(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】光硬化発生ガス捕集装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G01N1/22 B
(21)【出願番号】P 2023519758
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 KR2022008189
(87)【国際公開番号】W WO2022265304
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077294
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0066867
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソ・イ・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ウンヨン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒ・イム
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-300167(JP,A)
【文献】中国実用新案第207379781(CN,U)
【文献】中国実用新案第204903332(CN,U)
【文献】特開2005-156191(JP,A)
【文献】特開平06-018419(JP,A)
【文献】特表2020-511631(JP,A)
【文献】特開平01-274045(JP,A)
【文献】特開昭60-190860(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0020511(US,A1)
【文献】国際公開第2012/066893(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0079085(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0298362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0284087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルが収容されるサンプル収容空間が内部に形成されるチャンバユニットと、
前記チャンバユニットの上面に光を照射する光源ユニットと、
内部に前記チャンバユニットを収容する加熱空間が設けられるオーブンユニットと、
前記サンプル収容空間にパージガスを注入するためのパージガス注入流路と、
前記サンプル収容空間に発生したアウトガスを前記サンプル収容空間の外部に位置するガス捕集管に排出するためのアウトガス排出流路と、を含み、
前記チャンバユニットの前記上面は、前記光が透過する透明素材からな
り、
前記光源ユニットは、面光源として下面から下方に光を照射し、
前記光源ユニットの前記下面が、前記チャンバユニットの前記上面に接触するように、前記光源ユニットは、前記チャンバユニットに据え置かれている、光硬化発生ガス捕集装置。
【請求項2】
前記チャンバユニットは、
上面に前記サンプル収容空間としてサンプル据え置き溝が形成される胴体部と、
前記サンプル据え置き溝を覆い、前記胴体部の上面に結合される透明カバー部と、を含み、
前記光源ユニットが照射する前記光は、前記透明カバー部を透過する、請求項1に記載の光硬化発生ガス捕集装置。
【請求項3】
前記透明カバー部には、前記パージガスが注入される注入口と、前記アウトガスが排出される排出口と、が形成され、
前記パージガス注入流路は、前記注入口に連結され、
前記アウトガス排出流路は、前記排出口に連結される、請求項2に記載の光硬化発生ガス捕集装置。
【請求項4】
前記透明カバー部は、石英プレートである、請求項2に記載の光硬化発生ガス捕集装置。
【請求項5】
前記胴体部の上面には、結合溝が形成され、
前記透明カバー部には、前記結合溝と対面する位置に結合ホールが形成され、
固定手段が前記結合ホールを貫通して前記結合溝に挿入されることにより、前記透明カバー部は、前記胴体部と結合される、請求項2に記載の光硬化発生ガス捕集装置。
【請求項6】
前記光源ユニットの上面には、冷媒が流れる冷媒循環流路が形成される、請求項
1から5のいずれか一項に記載の光硬化発生ガス捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月15日付の大韓民国特許出願10-2021-0077294号及び2022年5月31日付の大韓民国特許出願10-2022-0066867号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、光硬化発生ガス捕集装置に係り、サンプルが紫外線を含めた多様な光波長で光硬化が行われる過程でサンプルから発生するガスを捕集する光硬化発生ガス捕集装置に関する。
【背景技術】
【0003】
TVなどに使われる液晶などを製造する時、紫外線などを用いた光硬化工程が行われ、この際、紫外線などの光に露出される製品で発生したアウトガス(outgas)によって不良イシューが発生する恐れがある。したがって、製品に対して工程条件模写を通じて発生するガスを分析する技術が要求されている。
【0004】
一般的に、紫外線照射装置は、開放されたシステム(open system)であって、紫外線硬化時に発生したガスを捕集して分析に活用するのに難点があった。また、アウトガス捕集用前処理装置は、温度調節のみ可能であり、試料加熱中に露光が不可能であった。
【0005】
紫外線を含めた多様な光波長で光硬化が行われる過程で発生するガスを捕集するための技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光硬化発生ガス捕集装置に関するものであって、サンプルが紫外線を含めた多様な光波長で光硬化が行われる過程でサンプルから発生するガスを捕集する光硬化発生ガス捕集装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、サンプルが収容されるサンプル収容空間が内部に形成されるチャンバユニット、前記チャンバユニットの上面に光を照射する光源ユニット、内部に前記チャンバユニットを収容する加熱空間が設けられるオーブンユニット、前記サンプル収容空間にパージガスを注入するためのパージガス注入流路、及び前記サンプル収容空間に発生したアウトガスを前記サンプル収容空間の外部に位置するガス捕集管に排出するためのアウトガス排出流路、を含み、前記チャンバユニットの前記上面は、前記光が透過する透明素材からなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、紫外線を含めた多様な光波長を用いた光硬化工程を模写して、光硬化時に、分析対象素材から発生するガスを捕集可能なものである。
【0010】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、ガス不良に対する正確な原因究明分析が可能なものである。
【0011】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、露光と加熱とを同時に行うことにより、紫外線を含めた多様な光波長による光硬化工程で発生するガスを獲得することができる。
【0012】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、光源ユニットの取り替えが容易であって、多様な波長帯でガス捕集が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の光硬化発生ガス捕集装置を示す概念図である。
【
図6】実験例によるガス捕集結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、サンプルが収容されるサンプル収容空間が内部に形成されるチャンバユニット、前記チャンバユニットの上面に光を照射する光源ユニット、内部に前記チャンバユニットを収容する加熱空間が設けられるオーブンユニット、前記サンプル収容空間にパージガスを注入するためのパージガス注入流路、及び前記サンプル収容空間に発生したアウトガスを前記サンプル収容空間の外部に位置するガス捕集管に排出するためのアウトガス排出流路、を含み、前記チャンバユニットの前記上面は、前記光が透過する透明素材からなるものである。
【0015】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記チャンバユニットは、上面に前記サンプル収容空間としてサンプル据え置き溝が形成される胴体部、及び前記サンプル据え置き溝を覆い、前記胴体部の上面に結合される透明カバー部、を含み、前記光源ユニットが照射する前記光は、前記透明カバー部を透過するものである。
【0016】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記透明カバー部には、前記パージガスが注入される注入口と、前記アウトガスが排出される排出口と、が形成され、前記パージガス注入流路は、前記注入口に連結され、前記アウトガス排出流路は、前記排出口に連結されるものである。
【0017】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記透明カバー部は、石英(quartz)プレートでもある。
【0018】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記胴体部の上面には、結合溝が形成され、前記透明カバー部には、前記結合溝と対面する位置に結合ホールが形成され、固定手段が前記結合ホールを貫通して前記結合溝に挿入されることにより、前記透明カバー部は、前記胴体部と結合されるものである。
【0019】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記光源ユニットは、面光源として下面から下方に光を照射するものである。
【0020】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記光源ユニットの前記下面が、前記チャンバユニットの前記上面に接触するように、前記光源ユニットは、前記チャンバユニットに据え置かれているものである。
【0021】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置で、前記光源ユニットの上面には、冷媒が流れる冷媒循環流路が形成されるものである。
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明による実施例を詳しく説明する。この過程で図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示されうる。また、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、ユーザ、運用者の意図または慣例によって変わりうる。このような用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0023】
本発明の説明において、留意しなければならない点は、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」、「一面」、「他面」などが指示する方位または位置関係は、図面で示す方位または位置関係、あるいは、通常、本発明の製品使用時に配置する方位または位置関係に基づいたものであり、単に本発明の説明と簡略な説明のためのものであり、表示された装置または素子が、必ずしも特定の方位をもって、特定の方位で構成されるか、操作されなければならないということを提示または暗示するものではないので、本発明を制限すると理解してはならない。
【0024】
図1は、本発明の光硬化発生ガス捕集装置を示す概念図である。
図2は、オーブンユニットを示す断面図である。
図3は、チャンバユニットを示す斜視図である。
図4は、透明カバー部を示す斜視図である。
図5は、胴体部を示す斜視図である。
図6は、実験例によるガス捕集結果を示すグラフである。
【0025】
以下、
図1ないし
図6を参照して、本発明の光硬化発生ガス捕集装置について説明する。
【0026】
図1に示したように、本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、サンプル11が収容されるサンプル収容空間140が内部に形成されるチャンバユニット100、前記チャンバユニットの上面に光を照射する光源ユニット200、内部に前記チャンバユニット100を収容する加熱空間340が設けられるオーブンユニット300、前記サンプル収容空間140にパージガスを注入するためのパージガス注入流路111、及び前記サンプル収容空間140に発生したアウトガスを前記サンプル収容空間140の外部に位置するガス捕集管に排出するためのアウトガス排出流路112、を含み、前記チャンバユニット100の前記上面は、前記光が透過する透明素材からなるものである。
【0027】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、温度調節が可能なオーブンユニット300内の加熱空間340に脱着が容易なチャンバユニット100が収容され、チャンバユニット100の内部に形成された密閉空間であるサンプル収容空間140にサンプル11が据え置かれ、チャンバユニット100の上面に据え置かれた光源ユニット200が照射する光によってサンプル11から発生したガスをサンプル収容空間140からガス捕集管に移動させて捕集するものである。すなわち、本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、オーブンユニット300を通じて多様な温度環境で行われる光硬化工程から発生するガス成分の捕集が可能なものである。
【0028】
図1及び
図2に示したように、オーブンユニット300は、内部にチャンバユニット100が収容される加熱空間340が形成されうる。オーブンユニット300の加熱空間340は、30~270℃の温度に調節される。オーブンユニット300には、加熱空間340を加熱する加熱手段として、コイルヒーター、赤外線ランプ、誘導加熱ヒーター、誘電加熱ヒーター、温風システム、ヒーティングパッド、ヒーティングジャケットのうち少なくとも1つ以上が設けられうる。具体的に、オーブンユニット300は、上面が開放された容器状に形成されうる。すなわち、オーブンユニット300の開放された上面を通じてチャンバユニット100は、加熱空間340に収容される。オーブンユニット300の底面または側壁には、前記加熱手段として、コイルヒーター、赤外線ランプ、誘導加熱ヒーター、誘電加熱ヒーター、温風システム、ヒーティングパッド、ヒーティングジャケットのうち少なくとも1つ以上が位置しうる。
【0029】
オーブンユニット300の加熱空間340にチャンバユニット100が収容された後、オーブンユニット300の開放された上面は、カバー手段(図示せず)で覆われる。カバー手段は、上下方向に垂直な平面のプレート状からなる。カバー手段には、パージガス注入流路111及びアウトガス排出流路112が貫通するための開口部が形成されうる。カバー手段の下部とチャンバユニット100の上部との間に光源ユニット200は位置し、前記カバー手段の底面には、光源ユニット200からの発散光をサンプル11に集中させるための反射素材がコーティングまたは積層される。
【0030】
パージガス注入流路111は、オーブン内部に位置するチャンバユニット100とオーブン外部に位置するパージガス供給装置とを連結する流路である。パージガス供給装置は、パージガスが圧縮されて貯蔵されているタンクまたはパージガスを注入するためのポンプである。パージガスは、N2、エア(Air)、He、Ar及びこれらの組み合わせの中から選択される何れか1つである。パージガス注入流路111を通じてチャンバユニット100のサンプル収容空間140に最大1000mL/minの流速でパージガスが注入される。
【0031】
アウトガス排出流路112は、オーブン内部に位置するチャンバユニット100とオーブン外部に位置するガス捕集管またはガス分析装置とを連結する流路である。ガス捕集管は、ガスを捕集して貯蔵するものであって、例えば、Tenax(Poly(2,6-diphenylphenylene oxide))(GR、TAなど)吸着管である。ガス分析装置は、例えば、GC(gas chromatography)装置である。
【0032】
図3ないし
図5に示したように、前記チャンバユニット100は、上面に前記サンプル収容空間140としてサンプル据え置き溝131が形成される胴体部130、及び前記サンプル据え置き溝131を覆い、前記胴体部130の上面に結合される透明カバー部120、を含むものである。
【0033】
前記透明カバー部120は、石英プレートでもある。透明カバー部120は、例えば、横200mm、縦200mm以上の面積からなる。透明カバー部120は、光源ユニット200が照射する190~400nmの波長の光が50%以上透過される素材からなる。すなわち、前記光源ユニット200が照射する前記光は、前記透明カバー部120を透過するものである。
【0034】
前記透明カバー部120には、前記パージガスが注入される注入口123と、前記アウトガスが排出される排出口124と、が形成され、前記パージガス注入流路111は、前記注入口123に連結され、前記アウトガス排出流路112は、前記排出口124に連結されるものである。
【0035】
透明カバー部120上で前記注入口123と前記排出口124は、サンプル11を挟んで位置しうる。したがって、前記注入口123に注入されたパージガスが、サンプル11を経て排出口124に排出される。
【0036】
透明カバー部120は、胴体部130に形成されたサンプル据え置き溝131を覆って、サンプル据え置き溝131の内部空間をサンプル収容空間140で形成されうる。サンプル据え置き溝131の内部空間は、直方体に形成されうる。例えば、胴体部130に形成されたサンプル据え置き溝131は、横200mm、縦200mm、深さ20mmに形成されうる。サンプル11は、サンプル据え置き溝131の底面に据え置かれる。
【0037】
前記胴体部130の上面には、複数の結合溝132が形成され、前記透明カバー部120には、前記複数の結合溝132と対面する位置に結合ホール122が形成され、固定手段151が前記結合ホール122を貫通して前記結合溝132に挿入されることにより、前記透明カバー部120は、前記胴体部130と結合されるものである。例えば、固定手段151は、ボルト(bolt)である。例えば、結合溝132の内周面には、ネジ山が形成されて固定手段151と螺合されてもよい。結合溝132及び結合ホール122は、複数の対からなる。例えば、8個の対からなって、長方形状の透明カバー部120及び胴体部130の上面上で各エッジと隣接した位置に2個ずつ形成されうる。固定手段151は、ボルトに限定されず、クランプピン、アンカーなどワンタッチ結合方式で結合溝132または結合ホール122に結合されるものである。または、固定手段は、クリップの形態で設けられ、結合溝132及び結合ホール122なしに、カバー部120と胴体部130との縁部の部分が同時に固定手段に噛まれて、カバー部120と胴体部130は、互いに結合された状態で固定される。
【0038】
前記光源ユニット200は、UV LEDである。前記光源ユニット200は、面光源として下面から下方に光を照射するものである。すなわち、光源ユニット200は、プレート状からなり、例えば、横20mm、縦75mmの面積で形成されうる。光源ユニット200の規格は、サンプル11のサイズなどを考慮して決定され、サンプル11のサイズによって、最大サンプル据え置き溝131のサイズまで拡張される。例えば、横200mm、縦200mmの面積でも形成されうる。前記光源ユニット200の前記下面が、前記チャンバユニット100の前記上面に接触するように、前記光源ユニット200は、前記チャンバユニット100に据え置かれているものである。すなわち、光源ユニット200は、発光面が透明カバー部120に接触するように、透明カバー部120に据え置かれる。前記のような構造で、サンプル11に照射される光の波長変形を所望する時は、簡単にUV LEDパネルなどからなる光源ユニット200を取り替えることにより、容易に波長変更が可能である。
【0039】
オーブンユニット300の加熱空間340の温度及び光源ユニット200の光の強度は、制御ユニットによって制御される。
【0040】
前記光源ユニット200の上面には、冷媒が流れる冷媒循環流路210が形成されるものである。冷媒循環流路210には、不凍液が循環して流れる。冷媒循環流路210は、オーブンユニット300の外部に位置する熱交換装置と流路とで連結される。熱交換装置は、不凍液の熱を吸収するものである。
【0041】
図1に示したように、光源ユニット200には、電力供給または制御信号入力と光源の強度とを制御するためのケーブル200aが連結され、冷媒循環流路210には、不凍液を供給する冷媒供給配管210aが連結される。ケーブル200aの被覆素材及び冷媒供給配管210aの素材は、可撓性素材からなって、光源ユニット200のポジション変更を容易にする。例えば、ケーブル200aの被覆素材及び冷媒供給配管210aの素材は、シリコンチューブ、タイゴンチューブなどである。
【0042】
実験例1
透明カバー部120が分離された状態で胴体部130のサンプル据え置き溝131にサンプル11として液晶コーティング液を入れた後、105℃の温度で1時間乾燥した。
【0043】
透明カバー部120を胴体部130に結合し、UV LEDを通じた光照射なしに、80℃の温度で150mL/minの速度で10分間Tenax吸着管にガスを捕集した後、GC装置を通じて分析した。
【0044】
前記過程を5回繰り返した。
【0045】
実験例2
透明カバー部120が分離された状態で胴体部130のサンプル据え置き溝131にサンプル11として液晶コーティング液を入れた後、105℃の温度で1時間乾燥した。
【0046】
透明カバー部120を胴体部130に結合し、80℃の温度で395nmのUV LEDでサンプル11に5分間照射した。
【0047】
サンプル11に光が照射されて発生したガスを150mL/minの速度で10分間Tenax吸着管に捕集した後、GC装置を通じて分析した。
【0048】
【0049】
前記表1は、実験例1及び実験例2に対する実験結果を示す表である。前記表1で示すように、RSD値が15%未満であって、高い再現性で実験が行われた。
図6は、実験例1及び実験例2の実験結果を示すグラフである。
図6に示されたように、本発明の光硬化発生ガス捕集装置を使用することにより、UV LEDを通じた光照射時に、追加的に発生するガスが、実験例2に表記されたように捕集されたことを確認することができる。
【0050】
以上、本発明による実施例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な範囲の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、紫外線を含めた多様な光波長を用いた光硬化工程を模写して、光硬化時に、分析対象素材から発生するガスを捕集可能なものである。
【0052】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、ガス不良に対する正確な原因究明分析が可能なものである。
【0053】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、露光と加熱とを同時に行うことにより、紫外線を含めた多様な光波長による光硬化工程で発生するガスを獲得することができる。
【0054】
本発明の光硬化発生ガス捕集装置は、光源ユニットの取り替えが容易であって、多様な波長帯でガス捕集が可能である。
【符号の説明】
【0055】
11 サンプル
100 チャンバユニット
111 パージガス注入流路
112 アウトガス排出流路
120 透明カバー部
122 結合ホール
123 注入口
124 排出口
130 胴体部
131 サンプル据え置き溝
132 結合溝
140 サンプル収容空間
151 固定手段
200 光源ユニット
200a ケーブル
210 冷媒循環流路
210a 冷媒供給配管
300 オーブンユニット
340 加熱空間