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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240814BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240814BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 912
G06F3/01 570
B41J29/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020149217
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043760
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】小関 健
(72)【発明者】
【氏名】野崎 旭
(72)【発明者】
【氏名】菊地 裕之
(72)【発明者】
【氏名】大平 賢
(72)【発明者】
【氏名】高橋 満
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-163770(JP,A)
【文献】特開2017-034518(JP,A)
【文献】特開2019-149066(JP,A)
【文献】特表2018-533486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/01
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
オペレータの足によるジェスチャを検知するためのジェスチャセンサと、
前記ジェスチャセンサで検知したジェスチャの内容を解析し、解析したジェスチャの内容に従って前記画像形成装置の動作を制御するコントローラと
媒体に画像を形成する画像形成部とを備え、
前記コントローラは、
N(Nは2以上の整数)セットの媒体に連続して画像を形成する連続印刷動作を、前記画像形成部に実行させ、
前記画像形成部で第M(MはN未満の整数)セット目の媒体に画像が形成された時点で、前記ジェスチャセンサで停止ジェスチャを検知したことに応じて、前記連続印刷動作を停止し、
前記連続印刷動作の停止中に前記ジェスチャセンサで再開ジェスチャを検知したことに応じて、第(M+1)セット目から前記連続印刷動作を再開することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記連続印刷動作の停止中に前記ジェスチャセンサでモード変更ジェスチャを検知したことに応じて、停止中の前記連続印刷動作の印刷モードを変更することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記連続印刷動作の印刷モードを変更した後において、
前記ジェスチャセンサでリセットジェスチャを検知したことに応じて、変更後の印刷モードで第1セット目から前記連続印刷動作を開始し、
前記ジェスチャセンサで再開ジェスチャを検知したことに応じて、変更後の印刷モードで第(M+1)セット目から前記連続印刷動作を再開することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
情報を表示するディスプレイを備え、
前記コントローラは、変更後の印刷モードを前記ディスプレイに表示した状態で、前記ジェスチャセンサに前記リセットジェスチャまたは前記再開ジェスチャを検知させることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記モード変更ジェスチャは、画像を形成する面を媒体の片面及び両面の一方から他方に変更するジェスチャ、または画像が形成された媒体をセット毎にステープルするか否かを変更するジェスチャであることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
情報を報知する報知部を備え、
前記コントローラは、前記ジェスチャセンサでジェスチャを検知したことを、前記報知部を通じて報知することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
媒体を収容可能な収容空間を有するトレイと、
前記収容空間に収容された媒体を搬送する搬送部と
記収容空間に対して媒体を挿抜可能な開位置、及び前記収容空間内の媒体を前記搬送部が搬送可能な閉位置の間で、前記トレイを移動させるトレイモータとを備え、
前記画像形成部は、前記搬送部によって搬送された媒体に画像を形成し、
前記コントローラは、
前記ジェスチャセンサで開ジェスチャを検知したことに応じて、前記トレイモータを駆動して前記トレイを前記閉位置から前記開位置に移動させ、
前記ジェスチャセンサで閉ジェスチャを検知したことに応じて、前記トレイモータを駆動して前記トレイを前記開位置から前記閉位置に移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置の外面において開閉可能なドアと、
前記画像形成装置の内部空間を露出させる開位置、及び前記内部空間を閉塞する閉位置の間で、前記ドアを移動させるドアモータとを備え、
前記コントローラは、
前記ジェスチャセンサで開ジェスチャを検知したことに応じて、前記ドアモータを駆動して前記ドアを前記閉位置から前記開位置に移動させ、
前記ジェスチャセンサで閉ジェスチャを検知したことに応じて、前記ドアモータを駆動して前記ドアを前記開位置から前記閉位置に移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
オペレータの足によるジェスチャを検知するためのジェスチャセンサを備え、媒体に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置によって実行される制御プログラムであって、
前記ジェスチャセンサで検知したジェスチャの内容を解析し、解析したジェスチャの内容に従って前記画像形成装置の動作を制御する処理を、前記画像形成装置に実行させ
N(Nは2以上の整数)セットの媒体に連続して画像を形成する連続印刷動作を、前記画像形成部に実行させ、
前記画像形成部で第M(MはN未満の整数)セット目の媒体に画像が形成された時点で、前記ジェスチャセンサで停止ジェスチャを検知したことに応じて、前記連続印刷動作を停止し、
前記連続印刷動作の停止中に前記ジェスチャセンサで再開ジェスチャを検知したことに応じて、第(M+1)セット目から前記連続印刷動作を再開する処理を、前記画像形成装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプ制御ログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部と、媒体(用紙)を収容する給紙トレイと、給紙トレイに収容された媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された媒体にスキャナ部で読み取った画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって画像が形成された媒体が排出される排紙トレイとを備える画像形成装置が知られている。
【0003】
上記構成のような画像形成装置において、オペレータの手の動き(ジェスチャ)をメガネ型端末で読み取って、当該ジェスチャに対応付けられた動作を画像形成装置に実行させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像形成装置のオペレータは、スキャナ部に読み取らせる原稿や、給紙トレイにセットする媒体などを、手に持った状態で画像形成装置を操作することが多い。そのため、給紙トレイを手で開閉したり、特許文献1のように手でジェスチャをするのが難しい場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、手が塞がっていたとしても操作可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、媒体に画像を形成する画像形成装置であって、オペレータの足によるジェスチャを検知するためのジェスチャセンサと、前記ジェスチャセンサで検知したジェスチャの内容を解析し、解析したジェスチャの内容に従って前記画像形成装置の動作を制御するコントローラと、媒体に画像を形成する画像形成部とを備え、前記コントローラは、N(Nは2以上の整数)セットの媒体に連続して画像を形成する連続印刷動作を、前記画像形成部に実行させ、前記画像形成部で第M(MはN未満の整数)セット目の媒体に画像が形成された時点で、前記ジェスチャセンサで停止ジェスチャを検知したことに応じて、前記連続印刷動作を停止し、前記連続印刷動作の停止中に前記ジェスチャセンサで再開ジェスチャを検知したことに応じて、第(M+1)セット目から前記連続印刷動作を再開することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手が塞がっていたとしても画像形成装置を操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の概略図。
図2】画像形成装置の内部構造を示す図。
図3】MFPのハードウェア構成図。
図4】給紙トレイモータの回転駆動力を給紙トレイに伝達する駆動力伝達機構の概略図。
図5】トレイ開閉処理のフローチャート。
図6】印刷制御処理のフローチャート。
図7】印刷モード変更処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、画像形成装置(システム)1の概略図である。図2は、画像形成装置1の内部構造を示す図である。画像形成装置1は、MFP100と、大量給紙装置300と、インサータ装置400と、スタッカ装置500と、大量排紙装置600とを主に備える。なお、大量給紙装置300、インサータ装置400、スタッカ装置500、及び大量排紙装置600は、MFP100に着脱可能な外付け装置であって、一部または全部を省略可能である。
【0010】
MFP100(MFP:Multifunction Peripheral/Product/Printer)は、用紙(媒体)に画像を記録するプリンタ機能、原稿に記録された画像を読み取って画像データを生成するスキャナ機能などを備える。図1及び図2に示すように、MFP100は、筐体101と、前ドア102と、ADF103(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)と、給紙トレイ104a、104b、104c(以下、これらを総称して、「給紙トレイ104」と表記する。)と、搬送部233と、画像形成部234と、操作パネル240と、ジェスチャセンサ241とを主に備える。
【0011】
筐体101は、MFP100の外殻を構成する。筐体101は、MFP100の構成部品(例えば、給紙トレイ104、搬送部233、画像形成部234など)を収容する内部空間を有する。また、筐体101は、MFP100の構成部品(例えば、ADF103、操作パネル240、ジェスチャセンサ241など)を外面で支持する。前ドア102は、筐体101の前面(外面)において、開閉可能に構成されている。そして、前ドア102は、筐体101の内部空間を露出させる開位置と、筐体101の内部空間を閉塞する閉位置との間で移動可能(開閉可能)に構成されている。
【0012】
給紙トレイ104は、筐体101の下部に取り付けられている。給紙トレイ104は、複数の用紙を積層した状態で収容可能な収容空間を有する箱型の部材である。給紙トレイ104は、筐体101から引き出された開位置と、筐体101に押し込まれた閉位置との間で移動可能(挿抜可能)に構成されている。給紙トレイ104の開位置は、収容空間に対してオペレータが用紙を挿抜可能な位置である。一方、給紙トレイ104の閉位置は、収容空間に収容された用紙を搬送部233が搬送可能な位置である。
【0013】
搬送部233は、閉位置の給紙トレイ104に収容された用紙を引き出し、筐体101の内部空間に形成された搬送路に沿って搬送する。搬送路は、給紙トレイ104の位置から画像形成部234に対面する位置を経て、MFP100の外部(インサータ装置400との接続部)に至る空間を指す。搬送部233は、例えば、搬送路の互いに離間した複数の位置に配置されて、各々が用紙を挟持して回転する複数の搬送ローラ対を有する。
【0014】
画像形成部234は、搬送部233によって搬送された用紙に画像を形成する。画像形成部234は、例えば、電子写真方式で画像を形成してもよいし、インクジェット方式で画像を形成してもよい。
【0015】
MFP100は、用紙の片面及び両面に画像を形成可能に構成されていてもよい。用紙の片面にのみ画像を形成する場合、用紙は、搬送部233によって画像形成部234に対面する位置まで搬送され、画像形成部234によって画像が形成され、搬送部233によってMFP100の外部に排出される。一方、用紙の両面に画像を形成する場合、用紙は、表面に画像が形成された後、搬送部233によって表裏が反転されて再び画像形成部234に対面され、画像形成部234によって裏面に画像が形成され、搬送部233によってMFP100の外部に排出される。
【0016】
操作パネル240は、例えば、筐体101の上面に支持されている。操作パネル240は、MFP100のオペレータに情報を報知(表示)すると共に、オペレータによる操作を受け付ける。ジェスチャセンサ241は、例えば、筐体101の前面下部またはMFP100の前方の床面に配置されている。ジェスチャセンサ241は、MFP100のオペレータの足の動き(ジェスチャ)を検知する。
【0017】
大量給紙装置300は、一度に大量の用紙を収容して、当該用紙をMFP100に順次供給可能な外付け装置である。大量給紙装置300は、例えば、筐体301と、複数の大量給紙トレイ302、303と、搬送部304と、ジェスチャセンサ305とを主に備える。筐体301は、大量給紙装置300の構成部品(大量給紙トレイ302、303、搬送部304、ジェスチャセンサ305など)を収容または支持する。
【0018】
大量給紙トレイ302、303は、一度に収容可能な用紙が給紙トレイ104を多いことを除いて、給紙トレイ104の構成と共通する。搬送部304は、大量給紙トレイ302、303に収容された用紙を、MFP100の搬送路に向けて搬送する。ジェスチャセンサ305は、筐体301の前面下部または大量給紙装置300の前方の床面に配置されていることを除いて、基本的な構成はジェスチャセンサ241と共通する。
【0019】
インサータ装置400は、MFP100から排出される複数セット(複数部)の用紙に表紙または裏表紙を挿入したり、セット毎の用紙を封筒に挿入する機能を有する外付け装置である。インサータ装置400は、例えば、筐体401と、前ドア402と、ジェスチャセンサ403とを主に備える。
【0020】
筐体401は、インサータ装置400の構成部品を収容する内部空間を有する。前ドア402は、筐体401の内部空間を開閉する。ジェスチャセンサ403は、筐体401の前面下部またはインサータ装置400の前方の床面に配置されている。前ドア402及びジェスチャセンサ403の基本的な構成は、前ドア102及びジェスチャセンサ241と共通する。
【0021】
スタッカ装置500は、MFP100から排出される用紙をセット毎にスタックしたり、複数の用紙をセット毎にステープルする機能を有する外付け装置である。スタッカ装置500は、例えば、筐体501と、前ドア502と、ジェスチャセンサ503と、トレイ504と、台車505とを主に備える。
【0022】
筐体501は、スタッカ装置500の構成部品(トレイ504、台車505など)を収容する内部空間を有する。前ドア502は、筐体501の内部空間を開閉する。ジェスチャセンサ503は、筐体501の前面下部またはスタッカ装置500の前方の床面に配置されている。前ドア502及びジェスチャセンサ503の基本的な構成は、前ドア102及びジェスチャセンサ241と共通する。トレイ504は、MFP100から排出される用紙をセット毎に支持する。台車505は、用紙を支持したトレイ504を載置して移動する。
【0023】
大量排紙装置600は、MFP100から排出される大量の用紙を支持する外付け装置である。大量排紙装置600は、MFP100に標準搭載された排紙トレイより大量の用紙を支持可能である。大量排紙装置600は、例えば、筐体601と、前ドア602と、ジェスチャセンサ603と、内部トレイ604と、排紙トレイ605とを主に備える。
【0024】
筐体601は、大量排紙装置600の構成部品(内部トレイ604、排紙トレイ605など)を収容または支持する。前ドア602は、筐体601の内部空間を開閉する。ジェスチャセンサ603は、筐体601の前面下部または大量排紙装置600の前方の床面に配置されている。前ドア602及びジェスチャセンサ603の基本的な構成は、前ドア102及びジェスチャセンサ241と共通する。内部トレイ604は、MFP100から排出された用紙を一時的に支持する。排紙トレイ605は、内部トレイ604で揃えられた複数の用紙を支持する。
【0025】
すなわち、図1及び図2に示す画像形成装置1は、給紙トレイ104または大量給紙装置300から順番に供給される複数の用紙に、MFP100で画像を形成する。インサータ装置400、スタッカ装置500、及び大量排紙装置600は、MFP100から排出された画像形成済みの用紙に各種の後処理を施す。すなわち、大量給紙装置300、MFP100、インサータ装置400、スタッカ装置500、及び大量排紙装置600は、用紙の搬送経路の上流から下流に向けて、この順に配置されている。
【0026】
図3は、MFP100のハードウェア構成図である。図3に示されているように、MFP100は、コントローラ210、近距離通信I/F220、エンジン制御部230、操作パネル240(入力部)、ネットワークI/F250(通信インタフェース)を備えている。
【0027】
これらのうち、コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)207、HDDコントローラ208、及び、記憶部であるHD209を有し、NB203とASIC206との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
【0028】
これらのうち、CPU201は、MFP100の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204、及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0029】
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。すなわち、コントローラ210は、MEM-P202に記憶されたプログラムを、CPU201が読み出して実行することによって、後述する各処理を実現する。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0030】
SB204は、NB203とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HDDコントローラ208およびMEM-C207をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC206は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC206の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C207を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部231及びプリンタ部232との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC206には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしてもよい。
【0031】
MEM-C207は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD209は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD209は、CPU201の制御にしたがってHD209に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス211は、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0032】
また、近距離通信I/F220には、近距離通信回路220aが備わっている。近距離通信回路220aは、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0033】
また、エンジン制御部230には、スキャナ部231と、プリンタ部232とが接続されている。スキャナ部231は、コンタクトガラスまたはADF103にセットされた原稿を読み取って、画像データを生成する。プリンタ部232は、指定された画像データで示される画像を媒体(例えば、用紙、OHPシート)に形成する。
【0034】
プリンタ部232は、搬送部233と、画像形成部234と、給紙トレイ104の位置を移動させる給紙トレイモータ235とを主に備える。図4は、給紙トレイモータ235の回転駆動力を給紙トレイ104に伝達する駆動力伝達機構の概略図である。給紙トレイモータ235の回転駆動力は、駆動力伝達機構の一例であるラック236及びピニオン237を通じて給紙トレイ104に伝達される。
【0035】
これにより、給紙トレイ104は、給紙トレイモータ235が第1方向に回転すると、閉位置から開位置に向けて筐体101から引き出される向きに直線移動する。一方、給紙トレイ104は、給紙トレイモータ235が第1方向と逆向きの第2方向に回転すると、開位置から閉位置に向けて筐体101に押し込まれる向きに直線移動する。但し、駆動力伝達機構の具体的な構成は、図4の例に限定されない。
【0036】
図3に戻って、操作パネル240は、パネル表示部240a(ディスプレイ)と、操作パネル240bとを有する。パネル表示部240aは、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等からなる。操作パネル240bは、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる。コントローラ210は、MFP100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル240からの入力等を制御する。
【0037】
なお、MFP100は、操作パネル240のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0038】
ジェスチャセンサ241は、例えば、MFP100をオペレータが操作するときに、オペレータの足を画角に収められる位置に配置したカメラによって構成されている。ジェスチャセンサ241を構成するカメラは、MFP100を操作するオペレータの足の動きを撮影して映像信号を出力する。カメラから出力された映像信号は、エンジン制御部230を通じてコントローラ210に出力される。但し、ジェスチャセンサ241の具体的な構成はカメラに限定されない。他の例として、ジェスチャセンサ241は、LED及び読取センサの組み合わせにより物体の動きを検出するものでもよい。LED及び読取センサを組み合わせたセンサ技術は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0039】
また、ネットワークI/F250は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信I/F220及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC206に電気的に接続されている。
【0040】
第1実施形態において、大量給紙装置300、インサータ装置400、スタッカ装置500、及び大量排紙装置600は、PCIバス222を介してASIC205に接続されている。すなわち、第1実施形態に係るコントローラ210は、PCIバス222を介して、大量給紙装置300のジェスチャセンサ305、インサータ装置400のジェスチャセンサ403、スタッカ装置500のジェスチャセンサ503、大量排紙装置600のジェスチャセンサ603から信号を取得する。また、コントローラ210は、PCIバス222を介して各外付け装置の動作を制御する。但し、画像形成装置1を構成する装置それぞれがコントローラを搭載し、ネットワークI/F250を通じて相互通信可能に接続されていてもよい。
【0041】
次に、図5を参照して、コントローラ210が実行する処理を説明する。図5は、トレイ開閉処理のフローチャートである。コントローラ210は、例えば、MFP100が待機中(画像形成部234が動作していないとき)において、所定の時間間隔毎に繰り返しトレイ開閉処理を実行する。
【0042】
まず、コントローラ210は、ジェスチャセンサ241が検知したジェスチャが、予め定められた内容のジェスチャであるか否かを判定する(S501)。ここで、ジェスチャとは、例えば、ジェスチャセンサ241によって検知可能な位置でオペレータが足を動かすことを指す。コントローラ210は、例えば、ジェスチャセンサ241から出力された映像信号を解析して、ジェスチャの有無及びその内容を判定する。ジェスチャの有無及び内容の判定は周知の方法によって実現できるが、例えば以下の方法が考えられる。
【0043】
まず、コントローラ210は、映像に足が含まれているか否かを判定する。足の有無は、足の映像から抽出された特徴量に対応する情報が、映像の中に含まれているか否かを比較することによって判定する。なお、特徴量は、HD209等に記憶されている。また、コントローラ210は、映像に含まれる足が予め定められた動き(ジェスチャの内容)をしているか否かを判定する。より詳細には、映像に含まれる足の移動方向(例えば、右→左、左下→右上など)を判定する。足の移動方向は、映像中における足の位置の時間変化によって判定できる。
【0044】
そして、コントローラ210は、予め定められたジェスチャが行われていない(すなわち、ジェスチャを検知していない)と判定した場合に(S501:No)、ステップS502以降の処理を実行することなく、トレイ開閉処理を終了する。一方、コントローラ210は、予め定められたジェスチャが行われた(すなわち、ジェスチャを検知した)と判定した場合に(S501:No)、ジェスチャの内容に対応付けられた動作を、画像形成装置1に実行させる。ジェスチャの内容と、画像形成装置1の動作とは、予め対応付けられてHD209などに記憶されている。
【0045】
一例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、ジェスチャセンサ241で「開ジェスチャ」を検知したと判定した場合に(S502:Yes)、給紙トレイモータ235を第1方向に回転させる(S503)。これにより、給紙トレイ104は、閉位置から開位置に移動する。第1実施形態に係る「開ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を右上から左下に横切るジェスチャである。
【0046】
他の例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、ジェスチャセンサ241で「閉ジェスチャ」を検知したと判定した場合に(S504:Yes)、給紙トレイモータ235を第2方向に回転させる(S505)。これにより、給紙トレイ104は、開位置から閉位置に移動する。第1実施形態に係る「閉ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を左上から右下に横切るジェスチャである。
【0047】
また、コントローラ210は、ステップS503、S505において、ジェスチャセンサ241でジェスチャを検知したことを、報知部の一例である操作パネル240を通じてオペレータに報知してもよい。報知の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、パネル表示部240aにメッセージを表示させてもよいし、LEDを点灯または点滅させてもよいし、スピーカからガイド音声を出力してもよい。後述するステップS604、S606、S702、S704、S707、S709においても同様である。
【0048】
なお、給紙トレイ104が開位置または閉位置に到達したことは、給紙トレイモータ235のロータリエンコーダのエンコード値などによって特定できる。また、給紙トレイ104が開位置のときに開ジェスチャを検知した場合、または給紙トレイ104が閉位置のときに閉ジェスチャを検知した場合、コントローラ210は、ステップS503、S505の処理を実行することなく、トレイ開閉処理を終了する。
【0049】
第1実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0050】
第1実施形態によれば、ジェスチャセンサ241に対して足でジェスチャを行うだけで、給紙トレイ104を開閉することができる。換言すれば、ADF103に読み取らせる原稿や、給紙トレイ104にセットする用紙を両手に抱えたままで、給紙トレイ104を開閉することができる。すなわち、オペレータは手が塞がった状態でも画像形成装置1を操作することができる。
【0051】
なお、開ジェスチャ及び閉ジェスチャの具体的な足の動きは、互いに異なっていれば、前述の例に限定されない。また、トレイ開閉処理は、MFP100の給紙トレイ104のみならず、前ドア102にも適用することができる。より詳細には、MFP100は、ドアモータと、ドアモータの回転駆動力を前ドア102に伝達する駆動力伝達機構とを備える。そして、前ドア102は、ドアモータが第1方向に回転すると、閉位置から開位置に向けて回動する。一方、前ドア102は、ドアモータが第1方向と逆向きの第2方向に回転すると、開位置から閉位置に向けて回動する。
【0052】
また、トレイ開閉処理は、大量給紙装置300の大量給紙トレイ302、303の開閉にも適用できる。この場合、コントローラ210は、ジェスチャセンサ305でジェスチャを検知すればよい。さらに、トレイ開閉処理は、インサータ装置400の前ドア402、スタッカ装置500の前ドア502、大量排紙装置600の前ドア602にも適用することができる。この場合、コントローラ210は、インサータ装置400のジェスチャセンサ403、スタッカ装置500のジェスチャセンサ503、大量排紙装置600のジェスチャセンサ603でジェスチャを検知すればよい。
【0053】
なお、本発明は、オペレータの足のジェスチャによって、給紙トレイ104、大量給紙トレイ302、303、MFP100の前ドア102、インサータ装置400の前ドア402、スタッカ装置500の前ドア502、大量排紙装置600の前ドア602を開閉させることに限定されない。すなわち、コントローラ210は、ジェスチャセンサ241で検知したジェスチャの内容を解析し、解析したジェスチャの内容に従って画像形成装置1の様々な動作を制御することができる。以下、第2実施形態において、ジェスチャに従った画像形成装置1の制御の他の例を説明する。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置1の動作を説明する。図6は、印刷制御処理のフローチャートである。図7は、印刷モード変更処理のフローチャートである。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。第2実施形態に係る画像形成装置1は、基本的な構成が第1実施形態と共通し、図6及び図7に示す動作を実行する点で第1実施形態と相違する。
【0055】
第2実施形態に係るコントローラ210は、操作パネル240などを通じてオペレータから連続印刷動作の開始を指示されたことに応じて、図6に示す印刷制御処理を実行する。連続印刷動作とは、複数セット(複数部)の用紙に連続して画像を形成する動作である。各セットに含まれる用紙の数は、1つでもよいし、複数でもよい。すなわち、連続印刷動作は、x枚の原稿それぞれに記録された画像をスキャナ部231に読み取らせ、読み取らせた画像をx枚の用紙それぞれに形成(印刷)することをN回繰り返す。xは1以上の整数であり、Nは2以上の整数である。
【0056】
まず、コントローラ210は、Nセットの連続印刷動作を開始する(S601)。すなわち、コントローラ210は、ADF103にセットされた原稿をスキャナ部231に読み取らせ、読み取らせた画像を印刷モードに従って1セット目の用紙から順に印刷する。すなわち、コントローラ210は、給紙トレイ104に収容された用紙を搬送部233に搬送させ、搬送部233によって搬送された用紙に対して画像形成部234に画像を形成させる処理を、x(枚)×N(セット)回繰り返す。
【0057】
印刷モードは、画像形成部234が用紙に画像を形成する条件を指す。印刷モードは、例えば、セット数(N)、用紙に形成する画像の色(カラー/モノクロ)、用紙の外枠に余白を設定するか否か、画像を形成する用紙の面(片面/両面)、画像が形成された用紙をセット毎にステープルするか否か等を含む。但し、印刷モードの具体例はこれらに限定されない。また、連続印刷動作の印刷モードは、例えば、HD209に予め設定されていてもよいし、操作パネル240を通じてオペレータが指定してもよい。
【0058】
次に、コントローラ210は、足がジェスチャセンサ241を右から左に横切る「停止ジェスチャ」を検知するか(S602)、連続印刷動作が終了するまで(S603)、ステップS604以降の処理の実行を待機する。すなわち、コントローラ210は、ステップS501で説明した映像の解析を、連続印刷動作中に継続して実行している。そして、コントローラ210は、停止ジェスチャを検知する前に連続印刷動作が終了した場合に(S602:No&S603:Yes)、ステップS604以降の処理を実行せずに、印刷制御処理を終了する。
【0059】
一方、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、連続印刷動作中にジェスチャセンサ241で停止ジェスチャを検知した場合に(S603:No&S602:Yes)、連続印刷動作を一時中断する(S604)。なお、停止ジェスチャを検知するまでに、既に第Mセットまでの印刷が終了しているものとする。Mは、N未満の整数である。すなわち、コントローラ210は、第Mセット目の用紙に画像が形成された時点で、ジェスチャセンサ241で停止ジェスチャを検知したことに応じて、連続印刷動作を停止する。
【0060】
次に、コントローラ210は、ジェスチャセンサ241でジェスチャを検知するまで(S605)、ステップS606以降の処理の実行を待機する。そして、コントローラ210は、ジェスチャセンサ241で「再開ジェスチャ」を検知した場合に(S605:Yes)、第(M+1)セット目から連続印刷動作を再開する(S606)。第(M+1)セットとは、既に印刷が終了したセットの次のセットを指す。ステップS605における「再開ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を左から右に横切るジェスチャである。
【0061】
一方、コントローラ210は、再開ジェスチャと異なるジェスチャをジェスチャセンサ241で検知した場合に(S606:No)、ステップS606の処理に代えて、印刷モード変更処理を実行する(S607)。印刷モード変更処理は、一時停止中の連続印刷動作の印刷モードを、オペレータの足のジェスチャによって変更する処理である。
【0062】
一例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、連続印刷動作の停止中にジェスチャセンサ241で「モード変更ジェスチャ」を検知した場合に(S701:Yes)、印刷モードを変更する(S702)。ステップS702における印刷モードの変更の例として、コントローラ210は、連続印刷動作で画像を形成する面を用紙の片面及び両面の一方から他方へ変更する。ステップS701における「モード変更ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を左下から右上に横切るジェスチャである。
【0063】
他の例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、連続印刷動作の停止中にジェスチャセンサ241で「モード変更ジェスチャ」を検知した場合に(S703:Yes)、印刷モードを変更する(S704)。ステップS704における印刷モードの変更の例として、コントローラ210は、連続印刷動作で画像が形成された用紙をセット毎にステープルするか否かを変更する。ステップS703における「モード変更ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を右下から左上に横切るジェスチャである。
【0064】
次に、コントローラ210は、ステップS702、S704で変更した印刷モードを、パネル表示部240aに表示する(S705)。なお、コントローラ210は、ステップS705において、変更した印刷モードのみを表示してもよいし、変更した印刷モードを含む全ての印刷モードを表示してもよい。また、コントローラ210は、全ての印刷モードを表示する場合に、変更した印刷モードの表示態様を他の印刷モードと異ならせてもよい(例えば、点滅表示)。
【0065】
次に、コントローラ210は、印刷モードを変更した後において、連続印刷動作を停止し且つ変更した印刷モードをパネル表示部240aに表示した状態で、ジェスチャセンサ241でジェスチャを検知するまで(S706、S707)、ステップS708以降の処理の実行を待機する。
【0066】
一例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、ジェスチャセンサ241で「リセットジェスチャ」を検知した場合に(S706:Yes)、変更後の印刷モードで連続印刷動作をやり直す(S708)。すなわち、コントローラ210は、ステップS604で一時停止した連続印刷動作を、変更後の印刷モードで第1セット目から改めて開始する。ステップS706における「リセットジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を左上から右下に横切るジェスチャである。
【0067】
すなわち、画像形成装置1は、ステップS708において、変更後の印刷モードに従ってNセットの用紙に画像を形成し直す。例えば、ステップS702で片面印刷から両面印刷に切り替えた場合、既に印刷されたMセット目は片面印刷のままである。このような場合には、既に印刷されたMセットの用紙を破棄し、第1セット目から印刷し直すのが望ましい。
【0068】
他の例として、コントローラ210は、映像信号を解析した結果、ジェスチャセンサ241で「再開ジェスチャ」を検知した場合に(S707:Yes)、変更後の印刷モードで連続印刷動作を再開する(S709)。すなわち、コントローラ210は、ステップS604で一時停止した連続印刷動作を、変更後の印刷モードで第(M+1)セット目から再開する。ステップS707における「再開ジェスチャ」は、例えば、足がジェスチャセンサ241を右上から左下に横切るジェスチャである。
【0069】
すなわち、画像形成装置1は、ステップS709において、変更後の印刷モードに従って(M-N)セットの用紙に画像を形成する。例えば、ステップS704でステープル無からステープル有りに切り替えた場合、既に印刷されたMセットはステープル無のままである。但し、ステープル処理は手作業で行うことができるので、第1~第Mセットのステープルを手作業で行い、第(M+1)セット以降を画像形成装置1にステープルさせればよい。
【0070】
第2実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0071】
第2実施形態によれば、ジェスチャセンサ241に対して足でジェスチャを行うだけで、連続印刷動作の一時停止、再開、やり直し、印刷モードの変更などを行うことができる。換言すれば、ADF103に読み取らせる原稿や、給紙トレイ104にセットする用紙を両手に抱えたままで、連続印刷動作の一時停止、再開、やり直し、印刷モードの変更などを行うことができる。すなわち、オペレータは手が塞がった状態でも画像形成装置1を操作することができる。
【0072】
但し、停止ジェスチャ、再開ジェスチャ、リセットジェスチャ、モード変更ジェスチャの具体的な足の動きは、前述の例に限定されない。また、モード変更ジェスチャによって変更される印刷モードの具体例は、前述の例に限定されない。すなわち、変更対象の複数の印刷モードが、互いに異なるモード変更ジェスチャと一対一に対応付けられて、HD209に記憶されていればよい。
【0073】
また、第2の実施形態では、連続印刷動作を停止した状態でモード変更ジェスチャを受け付ける例を説明したが、連続印刷動作中にモード変更ジェスチャを受け付けてもよい。この場合、コントローラ210は、第Mセット目の用紙に画像を形成中にモード変更ジェスチャを検知した場合に、変更後の印刷モードに従って第(M+1)セット目以降の用紙に画像を形成すればよい。
【0074】
また、第2の実施形態では、印刷モードを変更するジェスチャ(S701、S703)と、連続印刷動作を再開またはやり直すジェスチャ(S706、S707)とを別々に受け付ける例を説明したが、これらを統合したジェスチャを設けてもよい。すなわち、コントローラ210は、印刷モードを変更して第1セット目から連続印刷動作をやり直すジェスチャと、印刷モードを変更して第(M+1)セット目から連続印刷動作を再開するジェスチャとを、ジェスチャセンサ241を通じて受け付けてもよい。
【0075】
また、第2の実施形態において、コントローラ210は、リセットジェスチャ(S706)及び再開ジェスチャ(S707)に代えて、OKジェスチャまたはNGジェスチャを受け付けてもよい。コントローラ210は、ジェスチャセンサ241でOKジェスチャを検知した場合に、変更後の印刷モードで連続印刷動作を再開(または、やり直し)すればよい。一方、コントローラ210は、ジェスチャセンサ241で再変更ジェスチャを検知した場合に、ステップS701以降の処理を再び実行すればよい。
【0076】
また、第2実施形態において、ジェスチャを検知するのは、MFP100のジェスチャセンサ241に限定されない。他の例として、大量給紙装置300のジェスチャセンサ305、インサータ装置400のジェスチャセンサ403、スタッカ装置500のジェスチャセンサ503、大量排紙装置600のジェスチャセンサ603がジェスチャを検知してもよい。例えば、オペレータは、大量排紙装置600の排紙トレイ605に排出された用紙を確認して印刷モードの間違いに気づいた場合に、ジェスチャセンサ603に対して停止ジェスチャを行えばよい。
【0077】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0078】
明細書中の対応テーブル(表)は、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよい。また、ジェスチャの内容と画像形成装置1の動作とを機械学習にて分類付けすることで、対応テーブルを使用しなくてもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1:画像形成装置
100:MFP
101,301,401,501,601:筐体
102,402,502,602:前ドア
104a,104b,104c:給紙トレイ
201:CPU
202a:ROM
202b:RAM
205,206:ASIC
208:HDDコントローラ
210:コントローラ
220:近距離通信I/F
220a:近距離通信回路
221:AGPバス
222:PCIバス
230:エンジン制御部
231:スキャナ部
232:プリンタ部
233:搬送部
234:画像形成部
235:給紙トレイモータ
236:ラック
237:ピニオン
240:操作パネル
240a:パネル表示部
240b:操作パネル
241,305,403,503,603:ジェスチャセンサ
250:ネットワークI/F
300:大量給紙装置
302,303:大量給紙トレイ
304:搬送部
400:インサータ装置
500:スタッカ装置
504:トレイ
505:台車
600:大量排紙装置
604:内部トレイ
605:排紙トレイ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【文献】特開2018-067875号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7