥を行う
ように構成されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載の装置(100)の、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節する少なくとも1種の土壌添加剤を指示するための使用。
【請求項14】
界面活性剤、又は表面活性物質から選択される少なくとも1種の土壌添加剤を指示するための、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法、対応する装置、並びに対応する装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
不十分な土壌の水浸潤性は農業生産の多くの分野に影響を及ぼす重大な問題である。土壌の水浸潤性は地面の水が土壌に入っていく過程を説明する。土壌の撥水性は土壌の疎水性又は撥水挙動に関する土壌の物理的特性を説明し、この特性は土壌断面中への水の浸潤を防ぎ、即ち、土壌は水滴が表面に付いたとき自発的に濡れることはない。効率的な農業利用のためには土壌は疎水性すぎる。
【0003】
特許文献1は、土壌分析に基づいて農業システムを制御するシステム及び方法を記載している。そこに記載されている農業システムは、その農業システムの進む方向に対して地面係合具の前方に配置された農業用土壌分析装置を含む。そこに記載されている農業用土壌分析装置は進む方向に対して土壌コンディショナーの前方の土壌のパラメーターを示す第1の信号を出力するように構成されている。そこに記載されている農業システムはまた、農業用土壌分析装置と通信可能に連結した制御装置も含む。
【0004】
特許文献2は、土壌の撥水性を低下させる方法及び組成物を記載している。そこに記載されている方法は土壌上でロボットプラットフォームを移動させることによりロボットプラットフォーム上で土壌プローブを使用して土壌試料を採取することを含む。そこに記載されている手法では更に、土壌試料が実験室においてロボットプラットフォーム上で分析され、土壌分析からデータが生成する。生成したデータはロボット車両を用いて遠隔地に送られる。
【0005】
特許文献3は、土壌試料採取組立品を記載している。そこに記載されている土壌試料採取器組立品はユーティリティービークル及びこのユーティリティービークルに結合した土壌試料採取器モジュールを含む。そこに記載されているユーティリティービークルは運転室(cab)を含んでおり、土壌試料採取器モジュールは土壌試料を運転室に置くように構成されている。例えば、そこに記載されている土壌試料採取器組立品は土壌試料を運転室に運ぶように構成されているコンベヤーシステムを含む。コンベヤーシステムは中央コンベヤー及びこの中央コンベヤーに供給する側部コンベヤーを含む。中央コンベヤーは移動軌道上にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2017/0064900号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1329148号明細書
【文献】米国特許第9,534,464号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、改良された土壌の水浸潤性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記及び他の目的は本発明の主題により解決される。
【0009】
本発明の第1の態様に従って、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備し、
- 少なくとも1つの土壌試料を調製処理し、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給し、
- 少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定し、
- 決定された水の吸収量及び水飽和の程度に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算し、
- 少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示する
ステップを含む、方法が提供される。
【0010】
本発明は、例えば、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節する(例えば低減する)複数の利用可能な界面活性剤の決定から選択される土壌添加剤の適当な選択に関する指示及び推奨を提供する。
【0011】
本発明の1つの実施形態によると、調製処理するステップは、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかけること、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥すること
を含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、方法の少なくとも1つのステップはハイスループットスクリーニングにより行われる。
【0013】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するステップは、
- 視覚による試料検査により浸潤前線を時間と共に記録すること、及び/又は
- 浸潤計を使用すること、及び/又は
- 透水計を使用すること
を含む。
【0014】
本発明のもう1つ別の実施形態によると、決定された水の吸収量に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するステップは、
- 水浸潤時間を計算すること、及び/又は
- 水保持容量を計算すること
を含む。
【0015】
本発明の更に別の実施形態によると、少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップは、
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の種類を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の濃度を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の量を指示すること
を含む。
【0016】
本発明の更なる実施形態によると、方法は、少なくとも1つの土壌条件を規定するステップを更に含み、使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示することが、その規定された少なくとも1つの土壌条件に更に基づく。
【0017】
言い換えると、土壌条件(例えば土壌の水分)は天気予報に関係し得る。加えて、未来の期日又は未来の時点の土壌条件は未来の期日又は未来の時点に関する天気予報に相関し得る。
【0018】
本発明の更なる実施形態によると、本診断デバイス及びプロトコル又は方法は、様々な土壌の水浸潤における界面活性剤の使用の利益及び、乾燥播種の特徴として土壌が乾燥している(標準的な程度に乾燥されている)場合、特定の土壌に対する最適な界面活性剤の種類を決定する。
【0019】
本発明の更なる実施形態によると、デバイス及びプロトコルは水浸潤性と初期土壌水分レベルとの関連を規定するために相関関係を築き上げるように構成されている。
【0020】
これにより、
(a)より湿った土壌条件で播種する場合の界面活性剤の使用量の値及び最良の界面活性剤、並びに
(b)天気予報により発表された予測された季節的降雨の下での界面活性剤の影響
に関する判定をなすことが可能になる。即ち、播種時期及び将来の生育期の両方の予測される天気気候及び土壌条件下で界面活性剤の使用量を評価することができる。よって、本発明は、予後の成果に関して、単なる診断手法のみにではなく、土壌パラメーターの制御にも提供する。
【0021】
言い換えると、土壌中の水分を、土壌の水浸潤性及び/又は土壌の撥水性の界面条件及び飽和度を説明する関数のパラメーターとして制御し得る。
【0022】
本発明の1つの実施形態によると、土壌界面活性剤を指示するステップで指示される少なくとも1種の土壌添加剤は、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びC6-C20-アルキルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性界面活性剤から選択される。
【0023】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1種の土壌添加剤は、例えば、界面活性剤、界面活性剤の混合物、又は界面活性剤と界面活性剤であり得るハイドロトロープ剤との混合物を含み得る。
【0024】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1種の土壌添加剤は、例えば、界面活性剤及び/又は界面活性剤の組合せを含み得る。
【0025】
本発明の第2の態様に従って、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備するように構成された試料準備手段、
- 少なくとも1つの土壌試料の調製処理を行うように構成された試料調製手段、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するように構成された水供給手段、
- 少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するように構成された水量決定手段、
- 決定された水の吸収量及び水飽和の程度に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するように構成された浸潤速度計算手段、
- 少なくとも1つの土壌の計算された浸潤速度に基づいて使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を複数の土壌添加剤のリストから指示するように構成された指示手段
を含む、装置が提供される。
【0026】
本発明の更なる実施形態によると、装置はハンドヘルド型装置である。
【0027】
本発明の更なる実施形態によると、装置はハイスループットスクリーニングを行うように構成されている。
【0028】
本発明の更なる実施形態によると、試料調製手段は、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかける、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料の空気乾燥を行う
ように構成されている。
【0029】
本発明の第3の態様に従って、本発明の第2の態様のいずれかの実装形態による装置の、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節する(好ましくは低減する)少なくとも1種の土壌添加剤を指示するための使用が提供される。
【0030】
本発明の更なる実施形態によると、使用は、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー及びアルキルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の土壌添加剤を指示するためのものである。
【0031】
本発明の方法を実行するコンピュータープログラムはコンピューター可読媒体に記憶され得る。コンピューター可読媒体はフロッピーディスク、ハードディスク、CD、DVD、USB(Universal Serial Bus)記憶装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)であり得る。
【0032】
コンピューター可読媒体はまた、プログラムコードをダウンロードすることが可能なデータ通信ネットワーク、例えばインターネットであってもよい。
【0033】
本明細書に記載されている方法、システム及び装置は、デジタル信号プロセッサー、DSP、マイクロコントローラー若しくは他のあらゆるサイドプロセッサーのソフトウェアとして、又は特定用途向け集積回路、ASIC、CPLD若しくはFPGA内のハードウェア回路として実装し得る。
【0034】
本発明は、デジタル電子回路で、又はコンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組合せで、例えば伝統的なモバイル装置の利用可能なハードウェアで、又は本明細書に記載されている方法を処理するための新しいハードウェアで実装することができる。
【0035】
本発明のより完全な認識及びその付随する利点は、縮尺通りではない以下の概略図を参照することでより明白に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法の概略フローチャート図である。
図2】本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置の概略図である。
図3】本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示するトラクターに搭載された装置の概略図である。
図4】本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する実験室ベースの装置の概略図である。
図5】本発明の代表的な実施形態による浸潤の前及び浸潤中のカラムの画像である。
図6】本発明の更なる代表的な実施形態に従って14の土壌について同時に行った診断試験から得られた例の画像である。
図7】本発明の更なる代表的な実施形態による、記録中のビデオ画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、同時のグラフィックデータと共に示す図である。
図8】本発明の更なる代表的な実施形態による、記録中のビデオ画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、同時のグラフィックデータと共に示す図である。
図9】本発明の更なる代表的な実施形態による診断試験プロセスのレイアウトの概略図である。
図10】本発明の更なる代表的な実施形態によるデバイス構成要素の概略図である。
図11】本発明の更なる代表的な実施形態によるデバイス構成要素の概略図である。
図12】本発明の更なる代表的な実施形態による土壌粒径分布データの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面中の図示内容は概略であり、縮尺通りではない。異なる図面で、類似又は同じ要素に同じ符号が付されている。一般に、図中同じ部分、構成単位、物体又はステップは同じ符号が付けられている。
【0038】
土壌の水浸潤性の改良は土壌の水吸収能力を低下又は上昇させることを含み得る。更に、土壌中に現在存在するか又は予測によって土壌中に存在するであろう吸収された水の量を減少又は増大させることも含み得る。
【0039】
言い換えると、本発明は、有利なことに、土壌内の水の、例えば土壌表面から土壌内部への、又は例えば地下水から土壌のより高い層への移動又は流れの制御を提供する。それ故に、本発明は、有利なことに、土壌内の水の浸潤及び/又は再分布の調節及び調整を提供する。
【0040】
例えば、天気予報で、来る3又は4日に多い、例えば100mmの雨量が発表された場合、その地に基本的な乾燥した土壌条件を好む植物が生えていれば土壌の水吸収能力の低下が必要とされ得る。特に、土壌の低下した水吸収能力は降雨後土壌のより速い乾燥を提供するであろう。
【0041】
代表的な実施形態によると、本発明は、有利なことに、一定の深さの土壌断面への水の分布を制御するのに使用できる。
【0042】
図1は、本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節する(好ましくは低減する)ための土壌添加剤を指示する方法の概略フローチャート図を示す。
【0043】
土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法は少なくとも以下のステップを含み得る。
【0044】
方法の第1のステップとして、少なくとも1つの土壌試料の準備S1を行い得る。
【0045】
少なくとも1つの土壌試料の準備は、例えば、土壌から土壌試料を切り取ることによって達成できる。少なくとも1つの土壌試料の切り取りは円形又は長方形又は楕円形の形状でよい。
【0046】
方法の第2のステップとして、少なくとも1つの土壌試料の調製処理S2を行い得る。
【0047】
調製処理S2は少なくとも1つの土壌試料を篩にかけることを含み得る。篩にかけるのは機械による篩い分けにより行い得る。
【0048】
代表的な実施形態によると、調製処理するステップS2は、少なくとも1つの土壌試料を篩にかけること、及び/又は少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥することを含む。篩い分けは、例えば小石及び岩石を除去するために行ってもよいし、更に、篩い分けは土壌団粒を砕くために行ってもよい。
【0049】
代表的な実施形態によると、篩い分けには様々なメッシュのいろいろな篩を使用できる。例えば、メッシュサイズ0.1mm~2mm、好ましくは0.1mm~1.5mm、より好ましくは0.2mm~1mm、最も好ましくは0.3mm~0.75mmを使用できる。
【0050】
代表的な実施形態によると、篩い分けには0.1mm~2mmの範囲の様々なメッシュサイズのいろいろな篩を使用できる。より大きいサイズのカラムは5mmまでのサイズでもよい。
【0051】
場合により、自然のままの、篩にかけてない土壌を検査してもよい。
【0052】
代表的な実施形態によると、多孔板篩又は金網篩を使用してもよい。篩い分けは自動篩い分け装置によって行ってもよい。
【0053】
代表的な実施形態によると、調製処理するステップS2は、織物篩を用いて5mmまで、又は好ましくは2mmまで、又は最も好ましくは1mmまでの最大粒径まで篩にかけることを含む。
【0054】
代表的な実施形態によると、調製処理するステップS2は少なくとも1つの土壌試料をカラム充填することを含む。
【0055】
更に、調製処理S2は少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥することを含み得る。
【0056】
代表的な実施形態によると、少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥するステップは、50℃まで、又は好ましくは45℃まで、又はより好ましくは40℃まで、又は最も好ましくは35℃までの温度で、通気式又は非通気式オーブン内で12時間まで、又は好ましくは24時間まで、又はより好ましくは36時間まで、又は最も好ましくは72時間までの間行い得る。
【0057】
方法の第3のステップとして、少なくとも1つの所定量の水の少なくとも1つの土壌試料への供給S3を行い得る。
【0058】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1つの所定量の水の供給S3は単一量の水を供給することによって行い得る。
【0059】
例えば1ml又は2ml又は10ml又は50mlの水を一定の試料サイズの少なくとも1つの土壌試料に対して供給できる。
【0060】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1つの所定量の水の供給S3は、複数量の水を定期的に供給することによって行い得る。
【0061】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1つの所定量の水の供給S3は、一定の又は一定でない流れの水、例えば1ml/分又は2ml/分又は10ml/分又は50ml/分の水の流れを連続的に供給することによって行い得る。
【0062】
方法の第4のステップとして、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量の決定S4を行い得る。
【0063】
本発明の1つの実施形態によると、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するステップS4は、
- 視覚による試料検査により浸潤前線を時間と共に記録すること、及び/又は
- 浸潤計を使用すること、及び/又は
- 透水計を使用すること
を含む。
【0064】
用語「浸潤計」は、本発明により使用されるとき、土壌その他の多孔性の媒体中への水浸潤の速度を測定するのに使用される装置を指す。浸潤計は例えば単一リング浸潤計でよい。
【0065】
用語「透水計」は、本発明により使用されるとき、その場の飽和及び不飽和土壌水理特性により特徴付けられる土壌の水浸潤性を測定するのに使用される装置を指す。この装置は、主に、飽和に近い土壌の透水係数の推定値を提供するのに使用される。
【0066】
用語「透水計」及び「透水係数」は、本発明により使用されるとき、飽和条件下での土壌中の水力輸送に関し、よって問題は土壌が飽和しているときの輸送に対する界面活性剤添加の可能な影響である。そのような土壌では空気-水界面がなく、よってメニスカスにおける界面張力を低下させる界面活性剤により高められるべき毛細管吸引力がない。
【0067】
用語「土壌添加剤」は、本発明により使用されるとき、限定されることはないが、非イオン性界面活性剤、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びC6-C20-アルキルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性界面活性剤、又は更にはタンパク質若しくはその他の天然物質を含めて、土壌の水浸潤性又は土壌の撥水性を変更するあらゆる表面活性物質を指し得る。用語「土壌添加剤」は、本発明により使用されるとき、液体と固体との間、例えば土に浸透する液体と土との間の表面張力又は界面張力を変更する添加剤を指し得る。
【0068】
用語「表面活性物質」は、本発明により使用されるとき、土に浸透する液体と土との間の表面張力、例えば次の値を変更する物質を指し得る。
【0069】
DIN 53914に従って測定したとき、水中1g/Lの濃度、23℃で好ましくは25~55mN/m、より好ましくは30~50mN/m、より好ましくは33~47mN/m、特に36~43mN/mの表面張力。
【0070】
例えば、表面活性物質を使用することによる土に浸透する液体と土との相互作用はEN 1772(2g/Lソーダ灰を含む蒸留水1L中1g、23℃)に従って測定して好ましくは>50sec、より好ましくは>100sec、最も好ましくは>150sec、特に好ましくは>200sec、特に>250secの湿潤力により定義できる。
【0071】
例えば、表面活性物質はEN 12728(40℃、1.8mmolのCa2+イオン/lを有する水中2g/l、30sec後)に従って測定して好ましくは<100ml、より好ましくは<50ml、最も好ましくは<20ml、特に<10mlの発泡を有し得る。
【0072】
用語「土壌の水浸潤性を改良する」並びに「土壌の撥水性を調節する」は、本発明により使用されるとき、次のように理解され得る。
【0073】
略語wt.-%は「重量パーセント」を表す。
【0074】
土壌の水浸潤性の改良とは、少なくとも1種の土壌添加剤が施用されていない場合に測定される土壌の水浸潤性が、土壌添加剤が施用された場合に測定される土壌の水浸潤性より低い(好ましくは4%低い、最も好ましくは7%低い、特に10%低い、特に好ましくは15%低い、特に最も好ましくは20%低い、例えば25%低い)ことを意味する。
【0075】
土壌の撥水性の調節とは、少なくとも1種の土壌添加剤が施用されていない場合に測定される土壌の撥水性が、少なくとも1種の土壌添加剤が施用された場合に測定される土壌の撥水性から変更され、例えば、それより高いか又は低い(好ましくは4%高いか又は低い、最も好ましくは7%高いか又は低い、特に10%高いか又は低い、特に好ましくは15%高いか又は低い、特に最も好ましくは20%高いか又は低い、例えば25%高いか又は低い)ことを意味する。
【0076】
用語「使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤」は、本発明により使用されるとき、少なくとも1種の土壌添加剤が土壌添加剤として使用され、例えば地面で処理されることを規定し、例えば、限定されることはないが、グラウンドカバーを適用する、殊に土壌の領域の表面に適用する、噴霧する、灌漑と一緒に滴下する、インファロー灌漑として適用する、灌漑又は施肥灌漑の間又はそれと共に適用することが含まれる。「処理する」には、限定されることはないが、土壌中に混合する、ポッティングミックスに、例えばその製造中に混合することが含まれる。
【0077】
用語「グラウンドカバー」には、本発明により使用されるとき、限定されることはないが、土壌、自然土壌、培養土、砂、シルト、粘土、土壌を覆い保護するために使用される芝草及びその他の植物並びに植生形態、並びにそのようなグラウンドカバーの内部に形成し又は一部として形成する有機物質の複合材、例えばわら及びマット層が含まれ、またポッティングミックスも含まれる。
【0078】
好ましくは、グラウンドカバーは土壌であり、より好ましくは、グラウンドカバーは撥水性の土壌である。別の好ましい実施形態において、グラウンドカバーはポッティングミックスである。培養土ともいわれるポッティングミックスは、植物を生育させるのに使用される成分の土壌を用いないブレンドであり、好ましくは、ポッティングミックスはピートモス、バーミキュライト、コイア繊維、パーライト、松樹皮、砂、堆肥、及び更なる成分の組合せを含む。
【0079】
本発明はまた、土壌粒子上への界面活性剤の吸着の強度に応じて、幾らかの界面活性剤が可溶性のままであり得るか又は水の浸入で再可溶化し得ることも提供し得る。これは床におけるより低い前進する浸潤前線での界面張力の低下をもたらし、この制約の低減は浸潤速度を高めるであろう。
【0080】
本発明はまた、前進する浸潤前線の界面張力の制御も可能にする。
【0081】
方法の第5のステップとして、決定された水の吸収量に基づいた少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度の計算S5を行い得る。
【0082】
方法の第6のステップとして、少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいた複数の土壌添加剤のリストからの使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の指示S6を行い得る。
【0083】
代表的な実施形態によると、使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップS6はマンマシンインターフェース又はグラフィカルインターフェースユニットに基づいてディスプレイを使用して行い得る。
【0084】
代表的な実施形態によると、使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を表示し、指示する(S6)ために使用されるディスプレイはハンドヘルド型デバイス上に設置してもよいし、又はトラクターの操縦室に設置されたトラクターに搭載されたディスプレイユニットであってもよい。
【0085】
図2は、本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置の概略図を示す。
【0086】
図2は、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置100を示す。
【0087】
装置100は、例えば、実験室ベースの分析ユニットと共にハンドヘルド型現場設置型ユニットを含む分散コンピューター環境に関して一又は複数のデバイスに統合され得る。これらのユニットはデータ転送接続により結合され得る。
【0088】
装置100は、試料準備手段101、試料調製手段102、水供給手段103、水量決定手段104、並びに浸潤速度計算手段105、及び指示手段106を含む。
【0089】
試料準備手段101は、少なくとも1つの土壌試料を準備するように構成されている。
【0090】
試料調製手段102は、少なくとも1つの土壌試料の調製処理を行うように構成されている。
【0091】
水供給手段103は、少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するように構成されている。
【0092】
水量決定手段104は、少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するように構成されている。
【0093】
浸潤速度計算手段105は、決定された水の吸収量に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するように構成されている。
【0094】
指示手段106は、少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するように構成されている。
【0095】
計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示することは、例えば、例えば他の土壌試料と比較した場合の決定された水の吸収量及び/又は計算された浸潤速度の相対評価に関して実施できる。
【0096】
図3は、本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示するトラクターに搭載された装置の概略図を示す。
【0097】
代表的な実施形態によると、装置はトラクター200のシャーシに搭載することができ、やはりトラクター200に連結されるロボットアームを使用することにより土壌試料を提供するように構成され得る。
【0098】
代表的な実施形態によると、装置はトラクターに搭載され得、手作業で土壌から土壌試料を切り取るユーザーから土壌試料を受領するように構成され得る。
【0099】
図4は、本発明の代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置の実験室ベースの部分の概略図を示す。
【0100】
装置の実験室ベースの部分は、例えば試料調製手段102、水供給手段103及び水量決定手段104を含み得る。
【0101】
水量決定手段104は、2次元プレート、例えば一列の土壌試料を分析するように構成され得る。
【0102】
土壌試料は、例えば、直径サイズが0.5cm~10cm、好ましくは直径サイズが1.0cm~5cm、より好ましくは直径サイズが1.5cm~3.5cmの土壌試料採取シリンダーでよい。
【0103】
土壌試料の直径サイズは、例えば土壌の代表径、例えば土壌の微細構造の典型的な構造サイズ、又は土壌のある種の凝集体のサイズに調節できる。
【0104】
土壌試料の直径サイズは、例えば2mmの典型的な粒径の10倍、例えば2cmであり得る。
【0105】
土壌試料採取シリンダーの高さは5cm~20cmの大きさ、好ましくは7.5cm~15cmの大きさ、より好ましくは8.0cm~11.5cmの大きさを有し得る。
【0106】
土壌添加剤を指示する装置は一体化し、サイズに関して調整、例えば小型化又は大型化してもよい。
【0107】
代表的な実施形態によると、装置は、例えば図1に示されているような土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法を行うハンドヘルド型装置又はポータブル装置であり得る。
【0108】
代表的な実施形態によると、装置はロボット工学、データ処理及び制御ソフトウェア、液体処理装置、及び高感度カメラを使用する実験室ベースのハイスループットスクリーニング装置300であり得、土壌の水浸潤性試験は、各々少なくとも1つの土壌試料が充填される複数のカラムを含むラック305を使用して自動的に行われる。
【0109】
図5は、本発明の代表的な実施形態による浸潤の前及び浸潤中のカラムの画像を示す。
【0110】
図5に示されている画像は少なくとも1つの土壌試料と所定量の水との接触に起因する浸潤前線の移動を描いている。水前線は、画像解析法、例えばイメージングに基づく自動検査及び解析を使用して決定できる。
【0111】
代表的な実施形態によると、装置はハンドヘルド型装置又はポータブル装置であり得る。
【0112】
本発明の範囲及び利益は、本発明の幾つかの実施形態を例示することが意図されている非限定的な以下の例に基づいてより良好に理解される。
【0113】
本発明の更なる代表的な実施形態による、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法を実行するコンピュータープログラム要素が提供され得る。
【0114】
従って、本発明の更なる代表的な実施形態によると、コンピュータープログラム要素は、本発明の実施形態の一部でもあり得るコンピューターユニットに格納され得る。この計算機は、上に記載された方法のステップを実行するか又は実行を誘導するように適合され得る。
【0115】
また、それは、上記装置の構成要素を動作させるように適合し得る。計算機は自動的に動作し、及び/又はユーザーの命令を実行するように適合させることができる。コンピュータープログラムはデータ処理装置の作業メモリーにロードしてもよい。このようにデータ処理装置は本発明の方法を行うように装備することができる。
【0116】
本発明のこの代表的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータープログラムと、アップデートにより現在のプログラムを本発明を使用するプログラムに変換するコンピュータープログラムとの両方をカバーする。
【0117】
更に、コンピュータープログラム要素は、上に記載した方法の代表的な実施形態の手順を実行するのに必要な全てのステップを提供することができる。
【0118】
図6は、本発明の更なる代表的な実施形態による、14の土壌について同時に行った診断試験から得た例示の画像を示す。
【0119】
図7は、本発明の更なる代表的な実施形態による、記録中のビデオ画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、同時のグラフィックデータと共に示す。
【0120】
図7は、例示の画像、即ち記録中のビデオ画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、(a)水浸潤の速度(流出水損失における界面活性剤の低下を示す)、(b)細孔充填(最初の降雨事象中の水保持容量及び選択流の程度即ちフィンガー流(fingering)による水損失を示す)の同時のグラフィックデータと共に示す。
【0121】
本発明の更なる代表的な実施形態による、土壌をチューブラック#2に入れ、光学浸潤計に挿入した。試料は、界面活性剤の存在下及び不在下での、14のオーストラリア産小麦が生育する広範な湿潤性(MED値)を有する土壌を表す。上の画像は浸潤の前の土壌試料を示し、下の画像は浸潤中の土壌試料を描写する。
【0122】
本発明の更なる代表的な実施形態による、記録中のビデオ画像のリアルタイムのスクリーン画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、(a)水浸潤の速度(流出水損失における界面活性剤の低下を示す)、(b)細孔充填(最初の降雨事象中の水保持容量及び選択流の程度即ちフィンガー流による水損失を示す)の同時のグラフィックデータと共に示す。
【0123】
図8は、本発明の更なる代表的な実施形態による、記録中のビデオ画像と、コンピューターによる可視化からのコンピューター処理した対応する画像とを、同時のグラフィックデータと共に示す。
【0124】
図9は、本発明の更なる代表的な実施形態による診断試験プロセスのレイアウトの概略図を示す。浸潤試験スキームは、例えば、従来の商用「土壌試験」実験室で操作される方法及び設備タイプにできるだけ合うように考案されている。土壌物質流路及びデータ入力スキームはグレイで(in grey)示されている。
【0125】
図10は、本発明の更なる代表的な実施形態によるデバイス構成要素の概略図を示す。
【0126】
図11は、本発明の更なる代表的な実施形態によるデバイス構成要素の概略図を示す。
【0127】
図12は、本発明の更なる代表的な実施形態による土壌粒径分布データの概略図を示す。
【0128】
本発明の更なる代表的な実施形態に従って、コンピューター可読媒体、例えばCD-ROMが提示され、このコンピューター可読媒体はそこに格納されたコンピュータープログラム要素を有しており、このコンピュータープログラム要素は先行するセクションに記載されている。
【0129】
コンピュータープログラムは、適切な媒体、例えば他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光記録媒体又は固体媒体に格納及び/又は配布され得るが、他の形態で、例えばインターネット又はその他の有線又は無線の電気通信システムを介して配布されてもよい。
【0130】
しかしながら、コンピュータープログラムはまた、World Wide Webのようなネットワーク上に提示されてもよく、そのようなネットワークからデータ処理装置の作業メモリーにダウンロードすることができる。
【0131】
本発明の更なる代表的な実施形態に従って、ダウンロードするのに利用可能なコンピュータープログラム要素を作成するための媒体が提供され、このコンピュータープログラム要素は本発明の既に記載された実施形態の1つによる方法を実行するように配置されている。
【0132】
本発明の実施形態がいろいろな主題に関連して記載されていることに留意されたい。特に、幾つかの実施形態は方法タイプの請求項に関連して記載されているが、他の実施形態は装置タイプの請求項に関連して記載されている。
【0133】
しかし、以上及び以下の記載から当業者には分かるように、他に断らない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関する特徴のいかなる組合せも本出願で開示されていると考えられる。しかしながら、特徴の単純な総和以上の相乗効果を提供する全ての特徴を組み合わせることができる。
【0134】
図面及び以上の説明で本発明を例示し、詳細に記載して来たが、そのような実例及び記載は例示又は代表であり、制限するものではないとみなすべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変化は当業者が理解し、達成することができ、特許請求の範囲に記載の本発明は図面、開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することで実施可能である。
【0135】
特許請求の範囲中、単語「comprising」は他の要素又はステップを排除することがなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除しない。単一のプロセッサー若しくはコントローラー又は他のユニットが特許請求の範囲に記載の幾つかの物の機能を果たすことがある。幾つかの手段が互いに異なる従属請求項に記載されていることは、これらの手段の組合せを有利に使用することができないということを意味するものではない。特許請求の範囲中の引用符号はいずれも本発明の範囲を限定すると解釈されない。
【実施例
【0136】
[実施例]
方法
【0137】
[実施例1]
土壌試料及び調製
1.土壌を40度通気式オーブンで2日乾燥する
2.磨砕なし、粉砕なし
3.織物篩を用いて-2mmまで篩い分けして可視植物、又は可視物質粒子を除去する
【0138】
カラム充填
1.カラム詳細 直径20mm、高さ110mm、疎水性内面、多孔性フィルター 底部に11ミクロンの親水性ナイロン膜
2.カラムを膜と共に秤量する
3.3つの連続する土壌アリコートを、添加の間に各々3回軽くたたいて充填する。最終高さ7~8cm(画像システムで自動的に決定)
4.秤量する(例えば、カラム当たりの土壌の重量を決定する)
5.最低3つの土壌カラムを、一貫した充填手順で連続して充填する
【0139】
土壌試料の湿潤特性
1.上で充填したカラムの1つの土壌床の上に20mmまで水を加える
2.同時に、浸潤画像、土壌内の浸潤前線、及び自由水レベル(メニスカスの中央)の低下を記録し始める。
3.浸潤速度と床の水保持の程度を計算する
【0140】
界面活性剤適用プロトコル
1.試験すべき界面活性剤の溶液を調製する。土壌試料当たり150μLで適用すべき濃度4g/L
2.土壌表面上均等に間隔をあけた複数の液滴による界面活性剤の適用
3.一定の重量に、例えば一定の重量に達するまで40℃超で乾燥する
4.上と同様に界面活性剤で修正された土壌での水浸潤性は同じデータ出力を与える(所要時間~10-15min)
5.修正された水浸潤速度及び床内水保持を計算する
【0141】
計算及び報告
1.界面活性剤で修正された水浸潤速度(例えば、土壌床内cm/sで測定される)及び界面活性剤で修正された水保持を土壌床内の距離(例えば、水で満たされた土壌容積の%で測定される)の関数として報告するためのプログラムへのデータ入力
2.データ出力を業界仕様に対して再構成し、土壌タイプ及び位置に対する一次データを格納する。
【0142】
上記手順の利用
- この手順は、例えば、多試料可視化/記録システムを利用する手順に変換できる実験室業務として使用することができる
- この例は土壌試験実験室において慣用のプロセスに変換できる。
【0143】
[実施例]
デバイス
【0144】
[実施例2]
表題「自動化多試料浸潤分析の使用、及び取り出し(Usage of automated multi-sample infiltration analysis, and take out)」
ラック数:10
自動化多試料浸潤分析
試料 :乾燥篩い分けした土壌
試料数 :3000
目標時間 :8週
【0145】
機器分析
土壌ごとの分析 :1対照+2処理
個々のチューブ数 :9000
ラック数 :10
ラック当たりの時間:0.5hr
合計時間 :450hr
作動時間 :15hr/日、5日/週、150ラック/週
必要とされる期間 :6週(1機器)
2つの機器 :~1月
【0146】
試料/溶液
機器内チューブへの水適用(試験開始時固定量)
チューブへの界面活性剤溶液の適用(機器前)
手作業の充填:1.5hr/ラック(~3×機器使用時間/ラック)
【0147】
[実施例3]
光学測定の試料データシート
1)
バーコード
2)
チューブラック識別コード 01
カラム識別コード 01-01
土壌カラム高さ 7.9cm
土壌カラム重量 35.25g
浸潤測定
3)
チューブラック#2識別コード A
カラム識別コード A-01
4)
データ
- チューブラック#2識別コード A
- カラム識別コード A-01
湿潤深さ{cm}対時間{s}{数値データ}
貯水深さ減少{cm}対時間{数値データ}
5)
データ解析
試料バーコード
湿潤深さ{cm}対時間{s}のプロット{数値データ}
水保持{%}対時間{s}のプロット{数値データ}
土壌疎水性の報告
土壌疎水性の報告
【0148】
[実施例4]
表題「土壌試料の取り扱いと界面活性剤の分析手順(Soil Sample Handling and Surfactant Analysis Procedure)」
実験用Swinburne光学浸潤計の使用に基づく
【0149】
A)土壌試料及び調製
1.土壌を40度通気式オーブンで2日乾燥する
2.磨砕なし、粉砕なし
3.織物篩を用いて2mmまで篩い分けして可視植物、物質等を除去する
【0150】
B)カラム充填
1.カラム詳細 直径およそ20mm、高さ110mm、疎水性内面、多孔性フィルター 底部に11ミクロンの親水性ナイロン膜
2.カラムを膜と共に秤量する
3.3つの連続する土壌アリコートを、添加の間に各々3回軽くたたいて充填する。最終高さ7~8cm(画像システムで自動的に決定)
4.秤量する(カラム当たりの土壌の重量を決定する)
5.最低3つの土壌カラムを一貫した充填手順で連続して充填する
【0151】
C)界面活性剤調製及び土壌への適用
1.試験すべき界面活性剤の溶液を調製する。土壌試料当たり150μLで適用すべき濃度4g/L
2.土壌試料(対照-土壌のみ、対の界面活性剤で修正した土壌)3チューブ
3.対のチューブのみに土壌表面上に細かなスプレーで界面活性剤を適用
4.対照に同じ容積の水を適用
5.40℃超で固定した時間乾燥する
【0152】
D)光学浸潤計における試料チューブの調製
1.充填した試料チューブをチューブ-ラックに装着する(対照-土壌のみ、対の界面活性剤で修正した土壌)
2.操作マニュアルに従って浸潤計を動作させる
【0153】
E)土壌及び界面活性剤で修正した土壌試料の湿潤特性
1.対照及び界面活性剤で修正したカラムに土壌床の上20mmまで水を加える(一定容積の液体ディスペンサー)
2.浸潤計ソフトウェアにより、同時に、浸潤画像、土壌内の浸潤前線、及び自由水レベル(メニスカスの中央)の低下を記録し始める。
3.浸潤計ソフトウェアにより、浸潤速度と床内水保持の程度を計算する
【0154】
F)計算及び報告
1.浸潤計プログラムへのデータ入力は、土壌床内距離(水で満たされた土壌容積%)の関数として界面活性剤で修正した水浸潤速度(土壌床内cm/sec)及び界面活性剤で修正した水の保持を報告する
2.データ出力を業界仕様に対して再構成し、土壌タイプ及び位置に対する一次データを格納する
【0155】
[実施例5]
A)土壌試料及び調製
1.土壌を40度通気式オーブンで2日乾燥する
2.磨砕なし、粉砕なし
3.織物篩を用いて-2mmまで篩い分けして可視植物物質等を除去する
【0156】
B)カラム充填
1.カラム詳細-20mm直径、高さ110mm、疎水性内面、多孔性フィルター 底部に11ミクロンの親水性ナイロン膜
2.カラムを膜と共に秤量する
3. 3つの連続する土壌アリコートを、添加の間に各々3回軽くたたいて充填する。最終高さ7~8cm(画像システムで自動的に決定)
4.秤量する(カラム当たりの土壌の重量を決定する)
5.最低3つの土壌カラムを一貫した充填手順で連続して充填する
【0157】
C)界面活性剤調製及び土壌への適用
1.試験すべき界面活性剤の溶液を調製する。土壌試料当たり150μLで適用すべき濃度4g/L
1.土壌試料(対照-土壌のみ、対の界面活性剤で修正した土壌)3チューブ
2.対のチューブのみ土壌表面上に細かなスプレーで界面活性剤を適用
3.対照に同じ容積の水を適用
4.40℃超で固定した時間乾燥する
光学浸潤計における試料チューブの調製
1.充填した試料チューブをチューブ-ラックに装着する(対照-土壌のみ、対の界面活性剤で修正した土壌)
2.操作マニュアルに従って浸潤計を動作させる
土壌及び界面活性剤で修正した土壌試料の湿潤特性
1.対照及び界面活性剤で修正したカラムに土壌床の上20mmまで水を加える(一定容積の液体ディスペンサー)
2.浸潤計ソフトウェアにより、同時に、浸潤画像、土壌内の浸潤前線、及び自由水レベル(メニスカスの中央)の低下を記録し始める。
3.浸潤計ソフトウェアにより、浸潤速度と床内水保持の程度を計算する
【0158】
D)計算及び報告
1.浸潤計プログラムへのデータ入力は、土壌床内距離(水で満たれた土壌容積%)の関数として界面活性剤で修正した水浸潤速度(土壌床内cm/sec)及び界面活性剤で修正した水の保持を報告する
2.データ出力を業界仕様に対して再構成し、土壌タイプ及び位置に対する一次データを格納する
(付記)
(付記1)
土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する方法であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備するステップ(S1)、
- 少なくとも1つの土壌試料を調製処理するステップ(S2)、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するステップ(S3)、
- 少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するステップ(S4)、
- 決定された水の吸収量及び水飽和の程度に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するステップ(S5)、及び
- 少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップ(S6)
を含む、方法
(付記2)
調製処理するステップ(S2)が、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかけること、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料を空気乾燥すること
を含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
方法のステップのうちの少なくとも1つを、ハイスループットスクリーニングによって行う、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
一連の土壌試料の複数のカラムのうちの少なくとも1つのカラムを充填することを更に含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するステップ(S4)が、
- 視覚による試料検査により浸潤前線を時間と共に記録すること、及び/又は
- 浸潤計を使用すること、及び/又は
- 透水計を使用すること
を含む、付記1から4のいずれかに記載の方法。
(付記6)
決定された水の吸収量に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するステップ(S5)が、
- 水浸潤時間を計算すること、及び/又は
- 水保持容量を計算すること
を含む、付記1から5のいずれかに記載の方法。
(付記7)
少なくとも1つの土壌試料の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するステップ(S6)が、
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の種類を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の濃度を指示すること、及び/又は
- 使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤の量を指示すること
を含む、付記1から6のいずれかに記載の方法。
(付記8)
少なくとも1つの土壌条件を規定するステップを更に含み、使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示すること(S6)が、規定された少なくとも1つの土壌条件に更に基づく、付記1から7のいずれかに記載の方法。
(付記9)
ステップ(S6)で指示される少なくとも1種の土壌添加剤が、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びC 6 -C 20 -アルキルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性界面活性剤、又は表面活性物質から選択される、付記1から8のいずれかに記載の方法。
(付記10)
土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節するための土壌添加剤を指示する装置(100)であって、
- 少なくとも1つの土壌試料を準備するように構成された試料準備手段(101)、
- 少なくとも1つの土壌試料の調製処理を行うように構成された試料調製手段(102)、
- 少なくとも1つの所定量の水を少なくとも1つの土壌試料に供給するように構成された水供給手段(103)、
- 少なくとも1つの土壌試料と少なくとも1つの供給された所定量の水との接触に起因して吸収された少なくとも1つの土壌試料の水の量を決定するように構成された水量決定手段(104)、
- 決定された水の吸収量及び水飽和の程度に基づいて少なくとも1つの土壌試料の浸潤速度を計算するように構成された浸潤速度計算手段(105)、
- 少なくとも1つの土壌の計算された浸潤速度に基づいて複数の土壌添加剤のリストから使用すべき少なくとも1種の土壌添加剤を指示するように構成された指示手段(106)
を含む、装置(100)。
(付記11)
ハンドヘルド型装置である、付記10に記載の装置(100)。
(付記12)
ハイスループットスクリーニングを行うように構成されている、付記10又は11に記載の装置(100)。
(付記13)
試料調製手段(102)が、
- 少なくとも1つの土壌試料を篩にかける、及び/又は
- 少なくとも1つの土壌試料の空気乾燥を行う
ように構成されている、付記10から12のいずれかに記載の装置(100)。
(付記14)
付記10から13のいずれかに記載の装置(100)の、土壌の水浸潤性を改良し、及び/又は土壌の撥水性を調節する少なくとも1種の土壌添加剤を指示するための使用。
(付記15)
界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤、特にエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー及びアルキルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性界面活性剤、又は表面活性物質から選択される少なくとも1種の土壌添加剤を指示するための、付記14に記載の使用。
図1
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図12