(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240814BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240814BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240814BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B41J29/38 104
B41J29/38 301
G03G21/00 398
G03G21/00 500
H04N1/00 885
H04N1/00 127B
G06F3/12 317
G06F3/12 385
G06F3/12 329
G06F3/12 334
G06F3/12 310
(21)【出願番号】P 2020135769
(22)【出願日】2020-08-11
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】佐山 健太
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 和幸
(72)【発明者】
【氏名】山口 一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大
(72)【発明者】
【氏名】二木 良子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 陽
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-048113(JP,A)
【文献】特開2013-195580(JP,A)
【文献】特開2010-157789(JP,A)
【文献】特開2017-046354(JP,A)
【文献】特開2015-050735(JP,A)
【文献】特開2014-238515(JP,A)
【文献】特開2015-026251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記電源部は、前記第1制御部によりそれぞれ独立して制御され、前記第1制御部に電源を供給する第1電源生成部と、前記第2制御部と前記プロッター部に電源を供給する第2電源生成部とを備え、
前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートした旨の通知を受信した場合に、所定の時間が経過しても前記第1制御部からリブートが完了した旨の通知を受信しないときには、前記第1制御部に対して異常通知を発行するとともに、前記第2電源生成部から出力される電力を遮断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記電源部は、前記第1制御部によりそれぞれ独立して制御され、前記第1制御部に電源を供給する第1電源生成部と、前記第2制御部と前記プロッター部に電源を供給する第2電源生成部とを備え、
前記第1制御部は、プログラム量及び稼動周波数に基づいて起動時間を予測する起動時間予測部を備え、
前記第2制御部は、前記プロッター部の現時点でのヒータ温度が基準ヒータ温度に到達するまでの時間を予測するウォームアップ時間予測部を備え、
前記第1制御部は、リブート要求を受信した場合に、前記起動時間予測部により予測した起動時間が前記ウォームアップ時間予測部により予測したウォームアップ時間より長いときに、前記起動時間と前記ウォームアップ時間との差分時間を求め、当該差分時間に亘って前記第2電源生成部から出力される電力を遮断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートする直前の情報を記憶する直前情報保存部を備え、
前記第1制御部は、リブート要求を受信した場合に、前記リブートする直前の情報を前記第2制御部に送信して前記直前情報保存部に記憶させ、
前記第2制御部は、前記リブートが完了した場合に、前記直前情報保存部から取得した情報を前記第1制御部に返送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートした旨の通知を受信した場合に、前記第2電源生成部から出力される電力を維持して、当該第2制御部の制御を継続することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1制御部は、前記画像形成装置全体のリブート要求を受信した場合に、前記第2制御部から異常通知を受信したときには、前記第1制御部及び前記第2制御部のリブートを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1制御部は、前記画像形成装置全体のリブート要求を受信した場合に、前記第2制御部から異常通知を受信していないときには、前記第
1制御部のリブートのみを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1制御部は、前記ネットワーク処理における接続機能を検査する旨の要求を受信した場合に、PINGコマンドを実行し、前記情報処理装置から応答があったときには、前記第1制御部のみをリブートすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2制御部のみでの動作が可能な連続印刷動作モードにおいて、
前記第2制御部は、前記連続印刷動作モードを継続しながら前記第1制御部をリブートすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置とネットワークを介して接続された情報処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記電源部は、前記第1制御部によりそれぞれ独立して制御され、前記第1制御部に電源を供給する第1電源生成部と、前記第2制御部と前記プロッター部に電源を供給する第2電源生成部とを備え、
前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートした旨の通知を受信した場合に、所定の時間が経過しても前記第1制御部からリブートが完了した旨の通知を受信しないときには、前記第1制御部に対して異常通知を発行するとともに、前記第2電源生成部から出力される電力を遮断するように制御する制御ステップを実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記電源部は、前記第1制御部によりそれぞれ独立して制御され、前記第1制御部に電源を供給する第1電源生成部と、前記第2制御部と前記プロッター部に電源を供給する第2電源生成部とを備え、
前記第1制御部は、プログラム量及び稼動周波数に基づいて起動時間を予測する起動時間予測ステップを実行し、
前記第2制御部は、前記プロッター部の現時点でのヒータ温度が基準ヒータ温度に到達するまでの時間を予測するウォームアップ時間予測ステップを実行し、
前記第1制御部は、
リブート要求を受信した場合に、前記起動時間予測ステップにより予測した起動時間が前記ウォームアップ時間予測ステップにより予測したウォームアップ時間より長いときに、前記起動時間と前記ウォームアップ時間との差分時間を求め、当該差分時間に亘って前記
第2電源生成部から出力される電力を遮断するように制御する制御ステップを実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、
画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、
前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、
前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートする直前の情報を
直前情報保存部に記憶する直前情報保存ステップを実行し、
前記第1制御部は、リブート要求を受信した場合に、前記リブートする直前の情報を前記第2制御部に送信して前記直前情報保存
部に記憶させるように制御する第1制御ステップと、
前記第2制御部は、前記リブートが完了した場合に、前記直前情報保存部から取得した情報を前記第1制御部に返送するように制御する第2制御ステップと、を実行することを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
請求項10乃至12の何れか一項に記載された画像形成方法におけるステップをプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば2つのCPUを備えた画像形成装置にあっては、一方のCPUを本体制御に用い、他方のCPUを操作部の制御に用い、異常事態が発生した箇所に応じて夫々のCPUが非同期に再起動(以下、リブートと記す)処理を行った後に、画像形成装置全体をリブートして初期状態に復帰させるといった技術が知られている。
【0003】
このような従来の画像形成装置の一例として、特許文献1及び特許文献2が知られている。
特許文献1には、本体と操作部に異なるOS(オペレーティングシステム)を夫々搭載し、本体とは非同期に操作部のリブートを行いながら、本体のジョブを実行することが可能な技術が開示されている。
また、特許文献2には、メインボードとサブボードに夫々CPUを備え、サブボードのCPUの異常をウォッチドッグタイマーにより検出すると、メインボードがサブボードの電源供給を停止してリセットするといった技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、操作部に異常が発生した場合、装置全体の電力をオフすることなく操作部のリブート部が独自にリブートを実行することにより、本体側のジョブは継続可能である。しかし、本体側に異常が発生した場合、リアルタイム制御を要するモータやヒータといったユニットの制御が行えなくなるため、装置全体をリブートせざるを得ない、このため装置全体におけるリブート後のダウンタイムが長くなるといった問題がある。
また、特許文献2にあっては、サブボードのCPUの異常をウォッチドッグタイマーにより検出すると、メインボードがサブボードの電力供給を停止するので、特許文献1と同様に、装置全体におけるリブート後のダウンタイムが長くなるといった問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、画像形成装置におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、情報処理装置とネットワークを介して接続するためのネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置であって、当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続し、前記電源部は、前記第1制御部によりそれぞれ独立して制御され、前記第1制御部に電源を供給する第1電源生成部と、前記第2制御部と前記プロッター部に電源を供給する第2電源生成部とを備え、前記第2制御部は、前記第1制御部がリブートした旨の通知を受信した場合に、所定の時間が経過しても前記第1制御部からリブートが完了した旨の通知を受信しないときには、前記第1制御部に対して異常通知を発行するとともに、前記第2電源生成部から出力される電力を遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係わる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のリブート処理を実行中の制御ボードAと制御ボードBの動作を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードBの異常を検知した場合のリブート処理を説明するフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のネットワークの機能を検査する旨の要求を受信した場合のリブート処理を説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードBの電源制御を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードAの情報保存の動作を説明するフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードBの連続印刷動作モード時のリブート処理を説明するフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードAとBの状態を説明する図であり、(a)はリブート時間がウォームアップ時間より長い場合であり、(b)はリブート時間がウォームアップ時間より短い場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、画像形成装置におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えるために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の画像形成装置は、ネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する第1制御部と、画像形成するプロッター部を制御する第2制御部と、前記第1制御部と前記第2制御部とにそれぞれ電力を供給する電源部と、を備える画像形成装置であって、当該画像形成装置をリブートする場合に、前記第2制御部は、前記プロッター部と当該第2制御部とに前記電源部からの電力の供給を維持し、且つ当該第2制御部の制御を継続することを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、画像形成装置におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
なお、リブートには、ハードウェアリブートとソフトウェアリブートがあり、ハードウェアリブートとは、コンピュータへの電源供給を故意に遮断し、そして供給することを指す。また、ソフトウェアリブートとは、突然の電源喪失またはハードウェアベースのリセットを引き金とせず、ソフトウェア制御の下でのコンピュータの標準的なリブートに必要とされるものを指す。
例えば、リアルタイムOSを搭載したCPUよりも、ネットワークI/Fを有し、Android(登録商標)やLinux(登録商標)といったOSを搭載したCPUでは、アプリケーションのハングアップや、ネットワークエラー等の異常状態になりやすく、そのような場合は、ソフトウェアリブートを実行することにより異常状態が直る可能性がある。
【0010】
<画像形成システム>
図1は、本発明の一実施形態に係わる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
本実施形態では、PC1、ネットワーク3、MFP(以下、画像形成装置と呼ぶ)5を備えている。
PC1は、例えば、パーソナルコンピュータであり、画像やテキストを含む電子ファイルを生成して、電子ファイルを画像形成装置5に送出する。
ネットワーク3は、PC1と画像形成装置5を接続して、相互に通信できるようにした通信網である。
画像形成装置5は、制御ボードA11、制御ボードB31、プロッター部41、PSU51、操作部25、電源スイッチ27を備え、ネットワーク3を介してPC1と接続されている。(詳細は
図2で説明する)。
【0011】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
本実施形態では、制御ボードA11、制御ボードB31、プロッター部41、PSU51、操作部25、電源スイッチ27を備え、ネットワーク3を介してPC1と接続されている。
【0012】
制御ボードA11は、ネットワークI/F13、RAM15、ROM17、HDD19、CPU21、操作部I/F23を備えている。
ネットワークI/F13は、画像形成装置5とネットワーク3経由でPC1とデータ通信を制御する機能を果たす。
RAM15は、CPU21の作業用領域として使用される揮発性メモリである。
ROM17は、CPU21が実行するプログラムが格納される不揮発性メモリであり、RAM15上に展開してCPU21によって実行される。
HDD19は、画像データ、文書データ、本発明に係わるプログラムを含む画像形成装置5上で動作させる各種のプログラム、フォントデータ、オペレーションシステムに係るシステム情報、利用者情報等を含む各種のデータを蓄積する大容量の記憶装置である。
CPU21は、オペレーションシステムOS(Operating System)や制御プログラムを実行することで、画像形成装置5のネットワークI/F13、操作部25、電源スイッチ27及びPSU51の動作を制御する機能を果たす。
操作部I/F23は、CPU21と操作部25の間のデータの授受を制御する。
【0013】
制御ボードB31は、RAM33、ROM35、CPU37、画像処理プロセッサ39を備えている。
RAM33は、CPU37の作業用領域として使用される揮発性メモリである。
ROM35は、CPU37が実行するプログラムが格納される不揮発性メモリであり、RAM33上に展開してCPU37によって実行される。
CPU37は、オペレーションシステムOS(Operating System)や制御プログラムを実行することで、画像形成装置5のプロッター部41の動作を主に制御する機能を果たす。
画像処理プロセッサ39は、プロッター部41により印刷する画像データを作成するASICである。
【0014】
プロッター部41は、モータ41a、ファン41b、クラッチ41c、ヒータ41dを備えている。
モータ41aは、印刷された記録媒体の搬送、各種ローラの回転駆動を行う。
ファン41bは、画像形成装置5の冷却を行う。
クラッチ41cは、タイミングローラ等の可動部に備えられ、CPU37の制御により駆動される。
ヒータ41dは、定着部の熱源であり、交流電源のゼロクロス位相でスイッチングされるように制御される。
【0015】
PSU51は、電源生成部A53、電源生成部B55を備えている。
電源生成部A53は、制御ボードA11への電力を供給するものであり、CPU21の信号線61により電力がオン/オフされる。
電源生成部B55は、制御ボードB31とプロッター部41への電力を供給するものであり、CPU21の信号線61とCPU37の信号線63により電力がオン/オフされる。
【0016】
操作部25は、利用者の操作情報の入力受け付けと、利用者への情報表示の機能を果たし、制御ボードA11と制御ボードB31の夫々により制御される。
なお、操作部25は、ユーザの操作に応じてリブート要求を受け付け、制御ボードA11と制御ボードB31にリブート要求を発行する場合もある。
電源スイッチ27は、PSU51の電力を手動によりオン/オフするメインスイッチである。
【0017】
<機能構成>
図3は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
以下、同じ構成要件には同じ符号を付して説明する。
画像形成装置5は、第1制御部71、第2制御部73、プロッター部75、電源部77を備えている。
【0018】
第1制御部71は、ネットワーク3を介してPC1と接続するためのネットワーク処理、USBメモリ等の外部メモリの処理、及び各種アプリケーション処理を実行する。
また、第2制御部73と信号線79により接続されて、第2制御部73にリブートの指示を送信する。
また、電源部77に対して電力のオン/オフを制御する信号線87が接続されている。
第2制御部73は、直前情報保存部73aを備え、画像処理された画像データに基づいて画像形成を実行するプロッター部75を制御する。
また、プロッター部75と信号線81により接続されて、プロッター部75に画像データ及び制御信号を送信する。
直前情報保存部73aは、第1制御部71がリブートする直前の情報を記憶するメモリである。
プロッター部75は、画像処理された画像データに基づいて画像形成を担う。
電源部77は、第1電源生成部77a、第2電源生成部77bを備え、第1電源生成部77aは、第1制御部71に電源経路83を介して電力を供給する。また、第2電源生成部77bは、第2制御部73とプロッター部75に夫々電源経路85、89を介して電力を供給する。
【0019】
本実施形態では、第2制御部73は、第1制御部71がリブートした旨の通知を受信した場合、第2電源生成部77bから出力される電力を維持して、当該第2制御部73の制御を継続する。
また、第2制御部73は、第1制御部71からリブートした旨の通知を受信した場合、所定の時間が経過しても第1制御部71からリブート完了の旨の通知を受信しないときは、第1制御部71に対して異常通知を発行すると共に、第2電源生成部77bから出力される電力をオフする。
【0020】
また、第1制御部71は、リブートの要求を受信した際に、第2制御部73の異常通知を受信したときは、第1制御部71及び第2制御部73のリブートを実行する。
また、第1制御部71は、リブートの要求を受信した際に、第2制御部73の異常通知を受信していないときには、第1制御部71のみのリブートを実行する。
また、第1制御部71は、ネットワークの機能を検査する旨の要求を受信した場合、PINGコマンドを実行してPC1からの応答の有無を検査し、応答があった際は、第1制御部71のみをリブートする。
【0021】
また、第1制御部71は、プログラム量及び稼動周波数に基づいて起動時間を予測する起動時間予測部71aを備え、第2制御部73は、プロッター部75の現時点でのヒータ温度が基準ヒータ温度に到達するまでの時間を予測するウォームアップ時間予測部73bを備え、第1制御部71は、リブート要求を受信した場合に、起動時間予測部71aにより予測した起動時間がウォームアップ時間予測部73bにより予測したウォームアップ時間より長いときに、起動時間とウォームアップ時間との差分時間を求め、当該差分時間に亘って第2の電源生成部77bから出力される電力をオフする。
また、第2制御部73は、第1制御部71がリブートする直前の情報を記憶する直前情報保存部73aを備え、第1制御部71は、リブート要求を受信した場合に、リブートする直前の情報を第2制御部73に送信して直前情報保存部73aに記憶させ、第2制御部73は、リブートが完了したときに、直前情報保存部73aから取得した情報を第1制御部71に返送する。
また、第2制御部73のみでの動作が可能な連続印刷動作モードにおいて、第2制御部73は、連続印刷動作モードを継続しながら第1制御部71をリブートする。
【0022】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0023】
<画像形成装置のリブート処理>
図4は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のリブート処理を実行中の制御ボードAと制御ボードBの動作を説明するフローチャートである。なお、本フローチャートでは、左側に制御ボードAの動作、右側に制御ボードBの動作を示し、夫々が非同期に動作する。
ステップS1では、制御ボードA11は、PC1からネットワークI/F13を介してリブートの指示を受信すると、信号線29を介して制御ボードB31にリブートを通知する(矢印a)。
なお、上述したリブート要求は、PC1からネットワークI/F13を介して受信することとして、記載したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、ユーザの操作に応じて操作部25からリブート要求を受信する場合や、プログラム更新時にリブート要求を受信する場合もある。
ステップS3では、制御ボードA11は、リブート処理を実行して制御ボードA11を初期状態に戻すように動作する。
ステップS5では、制御ボードA11は、リブート処理を実行した結果、制御ボードA11が正常状態に移行したかを判断する。
ステップS7では、制御ボードA11は、信号線29を介して制御ボードB31にリブート完了を通知する(矢印b)。
【0024】
一方、ステップS9では、制御ボードB31は、信号線29を介して制御ボードA11からリブート信号を受信する。
ステップS11では、制御ボードB31は、タイマをスタートさせて時間をカウントする。
ステップS13では、制御ボードB31は、タイマのカウント時間が所定の規定時間(本実施形態では、規定時間を設定する場合、制御ボードA11の最大リブート時間を予め測定しておく)が経過したか否かを判断する。制御ボードB31は、タイマのカウント時間が所定の規定時間を経過した場合にステップ15に進み、一方、カウント時間が所定の規定時間を経過していない場合にステップS11に戻る。
ステップS15では、制御ボードB31は、制御ボードA11からリブート完了信号を受信したか否かを判断する。リブート完了信号を受信した場合は(ステップS15でYesのルート)、ステップ17に進み、一方、リブート完了信号を受信しない場合(ステップS15Noのルート)は、ステップ19に進む。
ステップS17では、制御ボードB31は、タイマをリセットして終了する。
ステップS19では、制御ボードB31は、異常状態を信号線45を介して操作部25に通知する。
ステップS21では、制御ボードB31は、信号線63を介して電源生成部B55の電力をオフにする。
【0025】
<画像形成装置の制御ボードBのリブート処理>
図5は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードBの異常を検知した場合のリブート処理を説明するフローチャートである。
ステップS31では、制御ボードA11は、PC1からネットワークI/F13を介してリブートの指示を受信する。
ステップS33では、制御ボードA11は、制御ボードB31からの異常通知があるか否かを判断する。異常通知があると(ステップS33でYesのルート)、ステップS35に進み、一方、異常通知がないと(ステップS33でNoのルート)、ステップS43に進む。
ステップS35では、制御ボードA11は、画像形成装置5の全体のリブートを実行する。
ステップS37では、制御ボードA11は、リブートが完了すると装置全体が正常状態に移行したか否かを判断する。正常状態に移行した場合は(ステップS37でYesのルート)、ステップS39に進み、一方、正常状態に移行しないと(ステップS37でNoのルート)、ステップS47に進む。
ステップS39では、制御ボードA11は、画像形成装置5全体が正常状態に移行したので、リブート完了を操作部I/F23を介して操作部25に通知する。
ステップS41では、画像形成装置5は、待機状態に移行する。
【0026】
また、ステップS47では、制御ボードA11は、画像形成装置5全体が正常状態に移行しないので、異常状態を操作部I/F23を介して操作部25に通知する。
一方、ステップS43では、制御ボードA11は、制御ボードB31からの異常通知がないので、制御ボードA11のみのリブートを実行する。
ステップS45では、制御ボードA11は、リブートが完了すると制御ボードA11が正常状態に移行したか否かを判断する。正常状態に移行した場合は(ステップS45でYesのルート)、ステップS39に進み、一方、正常状態に移行しない場合に(ステップS45でNoのルート)、ステップS35に戻る。
【0027】
<画像形成装置のネットワークの機能を検査するためのリブート処理>
図6は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置のネットワークの機能を検査する旨の要求を受信した場合のリブート処理を説明するフローチャートである。
ステップS51では、制御ボードA11は、操作部25からネットワークチェックを実施するモードが発行さられたか否かを判断する。
ステップS53では、制御ボードA11は、操作部25からネットワークチェックを実施するモードが発行さられたことを検知すると、PINGコマンドをネットワークI/F13を介してPC1に送信してネットワークチェックを実施する。
【0028】
ステップS55では、制御ボードA11は、PC1からの応答があるか否かを判断して、PC1からの応答がある場合は(ステップS55でYesのルート)、ステップS57に進み、一方、PC1からの応答がないと(ステップS55でNoのルート)、ステップS61に進む。
ステップS57では、制御ボードA11は、PC1からの応答があるので、ハードウェア的に正しく接続されており、上位層のソフトウェア不具合の可能性が高いと判断して、制御ボードA11のみのリブートを実行する。
ステップS59では、リブートの結果、画像形成装置5は、待機状態に移行する。
一方、ステップS61では、制御ボードA11は、PC1からの応答がないので、ハードウェア的に問題がある可能性が高いので、ネットワークへの接続を確認するように操作部25に表示する。
【0029】
<画像形成装置の制御ボードBの電源制御を説明するためのリブート処理>
図7は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードBの電源制御を説明するフローチャートである。
ステップS71では、制御ボードA11は、PC1からネットワークI/F13を介してリブートの指示を受信する。
なお、上述したリブート要求は、PC1からネットワークI/F13を介して受信することとして、記載したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、ユーザの操作に応じて操作部25からリブート要求を受信する場合や、プログラム更新時にリブート要求を受信する場合もある。
ステップS73では、制御ボードA11は、プログラム量及び稼動周波数に基づいて起動時間を予測して記憶するメモリ(起動時間予測部71a)を備え、その内容を読み出す。
ステップS75では、制御ボードB31は、ウォームアップ時間予測部73dにより、プロッター部41のヒータ41dの現時点でのヒータ温度が基準ヒータ温度に到達するまでの時間を予測する。
ステップS77では、制御ボードA11は、読み出された制御ボードA11の予測起動時間とプロッター部41のウォームアップ時間とを比較して差分時間を求めておく。
ステップS79では、制御ボードA11は、制御ボードA11の予測起動時間の方が長い場合は(ステップS79でYesのルート)、ステップS81に進み、一方、プロッター部41のウォームアップ時間の方が長い場合は(ステップS79でNoのルート)、ステップS89に進む。
【0030】
ステップS81では、制御ボードA11は、信号線61を介して電源生成部B55の出力をオフにする。
ステップS83では、制御ボードA11は、ステップS77で求めた差分時間が経過していない場合は(ステップS83でNoのルート)、ステップS81に戻り、一方、差分時間が経過した場合は(ステップS83でYesのルート)、ステップS85に進む。
ステップS85では、制御ボードA11は、信号線61を介して電源生成部B55の出力をオンにする。
ステップS87では、制御ボードA11は、リブートが完了したか否かを判断し、リブートが完了した場合は(ステップS87でYesのルート)終了し、一方、リブートが完了しない場合は(ステップS87でNoのルート)、ステップS90の異常処理のルーチンに進む。
一方、ステップS89では、制御ボードA11は、信号線61を介して電源生成部B55の出力をオンのままにしてステップS87に進む。
【0031】
<画像形成装置の制御ボードBのリブートする直前情報>
図8は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードAの情報保存の動作を説明するフローチャートである。
ステップS91では、制御ボードA11は、PC1からネットワークI/F13を介してリブートの要求があるか否かを判断する。リブートの要求があると(ステップS91でYesのルート)、ステップS93に進む。
なお、上述したリブート要求は、PC1からネットワークI/F13を介して受信することとして、記載したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、ユーザの操作に応じて操作部25からリブート要求を受信する場合や、プログラム更新時にリブート要求を受信する場合もある。
【0032】
ステップS93では、制御ボードA11は、各種アプリの起動状況等の情報を信号線29を介して制御ボードB31に送信して、制御ボードB31は、メモリ(直前情報保存部73a)に保存する。
ステップS95では、制御ボードA11は、リブートを実行する。
ステップS97では、制御ボードA11は、リブートが完了したことを受けて、制御ボードB31は、メモリに保存された情報を制御ボードA11に返送する。
ステップS99では、画像形成装置5は、待機状態に移行する。
【0033】
<画像形成装置の制御ボードBの連続印刷動作モード時のリブート処理>
図9は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードBの連続印刷動作モード時のリブート処理を説明するフローチャートである。
ステップS101では、制御ボードA11は、PC1からネットワークI/F13を介してリブートの指示を受信すると、制御ボードB31が連続印刷動作モードを処理中か否かを判断する。連続印刷動作モードを処理中である場合は(ステップS101でYesのルート)、ステップS103に進み、一方、連続印刷動作モードを処理中でない場合は(ステップS101でNoのルート)、ステップS115に進んで通常のワークフローを実行する。
なお、上述したリブート要求は、PC1からネットワークI/F13を介して受信することとして、記載したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、ユーザの操作に応じて操作部25からリブート要求を受信する場合や、プログラム更新時にリブート要求を受信する場合もある。
【0034】
ステップS103では、制御ボードA11は、制御ボードB31からの異常通知が有るか否かを判断する。異常通知が有る場合は(ステップS103でYesのルート)、ステップS105に進み、一方、異常通知がない場合は(ステップS103でNoのルート)、ステップS117に進む。
ステップS105では、制御ボードA11は、制御ボードB31に対して印刷ジョブの停止を指示して、その停止処理が終了後、画像形成装置5全体のリブートを実行する。
【0035】
ステップS107では、制御ボードA11は、画像形成装置5が正常状態に移行したか否かを判断する。正常状態に移行した場合は(ステップS107でYesのルート)、ステップS109に進み、一方、正常状態に移行しない場合は(ステップS107でNoのルート)、ステップS113に進む。
ステップS109では、制御ボードA11は、制御ボードB31にリブートが完了した旨を通知すると共に、操作部25にリブートが完了したことを発行する。
ステップS111では、画像形成装置5は、待機状態に移行する。
また、ステップS113では、制御ボードA11は、制御ボードB31に異常状態を通知すると共に、操作部25に操作部I/F23を介して異常状態であることを発行する。
【0036】
一方、ステップS117では、制御ボードA11は、制御ボードB31による連続印刷処理を継続し、制御ボードA11のみのリブートを実行する。
ステップS119では、制御ボードB31は、制御ボードA11がリブート後に正常状態に移行したか否かを判断する。正常状態に移行した場合は(ステップS119でYesのルート)、ステップS121に進み、一方、正常状態に移行しない場合は(ステップS119でNoのルート)、ステップS105に戻る。
ステップS121では、制御ボードB31は、印刷ジョブが完了したか否かを判断する。印刷ジョブが完了した場合は(ステップS121でYesのルート)、ステップS109に戻り、一方、印刷ジョブが完了しない場合は(ステップS121でNoのルート)、ステップS123に進む。
ステップS123では、制御ボードA11は、制御ボードB31からの異常通知が有るか否かを判断する。異常通知が有る場合は(ステップS123でYesのルート)、ステップS125に進み、一方、異常通知がない場合は(ステップS123でNoのルート)、ステップS127に進む。
ステップS125では、制御ボードB31は、印刷ジョブの停止処理後、異常状態を信号線45を介して操作部25に通知して終了する。
一方、ステップS127では、制御ボードB31は、制御ボードB31からの異常通知が無いので、プログラムウエイトをかけてステップS121に戻る。
【0037】
<画像形成装置の制御ボードAとBの状態>
図10は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置の制御ボードAのリブート要求を受信した場合の制御ボードAとBの状態を説明する図であり、(a)はリブート時間がウォームアップ時間より長い場合であり、(b)はリブート時間がウォームアップ時間より短い場合を示す。
図10(a)は、上側に制御ボードA11の状態を示し、下側に制御ボードB31の状態を示す。即ち、制御ボードA11のリブート時間の方が長い場合は、制御ボードA11の電源生成部A53と制御ボードB31の電源生成部B55から出力される電力がオンの状態から、リブートが開始されると、制御ボードA11はリブート状態に移行し、制御ボードB31は、電源生成部B55から出力される電力をオフして、差分時間が経過すると電源生成部B55から出力される電力をオンする。その後、リブートが終了すると、動作が可能となる。
【0038】
図10(b)は、上側に制御ボードA11の状態を示し、下側に制御ボードB31の状態を示す。即ち、制御ボードA11のリブート時間の方が短い場合は、制御ボードA11の電源生成部A53と制御ボードB31の電源生成部B55から出力される電力がオンの状態から、リブートが開始されると、制御ボードA11はリブート状態に移行し、制御ボードB31は、電源生成部B55から出力される電力をオンのままとする。その後、リブートが終了すると、動作が可能となる。
【0039】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の画像形成装置5は、ネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する制御ボードA11と、画像形成するプロッター部41を制御する制御ボードB31と、制御ボードA11と制御ボードB31とにそれぞれ電力を供給するPSU51と、を備える画像形成装置5であって、当該画像形成装置をリブートする場合に、制御ボードB31は、プロッター部41と制御ボードB31とにPSU51からの電力の供給を維持し、且つ制御ボードB31の制御を継続することを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置5をリブートする場合に、プロッター部41と制御ボードB31とにPSU51からの電力の供給を維持し、且つ制御ボードB31の制御を継続するので、ヒータの温度を印刷可能な温度まで上昇させるためのウォームアップ時間を短縮化することができ、画像形成装置5自体におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0040】
<第2態様>
本態様のPSU51は、制御ボードA11によりそれぞれ独立して制御される電源生成部A53と電源生成部B55とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、PSU51から電力を供給する対象を制御ボードA11と制御ボードB31に分離することができるので、不要なリブート動作を減少させることができる。
【0041】
<第3態様>
本態様の制御ボードB31は、制御ボードA11がリブートした旨の通知を受信した場合に、電源生成部B55から出力される電力を維持して、当該制御ボードB31の制御を継続することを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードB31は、制御ボードA11がリブートした旨を受信した場合に、電源生成部B55から出力される電力を維持して、当該電源生成部B55の制御を継続するので、ヒータの温度を印刷可能な温度まで上昇させるためのウォームアップ時間を短縮化することができ、画像形成装置5自体におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0042】
<第4態様>
本態様の制御ボードB31は、制御ボードA11がリブートした旨の通知を受信した場合に、所定の時間が経過しても制御ボードA11からリブートが完了した旨の通知を受信しないときには、制御ボードA11に対して異常通知を発行するとともに、電源生成部B5から出力される電力を遮断することを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードA11がリブートした場合に、所定の時間が経過しても制御ボードA11からリブートが完了した旨の通知を受信しないときには、制御ボードA11に対して異常通知を発行するとともに、電源生成部B5から出力される電力を遮断するので、不要なリブートの処理時間を低減することができる。
【0043】
<第5態様>
本態様の制御ボードA11は、画像形成装置5全体のリブート要求を受信した場合に、制御ボードB31から異常通知を受信したときには、制御ボードA11及び制御ボードB31のリブートを実行することを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置5全体のリブートした場合に、制御ボードB31から異常通知を受信したときには、制御ボードA11及び制御ボードB31のリブートを実行するので、画像形成装置5が適切なリブート処理を実行し、異常状態の解消の可能性を高めることができる。
【0044】
<第6態様>
本態様の制御ボードA11は、画像形成装置5全体のリブート要求を受信した場合に、制御ボードB31から異常通知を受信していないときには、制御ボードB31のリブートのみを実行することを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードA11がリブートした場合に、制御ボードB31から異常通知を受信したときには、制御ボードB31のみのリブートを実行するので、画像形成装置5全体におけるリブート後の復帰時間を短縮することができる。
【0045】
<第7態様>
本態様の制御ボードA11は、ネットワーク3の機能を検査する旨の要求を受信した場合に、PINGコマンドを実行し、PC1から応答があったときには、制御ボードA11のみをリブートすることを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードA11は、ネットワーク3の機能を検査する旨の要求を受信した場合に、PINGコマンドを実行して、PC1から応答があったときには、制御ボードA11のみをリブートするので、制御ボードA11の不具合の原因が、ハードウェアかソフトウェアかを明確化して、初期化によりネットワークの不具合を解消することができる。
【0046】
<第8態様>
本態様の制御ボードA11は、プログラム量及び稼動周波数に基づいて起動時間を予測する起動時間予測部71aを備え、制御ボードB31は、プロッター部41の現時点でのヒータ温度が基準ヒータ温度に到達するまでの時間を予測するウォームアップ時間予測部73bを備え、制御ボードA11は、リブート要求を受信した場合に、起動時間予測部71aにより予測した起動時間がウォームアップ時間予測部73bにより予測したウォームアップ時間より長いときに、起動時間とウォームアップ時間との差分時間を求め、当該差分時間に亘って電源生成部B55から出力される電力を遮断することを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードA11は、リブート要求を受信した場合に、予測した起動時間の方が予測したウォームアップ時間より長いときに、起動時間とウォームアップ時間との差分時間に亘って電源生成部B55から出力される電力を遮断するので、制御ボードB31とプロッター部41の無駄な電力を削減することができる。
【0047】
<第9態様>
本態様の制御ボードB31は、制御ボードA11がリブートする直前の情報を記憶する直前情報保存部73aを備え、制御ボードA11は、リブート要求を受信した場合に、リブートする直前の情報を制御ボードB31に送信して直前情報保存部73aに記憶させ、制御ボードB31は、リブートが完了したときに、直前情報保存部73aから取得した情報を制御ボードA11に返送することを特徴とする。
本態様によれば、リブート要求を受信した場合に、制御ボードA11がリブートする直前の情報を制御ボードB31に送信して直前情報保存部73aに記憶するので、リブートが完了した後に、制御ボードA11の立ち上げを正確に且つ迅速に実行することができる。
【0048】
<第10態様>
本態様の制御ボードB31は、制御ボードB31のみでの動作が可能な連続印刷動作モードにおいて、連続印刷動作モードを継続しながら制御ボードA11をリブートすることを特徴とする。
本態様によれば、制御ボードB31による連続印刷動作モードを継続しながら制御ボードA11をリブートするので、制御ボードA11のリブートが完了した後の待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0049】
<第11態様>
本態様の画像形成システムは、第1態様乃至第10態様のいずれか一態様に記載の画像形成装置5と、画像形成装置5とネットワーク3を介して接続されたPC1と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、ヒータの温度を印刷可能な温度まで上昇させるためのウォームアップ時間を短縮化することができ、画像形成装置5自体のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0050】
<第12態様>
本態様の画像形成装置5は、ネットワーク処理、外部メモリ処理及び各種アプリケーション処理を実行する制御ボードA11と、画像形成するプロッター部41を制御する制御ボードB31と、制御ボードA11と制御ボードB31とにそれぞれ電力を供給するPSU51と、を備える画像形成装置5による画像形成方法であって、当該画像形成装置5をリブートする場合に、プロッター部41と制御ボードB31とにPSU51からの電力の供給を維持し、且つ制御ボードB31の制御を継続するように制御する制御ステップを実行することを特徴とする。
本態様によれば、ヒータの温度を印刷可能な温度まで上昇させるためのウォームアップ時間を短縮化することができ、画像形成装置5自体におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【0051】
<第13態様>
第12態様に記載された画像形成方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とする。
本態様によれば、ヒータの温度を印刷可能な温度まで上昇させるためのウォームアップ時間を短縮化することができ、画像形成装置5自体におけるリブート後のダウンタイムを最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0052】
1…PC、3…ネットワーク、5…画像形成装置、11…制御ボードA、13…ネットワークI/F、15…RAM、17…ROM、19…HDD、21…CPU、23…操作部I/F、25…操作部、27…電源スイッチ、29…信号線、31…制御ボードB、33…RAM、35…ROM、37…CPU、39…画像処理プロセッサ、41…プロッター部、43…信号線、45…信号線、51…PSU、53…電源生成部A、55…電源生成部B、65、67、69…電源経路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【文献】特開2017-159666公報
【文献】特開2015-049731公報