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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】極端紫外光源の保護システム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240813BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
H05G2/00 K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021560999
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2020062670
(87)【国際公開番号】W WO2020225347
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】62/845,007
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デ ディア,シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】テゲンボス,ヘンリカス,ジェラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ブーメン,レネ,ウィルヘルムス,ヨハネス,マリア
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-509646(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138918(WO,A1)
【文献】特開2012-169359(JP,A)
【文献】国際公開第2016/079838(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/099058(WO,A1)
【文献】特開2006-086119(JP,A)
【文献】特表2016-540346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端紫外光(EUV)源のためのターゲットデリバリシステムであって、
外部と、内部導管領域と、オリフィスを画定する端部とを含む導管であって、前記内部導管領域が、プラズマ状態のときにEUV光を発するターゲット材料を受け入れるように構成され、前記オリフィスが、前記ターゲット材料を真空チャンバの内部に提供するように構成された導管と、
フィスを画定する前記端部から離れ、前記真空チャンバの前記内部に向けて保護ガスを流すように構成され、流れる前記保護ガスが、前記オリフィスを画定する前記端部から離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させるように構成された保護システムと、
前記極端紫外光源の状態に基づいて、複数の保護ガスのうちのどれを前記保護ガスとして使用するかを決定する制御システムと、
を備えたターゲットデリバリシステム。
【請求項2】
前記保護ガスが分子状水素(H)を含む、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項3】
前記保護システムが、前記導管の前記外部に沿って前記保護ガスを流すように構成された、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項4】
前記保護システムが、
前記導管の前記外部の少なくとも一部分を取り囲む側壁を含み、前記導管の前記オリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を備え、
前記保護ガスが、前記導管の前記外部と前記側壁の内壁との間の開放空間に流入し、前記保護ガスが、前記開口端領域を通って前記本体から流れ出る、請求項3のターゲットデリバリシステム。
【請求項5】
前記ターゲットデリバリシステムがさらに、前記導管の前記外部を少なくとも部分的に取り囲む温度制御ブロックを備え、前記保護システムが、前記温度制御ブロックの少なくとも一部分を取り囲み、前記導管の前記オリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を備え、
前記保護ガスが、前記温度制御ブロックと前記本体の内壁との間の開放空間に流入し、前記保護ガスが前記開口端領域から前記本体を出る、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の汚染物質が移動物質を含み、流れる前記保護ガスが、前記導管の前記端部から離れる前記1つ以上の移動汚染物質の運動方向を変化させることによって、前記1つ以上の移動汚染物質と前記導管の前記端部との相互作用を軽減するように構成された、請求項5のターゲットデリバリシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の汚染物質が、ケイ素(Si)又は二酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の汚染物質が、酸素、水、又は二酸化炭素(CO)を含む、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項9】
前記保護システムが複数の開口部を備えた拡散デバイスを備え、各開口部が、前記オリフィスを画定する前記端部から離れる方向に前記保護ガスを指向させるように構成された、請求項1のターゲットデリバリシステム。
【請求項10】
前記複数の開口部が、前記導管の前記外部を取り囲み、前記導管の前記外部に対して均等に分布された、請求項9のターゲットデリバリシステム。
【請求項11】
ターゲット材料デリバリシステムのオリフィスを保護する方法であって、
それぞれがプラズマ状態にあるときにEUV光を発するターゲット材料を含むターゲットの流れを真空チャンバの内部に提供するために、前記ターゲット材料をオリフィスに通すこと、及び
前記オリフィスから離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させる保護ガスを、前記ターゲット材料デリバリシステムに流入させ、前記オリフィスから離れる方向に前記真空チャンバの前記内部に流し込むことを含み、
前記方法は、
前記ターゲット材料デリバリシステムを含む極端紫外光源の状態を判定すること、及び
前記判定された状態に基づいて、複数の保護ガスのうちのどれを前記保護ガスとして使用するかを決定することをさらに含む、
方法。
【請求項12】
流れる前記保護ガスが前記ターゲットの流れの軌道を変化させない、請求項11の方法。
【請求項13】
流れる前記保護ガスが前記ターゲットの流れの進行方向に沿った運動成分を有する、請求項12の方法。
【請求項14】
前記保護ガスを流すことが、前記オリフィスを画定する導管と、前記導管を取り囲む本体との間の開放空間に前記保護ガスを流入させることを含む、請求項11の方法。
【請求項15】
前記保護ガスが、前記本体のポートにおいて前記開放空間に流入し、前記本体により画定され、前記オリフィスと位置合わせされた開口端領域を通って前記開放空間から流出する、請求項14の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、PROTECTION SYSTEM FOR AN EXTREME ULTRAVIOLET LIGHT SOURCEと題する、2019年5月8日出願の米国出願第62/845,007号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、極端紫外(EUV)光源の保護システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 例えば、20ナノメートル(nm)以下、5~20nmの間、又は13~14nmの間の波長の光を含む、100nm以下の波長を有する(時として軟x線とも称される)電磁放射のような極端紫外線(「EUV」)光は、フォトリソグラフィプロセスで使用され、レジスト層において重合を開始することにより、例えばシリコンウェーハのような基板に極めて小さいフィーチャを生成することができる。
【0004】
[0004] EUV光を発生する方法は、必ずしも限定ではないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズのような、EUV範囲に輝線を有する元素を含む材料を、プラズマ状態に変換することを含む。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる1つのそのような方法では、例えば材料の小滴、プレート、テープ、流れ、又はクラスタの形態であるターゲット材料を、駆動レーザと称されることのある増幅光ビームで照射することにより、必要なプラズマを生成できる。このプロセスでは、プラズマは通常、例えば真空チャンバのような密閉容器内で生成され、様々なタイプのメトロロジ機器を用いて監視される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一態様において、極端紫外光(EUV)源のためのターゲットデリバリシステムが、外部と、内部導管領域と、オリフィスを画定する端部とを含む導管を備える。内部導管領域は、プラズマ状態のときにEUV光を発するターゲット材料を受け入れるように構成され、オリフィスは、ターゲット材料を真空チャンバの内部に提供するように構成される。ターゲットデリバリシステムはまた、保護ガスを、オフィスを画定する端部から離れ、真空チャンバの内部に向けて流すように構成された保護システムを備える。流れる保護ガスは、オリフィスを画定する端部から離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させるように構成される。
【0006】
[0006] 実施例は、下記の特徴の1つ以上を含むことがある。保護ガスは不活性ガス又は反応ガスを含むことがある。
【0007】
[0007] 保護ガスは分子状水素(H)を含むことがある。
【0008】
[0008] 保護システムは、導管の外部に沿って保護ガスを流すように構成されることがある。保護システムは、導管の外部の少なくとも一部分を取り囲む側壁を含み、導管のオリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を含むことがある。保護ガスは、導管の外部と側壁の内壁との間の開放空間に流入することがあり、保護ガスは、開口端領域を通って本体から流れ出ることがある。側壁は、開放空間と流体連通する少なくとも1つのポートを含むことがあり、ポートは、保護ガスを保持するガス供給に流体結合するように構成される。
【0009】
[0009] 保護システムは少なくとも1つのガス源を含む。
【0010】
[0010] ターゲットデリバリシステムはさらに、導管の外部を少なくとも部分的に取り囲む温度制御ブロックを含むことがあり、保護システムは、温度制御ブロックの少なくとも一部分を取り囲み、導管のオリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を備えることがある。保護ガスは、温度制御ブロックと本体の内壁との間の開放空間に流入することがあり、保護ガスは開口端領域から本体を出ることがある。
【0011】
[0011] 1つ以上の汚染物質は移動物質を含むことがあり、流れる流体は、導管の端部から離れる1つ以上の移動汚染物質の運動方向を変化させることによって、1つ以上の移動汚染物質と導管の端部との相互作用を軽減するように構成されることがある。
【0012】
[0012] 1つ以上の汚染物質は移動物質を含むことがあり、流れる流体は、導管の端部から離れる1つ以上の移動汚染物質の運動方向を変化させることによって、1つ以上の移動汚染物質と導管の端部との相互作用を妨げるように構成されることがある。
【0013】
[0013] 1つ以上の汚染物質は、気体、液体、蒸気、及び粒子のうちの1つ以上を含むことがある。
【0014】
[0014] 1つ以上の汚染物質は、ケイ素(Si)又は二酸化ケイ素(SiO)を含むことがある。
【0015】
[0015] 1つ以上の汚染物質は、酸素、水、又は二酸化炭素(CO)を含むことがある。
【0016】
[0016] 導管は毛細管を含むことがある。
【0017】
[0017] 保護システムは、複数の開口部を含む拡散デバイスを備えることがあり、各開口部は、オリフィスを画定する端部から離れる方向に保護ガスを指向させるように構成されることがある。複数の開口部は、導管の外部を取り囲むことがあり、導管の外部に対して均等に分布されることがある。
【0018】
[0018] 別の態様において、ターゲット材料デリバリシステムのオリフィスを保護する方法が、それぞれがプラズマ状態にあるときにEUV光を発するターゲット材料を含むターゲットの流れを真空チャンバの内部に提供するために、ターゲット材料をオリフィスに通すこと、及び、オリフィスから離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させる保護ガスを、ターゲット材料デリバリシステムに流入させ、オリフィスから離れる方向に真空チャンバの内部に流し込むことを含む。
【0019】
[0019] 実施例は、下記の特徴の1つ以上を含むことがある。一部の実施例では、流れる保護ガスは、ターゲットの流れの軌道を変化させない。流れる保護ガスは、ターゲットの流れの進行方向に沿った運動成分を有することがある。
【0020】
[0020] 保護ガスを流すことは、オリフィスを画定する導管と、導管を取り囲む本体との間の開放空間に保護ガスを流入させることを含むことがある。保護ガスは、本体のポートにおいて開放空間に流れ込むことがあり、本体により画定され、オリフィスと位置合わせされた開口端領域を通って空間から流れ出ることがある。
【0021】
[0021] 保護ガスは、オリフィスと、真空チャンバの内部との間のアパーチャにおいて一定の体積流量を有することがある。
【0022】
[0022] 方法はまた、ターゲット材料デリバリシステムを含む極端紫外光源の状態を判定すること、及び、判定された状態に基づいて、複数の保護ガスのうちのどれを保護ガスとして使用するかを決定することを含むことがある。
【0023】
[0023] 上記の技術のいずれかの実施例は、EUV光源、ターゲット供給システム、方法、プロセス、デバイス、又は装置を含むことがある。1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の記載に述べられている。他の特徴は、記載及び図面から、また特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】[0024] EUV光源のある例のブロック図である。
図2A】[0025] 供給システムのある例の側断面図である。
図2B】[0026] 図2Aの線2A-2A’に沿った図2Aの供給システムの底面図である。
図2C】[0027] 供給システムの別の例の側断面図である。
図2D】[0028] 図2Cの線2C-2C’に沿った図2Cの供給システムの底面図である。
図3A】[0029] 供給システムの別の例の側断面図である。
図3B】[0030] 図3Aの供給システムの底面図である。
図4A】[0031] 供給システムの別の例の側断面図である。
図4B】[0032] 図5Aの供給システムの底面図である。
図5A】[0033] 保護ガスを流すことに関連する例示的なプロセスのフローチャートである。
図5B】[0033] 保護ガスを流すことに関連する例示的なプロセスのフローチャートである。
図6】[0034] リソグラフィ装置のある例のブロック図である。
図7】[0034] リソグラフィ装置のある例のブロック図である。
図8】[0035] EUV光源のある例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0036] 図1を参照すると、供給システム110を含むEUV光源100のブロック図が示されている。供給システム110は保護システム130を含み、保護システム130は、保護ガス131(図1図3A、及び図4Aに一点鎖線形式で示される)を供給システム110から離れる方向に指向させることによって供給システム110を保護する。保護ガス131は、汚染物質150(図1に網掛けの丸として示される)を供給システム110から運び去る、及び/又は汚染物質150が供給システム110に到達するのを防ぐ。
【0026】
[0037] 供給システム110は、ターゲット121pが真空チャンバ109内のプラズマ形成位置123に搬送されるようにターゲットの流れ121を放出する。ターゲット121pはターゲット材料を含み、ターゲット材料は、プラズマ状態にあるときに極端紫外線(EUV)範囲に輝線を有する任意の材料である。ターゲット材料は、例えばスズ、リチウム、又はキセノンである場合がある。ターゲット材料として他の材料が使用されることもある。例えば、元素スズは、純スズ(Sn)として、スズ化合物、例えばSnBr、SnBr、SnHとして、スズ合金、例えばスズ-ガリウム合金、スズ-インジウム合金、スズ-インジウム-ガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせとして使用されることがある。
【0027】
[0038] プラズマ形成位置123は光ビーム106を受光する。光ビーム106は、光源105によって生成され、光路107を介して真空チャンバ109に搬送される。光ビーム106とターゲット121pのターゲット材料とが相互作用して、EUV光197を発するプラズマ196が生成される。EUV光197は光学素子198によってリソグラフィツール199に指向される。
【0028】
[0039] 供給システム110は導管112を含む。導管112は、チューブ側壁114により画定された、管や円筒などの3次元物体である。側壁114は第1の端部115から第2の端部116まで延在する。第2の端部116は、側壁114を通って導管112の内部に入り、リザーバ140に流体結合するオリフィス117を含む。リザーバ140はターゲット混合物141を保持し、ターゲット混合物141はターゲット材料を含み、また不純物を含むこともある。動作使用時に、ターゲット混合物141は導管112に流入し、流れ121としてオリフィス117から放出される。
【0029】
[0040] 図1の例では、供給システム110はまた、側壁114に機械的に結合されたアクチュエータ135を含む。アクチュエータ135は、例えば、電圧の印加に応じて形状を変化させる、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電セラミック材料である場合がある。側壁114はアクチュエータ135によって変形される。側壁114を変形させることで導管112内のターゲット混合物の圧力を調整し、オリフィスを通って流れるターゲット材料をターゲットの流れ121にする。流れ121中のターゲットのサイズ及び間隔は、アクチュエータ135により加えられる変形の頻度及び/又は大きさを制御することによって制御されることがある。流れ121は、例えば30ミクロン(μm)の直径を有する複数の個別の球形ターゲットを含む。供給システム110は、別のやり方でターゲット材料を真空チャンバ109に搬送することがある。例えば、供給システム110は、個々のターゲットに分割されないターゲット材料のジェットを生成することがある。
【0030】
[0041] 供給システム110はまた、保護システム130を含む。保護システム130はガス指向システム132を含み、ガス指向システム132は保護ガス131を第2の端部116から離れる方向に指向させる。ガス指向システム132は、保護ガス131を指向させるように構成されたデバイス、コンポーネント、及び/又はシステムを含むガス管理システム167を含む。例えば、ガス指向システム132は、ポンプ、流量制御デバイス(バルブ及び/又は流体スイッチなど)、保護ガス131が流れ出る開口部、及び/又はノズルを含むことがある。
【0031】
[0042] ガス指向システム132は、流体接続部134を介してガス供給133に流体結合される。ガス供給133は、保護ガス131として使用されるガスを含むチャンバ137を含む。例えば、ガス供給133のチャンバ137は、不活性ガス又は反応ガスを含むことがある。不活性ガスは、真空チャンバ109内の何とも反応しない気体である。反応ガスは、真空チャンバ109内にある1つ以上の要素と反応することができる気体である。保護ガス131は、例えば分子状水素(H)又はアルゴン(Ar)である場合がある。保護ガス131は、気相ではない物質を含むことがある。例えば、保護ガス131は、保護ガス131とともに運ばれる固体ナノクラスタを含むことがある。
【0032】
[0043] 一部の実施例では、チャンバ137は2つ以上の異なる気体を含む。例えば、チャンバ137は、互いに流体結合されていないが、それぞれが流体接続部134に流体結合されるように構成された複数のチャンバを含むことがある。これらの実施例では、1つのチャンバが、例えば分子状水素ガス(H)を含むことがあり、別のチャンバがアルゴン(Ar)ガスを含むことがある。2つ以上のチャンバ137を含む実施例では、ガス管理システム167は、複数のチャンバ137のうちの1つを選択することを可能にする流体スイッチ機構を含む。
【0033】
[0044] 図1の例において、流れ121は概ね-X方向に沿って進み、保護ガス131もまた側壁114に沿って-X方向に真空チャンバ109に流れ込む。第2の端部116は概ねY-Z平面に延在する。したがって、保護ガス131は、第2の端部116及びオリフィス117から離れる方向に流れる。保護ガス131を第2の端部116から離れる方向に指向させることによって、保護システム130は汚染物質150から供給システム110を保護する。様々な実施例において、保護ガス131の流れは、流れ121内のターゲットの運動方向に平行、又は実質的に平行である。
【0034】
[0045] 汚染物質150は、オリフィス117を塞ぐ、及び/又はオリフィス117を塞ぐように第2の端部116に付着し得るあらゆる物質である。例えば、汚染物質150は、オリフィス117を完全に又は部分的に塞ぐ層を第2の端部116に形成し得ることがある。汚染物質150は真空チャンバ109内を移動する。例えば、保護ガス131がない場合、汚染物質150は第2の端部116及び/又はオリフィス117に近づくことがある。汚染物質150は、保護ガス131との相互作用に応じて第2の端部116及びオリフィス117から遠ざかる。
【0035】
[0046] 汚染物質150は、固体、液体、及び/又は気体を含むことがある。汚染物質150は、2種類以上の汚染物質及び/又は2つ以上の物質を含むことがある。例えば、汚染物質150は、シリカ、シロキサン、二酸化ケイ素(SiO)、酸化スズ(SnO)の粒子、気体(酸素など)、及び/又は蒸気(スズ蒸気など)を含むことがある。汚染物質150は、気相から第2の端部216に蒸着され得る、例えばケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化スズ(SnO)の蒸気を含むことがある。汚染物質150は、真空チャンバ109内の構成要素から、及び/又は真空チャンバ109が減圧されたときの、真空チャンバ109内の要素と酸素、水、及び/又は二酸化炭素(CO)との相互作用から生じることがある。
【0036】
[0047] 汚染物質150を第2の端部116から離れる方向に指向させることによって、保護ガス131は、第2の端部116上に汚染物質150の層が形成される可能性を防ぐ又は低下させる。第2の端部116上の汚染物質150の層は、流れ121の形成を妨げることがある。例えば、このような層がオリフィス117を完全に又は部分的に塞ぐことことによって、流れ121を遮断する及び/又は流れ121の特性を変化させることがある。流れ121はEUV光197を生成するのに使用されるターゲットを含むため、流れ121の予期せぬ及び/又は望ましくない変化によってEUV光197の生成量が減少することがある。したがって、汚染物質150を端部116及びオリフィス117から離れる方向に指向させることによって、保護システム130は、供給システム110及びEUV光源100の全体的性能を向上させる。EUV光源100の動作中の全体的性能を向上させることに加えて、保護システム130はEUV光源100のダウンタイムを削減する。例えば、汚染物質150の層を第2の端部116から取り除くために、供給システム110はEUV光源100から取り外される。したがって、第2の端部116上への汚染物質150の蓄積を防ぐ又は減らすことによって、保護システム130はまた、供給システム110に対して行われるメンテナンスの量を減らし、EUV光源100のダウンタイムを削減する。
【0037】
[0048] EUV光源100はまた、保護システム130の動作を支配する制御システム160を含む。制御システム160は、ガス供給133、ガス管理システム167、及び/又はガス指向システム132に結合されることがある。例えば、制御システム160は、ガス指向システム132又はガス供給133内のバルブ及び/又はポンプを制御することによって、保護ガス131の流量を制御することがある。別の例では、ガス供給133が複数のチャンバ137を含む実施例において、制御システム160は、ガス管理システム167のスイッチを制御するために使用されることがある。これによって、制御システム160は、保護ガス131が特定の時間に1つのチャンバ内の気体から形成されるようにチャンバを切り替えることができる。制御システム160はまた、EUV光源100の他のシステム及びコンポーネント、例えばアクチュエータ135、及び/又は光源105に結合されることもある。
【0038】
[0049] 制御システム160は、電子処理モジュール161、電子記憶装置162、及びI/Oインターフェイス163を含む。電子処理モジュール161は、汎用又は専用マイクロプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサなどの、コンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサを含む。一般に、電子プロセッサは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受け取る。電子処理モジュール161は、任意の種類の適切な電子プロセッサである場合がある。
【0039】
[0050] 電子記憶装置162は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリである場合がある。一部の実施例では、電子記憶装置162は不揮発性及び揮発性部分又はコンポーネントを含む。電子記憶装置162は、制御システム160の動作に使用されるデータ及び情報を記憶することがある。例えば、電子記憶装置162は、供給システム110及び/又は保護システム130の動作に関する情報を記憶することがある。例えば、一部の実施例では、電子記憶装置162は、EUV光源100の通常の動作中に保護ガス131がガス指向システム132から流れるべき流量を記憶する。
【0040】
[0051] 電子記憶装置162はまた、実行された場合に、電子処理モジュール161に供給システム110及び/又は保護システム130のコンポーネントとの通信を行わせる、1つ以上のコンピュータプログラムなどの命令を記憶する。例えば、電子記憶装置162は、アクチュエータ135に導管を振動させるのに十分な変調信号を電子処理モジュール161に提供させる命令を記憶することがある。
【0041】
[0052] I/Oインターフェイス163は、制御システム160が情報又はデータを受信又は送信できるようにする任意のタイプのインターフェイスである。例えば、I/Oインターフェイス163は、キーボード、マウス、又はオペレータが制御システム160を操作及び/又はプログラムすることを可能にする他のコンピュータ周辺デバイスである場合がある。I/Oインターフェイス163は、ライトやスピーカなどの、知覚可能な警告を発するデバイスを含むことがある。さらに、I/Oインターフェイス163は、汎用シリアルポート(USB)などの通信インターフェイス、ネットワーク接続、又は制御システム160との通信を可能にする任意の他のインターフェイスを含むことがある。
【0042】
[0053] 図2Aは、X-Z平面における供給システム210の側断面図であり、供給システム210は導管212及びガス指向システム232を含む。図2Bは、図2Aの線2A-2A’から見たY-Z平面における導管212及びガス指向システム232の底面図である。図2Bにおいて、X方向は紙面奥側である。導管212はEUV光源100で使用されることがある(図1)。導管は、X方向に沿って第1の端部215から第2の端部216まで延在する側壁214を含む。側壁214は導管212を形成し、導管212は、概ね円筒形であり、端部216に概ね円錐形のノズル250を有する3次元物体である。導管212は、例えば毛細管である場合がある。
【0043】
[0054] 側壁214は、内面253及び外壁254を含む。内面253は、ノズル250と流体連通する内部領域258(図2A及び図2B)を画定する。ノズル250は-X方向に沿って狭くなってオリフィス217を画定する。図2A及び図2Bの例では、ノズル250は概ね円錐形であり、オリフィス217は円錐の頂部にある。内部領域258は、ターゲット混合物(図1のターゲット混合物141など)を保持するリザーバ(図1のリザーバ140など)に流体結合され、ターゲット混合物は導管212の内部領域258に流入し、-X方向にオリフィス217を通過する。
【0044】
[0055] ガス指向システム232は空間238を取り囲む3次元物体である。空間はガス供給133に流体結合されている。ガス指向システム232は、ガス指向システム232の底部239を通過する複数の開口部236を含む。簡潔にするために、図2A及び図2Bでは開口部236のうちの1つのみがラベル付けされている。保護ガス131は、ガス供給133から空間238に流れ込み、開口部236から-X方向に流れ出る。開口部236のそれぞれから出る保護ガス131の流量及び流れ方向は実質的に同じである。
【0045】
[0056] 図2Bの例では、開口部236は底部239に直線格子状に配置されている。ただし、他の実施例も可能である。例えば、開口部236は不規則に配置されることがある。さらに、開口部236はどのような形状を有してもよい。図2Bの例では、各開口部236はY-Z平面において円形である。他の実施例では、開口部236は楕円形である場合がある、又は開口部はオリフィス217を中心とした同心円を形成することがある。
【0046】
[0057] さらに、ガス指向システム232はどのような形状を有してもよい。図2Bの例では、ガス指向システム232は、Y-Z平面において円形断面を有する円筒体である。他の実施例では、ガス指向システム232は、例えばY-Z平面において正方形又は長方形断面を有する場合がある。
【0047】
[0058] 図2A及び図2Bの例では、ガス指向システム232は、それぞれが保護ガス131をノズル250から離れる方向に指向させる複数の開口部236を含む単一の要素である。ただし、他の実施例も可能である。例えば、ガス指向システム232は、それぞれがガス供給133又は別々のガス供給に個別に流体結合される、個々のガス収集システムの集合体である場合がある。これらの実施例では、ガス指向システムのそれぞれは、保護ガス131の流れを提供するために(例えば図1の制御システム160を用いて)個別に制御可能である。
【0048】
[0059] さらに、供給システム210は、図2A及び図2Bに示されていない追加のコンポーネントを含むことがある。例えば、供給システム210は、導管212の外側にあるアクチュエータ(図1のアクチュエータ135など)を含むことがある。
【0049】
[0060] 図2C及び図2Dは、供給システム210Cが、外壁254の一部分に取り付けられ、これを取り囲むアクチュエータ235を含む点を除いて、アクチュエータ210と同じである供給システム210Cを示している。図2C及び図2Dにおいて、アクチュエータ235はクロスハッチ陰影付きで示されている。図2Cは、X-Z平面における供給システム210Cの断面図である。図2Dは、図2Cの線2C-2C’の視点からの供給システム210Cの底面図である。供給システム210Cは、図1の供給システム110のある実施例の別の例である。アクチュエータ235は、アクチュエータ135(図1)のある実施例のある例である。
【0050】
[0061] アクチュエータ235は、内面259及び外面257を含む3次元円筒体である。アクチュエータ235の内面257は、例えば接着剤で、導管212の外壁254の一部分に機械的に結合される。アクチュエータ235は外壁254の一部分を取り囲む。図2Dに示されるように、アクチュエータ235はY-Z平面において円形断面を有する。
【0051】
[0062] アクチュエータ235は、保護ガス131が透過しないPZTなどの硬い材料で作られることがある。アクチュエータ235を結合する接着剤は、例えば、同様に一般的には保護ガス131が透過できないエポキシ樹脂である場合がある。したがって、アクチュエータ235が外壁254に適切に結合されている通常の動作下で、保護ガス131はアクチュエータ235を避けて流れる。アクチュエータ235がガス指向システム232とオリフィス217との間にある、図2C及び図2Dに示されるような実施例では、保護ガス131は、アクチュエータ235が導管212に取り付けられている部分を除いて外壁254に沿って流れる。アクチュエータ235が導管212に取り付けられている部分では、保護ガス131は依然として導管212に沿って流れるが、アクチュエータ235の外面357を避けて流れる。換言すれば、導管212の外側に沿って流れる保護ガス131は、保護ガス131が透過できない、導管212の外壁245に取り付けられた要素(アクチュエータ235など)を避けて流れるシナリオを含む。
【0052】
[0063] 図3A及び図3Bを参照すると、供給システム310が示されている。供給システム310は供給システム110の別の例である。供給システム310は図1のEUV光源100で使用されることがある。例えば、供給システム310は真空チャンバ109に取り付けられ、ターゲットの流れ121を生成するのに使用されることがある。図3Aは、X-Z平面における供給システム310の断面図である。図3Bは、Y-Z平面における供給システム310の端部379の図である。図3Bにおいて、X方向は紙面奥側である。
【0053】
[0064] 供給システム310は、導管212(図2A及び図2Bについて以上で考察した)及びハウジング370を含む。ハウジング370は導管212を取り囲む3次元物体である。ハウジング370は側壁371を含む。側壁371は、ガス供給133に結合される流体ポート372を画定する。流体ポート372は流体接続部(図1の流体接続部134など)に接続することがある、又は流体ポート372はガス供給133に直接結合されることがある。側壁371はまた、端部379に開口領域378を画定する。
【0054】
[0065] 流体ポート372は、ハウジング370の内部373に開口している。導管212は内部373内にある。導管212及びハウジング370は、導管212のオリフィス217がX方向に沿って開口領域378と位置合わせされるように互いに対して位置決めされる。オリフィス217と開口領域378との位置合わせによって、オリフィス217から放出されるターゲット材料が-X方向に沿ってハウジング370を出ることが可能になる。
【0055】
[0066] 側壁371は、導管212の外壁254から分離されて開放空間376を形成する内壁375を含む。開放空間376は、(ハウジング370内の)内部373の、導管212の外壁254と内壁375との間の部分である。開放空間376は流体ポート372に流体結合されている。供給133内の保護ガス131は、真空チャンバ109内の圧力より高い圧力に保持されているため、保護ガス131はガス供給133から流体ポート372及び開放空間376に流れ込む。真空チャンバ109内の圧力は内部373内の圧力よりも低い。保護ガス131は、導管212の外壁254に沿って概ね-X方向に流れ、開口領域378からハウジング370を出る。保護ガス131及びターゲット材料はいずれも開口領域378を通って略同じ方向に流れる。図3A及び図3Bの例では、ターゲット材料及び保護ガス131は概ね-X方向に開口領域378を通過する。
【0056】
[0067] 保護ガス131は、開口領域378におけるY-Z平面内の全ての点で一定の流量を有することがあり、開口領域378を通過するターゲット材料の軌道を実質的に妨げない。開口領域378におけるX-Y平面内の保護ガス131の流れは気流場と呼ばれる。気流場はオリフィス317から放出される個別のターゲットの軌道に影響を及ぼし得るが、気流場の特性(例えば、流量及び流れ方向)は、個別のターゲットの軌道が実質的に変更されないようなものである。例えば、気流場によって、流れ121内のターゲットがプラズマ形成位置123(図1)に搬送されないほどターゲット軌道が逸れることはない。また、オリフィス317から放出されたターゲットの質量及び密度は、保護ガス131の質量及び密度よりはるかに高い。保護ガス131と比較したターゲットの質量及び/又は密度の割合はまた、保護ガス131がターゲットの軌道に及ぼす影響を最小限に抑える。
【0057】
[0068] 保護ガス131の流量は、汚染物質150(図1)を開口領域378から遠ざけるのに十分である、及び/又は汚染物質150が開口領域378を通過し、開放空間376に進入することを防ぐのに十分である。保護ガス131の流量は汚染物質150の拡散速度より速い。拡散とは、材料(例えば、汚染物質150に存在する分子又は原子)の、より高濃度(すなわち高化学ポテンシャル)の領域からより低濃度(すなわち低化学ポテンシャル)の領域への正味の移動である。拡散は、拡散種の化学ポテンシャルの勾配によって駆動される。保護ガス131は、ペクレ数(Pe)により定量化されるペクレ効果によって、汚染物質150のオリフィス317内への移動を抑制すると考えられることがある。ペクレ数は、拡散輸送速度に対する移流輸送速度の比率である。移流輸送速度は保護ガス131の輸送速度である。拡散輸送速度は、汚染物質150の拡散速度である。ペクレ数が増加するにつれて、保護ガス131は、ガス131と汚染物質150との相互作用を支配しやすくなり、また、保護ガス131は、汚染物質150を開口領域378から遠ざけやすくなる。ペクレ数は、保護ガス131の流速を上げること、及び/又は代表長さ(例えば、保護ガス131が供給システム310に流入するX方向に沿った長さ)を増加することにより増加されることがある。したがって、ペクレ数及び汚染物質150の軽減は、ハウジング371の設計及び/又は保護ガス131の流量の制御によって制御可能である。
【0058】
[0069] 一部の実施例では、保護ガス131の流量は1~50標準リットル毎分(slm:standard liter per minute)である場合がある。開口領域378における保護ガス131の流量は、開放空間376のX方向への広がり、ガス供給133から流体ポート372に入る保護ガス131の流量、内壁375の物理的特性、及びY-Z平面における開口領域378のサイズに依存する。
【0059】
[0070] 図3A及び図3Bの例は1つのガスポート372を含む。ただし、他の実施例では、より多くのガスポートが使用されることがある。例えば、複数のガスポート372が含まれることがある。複数のガスポート372は、Y-Z平面内で円周方向に互いに等距離の間隔を置いて配置されることがある。さらに、一部の実施例では、供給システム310は、アクチュエータ237(図2C及び図2D)などの、外壁254の一部分に取り付けられ、これを取り囲むアクチュエータを含む。アクチュエータがガスポート372とオリフィス217との間にある場合、保護ガス131は、外壁254及び/又はアクチュエータの外面に沿って流れる。保護ガス131は、アクチュエータが外壁254に取り付けられる場合に、アクチュエータと外壁254との間を流れることはない。
【0060】
[0071] 図4A及び図4Bは供給システム410を示している。供給システム410は供給システム110の実施例の別の例である。供給システム410は図1のEUV光源100で使用されることがある。例えば、供給システム410は真空チャンバ109に取り付けられ、ターゲットの流れ121を生成するのに使用されることがある。図4Aは、X-Z平面における供給システム410の断面図である。図4Bは、Y-Z平面における供給システム410の端部479の図である。図4Bにおいて、X方向は紙面奥側である。供給システム410は、供給システム410が、導管212及び/又はノズル250の温度を制御する温度制御ブロック480を含む点を除いて、供給システム310(図3A及び図3B)と同様である。
【0061】
[0072] 供給システム410はハウジング470を含む。ハウジング470は、内部473を画定する側壁471を含む。導管212(図2A及び図2B)は内部473内にある。導管212及びハウジング470は、オリフィス217がハウジングの端部479にある開口領域478と位置合わせされるように互いに対して位置決めされている。オリフィス217から放出される流れ121は、-X方向に沿ってハウジング470を出る。
【0062】
[0073] 供給システム410は温度制御ブロック480を含む。温度制御ブロック480は内部473内にある。温度制御ブロック480は、導管212の外壁254の少なくとも一部分を取り囲む。図4A及び図4Bの例では、温度制御ブロック480は、X方向に沿った導管212の縦軸と同心であるX方向に沿った縦軸を有する円筒体である。温度制御ブロック480は、加熱又は冷却され得る材料で作られる。温度制御ブロック480は、任意の熱伝導材料から作られる。温度制御ブロック480は、制御ブロック480の温度が制御可能となるように、制御可能なヒータ及び/又は冷却器に熱的に結合される。温度制御ブロック480は、例えばターゲット材料による腐食に耐える材料の固体ブロックである場合がある。ターゲット材料がスズを含む実施例では、温度制御ブロック480は、例えばモリブデン(Mo)である場合がある。
【0063】
[0074] 温度制御ブロック480は、外壁254(つまり導管212)の温度に影響を及ぼすほど外壁254の近くにあるが、温度制御ブロック480は外壁254に触れることはない。温度制御ブロック480が導管212より温度が高い場合、温度制御ブロック480は導管212を温める。導管212を温めることで、例えば、導管212内のターゲット材料がより効率的に流れることが促されることがある。温度制御ブロック480が導管212より冷たい場合、温度制御ブロック480は導管212の温度を下げる。
【0064】
[0075] 温度制御ブロック480及び外壁254は直接の物理的接触がなく、温度制御ブロック480と外壁254との間に開放空間481が存在する。温度制御ブロック480と壁254との間の開放空間481に流体(保護ガス131など)が流入することができる。温度制御ブロック480は、ハウジング470の内壁475に又はリザーバ140に取り付けられることがある。したがって、温度制御ブロック480は必ずしも内壁475に接触しておらず、流体(保護ガス131など)が温度制御ブロック480と内壁475との間を流れることがある。図4A及び図4Bの実施例では、温度制御ブロック480と内壁475との間に開放空間482があり、温度制御ブロック480と導管212の外壁254との間に開放空間481がある。保護ガス131は開放空間481及び開放空間482に流入する。
【0065】
[0076] 側壁471は流体ポート472を画定し、流体ポート472はガス供給133及び内部473に流体結合されている。保護ガス131はガス供給133から内部473に流れ込む。真空チャンバ109内の圧力は内部473内の圧力より低く、保護ガス131は、開放空間481及び開放空間482を通って引き寄せられる。
【0066】
[0077] 保護ガス131は、開口領域478を略-X方向に通過し、真空チャンバ109に流れ込む。保護ガス131及び流れ121は、開口領域478を略同じ方向(-X方向)に流れる。したがって、保護ガス131は、開口領域478を通ってオリフィス217から遠ざかり、また端部479から遠ざかる方向に真空チャンバ109に流れ込む。保護ガス131の流れの方向は、汚染物質150が開口領域478からハウジング470に入ることを阻止する又は防ぎ、オリフィス217が汚染物質150で塞がれる可能性を低下させる。
【0067】
[0078] 保護ガス131は、開口領域478におけるY-Z平面内の全ての点で一定の流量を有するため、開口領域478を通過するターゲット材料の軌道を妨げることがない。保護ガス131の流量は、汚染物質150を開口領域478から遠ざけるのに十分である、及び/又は汚染物質150が開口領域478を通って内部473内に移動することを防ぐのに十分である。例えば、保護ガス131の流量は1~50標準リットル毎分(slm)である場合がある。開口領域478における保護ガス131の流量は、開放空間481及び482のX方向への広がり、温度制御ブロック480の寸法及び配置、ガス供給133から流体ポート472に入る保護ガス131の流量、内部473と真空チャンバ109との間の圧力差、内壁475の物理的特性、及びY-Z平面における開口領域478のサイズに依存する。
【0068】
[0079] 他の実施例も可能である。例えば、温度制御ブロック480は、流体が内壁475と温度制御ブロック480との間を流れないように内壁475に取り付けられることがある。このような実施例では、保護ガス131は開放空間481のみに流入する。
【0069】
[0080] さらに、供給システム410は、図2A及び図2Bのガス指向システム232のようなガス指向システムを含むことがある。ガス指向システム232は、温度制御ブロック480に取り付けられ、開口領域378に対してx方向に取り付けられることがある。例えば、ガス指向システム232は、温度制御ブロック480の開口領域378に最も近い端部に取り付けられることがある。ガス指向システム232を含む実施例において、ガス指向システム232は、開口領域378のY-Z平面における直径よりも少し大きいY-Z平面における直径を有する。
【0070】
[0081] さらに、一部の実施例において、供給システム410は、アクチュエータ237(図2C及び図2D)のような、外壁254の一部分に取り付けられ、これを取り囲む3次元アクチュエータを含む。アクチュエータがガスポート472とオリフィス217との間にある場合、保護ガス131は、外壁254及び/又はアクチュエータの外面に沿って流れる。温度制御ブロック480はアクチュエータに接続されない。したがって、これらの実施例では、空間481の全部又は一部が、温度制御ブロック480とアクチュエータとの間にあることがある。保護ガス131は、アクチュエータが外壁254に取り付けられる場合に、アクチュエータと外壁254との間を流れることはない。
【0071】
[0082] 図5を参照すると、プロセス500のフローチャートが示されている。プロセス500は、導管212のオリフィス217(図2)のような、供給システムのオリフィスを保護するプロセスの一例である。図5は、オリフィス217についての考察である。ただし、プロセス500は、図1のオリフィス117のような他のオリフィスを保護するのに使用されることがある。
【0072】
[0083] ターゲット材料をオリフィス217に通過させて流れ121を形成する(510)。流れ121は軌道に沿ってオリフィス217から遠ざかる。軌道は、例えば図1図3A、及び図4Aに示すように-X方向にある。保護ガス131は、オリフィス217から遠ざかる方向に流れる(520)。保護ガス131は、オリフィス217から流出することによって、汚染物質150がオリフィス217に到達すること及び/又はノズル250の外側に汚染物質150の層を形成することを阻止するか又は防ぐ(図2A)。このようにして、保護ガス131はオリフィス217を保護し、流れ121が期待される方法で生成されることを確実にする。さらに、流れる保護ガス131は、真空チャンバ109が大気に通気され、酸素がチャンバ109に入るときにオリフィス217を保護する。酸素がチャンバ109に入るとき、金属材料(スズなど)が酸化し、オリフィス217を詰まらせるか又は塞ぐことがある。保護ガス131は、酸素をオリフィス217から遠ざけておく役割を果たす。
【0073】
[0084] 保護ガス131は外壁254に沿って流れることがある。例えば、そして図2Aも参照すると、保護ガス131はガス指向システム232から外壁254に沿って-X方向に流れることがある。保護ガス131は、ノズル250に沿って-X方向に真空チャンバ109に流れ込み続ける。したがって、保護ガス131は、外壁254に沿って流れ、オリフィス217から離れる。
【0074】
[0085] 保護ガス131は、導管212と、導管を取り囲むハウジングの内壁との間の開放空間に流入することがある。例えば、図3Aに示すように、保護ガス131は、導管212の外壁254とハウジング370の内壁375との間にある開放空間376に流入することがある。
【0075】
[0086] 図1について考察したように、一部の実施例では、ガス供給133は2つ以上のチャンバ137を含み、各チャンバは保護ガス131として使用される異なる気体を含むことがある。これらの実施例において、制御システム160は、チャンバ137のうちの特定の1つを選択して保護ガス131を供給することがある。図5Bは、プロセス500とともに又はプロセス500とは独立に行われ得るプロセス515を示している。例えば、プロセス515は、(510)を行った後で(520)を行う前に行われることがある。他の例では、プロセス515はプロセス500とは独立に行われる。プロセス500は、電子処理モジュール161の1つ以上の電子プロセッサによって行われることがある。
【0076】
[0087] EUV光源100の状態が判定される(516)。EUV光源100の状態は、例えば動作モードである場合がある。状態は、例えば、通常動作又は通気状態である場合がある。通常動作では、流れ121は想定通りに生成され、真空チャンバ109は密閉されている。通気状態では、真空チャンバ109が開いており、チャンバ内に酸素が存在する。EUV光源100の状態は、例えば、真空チャンバ109内の酸素センサから、又はI/Oインターフェイス163においてオペレータにより行われた入力から判定されることがある。
【0077】
[0088] 使用する保護ガス131は、判定された状態に基づいて決定される(518)。例えば、命令162は、特定のチャンバ137とEUV光源100の可能な状態との間の関係を記憶するデータベース又はルックアップテーブルを格納することがある。例えば、データベースは、第1のチャンバ137と通常動作状態との関係、及び第2の異なるチャンバ137と通気状態との関係を規定することがある。データベースは、EUV光源100がオペレータによって製造又はプログラムされるときに作成及び記憶されることがある。
【0078】
[0089] 制御システム160は、流体接続部134に結合するチャンバを決定する。例えば、制御システム160は、流体接続部134を通常動作中に第1のチャンバ137に接続し、通気状態中に第2のチャンバ137に接続する流体スイッチを動作させることがある。この例では、第1のチャンバ137は分子状水素(H)ガスを含むことがあり、第2のチャンバ137はアルゴン(Ar)を含むことがある。HガスはArガスより低い質量を有する。したがって、この例では、保護ガス131は、通常動作中に比較的低い質量を有する結果、流れ121が実質的に乱れることはなく、通気状態中に比較的高い質量を有する結果、酸素が供給システムから追いやられることによって、供給システムのコンポーネントの酸化を防ぐ又は抑制する。
【0079】
[0090] 図6及び図7は、以上で考察した制御システム及び/又は供給システムを使用し得るEUVリソグラフィ装置のある例である。図8は、以上で考察した制御システム及び/又は供給システムを使用し得るEUV光源のある例である。
【0080】
[0091] 図6は、ソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置700のブロック図である。リソグラフィ装置700は、
放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、
パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT、
基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WT、及び
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば反射投影システム)PS、を含む。
【0081】
[0092] 照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0082】
[0093] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた手法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
【0083】
[0094] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0084】
[0095] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0085】
[0096] 投影システムPSは、照明システムILと同様に、使用する露光放射、又は真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折、反射、磁気、電磁、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用には真空を使用することが望ましいことがある。したがって、真空環境は、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供してもよい。
【0086】
[0097] 図6及び図7の例において、装置は、反射型(例えば反射マスクを使用する)である。リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0087】
[0098] 図6を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線ビームを受光する。EUV光を生成する方法は、必ずしも限定されないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズのような、EUV範囲に1つ以上の輝線を有する少なくとも1つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換することを含む。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる1つのそのような方法では、必要な線発光元素を有する材料の小滴、流れ、又はクラスタのような燃料を、レーザビームで照射することによって、必要なプラズマが生成される。ソースコレクタモジュールSOは、図6には示されていない、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザを含むEUV放射システムの一部である場合がある。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射のような出力放射を放出し、この出力放射はソースコレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて収集される。例えば二酸化炭素(CO)レーザを使用して燃料励起のためのレーザビームを提供する場合、レーザとソースコレクタモジュールは別個のエンティティである場合がある。
【0088】
[0099] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合、例えば、放射源がしばしばDPP源と呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである場合においては、放射源は、ソースコレクタモジュールの一体部分であってもよい。
【0089】
[0100] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えていてもよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールドミラーデバイス及びファセット瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とを得られるようにしてもよい。
【0090】
[0101] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後に、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けによって、基板テーブルWTを(例えば、放射ビームBの経路に様々なターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
【0091】
[0102] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルス間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用できる。
【0092】
[0103] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0093】
[0104] 図7は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むリソグラフィ装置700の実施例をさらに詳細に示している。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造720内に真空環境を維持できるように構築及び配置される。システムIL及びPSも同様にそれら自身の真空環境内に収容される。レーザ生成LPPプラズマ源によって、EUV放射放出プラズマ2が形成されることがある。ソースコレクタモジュールSOの機能は、プラズマ2からのEUV放射ビーム20を仮想光源点に合焦させるように送出することである。仮想光源点は一般に中間焦点(IF)と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造720のアパーチャ721に又はその近傍に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ2の像である。
【0094】
[0105] 中間焦点IFにおけるアパーチャ721から、放射は、この例ではファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含む照明システムILを横断する。これらのデバイスはいわゆる「フライアイ」イルミネータを形成する。これは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布を与えると共に、パターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与える(参照番号760で示される)ように構成される。支持構造(マスクテーブル)MTにより保持されたパターニングデバイスMAでビーム21が反射されると、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。基板W上のターゲット部分Cを露光するために、基板テーブルWT及びパターニングデバイステーブルMTが同期した移動を行って照明スリットを通してパターニングデバイスMA上のパターンをスキャンすると同時に、放射パルスが生成される。
【0095】
[0106] 各システムIL及びPSは、閉鎖構造720と同様の閉鎖構造により画定されたそれら自身の真空環境又は近真空環境内に配置される。一般に、照明システムIL及び投影システムPS内には、図示するよりも多くの要素が存在する場合がある。さらに、図示するよりも多くのミラーが存在する場合がある。例えば、照明システムIL及び/又は投影システムPS内には、図7に示すもの以外に1つから6つの追加の反射要素が存在する場合がある。
【0096】
[0107] ソースコレクタモジュールSOについてさらに詳しく検討すると、レーザ723を含むレーザエネルギ源が、ターゲット材料を含む燃料内にレーザエネルギ724を蓄積するように配置される。ターゲット材料は、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)など、プラズマ状態でEUV放射を放出する任意の材料としてよい。プラズマ2は、数十電子ボルト(eV)の電子温度を有する高度にイオン化されたプラズマである。例えばテルビウム(Tb)及びガドリニウム(Gd)のような他の燃料材料を用いて、より高いエネルギのEUV放射が生成されることがある。これらのイオンの脱励起及び再結合中に生成されたエネルギ放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって収集され、アパーチャ721に合焦される。プラズマ2及びアパーチャ721は、それぞれコレクタCOの第1及び第2の焦点に位置する。
【0097】
[0108] 図7に示されているコレクタ3は単一の曲面ミラーであるが、コレクタは他の形態をとることがある。例えばコレクタは、2つの放射収集面を有するシュヴァルツシルトコレクタである場合がある。ある実施形態において、コレクタは、相互に入れ子状になった複数の実質的に円筒形のリフレクタを含む斜入射型コレクタである場合がある。
【0098】
[0109] 例えば液体スズである燃料を送出するため、高周波数の小滴の流れ728をプラズマ2の所望の位置に向けて発射するように構成された小滴ジェネレータ726が、構造720内に配置される。小滴ジェネレータ726は、例えば供給システム110、210、310、又は410である場合がある。動作の際、レーザエネルギ724は小滴ジェネレータ726の動作と同期して送出され、各燃料小滴をプラズマ2に変えるための放射インパルスを送出する。小滴送出の周波数は数キロヘルツとすることができ、例えば50kHzである。実際には、レーザエネルギ724は少なくとも2つのパルスで送出される。すなわち、燃料材料を小さいクラウドに気化させるために、限られたエネルギのプレパルスがプラズマ位置に到達する前に小滴へ送出され、次いで、プラズマ2を発生させるため、レーザエネルギ724のメインパルスが所望の位置のクラウドへ送出される。閉鎖構造720の反対側にトラップ730が設けられ、何らかの理由でプラズマに変わらない燃料を捕捉する。
【0099】
[0110] 小滴ジェネレータ726は、燃料液体(例えば溶融スズ)を収容するリザーバ701、フィルタ769、及びノズル702を備える。ノズル702は、燃料液体の小滴をプラズマ2の形成位置に向けて放出するように構成される。リザーバ701内の圧力とピエゾアクチュエータ(図示せず)によりノズルに加えられる振動との組み合わせによって、燃料液体の小滴をノズル702から放出させることがある。
【0100】
[0111] 当業者に既知のように、装置、その様々なコンポーネント、及び放射ビーム20、21、26のジオメトリ及び挙動を測定及び記述するため、基準軸X、Y、及びZを規定することがある。装置の各部において、X軸、Y軸及びZ軸の局所基準系が規定されることがある。図7の例において、Z軸は、システム内の所与のポイントにおいて光軸O方向とほぼ一致し、概ねパターニングデバイス(レチクル)MAの面に垂直であると共に基板Wの面に垂直である。ソースコレクタモジュールにおいて、X軸は燃料流れ728の方向とほぼ一致し、Y軸は図7に示されているように、X軸に直交し、紙面から出ていく方向である。一方、レチクルMAを保持する支持構造MTの近傍において、X軸は、Y軸と位置合わせされたスキャン方向に対して概ね横向きである。便宜上、図7の概略図のこのエリアでは、X軸はここでも記されているように紙面から出ていく方向である。これらの指定は当技術分野において従来からのものであり、本明細書でも便宜的に採用される。原則として、装置及びその挙動を記述するために任意の基準系を選ぶことができる。
【0101】
[0112] 典型的な装置には、全体としてソースコレクタモジュール及びリソグラフィ装置700の動作に使用される多数の追加コンポーネントが存在するが、ここには図示されていない。これらには、例えばコレクタ3及び他の光学系に損傷を与えるか又はそれらの性能を損なう燃料材料の堆積を防止するように、閉鎖された真空内で汚染の効果を低減又は軽減するための構成が含まれる。存在するが詳述しない他の特徴部には、リソグラフィ装置700の様々なコンポーネント及びサブシステムの制御に関与する全てのセンサ、コントローラ及びアクチュエータがある。
【0102】
[0113] 図8を参照すると、LPP EUV光源800の実施例が示されている。光源800は、リソグラフィ装置700におけるソースコレクタモジュールSOとして使用されることがある。さらに、図1の光源105を駆動レーザ815の一部としてもよい。駆動レーザ815はレーザ723(図7)として使用されることがある。
【0103】
[0114] LPP EUV光源800は、プラズマ形成位置805にあるターゲット混合物814を、ビーム経路に沿ってターゲット混合物814に向かって進行する増幅光ビーム810で照射することによって構成される。図1に関して考察されたターゲット材料、及び図1に関して考察されたターゲットの流れ121内のターゲットは、ターゲット混合物814であるか又はターゲット混合物814を含むことがある。プラズマ形成位置805は真空チャンバ830の内部807内にある。増幅光ビーム810がターゲット混合物814に当たると、ターゲット混合物814内のターゲット材料は、EUV範囲内に輝線がある元素を有するプラズマ状態に変換される。生成されたプラズマは、ターゲット混合物814内のターゲット材料の組成に応じた特定の特徴を有する。これらの特徴には、プラズマにより生成されるEUV光の波長、並びにプラズマから放出されるデブリの種類及び量が含まれることがある。
【0104】
[0115] 光源800は駆動レーザシステム815を含み、駆動レーザシステム815は、レーザシステム815の1つ以上の利得媒体内の反転分布によって増幅光ビーム810を生成する。光源800は、レーザシステム815とプラズマ形成位置805との間にビームデリバリシステムを含み、ビームデリバリシステムは、ビーム伝送システム820及びフォーカスアセンブリ822を含む。ビーム伝送システム820は、レーザシステム815から増幅光ビーム810を受光し、必要に応じて増幅光ビーム810を方向操作及び修正し、増幅光ビーム810をフォーカスアセンブリ822に出力する。フォーカスアセンブリ822は、増幅光ビーム810を受光し、ビーム810をプラズマ形成位置805に合焦させる。
【0105】
[0116] 一部の実施例において、レーザシステム815は、1つ以上のメインパルスを提供し、場合によっては1つ以上のプレパルスも提供するための、1つ以上の光増幅器、レーザ、及び/又はランプを含むことがある。各光増幅器は、所望の波長を高い利得で光学的に増幅することができる利得媒体、励起源、及び内部光学系を含む。光増幅器は、レーザミラー、又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有する場合も有しない場合もある。したがって、レーザシステム815は、レーザキャビティが存在しない場合であっても、レーザ増幅器の利得媒体における反転分布によって増幅光ビーム810を生成する。さらに、レーザシステム815は、レーザシステム815に充分なフィードバックを与えるレーザキャビティが存在する場合、コヒーレントなレーザビームである増幅光ビーム810を生成することがある。「増幅光ビーム」という用語は、増幅されているだけで必ずしもコヒーレントなレーザ発振でないレーザシステム815からの光、及び増幅されていると共にコヒーレントなレーザ発振であるレーザシステム815からの光のうちの1つ以上を包含する。
【0106】
[0117] レーザシステム815における光増幅器は、利得媒体として、COを含む充填ガスを含むことがあり、波長が約9100nm~約11000nm、特に約10600nmの光を、800倍以上の利得で増幅することがある。レーザシステム815で使用するのに適した増幅器及びレーザはパルスレーザデバイスを含むことがある。パルスレーザデバイスは、例えば、DC又はRF励起によって約9300nm又は約10600nmの放射を生成し、例えば10kW以上の比較的高いパワーで、例えば40kHz以上の高いパルス繰り返し率で動作するパルスガス放電COレーザデバイスである。パルス繰り返し率は、例えば50kHzとしてもよい。また、レーザシステム815における光増幅器は、レーザシステム815をより高いパワーで動作させる場合に使用され得る水のような冷却システムも含むことがある。
【0107】
[0118] 光源800は、増幅光ビーム810を通過させてプラズマ形成位置805に到達させることができるアパーチャ840を有するコレクタミラー835を含む。コレクタミラー835は、例えば、プラズマ形成位置805に主焦点を有すると共に中間位置845に二次焦点(中間焦点とも呼ばれる)を有する楕円ミラーである場合がある。中間位置845でEUV光は光源800から出力され、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力されることがある。光源800は、端部が開口した中空円錐形シュラウド850(例えばガス円錐)も含むことがある。これは、コレクタミラー835からプラズマ形成位置805に向かって先細になって、増幅光ビーム810がプラズマ形成位置805に到達することを可能にしながら、フォーカスアセンブリ822及び/又はビーム伝送システム820に入るプラズマ生成デブリの量を低減させる。この目的のため、プラズマ形成位置805に向けて指向されるガス流がシュラウドに提供されることがある。
【0108】
[0119] 光源800はまた、小滴位置検出フィードバックシステム856と、レーザ制御システム857と、ビーム制御システム858とに接続されるマスタコントローラ855も含むことがある。光源800は1つ以上のターゲット又は小滴撮像器860を含むことがあり、これは、例えばプラズマ形成位置805に対する小滴の位置を示す出力を与え、この出力を小滴位置検出フィードバックシステム856に提供する。小滴位置検出フィードバックシステム856は、例えば小滴の位置及び軌道を計算することがあり、それらから小滴ごとに又は平均値として小滴位置誤差が計算されることがある。したがって、小滴位置検出フィードバックシステム856は、小滴位置誤差をマスタコントローラ855に対する入力として提供する。したがって、マスタコントローラ855は、例えばレーザ位置、方向、及びタイミング補正信号を、例えばレーザタイミング回路を制御するのに使用され得るレーザ制御システム857に、及び/又は、ビーム伝送システム820の増幅光ビームの位置及び整形を制御して、チャンバ830内のビーム焦点スポットの位置及び/又は集光力を変化させるためにビーム制御システム858に提供することがある。
【0109】
[0120] 供給システム825はターゲット材料送出制御システム826を含む。ターゲット材料送出制御システム826は、マスタコントローラ855からの信号に応答して動作可能であり、例えば、ターゲット材料供給装置827により放出される小滴の放出点を変更して、所望のプラズマ形成位置805に到達する小滴の誤差を補正する。
【0110】
[0121] さらに、光源800は光源検出器865及び870を含むことがあり、これらは、限定ではないが、パルスエネルギ、波長の関数としてのエネルギ分布、特定の波長帯内のエネルギ、特定の波長帯外のエネルギ、並びにEUV強度及び/又は平均出力の角度分布を含む1つ以上のEUV光パラメータを測定する。光源検出器865は、マスタコントローラ855により使用されるフィードバック信号を生成する。フィードバック信号は、効果的かつ効率的なEUV光生成のために適切な時に適切な場所で小滴を正確に捕らえるために、例えばレーザパルスのタイミング及び焦点のようなパラメータの誤差を示すことがある。
【0111】
[0122] 光源800は、光源800の様々なセクションを位置合わせするため、又は増幅光ビーム810をプラズマ形成位置705へ方向操作するのを支援するために使用され得るガイドレーザ875を含むこともある。ガイドレーザ875に関連して、光源800は、フォーカスアセンブリ822内に配置されて、ガイドレーザ875からの光の一部及び増幅光ビーム810をサンプリングするメトロロジシステム824を含む。他の実施例では、メトロロジシステム824はビーム伝送システム820内に配置される。メトロロジシステム824は、光のサブセットをサンプリング又は方向転換する光学素子を含むことがあり、このような光学素子は、ガイドレーザビーム及び増幅光ビーム810のパワーに耐え得る任意の材料から作製される。マスタコントローラ855がガイドレーザ875からのサンプリングされた光を解析し、この情報を用いてビーム制御システム858を介してフォーカスアセンブリ822内のコンポーネントを調整するので、メトロロジシステム824及びマスタコントローラ855からビーム解析システムが形成される。
【0112】
[0123] したがって、要約すると、光源800は増幅光ビーム810を生成し、増幅光ビーム810はビーム経路に沿って誘導されてプラズマ形成位置805のターゲット混合物814を照射して、混合物814内のターゲット材料を、EUV範囲内の光を発するプラズマに変換する。増幅光ビーム810は、レーザシステム815の設計及び特性に基づいて決定される特定の波長(駆動レーザ波長とも呼ばれる)で動作する。さらに、ターゲット材料がコヒーレントなレーザ光を生成するのに充分なフィードバックをレーザシステム815に返す場合、又は駆動レーザシステム815がレーザキャビティを形成する適切な光学フィードバックを含む場合、増幅光ビーム810はレーザビームである場合がある。
【0113】
[0124] 本発明の他の態様を下記の番号付き条項に示す。
1.極端紫外光(EUV)源のためのターゲットデリバリシステムであって、 外部と、内部導管領域と、オリフィスを画定する端部とを含む導管であって、内部導管領域が、プラズマ状態のときにEUV光を発するターゲット材料を受け入れるように構成され、オリフィスが、ターゲット材料を真空チャンバの内部に提供するように構成された導管と、
オフィスを画定する端部から離れ、真空チャンバの内部に向けて保護ガスを流すように構成され、流れる保護ガスが、オリフィスを画定する端部から離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させるように構成された保護システムと、を備えたターゲットデリバリシステム。
2.保護ガスが不活性ガス又は反応ガスを含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
3.保護ガスが分子状水素(H)を含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
4.保護システムが、導管の外部に沿って保護ガスを流すように構成された、条項1のターゲットデリバリシステム。
5.保護システムが、
導管の外部の少なくとも一部分を取り囲む側壁を含み、導管のオリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を備え、
保護ガスが、導管の外部と側壁の内壁との間の開放空間に流入し、保護ガスが、開口端領域を通って本体から流れ出る、条項4のターゲットデリバリシステム。
6.側壁が、開放空間と流体連通する少なくとも1つのポートを備え、ポートが、保護ガスを保持するガス供給に流体結合するように構成された、条項5のターゲットデリバリシステム。
7.保護システムが少なくとも1つのガス源を備えた、条項1のターゲットデリバリシステム。
8.ターゲットデリバリシステムがさらに、導管の外部を少なくとも部分的に取り囲む温度制御ブロックを備え、保護システムが、温度制御ブロックの少なくとも一部分を取り囲み、導管のオリフィスと位置合わせされた開口端領域を画定する本体を備え、
保護ガスが、温度制御ブロックと本体の内壁との間の開放空間に流入し、保護ガスが開口端領域から本体を出る、条項1のターゲットデリバリシステム。
9.1つ以上の汚染物質が移動物質を含み、流れる流体が、導管の端部から離れる1つ以上の移動汚染物質の運動方向を変化させることによって、1つ以上の移動汚染物質と導管の端部との相互作用を軽減するように構成された、条項1のターゲットデリバリシステム。
10.1つ以上の汚染物質が移動物質を含み、流れる流体が、導管の端部から離れる1つ以上の移動汚染物質の運動方向を変化させることによって、1つ以上の移動汚染物質と導管の端部との相互作用を妨げるように構成された、条項1のターゲットデリバリシステム。
11.1つ以上の汚染物質が、気体、液体、蒸気、及び粒子のうちの1つ以上を含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
12.1つ以上の汚染物質が、ケイ素(Si)又は二酸化ケイ素(SiO)を含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
13.1つ以上の汚染物質が、酸素、水、又は二酸化炭素(CO)を含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
14.導管が毛細管を含む、条項1のターゲットデリバリシステム。
15.保護システムが複数の開口部を備えた拡散デバイスを備え、各開口部が、オリフィスを画定する端部から離れる方向に保護ガスを指向させるように構成された、条項1のターゲットデリバリシステム。
16.複数の開口部が、導管の外部を取り囲み、導管の外部に対して均等に分布された、条項15のターゲットデリバリシステム。
17.ターゲット材料デリバリシステムのオリフィスを保護する方法であって、
それぞれがプラズマ状態にあるときにEUV光を発するターゲット材料を含むターゲットの流れを真空チャンバの内部に提供するために、ターゲット材料をオリフィスに通すこと、及び
オリフィスから離れる方向に1つ以上の汚染物質を指向させる保護ガスを、ターゲット材料デリバリシステムに流入させ、オリフィスから離れる方向に真空チャンバの内部に流し込むことを含む方法。
18.流れる保護ガスがターゲットの流れの軌道を変化させない、条項17の方法。
19.流れる保護ガスがターゲットの流れの進行方向に沿った運動成分を有する、条項18の方法。
20.保護ガスを流すことが、オリフィスを画定する導管と、導管を取り囲む本体との間の開放空間に保護ガスを流入させることを含む、条項17の方法。
21.保護ガスが、側壁のポートにおいて開放空間に流入し、本体により画定され、オリフィスと位置合わせされた開口端領域を通って空間から流出する、条項20の方法。
22.保護ガスが、オリフィスと、真空チャンバの内部との間のアパーチャにおいて一定の体積流量を有する、条項17の方法。
23.ターゲット材料デリバリシステムを含む極端紫外光源の状態を判定すること、及び
判定された状態に基づいて、複数の保護ガスのうちのどれを保護ガスとして使用するかを決定することをさらに含む、条項17の方法。
【0114】
[0125] 他の実施例は下記の特許請求の範囲内にある。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8