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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】半導体試料の試験
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240813BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240813BHJP
   G06T 7/33 20170101ALI20240813BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G06T7/00 610A
G06T7/33
G01N21/956 A
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022554197
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 IL2020051145
(87)【国際公開番号】W WO2021199018
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】16/836,606
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504144253
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アルモット ドロール
(72)【発明者】
【氏名】エルカヤム シャロム
(72)【発明者】
【氏名】コーエン シャウル
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0020092(US,A1)
【文献】国際公開第2011/001635(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G06T 7/00
G06T 7/33
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験レシピを使用した半導体試料のコンピュータ化された試験システムであって、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を備えており、前記プロセッサおよびメモリ回路(PMC)が、
試験ツールによって捕捉され、前記半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、ならびに前記半導体試料の前記少なくとも一部分を特徴づける設計データに基づいて生成され、前記設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得し、
前記半導体試料の所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、
前記設計ベース構造要素に関連付けられており、前記第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における前記第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算し、
前記試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた前記エッジ属性に基づいて、前記設計ベース構造要素の前記箇所における前記第1の画像と前記第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す前記設計ベース構造要素のクラスを判定し、
前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素の前記クラスに基づいて、前記試験レシピに所定の層閾値に基づいて前記重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な前記所与の層に対する層スコアを生成するように構成されている、コンピュータ化された試験システム。
【請求項2】
前記第1の画像が、レビューツールによって捕捉された高分解能画像である、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項3】
前記第2の画像が、前記設計データ上でシミュレーションを実行することによって生成されたものである、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項4】
前記PMCが、前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、
前記第1の画像のうち前記第2の画像内の前記設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、1つまたは複数の特有の方向に沿って、1つまたは複数のグレーレベルプロファイルを計算し、
前記設計ベース構造要素に関連付けられており、それぞれのグレーレベルプロファイルと前記試験レシピに含まれるそれぞれの基線グレーレベルプロファイルとの間の差を各々示す1つまたは複数のプロファイル属性を計算するようにさらに構成されており、前記それぞれの基線グレーレベルプロファイルが、前記設計ベース構造要素が属する設計ベース構造要素のファミリに対して、それぞれの特有の方向に沿って計算され、
訓練された分類器を使用してクラスを判定することが、それに関連付けられた前記エッジ属性および前記1つまたは複数のプロファイル属性に基づいて行われる、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項5】
前記PMCが、前記第1の画像内の前記設計ベース構造要素の前記エッジの両側から2つの画素母集団間に統計試験を適用し、前記統計試験の結果に基づいて、前記2つの画素母集団間の離隔距離を判定することによって、前記エッジ属性を計算するように構成されている、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項6】
前記層スコアが、前記設計ベース構造要素のうち有効に重ね合わされていると分類されたものの百分率である、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項7】
前記第2の画像が、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与え、前記複数の層の各々に対して前記計算、使用、および生成を実行して、複数の層スコアを生じさせ、前記PMCが、前記試験レシピに所定の前記複数の層スコアおよび複数の層閾値に基づいて、前記重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するようにさらに構成されている、請求項1に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項8】
試験レシピを使用した半導体試料のコンピュータ化された試験方法であって、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって実行され、前記方法が、
試験ツールによって捕捉され、前記半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、ならびに前記半導体試料の前記少なくとも一部分を特徴づける設計データに基づいて生成され、前記設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得することと、
前記半導体試料の所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、
前記設計ベース構造要素に関連付けられており、前記第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における前記第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、
前記試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた前記エッジ属性に基づいて、前記設計ベース構造要素の前記箇所における前記第1の画像と前記第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す前記設計ベース構造要素のクラスを判定することと、
前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素の前記クラスに基づいて、前記試験レシピに所定の層閾値に基づいて前記重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な前記所与の層に対する層スコアを生成することとを含む、コンピュータ化された試験方法。
【請求項9】
前記第1の画像が、レビューツールによって捕捉された高分解能画像である、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項10】
前記第2の画像が、前記設計データ上でシミュレーションを実行することによって生成されたものである、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項11】
前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、
前記第1の画像のうち前記第2の画像内の前記設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、1つまたは複数の特有の方向に沿って、1つまたは複数のグレーレベルプロファイルを計算することと、
前記設計ベース構造要素に関連付けられており、それぞれのグレーレベルプロファイルと前記試験レシピに含まれるそれぞれの基線グレーレベルプロファイルとの間の差を各々示す1つまたは複数のプロファイル属性を計算することとをさらに含み、前記それぞれの基線グレーレベルプロファイルが、前記設計ベース構造要素が属する設計ベース構造要素のファミリに対して、それぞれの特有の方向に沿って計算され、
訓練された分類器を使用してクラスを判定することが、それに関連付けられた前記エッジ属性および前記1つまたは複数のプロファイル属性に基づいて行われる、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項12】
前記エッジ属性が、前記第1の画像内の前記設計ベース構造要素の前記エッジの両側から2つの画素母集団間に統計試験を適用し、前記統計試験の結果に基づいて、前記2つの画素母集団間の離隔距離を判定することによって計算される、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項13】
前記層スコアが、前記設計ベース構造要素のうち有効に重ね合わされていると分類されたものの百分率である、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項14】
前記第2の画像が、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与え、前記複数の層の各々に対して前記計算、使用、および生成を実行して、複数の層スコアを生じさせ、前記方法が、前記試験レシピに所定の前記複数の層スコアおよび複数の層閾値に基づいて、前記重ね合わされた画像ペアの有効性を判定することをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項15】
命令のプログラムを有形に具現化する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、コンピュータによって実行されたとき、試験レシピを使用した半導体試料の試験方法を前記コンピュータに実行させ、前記方法が、
試験ツールによって捕捉され、前記半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、ならびに前記半導体試料の前記少なくとも一部分を特徴づける設計データに基づいて生成され、前記設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得することと、
前記半導体試料の所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、
前記設計ベース構造要素に関連付けられており、前記第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における前記第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、
前記試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた前記エッジ属性に基づいて、前記設計ベース構造要素の前記箇所における前記第1の画像と前記第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す前記設計ベース構造要素のクラスを判定することと、
前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素の前記クラスに基づいて、前記試験レシピに所定の層閾値に基づいて前記重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な前記所与の層に対する層スコアを生成することとを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成するコンピュータ化されたシステムであって、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を備えており、前記プロセッサおよびメモリ回路(PMC)が、
i)1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットであり、各第1の画像ペアが、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および前記半導体試料の前記少なくとも一部分を特徴づける設計データに基づいて生成された第2の画像を含み、前記第1の画像および前記第2の画像が、有効に重ね合わされており、前記第2の画像が、前記設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える、第1のサブセット、ならびにii)1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットであり、各第2の画像ペアが、前記第1のサブセット内のそれぞれの第1の画像ペアにおける前記第1の画像および前記第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって生成され、それにより前記生成された第2の画像ペアが無効に重ね合わされる、第2のサブセットを含む訓練セットを取得し、
前記訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付け、
各設計ベース構造要素に対して、前記設計ベース構造要素に関連付けられており、前記第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における前記第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算し、
前記半導体試料の所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に関連付けられた前記エッジ属性およびその前記ラベルを使用して、前記設計ベース構造要素の前記箇所における前記第1の画像と前記第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練し、
前記訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、各画像ペアの前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定し、各設計ベース構造要素に対して前記判定されたクラスに基づいて、前記所与の層に対する層スコアを生成し、
前記訓練セットの各画像ペアの前記所与の層の前記層スコアに基づいて層閾値を生成し、
前記訓練された分類器および前記所与の層に関連付けられた前記層閾値を前記試験レシピに含むように構成されている、コンピュータ化されたシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの第2の画像ペアが、第1の画像ペアにおける前記第1の画像の内容を修正することによって生成されたものである、請求項16に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの第2の画像ペアが、第1の画像ペアにおける前記第1の画像と前記第2の画像との間の相対位置を修正することによって生成されたものである、請求項16に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項19】
前記PMCが、対応する画像ペアの前記重ね合わせの有効性、および前記対応する画像ペアが第2の画像ペアである場合の前記修正のうちの少なくとも1つに基づいて、前記関連付けを実行するように構成されている、請求項16に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項20】
前記PMCが、
各設計ベース構造要素に対して、前記第1の画像のうち前記第2の画像内の前記設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、特有の方向に沿って、グレーレベルプロファイルを計算し、
有効に重ね合わされた設計ベース構造要素のうち、設計ベース構造要素の各ファミリに対する基線グレーレベルプロファイルを、前記ファミリ内の各設計ベース構造要素の前記グレーレベルプロファイルに基づいて、前記特有の方向に沿って計算し、
各設計ベース構造要素に対して、それに関連付けられており、その前記グレーレベルプロファイルと前記基線グレーレベルプロファイルとの間の差を示すプロファイル属性を計算するようにさらに構成されており、前記分類器の訓練および前記訓練された分類器の使用が、それに関連付けられた前記エッジ属性および前記プロファイル属性に基づいて行われ、
前記試験レシピが、前記基線グレーレベルプロファイルをさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項21】
複数の基線グレーレベルプロファイルが、各ファミリに対して、複数の特有の方向に沿って計算されたものであり、前記試験レシピに含まれている、請求項20に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項22】
各画像ペアにおける前記第2の画像が、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与え、前記複数の層の各々に対して前記関連付け、計算、訓練、使用、および包含を実行して、前記複数の層に対応する複数の試験レシピを生じさせる、請求項16に記載のコンピュータ化されたシステム。
【請求項23】
命令のプログラムを有形に具現化する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、コンピュータによって実行されたとき、半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成する方法を前記コンピュータに実行させ、前記方法が、
i)1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットであり、各第1の画像ペアが、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および前記半導体試料の前記少なくとも一部分を特徴づける設計データに基づいて生成された第2の画像を含み、前記第1の画像および前記第2の画像が、有効に重ね合わされており、前記第2の画像が、前記設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える、第1のサブセット、ならびにii)1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットであり、各第2の画像ペアが、前記第1のサブセット内のそれぞれの第1の画像ペアにおける前記第1の画像および前記第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって生成され、それにより前記生成された第2の画像ペアが無効に重ね合わされる、第2のサブセットを含む訓練セットを取得することと、
前記訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付けることと、
各設計ベース構造要素に対して、前記設計ベース構造要素に関連付けられており、前記第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における前記第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、
前記半導体試料の所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に関連付けられた前記エッジ属性およびその前記ラベルを使用して、前記設計ベース構造要素の前記箇所における前記第1の画像と前記第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練することと、
前記訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた前記エッジ属性に基づいて、各画像ペアの前記所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定し、各設計ベース構造要素に対して前記判定されたクラスに基づいて、前記所与の層に対する層スコアを生成することと、
前記訓練セットの各画像ペアの前記所与の層の前記層スコアに基づいて層閾値を生成することと、
前記訓練された分類器および前記所与の層に関連付けられた前記層閾値を前記試験レシピに含むこととを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
少なくとも1つの第2の画像ペアが、第1の画像ペアにおける前記第1の画像の内容を修正することによって生成されたものである、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
少なくとも1つの第2の画像ペアが、第1の画像ペアにおける前記第1の画像と前記第2の画像との間の相対位置を修正することによって生成されたものである、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記関連付けが、対応する画像ペアの前記重ね合わせの有効性、および前記対応する画像ペアが第2の画像ペアである場合の前記修正のうちの少なくとも1つに基づいて実行される、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記方法が、
各設計ベース構造要素に対して、前記第1の画像のうち前記第2の画像内の前記設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、特有の方向に沿って、グレーレベルプロファイルを計算することと、
有効に重ね合わされた設計ベース構造要素のうち、設計ベース構造要素の各ファミリに対する基線グレーレベルプロファイルを、前記ファミリ内の各設計ベース構造要素の前記グレーレベルプロファイルに基づいて、前記特有の方向に沿って計算することと、
各設計ベース構造要素に対して、それに関連付けられており、その前記グレーレベルプロファイルと前記基線グレーレベルプロファイルとの間の差を示すプロファイル属性を計算することとをさらに含み、前記分類器の訓練および前記訓練された分類器の使用が、それに関連付けられた前記エッジ属性および前記プロファイル属性に基づいて行われ、
前記試験レシピが、前記基線グレーレベルプロファイルをさらに含む、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
複数の基線グレーレベルプロファイルが、各ファミリに対して、複数の特有の方向に沿って計算されたものであり、前記試験レシピに含まれている、請求項27に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
各画像ペアにおける前記第2の画像が、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与え、前記複数の層の各々に対して前記関連付け、計算、訓練、使用、および包含を実行して、前記複数の層に対応する複数の試験レシピを生じさせる、請求項23に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題は、一般に試料の試験の分野に関し、より詳細には試験レシピを使用した半導体試料の試験に関する。
【背景技術】
【0002】
製造されたデバイスの超大規模集積に関連する高い密度および性能に対する現在の需要により、1μm以下の特徴、トランジスタおよび回路速度の上昇、ならびに信頼性の改善が必要とされている。そのような需要により、高い精度および均一性を有するデバイス特徴の形成が必要とされ、それには半導体ウエハの状態にある間に、デバイスの自動試験を含めて製造プロセスを注意深く監視する必要がある。
【0003】
非限定的な例として、ランタイム試験では、2段階の手順を用いることができ、たとえば試料の検査に続いて、潜在的な欠陥の抽出箇所のレビューが行われる。第1の段階中には、試料の表面が、速い速度および比較的低い分解能で検査される。第1の段階では、欠陥のある確率が高い試料上の疑わしい箇所を示すための欠陥マップが作成される。第2の段階中には、疑わしい箇所の少なくともいくつかが、比較的高い分解能でより徹底的に分析される。いくつかの場合、同じ検査ツールによって両方の段階を実行することができ、いくつかの他の場合、これら2つの段階が異なる検査ツールによって実行される。
【0004】
試料上の欠陥を検出および分類し、ならびに計測関連動作を実行するために、半導体製造中の様々なステップで試験プロセスが使用される。プロセスの自動化、たとえば自動欠陥分類(ADC)、自動欠陥レビュー(ADR)、画像セグメンテーションなどによって、試験の効果を高めることができる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示する主題の特定の態様によれば、試験レシピを使用した半導体試料の試験システムが提供され、このシステムは、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を備えており、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)は、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成され、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得し、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算し、試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す設計ベース構造要素のクラスを判定し、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のクラスに基づいて、試験レシピに所定の層閾値に基づいて重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な所与の層に対する層スコアを生成するように構成されている。
【0006】
上記の特徴に加えて、本明細書に開示する主題のこの態様によるシステムは、以下に挙げる特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
(i)第1の画像は、レビューツールによって捕捉された高分解能画像とすることができる。
(ii)第2の画像は、設計データ上でシミュレーションを実行することによって生成することができる。
(iii)PMCは、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、第1の画像のうち第2の画像内の設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、1つまたは複数の特有の方向に沿って、1つまたは複数のグレーレベルプロファイルを計算し、設計ベース構造要素に関連付けられており、それぞれのグレーレベルプロファイルと試験レシピに含まれるそれぞれの基線グレーレベルプロファイルとの間の差を各々示す1つまたは複数のプロファイル属性を計算するようにさらに構成することができ、それぞれの基線グレーレベルプロファイルは、設計ベース構造要素が属する設計ベース構造要素のファミリに対して、それぞれの特有の方向に沿って計算され、訓練された分類器を使用してクラスを判定することは、それに関連付けられたエッジ属性および1つまたは複数のプロファイル属性に基づいて行われる。
(iv)PMCは、第1の画像内の設計ベース構造要素のエッジの両側から2つの画素母集団間に統計試験を適用し、統計試験の結果に基づいて、2つの画素母集団間の離隔距離を判定することによって、エッジ属性を計算するように構成することができる。
(v)層スコアは、設計ベース構造要素のうち、有効に重ね合わされていると分類されたものの百分率とすることができる。
(vi)第2の画像は、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与えることができ、複数の層の各々に対して計算、使用、および生成を実行して、複数の層スコアを生じさせ、PMCは、試験レシピに所定の複数の層スコアおよび複数の層閾値に基づいて、重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するようにさらに構成されている。
【0007】
本明細書に開示する主題の他の態様によれば、試験レシピを使用した半導体試料の試験方法が提供され、この方法は、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって実行され、この方法は、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成され、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す設計ベース構造要素のクラスを判定することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のクラスに基づいて、試験レシピに所定の層閾値に基づいて重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な所与の層に対する層スコアを生成することとを含む。
【0008】
開示する主題のこの態様は、システムに関して上記に挙げた特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、必要な変更を加えて、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
【0009】
本明細書に開示する主題の他の態様によれば、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、これらの命令は、コンピュータによって実行されたとき、試験レシピを使用した半導体試料の試験方法をコンピュータに実行させ、この方法は、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって実行され、この方法は、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成され、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、試験レシピに含まれる訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す設計ベース構造要素のクラスを判定することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のクラスに基づいて、試験レシピに所定の層閾値に基づいて重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能な所与の層に対する層スコアを生成することとを含む。
【0010】
開示する主題のこの態様は、システムに関して上記に挙げた特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、必要な変更を加えて、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
【0011】
本明細書に開示する主題の特定の態様によれば、半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成するシステムが提供され、このシステムは、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を備え、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)は、i)1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットであり、各第1の画像ペアが、試験ツールによって捕捉され、試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含み、第1の画像および第2の画像が、有効に重ね合わされており、第2の画像が、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える、第1のサブセット、ならびにii)1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットであり、各第2の画像ペアが、第1のサブセット内のそれぞれの第1の画像ペアにおける第1の画像および第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって生成され、それにより生成された第2の画像ペアが無効に重ね合わされる、第2のサブセットを含む訓練セットを取得し、訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付け、各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算し、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性およびそのラベルを使用して、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練し、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、各画像ペアの所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定し、各設計ベース構造要素に対して判定されたクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成し、訓練セットの各画像ペアの所与の層の層スコアに基づいて層閾値を生成し、訓練された分類器および所与の層に関連付けられた層閾値を試験レシピに含むように構成されている。
【0012】
上記の特徴に加えて、本明細書に開示する主題のこの態様によるシステムは、以下に挙げる特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
(i)第1の画像ペアにおける第1の画像の内容を修正することによって、少なくとも1つの第2の画像ペアを生成することができる。
(ii)第1の画像ペアにおける第1の画像と第2の画像との間の相対位置を修正することによって、少なくとも1つの第2の画像ペアを生成することができる。
(iii)PMCは、対応する画像ペアの重ね合わせの有効性、および対応する画像ペアが第2の画像ペアである場合の修正のうちの少なくとも1つに基づいて、関連付けを実行するように構成することができる。
(iv)PMCは、各設計ベース構造要素に対して、第1の画像のうち第2の画像内の設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、特有の方向に沿って、グレーレベルプロファイルを計算し、有効に重ね合わされた設計ベース構造要素のうち、設計ベース構造要素の各ファミリに対する基線グレーレベルプロファイルを、ファミリ内の各設計ベース構造要素のグレーレベルプロファイルに基づいて、特有の方向に沿って計算し、各設計ベース構造要素に対して、それに関連付けられており、そのグレーレベルプロファイルと基線グレーレベルプロファイルとの間の差を示すプロファイル属性を計算するようにさらに構成することができ、分類器の訓練および訓練された分類器の使用は、それに関連付けられたエッジ属性およびプロファイル属性に基づいて行われる。試験レシピは、基線グレーレベルプロファイルをさらに含むことができる。
(v)各ファミリに対して、複数の特有の方向に沿って、複数の基線グレーレベルプロファイルを計算することができ、試験レシピに含まれる。
(vi)各画像ペアにおける第2の画像は、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与えることができ、複数の層の各々に対して関連付け、計算、訓練、使用、および包含を実行して、複数の層に対応する複数の試験レシピを生じさせることができる。
【0013】
本明細書に開示する主題の他の態様によれば、半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成する方法が提供され、この方法は、i)1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットであり、各第1の画像ペアが、試験ツールによって捕捉され、試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含み、第1の画像および第2の画像が、有効に重ね合わされており、第2の画像が、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える、第1のサブセット、ならびにii)1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットであり、各第2の画像ペアが、第1のサブセット内のそれぞれの第1の画像ペアにおける第1の画像および第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって生成され、それにより生成された第2の画像ペアが無効に重ね合わされる、第2のサブセットを含む訓練セットを取得することと、訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付けることと、各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性およびそのラベルを使用して、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練することと、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、各画像ペアの所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定し、各設計ベース構造要素に対して判定されたクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成することと、訓練セットの各画像ペアの所与の層の層スコアに基づいて層閾値を生成することと、訓練された分類器および所与の層に関連付けられた層閾値を試験レシピに含むこととを含む。
【0014】
開示する主題のこの態様は、システムに関して上記に挙げた特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、必要な変更を加えて、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
【0015】
本明細書に開示する主題の他の態様によれば、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、これらの命令は、コンピュータによって実行されたとき、半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成する方法をコンピュータに実行させ、この方法は、i)1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットであり、各第1の画像ペアが、試験ツールによって捕捉され、試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含み、第1の画像および第2の画像が、有効に重ね合わされており、第2の画像が、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与える、第1のサブセット、ならびにii)1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットであり、各第2の画像ペアが、第1のサブセット内のそれぞれの第1の画像ペアにおける第1の画像および第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって生成され、それにより生成された第2の画像ペアが無効に重ね合わされる、第2のサブセットを含む訓練セットを取得することと、訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付けることと、各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算することと、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性およびそのラベルを使用して、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練することと、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、各画像ペアの所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定し、各設計ベース構造要素に対して判定されたクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成することと、訓練セットの各画像ペアの所与の層の層スコアに基づいて層閾値を生成することと、訓練された分類器および所与の層に関連付けられた層閾値を試験レシピに含むこととを含む。
【0016】
開示する主題のこの態様は、システムに関して上記に挙げた特徴(i)~(vi)のうちの1つまたは複数を、必要な変更を加えて、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で含むことができる。
【0017】
本開示を理解し、実際にどのように実施することができるかを確かめるために、実施形態について、添付の図面を参照して、単に非限定的な例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるレシピ生成システムの機能ブロック図である。
図1B】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験システムの機能ブロック図である。
図2】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成する概略的な流れ図である。
図3】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験レシピを使用した半導体試料の試験の概略的な流れ図である。
図4】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による例示的な画像重ね合わせプロセスを示す図である。
図5】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による無効に重ね合わされた画像ペアのいくつかの例を示す図である。
図6】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による第1の画像ペアに基づいて人工的に生成された第2の画像ペアのいくつかの例を示す図である。
図7】本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるエッジの存在を試験するためにエッジ属性がどのように使用されるかを概略的に示す図である。
図8】本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるGLプロファイルおよび基線GLプロファイルの計算の一例を示す図である。
図9】本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるプロファイル属性のいくつかの例を示す図である。
図10】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による設計ベース構造要素の属性およびラベルを使用して分類器を訓練する概略図である。
図11】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による層閾値を生成する概略的なグラフである。
図12】本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験レシピを使用した試料のランタイム試験の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明では、本開示の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかし、これらの具体的な詳細がなくても、本明細書に開示する主題を実施することができることが、当業者には理解されよう。他の例では、本明細書に開示する主題を曖昧にしないように、よく知られている方法、手順、構成要素、および回路について詳細には説明しない。
【0020】
以下の議論から明らかなように、別途具体的に記載されない限り、本明細書全体にわたって、「試験」、「取得」、「計算」、「使用」、「生成」、「判定」、「関連付け」、「訓練」、「包含」、「修正」、「実行」などの用語を利用する議論は、データを他のデータに操作および/または変換するコンピュータの動作および/またはプロセスを指し、前記データは物理的、たとえば電子的な量として表されており、前記データは物理的なオブジェクトを表すことが理解されよう。「コンピュータ」という用語は、非限定的な例として、本出願に開示する試験システム、レシピ生成システム、およびそのそれぞれの部分を含めて、データ処理能力を有する任意の種類のハードウェアベースの電子デバイスを包含するように、包括的に解釈されるべきである。
【0021】
本明細書で使用される「非一時的メモリ」および「非一時的記憶媒体」という用語は、本明細書に開示する主題に好適な任意の揮発性または不揮発性コンピュータメモリを包含するように、包括的に解釈されるべきである。
【0022】
本明細書で使用される「試料」という用語は、半導体集積回路、磁気ヘッド、フラットパネルディスプレイ、および他の半導体で製造された物品を製造するために使用される任意の種類のウエハ、マスク、ならびにこれらの他の構造、組合せ、および/または部分を包含するように、包括的に解釈されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される「試験」という用語は、任意の種類の計測関連動作、ならびにその製造中の試料内の欠陥の検出および/または分類に関係する動作を包含するように、包括的に解釈されるべきである。試験は、試験すべき試料の製造中または製造後に非破壊的試験ツールを使用することによって提供される。非限定的な例として、試験プロセスは、同じまたは異なる検査ツールを使用して、試料またはその部分に関連して提供される、ランタイム走査(単一または複数の走査)、サンプリング、レビュー、測定、分類、および/または他の動作を含むことができる。同様に、試験は、試験すべき試料の製造前に提供することができ、たとえば試験レシピの生成および/または他の設定動作を含むことができる。別途具体的に記載されない限り、本明細書で使用される「試験」という用語またはその派生語は、検査区域の分解能またはサイズに関して限定されないことに留意されたい。様々な非破壊的試験ツールには、非限定的な例として、走査電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、光学検査ツールなどが含まれる。
【0024】
本明細書で使用される「欠陥」という用語は、試料上または試料内に形成される任意の種類の異常または望ましくない特徴を包含するように、包括的に解釈されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される「設計データ」という用語は、試料の階層的物理設計(レイアウト)を示す任意のデータを包含するように、包括的に解釈されるべきである。設計データは、それぞれの設計者によって提供することができ、かつ/または物理設計(たとえば、複雑なシミュレーション、簡単な幾何演算、およびブール演算など)から導出することができる。設計データは、異なる形式で、非限定的な例としてGDSII形式、OASIS形式などとして提供することができる。設計データは、ベクトル形式、グレースケール強度画像形式などで提示することができる。
【0026】
別途具体的に記載されない限り、別個の実施形態の文脈で説明される本明細書に開示する主題の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることが理解されよう。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される本明細書に開示する主題の様々な特徴を、別個にまたは任意の好適な部分的な組合せで提供することもできる。以下の詳細な説明では、方法および装置の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。
【0027】
これを念頭に、本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるレシピ生成システムの機能ブロック図を示す図1Aに注目されたい。
【0028】
図1Aに示すレシピ生成システム100は、半導体試料(たとえば、ウエハおよび/またはその部分)の試験のために試験システム130(図1Bに示す)によって使用可能な試験レシピを生成するために使用することができる。示されているシステム100は、図2を参照してさらに詳細に後述するように、試料の少なくとも一部を表す画像ペアを含む訓練セットに基づいて試験レシピを自動的に生成することが可能なコンピュータベースのシステムとすることができる。本明細書に開示する主題の特定の実施形態によれば、システム100は、試料の1つまたは複数の画像を捕捉するように構成された1つまたは複数の試験ツール120に動作可能に接続することができる。試験ツールおよびそれによって捕捉される画像の詳細は、図1Bを参照してさらに詳細に説明する。特定の実施形態によれば、システム100は、試料を特徴付ける設計データを記憶および提供するように構成された設計データサーバ110(たとえば、CADサーバ)に動作可能にさらに接続することができる。試料の設計データは、試料の物理設計レイアウト(たとえば、CADクリップ)、ラスタ画像、および設計レイアウトから導出されたシミュレート画像という形式のうちのいずれかとすることができる。試料の画像および設計データは、記憶ユニット122に事前収集および記憶することができ、訓練セットの生成のために使用することができる。
【0029】
システム100は、ハードウェアベースのI/Oインターフェース126に動作可能に接続されたプロセッサおよびメモリ回路(PMC)102を含む。PMC102は、図2を参照してさらに詳述するように、システム101を動作させるために必要なすべての処理を提供するように構成されており、プロセッサ(別個に図示せず)およびメモリ(別個に図示せず)を備える。PMC102のプロセッサは、PMCに含まれる非一時的コンピュータ可読メモリ上で実行されるコンピュータ可読命令に従って、いくつかの機能モジュールを実行するように構成することができる。以下、そのような機能モジュールは、PMCに含まれるものとして参照される。
【0030】
本明細書に開示する主題の特定の実施形態によれば、PMC102に含まれる機能モジュールは、訓練セットジェネレータ103、属性ジェネレータ104、訓練モジュール105、分類器106、およびレシピジェネレータ107を含むことができる。訓練セットジェネレータ103は、1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセットおよび1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセットを含む訓練セットを取得するように構成することができる。各第1の画像ペアは、2つの適切/有効に重ね合わされた画像、すなわち試験ツールによって捕捉され、試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含む。各第2の画像ペアは、対応する第1の画像ペアに基づいて、たとえば第1の画像ペアにおける第1の画像および第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって、人工/合成で生成され、それにより生成された第2の画像ペアにおける2つの画像が無効に重ね合わされる。いくつかの場合、訓練セットは、記憶ユニット122に事前生成および記憶することができ、訓練セットジェネレータ103によって記憶ユニット122から取り出すことができる。いくつかの他の場合、訓練セットは、システム100によって生成することができる。例として、訓練セットジェネレータ103は、I/Oインターフェース126を介して、試験ツール120からの捕捉画像および設計データサーバ110からの対応する設計データを受け取り、これらの間で画像の重ね合わせを実行するように構成することができる。訓練セットジェネレータ103は、画像ペアの第2のサブセットを生成するようにさらに構成することができる。画像の重ね合わせならびに第2のサブセットの生成は、図2を参照してさらに詳細に後述する。
【0031】
各第2の画像は、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与えることができる。訓練セットジェネレータ103は、訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付けるようにさらに構成することができる。
【0032】
各設計ベース構造要素に対して、属性ジェネレータ104は、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示す設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性を計算するように構成することができる。訓練モジュール105は、各設計ベース構造要素のラベルおよびそれに関連付けられたエッジ属性を使用して、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器106を訓練するように構成することができる。
【0033】
レシピジェネレータ107は、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて、各画像ペアの所与の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々に対するクラスを判定し、1つまたは複数の設計ベース構造要素の判定されたクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成するように構成することができる。レシピジェネレータ107は、訓練セットの各画像ペアの所与の層の層スコアに基づいて層閾値を生成し、訓練された分類器および層閾値を試験レシピに含むようにさらに構成することができる。
【0034】
システム100、PMC102、およびその中の機能モジュールの動作は、図2を参照してさらに詳述する。
【0035】
特定の実施形態によれば、システム100は、記憶ユニット122を備えることができる。記憶ユニット122は、システム100を動作させるために必要な任意のデータ、たとえばシステム100の入力および出力に関係するデータ、ならびにシステム100によって生成される中間処理結果を記憶するように構成することができる。例として、記憶ユニット122は、試験ツール120によって作成された訓練画像および/またはその派生物を記憶するように構成することができる。記憶ユニット122はまた、試料を特徴付ける設計データおよび/またはその派生物を記憶するように構成することができる。いくつかの実施形態では、記憶ユニット122は、上述したように、事前生成された訓練セットを記憶するように構成することができる。それに応じて、記憶されたデータを記憶ユニット122から取り出し、さらなる処理のためにPMC102へ提供することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム100は、任意選択で、システム100に関係するユーザ指定入力を可能にするように構成されたコンピュータベースのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)124を備えることができる。たとえば、試料の画像データおよび/または設計データを含む試料の視覚表現をユーザに(たとえば、GUI124の表示形成部によって)提示することができる。GUIを介して、特定の動作パラメータの定義、たとえば構成パラメータの訓練の選択肢を、ユーザに提供することができる。ユーザはまた、たとえば訓練結果などの動作結果を、GUI上で見ることができる。
【0037】
本明細書に開示する主題の教示は、図1Aに示すシステムによって拘束されるものではなく、均等物および/または修正機能を別の形で統合または分割することができ、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアの任意の適当な組合せで実行することができることが、当業者には容易に理解されよう。
【0038】
図1Aに示すレシピ生成システムは、分散されたコンピューティング環境で実行することができ、図1Aに示す前述の機能モジュールをいくつかの局所および/または遠隔デバイスに分散させることができ、通信ネットワークを通じてリンクさせることができることに留意されたい。他の実施形態では、記憶ユニット122および/またはGUI124のうちの少なくとも一部がシステム100の外部に位置することもでき、I/Oインターフェース126を介してシステム100とデータ通信するように動作することができることにさらに留意されたい。システム100は、試験ツールとともに使用される独立型のコンピュータとして実行することができる。別法として、いくつかの場合、システム100のそれぞれの機能を、1つまたは複数の試験ツール120と少なくとも部分的に一体化することもできる。
【0039】
本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験システムの機能ブロック図を示す図1Bに注目されたい。
【0040】
図1Bに示す試験システム130は、試料製造プロセスの一部として、半導体試料(たとえば、ウエハおよび/またはその部分)の試験に使用することができる。システム130は、図1Aに示すレシピ生成システム100によって生成された試験レシピを使用して、試料を試験することができる。示されている試験システム130は、試料製造中に取得された画像(以下、製造プロセス(FP)画像または画像と呼ぶ)および試料を特徴付ける設計データを使用して、試験関連情報を自動的に判定することが可能なコンピュータベースのシステム131を備えることができる。システム131は、全体として、FPEI(製造プロセス試験情報)システムと呼ぶことができる。本明細書に開示する主題の特定の実施形態によれば、システム131は、図3を参照してさらに詳細に後述するように、画像ペアの重ね合わせの有効性を判定するように構成することができる。システム131は、1つまたは複数の試験ツール120に動作可能に接続することができる。試験ツール120は、FP画像を捕捉し、かつ/または捕捉されたFP画像を調査し、かつ/または捕捉画像に関係する測定を可能にしもしくは提供するように構成される。システム131は、設計データサーバ110および記憶ユニット142に動作可能にさらに接続することができる。
【0041】
例として、FP画像(本明細書では、画像とも呼ぶ)は、製造プロセス中に捕捉された試料(たとえば、ウエハまたはその部分)の複数の画像、様々な前処理段階によって取得された捕捉画像の派生物(たとえば、SEMまたは光学検査システムによって捕捉されたウエハまたはフォトマスクの一部分の画像、ADCによって分類されるべき欠陥の周りに大まかに中心に位置合わせされたSEM画像、ADRによって欠陥が特定されるべきより大きい領域のSEM画像、同じマスク箇所に対応する異なる試験モダリティの重ね合わせ画像、セグメント化された画像、高さマップ画像など)から選択することができる。いくつかの場合、これらの画像は、画像データ(たとえば、捕捉画像、処理された画像など)、および関連する数値データ(たとえば、メタデータ、手細工の属性など)を含むことができることに留意されたい。画像データは、当該層および/または試料の1つもしくは複数の層に関係するデータを含むことができることにさらに留意されたい。
【0042】
本明細書で使用される「試験ツール」という用語は、非限定的な例として、試料またはその部分に関連して提供される撮像、走査(単一または複数の走査)、サンプリング、レビュー、測定、分類、および/または他のプロセスを含めて、試験関連プロセスで使用することができる任意のツールを包含するように、包括的に解釈されるべきである。1つまたは複数の試験ツール120は、1つもしくは複数の検査ツールおよび/または1つもしくは複数のレビューツールを含むことができる。いくつかの場合、試験ツール120のうちの少なくとも1つは、試料(たとえば、ウエハ全体、ダイ全体、またはその部分)を走査して、潜在的な欠陥の検出のための検査画像を(典型的には、比較的速い速度および/または低い分解能で)捕捉するように構成された検査ツールとすることができる。いくつかの場合、試験ツール120のうちの少なくとも1つは、検査ツールによって検出された欠陥のうちの少なくともいくつかのレビュー画像を捕捉して、潜在的な欠陥が実際に欠陥であるかどうかを確かめるように構成されたレビューツールとすることができる。そのようなレビューツールは通常、ダイの断片を一度に1つずつ(典型的には、比較的遅い速度および/または高い分解能で)検査するように構成される。検査ツールおよびレビューツールは、同じもしくは異なる箇所に位置する異なるツール、または2つの異なるモードで動作する単一のツールとすることができる。いくつかの場合、少なくとも1つの試験ツールは、計測能力を有することができる。
【0043】
本開示の範囲を何ら限定するものではないが、試験ツール120は、光学撮像機械、電子ビーム検査機械などの様々なタイプの検査機械として実行することができることにも留意されたい。いくつかの場合、同じ試験ツールが、低分解能の画像データおよび高分解能の画像データを提供することができる。
【0044】
システム131は、ハードウェアベースのI/Oインターフェース136に動作可能に接続されたプロセッサおよびメモリ回路(PMC)132を含む。PMC132は、図3を参照してさらに詳述するように、システム131を動作させるために必要なすべての処理を提供するように構成されており、プロセッサ(別個に図示せず)およびメモリ(別個に図示せず)を備える。PMC132のプロセッサは、PMCに含まれる非一時的コンピュータ可読メモリ上で実行されるコンピュータ可読命令に従っていくつかの機能モジュールを実行するように構成することができる。以下、そのような機能モジュールは、PMCに含まれるものとして参照される。
【0045】
特定の実施形態によれば、PMC132に含まれる機能モジュールは、属性ジェネレータ134、分類器135、および有効性判定モジュール138を含むことができる。PMC132は、I/Oインターフェース136を介して、ランタイム(すなわち、製作時間/段階)において、試験ツールによって捕捉され、半導体試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを取得するように構成することができる。第2の画像は、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与えることができる。いくつかの実施形態では、第1の画像と第2の画像との間の画像の重ね合わせは、I/Oインターフェース136を介して、試験ツール120からの捕捉画像および設計データサーバ110からの対応する設計データを受け取ったとき、システム131によって実行することができる。別法として、画像の重ね合わせ、またはその機能の少なくとも一部は、外部で(たとえば、システム131の外部に位置するシステムによって)実行することができ、重ね合わせ結果(すなわち、重ね合わされた画像ペア)を、さらなる処理のためにシステム131へ提供することができる。
【0046】
所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、属性ジェネレータ134は、設計ベース構造要素に関連付けられており、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すエッジ属性を計算するように構成することができる。試験レシピに含まれる分類器135(すなわち、訓練された分類器)は、それに関連付けられたエッジ属性に基づいて設計ベース構造要素のクラスを判定するために使用することができる。クラスは、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を示す。有効性判定モジュール138は、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成するように構成することができる。スコアは、試験レシピに所定の閾値に基づいて重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能である。
【0047】
システム130、システム131、PMC132、およびその中の機能モジュールの動作は、図3を参照してさらに詳述する。
【0048】
特定の実施形態によれば、システム130は、記憶ユニット142を備えることができる。記憶ユニット142は、システム130を動作させるために必要な任意のデータ、たとえばシステム130の入力および出力に関係するデータ、ならびにシステム130によって生成される中間処理結果を記憶するように構成することができる。例として、記憶ユニット142は、試験ツール120によって作成された画像および/またはその派生物を記憶するように構成することができる。記憶ユニット142はまた、試料を特徴付ける設計データおよび/またはその派生物を記憶するように構成することができる。いくつかの実施形態では、記憶ユニット142は、上述したように、事前生成された重ね合わされた画像ペアを記憶するように構成することができる。それに応じて、記憶されたデータを記憶ユニット142から取り出し、さらなる処理のためにPMC132へ提供することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、システム130は、任意選択で、システム130に関係するユーザ指定入力を可能にするように構成されたコンピュータベースのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)144を備えることができる。たとえば、試料の画像データおよび/または設計データを含む試料の視覚表現をユーザに(たとえば、GUI144の表示形成部によって)提示することができる。GUIを介して、特定の動作パラメータを定義する選択肢を、ユーザに提供することができる。ユーザはまた、たとえば試験結果などの動作結果を、GUI上で見ることができる。いくつかの場合、システム131は、I/Oインターフェース126を介して、記憶ユニット142、および/または試験ツール120、および/または外部システム(たとえば、FABの収益管理システム(YMS))へ、結果(またはその部分)を送るようにさらに構成することができる。
【0050】
特定の実施形態によれば、システム131は、システム131の試験結果上でセグメンテーションを実行するように構成されたセグメンテーションネットワーク112に動作可能に接続することができる。セグメンテーションネットワーク112は、ディープニューラルネットワーク(DNN)などの深層学習モデルとすることができ、DNNは、それぞれのDNNアーキテクチャに従って編成された層を含む。非限定的な例として、DNNの層は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アーキテクチャ、回帰型ニューラルネットワークアーキテクチャ、再帰型ニューラルネットワークアーキテクチャ、敵対的生成ネットワーク(GAN)アーキテクチャなどに従って編成することができる。任意選択で、これらの層の少なくともいくつかは、複数のDNNサブネットワークで編成することができる。DNNの各層は、当技術分野で典型的には次元、ニューロン、またはノードと呼ばれる複数の基本的な計算要素(CE)を含むことができる。
【0051】
概して、所与の層の計算要素を、先行する層および/または後続の層のCEに接続することができる。先行する層のCEと後続の層のCEとの間の各接続は、重み付け値に関連付けられる。所与のCEは、それぞれの接続を介して前の層のCEからの入力を受け取ることができ、所与の各接続は、所与の接続の入力に適用することができる重み付け値に関連付けられている。重み付け値は、接続の相対的な強度、したがってそれぞれの入力が所与のCEの出力に与える相対的な影響を判定することができる。所与のCEは、活性化値(たとえば、入力の加重和)を計算し、計算された活性化に活性化関数を適用することによって出力をさらに導出するように構成することができる。本明細書に開示する主題の教示は、DNNの特有のアーキテクチャによって拘束されるものではないことに留意されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、システム131は、セグメンテーションネットワーク112またはその一部をさらに備えることができる。言い換えれば、セグメンテーションネットワーク112のそれぞれの機能は、システム131内に少なくとも部分的に一体化することができる。
【0053】
システム131に加えて、試験システム100は、たとえば欠陥検出モジュール、および/または自動欠陥レビューモジュール(ADR)、および/または自動欠陥分類モジュール(ADC)、および/または計測関連モジュール、および/または他の試験モジュールなど、1つまたは複数の試験モジュールを備えることができる。そのような試験モジュールは、半導体試料の試験のために、システム131の出力および/またはセグメンテーションネットワーク112の出力を利用することができる。いくつかの場合、1つまたは複数の試験モジュールは、1つまたは複数の試験ツール120と少なくとも一部的に一体化することができる。
【0054】
本明細書に開示する主題の教示は、図1Bに示すシステムによって拘束されるものではなく、均等物および/または修正機能を別の形で統合または分割することができ、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアの任意の適当な組合せで実行することができることが、当業者には容易に理解されよう。
【0055】
図1Bに示すレシピ生成システムは、分散されたコンピューティング環境で実行することができ、図1Bに示す前述の機能モジュールをいくつかの局所および/または遠隔デバイスに分散させることができ、通信ネットワークを通じてリンクさせることができることに留意されたい。別の実施形態では、試験ツール120、記憶ユニット142、および/またはGUI144のうちの少なくともいくつかがシステム130の外部に位置することができ、I/Oインターフェース126を介してシステム130とデータ通信するように動作することができることにさらに留意されたい。システム130は、試験ツールとともに使用される独立型のコンピュータとして実行することができる。別法として、いくつかの場合、システム130のそれぞれの機能を、1つまたは複数の試験ツール120と少なくとも部分的に一体化することができ、それによって試験関連プロセスにおける試験ツール120の機能を促進および強化することができる。
【0056】
図1Bを参照して上述したように、試験ツール120を含む試験システム130は、試料の1つまたは複数の画像を捕捉して、たとえば欠陥検出、および/または欠陥レビュー、および/または計測関連動作などの試験関連動作を実行するように構成することができる。特定の実施形態によれば、試験システムは、たとえばセグメンテーションおよび計測測定などのさらなる試験動作を実行するために、試験ツールによって捕捉された画像および対応する設計データ(たとえば、CADデータ)を取得して、画像とCADデータとの間の重ね合わせを実行するように構成することができる。
【0057】
図4を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による例示的な画像重ね合わせプロセスが示されている。
【0058】
FP画像402(本明細書では、第1の画像とも呼ぶ)を、試験ツールから取得することができ、FP画像402は、ウエハの一部分を表すことができる。ウエハの同じ部分を特徴付ける設計データ404(たとえば、CADクリップ)を、CADサーバから取得することができる。この例に示すように、CADクリップ404は、2つのタイプの設計ベース構造要素(たとえば、ポリゴン)、すなわち第1の層における柱形状のポリゴン、および第2の層における正方形のポリゴンを提示する。このCADデータに基づいて、設計ベース画像406(本明細書では、第2の画像とも呼ぶ)を生成することができる。たとえば、CADクリップ404は、シミュレーションを経て、シミュレートCAD画像406を生じさせることができる。いくつかの場合、そのようなシミュレーションは、設計ベース構造要素と対応する画像ベース構造要素との間の差を考慮に入れることができる。たとえば、いくつかの場合、たとえば製造プロセスの変動(たとえば、光学リソグラフィツールによるウエハへの設計パターンの印刷)および/または設計ツールの制約などの要因のため、たとえば正方形のポリゴンなどの設計ベース構造要素が、実際には、シミュレートCAD画像406に示すように、画像内で長円の形状に見えることがある。シミュレーションは、そのような差を考慮に入れて、画像に見えるはずのシミュレートされた形状を有する構造要素を含むシミュレート画像を生成することができる。見て取れるように、シミュレートCAD画像406におけるポリゴンの形状は、CADデータ404と比較すると、捕捉画像402のポリゴンにより一貫している。
【0059】
FP画像402およびシミュレートCAD画像406を重ね合わせて、CAD画像をFP画像と位置合わせすることができる。例として、大域的な重ね合わせを実行して、2つの画像をこれらの画像間の相対位置の点から大域的に位置合わせすることができる。たとえば、CAD画像とFP画像との間のこのような相対位置は、FP画像を捕捉するときの試験ツールのナビゲーションの問題によって引き起こされる可能性がある。別の例として、いくつかの場合、2段階の重ね合わせ、すなわち上述した大域的な重ね合わせ、および試料の各層内でポリゴンをそれぞれ位置合わせする層ごとの重ね合わせを実行することができる。図4は、そのような2段階の重ね合わせプロセスを示す。示されているように、大域的な重ね合わせ後、大域的に重ね合わせされた画像ペアが408に示されており、柱形状のポリゴンが適切に重ね合わされる(たとえば、両方の画像の対応するポリゴンが整合する)が、2つの画像内の長円形ポリゴンの位置同士の間には不一致(たとえば、相対的なずれ)が見られる。この例では、これは、たとえば製造プロセス中のオーバーレイの問題によって引き起こされる可能性があり、設計と比較すると、製造された試料の2つの層同士の間に相対的なずれをもたらす。
【0060】
層ごとの重ね合わせが実行されているとき、シミュレートCAD画像406の第2の層における長円形のポリゴンはずれており、それに応じてFP画像内の対応するポリゴンに整合して、重ね合わされた画像ペア410を生じさせる。
【0061】
本開示の特定の実施形態によれば、重ね合わせ(たとえば、上述した大域的な重ね合わせまたは2段階の重ね合わせ)後、FP画像および対応する設計ベース画像が位置合わせされかつ2つの画像間の層ごとの構造要素が整合された(たとえば、事前定義された整合基準を満たす)画像ペアを、本明細書では、有効/適切に重ね合わされたものとして参照する(そのような画像ペアを「良好な画像ペア」とも呼ぶ)。たとえばセグメンテーションおよび計測測定などのさらなる試験動作を、有効に重ね合わされた画像ペア上で実行するとき、取得される試験結果(たとえば、オーバーレイ、CDなどの測定)が正確でありかつ信用することができることを、ユーザに納得させることができ、ユーザはそれを確信することができる。
【0062】
しかし、いくつかの場合、上述した重ね合わせプロセス後でも、画像ペアは適切に重ね合わされず、すなわち、重ね合わせ後にFP画像と対応する設計ベース画像との間に不整合または不一致が依然として存在する(たとえば、事前定義された整合基準を満たさない)。本明細書では、そのような画像ペアを、無効/不適切に重ね合わされた画像ペアと呼ぶ(「障害のある画像ペア」とも呼ぶ)。図5を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による無効に重ね合わされた画像ペアのいくつかの例が示されている。
【0063】
502で、ナビゲーション誤差によるFP画像とCADとの間の不整合が示されている。たとえば、試験ツールが不正確にナビゲートされ、したがってCADデータに対応しない誤った箇所からのFP画像を捕捉する可能性がある。504で、焦点の問題によるFP画像とCADとの間の不整合が示されている。示されているように、504のFP画像は、焦点がずれた状態で捕捉されており(たとえば、画像のポリゴンがぼやけたエッジを有する)、したがってCADポリゴンに整合しない。506は、特定の層におけるポリゴンの重ね合わせ不良の一例を示す。具体的には、FP画像およびCAD内の長円形のポリゴンが適切に重ね合わされていない。508および510は、FP画像およびCAD内のパターンが整合しないパターン不良の2つの異なる例を示す。たとえば、起こりうる製造誤差のため、508では、CADデータと比較すると、FP画像でいくつかのポリゴンが欠けており、510では、画像のパターンが設計とは完全に異なる。512は、CADデータと比較するといかなるパターンも捕捉していない何もないFP画像の一例を示す。
【0064】
上記に例示した画像とCADデータとの間の不整合/不一致は、たとえば試験システムの問題(たとえば、焦点の問題、ナビゲーション誤差)、アルゴリズムの問題(たとえば、重ね合わせ障害)、および/または製造プロセス障害(たとえば、パターン不良、何もない画像)など、様々な理由によって生じる可能性がある。不整合の問題が存在することを知らずに、そのような無効に重ね合わされた画像ペア上でさらなる試験動作(たとえば、セグメンテーションおよび計測測定など)を実行すると、意味のない結果をユーザに報告してしまう可能性がある。そのような結果は、製造プロセスの調整に関して、誤解を招くような情報を提供することがあり、したがって、いくつかの場合、深刻な損傷を引き起こし、試験システムに対するユーザの信頼を低減させる可能性がある。例として、正しくないオーバーレイ測定(画像ペア間の無効な重ね合わせによる)が、将来の製造プロセスを誤らせて、それによって障害のある製作ウエハを製作することがある。
【0065】
特定の統計によれば、ウエハ上の位置の約5%が、画像と対応する設計データとの間のそのような不整合/不一致の問題に関連付けられることがあることが分かる。本明細書では、そのような位置を低信頼性位置とも呼ぶ。特定の試験システムは、試験プロセス中にそのような問題を検出するためのフィルタリング機構を提供しない。そのような問題を軽減するために、ユーザは、異常値を探すために、試験前にウエハ上のすべての位置を手動で検査することができ、または試験後にウエハ全体に対する試験結果を検査することができるが、これらの測定はどちらも、極めて時間がかかり、非効率的かつ非効果的である。いくつかの場合、ユーザは、これらの事例がまれになるまで、試験レシピの較正プロセスを何度も反復しなければならず、これにより時間対レシピ(TtR)が大幅に増大する。
【0066】
開示する主題の特定の実施形態によれば、図2および図3を参照してさらに詳細に説明するように、そのような無効な重ね合わせの問題を検出することが可能な試験レシピを生成する方法、およびそのように生成された試験レシピを使用して試料を試験する方法が提案される。これらの方法は機械学習ベースであり、最小のユーザ較正および対話を伴う。
【0067】
図2を参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による半導体試料の試験に使用可能な試験レシピを生成する概略的な流れ図が示されている。
【0068】
訓練セットを取得することができる(202)(たとえば、I/Oインターフェース126を介して、または記憶ユニット122から、訓練セットジェネレータ103による)。訓練セットは、1つまたは複数の第1の画像ペアを含む第1のサブセット204、および1つまたは複数の第2の画像ペアを含む第2のサブセット206を含むことができる。第1のサブセットにおける各第1の画像ペアは、2つの有効に重ね合わされた画像、すなわち試験ツールによって捕捉され、試料の少なくとも一部分を表す第1の画像、および試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成された第2の画像を含む。例として、第1の画像は、試験ツールによって捕捉されたFP画像とすることができる。いくつかの場合、第1の画像は、たとえばSEM機械によって捕捉された走査電子顕微鏡(SEM)画像など、レビューツールによって捕捉された高分解能画像である。
【0069】
第2の画像は、たとえばCADシミュレート画像など、設計データ上でシミュレーションを実行することによって生成されたシミュレート画像とすることができる。上述したように、シミュレーションは、設計ベース構造要素と対応する画像ベース構造要素との間の差を考慮に入れて、画像に見えるはずのシミュレートされた形状を有する構造要素を含むシミュレート画像を生成することができる。
【0070】
第2の画像は、設計データ内の設計層に対応する1つまたは複数の層を含むことができる。第2の画像は、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与えることができる。各層は、設計ベース構造要素が背景から分離された2進画像であると見なすことができる。第1の画像および第2の画像は、有効に重ね合わされている。第1の画像と第2の画像との間の画像の重ね合わせは、図4を参照して上述した方法と同様に実行することができる。
【0071】
本明細書で使用する構造要素とは、輪郭を含む幾何形状または幾何構造を有する画像データまたは設計データ上の任意の元の物体を指すことができる。いくつかの場合、構造要素とは、1つのパターンを形成する組み合わされた複数の物体を指すことができる。画像データ上に配置/提示される構造要素は、画像ベース構造要素と呼ぶことができる(画像構造要素または画像ポリゴンとも呼ばれる)。設計データ上に配置/提示される構造要素は、設計ベース構造要素と呼ぶことができる(設計構造要素または設計ポリゴンまたはCADポリゴンとも呼ばれる)。構造要素は、たとえば、図4に例示するようにポリゴンの形で提示することができる。構造要素は、ユーザが定義することができ、または自動的に、たとえば規則ベースもしくは機械学習の技法を使用して定義することができる。
【0072】
各設計ベース構造要素は、要素が位置するそれぞれの層に関連付けることができる。いくつかの場合、所与の層が、2つ以上のタイプの構造要素を含むことができる(たとえば、各タイプがそれぞれの設計パターンに対応する)。そのような場合、各設計ベース構造要素を、そのタイプを示すラベルにさらに関連付けることができる。
【0073】
第1のサブセットに含まれる第1の画像ペアは、訓練データベースからたとえばユーザによって事前選択されている有効に重ね合わされた画像ペアである。ユーザは、上述したように、画像と対応するCADデータとの間に望ましくない不一致がないことを確実にするために、複数の位置の有効性を選択および確認することができる。
【0074】
概して、無効な/障害のある画像ペアはウエハ内ではまれであるため、本開示は、訓練セットの一部を構成するようにそのような画像ペア(すなわち、本明細書では第2の画像ペア)を人工的/合成的に生成する方法を提案する。特定の実施形態によれば、第2の画像ペアは、対応する第1の画像ペアに基づいて人工的に生成することができる。例として、第2の画像ペアは、第1の画像ペアにおける第1の画像および第2の画像のうちの少なくとも1つを修正することによって作成することができ、それにより生成された第2の画像ペアにおける2つの画像は無効に重ね合わされる。例として、第1の画像ペアにおける第1の画像の内容を修正することによって、少なくとも1つの第2の画像ペアを生成することができる。別の例として、第1の画像ペアにおける第1の画像と第2の画像との間の相対位置を修正することによって、少なくとも1つの第2の画像ペアを生成することができる。いくつかの実施形態では、各第1の画像ペアに対して、1つまたは複数の第2の画像ペアを生成することができる。
【0075】
図6を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による第1の画像ペアに基づいて人工的に生成された第2の画像ペアのいくつかの例が示されている。
【0076】
602に示す第2の画像ペアにおいて、第1の画像ペアの元のFP画像の内容は修正されており、たとえば何もない画像(たとえば、ランダムノイズのみから構成された画像)に置き換えられているのに対して、CADシミュレート画像はそのままである。604および606で、FP画像とCADシミュレート画像、またはその一部との間の相対位置が修正されている。具体的には、CADシミュレート画像の特定の層における設計ベース構造要素がFP画像に対してずらされているのに対して、FP画像は変化していない。たとえば、604で、1つの層内の柱形状のポリゴンが左の方へずらされているのに対して、他の層内の長円形のポリゴンは動いていない。606で、長円形のポリゴンは左の方へずらされているのに対して、他の層内の長円形のポリゴンは動いていない。したがって、この例では、1つの第1の画像ペアに対して、3つの異なる第2の画像ペアが作成されている。
【0077】
図6に示す例は例示の目的で示されており、本開示を何ら限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。上記に加えて、または上記の代わりに、たとえば特定の層内の設計ベース構造要素のうちの1つまたは複数のサイズおよび/または形状を修正すること、たとえばガウスカーネルで画像を畳み込むことによって、FP画像の焦点を低下させること、FP画像の一部をランダムノイズに置き換えることなど、第1の画像および/または第2の画像の他の可能な修正方法を使用することもできる。
【0078】
いくつかの実施形態では、訓練セットを記憶ユニット122内に事前生成および記憶することができ、訓練中に訓練セットジェネレータ103によって取り出すことができる。そのような場合、画像の重ね合わせおよび/または第2のサブセットの生成の機能(またはその少なくとも一部)は、システム100の外部で、本明細書に提案する図2に記載のレシピ生成方法に先立って実行することができる。いくつかの他の実施形態では、そのような機能は、システム100(たとえば、訓練セットジェネレータ103)によって実行することができ、したがって図2のこのフローの一部であると見なすことができる。
【0079】
図2の説明を引き続き参照すると、第1のサブセットおよび第2のサブセットを含む訓練セットが取得された後、訓練セットの各画像ペアの第2の画像内の1つまたは複数の設計ベース構造要素の各々を、重ね合わせの有効性を示すラベルに関連付けることができる(208)(たとえば、訓練セットジェネレータ103による)。
【0080】
特定の実施形態によれば、対応する画像ペアの重ね合わせの有効性、および対応する画像ペアが第2の画像ペアである場合の修正という要因のうちの少なくとも1つに基づいて、ラベル付けを実行することができる。例として、有効に重ね合わされた画像ペアとしてユーザによって選択および確認された第1のサブセットにおける第1の画像ペアの各々に対して、その第2の画像内の設計ベース構造要素が、有効に重ね合わされた構造要素としてラベル付けされる。
【0081】
別の例として、無効に重ね合わされた画像ペアとして人工的に生成された第2のサブセットにおける第2の画像ペアの場合、ラベル付けは、適用される特有の修正に依存する。たとえばFP画像を何もない画像に置き換えるなど、たとえばFP画像の内容が修正された場合、その第2の画像内の設計ベース構造要素のすべてが、無効に重ね合わされた構造要素としてラベル付けされる。別の例では、たとえば第2の画像の特有の層内のポリゴンを第1の画像に対してずらすなど、第1の画像と第2の画像との間の相対位置が修正された場合、特有の層内のずらされたポリゴンは、無効に重ね合わされた構造要素としてラベル付けされるのに対して、他の層内のポリゴンは、依然として有効に重ね合わされた構造要素としてラベル付けされたままである。そのようにして、訓練セット内の設計ベース構造要素のすべてが、その重ね合わせの有効性を示すそれぞれのラベルに関連付けられる。
【0082】
設計ベース構造要素の1つまたは複数の属性を計算することができ、これは設計ベース構造要素に関連付けられたラベルともに、分類器を訓練するために使用される。次に属性の計算について、ブロック210を参照して以下に説明する。
【0083】
各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性を計算することができる(210)(たとえば、属性ジェネレータ104による)。エッジ属性は、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すことができる。
【0084】
エッジ属性は、シミュレートCAD画像内のCADポリゴンのエッジの箇所におけるFP画像内のグレーレベルエッジ(たとえば、画像ポリゴンのエッジ)の存在に対する尺度として使用される。特定の実施形態によれば、エッジ属性は、第1の画像内の設計ベース構造要素のエッジの両側から2つの画素母集団間に統計試験を適用し、統計試験の結果に基づいて、2つの画素母集団間の離隔距離を判定することによって計算することができる。離隔距離は、推定される箇所(たとえば、CADポリゴンエッジの箇所)においてFP画像内に実際にエッジが存在するかどうかを示すことができる。
【0085】
図7を参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態によってエッジの存在を試験するためにエッジ属性がどのように使用されるかが概略的に示されている。
【0086】
702、704、および706の例に示すように、FP画像内の推定されるエッジの両側から画素のストリップ(推定されるエッジ箇所の内側および外側からの2本の破線として示されている)を取得し、2つの画素母集団間に統計試験を適用して、これらの間の離隔距離を試験する。離隔距離が良好であればあるほど、推定される箇所にエッジが存在する確率が高い。適用することができる1つの可能な試験は、コルモゴロフ-スミルノフ(K-S)試験である。K-S試験は、2つの母集団の分布関数(この例に示すように、正規化された累積分布関数(CDF))の最大距離を定量化するものであり、この距離が、2つの母集団間の離隔距離を示すことができる。
【0087】
たとえば、画像702によって、画像ポリゴンエッジがCADポリゴンエッジに整合する場合、すなわちCADポリゴンエッジの箇所においてFP画像内に実際にエッジが存在する場合、K-S試験によって計算されるエッジ属性は、2つの母集団間の離隔距離が大きいことを示すことが分かる(たとえば、示されている垂直線701は、対応するグラフ703における2つの曲線間の最大距離に対応する)。一方、FP画像内の推定されるエッジと実際のエッジとの間の重ね合わせ不良が示されている画像704、ならびにポリゴンおよびエッジのない何もない画像が示されている画像706では、K-S試験によって計算されるエッジ属性によって、2つの母集団間の離隔距離が小さいこと、または離隔距離がないことが分かる(たとえば、2つの曲線間の最大距離に対応する垂直線708は、対応するグラフ705に2つの曲線間の小さな離隔距離を示し、対応するグラフ707では、2つの曲線がほとんど重なっている)。
【0088】
したがって、そのように計算されたエッジ属性を使用することによって、CADポリゴンエッジの箇所においてFP画像内に実際にエッジが存在するかどうかを推定することができる。
【0089】
特定の実施形態によれば、任意選択で、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、エッジ属性に加えて、設計ベース構造要素に関連付けられた1つまたは複数のプロファイル属性を計算することができる。
【0090】
具体的には、いくつかの実施形態では、第1の画像のうち第2の画像内の設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、特有の方向に沿って、各設計ベース構造要素に対するグレーレベル(GL)プロファイルを計算することができる。各設計ベース構造要素に対してGLプロファイルが取得された後、有効に重ね合わされた設計ベース構造要素の中の設計ベース構造要素の各ファミリに対して、基線GLプロファイルを計算することができる。基線の計算は、ファミリ内の各設計ベース構造要素のGLプロファイルに基づいて、第1の画像内で特有の方向に沿って行うことができる。たとえば、基線は、ファミリ内の各設計ベース構造要素のGLプロファイルを平均することによって計算することができる。設計ベース構造要素のファミリは、同じ設計パターンを共有する同等の設計ベース構造要素を含む。たとえば、図4の406内の長円形のポリゴンは1つのファミリに属し、柱形状のポリゴンは別のファミリに属する。いくつかの場合、所与の層が、設計ベース構造要素の1つまたは複数のファミリを含むことができる。
【0091】
基線GLプロファイルが作成された後、各設計ベース構造要素に対して、そのグレーレベルプロファイルと基線グレーレベルプロファイルとの間の差を示すプロファイル属性を計算することができる。
【0092】
図8を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるGLプロファイルおよび基線GLプロファイルの計算の一例が示されている。
【0093】
802に、単一の長円形のポリゴンのFP画像が例示されている。GLプロファイルを計算するためのFP画像内の箇所が、CADシミュレート画像内の設計ベース構造要素の箇所に従って判定されるべきであるため、この例では、ポリゴンが画像とCADデータとの間で有効に重ね合わされていること、すなわち画像ポリゴンの箇所がCADポリゴンの箇所に整合することが想定される。したがって、GLプロファイルは、画像ポリゴンの箇所で計算されるべきである。したがって、特有の方向/角度804(平行な弦として示す)が選択され、それに沿ってプロファイル属性が計算される。ポリゴンの画像は、元のFP画像内の上層から別のポリゴン(たとえば、柱形状のポリゴン)が重複する重複部分をマスキングすることによって処理されていることに留意されたい。GLプロファイルは、たとえば平行な弦に沿ってポリゴン内のGL値を平均することによって、長円形のポリゴンに対して方向804に沿って計算される。結果として得られるGLプロファイルが、グラフ806に示されている(情報のない弦、すなわちマスキングされた部分を省略した後)。
【0094】
3つのポリゴンのGLプロファイルが取得されたグラフ808に示すように、所与のファミリからのすべての同等のポリゴンに対してGLプロファイルが計算された後、同等のポリゴンのGLプロファイルに基づいて、基線GLプロファイルを計算することができる。たとえば、基線GLプロファイルは、グラフ810に示すように、3つのポリゴンのGLプロファイルを平均することによって取得することができる。いくつかの場合、GLプロファイルは、平均する前に、サイズ(すなわち、点の数)および強度(すなわち、グレーレベル)の両方の点で、独立して正規化することができる。
【0095】
図9を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態によるプロファイル属性のいくつかの例が示されている。
【0096】
基線GLプロファイルが作成された後、各設計ベース構造要素に対してプロファイル属性を計算することができる。例として、プロファイル属性は、そのグレーレベルプロファイルと基線グレーレベルプロファイルとの間の差として計算することができる。たとえば、この差は、GLプロファイルと基線GLプロファイルとの間のL2距離とすることができる。基線GLプロファイルの上記の例を引き続き参照すると、図9に3つのポリゴンが示されており、これらのポリゴンに対してそれぞれのプロファイル属性が計算される。ポリゴンが有効に重ね合わされた902では、このポリゴンに対して計算されたGLプロファイルが、図8に記載のように取得された基線GLプロファイルとともに、グラフ903に示されている。0.13として計算されたプロファイル属性によって実証されるように、2つの曲線間の差が比較的小さいことを見て取ることができる。画像とCADとの間でポリゴンの重ね合わせ不良が生じている904では、グラフ905に示すように、計算されたGLプロファイルが基線GLプロファイルから離れており、プロファイル属性は、この差が比較的大きく、たとえば3.46であることを示す。同様に、FP画像がランダムノイズを含む何もない画像である906では、グラフ907に示すように、計算されたGLプロファイルはランダム曲線であり、プロファイル属性は、やはり比較的大きい3.80として計算される。
【0097】
いくつかの場合、各設計ベース構造要素に対して、複数の特有の方向に沿って、複数のグレーレベルプロファイルを計算することができることに留意されたい。複数の特有の方向は、ユーザによって定義することができる。それに応じて、複数の基線GLプロファイルは、ポリゴンの各ファミリに対して、複数の特有の方向に沿って計算することができる。複数の基線GLプロファイルは、試験レシピの一部として含まれる。
【0098】
図2を引き続き説明すると、設計ベース構造要素の属性(たとえば、エッジ属性および/または1つもしくは複数のプロファイル属性)が取得された後、所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のラベル(ブロック208を参照して取得される)、およびそれに関連付けられた属性を使用して、設計ベース構造要素の箇所において、第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性を判定するように、分類器を訓練することができる(212)(たとえば、訓練モジュール105による)。
【0099】
本明細書で参照される「分類器」または「分類モデル」という用語は、データの訓練セットに基づいて、新しいインスタンスが1組のカテゴリ/クラスのうちのどれに属するのかを識別することが可能な任意の学習モデルを包含するように、広く解釈されるべきである。分類器は、たとえば線形分類器、サポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワーク、決定木など、様々なタイプの機械学習モデルとして実行することができる。いくつかの場合、分類器によって使用される学習アルゴリズムは、教師あり学習とすることができる。そのような場合、訓練セットは、そのカテゴリを示すラベルを有する訓練インスタンスを含むことができる。図2は、そのような訓練プロセスの一例を示す。いくつかの他の場合、分類器は、教師なしまたは半教師あり学習アルゴリズムを使用することができる。本明細書に開示する主題は、それによって実行される分類器の特有のタイプおよび/または学習アルゴリズムに限定されるものではない。
【0100】
各設計ベース構造要素は、上述したように、たとえばエッジ属性および/または1つもしくは複数のプロファイル属性など、それに関連付けられた属性によって表すことができる。設計ベース構造要素は、属性によって特徴付けられた属性空間内へ投影することができる。分類器は、訓練セット内の設計ベース構造要素の属性およびそれに関連付けられたラベルに基づいて訓練することができる。例として、分類器は、たとえばSVMモデルなどの2進分類器として実行することができ、これを使用して、属性空間内の決定境界を判定し、それによって有効に重ね合わされた構造要素を無効に重ね合わされた構造要素から分離することができる。
【0101】
図10を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による設計ベース構造要素の属性およびラベルを使用して分類器を訓練する概略図が示されている。
【0102】
各設計ベース構造要素に対して、それに関連付けられた2つの属性、すなわちエッジ属性およびプロファイル属性が取得されると想定されたい。属性空間が作成され、図10に座標系として示されており、エッジ属性はX軸として、プロファイル属性はY軸として示されている。属性空間内の各点は、その特有の属性によって特徴付けられた設計ベース構造要素を表す。例示するように、ドットによってマークされる点は、有効に重ね合わされた構造要素を表し、残りの点は、無効に重ね合わされた構造要素を表し、何もない画像によって引き起こされた無効な事例を表す五角形によってマークされた点、および重ね合わせ不良によって引き起こされた無効な事例を表す三角形によってマークされた点を含む。設計ベース構造要素の属性をSVMモデルに供給することができ、有効に重ね合わされた構造要素(たとえば、円によってマークされた点)を、事前定義された基準を満たす無効に重ね合わされた構造要素(たとえば、残りの点)から分離することができる属性空間内の決定境界1002を、訓練モデルが判定することが可能になるまで、SVMモデルの予測をグラウンドトゥルース(たとえば、設計ベース構造要素のラベル)と比較して、SVMモデルのパラメータを反復的に調整および修正することができる。
【0103】
上述した分類器は、所与の層内の設計ベース構造要素に基づいて訓練されることに留意されたい。したがって、分類器は、層ごとの分類器とも呼ばれる。各層に対する層ごとの分類器は、試験レシピの一部として含まれる。
【0104】
分類器はポリゴンレベルで分類するように訓練されており、各層に対して有効性を決定しなければならないため、層スコアおよび層閾値が計算される。具体的には、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた属性に基づいて、各画像ペアの所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対するクラスを判定することができる(214)。各設計ベース構造要素に対して判定されたクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成することができる。訓練セットの各画像ペアの所与の層の層スコアに基づいて、層閾値を生成することができる(216)(たとえば、レシピジェネレータ107による)。各層に対する層閾値を、試験レシピの一部として含むことができる。
【0105】
図11を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による層閾値を生成する概略的なグラフが示されている。
【0106】
この例では、第1のサブセット内の10個の第1の画像ペア(すなわち、有効に重ね合わされた画像ペア)、ならびに第2のサブセット内に作成された対応する人工の画像ペア(すなわち、無効に重ね合わされた画像ペア)の所与の層のポリゴンに対して、所与の層に対する訓練された分類器を適用することができる(1つの各第1の画像ペアに対して1つまたは複数の人工の画像ペアが作成されると想定する)。例として、層iに対する層スコア(L)を、たとえば所与の層のポリゴンの総数における通過したポリゴン(すなわち、有効な重ね合わせとして分類)の百分率として、Li=Npass/Npolyで計算することができる。
【0107】
層スコアは、画像ペアの各々の所与の層に対して生成される。10個の有効に重ね合わされた画像ペアに対する層スコアは、図11に円によって表すように、おそらく比較的高く、1に近く、その値は80%~100%の範囲である。他方では、無効に重ね合わされた画像ペアに対する層スコアは、図11に正方形によって表すように、おそらく比較的低く、その値は0%~20%の範囲である。
【0108】
画像ペアの層スコアに基づいて、層閾値を生成することができる。たとえば、層閾値は、分類の精度が維持されるように判定することができる。この例では、閾値は、あらゆる有効に重ね合わされた画像ペアを見過ごさないように、無効な画像ペアの層スコアをわずかに上回るように判定される。
【0109】
訓練された分類器および所与の層に関連付けられた層閾値は、試験レシピに含むことができる(218)(たとえば、レシピジェネレータ107による)。
【0110】
特定の実施形態によれば、各画像ペアにおける第2の画像(たとえば、CADシミュレート画像)は、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与える。それに応じて、ポリゴンのラベル付け、属性の計算、分類器の訓練、層スコアおよび層閾値の生成、ならびにレシピの生成は、複数の層の各々に対して実行され、複数の層に対応する複数の試験レシピを生じさせる。図3を参照して後述するように、そのように生成された試験レシピを使用して、試料を試験することができる。
【0111】
図3を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験レシピを使用した半導体試料の試験の概略的な流れ図が示されている。
【0112】
第1の画像および第2の画像を含む重ね合わされた画像ペアを、ランタイム中に取得することができる。特定の実施形態によれば、たとえば試験ツールによってランタイム中に捕捉することによって、第1の画像を取得することができる(302)。第1の画像は、半導体試料の少なくとも一部分を表すことができる。第2の画像は、試料の少なくとも一部分を描写する設計データに基づいて生成することができる(304)。第2の画像は、設計データ内に提示された1つまたは複数の設計ベース構造要素、および各設計ベース構造要素に関連付けられたそれぞれの層の情報を与えることができる。
【0113】
図2を参照して上述したように、第1の画像は、試験ツールによって捕捉されたFP画像とすることができる。例として、第1の画像は、たとえばSEM機械によって捕捉された走査電子顕微鏡(SEM)画像など、レビューツールによって捕捉された高分解能画像とすることができる。第2の画像は、たとえばCADシミュレート画像など、設計データ上でシミュレーションを実行することによって生成されたシミュレート画像とすることができる。第2の画像は、設計データ内の設計層に対応する1つまたは複数の層を含むことができる。各層は、設計ベース構造要素が背景から分離された2進画像であると見なすことができる。各設計ベース構造要素は、要素が位置するそれぞれの層に関連付けることができる。第1の画像および第2の画像は、図4を参照して上述した方法と同様に重ね合わせられる(306)。
【0114】
ブロック302、304、および306は図3の一部として示されているが、いくつかの実施形態では、これらのプロセスの機能(またはその少なくとも一部)は、システム131の外部で、本明細書に提案する図3に記載の試験方法に先立って実行することができることに留意されたい。いくつかの他の実施形態では、そのような機能は、システム131によって実行することができ、したがってこの試験フローの一部であると見なすことができる。
【0115】
所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素に対して、設計ベース構造要素に関連付けられたエッジ属性を計算することができる(308)(たとえば、属性ジェネレータ134による)。上述したように、エッジ属性は、第2の画像内の設計ベース構造要素のエッジの箇所における第1の画像内の画像ベース構造要素のエッジの推定される存在を示すことができる。例として、エッジ属性は、第1の画像内の設計ベース構造要素のエッジの両側から2つの画素母集団間に統計試験を適用し、統計試験の結果に基づいて、2つの画素母集団間の離隔距離を判定することによって計算することができる。エッジ属性の計算およびエッジの存在を判定するためのその使用のさらなる詳細は、図2および図7を参照して上述した。
【0116】
いくつかの実施形態では、加えて、第1の画像のうち第2の画像内の設計ベース構造要素の箇所に対応する箇所において、1つまたは複数の特有の方向に沿って、1つまたは複数のグレーレベルプロファイルを計算することができる。設計ベース構造要素に関連付けられた1つまたは複数のプロファイル属性を計算することができる。各プロファイル属性は、そのそれぞれのグレーレベルプロファイルと、試験レシピに含まれるそれぞれの基線グレーレベルプロファイルとの間の差を示す。それぞれの基線グレーレベルプロファイルは、図2図8、および図9を参照して上述したように、設計ベース構造要素が属する設計ベース構造要素のファミリに対して、それぞれの特有の方向に沿って、訓練段階中に計算される。
【0117】
訓練段階中に訓練されて、試験レシピに含まれている、訓練された分類器を使用して、それに関連付けられた属性(たとえば、エッジ属性および/または1つもしくは複数のプロファイル属性)に基づいて、設計ベース構造要素のクラスを判定することができる(310)(たとえば、有効性判定モジュール138による)。クラスは、設計ベース構造要素の箇所における第1の画像と第2の画像との間の重ね合わせの有効性(設計ベース構造要素の重ね合わせの有効性とも呼ばれる)を示すことができる。
【0118】
上述したように、本明細書で参照される分類器は、データの訓練セットに基づいて、新しいインスタンスが1組のカテゴリ/クラスのうちのどれに属するのかを識別することが可能な任意の学習モデルを包含するように、広く解釈されるべきである。分類器は、様々なタイプの機械学習モデルとして実行することができ、異なる種類の学習アルゴリズムを利用することができる。いくつかの実施形態では、ブロック310で使用される訓練された分類器は、たとえば図2に記載のように作成および訓練された分類器など、教師あり学習モデルとすることができる。いくつかの他の実施形態では、ブロック310で使用される訓練された分類器はまた、たとえばクラスタモデル、異常検出モデルなど、教師なしまたは半教師あり学習モデルとすることができる。本明細書に開示する主題は、それによって実行される分類器および/または学習アルゴリズムの特有のタイプに限定されるものではない。
【0119】
所与の層に関連付けられた各設計ベース構造要素のクラスに基づいて、所与の層に対する層スコアを生成することができる(312)(たとえば、有効性判定モジュール138による)。例として、層スコアは、有効に重ね合わされたとして分類された設計ベース構造要素の百分率として計算することができる。層スコアは、試験レシピに所定の層閾値に基づいて重ね合わされた画像ペアの有効性を判定するために使用可能である。例として、試料が1つの層のみを有する場合、層閾値に対する層スコアに基づいて、重ね合わされた画像ペアの有効性を判定することができる。
【0120】
別の例として、試料が複数の層を有し、第2の画像が、複数の層に関連付けられた1つまたは複数の設計ベース構造要素の情報を与える場合、属性の計算、訓練された分類器を使用した分類、および層スコアの生成が、複数の層の各々に対して実行されて、複数の層スコアを生じさせる。複数の層スコア、および試験レシピに所定の複数の層閾値に基づいて、重ね合わされた画像ペアの有効性を判定することができる。たとえば、1つの判定基準は、層のいずれかが有効に重ね合わされていない場合(すなわち、いずれかの層の層スコアが層閾値に対する基準を満たさない)、重ね合わされた画像ペアの有効性を否定することができるようにすることができる。言い換えれば、いずれかの層スコアがその層閾値を下回る場合、全体として画像ペアによって表される位置は拒否される。他方では、すべての層が有効に重ね合わされた場合(すなわち、すべての層の層スコアがそれぞれの層閾値に対する基準を満たす場合)、重ね合わされた画像ペアの有効性を確認することができる。層結果および/または位置結果は、記憶ユニットに保存することができ、かつ/またはユーザがレビューすることができるように、GUIに提示する。
【0121】
図12を次に参照すると、本明細書に開示する主題の特定の実施形態による試験レシピを使用した試料のランタイム試験の一例が概略的に示されている。
【0122】
示されているように、試料が複数の層L1,L2,...Llを有すると想定する。図10の例と同様に、各層内の各設計ベース構造要素に対して2つの属性(エッジ属性およびプロファイル属性)を取得し、それによって各層に対して属性空間を作成する(エッジ属性をX軸として、プロファイル属性をY軸として、図12に示す)。例示の目的で、2つの層に対応する2つの属性空間1202および1204が示されている。属性空間内の点は、その特有の属性によって特徴付けられた所与の層内のそれぞれの設計ベース構造要素を表す。
【0123】
所与の層内の設計ベース構造要素の属性は、その所与の層に対して訓練された分類器へ供給することができる。訓練された分類器は、それに関連付けられた属性に基づいて、各設計ベース構造要素のクラスを判定することができる。クラスは、設計ベース構造要素の重ね合わせの有効性を示す2進クラスである。決定境界1206および1208は、有効に重ね合わされた構造要素と無効に重ね合わされた構造要素との間の離隔距離を表す。
【0124】
それに応じて、各層L1,L2,...Llに対して層スコアが計算され、層スコアおよび試験レシピに所定の層閾値に基づいて、各層に対して決定を行うことができる。重ね合わされた画像ペアの有効性は、それぞれの層に対する決定に基づいて判定することができる。
【0125】
示されている例は、例示の目的で本明細書に記載されており、本開示を何ら限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。上記に加えて、または上記の代わりに、他の好適な例を使用することもできる。
【0126】
本明細書に記載する試験プロセスの特定の実施形態の利点の中には、たとえばセグメンテーションおよび計測測定などのさらなる試験動作を実行する前に、FP画像と対応する設計データとの間の不整合/不一致を自動的に検出することが可能であり、それによって信頼できる試験結果(たとえば、オーバーレイ、CDなどの測定)をユーザに提供することを可能にし、誤解を招くような試験情報を製造プロセスに提供することを回避することが含まれる。
【0127】
本明細書に記載するレシピ生成プロセスの特定の実施形態の利点の中には、上述したように、さらなる試験動作を実行する前に、FP画像と対応する設計データとの間の不整合/不一致を自動的に検出するために使用可能な試験レシピを提供することが含まれる。
【0128】
本明細書に記載する試験プロセスの特定の実施形態の利点の中には、FP画像と対応する設計データとの間の不一致を検出するための自動試験プロセスが含まれ、それにより、異常値を探すために、試験前にウエハ上のすべての位置を手動で検査すること、または試験後にウエハ全体に対する試験結果を検査することといったユーザの労力を省くことができる。これは、少なくとも、訓練された分類器を使用して、構造要素の1つまたは複数の属性に基づいて構造要素の分類を実行し、分類結果に基づいて位置の指示を生成することによって可能になる。
【0129】
本明細書に記載するレシピ生成プロセスの特定の実施形態の利点の中には、訓練セットを生成することが含まれており、これには、十分なラベル付き訓練データを提供するように、有効/良好な訓練サブセットを修正することによって、人工/合成の障害訓練サブセットを作成することが含まれる。
【0130】
本明細書に開示する試験プロセスは、たとえばADC、ADR、欠陥検出、整合、計測、および他の試験タスクなどの異なる適用分野に使用することができる。
【0131】
本開示は、その適用分野に関して、本明細書に含まれる説明に記載の詳細または図面に示される詳細に限定されないことを理解されたい。
【0132】
本開示によるシステムは、好適にプログラムされたコンピュータによって少なくとも部分的に実行することができることも理解されよう。同様に、本開示は、本開示の方法を実行するコンピュータによって可読のコンピュータプログラムを企図する。本開示は、本開示の方法を実行するコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを有形に具現化する非一時的コンピュータ可読メモリをさらに企図する。
【0133】
本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実行および実施することが可能である。したがって、本明細書に用いる用語および術語は説明を目的とし、限定的であると見なされるべきではないことを理解されたい。したがって、本開示が基づく概念は、本明細書に開示する主題のいくつかの目的を実施する他の構造、方法、およびシステムを設計するための基本として、容易に利用することができることが、当業者には理解されよう。
【0134】
添付の特許請求の範囲にそれによって定義する本開示の範囲から逸脱することなく、上述した本開示の実施形態に様々な修正および変更を適用することができることが、当業者には容易に理解されよう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12